JP2019038876A - 導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜 - Google Patents
導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019038876A JP2019038876A JP2017159615A JP2017159615A JP2019038876A JP 2019038876 A JP2019038876 A JP 2019038876A JP 2017159615 A JP2017159615 A JP 2017159615A JP 2017159615 A JP2017159615 A JP 2017159615A JP 2019038876 A JP2019038876 A JP 2019038876A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- conductive polymer
- organic solvent
- polymer composition
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
- Non-Insulated Conductors (AREA)
Abstract
Description
特許文献1には、導電性高分子水溶液の製造方法として、ポリスチレンスルホン酸の存在下、酸化剤を用いて、3,4−ジアルコキシチオフェンを化学酸化重合してポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)水溶液を得る方法が提案されている。
ところで、上記のような導電性高分子水溶液は、皮膜を形成する際の乾燥時間が長く、生産性が低いという問題がある。また、皮膜に耐水性、硬度、柔軟性、紫外線硬化性等を付与するために、導電性高分子水溶液に配合する反応性単量体、高分子、添加物等の配合物の中には、水に溶解しないものが多く、必要な配合が得られない場合がある。
特許文献2には、導電性高分子水溶液に有機溶剤を添加し、エバポレータによって水を揮発させて除去する方法が開示されている。
特許文献3には、導電性高分子溶液を噴霧乾燥し、得られた固形物に有機溶剤とアミン化合物とノニオン界面活性剤を添加して分散する方法、導電性高分子水溶液に沈殿剤および有機溶剤を添加し、水を除去した後に、アミン化合物およびノニオン界面活性剤を添加して分散する方法が開示されている。
特許文献2に記載の方法では、有機溶剤としては、沸点が水よりも大幅に高く、水と混合し得るものを使用しなければならず、結果的に高極性の有機溶剤に分散した導電性高分子溶液しか得ることはできない。
特許文献3に記載の方法でも、水分が系中に多く残留する場合がある他、分散に用いる溶媒がメタノール、エタノール、メチルエチルケトンのような高極性の溶媒のみであり、低極性の溶媒に導電性高分子を分散する方法は開示されていない。
そこで、本発明は、低極性の有機溶媒にも分散可能な導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜を提供することを目的とする。
[1] アニオン基および電子吸引基の少なくとも一方を有するとともに、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な官能基(X)を有する可溶化高分子(b)と、π共役系導電性高分子(a)と、を含有し、前記可溶化高分子(b)の前記官能基(X)の一部はクロロシリル基含有化合物誘導体と縮合している、ことを特徴とする導電性高分子組成物。
[2] 有機溶媒(c)を含み、前記導電性高分子組成物中の、固形分を除いた残りの媒体の総質量に対する有機溶媒(c)の含有量が50〜100質量%である、[1]の導電性高分子組成物。
[3] 前記有機溶媒(c)が非水溶性有機溶媒(c1)を含み、前記有機溶媒(c)の総質量に対する非水溶性有機溶媒(c1)の含有量が10〜100質量%である、[2]の導電性高分子組成物。
[4] 前記導電性高分子組成物の総質量に対する、前記非水溶性有機溶媒(c1)の含有量が20質量%以上である、[3]の導電性高分子組成物。
[5] 前記非水溶性有機溶媒(c1)が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、およびトリクロロエチレンからなる群から選ばれる1種以上である、[3]または[4]の導電性高分子組成物。
[6] 有機溶媒に可溶な樹脂(d)を含む、[2]から[5]のいずれかの導電性高分子組成物。
[7] 前記π共役系導電性高分子(a)が、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、およびポリチオフェンビニレン類からなる群から選択される1種以上を構成単位として有する重合体である、[1]から[6]のいずれかの導電性高分子組成物。
[8] 前記π共役系導電性高分子(a)が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)またはポリピロールである、[7]の導電性高分子組成物。
[9] 前記可溶化高分子(b)の前記官能基(X)が、ヒドロキシ基およびシラノール基のいずれか一方または両方である、[1]から[8]のいずれかの導電性高分子組成物。
[10] 前記可溶化高分子(b)が、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル酸アルキレンスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸からなる群から選択される1種以上に基づく単量体単位を有する、[1]から[9]のいずれかの導電性高分子組成物。
[11] 前記可溶化高分子(b)と、前記π共役系導電性高分子(a)とが複合体を形成している、[1]から[10]のいずれかの導電性高分子組成物。
[12] 前記クロロシリル基含有化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、[1]から[11]のいずれかの導電性高分子組成物。
R−Si(CH3)mCl(3−m)・・・(1)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアルキル基、またはフェニル基であり、mは0、1、または2を表す。)
π共役系導電性高分子(a)と、を含有する前駆複合体を製造し、該前駆複合体にクロロシリル基含有化合物を縮合させる、ことを特徴とする導電性高分子組成物の製造方法。
[14] アニオン基および電子吸引基の少なくとも一方を有する可溶化高分子前駆体(b’’)と、π共役系導電性高分子(a)と、を含有する複合体を製造し、該複合体と、オキシラン基およびオキセタン基の少なくとも一方を有する有機化合物とを反応させて前記官能基(X)を導入することによって、前記前駆複合体を製造する、[13]の導電性高分子組成物の製造方法。
[16] 前記[15]の帯電防止樹脂組成物から有機溶媒を低減せしめ硬化して成る帯電防止樹脂皮膜。
本発明の導電性高分子組成物の製造方法によれば、低極性の有機溶媒にも分散可能な導電性高分子組成物を製造できる。
本発明の導電性高分子組成物は、π共役系導電性高分子(a)(以下、導電性高分子(a)ともいう。)と、可溶化高分子(b)とを含有する。さらに有機溶媒(c)を含有してもよい。また有機溶媒に可溶な樹脂(d)を含有してもよい。
可溶化高分子(b)は、アニオン基および電子吸引基の少なくとも一方を有するとともに、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な官能基(以下、官能基(X)ともいう。)を有し、官能基(X)の一部はクロロシリル基含有化合物誘導体と縮合している。
可溶化高分子(b)の、官能基(X)およびクロロシリル基含有化合物誘導体が導入される前の高分子を可溶化高分子前駆体(b’’)ともいう。
可溶化高分子前駆体(b’’)に官能基(X)が導入された高分子を官能基(X)含有高分子(b’)ともいう。
導電性高分子組成物において、可溶化高分子(b)中のアニオン基および電子吸引基の一部は、導電性高分子(a)に配位しており、導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)とは複合体を形成している。
導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の複合体は、おおよそ数十ナノメータの粒子径を持つ微粒子をなし、該微粒子が媒体中に分散された分散液は、可視光領域では透明であって媒体中に溶解しているように見える。したがって、本発明では分散液と溶液、分散媒と溶媒とは厳密には区別されないものとする。
導電性高分子(a)は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、およびポリチオフェンビニレン類からなる群から選択される1種以上に基づく構成単位を有する単独重合体またはブロック共重合体が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類およびポリアニリン類が好ましい。
導電性高分子(a)は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、置換基を有していてもよい。例えば、導電性をより高めるために、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の置換基が導入されていてもよい。
ポリアセチレン類の例としては、トランス型ポリアセチレン、シス型ポリアセチレン等が挙げられる。
ポリフェニレン類の例としては、ポリパラフェニレン、ポリナフチレン、ポリカルバゾール、ポリアズレン、ポリピレン、等が挙げられる。
ポリフェニレンビニレン類の例としては、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン等が挙げられる。
これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリピロール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)は、導電性がより高い上に、耐熱性が向上する点から、より好ましい。
ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルチオフェン)のようなアルキル置換化合物は溶媒溶解性や、疎水性樹脂を添加した場合の相溶性及び分散性をより向上させるためより好ましい。アルキル基の中では導電性に悪影響を与えることが少ないため、メチル基が好ましい。
可溶化高分子(b)は、導電性高分子(a)と複合体を形成して、導電性高分子(a)の水分散性を高める高分子化合物であり、具体的には、アニオン基及び電子吸引基の少なくとも一方を有する高分子化合物である。
アニオン基を有する高分子化合物(以下、「ポリアニオン」という。)は、一分子中に複数のアニオン基を有する高分子化合物である。
本発明において、アニオン基と電子吸引基の両方を有する高分子化合物は、ポリアニオンに含まれるものとする。
また、アニオン基を有さない高分子を得た後、硫酸、発煙硫酸、スルファミン酸等のスルホン化剤によりスルホン化することにより得ることもできる。さらに、アニオン基を有する高分子をいったん得た後に、さらにスルホン化することにより、アニオン基含量のより多いポリアニオンを得ることもできる。
アニオン基としては、−O−SO3 −X+、−SO3 −X+、−COO−X+、−O−PO4 −X+、−PO4 −X+(各式においてX+は水素イオンまたはアルカリ金属イオンを表す。)等が挙げられる。これらの中でも、導電性高分子(a)へのドーピング効果に優れる点から、硫酸エステル基(−O−SO3 −X+)、スルホ基(−SO3 −X+)、カルボキシ基(−COO−X+)が好ましく、−SO3 −X+、−COO−X+がより好ましい。
アニオン基は、隣接して又は一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
アニオン基を有する単量体は、導電性高分子にドープされて複合体を形成するポリアニオンの単量体として公知のものを用いることができる。
具体的には、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル酸アルキレンスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸からなる群から選択される1種以上に基づく単量体単位を有する単独重合体または共重合体が好ましく、スチレンスルホン酸に基づく単量体単位を有する単独重合体または共重合体がより好ましく、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
アルキル基は、極性溶媒又は非極性溶媒への溶解性及び分散性、樹脂への相溶性及び分散性等を高くすることができ、ヒドロキシ基は、他の水素原子等との水素結合を形成しやすくでき、有機溶媒への溶解性、樹脂への相溶性、分散性、接着性を高くすることができる。また、シアノ基及びヒドロキシフェニル基は、極性樹脂への相溶性、溶解性を高くすることができ、しかも、耐熱性も高くすることができる。
上記置換基の中では、アルキル基、ヒドロキシ基、エステル基、シアノ基が好ましい。
電子吸引基を有する高分子化合物は、電子吸引基を有する単量体に基づく単量体単位を有する単独重合体または共重合体である。電子吸引基として、シアノ基、ニトロ基、ホルミル基、カルボニル基、アセチル基から選ばれる少なくとも1種を有することが好ましい。特にシアノ基は極性が高く、導電性高分子(a)の溶媒溶解性をより高めることができる点で好ましい。また、バインダ樹脂との相溶性、分散性をより高くできる点で好ましい。
電子吸引性基を有する高分子化合物の具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ヒドロキシ基あるいはアミノ基含有樹脂をシアノエチル化した樹脂(例えば、シアノエチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリビニルピロリドン、ニトロセルロースなどが挙げられる。
ここで、導電性高分子(a)の単量体単位とは、導電性高分子(a)の構成単位を形成する繰り返し単位を意味する。例えば、導電性高分子(a)が「ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)」に基づく構成単位からなる重合体である場合、導電性高分子(a)の単量体単位の1モルは、「3、4−エチレンジオキシチオフェン」に基づく単位の1モルである。
可溶化高分子(b)には、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な官能基(X)が導入されている。
官能基(X)としては、クロロシリル基含有化合物との縮合反応が容易である観点から、ヒドロキシ基およびシラノール基のいずれか一方または両方が好ましい。
可溶化高分子(b)の官能基(X)は、該可溶化高分子(b)中のアニオン基および電子吸引基とは異なることが好ましい。可溶化高分子(b)中のアニオン基および電子吸引基は、ヒドロキシ基およびシラノール基以外の基であることが好ましい。
ヒドロキシ基を含む単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2,3−ジヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールモノアクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートなどが挙げられる。
アルコキシシリル基を含む単量体としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
ヒドロキシ基を含む単量体とアルコキシシリル基を含む単量体の合計は、アニオン基を有する単量体および電子吸引基を有する単量体の合計の1モルに対して、0.001から0.5モルが好ましい。0.001モルより多いとクロロシリル基含有化合物との縮合により有機溶媒に対する溶解性が充分得られやすく、0.5モルより少ないと導電性高分子(a)へのドーピングが充分になりやすく、導電率の高い導電性高分子複合体が得られやすい。
すなわち、可溶化高分子(b)の官能基(X)は、オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物から誘導される基の一部であることが好ましい。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物を、可溶化高分子前駆体(b’’)のアニオン基に開環付加させることにより、可溶化高分子前駆体(b’’)にヒドロキシ基を導入することができる。
また、アルコキシシリル基を有する、オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物を、水中で、可溶化高分子前駆体(b’’)のアニオン基に開環付加させることにより、可溶化高分子前駆体(b’’)にヒドロキシ基およびシラノール基を導入することができる。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物としては、オキシラン基若しくはオキセタン基を分子中に有していればどのような分子構造を持つ化合物でもよい。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物は、1分子中に1個のオキシラン基またはオキセタン基を有することが、凝集やゲル化を低減しやすい点で好ましい。
また、オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物は、導電性高分子の疎水性をより高め、低極性の有機溶媒との親和性をより高めるためには、アルキル基またはアルキレン基を有することが好ましく、1分子中のアルキル基とアルキレン基の炭素原子数の合計が6以上であることが好ましい。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物の分子量は、有機溶媒への分散性向上効果に優れる点で、50〜2,000が好ましく、70〜300がより好ましい。
オキシラン基含有有機化合物は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。オキセタン基含有有機化合物は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。オキシラン基含有有機化合物の1種以上とオキセタン基含有有機化合物の1種以上とを併用してもよい。
また可溶化高分子前駆体(b’’)中のアニオン基の合計のモル比に対して、反応させるオキシラン基とオキセタン基の合計のモル比が、0.5〜200倍であることが好ましく、2.0〜100倍がより好ましい。
また可溶化高分子前駆体(b’’)中のアニオン基の当量に対して、付加したオキシラン基とオキセタン基の合計の当量比が、0.05〜20倍であることが好ましく、0.1〜10倍がより好ましい。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物の使用量が上記範囲の下限値以上であると、有機溶媒への分散性向上効果に優れ、上限値以下であると、余剰のオキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物が除去しにくい。
オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物の付加量が上記範囲の下限値以上であると、有機溶媒への分散性向上効果に優れ、上限値以下であると、余剰のオキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物が除去しにくい。
可溶化高分子(b)において、導入された官能基(X)の一部は、クロロシリル基含有化合物誘導体と縮合している。
クロロシリル基含有化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
R−Si(CH3)mCl(3−m) ・・・(1)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭素数6〜30のアルキル基、またはフェニル基であり、mは0、1、または2を表す。)
一般式(1)において、Rは炭素数8〜20のアルキル基がより好ましい。Rとしてのアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、直鎖状が好ましい。
一般式(1)において、mは0または1が好ましく、0がより好ましい。
クロロシリル基含有化合物中の塩素原子は、官能基(X)との縮合反応により消失し、または縮合反応後に置換され、可溶化高分子(b)中には残存していない場合がある。クロロシリル基含有化合物誘導体とは、このような、クロロシリル基含有化合物中の塩素原子が消失または置換された誘導体を意味する。塩素原子の置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、イソプロペノキシ基、メトキシ基、エトキシ基、またはアセトキシ基等が挙げられる。
本発明の導電性高分子組成物は、固形分のほかに、有機溶媒(c)を主成分とする媒体(溶媒または分散媒)を含んでもよい。
有機溶媒(c)を主成分とするとは、固形分を除いた残りの媒体の総質量に対する有機溶媒(c)の含有量が50〜100質量%であることを意味する。
導電性高分子組成物が媒体(溶媒または分散媒)を含む場合、導電性高分子組成物中の導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は、導電性高分子組成物の総質量に対して0.05〜5.0質量%であることが好ましい。導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計含有量が0.05質量%以上であると、導電性高分子組成物を塗布後に形成される皮膜の導電性が優れたものになりやすい。5.0質量%以下であると、均一性に優れた導電性皮膜が得られやすい。
非水溶性有機溶媒とは、20℃における水100gに対する溶解量が2g以下の有機溶媒を意味する。
非水溶性有機溶媒は、低極性の有機溶媒であり、シリコーン樹脂等の疎水性の高い樹脂を溶解させることができるものである。
一方、水溶性有機溶媒とは、20℃における水100gに対する溶解量が2g超の有機溶媒を意味する。
疎水性の高い樹脂を溶解させる場合には、有機溶媒(c)が、非水溶性有機溶媒(c1)を含むことが好ましい。例えば、有機溶媒(c)の総質量に対する非水溶性有機溶媒(c1)の含有量が10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%がより好ましい。
非水溶性有機溶媒(c1)が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、およびトリクロロエチレンからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
導電性高分子組成物が、非水溶性有機溶媒(c1)を含む場合、疎水性の高い樹脂をより容易に溶解させるためには、導電性高分子組成物の総質量に対する非水溶性有機溶媒(c1)の含有量が20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。
導電性高分子組成物が有機溶媒(c)を含有する場合、さらに、導電性高分子組成物中の有機溶媒(c)に可溶な樹脂(d)を含有してもよい。
例えば、バインダの機能を持つ樹脂(以下、バインダ樹脂ともいう。)を導電性高分子組成物に含有させると、導電性皮膜の耐傷性や硬度を高くし、皮膜と基材との密着性を向上させることができる。
バインダ樹脂は、熱硬化性樹脂でもよく熱可塑性樹脂でもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド;ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマ−、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;アラミド樹脂;ポリイミドシリコーン;ポリウレタン;ポリウレア;メラミン樹脂;フェノール樹脂;ポリエーテル;アクリル樹脂;シリコーン樹脂;ウレタン樹脂;およびこれらの共重合体や混合物が挙げられる。
これらの中でも、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリイミドシリコーン、シリコーン樹脂のいずれか1種以上が好ましい。アクリル樹脂は、高硬度で透明性に優れるため、光学フィルタの用途に特に適している。
導電性高分子組成物は、媒体の一部として水を含んでもよい。水の含有量は、導電性高分子組成物中の、固形分を除いた残りの媒体の総質量に対して50質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。ゼロでもよい。
導電性高分子組成物は、導電性高分子(a)、可溶化高分子(b)、有機溶媒(c)、樹脂(d)、および水のほかに、さらに、公知の添加剤の1種以上を含んでもよい。
添加剤の合計の含有量は、導電性高分子(a)、可溶化高分子(b)および樹脂(d)の合計100質量部に対して20質量部以下が好ましく、10質量部以下がより好ましい。
本発明の導電性高分子組成物は、導電性高分子(a)と、官能基(X)含有高分子(b’)とを含有する前駆複合体を製造し、該前駆複合体にクロロシリル基含有化合物を縮合させる方法で製造できる。
前駆複合体において、官能基(X)含有高分子(b’)中のアニオン基および電子吸引基の一部は、導電性高分子(a)に配位している。
(1)導電性高分子(a)/可溶化高分子前駆体(b’’)複合体を分散させた水分散液(または水溶液)からの製造方法
導電性高分子(a)/可溶化高分子前駆体(b’’)複合体を分散させた水分散液は、導電性高分子(a)を構成する単量体(a’)と、可溶化高分子前駆体(b’’)とを含む水溶液または水分散液中で、酸化剤の存在下で単量体(a’)を重合させることで得られる。
市販品の導電性高分子(a)/可溶化高分子前駆体(b’’)複合体の水分散液を用いてもよい。市販品の例としては、Heraeus社のPEDOT/PSS水分散液(商品名:Clevios)、アグファ社のPEDOT/PSS水分散液(商品名:Orgacon)などを挙げることができる。
上記反応で得られた反応液を濃縮、濾別あるいは乾固して、濃縮物または固体の前駆複合体が得られる。その後、好適には、得られた濃縮物あるいは固体を、有機溶媒(c)に溶解または分散させて前駆複合体分散液を得る。
前記固形物に、オキシラン基および/またはオキセタン基含有化合物が溶解する溶剤、および水の一方または両方を適量添加後、可溶化高分子前駆体(b’’)のアニオン基に、オキシラン基および/またはオキセタン基を開環付加反応させる。この反応で前駆複合体が生成する。
その後は上記(1)の方法と同様にして、前駆複合体分散液を得る。
上記手法で得た、前駆複合体分散液中には、水や上記反応で使用したアルコール類など、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な化合物が存在する場合がある。従って、前処理として、このような官能基(X)含有高分子(b’)由来ではない化合物であって、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な化合物を除去する処理を、必要に応じて行う。例えば水や上記反応で使用したアルコール類などよりも高沸点の溶媒を加え、蒸留等の操作で、沸点の低い水やアルコール類等を除去する方法が挙げられる。また、脱水剤等を用いてもよい。
必要に応じて前記の前処理を行った前駆複合体分散液に、クロロシリル基含有化合物を添加し、加熱して所定の温度に保持して縮合反応させる。加熱温度は20〜90℃、保持時間は0.5〜10時間が好ましい。次に、縮合反応後に残存したクロロシリル基は、水分等で容易に塩酸を発生するため、塩素原子を置換する後処理を行うことが好ましい。例えば、反応後に、水、アセトン、メタノール、エタノール、酢酸等を添加して、残存したクロロシリル基を、シラノール基、イソプロペノキシシリル基、メトキシシリル基、エトキシシリル基、アセトキシシリル基等に変換することが好ましい。このとき、縮合反応後の液温が高く、アセトン、メタノール、エタノール、酢酸等の添加が難しい場合には、液温を20〜60℃に低下させてもよい。水、アセトン、メタノール、エタノール、酢酸等の使用量は縮合反応に用いたクロロシリル基含有化合物100質量部に対して100〜10000質量部が好ましい。
こうして得た導電性高分子組成物は、残存した塩酸を除去するために、さらに、窒素ガスを吹き込みながら加熱や、減圧等の操作を行ってもよい。また、樹脂(d)として、例えば付加型シリコーン樹脂のように活性水素により硬化反応が阻害される樹脂と混合する場合には、蒸留等の操作により上記の後処理で使用した水、メタノール、エタノール、酢酸等を除去してもよい。
こうして得た導電性高分子組成物は、有機溶媒中での分散性を保ち、高い導電性を得るため、ホモジナイザや高圧ホモジナイザで処理してもよく、他の有機溶媒を加えてもよい。
特に官能基(X)を導入するための化合物として、オキシラン基含有有機化合物および/またはオキセタン基含有有機化合物を用いると、導電性高分子(a)/可溶化高分子前駆体(b’’)複合体に、オキシラン基および/またはオキセタン基が導入されることにより該複合体の疎水性が増す効果と、さらに官能基(X)にクロロシリル基含有化合物誘導体を導入することにより疎水性が増す効果の両方が得られ、導電性高分子の非水溶性有機溶媒(低極性の有機溶媒)への分散性を充分に向上させることができる。
また特に、導電性高分子(a)/可溶化高分子前駆体(b’’)複合体として、ポリスチレンスルホン酸とポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の複合体(以下、「PEDOT−PSS」ともいう。)を用いると、組成物の熱安定性が高く、塗膜成形後の透明性が高い点で好ましい。
導電性高分子(a)、可溶化高分子(b)、有機溶媒(c)および樹脂(d)を含む導電性高分子組成物は、帯電防止皮膜を形成するための帯電防止樹脂組成物(塗料)として好適に用いることができる。
帯電防止樹脂組成物は、導電性高分子(a)、可溶化高分子(b)および有機溶媒(c)を含む溶液または分散液と、有機溶媒(c)および樹脂(d)を含む樹脂溶液を混合して製造することができる。
本発明の実施の形態に係る帯電防止樹脂皮膜は、上述の帯電防止樹脂組成物から有機溶媒を低減せしめ硬化して成る膜である。導電性高分子組成物が固形の場合には、それを、有機溶媒を主とする溶媒中に可溶若しくは分散させた溶液から帯電防止樹脂組成物(塗料)を調製する。また、導電性高分子組成物が既に有機溶媒を主とする溶媒中に可溶若しくは分散させた状態の溶液である場合には、そのまま若しくは有機溶媒でさらに希釈して帯電防止樹脂組成物(塗料)を調製する。
塗料は、紙、プラスチック、鉄、セラミックス、ガラスに代表される基体上に供給される。供給方法としては、刷毛やバーコーターを使う塗布法、塗料中に基体を浸漬するディップ法、塗料を基体上に滴下して基体を回転させて塗料を拡げるスピンコート法などの種々の手法を例示できる。基体上の塗料の硬化法は、加熱により有機溶媒を除去する方法の他、紫外線などの光や電子線を照射して硬化する方法などを例示できる。
(製造例1)・・・ポリスチレンスルホン酸(可溶化高分子前駆体(b’’))の製造
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃にて攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、その溶液を12時間攪拌した。得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に、10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の1000ml溶液を除去し、残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。さらに、得られたろ液に約2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形物を得た。得られたポリスチレンスルホン酸についてGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)カラムを用いたHPLC(高速液体クロマトグラフィー)システムを用いて、昭和電工製プルランを標準物質として重量平均分子量を測定した結果、分子量は30万であった。
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、製造例1で得た36.7gのポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。これにより得られた混合溶液を20℃に保ち攪拌を行いながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくりと添加し、3時間攪拌して反応させた。
本例において反応に用いた、3,4−エチレンジオキシチオフェンの単量体単位1モルに対して、ポリスチレンスルホン酸中のアニオン基は2モルであった。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。次に、得られた溶液に、200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。さらに、得られた溶液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの溶液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.2質量%の青色のPEDOT−PSSの水溶液を得た。
(製造例3)
400gのメタノールと50gのC12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテルとを混合した。次に、その混合液に、製造例2で得られた100gのPEDOT−PSSの水溶液を加え、室温で24時間攪拌して紺色の析出物を得た。この析出物を濾過回収し、メチルエチルケトンに分散させ、0.6質量%の前駆複合体分散液を得た。
本例において、PEDOT−PSS中のポリスチレンスルホン酸の質量に対して、用いたC12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテルの質量は57.8倍である。
また、回収した前駆複合体の重量から、C12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテルの付加量を推定すると、PEDOT−PSSを構成するポリスチレンスルホン酸中のアニオン基の当量に対して、付加したC12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテル中のオキシラン基の当量は約0.38倍であった。
製造例3のC12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテルを1,2−エポキシヘキサデカンに変えた以外は、製造例3と同じ条件にて、0.6質量%の前駆複合体分散液を得た。
本例において、PEDOT−PSS中のポリスチレンスルホン酸の質量に対して、用いた1,2−エポキシヘキサデカンの質量は57.8倍である。
また、回収した前駆複合体の重量から、1,2−エポキシヘキサデカンの付加量を推定すると、PEDOT−PSSを構成するポリスチレンスルホン酸中のアニオン基の当量に対して、付加した1,2−エポキシヘキサデカン中のオキシラン基の当量は約1.0倍であった。
製造例3のC12、C13混合高級アルコールグリシジルエーテルを35gの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランに変えた以外は、製造例3と同じ条件にて、0.6質量%の前駆複合体分散液を得た。
本例において、PEDOT−PSS中のポリスチレンスルホン酸の質量に対して、用いた3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの質量は40.5倍である。
また、回収した前駆複合体の重量から、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの付加量を推定すると、PEDOT−PSSを構成するポリスチレンスルホン酸中のアニオン基の当量に対して、付加した3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン中のオキシラン基の当量は0.31倍であった。
(実施例1)
製造例3で得た前駆複合体分散液100gにトルエン100gを加え、ロータリーエバポレーターで約100gの溶媒を留去した。再びトルエン100gを加え、ロータリーエバポレーターで約100gの溶媒を留去した。こうして得たトルエン溶液を三口フラスコに移し、温度計及び還流冷却器を取り付け、窒素気流下、オクタデシルトリクロロシラン(Aldrich社製)0.3gを加え、60℃で3時間加熱した。液温を40℃まで下げたのち、アセトン10gを加え、窒素ガスを毎秒1mLの速度で吹き込みながら60℃まで昇温し、3時間加熱して、残存するクロロシリル基をイソプロペノキシシリル基に変換した。
反応混合物をナスフラスコに移し、トルエン100gを加え、ロータリーエバポレーターで約100gの溶媒を留去した。再びトルエン100gを加え、ロータリーエバポレーターで溶媒を約110g留去し、トルエンを加えて全量を100gに合わせた。高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノヴェイタ)で処理し、メチルエチルケトンで2倍に希釈し、導電性高分子組成物200gを得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.42質量%、有機溶媒の含有量は99.58質量%、(c1)/(c2)の質量比は99.2/100である。
本例におけるオクタデシルトリクロロシランの使用量は、前駆複合体(導電性高分子(a)と官能基(X)含有高分子(b’)の合計)の1質量部に対して0.5質量部である。
オクタデシルトリクロロシランを0.5gに代えた他は、実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子組成物を得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.50質量%、有機溶媒の含有量は99.50質量%、(c1)/(c2)の質量比は99.0/100である。
本例におけるオクタデシルトリクロロシランの使用量は、前駆複合体の1質量部に対して0.83質量部である。
(実施例3)
オクタデシルトリクロロシランを0.7gに代えた他は、実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子組成物を得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.58質量%、有機溶媒の含有量は99.42質量%、(c1)/(c2)の質量比は98.8/100である。
本例におけるオクタデシルトリクロロシランの使用量は、前駆複合体の1質量部に対して1.17質量部である。
(実施例4)
製造例3で得た前駆複合体分散液を製造例4で得た前駆複合体分散液に代え、オクタデシルトリクロロシランを0.4gに変えた他は、実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子組成物を得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.46質量%、有機溶媒の含有量は99.54質量%、(c1)/(c2)の質量比は99.1/100である。
本例におけるオクタデシルトリクロロシランの使用量は、前駆複合体の1質量部に対して0.67質量部である。
(実施例5)
オクタデシルトリクロロシランを0.7gに代えた他は、実施例4と同様な操作を行い、導電性高分子組成物を得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.58質量%、有機溶媒の含有量は99.42質量%、(c1)/(c2)の質量比は98.8/100である。
本例におけるオクタデシルトリクロロシランの使用量は、前駆複合体の1質量部に対して1.17質量部である。
(実施例6)
製造例3で得た前駆複合体分散液を製造例5で得た前駆複合体分散液に代えた他は、実施例2と同様な操作を行い、導電性高分子組成物を得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.50質量%、有機溶媒の含有量は99.50質量%、(c1)/(c2)の質量比は99.0/100である。
本例におけるオクタデシルトリクロロシランの使用量は、前駆複合体の1質量部に対して0.83質量部である。
製造例3で得た前駆複合体分散液100gにトルエン100gを加え、ロータリーエバポレーターで約100gの溶媒を留去した。再びトルエン100gを加え、ロータリーエバポレーターで約130gの溶媒を留去し、トルエンを加えて全量を70gに合わせた。高圧ホモジナイザ(吉田機械興業社製ナノヴェイタ)で処理し、メチルエチルケトンで2倍に希釈し、導電性高分子組成物を得た。
本例で得られた導電性高分子組成物における導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量は0.43質量%、有機溶媒の含有量は99.57質量%、(c1)/(c2)の質量比は99.1/100である。
オクタデシルトリクロロシランをオクチルトリエトキシシラン(信越化学工業製、KBE−3083)0.4gに代えた他は、実施例1と同様な操作を行い、導電性高分子組成物を得た。
[実施例1〜6及び比較例1,2の導電性組成物とそれらを用いて形成した皮膜の評価方法]
(1)表面抵抗率
各実施例で得た導電性高分子組成物溶液をPETフィルム(東レ株式会社製、ルミラー(登録商標)T60)上に#12バーコーターで塗布した後、熱風乾燥機を用いて100℃×1分間の条件で乾燥した。得られたフィルムの表面抵抗値は、ハイレスタ(三菱化学アナリテック社製: ハイレスタGP MCP−HT450)を用いて、印加電圧10Vの条件で測定した。
(2)透過率
表面抵抗値の測定に用いたフィルムの透過率を、ヘイズメーターNDH5000(日本電色社製)を用いて測定した。
(3)溶液安定性(1)((c1)/(c2)=1/1の溶媒中)
各例において、導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量が0.4質量%となるようにトルエン/メチルエチルケトン=1/1(質量比)の等量混合液を添加して得られた導電性高分子組成物をサンプルとした。サンプル各6gを23℃で24時間静置後、沈降の有無で評価した。本評価において、サンプル中の溶媒における(c1)/(c2)の質量比は、(c1)/(c2)=約1/1となる。
(4)溶液安定性(2)((c1)/(c2)=5/1の溶媒中)
非水溶性有機溶媒(c1)を多く含む溶液中での安定性を調べるために、溶液安定性(1)と同様に調製したサンプル2gに、非水溶性有機溶媒(c1)としてヘプタン4gを混合し、23℃で24時間静置後、沈降の有無で評価した。本評価において、サンプル中の溶媒における(c1)/(c2)の質量比は、(c1)/(c2)=約5/1となる。
表1に、各実施例および各比較例にて得られた導電性高分子組成物の、溶液安定性およびそれを用いて形成した皮膜の評価を示す。表1において、溶液安定性の「安定」とは、沈降物等が無く溶液中で分散安定化している状態を、「沈降」とは、沈降物が存在しており溶液中で分散安定化してしない状態をそれぞれ意味する。
表1には、各実施例および各比較例にて得られた導電性高分子組成物中の、導電性高分子(a)と可溶化高分子(b)の合計の含有量(表には固形分濃度と記載する。)、溶媒の種類と、溶媒における(c1)/(c2)の質量比を示す。
一方、前駆複合体にオクタデシルトリクロロシランを反応させなかった比較例1、2では、低極性の有機溶媒中で導電性高分子の沈降が生じた。
かかる効果が得られる理由は以下のように考えられる。
製造例3、4及び5で得られた、前駆複合体は、ポリアニオンにエポキシ化合物を付加開環して得られたものである。従って、該前駆複合体は、エポキシ化合物が開環したヒドロキシ基を多数含有すると考えられる。また、製造例5では、メトキシシリル基を含有する3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランを水中で反応させたため、加水分解したシラノール基を多数含有すると考えられる。
実施例1〜6では、オクタデシルトリクロロシランが上記ヒドロキシ基またはシラノールと縮合反応して、ケイ素原子に結合したオクタデシル基を含有する複合体が生成し、そのため、表1に示すように、より疎水性の溶媒への分散が可能になったと考えられる。
また、実施例1〜6の導電性高分子からなる皮膜の導電性および透明性は、比較例1、2と比べて遜色なく、良好な性能を維持していることがわかる。
本例は、実施例1で得られた導電性高分子組成物に、さらに樹脂(d)として光重合性樹脂を添加して塗料を調製した例である。
実施例1にて得られた導電性高分子組成物10gに、メチルエチルケトン2g、ペンタエリスリトールトリアクリレート1g、光重合開始剤としてイルガキュア127(製品名、BASF社製)を0.02g添加し、塗料を作製した。
得られた塗料を、#16のバーコーターを用いてPETフィルム上に塗布して、110℃にて約1分間乾燥後、高圧水銀灯にて400mJ/cm2のUV照射を行い、皮膜を形成した。
実施例7にて作製した皮膜は、透明性に優れ、かつ8×108Ω/□の表面抵抗値を示した。
Claims (16)
- アニオン基および電子吸引基の少なくとも一方を有するとともに、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な官能基(X)を有する可溶化高分子(b)と、
π共役系導電性高分子(a)と、を含有し、
前記可溶化高分子(b)の前記官能基(X)の一部はクロロシリル基含有化合物誘導体と縮合している、ことを特徴とする導電性高分子組成物。 - 有機溶媒(c)を含み、
前記導電性高分子組成物中の、固形分を除いた残りの媒体の総質量に対する有機溶媒(c)の含有量が50〜100質量%である、請求項1に記載の導電性高分子組成物。 - 前記有機溶媒(c)が非水溶性有機溶媒(c1)を含み、
前記有機溶媒(c)の総質量に対する非水溶性有機溶媒(c1)の含有量が10〜100質量%である、請求項2に記載の導電性高分子組成物。 - 前記導電性高分子組成物の総質量に対する、前記非水溶性有機溶媒(c1)の含有量が20質量%以上である、請求項3に記載の導電性高分子組成物。
- 前記非水溶性有機溶媒(c1)が、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン、トリクロロエタン、およびトリクロロエチレンからなる群から選ばれる1種以上である、請求項3または請求項4に記載の導電性高分子組成物。
- 有機溶媒(c)に可溶な樹脂(d)を含む、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
- 前記π共役系導電性高分子(a)が、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、およびポリチオフェンビニレン類からなる群から選択される1種以上を構成単位として有する重合体である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
- 前記π共役系導電性高分子(a)が、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)またはポリピロールである、請求項7に記載の導電性高分子組成物。
- 前記可溶化高分子(b)の前記官能基(X)が、ヒドロキシ基およびシラノール基のいずれか一方または両方である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
- 前記可溶化高分子(b)が、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル酸アルキレンスルホン酸、および2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸からなる群から選択される1種以上に基づく単量体単位を有する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
- 前記可溶化高分子(b)と、前記π共役系導電性高分子(a)とが複合体を形成している、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
- 前記クロロシリル基含有化合物が、下記一般式(1)で表される化合物である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の導電性高分子組成物。
R−Si(CH3)mCl(3−m)・・・(1)
(式中、Rは置換基を有してもよい炭素数6〜20のアルキル基、またはフェニル基であり、mは0、1、または2を表す。) - アニオン基および電子吸引基の少なくとも一方を有するとともに、クロロシリル基含有化合物と縮合可能な官能基(X)を有する可溶化高分子(b’)と、
π共役系導電性高分子(a)と、を含有する前駆複合体を製造し、該前駆複合体にクロロシリル基含有化合物を縮合させる、ことを特徴とする導電性高分子組成物の製造方法。 - アニオン基および電子吸引基の少なくとも一方を有する可溶化高分子前駆体(b’’)と、
π共役系導電性高分子(a)と、を含有する複合体を製造し、
該複合体と、オキシラン基およびオキセタン基の少なくとも一方を有する有機化合物とを反応させて前記官能基(X)を導入することによって、前記前駆複合体を製造する、請求項13に記載の導電性高分子組成物の製造方法。 - 請求項6に記載の導電性高分子組成物からなる帯電防止樹脂組成物。
- 請求項15に記載の帯電防止樹脂組成物から有機溶媒を低減せしめ硬化して成る帯電防止樹脂皮膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017159615A JP6932582B2 (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | 導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017159615A JP6932582B2 (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | 導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019038876A true JP2019038876A (ja) | 2019-03-14 |
JP6932582B2 JP6932582B2 (ja) | 2021-09-08 |
Family
ID=65726076
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017159615A Active JP6932582B2 (ja) | 2017-08-22 | 2017-08-22 | 導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6932582B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02199104A (ja) * | 1989-01-27 | 1990-08-07 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | 吸水性樹脂およびその製造方法 |
JP2003261314A (ja) * | 2002-03-05 | 2003-09-16 | Panasonic Communications Co Ltd | 活性炭とその製造方法及び浄水装置 |
JP2009001498A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | ヒドロキシル基のシリル化方法 |
JP2010070723A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス |
WO2014125827A1 (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-21 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性組成物、導電性組成物の製造方法、帯電防止樹脂組成物ならびに帯電防止樹脂皮膜 |
JP2016145302A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子組成物および剥離フィルム |
JP2018203858A (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-27 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 |
-
2017
- 2017-08-22 JP JP2017159615A patent/JP6932582B2/ja active Active
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02199104A (ja) * | 1989-01-27 | 1990-08-07 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | 吸水性樹脂およびその製造方法 |
JP2003261314A (ja) * | 2002-03-05 | 2003-09-16 | Panasonic Communications Co Ltd | 活性炭とその製造方法及び浄水装置 |
JP2009001498A (ja) * | 2007-06-19 | 2009-01-08 | Shin Etsu Chem Co Ltd | ヒドロキシル基のシリル化方法 |
JP2010070723A (ja) * | 2008-09-22 | 2010-04-02 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス |
WO2014125827A1 (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-21 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性組成物、導電性組成物の製造方法、帯電防止樹脂組成物ならびに帯電防止樹脂皮膜 |
JP2016145302A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子組成物および剥離フィルム |
JP2018203858A (ja) * | 2017-06-02 | 2018-12-27 | 信越ポリマー株式会社 | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6932582B2 (ja) | 2021-09-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6454367B2 (ja) | 導電性組成物 | |
JP6005832B2 (ja) | 硬化性帯電防止オルガノポリシロキサン組成物および帯電防止シリコーン皮膜 | |
JP6258142B2 (ja) | 導電性高分子溶液および導電性塗膜 | |
JP7083744B2 (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2018203858A (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2020100689A (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP2020031013A (ja) | 導電性高分子分散液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP7422625B2 (ja) | 導電性高分子含有液の製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP6932582B2 (ja) | 導電性高分子組成物、その製造方法、帯電防止樹脂組成物、および帯電防止樹脂皮膜 | |
JP7265841B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2021038361A (ja) | 高導電性複合体の有機溶剤分散液の製造方法、導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP2019214637A (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP6886368B2 (ja) | 硬化性組成物および帯電防止シリコーン皮膜 | |
JP2020111650A (ja) | 導電性高分子複合体、導電性高分子含有液、導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子含有液の製造方法、導電性フィルムの製造方法、及び導電性フィルム | |
JP7394717B2 (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP7093638B2 (ja) | 導電性高分子組成物及びその製造方法 | |
JP7455027B2 (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP7178295B2 (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP7190357B2 (ja) | 導電性高分子複合体の製造方法、導電性高分子含有液の製造方法、及び導電性フィルムの製造方法 | |
JP7496737B2 (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
TWI706992B (zh) | 導電性高分子分散液及其製造方法、以及導電性薄膜的製造方法 | |
JP7116695B2 (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2020029485A (ja) | 導電性高分子分散液及びその製造方法、並びに導電性フィルムの製造方法 | |
JP2020100708A (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 | |
JP2020100709A (ja) | 導電性高分子含有液及びその製造方法、並びに導電性フィルム及びその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200414 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210105 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201225 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210308 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210803 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210818 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6932582 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |