JP2013526571A - 過マンガン酸塩還元性化合物を除去することによって酢酸流を精製する方法 - Google Patents

過マンガン酸塩還元性化合物を除去することによって酢酸流を精製する方法 Download PDF

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Abstract

酢酸を製造するために第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でメタノールをカルボニル化することによって形成される過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を減少及び/又は除去する方法を開示する。より詳しくは、かかるカルボニル化プロセスによる酢酸の形成中に中間体流からPRC又はそれらの前駆体を減少及び/又は除去する方法を開示する。特に、軽質留分カラムからの低沸点塔頂蒸気流を蒸留にかけて塔頂流を得て、これを抽出にかけてプロセスからPRCを選択的に除去及び/又は減少させる方法を開示する。この方法は、反応システム全体における水分制御を向上させるために、蒸留工程及び/又は抽出工程から得られる1以上の戻り流を軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムに再循環する工程を含む。
【選択図】図1

Description

[0001]本出願は、2010年5月18日出願の米国仮出願61/345,833(その全部を参照として本明細書中に包含する)に対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、酢酸を製造する方法、特に酢酸を製造するための第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でのメタノールのカルボニル化中に形成される過マンガン酸塩還元性化合物(permanganate reducing compounds)を減少及び/又は除去する改良された方法に関する。
[0003]現在用いられている酢酸の合成方法の中で商業的に最も有用なものの1つは、米国特許3,769,329(その全部を参照として本明細書中に包含する)において教示されている一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化である。カルボニル化触媒は、液体反応媒体中に溶解しているか又は他の形態で分散しているか或いは不活性の固体上に担持されているロジウムを、ヨウ化メチルによって例示されるハロゲン含有触媒促進剤と共に含む。ロジウムは任意の多くの形態で反応系中に導入することができる。同様に、ハロゲン化物促進剤の性質は一般的に重要ではないので、数多くの好適な促進剤(その殆どは有機ヨウ化物である)を用いることができる。最も通常的且つ有用には、反応は、一酸化炭素ガスを、触媒がその中に溶解している液体反応媒体を通して連続的にバブリングすることによって行う。
[0004]ロジウム触媒の存在下において、アルコールよりも1個多い炭素原子を有するカルボン酸を製造する従来技術のアルコールのカルボニル化方法における改良が、米国特許5,001,259;5,026,908;及び5,144,068;並びにEP−0161874(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)において開示されている。これらにおいて開示されているように、酢酸は、酢酸メチル(MeAc)、ハロゲン化メチル、特にヨウ化メチル(MeI)、及び触媒的に有効な濃度で存在するロジウムを含む反応媒体中でメタノールから製造される。これらの特許においては、反応媒体中において、触媒的に有効な量のロジウムと共に、少なくとも限定濃度、例えば約0.1重量%の水、及びヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に特定濃度のヨウ化物イオンを維持することによって、非常に低い、即ち(約14〜15重量%の水を維持する従来の実施とは異なり)4重量%未満の水濃度においても、触媒安定性及びカルボニル化反応器の生産性を高いレベルに維持することができることが開示されている。このヨウ化物イオンは単純な塩であり、ヨウ化リチウムが好ましい。この特許においては、酢酸メチル及びヨウ化物塩の濃度が、特に低い反応器水濃度において酢酸を製造するためのメタノールのカルボニル化の速度に影響を与える重要なパラメーターであることが教示されている。比較的高い濃度の酢酸メチル及びヨウ化物塩を用いることによって、液体反応媒体が約0.1重量%程度の低い限定量の水を含む場合であっても、高度の触媒安定性及び反応器生産性が達成される。更に、用いる反応媒体によって、ロジウム触媒の安定性、即ち特にプロセスの生成物回収工程中における触媒沈殿に対する抵抗性が向上する。これらの工程においては、酢酸生成物を回収する目的の蒸留によって、触媒から一酸化炭素(これは、反応容器内で維持される雰囲気中においてロジウムに対する安定化効果を有するリガンドである)が除去される傾向がある。
[0005]酢酸を製造するための低水分カルボニル化プロセスは、二酸化炭素、水素、及びプロピオン酸のような副生成物を減少させるが、一般的に微量で存在する他の不純物の量は低水分カルボニル化プロセスによって増加する可能性があり、酢酸の品質は、触媒を向上させるか又は反応条件を変更することによって生成速度を増加させるように試みた場合にしばしば低下することが見出された。
[0006]これらの微量の不純物は、特にそれらが反応プロセスを通して再循環される場合には酢酸の品質に影響を与え、とりわけ時間と共にこれらの不純物の蓄積が起こる可能性がある。酢酸産業において通常的に用いられている品質試験である酢酸の過マンガン酸塩時間を減少させる不純物としては、カルボニル化合物及び不飽和カルボニル化合物が挙げられる。本明細書において用いる「カルボニル」という成句は、アルデヒド又はケトン官能基を含む化合物を意味するように意図され、この化合物は不飽和を有していても有していなくてもよい。カルボニル化プロセスにおける不純物に関する更なる議論に関しては、Catalysis of Organic Reaction, 75, 369-380 (1998)を参照。
[0007]メタノールのカルボニル化中に形成されるアセトアルデヒドのようなカルボニル不純物は、ヨウ化物触媒促進剤と反応して複数炭素のアルキルヨウ化物、例えばヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ヨウ化ブチル、ヨウ化ペンチル、ヨウ化ヘキシルなどを形成する可能性がある。酢酸生成物中の少量のこれらの不純物であっても、酢酸から通常製造される生成物である酢酸ビニルの製造において用いる触媒を被毒する傾向があるので、反応生成物から複数炭素のアルキルヨウ化物を除去することが望ましい。而して、本発明はまた、複数炭素のアルキルヨウ化物、特にC〜C12アルキルヨウ化物化合物の減少又は除去を導くことができる。したがって、多くの不純物はアセトアルデヒド起源であるので、複数炭素のアルキルヨウ化物の含量を減少させるためにプロセスからカルボニル不純物、特にアセトアルデヒドを除去することが主目的である。
[0008]かかる不純物を除去する従来の方法は、酢酸生成物流を、酸化剤、オゾン、水、メタノール、活性炭、アミンなどで処理することを含む。かかる処理は、酢酸の蒸留と組み合わせても組み合わせなくてもよい。最も通常的な精製処理は、最終生成物の一連の蒸留を含む。また、有機流を、カルボニル化合物と反応してオキシムを形成するヒドロキシルアミンのようなアミン化合物で処理し、次に蒸留してオキシム反応生成物から精製有機生成物を分離することによって有機流からカルボニル不純物を除去することも公知である。しかしながら、最終生成物の更なる処理はプロセスにコストを加え、処理した酢酸生成物を蒸留すると更なる不純物が形成される可能性がある。
[0009]比較的高い純度の酢酸を得ることは可能であるが、上記に記載の低水分カルボニル化プロセス及び精製処理によって形成される酢酸生成物は、小割合の残留不純物の存在のために過マンガン酸塩時間に関して多少不十分なままであることが多い。十分な過マンガン酸塩時間は、酸生成物が多くの用途のために好適であるために満足することが必要な可能性がある重要な商業的試験であるので、過マンガン酸塩時間を減少させる不純物の存在は好ましくない。更に、不純物の幾つかは酢酸生成物又はヨウ化メチルのようなハロゲン含有触媒促進剤のものと近接する沸点を有しているので、蒸留によって少量のこれらの不純物を酢酸から除去することは経済的又は商業的に実現可能ではなかった。而して、最終生成物を汚染することなく、又は不要なコストを加えることなく、カルボニル化プロセスにおける他の場所で不純物を除去する経済的に実行可能な方法を突き止めることが重要になってきている。
[0010]当該技術において、酢酸生成物流中に存在するカルボニル不純物は、一般に軽質留分カラムからの塔頂流中に濃縮されることが開示されている。したがって、軽質留分カラムの塔頂流を、カルボニル化合物と反応して蒸留によって残りの塔頂流からより容易に分離することができる誘導体を形成するアミン化合物(例えばヒドロキシルアミン)によって処理して、向上した過マンガン酸塩時間を有する酢酸生成物を得る。
[0011]米国特許6,143,930及び6,339,171においては、軽質留分カラム塔頂流に対して多段階精製を行うことによって、酢酸生成物中の望ましくない不純物を大きく減少させることができることが開示されている。これらの特許においては、軽質留分塔頂流を二回蒸留し、それぞれの場合においてアセトアルデヒド塔頂流を回収し、ヨウ化メチルに富む残渣を反応器に戻す精製プロセスが開示されている。二回の蒸留工程の後に得られるアセトアルデヒドに富む留出物は、場合によっては水で抽出してアセトアルデヒドの大部分を廃棄するために除去し、反応器に再循環するラフィネート中に非常により低いアセトアルデヒド濃度を残留させる。米国特許6,143,930及び6,339,171はその全部を参照として本明細書中に包含する。
[0012]更に、US−20060247466(その全部を参照として本明細書中に包含する)においては、軽質留分塔頂流を単式蒸留にかけて塔頂流を得て、これを抽出にかけて過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を選択的に除去及び/又は減少させることによって、酢酸生成物中の望ましくない不純物を減少させることができることが開示されている。
[0013]米国特許7,223,886(その全部を参照として本明細書中に包含する)においては、(a)軽質相を蒸留してPRCに富む塔頂流を得て;(b)塔頂流を水によって少なくとも二つの連続段階で抽出して、それからPRCを含む1以上の水性流を分離する;ことで、凝縮した軽質留分塔頂流の軽質相からPRCを除去することによって、アルキルヨウ化物及びC3〜8カルボン酸の形成を減少させる方法が開示されている。
米国特許3,769,329 米国特許5,001,259 米国特許5,026,908 米国特許5,144,068 EP−0161874 米国特許6,143,930 米国特許6,339,171 US−20060247466 米国特許7,223,886
Catalysis of Organic Reaction, 75, 369-380 (1998)
[0014]上記に記載の方法は、カルボニル化システムからカルボニル不純物を減少及び/又は除去し、最終酢酸生成物中のアセトアルデヒドレベル及び過マンガン酸塩時間の問題を大部分制御することに成功しているが、未だ更なる改良を行うことができる。したがって、アセトアルデヒド除去の効率を向上させる別のプロセスに関する必要性が未だ存在する。本発明は1つのかかる別の解決法を与えるものである。
[0015]本発明は、酢酸(HOAc)の製造方法、及び特に酢酸を製造するための第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でのメタノールのカルボニル化によって形成される過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)及びアルキルヨウ化物を減少及び/又は除去する改良された方法に関する。より詳しくは、本発明は、カルボニル化プロセスによる酢酸の形成中において中間体流からPRC又はそれらの前駆体を減少及び/又は除去する改良された方法に関する。本発明方法は、望ましくは反応器への酢酸の再循環を最小にし、それによって反応器及び分離システムに対する負荷を減少させ、生産能力を増大させ、分離システムを脱隘路化し、ユーティリティー及び冷却水の必要性を減少させる。更に、本方法は、望ましくは反応システム中の水の量を制御する効率的な手段を与えて、また反応器に対する減少した負荷及び向上した全効率も与える。本発明方法の更なる利益は、これらによって分離システムの軽質留分カラムと乾燥カラムとの間の水負荷を制御する際の向上した柔軟性が与えられることである。
[0016]一態様においては、本発明は、酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物からPRCを除去する方法であって、軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し;PRC除去システム(PRS)蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;そして、塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を軽質留分カラムに送る;工程を含む上記方法に関する。本方法には、塔底流のアリコート部分を1以上のプロセス流と混合して第1の戻り流を形成する工程を更に含ませることができる。好ましくは、本方法は、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する;工程を更に含み、ここで第1の戻り流はラフィネートの少なくとも一部を更に含む。場合によっては、本方法は、乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして、塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を更に含む。第2の戻り流は、場合によっては塔底流のアリコート部分及び還流流を含む。一形態においては、第2の戻り流は、ラフィネートのアリコート部分を更に含む。
[0017]一形態においては、本方法は、乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして、塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を更に含む。第2の戻り流は、場合によっては塔底流のアリコート部分及び還流流を含む。場合によっては、本方法は、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する;工程を更に含み、ここで第2の戻り流はラフィネートの一部を更に含む。
[0018]他の形態においては、本方法は、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成し;乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして、ラフィネートのアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を更に含む。
[0019]他の態様においては、本発明は、酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物からPRCを除去する方法であって、軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し;PRS蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;抽出ユニット内において、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出してPRC抽出流及びラフィネートを形成し;そして、ラフィネートのアリコート部分を含む第1の戻り流を軽質留分カラムに送る;工程を含む上記方法に関する。この方法は、場合によっては、ラフィネートのアリコート部分を1以上のプロセス流と混合して第1の戻り流を形成する工程を更に含む。場合によっては、塔底流の少なくとも一部を、場合によっては第1の戻り流の一部として軽質留分カラムに送る。一形態においては、この方法は、乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして、ラフィネートの第2のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を更に含む。この形態においては、場合によっては、塔底流の少なくとも一部を、場合によっては第1の戻り流の一部として軽質留分カラムに送る。一形態においては、塔底流の少なくとも一部を、場合によっては第2の戻り流の一部として乾燥カラムに送ることができる。他の形態においては、この方法は、乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして、塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を更に含む。第2の戻り流には、塔底流のアリコート部分及び還流流を含ませることができる。場合によっては、第1の戻り流は塔底流のアリコート部分を更に含む。
[0020]他の態様においては、本発明は、酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物からPRCを除去する方法であって、軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し:PRS蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして、塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を含む上記方法に関する。場合によっては、この方法は、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する;工程を更に含み、ここで第1の戻り流はラフィネートのアリコート部分を更に含む。この方法には、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成し;そして、ラフィネートのアリコート部分を含む第2の戻り流を軽質留分カラムに送る;工程を更に含ませることができる。この形態においては、第1の戻り流にはラフィネートの一部を更に含ませることができる。
[0021]他の態様においては、本発明は、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造するためのカルボニル化可能な反応物質のカルボニル化において形成されるPRCを減少及び/又は除去する方法であって、第1の分離ユニット内においてカルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む第1の塔頂流及び触媒を含む第1の塔底流を形成し;第2の分離ユニット内において第1の塔頂流を蒸留して、粗酢酸生成物、並びに、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及び少なくとも1種類のPRC収量を含む第2の塔頂流を形成し;第2の塔頂流を凝縮し、それを二相分離して、凝縮した重質液体相及び凝縮した軽質液体相を形成し;第3の分離ユニット内において、凝縮した軽質液体相を蒸留して、第3の塔頂流及び第3の塔底流を形成し(ここで、第3の塔頂流は凝縮した軽質液体相に比べてPRCに富む);そして、第3の塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を第2の分離ユニットに送る;工程を含む上記方法に関する。この方法には、第3の塔頂流を凝縮し、得られる凝縮流を水で抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得る(ここで、第1の戻り流はラフィネートのアリコート部分を更に含む)工程、並びに場合によっては、第4の分離ユニット内において粗酢酸生成物を蒸留して、水を含む第4の塔頂流、及び酢酸生成物を含む第4の塔底流を形成し;そして、第3の塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を第4の分離ユニットに送る;工程を更に含ませることができる。一形態においては、この方法は、第4の分離ユニット内において粗酢酸生成物を蒸留して、水を含む第4の塔頂流、及び酢酸生成物を含む第4の塔底流を形成し;第3の塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を第4の分離ユニットに送る;工程を更に含む。
[0022]他の態様においては、本発明は、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造するためのカルボニル化可能な反応物質のカルボニル化において形成されるPRCを減少及び/又は除去する方法であって、第1の分離ユニット内においてカルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む第1の塔頂流及び触媒を含む第1の塔底流を形成し;第2の分離ユニット内において第1の塔頂流を蒸留して、粗酢酸生成物、並びにヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及び少なくとも1種類のPRC収量を含む第2の塔頂流を形成し;第2の塔頂流を凝縮し、それを二相分離して、凝縮した重質液体相及び凝縮した軽質液体相を形成し;第3の分離ユニット内において、凝縮した軽質液体相を蒸留して、第3の塔頂流及び第3の塔底流を形成し(ここで、第3の塔頂流は凝縮した軽質液体相と比べてPRCに富む);第3の塔頂流を凝縮し、得られる凝縮流を水で抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得て;ラフィネートのアリコート部分を含む第1の戻り流を第2の分離ユニットに送る;工程を含む上記方法に関する。この方法は、場合によっては、第4の分離ユニット内において粗酢酸生成物を蒸留して、水を含む第4の塔頂流及び酢酸生成物を含む第4の塔底流を形成し;そして、第3の塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を第4の分離ユニットに送る;工程を更に含む。
[0023]他の態様においては、本発明は、酢酸を含むカルボニル化生成物を製造するためのカルボニル化可能な反応物質のカルボニル化において形成されるPRCを減少及び/又は除去する方法であって、第1の分離ユニット内においてカルボニル化生成物を分離して、酢酸を含む第1の塔頂流及び触媒を含む第1の塔底流を形成し;第2の分離ユニット内において第1の塔頂流を蒸留して、粗酢酸生成物、並びに、ヨウ化メチル、水、酢酸、酢酸メチル、及び少なくとも1種類のPRC収量を含む第2の塔頂流を形成し;第2の塔頂流を凝縮し、それを二相分離して、凝縮した重質液体相及び凝縮した軽質液体相を形成し;第3の分離ユニット内において、凝縮した軽質液体相を蒸留して第3の塔頂流及び第3の塔底流を形成し(ここで、第3の塔頂流は凝縮した軽質液体相と比べてPRCに富む);第4の分離ユニット内において粗酢酸生成物を蒸留して、水を含む第4の塔頂流、及び精製酢酸を含む第4の塔底流を形成し;そして、第3の塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を第4の分離ユニットに送る;工程を含む上記方法に関する。この方法は、場合によっては、第3の塔頂流を凝縮し、得られる凝縮流を水で抽出して、PRCを含む水性アセトアルデヒド流、及びヨウ化メチルを含むラフィネートを得て;ラフィネートのアリコート部分を含む第2の戻り流を第2の分離ユニットに送る;工程を更に含む。
[0024]他の態様においては、本発明は、酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物からPRCを除去する方法であって、軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;乾燥カラム内において、酢酸流の少なくとも一部を分離して水流及び酢酸生成物流を形成し;PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し;PRS蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成し;塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を軽質留分カラムに送り;ラフィネートの少なくとも一部を、場合によっては第1の戻り流の一部として軽質留分カラムに送り;そして、塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;工程を含む上記方法に関する。この方法は、場合によっては、ラフィネートの一部を場合によっては第2の戻り流の一部として乾燥カラムに送る工程を更に含む。
[0025]抽出工程を含むこれらの態様に関しては、抽出媒体は、場合によっては水及び/又はジメチルエーテルを含む。好ましくは、ジメチルエーテルは、別に加えるか又はその場で形成して、PRC抽出流中のヨウ化メチルの濃度を1.8重量%未満、例えば1.5重量%未満、又は0.5〜1.8重量%の量に減少させるのに十分な量で抽出工程中に存在させる。
[0027]本発明は、添付の非限定的な図面を参照するとより良好に理解されるであろう。
[0027]図1は、本発明の一態様による代表的な酢酸反応システム及び分離スキームを示す。 [0028]図2は、本発明の一態様による代表的なPRC除去システム(PRS)を示す。
[0029]序論:
[0030]本発明は、酢酸の製造方法、特に第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下におけるメタノールのカルボニル化中に形成される過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を減少及び/又は除去する改良された方法に関する。PRCとしては、例えばアセトアルデヒド(AcH)、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、及び2−エチルブチルアルデヒドなどのような化合物、並びにそれらのアルドール縮合生成物を挙げることができる。より詳しくは、本発明は、粗酢酸生成物を精製するのに用いる酢酸分離システムからPRC又はそれらの前駆体を減少及び/又は除去する改良された方法に関する。
[0031]好ましい態様においては、本発明は、好ましくはカルボニル化反応器又はフラッシュ容器から得られる粗酢酸組成物を、軽質留分カラム内において、PRCに富む流れ、及び酢酸流、例えば酢酸側流に分離する方法に関する。PRCに富む流れは、次に好ましくは相分離ユニット内において水性相及び有機相に分離する。得られる水性相の一部は次にPRC除去システム(PRS)に送り、そこでPRS蒸留カラム内において塔頂流及び塔底流に分離する。水性流の残りの部分は、軽質留分カラムに還流することができる。塔底流のアリコート部分を含む戻り流は、次に更なる処理のために軽質留分カラム、好ましくは軽質留分カラムの頂部に戻す。一態様においては、戻り流の一部又は全部を軽質留分カラムの還流中に送る。一態様においては、戻り流の一部又は全部を軽質留分カラムに還流することができる。一態様においては、塔底流は専ら軽質留分カラムに戻し、PRSからシステム内の他の箇所へは戻り流は送らない。
[0032]PRSには、PRS蒸留カラム塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する工程を更に含ませることができる。この形態においては、戻り流には、ラフィネートの少なくとも一部、例えばアリコート部分、又は全部を更に含ませることができる。
[0033]他の態様においては、この方法は、乾燥カラム内において、軽質留分カラムから得られる酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成する工程を含む。PRS蒸留カラムからの塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流は、乾燥カラム、好ましくは乾燥カラムの頂部に送る。一態様においては、分離システムに戻される塔底流は専ら第2の戻り流として乾燥カラムへ戻され、PRSから軽質留分カラムへ戻り流は送らない。更に又は或いは、第2の戻り流には、PRS抽出ユニットからのラフィネートのアリコート部分を含ませることができる。
[0034]一態様においては、塔底流及び場合によってはラフィネート流は、軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムのいずれかに送るが、反応器又は反応器に供給される再循環ラインには送らない。
[0035]複数の有利性の中でも、本発明方法は、有益には、酢酸製造システム全体の中での水分制御を向上させながら、PRCを減少及び/又は除去する効率的な手段を与える。これによって、好ましくはより小さい反応器及びフラッシュ容器の寸法が得られ、設備費用を減少させることが可能になる。本発明方法はまた、好ましくは反応器への不要な酢酸再循環を減少させ、これによって分離システムに対する負荷を減少させ、増加した生産能力を与える。更に、望ましい水分制御を維持することは、安定な酢酸反応システムを確立し、特に効率的な分離スキームを確保するために好ましい。更なる有利性としては、より低いエネルギー使用量、並びに減少した装置コスト及び関連するコストが挙げられるが、これらに限定されない。
酢酸製造システム:
[0036]本発明の代表的な態様を下記に記載する。明確にするために、本明細書においては実際の実施の全ての特徴は記載していない。勿論、任意のかかる実際の態様の展開においては、開発者の具体的な目標を達成するためには、1つの実施と他の実施とで変化するシステム関係及びビジネス関係の制約の遵守のような数多くの実施時に固有の決定を行わなければならないことが認められる。更に、かかる展開努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも本開示の利益を有する当業者には日常的な業務であろう。
[0037]本発明の精製方法は、メタノール及び/又は酢酸メチル(MeAc)、ギ酸メチル、又はジメチルエーテル、或いはこれらの混合物を用いて、ロジウムのような第VIII族金属触媒及びハロゲン含有触媒促進剤の存在下で酢酸を生成させるカルボニル化プロセスにおいて有用である。特に有用なプロセスは、米国特許5,001,259において例示されている酢酸へのメタノールの低水分ロジウム接触カルボニル化である。
[0038]一般に、触媒系のロジウム成分は、ロジウムと、配位化合物の少なくとも一つのリガンドを与えるハロゲン成分との配位化合物の形態で存在すると考えられる。ロジウムとハロゲンとの配位に加えて、一酸化炭素がロジウムと配位するとも考えられる。触媒系のロジウム成分は、ロジウム金属、酸化物、酢酸塩、ヨウ化物、炭酸塩、水酸化物、塩化物等のようなロジウム塩、或いは反応雰囲気中でロジウムの配位化合物を形成する他の化合物の形態のロジウムを反応区域中に導入することによって与えることができる。
[0039]触媒系のハロゲン含有触媒促進剤は、有機ハロゲン化物を含むハロゲン化合物から構成される。而して、アルキル、アリール、及び置換アルキル又はアリールハロゲン化物を用いることができる。好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤はアルキルハロゲン化物の形態で存在させる。更により好ましくは、ハロゲン含有触媒促進剤は、アルキル基がカルボニル化する供給アルコールのアルキル基に対応するアルキルハロゲン化物の形態で存在させる。而して、酢酸へのメタノールのカルボニル化において、ハロゲン化物促進剤としては、ハロゲン化メチル、より好ましくはヨウ化メチルが挙げられる。
[0040]用いる液体反応媒体としては、触媒系と相溶性の任意の溶媒を挙げることができ、純粋なアルコール、又はアルコール供給材料及び/又は所望のカルボン酸及び/又はこれら二つの化合物のエステルの混合物を挙げることができる。低水分カルボニル化プロセスのために好ましい溶媒及び液体反応媒体は、所望のカルボン酸生成物を含む。而して、酢酸へのメタノールのカルボニル化においては、好ましい溶媒系は酢酸を含む。
[0041]水を反応媒体中に含ませるが、望ましくは十分な反応速度を達成するために実際的であるとこれまで考えられていたものを大きく下回る低い濃度で含ませる。従来は、例えば米国特許3,769,329において、本発明において示すタイプのロジウム接触カルボニル化反応においては、水を加えると反応速度に対して有益な効果を及ぼすと教示されていた。而して、商業的な運転においては、通常は少なくとも約14重量%の水濃度において運転している。したがって、かかる比較的高いレベルの水濃度を用いて得られる反応速度と実質的に同等か又はこれよりも高い反応速度を、反応媒体の全重量を基準として14重量%より低く、及び約0.1重量%程度の低さ、例えば0.1重量%〜14重量%、0.2重量%〜10重量%、又は0.25重量%〜5重量%の水濃度を用いて達成することができることは全く予期されていなかった。
[0042]本発明によって酢酸を製造するのに最も有用なカルボニル化プロセスによれば、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、及びヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、所望の反応速度が低い水濃度においても得られる。望ましいエステルは酢酸メチルである。更なるヨウ化物イオンは、望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。米国特許5,001,259において記載されているように、低い水濃度下においては、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、これらの成分のそれぞれが比較的高い濃度で存在する場合にのみ速度促進剤として作用し、促進はこれらの成分の両方が同時に存在する場合により高いことが分かっている。好ましいカルボニル化反応系の反応媒体中に保持するヨウ化物イオンの濃度は、この種の反応系においてハロゲン化物塩を使用する僅かな従来技術が関連するものと比べて非常に高いと考えられる。ヨウ化物イオン内容物の絶対濃度は、本発明の有用性を制限するものではない。
[0043]酢酸生成物へのメタノールのカルボニル化反応は、メタノール供給流を、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力の条件下において、ロジウム触媒、ヨウ化メチル(MeI)促進剤、酢酸メチル(MeAc)、及び更なる可溶性ヨウ化物塩を含む酢酸溶媒反応媒体を通してバブリングした気体状一酸化炭素と接触させることによって行うことができる。一般に、重要なのはヨウ化物と会合するカチオンではなく触媒系中のヨウ化物イオンの濃度であり、ヨウ化物の所定のモル濃度においては、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほどは重要ではないことが認識される。塩が所望のレベルのヨウ化物を与えるのに十分に反応媒体中に可溶であるならば、任意の金属ヨウ化物塩、又は任意の有機カチオンの任意のヨウ化物塩、或いはアミン又はホスフィン化合物(場合によっては第3級若しくは第4級カチオン)をベースとするもののような他のカチオンを反応媒体中に保持することができる。ヨウ化物が金属塩である場合には、好ましくは、これは"Handbook of Chemistry and Physics", CRC Press発行, Cleveland, Ohio, 2002-03 (83版)において示されている周期律表の第IA及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが特に好適である。本発明において最も有用な低水分カルボニル化プロセスにおいては、ヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他の更なるヨウ化物イオンが、概して全ヨウ化物イオン濃度が約2〜約20重量%であるような量で触媒溶液中に存在し、酢酸メチルが概して約0.5〜約30重量%の量で存在し、ヨウ化メチルが概して約5〜約20重量%の量で存在する。ロジウム触媒は、概して約200〜約2000ppmの量で存在する。
[0044]カルボニル化のための通常の反応温度は約150℃〜約250℃であり、約180℃〜約220℃の温度範囲が好ましい範囲である。反応器内の一酸化炭素分圧は広範に変化させることができるが、通常は約2〜約30気圧、例えば約3〜約10気圧である。副生成物の分圧及び含まれている液体の蒸気圧のために、全反応器圧力は約15〜約40気圧の範囲である。
[0045]本発明の一態様にしたがう酢酸へのメタノールのヨウ化物促進ロジウム接触カルボニル化のために用いる代表的な反応及び酢酸回収システムを図1に示す。示されているように、メタノール含有供給流1及び一酸化炭素含有供給流2を液相カルボニル化反応器3に送り、ここでカルボニル化反応を行って酢酸を形成する。
[0046]カルボニル化反応器3は、好ましくは撹拌容器或いは撹拌機を有するか又は有しないバブルカラムタイプの容器のいずれかであり、その内部で反応液体又はスラリーの含量を好ましくは自動的に所定のレベルに維持し、好ましくは、これは通常運転中は実質的に一定に維持する。反応器3中には必要に応じて、新しいメタノール、一酸化炭素、及び十分な水を連続的に導入して、反応媒体中に少なくとも限定濃度、例えば約0.1重量%の水を維持する。
[0047]通常のカルボニル化プロセスにおいては、一酸化炭素をカルボニル化反応器中の望ましくは撹拌機の下方に連続的に導入して、内容物を撹拌するために用いることができる。気体供給流は、好ましくは、この撹拌手段によって反応液体を通して十分に分散される。望ましくは気体状パージ流8を反応器3から排気して、気体状副生成物の蓄積を阻止し、所定の全反応器圧力において設定一酸化炭素分圧を維持する。反応器の温度は制御することができ、一酸化炭素供給流は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。
[0048]酢酸製造システムは、好ましくは、酢酸を回収し、触媒溶液、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及び他のシステム成分をプロセス内で再循環するのに用いる分離システムを含む。而して、フラッシャー5からの流れ27のような再循環触媒溶液、及び場合によっては1以上の再循環流6、9、31、41、及び48も、反応器3中に導入する。勿論、1以上の再循環流は、反応器中に導入する前に混合することができる。分離システムはまた、好ましくは、カルボニル化反応器内及びシステム全体にわたる水及び酢酸の含量を制御し、PRCの除去を促進する。
[0049]カルボニル化生成物は、その中の一定レベルを維持するのに十分な速度でカルボニル化反応器3から排出し、流れ4を通してフラッシャー5に供給する。フラッシャー5においては、フラッシュ分離工程で粗生成物を分離して、酢酸を含む揮発分(「蒸気」)塔頂流26、及び触媒含有溶液(主として、ロジウム及びヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と共に含む酢酸である)を含むより揮発性の低い流れ27(これは上記で議論したように好ましくは反応器に再循環する)を得る。蒸気塔頂流26はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、及びPRCを含む。反応器から排出され、フラッシャーに導入される溶解ガスは、一酸化炭素の一部を含み、また、メタン、水素、及び二酸化炭素のような気体状副生成物も含む可能性がある。かかる溶解ガスは、塔頂流の一部としてフラッシャーから排出される。フラッシャー5からの塔頂流は、流れ26として軽質留分カラム14に送り、ここで蒸留によって、低沸点塔頂蒸気流28、精製酢酸生成物(好ましくは側流17を通して取り出される)、及び高沸点残渣流9を生成させる。側流17を通して取り出される酢酸は、好ましくは、例えば酢酸を水から選択的に分離するために乾燥カラム43などにおいて更なる精製にかける。
[0050]軽質留分カラムから排出される低沸点塔頂蒸気流中には、カラムから排出される高沸点残渣流中よりも概して高い濃度のPRC、特にアセトアルデヒド内容物が存在することが米国特許6,143,930及び6,339,171において開示されている。而して、本発明によれば、PRCを含む低沸点塔頂蒸気流28を、PRS50内において更なる処理にかけて、存在するPRCの量を減少及び/又は除去する。示されているように、したがって低沸点塔頂蒸気流28は凝縮して、塔頂流受容器デカンター16によって示されるような塔頂流相分離ユニットに送る。PRCに加えて、低沸点塔頂蒸気流28は、通常はヨウ化メチル、酢酸メチル、酢酸、及び水を含む。
[0051]プロセス中の条件は、望ましくは低沸点塔頂蒸気流28がデカンター16内にある際に軽質相及び重質相に分離されるように維持する。一般に、低沸点塔頂蒸気流28を、凝縮可能なヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド、及び他のカルボニル成分、並びに水を凝縮して2つの相に分離するのに十分な温度に冷却する。流れ28の一部は、一酸化炭素、二酸化炭素、水素などのような非凝縮性ガスを含む可能性があり、これらは図1において流れ29によって示されるように排気して、低圧吸収器ユニット(図示せず)に送ることができる。
[0052]デカンター16内の凝縮した軽質相は、一般に、水、酢酸、及びPRC、並びに所定量のヨウ化メチル及び酢酸メチルを含む。デカンター16内の凝縮した重質相は、一般に、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びPRCを含む。デカンター16内の凝縮した重質液体相は、好都合には、流れ31を通して反応器3に直接的か又は間接的に再循環することができる。例えば、この凝縮した重質液体相の一部を、分割流(図示せず)によって反応器に再循環することができ、一般に少量、例えば5〜40体積%、又は5〜20体積%の重質液体相をPRSに送る。この重質液体相の分割流は個別に処理することができ、或いは本発明の一態様にしたがってカルボニル不純物を更に蒸留及び抽出するために、凝縮した軽質液体相流30と混合することができる。
[0053]軽質相流30の具体的な組成は広範囲に変化させることができるが、幾つかの好ましい組成を下表1に与える。
Figure 2013526571
[0054]図1に示すように、軽質相は流れ30を通してデカンター16から排出される。軽質相流30の第1の部分、例えばアリコート部分は、還流流34として軽質留分カラム14の頂部に再循環する。軽質相流30の第2の部分、例えばアリコート部分は、下記において議論するように、及び流れ32によって示されるようにPRSに送る。軽質相流30の第3の部分、例えばアリコート部分は、場合によっては、反応器3において更なる水が所望又は必要である場合には、再循環流6によって示されるように反応器3に再循環することができる。反応器へ流れ6を再循環することによって望ましくないことに酢酸が再循環され、反応器3に対する負荷が不必要に増加するので、好ましい形態においては、反応器3へ流れ6を再循環することなく、反応器内において水レベルを所望のレベルに維持する。而して、デカンター16から反応器3への唯一の再循環は、重質相流31によるものである。
[0055]軽質留分カラム14はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む残渣又は塔底流9も形成する。軽質留分塔底流9は通常は多少の残留触媒を含んでいるので、軽質留分塔底流9の全部又は一部を反応器3に再循環することが有益である可能性がある。場合によっては、図1に示すように、軽質留分塔底流をフラッシャー5からの触媒相27と混合して反応器3に一緒に戻すことができる。
[0056]上記で示すように、塔頂相に加えて、軽質留分カラム14はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む酢酸側流17も形成する。効率的な生成物の分離を保持するためには、側流17の組成が通常運転中に大きく変化又は変動しないことが重要である。下記に開示するようなPRSからの1以上の戻り流を用いる本発明の分離スキームは、反応システム中の望ましい水分制御を維持し、その結果として側流17の実質的に一定の組成を維持するのに非常に有効である。更に、本発明方法は、望ましくは分離システムにおいて水含量を制御する能力を与え、特に軽質留分カラム14と乾燥カラム43との間の水平衡を制御する際の向上した柔軟性を与えて、向上した反応システム安定性を与える。
[0057]場合によっては、分離を向上させるために、側流17の一部を、軽質留分カラム、好ましくは軽質留分カラムから側流17を取り出す位置の下方の位置に再循環することができる。
[0058]側流17は酢酸に加えて水を含んでいるので、軽質留分カラム14からの側流17は好ましくは乾燥カラム43に送って、ここで酢酸及び水を互いから分離する。示されているように、乾燥カラム43は、酢酸側流17を、主として水から構成される塔頂流44、及び主として酢酸から構成される塔底流45に分離する。塔頂流44は、好ましくは相分離ユニット、例えばデカンター46内において冷却及び凝縮して、軽質相及び重質相を形成する。示されているように、軽質相の一部は、流れ47及び53によって示されるように還流し、軽質相の残りは、流れ41によって示されるように反応器3に戻す。通常は水及びヨウ化メチルを含むエマルジョンである重質相は、好ましくはその全部を、流れ48によって示されるように、場合によっては流れ41と混合した後に反応器3に戻す。乾燥カラム塔頂流の軽質相に関する代表的な組成を下表2に与える。
Figure 2013526571
[0059]乾燥カラム塔底流45は、好ましくは酢酸を含むか又は酢酸から実質的に構成される。好ましい態様においては、乾燥カラム塔底流は、90重量%より多く、例えば95重量%より多く、又は98重量%より多い量の酢酸を含む。場合によっては、乾燥カラム塔底流45は、貯蔵するか又は商業的利用のために輸送する前に、例えばイオン交換樹脂に通すことによって更に処理することができる。
PRC除去システム(PRS):
[0060]本発明は、広範には、軽質留分蒸留カラムの低沸点塔頂蒸気流から、より好ましくは軽質留分蒸留カラム14からの低沸点塔頂蒸気流28の凝縮した軽質相から、PRC、主としてアセトアルデヒドのようなアルデヒドを減少及び/又は除去する改良された方法と考えることができる。具体的には、本発明は、PRSからの1以上の戻り流を酢酸製造システムの分離システムに再循環することに関する。而して、PRS50からの戻り流は、反応器3又は反応器3への再循環ラインへは送らない。PRSは、好ましくは、PRCを減少及び/又は除去するための少なくとも1つの蒸留カラム及び少なくとも1つの抽出カラムを含む。ここでは単式蒸留カラムを有するPRSに関する図1を参照して本発明を記載しているが、米国特許6,339,171に記載されている複式蒸留PRC除去システムに同様に適用することができることを理解すべきである。例えば、図2に示すように、2つのPRC蒸留カラム81、82を用いる場合には、両方の蒸留カラムからの塔底流83、84を、別々か又は組み合わせて、代表的なPRS80において示されるような軽質留分カラム及び/又は乾燥カラムのいずれか又は両方に戻すことができる。第1のPRC蒸留カラム81からの塔頂流85は、好ましくは第2のPRC蒸留カラム82に送って、第2のPRC蒸留カラムからの塔頂流を、好ましくは図1に関連して上記で議論したように抽出する。
[0061]同様に、記載され、図1に示されるPRSは単抽出工程を含むが、システムに、例えば米国特許7,223,886に記載されているような多回抽出段階を含ませ、場合によっては多段階対向流抽出を含ませることができることを理解すべきである。本発明の種々の態様によれば、例えば、(i)PRS蒸留カラム及び/又は(ii)PRS抽出段階のいずれか又は両方から得られる1以上の流れを、(i)軽質留分除去カラム及び/又は(ii)酢酸製造システムのための分離システムの乾燥カラムのいずれか又は両方に戻すことができる。本明細書及び特許請求の範囲の目的のためには、軽質留分除去カラム及び乾燥カラムの塔頂流及び塔頂流デカンターは、軽質留分除去カラム及び乾燥カラムの一部であるとみなされる。
[0062]上記に示したように、本発明においては、低沸点塔頂蒸気流28のいずれかの相を次に処理して、PRC、主として流れのアセトアルデヒド成分を除去することができるが、PRCは、流れ32によって示される凝縮した軽質液体相30の一部、例えばアリコート部分から取り出し、これをPRS50に送る。
[0063]本発明によれば、流れ32を、軽質凝縮液体相30/32と比べてPRC、特にアセトアルデヒドに富むが、ヨウ化メチルとアセトアルデヒドの同等の沸点のためにヨウ化メチルも含む塔頂流36を形成するように機能するPRS内の蒸留カラム18に送る。塔頂流36は、軽質凝縮液体相30/32と比べて、且つこれも蒸留カラム18によって形成される塔底流38と比べて酢酸メチル、メタノール、及び/又は酢酸(望ましくは3つ全部)が欠乏している。塔底流38は、好ましくは、流れ30、32、及び36の任意の一つの組成と比べて、水、酢酸、メタノール、及び/又は酢酸メチル(望ましくは4つ全部)に富む。
[0064]一態様においては、PRS蒸留カラム18からの塔底流38の一部、例えばアリコート部分は、流れ39によって示されるように蒸留カラム18に還流する。流れ39と残りの塔底流との還流比は、場合によっては0.005:1〜0.5:1、例えば0.01:1〜0.1:1である。組成は用いる具体的なPRSによって変動する可能性があるが、PRS蒸留カラム塔頂流36及び塔底流38の幾つかの代表的な組成を表3に与える。
Figure 2013526571
[0065]示されていない1つの随意的な態様においては、PRS蒸留カラム18はまた、そうでなければカラム18の中央部において蓄積されるか又は塔頂流36中に導入される酢酸メチルに富む側流も形成する。この側流によって、酢酸メチルを除去するためのメカニズムを与えながら、蒸留カラム18を、塔頂流36中にアセトアルデヒドのより高い濃度を得るのに望ましい条件下で運転することが可能になる。酢酸メチルを含む側流は、好ましくはプロセス中に残留させて、反応器に戻すことができる。
[0066]本発明の第1の形態においては、塔底流38の第1の部分、例えばアリコート部分は、分離システムにおいて更に処理するために、戻り流75として軽質留分カラム14に送る。場合によっては、塔底流38の第1の部分は、図1に示すように、及び下記により詳細に説明するように、軽質留分カラム14中に導入する前に、ラフィネート74のような1以上の他の流れと混合する。
[0067]場合によっては上記記載の本発明の第1の形態と組み合わせることができる本発明の第2の形態においては、塔底流38の第2の部分54、例えばアリコート部分を、更なる処理のための戻り流として、乾燥カラム43、好ましくは乾燥カラム43の上部部分に送る。塔底流38の第2の部分54は、場合によっては、乾燥カラム43中に導入する前に1以上の他の流れと混合することができる。図1に示すように、第2の部分54は、(i)流れ51によって示されるように乾燥カラム43の頂部に直接加えるか、(ii)流れ52として、乾燥カラムデカンター46から得られる軽質相還流に加えて混合流53を形成し、これを乾燥カラム43中に導入するか、或いは(iii)両方を行うことができる。更なる随意的な態様においては、第2の部分54の全部又は一部を、デカンター46に直接加えるか、及び/又は反応器3に戻すことができる。
[0068]第1及び第2の形態の両方を含む態様においては、軽質留分カラムに送るPRS蒸留カラム塔底流の量と、乾燥カラムに送る塔底流の量との体積比は広範に変化させることができ、これは、水分制御、カラムの寸法、用いる触媒、不純物の存在、及びPRSへの供給速度のような事項によって定まる。好ましい形態においては、体積比は、1:1より大きく、例えば4:1より大きく、8:1より大きく、又は10:1より大きい。範囲に関しては、軽質留分カラムに送るPRS蒸留カラム塔底流の量と、乾燥カラムに送る塔底流の量との体積比は、1:1〜20:1、例えば5:1〜15:1、9:1〜13:1の範囲、又は約11:1である。
[0069]本明細書の目的のためには、「アリコート部分」という用語は、(i)それがそれから得られる親流と同じ組成を有する親流の一部;及び(ii)それがそれから得られる親流と同じ組成を有する親流の一部、及びそれと混合した1以上の更なる流れを含む流れ;の両方を指す。而して、PRS蒸留カラム塔底流38のアリコート部分75を含む戻り流を軽質留分カラム14に送るということは、PRS蒸留カラム塔底流の一部を軽質留分カラムに直接送ること、並びに(i)PRS蒸留塔底流の一部、及び(ii)軽質留分カラム中に導入する前にそれと混合する1以上の更なる流れを含む誘導流を送ることを包含する。「アリコート部分」は、例えば蒸留工程又は相分離工程において形成される流れ(これらは、それらがそれから得られる親流と組成的に同じではなく、かかる流れからも得られない)を包含しない。
[0070]PRS蒸留カラム18からの蒸気相36は、受容器20、例えばノックアウトドラム内で冷却及び凝縮する。得られる凝縮流40の少なくとも一部、例えばアリコート部分を抽出ユニット70に送って、そこで抽出剤、例えば水で抽出して、PRC、特にアセトアルデヒドを減少及び/又は除去する。好ましい態様においては、凝縮流40の一部を、場合によっては図1に示すようにPRS蒸留カラム塔底流38の一部39と混合した後に、流れ42として蒸留カラム18に還流する。
[0071]抽出ユニット70においては、抽出剤71、例えば水によってアセトアルデヒドを流れ40から抽出して、PRC、特にアセトアルデヒドを減少させ、水、アセトアルデヒド、及びヨウ化メチルを含む抽出流72を得る。ヨウ化メチルの量は、抽出剤、抽出条件、及び流れ40の組成に応じて変化する可能性がある。而して、アセトアルデヒドが分離プロセスから減少及び/又は除去される。抽出流72は一般に廃棄物として処理するが、幾つかの態様においてはアセトアルデヒドをストリッピングすることができ、抽出ユニット70において用いる水などのために水をプロセスに再循環する。抽出の効率は、抽出段数、及び水と供給流との比などの事項によって定まる。
[0072]水による抽出は単一段階又は多段階抽出のいずれかであってよく、かかる抽出を行うために用いられる任意の装置を本発明の実施において用いることができる。図1においては単一段階抽出が示されているが、多段階抽出、場合によっては対向流多段階抽出が好ましい。例えば、抽出は、流れ40を水71と混合し、混合物を引き続いて混合機、次に分離器に供給することによって行うことができる。好適な多回抽出ユニットが米国特許7,223,886(その全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。1つ又は複数の混合機及び1つ又は複数の分離器の組み合わせを直列に運転して、多段階抽出を得ることができる。多段階抽出は、望ましくは、2つの相の間の効率的な液−液接触を促進するようにデザインされている一連のトレー又は他の内部構造を有する単一の容器内で行う。容器には、撹拌して抽出効率を増加させるための1つ又は複数のパドル或いは他のメカニズムを備えることができる。かかる多段階抽出容器においては、流れ40は望ましくは容器の一端に近接して供給し、水を容器の他端或いは対向流を得るような他の位置に近接して供給する。
[0073]抽出における2つの相の間の相互可溶性は、温度と共に増加する可能性がある。したがって、抽出は、抽出器の内容物を液体状態に保持することができるような温度と圧力の組合せにおいて行うことが望ましい。更に、流れ40を曝露する温度を最低にして、アセトアルデヒドが関与する重合及び縮合反応の可能性を最小にすることが望ましい。抽出ユニット70において用いる水71は、望ましくは反応システム内の水平衡を維持するように内部流からのものである。ジメチルエーテル(DME)を抽出に導入して、抽出におけるヨウ化メチルの分離を向上させる、即ち抽出流72中へのヨウ化メチルの損失を減少させることができる。更に、又は或いは、プロセス条件又はPRSシステムは、DMEをその場で形成することができるようにデザインすることができる。例えば、一態様においては、DMEを、別に加えるか又はその場で形成して、抽出流72中のヨウ化メチル濃度を1.8重量%未満、例えば1.5重量%未満、1.0重量%未満、又は0.7重量%未満の量に減少させるのに十分な量で抽出工程中に存在させることができる。範囲に関しては、DMEは、別に加えるか又はその場で形成して、抽出流72中のヨウ化メチル濃度を0.5〜1.8重量%、例えば0.5〜1.5重量%、0.5〜1.0重量%、又は0.5〜0.7重量%の量に減少させるのに十分な量で抽出工程中に存在させることができる。
[0074]本発明の第1及び第2の形態のいずれか又は両方と組み合わせることができる本発明の好ましい第3の形態によれば、特にヨウ化メチルを含む抽出からのラフィネート74は、望ましくは、示されているように、場合によっては第1の部分75のような1以上の他の流れと混合した後に軽質留分カラム14に戻す。軽質留分カラム中に導入したら、ラフィネート74からのヨウ化メチルは、好ましくは主として塔頂流28を通して軽質留分カラムから排出し、対応する相分離ユニット16の重質相中に蓄積させる。
[0075]本発明の第1、第2、及び/又は第3の形態の1以上と組み合わせることができる本発明の第4の形態によれば、点線の矢印55によって示されるように、抽出からのラフィネート74の全部又は一部を、場合によっては第2の部分54のような1以上の他の流れと混合した後に乾燥カラム43に戻す。乾燥カラム中に導入したら、ラフィネート74からのヨウ化メチルは、好ましくは主として塔頂流44を通して乾燥カラムから排出し、対応する相分離ユニット46の重質相中に蓄積させる。ラフィネート74からの酢酸メチルは、好ましくは同じ経路を辿らせる。
[0076]示していない他の随意的な態様においては、ラフィネート74の全部又は一部を、デカンター16に直接加えることができ、及び/又は反応器3に戻すことができる。
[0077]示されている非限定的な態様においては、流れ74中のラフィネートは、PRS蒸留カラム塔底流38のアリコート部分75と混合して混合流76を形成する。混合流76は、次に軽質留分カラム還流流34に加えて、得られる流れを軽質留分カラム14の頂部に加える。勿論、当業者に認められるように、これらの流れは、種々の他の構成で軽質留分カラム14に加えることができる。例えば、これらの流れを異なる順番で混合するか、又は別々に軽質留分カラム14に加えることができる。
[0078]本発明においては、ヨウ化メチルからのアセトアルデヒドの分離の効率は、主として水中のアセトアルデヒド及びヨウ化メチルの相対溶解度によって影響を受ける。アセトアルデヒドは水中に混和性であるが、ヨウ化メチルはそうではない。しかしながら、水中のヨウ化メチルの溶解度は、プロセスシステムからのヨウ化メチルの付随する損失と共に、酢酸メチル及び/又はメタノールのレベルが増加するにつれて増加する。十分に高い酢酸メチル及び/又はメタノールのレベルにおいては、水抽出におけるヨウ化メチルの相分離は起こらない可能性がある。同様に、水抽出におけるヨウ化メチルの相分離は、酢酸濃度が十分に高いと起こらない可能性がある。而して、凝縮して例えば流れ40として抽出のために与える留出物は、約10重量%未満、より望ましくは約5重量%未満、更により望ましくは約2重量%未満、更により望ましくは約1.5重量%未満の合計濃度のメタノール及び酢酸メチルを含むことが望ましい。凝縮して抽出のために与える留出物は、約3重量%未満、より望ましくは約1重量%未満、更により望ましくは約0.5重量%未満の酢酸を含むことが望ましい。ほぼ0重量%の酢酸濃度が特に望ましい。
[0079]而して、本発明方法においては、蒸留、場合によっては単式蒸留は、蒸留カラム18内において、蒸気相36中の酢酸メチル及び酢酸の量を制御、特に最小にするようにデザインされている条件下で行う。望ましくは、蒸気相36中の酢酸メチル及び酢酸の量の最小化は、同時に蒸留カラム18の残渣中よりも高い蒸気相36中のアセトアルデヒドレベルを維持しながら行う。蒸留カラム18の残渣は、約0.3重量%未満、より望ましくは約0.2重量%未満、更により望ましくは約0.1重量%未満のアセトアルデヒドを含むことが望ましい。ほぼ0重量%のアセトアルデヒド濃度が特に望ましい。
[0080]而して、図1に示す本発明の一態様によれば、低沸点塔頂蒸気流28を、塔頂流受容器デカンター16内において凝縮し、そこで二相分離して、凝縮した重質液体相31及び軽質の凝縮液体相30を形成する。軽質凝縮液体相30は、流れ30/32を通してPRS蒸留カラム18に供給する。本発明のこの態様及び他の態様においては、流れ30の一部を、場合によってはPRS蒸留カラム塔底流38及び/又はラフィネート流74のいずれか又は両方の一部75、例えばアリコート部分と混合した後に、還流流34として軽質留分カラム14に戻すことができる。好ましくは、混合流76は還流流34と混合する。
[0081]本開示の利益を有する当業者であれば、本発明の望ましい結果を達成するPRS蒸留カラムをデザイン及び運転することができる。かかる努力は、時間がかかり複雑である可能性があるが、それでも本開示の利益を有する当業者には日常的な業務であろう。したがって、本発明の実施は、特定の蒸留カラムの具体的な特徴、或いは全段数、供給位置、還流比、供給流温度、還流温度、カラム温度プロファイルなどのようなその運転特性に必ずしも限定されない。
[0082]本発明の1つの非限定的な態様にしたがって反応器への酸の再循環を減少させることの利益は、以下の物質収支の例を検討すればより良好に理解されるであろう。
[0083]低水組成で運転する場合には、メタノールカルボニル化ユニットは水を消費又は生成しない。反応器の水組成は、精製セクションから反応器へ戻す再循環流の流速を操作することによって制御される。したがって、定常状態においては、再循環流中に含まれる水の全量は、反応器水組成に関する所望の設定点によって定められる。ASPEN Plus 7.1シミュレーションソフトウエアを用い、従来のプロセスと、図1に示す本発明の一態様による改良されたプロセスとの間の比較を物質収支計算によって求めたところ、再循環流中に含まれる水の全量は両方の場合において同一であった。この物質収支の例においては、図1に示すように、PRC蒸留カラムからの塔底流の1つのアリコート部分を軽質留分カラムに送り、PRC蒸留カラムからの塔底流の第2の部分54を乾燥カラム43に送った。また、抽出ユニット70からのラフィネート74も軽質留分カラム14に送った。
[0084]この仮定の元で、本発明の一態様による図1の水再循環流41及び第2の部分54の組成を物質収支によって求め、軽質留分デカンター中の液相を反応器に再循環する(流れ6)従来のプロセスからの流れと比較した。結果を表4に示す。
Figure 2013526571
[0085]示されるように、改良された方法の最終結果は、軽質留分カラムからの軽質相の再循環率の減少、及び乾燥カラムからの軽質相の再循環率の増加であった。軽質留分カラムの軽質相は、乾燥カラムの軽質相よりも高い割合の酢酸を含んでいるので、改良された方法は、驚くべきことに且つ予期しなかったことに、同等の全量の水を再循環した場合に従来の方法よりも30%少ない酢酸の再循環を有する。酢酸の再循環のこの減少は、図1に示し本明細書において記載する方法の従来の方法を凌ぐ大きな利益である。
[0086]本発明を詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内の修正は当業者には容易に明らかであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(それらの開示事項は全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は特許請求の範囲において示す本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができると理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

Claims (28)

  1. 酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物から過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を除去する方法であって、
    (a)軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;
    (b)PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し;
    (c)蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;そして
    (d)塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を軽質留分カラムに送る;
    工程を含む上記方法。
  2. 塔底流のアリコート部分を1以上のプロセス流と混合して第1の戻り流を形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 水性相を1以上の蒸留カラム内において分離する、請求項1に記載の方法。
  4. 第1の戻り流を軽質留分カラムの還流中に送ることを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 第1の戻り流を軽質留分カラムに還流することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 抽出媒体が、水、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. (e)塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する;
    工程を更に含み、
    第1の戻り流がラフィネートの少なくとも一部を更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 抽出工程において、ジメチルエーテルを、PRC抽出流中のヨウ化メチル濃度を1.8重量%未満の量に減少させるのに十分な量で存在させる、請求項7に記載の方法。
  9. 抽出工程において、ジメチルエーテルを、PRC抽出流中のヨウ化メチル濃度を1.0重量%未満の量に減少させるのに十分な量で存在させる、請求項7に記載の方法。
  10. 抽出工程において、ジメチルエーテルを、PRC抽出流中のヨウ化メチル濃度を0.5〜1.8重量%の量に減少させるのに十分な量で存在させる、請求項7に記載の方法。
  11. (f)乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして
    (g)塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;
    工程を更に含む、請求項7に記載の方法。
  12. 第2の戻り流が、ラフィネートのアリコート部分、乾燥カラムの還流流、又はこれらの組合せを更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. (e)乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして
    (f)塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;
    工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  14. (g)塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する;
    工程を更に含み、
    第2の戻り流がラフィネートの一部を更に含む、請求項13に記載の方法。
  15. (e)塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成し;
    (f)乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして
    (g)ラフィネートのアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;
    工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  16. 酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物から過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を除去する方法であって、
    (a)軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;
    (b)PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し;
    (c)蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;
    (d)抽出ユニット内において、塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出してPRC抽出流及びラフィネートを形成し;そして
    (e)ラフィネートのアリコート部分を含む第1の戻り流を軽質留分カラムに送る;
    工程を含む上記方法。
  17. 抽出媒体が、水、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  18. ラフィネートのアリコート部分を1以上のプロセス流と混合して第1の戻り流を形成する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
  19. 塔底流の少なくとも一部を、場合によっては第1の戻り流の一部として軽質留分カラムに送る、請求項16に記載の方法。
  20. (f)乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして
    (g)塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;
    工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
  21. 第2の戻り流が塔底流のアリコート部分及び還流流を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 第1の戻り流が塔底流のアリコート部分を更に含む、請求項16に記載の方法。
  23. 酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物から過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を除去する方法であって、
    (a)軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;
    (b)PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し:
    (c)蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;
    (d)乾燥カラム内において、酢酸流を蒸留して水流及び酢酸生成物流を形成し;そして
    (e)塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を乾燥カラムに送る;
    工程を含む上記方法。
  24. 第1の戻り流が塔底流のアリコート部分及び還流流を含む、請求項23に記載の方法。
  25. (f)塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成する;
    工程を更に含み、
    第1の戻り流がラフィネートのアリコート部分を更に含む、請求項23に記載の方法。
  26. 抽出媒体が、水、ジメチルエーテル、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. (f)塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成し;そして
    (g)ラフィネートのアリコート部分を含む第2の戻り流を軽質留分カラムに送る;
    工程を更に含む、請求項23に記載の方法。
  28. 酢酸及び1種類以上のPRCを含む粗酢酸組成物から過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)を除去する方法であって、
    (a)軽質留分カラム内において、粗酢酸組成物をPRCに富む流れ及び酢酸流に分離し;
    (b)乾燥カラム内において、酢酸流の少なくとも一部を分離して水流及び酢酸生成物流を形成し;
    (c)PRCに富む流れを水性相及び有機相に分離し;
    (d)蒸留カラム内において、水性相を塔頂流及び塔底流に分離し;
    (e)塔頂流の少なくとも一部を抽出媒体によって抽出して、PRC抽出流及びラフィネートを形成し;
    (f)塔底流のアリコート部分を含む第1の戻り流を軽質留分カラムに送り;
    (g)ラフィネートの少なくとも一部を、場合によっては第1の戻り流の一部として軽質留分カラムに送り;そして
    (h)塔底流のアリコート部分を含む第2の戻り流を乾燥カラムに送る;
    工程を含む上記方法。
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