JP2008538899A - L−アミノ酸の発酵的製造方法 - Google Patents

L−アミノ酸の発酵的製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、アミノ酸の発酵的製造方法に関する。
本発明では、アラニントランスアミナーゼの活性を減少させるか排除することにより、特にアミノ酸L-バリン、L-リジンおよびL-イソロイシンが高い収量で酸性される。
さらに、配列番号1の101〜1414番目の配列における核酸が、アラニントランスアミナーゼ遺伝子をコードする配列として同定された。これを用いることによりL-アラニンを製造することができる。

Description

本発明の対象は、L-アミノ酸の製造方法である。
L−アミノ酸は、ヒト用の薬剤、医薬工業、食品工業、および動物用食品に使用されている。
アミノ酸がコリネ型(coryneformer)の細菌株、特にコリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)の発酵により製造されることが知られている。非常に重要な方法であるため、製造方法の改善が継続的に研究されている。方法の改善は、例えば、撹拌および酸素の供給のような発酵技術的な方法、または例えば発酵の間の糖濃度のような培養基の組成、または例えばイオン交換クロマトグラフィーによる生成物形態の処理、または微生物自体の内因的性能特性に関するものである。
これらの微生物の性能特性の改善には、突然変異誘発、選択および突然変異体選択の方法が用いられる。このような方法により、代謝拮抗物質に対して抵抗性であるか、または調節性の重要な代謝産物に関して栄養要求性であって、そして、L-アミノ酸を産生する株が得られる。これに関する例として、特許文献1には、L-バリンに対して抵抗性であり、フルオロピルビン酸塩に対して感受性であるコリネバクテリウム株が記載されている。さらに、特許文献2には、L-バリンの製造に、好ましくは、ミコフェノール酸に対して抵抗性を有するコリネバクテリア(Corynebacterien)を使用できることが記載されている。また、突然変異させたバリル-tRNA合成酵素を有する突然変異体を、さらなる突然変異と組み合わせることにより、L-バリンの形成に使用できることが知られている(特許文献3、特許文献4)。
コリネバクテリウムのL-アミノ酸産生株の内因的性質の改善には、さらに、組換えDNA技術が用いられる。生合成関連遺伝子ilvBN、ilvC、ilvDの発現を増大させることがL-バリンの形成に有利であることが記載されている(特許文献5および特許文献6)。さらに、スレオニンデヒドラターゼ遺伝子ilvAおよび/またはパントテン酸塩合成の遺伝子を減少させもしくは排除することにより、Lバリンを形成させることができることも知られている(特許文献7)。
性能特性の改善はまた、副生成物の形成を低下させることによっても達成される。これは、部分的には、好適な発酵処理法によって達成される。特定の遺伝子の発現により、副生成物の形成を低下させることができることもまた知られている。例えば、avtAを発現させることにより、L-ロイシンの形成が増加し、そして付随的なアミノ酸であるL-バリンの形成が低下する(特許文献8)。多くの場合に、形成される副生成物、例えば、乳酸塩およびアラニンはピルビン酸塩から形成されことが知られており、これらは両方ともピルビン酸塩から直接生成する(非特許文献1)。他方、ピルビン酸塩は、例えばL-イソロイシン、L-バリンおよびL-リジンのようなアミノ酸の構成要素としても必要とされるものである。
技術水準における方法では、微生物の内因的性質のために、望ましくない副生成物としてアラニンが依然として形成し、そして、目的アミノ酸、例えばL-バリンの収量が相対的に低くなってしまう。
米国特許第5,521,074号明細書 欧州特許第0287123号明細書 欧州特許出願公開第0519113号明細書 米国特許第5,658,766号明細書 欧州特許第1155139号明細書 欧州特許第0356739号明細書 欧州特許第1155139号明細書 国際公開第00171021号パンフレット Uy D. et al., J. Biotechnol. 2003 Sept. 4; 104(1-3):173-184
本発明の課題は、好ましくはピルビン酸塩に由来するL-アミノ酸の発酵的製造を改善するための新しい方法を提供することにあり、この方法により高い産生物収量を得ることができる。特に、L-バリン、L-イソロイシンおよびL-リジンの製造において高い収量が得られる。
驚くべきことに、この課題は、アラニントランスアミナーゼの活性を天然に存在する株と比較して減少させるかまたは完全に排除すること、あるいはアラニン産生を低下させることによって解決される。さらに、アラニントランスアミナーゼが同定されることによって課題が解決される。
本発明のアラニントランスアミナーゼは、特にL-アラニントランスアミナーゼを意味する。
驚くべきことに、アミノ酸、特にL-バリン、L-リジンおよびL-イソロイシンの産生に関して収量が著しく増加した。
以下において、本発明を説明する:
図はプラスミドを示す:
図1:実施例3における、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の活性を解析するためのプラスミド、
図2:実施例4における、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の欠失用に使用されるプラスミド
さらに、以下:
配列番号1:アラニントランスアミナーゼをコードする遺伝子配列
配列番号2:アラニントランスアミナーゼのアミノ酸配列
を示す。
配列番号1は、アラニントランスアミナーゼのヌクレオチド101〜1414をコードする。
配列番号2は、配列番号1の101〜1414のヌクレオチドによりコードされるアラニントランスアミナーゼの配列を示す。
本発明においては、例えば以下の方法が用いられる:
アラニントランスアミナーゼ遺伝子の排除は、欠失または破壊により行うことができる。
ここで驚くべきことに、「国立衛生研究所」の公共的に利用可能なデータバンクにNCgl2747という番号で寄託されており、その機能が従来知られていなかった遺伝子が、アラニントランスアミナーゼをコードするものとして同定された。従って、該遺伝子もまた本発明の対象である。配列は配列番号1で表される(ヌクレオチド101〜1414)。
本発明にはまた、配列番号1の配列を含む遺伝子構造体も包含される。これは、染色体、プラスミド、ベクター、ファージ、ウイルス等であってもよい。さらに、遺伝子配列またはヌクレオチド配列自体も本発明に包含される。
配列番号1(ヌクレオチド101〜1414)の配列は、アラニントランスアミナーゼをコードし、従ってそれを製造するのに使用することもできる。これに関して、当業者は、公知の方法、例えば過剰発現、プロモーターまたは開始コドンの増強を使用することができる。アラニントランスアミナーゼの産生には、例えば、本明細書に記載の生物を使用することができる。
さらに、アラニントランスアミナーゼをコードする遺伝子はそれぞれ欠失させるか、または破壊することができる。
アラニントランスアミナーゼ活性を低下させる際には、例えば以下の方法を使用することができる:
− アラニントランスアミナーゼ遺伝子をコードする配列における突然変異、および/または
− アラニントランスアミナーゼの発現の低下、および/または
− アラニントランスアミナーゼに連結したプロモーターの減少または排除、および/または
− アラニントランスアミナーゼ遺伝子に連結した開始コドンの突然変異または欠失、および/または
− 例えば、アラニントランスアミナーゼの触媒中心を遮断する基質の添加、または、例えば突然変異を引き起こす化学的な置換による、前記触媒中心の遮断。
本発明においては、好ましくはコリネ型細菌、特に好ましくはコリネバクテリウム・グルタミカムが使用される。
本発明はまた、アラニントランスアミナーゼをコードする遺伝子の欠失または不活化のためのプラスミドを対象とする。このプラスミドは、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の内部配列、またはアラニントランスアミナーゼ遺伝子の3’末端および5’末端付近の配列を含む。
これは、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の配列またはアラニントランスアミナーゼ遺伝子付近の配列、好ましくは遺伝子の3’末端および5’末端に直接隣接する領域を含んでいる必要があり、これは理想的には図2で表されるプラスミドである。
アミノ酸L-バリンは、ヒト用の薬剤、医薬工業、食品工業、および動物用食品において使用されている。
本発明はまた、アラニンの産生が低下するかまたは完全に排除されており、あるいは、アラニントランスアミナーゼ活性が低下するかまたは完全に排除されている微生物または形質転換細胞もしくは組み換え細胞を対象とする。
使用される株は、好ましくは、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の欠失前に既に、L-バリンまたはL-イソロイシンまたはL-リジンを産生している。
好ましい実施態様は、特許請求の範囲にも記載されている。
これに関連して、「改変」という語句は、例えば、弱いプロモーター、または活性が減少している対応の酵素をコードする遺伝子もしくは対立遺伝子を使用するか、または対応する遺伝子(蛋白質)を減少させた量で発現させること、および場合によってこれらの方法を組み合わせることによって、あるいは、それどころか遺伝子を完全に欠失させることによって、微生物中のアミノ酸(蛋白質)の製造に関する1種またはそれ以上の生合成酵素(対応するDNAによってコードされる)の細胞内活性を減少させることを意味する。
本発明の対象である微生物は、グルコース、サッカロース、ラクトース、フルクトース、マルト―ス、糖蜜、デンプン、セルロースから、またはグリセリンおよびエタノールから、L-バリン、またはピルピン酸塩に由来する他のL-アミノ酸を製造することができる。代表的なものとしては、コリネ型細菌、特にコリネバクテリウム属が挙げられる。コリネバクテリウム属では、特にコリネバクテリウム・グルタミカム種が挙げられ、そのL-アミノ酸産生能力は当業者に公知となっている。
コリネバクテリウム属、特にコリネバクテリウム・グルタミカム種の好適な出発株は、例えば、公知の野生型株、コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032、コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806、コリネバクテリウム・アセトアシッドフィラム(Corynebacterium acetoacidophilum) ATCC13870、コリネバクテリウム・サーモアミノゲン FERM BP-1539、ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14067、ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム ATCC13869、およびブレビバクテリウム・ディバリカタム ATCC14020、ならびに、これらから製造されL-アミノ酸を過剰産生する突然変異体、または本発明に従って改変された株である。
コリネ型細菌では、アラニントランスアミナーゼをコードする遺伝子の減少または排除の後に、L-アミノ酸バリン、ロイシンおよびイソロイシンの産生が改善する。
アラニントランスアミナーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は、C.グルタミカムの完全ゲノム配列の作製によって必然的に知れらている(Kalinowski et al., 2003, J. Biotechnol., 104:5-25; Ikeda M., and Nakagawa S. 2003 Appl. Microbiol. Biotechnol. 62:99-109)が、アラニントランスアミナーゼに対するオープンリーディングフレームのアサインメントについては知られていない。アラニントランスアミナーゼをコードし、以下のように実施例において記載および同定されるオープンリーディングフレームは、NCgl2747という番号で「国立衛生研究所」(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)の公共的に利用可能なデータバンクに寄託される。同様に、公共的に利用可能な「日本のDNAデータバンク(<http://gib.genes.nig.ac.jp>)」においてもCgl2844として確認することができる。
このような番号で記載されるアラニントランスアミナーゼ遺伝子は、本発明において、好ましくは本発明の基点として用いられる。さらに、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の対立遺伝子が使用され、これは、例えば、遺伝コードの縮退から、または機能は変わらないセンス突然変異により、またはヌクレオチドの欠失もしくは挿入により生じる。
前記の減少を達成するためには、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の発現または酵素蛋白質の触媒的性質を低下させてもよい。同様に、酵素蛋白質の触媒的性質は、その基質特異性に関しても変化させることができる。場合によっては、2つの方法が組み合わされる。
適切な培養の実施により、または、遺伝子発現のシグナル構造体の遺伝的改変(突然変異)により遺伝子発現を減少させることができる。遺伝子発現のシグナル構造体とは、例えば、リプレッサー遺伝子、アクチベーター遺伝子、オペレーター、プロモーター、アテニュエーター、リボソーム結合部位、開始コドン、およびターミネーターである。これらの事項は、当業者には、例えば、国際公開第96/15246号パンフレット、「Boyd und Murphy(J. Bacteriol. 1988. 170: 5949)」、「Voskuil und Chambliss (Nucleic Acids Res . 1998. 26: 3548」、「Jensen und Hammer (Biotechnol . Bioeng. 1998 58: 191)」、「Patek et al . (Microbiology 1996. 142: 1297」、および、例えば「Knippers "Molekulare Genetik", 8. Auflage, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Deutschland, 2001」または「Winnacker "Gene und Klone", VCH Verlagsgesellschaft, Weinheim, Deutschland, 1990」のような遺伝学および分子生物学の公知の教科書において公知となっている。
酵素蛋白質の触媒的な性質を改変させるため、特に基質特異性を改変させるための突然変異は、本技術分野において公知である。その例としては、「Yano et al. 1998 Proc Natl Acad Sei U S A. 95:5511-5」、「Oue S. et al. J Biol Chem. 1999, 274:2344-9」および「Onuffer et al . Protein Sei. 1995 4:1750-7」が挙げられる。突然変異においては、トランジション、トランスバージョン、挿入および欠失、ならびに指向進化による方法が考えられる。これらの突然変異および蛋白質の製造に関するマニュアルは技術水準の範囲内であり、公知の教科書(R. Knippers "Molekulare Genetik", 8. Auflage, 2001, Georg Thieme Verlag, Stuttgart, Deutschland)または概要を記した論文(「N. Pokala 2001, J. Struct . Biol ..134 :269-81」;「A. Tramontano 2004, Angew. Chem. Int. Ed Engl. 43:3222-3」;「N. V. Dokholyan 2004, Proteins. 54:622-8」;「J. Pei 2003, Proc. Natl. Acad. Sei. U S A. 100:11361-6」;「H. Lilie 2003, EMBO Rep. 4:346-51」;「R. Jaenicke Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 42:140-2」)に記載されている。
遺伝子または突然変異を有する遺伝子の発現減少は、天然の染色体遺伝子を突然変異させた遺伝子と交換する、例えばMorbach等(Appl. Microbiol. Biotechnol. 1996, 45: 612-620)によって記載されるような慣用の遺伝子交換方法に従って行われる。遺伝子の欠失は、ScharzerおよびPuehlerによって(Biotechnology 1990, 9: 84-87)、ならびにSchaefer等(Appl. Environ. Microbio. 1994, 60: 756-759)によって記載されるように行う。遺伝子交換または欠失のための、ベクターによる所望の株の形質転換は、出発株の接合またはエレクトロポレーションによって行われる。接合の方法は、例えばSchaefer等(Appl. Environ. Microbio. 1994, 60: 756-759)によって記載されている。形質転換の方法は、例えばTauch等(FEMS Microbiological Letters (1994)123:343-347)によって記載されている。
これらの方法により、アラニントランスアミナーゼ遺伝子を欠失させるか、またはその対立遺伝子にC.グルタミカム中において交換することができる。
さらに、L-バリンの産出には、アラニントランスアミナーゼ活性を減少させるかまたは欠失させることに加えて、以下の群:
- アセトヒドロキシ酸シンターゼをコードするilvBN遺伝子、
- 異性体レダクターゼ(Isomeroreduktase)をコードするilvC遺伝子
- デヒドラターゼをコードするilvD遺伝子
- トランスアミナーゼCをコードするilvE遺伝子
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子を増大、特に、過剰発現させるか、または、これらの遺伝子の対立遺伝子、特に、
- フィードバック抵抗性のアセトヒドロキシ酸シンターゼをコードする遺伝子ilvBN遺伝子
を増大させるかまたは過剰発現させるのが有利である。
さらに、アラニントランスアミナーゼ活性を減少させることに加えて、以下の群:
- パントテン酸塩の合成をコードするpanBCD遺伝子
- リポ酸の合成をコードするlipAB遺伝子
- ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードするaceE、aceF、1pD遺伝子
- ATPシンターゼAサブユニット、ATPシンターゼBサブユニット、ATPシンターゼCサブユニット、ATPシンターゼアルファサブユニット、ATPシンターゼガンマサブユニット、ATPシンターゼサブユニット、ATPシンターゼイプシロンサブユニット、ATPシンターゼデルタサブユニットの遺伝子、
から選択される1種またはそれ以上の遺伝子を不活化または減少させるのが、L-バリンの産出に有利である。
最後に、アラニントランスアミナーゼの減少に加えて、例えばロイシンを生じさせる望ましくない副反応を排除することがL-バリンの産生には有利であり得る。(Nakayama: of Amino Acid Producing Micro-organismsin: Overproduction of Microbial Products, Krumphanzl, Sikyta, Vanek (eds.), Academic Press, London, UK, 1982)。
本発明において製造された微生物は、バリン産生を目的として、継続的に、またはバッチ法(1回の培養)もしくはフィードバッチ法(Zulaufverfahren)もしくは反復フィードバッチ法(repetitives Zulaufverfahren)で非継続的に培養することができる。公知の培養方法の概要は、Chmielの教科書(Bioprozesstechnik 1. Einfuerung in die Bioverfahrenstechnik (Gustav Fischer Verlag, Stuttgart, 1991))またはStorhasの教科書(Bioreaktoren und periphere Einrichtungen (Vieweg Verlag, Braunschweig/Wiesbaden, 1994))に記載されている。
使用する培養培地は、適当な方法において、それぞれの微生物の要求を満たさなければならない。種々の微生物の培養培地については、「Handbuch "Manual of Methods for General Bacteriology" der American Society for Bacteriology (Washington D.C, USA, 1981)」に記載されている。炭素源としては、例えば、グルコース、サッカロース、ラクトース、フルクトース、マルト―ス、糖蜜、デンプンおよびセルロースのような糖および炭水化物、例えば、大豆油、ヒマワリ油、落花生油およびヤシ油のような油および油脂、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸およびリノール酸のような脂肪酸、例えば、グリセリンおよびエタノールのようなアルコール、および、例えば、酢酸のような有機酸を使用することができる。これらの物質は、単独でまたは混合物として使用することができる。窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、食肉エキス、麦芽エキス、コーンスティープリカー、大豆粉および尿素のような窒素含有有機化合物、または、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウムおよび硝酸アンモニウムのような無機化合物を使用することができる。該窒素源は単独で、または混合物として使用することができる。リン源としては、リン酸二水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムまたは対応するナトリウム含有塩を使用することができる。培養培地はさらに、例えば硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄のような金属塩をさらに含んでおり、これらは増殖に必須である。最後に、上述の物質に加えて、アミノ酸およびビタミンのような成長促進物質を使用することができる。上述の使用物質は、培養の間に、培養液に1回の添加物の形態で添加するか、または適当な方法で添加することができる。
培地のpH調節のために、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアのような塩基性化合物、または、リン酸または硫酸のような酸性化合物が適当な方法で使用される。泡の発生を制御するために、例えば脂肪酸ポリグリコールエステルのような抑泡剤を使用することができる。プラスミドの安定性を維持するために、適当な選択効果を有する物質、例えば抗生物質を培地に添加することができる。好気性条件を維持するためには、酸素または例えば空気のような酸素含有気体混合物を培地に導入する。通常、培養の温度は20℃〜45℃であり、好ましくは25℃〜40℃である。最大量のL-バリンが産生されるまで培養が続けられる。この目標は、通常、10〜160時間で達成される。
<実施例1:アラニントランスアミナーゼのクローニング>
PCR反応を用いて、アラニントランスアミナーゼ遺伝子を含むDNA断片を増幅させた。以下のプライマーを使用した:
orf234-for:
5’- ATGGTA(GGTCTC)AAATGACTACAGACAAGCGCAAAACCT -3’
orf234rev:
5’- ATGGTA(GGTCTC)AGCGCTCTGCTTGTAAGTGGACAGGAAG -3’
前記のプライマーはMWG Biotech AG(Anzinger Str. 7a, D-85560 エバースベルク)により合成され、PCR反応は適切な標準的プロトコールに従って実施された(Innis et al . PCR Protocols. A guide to Methods and Applications. 1990. Academic Press)。該プライマーにより、アラニントランスアミナーゼをコードする約1.3 kbのDNA断片が得られた。さらに、該プライマーは制限酵素BsaIの切断部位を含み、それは前記のヌクレオチド配列においてカッコで記載されている。
増幅させた約1.3 kbのDNA断片を0.8%アガロースゲルで同定し、公知の方法によってゲルから単離した(QIAquikゲル抽出キット、Quiagen製、ヒルデン)。発現ベクターpASK-IBA-3C(IBA製、ゲッティンゲン)中への断片のライゲーションをSureCloningキット(Amersham製、英国)を用いて行った。ライゲーション液を用いてE.coli DH5の形質転換を行った(Grant et al . , 1990. Proceedings of the National of Sciences of the United States of America USA, 87:4645-4649)。プラスミド含有株の選択を、25 mg/Lのクロラムフェニコールを含むLBプレート上に形質転換体を播種することにより行った。
プラスミドの単離後、制限酵素消化およびゲル電気泳動解析により、得られたプラスミドの特性を解析した。回収したプラスミドはpASK-IBA-3Corf234と命名した。これは図1に示す。
<実施例2:アラニントランスアミナーゼの単離>
pASK-IBA-3Corf234を有するE. coli DH5を、25 mg/Lのクロラムフェニコールを含む100 mLのLB中で、光学密度が0.5になるまで30℃で培養した。その後、ジメチルホルムアミド1 mLあたり2 mgの無水テトラサイクリンを含む無水テトラサイクリン溶液を0.01 mL添加した。培養液を30℃で3時間インキュベートした。引き続いて、5000rpm、4℃で12分間遠心分離を行うことにより細胞を回収した。その後、細胞ペレットを洗浄バッファー(100 mM トリヒドロキシメチルアミノメタン、1 mM エチレンジアミンテトラ酢酸、pH 8)に再懸濁し、エッペンドルフ反応チューブに移した。超音波破砕機(Branson Sonifier W-250、 Branson Sonic Power Company製、ダンベリー、米国;超音波処理時間 10分、パルス長 20 %、超音波処理強度 2)により、細胞破砕を0℃で行った。超音波処理の後に、細胞の破片を遠心分離(30分、13000rpm、4℃)により取り除き、上清を粗製抽出物として回収した。
蛋白質の単離のために、IBA社(IBA、ゲッティンゲン、独国)製のStrepTactinアフィニティーカラムに、1 mLのベッドボリュームのStrepTactinセファロースを充填した。IBA製の洗浄バッファーを用いてカラムの平衡化を行った後、1 mLの粗製抽出物をセファロース上に添加した。抽出物を通した後に、アフィニティーカラムを1 mLの洗浄バッファーで5回洗浄した。アラニントランスアミナーゼ蛋白質の溶出を、100 mM Tris、1 mM EDTA、2.5 mM デスチオビオチンからなる溶出バッファー(pH 8)を用いて行った。溶出フラクションを等分して-20℃で凍結し、酵素試験に直接使用した。
<実施例3:アラニントランスアミナーゼの活性測定>
酵素試験の反応液は、1 mLの全容量中に、0.25 M Tris/HCl(pH 8)を0.2 ml、アラニントランスアミナーゼ蛋白質を0.005 mlおよび2.5 mM ピリドキサルリン酸塩を0.1 ml、並びに、40 mM ピルビン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-グルタミン酸塩を0.1 ml、または40 mMピルビン酸塩を0.1 mlおよび0.5 Mアスパラギン酸塩を0.1 ml、または40 mM ピルビン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M α-アミノ-ブチレートを0.1 ml、または40 mM ピルビン酸塩を0.1 mlおよび0.5 M L-グルタミン酸塩を0.1 ml(アラニントランスアミナーゼ蛋白質を含まない)、を含んでいた。エッペンドルフ社(ハンブルク)製のサーマルサイクラー5436において、30℃で酵素試験を行った。蛋白質の添加により反応を開始させた。30μLの停止剤(水における6.7%(v/v)の過塩素酸(70 %)、40 % (v/v)のエタノール(95 %))を各50μLの試験反応液に添加することにより、酵素試験を停止させた。形成したアミノ酸の逆相HPLCによる確認のためのサンプルを調製するために、20μLの中和バッファー(20 mM Tris、2.3 M 炭酸二カリウム、pH 8)を添加した。過塩素酸の中和により沈殿した沈殿物について遠心分離(13000 rpm、10分)を行い、上清を様々に希釈したものをHPLCを用いる定量化に使用した。これは、記載されるように(Hara et al. 1985, Analytica Chimica Acta 172:167-173)、O-フタルジアルデヒドを用いる自動誘導化の後に行われた。表1に示すように、単離された蛋白質は、ピルビン酸塩からアラニンへのL-グルタミン酸、L-アスパラギン酸およびα-アミノブチレートに依存するアミノ化を触媒する。
表1
Figure 2008538899
特異的活性は、1分あたり、および1ミリグラムのアラニントランスアミナーゼ蛋白質あたりの生成物のマイクロモルを示す。
<実施例4:アラニントランスアミナーゼ遺伝子の欠失>
PCR反応を用いて、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の側に位置する2個のDNA断片を増幅させた。以下のプライマー:
Del234_1:
5’- CG(GGATCC)CATGCAACCGATCTGGTTTTGTG - 3’
Del234_2:
5’- CCCATCCACTAAACTTAAACAGCGCTTGTCTGTAGTCACCCG - 3’

Del234_3:
5’- TGTTTAAGTTTAGTGGATGGGCGCCTGGGTAACTTCCTGTCC - 3’
Del234_4:
5’- CG(GGATCC)GATTGATCATGTCGAGGAAAGCC - 3’
を使用した。
前記のプライマーはMWG Biotech AG(Anzinger Str. 7a , D-85560 エバースベルク)により合成され、PCR反応は適切な標準的プロトコールに従って実施された(Innis et al . PCR Protocols. A guide to Methods and Applications. 1990. Academic Press)。該プライマーにより、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の側に位置する約400 bpのDNA断片が増幅された。プライマーDel234_1およびDel234_4はさらに制限酵素BamHIの切断部位を含み、それは前記のヌクレオチド配列においてカッコで記載されている。増幅させた約400 bpのDNA断片を0.8%アガロースゲルで同定し、公知の方法によってゲルから単離した(QIAquikゲル抽出キット、Quiagen製、ヒルデン)。先に増幅させた2個のDNA断片を鋳型DNAとして使用する第二のPCR反応により(Link et al., 1997, J. Bacteriol. 179:6228-6237)、約800 bpの大きさの断片を増幅させた。この断片は、アラニントランスアミナーゼの側に位置するDNA領域を2個含有する。増幅させた約800 bpのDNA断片を0.8%アガロースゲルで同定し、公知の方法によってゲルから単離した(QIAquikゲル抽出キット、Quiagen製、ヒルデン)。
欠失ベクターpK19mobsacB中への断片のライゲーションをSureCloningキット(Amersham製、英国)を用いて行った(Schaefer et al., 1994, Gene 145:69-73)。ライゲーション液を用いてE.coli DH5の形質転換を行った(Grant et al . , 1990. Proceedings of the National of Sciences of the United States of America USA, 87:4645-4649)。プラスミド含有株の選択を、50 mg/Lのカナマイシンを含むLBプレート上に形質転換体を播種することにより行った。
プラスミドの単離後、制限酵素消化およびゲル電気泳動解析により、得られたプラスミドの特性を解析した。得られたプラスミドはpk19mobsacB-orf234と命名した。これは図2に示す。
13032△panBC株のカナマイシン耐性への形質転換のために、プラスミドpk19mobsacB-orf234を使用した。この株は欧州特許第1155139号明細書に記載されており、形質転換技術は「Kirchner et al. J Biotechnol. 2003, 104:287-99」に記載されている。
「Schaefer et al., 1994, Gene 145:69-73」における、コリネバクテリウム・グルタミカムにおいて遺伝子を欠失させるためのプロトコールに従って、2個の連続するホモログの組み換えにより、アラニントランスアミナーゼ遺伝子を欠失させた。
PCR反応を用いて、アラニントランスアミナーゼの欠失を確認した。以下のプライマー:
Ko_delorf234_for:
5’- CTGGGTATTCGCCACGGACGT - 3’

Ko_delorf234_rev:
5’- TCGGCGGTGTCAAAAGCATTGC - 3’
を使用した。
前記のプライマーはMWG Biotechにより合成され、PCR反応は適切な標準的プロトコールに従って実施された(Innis et al . PCR Protocols. A guide to Methods and Applications. 1990. Academic Press)。1 kBの大きさのDNA断片の増幅により、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の欠失が確認された。得られた株は13032ΔpanBCΔalaTと命名した。
<実施例5:アラニントランスアミナーゼの欠失によるアラニン形成の減少およびL-バリン形成の増加>
13032ΔpanBCΔalaT株およびコントロール株の13032ΔpanBCを、30℃でCGIII培地(Menkel et al. 1989, Appl . Environ. Microbiol . 55:684-8)中において培養した。そして、光学密度1においてこのCGXII培地を播種した。CGXII培地には、1Lあたり以下:20 gの(NH4)2SO4、5 gの尿素、1 gのKH2PO4、1 gのK2HPO4、0.25 gのMg2O4*7 H2O、42 gの3-モルホリノプロパンスルホン酸、10 mgのCaCl2、10 mgのFeSO4*7 H2O、10 mgのMnSO4* H2O、1 mgのZnSO4*7 H2O、0.2 mgのCuSO4、0.02 mgのNiCl2*6 H2O、0.2 mgのビオチン、40 gのグルコース、0.5μMのパントテン酸塩、および0.03 mgのプロトカテキュ酸、が含まれる。培地を30℃、120 rpm/分においてインキュベートし、56時間後に、培地中におけるアラニンの蓄積およびL-バリンの蓄積をHPCLを用いて測定した。これは、記載されるように(Hara et al . 1985, Analytica Chimica Acta 172:167-173)、o-フタルジアルデヒドを用いて行った。測定したアラニン濃度およびL-バリン濃度を表2に示す。
表2
Figure 2008538899
図1は、実施例3における、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の活性を解析するためのプラスミドを示す。 図2は、実施例4における、アラニントランスアミナーゼ遺伝子の欠失用に使用されるプラスミドを示す。

Claims (29)

  1. アラニントランスアミナーゼ活性を低下させるかまたは排除し、あるいはアラニン産生を低下させるかまたは排除することを特徴とする、L-アミノ酸の微生物的製造方法。
  2. アラニントランスアミナーゼ遺伝子を欠失させるかまたは破壊することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. アラニントランスアミナーゼをコードする配列に突然変異させることを特徴とする、請求項1または2のいずれか1つに記載の方法。
  4. アラニントランスアミナーゼの発現を低下させるかまたは排除することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
  5. アラニントランスアミナーゼ遺伝子に連結したプロモーターを減少させるかまたは排除するかまたは弱いプロモーターと交換することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
  6. アラニントランスアミナーゼ遺伝子に連結した開始コドンの活性を低下させるかまたは排除するかまたは弱い開始コドンと交換することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の方法。
  7. アラニントランスアミナーゼの触媒中心を遮断することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
  8. 以下の群:
    アセトヒドロキシ酸シンターゼをコードするilvBN遺伝子、
    異性体レダクターゼをコードするilvC遺伝子、
    デヒドラターゼをコードするilvD遺伝子、
    トランスアミナーゼCをコードするilvE遺伝子、
    フィードバック抵抗性のアセトヒドロキシ酸シンターゼをコードする遺伝子ilvBN遺伝子、
    から選択される少なくとも1種の構成要素を増大または過剰発現させることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
  9. 以下の群:
    −パントテン酸塩の合成をコードするpanBCD遺伝子
    −リポ酸の合成をコードするlipAB遺伝子
    −ピルビン酸デヒドロゲナーゼをコードするaceE、aceF、1pD遺伝子
    −ATPシンターゼAサブユニット、ATPシンターゼBサブユニット、ATPシンターゼCサブユニット、ATPシンターゼアルファサブユニット、ATPシンターゼガンマサブユニット、ATPシンターゼサブユニット、ATPシンターゼイプシロンサブユニット、ATPシンターゼデルタサブユニットの遺伝子、
    から選択される少なくとも1種の構成要素を不活化させるかまたはその活性を減少させることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
  10. コリネ型細菌が使用されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. コリネバクテリウム属の細菌が使用されることを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. 以下の群:
    コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032、
    コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806、
    コリネバクテリウム・アセトアシッドフィラムATCC13870、
    コリネバクテリウム・サーモアミノゲン FERM BP-1539、
    ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14067、
    ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム ATCC13869、および
    ブレビバクテリウム・ディバリカタム ATCC14020
    から選択される生物が使用されることを特徴とする、請求項10または11のいずれか1つに記載の方法。
  13. L-バリン、L-イソロイシンまたはL-リジンが製造されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 配列番号1のヌクレオチド101〜1414によるヌクレオチド配列。
  15. 配列番号1のヌクレオチド101〜1414によるアラニントランスアミナーゼ遺伝子を含有する遺伝子構造体。
  16. 突然変異させることを特徴とする、請求項15記載の遺伝子構造体。
  17. 核酸の挿入および/または欠失および/または交換によって突然変異させることを特徴とする、請求項16記載の遺伝子構造体。
  18. 請求項15〜17のいずれか1つに記載の遺伝子構造体または請求項14記載のヌクレオチド配列を含有するベクター。
  19. プラスミド、ファージまたはウイルスであることを特徴とする、請求項18記載のベクター。
  20. 請求項15〜17のいずれか1つに記載の遺伝子構造体または請求項14記載のヌクレオチド配列を含有する染色体。
  21. アラニントランスアミナーゼ遺伝子が部分的にまたは完全に欠失していることを特徴とする、請求項20記載の染色体。
  22. 請求項15〜17のいずれか1つに記載の遺伝子構造体および/または請求項18または19のいずれか1つに記載のベクターおよび/または請求項20または21のいずれか1つに記載の染色体または請求項14記載のヌクレオチド配列を含有する組み換え細胞。
  23. 請求項16または17のいずれか1つに記載の改変の前に既に、L-リジン、L-バリンまたはL-イソロイシンを産生していることを特徴とする、請求項22記載の組み換え細胞。
  24. コリネバクテリウムであることを特徴とする、請求項22または23のいずれか1つに記載の組み換え細胞。
  25. コリネバクテリウム・グルタミカムであることを特徴とする、請求項24記載の組み換え細胞。
  26. 以下の群:
    コリネバクテリウム・グルタミカム ATCC13032、
    コリネバクテリウム・アセトグルタミカム ATCC15806、
    コリネバクテリウム・アセトアシッドフィラムATCC13870、
    コリネバクテリウム・サーモアミノゲン FERM BP-1539、
    ブレビバクテリウム・フラバム ATCC14067、
    ブレビバクテリウム・ラクトフェルメンタム ATCC13869、および
    ブレビバクテリウム・ディバリカタム ATCC14020
    から選択される生物であることを特徴とする、請求項25記載の組み換え細胞。
  27. 請求項15記載の遺伝子構造体または請求項14記載のヌクレオチド配列をアラニンの製造に使用する方法。
  28. アラニントランスアミナーゼ遺伝子の内部配列またはアラニントランスアミナーゼ遺伝子の3’末端および5’末端付近の配列を含むプラスミド。
  29. 配列番号2の配列によって特徴付けられるアラニントランスアミナーゼ。
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