JP2008528620A - 1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン化合物の製造方法に関する。
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン化合物、例えば米国特許第3579542号及び同第4992598号に開示された化合物は、ポリカーボネートの重合時に枝分れ剤として使用することができる。1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン化合物はそれ自体ビスフェノールAのようなジヒドロキシ芳香族化合物及びホスゲン又はジフェニルカーボネートのようなカーボネート原料を含有する反応混合物中に導入することができる。
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの代表例である1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPEと略すこともある)は、一般に、4−ヒドロキシアセトフェノンとフェノールとの反応で製造できる。この反応は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称「ビスフェノールA」)を形成するフェノールとアセトンとの周知の反応と類似している。米国特許第5756781号に、「フェノールと4−ヒドロキシアセトフェノン」とを有効量のイオン交換触媒及び促進剤としてのメルカプタンの存在下で反応させること、得られる1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタンが実質的に反応不純物を含まないことが開示されている。
米国特許第5756859号には、「フェノールと2,4−ペンタンジオンとを酸性条件下で有効量の促進剤としてのメルカプト化合物の存在下で」反応させることが開示されている。同特許にはさらに、「任意の酸性物質、特に比較的揮発性の物質、例えば塩化水素の添加によって酸性条件を達成できる」と記載されている。次いで同特許には「代表的には、反応中に塩化水素ガスを混合物中に通す」と記載されている。
この方法の難点として、触媒の使用量が比較的多く、使用する揮発性の酸、例えば塩化水素ガスが通常腐食性であることがある。ほかに、硫酸を促進剤としての3−メルカプトスルホン酸と共に使用する方法もある。
米国特許第3579542号明細書
米国特許第4992598号明細書
米国特許第5756781号明細書
米国特許第5756859号明細書
米国特許第5763686号明細書
米国特許第5672776号明細書
そこで、当技術分野では、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン化合物を高収率で製造するための効率的な方法が必要とされている。
本発明は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン化合物の製造方法を提供する。本方法は、芳香族ヒドロキシ化合物とケトンの混合物を1種以上のイオン交換樹脂触媒及び所望に応じて助触媒の存在下で反応させて1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを生成することを含む。
一実施形態では、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの製造方法を提供する。本方法は、フェノールと2,4−ペンタンジオンの混合物を1種以上のイオン交換樹脂触媒及び所望に応じて助触媒の存在下で反応させて1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを生成することを含む。
以下の本発明の様々な特徴及び実施例についての詳細な説明を参照することによって、上述の方法に関する理解を深めることができよう。
以下の本発明の好ましい実施形態及び本発明の技術的範囲に属する実施例についての詳細な説明を参照することによって、本発明の理解が図られるであろう。以下の明細書及び特許請求の範囲では、多数の用語に言及するが、これらの用語は以下の意味をもつと定義される。
単数表現は、文脈上明らかにそうでない場合以外は、複数も含む。
「任意の」又は「所望に応じて」は、後述する事象や状況が起こっても起こらなくてもよいことを意味し、関連する説明は事象が起こった場合と事象が起こらなかった場合両方を包含する。
量に関連して用いる修飾語「約」は、表示値を含み、その文脈で規定される意味をもつ(例えば、特定の量の測定に伴う誤差を含む)。
本明細書で用いる用語「脂肪族基」は、環状でない直鎖又は枝分れ原子配列を含む原子価1以上の基をいう。この原子配列は、窒素、酸素、硫黄、ケイ素、リンなどのヘテロ原子を含んでいてもよいし、炭素と水素だけからなるものでもよい。適当な脂肪族基の例としては、メチル、メチレン、エチル、エチレン、ヘキシル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘキサメチレン、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、メトキシ、エチルオキシ、オキシエチレンオキシ(O(CH3)2O)、トリメチルシリル及びこれらの混合物などがある。脂肪族基は置換でも非置換でもよく、1以上の置換基を含んでいてもよく、置換基の例としては、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基、C1−C10アルコキシカルボニル基、C1−C10アルキルチオ基、C1−C10アルキルアミノ基などがある。
本明細書で用いる用語「芳香族基」は、1以上の芳香族部を含む原子価1以上の基をいう。芳香族基の例には、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、ビフェニル、ピロリル、フェニル、ビフェニレン及びこれらの混合物がある。この用語は芳香族成分及び脂肪族及び/又は脂環式成分両方を含有する基、例えばベンジル基又はインダニル基を包含する。芳香族基は置換でも非置換でもよく、さらに1以上のヘテロ原子及び/又は置換基を含んでいてもよく、置換基の例としては、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1−C10アルキル基、C1−C10アルコキシ基、C1−C10アルコキシカルボニル基、C1−C10アルキルチオ基、C1−C10アルキルアミノ基、これらの混合物などがある。
本明細書で用いる用語「脂環式基」は、環状であるが芳香族でない原子配列を含む原子価1以上の基をいう。ここで定義する「脂環式基」は芳香族部を含まない。「脂環式基」は1以上の非環状成分を含んでいてもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C6H11CH2−)は、シクロヘキシル環(環状であるが芳香族でない原子の配列)及びメチレン基(非環状成分)を含む脂環式基である。脂環式基は、窒素、硫黄、セレン、ケイ素及び酸素などのヘテロ原子を含んでいても、炭素と水素だけからなるものでもよい。脂環式基は「置換」でも「非置換」でもよい。置換脂環式基は1以上の置換基を含む脂環式基と定義する。置換脂環式基は脂環式基の置換可能な位置と同数の置換基を含んでいてもよい。脂環式基に存在できる置換基としては、特に限定されないが、ハロゲン原子、例えばフッ素、塩素、臭素及びヨウ素がある。置換脂環式基としては、トリフルオロメチルシクロヘキシル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルオキシ)(即ち−OC6H10C(CF3)2C6H10O−)、クロロメチルシクロヘキシル、3−トリフルオロビニル−2−シクロプロピル、3−トリクロロメチルシクロヘキシル(即ち3−CCl3C6H10−)、ブロモプロピルシクロヘキシル(即ちBrCH2CH2CH2C6H10−)などがある。便宜上、用語「非置換脂環式基」は様々な官能基を包含すると本明細書では定義する。適当な脂環式基の例としては、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、4−アリルオキシシクロヘキシル、アミノシクロヘキシル(即ちH2NC6H10−)、アミノカルボニルシクロペンチル(即ちNH2COC5H8−)、4−アセチルオキシシクロヘキシル、ジシアノイソプロピリデンビス(4−シクロヘキシルオキシ)(即ち−OC6H10C(CN)2C6H10O−)、3−メチルシクロヘキシル、メチレンビス(4−シクロヘキシルオキシ)(即ち−OC6H10CH2C6H10O−)、エチルシクロブチル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(4−シクロヘキシルオキシ)(即ち−OC6H10(CH2)6C6H10O−)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル(即ち4−HOCH2C6H10−)、4−メルカプトメチルシクロヘキシル(即ち4−HSCH2C6H10−)、4−メチルチオシクロヘキシル(即ち4−CH3SC6H10−)、4−メトキシシクロヘキシル、2−メトキシカルボニルシクロヘキシルオキシ(2−CH3OCOC6H10O−)、ニトロメチルシクロヘキシル(即ちNO2CH2C6H10−)、トリメチルシリルシクロヘキシル、t−ブチルジメチルシリルシクロペンチル、4−トリメトキシシリルエチルシクロヘキシル(即ち(CH3O)3SiCH2CH2C6H10−)、ビニルシクロヘキセニル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)などがある。用語「C3−C10脂環式基」は、炭素原子数3以上10以下の置換脂環式基及び非置換脂環式基を含む。脂環式基2−テトラヒドロフラニル(C4H7O−)はC4脂環式基の代表例である。シクロヘキシルメチル基(C6H11CH2−)はC7脂環式基の代表例である。
本発明は、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン化合物、例えば式Iで表される化合物の製造方法である。
本発明による1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの製造方法は、式IIの芳香族ヒドロキシ化合物を式IIIのケトンと反応させることを含む。
一実施形態では、芳香族ヒドロキシ化合物は置換もしくは非置換フェノール化合物から選択できる。適当な芳香族ヒドロキシ化合物の例としては、特に限定されないが、2,6−ジメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチルフェノール、m−クレゾール、o−クレゾール、o−フェニルフェノール、o−ベンジルフェノール及びこれらの芳香族ヒドロキシ化合物の混合物がある。特定の実施形態では、芳香族ヒドロキシ化合物はフェノールである。
式IIIのケトン化合物の例としては、特に限定されないが、2,4−ペンタンジオンがある。特に限定されないが、様々なケトン化合物の中でも、市場で入手しやすく、低価格であるので、一般にこの特定のケトンを使用することができる。一実施形態では、本発明の方法により製造する1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンは1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン(THPE)である。
芳香族ヒドロキシ化合物/ケトンのモル比は3〜30:1である。一実施形態では、芳香族ヒドロキシ化合物/ケトンのモル比は8〜15:1である。別の実施形態では、芳香族ヒドロキシ化合物/ケトンのモル比は10〜15:1である。
芳香族ヒドロキシ化合物とケトンとの反応は、バッチ式でも連続式でも行うことができる。代表的には、反応をバッチ式で行う場合、芳香族ヒドロキシ化合物、ケトン、任意の助触媒及びイオン交換樹脂触媒を混合し、反応温度を約30℃〜約120℃、さらに具体的には約40℃〜約100℃に保つ。一実施形態では、反応温度は約55℃〜約75℃である。反応温度の測定は、熱電対を混合物中に差し込むか、外部加熱媒体の温度を測定する、例えば油浴の温度を測定することで行うことができる。一実施形態では、ケトンを芳香族ヒドロキシ化合物、任意の助触媒及びイオン交換樹脂触媒の混合物に滴下する。バッチ式での芳香族ヒドロキシ化合物とケトンとの反応に要する時間は、約5時間〜約50時間の範囲である。別の実施形態では、反応時間は約15時間〜約40時間の範囲であり、他の実施形態では、反応時間は約20時間〜約30時間の範囲である。
連続式の場合、芳香族ヒドロキシ化合物、ケトン及び任意の助触媒の混合物を、イオン交換樹脂触媒の固定床を含む反応器に通す。混合物を、反応体が液体状態に留まる温度に維持する。代表的には、混合物を約40℃〜約65℃の温度、さらに具体的には約45℃〜約65℃の温度に維持する。一実施形態では、混合物を約50℃〜約60℃に維持する。反応器の床を、芳香族ヒドロキシ化合物がケトンと反応して1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン生成物を形成する温度に維持する。温度は油循環装置を用いて維持することができる。油温は、熱電対を油循環装置に差し込んで測定することができる。代表的には、温度を約30℃〜約120℃、さらに具体的には約40℃〜約100℃に保つ。一実施形態では、固定床の温度を約55℃〜約75℃に保つ。
芳香族ヒドロキシ化合物、ケトン及び任意の助触媒の混合物を連続反応モードで供給する際の重量時間空間速度(WHSV)は、約0.2〜約5の範囲にあり、さらに具体的には約0.3〜約3の範囲にある。一実施形態では、芳香族ヒドロキシ化合物、ケトン及び任意の助触媒の混合物のWHSVは約0.5〜約1の範囲にある。
所望に応じて、反応を不活性雰囲気中で、例えば窒素、ヘリウム又はアルゴンの存在下で行ってもよい。
芳香族ヒドロキシ化合物とケトンの反応には酸性イオン交換樹脂を用いる。本明細書で用いる用語「酸性イオン交換樹脂」は、水素イオンが活性部位と結合した水素型陽イオン交換樹脂をいう。水素イオンは溶液中での解離又は他の陽イオンとの交換によって除去できる。樹脂の活性部位は様々なイオンに対して種々異なる親和力をもち、この選択的な親和力がイオン交換の手段となる。適当な酸性イオン交換樹脂の例としては、特に限定されないが、一連のスルホン化ジビニルベンゼン架橋スチレンコポリマー、例えば酸性イオン交換樹脂の全重量を基準にして約1〜約20重量%のジビニルベンゼンで架橋されたコポリマーがある。さらに具体的には、触媒として、酸性イオン交換樹脂触媒の全重量を基準にして約8重量%以下のジビニルベンゼンで架橋された酸性イオン交換樹脂が適当である。一実施形態では、触媒として、酸性イオン交換樹脂触媒の全重量を基準にして約2重量%以上のジビニルベンゼンで架橋された酸性イオン交換樹脂が適当である。
イオン交換樹脂の例としては、特に限定されないが、ダイヤイオンSK104、ダイヤイオンSK1B、ダイヤイオンPK208、ダイヤイオンPK212及びダイヤイオンPK216(登録商標、三菱化学(株))、A−121、A−232、A−131及びA−15(Rohm&Haas社)、T−38、T−66、T−63及びT−3825(Thermax社)、Lewatit K1131及びLewatit K1221(Bayer社)、Dowex 50W2X、Dowex 50W4X、Dowex 50W8X樹脂(Dow Chemical社)、Indion180及びIndion225(Ion Exchange India社)、Purolite CT−222及びPurolite CT−122(Purolite社)がある。
任意の助触媒は、通常、メルカプタン化合物、ヒドロキシベンゼン化合物及びヒドロキシナフタレン化合物から選択される。
代表的には、メルカプタン化合物は次式IVの化合物を含む。
[B2]m−[A]−[B1] (IV)
式中のAは一価又は二価の脂肪族基、芳香族基又は脂環式基を示し、B2は水素、ヒドロキシル、−S−H、−S−R3、−COOR4及びSO3R4からなる群から選択され、B1は−S−H、−S−R3、−SCOOR4及びSCOR4からなる群から選択され、R3は炭素原子数4〜25の三級アルキル基を示し、R4は水素、炭素原子数1〜12の脂肪族基、炭素原子数3〜12の脂環式基及び炭素原子数3〜12の芳香族基からなる群から選択され、mは0又は1の整数である。
式中のAは一価又は二価の脂肪族基、芳香族基又は脂環式基を示し、B2は水素、ヒドロキシル、−S−H、−S−R3、−COOR4及びSO3R4からなる群から選択され、B1は−S−H、−S−R3、−SCOOR4及びSCOR4からなる群から選択され、R3は炭素原子数4〜25の三級アルキル基を示し、R4は水素、炭素原子数1〜12の脂肪族基、炭素原子数3〜12の脂環式基及び炭素原子数3〜12の芳香族基からなる群から選択され、mは0又は1の整数である。
所望に応じて、メルカプタン助触媒を塩の形態で使用できる。塩形態の助触媒を用いる場合、その塩は、イオン交換樹脂触媒と接触すると、その場で助触媒の遊離酸に変換される。例えば、3−メルカプトプロパンスルホン酸のナトリウム塩は、酸触媒と接触すると、3−メルカプトプロパンスルホン酸に変換される。
適当なメルカプタン助触媒の例としては、特に限定されないが、3−メルカプトプロピオン酸(以下、3−MPAと略す)、置換もしくは非置換ベンジルメルカプタン、3−メルカプト−1−プロパノール、3−メルカプトプロピオン酸エチル、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、4−メルカプトペンタンスルホン酸、3−メルカプト−2,2−ジメチルプロパンスルホン酸、2,3−ジメルカプトプロパンスルホン酸、メルカプトプロパン−2,3−ジスルホン酸、2−ベンジル−4−メルカプトブタンスルホン酸、5−メルカプトペンタンスルホン酸、メタンチオール、エタンチオール、イソプロパンチオール、ブタンチオール及びこれらのメルカプタン助触媒の混合物がある。一実施形態では、様々な助触媒の中でも、市場で入手しやすく、低価格であるので、3−メルカプトプロパンスルホン酸を使用することができる。
適当なヒドロキシベンゼン及びヒドロキシナフタレン化合物の例としては、特に限定されないが、レゾルシノール、カテコール、ヒドロキノン及びそれらのモノ−及びジメチル及びモノ−及びジエチルエーテル、p−エチルフェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、フロログルシン、α−ナフトール、5−メチル−α−ナフトール、6−イソブチル−α−ナフトール、1,4−ジヒドロキシナフタレン、6−ヘキシル−1,4−ジヒドロキシナフタレン及び6−メチル−4−メトキシ−α−ナフタレンがある。
反応に助触媒を使用する場合、助触媒の使用量は代表的には、反応混合物の全重量を基準にして約0.01重量%〜約10重量%の範囲である。別の実施形態では、助触媒の使用量は、反応混合物の全重量を基準にして約0.05重量%〜約5重量%の範囲である。他の実施形態では、助触媒の使用量は、反応混合物の全重量を基準にして約0.75重量%〜約3重量%の範囲である。
こうして得られる反応混合物を次に溶剤と接触させて、固体材料、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを沈殿させる。沈殿目的に使用する溶剤は、特に限定されないが、塩素化溶剤、トルエン、キシレン又はこれらの溶剤の混合物とすることができる。適当な塩素化溶剤の例としては、特に限定されないが、塩化メチレン、二塩化エチレン、ジクロロベンゼン及びクロロベンゼンがある。一実施形態では、溶剤として二塩化エチレンを用いる。一般に、溶剤の使用量は反応混合物に対する体積比が2:1以上となる量であり、具体的には体積比は2.5:1であり、さらに具体的には体積比は3:1である。それより多量の溶剤を使用してもよいが、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの収率の低下を招くことがある。沈殿する薄い黄褐色の固体材料は特定の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを90重量%以上含有する。
こうして得た1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン含有固体材料に次に様々な精製処理を施すことができる。代表的には、上記方法を用いてTHPEを製造する場合、固体材料はTHPE、ビスフェノールA(以下BPAと略す)及びフェノールを含有する。一実施形態では、固体材料を次に20体積%以上のメタノールを含有するメタノール/水混合物と0.5〜2時間接触させることができる。一実施形態では、メタノール/水混合物中のメタノールの割合は20〜40体積%程度である。次に固体材料を、脱色剤含有アルコールの混合物中で、さらに還流することができる。適当な脱色剤としては、特に限定されないが、アルカリ金属ホウ水素化物、アルカリ金属ジチオナイト、活性炭、及びこれらの脱色剤の1つ以上を含む組合せなどがある。適当なアルコールには、炭素原子数1〜8の直鎖、枝分れ又は環状脂肪族アルコールがある。適当な脂肪族アルコールの例としては、特に限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、イソブタノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、及びこれらの脂肪族アルコールの1種以上を含む混合物がある。所望に応じて、混合物を活性炭で処理して、さらなる脱色を行うことができる。次に混合物を水(脱色剤を含有してもよい)水で処理して、例えば目で見て無色の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを沈殿させる。
別の実施形態では、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン含有固体材料を精製するのに、アダクト結晶化法を用いることができる。この精製方法では、例えば、THPEを精製する場合、THPEをBPA又はフェノール又はBPAとフェノールの混合物と混合し、この混合物を均質な溶液が得られるような温度に加熱する。代表的には、均質な溶液を得るのに必要な温度は約50℃〜約180℃の範囲、さらに具体的には約100℃〜約140℃の範囲にある。一実施形態では、温度は約120℃〜約130℃の範囲にある。均質な溶液を得るのに要する時間は約10分〜約3時間、さらに具体的には約0.5時間〜約2時間である。一実施形態では、その時間は1時間である。系を均質な溶融状態にさらに0.5時間〜約3時間維持して、冷却前に均一な均質混合物を確実に形成する。その後、温度を約1℃/分〜約10℃/分の速度で、さらに具体的には1℃/分で下げる。固形のTHPEは約50℃〜約150℃、さらに具体的には約100℃〜約140℃で析出する。一実施形態では、固形物は約120℃〜約130℃で析出する。次に系を約1時間〜約15時間放置し、固形物の沈殿を完了させる。次に固形物を濾過し、乾燥する。こうして得た固形物を、高速液体クロマトグラフィー(以下HPLCと略す)で分析する。一実施形態では、溶剤と接触させて1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを析出させる前の反応混合物を、直接上記アダクト形成法に供することができる。
例えば、THPEを上記アダクト形成法で精製する場合、形成されるTHPE−BPA−フェノール又はTHPE−BPA又はTHPE−フェノールアダクトに次に脱着工程を行って、純度約95%のTHPEを得ることができる。アダクトを最初に溶剤で洗浄し、次いでメタノール/水結晶化工程に供する。脱着に用いる溶剤は、特に限定されないが、塩素化溶剤、トルエン、キシレン又はこれらの溶剤の混合物とすることができる。適当な塩素化溶剤の例としては、特に限定されないが、塩化メチレン、二塩化エチレン、ジクロロベンゼン及びクロロベンゼンがある。一実施形態では、溶剤としてトルエンを用いる。一般に、溶剤の使用量は反応混合物に対する体積比が2:1以上となる量であり、具体的には体積比は2.5:1であり、さらに具体的には体積比は3:1である。それより多量の溶剤を使用してもよいが、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの収率の低下を招くことがある。メタノール/水結晶化工程では、アダクトを20体積%以上のメタノールを含有するメタノール/水混合物と0.5〜2時間接触させる。一実施形態では、メタノール/水混合物中のメタノールの割合は20〜40体積%程度である。一実施形態では、THPEアダクト溶融物を蒸留してフェノールをストリッピング除去することにより、脱着を行うこともできる。
一実施形態では、イオン交換樹脂触媒は次の反応に再使用することができる。例えば、バッチ式反応の場合、触媒を濾別し、次のバッチ反応に再使用することができる。連続式では、長時間にわたって固定床反応器に反応体を多数回通過させることができる。未反応のフェノール及びケトンを回収し、プロセスに再使用することができる。上述した精製法両方とも、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを含有する流出液が得られる。この流出液を反応にリサイクルすることもできる。
前述したように、本発明で得られる1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンは枝分れ剤として使用でき、例えば枝分れポリカーボネートの製造に望ましい。例えば、重合中に反応体にTHPEを添加することができる。枝分れがもたらす所望の流動効果により、THPEを用いずに製造した同様の樹脂より、高い粘度及び高い溶融強度が得られる。1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンから誘導された枝分れポリカーボネートはフィルムやシートとして用いるのに適当である。枝分れポリカーボネートをブロー成形して複雑な形状の容器を作成することもできる。
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを用いて枝分れポリカーボネートを製造するのに、種々の重合方法をとることができる。このようなポリカーボネートの製造方法としては、例えば、溶融エステル交換重合法及び界面重合法が適当である。
溶融エステル交換重合法を行うには、通常、触媒(例えば四級ホスホニウム塩又は水酸化ナトリウム又はテトラアルキルアンモニウム塩)と反応体組成物とを合わせて反応混合物を形成する。次に、反応混合物を十分な圧力及び温度条件下、枝分れポリカーボネートを製造するのに有効な時間混合する。得られる生成物混合物は通常、式:(ZO)2C=O(式中のZは各々独立に置換もしくは非置換アルキル基又は置換もしくは非置換アリール基を示す)の炭酸ジエステルと、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを含有する。
界面重合法では、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、1つ以上のコモノマー及びホスゲンを酸結合剤及び塩基水溶液の存在下で反応させて、ポリカーボネートを生成する。酸結合剤として三級アミン、例えばトリアルキルアミンを用いるのが好ましい。トリアルキルアミンの代表例はトリエチルアミンである。適当な塩基水溶液には、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウムがある。
以下の実施例は本発明の要旨の範囲内に入り、上で一般的に説明した本発明の方法を具体例で説明するものである。実施例は例示の目的で提示するに過ぎず、本発明の要旨を限定するものではない。
以下の実施例で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、式IIの芳香族ヒドロキシ化合物及び式IIIのケトンの、特定の1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンへの変換を定量化した。HPLCは、最初に、芳香族ヒドロキシ化合物、ケトン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン及びビスフェノールの標準サンプルを用いて検量した。標準サンプルをアセトニトリルで希釈し、5μm逆相カラムZorbax XDB−C8(アジレント・テクノロジー社から市販)に注入した。反応混合物を一定間隔で抽出し、アセトニトリルで希釈し、HPLCカラムに注入し、標準サンプルのHPLCクロマトグラムと比較して、反応過程での1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンの形成を追跡した。
本発明の方法にしたがって製造した1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンのカラー値は、好ましくは、表1に示すような対応する波長(ナノメートル、nm)での透過率を有する。
機械的スターラ、温度計ポケット、及び塩化カルシウムガード及び空気漏れチューブ付き水冷還流冷却器を備えた1Lの四つ口丸底フラスコに、フェノール306g、イオン交換樹脂A−121(2%架橋)23g、3−MPSAナトリウム塩6.62gを仕込んだ。フラスコを油浴に入れ、油浴を40℃に保った。撹拌しながら、25gのPDを反応混合物に10分間で滴下した。次に、3−MPSA固形物の溶解で反応混合物が赤色になったところで、油浴の温度を75℃に上げた。撹拌をさらに約22時間継続し、この結果濃厚な赤色スラリーを得た。次にスラリーを濾過し、濾液を2L円錐フラスコに注ぎ入れ、1150mlの二塩化エチレンで希釈し、室温(即ち25℃)でさらに約3時間撹拌した。沈殿したTHPE固形物を濾過し、濾液が無色になるまで約150mlの二塩化エチレンで洗浄した。固形物を約200mlの水で再度洗浄した。
精製プロセスでは、粗反応生成物を150mlのメタノール/水混合物(体積比40:60)中で0.5時間撹拌した。次に固形物を濾別し、乾燥した。こうして得た固形物を62mlのメタノールに溶解した。この混合物に50mgのホウ水素化ナトリウム(NaBH4)を添加し、その後半時間撹拌して薄黄色の溶液を得た。この溶液に、50mgのNaBH4を含有する脱イオン化水124mlを約1時間で滴下し、混合物をさらに1時間撹拌した。無色の固形物が析出し、これを濾過し、150mlの水で洗浄し、乾燥した。固形物を減圧下60℃で一定重量となるまで乾燥した。こうして得られた1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンのカラー値は、下記表2に示すように、対応する波長で許容範囲内の透過率(%T)をもつことを確かめた。
実施例2〜7
本例は実施例1に概略を示したTHPEの製造方法を示す。実施例2〜5では助触媒として3−MPSAを使用したが、実施例6〜7では3−MPAを使用した。反応物含量、時間及び収率を下記の表3に示す。すべての反応を温度約65℃で行った。使用した助触媒及び触媒の重量%は、反応混合物の全重量、即ちフェノール及びPDの全重量に基づく。
本例は実施例1に概略を示したTHPEの製造方法を示す。実施例2〜5では助触媒として3−MPSAを使用したが、実施例6〜7では3−MPAを使用した。反応物含量、時間及び収率を下記の表3に示す。すべての反応を温度約65℃で行った。使用した助触媒及び触媒の重量%は、反応混合物の全重量、即ちフェノール及びPDの全重量に基づく。
本例は助触媒なしでのTHPEの製造方法を示す。反応は、2%架橋イオン交換樹脂A−121を用いて、温度75℃で、助触媒の不在下で、実施例1に記載したのと同様な手順で行った。反応物含量、反応パラメータ及びHPLC分析結果を下記の表4に示す。
本例では、アダクトの形成によって、THPEを精製した。500mlの丸底フラスコに、15.37gのTHPE、11.4gのBPA及び37.64gのフェノールを取り(THPE:BPA:フェノール=1:1:8)、約150℃に1時間加熱して均質な溶液を得た。加熱をさらに1時間続け、次いで温度を約1℃/分の速度で下げたところ、約126℃で固形物が沈殿した。この後混合物をさらに20分間放置し、次いで濾過した。得られた生成物をHPLCで分析したところ、60.61重量%のTHPE、10.71重量%のBPA及び28.66重量%のフェノールを示した。
実施例12〜20
本例では、実施例6に記載した方法を用いてTHPEアダクトを製造した。反応物含量及び反応パラメータを表5に示し、結果を表6に示す。表6には、アダクト及び流出液中のTHPE、BPA及びフェノールの量をHPLC分析した結果を報告する。
本例では、実施例6に記載した方法を用いてTHPEアダクトを製造した。反応物含量及び反応パラメータを表5に示し、結果を表6に示す。表6には、アダクト及び流出液中のTHPE、BPA及びフェノールの量をHPLC分析した結果を報告する。
本例では、THPEを上記実施例1の通りに製造した後、触媒を10回リサイクルした。反応体であるフェノール、PD及び3−MPAを2%架橋イオン交換樹脂触媒A−121とともにとり、75℃に24時間加熱した。この混合物を濾過して触媒を回収し、濾液に反応混合物の総体積を基準にして3:1体積比の二塩化エチレンを添加した。この後触媒を約50mlの二塩化エチレンで再度洗浄し、次のバッチに再使用した。触媒を上記と同様に回収し、下記表7に示す通りの量のフェノール、PD及び3−MPAを用いる後9回のバッチに再使用した。表7には、反応混合物のHPLC分析により求めたTHPE及びBPAの量(重量%)も示す。
Claims (19)
- 前記混合物を1種以上のイオン交換樹脂触媒及びメルカプタン助触媒の存在下で反応させる、請求項1記載の方法。
- 前記1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンが1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンである、請求項1記載の方法。
- 前記芳香族ヒドロキシ化合物がフェノールである、請求項1記載の方法。
- 前記ケトンが2,4−ペンタンジオンである、請求項1記載の方法。
- 前記芳香族ヒドロキシ化合物とケトンが3〜30:1のモル比で存在する、請求項1記載の方法。
- 前記芳香族ヒドロキシ化合物とケトンが8〜15:1のモル比で存在する、請求項1記載の方法。
- 前記混合物の反応がバッチ式である、請求項1記載の方法。
- 前記イオン交換樹脂触媒が芳香族ヒドロキシ化合物の重量を基準にして2〜20重量%の量存在する、請求項8記載の方法。
- 前記混合物の反応が連続式である、請求項1記載の方法。
- 前記芳香族ヒドロキシ化合物とケトンの混合物が重量時間空間速度WHSV約0.2〜約4である、請求項10記載の方法。
- 前記メルカプタン助触媒が次式で表される、請求項2記載の方法。
[B2]m−[A]−[B1]
式中のAは炭素原子数1〜12の脂肪族基、炭素原子数3〜12の脂環式基又は炭素原子数1〜12の芳香族基を示し、B2は水素、ヒドロキシル、−S−H、−S−R3、−COOR4及びSO3R4からなる群から選択され、B1は−S−H、−S−R3、−SCOOR4及びSCOR4からなる群から選択され、R3は炭素原子数4〜25の三級アルキル基を示し、R4は水素、炭素原子数1〜12の脂肪族基、炭素原子数3〜12の脂環式基及び炭素原子数1〜12の芳香族基からなる群から選択され、mは0又は1の整数である。 - 前記メルカプタン助触媒が3−メルカプタトプロパンスルホン酸である、請求項1記載の方法。
- 前記メルカプタン助触媒が混合物の全重量を基準にして0.01重量%〜5重量%である、請求項1記載の方法。
- 前記混合物の反応工程が混合物を30℃〜100℃の温度に加熱することを含む、請求項1記載の方法。
- さらに、前記1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンを1種以上のコモノマーと反応させて枝分れポリマーを形成することを含む、請求項1記載の方法。
- さらに、前記1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)アルカンをアダクトの形成によって精製することを含む、請求項1記載の方法。
- フェノールと2,4−ペンタンジオンの混合物を1種以上のイオン交換樹脂触媒及び所望に応じてメルカプタン助触媒の存在下で反応させて1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを生成することを含む、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンの製造方法。
- さらに、前記1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを、ビスフェノールA又はフェノール又はビスフェノールAとフェノールの混合物とのアダクトの形成によって精製することを含む、請求項18記載の方法。
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