JP2008541731A - トロンビンの精製 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高分子量の不純物のレベルを低減されたトロンビン組成物に関する。特に、Va因子、プリオン及び/又はウィルスのレベルは著しく減少される。本発明はまた、一般に、高純度及び高比活性度を有するトロンビンの調製のための方法に関する。さらに特異的には、本発明は、サイズ排除ろ過により、トロンビン調製物から、高分子量の不純物を排除するための工程を包含する。さらなる態様において、トロンビンの調製は、イオン交換ろ過の工程を含んでいてもよい。本発明の方法は特に、大規模なトロンビンの精製に好適である。本発明はまた、一般にトロンビン組成物を含む安定化された製剤に関する。さらに特異的には、本発明は、高純度及び高比活性度を有するトロンビンを含む、安定化された液剤、及び、そのような製剤の製造及び使用の方法に関する。
【選択図】 図2

Description

本出願は、2005年5月26日に出願された米国特許出願第11/140,374号の一部継続出願であり、その全てを参照として本明細書に取り込む。本出願は、2006年5月24日に出願された、「トロンビンの精製」と題する一部継続の米国特許出願の全てを、参照として本明細書に取り込む。本発明は、2005年5月26日に出願された米国特許出願第11/140,374号、及び2006年5月24日に出願された「トロンビンの精製」と題する一部継続の米国特許出願の優先権を主張するものである。
本発明は、一般に患者に悪影響をもたらす可能性のあるVa因子、プリオン及び/又はウィルス性病原体のような、高分子量の不純物を実質的に含まない、精製トロンビン調製物に関する。本発明はまた、一般に高純度及び高い比活性度を有する、実質的にウィルス性病原体を含まないトロンビンの調製のための方法に関する。更に具体的には、本発明は、トロンビン調製物から高分子量の不純物を除くことを含む方法を包含する。本発明はまた、高純度、高い比活性度及び安定性を有するトロンビン調製物の製剤に関する。
トロンビンは、タンパク質分解酵素であり、凝固システムの活性化に続いて、プロトロンビンのタンパク質分解の結果として、血液中に現れる。トロンビンは、フィブリノーゲンのフィブリンへ触媒的に変換することにより血液の凝固を促進し、血液凝固を形成し、そしてフィブリノペプチドA及びBを遊離する。脈管系に対する妨害に続いて、トロンビンの生成物は、凝固過程の中核となる。
トロンビン調製物は、血液がにじみ出るとき又は毛細及び細静脈から小量出血するたびに使用できる、恒常性を支援するものとして局所的に適用されることが、FDAによって認証されている。市販トロンビンの局所的適用は、血液の凝固作用を著しく早め、凝固時間を顕著に短縮する。
純度の低いトロンビン製剤を用いた検討では、患者において低純度の局所用トロンビン製剤に反応して、凝血障害が見られた。市販のトロンビン製剤には、一般にVa因子、ウシ血清アルブミン(BSA)、及び他の高分子量のタンパク質を含む不純物が存在する。市販のウシトロンビン製剤の不純物であるVa因子は、患者の抗ウシVa因子抗体の生成物を刺激して、患者自身のVa因子と交差反応して、それにより、恒常性障害に至らしめる可能性がある。
トロンビンの血液凝固力は、ml当たりの単位数(単位/ml)で測定する。サンプルの濃度が高くなるにつれ、効能がより高くなり、血液凝固(又はフィブリノーゲンの生成)がより早くなる。比活性度は、サンプルの効能をそのタンパク質含有量で割った比であり、タンパク質のmg当たりの単位で表される。
トロンビンの比活性度は、トロンビンの純度に依存する。純度の高いトロンビンは、純度の劣る調製物に比べて、比活性度の増大を示す。
これまで、トロンビンの精製は一般に、慣用的なイオン交換クロマトグラフィーの使用に限定されてきた。米国特許第5,397,704号には、一連の陰イオン及び陽イオン交換クロマトグラフィーを用いて調製する、ウシ・トロンビン調製物が記載されている。
米国特許第5,151,355号には、カルシウムの存在下で、1単位のプロトロンビンを5単位より少ないトロンボプラスチンと反応させて生成した、ウシ・トロンビン調製物が記載されて、次いでこのトロンビンは、順次、陰イオン交換アガロース・カラム及び陽イオン交換アガロース・カラムで処理される。
米国特許第4,965,203号には、ウシ・トロンビンの精製方法が開示されており、ここで、トロンビンは一連のイオン交換クロマトグラフィー・カラムに通されて、次いで多価アルコール及び緩衝剤とともに製剤化される。上記トロンビン調製物は、高い比活性度を有すると主張されているが、そのような精製の機構では、高分子量の不純物を効果的に除去するためのいかなる手段も提供していない。
米国特許出願第2001/033837号には、疎水性相互作用のクロマトグラフィー、続いて陽イオン交換クロマトグラフィーを用いてもよい、トロンビン調製物の精製方法が開示されている。トロンビンを精製する方法には、疎水性相互作用のクロマトグラフィーが含まれるが、精製及びウィルス除去に関して記述される上記の方法では、本発明が包含する、ウィルス除去及び比活性度又は純度に到達できるものではない。
従って、より高い純度を有するトロンビンを製造するために用いることのできる方法の必要性があり、そのような方法で精製されたトロンビンは、Va因子のような高分子量の不純物をより低いレベルで有し、ウィルス性病原体及びプリオンの高い除去余裕を有するであろう。
Va因子及びBSAのような不純物が減少又は除去されているために、純度の高いトロンビンは使用するのに安全ではあるが、高純度トロンビンを安定した製剤に製剤化することは困難である。トロンビンの純度が高くなると、安定性が低下し、安定した製剤の製剤化がより困難になる。それゆえ、高純度及び高い比活性度を有するトロンビンを含んだ、安定した製剤に対する必要性が存在している。
(発明の要約)
本発明は、トロンビン組成物及びそれらの組成物の調整方法を指向している。本明細書で用いる、製剤、組成物及び調製物という用語は、互換的に用いられる。本発明で検討する製剤、組成物及び調製物は、トロンビン、好ましくは、純度の向上されたトロンビンを含み、更に付加的な賦形剤、特に、製剤、組成物又は調製物に安定性をもたらすものを含んでいてもよい。
一態様では、本発明は、高い比活性度、向上した純度を有し、ウィルス粒子、Va因子及びプリオンを含む不純物を実質的に含まない、トロンビンの調製のための方法を包含する。本発明によれば、向上した純度を有するトロンビンの調製のための方法は、以下の工程、サイズ排除ろ過、イオン交換又はサイズ排除クロマトグラフィー、熱処理、pH調整、及び電磁放射線、の1つ又はそれ以上を含んでいてもよい。
更に別の態様では、本発明の方法は、Thrombin−JMI(登録商標)のような市販の調製物と比較して、調製物中の不純物を少なくとも50%減少することができる。更に好ましくは、本発明の方法は、本明細書中に記載のような精製前のトロンビン又は純度の低いウシ・トロンビンと比較して、調製物中の不純物を少なくとも80%減少することができる。本発明の別の態様によれば、当該方法は、本明細書中に記載のような精製前のトロンビン又は純度の低いウシ・トロンビンと比較して、トロンビン調製物の比活性度を少なくとも1000%、1200%又は1500%増大させることができる。
本発明によれば、サイズ排除フィルターの工程は、40kDaより大きい分子量を有する不純物を除去するために用いられる。好ましくは、サイズ排除フィルターは、40kDa〜300kDaの範囲の分子量を有する不純物を除去するために用いる。更に好ましくは、サイズ排除フィルターは、50kDa〜150kDaの範囲の分子量を分画する。本発明の他の態様では、サイズ排除フィルターは、50kDaの分子量を分画する。他の態様では、サイズ排除フィルターは、100kDaの分子量を分画する。
本発明の方法は、トロンビン調製物を、イオン交換クロマトグラフィー及び/又はサイズ排除クロマトグラフィーのような、さらなるクロマトグラフィーの工程で処理することも含んでいてもよい。
別の態様では、本発明の方法は、トロンビン調製物に熱処理を施すことを包含する。好ましくは、熱処理は、トロンビンを60℃で10時間保持することを含む。
別の態様では、本発明の方法は、トロンビン調製物のpHを、約5又はそれより低い値に下げることを包含する。
さらに別の態様では、本発明の方法は、トロンビン調製物への電磁放射線の処理を包含する。電磁放射線は、γ放射線又はUV放射線であってもよい。
本発明は、少なくとも15Lのトロンビン調製物をサイズ排除フィルターで処理することを包んでなる、純度を向上させたトロンビンの大規模な調製に対する方法を包含する。好ましい態様では、本発明は、約300,000,000単位のトロンビンを含んでなる少なくとも15Lのトロンビン調製物を、サイズ排除フィルターで処理することを包んでなる、純度を向上されたトロンビンの大規模な調製に対する方法を指向している。
本発明はまた、トロンビン組成物も指向している。一態様では、トロンビン組成物は、実質的に不純物を含まない。別の態様では、トロンビン組成物は、40kDaより大きい分子量を有する不純物を実質的に含まない。好ましくは、トロンビン組成物は、40kDa〜300kDaの分子量を有する不純物を実質的に含まない。
更に別の態様では、本発明のトロンビン組成物は、実質的に純粋である。好ましくは、トロンビン組成物は、Va因子を実質的に含まない。更に好ましくは、Va因子は0.4μg/1000トロンビン単位より少なく存在している。更に、Va因子の量は、Va因子活性アッセイ法、ELISA法又はウエスタン・ブロット法により測定することができる。
本発明の別の態様では、トロンビン組成物は、約1800u/mgタンパク質より大きい比活性度を有し、40kDaより大きい分子量を有する不純物を実質的に含まない。本発明のトロンビン組成物は、約1800〜3000u/mgタンパク質の比活性度を有することができる。好ましくは、トロンビン組成物は、約2400〜2500u/mgタンパク質又は約2500〜2600u/mgタンパク質、約2600〜2700u/mgタンパク質、約2700〜2800u/mgタンパク質、約2800〜2900u/mgタンパク質又は約2900〜3000u/mgタンパク質の比活性度を有することができる。更にトロンビン組成物は、3000u/mgタンパク質より大きい比活性度を有することができる。
本発明は、実質的にウィルス性病原体を含まないトロンビン組成物も又指向している。本発明のトロンビン組成物は、実質的にウィルス性病原体を含んでいなくてもよく、ここにおける対数減少値は、1ウィルス当たり3.5より大きい。
本発明は、高純度及び高い比活性度を有するトロンビンを含んでなる安定した製剤、及びそのような製剤の製造及び使用の方法もまた指向している。トロンビンの純度が高くなると、製剤の安定性が低下するにもかかわらず、発明者らは、高純度及び高い比活性度を有するトロンビンを含んでなる安定した製剤を見出した。
本発明の安定したトロンビン製剤は、トロンビン及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含んでなる。
本発明の安定したトロンビン製剤は、これに限定されないが、ウシ及びヒト供給源を含む、何れかの供給源から分離されたトロンビンを含むことができる。更に、トロンビンは、本発明の精製トロンビン組成物又は現在市販されているThrombin−JMI(登録商標)のような、トロンビン調製物又は組成物の何れかであってもよい。好ましい態様では、トロンビンは、高純度及び高い比活性度を有する。
トロンビンに加えて、本発明の安定したトロンビン製剤は、賦形剤を含む。特定の態様では、本発明の製剤に好適な賦形剤は、これらには限定されないが、グリセロール、ポリエチレングリコール、塩、若しくは水、酸及び塩基のような水溶液、又はそれらの組合せを含む。
好ましい塩は、これらには限定されないが、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はそれらの組合せを含む。
好適な酸及び塩基は、これらには限定されないが、塩酸及び水酸化ナトリウムを含む。好ましくは、本発明の製剤は、pH5〜9であり、より好ましくは、pH6〜8である。
好ましくは、本発明の安定したトロンビン製剤は、20〜40容量%のグリセロール、1〜20容量%のポリエチレングリコール、0.15〜0.3M濃度の塩化ナトリウム及び0.025〜0.05M濃度の酢酸ナトリウムを含む。
本発明の好ましい態様では、本発明の安定したトロンビン製剤は、精製トロンビン、グリセロール、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウムを含んでなり、そしてpHが6〜8である。
特定の態様では、本発明の安定したトロンビン製剤は、液状である。或いは、本発明の安定したトロンビン製剤は、固形物であり、ここにおいて、投与の前に、安定した固形トロンビン製剤は、液体に溶解又は懸濁される。
更に、本発明は、本発明の安定したトロンビン製剤の投与の方法もまた指向している。好ましくは、本発明の安定したトロンビン製剤は、局所的に又は身体の内腔の表面に投与される。
本発明は、本発明の安定したトロンビン製剤を含んでなるキットもまた指向している。本発明の特定の態様では、キットは、安定したトロンビン製剤、トロンビン製剤を含有可能な小瓶、及び注射針を含んでなる。
本発明の他の態様では、キットは、トロンビン製剤、及びトロンビン製剤をスプレー可能な器具を含んでなる。好適なスプレー器具は、これらには限定されないが、スプレー・チップ又はスプレー・ポンプを含む。
本発明は、その初期効能の少なくとも60%が2年間維持される、安定したトロンビン製剤も又指向している。好ましい態様において、製剤は、その初期効能の少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%が維持される。本発明は、特に、3ヶ月後、その初期効能の少なくとも80%、85%、90%又は95%が、6ヶ月後、その初期効能の少なくとも70%、80%、85%、90%又は95%が、9ヶ月後、その初期効能の少なくとも70%、80%、85%、90%又は95%が、12ヶ月後、その初期効能の少なくとも70%、80%、85%、90%又は95%が、及び18ヶ月後、その初期効能の少なくとも60%、70%、80%、85%、90%又は95%が、維持される製剤を指向している。本発明は、その初期ラベル・クレイムの効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、又は95%が2年間維持される、安定したトロンビン製剤も又指向している。本発明は、3ヶ月後、その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、6ヶ月後、その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、9ヶ月後、その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、12ヶ月後、その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、及び18ヶ月後、その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%が、維持される製剤を指向している。
(5.発明の詳細な説明)
本発明は、トロンビンの精製のためにサイズ排除ろ過を単独で又は他の精製工程と組合せて使用することが、トロンビンの精製方法に従来技術を超える実質的な利点を提供するという発見に基づいている。本発明のトロンビンの精製方法は、高分子量の不純物の実質的除去又は排除により、極めてより純粋なそして安全なトロンビンを提供する。本発明の方法は、使用時の一貫性、信頼性及び容易性に加えて、高度なウィルス除去もまた提供する。
本発明は、トロンビン調製物を精製工程で処理すること、及び精製トロンビンを回収することを包含する。これらの工程は、これらに限定されないが、クロマトグラフィー精製;トロンビン調製物をサイズ排除フィルターで処理すること;トロンビン調製物をイオン交換フィルターで処理すること;pHを下げること;又はトロンビン調製物に電磁放射線を照射することを含む。本発明は、サイズ排除フィルターの使用の発見に基づくものではあるが、そのような精製工程が、単独で又は組合せて処理されていてもよい。
更に、本発明の方法は、大規模な商業生産及び精製に対応可能である。本発明の方法により、40kDaより大きい分子量を有する不純物、及びウィルス性病原体を実質的に含まない、多量のトロンビンを得ることができる。
本発明はまた、1つ又はそれ以上の賦形剤のトロンビンへの追加を考慮することにより、現在入手可能なトロンビンよりも更に安定したトロンビン製剤をもたらす。そのように、本発明は、従来技術におけるトロンビン製剤が抱える多くの問題点を解決する。特定の理論の何れかに拘束されない本発明の高純度のトロンビンを安定化する能力は、一貫性のある及び効果的な処理をもたらすことができる。好ましくは、本発明の安定化されたトロンビン製剤は、高純度及び高い比活性度を有するトロンビン、及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を包含する。本発明はまた、液状の安定したトロンビン製剤を包含する。
(5.1 トロンビンの供給源)
何れの供給源からのトロンビンも、本発明の組成物、製剤及び方法において用いることができる。本発明の組成物、製剤及び方法において、用いるのに好ましいトロンビンの供給源の例には、これらに限定はされないが、ウシ又はヒト供給源から分離されたトロンビンが含まれる。Thrombin−JMI(登録商標)のような市販のトロンビンの供給源もまた、本発明で用いることができる。
どのような純度レベルのトロンビンも、また何れかの調製物から得られたトロンビンも、用いることができる。具体的には、本明細書中に記載されるような精製前のトロンビンを、本発明の組成物、調製物及び方法において用いることができる。更に、天然又は組み換え型の調製物から得られたトロンビンは、本発明に好適である。
(5.2 トロンビンの精製)
本発明は、Va因子、プリオン及びウィルス性粒子のような不純物の低不純物レベルによって、向上した純度、向上した比活性度及び向上した安全性を有するトロンビンの調製に関する方法を含む。
特定の態様では、本発明の方法は、トロンビン調製物の純度を、Thrombin−JMI(登録商標)又は他の精製トロンビンと比較して、30%より高く、50%より高く、75%より高く、又は90%より高く向上させる。
別な方法で純度は、トロンビンの比活性度を測定することにより定量化される。トロンビンの比活性度は、凝固アッセイ法(clotting assay)及び発色アッセイ法(chromogenic assay)を含む、当該技術分野で公知の標準的アッセイ法によって測定することができる(例えば、「Gaffney et al.,1995, Thromb Haemost 74:900-903」を参照されたい)。
一態様では、本発明の方法は、精製前のトロンビンと比較して、トロンビン調製物の比活性度が、少なくとも1000%、少なくとも1200%、少なくとも1500%、又は少なくとも1800%に増大するトロンビン調製物を提供する。本発明のトロンビン組成物は、高い比活性度を有し、好ましくは、本発明のトロンビン組成物の比活性度は、1800u/mgタンパク質より大きい。
本発明の方法は、約1800u/mg〜3000u/mgの範囲、更に好ましくは、約1800u/mg〜2400u/mgの比活性度を有する、トロンビン調製物を提供する。他の態様では、比活性度は、約2400u/mg〜2500u/mg、約2500u/mg〜2600u/mg、又は約2600u/mg〜2700u/mg、約2700u/mg〜2800u/mgタンパク質、約2800u/mg〜2900u/mgタンパク質、又は約2900u/mg〜3000u/mgタンパク質である。特定の態様では、トロンビンは、3000u/mgより大きい比活性度を有する。好ましくは、サイズ排除ろ過の後で、比活性度は、約1500u/mg以上のレベルから約2400u/mg以上のレベルに上昇する。
本発明の特定の方法を用いると、ウィルス性病原体及び/又は高分子量の不純物は、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも855%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%減少する。好ましい態様では、トロンビン調製物中の高分子量の不純物及び/又はウィルス性粒子の不純物は、少なくとも80%減少する。
本発明はまた、トロンビンより大きい分子量を有する分子を排除することを含んでなる、トロンビンを精製するための方法を提供する。トロンビンより大きい分子量を有する不純物の少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%及び少なくとも99%除去するための、トロンビンの精製の方法が提供される。より大きい分子量の不純物の除去を実現するにあたり、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%のトロンビンの回収を達成することが望ましい。
又本発明の特定の態様では、トロンビンの回収は、80%より多い、85%より多い、90%より多い、又は95%より多い。
本発明の方法は、トロンビン調製物を精製工程で処理すること、及び精製トロンビンを回収することを含む。本発明の精製工程は、トロンビン調製物をサイズ排除フィルターで処理すること;クロマトグラフィ−精製;トロンビン調製物をイオン交換フィルターで処理すること;pHを下げること;又はトロンビン調製物に電磁放射線を照射することを含む。そのような工程は独立して、又は組合せて実施されてもよい。
(5.2.1 サイズ排除ろ過及びクロマトグラフィー)
本発明の方法に従えば、トロンビン調製物の回収及び精製は、分子量に基づく分離技術を伴う方法を用いた、不純物の排除によって達成できる。一般に、サイズ排除ろ過法及びクロマトグラフィー法を含む、分子量に基づく分離を伴う方法の何れも用いることができる。本発明の方法がサイズ排除ろ過法を用いる態様では、フィルター孔が、トロンビン分子が通過できるのには十分大きく、しかし大きなタンパク質の不純物及びウィルスを含む、多くの不純物を保持するのに十分な小ささであることが好ましい。
トロンビンは、約40kDaの分子量を有するので、好ましくは、特定の態様では、本発明の方法が、トロンビン調製物を、当該トロンビン調製物との大きさの点で、40kDaより大きい分子量を有する不純物を排除できるサイズ排除フィルターで処理することを包含する。好ましい態様では、サイズ排除フィルターは、40kDa〜300kDaの範囲の分子量を有する不純物を排除することが可能である。
従って、分子量を分画する、つまり50、100、150、300kDa又はそれより大きい排除下限のサイズ排除フィルターを用いることができる。一態様では、サイズ排除フィルターは、40kDa〜300kDaの範囲の分子量を分画する。別の態様では、サイズ排除フィルターは、50kDa〜300kDaの範囲の分子量を分画する。更に別の態様では、サイズ排除フィルターは、50kDa〜150kDa範囲の分子量を分画する。好ましい態様では、サイズ排除フィルターは、50kDaの分子量を分画する。更に好ましい態様では、サイズ排除フィルターは、100kDaの分子量を分画する。この工程は、トロンビンの回収を最大化するために膜分離精製法での処理を含んでいてもよい。
好ましい態様では、サイズ排除フィルターは、およそ100kDaの分子量を分画する孔サイズを有するものであろう。好ましくは、本発明に好適なサイズ排除フィルターは、細菌性病原体及びエンドトキシン(内毒素)も効果的に減少させる。
特定の態様では、サイズ排除フィルターは、高度に多孔質のポリオレフィンの裏打ち上に改良されたポリエーテルスルホンから作られている。また用いるフィルターは、接線流のフィルターであってもよい。本発明で用いることのできるフィルター例の1つは、PALL FILTRON Corporationにて製造されたOmega(登録商標)100K VRである。
本発明に従って用いてもよい他のサイズ排除フィルターは、これらに限定されないが、Millipore Corporationにて製造のViresolve/70;A/G Technology Corporationにて製造のVirA/Gard500;及びPall Corporationにて製造のUltiporDV20を含む。
サイズ排除フィルターを用いると、ウィルス性不純物を含む大きい分子量は、膜中の孔に残留する。膜は、使用後廃棄されるか、又は別に再利用されてもよい。十分に高い対数減少(log reduction)をもたらす膜であれば、容認可能であると見なされ、用いることができる。各々の膜の対数減少は、90%の減少である。別のテストは、フィルターが容認可能な孔のサイズの範囲を有するかを確認するために、フィルターで実施されてもよい。本発明の方法による特定の態様では、ウィルスの除去は、3.5より大きい、好ましくは4.0より大きい、より好ましくは4.5より大きい対数減少値(LRV)である。特定の態様では、プリオンの除去は、3.5より大きい、好ましくは4.0より大きい、より好ましくは4.5より大きい対数減少値である。
本発明の特定の態様では、50ml、100ml、150ml、200ml、250ml、300ml、350ml、400ml、450ml、500ml、それらの倍数又はそれ以上の初期容量が、サイズ排除フィルターで処理される。本発明は、少なくとも300mlのトロンビン調整物をサイズ排除フィルターで処理することを含んでなる方法も包含する。
本発明は、少なくとも40Lのトロンビン調整物をサイズ排除フィルターで、好ましくは少なくとも60Lのトロンビン調整物をサイズ排除フィルターで、最も好ましくは少なくとも90Lのトロンビン調整物をサイズ排除フィルターで、処理することを含んでなる、大規模な商業ベースのトロンビンの精製の方法も包含する。特定の態様では、サイズ排除フィルターで処理されるトロンビン調製物の容量は、用いるフィルターの表面積及び/又は用いるフィルターの数に依存する。本発明の好ましい態様では、40L〜60L、60L〜80L、80L〜100L、100L以上又はそれ以上及びそれらの倍数の初期容量が、サイズ排除フィルターで処理される。
本発明の特定の方法は、特に大規模なトロンビンの精製に好適である。そのように、本発明の好ましい態様では、15L〜20L及びその倍数の初期容量が、サイズ排除フィルターで処理される。一態様では、15Lのトロンビン調製物がサイズ排除フィルターで処理される場合、トロンビン調製物は、300,000,000単位のトロンビンを包含する。
(5.2.2 イオン交換クロマトグラフィ)
単独で又はサイズ排除ろ過と組合せて用いるイオン交換ろ過の使用は、トロンビンの精製に実質的な便益を提供する。イオン交換ろ過は、使用時の一貫性、信頼性及び容易性に加えて、高度なウィルスの除去を提供する。
特定の態様では、本発明の方法は、トロンビンをイオン交換フィルタで処理することを更に包含してもよい。イオン交換ろ過は、電子電荷に基づいて溶質をろ過する分離方法である。イオン交換フィルターは、イオン交換膜中に電荷中心を含む。サンプルがフィルターを通過する場合、サンプル中の荷電化合物が、膜上の電荷中心を吸収する。正電荷を持ち、トロンビン調整物から荷電タンパク質及びウィルス性不純物をろ過して取り除いてくれるフィルターが選ばれる。フィルターと同じ正味電荷を有するウィルスは、樹脂と結合せずに、飛躍的に除去されるだろう。
本発明に従って用いるイオン交換フィルターは、好ましくは正電荷を帯びており、ここにおいて、トロンビン精製に一般に用いるイオン交換クロマトグラフィー樹脂は、負電荷を帯びている。イオン交換フィルターは、核酸の除去に関して有用である。好ましい態様では、イオン交換フィルターは、ペンダント式第4級アミン基を有する。本発明において使用できる好ましいイオン交換フィルターは、Pall Corporationにて製造のMustang(登録商標)Q フィルターである。使用できる別のイオン交換フィルターは、Cuno Zeta Plus VR05である。
(5.2.3 熱処理)
中程度の熱処理は、トロンビンの精製に関する本発明の方法に用いてもよい好適な工程である。中程度の熱処理は、単独で、又はサイズ排除ろ過若しくはクロマトグラフィー、更には本明細書中で検討した別の精製工程の何れかと組合せて、用いてもよい。ウィルス性不純物が不活性化され、トロンビンが高い比活性度のまま維持されるならば、何れの供給源のトロンビンも、どのような期間でも、すべてのタイプの熱処理ができる。
特定の態様では、トロンビンは40℃〜100℃に加熱されてもよい。好ましい態様では、トロンビンは約60℃に加熱される。熱処理は、トロンビンに対して、何れかの長さの時間で処理されてもよい。具体的には、トロンビンは、1〜60分間加熱されてもよく、又はトロンビンは、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10時間加熱されてもよい。好ましい態様では、トロンビンに対して60℃にて10時間処理する熱処理が用いられる。
(5.2.4 PH調整)
本発明の方法において用いてもよい別の精製工程は、トロンビンのpHを調整することである。結果として得られるトロンビン組成物が少量のウィルス性不純物を有するようになるならば、トロンビンのpHは何れのレベルに調整されてもよい。具体的には、トロンビンのpHを下げることは、ウィルス性不純物の不活性化に効果的である。特定の態様では、トロンビンのpHは、約5より低く、又は約4より低く調整される。しかし、トロンビンのpHを下げることは、トロンビンの活性に幾分かの損失をもたらすかもしれない。
(5.2.5 電磁波照射)
本発明の方法において用いてもよい更に別な精製工程は、γ若しくは電磁波、又は紫外線の処理である。トロンビンに対する放射線の処理は、単独で、又は本明細書に記述される別の精製工程の何れかと組合せて用いてもよい。
本発明における発明は、電磁波及びγ放射線が、強力で強固なウィルスの不活性化手段であることを見出したものである。報告によると、γ放射線は、広く多様なウィルスに対して効果的である。しかし、市販のトロンビンでは、70%未満の回収率になるかもしれない。
紫外線の処理は、単独で又は本発明の別の精製工程と組合せて用いてもよい、効果的なウィルスの不活性化手段でもある。しかし、トロンビンの活性の幾分かの損失が、この同様な方法において観察された。本発明は、短期間の照射により、より少ない活性の損失になることに注目した。
(5.3 精製トロンビン調整物/製剤)
本発明は、上記方法により精製されたトロンビン組成物も指向している。本発明のトロンビン組成物は、向上した純度、高い比活性度、及び低いレベルのVa因子、プリオン、及びウィルス性病原体のような不純物を含む、低不純物レベルを有する。
本発明のトロンビン組成物は、高い比活性度を有する;好ましくは、本発明のトロンビン組成物の比活性度は、1800u/mgタンパク質より大きい。本発明は、比活性度の範囲が、約1800u/mg〜3000u/mg、より好ましくは約1800u/mg〜2400u/mgのトロンビン組成物を包含する。他の態様では、比活性度は、約2400u/mg〜2500u/mg、約2500u/mg〜2600u/mg、又は約2600u/mg〜2700u/mg、約2700〜2800u/mgタンパク質、約2800〜2900u/mgタンパク質、又は約2900〜3000u/mgタンパク質である。特定の態様では、トロンビンは、3000u/mgより高い比活性度を有する。
本発明のトロンビン組成物はまた、Va因子、細菌性病原体、プリオン及びウィルス性病原体を含む、高分子量の不純物を実質的に含まない。本明細書に記載のように、高分子量の不純物を「実質的に含まない」組成物とは、組成物が、約5〜20重量%より少なく、好ましくは約15重量%より少なく、より好ましくは約10重量%より少なく含んでいることを示す。本明細書に記載のように、「実質的に純粋」である組成物は、高分子量の不純物を、5重量%より少なく、最も好ましくは高分子量の不純物を3重量%より少なく含む。
好ましい態様では、本発明のトロンビン組成物は、40kDaより大きい分子量を有する不純物を実質的に含まない。他の好ましい態様では、トロンビンは、40kDa〜300kDaの範囲の分子量を有する不純物を実質的に含まない。高分子量の不純物の具体例は、Va因子(重鎖(重量分子量=105kDa)及び軽鎖(重量分子量=71kDa/74kDa))並びにウシ血清アルブミン(BSA;重量分子量=66kDa)を含む。
別の特定の態様では、本発明は、実質的にウィルス性粒子の不純物を含まないトロンビン組成物を提供する。ウィルス性粒子の不純物は、高分子量の不純物の具体例でもある。本発明の方法により除去することのできるウィルスは、これらに限定されないが、ウシウィルス性下痢ウィルス(BVDV)、仮性狂犬病ウィルス(PRV)、脳心筋炎ウィルス(EMCV)、ウシパルボウィルス(BPV)、イヌパルボウィルス(CPV)、トゲウオウィルス(stickleback virus)(SBV)、ダニ媒介性脳炎ウイルス(TBEV)、ウマ・ライノウイルス1(ERV−1)、ヒト免疫不全ウィルス1(HIV−1)、A型肝炎(HAV)、B型肝炎(HBV)及びC型肝炎(HCV)を含む。 ウィルスは、ELISA法を含む抗体に基づく多様なアッセイ法、PCR法を含む核酸に基づくアッセイ法、及びハイブリダイゼーションアッセイ法により検出することができる。
特定の態様では、本発明は、実質的にVa因子を含まないトロンビン組成物を提供する。いくつかの態様では、Va因子は、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%減少する。本発明の特定の態様では、サイズ排除フィルターの後、Va因子は、濃縮サンプル(最終組成物に希釈する前である)中に殆ど検出されることはなく、一般に最終組成物中には全く検出されない。
他の態様では、Va因子の量は、トロンビン1000単位当たり、0.4μgより少なく、0.35より少なく、0.3より少なく、0.25より少なく、0.2より少なく、0.15より少なく、0.1より少なく、0.02より少なく、又は現在検出不能な量の何れかである。
好ましくは、Va因子の存在しない又は減少したレベルは、当該技術分野で公知の通常の方法、即ち、ゲル電気泳動法を含むクロマトグラフィ法、Va因子の活性アッセイ法及び抗体に基づくアッセイ法により検出される。
好ましい態様では、本発明のトロンビン組成物は、1800u/mgタンパク質より高い比活性度を有し、実質的に高分子量の不純物を含まない。
本発明の方法により精製されたトロンビンは、更に臨床的使用のために製剤化できる。本発明のトロンビン製剤は、好ましくは現在市販されているトロンビン製剤よりも安定している。更に、特定の態様では、本発明の安定したトロンビン製剤は、液体である。
特定の態様では、本発明の安定した製剤は、トロンビン、実質的に不純物を含まないトロンビン、及び少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を含んでなる。このような一態様では、トロンビンは、ウシ・トロンビンである。
特定の態様では、本発明の安定した製剤は、トロンビン、少なくとも1つのポリマー、少なくとも1つのアルコール、少なくとも1つの塩、及び所望の範囲にpHを調整するための適当な量の酸及び/又は塩基を含んでなる。
ある態様では、本発明の安定した製剤は、トロンビン、グリセロール、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム及び塩化ナトリウム、並びに5〜8の範囲にpHを調整するための塩酸又は水酸化ナトリウムのどちらか又は両者を含んでなる。
望ましい態様では、本発明の安定した製剤は、トロンビン、約30容量%のグリセロール、約10容量%のポリエレングリコール、0.025〜0.05M濃度の酢酸ナトリウム及び0.15〜0.3M濃度の塩化ナトリウム、及びpH6〜7に調整するための塩酸又は水酸化ナトリウムのどちらか又は両者を含んでなる。
本発明の精製トロンビンは、製剤化及び/又は殺菌処理に先行して、0〜10℃で48時間までの間保管されてもよい。好ましい態様では、本発明の製剤の殺菌は、0.2ミクロン殺菌フィルターを用いて実施される。本発明の製剤は、殺菌処理なしに、25℃で2年間までの間保管されてもよい。本発明は、その初期効能の少なくとも60%を2年間維持する安定したトロンビン製剤を指向している。好ましい態様では、製剤は、その初期効能の少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%を維持する。本発明は、特に、3カ月後その初期効能の少なくとも80%、85%、90%又は95%、6カ月後その初期効能の少なくとも70%、80%、85%、90%又は95%、9カ月後その初期効能の少なくとも70%、80%、85%、90%又は95%、12カ月後その初期効能の少なくとも70%、80%、85%、90%又は95%、及び18カ月後その初期効能の少なくとも60%、70%、80%、85%、90%又は95%を維持する製剤を指向している。本発明はまた、2年の期間、初期ラベル・クレイムの効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%を維持する安定したトロンビン製剤を指向している。本発明は、3カ月後その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%、6カ月後その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%、9カ月後その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%、12カ月後その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%、及び18カ月後その初期のラベル表示効能の少なくとも70%、75%、80%、85%、90%又は95%を維持する製剤を指向している。
(5.3.1 賦形剤)
好適な薬学的に許容される賦形剤は、本発明のトロンビン製剤の安定化に役立つ賦形剤の何れかを含む。本発明に好適な薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、緩衝剤、安定剤、界面活性剤、キレート剤、防腐剤として作用してもよい。
好適な薬学的に許容される賦形剤は、これらに限定されないが、水、酸及び塩基のような水溶性液体;アルコールのような有機溶媒;ポリマー;塩又はそれらの組合せを含む。
好適な酸は、これらに限定されないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、ギ酸、酢酸、クエン酸及びリン酸を含む。好ましい酸は塩酸である。
好適な塩基は、これらに限定されないが、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウムを含む。好ましい塩基は、水酸化ナトリウムである。
本発明の安定した液体トロンビン製剤に含まれる酸及び塩基は、安定した液体トロンビン製剤のpHを調整するために用いることができる。本発明の安定した液体トロンビン製剤のpHは、本発明のトロンビン製剤を安定化するpHの何れかに調整することができる。特定の態様では、トロンビン製剤のpHは、4〜9である。好ましくは、本発明のトロンビン製剤のpHは、5〜8である。より好ましくは、本発明のトロンビン製剤のpHは、5.5〜7.7である。ある好ましい態様では、本発明のトロンビン製剤のpHは、6.7±0.1である。
好適なアルコールは、これらに限定されないが、グリセロールエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン及びペンタエリトリトールのような多価アルコールである。好ましいアルコールは、グリセロールである。
本発明の安定した液体トロンビン製剤におけるアルコールの量は、0〜80容量%であってもよい。特定の態様では、アルコール、例えば、グリセロールの量は、10〜50容量%である。好ましい態様では、アルコール、例えばグリセロールの量は、20〜40%、25〜35%又は30容量%である。
好適なポリマーは、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール、スチレン−イソブチレン−スチレン、ポリウレタン、シリコン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、エチレン−αオレフィン共重合体、アクリルポリマー及び共重合体、ハロゲン化ビニルポリマー、ポリビニルエーテル、ハロゲン化ポリビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族、ポリビニルエステル、ビニルモノマーの共重合体、ビニルモノマー及びオレフィンの共重合体、ポリアミド、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン−トリアセテート、セルロース、セルロース・アセテート、セルロース・ブチレート、セルロース・アセテート・ブチレート、セロファン、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、コラーゲン、キチン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸−ポリエチレンオキシド共重合体、EPDMゴム、フッ化シリコン、多糖、リン脂質、又はそれらの組合せを含む。好ましいポリマーは、ポリエチレングリコールである。極めて好ましいポリマーは、ポリエチレングリコール200〜400である。
本発明の安定した液体トロンビン製剤におけるポリマーの量は、0〜50容量%であってもよい。特定の態様では、ポリマー、例えば、ポリエチレングリコールの量は、1〜30容量%である。好ましい態様では、ポリマー、例えばポリエチレングリコールの量は、1〜20%、5〜15%又は10容量%である。
好適な塩は、これらには限定されないが、カルシウム、カリウム又はナトリウムの塩化物、臭化物等;酢酸カルシウム、カリウム、セシウム又はナトリウム;クエン酸カリウム、セシウム又はナトリウム;硝酸カリウム、セシウム又はナトリウム;及びギ酸カリウム、セシウム又はナトリウムを含む。好ましい塩は、酢酸ナトリウム及び塩化ナトリウムである。
本発明の製剤における塩の濃度は、0〜0.5Mであってもよい。特定の態様では、塩の濃度は、0.01〜0.45Mである。他の態様では、塩の濃度は、0.3Mより小さい。好ましい態様では、塩は塩化ナトリウムと酢酸ナトリウムの混合物であり、ここにおいて、塩化ナトリウムの濃度は0.15〜0.3Mであり、酢酸ナトリウムの濃度は0.025〜0.05Mである。塩化ナトリウムの別の好ましい範囲は、0.28〜0.32Mである。
(効能テスト)
トロンビンは、当該技術分野で公知のアッセイ法を用いて、効能又は活性に関するテストを実施することができる。そのような方法は、凝固時間測定法に基づいている。凝固時間測定法は、ACL7000の凝固タイマーを用いて測定することができる。測定した凝固時間は、標準曲線の凝固時間対u/mLについての両対数回帰法を用いて、u/mLに換算される。u/mLの値に希釈因子を乗じて、サンプルの実際の効能を得る。アッセイ法が幾らかの多様性のある結果を生じるかもしれないのは、ピペット操作技術、ACL機器の相違、及びテストサンプルの粘度を含む要因の組合せによるものである。
(キット及び投与)
本発明はまた、本発明の安定したトロンビン製剤を含んでなるキットを包含する。キットは、本発明の安定したトロンビン製剤を含有する小瓶を含むことができる。小瓶中の安定したトロンビン製剤は、以下の製品仕様に適合すべきである:
Figure 2008541731
特定の態様では、本発明のキットは、安定したトロンビン製剤;トロンビン製剤を含有できる小瓶;及び針を含んでなる。キットはまた、少なくとも1つのスポンジを含むことができる。
他の態様では、本発明のキットは、安定したトロンビン製剤及びトロンビン製剤を噴霧することが可能な器具を含んでなる、スプレー式キットである。好適なスプレー器具は、噴霧チップ又は噴霧ポンプ、及び作動装置を含む。さらにスプレーキットは、針を包含していてもよい。
スプレーキットに関連して、安定したトロンビン製剤は、小瓶中に含むこともまたできる。スプレーキット中に含まれる、安定した液体トロンビン製剤を含有している小瓶は、以下の製品仕様に適合すべきである:
Figure 2008541731
また本発明は、安定したトロンビン製剤を調製する方法に関する。特定の態様では、安定したトロンビン製剤を調製するための方法は、(a)トロンビンの純度を高めること、及び(b)少なくとの一つの薬学的に許容される賦形剤を精製トロンビンに付加することを含んでなる。
本発明の安定したトロンビン製剤を調製する方法は、酸又は塩基でpHを調整することを更に含んでなる。
図3は、本発明の安定したトロンビン製剤を調製する方法を記述した流れ図である。向上した純度及び比活性度を有するトロンビン組成物を調製した後、28〜33容量%のグリセロール、及び7〜11容量%の分子量200〜600のポリエチレングリコールが、精製トロンビンに添加される。塩化ナトリウムのモル濃度が0.08〜0.32M、そして酢酸ナトリウムのモル濃度が0.02〜0.06Mになるまで、塩化ナトリウム及び酢酸ナトリウムが添加される。pHは、5.7〜7.7に調整する。その後安定したトロンビン製剤を、0〜10℃に冷却する。
その後、安定したトロンビン製剤を、殺菌処理して、ラベル付きの小瓶に保管することができる。
また本発明は、安定したトロンビン製剤を投与する方法を指向していてもよい。好ましくは、本発明の安定したトロンビン製剤は、局所的に投与される。
特定の態様では、当該方法は、(a)トロンビン製剤を注射器に吸い込むこと;(b)トロンビン製剤を注射器で押し出すこと;及び(c)トロンビン製剤を身体の内腔の表面に注入することを含んでなる。
他の態様では、当該方法は、トロンビン製剤を身体の内腔の表面に局所的にスプレーすることを含んでなる。
さらに他の態様では、当該方法は、(a)トロンビン製剤をスポンジに染み込ませること;及び(b)身体の内腔の表面をスポンジで処理することを含んでなる。
本明細書に含まれる記述及び以下の実施例は、説明する目的のためのものであり、限定する目的のためのものではない。変更及び改変は、記述した態様に合わせて実施することができ、また本発明の範囲内である。さらに、明白な変更、改変又は変法が生じることは、当業者には認識されるであろう。
(実施例)
精製前のトロンビンの調製
精製前又は低純度のウシトロンビン
トロンボプラチンの調製: 新鮮なウシの肺を、従来の破砕装置ですりつぶす。すりつぶしたウシの肺は、即時に用いるか、ポリライン(Poly-lined)の容器に−15℃より低い温度で冷凍保管することもできる。すりつぶした肺を、約0〜15℃にて希釈した塩化ナトリウム溶液に懸濁して、約12〜72時間抽出する。肺懸濁液を、粗い繊維体に通してのろ過及び/又は別の方法として遠心分離法による分離をして、そして抽出液を収集する。
攪拌しながら、肺抽出液1リットル当たりに、水酸化マグネシウムゲルの約50%の懸濁液を約1000ml加え、そして十分に混合する。懸濁液は、遠心分離されるか、又は、代わりに、ろ過助剤でろ過されて、そして遠心分離法で分離した液又はろ液を収集する。吸収された肺抽出物は、約0〜15℃にて攪拌下、肺抽出液1リットル当たりに約1リットルの冷却した濃硫酸アンモニウム溶液を加え、そして約15〜480分間混合することによって、分画される。不溶性のペースト物質は、遠心分離法によって、又は代わりに、ろ過助剤でのろ過によって、採取される。
ペースト物質は、最初の肺抽出液1リットル当たり、約0.25〜1リットルの冷却した希釈塩化ナトリウム溶液に再度溶解する。分画された肺抽出物は、約0〜15℃にて攪拌下、溶液1リットル当たり、約1リットルの冷却した飽和の硫酸アンモニウム溶液を加え、そして約15〜480分間混合することによって、再度沈殿させる。不溶性のペースト物質は、遠心分離法によって、又は代わりに、ろ過助剤でのろ過によって、採取する。2番目のペースト物質は、冷却した希釈塩化ナトリウム溶液に再度溶解させて、そしてろ過により浄化する。
トロンボプラスチン溶液は、適した限外ろ過装置にて、最初の容量の約10〜50%に濃縮して、そして続いて膜分離精製法(Diafilter)を実施し、検出可能な硫酸アンモニウムを除去する。限外ろ過法は、溶媒の分子サイズよりも極めて大きい分子サイズの溶質を含む溶液が、液圧プレス法の適用により、溶媒から分離されるような工程である。液圧プレス法は、溶媒に好適な膜を通して加圧し、そして溶質を濃縮する。
膜分離精製法は、透過物が塩化バリウムテスト法を通るまで、0.05Mの塩化ナトリウム溶液を8又はそれ以上の容量加えることにより実施される。膜分離精製法は、溶媒を連続的に付加する限外ろ過法により、より大きい分子の溶液から微少な溶質(microsolutes)を分離する工程である。続いて、濃縮物はさらに濃縮されてもよく、そして限外ろ過法が完結する。限外ろ過装置は、数リットルの冷却した希釈塩化ナトリウム溶液で洗浄して、そして洗浄物を濃縮物に加える。濃縮物のpHは、希塩酸溶液又は希水酸化ナトリウム溶液で約7に調整される。得られたトロンボプラスチンは、密封されたプラスティック容器中に約−15℃又はそれ以下で保管される。
新鮮なウシのクエン酸血漿は、タンクローリー中に冷凍又は冷却された状態のどちらかで受け入れる。冷凍状態で受け入れる場合、血漿は一般に、使用のために解凍するまで、冷凍のまま保管される。解凍した血漿は、ステインレス・スティール製のタンクに0〜10℃にて保持される。血漿のpHは、緩衝酢酸液で約6.6〜6.8に調整して、約3〜30時間保存される。保存時間の終わりには、血漿は清浄化する。清浄化した血漿は、水酸化ナトリウム溶液で約pH6.9〜7.2に調整される。
プロトロンビンの調製: 攪拌下約0〜10℃の温度で、約1.5〜2.5g(乾燥重量)のイオン交換樹脂が、ウシ血漿1リットル当たりに加えられ、そしてpHが約6.9〜7.2に制御されて、0.5〜6時間混合される。得られる懸濁液は、ろ過又は遠心分離して、樹脂を採取する。樹脂は、0.15〜0.2モルのリン酸緩衝生理食塩水(pHが約6.9〜7.2)で十分に洗浄され、そして保管される。
プロトロンビンは、0.5〜1モルのリン酸緩衝生理食塩水(pHが約6.9〜7.2)を用いて洗浄した樹脂から溶出され、ろ過され、そして抽出物は更なる工程のために保管及び貯蔵される。用いることのできる樹脂は、これらに限定されないが、DEAE−Sephadex A−50、Macro−Prep DEAE Support、Macro−Prep High Q Support、Macro−Prep Q Support、UNOsphere Qイオン交換樹脂、Capto Q、DEAE−Sepharose Fast Flow、Q Sepharose(登録商標)HP又は均等物を含む。合わせた抽出物は、限外ろ過法に先行して、所望であれば、粗ろ過することもできる。使用した樹脂は、酸で処理して、貯蔵して、引き続き化学的再生されて、そして同様のプロトロンビン複合体製造工程において再利用することができる。
プロトロンビン複合体抽出物は、好適な限外ろ過装置で、最初の容量の約10〜50%に濃縮され、そして続いて膜分離精製法を施し所望しない塩を除去する。膜分離精製法は、最初に、濃縮物1リットル当たり、約2〜5リットルの冷却した精製水を加え、透過物を除去して、そして続いて、濃縮物1リットル当たり、約2〜5リットルの冷却した希釈塩化ナトリウム溶液を加えて、透過物を除去することにより実施される。濃縮物はさらに濃縮されてもよく、そして限外ろ過法が完結する。限外ろ過装置は、数リットルの冷却した希釈塩化ナトリウム溶液で洗浄して、そしてこの洗浄液を濃縮物に加える。得られたプロトロンビン複合体は、密封された容器中に約−15℃又はそれ以下で保管される。
プロトロンビン複合体は、約35℃又はそれ以下で解凍する。プロトロンビン複合体は、最終的な塩化カルシウムの濃度を約0.005〜0.03モルにするのに十分な塩化カルシウムを含む、精製水を加えることにより、約1,000〜5,000u/mlに希釈される。トロンボプラスチン懸濁液が、穏やかな攪拌下、塩化カルシウムと同時にプロトロンビン複合体に加えられる。pHは、約7.3に調整され、そして約15〜60分間混合される。約15〜30℃にて活性化の後に、懸濁液は約10℃以下に冷却される。
トロンビンの活性化及び精製: 活性化したプロトロンビン複合体は、pHが約6.6の希釈クエン酸ナトリウム緩衝液で約500〜3,000u/mlに希釈される。この物質は、必要あれば再ろ過することもできる。
上記の混合物のpHは、希塩酸溶液又は希水酸化ナトリウム溶液を添加することによって、約6.6に調整される。活性化したプロトロンビン複合体は、pHが約6.6に調整されている陽イオン交換樹脂に添加する。使用できる樹脂は、これらに限定されないが、Amberlite CG−50、Marco−Prep CM Support、Marco−Prep High S Support、Marco−Prep S Support、UNOsphere Sイオン交換樹脂、SP Sepharose(登録商標)HP、Capto S樹脂、又は均等物を含む。
カラムは、pH6.6の希釈クエン酸ナトリウム溶液で洗浄して、そして続いて、約0.1〜0.25モルの塩化ナトリウム溶液で洗浄して、不要なものである低い親和力のタンパク質を除去する。これに続き、約0.5〜1モルの塩化ナトリウム溶液で処理して、精製トロンビンを溶出する。溶出液は、工程管理(in-process)アッセイ法に従って合わせた分画に収集される。非殺菌の原体(bulk)は、製造工程中の間、約48時間まで約0〜10℃にて保管することができる。非殺菌の原体のトロンビンは、注水用の水、30%のグリセロール、10%のPEG、及び約0.15〜0.3Mの塩化ナトリウムを添加することによって、約1000u/ml以上に製剤化する。製剤化トロンビン溶液のpHは、希塩酸溶液又は希水酸化ナトリウム溶液でpHを約6.7±1.0に調整する。製剤化した非殺菌の原体のトロンビンは、殺菌工程の前に約48時間まで約0〜10℃にて保管することができる。
製剤化した非殺菌の原体のトロンビンは、好適な殺菌保管用のタンク中で、無菌の細菌保持力のある非繊維性の放出型フィルターに通すことによって、殺菌化する。得られる物質は、約40kDaのMWを有する、高濃縮のα−トロンビンである。サンプルは、約1500u/mgタンパク質以上の平均比活性度を有する。
さらに、プリオン除去の検討は、イオン交換クロマトグラフィー法の精製工程を用いて、実施した。その結果では、トロンビンのクロマトグラフィー精製工程により得られた、プリオンの除去レベルは、3.5logに相当することが示された。
用いた小規模のカラムは、内径が1.6cm、そして50.2cmの高さに樹脂が充填されていた。カラムベッドの容量は、約101mlに相当する。充填されたカラムは、100mlの1MのNaCl溶液、続いてpHが6.61である100mlの0.025Mのクエン酸ナトリウム溶液で平衡状態にした。クロマトグラフィー装置の流速は、3.3mL/分に設定された。
スパイクサンプル(spike sample)は、8mLの263K Strain Scrapie Hamster Brainのホモジネートを含む。ホモジネートは、20分間超音波処理されて、その後0.45、0.2及び0.1μmのフィルターでろ過される。サンプルのスパイク後、計12mLがクロマトグラフィーのテストの前に採取され、396mLの予備カラムのスパイクサンプルが残された(400+8−12mL)。
予備平衡化カラムは、396mLのスパイクされた粗トロンビンで充填されていて、溶出液の吸光度が0.4AUより低くなるまで、144mLの0.025Mのクエン酸ナトリウム緩衝液で洗浄して、そして、溶出液の吸光度が0.2AUより低くなるまで、275mLの0.2MのNacl溶液で洗浄した。その後カラムは、0.65MのNacl溶液で全て洗い出し、吸光度が2AUに達した時点から2AUに再び戻る時点までに、37mLの精製トロンビンを収集した。
収集したクロマトグラフィーの前後のサンプルは、プリオン・ウエスタンブロット・アッセイの処理の前に、−60℃又はそれ以下で保管された。結果を表1に示す。
Figure 2008541731
サイズ排除ろ過法を用いたウィルスの除去
本実施例で用いる膜は、Omega(登録商標)100K VRであり、「最終的な膜に強度と剛度を提供する、高度に多孔性のポリオレフィンの裏打ち上に改良されたポリエーテルスルホン製の膜」である。理論上の分子量を分画するポイントは、100kDaである。接線流のろ過状態でのみ、小さい分子の通過が可能である。大きい分子及びウィルスは、サイズ排除により残留する。非常に小さい(20nm)包膜されていないウイルスである、ウシパルボウィルス(BPV)の対数減少値(LRV)は、約3.5logより大きい値で測定されている。
ウィルス除去の本検討で評価したトロンビン溶液は、精製前トロンビンである。一般的にサンプルは、約1500u/mgタンパク質より高い比活性度を有する。タンパク質の濃度はおよそ1.2%、そして塩濃度は約0.65MのNacl溶液と評価される。このトロンビン溶液の主要成分は、医薬品有効成分(Active Pharmaceutical Ingredient)α−トロンビンであり、およそ40kDaの分子量を有する。
ウィルス除去の検討に含まれるモデルウィルスのパネルを選ぶ場合、いくつかの考慮点がある。一つは、出発物質を汚染する明瞭な可能性を有する関連ウィルスを、モデル化することである。別には、モデルウィルスのパネル中に、広い範囲の物理的及び化学的特性を有するウィルスを含むことであり、それでウィルス除去の検討がこれらのウィルスの優れた除去を示す場合、製造手順が予測しないウィルス因子の効果的な除去を可能にすることが確証される。
出発物質を汚染する明瞭な可能性を有する関連ウィルスであり、そして極端に小さく、包膜されていない、そして物理化学的処理に対して大きな耐性があることを理由に、ウシパルボウィルス(BPV)を考慮することは重要である。異種指向性ネズミ白血病ウイルス(Xenotropic Murine Leukemia Virus)(XMuLV)、ウシウィルス性下痢ウィルス(BVDV)及び仮性狂犬病ウィルス(PRV)も、BPVと同様に含まれる。このウィルスのパネルは、関連ウィルスに関するモデルウィルスを提供し、そして好適な範囲の物理学的及び化学的特性を提供するものであり、それにより、これらのウィルスの除去は、この製造手順が予測しない病原体の除去を可能にすることを提言するであろう。ウィルスのパネルにおける特性を、表2に示す。
Figure 2008541731
検討された4つのウィルスの各々に対して、2つのろ過処理を、1つは、8psiの目標フィード圧にて、そして他方は、12psiの目標フィード圧にて実施した。各処理は、新しいOmega(登録商標)100k VR膜を用いて実施した。
全ての処理を、冷却した部屋で実施した。各処理は、サンプルを5%(v/v)の4つのウィルス中の1つをスパイクすること、0.45μmフィルターでろ過してウィルス集合体の何れかを除去すること、その後Pall Omega 100k VR膜でろ過することを含む。ウィルスのテストは、スパイクした後、0.45μmでのろ過後、及びOmega 100k VR膜でのろ過後の採取されるサンプルで実施する。
トロンビンのろ過は、約400mLの精製前トロンビンを0.1ftのOmega 100k VR膜でろ過することを含む。この浸透において初期のトロンビン容量の80%(320mL)を回収した後に、残る80mLの保持溶液は、ウィルスと非トロンビンの不純物に加えて多くのトロンビンをまだ含有している。トロンビンの透過率を最大化するために、継続的にこの80mL溶液に膜分離精製法を用いた。これは、当該80mL溶液をその6倍の容量(480mL)のNacl溶液で膜分離精製することにより実施する。
従って最終的な透過容量は、初期のトロンビンサンプルの容量の2倍である。その後、10k VR膜カセットに通したこの透過液の濃度は、容量及び濃度を所望のレベルに戻すように調整される。このろ過の結果として、最終生成物の純度が大きく向上された。具体的には、最終生成物において、競合的酵素結合免疫吸着測定法(cELISA)にて測定を行い、比活性度は30%より大きく増大し、そしてVa因子成分は検出できないレベルまで減少する。
ウィルス除去(及び高分子除去)は、サイズ排除法により実施した。検討された4つのウイルスパネル(ウシパルボウィルス、ウシウィルス性下痢ウィルス、指向性ネズミ白血病ウイルス、及び仮性狂犬病ウィルスを)で、非常に高い対数減少値が得られた。Omega後のトロンビン生成物の安定性は、生成物の純度が向上したことによる障害は生じていない。
表3は、8つのろ過処理のパラメータと条件を纏めている。ろ過前のトロンビンサンプルは400mLに等しく、そしてフィルター表面積は0.1ftに等しいので、フィルター表面積に対するトロンビン容量の比は、4L/ftである。ウィルススパイクの容量は、1処理当たり20mLである(5%v/v)。フィード圧は、最初の処理に関して8±2psiに、2番目の処理に関して12±2psiに維持される。保持圧は、全ての処理に関して0±2psiに等しい。
Figure 2008541731
各処理に関して、420mLのスパイクされたトロンビンサンプルは、0.1ftのOmega(登録商標)100kVR膜でろ過される。340mLの透過液が収集される場合、残り80mLの残留溶液は、その6倍の容量の0.65MのNacl溶液を用いて膜分離精製される。従って、総透過物容量は、340+(6×80)=820mに等しい。これらのろ過条件は、トロンビンの純度を向上させることに加えて、容認可能なトロンビンの回収をもたらす。
8psiでの処理の開始時点のクロスフローは、41〜44mL/分の範囲である。クロスフローのろ過法は、ろ過された物質が膜の上に堆積するのを防ぐ、保持される流体を膜の表面全体に循環させる操作の1つの方法である。12psiでの処理の開始時点のクロスフローは、54〜56mL/分の範囲である。8psi処理に関する処理時間は、236〜257分の範囲である。12psi処理に関する処理時間は、190〜223分の範囲である。4つの異なるウィルスにおける除去の結果を、表4に示す。
Figure 2008541731
全てのウィルスの2回の繰り返し処理の間に達成された高い除去の値及び得られた結果の類似性は、当該ろ過工程が強固なものであることを示している。平均の対数減少値は、対数減少値が3.74±0.39であったBPVを除く、他の全てのウィルスで4より上であった。この対数減少値が、4よりわずか下であっても、用いた一連の条件の下では、それはやはり極めて高いものである。
さらに、プリオン除去の検討を、サイズ排除ろ過工程を用いて実施した。その結果は、トロンビンろ過精製工程により得られたプリオンの除去レベルが、3.6logに相当することを示す。
スパイク前のトロンビンサンプルの容量は、400mLに相当した。
スパイクサンプルは、8mLの263K Strain Scrapie Hamster Brainホモジネートを含んでいた。ホモジネートは20分間超音波処理されて、その後0.45、0.2及び0.1μmのフィルターでろ過された。
サンプルのスパイク後、12mLがOmegaろ過テスト前に採取され、396mL(400+8−12mL)のろ過前のスパイクサンプルが残された。
用いたフィルターは、0.1ftの表面積を有するPall’s Omega(登録商標)100kVR膜であった。そのため、フィルター表面積に対するトロンビン容量の比は、4L/ftであった。
Omega(登録商標)100kVR膜は、ろ過装置に装備され、そして500mLの精製水で洗浄された。使用前の整合性テストを実施し、そして容認基準に合格した。膜は、その後10psiのフィード圧にて100mLの0.65MのNacl溶液で状態調整した。目盛り付きのシリンダーで測定した、透過及びクロスフロー速度は、各々5及び52mL/分であった。
始めの396mLのスパイクされたサンプルのろ過を開始した。315mLのろ過液(即ち、初期容量の約80%)を回収した時点で、残るサンプルは、総量475mLの0.65MのNacl溶液(即ち、残留容量の約6倍)で膜分離精製した。ろ過処理全体を通して、フィード圧は10psiに、そして保持圧は、0psiに維持された。これらのろ過条件が、高いウィルス除去に加えて、容認可能なトロンビンの回収をもたらすことは、前記の通りである。
最終的なろ過後の容量は、790mLに等しく、そして処理時間は172分であった。
回収されたOmegaろ過の前後のサンプルは、プリオンのウェスタンブロットアッセイの実施の前に、−60℃又はそれ以下で保管された。結果を表5に示す。
Figure 2008541731
イオンフィルターを用いたウィルス除去
精製トロンビンは、10K MWCO及び1ftの表面積を有するPallフィルターを用いて最初に濃縮する。その後、濃縮サンプルは、所望の塩濃度になるまで、精製水で希釈する。全体で、15バッチを調製した。調製した全てのバッチの結果を、表6及び7に示す。
Figure 2008541731
Figure 2008541731
処理1〜3(50mMのNaCl)のサンプルは、最初にMustang Q フィルターのウィルス除去の検証に用い、そしてウシパルボウィルス(BPV)に関して極めて高い対数減少値をもたらす。しかし、トロンビン回収率は低く、平均で74%にすぎないため、処理4、5及び7(108mMのNaCl)のサンプルを用いてウィルス除去の検討を繰り返して、99.8%の平均トロンビン回収率をもたらしたものの、BPVの対数減少値は2より低いものであった。最終的に、処理14、15及び16(72mMのNaCl及び91.7%の回収率)のサンプルを用いてウィルス除去の検討を繰り返し、そしてBPVに関する対数減少値は、容認できるものであった(3.6±0.62)。
さらにプリオン除去の検討を、イオン交換フィルターを用いて実施した。その結果は、トロンビンろ過精製工程により得られるプリオンの除去レベルが、3.9log以上に等しいことを示す。
スパイク前のトロンビンサンプルの容量は、91mLに相当した。
スパイクサンプルは、1.6mLの263K Strain Scrapie Hamster Brainホモジネートを含んでいた。ホモジネートは20分間超音波処理されて、その後0.45、0.2及び0.1μmのフィルターでろ過された。
12mLがMustang Qろ過テスト前に採取され、80.6mL(91+1.6−12mL)のろ過前のスパイクサンプルが残された。
用いたフィルターは、0.35mLの表面積を有するPall’s Mustang Qフィルターであった。そのため、フィルター表面積に対するトロンビン容量の比は、フィルターmL当たり230mLサンプルであった。
フィルターホルダーは、フィルターコイン無しで、20mLの1NのNaOH溶液で20分間保持した状態で洗浄した。Mustang Qフィルターは、ホルダー中に取り付けて、20mLの1NのNaOH溶液で洗浄して、続いて溶出剤のpHが、中性になるまで1MのNaCl溶液で洗浄した。
その後フィルターは、25mLの72mMのNacl溶液で、約3mL/分の流速にて状態調整して、そして80.6mLのスパイクサンプルの実際のろ過を実施した。
最終的なろ過後の容量は、77mLに等しく、そして処理時間は49分であった。
回収されたイオンろ過の前後のサンプルは、プリオンのウェスタンブロットアッセイの実施の前に、−60℃又はそれ以下で保管された。結果を表8に示す。
Figure 2008541731
多様な条件下でのサイズ排除ろ過法
本実施例もまた、Pall Omega 100k VRフィルターを使用してサイズ排除ろ過法を用いる。3つの処理は、8psiのフィード圧にて実施されて、そして3つ処理が12psiのフィード圧にて実施される。規模を縮小したフィルターのパラメータは、フィルター表面積に対する容量を一定に保つように選ばれ、そして特定のフィード圧範囲での操作を確実にする。
各処理は、新しい0.1ftのPall Omega 100k VRフィルターで実施され、そして全ての処理は、冷却された部屋(約8℃以下)にて実施される。フローメータは、ろ過時のクロスフローをより良くモニターするためにシステム内に含まれる。フローメータは、使用前に冷却された部屋で較正される。
表9は、6つのろ過処理の条件及びパラメータを示す。8psiでの処理に関して、出発物質のトロンビン活性は、平均で22,091u/mLであり、そして最終ろ液物では平均して11,130u/mLである。6つの膜分離精製処理サイクルの後の得られたトロンビン回収率は、平均して86%である。8psiのフィード圧で実施した処理は、12psiの処理よりも、わずかに優れたトロンビン回収率を示す。
Figure 2008541731
一つの違いは、12psiのフィード圧でのクロスフローが、より高く、トロンビンのより早い通過をもたらし、それにより処理時間が短縮する。
表10は、ろ過工程が、8psiでの処理にてトロンビンの純度又は比活性度において36.4%の増大を、そして12psiでの処理にて37.1%の増大をもたらすことを示す。比活性度は、ろ過前のサンプルにおいて、1688.4〜1986.0トロンビン/mgタンパク質の範囲であるのに対して、ろ過後のサンプルにおいて、2324.6〜2690.1トロンビン/mgタンパク質の範囲に増大する。
Figure 2008541731
透過分画は、図2に示されるように、各々の最初の出発トロンビンサンプルよりも精製されている。出発物質中に観察されたほとんど全ての高分子量の不純物は、フィルターにより残留物中に保持される。
表11は、ろ過工程が、Va因子含有量における実質的な減少もまたもたらすことを示す。2つのフィード圧で実施された処理の間の平均減少値は同等であり、8psiでの処理において88.5%、12psiでの処理において89.3%であった。V/Va因子は、患者において局所的ウシ・トロンビンへの外科的曝露に応答して発生するかもしれない凝血障害に関連する。現在、ウシ・トロンビンのV/Va因子の汚染は、患者自身のVa因子と交差反応する可能性があり、患者の抗ウシVa因子抗体の生成物を刺激し、それにより止血障害を導く、と認識されている。本ろ過工程は、競合的酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)にて測定されるように、最終のThrombin−JMI(登録商標)におけるVa因子含有量を検出不能なレベルまで実質的に減少するという便益を提供する。
Figure 2008541731
安定したトロンビン製剤
表12は、本発明による安定した精製トロンビン製剤を示す。
Figure 2008541731
安定したトロンビン製剤のためのトロンビンは、図3の工程に従い生成された。非殺菌の原体のトロンビン組成物は、注水用の水を添加して、少なくとも1,400単位/mLに製剤化された。その後グリセロールを、約30容量%の濃度に添加した。ポリエチレングリコール200〜400MWを、約10容量%の濃度に添加した。塩化ナトリウムの濃度が約0.15〜0.3Mになるまで塩化ナトリウム溶液を添加し、そして酢酸ナトリウムの濃度が約0.025〜0.05Mになるまで酢酸ナトリウム溶液を添加した。トロンビン溶液のpHは、希釈の塩酸溶液又は水酸化ナトリウム溶液を用いて、6.7±0.1のpHに調整した。
安定した非殺菌のトロンビン製剤は、その後室温(23℃±2℃)にて安定化テストを実施し、そしてサンプルは、種々の時点でテストされた。サンプルは、3回繰り返しでテストされた。トロンビンの効能又は活性をアッセイするために用いたテストの方法は、凝固時間測定法に基づいている。凝固時間を測定するために用いた機器は、ACL7000凝固タイマーであった。サンプルは、標準曲線の範囲内の濃度になるまで希釈されて、機器のローター部の上に取り付けた。ヒト血漿も機器のカップ部に取り付け、そして血漿と希釈トロンビンサンプルの両方を、37℃にて培養した。その後血漿及び希釈トロンビンの各々の特定の容量を、同時にくみ出して混合した。混合後、光を血漿/トロンビン混合物に通過させて、そして凝血を形成すると、光が散乱した。検出器は散乱した光を測定して、結果を凝固時間(秒)に変換した。その後凝固時間は、標準曲線の凝固時間対u/mLにおける両対数回帰法を用いて、u/mLに変換した。最終的に、u/mLに希釈係数を乗じて実際のサンプルの効能を得た。
表13は、本発明の製剤に関する室温(23℃±2℃)での6カ月間の安定性の結果を示す。
Figure 2008541731
表14は、本発明の精製方法に従っていない、安定性を改良するために製剤化されたトロンビン製剤を示す。
Figure 2008541731
非殺菌の原体のトロンビン組成物は、注水用の水を添加することにより、少なくとも1,400単位/mLに製剤化された。その後グリセロールを、約30容量%の濃度に添加した。ポリエチレングリコール200〜400MWを、約10容量%の濃度に添加した。塩化ナトリウムの濃度が約0.15〜0.3Mになるまで塩化ナトリウム溶液を添加して、そして酢酸ナトリウムの濃度が約0.025〜0.05Mになるまで酢酸ナトリウム溶液を添加した。トロンビン溶液のpHは、希釈の塩酸溶液又は水酸化ナトリウム溶液を用いて6.7±0.1のpHに調整した。その後製剤は、(23℃±2℃)での安定性テストに供されて、一定時間毎に効能に関するテストを実施された。サンプルは、3回繰り返しでテストされた。
表15は、室温(23℃±2℃)での24ヶ月にわたる安定性の結果を示す。
Figure 2008541731
特定の実施例を挙げてきたが、これらは好ましい態様であるにすぎず、本発明を更に説明し及び記述することを意図している。これらは本発明の範囲全体を定義することを目的としていない。
本明細書に引用する全ての文献はその全てを、そして各々の個々の刊行物、特許又は特許出願が、それらにおいて特定的に及び個別的に文献を参照しその全体を取り込むことを表す場合には、その同一範囲において、その全てを参照して本明細書に取り込む。
図1−1は、本発明の方法によるトロンビン調製物を調製するために用いた全ての工程の流れ図を示す。 図1−2は、本発明の方法によるトロンビン調製物を調製するために用いた全ての工程の流れ図を示す。 図1−3は、本発明の方法によるトロンビン調製物を調製するために用いた全ての工程の流れ図を示す。 図1−4は、本発明の方法によるトロンビン調製物を調製するために用いた全ての工程の流れ図を示す。 図1−5は、本発明の方法によるトロンビン調製物を調製するために用いた全ての工程の流れ図を示す。 図2は、本発明の精製工程を追加した後のThrombin−JMI(登録商標)(レーン7、8及び9)の、市販のThrombin−JMI(登録商標)(レーン4及び5)に対する比較、及び高分子量の不純物を示すサイズ排除ろ過の残留物の、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミドゲル電気泳動図(SDS−PAGE)を示す。 図3−1は、本発明の安定したトロンビン製剤を製造する方法を示す。 図3−2は、本発明の安定したトロンビン製剤を製造する方法を示す。 図3−3は、本発明の安定したトロンビン製剤を製造する方法を示す。

Claims (70)

  1. (a)トロンビン調製物を、40kDaより大きい分子量を有する不純物を除去することが可能なサイズ排除フィルターで処理すること、及び
    (b)精製トロンビンを回収すること
    を含んでなる、精製トロンビンを製造するための方法。
  2. 前記トロンビンの供給源がウシである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記トロンビンの供給源が、Thrombin−JMI(登録商標)である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記サイズ排除フィルターが、40kDa〜300kDaの範囲の分子量を有する不純物を排除することが可能である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記サイズ排除フィルターが、50kDa、100kDa又は150kDaの分子量を有する不純物を排除することが可能な一つから選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記サイズ排除フィルターが、50kDaの分子量を有する不純物を排除することが可能な一つから選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記サイズ排除フィルターが、100kDaの分子量を有する不純物を排除することが可能な一つから選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 回収された精製トロンビンにおける不純物が、少なくとも50%に減少する、請求項1に記載の方法。
  9. 回収された精製トロンビンにおける不純物が、少なくとも80%に減少する、請求項1に記載の方法。
  10. 回収された精製トロンビンの比活性度が、少なくとも1000%に増大する、請求項1に記載の方法。
  11. 回収された精製トロンビンの比活性度が、少なくとも1200%に増大する、請求項1に記載の方法。
  12. 回収された精製トロンビンの比活性度が、少なくとも1500%に増大する、請求項1に記載の方法。
  13. 回収された精製トロンビンが、実質的に不純物を含まない、請求項1に記載の方法。
  14. 回収された精製トロンビンが、実質的にVa因子を含まない、請求項1に記載の方法。
  15. 回収された精製トロンビンが、実質的にプリオンを含まない、請求項1に記載の方法。
  16. 回収された精製トロンビンが、少なくとも3.5logに相当するプリオンの減少を伴う、請求項1に記載の方法。
  17. 回収された精製トロンビンが、実質的にウィルス性病原体を含まない、請求項1に記載の方法。
  18. 回収された精製トロンビンが、実質的に純粋である、請求項1に記載の方法。
  19. 回収された精製トロンビンを、イオン交換フィルターで処理することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  20. 回収された精製トロンビンを、クロマトグラフィー精製工程で処理することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  21. クロマトグラフィー精製工程が、イオン交換クロマトグラフィーカラムを含んでなる、請求項20に記載の方法。
  22. 40kDaより大きい分子量を有する不純物を実質的に含まない、トロンビン組成物。
  23. 50kDa〜300kDaの分子量を有する不純物を実質的に含まない、請求項22に記載のトロンビン組成物。
  24. 不純物を実質的に含まないトロンビン組成物。
  25. 実質的に純粋であるトロンビン組成物。
  26. Va因子を実質的に含まないトロンビン組成物。
  27. Va因子が、Va因子活性アッセイ法、ELISA法又はウエスタン・ブロット法により測定される、請求項27に記載のトロンビン組成物。
  28. 前記Va因子が、0.4μg/1000トロンビン単位より少ない、請求項27に記載のトロンビン組成物。
  29. 対数減少値が、1ウィルス当たり3.5より大きい、実質的にウィルス性病原体を含まない、トロンビン組成物。
  30. 約1800〜3000u/mgタンパク質のトロンビン比活性度を有する、トロンビン組成物。
  31. 前記比活性度が、約1800〜2400u/mgタンパク質である、請求項30に記載のトロンビン組成物。
  32. 前記比活性度が、約2400〜2500u/mgタンパク質である、請求項30に記載のトロンビン組成物。
  33. 前記比活性度が、約2500〜2600u/mgタンパク質である、請求項30に記載のトロンビン組成物。
  34. 前記比活性度が、約2600〜2700u/mgタンパク質である、請求項30に記載のトロンビン組成物。
  35. 賦形剤を更に含んでなる、請求項28に記載のトロンビン組成物。
  36. 賦形剤を更に含んでなる、請求項30に記載のトロンビン組成物。
  37. 前記トロンビン調製物を、イオン交換フィルターで処理することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  38. 前記トロンビン調製物に、熱処理を施すことを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  39. 前記熱処理が、トロンビンを60℃で10時間保持することを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記トロンビン調製物のpHを、約5以下に下げることを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  41. 前記トロンビン調製物を、電磁放射線で処理することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
  42. 前記電磁放射線が、γ放射線である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記電磁放射線が、UV放射線である、請求項41に記載の方法。
  44. サイズ排除フィルターで処理されたトロンビン調製物の量が、少なくとも15Lである、請求項1に記載の方法。
  45. 前記トロンビン調製物が、少なくとも300,000,000トロンビン単位からなる、請求項44に記載の方法。
  46. (a)トロンビン調製物を、クロマトグラフィ−精製工程で処理すること、
    (b)トロンビン調製物を、サイズ排除フィルターで処理すること、
    (c)トロンビン調製物を、イオン交換フィルターで処理すること、及び
    (d)精製トロンビンを回収すること、
    を含んでなる、純度を向上させたトロンビンの製造のための方法。
  47. 前記クロマトグラフィ−精製工程が、イオン交換クロマトグラフィー・カラム又はサイズ排除クロマトグラフィー・カラムを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 製剤が液体である、請求項36に記載の製剤。
  49. 薬学的に許容される賦形剤が、水、グリセロール、ポリエチレングリコール、又はそれらの組合せである、請求項36に記載の製剤。
  50. 前記グリセロールが、20〜40容量%である、請求項49に記載の製剤。
  51. 前記ポリエチレングリコールが、1〜20容量%である、請求項49に記載の製剤。
  52. 前記賦形剤が、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、又はそれらの組合せである、請求項49に記載の製剤。
  53. 酸又は塩基を更に含んでなる、請求項49に記載の製剤。
  54. 前記酸又は塩基が、塩酸又は水酸化ナトリウムである、請求項53に記載の製剤。
  55. 前記製剤が、pH5〜9である、請求項53に記載の製剤。
  56. 前記製剤が、pH6〜8である、請求項53に記載の製剤。
  57. 実質的に不純物を含まないトロンビン組成物、及び少なくとも1つの賦形剤を含んでなる、安定した液状トロンビン製剤。
  58. 前記製剤の初期効能の、少なくとも60%が2年間維持される、請求項57に記載の安定した液状トロンビン製剤。
  59. 前記製剤のラベル・クレイムの効能の、少なくとも70%が2年間維持される、請求項57に記載の安定した液状トロンビン製剤。
  60. 実質的に不純物を含まないトロンビン組成物、グリセロール、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウムを包含し、そしてpHが6〜8である、安定した液状トロンビン製剤。
  61. 前記安定したトロンビン製剤を、局所的に投与することを含んでなる、請求項57に記載の安定したトロンビン製剤の投与方法。
  62. トロンビン製剤を注射器に吸い込むこと、
    トロンビン製剤を注射器で押し出すこと、及び
    トロンビン製剤を身体の内腔の表面に注入すること、
    を含んでなる、請求項57に記載の安定したトロンビン製剤の投与方法。
  63. トロンビン製剤を身体の内腔の表面にスプレーすることを含んでなる、請求項57に記載の安定したトロンビン製剤の投与方法。
  64. トロンビン製剤をスポンジに染み込ませること、及び
    スポンジで身体の内腔の表面を処理すること、
    を含んでなる、請求項57に記載の安定したトロンビン製剤の投与方法。
  65. 請求項57に記載の安定したトロンビン製剤、
    トロンビン製剤を含有することのできる小瓶、及び
    注射針を含んでなる、キット。
  66. 請求項57に記載の安定したトロンビン製剤、及び
    トロンビン製剤をスプレーすることのできる器具を含んでなる、キット。
  67. 前記器具が、スプレー・チップ又はスプレー・ポンプである、請求項65に記載のキット。
  68. トロンビン、グリセロール、ポリエチレングリコール、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウムを包含し、そしてpHが6〜8である、安定した液状トロンビン製剤。
  69. 前記製剤の初期効能の、少なくとも60%が2年間維持される、請求項69に記載の安定した液状トロンビン製剤。
  70. 前記製剤の初期ラベル効能の、少なくとも70%が2年間維持される、請求項69に記載の安定した液状トロンビン製剤。
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