JP2009535401A - ポリフェノール製造の改良プロセス - Google Patents

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Abstract

ビスフェノール−Aなどのポリフェノール化合物の製造プロセスは、フェノール化合物反応体と、カルボニル化合物反応体と、ある特定の場所で反応システムに添加されるビスメチルチオプロパンを含む触媒促進剤とを、反応ゾーンに導入し、酸触媒の存在下に、反応ゾーン内で、成分を反応させることにより、改良される。

Description

発明分野
本発明は、改良されたポリフェノール製造プロセスに関連し、更に詳細には、有効な触媒促進剤のプロセス反応システムへの添加を、ある特定の場所に限定する、ポリフェノール製造の改良された、安全なプロセスに関連する。
発明の背景
パラ、パラ−ジフェニロールプロパン又はビスフェノール−A(“BPA”)とも呼ばれる、ポリフェノール化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、は、一般に、縮合触媒の反応速度及び選択性を増加させる触媒促進剤又は助触媒を加えた、酸性縮合触媒の存在下にフェノールとアセトンとを反応させて製造される。引用することにより本明細書の一部をなすUS特許No.2468982は、フェノールとケトンとの間の縮合反応速度を増加させる触媒促進剤として、メルカプト置換脂肪族カルボン酸を使用することを開示した。引用することにより本明細書の一部をなすUS特許No.2730552に、フェノールとケトンとの間の酸触媒反応における接触時間が、促進剤としてメチルメルカプタンを使用することにより改良されたことが、最近開示された。反応ゾーンへのガス状メチルメルカプタンの使用により、接触時間を短縮したばかりでなく、ごく少量の触媒促進剤を用いて、実質量の副産物を形成せずに、あるいはビスフェノール−A生成物を壊変せずに、反応を進行させることが可能になった。更に、メチルメルカプタンを触媒促進剤として、連続プロセスに使用することができた。メチルメルカプタンは、その高い揮発性により、ビスフェノール−A生成物含有反応器流出液(effluent)から容易に分離することが可能であり、最終生成物中に硫黄汚染物が存在するのを回避する点でも優れていた。以来、ガス状の遊離メチルメルカプタンの使用は、酸触媒フェノール−アセトン反応において最適の触媒促進剤であった。
しかしながら、メチルメルカプタンは、室温及び常圧で気体であるので、取り扱いが難しい。メチルメルカプタンを製造する場所から少し離れて位置するプラントへ、ビスフェノール−Aの製造に必要な十分な量を経済的に輸送するには、メチルメルカプタンを先ず加圧して液状にせねばならないので、この性質は、メチルメルカプタンの出荷を非能率的にする。その上、メチルメルカプタンは有害化合物なので、この物質の特定の場所への出荷は、時には、制限され、これらの地域での有用性を限定する結果となる。結果として、幾つかのビスフェノール−Aプラントでは、現今、メチルメルカプタンを現場製造するか又はメチルメルカプタンの揮発性を持たない他の触媒促進剤に切り替えねばならない。
引用することにより本明細書の一部をなすUS特許No.6465697は、促進剤として、ジチオケタール、具体的にはビスメチルチオプロパン(“BMTP”)を開示し、これは、どんな副産物硫黄種も、メチルメルカプタンを使用する場合より高いレベルで形成せずに、メチルメルカプタンと実質的に同じ割合、かつビスフェノール−Aに対する実質的に同じ選択性で、フェノールとカルボニル化合物との酸触媒縮合反応を促進する。BMTP促進剤は、メチルメルカプタンほど揮発性ではなく、室温及び常圧で液体であり、かつ輸送の間、安定しており、そのため、容易かつ経済的に輸送可能である。BMTP触媒促進剤は、高い活性と高い選択性を有することが判明した。この触媒促進剤を使用して生じる硫黄副産物種の量は、認容できる程度に低い。
発明の概要
そこで、例えばBPAなどのポリフェノールを製造するための縮合プロセスに、触媒促進剤としてBMTPを使用する改良された方法が発見された。
この方法は、ポリフェノール化合物を製造するための縮合プロセスを伴い、このプロセスは、フェノール化合物反応体と、カルボニル化合物反応体と、ビスメチルチオプロパン触媒促進剤とを含む成分を、反応ゾーンに導入し、酸触媒の存在下にフェノール化合物とカルボニル化合物とを縮合させることを含み、前記促進剤は、反応システムの、ある特定場所で反応に添加される。BMTP促進剤の反応システムへの導入場所は、反応器の最も効率良くかつ安全な操作のために重要である。
更に詳細には、フェノール化合物、カルボニル化合物、ビスメチルチオプロパン触媒促進剤を一緒に添加するステップと、ビスメチルチオプロパン触媒促進剤を加水分解して、その解離生成物にするステップと、酸触媒及び前記解離生成物の存在下で、フェノール化合物とカルボニル化合物とを縮合させるステップとを含む反応システムでポリフェノール化合物を製造する方法が提供され、但し、前記促進剤は、反応システムのある特定場所で、反応システムに添加される。
更になお詳細には、フェノール、アセトン、ビスメチルチオプロパン触媒促進剤を一緒に添加するステップと、ビスメチルチオプロパン触媒促進剤を加水分解して、メチルメルカプタン及びアセトンを含むその解離生成物にするステップと、酸触媒及び前記解離生成物の存在下で、フェノールとアセトンとを縮合させるステップとを含む反応システムでBPAを製造する方法が提供され、但し、前記促進剤は、反応システムのある特定場所で、反応システムに添加される。
発明の詳細な記述
本発明のプロセスにより製造されるポリフェノールは、カルボニル化合物反応体とフェノール化合物反応体との反応により調製されたものを含む。カルボニル化合物の例は、次式:
Figure 2009535401
[式中、Rは、水素、又は飽和もしくは不飽和の、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールなどの炭化水素基を含む、脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式基を表し、nは0より大であり、好ましくは1〜3、より好ましくは1〜2、最も好ましくは1であり、nが1より大の場合にXは、結合を表すか又は炭素原子1〜14個、好ましくは1〜6個、さらに好ましくは1〜4個を有する多価連結基を表し、nが1の場合にXは、水素、又は飽和もしくは不飽和の、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールなどの炭化水素基を含む脂肪族、脂環式、芳香族、又は複素環式基を表し、但し、XとRは同時に水素ではない。]
により表される化合物である。
本明細書中に使用するのに好適なカルボニル化合物には、アルデヒド及びケトンがある。これらの化合物は、一般に、炭素原子3〜14個を含み、好ましくは脂肪族ケトンである。好適なカルボニル化合物の例には、ケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジブチルケトン、イソブチルメチルケトン、アセトフェノン、メチルケトン及びアミルケトン、シクロヘキサノン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、1,3−ジクロロアセトン等がある。最も好ましいのは、アセトンである。
カルボニル化合物は、フェノール化合物と反応する。フェノール化合物は、少なくとも1つのヒドロキシル基が直接に結合する芳香核を含有する芳香族化合物である。本明細書に使用するのに好適なフェノール化合物には、フェノール及びその同族体、並びに芳香族フェノール核に直接に結合する置換可能水素原子少なくとも1つを含むフェノールの置換生成物がある。水素原子と置換し、芳香核に直接に結合するそのような基には、ハロゲン基、例えば塩素及び臭素、並びに炭化水素基、例えばアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール及びアラルキル基がある。好適なフェノール化合物には、フェノール、クレゾール類、キシレノール類、カルバクロール、クメノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,4−ジメチル−3−エチルフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、o−t−ブチルフェノール、2,5−キシレノール、2,5−ジ−t−ブチルフェノール、o−フェニルフェノール、4−エチルフェノール、2−エチル−4−メチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−4−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2−メチル−3,5−ジエチルフェノール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、ナフトール、フェナントロール等がある。最も好ましいのは、フェノールを含む組成物である。前記の何れかの混合物を使用しても良い。
前記記載は、本発明を限定するものではなく、所望のポリフェノールを製造することが、当技術で公知である、カルボニル化合物とフェノール化合物の代表例を示しただけであり、当業者は、これらを他の類似反応体に替えることができる。
ポリフェノールの調製では、フェノール化合物反応体がカルボニル化合物反応体より過剰にあるのが通常好ましい。一般に、カルボニル化合物のモル当たり、少なくとも約2、好ましくは約4〜約25モルのフェノール化合物が、カルボニル化合物の高い変換率にとり好ましい。低温の場合以外は、ポリフェノール製造のための本発明のプロセスに、溶媒又は希釈剤は必要としない。
本発明プロセスで、フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応により得られたポリフェノール化合物は、少なくとも2つのフェノール基の核が、炭素−炭素結合によりアルキル基の同一の1炭素原子に直接に結合している化合物である。ポリフェノール化合物の代表的な非限定例は、式:
Figure 2009535401
[式中、R及びRは、それぞれ独立して、一価の有機基を表す。]
により表される。そのような一価の有機基の例には、例えば脂肪族、脂環式、芳香族又は複素環式基などの炭化水素基、更に詳細には、例えば、飽和又は不飽和の、アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルカリールなどの炭化水素基がある。好ましくは、R及びRは、それぞれ独立して、炭素原子1〜2個を有するアルキル基を表す。最も好ましくは、ポリフェノール化合物は、ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ちビスフェノール−A(“BPA”)を含む。
ポリフェノール化合物は、フェノール化合物とカルボニル化合物との酸触媒反応により生成される。反応の速度及び選択性は、反応ゾーンに触媒促進剤、本発明では、例えばBMTP、を導入することにより促進される。
BMTP触媒促進剤は、2,2−ビス(メチルチオ)プロパン、即ち本明細書では、単に、以下の構造:
Figure 2009535401
により表されるビスメチルチオプロパン(“BMTP”)である。
この触媒促進剤化合物は、反応ゾーンで解離すると、ポリフェノールの製造のために選択された供給原料のカルボニル化合物と同一又は化学的に類似の種類のカルボニル化合物を形成するタイプのものなので、これが、本発明プロセスのために選択される。1実施形態では、供給カルボニル化合物はアセトンであり、かつ触媒促進剤組成物は、BMTPを含み、これは、酸触媒及び水の存在下に解離して、アセトン及びメチルメルカプタン触媒促進剤となる。
BMTP触媒促進剤は、本質的に、その解離生成物メチルメルカプタンと同じ、カルボニル化合物変換の一次反応速度を有する。また、ポリフェノール生成物の形成に対し、その解離生成物メチルメルカプタンと同じ選択性を本質的に有する。
フェノール化合物、カルボニル化合物、触媒促進剤、場合によっては溶媒及び水、を反応器に添加する。酸触媒は、使用するタイプに応じて、反応器に装入するか又は液体供給原料を装入する前に反応器中に装填することができる。反応体、触媒促進剤、触媒及び場合による溶媒及び水の、反応器への添加順序は、従来技術では、限定されていない。しかしながら、本発明の改良されたプロセスでは、反応混合物への触媒促進剤の導入方法は、反応システムの特定の場所にのみ添加することに限定されている。従来技術の教示では、触媒促進剤組成物は、反応システムに何時でも、どの場所にでも添加でき、例えば、すべての反応体、触媒、及び場合による溶媒を含有する反応混合物に、もしくはこれらの成分の幾つかのみを含有する反応混合物に添加できるか、又はこれらの各成分のいずれか1つもしくはこれらの成分の混合物を含有する何れの供給流にも添加できる。このように、従来技術における、触媒促進剤の反応混合物への導入は、ポリフェノールを製造するために使用される成分のいずれか1つ、成分いずれかの混合物又は全成分の混合物への添加を含む。
本発明のプロセスは、メルカプタン、例えばメチルメルカプタンを反応混合物に単純に添加するのとは対照的に、また、例えばアセトンとメチルメルカプタンとの反応により現場形成されたジチオケタール化合物と共に、フェノール化合物とカルボニル化合物とを接触させるのとは対照的に、BMTP促進剤を、反応システムのある特定の場所に導入することを必要とする。
酸触媒の存在下での、メチルメルカプタン及びアセトンからのビスメチルチオプロパン(BMTP)の可逆的形成は、Org.Chem.of Bivalent Sulfur:Volume III,E.Emmet Reid,1960に報告されていた。以下の平衡式:
Figure 2009535401
に従い反応は進行し、ここで、BMTPは、“DMA”(アセトンのジメタンチオケタール)とみなされる。
引用することにより本明細書の一部をなすUS特許No.6465697は、メチルメルカプタンを反応混合物に添加する代わりに、BMTPを反応混合物に添加することを教示する。BMTPは迅速に加水分解し、なんらの誘導時間無しで、メチルメルカプタンの現場形成と平衡することが判明した。本発明のプロセスは、メチルメルカプタンを現場形成し、そうして、メチルメルカプタンの単離、出荷及び取扱いの必要性を回避する。室温及び常圧条件で、BMTPはより低い揮発性及びより良好な安定性を有するために、BMTPの単離、出荷、取扱い、及びその反応システムへの導入は、より有利である。
US特許No.6465697では、BMTP触媒促進剤組成物は、反応混合物又は液相もしくは気相中の反応体のいずれか1つへ、反応システムのどの場所ででも添加される。
本発明の実施形態を、図1を参照して説明する。図1において、縮合反応器CRへの添加のために、フェノール化合物、例えばフェノール、及び場合により溶媒及び/又は水を含む液体原料が、流れ1を介して提供される。流れ1中の供給原料が、下段BPA精製ステップから再循環された母液を含むならば、それは、主にフェノール、幾らかのアセトン、水、溶媒、BPA及び副産物を含んでよい。縮合反応器CRに入る前に流れの水濃度を調整するために、場合により、水を流れ1に添加してよい。流れ1は、本明細書中では、フェノール化合物/母液流と称される。液体供給原料カルボニル化合物、例えばアセトン、は、流れ2を介して提供され、本明細書中では、カルボニル化合物流と称される。流れ6は、本明細書中では、促進剤吸収カラム塔底流(bottoms stream)と称される。流れ1、2及び6は、一緒になって、縮合反応器CRへの添加のための縮合反応器供給流(feed stream)126を形成する。縮合反応器CRへ添加される、一緒になった供給原料のフェノール化合物対カルボニル化合物のモル比は、少なくとも約2、好ましくは約4〜約25である。ポリフェノール、例えばBPA、並びに未反応フェノール化合物及びカルボニル化合物、例えばフェノール及びアセトン、を含む縮合反応器流出液流3は、縮合反応器CRから取り出され、脱水カラムDCに送られる。真空下に、蒸気として脱水カラム塔頂流(overhead stream)4が、真空下に、主に水を含む液体脱水カラム横抜き流(side draw stream)7が、そして真空下に、主にポリフェノール生成物、例えばBPA、及び未反応フェノール化合物、例えばフェノール、を含む液体脱水カラム塔底流8が、脱水カラムDCから抜き取られる。脱水カラム塔頂流4は、ポンプP1により、促進剤吸収カラムPCにポンプ導入され、第一フェノール化合物流5を介する、追加の液体フェノール化合物、例えばフェノール、と一緒になる。主にフェノール化合物、例えばフェノール、を含む促進剤吸収カラムPCからの塔底液は、促進剤吸収カラム塔底流6として、ポンプP2を使用してカラムPCから取り出され、再循環されて、縮合反応器供給流126の一部を形成する。追加の液体フェノール化合物、例えばフェノール、は、第二フェノール化合物流9を介して、脱水カラム塔頂流4と脱水カラムDCとを真空にするポンプP1の液体リング(liquid ring)液流入口に供給される。排出流(vent stream)10は、促進剤吸収カラムPC塔頂から容易に排出される。蒸気再循環流11は、促進剤吸収カラムPCから引き抜かれ、圧制御の目的のためにポンプP1の上流の脱水カラム塔頂流4へと送られる。
縮合反応器CRは、単一の反応器であるか、又は並列もしくは直列に配設された2つ以上の反応器であってよく、ポリフェノールを合成するためにカルボニル及びフェノール化合物の縮合を行う、任意の好適な不均一触媒を含有し、これは、限定はしないが、陽イオン交換樹脂を含み、この交換樹脂は逆流又は順流(upflow or downflow)であってもよい。縮合反応器は、流れを分配し、触媒を含有し、支持するのに好適な器材(hardware)を含有してよく、触媒床は充填でき、膨張させることができ、部分的に流動化又は完全に流動化することができる。
脱水カラムDCは、バルブ又は篩盆(sieve trays)、構造化パッキン(structured packing)又はダンプパッキン(dumped packing)、分配器材又はチムニートレー(chimney tray)及び収集盆等の好適な内部装置を含む蒸留カラムであってよく、一般に、上向きに流れる蒸気及び下向きに流れる液体の間の向流がある。当技術の識者には公知である内部スタブイン(stab−in)コンデンサーのデザインを含んで良い。
促進剤吸収カラムPCは、バルブ又は篩盆、構造化パッキン又はダンプパッキン、及び分配器材又は収集盆等の好適な内部装置を含む蒸留/吸着カラムであってよく、一般に、上向きに流れる蒸気及び下向きに流れる液体の間の向流がある。
BMTP触媒促進剤組成物は、室温及び常圧(1気圧)で液体であり、出荷及び取扱いが安全かつ容易であるため好都合である。輸送については安定しており、酸触媒及び水の不在下では、中程度の温度で容易に分解せず、かつ120℃でのその熱分解半減期は、40時間より長い。
BMTP触媒促進剤組成物は、反応システムに原液又は溶液で導入される。溶液としては、ポリフェノール製造に使用されるカルボニル化合物の一部又は全部と混合してよい。BMTP触媒促進剤組成物は、本発明により、図1のA、AA、B、C、D、E又はFの少なくとも1つの地点に、望ましい順に添加することができる。地点Aは、脱水カラムDCの下流で、蒸気再循環流11が流れ4に入る地点の下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流4中に真空を形成するポンプP1の上流である、脱水カラム塔頂流4中の地点として記載できる。地点AAは、脱水カラム塔頂流4の中の地点であり、これは、脱水カラムDCの下流で、蒸気再循環流11が流れ4に入る地点の上流で、かつ前記脱水カラム塔頂流4中に真空を形成するポンプP1の上流に位置する地点として記載できる。地点Bは、ポンプP1の液体リング液流入口へ行く第二フェノール化合物流9中の地点として記載できる。地点Cは、促進剤吸収カラムPCに入る地点であり、好ましくは促進剤吸収カラムPCの塔底部分の液レベルより上に位置し、最も好ましくは促進剤吸収カラムPCの塔底部分の液レベルより上で、かつポンプP1からの放出流が促進剤吸収カラムPCへ入る入口より下に位置する地点として記載できる。地点Dは、促進剤吸収カラム塔底流6との合流点より上流のカルボニル化合物流2中の地点として記載できる。地点Eは、フェノール化合物/母液流1又はカルボニル化合物流2との合流点より上流の促進剤吸収カラム塔底流6中の地点として記載できる。地点Fは、縮合反応器供給流126との合流点より上流のフェノール化合物/母液流1中の地点として記載できる。BMTP触媒促進剤組成物は、反応過程にわたり増加的に又は連続して添加することができる。あるいは、所要の触媒促進剤の全てを反応システムのこれらの地点に添加してもよい。BMTP添加地点からBMTP貯蔵システムへの逆流は、酸(フェノールと同程度の弱い酸すら含む)及び水の存在がBMTPを分解して、メチルメルカプタンとアセトンを生じ得、これらの生成は、潜在的な危険性をはらみ得るので、望ましくない。地点Dを除くこのシステムのBMTP添加位置の全てが、BMTP分解を惹き起こすのに十分な高い濃度の、フェノール及び水の両方を含む。
地点Aは、最も好ましい。なぜならば、その添加位置が真空下にあることにより、目的生成物(destination inventory)のBMTP貯蔵システムへの逆流という危険性を最小にするからである。地点AAは、目的生成物がBMTP貯蔵システムへ逆流しうるという危険性が最小の真空下にあるので、反応システムの通常動作の間は好ましい。地点Bは、流れ9が、ポンプP1の液体リング流入口に入るので、添加位置が真空下にあり、それ故、好ましい。地点Bは、ポンプP1の液体リング流入口に実際上近接して位置すべきであろう。地点Cは、促進剤吸収カラムPCの圧力が、集められた縮合反応器供給流126、即ち個々の流れ1、2又は6の圧力より著しく低いので、好ましい。地点Cの好ましい位置は、促進剤吸収カラムPC中の液レベルより上であり、そのため、フェノールの逆流は起こりにくい。地点Dは、カルボニル化合物流2が、任意のフェノール成分又は他の酸性成分を含まず、かつ一般に水濃度が低いので、好ましい。特に、アセトンがカルボニル化合物の場合は、アセトンのBMTP貯蔵システムへの逆流は、過剰のアセトン濃度の故に、BMTPの何らかの分解の程度を最小にする傾向があろう。地点EとFは、流れ1と6の流れの圧がより高いために、これらの流中のフェノール化合物及び水の存在と相まって、フェノール及び水のBMTP貯蔵システムへの逆流の可能性がより高くなるので、あまり好ましくない。
BMTP触媒促進剤組成物の反応システムへの添加の割合は限定されない。触媒促進剤組成物の導入法も限定されない。地点AA又はAからF、好ましくは地点AA又はAからD、最も好ましくは地点Aで、触媒促進剤を安全に、かつBMTP供給システムへの逆流を起こさずに供給するようにデザインされた好適な手段により、計量され、注入され得る。
好ましくは、BMTP触媒促進剤組成物は、純組成物として、反応混合物に導入され、このことは、触媒促進剤と混合され、ポリフェノール製造に使用される成分以外に、触媒促進剤組成物が少なくとも90wt%、さらに好ましくは少なくとも95wt%、最も好ましくは少なくとも98wt%のBMTPを含むことを意味する。BMTP触媒促進剤の純組成物が使用されてもされなくても、フェノール化合物、カルボニル化合物又は触媒と反応する種である不純物が、触媒促進剤組成物中に存在し、その量は、好ましくは2wt%未満、更に好ましくは1wt%未満、最も好ましくは0.2wt%未満である。BMTPをプラントの場所まで配達するための輸送費をより低くするので、BMTPのより高い配分が好まれる。
反応システムへの新たな最初の装填量としての、BMTP触媒促進剤組成物の正確なモル量は、使用される特定の反応条件、選択されたフェノール化合物の種とカルボニル化合物の種及び使用触媒の種類に依存しよう。しかしながら、一般に、本発明のプロセスで、反応ゾーンへの最初の新たな装填として使用される、カルボニル化合物に対するBMTP触媒促進剤化合物のモル比は、0.005:1から0.5:1までの範囲であり、好ましくは0.05:1から0.25:1までの範囲である。反応体としてフェノール及びアセトンを使用する、ビスフェノール−Aの製造のための1実施形態において、カルボニル化合物に対するBMTP触媒促進剤化合物のモル比は、0.025:1から0.25:1の範囲である。1モルのBMTP触媒促進剤が、2モルの相当するモノメルカプタン触媒促進剤を生じるので、反応混合物に添加されるBMTP触媒促進剤化合物の量は、一般に、メチルメルカプタンの添加のために整えられたビスフェノール−A製造プロセスの場合のモル比の約半分である。
反応システムへBMTPを最初に装填する方法は、以下のとおりである:
フェノール化合物を縮合反応器CRに装填する。下流からの任意のフェノール化合物がフェノール化合物/母液流1及び縮合反応器供給流126を通って流れ、縮合反応器CRに流入し、かつフェノール化合物は、第一フェノール化合物流5を通って促進剤吸収カラムPCへと流入する。フェノール化合物は、縮合反応器CRから、縮合反応器流出液流3を介して、脱水カラムDCへと流れ、脱水カラム塔底流8で脱水カラムDCを出る。フェノール化合物流は、また、促進剤吸収カラムPCの塔底部から促進剤カラム塔底流6及び縮合反応器供給流126へと設けられる。カルボニル化合物流2は、この時点では、流れていない。脱塩水又は他の同様の精製水は、反応器残留量の約0.5wt%〜2wt%のレベルまでシステム中に導入(commissioned)される(約2.5〜10.0mol%)。水は、促進剤吸収カラムPCの頂部又は底部へ導入でき、流れ6もしくは126への導入、又はフェノール化合物/母液流1への導入、又は縮合反応器CRへの直接的導入を含む。次いで、BMTPは、縮合反応器CR中のメチルメルカプタンのレベルが約0.25wt%〜2.0wt%、好ましくは約0.5wt%〜1.0wt%(即ち,0.95〜1.9mol%)に達するまでシステムに導入される。この導入(commissioning)の間、水は過剰にある。例えば、縮合反応器中のメチルメルカプタンが約0.25wt%〜約2.0wt%、好ましくは約0.5wt%〜約1.0wt%に達するまで、導入(commissioning)の間の縮合反応器中の水/メチルメルカプタンモル比を約1.0より大、好ましくは約2.0より大に保持する割合で、BMTPが添加される。BMTP注入の割合は、ポンプ及び配管のデザインに依存して、少々不定であるが、水が常にメチルメルカプタンに対しモル過剰であることを保証するように行われる。装填された総BMTPは、反応器残留量の約0.5wt%(0.95mol%)に相当するようにされる。BMTPの開始注入の位置は、地点A、B、C又はDのうちの少なくとも1つである。地点Aは、促進剤吸収カラムPCからの蒸気再循環流11及びこれが脱水カラム塔頂流4と交わる地点により形成された再循環ループの中に含まれ、ポンプP1の上流である。言い換えれば、地点Aは、脱水カラムDC下流の、脱水カラム塔頂流4中にあり、蒸気再循環流11が脱水カラム塔頂流4と交わる地点の下流で、前記脱水カラム塔頂流4中に真空を形成するポンプP1の上流である。地点Bは、ポンプP1の液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流9中にある。地点Cは、促進剤吸収カラムPCに入る地点であり、好ましくは促進剤吸収カラムPC中の液レベルより上に位置する。地点Dは、カルボニル化合物が流れていない流れ2の中にある。
反応ゾーンが、一旦、BMTP組成物の新たな初装填量で装填されると、以下の理由のため、プロセスは、有利には、所望の収量を製造し続けるのに、新たな補填装填として、ほんの少量のBMTPを要するだけである。フェノール化合物、カルボニル化合物及び触媒促進剤からなる供給流は、ポリフェノール生成物を形成するのに十分な時間、酸触媒と接触する。フェノール化合物、カルボニル化合物、酸触媒及び触媒促進剤を含有する反応ゾーンでは、BMTP触媒促進剤は、迅速に加水分解して、その解離生成物になり、その1つは、炭素原子に共有結合するチオール基を有する化合物である、メチルメルカプタン触媒促進剤である。フェノール化合物とカルボニル化合物との縮合反応により、所望の収量のポリフェノールが、一旦得られると、生じたポリフェノール生成物含有粗反応混合物流出液流が、分離ゾーンに供給され、他の化合物の部分から、例えば縮合反応からの未反応カルボニル化合物、未反応フェノール化合物、メチルメルカプタン触媒促進剤を含む触媒促進剤の解離生成物及び水副産物、から、少なくとも、粗ポリフェノール化合物を分離して、粗ポリフェノール流に入れる。これらの化合物は、例えば蒸留又は分別蒸留により、塔頂物として又は分別による抜取り物として除去することができる。分離方法は限定されておらず、そのような物質を分離する任意の慣用の方法であって良い。蒸留は、一般に、最も容易で、最も好ましい方法である。しかしながら、他の公知の方法も独立して又はこの分離工程を含む蒸留と併用して使用することができる。
その1つがメルカプタン触媒促進剤である、BMTP解離生成物を含有するどのフラクションも、反応ゾーンに又は反応ゾーンに供給する任意のラインもしくは反応体に再循環させて戻すことができる。このフラクションは、再循環させて、直接に反応ゾーンに戻すか、又はメルカプタン触媒促進剤を再循環させて反応ゾーンに戻す前に、場合によるが、好ましくはさらに加工してメルカプタン触媒促進剤の濃度を上げ、回収してもよい。使用した分離手段に応じて、すべての塔頂物をメルカプタン回収ゾーンに供給するか、又はメルカプタンに富むフラクションを回収ゾーンに供給するか、又はメルカプタン触媒促進剤を含有する複数のフラクションを回収ゾーンに供給することができる。メルカプタン触媒促進剤の回収法は、限定されない。例えば、メルカプタン触媒促進剤化合物を含むBMTP解離生成物を含有する流れは、フェノールと効果的に接触させるようにデザインされたカラムを含む触媒促進剤吸収カラムに供給することができる。触媒促進剤吸収カラムでは、触媒促進剤解離生成物が分離機の塔頂生成物の残りから吸収される。回収ゾーンが、分離ゾーンからのメルカプタン触媒促進剤の濃度と比較して、メルカプタン触媒促進剤の濃度を高める機能がある限り、触媒促進剤解離生成物の回収方法は、限定されず、任意の慣用技術であって良い。分離され、回収された、メルカプタン触媒促進剤化合物含有触媒促進剤解離生成物は、一般に、戻しラインにより反応ゾーンへと再循環される。
実質的にすべてのメルカプタン触媒促進剤は、殆ど損失せずに、再循環させて、反応ゾーンへと戻すことができる。反応ゾーンへ一旦再循環されると、メルカプタン触媒促進剤は、反応ゾーンに新たな初装填物として装填されたBMTP触媒促進剤化合物の解離から形成される場合とまさに同程度に効果的に、酸触媒の活性を増加させ、選択的にカルボニル化合物をポリフェノール生成物に変換する。従って、BMTPを反応ゾーンへ新たに初装填後は、メルカプタン触媒促進剤の回収及び再循環過程での損失量を埋め合わせるために、BMTP触媒促進剤組成物の新たな補填装填量のみを反応システムへ供給し続ける必要がある。
このように、BMTP触媒促進剤組成物を反応ゾーンへ新たに初装填した後は、触媒促進剤の相当する解離生成物を分離し、再循環して反応ゾーンへ戻すプロセスにより経験した損失率に相当して、BMTP触媒促進剤化合物の補填装填量を、反応システムへ添加することができる。一般に、触媒促進剤の解離生成物は、99%より多くが再循環され、このことは、反応システムにあるメルカプタン化合物の総重量に基づき、補填として1時間当たり1wt%未満のBMTPを装填すべきであることを意味する。反応体としてフェノール及びアセトンを使用するビスフェノール−Aを製造する1実施形態において、選択された注入地点で、縮合反応器中のメチルメルカプタンレベルを約0.25〜約2.0wt%、好ましくは0.25〜約1.5wt%、更に好ましくは約0.25〜約1.0wt%に保持するのに十分であるように、BMTPを反応システムに装填する。必要に応じて、より高い又はより低い量のBMTP触媒促進剤を導入することができる。
従って、BMTP触媒促進剤を使用する更なる利点は、一旦、新たな初装填物として装填されると、触媒促進剤は、プロセスを通じ流れる必要は無く、廃棄、又は変換又は中和される必要が無いということである。BMTP触媒促進剤の解離生成物は、容易に揮発し、完全に分離され、かつ反応ゾーンに再循環されて戻され、触媒促進剤として使用され得る。
ポリフェノール反応条件は、ポリフェノール製造の技術に精通した人には公知の任意の反応条件である。具体的な反応条件は、フェノール化合物の種類、溶媒、カルボニル化合物及び選択された縮合触媒に依存して変化するであろう。一般に、フェノール化合物及びカルボニル化合物は、バッチ法であれ、連続法であれ、反応器中で、約20℃〜約130℃、好ましくは約50℃〜約130℃の範囲の温度で反応する。
圧力条件は、特に限定されず、反応は、大気圧、大気圧より低い圧力か又は高い圧力で進行し得る。しかしながら、反応が任意の成分の沸点以上の温度で進行するならば、外的に誘発された圧力無しで、又は反応混合物を触媒床にわたらせるのに十分な圧力、もしくは反応混合物を垂直反応器中で上向きに流すのに十分な圧力、もしくは反応器の中身を液状に保持するのに十分な圧力で、反応を進行させるのが好ましい。圧力と温度は、反応ゾーンで反応体を液相にしておく条件下に設定すべきである。温度は130℃を超えてよいが、反応器中で成分のいずれかを分解するほど高くはなく、反応生成物を分解するか又は望ましくない副産物の実質的な量の合成を促進するほど高くてはいけない。接触時間は、約15分〜約4時間にわたるか又はポリフェノールの所望の収量が得られるまでである。ポリフェノール及びカルボニル化合物反応体の酸性触媒上での接触時間は、約0.1〜約10hr−1の重量空間速度に相当する。
フェノール化合物が、カルボニル化合物に対しモル過剰であることを保証する条件下で、反応ゾーンへ反応体が導入される。好ましくは、フェノール化合物は、カルボニル化合物に対し、実質的にモル過剰で反応させる。例えば、カルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比は、好ましくは、少なくとも約2:1、さらに好ましくは少なくとも約4:1であり、約25:1に至るまでである。一般に、カルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比は、約4:1から約25:1までの比に保持される。
BMTP触媒促進剤をその解離生成物、例えば遊離メチルメルカプタンとアセトン、に解離するのを助けるために、反応システムに装填されたBMTP触媒促進剤とともに、少量の加水分解剤が反応ゾーンに必要である。都合の良い加水分解剤は水であり、これは、任意の供給装填物にいれて、直接に反応ゾーンに導入できるか、又はカルボニル化合物とフェノール化合物との縮合反応により現場形成することができる。約1:1から約5:1の範囲にある水対BMTP触媒促進剤のモル比は、BMTP触媒促進剤を適切に加水分解するのに十分である。この水の量は、典型的な反応条件下で現場形成される。従って、所望の場合には、任意に水を添加できるが、追加の水を反応ゾーンに導入する必要はない。
反応は、通常、1〜5のpH範囲で、酸性媒体中で行われる。本発明のプロセスに使用される縮合触媒は、フェノール化合物とカルボニル化合物とを縮合させてポリフェノールを製造するのに公知である任意の酸性触媒である。酸触媒は不均一触媒であって良い。これらの触媒には、スルホン酸基含有有機ポリシロキサン、部分的に中和されていてよいペンダントスルホン酸基を有する固体ペルフルオロポリマー触媒、酸性白土又は複数のペンダントスルホン酸基を有する酸性イオン交換樹脂がある。
酸性イオン交換樹脂は、時には、当技術で公知の慣用タイプのメルカプタン変性樹脂であり、これは、陽イオン交換樹脂の酸性基と反応してメルカプト置換基を樹脂に導入する任意の化合物を含む。交換樹脂の酸部位に結合される、好適なメルカプタン変性剤には、アルキルメルカプトアミン、例えばプロピルアミノプロピルメルカプタン、ビス−2−(メルカプトエチル)−アミン、チアゾリジン等がある。
本発明プロセスの縮合ステップにおける酸性イオン交換樹脂の有効性は、交換容量が大きいほど、より望ましい樹脂であるので、その交換容量に、ある程度影響される。好ましくは、陽イオン交換容量は、少なくとも約0.5であり、さらに好ましくは約4.0meq/g乾燥重量より大きい。即ち、より強力な交換能力の酸の陽イオン交換基に結合する、これらの陽イオン交換樹脂は、本発明プロセスの縮合ステップに使用するのが好ましい。本発明プロセスの縮合ステップに使用するのに(メルカプト変性剤で場合によっては変性されるのに)好適な酸性陽イオン交換樹脂には、スルホン化スチレン−ジビニル−ベンゼンコポリマー、スルホン化交差(cross−lined)スチレンポリマー、フェノール−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベンゼン−ホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ペルフルオロスルホン酸樹脂等がある。これらには、Amberlites又はAmberlysts(Rohm and Haas Co.)、DOWEX(Dow Chemical Co.)、Permutit QH(Permutit CO.)、Chempro(Chemical Process Co.)、Puroliteからの触媒、Lewatit(LANXESS Deutschland GmbH)、NAFIAN(DuPont)等のような商標名の樹脂がある。強酸スルホン化スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー樹脂が好ましい。
芳香族スルホン酸樹脂は、通常、市販されているか又はナトリウム塩として得て、使用前に酸の形に変換することができる。マクロ網状及びミクロ網状の両方の樹脂が本発明の縮合プロセスで有用である。樹脂の選択は、当然ながら、出発物質、反応条件及び選択された条件下での個々の樹脂の作用に依存しよう。前記条件の決定及び選択は、当分野の技術の範囲内である。
使用すべき酸性陽イオン交換樹脂の正確な量は、プロセスに使用される特定の樹脂、供給原料及び条件に依存してある程度変化しよう。実例として、十分な触媒が反応ゾーンに充填されて、約0.1〜約10hr−1の重量空間速度に相当する接触時間をもたらす。フェノール化合物、カルボニル化合物及びジチオケタール触媒促進剤からなる供給原料流は、当業者により容易に決定できる、供給速度、樹脂床のサイズ、使用された特定の樹脂及びジチオケタール触媒促進剤などに依存して、ポリフェノールの形成を行うのに十分な期間、樹脂触媒を通過する。
任意の好適な反応器を反応ゾーンとして使用してよい。反応は、1つの反応器内で、又は直列もしくは並列に配設した複数の反応器内で行って良い。反応器は、戻し混合(back mixed)反応器又は栓流(plug flow)反応器であってよく、反応は、連続又はバッチ法で行うことができ、反応器は上昇流又は下降流を生じることを指向し得る。
本発明は、ポリフェノール化合物の特定の回収法に限定されず、当業者に公知の何れの方法も好適である。しかしながら、一般に、反応ゾーンからの粗反応混合物流出液は、前記の分離器に供給される。ポリフェノール生成物、ポリフェノール異性体、未反応フェノール化合物及び少量の種々の不純物が、塔底生成物(bottoms product)として、分離器から取り出される。この塔底生成物は、別の分離器に供給することができる。晶析は、ポリフェノール分離の一般的方法であるが、ポリフェノールを母液から分離するために使用できる何れの方法も、ポリフェノール生成物の所望の純度に依存して使用することができる。分離すると直ちに、フェノール及びポリフェノール異性体を含む母液は、反応ゾーンに、反応体として戻すことができる。
次いで、母液から分離されたポリフェノールは、ポリフェノール回収プロセスなどの更に別の分離及び精製器に送ることができる。これは、BPAを、引き続き、ポリカーボネートの製造に使用するために製造する場合のように、非常に純粋な生成物が必要な場合に、特に重要である。一般に、そのような更なる分離は、例えば再結晶などの技術を使用して行うのが有利であろう。
本発明を、以下の実施例により説明するが、この実施例は、本明細書中に記載される、発明の精神及び範囲内に限定することを意図しない。
例1
引用することにより本明細書の一部をなすU.S.特許No.6465697は、触媒促進剤として遊離BMTPを導入することによる、酸性樹脂で触媒されたBPAの製造について、硫黄種の割合、選択性及び分布が、触媒促進剤としてメチルメルカプタン(MeSH)を使用して添加した場合と実質的に同じようであることを示す。
BMTPの調製
機械的撹拌機とドライアイス冷却フィンガーコンデンサー(dry ice cold finger condenser)を装備した3つ口丸底フラスコへ100gのアセトン、5gのCT122(Puroliteから市販の強酸性2%架橋スルホン化スチレンジビニルベンゼン陽イオン交換樹脂(ゲル型))、及び96gのメチルメルカプタンを添加した。周囲温度で3時間及び40℃で1時間撹拌後、液相を、200mlの塩化メチレン中にデカントし、水100mlで3度洗浄した洗浄済み混合物を集めて、これを無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、回転蒸発器で濃縮させた。残分を分別蒸留して、27torrで沸点64〜66℃を有するビスメチルチオプロパン(BMTP)26gが得られた。サンプルをC13NMRで分析した。δ12.35(“δ”は、“デルタ”を意味する)にあるピークは、CHS基の存在に対応し、δ29.63のピークは、CH基に対応し、δ54.47のピークは、第四級炭素原子の存在に対応する。
BPA調製に関する反応速度
きわめて酸性の陽イオン交換樹脂CT122により触媒され、かつMeSH及びBMTPで促進されたアセトン/フェノール縮合の速度は、その場IR(in−situ IR)により,それぞれ測定した。フェノール、水及びCT122の混合物は、オートクレーブ中、自生圧(autogeneous pressure)で75℃まで予熱し、その後、アセトンと促進剤の溶液を注入した。MeSH−促進反応中の供給原料の相対モル組成は、フェノール100モル、アセトン8.1モル、水2.8モル及びMeSH1.04モルであった。BMTP−促進反応中の供給原料の相対モル組成は、MeSHが、半分のモル量のBMTPに置き換わることを除き同じであった。フェノール対CT122の重量比は、両方の反応で、100:3.17であった。混合物は、約3時間の期間にわたり反応し、その期間、反応速度を測定した。この実験の結果が示したように、BMTP−促進反応において、誘導期はなく、アセトンの変換の一次反応速度は、MeSH−促進反応のものと実質的に同じであった。
選択性分析
触媒促進剤溶液のBPA形成への選択性は、HPLCにより測定した。以下の生成物分布データーは、MeSHをBMTPに換えてもBPA形成の選択性に影響が無いことを示す。全ての数字は相対単位である。
Figure 2009535401
Figure 2009535401
Figure 2009535401
硫黄種分析
MeSH及びBMTP促進反応における硫黄副産物の存在は、反応混合物のGC−MSにより測定した。分析は、各場合に3つの硫黄種の存在を示した。即ち、メチルメルカプタン(MeSH)、BMTP及び4−チオメチル−4−メチル−2−ペンタノン(TMP)の3種である。3種の硫黄の相対濃度は、MeSH及びBMTP促進反応の両方で、実際上ほぼ同じである。このことは、BMTP及びMeSHの迅速な平衡と矛盾せず、反応条件下で硫黄種の同じ分布をもたらす。MeSH促進反応に見られた少量のジメチルジスルフィドは、MeSH中の不純物であることが示された。全ての数字は、相対的面積(relative area)である。
Figure 2009535401
例2
この例は、以下の表に示すように、フェノール、アセトン、水及びフェノール母液の混合物中のBMTPの解離度を示す。
Figure 2009535401
サンプル1は、触媒促進剤として使用した不希釈BMTPである。サンプル2は、BMTPと業務用(commercial grade)フェノールとの混合物である。サンプル3は、縮合反応器CR供給原料として調製された、BMTPと、業務用フェノールと、LC−グレードのアセトンとの混合物である。サンプル4は、BMTPと、業務用フェノールと、LC−グレードのアセトンと、BPA精製からの母液再循環流との混合物である。サンプル5は、供給流としてサンプル4を使用する、縮合反応器流出液流(流れ3)である。硫黄種検出器を備えたガスクロマトグラフィーを使用して、すべてのサンプルを分析した。BMTPピークにより表された全ピーク面積のパーセンテージが、各サンプルについて示される。サンプル3から5までの水濃度は、GC/TCDにより測定した。
例3
この例は、フェノールとアセトンの酸触媒縮合反応用促進剤としてBMTPを使用するBPAの製造に関し、図1に図示された反応システムの始動を示す。液体フェノールは、約4.0meq/g乾燥重量より大きい陽イオン交換容量を備えた酸性イオン交換樹脂を含む縮合反応器CRに、フェノール化合物/母液流1及び縮合反応器供給流126を通って装填され、かつ第一フェノール化合物流5を通って促進剤吸収カラムPCに装填され、その際、カルボニル化合物流2は流れていない。縮合反応器CRの内容物の温度は、約60℃まで上げる。フェノールは、縮合反応器流出液流3を介し、縮合反応器CRから脱水カラムDCへと流れ、かつ脱水カラム塔底流8及び脱水カラム塔頂流4として脱水カラムDCを出ていく。フェノール流は、また、促進剤吸収カラムPCの底部から促進剤吸収カラム塔底流6へと設定され、かつ第二フェノール化合物流9に設定される。水は、流れ1、2及び/又は6へと添加することにより、流れ126を介して、縮合反応器CRへと導入され、縮合反応器CR残留量の約0.75wt%(約3.75mol%)の水レベルを形成する。次いで、BMTPを、縮合反応器CR中のメチルメルカプタンレベルが約0.5wt%(0.95mol%)に達するまで、注入地点Aでシステムに導入する。地点AへのBMTP注入の割合を制御して、水がメチルメルカプタンに対しモル過剰であることを保証することにより、この手順の間、水は過剰に保持される。例えば、縮合反応器中の水/メチルメルカプタンモル比は、約1.0より大で、好ましくは約2.0より大に保持する。システムに導入される総BMTPは、縮合反応器CR残留量の約0.5wt%(0.95mol%)に相当するようにする。地点Aは、促進剤吸収カラムPCからの蒸気再循環流11及びこれが脱水カラム塔頂流4と交わる地点により形成される再循環ループ内で、ポンプP1の上流にある。BMTPは、始動の間、ほぼ停滞している流れには注入されないことが注目される。
例4
例3におけるように始動された反応システム中に向けて、液体アセトンがカルボニル流2へ供給されて、以下のように、BPA製造操作での物質バランスが得られる。液体縮合反応器流出液流3は、フェノール540部、BPA257部、水18部、アセトン5部、メチルメルカプタン9部及び他の種90部を含む。蒸気脱水カラム塔頂流4は、アセトン約5部、水1部及びメチルメルカプタン9部を含み、液体脱水カラム塔底流8は、BPA約257部とフェノール538部を含む。液体促進剤吸収カラム塔底流6は、フェノール約249部、アセトン5部、メチルメルカプタン9部及び水1部を含む。
本明細書に引用される全ての特許、特許出願、テスト手順、優先権書類、記事、刊行物、便覧及び他の文書は、その開示が本発明と不整合ではない範囲で、引用することにより、完全に本明細書中に組み込まれ、かつそのような組み込みが許可される全ての管轄権のもとにある。
本明細書中に、数値の下限及び上限が記載される場合、任意の下限から上限までの範囲が意図されている。
本発明の具体例が、詳細に記載されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、種々の他の変更が当業者には明白であり、かつ当業者によりたやすくなされ得ることは理解されるであろう。従って、ここに添付のクレームの範囲は、本明細書に記載の実施例及び記述に限定されず、むしろクレームは、本発明が属する分野の熟練者によりその等価物として扱われる全ての特徴を含む、本発明中に存在する特許可能な新規性の全ての特徴を包含すると解釈されることが意図される。
ポリフェノール、例えばBPA、の製造プロセス内の反応システムのフローチャートである。

Claims (40)

  1. ポリフェノール製造条件でポリフェノールを製造するためのプロセス反応システムであって、
    フェノール化合物/母液流と、カルボニル化合物流と、酸触媒を含みポリフェノール製造条件下に保持された縮合反応器と、脱水カラムへ向かう縮合反応器流出液流と、脱水カラムと、促進剤吸収カラムへ向かう、下流第一ポンプにより形成された真空下にある脱水カラム塔頂流と、脱水カラム横抜き流と、脱水カラム塔底流と、促進剤吸収カラムと、前記促進剤吸収カラムからの排出流と、前記促進剤吸収カラムから前記第一ポンプ上流の前記脱水カラム塔頂流へ向かう蒸気再循環流と、促進剤吸収カラム塔底流と、第一フェノール化合物流と、前記第一ポンプの液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流と、前記フェノール化合物/母液流、前記カルボニル化合物流及び前記促進剤吸収カラム塔底流を含んで、酸触媒を含む前記縮合反応器へ向かう縮合反応器供給流とを含み、
    前記プロセス反応システムが、さらに、フェノール化合物反応体、カルボニル化合物反応体及びビスメチルチオプロパン触媒促進剤組成物を含み、前記ビスメチルチオプロパン触媒促進剤組成物が、(a)前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流、(aa)前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より上流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流、(b)前記脱水カラムを真空にする前記第一ポンプの液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流、(c)前記促進剤吸収カラム、(d)前記促進剤吸収カラム塔底流との合流点より上流のカルボニル化合物流、(e)前記カルボニル化合物流との合流点より上流の促進剤吸収カラム塔底流又は(f)前記フェノール化合物/母液流のうちの少なくとも1つの前記プロセス反応システム中に添加される、ポリフェノールを製造するためのプロセス反応システム。
  2. 前記フェノール化合物がフェノールを含み、前記カルボニル化合物がアセトンを含む請求項1に記載のプロセスシステム。
  3. 前記酸触媒が、4.0meq/g乾燥重量より大きい陽イオン交換容量を有する酸性陽イオン交換樹脂を含む請求項1に記載のプロセスシステム。
  4. 前記ポリフェノール製造条件が、約20℃〜約130℃の温度及び、約0.1〜約10hr−1の重量空間速度に相当する、前記酸触媒上でのポリフェノールとカルボニル化合物との接触時間を含む請求項1に記載のプロセスシステム。
  5. 前記ポリフェノール生成物が、ビスフェノール−Aを含む請求項1に記載のプロセスシステム。
  6. 前記触媒促進剤組成物が、(a)前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある脱水カラム塔頂流、(aa)前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より上流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流、(b)前記脱水カラムを真空にする前記第一ポンプの液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流、(c)前記促進剤吸収カラム、又は(d)前記促進剤吸収カラム塔底流との合流点より上流のカルボニル化合物流のうちの少なくとも1つの前記プロセス反応システムに添加される、請求項1に記載のプロセスシステム。
  7. 前記触媒促進剤組成物が、前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、前記脱水カラム塔頂流のところで、前記プロセス反応システムに添加される、請求項6に記載のプロセスシステム。
  8. 前記フェノール化合物がフェノールを含み、前記カルボニル化合物がアセトンを含む請求項7に記載のプロセスシステム。
  9. 前記酸触媒が、4.0meq/g乾燥重量より大きい陽イオン交換容量を有する酸性陽イオン交換樹脂を含む請求項7に記載のプロセスシステム。
  10. 前記ポリフェノール製造条件が、約20℃〜約130℃の温度及び、約0.1〜約10hr−1の重量空間速度に相当する、前記酸触媒上でのポリフェノールとカルボニル化合物との接触時間を含む請求項7に記載のプロセスシステム。
  11. 前記ポリフェノール生成物が、ビスフェノール−Aを含む請求項7に記載のプロセスシステム。
  12. プロセスシステムが、(1)約20℃〜約130℃の温度に保持され、酸性触媒を含有する前記縮合反応器の中に、前記フェノール化合物/母液流及び前記促進剤吸収カラム塔底流の中身を含む前記縮合反応器供給流を介して液体フェノール化合物を添加するステップと、(2)フェノール化合物を前記促進剤吸収カラムに添加するステップと、(3)縮合反応器残留量の約0.5wt%〜約2.0wt%の水レベルを生じる割合で、前記促進剤吸収カラム又は前記縮合反応器供給流に水を添加するステップと、(4)前記縮合反応器中のメチルメルカプタンが0.25wt%〜2.0wt%に達するまで、前記縮合反応器中の水/メチルメルカプタンモル比を約1.0より上に保持する割合で、ビスメチルチオプロパンを反応システムに、注入地点で添加するステップとを含むステップで開始され、前記ビスメチルチオプロパンの注入地点が、(a)前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流中、(b)前記脱水カラムを真空にする前記第一ポンプの液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流中、(c)前記促進剤吸収カラム中、又は(d)前記促進剤吸収カラム塔底流との合流点より上流のカルボニル化合物流中のうちの少なくとも1つであり、かつその場合、前記縮合反応器中で、水がメチルメルカプタンに対しモル過剰であることが確実であるように、ビスメチルチオプロパン注入の割合を制御する請求項1に記載のプロセスシステム。
  13. 前記フェノール化合物がフェノールを含み、かつ前記縮合反応器中のメチルメルカプタンが0.5wt%〜1wt%に達するまで、前記縮合反応器中の水/メチルメルカプタンモル比を約1.0より上に保持する割合で、ビスメチルチオプロパンを前記反応システムへ注入地点で添加する請求項12に記載のプロセスシステム。
  14. 前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、前記脱水カラム塔頂流中の注入地点で、ビスメチルチオプロパンを前記プロセス反応システムに添加する請求項12に記載のプロセスシステム。
  15. 前記縮合反応器中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比が、少なくとも約2である請求項1に記載のプロセスシステム。
  16. 前記縮合反応器中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比が、約4〜約25である請求項15に記載のプロセスシステム。
  17. 前記プロセス反応システムに添加されるビスメチルチオプロパンの量が、前記縮合反応器中のメチルメルカプタンレベルを約0.25〜約2.0wt%に保持するのに十分である請求項15に記載のプロセスシステム。
  18. 前記縮合反応器中のアセトンに対するフェノールのモル比が、少なくとも約2である請求項2に記載のプロセスシステム。
  19. 前記縮合反応器中のアセトンに対するフェノールのモル比が、約4〜約25である請求項18に記載のプロセスシステム。
  20. 前記プロセス反応システムに添加されるビスメチルチオプロパンの量が、前記縮合反応器中のメチルメルカプタンレベルを約0.25〜約2.0wt%に保持するのに十分である請求項18に記載のプロセスシステム。
  21. 前記縮合反応器中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比が、少なくとも約2である請求項6に記載のプロセスシステム。
  22. 前記縮合反応器中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比が、約4〜約25である請求項21に記載のプロセスシステム。
  23. 前記プロセス反応システムに添加されるビスメチルチオプロパンの量が、前記縮合反応器中のメチルメルカプタンレベルを約0.25〜約2.0wt%に保持するのに十分である請求項21に記載のプロセスシステム。
  24. 前記縮合反応器中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比が、少なくとも約2である請求項7に記載のプロセスシステム。
  25. 前記縮合反応器中のカルボニル化合物に対するフェノール化合物のモル比が、約4〜約25である請求項24に記載のプロセスシステム。
  26. 前記プロセス反応システムに添加されるビスメチルチオプロパンの量が、前記縮合反応器中のメチルメルカプタンレベルを約0.25〜約2.0wt%に保持するのに十分である請求項24に記載のプロセスシステム。
  27. 前記縮合反応器中のアセトンに対するフェノールのモル比が、少なくとも約2である請求項8に記載のプロセスシステム。
  28. 前記縮合反応器中のアセトンに対するフェノールのモル比が、約4〜約25である請求項27に記載のプロセスシステム。
  29. 前記プロセス反応システムに添加されるビスメチルチオプロパンの量が、前記縮合反応器中のメチルメルカプタンレベルを約0.25〜約2.0wt%に保持するのに十分である請求項27に記載のプロセスシステム。
  30. 酸触媒を含み、かつポリフェノール製造条件に保持された反応ゾーンに、フェノール化合物反応体と、カルボニル化合物反応体と、ビスメチルチオプロパンを含む触媒促進剤とを添加して、ポリフェノール化合物を前記酸触媒の存在下に製造するプロセスであって、その改良プロセスが、(a)脱水カラムの下流であって、蒸気再循環流が脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する第一ポンプの上流にある、脱水カラム塔頂流、(aa)脱水カラムの下流であって、蒸気再循環流が脱水カラム塔頂流と交差する地点より上流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流、(b)脱水カラムを真空にする第一ポンプの液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流、(c)促進剤吸収カラム、(d)促進剤吸収カラム塔底流との合流点より上流のカルボニル化合物流、(e)カルボニル化合物流との合流点より上流の促進剤吸収カラム塔底流又は(f)フェノール化合物/母液流のうちの少なくとも1つの中に、前記触媒促進剤が導入されて、前記プロセスに添加されることを含むポリフェノール製造プロセス。
  31. 前記フェノール化合物がフェノールを含み、前記カルボニル化合物がアセトンを含む請求項30に記載のプロセス。
  32. 前記酸触媒が、4.0meq/g乾燥重量より大きい陽イオン交換容量を有する酸性陽イオン交換樹脂を含む請求項30に記載のプロセス。
  33. 前記ポリフェノール製造条件が、約20℃〜約130℃の温度及び、約0.1〜約10hr−1の重量空間速度に相当する、前記酸触媒上でのポリフェノールとカルボニル化合物との接触時間を含む請求項30に記載のプロセス。
  34. 前記ポリフェノール化合物が、ビスフェノール−Aを含む請求項30に記載のプロセス。
  35. 前記触媒促進剤が、(a)脱水カラムの下流であって、蒸気再循環流が脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流、(aa)脱水カラムの下流であって、蒸気再循環流が脱水カラム塔頂流と交差する地点より上流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する第一ポンプより上流にある、脱水カラム塔頂流、(b)脱水カラムを真空にする第一ポンプの液体リング流入口へ向かう第二フェノール化合物流、(c)促進剤吸収カラム、(d)促進剤吸収カラム塔底流との合流点より上流のカルボニル化合物流のうちの少なくとも1つの前記プロセス中に添加される請求項30に記載のプロセス。
  36. 前記触媒促進剤組成物が、前記脱水カラムの下流であって、前記蒸気再循環流が前記脱水カラム塔頂流と交差する地点より下流で、かつ前記脱水カラム塔頂流中に真空を形成する前記第一ポンプより上流にある、前記脱水カラム塔頂流のところで、前記プロセスに添加される、請求項35に記載のプロセス。
  37. 前記フェノール化合物がフェノールを含み、前記カルボニル化合物がアセトンを含む請求項36に記載のプロセス。
  38. 前記酸触媒が、4.0meq/g乾燥重量より大きい陽イオン交換容量を有する酸性陽イオン交換樹脂を含む請求項36に記載のプロセス。
  39. 前記ポリフェノール製造条件が、約20℃〜約130℃の温度及び、約0.1〜約10hr−1の重量空間速度に相当する、前記酸触媒上でのポリフェノールとカルボニル化合物との接触時間を含む請求項36に記載のプロセス。
  40. 前記ポリフェノール化合物が、ビスフェノール−Aを含む請求項36に記載のプロセスシステム。
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