JP2009001498A - ヒドロキシル基のシリル化方法 - Google Patents

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Abstract

【解決手段】スルホン酸化合物もしくはその誘導体又は銅化合物の存在下に、ヒドロキシル基含有化合物のヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化することを特徴とするヒドロキシル基のシリル化方法。
【効果】本発明のヒドロキシル基含有化合物のシリル化方法によれば、ヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化する反応を促進することができ、特に非極性溶媒中で有効にシリル化することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒドロキシル基をシリル化する方法に関する。本発明のヒドロキシル基のシリル化方法は、スルホン酸化合物もしくはその誘導体又は銅化合物を触媒として、好ましくは塩基存在下にヒドロキシル基含有化合物とクロロシラン化合物を反応させることにより、効率よくシリル化して保護することができるため、医薬品や農薬等の合成に有用である。
ヒドロキシル基をシリル化する反応は、有機合成上重要な反応であり、カルバペネム系の抗生物質等の医薬品類や各種農薬類、その他のファインケミカル製品類の製造に欠かせない反応の一つである。その中でも、t−ブチルジメチルシリル基は、各種反応条件下で安定であり、また酸触媒、フッ素アニオン等により容易に脱保護できることから、ヒドロキシル基の保護基として有用である。
ヒドロキシル基をシリル化する場合には、クロロシランやシリルトリフルオロメタンスルホネート等が用いられる。ヒドロキシル基をクロロシランでシリル化する場合、たとえば、t−ブチルジメチルクロロシランを用いてシリル化反応を行う場合には、2等量以上のイミダゾールを用いて無水DMF溶媒で反応させる方法が知られている(非特許文献1:有機化学実験の手引き、6ページ、化学同人)。しかしながら、この方法では、高価なイミダゾールを多く使用する必要があり、また、溶媒のDMFが水溶性であるため、反応後の後処理で副生するイミダゾール塩酸塩を除くために水を添加した場合に、抽出用の溶媒が必要であり、また塩酸塩と共にDMFが水層に溶解するため、水層の処理が困難となるという欠点がある。
また、ヒドロキシル基が嵩高くクロロシランに対する反応性が低い場合に、2,6−ルチジンを塩基として用いてt−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートを塩化メチレン中で反応させる方法が知られている(非特許文献1:有機化学実験の手引き、6ページ、化学同人)。しかしながら、t−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネートは高価であり、工業的な使用には適さない。
ヒドロキシル基とクロロシランの反応において、触媒を用いて反応を行う方法として、ジメチルアミノピリジンを触媒として用いて、t−ブチルジメチルクロロシランを、トリエチルアミン存在下に塩化メチレン中で反応させて、1級のヒドロキシル基を選択的にシリル化する方法が知られている(非特許文献2:hernandez, O.;Chaudhary, S. K.Tetrahedron Lett. 1979, 99.)。しかしながら、この方法では、2級のヒドロキシル基等の場合には適用できない。また、2級アミンをt−ブチルジメチルシリル化するためには、ジメチルアミノピリジン触媒を用いた場合にもDMFの様な極性溶媒を用いる必要があることが示されている(非特許文献2:hernandez, O.;Chaudhary, S. K.Tetrahedron Lett. 1979, 99.)。
上記の様に、これまでに触媒を用いてヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化する方法では、触媒の活性は満足できるものではなかった。
一方、ヒドロキシル基の保護によく用いられているt−ブチルジメチルクロロシランは、常温で結晶であり、工業的レベルでは取扱いで問題になる場合がある。取扱いを容易にするために、t−ブチルジメチルクロロシランをトルエンや酢酸エチル等の溶剤等に溶解した溶液が工業的に用いられている。また、ヒドロキシル基のクロロシランによるシリル化反応に炭化水素系溶媒を用いた場合には、副生する塩酸塩を、水を加えて溶解した場合に溶媒が水層に移行せず、水層中の反応に用いた塩基の塩酸塩からの遊離の塩基回収も容易になるという利点も有している。しかしながら、トルエン等の炭化水素系溶媒中でクロロシランを用いてヒドロキシル基をシリル化した場合には、DMF等の極性溶媒を用いた場合に比較して反応性が低下する場合があるという問題点があった。
以上のことから、ヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化する際に触媒を用いて反応性を向上させる方法、特に非極性溶媒中でシリル化する方法の開発が望まれていた。
有機化学実験の手引き、6ページ、化学同人 hernandez, O.;Chaudhary, S. K.Tetrahedron Lett. 1979, 99.
本発明は、上記要望に応えたもので、非極性溶媒を用いて、ヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化する反応を促進することができ、特に非極性溶媒中で有効にシリル化することができるヒドロキシル基のシリル化方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、スルホン酸化合物もしくはその誘導体又は銅化合物を反応系に添加することにより、ヒドロキシル基のクロロシラン化合物によるシリル化反応が促進されることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、スルホン酸化合物もしくはその誘導体又は銅化合物の存在下に、ヒドロキシル基含有化合物のヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化することを特徴とするヒドロキシル基のシリル化方法を提供する。この場合、非極性溶媒を用いて反応を行うことが好ましい。
本発明のヒドロキシル基含有化合物のシリル化方法によれば、ヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化する反応を促進することができ、特に非極性溶媒中で有効にシリル化することができる。
本発明のヒドロキシル基含有化合物のシリル化方法は、スルホン酸化合物もしくはその誘導体又は銅化合物の存在下にヒドロキシル基含有化合物のヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化するものである。
この場合、本発明のスルホン酸化合物及びその誘導体触媒において、スルホン酸化合物としてはスルホン酸基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、無水のスルホン酸でもp−トルエンスルホン酸・1水和物のような水和物であってもよい。具体的には、スルホン酸化合物としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸・1水和物、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。特に、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸・1水和物、ドデシルベンゼンスルホン酸を用いることが好ましい。また、スルホン酸化合物の誘導体としては、スルホン酸のアミン塩や金属塩、スルホン酸のシリルエステル等が挙げられる。スルホン酸のアミン塩としては、上記スルホン酸のアンモニウム塩、メチルアミン塩、エチルアミン塩、ジメチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルエチルアミン塩、ジメチルアニリン塩、アニリン塩、2−ピコリン塩、3−ピコリン塩、4−ピコリン塩、キノリン塩、テトラメチルエチレンジアミン塩等が挙げられる。スルホン酸の金属塩としては、上記スルホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。スルホン酸のシリルエステルとしては、上記スルホン酸のトリメチルシリルエステル、エチルジメチルシリルエステル、ジエチルメチルシリルエステル、トリエチルシリルエステル、tert−ブチルジメチルシリルエステル、tert−ブチルジフェニルシリルエステル、トリイソプロピルシリルエステル、トリ−n−ブチルシリルエステル、シリルエステル等が挙げられる。
また、本発明の銅化合物としては、具体的には、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、シアン化銅(I)、チオシアン酸銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)等が挙げられる。特に、塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)を用いることが好ましい。
本発明のスルホン酸化合物及びその誘導体触媒の使用量は、ヒドロキシル基含有化合物1molに対して0.001〜0.1mol用いることが好ましく、特には0.002〜0.05mol用いることが好ましく、更に好ましくは0.005〜0.03mol用いることが好ましい。これより少ない場合には、反応速度が遅くなる場合があり実用的でなく、これより多く用いてもさらなる反応速度の向上しない場合があり、経済的でない。
本発明の銅化合物の使用量は、ヒドロキシル基含有化合物1molに対して0.001〜0.2mol用いることが好ましく、特には0.005〜0.1mol用いることが好ましく、更に好ましくは0.01〜0.05mol用いることが好ましい。これより少ない場合には、反応速度が遅くなる場合があり実用的でなく、これより多く用いても更なる反応速度の向上しない場合があり、経済的でない。
本発明のヒドロキシル基を含有する化合物としては、アルコール性又はフェノール性のヒドロキシル基を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、1級、2級及び3級アルコール類、置換基としてハロゲン、ジオルガノアミノ基、エステル基、シアノ基等の置換基を有するアルコール類、置換又は無置換のフェノール類、同一分子内の複数の水酸基を有する多価アルコール類等が挙げられる。
1級アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、2−クロロエタノール、2−ブロモエタノール、3−クロロプロパノール、3−ブロモプロパノール、4−クロロブタノール、4−ブロモエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノプロパノール、3−ジエチルアミノプロパノール等が挙げられる。
2級アルコールとしては、2−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、シクロペンタノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、シクロヘキサノール、シクロオクタノール等が挙げられる。
3級アルコールとしては、t−ブタノール、t−アミルアルコール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、3−メチル−1−ペンテン−3−オール等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2−エチルフェノール、3−エチルフェノール、4−エチルフェノール、2−t−ブチルフェノール、3−t−ブチルフェノール、4−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、m−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール等が挙げられる。
水酸基を2つ以上持つポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール等が挙げられる。
本発明のクロロシラン類としては、特に制限はない。クロロシランとしては、トリメチルクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン、ジエチルメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン、tert−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリ−n−ブチルクロロシラン、トリイソブチルクロロシラン等のモノクロロシラン類、ジ−tert−ブチルジクロロシラン、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン等のジクロロシラン類等が挙げられる。これらのクロロシラン類は、液状のクロロシラン類はそのまま用いることができ、またtert−ブチルジメチルクロロシランのように常温で固体のクロロシラン類は、固体のまま用いてもよく、トルエンや酢酸エチル等の溶媒に溶解して、溶液として用いることもできる。
本発明のクロロシランの使用量としては、ヒドロキシル基1molに対して0.5〜2.0mol用いることが好ましく、更には0.8〜1.8mol用いることが好ましく、特に0.9〜1.5mol用いることが好ましい。これより少ないとシリル化反応が十分進行しない場合があり、これより多くても反応率は向上せず、経済的でない。
本発明のヒドロキシル基のシリル化反応は、還流条件下等で反応を行い、副生するハロゲン化水素を反応系外に除去しながら行うこともできるが、塩基の存在下に反応を行い、生成する塩化水素をトラップすることが好ましい。用いる塩基としては特に制限はないが、アミン類を用いることが好ましい。アミンとしては具体的には、アンモニア、メチルアミンやエチルアミン等の1級アミン、ジメチルアミンやジエチルアミン等の2級アミン類、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン等の3級アミン類、アニリンや2−ピコリン、3−ピコリン、4−ピコリン、キノリン等の芳香族アミン類、テトラメチルエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン等のジアミン類等が挙げられる。これらの中で、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン等の3級アミンを用いることが好ましい。
この場合、アミンの使用量は、ヒドロキシル基1molに対して0.5〜2.5mol、好ましくは0.8〜2.0mol、更に好ましくは1.1〜1.7molである。アミンの使用量が0.5molより少ないとシリル化反応が十分に進行しない場合があり、2.5molよりも多くても反応率は向上せず、経済的でない場合がある。
本発明においては、反応は溶媒を用いて行うことができ、溶媒としては非極性溶媒が好ましい。非極性溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、メシチレン、ジエチルベンゼン等が挙げられる。これらの非極性溶媒は単独で用いてもよく、また2種以上混合して用いてもよい。その使用量は、ヒドロキシル基1molに対して20〜1,000ml、好ましくは50〜500ml、更に好ましくは100〜300mlである。非極性溶媒の使用量が20mlより少ないと撹拌ができなくなる場合があり、1,000mlを超えるとポットイールドが低下する場合がある。
上記のヒドロシリル基のシリル化反応は、0〜200℃の反応温度で行うことが好ましく、より好ましくは10〜180℃で行うことが好ましい。特に好ましくは20〜150℃である。この温度より低いと反応速度が遅くなり、実用的でなくなることがあり、また、これより高い温度では副反応が起こり、収率が低下するおそれがある。
上記ヒドロキシル基のシリル化反応は、クロロシランと塩基、触媒、溶媒を仕込み、ヒドロキシル基含有化合物を添加して行うことができる。また、ヒドロキシル基含有化合物と塩基、触媒、溶媒を仕込み、クロロシランを添加して行うこともできる。この場合、クロロシラン化合物がtert−ブチルジメチルクロロシラン等、固体の場合には、溶媒に溶かした溶液として用いることが好ましい。また、クロロシランとヒドロキシル基含有化合物、塩基、触媒、溶媒を一括で仕込み加熱して行うこともできる。これらの中では、クロロシランと塩基、触媒、溶媒を仕込み、ヒドロキシル基含有化合物を添加して行うことが好ましい。ここで、触媒としてスルホン酸のアミン塩を用いる場合には、スルホン酸のアミン塩として添加してもよく、またスルホン酸とアミンとを混合して反応系内でスルホン酸アミン塩として用いてもよい。同様に、スルホン酸のシリルエステルは、スルホン酸シリルエステルを触媒として添加してもよく、また、クロロシランとスルホン酸を反応系内で混合してスルホン酸シリルエステルとして用いてもよい。
上記ヒドロキシル基のシリル化反応では、副生する塩酸と塩基が反応して塩基の塩酸塩が生成する。生成した塩酸塩は、濾過により除去してもよく、また反応液に水を加えて塩酸塩を溶解して分液により除去することもできる。塩酸塩は、そのまま廃棄してもよいが、水酸化ナトリウム水溶液等の強塩基により中和して遊離の塩基とした後に、精製して再利用することが好ましい。
上記ヒドロキシル基のヒドロシリル化反応で得られるシリル化物は、上記の方法により副生する塩酸塩を除去した後、蒸留や、カラムクロマトグラフィーにより精製することができる。また、副生する塩酸塩を除去しないでそのままカラムクロマトグラフィー等により精製することもできる。また、上記方法により、塩酸塩を除去した後に精製せずにそのまま用いることもできる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。実施例中の反応率は、ガスクロマトグラフィーの面積パーセントより求めた。
[実施例1]
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、t−ブチルジメチルクロロシラン31.6g(0.21mol)と2−ブタノール14.8g(0.2mol)、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)、メタンスルホン酸0.38g(0.004mol)を仕込み、トルエン50mlを添加して溶解した。還流下熟成を行い、反応の進行をガスクロマトグラフィーにより追跡した。熟成3時間で、反応率は100%となった。熟成時間と反応率の関係を表1に示す。
[実施例2]
メタンスルホン酸を0.19g(0.002mol)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表1に示す。
[比較例1]
メタンスルホン酸を添加しない以外は実施例1と同様にして反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表1に示す。
[実施例3]
メタンスルホン酸をp−トルエンスルホン酸・1水和物0.38g(0.002mol)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表1に示す。
[実施例4]
メタンスルホン酸をCuCl0.40g(0.004mol)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表1に示す。
[実施例5]
メタンスルホン酸をCuBr0.57g(0.004mol)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表1に示す。
[実施例6]
メタンスルホン酸をCuI0.76g(0.004mol)に変更した以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表1に示す。
Figure 2009001498
[実施例7]
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、t−ブチルジメチルクロロシラン31.6g(0.21mol)と1−ヘキサノール20.4g(0.2mol)、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)、メタンスルホン酸0.19g(0.002mol)を仕込み、トルエン50mlを添加して溶解した。還流下熟成を行い、反応の進行をガスクロマトグラフィーにより追跡した。熟成1時間で、反応率は100%となった。
[比較例2]
メタンスルホン酸を添加しない以外は実施例7と同様にして反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表2に示す。
[実施例8]
メタンスルホン酸をCuCl0.40g(0.004mol)に変更した以外は、実施例7と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表2に示す。
Figure 2009001498
[実施例9]
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、トリイソプロピルクロロシラン40.5g(0.21mol)と1−ヘキサノール20.4g(0.2mol)、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)、メタンスルホン酸0.38g(0.004mol)を仕込み、トルエン50mlを添加して溶解した。還流下熟成を行い、反応の進行をガスクロマトグラフィーにより追跡した。熟成4時間で、反応率は99%となった。
[比較例3]
メタンスルホン酸を添加しない以外は実施例9と同様にして反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表3に示す。
[実施例10]
メタンスルホン酸をp−トルエンスルホン酸・1水和物0.76g(0.004mol)に変更した以外は、実施例9と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表3に示す。
[実施例11]
メタンスルホン酸をCuCl0.59g(0.006mol)に変更した以外は、実施例9と同様に反応を行い、反応率をガスクロマトグラフィーにより追跡した。結果を表3に示す。
Figure 2009001498
[実施例12]
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、t−ブチルジメチルクロロシラン63.3g(0.42mol)とトリエチルアミン44.5g(0.44mol)、メタンスルホン酸0.77g(0.002mol)を仕込み、トルエン120mlを添加して溶解した。室温で2−ブロモエタノール50.0g(0.4mol)を50分かけて滴下し、そのまま2時間撹拌した。水80.0gを添加して生成した塩を溶解し、水層を分液により除去した。得られた有機層を、減圧蒸留することにより、(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシラン79.0g(0.33mol、沸点70℃/0.8kPa)が得られた。収率は83%であった。
[比較例4]
300mlの4つ口ガラスフラスコに還流冷却器、温度計及び撹拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、t−ブチルジメチルクロロシラン63.3g(0.42mol)とトリエチルアミン44.5g(0.44mol)を仕込み、トルエン120mlを添加して溶解した。室温で2−ブロモエタノール50.0g(0.4mol)を50分かけて滴下したが反応が進行しなかった。オイルバスにより70℃まで加熱したところ、発熱的に反応が進行し、内温が105℃まで上昇した。ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、(2−ブロモエトキシ)−t−ブチルジメチルシランと(2−クロロエトキシ)−t−ブチルジメチルシランが2:1の割合で生成していた。このことから、触媒を用いない反応では、室温では反応が進行せず、加熱すると副反応が起こることを示している。

Claims (2)

  1. スルホン酸化合物もしくはその誘導体又は銅化合物の存在下に、ヒドロキシル基含有化合物のヒドロキシル基をクロロシランによりシリル化することを特徴とするヒドロキシル基のシリル化方法。
  2. 非極性溶媒を用いて反応を行うことを特徴とする請求項1記載のヒドロキシル基のシリル化方法。
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