JPH11189735A - 表面処理カーボンブラック及びその製造方法、ならびにそれを含む水性分散体 - Google Patents

表面処理カーボンブラック及びその製造方法、ならびにそれを含む水性分散体

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JPH11189735A
JPH11189735A JP35949697A JP35949697A JPH11189735A JP H11189735 A JPH11189735 A JP H11189735A JP 35949697 A JP35949697 A JP 35949697A JP 35949697 A JP35949697 A JP 35949697A JP H11189735 A JPH11189735 A JP H11189735A
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carbon black
treated carbon
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treated
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Shinichi Sato
伸一 佐藤
Toshiya Tomihari
俊哉 富張
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】水性媒体に対する優れた分散性及び分散安定性
を有する表面処理カーボンブラック及びその製造方法、
ならびにそれを含む水性分散体を提供する。 【解決手段】下記一般式(1)で表される表面処理剤で
カーボンブラック粒子の表面を処理したことを特徴とす
る表面処理カーボンブラック。 R12N−R3−(SO3M)n (1) 〔式中R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基を表し、R3 はエチレン基、フェニレン
残基またはナフチレン残基を表し、Mは水素、アルカリ
金属、アンモニアまたはアミンを表し、nは1〜3の整
数を表す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面処理されたカーボン
ブラック及びそれを含む水性分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】カーボンブラックは、着色顔料や遮光材
料として印刷インキ、塗料、プラスチック形成材料など
幅広い分野で使用されている。従来、これらの用途にお
いてはカーボンブラックを有機媒体に分散して使用する
ことが一般的であったが、最近では環境問題や人体への
影響という観点から水性化への転換が急速に進行しつつ
ある。しかしながら、大抵のカーボンブラックは本来親
油性であり、水性ビヒクルに対して顔料分散性などの適
性が大幅に劣るため、通常の分散方法では満足な分散体
は得られない。そこで、従来より各種の添加剤、例えば
界面活性剤などの分散剤や水性顔料分散樹脂を用いてカ
ーボンブラックの表面を修飾し、水中分散性を付与させ
るといった方法が検討されてきたが、カーボンブラック
粒子表面の修飾が不十分であると粒子同士が容易に再凝
集し分散安定性が損なわれる、あるいは分散剤と分散樹
脂との相溶性が悪い場合にはインキや塗料の性能低下を
招くといった問題があった。また、用途によって分散樹
脂を変更すればそれに合わせて分散剤を選択しなければ
ならず、汎用性に欠けるといった問題もあった。
【0003】一方、カーボンブラックに水中分散性を付
与するために種々の試みがなされており、その一つとし
てカーボンブラックの酸化処理による親水化処理があ
る。酸化処理方法としてはオゾン処理、プラズマ処理な
どの気相酸化法と硝酸や過酸化水素水、過塩素酸ソーダ
などを用いる液相酸化法が考案されている。一般的な酸
化処理条件を比較すると気相酸化より液相酸化の方が効
果が高く、液相酸化では過酸化水素水より硝酸の方が表
面酸性度が増加し、親水性が向上することが知られてい
る。しかしながら、液相酸化では処理後の精製が困難で
あることや、特に硝酸酸化で得られたカーボンブラック
については変異原生の問題が指摘されている。また、気
相酸化においては、精製工程が必要ないという利点があ
るが、先述の通り酸性度が低いために十分な親水性が得
られないという欠点を持つ。
【0004】その他の方法として、フッ素ガスを用いた
親水化処理法が考案されているが、保存中の性能安定性
に問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これら欠点
のない、水性媒体に対する優れた分散性及び分散安定性
を有する表面処理カーボンブラック及びその製造方法、
ならびにそれを含む水性分散体を提供することにある。
【0006】
〔式中R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、R3 はエチレン基、フェニレン残基またはナフチレン残基を表し、Mは水素、アルカリ金属、アンモニアまたはアミンを表し、nは1〜3の整数を表す。〕
さらに本発明は、表面処理前のカーボンブラックの全表
面官能基量が0.2ミリ当量/g以上であることを特徴
とする上記の表面処理カーボンブラックである。 さら
に本発明は、表面処理剤が一般式(1)においてR1
2 が水素、R 3 がエチレン基、Mがナトリウム、nが
1で表されるタウリンナトリウム塩であることを特徴と
する上記の表面処理カーボンブラックである。
【0007】さらに本発明は、表面処理剤が一般式
(1)においてR1 、R2 が水素、R3 がナフチレン残
基、Mがナトリウム、nが1で表されるα−ナフチルア
ミンスルホン酸ナトリウム塩であることを特徴とする上
記の表面処理カーボンブラックである。さらに本発明
は、上記の発明いずれか記載の表面処理カーボンブラッ
クを含む水性分散体である。さらに本発明は、カーボン
ブラックを一般式(1)で表される表面処理剤を含む溶
液中において粉砕機または分散機によるせん断応力また
はメディアによる衝撃力によって微分散させながら表面
処理することを特徴とする表面処理カーボンブラックの
製造方法である。
【0008】さらに本発明は、カーボンブラックを表面
処理剤を含む溶液中において微分散させる工程前、中ま
たは後に40℃〜100℃で加熱処理を行うことを特徴
とする上記の表面処理カーボンブラックの製造方法であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。本発明に用いるカーボンブラックとしては、特に種
類や製造履歴に制約されることはなく、市販のオイルフ
ァーネスブラック、ガスファーネスブラック、サーマル
ブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラックな
ど各種のものを用いることができる。また、通常行われ
ているオゾン処理、プラズマ処理、液相酸化処理された
カーボンブラックも使用できる。一般にカーボンブラッ
クは、その製造過程において、粒子表面にカルボキシル
基(−COOH)、フェノール性水酸基(−OH)、キ
ノン基(>C=O)といった表面官能基が生成される。
これらの官能基の定量は、カルボキシル基(−COO
H)およびフェノール性水酸基(−OH)については滴
定法、キノン基(>C=O)については水素化硼素ナト
リウムの水素吸収法によりそれぞれ求めることがでる。
【0010】本発明に用いるカーボンブラックは、これ
らの表面官能基の全量、つまり全表面官能基量が0.2
〜8.0ミリ当量/gであることが好ましく、1.0〜
6.0ミリ当量/gであることが特に好ましい。全表面
官能基量が0.2ミリ当量/gより少ないと、表面処理
剤の吸着あるいは反応点が少なく、十分な表面処理効果
が得ることができない。一方、全表面官能基量が8.0
ミリ当量/gより多いカーボンブラックを用いても特に
問題はないが、表面処理効果に顕著な向上は認められな
い。また、全表面官能基量に占める各官能基の比率につ
いては特に制限はないが、カルボキシル基の含有量が多
いことが好ましい。
【0011】本発明に用いるカーボンブラックの粒径
は、通常のインキや塗料に用いるカーボンブラックの粒
径範囲と同じであるが、0.01〜10μmであること
が好ましく、0.01〜0.5μmであることが特に好
ましい。ただし、ここで言う粒径とは、一般にカーボン
ブラックの物理特性を示すのに用いられる電子顕微鏡な
どで測定された平均1次粒子径を表す。本発明における
表面処理剤は一般式(1)で表され、分子中にアミノ基
およびスルホン酸(塩)基を有する。 R12N−R3−(SO3M)n (1) 〔式中R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数1〜
4のアルキル基を表し、R3 はエチレン基、フェニレン
残基またはナフチレン残基を表し、Mは水素、アルカリ
金属、アンモニアまたはアミンを表し、nは1〜3の整
数を表す。〕 一般式(1)におけるアミノ基としては、1級アミノ基
(−NH2 )およびメチルアミン、エチルアミン、ブチ
ルアミンなどの2級アミノ基、ジメチルアミン、ジエチ
ルアミン、ジブチルアミンなどの3級アミノ基を例示で
きる。これらのアミノ基は、カーボンブラックの表面官
能基のうち酸性を示すカルボキシル基(−COOH)お
よびフェノール性水酸基(−OH)に対して酸−塩基相
互作用により吸着する、また、特に1級アミノ基(−N
2 )については酸−塩基相互作用以外にキノン基(>
C=O)とシッフ塩基(>C=N−)を形成することが
知られており、このような作用によって高い表面処理効
果が得られる。
【0012】一般式(1)におけるスルホン酸(塩)基
とは、式中のMが水素の場合はスルホン酸を表し、Mが
アルカリ金属、アンモニアまたはアミンの場合はスルホ
ン酸塩を表す。一般式(1)中のMが水素原子、つまり
スルホン酸の場合、表面処理剤に含まれるアミノ基と相
互作用し、表面処理剤同士が分子間会合を起こしてカー
ボンブラックの表面官能基へのアミノ基の吸着または反
応が阻害され、十分な表面処理効果が得られない場合が
ある。このような場合は、表面処理の工程前または工程
中に、スルホン酸をアルカリ金属、アンモニアまたはア
ミンによって中和して用いることにより、目的とする表
面処理カーボンブラックを得ることができる。一般式
(1)におけるスルホン酸(塩)基は、イオン性基であ
り表面処理カーボンブラックに親水性を付与することが
できる。
【0013】本発明で用いる表面処理剤の具体例として
は、タウリン、スファニル酸、オルタニル酸、メタニル
酸、ジメチルアニリン−m−スルホン酸、ジエチルアニ
リン−m−スルホン酸、アニリンジスルホン酸、アミノ
フェノールスルホン酸、アミノスルホ安息香酸、アミノ
ニトロフェノールスルホン酸、アミノナフトールスルホ
ン酸、アミノナフトールジスルホン酸、α−ナフチルア
ミンスルホン酸、β−ナフチルアミンスルホン酸、α−
ナフチルアミンジスルホン酸、β−ナフチルアミンジス
ルホン酸、ナフチルアミントリスルホン酸、またはこれ
らのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などを
挙げることができるが、中でもタウリンナトリウム塩ま
たはα−ナフチルアミンスルホン酸のアルカリ金属塩の
1種である4−アミノ−1−ナフタレンスルホン酸ナト
リウム塩を用いることが特に好ましい。また、これらの
表面処理剤は単独あるいは2種類以上混合して用いても
よい。
【0014】本発明における表面処理剤の添加量として
は、カーボンブラック1gに対して0.01〜10mm
olであることが好ましく、0.1〜5mmolである
ことが特に好ましい。添加量が0.01mmolより少
ない場合は、カーボンブラック粒子表面への表面処理剤
の吸着量あるいは反応量が少なく、満足な表面処理効果
が得られない。一方、添加量が10mmolより多くて
も特に問題はないが、表面処理効果に顕著な向上は認め
られない。本発明における表面処理カーボンブラック
は、カーボンブラックと上記のような表面処理剤とを混
合撹拌することによって得られるが、表面処理剤を含む
溶液中において、カーボンブラックを粉砕機または分散
機によるせん断応力またはメディアによる衝撃力によっ
て微分散させながら表面処理を行うことが好ましい。カ
ーボンブラックを分散せずに表面処理操作を行った場
合、カーボンブラック粒子の凝集体表面までしか処理効
果を与えることができないのに対し、カーボンブラック
粒子の凝集体を粉砕機または分散機で微分散させながら
表面処理を行うことにより、より微細な粒子表面にまで
表面処理効果を与えることができ、水性媒体に対する分
散性を向上させることができる。
【0015】本発明において用いることができる粉砕機
または分散機としては、せん断応力によりカーボンブラ
ック粒子を微分散させる3本ロールミルや2本ロールミ
ル、ガラスビーズやジルコニアビーズなどのメディアの
衝撃力によりカーボンブラック粒子を微分散させるボー
ルミル、アトライター、サンドミル、コボールミル、バ
スケットミル、振動ミル、ペイントコンディショナーな
どや、せん断応力、キャビテーション、衝突力、ポテン
シャルコアなどを発生させるような回転羽根によって微
分散させるディスパー、ホモジナイザー、クレアミック
ス(商品名)などや、カーボンブラック粒子同士または
カーボンブラック粒子とビヒクルや分散機壁面の衝突力
やせん断力によって微分散させるニーダー、エクストル
ーダー、ジェットミルなどや、超音波により微分散させ
る超音波分散機などを挙げることができる。
【0016】本発明において、カーボンブラックを表面
処理剤を含む溶液中において微分散させる工程中または
その前後に加熱処理を行うことが好ましい。処理温度は
40℃〜100℃の範囲であることが好ましく、60℃
〜90℃の範囲であることが特に好ましい。加熱処理温
度が40℃より低い場合は、カーボンブラック粒子表面
への表面処理剤の吸着が十分進まず満足な表面処理効果
が得られない。また、加熱処理温度を100℃より高く
しても処理効果の向上が認められないばかりか、工程へ
の投与エネルギーが増大し、実用上好ましくない。本発
明の表面処理カーボンブラックの製造工程において用い
る溶媒としては、水、有機溶媒およびそれらの混合液を
指し、表面処理剤を溶解するものであれば特に限定はな
いが、作業性、環境安全性を考慮し、水または水と相溶
する有機溶媒の混合液であることが好ましい。水と相溶
する有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノー
ル、プロパノールなどの低級アルコール類、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ア
セトン、ジアセトンアルコールなどのケトン類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、N−メチ
ル−2−ピロリドンなどを挙げることができるがこれに
限定されるものではない。
【0017】また表面処理が終了したのちに、カーボン
ブラックに含有される余剰の表面処理剤を、溶媒で精
製、洗浄することが好ましいが、そのまま使用すること
も可能である。本発明の表面処理カーボンブラックを含
む水性分散体は、表面処理カーボンブラックを水性溶媒
や水性樹脂を含む媒体中に分散することによって得られ
る。ここで水性溶媒とは、水または水と相溶する有機溶
媒の混合液を表す。係る有機溶媒としては、例えば、メ
タノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコ
ール類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド
などのアミド類、アセトン、ジアセトンアルコールなど
のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエ
ーテル類、N−メチル−2−ピロリドンなどを挙げるこ
とができる。また水性樹脂としては、通常の水性塗料用
に用いられるアクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオキシ
アルキレン樹脂、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アミノ
樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、スチレン系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステ
ル樹脂などを挙げることができ、これらを単独あるいは
2種類上混合して用いることができる。これらの樹脂は
水溶液型、エマルション型などその形態に特に制限はな
い。また、分散性あるいは分散安定性の向上を目的とし
て界面活性剤などの分散剤、消泡剤や防腐剤などの各種
添加剤を用いてもよい。 本発明の表面処理カーボンブ
ラックを水性溶媒や水性樹脂を含む媒体中に分散する方
法としては特に制限はなく、前述の表面処理カーボンブ
ラックの製造工程で例示した各種分散機または粉砕機を
用いることができる。
【0018】本発明の表面処理カーボンブラックは、カ
ーボンブラック粒子表面の官能基へ表面処理剤のアミノ
基が酸−塩基的な相互作用により吸着する、また、1級
アミノ基(−NH2 )については酸−塩基相互作用以外
にキノン基(>C=O)とシッフ塩基(>C=N−)を
形成することによって、表面処理剤のスルホン酸(塩)
基部分がカーボンブラック粒子表面に配位し、水性媒体
への分散性が向上するものと考えられる。また、本発明
の表面処理カーボンブラックを含む水性分散体は、優れ
た分散安定性、漆黒性を有し、高光沢、高濃度な塗布膜
を得ることができる。
【0019】本発明の表面処理カーボンブラック及びそ
れを含む水性分散体は、印刷インキ、塗料、化粧品、筆
記用インキ、トナー、電子写真用材料、インクジェット
などの記録材料、プラスチックなどの着色剤など広範囲
の分野に利用可能である。
【0020】
【実施例】本発明を実施例を用いて説明する。例中、
「部」「%」は、それぞれ「重量部」「重量%」であ
る。実施例で用いたカーボンブラックの各表面官能基量
は、下記の方法により測定し、それらを合計し全表面官
能基量を求めた。その結果を表1に示した。 (1)カルボキシル基(−COOH)量の測定 乾燥カーボンブラック1gを1mg単位で秤量し、0.
1規定の炭酸水素ナトリウム水溶液50ml中で4時間
振盪して反応させたのち、濾過し、濾液の上澄み液20
mlを採取して0.01規定の塩酸水溶液で滴定する。
カルボキシル基量は、カーボンブラック1g中のミリ当
量(meq./g)として下式によって求める。 カルボキシル基量=(50/20×0.01×( 滴定量−空滴定
量) )/カーボンブラック試料重量 (2)水酸基(−OH)量の測定 乾燥カーボンブラック1gを1mg単位で秤量し、0.
1規定の水酸化ナトリウム水溶液50ml中で4時間振
盪して反応させたのち、濾過し、濾液の上澄み液20m
lを採取して0.01規定の塩酸水溶液で滴定する。こ
れより、水酸基量とカルボキシル基量の合計量を、カー
ボンブラック1g中のミリ当量(meq./g)として
下式によって求めた。 ( カルボキシル基+水酸基) 量=(50/20×0.01×( 滴
定量−空滴定量) )/カーボンブラック試料重量 この合計量から先に求めたカルボキシル基量を差し引い
て、水酸基量を求めた。 (3)キノン基(>C=O)量 乾燥カーボンブラック3gを1mg単位で秤量し、水素
化ホウ素ナトリウム100mgを0.1規定の水酸化ナ
トリウム水溶液に溶解したもの50ml中で2時間反応
させたのち、6規定の硫酸水溶液を加えたときに発生す
る水素ガス量を測定する。空試験も行い発生する水素ガ
ス量を求める。キノン基量は、カーボンブラック1g中
のミリ当量(meq./g)として次式で求められる。 キノン基量=反応した水素化ホウ素ナトリウム量/カー
ボンブラック試料重量
【0021】
【表1】
【0022】また、実施例により得られた表面処理カー
ボンブラックの分散性の評価については下記の方法で行
った。表面処理カーボンブラック5部、精製水95部か
らなる組成物にジルコニアビーズを加え、ペイントシェ
ーカー(レッドデビル社製)で30分分散し、水性分散
体を作成した。得られた分散体の粒度分布をレーザー粒
径解析装置(MICROTRAC UPA 日機装株式
会社製)で測定し、平均粒径を求めた。また、50℃に
おいて1週間経時させたときの分散体中の沈降物の状態
を調べ、○×△で評価した。○は沈殿物無し。△は若干
の沈殿物有り。×は多量の沈殿物があることを表す。評
価結果は表2に示した。
【0023】実施例1 カーボンブラックA 12.0部、タウリン1.4部、
精製水86.6部からなる組成物にジルコニアビーズを
加え、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)にて9
0分分散し、90℃で24時間加熱処理した。その後、
濾別して105℃で5時間乾燥し、精製水を溶媒として
8時間のソックスレー抽出を行い余剰のタウリンを除去
したのち、再度105℃で5時間乾燥、粉砕して本発明
の表面処理カーボンブラックを得た。 実施例2 カーボンブラックA 12.0部、タウリンナトリウム
塩1.6部、精製水86.4部からなる組成物にジルコ
ニアビーズを加え、ペイントシェーカー(レッドデビル
社製)で90分分散し、70℃で24時間加熱処理し
た。その後、実施例1と同様の操作を行い表面処理カー
ボンブラックを得た。
【0024】実施例3 カーボンブラックA 12.0部、4−アミノ−1−ナ
フタレンスルホン酸ナトリウム塩3.5部、精製水8
4.5部からなる組成物にジルコニアビーズを加え、ペ
イントシェーカー(レッドデビル社製)で90分分散
し、70℃で24時間加熱処理した。その後、実施例1
と同様の操作を行い表面処理カーボンブラックを得た。 実施例4 カーボンブラックBを用いた以外は、実施例3と同様の
操作により表面処理カーボンブラックを得た。
【0025】実施例5 カーボンブラックB 12.0部、6−アミノ−1,3
−ナフタレンジスルホン酸ジナトリウム塩5.1部、精
製水82.9部からなる組成物にジルコニアビーズを加
え、ペイントシェーカー(レッドデビル社製)で90分
分散し、70℃で24時間加熱処理した。その後、実施
例1と同様の操作を行い表面処理カーボンブラックを得
た。 実施例6 カーボンブラックCを用いた以外は、実施例5と同様の
操作により表面処理カーボンブラックを得た。
【0026】比較例1、2、3 未処理のカーボンブラックA、B、Cを比較例とした。
実施例1、2、3と比較例1を比べると、本発明の表面
処理剤を用いてカーボンブラックを処理することにより
水中での分散性および分散安定性が著しく向上している
ことがわかる。実施例4、5と比較例2、あるいは実施
例6と比較例3を比べても同様の効果が確認できる。
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の表面処理カーボンブラックは、
カーボンブラック粒子表面の官能基へ表面処理剤のアミ
ノ基が吸着あるいは反応し、スルホン酸(塩)基部分が
カーボンブラック粒子表面に配位することにより、水性
媒体への優れた分散性を得ることが出来た。また、カー
ボンブラックを微分散させながら表面処理するとによ
り、より微細なカーボンブラック粒子表面にまで処理効
果を与えることが出来た。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される表面処理剤
    でカーボンブラック粒子の表面を処理したことを特徴と
    する表面処理カーボンブラック。 R12N−R3−(SO3M)n (1) 〔式中R1 、R2 はそれぞれ水素原子または炭素数1〜
    4のアルキル基を表し、R3 はエチレン基、フェニレン
    残基またはナフチレン残基を表し、Mは水素、アルカリ
    金属、アンモニアまたはアミンを表し、nは1〜3の整
    数を表す。〕
  2. 【請求項2】 表面処理前のカーボンブラックの全表面
    官能基量が0.2ミリ当量/g以上であることを特徴と
    する請求項1記載の表面処理カーボンブラック。
  3. 【請求項3】 表面処理剤が一般式(1)において
    1、R2が水素、R3がエチレン基、Mがナトリウム、
    nが1で表されるタウリンナトリウム塩であることを特
    徴とする請求項1または請求項2記載の表面処理カーボ
    ンブラック。
  4. 【請求項4】 表面処理剤が一般式(1)において
    1、R2が水素、R3がナフチレン残基、Mがナトリウ
    ム、nが1で表されるα−ナフチルアミンスルホン酸ナ
    トリウム塩であることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3いずれか記載の表面処理カーボンブラック。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4いずれか記載の
    表面処理カーボンブラックを含む水性分散体。
  6. 【請求項6】 カーボンブラックを一般式(1)で表さ
    れる表面処理剤を含む溶液中において粉砕機または分散
    機によるせん断応力またはメディアによる衝撃力によっ
    て微分散させながら表面処理することを特徴とする表面
    処理カーボンブラックの製造方法。
  7. 【請求項7】 カーボンブラックを表面処理剤を含む溶
    液中において微分散させる工程前、中または後に40℃
    〜100℃で加熱処理を行うことを特徴とする請求項6
    記載の表面処理カーボンブラックの製造方法。
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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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