JP2009008237A - エンジン騒音低減装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】防音カバーをダンパーに対して着脱する作業もしくはダンパーを軸に対して着脱する作業を容易化し、加えて、優れたエンジン騒音低減効果を発揮するエンジンの騒音低減装置を提供する。
【解決手段】軸に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したダンパー1に装着される防音カバー11を有するエンジン騒音低減装置であって、防音カバー11は、円盤状を呈し、その外周部に設けたダンパー1に対する装着部12の内周側に径方向に伸縮する蛇腹構造13を有する。また、蛇腹構造13の内周側にマス部14を有し、蛇腹構造13をバネおよびマス部14を慣性質量体とするダイナミックダンパー16を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置に関するものである。
従来から、この種のエンジン騒音低減装置として図10に示すものが知られており、この図10のエンジン騒音低減装置においては、ダンパー51のハブ52の正面に、円盤状に成形されたゴム状弾性材料からなる防音カバー61が配置され、その外周に形成された複数の係止突起62が、ハブ52のリム部の内周面に形成された円周溝53に嵌着されることによって、ハブ52に係止されるとともに、背面に突設された回り止め突起63が、ハブ52に開設された穴54に挿入されることによって、ハブ52に対して回り止めされている(特許文献1参照)。
ここで、点検やメンテナンスなどにおいて、ダンパー51をクランクシャフト71から取り外す場合、ハブ52をクランクシャフト71に固定しているボルト72を取り外すためには、先ず防音カバー61をハブ52から取り外す必要がある。しかしながら上記従来のエンジン騒音低減装置によれば、防音カバー61は外径が比較的大きい単純な円盤状であって、手指で容易に掴むことができず、しかも肉厚を大きくして所要の剛性を確保することによってハブ52との係止状態が維持されるようになっているため、いったん装着した後は、容易に取り外すことができなかった。
特開2003−216160号公報 特開2005−282852号公報
本発明は以上の点に鑑みて、着脱作業(防音カバーをダンパーに対して着脱する作業もしくはダンパーをクランクシャフト(軸)に対して着脱する作業)を容易化することができるエンジン騒音低減装置を提供することを目的とする。またこれに加えて、優れたエンジン騒音低減効果を発揮することができるエンジン騒音低減装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1によるエンジン騒音低減装置は、軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、前記防音カバーは、円盤状を呈し、その外周部に設けた前記ダンパーに対する装着部の内周側に径方向に伸縮する蛇腹構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2によるエンジン騒音低減装置は、上記した請求項1記載のエンジン騒音低減装置において、防音カバーは、蛇腹構造の内周側にマス部を有し、前記蛇腹構造をバネおよび前記マス部を慣性質量体とするダイナミックダンパーを有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3によるエンジン騒音低減装置は、上記した請求項1記載のエンジン騒音低減装置において、防音カバーは、その装着部よりも蛇腹構造のほうがハブのステー部側に突出する形状を有し、装着時、前記蛇腹構造は前記ステー部に当接する構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4によるエンジン騒音低減装置は、軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、前記防音カバーは、環状を呈しかつ断面略L字形を呈し、前記ハブのステー部に設けたスケルトン穴を閉塞すべく前記ステー部の端面部およびリム部の内周部に装着される構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項5によるエンジン騒音低減装置は、軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、前記防音カバーは、円盤状を呈し、前記ゴム状弾性体の一端部に装着される構造を有することを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6によるエンジン騒音低減装置は、軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、前記防音カバーは、円盤状を呈し、前記振動リングの一端部に装着される構造を有し、更に前記防音カバーは、ピン状の差し込み部を備えた固定部品を用いて前記振動リングの一端部に装着される構造を有することを特徴とするものである。
更にまた、本発明の請求項7によるエンジン騒音低減装置は、軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、前記防音カバーは、円盤状を呈し、前記振動リングの一端部に装着される構造を有し、更に前記防音カバーは、前記ハブおよびゴム状弾性体よりも軸方向一方に突出する形状の振動リングの一端部に装着される構造を有することを特徴とするものである。
上記構成を有する本発明の請求項1による騒音低減装置においては、防音カバーの装着部の内周側に径方向に伸縮する蛇腹構造が設けられているために、この蛇腹構造が伸縮することによって防音カバーはその外径寸法を拡大縮小することが可能とされている。したがって、防音カバーをダンパーに装着する際に防音カバーの外径寸法を縮小させることにより防音カバーをダンパーに対して容易に装着することが可能となり、また防音カバーをダンパーから取り外す際に防音カバーの外径寸法を縮小させることにより防音カバーをダンパーから容易に取り外すことが可能となり、これらにより防音カバーをダンパーに対して着脱する作業を容易化することができる。また、蛇腹構造を設けた防音カバーには、薄膜状の蛇腹による吸音率が高いと云う特徴もある。
またこれに加えて、本発明の請求項2による騒音低減装置においては、蛇腹構造の内周側にマス部が設けられ、蛇腹構造を共振系のバネとするとともにマス部を共振系の慣性質量体とするダイナミックダンパー(動的吸振器)が設けられているために、このダイナミックダンパーが吸振(吸音)作用を発揮することによって、優れた騒音低減効果を発揮することができる。この種の放射音で問題となる周波数は比較的高周波であることから、ゴム構造(防音カバー)をマス部とするダイナミックダンパーであっても、十分な吸振効果を期待することができる。
また、本発明の請求項3による騒音低減装置においては、防音カバーの装着部よりも蛇腹構造のほうがハブのステー部側に突出する形状とされ、装着時、蛇腹構造がステー部に当接する構造とされているために、放射音増幅の原因となるエアボリューム(蛇腹構造およびステー部間のエアボリューム)を縮小させることが可能とされている。したがって、発生する放射音レベルを低減させ、優れた騒音低減効果を発揮することができる。
また、本発明の請求項4による騒音低減装置においては、防音カバーが環状であってかつ断面略L字形とされ、ハブのステー部に設けたスケルトン穴を閉塞すべくステー部の端面部およびリム部の内周部に装着される構造とされているために、ダンパーを軸に対して着脱する際にいちいち防音カバーをダンパーから取り外す必要がない。したがって、ダンパーを軸に対して着脱する作業を容易化することができる。また、スケルトン穴を防音カバーで閉塞することによって、スケルトン穴を通過してくるエンジンからの放射音を有効に低減させることができる。
また、本発明の請求項5による騒音低減装置においては、防音カバーをゴム状弾性体の一端部に装着する構造とされているために、防音カバーをダンパーに対して着脱する際にその作業を軸方向から行なうことが可能とされている。したがって、防音カバーをハブのリム部の内周に装着する従来技術との対比で、着脱作業を容易化することができる。
また、本発明の請求項6による騒音低減装置においては、防音カバーを振動リングの一端部に装着し、しかもピン状の差し込み部を備えた固定部品を用いて装着する構造とされているために、防音カバーをダンパーに対して着脱する際にその作業を軸方向一方から行なうことが可能とされている。したがって、防音カバーをハブのリム部の内周に装着する従来技術との対比で、着脱作業を容易化することができる。
更にまた、本発明の請求項7による騒音低減装置においては、防音カバーを振動リングの一端部に装着し、しかもハブおよびゴム状弾性体よりも軸方向一方に突出する形状の振動リングの一端部に装着する構造とされているために、防音カバーをダンパーに対して着脱する際にその作業を比較的大径の部品(振動リングはハブよりも大径の部品である)に対して行なうことになる。したがって、防音カバーをハブのリム部の内周に装着する従来技術との対比で、着脱作業を容易化することができる。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)請求項1および2関連・・・
(1−1)本発明は、自動車用エンジン、エンジン全般などに用いられるエンジン騒音低減装置についての発明である。
(1−2)従来技術では、トーショナルダンパーのハブに溝部を設けて防音カバーの数箇所の係止部で取り付けることで脱着性を高めているが、防音カバーが単純なゴムの板状であるため、防音効果が小さかった。防音カバーとしてはハブへの保持力を持たせるために剛性の高いゴムを使用しており、結果としてダンパーからの取り外しが非常に大変であった。ヘラなどを使って取り外しているのが現状で、無理やり外そうとするため、ゴムを傷付けてしまう問題もあった。
(1−3)上記したように従来は脱着性向上のために円周上に係止部を設定しているが、まだ脱着性が不十分である。そのため、防音カバーの係止部以外の剛性を下げるために、弾性体を蛇腹状に設定し、脱着時の剛性のみを下げる。また、弾性体を蛇腹状にすることで吸音率を向上させる。また、蛇腹の中心部は円柱状のゴム構造として、蛇腹部をばね、円柱状のゴム構造をマスとする動的吸振機を構成する。放射音で問題となる周波数は比較的高周波となるため、ゴム構造をマスとする動的吸振機でも防音効果を確保することができる。更に、マスにおける蛇腹部の付け根をエンジン側に設けることにより、マス部を掴み易くすることができる。
(1−4)上記構成によれば、脱着性が大幅に向上し、蛇腹構造により吸音率が上がり、動的吸振機の機能も確保することができる。また、マスにおける蛇腹部の付け根をエンジン側に設けることによりマス部を掴み易くすることができ、取り外しが容易になる。
(2)請求項1および3関連・・・
(2−1)本発明は、自動車、農機・工機・小型船舶などに用いられる遮音カバーについての発明である。
(2−2)従来技術においては、遮音カバーの外周に設けた突起をハブの全周に設けた溝に嵌め込み装着しているが、ゴム剛性が高いうえ、手で引っ掛ける部分がないために、手で取り外すことが困難である。また、遮音カバー自体が単純なゴム板状であるために、防音(吸音)効果が小さい。また、剛性のある遮音カバーをハブ内周の掛かり止めで嵌め込み固定するため、ハブステーとの空間(エアボリューム)が大きくなり、放射音の発生が大きい。
(2−3)上記従来技術の問題点を解決するために、本発明では以下の構成を採る。すなわち、遮音カバーの掛かり止め部以外の剛性を下げるため、ゴム弾性部を蛇腹構造とする。ゴム部を蛇腹構造としたことで、このゴム弾性を利用し、エンジン側に向けて押え付けることができ、その結果、ハブ内周からステー部、更にセンターボルトまで(ハブフロント全面)をゴム面と密着させることができる構造となっている。
(2−4)上記構成によれば、蛇腹構造により、遮音カバー自体の剛性を抑えることができ、取り付け・取り外しが容易にできる。また、蛇腹構造により、手で引っ掛ける部分ができ、脱着性が向上する(ボルトの辺り)。また、蛇腹構造により、吸音効果もある。また、蛇腹構造により、遮音カバーのゴム面とハブフロント面を密着させることができ、放射音増幅の原因となるエアボリュームを少なくすることが可能である(放射音自体の低減)。また付帯効果として、取り付け・取り外しが容易なことで、再利用が可能であり、作業性の他、コストメリットも高い。また、遮音カバーをハブの内周面に這わせているので、遮音カバーは遠心力でハブの内周面にへばりつき、外れにくい。したがってゴムの剛性が低くても適用可能である。
(3)請求項4関連・・・
(3−1)本発明は、自動車分野、農業機械・工業機械などに用いられるエンジン騒音低減装置についての発明である。
(3−2)従来技術では、ハブおよび弾性体の遮音カバーにそれぞれ対称的突起形状を設け、トーショナルダンパーを組み付け後に、手動にて取り付けまたは取り外しをしている。その取り付けおよび取り外し作業は想定以上に困難でスムーズにできないのが問題点として挙げられる。ダンパーをエンジンに組み付け後に遮音カバーを取り付ける必要があり、ダンパーをエンジンから外すためにはその都度、遮音カバーを外さねばならない。また、スケルトン孔があるタイプ(ハブ軽量化のために孔を開けている)は、エンジンからの放射音を通しやすく騒音問題となる。
(3−3)上記従来技術の問題点を解消するために、本発明では、ハブの内周部に弾性体を許容(設置)できるスペース(断面約L字型、ストッパー付き)を設け、その形状に沿った弾性体を圧入するだけ、取り外し不要な、シンプルな構造を特徴とするエンジン騒音低減装置を提案する。弾性体の厚みは実寸で約1.5〜3mmとし、断面L字の平面部と筒状部のなす角度は装着前の自由状態で約100〜120度(鈍角)とする(取り付けにより略90度となる)。弾性体の材質は一般的にゴムとし、遮音効果があれば樹脂も可とする。
(3−4)上記構成によれば、弾性体の取り外しが不要のため、従来技術に対してトーショナルダンパーのエンジンからの取り外し工程を簡素化することができる。また、弾性体における断面L字の直角を取り付け前に鈍角100〜120度に設定することで、弾性体に予圧縮を与えることになり、よって保持力を向上させることができる。また、特にエンジンからの放射音の遮音に有効である。
(4)請求項5関連・・・
(4−1)本発明は、自動車用エンジン、エンジン全般等に用いられるトーショナルダンパー用防音キャップについての発明である。
(4−2)自動車エンジンに取り付けられているトーショナルダンパーは、クランクシャフトの振動が伝達されて、騒音を発する場合がある。これを低減するためにトーショナルダンパーの表側に防音キャップを取り付けることがある。従来技術では、防音キャップの取り付けのために、それ自体あるいは振動リングやハブにその組み合わせ係止構造(形状)を設ける必要があり、構造の複雑化、スペースの確保、重量や加工の増加の問題が生じている。また、エンジン作動での回転遠心力で防音キャップがトーショナルダンパーと相対滑りし、そして脱落に至らないように設けられた回り止めの構造のために、組み付け作業に方向性を意識しなければならない。
(4−3)そこで本発明では、トーショナルダンパーの表側ゴム部を若干長くして飛び出た形態とし、そこに防音キャップを組み合わせ係止する構造とする。また、トーショナルダンパーのゴム部と防音キャップの係止部は周方向に一様とする。ゴム部の端部には予め係止部を成形しておいても良く(保持力が上がる)、または予め係止部が無くてもゴム部を嵌合した後にゴムがはみ出した部分が係止部として形成される。
(4−4)上記構成によれば、防音キャップとトーショナルダンパーの組み合わせ係止構造として、(イ)増肉は振動リングやハブの金属部よりゴム部のほうが軽量で済む、(ロ)振動リングやハブに係止構造やそのための加工を必要としない、(ハ)防音キャップがゴムあるいは発泡ウレタン製であれば、その係止相手がゴムであり、滑り脱落しにくい、(ニ)組み付け作業に方向性を意識する必要がない、などの効果を奏することができる。
(5)請求項6関連・・・
(5−1)本発明は、自動車エンジンの騒音低減、その他の回転体防振製品などに用いられるトーショナルダンパーについての発明である。
(5−2)従来、自動車用エンジン前面放射音対策として防音カバーが広く用いられている。エンジン前面の放射音は低回転域と高回転域で発生要因が異なり、前者はダンパーマスの軸方向振幅に起因し、後者はクランク先端およびハブの軸方向振幅に起因しており、ハブ部品の形状をスケルトン化し、さらに、防音カバーをハブへ付加することで対策している。高回転域の放射音対策はハブ形状をスケルトン化することで対策するが、低回転域の放射音対策は防音カバーに依存しており、ハブ部品の前面内周側および防音カバー外周部に凹凸を設け組み付けている。上記従来構造で放射音対策は可能であるが、ダンパープーリーは市場投入後に車両整備等でダンパーの着脱が発生するため、防音カバーも同様に着脱の容易性および再組み付け後保持力確保が要求される。通常、防音カバーは金属部品を使用せず、弾性体にて成形されダンパープーリーに組み付けられる。防音カバーを金属部品へ繰り返し着脱することで弾性体の凹凸部の破損および劣化が懸念され、組み付け性を優先すると組み付け後の保持力が懸念される。また、ダンパープーリーのハブ形状毎に防音カバーの仕様が異なり汎用性がない(従来は保持力を確保するために防音カバーをボルト締結する仕様も存在した)。
(5−3)そこで本発明では、防音カバーをダンパーマスへ樹脂部品を使用し締結することで、弾性体の取り付け部に与える負荷を低減し、確実な保持力を確保する。締結する樹脂部品はダンパーマスへ着脱可能な範囲での圧入構造とする。ダンパーマスへ取り付けることでダンパーマスの軸方向振幅を効果的に低減し、放射音対策に有効である。樹脂締結部品は数回の再利用は可能であるうえ、樹脂部品の射出成形技術は進歩しており安価に部品を調達できる。また、従来はダンパープーリーのハブ形状毎に防音カバーの形状を製作したが、ダンパーマスへ組み付ける構造では他機種へ流用することが容易であり、製品単価を安価にできる。
(5−4)エンジンの放射音対策に用いられるダンパープーリー用防音カバーにおいて、(イ)防音カバーをダンパーマスへ組み付ける構造とすることで放射音発生に起因するダンパーマス前面の振幅を低減し、放射音対策に有効である、(ロ)防音カバーとダンパープーリーを樹脂部品にて締結することで組み付けが容易となり、いっていの保持力を確実に確保できる、(ハ)非接着による結合(組み立て)により、廃棄時およびゴム弾性部材交換時の作業が容易となる、(ニ)ダンパーマスへ組み付ける構造とすることで多機種への流用が容易とになり部品コスト低減が可能となる、と云う以上の構成要素からトーショナルダンパーとする。
(5−5)上記構成によれば、従来の対策技術と比較して弾性体(防音カバー)をダンパーマスに設けた溝へ締結部品(樹脂等)を使用し組み立てることで弾性体への負荷が軽減され、製作(組み付け)が容易となる。また、締結部品を使用することで着脱性向上および一定の保持力の確保が可能となる。また、放射音発生要因であるダンパーマス軸方向振幅に対し、ダンパーマス前面の振幅低減に効果的である。また、製品廃棄時においても容易に弾性部材、金属部材、樹脂部材を分離し廃棄することができる。さらに、同一防音カバーを多機種へ流用可能となり部品共有化によるコスト低減が可能となる。
(5−6)エンジンの軸方向の振動に伴うダンパーの軸方向振動について、振動リングはダンパーゴムを介している分、ハブの軸方向振動よりも振幅は大きくなり、放射音の要因としては大きいと考えられるので、振動リングごと防音カバーで覆う必要性がある。但し、振動リングの外周部に防音カバーを係合すると、遠心力によってカバーが外れる虞がある。
(6)請求項7関連・・・
(6−1)本発明は、自動車および産業機械用エンジンなどに用いられるエンジン騒音低減装置についての発明である。
(6−2)従来のトーショナルダンパーは、クランク軸に締結されるハブと、補機ベルトを駆動するためのV溝を設けた振動リングと、ハブと振動リングの間に圧入された弾性部材とにより構成されている。しかしながら近年、トーショナルダンパーの軽量化要求(自動車の燃費向上)があり、ハブの軽量化が必要となってきている。ハブを軽量化する手法として、肉厚の低減およびハブ材質の鋳物から板金への変更等が挙げられる。肉厚の低減およびハブ材質の変更はハブの軸方向剛性を低くし、エンジン振動によるハブの共振によるエンジン騒音が大きくなる傾向にある。またハブの板金化はハブの振動減衰力を小さくするため、益々騒音に対しては不利となる。上記問題点を解決する手法として、振動リングに防音カバーを取り付けることが考えられるが、以下の問題点がある。すなわち振動リングの外周に防音カバーが配置される場合には、遠心力により防音カバーが外れやすい。また、廻り止めがないため、防音カバーが振動リングに対して回転してしまい、摩耗が発生しやすい。また、防音カバーの形状が大きくなり、コスト高となる。
(6−3)そこで本発明では、振動リングの軸方向長さをハブよりもエンジンフロント側に長い構造とする。振動リングとハブの段差部に防音カバー用の軸方向外れ止め溝を設ける。振動リングの端面に等配の溝を設ける。防音カバーを振動リング内周側に配置する。防音カバーに振動リングの等配溝に合わせて突起を設ける。振動リングの等配溝と防音カバーの突起を合わせて組み付ける。
(6−4)上記構成によれば、防音カバーを振動リングの内周側に設置することにより、効率的にハブをカバーすることができ、防音効果が大きくなる。また、遠心力による荷重を振動リングが受けるため、防音カバーが外れにくくなる。また、振動リングに設けた溝と防音カバーに設けた突起により廻り止めが構成されることから、防音カバーの摩耗を低減することができる。また、防音カバーの体積を減らすことができ、コストの低減が図れる。更にまた、防音カバーがダンパーゴム部を覆うことから、ダンパーゴム部への外的な影響を防ぐことができる(例えば振動リングとゴムの間あるいはハブとゴムの間へダスト等の異物が侵入するのを防止することができる)。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例(請求項1および2関連)・・・
図1は、本発明の第一実施例に係るエンジン騒音低減装置を示しており、当該騒音低減装置は、クランクシャフト(軸、図示せず)に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したトーショナルダンパー1に装着される防音カバー11を有している。トーショナルダンパー1は、ハブ2、ゴム状弾性体3および振動リング4よりなり、このトーショナルダンパー1に防音カバー11が組み付けられている。ハブ2は、クランクシャフトにセンターボルト(図示せず)を用いて取り付けるボス部2a、径方向立ち上がりのステー部2bおよび円筒状のリム部2cを一体に有している。振動リング4は、各種の補機へ回転トルクを伝達する無端ベルトを巻架するためのプーリー溝4aをその外周部に有している。
防音カバー11は、所定のゴム状弾性材料によって円盤状に成形され、その外周部にダンパー1に対する環状の装着部12が設けられ、装着部12の内周側に径方向に伸縮する薄肉環状の蛇腹構造13が一体に設けられ、蛇腹構造13の内周側であって当該カバー11の中心軸線上に厚肉円盤状のマス部14が一体に設けられている。
装着部12は、ハブ2のリム部2cの一端内周に装着される構造とされ、軸方向の抜け止め構造として、リム部2cの内周面に設けた溝状係合部5に係合する突起状係合部15を有している。蛇腹構造13は、径方向に伸縮可能であって径方向の剛性を下げられるものであれば特にその構造ないし断面形状を限定されないが、図では、ハブ2のステー部2bに向けて山二つ、反対側に向けて山一つの形状とされている。マス部14は所定の質量を備えるように形成されている。また、装着状態において、蛇腹構造13およびマス部14は何れもハブ2またはセンターボスに対して接触しない構造(非接触構造)とされている。
上記構成の騒音低減装置においては、上記したように防音カバー11の装着部12の内周側に径方向に伸縮する薄肉環状の蛇腹構造13が設けられているために、この蛇腹構造13が全周に亙って径方向に伸縮することによって防音カバー11はその外径寸法を拡大縮小することが可能とされている。したがって、防音カバー11をハブ2のリム部2cの内周に装着する際に防音カバー11の外径寸法を一旦縮小させることにより防音カバー11をハブ2に対して容易に装着することが可能となり、また防音カバー11をハブ2のリム部2cの内周から取り外す際に防音カバー11の外径寸法を一旦縮小させることにより防音カバー11をハブ2から容易に取り外すことが可能となり、よって防音カバー11をハブ2に対して着脱する作業を容易化することができる。また、防音カバー11は薄肉状の蛇腹構造13を有しているので、吸音率が高い。
また、蛇腹構造13の内周側に所定の質量を備えるマス部14が設けられることにより、蛇腹構造13を共振系のバネとするとともにマス部14を共振系の慣性質量体とするダイナミックダンパー(動的吸振器)16が設けられているために、このダイナミックダンパー16が吸音作用を発揮することによって、優れた騒音低減効果を発揮することができる。この種の放射音で問題となる周波数は比較的高周波であることから、ゴム状弾性材製の防音カバー11の一部をマス部14とするダイナミックダンパー16であっても(マス部14が比較的軽量であっても)、十分な吸音効果を発揮することができる。
第二実施例・・・
尚、上記第一実施例(図1)では、蛇腹構造13の内周端部に対してマス部14の外側端面14aがあまり軸方向一方(図では左方、エンジンフロント側)に突出していないことから、防音カバー11を取り外す際にマス部14の外周面を手指で掴みにくいが、図2に示すように蛇腹構造13の内周端部に対してマス部14の外側端面14aを軸方向一方に突出させることにより、防音カバー11を取り外す際にマス部14の外周面を手指で掴み易くすることができる。この場合、蛇腹構造13の内周端部はマス部14の肉厚(軸方向幅)においてそのエンジン寄り(図では右方)の部位に連結されることになる。
第三実施例(請求項1および3関連)・・・
図3は、本発明の第三実施例に係るエンジン騒音低減装置を示しており、当該騒音低減装置は、クランクシャフト(軸)71に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したトーショナルダンパー1に装着される防音カバー11を有している。トーショナルダンパー1は、ハブ2、ゴム状弾性体3および振動リング4よりなり、このトーショナルダンパー1に防音カバー11が組み付けられている。ハブ2は、クランクシャフト71にセンターボルト72を用いて取り付けるボス部2a、径方向立ち上がりのステー部2bおよび円筒状のリム部2cを一体に有している。振動リング4は、各種の補機へ回転トルクを伝達する無端ベルトを巻架するためのプーリー溝4aを外周部に有している。
防音カバー11は、所定のゴム状弾性材料によって円盤状に成形され、その外周部にダンパー1に対する環状の装着部12が設けられ、装着部12の内周側に径方向に伸縮する薄肉環状の蛇腹構造13が一体に設けられ、蛇腹構造13の内周側であって当該カバー11の中心軸線上にボルト覆い部17が一体に設けられている。
装着部12は、ハブ2のリム部2cの内周(ステー部2bから軸方向一方(図では左方、エンジンフロント側)へ突出する部位の内周面全面)に装着される構造とされ、軸方向の抜け止め構造として、リム部2cの内周面に設けた溝状係合部5に係合する突起状係合部15を有している。蛇腹構造13は、径方向に伸縮可能であって径方向の剛性を下げられるものであればその構造ないし断面形状を限定されないが、但し装着前の自由状態において図3(A)に示すように、少なくとも一部が装着部12よりもハブ2のステー部2b側(図では右方、エンジン側)に突出する形状とされ、装着後の弾性変形状態において図3(B)に示すように、蛇腹構造13がステー部2bに当接するとともにボルト覆い部17がセンターボルト72に当接する構造とされている。
上記構成の騒音低減装置においては、上記したように防音カバー11の装着部12の内周側に径方向に伸縮する薄肉環状の蛇腹構造13が設けられているために、蛇腹構造13が全周に亙って径方向に伸縮することによって防音カバー11はその外径寸法を拡大縮小することが可能とされている。したがって、防音カバー11をハブ2のリム部2cの内周に装着する際に防音カバー11の外径寸法を一旦縮小させることにより防音カバー11をハブ2に対して容易に装着することが可能となり、また防音カバー11をハブ2のリム部2cの内周から取り外す際に防音カバー11の外径寸法を一旦縮小させることにより防音カバー11をハブ2から容易に取り外すことが可能となり、よって防音カバー11をハブ2に対して着脱する作業を容易化することができる。また、防音カバー11は薄肉状の蛇腹構造を有しているので、吸音率が高い。
また、防音カバー11の装着部12よりも蛇腹構造13のほうがハブ2のステー部2b側に突出する形状とされ、装着時、蛇腹構造13がステー部2bに当接するとともにボルト覆い部17がセンターボルト72に当接する構造とされているために、放射音増幅の原因となるエアボリューム(蛇腹構造13およびステー部2b間のエアボリューム(空間容積))を縮小させることが可能とされている。したがって、発生する放射音レベルを低減させ、優れた騒音低減効果を発揮することができる。
また、蛇腹構造13の内周端部に対してボルト覆い部17の外側端面17aが軸方向に突出しているために、防音カバー11を取り外す際にボルト覆い部17の外周面を手指で掴んで引っ張ることにより容易に防音カバー11を取り外すことができる。蛇腹構造13の内周端部は、ボルト覆い部17の軸方向幅においてそのエンジン寄り(図では右方)の部位に連結されている。
第四実施例(請求項4関連)・・・
図4は、本発明の第四実施例に係るエンジン騒音低減装置を示しており、当該騒音低減装置は、クランクシャフト(軸)71に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したトーショナルダンパー1に装着される防音カバー11を有している。トーショナルダンパー1は、ハブ2、ゴム状弾性体3および振動リング4よりなり、このトーショナルダンパー1に防音カバー11が組み付けられている。ハブ2は、クランクシャフト71にセンターボルト72を用いて取り付けるボス部2a、径方向立ち上がりのステー部2bおよび円筒状のリム部2cを一体に有し、ステー部2bに、軸方向の抜き穴としてスケルトン穴2dが円周上複数設けられている。
防音カバー11は、所定のゴム状弾性材料によって環状に成形され、軸直角平板状の平面部18の外周端部に軸方向一方へ向けて筒状部19を一体成形してなり、全体として半裁断面略L字形に成形されている。防音カバー11の厚みは実寸で約1.5〜3mm程度とされ、平面部18と筒状部19のなす角度θは、装着前の自由状態において図4(A)に示すように約100〜120度の鈍角とされ、装着後の弾性変形状態において図4(B)に示すように90度となるように成形されている。またこの防音カバー11は、上記ステー部2bに設けたスケルトン穴2dを閉塞すべくステー部2bの端面部およびリム部2cの内周部に装着される構造とされ、軸方向の抜け止め構造として、平面部18はその内周端部がステー部2bの端面部に設けた溝状係合部6に係合し、筒状部19はその一端部がリム部2cの内周部に設けた突起状係合部7に係合する構造とされている。
上記構成の騒音低減装置においては、上記したように防音カバー11が環状であってかつ断面略L字形とされ、ハブ2のステー部2bに設けたスケルトン穴2dを閉塞すべくステー部2bの端面部およびリム部2cの内周部に装着される構造とされているために、ダンパー1をクランクシャフト71に対して着脱する際にいちいち防音カバー11をダンパー1から取り外さなくても、ボルト72を着脱してダンパー1を着脱することができる。したがって、ダンパー1をクランクシャフト71に対して着脱する作業を容易化することができる。また、スケルトン穴2dを防音カバー11で閉塞することによって、スケルトン穴2dを通過してくるエンジンからの放射音を有効に低減させることができる。また、当初鈍角形状の防音カバー11が装着により直角形状に弾性変形せしめられる構造であることから、装着状態において防音カバー11はその筒状部19が弾性復帰力によってハブ2のリム部2cの内周面に密接することになる。したがって、一旦装着した防音カバー11がハブ2のリム部2cの内周面から外れにくく、すなわち保持力が大きいと云う作用効果を得ることができる。
第五実施例(請求項5関連)・・・
図5は、本発明の第五実施例に係るエンジン騒音低減装置を示しており、当該騒音低減装置は、クランクシャフト(軸、図示せず)に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したトーショナルダンパー1に装着される防音カバー11を有している。トーショナルダンパー1は、ハブ2、ゴム状弾性体3および振動リング4よりなり、このトーショナルダンパー1に防音カバー11が組み付けられている。ハブ2は、クランクシャフトにセンターボルト(図示せず)を用いて取り付けるボス部2a、径方向立ち上がりのステー部2bおよび円筒状のリム部2cを一体に有している。振動リング4は、各種の補機へ回転トルクを伝達する無端ベルトを巻架するためのプーリー溝4aをその外周部に有している。
防音カバー11は、所定のゴム状弾性材料によって円盤状に成形され、その外周部にトーショナルダンパー1に対する環状の装着部12が設けられている。装着部12は、ハブ2ではなくゴム状弾性体3の軸方向一端部に装着される構造とされ、このためゴム状弾性体3の一端部には、防音カバー11を装着するための環状の係止部8が設けられている。また装着部12には環状の凹部20が係止部8に向けて設けられ、この凹部20に係止部8が圧入されている。係止部8は、ゴム状弾性体3の軸方向幅を通常よりも大きく設定して、ゴム状弾性体3の一端部をハブ2のリム部2cの端面および振動リング4の一端面よりも大きく突出させることにより形成されており、更にゴム状弾性体3の他の部位よりも厚肉で断面略円形に形成されている。
上記構成の騒音低減装置においては、上記したように防音カバー11をゴム状弾性体3の一端部に装着する構造とされているために、防音カバー11をダンパー1に対して着脱する際にその作業を軸方向一方から行なうことが可能とされている。したがって、防音カバーをハブのリム部の内周に装着する従来技術との対比で、着脱作業を容易化することができる。
また、防音カバー11に設けた環状の凹部20にゴム状弾性体3に設けた環状の係止部8を圧入する構造とされているために、装着に際して円周方向の方向性がない。したがって、円周方向の方向性(取り付けの向き)を制限されることなく装着可能であることから、この点からも装着作業を容易化することができる。また、上記圧入がゴム同士の圧入であることから、圧入後は滑りにくく外れにくく、しかもゴム同士の間が密封されることから放射音の拡散(洩れ)を抑えやすく、耐ダスト性にも優れている。
尚、ゴム状弾性体3の一端部に設ける係止部8は、図6(A)に示すように成形の当初から他の部位よりも厚肉状としても良いが、他の部位はハブ2および振動リング4間の間隙に圧入されることにより相対に薄肉化されるので、図6(B)に示すように成形の当初は軸方向全幅に亙って厚みを等しく成形しても良い。但し、上記したように係止部8はハブ2および振動リング4から軸方向一方に突出させるので、軸方向幅は大きめに設定する必要がある。
第六実施例(請求項6関連)・・・
図7は、本発明の第六実施例に係るエンジン騒音低減装置を示しており、当該騒音低減装置は、クランクシャフト(軸、図示せず)に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したトーショナルダンパー1に装着される防音カバー11を有している。トーショナルダンパー1は、ハブ2、ゴム状弾性体3および振動リング4よりなり、このトーショナルダンパー1に防音カバー11が組み付けられている。ハブ2は、クランクシャフトにセンターボルト(図示せず)を用いて取り付けるボス部2a、径方向立ち上がりのステー部2bおよび円筒状のリム部2cを一体に有している。振動リング4は、各種の補機へ回転トルクを伝達する無端ベルトを巻架するためのプーリー溝4aをその外周部に有している。
防音カバー11は、所定のゴム状弾性材料によって円盤状に成形され、その外周部にトーショナルダンパー1に対する環状の装着部12が設けられている。装着部12は、ハブ2ではなく振動リング4の軸方向一端部に装着される構造とされ、更にピン状の差し込み部21cを備えた固定部品21を用いて振動リング4の一端部に装着される構造とされている。
固定部品21は、図8(A)に示すように複数が円周上一定間隔で用いられものであって(図では4等配)、各固定部品21は、図8(B)に示すように平板状の基板部21aと、基板部21aの一面に設けられた手指で掴むための取手部21bと、基板部21aの他面に設けられたピン状の差し込み部21cとを一体に有し、所定の樹脂材料等によって成形されている。また、この固定部品21の差し込み部21cを差し込み固定(圧入)するため、防音カバー11の装着部12には貫通穴22が複数設けられ、振動リング4の軸方向一端面には先止まり状の穴部4bが複数設けられている。
上記構成の騒音低減装置においては、上記したように防音カバー11を振動リング4の一端部に装着し、しかもピン状の差し込み部21cを備えた固定部品21を用いて装着する構造とされているために、防音カバー11をダンパー1に対して着脱する際にその作業を軸方向一方から行なうことが可能とされている。したがって、防音カバーをハブのリム部の内周に装着する従来技術との対比で、着脱作業を容易化することができる。
また、上記構成によれば、防音カバー11をハブ2ではなく振動リング4に装着することから、放射音発生要因の一つである振動リング4の軸方向振動を有効に低減させることができる。また、ピン状の差し込み部21cを備えた固定部品21を用いてその圧入により装着することから、十分な保持力を確保することができる。更にまた、防音カバー11をハブ2ではなく振動リング4に装着する構造によれば、ハブ2の構造や形状は如何様であっても良いことから、防音カバー11の汎用性が高くなる利点がある。
第七実施例(請求項7関連)・・・
図9は、本発明の第七実施例に係るエンジン騒音低減装置を示しており、当該騒音低減装置は、クランクシャフト(軸、図示せず)に取り付けるハブ2にゴム状弾性体3を介して振動リング4を連結したトーショナルダンパー1に装着される防音カバー11を有している。トーショナルダンパー1は、ハブ2、ゴム状弾性体3および振動リング4よりなり、このトーショナルダンパー1に防音カバー11が組み付けられている。ハブ2は、クランクシャフトにセンターボルト(図示せず)を用いて取り付けるボス部2a、径方向立ち上がりのステー部2bおよび円筒状のリム部2cを一体に有している。振動リング4は、各種の補機へ回転トルクを伝達する無端ベルトを巻架するためのプーリー溝4aをその外周部に有している。
防音カバー11は、所定のゴム状弾性材料によって円盤状に成形され、その外周部にトーショナルダンパー1に対する環状の装着部12が設けられている。装着部12は、ハブ2ではなく振動リング4の軸方向一端部に装着される構造とされ、更にハブ2およびゴム状弾性体3よりも軸方向一方(図では左方、エンジンフロント側)に突出する形状の振動リング4の軸方向一端部4cに装着される構造とされている。
また装着部12には、振動リング4に対する軸方向の抜け止め構造として、振動リング4の軸方向一端部4cの内周面に設けた溝状係合部9に係合する突起状係合部23が設けられるとともに、同じく振動リング4に対する廻り止め構造として、振動リング4の軸方向一端部4cの端面に設けた放射状の溝状係合部10に係合する突起状係合部24が設けられている。
上記構成の騒音低減装置においては、上記したように防音カバー11を振動リング4の一端部に装着し、しかもハブ2およびゴム状弾性体3よりも軸方向一方に突出する形状の振動リング4の軸方向一端部4cに装着する構造とされているために、防音カバー11をダンパー1に対して着脱する際にその作業を比較的大径の部品(振動リング4はハブ2よりも大径の部品である)に対して行なうことになる。したがって、防音カバーをハブのリム部の内周に装着する従来技術との対比で、着脱作業を容易化することができる。
また、上記構成によれば、防音カバー11を振動リング4の内周側に装着することから、効率的にハブ2をカバーすることができ、よって優れた騒音低減効果を発揮することができる。また、遠心力による荷重を振動リング4が受けることから、防音カバー11が外れにくい。更にまた、防音カバー11がゴム状弾性体3を覆うことから、ゴム状弾性体3へのダスト侵入などの外的な影響を防ぐことができる。
本発明の第一実施例に係るエンジン騒音低減装置の半裁断面図 本発明の第二実施例に係るエンジン騒音低減装置の半裁断面図 (A)は本発明の第三実施例に係るエンジン騒音低減装置に用いる防音カバーの装着前自由状態を示す半裁断面図、(B)は同騒音低減装置の半裁断面図 (A)は本発明の第四実施例に係るエンジン騒音低減装置に用いる防音カバーの装着前自由状態を示す半裁断面図、(B)は同騒音低減装置の半裁断面図 本発明の第五実施例に係るエンジン騒音低減装置の半裁断面図 (A)は同騒音低減装置に用いるゴム状弾性体の装着前自由状態を示す半裁断面図、(B)は同ゴム状弾性体の他の例の装着前自由状態を示す半裁断面図 本発明の第六実施例に係るエンジン騒音低減装置の半裁断面図 (A)は同騒音低減装置の斜視図、(B)は同騒音低減装置に用いる固定部品の平面図 本発明の第七実施例に係るエンジン騒音低減装置の半裁断面図 従来例に係るエンジン騒音低減装置の半裁断面図
符号の説明
1 トーショナルダンパー
2 ハブ
2a ボス部
2b ステー部
2c リム部
2d スケルトン穴
3 ゴム状弾性体
4 振動リング
4a プーリー溝
4b 穴部
4c 一端部
5,6,9,10 溝状係合部
7,15,23,24 突起状係合部
8 係止部
11 防音カバー
12 装着部
13 蛇腹構造
14 マス部
14a 外側端面
16 ダイナミックダンパー
17 ボルト覆い部
18 平面部
19 筒状部
20 凹部
21 固定部品
21a 基板部
21b 取手部
21c 差し込み部
22 貫通穴
71 クランクシャフト(軸)
72 センターボルト

Claims (7)

  1. 軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、
    前記防音カバーは、円盤状を呈し、その外周部に設けた前記ダンパーに対する装着部の内周側に径方向に伸縮する蛇腹構造を有することを特徴とするエンジン騒音低減装置。
  2. 請求項1記載のエンジン騒音低減装置において、
    防音カバーは、蛇腹構造の内周側にマス部を有し、前記蛇腹構造をバネおよび前記マス部を慣性質量体とするダイナミックダンパーを有することを特徴とすることを特徴とするエンジン騒音低減装置。
  3. 請求項1記載のエンジン騒音低減装置において、
    防音カバーは、その装着部よりも蛇腹構造のほうがハブのステー部側に突出する形状を有し、装着時、前記蛇腹構造は前記ステー部に当接する構造を有することを特徴とするエンジン騒音低減装置。
  4. 軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、
    前記防音カバーは、環状を呈しかつ断面略L字形を呈し、前記ハブのステー部に設けたスケルトン穴を閉塞すべく前記ステー部の端面部およびリム部の内周部に装着される構造を有することを特徴とするエンジン騒音低減装置。
  5. 軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、
    前記防音カバーは、円盤状を呈し、前記ゴム状弾性体の一端部に装着される構造を有することを特徴とするエンジン騒音低減装置。
  6. 軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、
    前記防音カバーは、円盤状を呈し、前記振動リングの一端部に装着される構造を有し、
    更に前記防音カバーは、ピン状の差し込み部を備えた固定部品を用いて前記振動リングの一端部に装着される構造を有することを特徴とするエンジン騒音低減装置。
  7. 軸に取り付けるハブにゴム状弾性体を介して振動リングを連結したダンパーに装着される防音カバーを有するエンジン騒音低減装置であって、
    前記防音カバーは、円盤状を呈し、前記振動リングの一端部に装着される構造を有し、
    更に前記防音カバーは、前記ハブおよびゴム状弾性体よりも軸方向一方に突出する形状の振動リングの一端部に装着される構造を有することを特徴とするエンジン騒音低減装置。
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