JP2008539233A - 酢酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でメタノールをカルボニル化することによって形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を生成するための方法を開示する。より詳細には、該カルボニル化プロセスによって酢酸が形成される間、中間流から過マンガン酸還元性化合物またはその前駆体を低減および/または除去するための方法を開示する。特に、軽留分塔からの低沸点オーバーヘッド蒸気流を単一蒸留し、オーバーヘッドを得て、これを抽出し、本プロセスからPRCを選択的に除去および/または低減するための方法を開示する。
【選択図】なし

Description

本発明は、酢酸の製造方法、特にVIII族金属カルボニル化触媒の存在下でメタノールをカルボニル化することによって形成される過マンガン酸還元性化合物を低減および/または除去して酢酸を製造する、改良された方法に関する。より詳細には、本発明は、該カルボニル化プロセスで酢酸が形成される間、中間流から過マンガン酸還元性化合物またはその前駆体を低減および/または除去する、改良された方法に関する。
現在使用されている酢酸合成法の中で、最も商業的に有利なものの一つは、1973年10月30日にPaulikらに公布された米国特許第3769329号で教示している、一酸化炭素でメタノールを触媒カルボニル化する方法である。該カルボニル化触媒にはロジウムが挙げられ、溶解している状態、液体反応媒体中に分散している状態、または不活性固体で担持された状態で、例えばヨウ化メチルなどのハロゲン含有触媒プロモーターと共に使用する。ロジウムは、数ある形態の中のどの形態でも反応系に導入することができる。同様に、ハロゲン化物プロモーターの性質は一般的に肝要ではない。特許権者達は適切なプロモーターを非常に多数開示しており、その大部分が有機ヨウ化物である。最も一般的で、最も有用なのは、一酸化炭素を触媒が溶解している液状反応媒体に通し、継続的に気泡化することによって反応を行う方法である。
ロジウム触媒の存在下でアルコールをカルボニル化することにより、アルコールよりも炭素原子を1個多く有するカルボン酸を生成する、従来よりも改良された方法が、同一出願人に譲渡された、1991年3月19日発行の米国特許第5001259号、1991年6月25日発行の第5026908号、1992年9月1日発行の第5144068号および1992年7月1日公開の欧州特許第EP0161874B2号で開示されている。本明細書で開示する場合酢酸は、酢酸メチル、ハロゲン化メチル、特にヨウ化メチル、および触媒として有効な濃度で存在するロジウムを含む反応媒体中で、メタノールから生成する。これら特許の開示するところによると、反応媒体中の水の濃度が非常に低い状態、すなわち4重量%(wt.%)以下でも(一般に工業用に実施しているのは、約14〜15重量%の水の維持であるが)、触媒有効量のロジウム、および少なくとも限られた濃度の水と共に、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオン以外に特定濃度のヨウ化物イオンを反応媒体中に維持することにより、触媒安定性およびカルボニル化反応器の生産性は驚くほど高水準に維持できる。このヨウ化物イオンは単塩であり、ヨウ化リチウムが好ましい。これら特許では、特に反応器内の水濃度が低い状態で、酢酸メチルおよびヨウ化物塩の濃度が、酢酸製造のためのメタノールのカルボニル化速度に影響を及ぼす上で重要なパラメーターであることを教示している。比較的高い濃度の酢酸メチルおよびヨウ化物塩を使用することによって驚くほどの触媒安定性および反応器生産性が、しかもおおまかには単に水の「限られた濃度」と定義し得るくらいの低濃度、つまり約0.1重量%の水しか液体反応媒体中に含まれていない場合においても得られる。さらに、使用する反応媒体により、ロジウム触媒の安定性、つまり特に本プロセスの生成物回収工程中の耐触媒析出性が向上する。これらの工程において、酢酸生成物の回収を目的とする蒸留によって、一酸化炭素が触媒から除去される傾向があるが、一酸化炭素は、反応槽内に維持される環境下では、ロジウム安定化効果を持つ配位子である。米国特許第5001259号、第5026908号、および第5144068号は参照により本明細書に組み込まれる。
酢酸製造のための低水分カルボニル化プロセスによって、二酸化炭素、水素、およびプロピオン酸などの副生成物は減少するが、一般には微量で存在する他の不純物の量は、低水分カルボニル化プロセスにより増加する可能性があり、加えて触媒の改良または反応条件の変更により生産速度を上げようとすると、酢酸の品質が落ちることがあることが見出されている。
これら微量の不純物は、特にこれらを該反応プロセスへと再循環させる際に酢酸の品質に影響を及ぼすが、何よりもこれら不純物は時間の経過と共に蓄積する恐れがある。酢酸製造業で汎用されている品質試験である、酢酸の過マンガン酸時間(permanganate time)を減少させる不純物には、カルボニル化合物および不飽和カルボニル化合物が含まれる。本明細書で使用される場合、「カルボニル」という語句は、アルデヒドまたはケトン官能基を含有する化合物を意味することを意図し、これら化合物は不飽和を有してもよいし、有さなくてもよい。カルボニル化プロセスにおける不純物に関するより詳細な考察については、「Catalysis of Organic Reaction」、75、369−380(1998)を参照されたい。
本発明は、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、および2−エチルブチルアルデヒド、ならびにこれらのアルドール縮合生成物などの過マンガン酸還元性化合物(PRC)の低減および/または除去に関する。本発明はまたプロピオン酸の低減をも可能にすることもある。
アセトアルデヒドなどの上記カルボニル不純物は、ヨウ化物プロモーターと反応し、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシルなどのヨウ化多炭素アルキルを形成し得る。酢酸生成物内のこれら不純物は、たとえ少量でも、一般的に酢酸から製造する製品である酢酸ビニルの製造に使用される触媒を被毒する傾向にあるので、ヨウ化多炭素アルキルは、反応生成物から除去することが望ましい。よって、本発明はヨウ化多炭素アルキル、特にC2〜C12のヨウ化アルキル化合物の低減または除去にもつながる。このように、不純物の多くがアセトアルデヒドから生ずることから、カルボニル不純物、特にアセトアルデヒドを本プロセスより除去し、ヨウ化多炭素アルキル含有量を低減するのが、主たる目的である。
このような不純物を除去する従来の技法は、酢酸生成物の流れを、酸化剤、オゾン、水、メタノール、活性炭、アミンなどで処理することを含む。このような処理を酢酸の蒸留と合わせて行ってもよいし、行わなくてもよい。最も典型的な精製処理は、最終生成物に対する一連の蒸留工程を含む。また、有機物の流れをヒドロキシルアミンのようなアミン化合物で処理することにより、アミン化合物をカルボニル化合物と反応させ、オキシムを形成させ、その後蒸留によってオキシム反応生成物から精製した有機生成物を分離させ、有機物の流れからカルボニル不純物を除去するのは既知である。しかしながら、最終生産物の処理を追加すると、このプロセスのコストは増し、処理した酢酸生成物を蒸留してさらなる不純物の生成がもたらされ得る。
比較的高い純度の酢酸を得ることはできるが、上記の低水分カルボニル化プロセスおよび精製処理により生成される酢酸生成物は、低い割合で存在する残留不純物のために、過マンガン酸時間に関しては、ある程度不十分のままであることが多い。十分な過マンガン酸時間は重要な商業試験であり、酸生成物が多くの用途に適切となるためには、この試験を満たすことが必要な場合があるので、過マンガン酸時間を減少させる不純物の存在は好ましくない。さらに、不純物の中には酢酸生成物またはヨウ化メチルなどのハロゲン含有プロモーターと沸点が近いものもあるので、これら微量の不純物を蒸留により酢酸生成物から除去することは、経済的にも商業的にも実現されていなかった。
よって、最終生成物を汚染したり、不要なコストを追加したりすることなく、カルボニル化プロセスのどこかで不純物を除去する、経済的にも実行可能な方法を特定することが重要となった。例えば、反応溶液のアセトアルデヒド濃度を、1500ppmなどの特定量より下になるように調節することにより、高い純度の酢酸を製造する方法が開示されている。アセトアルデヒド濃度をこの閾値より下に維持することで、不純物の形成が阻止され、粗酢酸生成物を蒸留するだけで高い純度の酢酸を得ることができると記載されている。
また開示されている技術によると、酢酸生成物の流れに存在するカルボニル不純物は、一般的に軽留分塔(light ends column)からオーバーヘッドへ濃縮される。したがって、軽留分塔のオーバーヘッドを、アミン化合物(ヒドロキシルアミンなど)で処理し、アミン化合物をカルボニル化合物と反応させ、蒸留によって残留オーバーヘッドから分離することができるオキシム誘導体を形成させることにより、過マンガン酸時間が改良された酢酸生成物が得られる。
高純度酢酸の他の製造法に関する記載によれば、アセトアルデヒドを除去する蒸留を用いることにより、400ppm以下のアセトアルデヒド濃度が反応器内で維持されると明言されている。アセトアルデヒド除去のための処理に提案されている流れは、主に水、酢酸、および酢酸メチルを含有する軽質相と、主にヨウ化メチル、酢酸メチル、および酢酸を含有する重質相と、主にヨウ化メチルおよび酢酸メチルを含有するオーバーヘッド流と、または軽質相および重質相を合流させて形成される再循環流とを含む。
同一出願人に譲渡された米国特許第6143930号および6339171号における開示によれば、酢酸生成物中の望ましくない不純物は、軽留分塔オーバーヘッドで多段階精製を行うことにより、相当に低減することが可能である。これら特許の開示する精製法によると、軽留分オーバーヘッドを2回蒸留し、アセトアルデヒドオーバーヘッドを毎回取り出し、ヨウ化メチルを多く含む残留物を反応器に戻す。2回の蒸留工程の後得られた、アセトアルデヒドを多く含む留出物は、任意選択で水を用いて抽出し、アセトアルデヒドの大部分を除去、処分するので、反応器へと再循環するラフィネート内に残留するのはかなり低濃度のアセトアルデヒドである。米国特許第6143930号および第6339171号は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
上記の方法では、カルボニル化システムからカルボニル不純物を除去することに、そして酢酸最終生成物におけるアセトアルデヒド濃度および過マンガン酸時間の問題を大体は制御することに成功したが、さらなる改良を行うこともまだ可能である。したがって、アセトアルデヒド除去効率を向上させる代替法の必要性がいまだに存在する。本発明ではそのような代替解決策を提供する。
本発明は、酢酸の製造法、特にVIII族金属カルボニル化触媒の存在下でメタノールをカルボニル化することによって形成される過マンガン酸還元性化合物およびヨウ化アルキルを低減および/または除去して酢酸を製造するための、改良された方法に関する。さらに具体的には、本発明は、上記カルボニル化プロセスによる酢酸生成中に、中間流から過マンガン酸還元性化合物またはそれらの前駆体を低減および/または除去するための、改良された方法に関する。
一態様において、本発明は、カルボニル化可能な反応体のカルボニル化において形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造する方法を提供する。本方法は(a)カルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流と、より低揮発性の触媒相とを得るステップと、(b)前記蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製酢酸生成物と、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチルおよび少なくとも1種のPRCとを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流を生成するステップと、(c)低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、2相に分離して、凝縮した重液相および凝縮した軽液相を形成するステップと、(d)前記凝縮した軽液相を単一の蒸留塔内で蒸留して第2の蒸気相流オーバーヘッドおよびより高沸点の液相残留物を形成するステップであって、前記第2の蒸気相流が、凝縮した軽液相と比較してPRCを多く含むステップと、(e)前記第2の蒸気相流を凝縮し、水で凝縮流を抽出してPRCを含む水性アセトアルデヒド流およびヨウ化メチルを含むラフィネートを得るステップとを含む。ある種の変法において、該方法は、工程(d)の蒸留塔から除かれる、酢酸メチルを含む側流と共に、または側流なしで操作することができる。
別の態様において、本発明は、カルボニル化可能な反応体のカルボニル化において形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造する方法であって、(a)カルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流と、より低揮発性の触媒相とを得るステップと、(b)前記蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製酢酸生成物と、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチルおよび少なくとも1種のPRCを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを生成するステップと、(c)前記低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、2相に分離して、凝縮した重液相および凝縮した軽液相を形成するステップと、(d)前記凝縮した軽液相を単一の蒸留塔内で蒸留して第2の蒸気相流オーバーヘッドおよびより高沸点の液相残留物を形成するステップであって、前記第2の蒸気相流が、凝縮した軽液相と比較してPRCを多く含み、前記のより高沸点の液相残留物が、前記第2の蒸気相流オーバーヘッドと比較して酢酸メチルを多く含むステップと、(e)前記第2の蒸気相流を凝縮し、水で凝縮流を抽出してPRCを含む水性アセトアルデヒド流とヨウ化メチルを含むラフィネートとを得るステップとを含む方法を提供する。ある種の変法において該方法は、工程(d)の蒸留塔から除かれる、酢酸メチルを含む側流と共に、または側流なしで作動することができる。
3番目の態様において、本発明は、カルボニル化可能な反応体のカルボニル化において形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造する方法であって、(a)カルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流と、より低揮発性の触媒相とを得るステップと、(b)前記蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製酢酸生成物と、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチルおよび少なくとも1種のPRCを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを生成するステップと、(c)低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、2相に分離して、凝縮した重液相および凝縮した軽液相を形成するステップと、(d)前記凝縮した軽液相を単一の蒸留塔内で蒸留して第2の蒸気相流オーバーヘッドおよびより高沸点の液相残留物を形成するステップであって、前記第2の蒸気相流が、凝縮した軽液相と比較してPRCを多く含むステップと、(e)酢酸メチルを含む側流を、ステップ(d)の蒸留塔から除くステップであって、前記のより高沸点の液相残留物および前記側流の酢酸メチル含有量が、前記第2の蒸気相流と比較して累積的に増加するステップと、(f)前記第2の蒸気相流を凝縮し、水で凝縮流を抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流およびヨウ化メチルを含むラフィネートを得るステップとを含む方法を提供する。
本発明は、様々な改変および代替形が可能である一方、特定の実施形態が図面での例という方法で示されており、本明細書に詳細に説明されている。しかし、本発明は開示する特定の形態に限定することを意図としないことは理解されたい。むしろ本発明は、請求項で定義されている本発明の範囲内に含まれる全ての改変、等価物および代替物を網羅することを意図とする。
発明を実施するための形態
本発明は酢酸の製造法、特にVIII族金属カルボニル化触媒の存在下でメタノールをカルボニル化することによって形成される過マンガン酸還元性化合物を低減および/または除去して酢酸を製造するための、改良された方法に関する。本発明は、さらに具体的には、上記カルボニル化プロセスによる酢酸生成中に、中間流から過マンガン酸還元性化合物またはそれらの前駆体を低減および/または除去するための、改良された製造法に関する。
特に、本発明は軽留分塔オーバーヘッドからの凝縮した軽質相に単一蒸留を行い、それによって得たオーバーヘッド流に対し抽出を行うことで、該プロセスからPRCを選択的に低減および/または除去する方法に関する。数ある利点の中で特に挙げられるのが、従来の方法が、抽出工程と共に(または抽出なしで)複数の蒸留塔を利用して、低留分塔オーバーヘッドからの凝縮軽質相からPRCを低減および/または除去していたのに対し、本発明では、単一の蒸留塔および抽出工程の組合せを使用して、プロセスからPRCを低減および/または除去できることである。さらなる利点とは、低エネルギー使用および装置および関連コストの低減が挙げられるが、これらに限らない。
本発明の実施形態を以下に例示する。明確にすべき点は、本明細書では、実際の実施方法の特徴を全て記述しているわけではないということである。そのような実際の実施形態へと展開した際には、システム関連およびビジネス関連の制約を満たすことなどを含め、開発者の特定の目標を達成するためにその実施方法に特有の決定が多数なされなければならず、しかもそのような制約が実施方法により各々異なるということは、当然認識されるであろう。さらに、そのような開発努力は複雑で時間を要するものであるが、本開示の利益を得る当業者にとって、日常の業務であることが認識されよう。
本発明の精製法は、ロジウムなどのVIII族金属触媒およびハロゲン含有触媒プロモーターの存在下で、メタノール(または酢酸メチル、ギ酸メチル、ジメチルエーテル、またはこれらの混合物を含むがこれらに限らない、他のカルボニル化可能な反応体)を酢酸へとカルボニル化するのに使用するいかなる方法にも有用である。特に有用な方法は、米国特許第5001259号に例示の、ロジウム触媒によるメタノールから酢酸への低水分カルボニル化プロセスである。
一般に、触媒系におけるロジウム成分は、ロジウムと、配位化合物中の配位子の少なくとも1個を提供するハロゲン成分との配位化合物という形で存在すると考えられている。ロジウムおよびハロゲンの配位に加え、一酸化炭素もまたロジウムと配位結合すると考えられている。触媒系のロジウム成分は、ロジウム金属、酸化物、酢酸塩、ヨウ化物塩、炭酸塩、水酸化物、塩化物などのロジウム塩、または反応環境においてロジウム配位化合物を形成する他の化合物の形態のロジウムを反応域へと導入することによって得ることもできる。
触媒系のハロゲン含有触媒プロモーターは、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物からなる。したがって、アルキル、アリール、および置換アルキルまたは置換アリールのハロゲン化物を使用することができる。ハロゲン含有触媒プロモーターは、ハロゲン化アルキルの形で存在することが好ましい。ハロゲン含有触媒プロモーターがハロゲン化アルキルの形で存在し、その中のアルキル基が、カルボニル化する原料アルコールのアルキル基に対応することがさらに好ましい。よって、メタノールの酢酸へのカルボニル化において、ハロゲン化物プロモーターはハロゲン化メチル、さらに好ましくはヨウ化メチルを含むことになる。
使用する液体反応媒体には、触媒系と相容性のある任意の溶媒が含まれ、それには、純アルコール、またはアルコール原料および/または所望するカルボン酸および/またはこれら2つの化合物のエステルの混合物が含まれ得る。低水分カルボニル化プロセスに好ましい溶媒および液体反応媒体は、所望のカルボン酸生成物を含む。よって、メタノールから酢酸へのカルボニル化において好ましい溶媒系は、酢酸を含む。
水は、反応媒体に含まれるが、含有濃度は、かつて十分な反応速度を達成するために実用的と考えられていた濃度より相当低い濃度が望まれる。例えば米国特許第3769329号で以前教示したように、本発明で記述している種類の、ロジウム触媒によるカルボニル化反応において、水の添加は反応速度に有利な効果をもたらす。したがって商業稼動における通常の水濃度は少なくとも約14重量%である。よって、そのように比較的高い水濃度で達成される反応速度と実質的に等しい、またはそれを超える反応速度が、14重量%未満さらに約0.1重量%という低い水濃度で達成できることは誰も予測していなかった。
本発明による酢酸を製造するのに最も有用なカルボニル化プロセスによると、所望するカルボン酸と、アルコール、望ましくはカルボニル化に使用したアルコールとのエステル、ならびにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオン以外の、追加のヨウ化物イオンを反応媒体内に維持することによって、所望する反応速度が、低い水濃度でも達成できる。望ましいエステルは酢酸メチルである。追加のヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、中でもヨウ化リチウムが好ましい。例えば米国特許第5001259号によると、酢酸メチルおよびヨウ化リチウムは、水濃度が低い状態で、これら各成分が比較的高濃度で存在する場合にのみ反応速度促進剤として機能し、これら成分が同時に存在する場合には反応はさらに促進することが判明した。当該好ましいカルボニル化反応系の反応媒体で維持するヨウ化物イオンの濃度は非常に高いと考えられるのに対して、この種の反応系においてハロゲン化物塩の使用を扱う従来技術は少ししか存在しない。ヨウ化物イオン含有物の絶対濃度によって本発明の有用性は制限されない。
メタノールから酢酸生成物へのカルボニル化反応は、メタノール原料と、ロジウム触媒、ヨウ化メチルプロモーター、酢酸メチルおよび追加の可溶性ヨウ化物塩を含有する酢酸溶媒反応媒体中に気泡化した一酸化炭素の気体とを、カルボニル化生成物の形成に適切な温度および気圧条件下で接触させることにより行われる。重要なのは、触媒系のヨウ化物イオンの濃度であって、ヨウ化物に結合しているカチオンではないこと、ヨウ化物の所与のモル濃度において、カチオンの性質は、ヨウ化物濃度がもたらす効果ほど重要ではないということが一般的に認識されている。任意のヨウ化金属塩、あるいは任意の有機カチオン、または第4級のアミンもしくはホスフィンなどの第4級カチオンまたは無機のカチオンの任意のヨウ化物塩は、反応媒体内に維持することができるが、これはヨウ化物塩が、所望する濃度のヨウ化物を提供するのに十分に反応媒体内に溶けている場合に限る。該ヨウ化物が金属塩である場合は、CRC Press, Cleveland, Ohioから出版されている「Handbook of Chemistry and Physics」 2002−03(83rd edition)で規定している周期表のIA族およびIIA族の金属からなるグループに属するメンバーのヨウ化物塩が好ましい。特にアルカリ金属ヨウ化物は有用であり、中でもヨウ化リチウムが特に適切である。本発明で最も有用な低水分カルボニル化プロセスにおいては、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオン以外の追加のヨウ化物イオンは、一般に、ヨウ化物イオンの総濃度が約2〜約20重量%であり、酢酸メチルが通常約0.5〜約30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルが通常約5〜20重量%の量で存在するような量で触媒溶液中に存在する。ロジウム触媒は通常約200〜約2000パーツパーミリオン(ppm)の量で存在する。
カルボニル化の典型的な温度は、約150〜約250℃であり、好ましい温度範囲は約180〜220℃である。反応器内の一酸化炭素の分圧は広い範囲で変化するが、通常約2〜約30気圧であり、好ましくは、約3〜約10気圧である。副生成物の分圧および含まれる液体の蒸気圧を考慮すると、反応器内の総気圧は約15〜約40気圧の範囲となる。
本発明に従い、ヨウ化物で反応を促進し、ロジウム触媒によりメタノールから酢酸へカルボニル化を行うのに使用される典型的な反応および酢酸回収系を図1に示すが、これには、液相カルボニル化反応器、フラッシャー、ヨウ化メチル酢酸軽留分塔(「軽留分塔」)14が含まれている。本プロセスにおいて、反応器内に生成されたカルボニル化生成物は、フラッシャーに供給され、そこで酢酸を含む揮発性(蒸気)オーバーヘッド流と、揮発性のより低い触媒相(触媒含有溶液)が形成される。酢酸を含む該揮発性オーバーヘッド流は、流れ26から低留分分離塔14へ供給され、そこで蒸留によって側流17から取り出される精製酢酸生成物およびオーバーヘッド蒸留流28(以下「低沸点オーバーヘッド蒸気流」と称す)が生成する。側流17から取り出される酢酸は、水から酢酸を選択分離する乾燥分離塔などで、さらに精製することができる。
反応器およびフラッシャーは図1に図示していない。これらは、カルボニル化プロセス技術において現在では周知の標準装置であると考えられている。カルボニル化反応器は、通常撹拌槽型または気泡塔型で、これら装置内では反応液またはスラリー含有量は自動的に一定に維持される。この反応器へは、継続的に未使用のメタノール、一酸化炭素、反応媒体中に少なくとも水の限られた濃度を維持するのに必要なだけ十分な水が導入される。また反応器へ導入されるのは、フラッシャー底面などから再循環した触媒溶液、再循環したヨウ化メチル相、再循環した酢酸メチル相、および再循環した水性酢酸相である。再循環相は、これら成分の1種または複数の種類を含んでもよい。
粗酢酸を回収する手段、ならびに触媒溶液、ヨウ化メチル、酢酸メチルおよび該プロセス内の他のシステム成分を再循環する手段を提供する蒸留系が、使用される。典型的なカルボニル化プロセスにおいて、一酸化炭素は、カルボニル化反応器内、望ましくは撹拌機の下に継続的に導入し、撹拌機を使用して含有物を撹拌する。気体供給物は、この撹拌手段により反応液を介して完全に分散する。望ましくは、気体パージ流は反応器から放出され、気体副生物の濃縮を防止し、反応器内の所与の総気圧に対して設定した一酸化炭素の部分圧を維持する。反応器の温度は制御され、供給する一酸化炭素は、所望する反応器内の総気圧を維持するために十分な比率で導入される。
液体生成物は、反応器内を一定濃度に維持するのに十分な比率で、カルボニル化反応器から排出され、フラッシャーへ導入される。フラッシャーでは、触媒含有溶液(触媒相)が基流(主に酢酸、さらにロジウムおよびヨウ化物塩、ならびにより少量の酢酸メチル、ヨウ化メチルおよび水を含む)として回収され、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流はオーバーヘッドへ退く。酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチルおよび水も含む。反応器から流出し、フラッシャーに流入する溶存気体は、一酸化炭素の一部分を含み、メタン、水素、二酸化炭素などの気体副生物をも含み得る。そのような溶存気体はオーバーヘッド蒸気流の一部としてフラッシャーから流出する。オーバーヘッド蒸気流は、気流26として軽留分塔14へと向かう。
米国特許第6143930号および第6339171号では、分離塔14から流出する高沸点残渣流に比べ、分離塔14から流出する低沸点オーバーヘッド蒸気流28の方がより高濃度のPRC、特にアセトアルデヒド分を含むことを開示した。よって、本発明に従い、PRCを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流28に対して、存在するPRCの量を低減および/または除去する追加の処理を行う。したがって、低沸点オーバーヘッド蒸気流28を凝縮し、オーバーヘッド受液デカンター16へと誘導する。PRCに加え、低沸点オーバーヘッド蒸気流28は通常ヨウ化メチル、酢酸メチル、酢酸および水を含有している。低沸点オーバーヘッド蒸気流28が、デカンター16へ入ると、軽質相および重質相へと分離するよう、該方法の条件を維持することが望ましい。一般的に、低沸点オーバーヘッド蒸気流28は、凝縮可能なヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド、および他のカルボニル成分と水との2相に凝縮、分離するのに十分な程度に低い温度に冷やす。気流28の一部は、二酸化炭素、水素などの凝縮不可能な気体を含んでもよく、これらの気体は、図1で気流29として示すように放出することができる。
デカンター16内の凝縮軽質相は通常、水、酢酸およびPRCならびにある量のヨウ化メチルおよび酢酸メチルを含む。デカンター16内の凝縮重質相は通常、ヨウ化メチル、酢酸メチルおよびPRCを含む。
本発明は、広い意味で、PRC、主にアセトアルデヒドなどのアルデヒド類を、低沸点オーバーヘッド蒸気流から、特に軽留分蒸留塔14からの低沸点オーバーヘッド蒸気流28の凝縮軽質相から蒸留する改良方法と考えることができる。本発明に従い、軽留分蒸留塔14からの低沸点オーバーヘッド蒸気流28の凝縮軽質相を一度蒸留し、1段階または多段階抽出を行うことにより、PRCを低減および/または除去する。
図1で開示する実施形態のような本方法は、米国特許第6339171号の図1で例示する方法を含む、米国特許第6339171号で開示するような従来の方法とは、はっきりと異なる。
図1で開示する本発明に従い、低沸点オーバーヘッド蒸気流28は、ヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒドのようなPRC、および場合により他のカルボニル成分を含む。該低沸点オーバーヘッド蒸気流28はまた水およびいくらかの量の酢酸も含む。
低沸点オーバーヘッド蒸気流28は、その後凝縮、分離されて(容器16内で)、より大きな比率のヨウ化メチルに加え、PRCをも含む凝縮した重液相と、特にPRC、水および酢酸に加え、概して少量のヨウ化メチルおよび酢酸メチルの両方を含む、凝縮軽液相(流れ30として引き出される)とを形成する。
軽留分オーバーヘッド、すなわち低沸点オーバーヘッド蒸気流28のうちのいずれかの相をその後に処理して、流れの中のPRCおよび主にアセトアルデヒド成分を除去してもよいが、本発明においては、PRCは凝縮した軽液相30から除去される。
よって、デカンター16内の凝縮された重液相は、好都合には、直接的にせよ、間接的にせよ、反応器(図1には示されていない)へ再循環させることができる。例えば、この凝縮した重液相の一部は反応器に再循環させることができるが、この場合、一般的には少量の後流、例えば重液相の25体積%、好ましくは約20体積%未満の量を、カルボニル処理プロセスへと誘導する。重液相のこの後流は、本発明に従い、個々に処理するか、または凝縮軽液相30と一緒にしてさらに蒸留し、カルボニル不純物を抽出してもよい。
本発明に従い、凝縮軽液相30は蒸留塔18へ誘導され、そこで第2の蒸気相36を形成することになるが、この第2の蒸気相36は、PRC、特にアセトアルデヒデドを多く含むばかりでなく、ヨウ化メチルおよびアセトアルデヒドの沸点が近似しているため、ヨウ化メチルをも含有している。第2の蒸気相36は凝縮され、水で抽出されることにより、PRC、特にアセトアルデヒデドを低減および/または除去する。好ましい実施形態においては、この凝縮相36の一部が、蒸留塔18へ還流として供給される。これは、図1で示すように、凝縮流36をオーバーヘッド受液器20へ供給し、そこから凝縮流36の一部が流れ40によって抽出工程(一般に70で示す)へ供給され、凝縮流36の他の一部が流れ42によって蒸留塔18へ還流として供給されることによって達成することができる。
アセトアルデヒドを水で抽出することで、水性アセトアルデヒド流72が得られるが、これは通常廃棄物として処理する。抽出後のラフィネートは、特にヨウ化メチルを含んでいるが、流れ74によってカルボニル化プロセスへ返すのが望ましい。様々な実施形態において、水性アセトアルデヒド流72から、廃棄物として処理するためにアルデヒドを取り除いてよく、水は、抽出工程70に使用される水と同様に、本プロセスにおける使用のために再循環され得る。
本発明における最重要課題は、アセトアルデヒドをヨウ化メチルから分離する抽出工程にある。この分離の効率性は、主にアセトアルデヒドおよびヨウ化メチルの水に対する相対的溶解度に左右される。アセトアルデヒドは水に混和性を示すが、ヨウ化メチルは示さない。しかし、ヨウ化メチルの水への溶解度は、ヨウ化メチルを該プロセス系から付随的に損失させるにつれて、酢酸メチルおよび/またはメタノール濃度を上げるにつれて増加する。酢酸メチルおよび/またはメタノールの濃度が十分に高ければ、水による抽出においてヨウ化メチルの相分離が起こらないこともある。同様に、水による抽出工程でのヨウ化メチルの相分離は、酢酸濃度が十分に高ければ、起こらないこともある。よって、凝縮され、抽出用に供給される留出物は、メタノールおよび酢酸メチルを含有し、両者を合わせた濃度が約10重量%未満、さらには約5重量%未満、さらには約2重量%未満、さらには約1.5重量%未満であることが望ましい。凝縮され、抽出工程用に供給される留出物は、約3重量%未満、さらには約1重量%未満、さらには約0.5重量%未満の酢酸を含有することが望ましい。酢酸濃度がゼロ重量%に近づくことがあれば、特に望ましい。
よって、本発明のプロセスにおいて、単一の蒸留は、第2の蒸気相流36内の酢酸メチルおよび酢酸の量を制御すること、とりわけ最小限に抑えることを意図とする条件下で、蒸留塔18において遂行される。蒸留塔18の残留物中よりも、第2の蒸気相流36内のアセトアルデヒド濃度をより高く維持すると同時に、第2の蒸気相流36内の酢酸メチルおよび酢酸の量を最小限に抑えることを達成するのが望ましい。蒸留塔18の残留物は、約0.3重量%未満のアセトアルデヒド、さらに0.2重量%未満、さらには0.1重量%未満のアセトアルデヒドを含有することが望ましい。アセトアルデヒド濃度がゼロ重量%に近づくことがあれば、特に望ましい。
米国特許第6339171号の図1に例示されているような従来のプロセスにおいては、最終蒸気留出物内に含まれる酢酸メチル、メタノール、酢酸の量が十分少なくなるよう2段階にわたる蒸留工程が実施されているが、この方法では留出物に対して水による抽出を行い、アセトアルデヒドを選択的にヨウ化メチルから分離することができる。そのような従来の方法によると、水および酢酸は、第1分離塔内で残留物として優先的に分離され、酢酸メチルが留出物内に含まれる。酢酸メチルは、次いで第2分離塔で残留物として優先的に分離される。従来技術においては、残留物中に望ましくない濃度のアセトアルデヒドを残すことなく、単一の蒸留塔を使用して、酢酸メチル、酢酸および水を残渣として効率的に除去することが可能であることは教示しなかった。同様に従来技術では、留出物中に望ましくない濃度の酢酸メチルを得ることなく、単一の蒸留塔の留出物中にアセトアルデヒドを効果的に濃縮することができることを教示しなかった。本発明者らは、努力の結果、単一蒸留工程を使用してそのような分離を達成することができ、その結果プロセス効率が向上することを発見した。
よって、図1に示す本発明の一つの実施形態によると、低沸点オーバーヘッド蒸気流28はオーバーヘッド受液デカンター16で凝縮され、2相に分離し、凝縮された重液相および凝縮された軽液相30を形成する。凝縮された軽液相30は、流れ30/32を介して蒸留塔18へ供給される。本発明の本実施形態、および別の実施形態において、流れ30の一部は、還流34として、軽留分塔14へ戻すことができる。
蒸留塔18において、第2の蒸気相流36オーバーヘッドおよびより高い沸点の液相残留物の流れ38が形成される。第2の蒸気相流36のオーバーヘッド流は、凝縮軽液相30と比較して、PRC、特にアセトアルデヒドを多く含む。第2の蒸気相流36オーバーヘッドは、前記凝縮軽液相30に比較して、酢酸メチル、メタノールおよび/または酢酸(望ましくはこれら3種全て)が不足している。より高い沸点の液相残留物の流れ38は、前記第2の蒸気相流36と比較して、酢酸メチル、メタノールおよび/または酢酸(望ましくはこれら3種全て)を多く含む。第2の蒸気相流36オーバーヘッド流は、より高い沸点の液相残留物の流れ38と比較して、PRC、特にアセトアルデヒドを多く含むことが望ましい。より高い沸点の液相残留物の流れ38は本プロセス内に保持することが可能であり、好ましい。
本開示の利益を有する当業者は、蒸留塔を設計および操作して、本発明の所望の結果を達成することができる。そのような努力は、手間がかかり複雑ともなり得るが、本開示の利益を有する当業者にとっては普通の仕事ともなろう。したがって本発明の実施は、必ずしも特定の蒸留塔の特定の性質、またはその操作特性、例えば総工程数、供給点、還流比、供給温度、還流温度、分離塔温度プロファイルなどに限定されない。
さらに、本発明の第1の実施形態に従い、第2の蒸気相流36を水で抽出し(一般に70で示す)、PRC、特にアセトアルデヒドを除去および/または低減する。アセトアルデヒドを水で抽出し、PRC、特にアセドアルデヒドを多く含む水性アセドアルデヒド流72を得る。水性アセドアルデヒド流72は通常廃棄物として処理されるが、ある実施形態においては、アセドアルデヒドを除去し、水をプロセスに再循環する。ラフィネートは特にヨウ化メチルを含み、流れ74によってカルボニル化プロセスに返すことが望ましい。この抽出の効率は、抽出の段階数および水と供給物の比などによって決まる。
本発明のこの第1、または他の実施形態によると、水による抽出70は、単一段階または多段階のいずれかの抽出法であってよく、そのような抽出を行うのに使用する装置ならばどんな装置でも、本発明を実行するのに使用できる。多段階抽出が好ましい。例えば抽出70は、流れ40と水とを合流させ、逐次的に混合器、次いで分離器へと該混合流を供給することによって遂行することができる。混合器および分離器のそのような複合的組合せを連続して操作することで、多段階抽出を実現することができる。任意選択で、および望ましくは、多段階抽出は、一連の棚板を有する単一の容器内で行う。該容器は、パドルまたは撹拌用の他の機構を装備し、抽出効率を向上させてもよい。そのような多段階抽出容器において、流れ40は、容器の一端の近接位に供給され、水は容器の他端の近接位、または逆流を得られる他の位置に供給されることが望ましい。
抽出における2相間の相互溶解度は温度と共に上昇させることができる。したがって、抽出は、抽出器の含有物が液相を維持できるような温度および圧力の組合せで行うことが望ましい。さらに、流れ40が晒される温度をできるだけ低下させ、アセトアルデヒドに関与する重合化および縮合反応が起こる可能性を最小限にすることが望ましい。抽出工程70に使用する水は、反応系内の水平衡を保てるよう、内部流からのものであることが望ましい。ジメチルエーテル(DME)を抽出に導入し、抽出におけるヨウ化メチル分離を改良、すなわち水性アセトアルデヒド流72へのヨウ化メチルの損失を減少することができる。該DMEはプロセスに導入、またはその場で生成することもできる。
図1にも例示している本発明の第2の実施形態によると、低沸点オーバーヘッド蒸気流28はデカンター16で凝縮され、そこで2相に分離され、凝縮重液相および凝縮軽流相30を形成する。凝縮した軽流相30は、流れ30/32を介して蒸留塔18に供給される。再び本発明のこの実施形態および別の実施形態に従うと、流れ30の一部は、還流34として軽流分塔14へ戻すことができる。蒸留塔18において、第2の蒸気相流36オーバーヘッドおよびより高い沸点の液相残留物の流れ38が形成する。また、酢酸メチルを含む側流80も得られる。
側流80は、第2の蒸気相流36内でより高い濃度のアセトアルデヒドを得るのに望ましい条件下で蒸留塔18を操作することを可能にする一方、酢酸メチル除去を行い、酢酸メチルが蒸留塔18の中央部に堆積したり、第2の蒸気相流36オーバーヘッドへ追いやられたりすることのない機構を提供する。酢酸メチルを含む側流80は該プロセス内に保持することが好ましい。
この第2の実施形態において、第2の蒸気相流36オーバーヘッドは、凝縮軽液相30に比較して、PRC、特にアセトアルデヒドを多く含む。第2の蒸気相流36オーバーヘッドは、凝縮軽液相30に比較して、酢酸メチル、メタノールおよび/または酢酸(望ましくは3種全て)が不足している。第2の蒸気相流36オーバーヘッドは、前記側流80に比較して、望ましくはより高い沸点の液相残渣流38と比較して、酢酸メチル、メタノールおよび/または酢酸(望ましくは3種全て)が不足している。望ましくは、第2の蒸気相流36オーバーヘッドは、前記側流80およびより高い沸点の液相残渣流38の両方に比較して、PRC、特にアセトアルデヒドを多く含む。
さらに本発明のこの第2の実施形態によると、第2の蒸気相流36は水で抽出し(一般に70で示す)、残留物PRC、特にアセトアルデヒドを除去する。この第2の実施形態による抽出は、第1の実施形態に対して開示された抽出工程に従い実施する。
側流なしで第1の実施形態に従い作業を行い、本方法が、蒸留塔18の分離性能に関して以下の結果を達成することが判明した。
Figure 2008539233
側流付きの第2の実施形態に従い作業を行い、蒸留塔18の分離性能に関し、以下の結果を達成することができると予想される。
Figure 2008539233
本発明の方法が、PRCおよびその前駆体、ヨウ化多炭素アルキル不純物、ならびにプロピオン酸およびより高級なカルボン酸を、カルボニル化プロセスから低減および/または除去することが判明した。また、アセトアルデヒドおよびその誘導体は十分な量が低減および/または除去されるので、酢酸生成物中のプロピオン酸濃度を重量で約500パーツパーミリオン未満、好ましくは300パーツパーミリオン未満、最も好ましくは250パーツパーミリオン未満に維持できることも示された。
本発明の実施形態の変法においては、蒸留塔18内の様々なアルデヒド関連ポリマーおよび縮合生成物の形成を抑制することが重要である。アセトアルデヒドは重合して、メタアルデヒドおよびパラアルデヒドを形成する。これらのポリマーは一般的に分子量が200未満と低い。分子量のより高いアセトアルデヒドのポリマーもまた形成できる。これらより高い分子量のポリマー(分子量が1000を超えるもの)は、軽質相の処理中に形成されると言われ、粘性および揺変性がある。アセトアルデヒドはまた望まないアルドール縮合反応の対象にもなり得る。
これら不純物、すなわちメタアルデヒドおよびパラアルデヒド、ならびにアセトアルデヒドのより分子量の高いポリマーの形成は、少なくとも水および/または酢酸を含有する勢流(flush stream)を蒸留塔18に導入することで抑制することができる。
好ましい実施形態を参照して本発明を説明したが、本開示の利益を有する当業者により、明白な修飾および変更が可能である。よって、本発明は、請求項の範囲内に含まれるか又はその等価物である全てのそのような修飾及び変更を最大限に含む。
図1は、本発明の様々な実施形態を示す図である。

Claims (20)

  1. カルボニル化可能な反応体のカルボニル化において形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造する方法であって、
    (a)カルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流と、より低揮発性の触媒相とを得るステップと、
    (b)前記蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製酢酸生成物と、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチルおよび少なくとも1種のPRCを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを生成するステップと、
    (c)前記低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し2相に分離して、凝縮した重液相および凝縮した軽液相を形成するステップと、
    (d)前記凝縮した軽液相を単一の蒸留塔内で蒸留して、第2の蒸気相流オーバーヘッドおよびより高沸点の液相残留物を形成するステップであって、前記第2の蒸気相流が、凝縮した軽液相と比較してPRCを多く含むステップと、
    (e)前記第2の蒸気相流を凝縮し、水で凝縮流を抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流と、ヨウ化メチルを含むラフィネートとを得るステップと、
    を含む方法。
  2. 前記第2の蒸気流中の酢酸メチルおよびメタノールの総濃度が約5重量%未満である、請求項1に記載の方法。
  3. 高沸点の液相残留物中のアセトアルデヒドの濃度が約0.3重量%未満である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第2の蒸気相流を、ジメチルエーテルの存在下で抽出する、請求項1に記載の方法。
  5. ステップ(d)を、酢酸メチルを含む側流を蒸留塔から除くことなく実施し、より高沸点の液相残留物が、前記第2の蒸気相流と比較して酢酸メチルを多く含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第2の蒸気流中の酢酸メチルおよびメタノールの総濃度が約5重量%未満である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記のより高沸点の液相残留物中のアセトアルデヒドの濃度が約0.3重量%未満である、請求項5に記載の方法。
  8. 酢酸メチルを含む側流をステップ(d)の蒸留塔から除くステップをさらに含み、より高沸点の液相残留物および側流の酢酸メチル含有量が、前記第2の蒸気相流と比較して累積的に増加する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第2の蒸気流中の酢酸メチルおよびメタノールの総濃度が約5重量%未満である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記のより高沸点の液相残留物中のアセトアルデヒドの濃度が約0.3重量%未満である、請求項8に記載の方法。
  11. カルボニル化可能な反応体のカルボニル化において形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造する方法であって、
    (a)カルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流と、より低揮発性の触媒相とを得るステップと、
    (b)前記蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製酢酸生成物と、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチルおよび少なくとも1種のPRCを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを生成するステップと、
    (c)前記低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、2相に分離して、凝縮した重液相および凝縮した軽液相を形成するステップと、
    (d)前記凝縮した軽液相を単一の蒸留塔内で蒸留して、第2の蒸気相流オーバーヘッドおよびより高沸点の液相残留物を形成するステップであって、前記第2の蒸気相流が、凝縮した軽液相と比較してPRCを多く含み、より高沸点の液相残留物が、前記第2の蒸気相流オーバーヘッドと比較して酢酸メチルを多く含むステップと、
    (e)前記第2の蒸気相流を凝縮し、水で凝縮流を抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流とヨウ化メチルを含むラフィネートとを得るステップと、
    を含む方法。
  12. ステップ(d)が、酢酸メチルを含む側流を蒸留塔から除かずに行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の蒸気流中の酢酸メチルおよびメタノールの総濃度が約5重量%未満である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記のより高沸点の液相残留物中のアセトアルデヒドの濃度が約0.3重量%未満である、請求項12に記載の方法。
  15. 酢酸メチルを含む側流をステップ(d)の蒸留塔から除くさらなるステップを含み、より高沸点の液相残留物および側流の酢酸メチル含有量が、前記第2の蒸気相流と比較して累積的に増加する、請求項11に記載の方法。
  16. 前記第2の蒸気流中の酢酸メチルおよびメタノールの総濃度が約5重量%未満である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記のより高沸点の液相残留物中のアセトアルデヒドの濃度が約0.3重量%未満である、請求項15に記載の方法。
  18. カルボニル化可能な反応体のカルボニル化において形成される過マンガン酸還元性化合物(PRC)を低減および/または除去して、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造する方法であって、
    (a)カルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む蒸気オーバーヘッド流と、より低揮発性の触媒相とを得るステップと、
    (b)前記蒸気オーバーヘッド流を蒸留して、精製酢酸生成物と、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチルおよび少なくとも1種のPRCを含む低沸点オーバーヘッド蒸気流とを生成するステップと、
    (c)前記低沸点オーバーヘッド蒸気流を凝縮し、2相に分離して、凝縮した重液相および凝縮した軽液相を形成するステップと、
    (d)前記凝縮した軽液相を単一の蒸留塔内で蒸留して、第2の蒸気相流オーバーヘッドおよびより高沸点の液相残留物を形成するステップであって、前記第2の蒸気相流が、凝縮した軽液相と比較してPRCを多く含むステップと、
    (e)酢酸メチルを含む側流を、ステップ(d)の蒸留塔から除くステップであって、より高沸点の液相残留物および側流の酢酸メチル含有量が、前記第2の蒸気相流と比較して累積的に増加するステップと、
    (f)前記第2の蒸気相流を凝縮し、水で凝縮流を抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流とヨウ化メチルを含むラフィネートとを得るステップと、
    を含む方法。
  19. 前記第2の蒸気流中の酢酸メチルおよびメタノールの総濃度が約5重量%未満である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記のより高沸点の液相残留物中のアセトアルデヒドの濃度が約0.3重量%未満である、請求項18に記載の方法。
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