JP5737551B2 - 汚染土壌または地下水の浄化方法および装置 - Google Patents

汚染土壌または地下水の浄化方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、ベンゼン等の揮発性有機化合物(VOC)で汚染された汚染土壌または地下水の浄化方法および装置に関するものである。
従来、ベンゼンやトリクロロエチレンのような揮発性有機化合物で汚染された土壌や地下水を浄化する方法として、汚染土壌や地下水中に空気を送り込んで汚染物質の気化を促進し、ガス化した汚染物質を回収するエアースパージング法が知られている(例えば、特許文献1参照)。エアースパージング法とは、空気を送り込むことで揮発性物質を液相から気相に転移させ、不飽和層に移った揮発性物質のガスをブロワーで吸引することによって浄化する技術である。一方、酸素が充分に供給された場合には、土壌中に生息する好気性微生物が活性化されて汚染物質の分解が促進されることも期待できる。
特許文献1の浄化方法は、塩素化エチレン等の揮発性有機塩素化合物により汚染された地下水を含む地盤内にスパージング井戸を設け、このスパージング井戸の下端から気体と栄養源(有機物材料)を含有する液体とを地盤に向けて注入することで、スパージングによる汚染物質ガスの除去および回収、酸素と栄養源の供給による微生物処理、揚水井戸による汚染地下水の揚水処理などで、汚染地下水を浄化する方法である。
一方、微生物の作用により油を分解する油汚染土壌浄化方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2の浄化システムは、栄養源(分解促進物質)と微細気泡含有水とを各々注入井戸に入れて土壌の浄化を行うものである。ここで、栄養源(分解促進物質)は注入井戸の上部から供給し、微細気泡含有水は注入井戸の下部から供給することが示されている。
特開2009−45558号公報 特開2009−6304号公報
上記の従来の特許文献1等の汚染土壌または地下水の浄化方法では、汚染土壌中に注入された気体は上方へ向かい易く、水平方向に拡散しにくい。この場合、図5に示すように、スパージング井戸2の下端4周囲の地下水で飽和された土壌6の水平領域に、汚染物質が気化あるいは分解されずに残存する部分Pができるおそれがある。
本発明は、ベンゼン等の揮発性有機化合物で汚染された土壌に注入される微細気泡液の拡散範囲を拡げることができ、しかも微生物の活性化を促進させることができる汚染土壌または地下水の浄化方法および装置を提供することを目的とする。
土壌浄化が行われる土壌中において汚染物質が気化あるいは分解されずに残存する部分が生じないようにするという目的を達成するために、本発明の請求項1に係る汚染土壌または地下水の浄化方法は、汚染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化する方法であって、汚染土壌に管状の注入井戸を形成する工程と、微細気泡と、前記汚染土壌中に生息している微生物による前記揮発性有機化合物の分解を促進させる栄養源(分解促進物質)とを含む液体を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して送り込む際に同時に空気を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して注入することにより、前記汚染土壌中に注入される液体と空気の拡散範囲を広範囲に拡げて前記汚染土壌中に供給される空気および前記微細気泡に含まれる酸素の到達する距離を拡げる工程とを含み、前記汚染土壌中に送り込んだ空気を回収することなく、前記汚染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る汚染土壌または地下水の浄化方法は、上述した請求項1において、前記液体に含まれる微細気泡は、ミリバブルおよび直径50μm以下のマイクロバブルや直径1μm以下のナノバブルであることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係る汚染土壌または地下水の浄化方法は、上述した請求項1または2において、ガスを利用して前記微細気泡を製造する際に、前記微細気泡の製造に利用されなかった未利用ガスの回収および再利用を行うことを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る汚染土壌または地下水の浄化方法は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、注入口の深度位置が異なる前記注入井戸を前記汚染土壌に複数形成したことを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る汚染土壌または地下水の浄化装置は、汚染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化する装置であって、汚染土壌に設けた管状の注入井戸と、微細気泡と、前記汚染土壌中に生息している微生物による前記揮発性有機化合物の分解を促進させる栄養源(分解促進物質)とを含む液体を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して送り込む際に同時に空気を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して注入することにより、前記汚染土壌中に注入される液体と空気の拡散範囲を広範囲に拡げて前記汚染土壌中に供給される空気および前記微細気泡に含まれる酸素の到達する距離を拡げる手段とを備え、前記汚染土壌中に送り込んだ空気を回収することなく、前記汚染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化することを特徴とする。
また、本発明の請求項6に係る汚染土壌または地下水の浄化装置は、上述した請求項5において、前記液体に含まれる微細気泡は、ミリバブルおよび直径50μm以下のマイクロバブルや直径1μm以下のナノバブルであることを特徴とする。
また、本発明の請求項7に係る汚染土壌または地下水の浄化装置は、上述した請求項5または6において、ガスを利用して前記微細気泡を製造する際に、前記微細気泡の製造に利用されなかった未利用ガスの回収および再利用を行うガス回収機構をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明の請求項8に係る汚染土壌または地下水の浄化装置は、上述した請求項5〜7のいずれか一つにおいて、注入口の深度位置が異なる前記注入井戸を前記汚染土壌に複数設けたことを特徴とする。
本発明によれば、揮発性有機化合物を原位置で浄化する微細気泡液含有水による浄化方法であり、汚染土壌に管状の注入井戸を形成する工程と、前記微細気泡を含む液体を前記汚染土壌中の広範囲に供給する工程と、空気を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して送り込む工程とを含んでいる。微細気泡を含む液体を注入し、併せて空気を汚染土壌中に注入できるので、土壌に注入される液体と空気の拡散範囲を広範囲に拡げることができる。
また、汚染土壌中に微細気泡を含む液体と空気とを併せて注入することで、地下水中の溶存酸素量が増大するため、土壌中に生息する好気性微生物の活性化を促進させることができる。したがって、ベンゼン等の揮発性有機化合物で汚染された広範囲の汚染土壌または地下水を効率的に浄化することができる。
図1は、本発明に係る汚染土壌または地下水の浄化装置の実施例1を示す側断面図である。 図2は、本発明に用いる微細気泡の径と数の関係の一例を示す図である。 図3は、微細気泡を用いた場合の浄化状況を示す図である。 図4は、微細気泡を用いない場合の浄化状況を示す図である。 図5は、従来の汚染土壌または地下水の浄化状況の概念図である。 図6は、本発明に係る汚染土壌または地下水の浄化装置の実施例2を示す斜視図である。 図7は、従来の汚染土壌または地下水の浄化装置を示す斜視図である。 図8は、本発明に係る汚染土壌または地下水の浄化装置の実施例3を示す側断面図である。 図9は、従来の汚染土壌または地下水の浄化装置を示す側断面図である。
以下に、本発明に係る汚染土壌または地下水の浄化方法および装置の実施の形態(実施例1〜3)を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すように、本発明の実施例1に係る汚染土壌または地下水の浄化装置(以下、単に「浄化装置」という。)100は、汚染地下水を含む土壌6に設けた管状の注入井戸12と、注入井戸12を介して土壌6に微細気泡含有水を供給する液体供給装置18と、空気Aを供給する気体供給装置14とを備え、汚染土壌6または地下水中のベンゼンや油等の揮発性有機化合物を微細気泡液含有水によって原位置で浄化するものである。
この浄化装置100は、微細気泡を含む液体W(微細気泡含有液体)を生成する微細気泡液生成装置16(微細気泡液生成手段)と、液体Wを注入井戸12を介して土壌6に供給する液体供給装置18(液体供給手段)とを備える。
注入井戸12は、汚染土壌6または地下水の浄化に必要な液体Wと空気Aの供給が可能な内径を有し、その下端近傍に開口部を有する管状体で構成してある。この開口部には、通気および通水が可能なスクリーン20が設けてあり、注入井戸12内への土砂の侵入を防ぐ一方、注入井戸12から土壌6への液体Wおよび空気Aの供給を可能としている。また、注入井戸12の上端には、液体供給装置18の送液パイプ24と、気体供給装置14の送気パイプ22とが接続してある。なお、注入井戸12は鋼管に限るものではなく、液体Wと空気Aを汚染土壌6中に供給可能な管状体であれば他の材質で構成しても構わない。
液体供給装置18は、微細気泡液生成装置16で生成され、微細気泡含有栄養剤貯蔵タンク42に設置してある微細気泡吐出ノズル43から放出された微細気泡を含有する液体Wを送液パイプ24に送り出す送液ポンプ36と、制御部37とからなる。送液パイプ24の所定の位置には、供給する液体Wの量を調整するためのバルブ38、液量センサ40が設けてある。
気体供給装置14は、空気Aを注入井戸12を介して汚染土壌6中に供給するためのものであり、地表8上に配置してある。この気体供給装置14は、空気Aを送気パイプ22に圧送するコンプレッサ28からなる。送気パイプ22の所定の位置には、供給する空気Aの量を調整するためのバルブ30、流量センサ32、圧力センサ34が設けてある。
制御部37は、送液ポンプ36からの液体Wの供給が開始される供給開始タイミングを供給直前に検知し、検知した供給開始タイミングに応じて気体供給装置14からの空気Aの圧送を開始する駆動タイミングを制御するためのものである。制御部37は、コンプレッサ28の動作や、バルブ30の開閉動作も制御可能としてある。
微細気泡液生成装置16は、微細気泡としてのミリバブルおよびマイクロバブルやナノバブルを含む液体W(微細気泡含有液体)を生成するためのものであり、地表8上に配置してある。ここで、本発明に用いる液体Wに含まれる微細気泡は、ミリバブルおよび直径50μm以下のマイクロバブルや直径1μm以下のナノバブルである。例えば、図2に示すように、直径50μm以下のマイクロバブルまたはミリバブルを含む。微細気泡の原料としては、空気や酸素、オゾン等を用いることができる。また、液体の原料としては、水道水や地下水等を用いることができる。
直径50μm以下の微細気泡の特徴としては、通常の気泡(数mm〜50μm程度)に比べて(1)水中での上昇速度が遅い、(2)気泡内の圧力が高い、(3)気液面積が大きい、(4)気泡表面が負に帯電していることなどが知られている(参考文献「微細気泡の最新技術、高橋他、エヌ・ティー・エス、2006年」参照)。特に、微細気泡は、水中で縮小して最終的には消滅したり、長期間にわたって水中に存在するという特徴がある。これに対し、通常の気泡は、水中を上昇して水面で破裂するという特徴がある。
また、微細気泡の数や粒径分布などは製造原理によって異なっており、代表的な製造原理としては、(1)加圧溶解方式、(2)旋回方式、(3)スタティックミキサー方式などがある(参考文献「マイクロバブル発生法と工業装置への適用、寺坂、環境浄化技術、vol.6(11)、pp.13−17、2007年」参照)。
上記構成の動作および作用について説明する。
送液ポンプ36を駆動すると、微細気泡含有栄養剤貯蔵タンク42の微細気泡吐出ノズル43から吐出されたマイクロバブルおよびミリバブルからなる微細気泡を含む液体Wが、送液パイプ24を介して注入井戸12に送り出される。液体Wの供給を開始する供給開始タイミングは、供給直前に制御部37に検知され、制御部37は、液体Wを汚染土壌6中に送り込む際に同時に送ることができるようになっており、空気Aを汚染土壌6中に圧送するようにコンプレッサ28の駆動タイミングを制御する。
コンプレッサ28が駆動されると、空気Aが送気パイプ22を介して注入井戸12に送り込まれる。こうして、注入井戸12に同時に送り込まれた液体Wと空気Aは、下端のスクリーン20から汚染土壌6中に注入される。
このように、微細気泡を含む液体Wを汚染土壌6中に送り込む際に同時に空気Aを注入することにより、汚染土壌6に注入される空気Aや微細気泡に含まれる酸素の到達する距離(注入井戸12を中心とする水平方向の影響半径)を拡げることができる。このため、図5に示すように、従来のエアースパージング法では困難であったスパージング井戸2の下端4周囲の土壌6の水平領域に汚染物質が気化あるいは分解されずに残存する部分Pができるのを防ぐことができる。
微細気泡は水中に溶け易く、あるいは長期間保持され易いため、地下水中の溶存酸素量が増加し、土壌中の好気性微生物の活性化を促進することができる。したがって、ベンゼン等の揮発性有機化合物で汚染された広範囲の汚染土壌または地下水を、従来のエアースパージング法のみを適用した場合よりも短期間で効率的に浄化することができる。
図3は、微細気泡を用いた場合の土壌中の浄化状況の概念図を示したものである。図3に示すように、シルト層と飽和層と不飽和層からなる土壌に設けた注入井戸12に微細気泡を含む液体Wを注入すると、微細気泡を含む液体W(栄養剤)の土壌への供給エリアは広くなるので、広範囲の好気性微生物の活性化が早期に促進される。これにより、短期間で確実な浄化が可能となる。しかも、この浄化効果は土壌中で長期間維持される。
これに対し、微細気泡を用いない従来の浄化方法の場合には、図4に示すように、空気の土壌への供給エリアが狭くなるので好気性微生物の活性化の範囲が狭まるとともに、浄化効率は微細気泡を用いる本発明に比べて劣る。空気を常時供給する手間や汚染物質を抽出したガス回収設備等も必要となるので、これによるコストアップを招くというデメリットもある。
なお、上記の実施の形態において、注入井戸12の深度は、確実に汚染土壌6または汚染地下水への液体Wと空気Aの供給ができる深さであれば限定されるものではない。さらに、注入井戸12の本数は、1本に限定されるものではなく、注入井戸12からの空気Aおよび液体Wの到達距離(影響範囲)、浄化対象の範囲、空気Aおよび液体Wの注入量や注入圧力等に応じて適宜設定することができる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
上述したように、本発明の実施例1は、微細気泡含有水を土壌中に注入することで好気性微生物の活性化させ、ベンゼンや油等の揮発性有機化合物を分解するものである。微細気泡の原料として空気を用いる場合には、図7に示すような装置構成を用いることができる。
図7の装置は、微細気泡含有水貯蔵タンク42aと、貯留用水槽50と、栄養剤貯留槽60と、空気貯蔵タンク62とを備える。貯留用水槽50からの水は、ポンプ48を介して微細気泡含有水貯蔵タンク42aに送られる。空気貯蔵タンク62からの空気は、バルブ64cおよび微細気泡液生成装置16を介して、経路52から微細気泡含有水貯蔵タンク42a内の微細気泡吐出ノズル43に送られる。微細気泡含有水貯蔵タンク42aの微細気泡含有水には栄養剤貯留槽60からの栄養剤がバルブ64aまたは64bを介して混合され、送液ポンプ36および送液パイプ24によって図示しない注入井戸に送られる。なお、微細気泡液生成装置16は経路54およびバルブ64eを介して貯留用水槽50からの水の供給を受けるようになっている。
この図7の装置構成において、溶存酸素濃度を高めるために、空気の代わりに純酸素などの比較的高価な特殊ガスを使用することもできるが、この場合には、特殊ガスの使用効率を高めることが好ましい。
そこで、本発明の実施例2に係る汚染土壌または地下水の浄化装置200は、高価な特殊ガスの使用効率を高めるために、特殊ガスを装置内で循環させる構成としてある。すなわち、図6に示すように、この浄化装置200は、微細気泡含有水貯蔵タンク42aと、貯留用水槽50と、栄養剤貯留槽60と、特殊ガス貯蔵タンク46と、ガス回収機構44とを備える。図7の装置構成との差異点は、ガス回収機構44を備える点と、空気貯蔵タンク62の代わりに特殊ガス貯蔵タンク46を備える点である。ガス回収機構44は、蓋58と、バルブ64dを有する循環用の経路56とからなる。
図6に示すように、貯留用水槽50からの水は、ポンプ48を介して微細気泡含有水貯蔵タンク42aに送られる。特殊ガス貯蔵タンク46からの特殊ガスは、バルブ64cおよび微細気泡液生成装置16を介して、経路52から微細気泡含有水貯蔵タンク42a内の微細気泡吐出ノズル43に送られる。細気泡含有水貯蔵タンク42aの微細気泡含有水には栄養剤貯留槽60からの栄養剤がバルブ64aまたは64bを介して混合され、送液ポンプ36および送液パイプ24によって図示しない注入井戸に送られる。なお、微細気泡液生成装置16は経路54およびバルブ64eを介して貯留用水槽50からの水の供給を受けるようになっている。
蓋58は、微細気泡含有水貯蔵タンク42a内の特殊ガスの揮散を防止するためものであり、タンク42aの上部に被せてある。循環用の経路56は、この蓋58を貫通して微細気泡含有水貯蔵タンク42a内部に連通している。微細気泡の製造に利用されずに微細気泡含有水貯蔵タンク42a内で揮散した未利用のガスは、経路56を通じて回収され、微細気泡液生成装置16の入り口側に戻された後、経路52で微細気泡吐出ノズル43に送られて微細気泡の製造のために再利用される。
本実施例2によれば、特殊ガスを微細気泡の製造原料として利用する場合に、製造に利用されずに揮散した未利用のガスを蓋58と経路56とからなるガス回収機構44で回収し再利用するので、特殊ガスの使用効率が高められる。このため、高価な特殊ガスからなる微細気泡を比較的低コストで製造することができる。
[実施例3]
次に、実施例3について説明する。
従来は、図9に示すように、栄養剤貯留槽60および微細気泡含有栄養剤貯蔵タンク42からの微細気泡含有水を、注入井戸12の外周に設けたスクリーン20を介して土壌6に注入していた。この場合、注入する深度の幅が大きいほど土壌中へ注入する液体が水平・垂直方向に均等に行き渡らないことが懸念される。
そこで、本発明の実施例3に係る汚染土壌または地下水の浄化装置300では、図8に示すように、下部に注入口66を有する注入井戸12を、注入口66の深度を変えて複数(図では3本)配置している。各注入口66毎の注入量や注入圧力は図示しない制御装置により変更可能としてある。このため、この各注入量や圧力を適宜調整すれば、微細気泡含有水を各注入口66を介して土壌6中に均等に行き渡らせることができる。微細気泡を土壌中に均等に拡散させることにより、好気性微生物による酸素消費が促進され、周辺土壌の効率的な浄化が可能となる。
なお、注入井戸12の数を増減することによって、浄化対象深度の幅の大小に対応することができる。例えば、浄化対象深度の幅が大きい場合には注入井戸12の数を増やして対応すればよい。
以上説明したように、本発明によれば、揮発性有機化合物を原位置で浄化する微細気泡液含有水による浄化方法であり、汚染土壌に管状の注入井戸を形成する工程と、前記微細気泡を含む液体を前記汚染土壌中の広範囲に供給する工程と、空気を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して送り込む工程とを含んでいる。微細気泡を含む液体を注入し、併せて空気を汚染土壌中に注入できるので、土壌に注入される液体と空気の拡散範囲を広範囲に拡げることができる。
また、汚染土壌中に微細気泡を注入することで、土壌間隙水中の溶存酸素量が増大し、原位置の微生物の活性化を促進させる。このため、土壌に注入される気体の影響範囲を拡げることができ、しかも原位置に生息する好気性微生物の活性化を促進させることができる。したがって、ベンゼン等の揮発性有機化合物で汚染された広範囲の汚染土壌または地下水を効率的に浄化することができる。
以上のように、本発明に係る汚染土壌または地下水の浄化方法および装置は、汚染土壌や地下水を原位置で浄化する場合に有用であり、特に、ベンゼン等の揮発性有機化合物で汚染された土壌や地下水を原位置で好気的に浄化処理する微細気泡含有水による浄化方法に適している。
2 スパージング井戸
6 土壌
8 地表
12 注入井戸
14 気体供給装置
16 微細気泡液生成装置(微細気泡液生成手段)
18 液体供給装置(液体供給手段)
20 スクリーン
22 送気パイプ
24 送液パイプ
28 コンプレッサ
30 バルブ
32 流量センサ
34 圧力センサ
36 送液ポンプ
37 制御部
38 バルブ
40 液量センサ
42 微細気泡含有栄養剤貯蔵タンク
43 微細気泡吐出ノズル
44 ガス回収機構
66 注入口
100 汚染土壌または地下水の浄化装置(実施例1)
200 汚染土壌または地下水の浄化装置(実施例2)
300 汚染土壌または地下水の浄化装置(実施例3)
W 液体
A 空気

Claims (8)

  1. 染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化する方法であって、
    汚染土壌に管状の注入井戸を形成する工程と、
    細気泡と、前記汚染土壌中に生息している微生物による前記揮発性有機化合物の分解を促進させる栄養源(分解促進物質)とを含む液体を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して送り込む際に同時に空気を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して注入することにより、前記汚染土壌中に注入される液体と空気の拡散範囲を広範囲に拡げて前記汚染土壌中に供給される空気および前記微細気泡に含まれる酸素の到達する距離を拡げる工程とを含み、
    前記汚染土壌中に送り込んだ空気を回収することなく、前記汚染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化することを特徴とする汚染土壌または地下水の浄化方法。
  2. 前記液体に含まれる微細気泡は、ミリバブルおよび直径50μm以下のマイクロバブルや直径1μm以下のナノバブルであることを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌または地下水の浄化方法。
  3. ガスを利用して前記微細気泡を製造する際に、前記微細気泡の製造に利用されなかった未利用ガスの回収および再利用を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の汚染土壌または地下水の浄化方法。
  4. 注入口の深度位置が異なる前記注入井戸を前記汚染土壌に複数形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の汚染土壌または地下水の浄化方法。
  5. 染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化する装置であって、
    汚染土壌に設けた管状の注入井戸と、
    細気泡と、前記汚染土壌中に生息している微生物による前記揮発性有機化合物の分解を促進させる栄養源(分解促進物質)とを含む液体を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して送り込む際に同時に空気を前記汚染土壌中に前記注入井戸を介して注入することにより、前記汚染土壌中に注入される液体と空気の拡散範囲を広範囲に拡げて前記汚染土壌中に供給される空気および前記微細気泡に含まれる酸素の到達する距離を拡げる手段とを備え
    前記汚染土壌中に送り込んだ空気を回収することなく、前記汚染土壌または地下水に含まれる揮発性有機化合物を原位置で浄化することを特徴とする汚染土壌または地下水の浄化装置。
  6. 前記液体に含まれる微細気泡は、ミリバブルおよび直径50μm以下のマイクロバブルや直径1μm以下のナノバブルであることを特徴とする請求項5に記載の汚染土壌または地下水の浄化装置。
  7. ガスを利用して前記微細気泡を製造する際に、前記微細気泡の製造に利用されなかった未利用ガスの回収および再利用を行うガス回収機構をさらに備えることを特徴とする請求項5または6に記載の汚染土壌または地下水の浄化装置。
  8. 注入口の深度位置が異なる前記注入井戸を前記汚染土壌に複数設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の汚染土壌または地下水の浄化装置。
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