JP2008542517A - 分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法 - Google Patents

分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract


本発明の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法は、炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、及びその液状混合物にせん断力を付加し、それによって、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する手段を含む。

Description

本発明は、一般的には、分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法に関する。
炭素粒子、特にナノサイズのカーボンブラック粒子は、通常、物質の充填剤として、物質の増強剤として、又は高性能リチウムイオンバッテリーの中に、用いられている。
炭素の形状は、「カーボンブラック」である。カーボンブラックの大部分のタイプは、97%超〜99%の元素炭素を含んでいる。カーボンブラックは、炭化水素の調整された気相熱分解により製造された高度に分散された元素炭素の粉体形状である。幾つかの市販製造品のカーボンブラックの平均粒径は、0.01〜0.4マイクロメートル(μm)である。カーボンブラックの粒子は、0.1〜8.0μmの範囲の直径を有する大きな凝集粒子に結合する傾向がある。また、これらの凝集粒子は、広い粒径分布を持つ傾向がある。狭い粒径分布の範囲内の比較的均一な粒径を有することは、カーボンブラック粒子のある特定の用途には望ましい。しかしながら、上記のように、カーボンブラック粒子は、十分に分散しておらず、大きな粒子体に凝集する傾向がある。この凝集は、高い油吸収と低い表面電荷を有するカーボンブラック粒子により起こると信じられている。
これを克服するために、炭素粒子は、凝集体を形成する傾向を減少させるために分散剤で被覆されることができる。この分散剤による被覆は、分散剤で被覆された炭素粒子の粒径分布が、本質的に、経時的に一定であるままであり、これにより、炭素粒子を安定化させることを保証している。十分に分散されたカーボンブラック粒子の現在の製造方法は、第一に、分散剤や界面活性剤等の添加剤を添加する前に、グラインダー、コロイドミル、ボールミル、サンドミル及び高速混合などの方法により、カーボンブラック粒子の粒径を減少させることを含む。しかしながら、これらの製造方法においては、炭素粒子の構造に損害を与えるか、又は破壊することができ、そして、もしかすると望まれない副生成物を生じさせることができる、粒子同士の高度の機械接触がある。さらに、その分散時間が比較的長く、形成された粒子の粒径に関して調整することができないことがある。
それ故に、上記1以上の欠点を克服するか、又は少なくとも改善する製造方法が要求されている。
本発明は、十分に分散された炭素粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1の見地によれば、(a)炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、及び(b)その液状混合物にせん断力を付加し、それによって、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する手段を含むことを特徴とする分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法を提供する。
第2の見地によれば、(a)充填床を有する室(チャンバー)の中に、炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、及び(b)充填床を回転させて、その液状混合物を充填床に通過させ、それによってその液状混合物にせん断力をもたらし、分散剤を被覆した炭素粒子を形成することを特徴とする分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法を提供する。
第3の見地によれば、(a)炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、及び(b)その液状混合物にせん断力を付加し、それによって、分散剤を被覆した炭素粒子の懸濁液を形成する手段を含む製造方法で製造された、分散剤を被覆した炭素粒子の懸濁液を提供する。
第4の見地によれば、(a)炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、(b)その液状混合物にせん断力を付加し、それによって、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する手段及び、(c)形成された分散剤を被覆した炭素粒子をその液体から除き、該分散剤で被覆された炭素粉体を提供する手段を含む製造方法で製造された、分散剤を被覆した炭素粉体を提供する。
本発明の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法により得られた炭素粒子は、十分な分散性を有している。
(定義)
ここで使用されている以下に示す単語及び用語は、以下に示された意味を持つ。
特に断らない限り、「含有している(comprising)」、「含有する(comprise)」、及びそれらの文法的変形の用語は、開放的言葉又は包括的な言葉を表わすことを指向し、その結果、それらは、列挙された要素を含むのみならず、付加的な、列挙されていない要素の包含を許すものである。
ここで使用されている「分散剤(dispersant)」又は「分散している剤(dispersing agent)」の用語は、ナノサイズの炭素粒子及び/又はマイクロサイズの炭素粒子の均一な懸濁又は分離を促進する表面活性剤を暗示するものである。適用できる分散剤は、マックカットチェオン(McCutcheon’s)の機能性物質の北米版(1994)の第122〜142頁に、また、同様に、マックカットチェオン(McCutcheon’s)の機能性物質の世界版(1994)の第47〜56頁に、教示されている。これらの文献は両方とも、グレン ロック,N.J.のエムシー出版会社(マックカットチェオン部門)により発行されている。
ここで使用されている「分散剤を被覆した炭素粒子」の用語は、分散剤からなる外核により囲まれている炭素の内核からなる粒子を示す。
ここで使用されている「界面活性剤」の用語は、液状混合物の液体と炭素粒子間の表面張力を変えることができる如何なる組成物にも関係する。適用できる界面活性剤は、マックカットチェオン(McCutcheon’s)の乳化剤と洗浄剤の北米版(1994)の第287〜310頁に、また、同様に、マックカットチェオン(McCutcheon’s)の乳化剤と洗浄剤の世界版(1994)の第257〜278頁及び280頁に、教示されている。これらの文献は両方とも、グレン ロック,N.J.のエムシー出版会社(マックカットチェオン部門)により発行されている。
ここで使用されている、配合成分の濃度の文脈における「約」という用語は、典型的には、記載されている値の±5%、より典型的には記載されている値の±4%、さらに典型的には記載されている値の±3%、さらに典型的には記載されている値の±2%、一層より典型的には記載されている値の±1%、一層さらに典型的には記載されている値の±0.5%を意味する。
この開示を通じて、ある態様は、範囲の形式で開示されているかもしれない。範囲の形式での記載は、単に、便宜上及び簡潔さのために過ぎず、また、開示された範囲の融通の聞かない限定として解釈されるべきではないと理解されるべきである。したがって、範囲の記載は、特に全ての副範囲と、同様にその範囲内の個々の数値も開示していると考慮すべきである。例えば、「1〜6」のような範囲の記載は、「1〜3」、「1〜4」、「1〜5」、「2〜4」、「2〜6」、「3〜6」などのような副範囲、同様に、この範囲の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5及び6を特に開示していると考慮すべきである。これは、範囲の幅にかかわらず適用する。
(態様の詳しい開示)
分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法の模範的な非限定の態様は、ここに開示される。
この製造方法は、(a)炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、及び(b)その液状混合物にせん断力を付加し、それによって、該分散剤を被覆した炭素粒子を形成する手段を含む。
さらに、この製造方法は、(c)形成された分散剤を被覆した炭素粒子をその液体から除去する手段を含む。
この除去手段(c)は、(c1)その分散剤を被覆した炭素粒子をその液状混合物からろ別する手段、及び(c2)そのろ別された分散剤を被覆した炭素粒子を乾燥する手段を含む。
この製造方法は、その付加手段(b)の間に、約0℃〜約90℃、約20℃〜約70℃、約10℃〜約60℃、約20℃〜約50℃、約30℃〜約50℃、約3℃〜約95℃、約3℃〜約80℃、約3℃〜約70℃、約3℃〜約60℃、約3℃〜約50℃、約3℃〜約40℃、約3℃〜約50℃、約3℃〜約60℃、約3℃〜約70℃、約3℃〜約80℃、約10℃〜約95℃、約20℃〜約70℃、約20℃〜約95℃、約30℃〜約95℃、約40℃〜約95℃、約50℃〜約95℃、約60℃〜約95℃、約70℃〜約95℃、約80℃〜約95℃、約20℃〜約80℃、約30℃〜約70℃、及び約40℃〜約60℃からなる群から選ばれた範囲内の温度で、その液状混合物を維持する手段を含む。
この製造方法は、(e)その付加手段(b)の前又はその手段(b)の間に、炭素粒子の粒径を減少させる手段を含む。その減少手段(e)は、(e1)その液状混合物を充填床に通過させる手段を含む。
(炭素粒子)
炭素粒子は、カーボンブラック粒子であってもよい。カーボンブラック粒子は、無定形炭素、黒鉛炭素、又はこれらの組合せであってもよい。
カーボンブラック粒子は、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーナンスブラック、ランプブラック、サーマルブラック及びそれらの組合せからなる群から選ばれるものであってもよい。
手段(a)において供給されるカーボンブラック粒子は、ナノサイズの粒子、マイクロサイズの粒子又はそれらの組合せであってもよい。手段(a)において供給されるカーボンブラック粒子は、約5nm〜約1000nm、約5nm〜約800nm、約5nm〜約600nm、約5nm〜約400nm、約5nm〜約300nm、約5nm〜約200nm、約5nm〜約100nm、約5nm〜約50nm、約10nm〜約1000nm、約15nm〜約1000nm、約50nm〜約1000nm、約100nm〜約1000nm、約500nm〜約1000nm、約10nm〜約300nm、及び約20nm〜約100nmからなる群から選ばれる粒径範囲を有してもよい。
カーボンブラック粒子は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンのキャボットコーポレーションや、日本国東京都の三菱化学コーポレーションなどの会社から商業的に得られるものであってもよい。カーボンブラックの模範的な製造方法は、米国特許第6,827,772号、米国特許第6,358,487号及び米国特許第5,772,975号に開示されている。
(分散剤)
分散剤の選定は、分散剤を被覆した炭素粒子の要望される性能に基づくであろう。その分散剤は、高分子の分散剤であってもよい。その高分子の分散剤としては、アニオン性高分子分散剤、カチオン性高分子分散剤、非イオン性高分子分散剤及びこれらの組合せなどが挙げられる。
アニオン性高分子分散剤としては、親水性モノマーからなるポリマー、疎水性モノマーからなるポリマー、それらのポリマーの塩及びこれらの組合せなどが挙げられる。模範的なアニオン性親水性モノマーとしては、スチレンスルホン酸、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の誘導体、アクリル酸、アクリル酸の誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸の誘導体、マレイン酸、マレイン酸の誘導体、イタコン酸、イタコン酸の誘導体、フマール酸、フマール酸の誘導体、又はそれらの組合せなどが挙げられる。模範的なアニオン性疎水性モノマーとしては、スチレン、スチレン誘導体、ビニルトルエン、ビニルトルエン誘導体、ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、ブタジエン、ブタジエン誘導体、イソプレン、イソプレン誘導体、エチレン、エチレン誘導体、プロピレン、プロピレン誘導体、アクリル酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエステル、又はそれらの組合せなどが挙げられる。
模範的な親水性モノマーの塩、疎水性モノマーの塩としては、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロースのアンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、オキソニウムイオン、スチボニウムイオン、スズイオン及びヨードニウムイオンなどのオニウム化合物塩、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、又はそれらの組合せなどが挙げられる。
さらに、模範的なアニオン性高分子分散剤としては、ポリ(オキシエチレン)アルキルエーテルなどのポリ(オキシエチレン)基、又はポリ(オキシプロピレン)アルキルエーテル(POAE)などのポリ(オキシプロピレン)基、水酸基、アクリルアミド、アクリルアミドの誘導体、(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、エトキシエチルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシトリエチレンメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルアルコール、ポリビニルアルコール(PVA)、アルキルエーテル、又はそれらの組合せなどが挙げられる。
カチオン性高分子分散剤は、第4級アンモニウム塩であってもよい。
非イオン性高分子分散剤としては、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリプロピレングリコール、ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
さらに、模範的な分散剤としては、ナフタレンスルホネート、ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩ポリマー、ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩とホルムアルデヒドのポリマー、アルキレンオキサイドブロックコポリマー、スルホコハク酸モノアミド、スルホコハク酸モノアミドオクタデシルエステル、スルホコハク酸モノアミドトリカルボキシレートテトラナトリウム塩、スルホコハク酸モノアミドナトリウム塩、ビス−2−エチルヘキシルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、スルホコハク酸モノアミドN−(1,2−ジカルボキシエチル)−N−オクタデシルエステルテトラナトリウム塩、ビス(トリデシル)スルホコハク酸モノアミドエステルナトリウム塩、ポリイソブテンサクシネート、ポリアクリル酸、硫酸化アルキルアリールエーテル、リン酸モノエステル、リン酸ジエステル、ゼラチン、ポリイソブテンサクシネート、ポリアクリレートアンモニウム塩、ポリ(アクリル酸ナトリウム塩)、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
液状混合物中に存在するカーボンブラック粒子の重量に対する分散剤のパーセント重量は、約0.1重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、約0.1重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約20重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約1重量%、約1重量%〜約50重量%、約0.5重量%〜約30重量%、約10重量%〜約50重量%、約20重量%〜約50重量%、約30重量%〜約50重量%、約40重量%〜約50重量%からなる群から選ばれた重量範囲であってもよい。
(液体)
液体の選定は、使用される分散剤のタイプと、液体中のその分散剤の溶解度に基づくものであろうと理解されるべきである。実際に、その液体は、分散剤や炭素粒子に対して化学的に不活性であるべきである。その液体は、水、有機液体、及びそれらの組合せであることができる。有機液体は、飽和及び不飽和の芳香族炭化水素及び脂肪族炭化水素などの炭化水素液体からなる群から選定されることができる。その有機液体は、アルカン、アルケン、アルキン、ケトン、アルコール及びハロゲン化炭化水素からなる群から選定されることができる。模範的な炭化水素としては、N−メチル−2−ピロリディノン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、デカン、ドデカン、メチルナフタレン、四塩化炭素、クロロホルム、1−プロパノール、2−プロパノール、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
(界面活性剤)
液状混合物は、1以上の界面活性剤を含有してもよい。
模範的な界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、カルボキシメチル−セルロース−ナトリウム塩、ビス−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム塩、ゼラチン、ポリ−イソブテンコハク酸エステル、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリ(アクリル酸ナトリウム塩)、アルキルアリールスルホネート、ブロックポリマー、カルボキシル化アルコールのエトキシレート、カルボキシル化アルキルフェノールのエトキシレート、エトキシル化アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、グリコールエステル、リグニン、リグニン誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン系界面活性剤、エトキシル化アルキルフェノールサルフェート、エトキシル化アルキルフェノールスルホネート、縮合ナフタレンのスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリデシルベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、アルキルナフタレンスルホネート、スルホスクシナメート、スルホスクシネート、及びスルホスクシネート誘導体などが挙げられる。
(表面改質剤)
液状混合物は、1以上の表面改質剤を含有してもよい。表面改質剤は、粒子表面に吸着し、立体障壁(バリアー)として作用し、炭素粒子の凝集を防ぐ。模範的な表面改質剤としては、特に限定されるものではなく、ジホスフェート、ポリホスフェート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)アルキルエーテル、及びメチルビニルエーテルマレイン酸無水物のコポリマーなどが挙げられる。
(せん断力)
一つの態様においては、その液状混合物は、充填床を有する室(チャンバー)の中に、供給される。付加手段(b)は、(b1)その液状混合物を充填床に通過させる手段を含んでもよい。通過手段(b1)は、約10〜100,000m/s、約10〜80,000m/s、約10〜60,000m/s、約10〜40,000m/s、約10〜20,000m/s、約10〜10,000m/s、約10〜8,000m/s、約15〜6,000m/s、及び約20〜5,000m/sからなる群から選ばれた加速度で、その液状混合物を充填床に通過させる手段を含んでもよい。その通過手段(b1)は、(b2)室を回転させて、その液状混合物にせん断力を付加する手段を含んでもよい。それ故に、せん断力は、室が回転するにつれて、液体に付加される遠心力であってもよい。
充填床は、どのような形状であってもよい。好ましくは、充填床は、本質的に、円筒形状であり、及び/又は少なくとも1つの充填層を有する。
充填物は、ワイヤーメッシュ、多孔板、段ボール状板、海綿状充填物、及びこれらの組合せからなる群から選ばれたものであることができる。充填床における充填物の配置は、構造的であってもよいし、ランダムであってもよい。充填物は、金属物質、非金属物質、又はこれらの組合せからなるものであってもよい。
室の中には1を超えた充填床が存在することができることは理解されるであろう。
分散剤を被覆した炭素粒子の粒径は、液状混合物に作用する遠心力の大きさを変更することにより調整することができる。遠心力は、室の回転スピードを調整することにより、調整することができる。
手段(b)において形成された分散剤を被覆したカーボンブラック粒子は、ナノサイズの粒子、マイクロサイズの粒子、又はそれらの組合せであってもよい。手段(b)において形成された分散剤を被覆したカーボンブラック粒子は、手段(a)において供給されたカーボンブラック粒子よりも粒径が大きくてもよい。手段(b)において形成された分散剤を被覆したカーボンブラック粒子は、約5nm〜約500nm、約5nm〜約400nm、約5nm〜約300nm、約5nm〜約200nm、約5nm〜約100nm、約5nm〜約50nm、約10nm〜約500nm、約10nm〜約250nm、約15nm〜約500nm、約50nm〜約500nm、約100nm〜約500nm、約10nm〜約300nm、及び約100nm〜約300nmからなる群から選ばれた粒径範囲を有してもよい。分散剤を被覆したカーボンブラック粒子の粒径は、手段(b)において形成されたことが理解されるであろう。
分散剤を被覆した炭素粒子の粒径は、遠心力の大きさが増加するにつれて、減少する。従って、一つの態様においては、その製造方法は、液状混合物に作用する遠心力の大きさを変更して、分散剤を被覆した炭素粒子の粒径を調整する手段をさらに含む。分散剤を被覆した炭素粒子の粒径は、分散剤を被覆した炭素粒子が使用される種々の用途の要望によるであろうことは理解されるであろう。
(ベストモード)
分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法の好ましい態様は、ここに開示されている。
この製造方法は、炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段を含む。その液状混合物は、せん断力が付加され、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する。
図3には、回転式充填床反応器100の概要図が示されており、その回転式充填床反応器は、分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法を実施するために適用できる。その反応器100は、固定されている中空の軸114を有する室102を含んでおり、その軸114は、室102の中に垂直に延びている。中空の軸114は、縦動軸114a、末梢端103、及び中空軸114の中に液状供給物質を導くための近位の供給入口端104を有している。
また、反応器100は、分散剤を被覆した炭素粒子を室102から除くための出口106を含む。
充填床120は、中空の軸114の末梢端103に装着されている。充填床は、充填床に連結された軸108に接触しているプーリー107を経てモーター116により運転され、軸と充填床を縦動軸114aの周りで回転させる。充填床120は、入口隙間124を経て中空軸114と流体で繋がっている。
充填床120は、本質的には、円筒形状であり、メッシュサイズ0.05mmを有するワイヤーメッシュの複数の層を構造的に配置したものを含む。そのワイヤーメッシュは、ステンレス鋼からできている。
温度ジャケット108は、室102の周りを囲んでおり、室102の中の温度を調整する。温度ジャケット108は、加熱された流体を入れるためのジャケット入口110と、ジャケットから流体を出すためのジャケット出口112を含む。
近位の供給入口104は、液体供給タンク130にパイプ128で繋がっており、液体供給タンクにはその液状混合物が貯蔵されている。パイプ128に沿って配置されているポンプ132は、液状混合物を貯蔵タンクから反応器100に送出す。
使用に際しては、液状混合物は、タンク130の中で、所定量の液体、分散剤及びカーボンブラック粒子を混合することにより調製される。調製された液状混合物は、ポンプ132の駆動により、近位の供給入口104を経て室102の中に送られる。
中空軸114の中への導入にあたり、液状混合物は、入口隙間124の方に送られ、充填床120が縦動軸114aの周りを回転するにつれて、充填床120を通過する。充填床120の中では、液状混合物には、縦動軸114aの周りを充填床120と中空軸114が回転動をすることにより生じる遠心力の形での高せん断力が課せられる。
充填床120の中で、液状混合物に加えられる遠心力の大きさは、充填床120の回転速度による。遠心力は、充填床120の中で、液状混合物を放射状に外側に押しやる。充填床120の中の充填物のメッシュが、液状混合物中の炭素粒子を切断し、分割し、より小さな粒径にし、それによって、表面積が増加し、液状混合物中に存在する分散剤は炭素粒子を被覆することができる。
分散剤は、細かい炭素粒子を被覆し、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する。分散剤は、炭素粒子に表面電荷を付加し、分散剤を被覆した炭素粒子間に、静電的、立体的、又は立体電気的反発を生じさせる。分散剤を被覆した炭素粒子間の静電的、立体的、又は立体電気的反発は、粒子の凝集を減少又は消滅させる。さらに、分散剤を被覆した炭素粒子が凝集しないので、それらの粒子は、より狭い粒径分布を有し、その粒径分布は本質的に時間の経過につれても一定であり、それ故に、より安定している。分散中において、液状混合物は、充填床120を通過した後、出口106を出て、パイプ111を通過し、液体供給タンク130の中に送られ、連続分散のために、再び反応器100に送出される。これは、予めセットされた分散時間がなくなるまで繰り返される。
液体中に懸濁された分散剤を被覆した炭素粒子は、生成物出口106を経て、室102から除かれる。その後、その懸濁された分散剤を被覆した炭素粒子は、最初にろ別されて続いてオーブン中で乾燥されることにより、液体から取り出され、分散剤を被覆したカーボンブラック粉体の乾燥粉体が得られる。
ベストモードを含む本発明の非限定的な実施例は、特定の実施例によりさらにより詳細に記載される。これらの実施例は、如何なる場合にも、本発明の範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
(実施例1)
粒径50nmのカーボンブラック粉体300g、ポリビニルアルコール分散剤(PVA)50g、及び水2000gを含有する液状混合物を、図3のタンク130に送り、その後、中空の軸114を経て、充填床120を通過させた。室102の温度は、ジャッケト108の中の流体温度を50℃の温度に保つように、50℃にセットされた。
反応器100は、バッチ方式で操作された。このバッチ方式においては、液状混合物は、予めセットされた分散時間期間の間、充填床を連続的に通過させた。液状混合物は、充填床を通過させるに際し、パイプ111を通って出され、液状供給タンク130の中に流れ、そして、連続分散のために再び反応器100の中に押出される。
充填床120は、モーター116により、1500rpmの速度で回転し、充填床120の中で、遠心加速度4500m/sが達成される。
合計分散時間は、3時間であった。3時間の期間の終わりに、ポンプ132とモーター116は止められ、出口106が開けられ、分散剤を被覆した炭素粒子を含有する液状混合物は室102から出された。乾燥した分散剤を被覆した炭素粒子の平均粒径は約180nmであった。
分散剤を被覆した炭素粒子はろ別され、100℃でオーブン中で8時間乾燥され、乾燥した分散剤を被覆した炭素粒子が得られた。その分散剤を被覆した炭素粒子の粒径は、上記スラリー中の粒径と同じであった。
分散前のカーボンブラック粒子の倍率800倍の走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真が、図1Aに示されている。図1Bは、カーボンブラック粒子のさらなる拡大図、すなわち、分散被覆が適用される前のカーボンブラック粉体の倍率6025倍を示している。その電子顕微鏡写真に示されているように、カーボンブラック粒子のサンプルは、最初にエタノール中に分散され、その後超音波処理を約5分間かけられたカーボンブラック粒子0.05gから調製された。顕微鏡写真は、JSM−6700型走査型電子顕微鏡により、撮られた。図1A及び図1Bから、分散被覆前のカーボンブラック粒子は凝集体を形成し、広い粒径分布を有していることが分かる。
この実施例で調製された分散剤を被覆したカーボンブラック粒子の倍率80,000倍の透過型電子顕微鏡(TEM)の顕微鏡写真を、図2Bに示している。図2Aは、この実施例で調製された分散剤を被覆したカーボンブラック粒子の倍率120,000倍を示している。これらの顕微鏡写真は、日立−800型透過型電子顕微鏡により撮られた。図2A及び図2Bから、分散剤を被覆したカーボンブラック粒子は、炭素粒子の凝集が観察されていないので、増強された分散を示している。
図4は、分散剤で被覆する前の液状混合物中のカーボンブラック粉体の粒径分布を示している。読み取りは、ゼータプラス(ZETAPLUS)レーザ回折粒度計により得られた。また、レーザ回折粒度計は、半値幅読み取りを提供し、その半値幅は、粒径分布の標準偏差を表示するものである。553nmの半値幅を有する2700の大きな平均粒径が観察された。高い半値幅読み取りは、これらの粒子に対して広い粒径分布を示している。図5は、この実施例において調製した分散剤を被覆したカーボンブラック粒子の粒径分布を示している。読み取りは、ゼータプラス(ZETAPLUS)レーザ回折粒度計により得られた。15.1nmの半値幅を有する180の小さな平均粒径が観察された。低い半値幅読み取りは、狭い粒径分布を示している。
従って、本発明の製造方法は、安定しているものであって、凝集し、大きな粒子の一団を形成する傾向が小さいことを示し、狭い粒径分布を有する、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する。
(実施例2)
粒径50nmのカーボンブラック粉体300g、ポリビニルアルコール分散剤(PVA)80g、及びN−メチル−2−ピロリディノン(NMP)3000gを含有する液状混合物が、回転式充填床反応器100の室102に送られる前に、タンク130の中で調製された。反応器100は、室102の中の温度が25℃で、遠心加速度が3000m/sにセットされた以外は、実施例1と同様に、バッチ方式で操作された。総分散時間は、3.0時間であった。
分散剤を被覆した粒子の平均粒径は、13.2nmの半値幅を有する160nmあたりであることが測定された。
(実施例3)
粒径25nmのカーボンブラック粉体350g、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)アルキルエーテル分散剤(POAE)50g、及びN−メチル−2−ピロリディノン(NMP)4000gを含有する液状混合物が、回転式充填床反応器100の室102に送られる前に、タンク130の中で調製された。反応器100は、実施例2と同様の条件で、バッチ方式で操作された。総分散時間は、3.0時間であった。
分散剤を被覆した粒子の平均粒径は、12.3nmの半値幅を有する140nmあたりであることが測定された。
(実施例4)
粒径25nmのカーボンブラック粉体350g、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)アルキルエーテル分散剤(POAE)50g、及びN−メチル−2−ピロリディノン(NMP)4000gを含有する液状混合物が、回転式充填床反応器100の室102に送られる前に、タンク130の中で調製された。反応器100は、室102の中の温度が70℃にセットされた以外は、実施例3と同様の条件で、バッチ方式で操作された。総分散時間は、3.0時間であった。
分散剤を被覆した粒子の平均粒径は、10.2nmの半値幅を有する120nmあたりであることが測定された。
(実施例5)
粒径25nmのカーボンブラック粉体350g、ポリビニルピロリドン分散剤(PVP)25g、及びポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)アルキルエーテル分散剤(POAE)25gを含有する液状混合物が、回転式充填床反応器100の室102に送られる前に、タンク130の中で調製された。反応器100は、実施例3と同様の条件で、バッチ方式で操作された。総分散時間は、3.0時間であった。
分散剤を被覆した粒子の平均粒径は、10.4nmの半値幅を有する120nmあたりであることが測定された。
(実施例6)
粒径25nmのカーボンブラック粉体350g、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)アルキルエーテル分散剤(POAE)50g、及びN−メチル−2−ピロリディノン(NMP)4000gを含有する液状混合物が、回転式充填床反応器100の室102に送られる前に、タンク130の中で調製された。反応器100は、室102の中の温度が70℃にセットされた以外は、実施例3と同様の条件で、バッチ方式で操作された。総分散時間は、2.0時間であった。
分散剤を被覆した粒子の平均粒径は、12.5nmの半値幅を有する140nmあたりであることが測定された。
(応用)
この製造方法は、カーボンブラック粒子に限定されるものではなく、他のタイプの炭素粒子を分散するために使用することができると理解すべきである。
この製造方法から得られる分散剤を被覆した粒子は、安定であり、狭い粒径分布を有することを理解すべきである。液状混合物に適用されるせん断力は、炭素粒子の凝集を切断及び分割し、小さい粒径にし、これによって、分散剤が被覆できる表面積を増加させる。分散剤の被覆は、炭素粒子に表面電荷を付加し、炭素粒子間に、静電的反発を生じさせ、凝集の形成を妨げる。
分散剤を被覆した粒子の粒径は、液状混合物へ付加されるせん断力の加速度を変化させることにより調整することができると理解すべきである。従って、要求される応用に対して望まれる粒径の分散剤を被覆した粒子を得ることができる。
グラインダーによる粉砕、ミルによる粉砕、高速混合などを含む従来の分散方法に比較して、この製造方法は、炭素粒子と充填床内の充填物間のより少ない機械的接触を含むことを理解すべきである。従って、炭素粒子に対し最小の構造的損傷が達成される。
この製造方法は、従来の分散方法に比較して、比較的短い時間で、分散剤を被覆した粒子を製造することができることを理解すべきである。これは、液状混合物を充填床の中に高速度で通過させるために、液状混合物に適用される高いせん断力によるものであると理解すべきである。
この製造方法の容量は、製造物の安定性や、粒径分布に影響を及ぼすことなく、大量の分散剤を被覆した粒子を形成するためにスケールアップすることができると理解すべきである。
本発明の種々の他の改質や、適合は、本発明の精神や範囲から離れることなく、前述の開示を読んだ後、当業者に明らかであることは明白であり、また、全てのこのような改質や適合が添付するクレームの範囲内であることが指向されている。
添付図面は、開示された態様を示しており、開示された態様の原理を説明するための役割を果たす。しかしながら、図面は、例示の目的のためにのみ図示されたものであり、発明の限定の定義として図示されたものではない。
図1Aは、実施例1において使用された分散前のカーボンブラック粉体の倍率800倍のSEM顕微鏡写真を示している。 図1Bは、実施例1において使用された分散前のカーボンブラック粉体の倍率6025倍のSEM顕微鏡写真を示している。 図2Aは、開示された態様に従って、実施例1において調製した分散されたカーボンブラック粉体の倍率120,000倍のTEM顕微鏡写真を示している。 図2Bは、開示された態様に従って、実施例1において調製した分散されたカーボンブラック粉体の倍率80,000倍のTEM顕微鏡写真を示している。 図3は、回転式充填床反応器の概要図を示している。 図4は、実施例1において使用された分散前のカーボンブラック粉体の粒径分布を示している。 図5は、実施例1において調製した分散されたカーボンブラック粉体の粒径分布を示している。

Claims (24)

  1. (a)炭素粒子と分散剤を含有する液状混合物を供給する手段、及び
    (b)その液状混合物にせん断力を付加し、それによって、分散剤を被覆した炭素粒子を形成する手段を含むことを特徴とする分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  2. 該供給手段(a)が、(a1)充填床を有する室の中に、その液状混合物を供給する手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  3. 該付加手段(b)が、(b1)充填床を回転させて、その液状混合物を充填床に通過させ、それによってその液状混合物にせん断力を付加する手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  4. (c)形成された分散剤を被覆した炭素粒子をその液体から除去する手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  5. 該除去手段(c)が、(c1)形成された分散剤を被覆した炭素粒子をその液状混合物からろ別する手段、及び(c2)そのろ別された分散剤を被覆した炭素粒子を乾燥する手段を含む請求項4に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  6. 炭素粒子が、アセチレンブラック、チャンネルブラック、ファーナンスブラック、ランプブラック、サーマルブラック及びそれらの組合せからなる群から選ばれるカーボンブラック粒子である請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  7. 分散剤を被覆した炭素粒子が、ナノサイズの粒子、マイクロサイズの粒子又はそれらの組合せである請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  8. 付加手段(b)が、(b2)約10〜100,000m/s、約10〜80,000m/s、約10〜60,000m/s、約10〜40,000m/s、約10〜20,000m/s、約10〜10,000m/s、約10〜8,000m/s、約15〜6,000m/s、及び約20〜5,000m/sからなる群から選ばれた加速度で、その液状混合物を充填床に通過させる手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  9. (d)その液状混合物に作用するせん断力の大きさを変化させて、分散剤を被覆した炭素粒子の粒径を調節する手段を、さらに含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  10. 供給手段(a)が、(a2)その液状混合物と共に、界面活性剤を供給する手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  11. 該供給手段(a)が、(a2)炭素粒子の重量に対して、約0.1重量%〜約50重量%、約0.1重量%〜約40重量%、約0.1重量%〜約30重量%、約0.1重量%〜約20重量%、約0.1重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約1重量%、約1重量%〜約50重量%、約0.5重量%〜約30重量%、約10重量%〜約50重量%、約20重量%〜約50重量%、約30重量%〜約50重量%、約40重量%〜約50重量%からなる群から選ばれた重量%の量で、その分散剤の量を供給する手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  12. 分散剤が、高分子分散剤である請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  13. 高分子分散剤が、アニオン性高分子分散剤、カチオン性高分子分散剤、非イオン性高分子分散剤及びこれらの組合せからなる群から選ばれたものである請求項12に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  14. アニオン性高分子分散剤が、親水性モノマーからなるポリマー、疎水性モノマーからなるポリマー、それらのポリマーの塩及びこれらの組合せからなる群から選ばれたものである請求項13に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  15. 液状混合物の液体が、水、液状炭化水素及びそれらの組合せからなる群から選ばれたものである請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  16. 液状炭化水素が、N−メチル−2−ピロリディノン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、デカン、ドデカン、メチルナフタレン、四塩化炭素、クロロホルム、1−プロパノール、2−プロパノール及びそれらの組合せからなる群から選ばれたものである請求項15に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  17. 分散剤を被覆した炭素粒子の粒径が、約5nm〜約500nm、約5nm〜約400nm、約5nm〜約300nm、約5nm〜約200nm、約5nm〜約100nm、約5nm〜約50nm、約250nm、約15nm〜約500nm、約50nm〜約500nm、約100nm〜約500nm、約10nm〜約300nm、及び約100nm〜約300nmからなる群から選ばれたものである請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  18. 充填床の充填物が、ワイヤーメッシュ、多孔板、段ボール状板、海綿状充填物、及びこれらの組合せからなる群から選ばれたものである請求項2に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  19. (e)その付加手段(b)の前又はその付加手段(b)の間に、炭素粒子の粒径を、減少させる手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  20. (f)その付加手段(b)の前又はその付加手段(b)の間に、その液状混合物を充填床に通過させることにより、炭素粒子の粒径を、減少させる手段を含む請求項2に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  21. 約3℃〜約95℃、約10℃〜約95℃、約20℃〜約95℃、約20℃〜約95℃、約30℃〜約95℃、約40℃〜約95℃、及び約40℃〜約80℃からなる群から選ばれた温度で、その液状混合物を維持する請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  22. 供給手段(a)が、(a3)その液状混合物と共に表面改質剤を供給する手段を含む請求項1に記載の分散剤を被覆した炭素粒子の製造方法。
  23. 請求項1の製造方法から得られた分散剤を被覆した炭素粒子の懸濁液。
  24. 請求項1の製造方法から得られた分散剤を被覆した炭素粉末。
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