JP2009005615A - こんにゃくペーストを用いた加工食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 こんにゃくペーストを用いた食肉練り製品や穀物粉製品において、普通のこんにゃくペーストを用いた場合は、ドリップや加熱による縮みが起こり易くなり、ソフトでジューシーな食感を練り製品に与えることが困難であるし、パンやケーキなどの米粉製品では食感を損なう。こんにゃくペーストの混合率を多くしても食肉素材に均一に混ぜることができ、上記の問題を発生させることがない食肉練り製品や穀物粉製品を提供する。
【解決手段】 凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストを食肉素材に混ぜることで解決できる。該こんにゃくペーストは食肉素材に対し20〜80重量%という混合率でも均一に混ぜることができ、かつ、食肉練り製品や穀物粉製品の食感を損なうこともない。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な食品加工素材であるこんにゃくペーストを用いた加工食品に関し、さらに詳しくはドリップや加熱による縮みを抑制し、ソフトでジューシーな食感を製品に持たせた低カロリーの加工食品に関する。
こんにゃくは難消化性の多糖類で構成され、その難消化性物質が便秘を解消し、がん、高脂血症、動脈硬化症、糖尿病等の成人病の予防に効果があると云われている。近年、このようにこんにゃく含有食品が健康食品、ダイエット食品として注目を集めるにともない、こんにゃくを加工素材として利用しようとする試みが多くなされている。例えば、こんにゃくを食肉素材と混練、成型してハンバーグやミートボール、つくね、シューマイ、ハム、ソーセージなどの食肉練り製品やパン、ケーキなどの穀物粉製品が提案されている。
これらの加工食品は低カロリーまたはダイエット食品としてそのカロリー低減のために、さらには増量によるコストダウンなどの目的で、こんにゃく類あるいはグルコマンナンを添加した加工食品である。
また、食肉材料とこんにゃくペーストを混ぜ合わせ成型品を得、加熱調理した場合、加熱による縮みのない、ドリップを抑え、ジューシーな食感を得ようとする試みも多く提案されている。
特開平2−119763公報 特開平4−71453公報 特開2000−41628公報 特開2000−116358公報 特開2005−113公報 特公平6−48959公報 特許第3074567号公報
しかしながら、前述の方法は、こんにゃくペーストをいかに均一に食肉素材に混合するか、食肉素材に混合して食感に優れた食肉加工品を得るためのこんにゃくペーストに関するものがほとんどである。本質的にこんにゃくペーストはこんにゃくを水に溶解した親水性ペーストであり、単なるこんにゃく糊と何ら変わるものではなかったり、pHの調整はあるにしろ、ペーストにアルカリ剤を添加したものを他の食品素材と混合して、加熱等の調理をしても強い成形力やしっかりした食感は望みえないものであった。
本発明でいう食肉とは、畜肉、魚肉など食肉に供される肉類のことである。ハンバーグ、ミートボール、つくね、シューマイ、ハム、ソーセージ等の食肉練り製品は加熱することにより縮み、また固くなりジューシー感がなくなってしまうことは良く知られている。食肉製品を加熱することによる縮みとは、筋肉蛋白が熱変成を起こすことにより発生する。熱変成を受けた蛋白は保水性が低下するため加熱前に抱えていた水を放してしまう離水現象(ドリップ)と、加熱することにより食肉組織に含まれている脂肪組織の細胞膜が破れて脂肪が流出する現象が同時並行的に発現する。このような現象が起きると、食肉製品はドリップの発生や縮みにより商品の外観的価値を著しく低下させ、またテクスチャーや風味などの質的な価値も減少させる。
また、これら食肉練り製品を凍結状態で流通させ、喫食前や喫食時に解凍、加熱あるいは直接加熱する製品も多数見受けられる。これらの製品は凍結することにより製品中に氷結晶が生じ、ドリップの発生や弾力の低下によるテクスチャーの劣化が起き、商品価値の低下が問題となっている。
従来から、これらの問題を解決するために、リン酸塩の添加や大豆蛋白、乳蛋白、卵白など異種蛋白の添加、あるいはカラギーナン、ペクチン、寒天、こんにゃく粉、加工でんぷん等の多糖類の添加も試みられてきたが、肉の風味やテクスチャーを維持した商品は出来ていなかった。
食肉練り製品の縮み現象とは、前述したように、蛋白の熱変成による離水現象と脂肪の流出現象であり、食肉練り製品の外観的劣化と質的劣化を含有しているものである。この外観的劣化とは、蛋白の熱変成による製品の収縮であり、ボリューム感の低下である。食肉製品は加熱前と加熱後の著しいボリューム感の低下によりその商品価値を失うことになる。
また、質的劣化とは、離水や脂肪の流出が生じることによる製品の風味およびテクスチャーの劣化である。食肉練り製品が加熱前に抱えている肉汁の中には、アミノ酸やペプタイド等の旨味成分やまた脂肪を含んでいるが、これらを加熱することにより肉汁が製品外部に流出することにより旨味のないパサパサした食感の製品が出来上がり、製品の質的価値も低下させる。
従来の解決手段であるリン酸塩の添加や異種蛋白、あるいは多糖類の添加は何れの手法も以下のような問題を有している。リン酸を添加し、肉蛋白に結合しているCaなど2価
イオンを除去し、保水力を向上させて縮みを抑制する方法は広く採用されている方法ではあるが、ハンバーグやミートボール、つくね等畜肉練り製品のテクスチャーがかまぼこ様になる欠点があった。
大豆蛋白、乳蛋白、卵白などの異種蛋白の添加はそれぞれの蛋白独特の風味やテクスチャーが発現し、いわゆるジューシー感のある製品の製造は困難であった。
カラギーナン、ペクチン、寒天、こんにゃく粉、加工でんぷん等の多糖類の添加は、加熱による縮みの抑止にはある程度の効果がみられるが、これらを使用した製品を食したときに独特の粘つきを感じて商品価値を低下させる要因となっていた。
また、本発明で使用するこんにゃくペーストは食肉材料に混合して数々の特徴を有する食肉練り製品を得るばかりでなく、米粉、小麦粉、トウモロコシ粉などの穀物粉に混ぜてパンやケーキとし、食感を損なうことなくそのカロリーを低減させることができる。米粉だけでパンやケーキを作ろうとする場合、ふっくらとした食感が得られず、とても消費者を満足させる製品とはならなかった。しかしながら、本発明で使用するこんにゃくペーストを使えば、米粉と均一に混ぜることができるようになり、こんにゃくペーストがつなぎの効果を発揮するので、ベーキング後の製品はこんにゃくペーストを使わない製品と比べ優れた食感を持つパンやケーキ類を得ることができるのである。さらに米粉のパンやケーキは小麦粉を使わないので小麦によるアレルギー発症の心配もなく、また米の正規品として流通させられないような、いわゆる屑米を有効に利用できる。
さらに本こんにゃくペーストを混ぜたペットフードも作ることができる。ペットは人の心を癒し、最近ではペットを飼育する家庭が増えている。それにともなってペットの健康に費用をかける割合が増えつつあり、低カロリーのペットフードの登場が待たれているのが現状である。そこで、本発明に使用するこんにゃくペーストを使用すれば食感を損なうことなく、低カロリーのペットフードが提供できるので、ペットのダイエットに大きく貢献することができる。
本発明者らは、これらの問題点を解決すべく鋭意研究した結果、食肉練り製品の練り合わせ時に、pH8〜11に調整し、凍結することによって不可逆性ゲルを形成するこんにゃくペーストを添加することにより、ドリップが少なく加熱による縮みのないジューシーで食肉の風味を壊さない製品が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨とするところは、pH8〜11の範囲内にあり、凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストを20〜80重量%含有することを特徴とする食肉練り製品または穀物粉製品であり、食肉練り製品または穀物粉製品が凍結流通品であることを特徴とする食肉練り製品または穀物粉製品にある。
本発明によれば、食感に優れ、ジューシー感も満足させられる食肉練り製品を提供することができる。また、こんにゃくペーストを50重量%以上混ぜても味覚や食感、ジューシー感を損なうこともないので、健康食品、ダイエット食品として多大の貢献をする食材を製造する方法を提供できる。本発明で得られる食肉練り製品は低カロリー食品となっているため、数々の成人病や小児の肥満に対する問題の解決にも効果があり、有用な食材を提供できるのである。また、これら食肉練り製品を食肉素材の品質や配合比などを変えることにより、ペットフードとしても転用でき、ペットのダイエットにも効果がある。
穀物粉と混ぜることにより、従来のこんにゃくペーストでは得られなかった食感に優れた低カロリーのパンやケーキ、麺も提供できる。、また、小麦粉に代えて米粉を使うこともできるため、小麦を原因とするアレルギーの発症の心配も回避でき、さらに年々発生する屑米の有効利用に貢献できるのである。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、食肉練り製品について説明する。本発明はpH8〜11の範囲内にあり、凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストを含む食肉練り製品で好ましくは、こんにゃくペーストを練り製品に対して20〜80重量%使用する。より好ましくは40〜60重量%である。20重量%未満では食肉素材本来の味覚を損なうことはないが、それなりにカロリーを低くする効果は見られるものの、大きな効果は期待できず、ダイエット食品として強調する要因に乏しい。こんにゃくペーストの含有量が練り製品の80重量%を超えると、低カロリーになるためダイエット効果は十分に認められるものの、食肉素材本来の味覚が損なわれ、食品として価値が少なくなる。通常、食肉素材の練り製品にこんにゃくペーストを混ぜると食肉素材本来の味覚が損なわれる傾向にあり、その配合量が増えれば増えるほどその程度が大きくなるのであるが、本発明の場合は50重量%を超えても味覚や食感、ジューシー感を損なうことがない。
次に本発明で使用する凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストについて説明する。本発明でいう凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストとは、膨潤させたこんにゃく粉にアルカリ剤を添加し、加熱してゲル化させたものであるが、ゲル化後急冷することによりペースト状に戻したもののことである。このペーストは一度こんにゃくゲルになった経歴を持ったもので、その後ペースト状になったものであり、食肉素材と容易に均一に混合することができ、後の加熱または調理時にゲルにすることができる。この際、水を放出しないため、滑らかな舌触りと良好な食感を与えることができる。また、ペースト状であるため、容易にこんにゃくペーストの混合量を増やすことができので、食感を損なうことなく練り製品の50%以上でも容易に混合できるのである。
本発明で使用するこんにゃく精粉はアルコール処理したものであっても、通常のものであっても問題なく使用できる。ただし、アルコール精製するとアルコールに溶解する不純物が除去できるので、無味無臭で粘度やpHの一定な、安定性のあるペーストを作りやすいというメリットがあり、日持ちも向上する。しかし、コストアップというデメリットがある。このアルコール精製こんにゃく粉に弱アルカリイオン水を用いてペーストを作れば、さらに品質の安定したペーストを得ることができる。このペーストは親水性ゾルであって、これを本発明のペーストに使用することはできるものの、コストアップを考慮すれば必ず使用しなければならないというほどのものではない。
ペーストを作る際のこんにゃく精粉の量は、目的とするペーストの粘度によって決められるものであるが、0.1重量%から6重量%であり、好ましくは2重量%から3重量%の範囲である。使用する水は地下水や水道水などを簡易浄化したものを用いることができる。ただし、地下水のpHは調べておき、アルカリ添加の際考慮しなければならない。こんにゃく精粉を水に十分膨潤溶解させるには、冷水で時間を10時間以上かけ、ゆるやかに攪拌静置することがもっとも好ましいのだが、なかなかそれだけの時間が取れず、微温水で1時間くらいの時間ですますこともできる。
親水性ゾルを耐水性ゲルに変えたものが従来のいわゆる「こんにゃく」である。古来より灰汁、水酸化カルシウムを添加し、加熱処理をしてこんにゃくを製造してきた。この方法は現在に至るも本質的には何ら変わっていない。アルカリ剤としては乳酸カルシウム、卵殻カルシウム、貝殻焼成カルシウムなどが使用されることもある。こんにゃくを従来のこんにゃく、白滝以外の畜肉、水産食品に使用する場合、こんにゃく粉を水に膨潤させたこんにゃく糊を混ぜるのでは、糊状感があり、親水性のためにダレが出て製品化に失敗することが多い。また一方、耐水性ゲルである「こんにゃく白滝」を使用する場合、刻んで混ぜるというように混ぜ合わせることはできても、水分を共有するような形で混練することは不可能であった。
本発明で使用するアルカリ剤としては、水酸化カルシウムに限定されることはなく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等の水酸化化合物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩類、硫酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム等の硫酸塩類、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、こはく酸ナトリウム等の有機酸塩類、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等のリン酸塩類を使用できる。またこれら塩基性塩類のほかに使用可能な塩基性アミノ酸としては、アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチン、シトルリン等が挙げられる。これらアルカリ剤を添加する際、pHが高い場合、特にタンパク質を主成分とする食品に添加する場合には食味上多くの問題があるので注意しなければならない。
こんにゃくをゲル化する際、アルカリ剤の選択、pH値、反応温度、反応時間を定めるにあたって、実験を繰り返した結果、これらの因子には何らかの規則性がありそうなことが分かってきた。ゲル化の反応速度はpH値を一定にした時、加熱時間は加熱温度によって大きく変化する。例えば、反応後のpHを8.5になるようにした場合、加熱温度が100℃では反応時間は20分程度ですむが、加熱温度が50℃の場合は50時間近く必要となる。
反応後のpHを8.0になるようにした場合、加熱温度が100℃では約30分必要であった。また加熱温度をレトルト領域である130℃にすると反応時間は3〜4分であった。反応後のpH7.5になるようにした場合、加熱温度が100℃では約3時間、加熱温度をレトルト領域である130℃にすると反応時間は約20分であった。
このような実験を行うことにより、pH値、反応温度、反応速度等を本発明を実施しうる最適の条件を見出すことができた。本発明では反応温度を80℃以上、レトルト領域である130℃〜150℃に定めるようにしたのである。このことによって反応時間も短くてすみ、食品加工素材としてのこんにゃくの大きな課題であった日持ちを改善することができるようになったのである。
pH値が決定されれば、いかなるアルカリ剤を用いてもよいと考えられるが、実際にはpHへの緩衝性の高さと安定性の面から塩基性アミノ酸を用いるのが好ましく、さらにコストの面も考慮するとクエン酸ナトリウムおよび乳酸カルシウムの組み合わせも好ましい。塩基性アミノ酸はリジン、アルギニンが使い易く好ましい。
これらのアルカリ剤を、水に溶解して十分に膨潤したこんにゃくペーストに添加し、均一によく混ぜ合わせる。次にレトルトパックするか特殊なコンテナーに充填し、レトルト装置に入れる。加熱時間は130℃以上になった時より1分以上10分以下である。冷却に移る前に必ずしっかりしたゲルになっていることを確認しなければならない。十分なゲル化に至っていないものは、凍結することによって不可逆性ゲルを形成する能力を有することができないからである。一方、加熱時間が長いとゲルは冷却してもペーストに戻らない。本発明のペーストは、『一度十分ゲル化した経歴を持って、今ペーストになっている』というものである。このようなペーストが凍結することによって不可逆性ゲルを形成し、強い成形能力を持つのである。
冷却によってペーストに戻った際、pH値が高い場合、他の食品との配合適性を向上させるために酸を加える必要がある。ここで使用できる酸類としては、塩酸等の無機酸か、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸グルコン酸、アジピン酸、酒石酸等の有機酸を使用することができる。また、目的とする加工食品によって、pH値は決められなければならない。pH値は8以上、11未満に調整するのが好ましい。
次いで穀物粉とこんにゃくペーストを混ぜたパンについて説明する。ここでは、パンの原料として米粉を使う場合について説明する。米粉の原料は生産されても米の正規品として流通しない屑米を製粉して使うことができる。米粉だけのパンはパンの形状は作れるものの、食感が満足できるものではない。本発明のこんにゃくペーストを使うことにより、こんにゃくペーストがつなぎの役目を果たし、ふっくらと仕上がるとともに、米独特のもちもち感を得ることができ、非常に満足すべき製品となる。また屑米を主原料とすることができるため、米として流通させられない米を有効に利用することもでき、生産農家にとっても大きな利益となる。
従来、パンの製造は小麦粉または他の穀物粉を加水しながら混捏して生地を作り、若干時間静置、醗酵させる。その後焼いて製品とする。生地を作るに際しては、イーストまたは酵母を加えて膨張効果を高めることと、クリーミーさを出す目的で糖類、油脂、乳製品等の副原料を添加が通常なされている。こんにゃくペーストを生地に加えることは、従来良く使われる食品添加物を無用とさせる効果を持つとともに、保水力のある、ふっくらした製品を得ることができる。
こんにゃく粉50gを2Lの水に入れ、50℃で1.5hr攪拌しながら膨潤させた。これをクエン酸ナトリウム、乳酸カルシウムからなる凝固剤をこんにゃく粉と水の総量に対して0.25%になるよう室温にて添加し、約15min.攪拌した。得られたゾルを耐熱容器に移し、約100℃で約1hr加熱した。ゾルが完全にゲル化していることを確認した後、氷水で急冷した。得られたこんにゃくはペースト状に戻っていた。このこんにゃくペーストのpHは8.95であった。
牛豚合挽肉490g、実施例1で得られたこんにゃくペースト210g、豚脂69g、ソテーオニオン145g、食塩4g、砂糖10g、ホワイトペッパー1g、パン粉40gを混合し、ハンバーグパテを作り、これを100gに成型した後、冷蔵庫で一晩放置後、オーブンで200℃で18分間加熱、外観、歩留まり、テクスチャーをみた。結果を表1に示す。歩留まりおよび縮み率は下記の式により求めた。
歩留まり(%)=加熱後重量÷加熱前重量×100
縮み率(%) =加熱後面積÷加熱前面積×100
表中のソフト感、ジューシー感、風味は官能評価を行い、4段階で評価した。また、総合的な商品の評価はA〜Dの4段階で評価した。
牛豚合挽肉500g、実施例1で得られたこんにゃくペースト250g、豚脂69g、ソテーオニオン145g、食塩4g、砂糖10g、ホワイトペッパー1g、パン粉40gを混合し、ハンバーグパテを作り、これを100gに成型した後、冷蔵庫で一晩放置後、オーブンで200℃で18分間加熱、外観、歩留まり、テクスチャーをみた。結果を表1に示す。評価方法は実施例2と同様である。
いわしの魚肉をミンチにし、500gのミンチ肉を得た。このミンチ肉に実施例1で得られたこんにゃくペースト150g、食塩3.5g、でんぷん50g、砂糖9gを混合し、つみれ50gに成型した後、沸騰水中で10分間加熱し、外観、歩留まり、テクスチャーをみた。結果を表1に示す。評価方法は実施例2と同様にした。
米粉300g、実施例1で得られたこんにゃくペースト200g、水150g、生イースト10g、トレハロース20g、食塩6g、上白糖20g、無塩バター20gおよびでんぷん40gの合計766gを混捏してパン生地を作り、これをステンレスバットに小分けして入れ、60分間静置、醗酵させた後に、ガス抜きして後、成型し、オーブンにて2段階加熱により20分間焼いた。得られた米食パンは弾力性のあるクリーミーな食パンであった。
(比較例1)
牛豚合挽肉700g、豚脂69g、ソテーオニオン145g、食塩4g、砂糖10g、ホワイトペッパー1g、パン粉40gを混合しハンバーグパテを得た。これを100gに成型した後、冷蔵庫で一晩放置後200℃で18分間オーブン加熱し、外観、歩留まり、テクスチャーをみた。結果を表1に示す。評価方法は実施例2と同様にした。
(比較例2)
牛豚合挽肉490g、カラギーナン2g、キサンタンガム1g、水207g、豚脂69g、ソテーオニオン145g、食塩4g、砂糖10g、ホワイトペッパー1g、パン粉40gを混合しハンバーグパテを得た。これを100gに成型した後、冷蔵庫で一晩放置後200℃で18分間オーブン加熱し、外観、歩留まり、テクスチャーをみた。結果を表1に示す。評価方法は実施例2と同様にした。

Claims (4)

  1. pH8〜11の範囲内にあり、凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストを20〜80重量%含有することを特徴とする食肉練り製品。
  2. pH8〜11の範囲内にあり、凍結することによって不可逆性ゲル性状を示すこんにゃくペーストの含有量が20〜80重量%であることを特徴とする穀物粉製品。
  3. 食肉練り製品が凍結流通品であることを特徴とする請求項1記載の食肉練り製品。
  4. 穀物粉製品が凍結流通品であることを特徴とする請求項2記載の穀物粉製品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010259356A (ja) * 2009-05-01 2010-11-18 Sumiyoshi Co Ltd 柔軟食材への保形性付与方法
JP2011055739A (ja) * 2009-09-08 2011-03-24 Kanae Saito パン生地用組成物およびパン
KR101454600B1 (ko) 2013-09-23 2014-11-03 주식회사 미앤미 곡물 및 곤약 콜로이드를 이용한 떡의 제조방법 및 이로부터 제조된 케이싱 포장 떡
WO2019203203A1 (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 株式会社ベジテック 食肉の加熱収縮を防止する方法および食肉改良剤

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