JP2008526813A - 抗kir組み合わせ治療および方法 - Google Patents

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Abstract

抗KIR抗体および1つまたは複数の二次抗癌剤または抗ウイルス薬を含む組成物、並びに癌(たとえば、肺癌)またはウイルス感染(たとえば、HIVまたはHCV感染)の治療においてこのような組み合わせを(組み合わせ組成物として、または別々の投与プロトコルに)使用する方法が提供される。
【選択図】 図1

Description

発明の分野
本発明は、癌および前癌状態またはウイルス感染の治療であって、キラー免疫グロブリン様受容体(KIR)に対する抗体が、その他の癌または癌予防的治療または抗ウイルス治療と組み合わせて使用される治療に関する。
発明の背景
ナチュラルキラー(NK)細胞は、細胞障害性の免疫細胞として作用する大型顆粒リンパ球のサブセットである。NK細胞は、種間で変化する多くの既知の細胞表面マーカーによって同定することができる(たとえば、ヒトでは、CD56、CD16、NKp44、NKp46およびNKp30が使用されることが多く;マウスでは、NK1.1(Ly49A-W)、CD49bが使用されることが多い)。活性状態では、NK細胞は、一定の自己の、同種間の、およびさらに異種間の腫瘍細胞、ウイルス感染した細胞、一定の細菌(たとえば、チフス菌(Salmonella typhi))、並びにその他の標的細胞を死滅させることができる。NK細胞は、その表面上の主要組織適合クラスI(「MHCI」または「MHC-I」)分子をほとんどまたは全く発現しない標的細胞を優先的に死滅させるようである。また、NK細胞は、抗体分子が付着した標的細胞を死滅させる(抗体依存性細胞障害(ADCC)として知られるメカニズム)。標的細胞に対する作用の際に、NK細胞は、パーフォリンと呼ばれる孔形成タンパク質、グランザイムと呼ばれるタンパク質分解酵素およびサイトカイン/ケモカイン(たとえば、TNFα、IFNγ、その他)を放出することができ、これらが直接標的細胞アポトーシスまたは溶解を引き起こすか、またはこれらがその他の免疫応答を調節する。活性化により、NK細胞は、Fasリガンド(FasL)を発現することもあり、これらの細胞がFasを発現する細胞のアポトーシスを誘導することができる。
適切なNK細胞を媒介した免疫応答を開始するためには、典型的には、十分なNK細胞活性およびNK細胞数の両方が必要である。NK細胞は、個体に正常な数で存在するであろうが、活性化されない場合には、これらの細胞は、異常細胞を除去するなどの、生命維持に必要な免疫系機能を行うのに効果がない。NK細胞活性の減少は、多くの疾患の発症および進行に関連している。たとえば、NK細胞活性が低いと、慢性疲労症候群(CFS)、ウイルス感染および癌の発症などの疾患に対する感受性をより高くすることが、研究により証明されている。
NK細胞活性は、標的細胞に発現されるMHC-I分子、MHC-I相同体またはその他の生体分子などの種々のリガンドに対して特異的であろうNK細胞活性調整受容体(「NKCAMR」または単に「AMR」)によって調節される。個体のNK細胞には、典型的には、多数の活性化受容体および阻害受容体がある。NK細胞の活性は、これらの活性化受容体および阻害受容体を介して伝達されるシグナルのバランスによって調節される。それぞれのタイプのNKCAMRについて簡単に、以下に順番に考察してある。
体細胞がこのような癌進行のストレス下にあるか、または感染している場合、典型的には、MICAおよびMICBなどの種々の分子がストレスを受けた細胞の表面上に示されて、通常表示されたMHC-I分子は、細胞表面から「失われる」(数が減少し、および/またはグリコシル化され、その結果、これらは、免疫系によって「外来性」とは「見られない」)。NKCAMRは、これらの変化および細胞ストレス、疾患および障害と関連した潜在的なNK標的細胞のその他の変化に感受性である。
大部分のNKCAMRは、2つのクラスのタンパク質:免疫グロブリン(Ig)様受容体スーパーファミリー(IgSF)またはC型レクチン様受容体(CTLR)スーパーファミリーのうちの一方に属するようである(たとえば、Radaev and Sun, Annu. Rev. Biomol. Struct. 2003 32:93-114を参照されたい)。しかし、NKCAMRのその他の形態も既知である。多数のNKCAMRの構造が解明されている(同上)。本発明をよりよく例証するために、十分に理解されているNKCAMRのタイプを、これらの特定の例に関して本明細書に記述してある。しかし、明確に本明細書に記述した受容体の他にも、いくつかのさらなるNKCAMRが既知であり(たとえば、Farag et al., Expert Opin. Biol. Ther. 3(2):237-250を参照されたい)、本明細書に記述した本発明の組成物および方法は、典型的にはこれらのNKCAMRおよびその他のNKCAMRにも適用できる。
NK細胞を活性化する受容体(NKCAR)
多くのNK細胞活性化受容体(NKCAR)は、Igスーパーファミリー(IgSF)(このような受容体は、本明細書においてIg様受容体または「ILR」とも称してもよい)に属する。活性化ILR NK受容体(AILR)には、たとえばCD2、CD16、CD69、DNAXアクセサリー分子-1(DNAM-1)、2B4、NK1.1;キラー免疫グロブリン(Ig)様活性化受容体(KAR);ILT/LIR;並びにNKp44、NKp46およびNKp30などの自然細胞傷害性受容体(NCR)を含む。いくつかのその他のNKCARは、CLTRスーパーファミリーに属する(たとえば、NKRP-1、CD69;CD94/NKG2CおよびCD94/NKG2Eヘテロ二量体、NKG2Dホモ二量体、並びにマウスにおいて、Ly49の活性化アイソフォーム(Ly49A-Dなど))。さらに他のNKCAR(たとえば、LFA-1およびVLA-4)は、インテグリンタンパク質スーパーファミリーに属し、その他の活性化受容体は、さらにその他の識別可能な構造を有し得る。多くのNKCARは、MHC-I分子と結合する細胞外ドメインと、比較的短く、かつ阻害性NK受容体に特徴的な阻害性(ITIM)シグナリングモチーフを欠いた細胞質ドメインとを有する。これらの受容体の膜貫通ドメインは、典型的には、NK細胞活性化シグナルを伝播する「免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ」(ITAM)と呼ばれる短いアミノ酸配列を含む、CD3ζ、FcεRIγ、DAP12およびDAP10(2B4は、たとえば、この通則に対する例外であるように見える)などのシグナル伝達関連分子とのこれらの会合を容易にする荷電したアミノ酸残基を含む。受容体2B4は、その細胞質尾部に4つのいわゆるITSMモチーフ(免疫受容体チロシンベースのスイッチモチーフ)を含み;また、ITSMモチーフは、NKCAR CS1/CRACCおよびNTB-Aにも見いだすことができる。2B4およびSLAMの細胞質ドメインは、活性化受容体および阻害性受容体に存在するモチーフに似ており、かつタンパク質SHP-2およびSAP(SLAM結合タンパク質)を含むSH2ドメインを補充することができる2つ以上の独特のチロシンベースのモチーフを含む。
ヒトのMIC-A、MIC-BおよびULBP、並びにマウスのRae-1およびH-60などのストレスで誘導される分子は、NKG2Dホモ二量体などのNKCARのためのリガンドとしての役割を果たす。また、細胞の炭水化物、病原性抗原および抗体は、NKCARリガンドであり得る。たとえば、NKR-P1は、炭水化物リガンドと結合して、特に異常なグリコシル化パターンを示す腫瘍細胞に対してNK細胞活性化をトリガーし得る。ウイルスの赤血球凝集素は、ILR NKCAR NKp30、NKp44、NKp46およびNKp80などの天然の細胞障害性受容体(NCR)のためのリガンドとしての役割を果たす。
NKCARは、直接活性化シグナルを伝達することができるか、またはアダプター分子もしくはその他の受容体と共に作用することができる(時に、著しく有効な受容体間の応答が調整された状況か、または補助受容体-受容体対形成の状況かのいずれか)。たとえば、NKCAR NCRは、典型的にはITAMを欠いており、したがって、これらの膜貫通ドメインの荷電残基を介してアダプター分子と結合し(たとえば、NKp30は、CD3ζ鎖と会合し;NKp44は、DAP12および/またはKARAPと会合し;NKp46は、CD3ζ鎖およびFcRIγ鎖に結合する)、これにより、次にNK細胞活性化シグナルを伝播するためにタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)を補充することができる。NK細胞を媒介したADCCおよびサイトカイン産生に重要なNKCARであるCD16は、CD3ζおよび/またはγ鎖で形成されたホモ二量体またはヘテロ二量体と会合する。NKG2Dは、NK細胞活性化のNCRおよびNKCARと共に相補的および/または相乗的な役割を果たすようである。特定の標的に対するNK細胞の活性化には、複数のNKCARもしくはNCRの協調された活性化か、または単一の受容体のみの作用を必要とするであろう。2B4およびNKp80を含むその他のトリガリング表面分子は、NK細胞活性化のための補助受容体として機能するようである。
ヒトKIR(たとえば、KIR2DSおよびKIR3DS)およびマウスLy-49タンパク質(たとえば、Ly-49DおよびLy-49H)の活性化アイソフォームは、いくつかのNK細胞によって発現されている。これらの分子は、これらの比較的短い細胞質ドメイン内に阻害性モチーフ(ITIM)を欠いていること、およびDAP12のジスルフィド結合した二量体などのシグナル伝達ポリペプチドと会合する荷電した膜貫通領域を有することにより、これらの阻害性の対応物(下記で論議した)とは異なる。
NKCIR NK細胞阻害性受容体
ILR(IgSF)NK細胞阻害性受容体(NKCIR)(I)は、HLA-A、-B、または-Cアロタイプに特異的な多数の異なるヒトKIRを含む(KIRは、特定のアロタイプ内の複対立遺伝子を認識し得る−たとえば、KIR2DL1は、HLA-Cw2、4および6アロタイプを認識する)。CTLRスーパーファミリー阻害性受容体には、NKG2AなどのNKG2ファミリーの種々のメンバーと共にレクチン様CD94によって形成される受容体を含むCD94/NKG2タンパク質ファミリーのメンバーを含み、それぞれヒトおよびマウスの非古典的クラスI分子であるHLA-EおよびQa-1、並びにマウスの古典的クラスI MHC分子を認識するマウスLy49分子を認識する。さらに対照的に、NKRP1A、Nkrp1fおよびNkrp1dは、そのリガンドがMHCとは関連していないが、樹状細胞、マクロファージおよびリンパ球などの種々の細胞タイプに発現されるCTLRファミリーメンバーである阻害性受容体である。
MHCクラスI特異的NKCIRには、CTLR Ly-49受容体(マウスにおいて);IgSF受容体LIR(白血球免疫グロブリン様受容体、ヒトにおいて)、KIR(たとえば、p58およびp70キラー細胞免疫グロブリン様受容体、ヒトにおいて)およびCTLR CD94/NKG2受容体(マウスおよびヒトにおいて)を含む。全てのMHC-I特異的NKCIRは、MHC-I結合およびリン酸化されたITIMに対するチロシンホスファターゼ(たとえば、SHP-1およびSHP-2)の補充の過程で、これらの細胞質ドメインの免疫チロシン阻害性モチーフ(ITIM)のリン酸化を含む共通の阻害機序を明らかに使用しており、NKCARを介したNK活性化に関与する近位のタンパク質チロシンキナーゼ(PTK)の阻害を生じるようである。
CTLR糖タンパク質から形成される阻害性CD94/NKG2ヘテロ二量体は、ITIMを有するNKG2分子(たとえば、NKG2A)を含み、非古典的MHC-I分子(たとえば、ヒトにおけるHLA-EおよびマウスにおけるQa-1)に結合する。
阻害性Ly-49受容体は、マウスII型膜ジスルフィド結合ホモ二量体CTLR糖タンパク質であり、これらは、種々のMHC-I分子と結合して、典型的にはNK細胞に対して優性阻害性(ネガティブ)シグナルを送達する。Ly-49Aは、たとえばMHC-I分子H-2Ddのα1/α2ドメインに結合するが、Ly-49Cは、H-2Kbに結合する。ヒトNK細胞は、マウスLy-49受容体の相同体を欠いているようである。その代わりに、ヒトNK細胞は、KIRを発現しているが、これらは、マウスNK細胞では見いだされない。ヒトKIRおよびマウスLy-49受容体は、構造的相同性を欠いているが、これらは、機能的にオルソロガスであり:両タイプの受容体が、標的細胞上のHLAクラスIと結合して、NKを媒介した細胞障害の阻害を生じる。
NKCIRの重要なタイプは、KIRである。一般に、KIRは、いくつかのT細胞並びに大部分のヒトNK細胞によって発現されている1〜3個の細胞外免疫グロブリン様ドメインを含む細胞表面糖タンパク質である。多数のKIRが、十分に特徴づけられている(たとえば、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ウェブサイトを介してhttp://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/bookres.fcgi/mono_003/ch1d1.pdfにて利用できるCarrington and Norman, The KIR Gene Cluster, May 28, 2003を参照されたい)。ヒトKIRは、KIR2DLおよびKIR3DLを含む(KIRは、CD158e1、CD158k、CD158z、p58 KIR CD158e1(p70)、CD244その他などの種々のその他の名称によっても呼ばれ得る)(たとえば、米国特許出願第20040038894号、Radaev et al., Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct., 32:93-114(2003), Cerweknka et al., Nat. Rev. Immunol. 1:41-49(2001); Farag et al., Expert Opin. Biol. Ther., 3(2):237-250(2003); Biassoni et al., J. Cell. Mol. Med., 7(4):376-387(2003);およびWarren et al., British J. Haematology, 121:793-804(2003)を参照し、これらのそれぞれは、本明細書によりそれらの全体が援用される)。多数のKIRの構造が解明されており、これらのタンパク質間の著しい構造的類似性が明らかである。たとえば、前記Radaev et al.を参照されたい。
KIRは、構造的に、並びに機能的に分類することができる。たとえば、大部分のKIRはいずれの2つのIgドメイン(58kDaのKIR2D KIR)も有するが、一方、その他ものは、3つのIgドメイン(70kDaのKIR3D KIR)を有する(時に、それぞれp58およびp70分子と称する)。また、KIRは、細胞質尾部長が変化する。典型的には、比較的長い細胞質尾部をもつKIR(L)は、阻害性シグナルを送達するが、短い細胞質尾部をもつKIR(S)は、NKまたはT細胞応答を活性化することができる。したがって、KIRのための命名法は、細胞外ドメイン(KIR2DまたはKIR3D)の数および細胞質尾部が長いか(KIR2DLまたはKIR3DL)または短いか(KIR2DSまたはKIR3DS)どうかに基づくことができる。KIRのためのさらなる命名法情報は、以下の発明の詳細な説明に提供してある。「KIRファミリー」のいくつかのメンバーには、NKCARまたは特に「KAR」(たとえば、KIR2DS2およびKIR2DS4)があり;これらは、典型的には、免疫賦活性モチーフ(ITAM)(たとえば、DAP12)を有するアダプター分子と会合する1つまたは複数の荷電した膜貫通残基(たとえば、Lys)を含む。阻害性KIRの細胞質内部分は、典型的には、ホスファターゼを補充する1つまたは複数のITIMを含む。阻害性KIRは、HLA分子のα1/α2ドメインと結合する。阻害性KIRは、典型的には活性のためにアダプター分子会合を必要としないようである。特に明記しない限り、「KIR」、「KIR」その他などの用語は、「KIRファミリー」のNKCIRメンバーをいい、「KAR」、「KAR」その他などの用語は、「KIRファミリー」のNKCARメンバーをいう。
KIRは、MHC-I分子(たとえば、一定のHLAクラスIアロタイプ)に結合して、典型的には対抗するネガティブシグナルの伝達を生じることができ、NK細胞への刺激性の活性化シグナルを作動しないようにすることにより、NK細胞が会合した潜在的標的細胞を死滅させるのを妨げる(明らかに、ITIMリン酸化およびチロシンホスファターゼ(たとえば、SHP-1およびSHP-2などのSH2-ドメイン含有チロシンホスファターゼ)補充を経て、PTK(たとえば、Syk、TcRおよび/またはZAP70)脱リン酸化および/またはLAT/PLC複合体形成阻害および関連するITAMカスケードの破壊に至る)。ウイルスは、これらが感染した細胞のクラスI MHC発現を抑制することが多いので、このようなウイルス感染した細胞は、NK細胞による死滅に対して感受性となる。また、癌細胞は、クラスI MHC発現が減少されるか、または発現がないことが多く、これらの細胞も、NK細胞による死滅に対して感受性となり得る。また、感染細胞は、グリコシル化に関して、MHCにおいて結合したタンパク質を変えることができる。これが生じる場合に、MHC-I:タンパク質複合体細胞発現が変化するであろう。NKに会合するKIRが、これらの「外来」複合体に結合することができない場合は、阻害性シグナルを発生することができず、溶解が進行する。
全ての確認された阻害性KIRは、KIRサブタイプに応じてHLA/MHC抗原の異なるサブセットと相互作用するようである。ヒトでは、2つのIgドメインを有するKIR(KIR2D)が、HLA-Cアロタイプ:KIR2DL2(以前に、p58.2と命名した)を認識し、また密接に関連した遺伝子産物KIR2DL3は、両方ともグループ1 HLA-Cアロタイプ(Cw1、3、7および8)によって共有されるエピトープを認識するが、KIR2DL1(p58.1)は、相反的グループ2 HLA-Cアロタイプ(Cw2、4、5および6)によって共有されるエピトープを認識する。KIR2DL1の特異性には、グループ2 HLA-C対立遺伝子の位置80におけるLys残基の存在が要求されるようである。KIR2DL2およびKIR2DL3認識は、位置80におけるAsn残基の存在が要求されるようである。HLA-C対立遺伝子の実質的大多数は、位置80にAsnまたはLys残基を有する。3つのIgドメインのKIR3DL1(p70)をもつ1つのKIRは、HLA-Bw4対立遺伝子によって共有されるエピトープを認識する。最後に、3つのIgドメインをもつ分子のホモ二量体のKIR3DL2(p140)は、HLA-A3および-A11を認識する。
いずれのタイプ(活性化または阻害性)の個々のMHC-I特異的NK細胞受容体も、典型的には、全てのMHCクラスI分子と相互作用するというわけではなく、一定のアロタイプ(単一の遺伝子座の異なる変異体によってコードされるタンパク質)と特異的に結合する。また、個々のNK細胞は、互いに独立して機能するいくつかの異なる阻害性および/または活性化受容体を発現しているかもしれない。たとえば、ヒトにおいて、所与のKIRの有無は、単一個体内のNK細胞間で変化する。また、ヒトでは相対的に高いレベルのKIRの多型があり、全ての個体ではないが、一部には一定のKIR分子が存在する。KIRおよびその他のMHCを認識する阻害性受容体は、NK細胞によって同時発現され得るが、任意の所与の個体のNKレパートリーには、典型的には単一のKIRを発現する細胞があり;したがって、NK細胞のこの後者のタイプの対応するNK細胞活性は、特異的MHC-I対立遺伝子基を発現する細胞によってのみ阻害される。実際に、集団内のKIR遺伝子型の多様性の最近の推定では、無関係な個体の<0.24%が同一の遺伝子型を有すると予想し得ることを示唆する。最も一般的なカフカス人のハプロタイプである、「A」ハプロタイプ(47〜59%の頻度)は、唯一の活性化KIR遺伝子(KIR2DS4)および6個の阻害性KIR座位(KIR3DL3、-2DL3、-2DL1、-2DL4、-3DL1および-3DL2)を含む。残りの「B」ハプロタイプは、非常に多様であり、2〜5個の活性化KIR座位を含む(KIR2DS1、-2DS2、-2DS3および-2DS5を含む)。
KIRなどのNK受容体に対する抗体は、以前に記述されており、また、抗KIR抗体などの抗NK受容体抗体を従来技術のその他の抗癌剤と組み合わせることの示唆も、少なくともいくつかあった。たとえば、国際公開第2004056392号は、インターロイキン-2(IL-2)との混合物に使用した抗NKp30および/または抗NKp46抗体を記述する。国際公開第2005009465号は、ヒト被験者における治療的抗体での治療効率を増強するために、阻害性受容体を遮断するか、またはNK細胞の活性化受容体を刺激する(たとえば、mAb DF200などの抗KIR mAb)化合物と組み合わせた治療的抗体(たとえば、リタキサン)の組み合わせを記述する(また、20050037002号を参照されたい)。また、国際公開第2005079766号は、癌療法に使用するための抗KIR抗体を含む抗体(たとえば、抗組織因子抗体)の組み合わせを記述する。国際公開第2005003168号および国際公開第2005003172号は、IL-2およびIL-21を含む種々の薬剤と多数の抗KIR抗体の組み合わせを記述する。国際公開第2005037306号は、同様に、抗KIR抗体と組み合わせたIL-21、IL-21誘導体およびIL-21類似体の組み合わせを記述する。
本明細書に記述した本発明は、癌および前癌状態の治療であって、KIRに対する抗体がその他の癌治療または癌予防的治療と組み合わせて使用される治療に関する。本明細書に記述される特定の組み合わせは、従来技術に関して新規であり、少なくともいくつかの例では、予想外の相乗効果などの驚くべき特性を伴う。また、本発明は、ウイルス感染の治療のために有用な新規方法および組成物であって、KIRに対する抗体および抗ウイルス医薬または治療技術の組み合わせを含むものにも関する。
発明の概要
本発明は、癌および前癌状態の治療であって、キラー免疫グロブリン様受容体(KIR)に対する抗体が、その他の癌治療または癌予防的治療と組み合わせて使用される治療に関する。本発明は、癌またはウイルス感染を治療する方法であって、1つまたは複数の抗KIR抗体の治療的活性量とナチュラルキラー(NK)細胞上の阻害性受容体に対する1つまたは複数の抗体の治療的活性量を投与することを含む方法を提供する。
本発明は、癌またはウイルス感染を治療する方法であって、1つまたは複数の抗KIR抗体の治療的活性量およびT細胞上の阻害性受容体、NK細胞を刺激するサイトカイン、NK細胞を刺激するその他の薬剤およびマクロファージなどのその他の細胞タイプ上のその他の阻害性受容体に対する1つまたは複数の抗体の治療的活性量の投与を含む方法をさらに提供する。
本明細書に記述した発明をよりよく例証するために、本発明の例示的側面および特徴の非限定の一覧を本明細書に提供してある:
一つの側面において、本発明は、癌またはウイルス感染を治療する方法であって、抗KIR抗体(たとえば、抗KIR2DL1抗体と抗KIR2DL2抗体、または抗KIR2DL1抗体と抗KIR2DL3抗体、または抗KIR2DL1抗体と抗KIR2DL2抗体と抗KIR2DL3抗体、または少なくとも2つの異なるヒト阻害性KIR受容体遺伝子産物に結合する抗KIR抗体であって、前記抗体は、2つの異なるヒト阻害性KIR受容体のうちの少なくとも1つを発現するNK細胞におけるNK細胞障害性のKIRを媒介した阻害を中和することができる抗体、または抗KIR2D抗体と抗KIR3D抗体)の治療的活性量とナチュラルキラー(NK)細胞上の阻害性受容体に対する1つもしくは複数の抗体の治療的活性量とを投与することを含む方法を提供する。この側面の特定のバリエーションにおいて、その他の阻害性の受容体は、CTLA4、CD94、NKG2A、LIRおよびKIRから選択される。
もう一つの側面において、本発明は、癌またはウイルス感染を治療する方法であって、1つまたは複数の抗KIR抗体の治療的活性量と白血球による応答のネガティブ調節の役割を担う受容体に対する1つまたは複数の抗体の治療的活性量とを投与することを含む方法を提供する。
さらにもう一つの側面において、本発明は、癌またはウイルス感染を治療する方法であって、1つまたは複数の抗KIR抗体の治療的活性量と、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン-2(IL-2)、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18、IL-20およびIL-21、IL-28、IL-29およびIL-31から選択されるNK細胞を刺激する1つまたは複数のサイトカインの治療的活性量とを投与することを含む方法に関する。
さらなる側面において、本発明は、癌またはウイルス感染を治療する方法であって、1つまたは複数の抗KIR抗体の治療的活性量と、NK細胞を刺激する1つまたは複数の薬剤の治療的活性量とを投与することを含む方法に関する。この側面の特定のバリエーションにおいて、NK細胞を刺激する1つまたは複数の薬剤は、グリベックおよびヒスタミンジヒドロクロライドから選択される。
上記した種々の側面のいずれも、癌細胞またはウイルス感染細胞上のリガンドに特異的な1つもしくは複数の治療的抗体のさらなる、または代わりの使用によって改変することができる。このさらなる/代わりの特色の特定のバリエーションにおいて、癌細胞またはウイルス感染細胞上のリガンドに特異的な1つまたは複数の治療的抗体は、抗HER-2(たとえば、トラスツズマブ)、抗CD20(たとえば、リツキシマブ、イブリツモマブチウキセタンまたはトシツモマブ-I131)、抗EGFR(セツキシマブ)、抗VEGF(たとえば、ゲムツズマブオゾガミシン)、抗CD22、抗CD33(たとえば、ゲムツズマブ)および抗CD52(たとえば、アレムツズマブ)から選択される。
もう一つの側面において、種々の上記方法のいずれか一つを、さらに任意に、または代わりに(たとえば、その他の抗体の代用として)、1つまたは複数の化学療法薬での化学療法治療の適用によって改変してもよい。特定の側面において、任意の、またはさらなる化学療法薬は、タキサンである。もう一つの特定の側面において、化学療法薬は、シクロホスファミドである。
さらにもう一つの側面において、種々の方法のいずれもが、代わりに、または加えて、本方法に放射線療法を包含することによって改変される。
さらなる側面において、本発明は、癌を治療するための方法であって、抗KIR抗体および以下からなる群より選択されるさらなる治療薬の治療的活性量をこれらの必要な患者に投与することを含む方法に関する:
・抗癌性モノクローナル抗体
・化学療法薬
・抗癌性核酸
・腫瘍退縮性ウイルス
・癌ワクチン
・抗癌性サイトカイン
・腫瘍インターナリゼーションプロモーター
・テロメラーゼおよびテロメラーゼ関連組成物
・免疫調節物質
・細胞周期制御薬およびアポトーシス関連薬
・成長因子阻害剤
・血管形成阻害剤
・ホルモン調節薬
・細胞全体ワクチンおよび養子免疫治療
・免疫系および細胞内シグナリング阻害剤
・抗アネルギー薬
・内部ワクチン。
さらにもう一つの側面において、本発明は、癌を治療するための方法であって、抗KIR抗体および以下からなる群より選択されるさらなる治療薬の治療的活性量をこれらの必要な患者に投与することを含む方法を提供する:
PTK/ZK、フルオロピリミジン、カペシタビンなどのカルバメート;ポリグルタミン酸化(polyglutamatable)しないチミジル酸シンターゼ阻害剤;トクラデシン(tocladesine)などのヌクレオシド類似体;ペメトレキセド(pemetrexed)二ナトリウムなどの葉酸代謝拮抗薬;タキサンおよびタキサン類似体;トポイソメラーゼ阻害剤;ポリアミン類似体;mTOR阻害剤(たとえば、ラパマイシンエステル);アルキル化剤(たとえば、オキサリプラチン);レクチン阻害剤;ビタミンD類似体、抗血管形成化合物(たとえば、エンドスタチン、アンギオコール(angiocol)、抗PDGF mAbsおよびその他のPDGF(血小板由来成長因子)阻害剤、PEDF(色素上皮由来成長因子)その他);炭水化物プロセシング阻害剤;代謝拮抗葉酸アンタゴニスト;スミジラートシンターゼ(thumidylate synthase)阻害剤;代謝拮抗剤(たとえば、ラルチトレキセド(raltitrexed));リボヌクレアーゼレダクターゼ阻害剤;ジオキソラートヌクレオシド類似体;チミラートシンターゼ(thimylate synthase)阻害剤;生殖腺刺激ホルモン(GRNH)ペプチド;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;化学的に修飾されたテトラサイクリン(たとえば、CMT-3;COL-3)、シトシンデアミナーゼ、チモペンチン、DTIC、カルムスチン、カルボプラチン、ビンブラスチン、テモゾロマイド、ビンデシンおよびチモシン-α、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(たとえば、フェニルブチラート)、DNA修復薬(たとえば、DNA修復酵素およびジメリシン(Dimericine)(商標)(T4エンドヌクレアーゼV含有リポソーム)などの関連した組成物。
もう一つの側面において、本発明は、癌を治療するための医薬の製造のための、抗KIR抗体および組換えヒトインターロイキン-2などのインターロイキン-2、インターロイキン-2誘導体またはインターロイキン-2類似体(ひとまとめにして、「インターロイキン-2タンパク質」)の治療上有効量の使用に関する。この側面の特定のバリエーションにおいて、癌は、肺癌である。この側面のもう一つの特定の面において、医薬は、リタキサン(Rituxan)および/またはキャンパス(Campath)、または(いくつかの例では)抗KIR抗体とインターロイキン-2タンパク質との他に、任意のその他の薬学的に活性な薬剤を含まないものとして特徴づけられる。もう一つの特定の面において、抗KIR抗体は、mAb DF200または1-7F9と競合するとして特徴づけられる。もう一つの面において、抗KIR抗体は、1-7F9である。さらにもう一つの面において、抗体は、1-7F9ではなくて、1-7F9のVLおよびVHドメインを含む。さらにもう一つの特定の面において、抗体は、1-7F9ではなくて、1-7F9のVLおよびVH CDRを含む。さらにもう一つの側面において、抗KIR抗体は、交差反応を生じない抗体である。
また、本発明は、抗KIR抗体およびインターロイキン-2、インターロイキン-2誘導体またはインターロイキン-2類似体の有効量を含む薬学的に許容される組成物の供給に関する。本組成物は、癌の治療のための医薬の製造におけるインターロイキン-2タンパク質および抗KIR抗体の使用に関して上記した特色のいずれかによって特徴づけることができる。
さらにもう一つの側面において、本発明は、ウイルス感染を治療するための医薬の製造のための、抗KIR抗体および抗ウイルス薬(たとえば、インターロイキン-2、インターロイキン-2誘導体またはインターロイキン-2類似体)の治療上有効量の使用に関する。特定の面において、治療されるウイルス感染は、C型肝炎ウイルス(HCV)感染である。もう一つの特定の面において、治療されるウイルス感染は、HIV感染症である。
これらの側面は、本明細書に提供した本発明の記述に、より完全に記述されており、本発明のさらなる側面、特色および利点は、本明細書に提供した本発明の記述から明らかであろう。
発明の説明
文脈によって特に明記され、または明らかに矛盾しない限り、本発明の文脈における抗体という用語は、免疫グロブリン(Ig)分子、Ig分子の断片または(a)典型的な生理学的条件下で有意な期間少なくとも1つの標的抗原に特異的に結合する能力および/もしくは(b)KIRで調節されるNK細胞活性を調節するなどの、その標的KIRと関連する生理反応を調節する能力のいずれかを有するこれらの誘導体をいう。有意な期間は、ELISAなどの標準的な免疫学的アッセイ法において抗体-抗原複合体を検出するために適した任意の期間を意味する。典型的には、有意な期間は、少なくとも約30分、少なくとも約45分、少なくとも約1時間、少なくとも約2時間、少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、約24時間以上、約48時間以上その他の期間である。
免疫グロブリンは、重鎖(たとえば、α、Δ、ε、γおよびμ鎖)および軽鎖(たとえば、κおよびλ鎖)を含む構造的に関連したタンパク質のクラスである。ヒトにおいて、免疫グロブリンは、5つの主要なクラス(IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM)に分けられ、これによれば、重鎖は、Ig分子に含まれるであろう。
免疫グロブリンの構造は、十分に特徴づけられている。たとえば、Fundamental Immunology(Paul, W., ed., 2nd ed. Raven Press, N.Y.(1989))を参照されたい。免疫グロブリンで最も一般的タイプのIgG分子は、2対のポリペプチド鎖、1対の低分子量の鎖の軽鎖(L)および1対の重鎖(H)を含み、4つ全てが、ジスルフィド結合によって相互に連結されている。簡潔には、それぞれの重鎖は、典型的には重鎖可変領域(本明細書においてHCVRまたはVHと略記した)および重鎖定常領域で構成される。重鎖定常領域は、典型的には3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3で構成される。それぞれの軽鎖は、典型的には軽鎖可変領域(本明細書においてLCVRまたはVLと略記した)および軽鎖定常領域で構成される。軽鎖定常領域は、典型的には1つのドメイン(CL)で構成される。VHおよびVL領域は、超可変領域(または配列および/または構造的に定義されたループの形態が高頻度可変性であることができる高頻度可変領域)(相補性決定領域(CDR)とも呼ばれ、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域と共に散在している)に細分することができる。全長の天然に産生された抗体では、それぞれVHおよびVLは、典型的には以下の順序でアミノ末端からカルボキシ末端まで配置された3つのCDRおよび4つのFRで構成される:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4(また、FR L1、CDR L1その他とも呼ばれ得る)または高頻度可変ループ領域の場合、軽鎖可変ドメインのループL1、L2およびL3、並びに重鎖ドメインのループH1、H2およびH3(たとえば、Chothia and Lesk J. Mol. Biol. 196:901-917(1987)を参照されたい)。典型的には、この領域のアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD.(1991)に記述された方法によって行われる(「Kabatに記載の可変ドメ
イン残基番号付け」および「Kabatに従って」などの句は、本明細書において、重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインのためのこの番号付け系をいう)。この番号付け系を使用する際に、ペプチドの実際の直鎖状アミノ酸配列には、可変ドメインのFRもしくはCDRの短縮または挿入に対応するより短いアミノ酸またはさらなるアミノ酸を含んでいてもよい。たとえば、重鎖可変ドメインは、CDR H2の残基52の後に単一アミノ酸挿入(Kabatに従って残基52a)および重鎖FR残基82の後に挿入残基(たとえば、Kabatに従って残基82a、82bおよび82cその他)を含んでいてもよい。残基のKabat番号付けは、抗体の配列の相同領域において「標準的な」Kabat番号付けした配列と共に整列することにより、所与の抗体について決定してもよい。
上に示したように、抗KIR抗体は、KIRと特異的に結合する能力を保持した抗体「断片」の(または、を含む)形態であることができる。このような抗体断片は、適切な範囲で、本明細書において他で論議した、全長抗体と関連した上述の特色のいずれか一つまたは組み合わせを有することによって特徴づけることができる(たとえば、多くの抗体断片は、Fcドメインを欠いており、したがって、抗体に関連した相補的機能を誘導せず、または促進しない)。抗体の抗原結合機能は、これらの多くの適切な断片によって行うことができる。抗体断片の例には、(i)本質的にVL、VH、CLおよびCH Iドメインからなる一価の断片であるFab断片;(ii)ヒンジ領域にてジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片であるF(ab)2およびF(ab')2断片;(iii)本質的にVHおよびCH1ドメインからなるFd断片;(iv)本質的に抗体の単一腕のVLおよびVHドメインからなるFv断片、(v)本質的にVHドメインからなるdAb断片(Ward et al.,(1989) Nature 341:544-546);並びに(vi)単離された相補性決定領域(CDR)を含む。さらに、Fv断片の2つのドメインVLおよびVHは、別々の遺伝子によってコードされるが、これらは、組換え法を使用して合成リンカーによって連結させることができ、これらをVLおよびVH領域が対になって一価の分子を形成する単一タンパク質鎖として作製することができる(単鎖抗体または単鎖Fv(scFv)としても知られており;たとえば、Bird et al.(1988) Science 242:423-426: および Huston et al.(1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照されたい)。また、このような単鎖抗体は、特に明記しない限り、または明らかに文脈によって示されない限り、抗体断片および抗体様ペプチド/分子などの用語の範囲内に包含される。ダイアボディなどの単鎖抗体のその他の形態も、これらの用語によって包含されることが意図される。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが単一ポリペプチド鎖上に発現されるが、典型的には同じ鎖の2つのドメイン間を対形成させるにはあまりに短いリンカーを使用することにより、前記ドメインを強制的にもう一つの鎖の相補ドメインと対形成させて2つの抗原結合部位を生じさせる、二価の二特異性抗体である(たとえば、Holliger, P., et al.(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448; Poljak, R. J., et al.(1994) Structure 2:1121-1123;およびCao et al.(1998), Bioconjugate Chem. 9, 635-644を参照されたい)。全長抗体と同様の結合特性を有するこのような抗体断片は、ひとまとめにして、およびそれぞれ独立して、独特の本発明の特徴であり、抗体とは異なる生物学的および/または生理化学的特性、並びに有用性を示す。本発明によって提供されるこれらのおよびその他の有用な抗体断片および抗体様分子は、本明細書においてさらに論議してある。特に明記しない限り、または明らかに文脈くによって否定されない限り、いずれの適切な抗体断片も、本明細書に記述した発明の組成物および方法における抗体のための代用として使用することができること、並びに逆も一般に理解されるはずである。
一般的な意味において、抗体という用語には、ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体(mAbs)を含む。「モノクローナル抗体」という用語は、一様な構造および特異性を有する均一な抗体集団を含む組成物をいう。ポリクローナル抗体は、典型的には、免疫原性があるものに(immunogenically)曝露された動物の血清に由来するが、これらは、組換技術に由来することができる。抗KIR抗体は、これらが産生される様式に関係なく、モノクローナル抗体であるとみなすことができる。
産生される抗体は、いずれのアイソタイプを有することもでき、抗体は、当技術分野において周知の従来技術を使用して、その後でアイソタイプスイッチすることができる。このような技術には、直接組換え技術(たとえば、米国特許4,816,397号を参照されたい)、細胞-細胞融合法(たとえば、米国特許5,916,771号を参照されたい)および当技術分野において既知のその他の適切な技術の使用を含む。したがって、たとえば、本発明によって提供される多特異的多価抗体のエフェクター機能は、一方または両方の親抗体のアイソタイプに関して、種々の治療的使用のために、たとえば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgD、IgA、IgEまたはIgM抗体にアイソタイプスイッチすることによって「変更して」もよい。
KIRは、本明細書において表1および表2に示したとおり、いくつかの別名によっても知られることに留意すべきである:
Figure 2008526813
Figure 2008526813
Hugo Gene Nomenclature Committeeウェブサイト(http://www.gene.ucl.ac.uk/nomenclature/genefamily/kir.html.)から得られる。
Figure 2008526813
Andre et al., Nature Immunol. 2(8):661(2001)。
抗KIR抗体の機能的特徴
有利な抗KIR抗体は、特にこれらが1つよりも多くのタイプの阻害性KIRなどの1つよりも多くのKIRと交差反応または交差結合する能力、および/またはNK阻害シグナルを効率的に中和する能力に関して、機能的特徴に基づいて分類され得る。
i. KIR交差反応性
1つよりも多くのタイプのKIRと有効に結合する抗KIR抗体は、特に有利な本発明の特徴である。特定の例示的側面において、本発明は、NK細胞の表面における少なくとも2つの阻害性KIR受容体と結合する抗KIR抗体を提供する。さらにより詳細な例示的側面において、本発明は、ヒトKIR2DL受容体の共通の抗原決定基領域に結合する抗KIR抗体を提供する。さらに具体的側面において、本発明は、KIR2DL1、KIR2DL2およびKIR2DL3受容体と結合する抗KIR抗体を提供する。
「KIR2DL2/3」という用語は、KIR2DL2およびKIR2DL3受容体のいずれか、または両方をいうために使用することができる。これらの2つの受容体は、非常に高い相同性を有し、同じ遺伝子の対立形質形態であり、多くの点で当業者により交換可能であると考えられる。したがって、KIR2DL2/3は、いくつかの点で、単一の阻害性KIR分子とみなすことができる。KIR2DL2/3と交差反応する抗KIR抗体は、本発明の範囲内であるが、KIR2DL2およびKIR2DL3のみを含んだKIR結合プロフィールを有する抗KIR抗体は、「交差反応性」とはみなされない。
少なくとも1つのKIR2DL1またはKID2DL2/3が、ヒト集団の少なくとも約90%に存在するため、KIR2DL1-KIR2DL2/3交差反応性抗KIR抗体は、大部分のHLA-Cアロタイプ会合細胞のそれぞれグループ2 HLA-Cアロタイプおよびグループ1 HLA-Cアロタイプに対するNK活性を促進し、または増強することができる。このような交差反応性を有する単一のKIR抗体を含む組成物を大部分のヒト被験者の治療および/または診断に使用してもよく、これにより患者の遺伝的プロファイリングの必要性がなくなり、有効な結果を確実にするために患者に投与する必要のある異なる抗体の量が減少する。
交差反応性抗KIR抗体は、いずれの適切な組成物を有することもでき、多数の適切な技術によって得ることができる。たとえば、交差反応性抗KIR抗体は、異なるKIRと結合する多数のKIRリガンドおよび/または抗-抗KIR抗体配列(これらは、抱合、多量体化によって、または(ペプチドリガンドの場合は)融合タンパク質に含めることによって会合し得る)を含むことができる。もう一つの側面において、抗KIR抗体は、交差反応性抗-抗KIR抗体由来の抗-抗KIR抗体配列を含むものが提供される。
KIR結合配列を得ることができるか、または引き出すことができる交差反応性抗-抗KIR抗体は、既知である。このような抗体の例は、たとえば、Watzl et al., Tissue Antigens, 56, p. 240(2000)に記述されている。このような抗体のもう一つの例は、G. M. Spaggiara et al., Blood, 100, pp. 4098-4107(2002)に記述されたモノクローナル抗体NKVSF1であり、これは、CD158a(KIR2DL1)、CD158b(KIR2DL2)およびp50.3(KIR2DS4)の共通エピトープを認識すると言われている。抗体NKVSF1(また、pan2D mAbとも称する)は、Serotec(Cergy Sainte-Christophe, France)カタログ参照番号MCA2243から入手可能である。KIR2DL1およびKIR2DL2/3を含む種々のKIRファミリーのメンバーと反応するモノクローナル抗体DF200は、このような抗体のもう一つの例である。DF200を産生するハイブリドーマは、2004年6月10日に登録された識別番号「DF200」、登録番号CNCM I-3224として、CNCMカルチャーコレクション(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes, Institut Pasteur, 25, Rue du Docteur Roux, F-75724 Paris Cedex 15, Franc)に寄託されている。いくつかのさらなるモノクローナル抗体を産生して、交差反応性抗-抗KIR抗体であることを証明することができる。
交差反応性抗KIR抗体は、これが結合する2つ以上のKIRに対して何らかの適切な親和性および/または結合活性を有し得る。親和性は、エピトープまたは抗原決定基に対する抗KIR抗体またはその他の抗原結合性タンパク質の結合の強度をいう。典型的には、親和性は、[Ab] ×[Ag]/[Ab-Ag](式中、[Ab-Ag]は、抗体-抗原複合体のモル濃度であり、[Ab]は、結合していない抗体のモル濃度であり、および[Ag]は、結合していない抗原のモル濃度である)として定義される解離定数Kdの面から測定される。親和定数Kaは、1/Kdによって定義される。競合阻害、平衡透析その他による結合ペプチド特異性および親和性を決定するための適切な方法は、たとえばHarlow, et al., Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1988); Colligan et al., eds., Current Protocols in Immunology, Greene Publishing Assoc. および Wiley Interscience, N.Y.,(1992, 1993)、および Muller, Meth. Enzymol. 92:589-601(1983)に見いだすことができる。
典型的には、本発明によって提供される抗KIR抗体は、少なくとも1つのKIRに対して、約104〜約1010M-1(たとえば、約107〜約109M-1)の範囲の親和性を有する。免疫反応するという用語は、本明細書において、典型的には約10-4Mよりも低い解離定数KdでKIRに対して抗KIR抗体が結合することをいう。たとえば、特定の側面において、本発明は、KIR2DL1およびKIR2DL2/3に関して、たとえば表面プラスモン共鳴(SPR)スクリーニング(BIAcore(商標)SPR解析装置での解析によるなど)によって約7×10-9M以上の平均解離定数(KD)を有することと測定される抗KIR抗体を提供する。より詳細な例示的側面において、本発明は、KIR2DL2/3に対して約2×10-9 M(たとえば、約0.1〜4×10-9 M)以上およびKIR2DL1に対して約11×10-9 M(たとえば、約7〜15×10-9 M)以上のKDを有する抗KIR抗体を提供する。
親和性は、本明細書において他に記述した方法または当技術分野におけるこれらの既知の相当する方法のいずれによっても決定することができる。親和性を決定するために使用することができる1つの方法の例は、Munson & Pollard, Anal. Biochem. 107:220(1980)のスキャッチャード解析において提供される。また、結合親和性は、平衡法(たとえば、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)または放射免疫アッセイ法(RIA))または動態解析(たとえば、BIAcore(商標)解析)によって決定してもよい。
また、または代わりに、抗KIR抗体は、約100nM未満、約50nM未満、約10nM未満、約5nM以下、約1nM以下、約0.5nM以下、約0.1nM以下、約0.01nM以下またはさらに約0.001nM以下の解離定数でKIR結合を示すことによって特徴づけることができる。
結合活性は、結合タンパク質と抗原との間の総合的相互作用の全体的強度(たとえば、抗KIR抗体とKIRとの間の相互作用の総強度)をいう。親和性は、抗体またはその他の結合ペプチド上の単一の抗原結合部位と単一のエピトープまたは抗原決定基との間の総合的非共有結合性相互作用の強度である。結合活性は、典型的には3つの主要な要素:これが結合するエピトープまたは抗原決定基に対する結合タンパク質の固有の親和性、抗体または結合タンパク質および抗原の価数(たとえば、3価、4価またはそれ以上の結合価をもつ抗KIR抗体は、典型的には抗原に対して二価抗体よりも高レベルの結合活性を示すであろうし、二価抗体は、特に抗原内に繰り返しエピトープがある場合、抗原に対して一価抗体よりも高い結合活性を有し得る)および/または相互作用する成分の幾何学的配置によって制御される。結合活性は、典型的には親和性を評価するために使用される技術と同じタイプによって測定される。
もう一つの側面において、本発明は、2つ以上の種に由来するKIRと交差反応する抗KIR抗体を提供する。たとえば、一つの側面において、本発明は、ヒトおよびカニクイザルのKIRと交差反応する抗KIR抗体を提供する。特定の側面において、本発明は、少なくとも2つのヒトKIRと交差反応し、かつカニクイザルのNK細胞にも結合する抗KIR抗体を提供する。このような抗KIR抗体は、このような交差反応性プロフィールを示す抗体NKVSF1からの、または由来する配列を含むことができる。このような抗KIR抗体は、必要に応じて、カニクイザルにおける毒性試験およびその他の有用な研究に供することができる。
種々のKIRと交差反応性である抗体は、本発明の組み合わせ組成物および方法に使用することができる。このような抗体の例示的な交差反応プロフィールは、KIR 2DL1と3DL1、2DL1と3DL2、2DL2/3と3DL1、および2DL2/3と3DL2と交差反応する抗体を含む(このような抗体は、その中に、およびそれ自体において、本発明のもう一つの特徴を表す)。
したがって、たとえば、本発明の方法または組成物は、たとえば国際公開第2005003168号に記載されているような、KIR2DL1、KIR2DL2およびKIR2DL3に結合し、かつKIRを媒介したNK細胞細胞障害の阻害を減少させるか、または遮断する抗KIR抗体を含むことができる。
本発明の組み合わせ方法に有用な例示的抗KIR抗体および組成物は、抗KIR抗体DF200のものに対応するVL領域を含むか、もしくはこのようなVL領域から本質的になるか(実質的に同じであり、かつ同じ結合プロフィールおよび親和性を保持することによる)、またはDF200のVL配列に高度に類似する(たとえば、少なくとも約90%同一または95%同一の)VL配列/ドメインから本質的になる抗KIR抗体を含む。DF200のVL配列は、図3に示してある。また、このような抗KIR抗体は、代わりにDF200の軽鎖可変CDRのセットを含むことによって定義してもよい(また、図3に示してある)。また、このような抗体は、典型的にはDF200もしくは高度に類似する配列のVHドメイン(たとえば、DF200 VHドメインに対して高い同一性を有するか、またはそうでければ本質的にこのような配列からなる配列)または少なくともDF200の重鎖可変CDRのいずれかを含む(図4に示してある)。
もう一つの例示的側面において、本発明の組み合わせ組成物または方法は、抗体1-7F9のVHおよびVL配列(図5に示してある)に対応するか、もしくは高度に類似する(たとえば、本質的になる)か、または少なくとも1-7F9のVLおよびVH CDRを含むVHおよびVL配列を含む抗KIR抗体を含む。
もう一つの側面において、本発明の方法または組成物は、これらの抗体のうちの1つまたは本明細書に援用される参照文献に記載されたその他の抗KIR抗体のうちの1つ(たとえば、Pan-2D)と競合する抗KIR抗体を含むことによって特徴づけられる。
例示的な抗KIR抗体(たとえば、DF200、1-7F9および/またはNKVSF1)と競合する抗体は、既知のスクリーニングアッセイ法を使用して同定することができる。多数のこのようなアッセイ法がルーチン的に行われており、当技術分野において周知である(たとえば、米国特許第5,660,827号を参照され、これは、具体的に参照として本明細書に援用される)。たとえば、ELISA、放射免疫アッセイ、ウエスタンブロット法およびBIACORE解析の使用に基づくプロトコルは、このような競合研究に使用するために適している。
たとえば、対照抗体(たとえば、DF200、NKVSF1または1-7F9)をKIR抗原試料に適用する前に、異なる量の試験抗体と共にしばらくの間前もって混合することができる(たとえば、約1:1、1:2、約1:10、または1:100の比率で)。あるいは、対照と様々な量の試験抗体を単に別々に添加して、KIR抗原試料に曝露する間に混合することができる。結合したものを遊離抗体から区別することができ(たとえば、結合していない抗体を除去するために分離または洗浄技術を使用することによる)、かつ対照抗体を試験抗体から区別することができる限り(たとえば、種特異的またはアイソタイプ特異的二次性抗体を使用することによるか、または検出可能な標識で対照抗体を特異的に標識することによる)、試験抗体が異なるKIR2DL抗原に対する対照抗体の結合を減少させる(試験抗体が実質的に対照と同じエピトープを認識することを示す)かどうかを決定することができる。完全に無関係な抗体(これは、KIRに結合しない)の存在下における(標識された)対照抗体の結合は、対照高値として役立ち得る。対照低値は、標識された対照抗体を、同じ対照抗体であるが標識されていない対照抗体と共にインキュベートすることによって得ることができ、この場合、競合が生じて標識された抗体の結合を減少させるであろう。試験アッセイ法において、試験抗体の存在下における標識された抗体の反応性の有意な減少は、実質的に同じエピトープを認識する試験抗体、すなわち標識された対照抗体と競合するものを指し示す。たとえば、約1:1または1:10〜約1:100の間の対照:試験抗体の任意の比において、対照抗体のKIR2DL1およびKIR2DL3抗原の一方または両方に対する結合を少なくとも約50%まで、少なくとも約60%など、またはより好ましくは少なくとも約70%(たとえば、約65〜100%)減少させるいずれの試験抗体も、対照と競合する抗体であるとみなされる。
また、競合は、たとえば、フローサイトメトリーによって評価することもできる。このような試験において、所与のKIRを有する細胞を最初に対照抗体と共に、次いで蛍光色素またはビオチンで標識された試験抗体と共にインキュベートすることができる。抗体は、対照抗体の飽和量と共にプレインキュベーションすることによって得られる結合が対照抗体と共にプレインキュベーションしていない試験抗体によって得られる結合(蛍光の平均値によって測定されるもの)の約80%、好ましくは約50%、約40%以下(たとえば、約30%)である場合に、対照抗体と競合するという。あるいは、抗体は、試験抗体の飽和量と共にプレインキュベートした細胞に対する標識された対照抗体で得られる結合(蛍光色素またはビオチンによって)が、試験抗体と共にプレインキュベーションすることなく得られる結合の約80%、好ましくは約50%、約40%以下(たとえば、約30%)である場合に、対照抗体と競合するという。
また、試験抗体をKIR2DL1もしくはKIR2DL2/3のいずれかまたは両方が固定されている表面に対して事前に吸着させて、飽和濃度にて適用する単純な競合アッセイ法を使用してもよく、有利である。単純な競合アッセイ法での表面は、好ましくはBIACOREチップ(または、表面プラスモン共鳴解析のために適したその他の媒体)である。KIR-コーティング表面に対する対照抗体の結合を測定する。対照抗体単独のKIR含有表面に対するこの結合を試験抗体の存在下における対照抗体の結合と比較する。試験抗体の存在下における対照抗体によるKIR2DL1およびKIR2DL2/3含有表面に対する結合の有意な減少は、試験抗体が実質的に対照抗体と同じエピトープを認識し、その結果試験抗体が対照抗体と「競合する」することを示す。KIR2DL1およびKIR2DL2/3抗原の両方に対する対照抗体の結合を少なくとも約20%以上、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約70%またはそれ以上まで減少させるいずれの試験抗体も対照抗体と競合する抗体であるとみなすことができる。好ましくは、このような試験抗体は、対照抗体の結合を少なくともKIR2DL1、2、および3抗原のそれぞれの少なくとも約50%(たとえば、少なくとも約60%、少なくとも約70%またはそれ以上)まで減少させるであろう。対照抗体と試験抗体の順序は、逆転することができること;すなわち、対照抗体を最初に表面に結合させ、次いでその後に競合アッセイ法において試験抗体を表面と接触させることができることが理解されるであろう。好ましくは、第2の抗体に対して見られる結合の減少が、より大きくなることが予想されるので(抗体が競合する場合)、KIR2DL1およびKIR2DL2/3抗原に対してより高い親和性を有する抗体を最初にKIR2DL1およびKIR2DL2/3含有表面に結合させる。このようなアッセイ法のさらなる例は、本明細書に実施例において、およびたとえばSaunal and Regenmortel,(1995) J. Immunol. Methods 183: 33-41に提供されており、この開示は、参照により本明細書に援用される。
抗体またはその他の薬剤が、たとえば、DF200、NKVSF1もしくは1-7F9と同じか、または実質的に同じエピトープ領域に結合するかどうかの決定は、当業者に既知の方法を使用することによって実施することができる。エピトープマッピング/特性付け法の例において、抗KIR抗体に対するエピトープ領域は、KIR2DL1またはKIR2DL2/3タンパク質の曝露されたアミン/カルボキシルの化学修飾を使用するエピトープ「フットプリント法」によって決定してもよい。このようなフットプリント法技術の1つの具体例は、HXMS(質量分析によって検出される水素重水素交換)の使用であり、この場合に、受容体およびリガンドタンパク質アミドプロトンの水素/重水素交換、結合および逆交換が生じ、タンパク質結合に関与するバックボーンアミド基は、逆交換から保護されており、したがって、重水素化したままである。関連した領域では、現時点で、消化性タンパク質分解、高速ミクロボア高速液体クロマトグラフィー分離および/またはエレクトロスプレーイオン化質量分析によって同定することができる。たとえば、Ehring H, Analytical Biochemistry, Vol. 267(2) pp. 252-259(1999) および/または Engen, J.R. and Smith, D.L.(2001) Anal. Chem. 73, 256A-265Aを参照されたい。適切なエピトープ同定技術のもう一つの例は、核磁気共鳴エピトープマッピング(NMR)であり、この場合、典型的には、遊離抗原と抗体などの抗原結合ペプチドと複合体を形成した抗原の二次元NMRスペクトルのシグナルの位置が比較される。抗原は、典型的には、15Nで選択的に同位体的に標識されており、その結果NMRスペクトルにおいて抗原に対応するシグナルだけが見え、抗原結合ペプチドからのシグナルは見えない。抗原結合ペプチドとの相互作用に関与するアミノ酸から生じる抗原シグナルは、典型的には遊離抗原のスペクトルと比較して複合体のスペクトルの位置が変化し、結合に関与するアミノ酸をこの方法で同定することができる。たとえば、Ernst Schering Res Found Workshop. 2004;(44):149-67; Huang et al, Journal of Molecular Biology, Vol. 281(1) pp. 61-67(1998);およびSaito and Pat-terson, Methods. 1996 Jun;9(3):516-24を参照されたい。
また、エピトープマッピング/特性付けは、質量分析方法を使用して行うこともできる。たとえば、Downward, J Mass Spectrom. 2000 Apr;35(4):493-503 および Kiselar and Downard, Anal Chem. 1999 May 1;71(9):1792-801を参照されたい。
また、プロテアーゼ消化技術は、エピトープマッピングおよび同定に関して有用であり得る。抗原決定基に関連した領域/配列は、プロテアーゼ消化によって、たとえば37℃およびpH 7-8でのKIR2DL1またはKIR2DL2/3 o/n消化のために約1:50の比率でトリプシンを使用し、続いてペプチド同定のために質量分析(MS)解析することによって決定することができる。続いて、抗KIR抗体によりトリプシン切断から保護されたペプチドをトリプシン消化に供した試料と抗体と共にインキュベートし、次いでたとえばトリプシンによる消化に供した試料との比較によって同定することができる(これにより、抗体に対するフットプリントを明らかにする)。また、または代わりに、キモトリプシン、ペプシン、その他のようなその他の酵素を同様のエピトープ特性付け法に使用することができる。さらに、酵素消化により、潜在的抗原性決定因子配列がKIR結合因子と会合したKIR2DL1の領域内にあるかどうかについて解析するための迅速な方法を提供することができる。ポリペプチドが表面に曝露されていない場合は、免疫原性/抗原性に関して関連がない可能性が高い。同様の技術の考察については、たとえば、Manca, Ann Ist Super Sanita. 1991;27(1):15-9を参照されたい。
部位特異的変異誘発は、結合エピトープの解明のために有用なもう一つの技術である。たとえば、「アラニンスキャニング」では、タンパク質セグメント内のそれぞれの残基をアラニン残基で置換し、結合親和性についての結果を測定する。突然変異が結合親和性の有意な減少(resuction)を引き起こす場合、結合に関与している可能性が高い。構造的エピトープに特異的なモノクローナル抗体(すなわち、折り畳まれていないタンパク質を結合しない抗体)は、アラニン置換がタンパク質の全体の折り畳みに影響しないことを検証するために使用することができる。たとえば、Clackson and Wells, Science 1995;267:383-386;および Wells, Proc Natl Acad Sci USA 1996;93:1-6を参照されたい。
また、エピトープ「フットプリント法」のために電子顕微鏡法を使用することができる。たとえば、Wang et al., Nature 1992;355:275-278では、天然のササゲモザイクウイルスのキャプシド表面に対するFab断片の物理的フットプリントを決定するために低温電子顕微鏡観察、三次元イメージ再構成およびX線結晶学を連繋した適用を使用した。
エピトープ評価のための「標識なし」アッセイ法のその他の形態には、表面プラスモン共鳴(SPR、BIACORE)および反射光測定干渉分光法(RifS)を含む。たとえば、Fagerstam et al., Journal Of Molecular Recognition 1990;3:208-14; Nice et al., J. Chroma-togr. 1993;646:159-168; Leipert et al., Angew. Chem. Int. Ed. 1998;37:3308-3311; Kroger et al., Biosensors and Bioelectronics 2002;17:937-944を参照されたい。
もちろん、このような具体的な例示的抗体(たとえば、DF200および1-7F9)も、本発明の方法または組成物に含まれていてもよい。
もう一つの側面において、本発明の方法または組成物は、複数のKIRとの交差反応を起こし得ない抗体のみを包含することによって特徴づけられる。たとえば、KIR2DL1に対してのみ特異的なモノクローナル抗体により、KIR2DL1とHLA-Cw4アロタイプ並びにCw4と同じ基に属するHLA-Cアロタイプとの間の相互作用を遮断することが示された(Moretta et al., J Exp Med. 1993;178(2):597-604;本開示は、参照により本明細書に援用される)。その他の例において、KIR2DL2/3に対するモノクローナル抗体は、また、HLACw3(または同様のもの)アロタイプとKIR2DL2/3の相互作用を遮断することが記述されている(Moretta et al., 1993、上記)。任意に、抗体は、以下からなる群より選択することができる:GL183(KIR2DL2/3/S2特異的、Immunotech、FranceおよびBeckton Dickinson、USAから入手可能);EB6(KIR2DL1/s1特異的、Immunotech、FranceおよびBeckton Dickinson, USAから入手可能);AZ138(KIR3DL1特異的、Moretta et al, Univ. Genova, Italyから入手可能);Q66(KIR3DL2特異的、Immunotech, Franceから入手可能);およびDX9、Z27(KIR3DL1特異的、Immunotech, FranceおよびBeckton Dickinson, USAから入手可能)。
KIR会合NK細胞阻害の中和
また、または代わりに、抗KIR抗体は、NK阻害を遮断または中和するそれらの能力に基づいて特徴づけられ得、それによって遮断された標的細胞に対するNK細胞の活性を増強する。上記のように、検出のために、および/または標的組織、細胞、その他に「ペイロード」を送達するために十分な量の時間、少なくとも1つのKIRと結合する抗KIR抗体は、重要な本発明の側面である。しかし、NK細胞におけるKIRを媒介したNK細胞細胞障害性の阻害を中和する抗KIR抗体も、本発明の有利な特色である。このような抗KIR抗体は、天然の形態で(たとえば、細胞障害性の薬剤に対して抱合することなく)治療薬として直接使用してもよい。本発明のより特定の有利な特徴は、2つ以上のKIRと交差反応して、このような関連したKIRのいくつかまたは全て(典型的には、好ましくは全て)に関連した阻害活性を中和する抗KIR抗体である。
交差反応性抗-抗KIR抗体は、文献において報告されているが、少なくともいくつかの現在わかっている交差反応性抗-抗KIR抗体は、NK細胞活性の増強を示すようには見えない(たとえば、Watzl et al., Tissue Antigens, 56, p. 240(2000)を参照されたい)。したがって、このような抗体は、(少なくともこれらの修飾されていない天然の形態において)大部分のヒト集団に使用するために適した治療薬として役立つかに関しては、有用性が限定されるであろう。この点で、これと会合する少なくとも2つの異なる標的KIRのうちの少なくとも1つを発現するNK細胞におけるKIRを媒介したNK細胞細胞障害性の阻害を中和する抗KIR抗体は、本発明の特に有利な側面を表す。
抗KIR抗体を中和することにより、KIRを媒介したNK細胞細胞障害性の阻害を部分的または完全に中和してもよい。中和は、そうしなければ存在する阻害性シグナルのなんらかの実質的遮断をいう。中和は、いずれの適切な方法によって測定することもできる。一つの側面において、阻害の中和は、中和抗KIR抗体が、典型的には抗KIR抗体の存在しない実質的に同一の状況で生じる特異的溶解の量と比較して、少なくとも約20%、好ましくは少なくとも30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約75%以上(たとえば、約25〜100%)のNKとNK標的細胞との特定の混合物におけるNK細胞を媒介した特異的溶解の増大を生じさせることに反映される。この側面において増大する割合は、たとえばNK標的細胞とこれらが会合したKIRを遮断しないNK細胞(100%)との混合物およびNK細胞とNK標的細胞がNK細胞上の阻害性KIRに対して同族のMHCクラスI分子を提示するNK標的細胞との混合物(0%)から得られるクロム放出毒性試験アッセイ法の結果と比較することによって決定することができる。有利な側面において、本発明は、このような抗KIR抗体の存在しない場合には効率的に溶解されないであろう細胞の溶解を誘導する抗KIR抗体を提供する。あるいは、たとえば、KIR阻害活性の中和は、たとえば1つもしくはいくつかの阻害性KIRを発現するNK細胞クローンまたはトランスフェクタントと、NK細胞上のKIRの1つのみによって認識される1つのHLA対立遺伝子のみを発現する標的細胞とを使用するクロムアッセイ法の結果によって示すことができ、この場合、抗体で得られる細胞障害性レベルは、W6/32抗MHCクラスI抗体(これは、現在たとえばResearch Diagnostics, Flanders, NJ, USAから入手可能であり、たとえば、Shields et al., Tissue Antigens. 1998 May;51(5):567-70に記述されている)などの実質的に同一の状況で投与された既知のブロッキング抗MHCクラスI分子で観察される細胞障害性の少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%以上(たとえば、約25〜100%)などである。
クロム放出アッセイ法およびNK細胞細胞溶解反応を評価するためのその他の方法は、当技術分野において既知である。また、このようなアッセイ法のために適した条件は、周知である。典型的なクロム放出アッセイ法は、標的細胞(たとえば、Cw3および/またはCw4ポジティブ株化細胞、−マイクロタイトレーションプレートのウェルあたりたとえば約5000細胞で)をNa2 51CrO4で標識化して(その結果、51Crが取り込まれて、生存可能標的細胞によって保持される)、過剰な放射能を除去するために洗浄し、その後に適切なエフェクター:標的比(たとえば約4:1)にて抗KIR抗体の有無において約4時間の期間NK細胞に曝露して、標的細胞死および溶解を反映するその後の51Crレベルを測定することによって行われる。このようなアッセイ法の例は、たとえば、Moretta et al., 1993, J Exp Med 178, 597-604に記述されている。同様のアッセイ法において、増殖性標的細胞を、複製DNAに取り込まれる3H-チミジンで標識することができる。NK細胞による細胞溶解作用により、標的細胞のDNAは迅速に分解し、濾液中に保持されるが、一方で、大きな断片化されていないDNAは、フィルター上に収集することができ、その結果、これらの断片の放出または細胞内DNAにおける3H-チミジンの保持を測定することができる。このようなアッセイ法に関連したその他の例および関連した考察は、たとえば、Fridberg et al., Methods. 1996 Apr;9(2):316-26 および Motzer et al., Biological Research for Nursing, 2003, vol. 5, no. 2, pp. 142-152(11)に見いだすことができる。また、NK細胞細胞溶解活性アッセイ法のその他の例が当技術分野において既知である(たとえば、Vizler et al., Cytometry. 2002 Mar 1;47(3):158-62; Wahlberg et al., J Immunol Methods. 2001 Jul 1;253(1-2):69-81; Zons et al., Clin Diagn Lab Immunol. 1997 March; 4(2): 202-207; Marcusson-Stahl et al., Toxicology. 2003 Dec 1;193(3):269-79; Kantakamalakul et al., J Immunol Methods. 2003 Jan 15;272(1-2):189-97; Lehmann et al., Cancer Immunol Immunother. 1999 Jul;48(4):209-13; Goldberg et al., J Immunol Methods. 1999 Apr 22;224(1-2):1-9; Borella et al., J Immunol Methods. 1995 Oct 12;186(1):101-10; Lovgren et al., J Immunol Methods. 1994 Jul 12;173(1):119-25); Dinota et al., J Immunol Methods. 1988 Nov 10;114(1-2):53-9;およびHoshino et al., J Clin Lab Immunol. 1991 Sep;36(1):39-43)を参照されたい。したがって、たとえばHLA-Cw4を発現する標的細胞に対して細胞溶解活性が、もしあってもほとんど示さないKIR2DL1+ NK細胞では、DF200および/またはNKVSF1に由来するか、または類似するKIR結合配列を含む抗KIR抗体の存在下で作用させたときに、このようなアッセイ法を経由してこのような活性の有意な増大を示すことが予想される。
本発明の本側面の1つの例示的特徴は、KIR2DL1およびKIR2DL2/3ヒト受容体に特異的に結合して、これらの阻害性KIRによって媒介されるNK細胞細胞障害性阻害を逆転させる抗KIR抗体(およびたとえば、本明細書に記述したさらなる薬剤の1つまたは複数を使用した抗癌組み合わせ療法などにおける、本発明の種々の組み合わせ組成物および療法におけるこれらの使用)を提供する際に例示される。抗体DF200に由来するKIR結合配列を含む抗KIR抗体は、このような態様の例である。DF200のKIR結合配列に対して高度に類似するKIR結合配列を含む中和抗KIR抗体は、本発明のもう一つの側面である(たとえば、本発明は、DF200の同様の配列と少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%以上(たとえば、約55〜99%)同一のKIR結合配列を含む抗KIR抗体を提供する)。もう一つの側面において、本発明は、その同族のKIRに対する結合について、DF200と競合する抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、その同族のKIRに対する結合について、抗体1-7F9と競合する抗体を提供する。また、DF200または1-7F9並びにこれらの抗体に由来する抗体およびこれらの抗体と特色を共有する抗体断片は、本発明の種々の組み合わせ療法および組成物に使用することができる。
もう一つの例示的側面において、本発明は、KIR受容体に対するMHC分子の結合を特異的に阻害する抗KIR抗体を提供する。一つの例示的な側面において、本発明は、KIR2DL1およびKIR2DL2/3受容体に対するHLA-C分子の結合を特異的に阻害する抗KIR抗体を提供する。
iii.交差反応性および/または中和抗KIR抗体との競合
もう一つの側面において、本発明は、同族のKIRに対する結合について、交差反応性および/または中和抗KIR抗体と競合する能力および/またはこのような既知の抗体と同じ抗原決定基領域/エピトープと結合する能力によって特徴づけられる抗KIR抗体を提供する。たとえば、一つの側面において、本発明は、これが抗体NKVSF1および/または抗体DF200と競合する能力によって特徴づけられる抗KIR抗体を提供する。
「と競合する」という句は、特定のモノクローナル抗体(たとえば、DF200、NKVSF1、その他)をいう場合、抗KIR抗体が組換えKIR分子またはKIR分子を発現した表面のいずれかを使用する結合アッセイにおいて、参照抗体またはその他の分子と競合することを意味する。たとえば、抗KIR抗体が、通常結合アッセイにおいてDF200に結合したKIR分子に検出可能的にDF200の結合を減少させる場合、抗KIR抗体がDF200と「競合する」ということができる。DF200と「競合する」抗KIR抗体は、KIR2DL1ヒト受容体、KIR2DL2/3ヒト受容体またはKIR2DL1およびKIR2DL2/3ヒト受容体の両方の結合について、DF200と競合してもよい。
関連していることが多いが、タンパク質が参照タンパク質と同じか、または実質的に同じエピトープに結合する能力に対して、参照結合タンパク質との競合に関するタンパク質の記述では、一部の場合に、有意に異なる生物学的および生理化学的特性を意味する。結合タンパク質間の競合では、抗KIR抗体が結合したエピトープと少なくとも部分的に重複するか、またはこのようなエピトープに対して十分な近くに位置し、その結果、このような抗KIR抗体が立体障害のために既知の抗KIR抗体と競合するエピトープに結合する試験抗KIR抗体を意味する。たとえば抗体からなるか、または抗体を含む抗KIR抗体などの大きな抗KIR抗体は、大きな抗体サイズのために、同じかまたは類似するエピトープに結合することなく、参照抗KIR抗体と競合し得る。このような競合抗KIR抗体は、それが異なる抗原決定基に結合するにもかかわらず、参照抗KIR抗体と同じ抗原決定基領域と会合する相互作用を遮断するのに有用であり得る。
例示的側面において、本発明は、KIR2DL1およびKIR2DL2/3ヒト受容体に結合し、これらのKIRによって媒介されるNK細胞細胞障害性阻害を逆転させて、KIR2DL1ヒト受容体、KIR2DL2/3ヒト受容体またはKIR2DL1およびKIR2DL2/3ヒト受容体の両方に対する結合について、DF200および/またはNKVSF1と競合する抗KIR抗体を提供する。
もう一つの例示的側面において、本発明は、DF200および/またはNKVSF1などの抗KIR抗体と実質的に同じ抗原決定基領域と結合する抗KIR抗体を提供する。
もう一つの例示的側面において、本発明は、いずれの阻害性KIR2DL受容体に対して結合することもなく、1つまたは複数のKIR2DSタンパク質と結合する抗KIR抗体を提供する。
競合とは、特定の分子が結合パートナーに結合する別の分子の存在下において特定の結合パートナーに結合する性向のいかなる有意な減少をもいう。典型的には、競合は、たとえば、競合分子、たとえば抗KIR抗体の存在下における抗KIR抗体と少なくとも1つのKIRとの間の結合の少なくとも約20%の減少(たとえば、約25%以上、約30%以上、約15〜35%、その他の結合における減少)などの少なくとも約15%の減少を意味する。競合抗体に属するエピトープが抗原に接近して位置する場合などの一定の状況において、競合は、約40%を超える受容体(たとえば、KIR)結合の相対的阻害、少なくとも約50%の阻害、少なくとも約55%の阻害、少なくとも約60%の阻害、少なくとも約75%の阻害またはより高レベルの阻害(約45〜95%の阻害のレベルなど)によって特徴づけられる。
競合を評価することには、典型的には第1の分子(たとえば、抗KIR抗体)の第1の量;第2の分子(たとえば、既知の抗KIR抗体)の第2の量;および第3の分子(たとえば、KIR)の第3の量を使用し、第1、第2および第3の量は全て比較を行って、その他に存在する分子と比較して問題の分子の選択性および/または特異性についての情報を伝えるのに十分である相対的な阻害性結合の評価を含む。通常、ELISA競合アッセイ法のためには、約5〜50μg(たとえば、約10〜50μg、約20〜50μg、約5〜20μg、約10〜20μg、その他)の抗KIR抗体、既知の抗KIR抗体および少なくとも1つのKIRを使用して競合が存在するかどうかを判断する。また、条件は、これらの推定上の標的/既知の標的に対する競合分子の結合に適しているべきである。抗KIR抗体:KIRのためには、生理学的条件または生理学的条件近く(たとえば、約20〜40℃の温度、約7〜8のpH、その他)が、典型的には適切であり得る。
抗KIR抗体と実質的もしくは本質的に同じ抗原決定基領域またはエピトープと競合し、および/または結合する1つまたは複数の分子の同定には、抗体競合を評価することができる種々の免疫学的スクリーニングアッセイ法のいずれか一つを使用して容易に決定することができる。多数のこのようなアッセイ法がルーチン的に行われており、当技術分野において周知である(たとえば、米国特許5,660,827号を参照されたい)。
2つ以上の分子間の競合(または結合の相対的阻害)の決定は、対照KIR結合分子(たとえば、抗体DF200)と試験抗KIR抗体とを混合し(または事前に吸着させ)、KIR2DL1およびKIR2DL2/3(それぞれ、DF200に結合することが既知である)などの関連したKIRを含む試料に適用する免疫アッセイを使用することによって行うことができる。ELISA法、放射免疫アッセイ法、ウエスタンブロット法などに基づいたプロトコルが、このような競合研究に使用するために適している。競合ELISA法は、典型的には分子の結合のために適した条件下で行われる(たとえば生理学的条件、特に高次構造上のエピトープ/非線形エピトープに結合する抗体の場合)。
また、競合は、たとえばフローサイトメトリー試験によって評価することができる。このような試験では、所与のKIRを有する細胞を最初に抗KIR抗体またはその他のKIR結合タンパク質(たとえば、DF200)と共に、次いで蛍光色素またはビオチンで標識された抗KIR抗体と共にインキュベートすることができる。抗KIR抗体は、DF200の飽和量とのプレインキュベーションにより得られる結合が、DF200とプレインキュベーションしていない抗KIR抗体によるKIR結合(蛍光の平均値によって測定される)の約50%以下、約40%以下(たとえば、約30%以下)などの約80%以下またはその他の適切な量(たとえば、約15〜95%)である場合に、DF200と競合するということができる。あるいは、抗KIR抗体は、抗KIR抗体の飽和量とプレインキュベートした細胞上の標識された抗体(蛍光色素またはビオチンによる)で得られる結合が、抗KIR抗体とプレインキュベーションしていない標識された抗KIR抗体によって得られる結合の約50%以下、約40%以下(たとえば、約30%以下)などの約80%以下またはその他の適切な量(たとえば、約15〜95%)である場合に、DF200などの既知の抗KIR抗体と競合するということができる。
また、または代わりに、競合は、SPR解析によって評価することができる。このようなアッセイ法では、関連したKIR(たとえば、KIR2DL1および/またはKIR2DL2/3)をBIAcoreチップ(または表面プラスモン共鳴解析のために適したその他の媒体)の表面に固定させる。次いで、対照抗体(たとえば、DF200)を飽和濃度にて表面と接触させ、対照抗体のKIR結合を測定する。対照抗体の結合を、試験抗KIR抗体の存在下におけるKIR結合表面に対する対照抗体の結合と比較する。試験アッセイ法において、試験抗体の存在下における対照抗体によるKIR含有表面の結合の有意な減少は、試験抗KIR抗体が実質的に対照抗体と同じエピトープを認識し、試験抗KIR抗体が対照抗体と競合することを示す。固定されたKIRとの対照抗体および試験抗KIR抗体反応の順序は、逆転することができること:すなわち、競合アッセイ法において、対照抗体を最初に表面に結合することができ、その後に試験抗KIR抗体を表面と接触させることができることが認識されるであろう。好ましくは、第2の分子に対して見られる結合の減少が、より大きくなることが予想されるので、本分子は、KIRに対してより高い親和性を有すると考えられる。このようなアッセイ法のさらなる例は、たとえば、Saunal and Regenmortel,(1995) J. Immunol. Methods 183: 33-41に提供されている。典型的には、適切な競合のレベル(たとえば、競合する分子の存在下において分子の15〜85%以下の結合)が上に記述されており、一般に本明細書に記述した競合アッセイ法に適用することができる。
競合阻害によってmAb特異性を決定するためのさらなる方法は、当技術分野において既知であり、このような技術の有用な例は、たとえば、Harlow, et al., Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1988), Colligan et al., eds., Current Protocols in Immunology, Greene Publishing Assoc. and Wiley Interscience, N.Y.,(1992, 1993), Ausubel et al., Eds., Short Protocols in Molecular Biology,(5th edition), John Wiley & Sons(2002), および Muller, Meth. Enzymol. 92:589-601(1983))において見いだすことができる。
抗原決定基領域またはエピトープは、多数の既知の技術によって同定することができる。たとえば、抗原決定基領域は、KIR2DL1またはKIR2DL2/3タンパク質内などの標的KIR内の曝露されたアミン/カルボキシルの化学修飾を介してなど、「フットプリント」アッセイ法によって迅速に同定することができる。このようなフットプリント法技術の1つの具体例は、HXMS(質量分析によって検出される水素重水素交換)の使用であり、この場合に、受容体およびリガンドタンパク質アミドプロトンの水素/重水素交換、結合および逆交換が生じ、タンパク質結合に関与するバックボーンアミド基は、逆交換から保護されており、したがって、重水素化したままである。関連した領域では、現時点で、消化性タンパク質分解、高速ミクロボア高速液体クロマトグラフィー分離および/またはエレクトロスプレーイオン化質量分析によって同定することができる。たとえば、Ehring H, Analytical Biochemistry, Vol. 267(2) pp. 252-259(1999)、および/または Engen, J.R. and Smith, D.L.(2001) Anal. Chem. 73, 256A-265Aを参照されたい。
適切なエピトープ同定技術のもう一つの例は、核磁気共鳴エピトープマッピング(NMR)であり、この場合、典型的には、遊離抗原と抗体などの抗原結合ペプチドと複合体を形成した抗原の二次元NMRスペクトルのシグナルの位置が比較される。抗原は、典型的には、15Nで選択的に同位体的に標識されており、その結果NMR-スペクトルにおいて抗原に対応するシグナルだけが見え、抗原結合ペプチドからのシグナルは見えない。抗原結合ペプチドとの相互作用に関与するアミノ酸から生じる抗原シグナルは、典型的には遊離抗原のスペクトルと比較して複合体のスペクトルの位置が変化し、結合に関与するアミノ酸をこの方法で同定することができる。たとえば、Ernst Schering Res Found Workshop. 2004;(44):149-67; Huang et al, Journal of Molecular Biology, Vol. 281(1) pp. 61-67(1998);およびSaito and Patterson, Methods. 1996 Jun;9(3):516-24を参照されたい。
また、エピトープマッピング/特性付けは、質量分析方法を使用して行うこともできる。たとえば、Downward, J Mass Spectrom. 2000 Apr;35(4):493-503 および Kiselar and Downard, Anal Chem. 1999 May 1;71(9):1792-801を参照されたい。
また、プロテアーゼ消化技術は、エピトープマッピングおよび同定に関して有用であり得る。抗原決定基に関連した領域/配列は、プロテアーゼ消化によって、たとえば37℃およびpH 7-8でのKIR2DL1またはKIR2DL2/3 o/n消化のために約1:50の比率でトリプシンを使用し、続いてペプチド同定のために質量分析(MS)解析することによって決定することができる。続いて、抗KIR結合剤によりトリプシン切断から保護されたペプチドをトリプシン消化に供した試料と抗体と共にインキュベートし、次いでたとえばトリプシンによる消化に供した試料との比較によって同定することができる(これにより、結合剤に対するフットプリントを明らかにする)。また、または代わりに、キモトリプシン、ペプシン、その他のようなその他の酵素をエピトープ特性付け法に使用することができる。さらに、酵素消化により、ポリペプチドが表面に曝露されておらず、したがって抗原性に関して関連がない可能性が高い抗KIRペプチドに関して、潜在的抗原性決定因子配列がKIR結合因子と会合したKIR2DL1の領域内にあるかどうかについて解析するための迅速な方法を提供することができる。同様の技術の考察については、たとえば、Manca, Ann Ist Super Sanita. 1991;27(1):15-9を参照されたい。
また、エピトープを同定するために、種々のファージディスプレイ技術を使用することができる。たとえば、Wang and Yu, Curr Drug Targets. 2004 Jan;5(1):1-15; Burton, Immunotechnology. 1995 Aug;1(2):87-94; Cortese et al., Immunotechnology. 1995 Aug;1(2):87-94;および Irving et al., Curr Opin Chem Biol. 2001 Jun;5(3):314-24を参照されたい。また、コンセンサスエピトープは、修飾されたファージディスプレイ関連技術を介して同定することができる(考察については、Mumey et al., J. Comput. Biol. 10:555-567 および Mumey, Proceedings of the Sixth Annual International Conference on Computational Molecular Biology(RECOMB-02), pp. 233-240(ACM Press, New York)を参照されたい)(また、Bailey et al., Protein Science(2003), 12:2453-2475; Dromey et al., J Immunol. 2004 Apr 1;172(7):4084-90; Parker et al., Mol Biotechnol. 2002 Jan;20(1):49-62;および Czompoly et al., Biochem Biophys Res Commun. 2003 Aug 8;307(4):791-6を参照されたい)。
一方がビオチン化されているか(たとえば、既知の抗KIR抗体)またはそうでなければ同じように標識されている2つのKIR結合分子とのKIRに対する競合的結合によるエピトープマッピングも、関連した抗原決定基領域を同定するためのもう一つの方法である。
エピトープをマッピングする際に潜在的に役立つその他の方法は、結晶学技術、X線回折技術(1970年代〜1980年代にPoljakおよびその他によって開発されたX線回折/配列研究技術など)およびマルチピンペプチド合成技術(Multipin Peptide Synthesis Technology)の適用を含む。
また、配列解析および三次元構造解析およびドッキングなどのコンピュータに基づいた方法も、抗原決定基を同定するために使用することができる。たとえば、エピトープは、KIRの構造またはこれらの部分を使用する分子モデリングによって、個々のmAbのFab断片の構造をドッキングして決定することもできる。必要な場合、KIRのモデルは、Chemical Computing Group(Montreal, Quebec, Canada - www.chemcomp.com)から入手可能であるMOE(Molecular Operating Environment)などのプログラムを使用して構造が特徴づけられたKIRとの相同性モデリングによって作成することができる。これらのマッピング法およびその他のマッピング法はEpitope Mapping A Practical Approach(Westwood and Hay Eds.) 2001 Oxford University Pressにおいて論議されている(また、Cason, J Virol Methods. 1994 Sep;49(2):209-19を参照されたい)。
さらなる側面において、本発明は、種々のKIR上に提示される特定の抗原性領域および/またはエピトープに向けられた抗KIR抗体を提供する。一つの例示的側面において、本発明は、105、106、107、108、109、110、111、127、129、130、131、132、133、134、135、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、181および192から選択されるアミノ酸残基の1つまたは複数によって定義される領域内でKIR2DL1に特異的に結合する抗KIR抗体を提供する。もう一つの態様において、本発明は、これらのアミノ酸残基105、106、107、108、109、110、111、127、129、130、131、132、133、134、135、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、181および192の1つまたは複数によって定義される領域においてKIR2DL1およびKIR 2DL2/3と特異的に結合する抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、KIR2DL1と結合するが、R131がAlaであるKIR2DL1の突然変異体と結合し、これと比較した結合親和性が有意に減少している(KIR2DL1に対して示される親和性の約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下、その他)抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、KIR2DL1と結合するが、R157がAlaであるKIR2DL1の突然変異体と結合し、結合親和性が比較的減少した(KIR2DL1に対して示される親和性の約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下、その他)抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、KIR2DL1と結合し、かつR158がAlaであるKIR2DL1の突然変異体に結合し、結合親和性が比較的減少した(KIR2DL1に対して示される親和性の約20%以下、約30%以下、約40%以下、約50%以下、約60%以下、約70%以下、その他)抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、KIR2DL1残基131、157および158と結合する抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、KIR2DS3(R131W)と結合するが、野生型KIR2DS3に結合しない抗KIR抗体を提供する。さらにもう一つの側面において、本発明は、KIR2DL1およびKIR2DL2/3、並びにKIR2DS4と結合する抗KIR抗体を提供する。さらにもう一つの側面において、本発明は、KIR2DL1およびKIR2DL2/3と結合するが、KIR2DS4に結合しない抗KIR抗体を提供する。
抗KIR抗体の構成および構築における抗KIR抗体配列の使用を例示するために、例示的抗KIR抗体配列および抗体配列変異体を本明細書に記載する。
一つの例示的側面において、本発明は、配列Lys Ala Ser Gln Asn Val Val Thr Tyr Val Ser(配列番号:1)からなる、またはから本質的になるCDR-L1配列を含む抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、配列Thr Ala Ser Ser Ser Val Ser Ser Ser Tyr Leu Tyr(配列番号:2)からなる、またはから本質的になるCDR-L1を含む抗KIR抗体を提供する。
もう一つの例示的側面において、本発明は、また、または代わりに、Gly Ala Ser Asn Arg Tyr Thr(配列番号:3)からなる、またはから本質的になるCDR-L2配列を含む抗KIR抗体を提供する。さらなる側面において、本発明は、また、または代わりに、配列Ser Thr Ser Asn Leu Ala Ser(配列番号:4)からなる、またはから本質的になるCDR-L2を含む抗KIR抗体を提供する。
もう一つの例証的面において、本発明は、また、または代わりに、配列Gly Gln Gly Tyr Ser Tyr Phe Tyr Thr(配列番号:5)からなる、またはから本質的になるCDR-L3を含む抗KIR抗体を提供する。さらにもう一つの側面において、本発明は、また、または代わりに、配列His Gln Tyr His Arg Ser Pro Pro Thr(配列番号:6)からなる、またはから本質的になるCDR-L3を含む抗KIR抗体を提供する。
さらに例示的特徴として、本発明は、配列Gly Phe Ser Phe Thr Phe Tyr Gly Val His(配列番号:7)からなる、またはから本質的になるCDR-H1を含む抗KIR抗体を提供する。
さらにもう一つの例示的な側面において、本発明は、配列Val Ile Trp Ser Gly Gly Asn Thr Asp Tyr Asn Ala Ala Phe Ile Ser(配列番号:8)からなる、またはから本質的になるCDR-H2を含む抗KIR抗体を提供する。
さらにもう一つの例示的な側面において、本発明は、配列Asn Pro Arg Pro Gly Asn Tyr Pro Tyr Gly Met Asp Tyr(配列番号:9)からなる、またはから本質的になるCDR-H3を含む抗KIR抗体を提供する。
異なる側面において、本発明は、配列Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr Trp Met His(配列番号:10)からなる、またはから本質的になるCDR-H1を含む抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、配列Thr Ile Tyr Pro Gly Asn Ser Asp Thr Asn Tyr Asn Gln Lys Phe Lys Gly(配列番号:11)からなる、またはから本質的になるCDR-H2を含む抗KIR抗体を提供する。
本発明のもう一つの側面は、配列Pro Thr Thr Ala Thr Arg Ser Ser Ala Met Asp Tyr(配列番号:12)からなる、またはから本質的になるCDR-H3を含む抗KIR抗体によって実施される。
これらのCDR配列の基本的および新規の特性により、その他の必要なCDRおよびFR配列と組み合わせて、1つまたは複数のKIR上に提示されたエピトープに対して結合することができる。上記のように、このような配列の一定の残基は、KIRエピトープ結合に対してほとんどまたは全く寄与しない場合があってもよい。さらに、また、または代わりに、このようなCDR配列は、実質的にこれらのエピトープ結合特徴(特異性および/または親和性)に影響を与えることのなく、1つまたは少数の挿入を許容してもよい場合があってもよい。しかし、本発明のもう一つの側面において、有用な変異体を作製するために、このような配列に有意な変更を行うことができる。このような変更は、さらに下記にて考察してある。
また、これらの例示的CDR配列は、互いに、下記に記述した変異体CDR配列またはその他の抗KIR CDR(典型的にはKIR結合抗KIR抗体由来)と組み合わせることができる。一つの例示的側面において、本発明は、配列番号:1、3、5、7、8および9から選択されるCDR配列のほとんどまたは全てを含む抗KIR抗体を提供する。
もう一つの例示的側面において、本発明は、配列Met Glu Ser Gln Thr Leu Val Phe Ile Ser Ile Leu Leu Trp Leu Tyr Gly Ala Asp Gly Asn Ile Val Met Thr Gln Ser Pro Lys Ser Met Ser Met Ser Val Gly Glu Arg Val Thr Leu Thr Cys Lys Asn Ser Glu Asn Val Val Thr Tyr Val Ser Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Glu Gln Ser Pro Lys Leu Leu Ile Tyr Gly Ala Ser Asn Arg Tyr Thr Gly Val Pro Asp Arg Phe Thr Gly Ser Gly Ser Ala Thr Asp Phe Thr Leu Thr Ile Ser Ser Val Gln Ala Glu Asp Leu Ala Asp Tyr His Cys Gly Gln Gly Tyr Ser Tyr Pro Tyr Thr Phe Gly Gly Thr Lys Leu Asp Ile Lys Arg(配列番号:13)から本質的になる軽鎖可変(VL)配列を含む抗体を提供する。このような配列の基本的および新規の特性が、そのKIR結合に対して寄与する。実質的にこのような特性に影響を与えることなく、この配列においていくつかのアミノ酸を欠失させ、付加し、または置換することができるであろう。
さらなる例示的側面において、本発明は、配列Met Asp Phe Gln Val Gln Ile Phe Ser Phe Leu Leu Ile Ser Ala Ser Val Ile Met Ser Arg Gly Gln Ile Val Leu Thr Gln Ser Pro Ala Ser Met Ser Ala Ser Leu Gly Glu Arg Val Thr Met Thr Cys Thr Ala Ser Ser Ser Val Ser Ser Ser Tyr Leu Tyr Trp Tyr Gln Gln Lys Pro Gly Ser Ser Pro Lys Leu Trp Ile Tyr Ser Thr Ser Asn Leu Ala Ser Gly Val Pro Ala Arg Phe Ser Gly Ser Gly Ser Gly Thr Ser Tyr Ser Leu Thr Ile Ser Ser Met Gln Ala Glu Asp Ala Ala Thr Tyr Tyr Cys His Gln Tyr His Arg Ser Pro Pro Thr Phe Gly Gly Gly Thr Lys Leu Glu Ile Lys Arg(配列番号:14)から本質的になるVL配列を含む抗体を提供する。
配列番号:13および配列番号:14の両方のN末端部分は、配列が適切な状況で提示されている場合、適切な宿主細胞において切断されるであろう(たとえば、配列番号:13の最初の約23のアミノ酸は、VL配列のためのシグナル配列として作用した後に切断されるであろうが、この場合は、これは問題のペプチドの全ての内容であるか、またはペプチドの曝露されたN末端部分を表す)。したがって、本発明は、配列番号:13および配列番号:14のN末端の切断されたバージョンから本質的になるVL配列を含む抗KIR抗体も提供する(たとえば、これらのN末端部分の約20アミノ酸が除去された場合)。
もう一つの側面において、本発明は、また、または代わりに、配列Met Ala Val Leu Gly Leu Leu Phe Cys Leu Val Thr Phe Pro Ser Cys Val Leu Ser Gln Val Gln Leu Glu Gln Ser Gly Pro Gly Leu Val Gln Pro Ser Gln Ser Leu Ser Ile Thr Cys Thr Val Ser Gly Phe Ser Phe Thr Pro Tyr Gly Val His Trp Val Arg Gln Ser Pro Gly Lys Gly Leu Glu Trp Leu Gly Val Ile Trp Ser Gly Gly Asn Thr Asp Tyr Asn Ala Ala Phe Ile Ser Arg Leu Ser Ile Asn Lys Asp Asn Ser Lys Ser Gln Val Phe Phe Lys Met Asn Ser Leu Gln Val Asn Asp Thr Ala Ile Tyr Tyr Cys Ala Arg Asn Pro Arg Pro Gly Asn Tyr Pro Tyr Gly Met Asp Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Ser Val Thr Val Ser Ser(配列番号:15)から本質的になる重鎖可変(VH)配列を含む抗KIR抗体を提供する。この配列の最初の20アミノ酸残基は、この配列からなるか、もしくは本質的になるペプチドまたは適切な状況に置かれたこの配列を含むタンパク質鎖のためのシグナル配列として作用することができる。したがって、本発明は、また、配列番号:15の最初の約1〜20残基を欠いているこれらの断片から本質的になるVH配列を含む抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、また、または代わりに、配列Met Glu Cys Asn Trp Ile Leu Pro Phe Ile Leu Ser Val Thr Ser Gly Val Tyr Ser Glu Val Gln Leu Gln Gln Ser Gly Thr V Leu Ala Arg Pro Gly Ala Ser Val Lys Met Ser Cys Lys Ala Ser Gly Tyr Thr Phe Thr Ser Tyr Trp Met His Trp Met Lys Gln Arg Pro Gly Gln Gly Leu Glu Trp Ile Gly Thr Ile Tyr Pro Gly Asn Ser Asp Thr Asn Tyr Asn Gln Lys Phe Lys Gly Lys Ala Lys Leu Thr Ala Val Thr Ser Thr Asn Thr Ala Tyr Met Glu Leu Ser S Leu Thr Asn Glu D Ser Ala Val Tyr Tyr Cys Ser Arg Pro Thr Thr Ala Thr Arg Ser Ser Ala Met D Tyr Trp Gly Gln Gly Thr Ser Val Thr Val Ser Ser(配列番号:16)から本質的になる重鎖可変(VH)配列を含む抗KIR抗体を提供する。この配列の最初の20アミノ酸残基は、この配列からなるか、もしくは本質的になるペプチドまたは適切な状況に置かれたこの配列を含むタンパク質鎖のためのシグナル配列として作用することができる。したがって、本発明は、また、配列番号:16の最初の約1〜20残基を欠いているこれらの断片から本質的になるVH配列を含む抗KIR抗体を提供する。
一つの側面において、本発明は、配列番号:13またはこれらのN末端切断部分から本質的になるVL配列および配列番号:15またはこれらのN末端切断部分から本質的になるVH配列を含む抗KIR抗体を提供する。
すでに述べたように、抗KIR抗体配列などの抗原結合抗体配列の適切な配列変異体は、本発明の抗体に取り込むことができる。大部分のタイプの抗体配列の変異が適切であろう。したがって、たとえば、抗KIR抗体には、変異体定常配列および/または変異体フレームワーク配列を含むことができる。
一つの側面において、本発明は、1つまたは複数の変異体CDR配列(すなわち、その野生型関係物配列と比較して配列の生物学的および/または生理化学的特性に影響を与える1つもしくは複数のアミノ酸挿入、欠失、付加および/または置換によって野生型CDR配列とは異なるCDR配列)を含む抗KIR抗体を提供する。CDR変異体を産生するための既知の多数の技術があり、そのいずれの適切な技術または組み合わせを本発明に関して使用することもできる。このような技術の例には、たとえばStudnicka et al., Protein Engineering, Vol 7, 805-814(1994)に記載されたような非必須残基の除去(Soderlind et al., Immunotechnology. 1999 Mar;4(3-4):279-85も参照されたい)、CDR歩行突然変異誘発およびその他の人工親和性成熟技術(たとえば、Journal of Molecular Biology, December 1995;254(3):392-403を参照されたい)、CDR混合技術(典型的にはCDRを任意に合成オリゴヌクレオチドを含む遺伝子鋳型の多様なセットから増幅し、VL、VHおよび/またはCDRの定常領域を増幅し、および種々の断片をポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって混合(一本鎖または二本鎖形式で)して構築して、マスターフレームワーク内に導入された混合CDRを有する抗体断片コードする遺伝子産物のセットを産生し、全長産物を確実に産生するために挿入される制限部位を過ぎた部位にアニールする外部プライマーを使用してこれを増幅して、これを選択のベクターに挿入して、発現される変異体CDRを含むタンパク質に使用する)を含む。適切な構造は、変異体/擬態構造と親配列との重ね合せによって、たとえばNMR溶液構造の比較によって決定することができる。このような方法のさらなる例は、本明細書において他に提供してある。
CDR、VHおよびVL配列変異体は、抗KIR mAb DF200および/または抗KIR mAb NKVSF1のCDR、VHおよびVL配列などの1つまたは複数の「親」CDR、VHおよびVL配列に対して、それぞれ任意の適切な同一性のレベルを示すことができる。典型的には、親としての本質的に同一の抗原決定基領域と結合する変異体配列は、親配列に対して約50%以上、約60%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上または少なくとも約95%(たとえば、約45〜99%、約55〜99%または約65〜99%)の同一性などの、親配列に対して少なくとも約40%のアミノ酸配列同一性を保持する。しかし、場合によっては、特に本質的に同一のエピトープにターゲットされるCDR配列に関して、さらに低レベルの同一性をもつ変異体も、適切であり得る。
また、異なる抗原決定基領域または抗原決定基領域の異なるセット(または「プロフィール」)と結合するCDR、VHおよびVL配列変異体も、本明細書において他に記述した技術(合理的設計、突然変異誘発、定方向進化、その他)のいずれによって作製することもできる。このような場合には、親配列に対するアミノ酸配列同一性が著しく低いレベルであることが予想され得る。たとえば、親配列とは異なるエピトープ結合プロフィールを有するCDR-L1、CDR-H1、CDR-H2またはCDR H3変異体に関して、KIRなどのNKCAMRの結合に寄与する変異体において、親CDR配列に対してわずか約20〜30%のアミノ酸配列同一性が示されるであろう。
典型的には、変異体は、大部分は保存的置換を介して「親」配列と異なり;たとえば、変異体における置換の少なくとも約35%、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約75%以上、約80%以上、約85%以上、約90%以上、約95%以上(たとえば、約65〜99%)が、保存的アミノ酸残基置換である。本発明に関して、保存的置換は、以下の三つの表の1つまたは複数に示されたアミノ酸の分類内の置換によって定義することができる:
Figure 2008526813
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さらなる保存的置換グループ化には:バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリンおよびアスパラギン-グルタミンを含む。また、アミノ酸のさらなる基を、たとえば Creighton(1984) Proteins: Structure and Molecular Properties(2d Ed. 1993), W.H. Freeman and Companyに記述された原理を使用して表すことができる。一部の場合には、このような特色の2つ以上に基づいて置換をさらに特徴づけることも有用であり得る(たとえば、Thr残基などの「小さな極性の」残基での置換は、適切な状況において高度に保存的な置換を表すことができる)。
機能の実質的変化は、上で定義した基において示したものよりも保存的ではない置換を選択することによって行うことができる。たとえば、変化領域においてより有意にペプチドの構造、たとえばα-ヘリックス構造またはβシート構造;標的部位の分子の電荷もしくは疎水性;または側鎖の大きさに影響を及ぼす非保存的置換を行うことができる。一般に、ペプチドの特性の最も大きな変化を生じることが予想される置換は、以下の場合である:1)親水性残基、たとえばセリルまたはスレオニルは、疎水性残基、たとえばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニルの代わりに(またはによって)置換される;2)システインまたはプロリンは、他のいかなる残基の代わりにも(またはによっても)置換される;3)電気陽性側鎖、たとえばリジル、アルギニルまたはヒスチジルを有する残基は、電気陰性残基、たとえばグルタミルまたはアスパルチルの代わりに(またはによって)置換される;または4)大きな側鎖、たとえばフェニルアラニンを有する残基は、側鎖を有しない残基、たとえばグリシンの代わりに(またはによって)置換される。したがって、これらおよびその他の非保存的置換は、機能/構造の有意な変化が望まれる場合にペプチド変異体に導入することができ、構造/機能の保存が望まれる場合には回避される。
当業者であれば、設計に有用なさらなる原理およびペプチド変異体の選択を知っているであろう。たとえば、ペプチドの表面に位置する残基は、典型的には親水性アミノ酸に対して強力な優先度。アミノ酸の立体的特性は、タンパク質が採用する、または支持する局在構造に多大な影響を及ぼし得る。プロリンは、たとえばねじれの自由度を減少して、ペプチドバックボーンがターンにロックされた高次構造を導き、水素結合を害して、さらに該残基をタンパク質の表面ループ上に出現させてしまう。Proとは対照的に、Glyは、主なペプチド鎖の周りの完全なねじれの自由度を有し、その結果、堅いターンおよびタンパク質の内部に埋設された領域(たとえば、疎水性ポケット)を付随することが多い。このような残基の特色は、二次構造にこれらが関与するのを制限することが多い。しかし、典型的には、二次構造の形成に関与する残基が既知である。たとえば、Ala、LeuおよびGluなどの残基(非常に大きくおよび/または極性の残基がないアミノ酸)は、典型的にはαヘリックス形成と関連するが、Val、Ile、Ser、AspおよびAsnなどの残基は、αヘリックス形成を崩壊させることができる。βシート構造を形成/包含する性向をもつ残基は、ValおよびIleを含み、ターン構造と関連する残基は、Pro、AspおよびGlyを含む。当業者であれば、適切な変異体をルーチン試験だけで調製することができるように、適切なペプチド変異体のデザインおよび選択の際にこれらおよび同様の既知のアミノ酸特性を考慮することができる。
望ましくは、保存は、ヒドロパシー/親水性特性に関して、親ペプチドと比較して、変異体ペプチドにおいても実質的に保持される(たとえば、重量分類、ヒドロパシーのスコアまたは両方の配列が、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以上(たとえば、約65〜99%)保持される)。残基/配列のヒドロパシーの特徴の保存を評価するための方法は、当技術分野において既知であり、SDSC Biology Workbenchを介して利用できるGREASEプログラムなどの利用可能なソフトウェア・パッケージに組み込まれている(また、GREASEおよび同様のプログラムに組み込まれた原理に関する議論については、たとえば Kyte and Doolittle et al., J. Mol. Biol. 157:105-132(1982); Pearson and Lipman, PNAS(1988) 85:2444-2448、およびPearson(1990) Methods in Enzymology 183:63-98を参照されたい)。
また、典型的には、変異体ペプチドの構造は、親ペプチドの構造と実質的に同じであると有利である。保存的置換、ヒドロパシーの特性、重量保存および同様の考慮に関してペプチドの類似性を評価するための方法は、たとえば、国際特許出願国際公開第03/048185号、国際公開第03/070747号および国際公開第03/027246号に記述されている。二次構造比較は、EBI SSMプログラム(現在http://www.ebi.ac.uk/msd-srv/ssm/にて利用可能)を使用して作製することができる。変異体の座標が既知である場合、これらは、以下のものなどの整列/比較プログラムを経由して比較することができる:DALI対整列(現在http://www.ebi.ac.uk/dali/Interactive.htmlにて利用可能)、TOPSCAN(現在http://www.bioinf.org.uk/topscanにて利用可能)、COMPARER(現在http://www-cryst.bioc.cam.ac.uk/COMPARER/にて利用可能)PRIDE対(現在http://hydra.icgeb.trieste.it/pride/pride.php?method=pairにて利用可能)、PINTS(現在http://www.russell.embl.de/pints/にて利用可能)、SARF2(現在http://123d.ncifcrf.gov/run2.htmlにて利用可能)、Structural Alignment Server(現在http://www.molmovdb.org/align/にて利用可能)およびCE Calculate Two Chains Server(現在http://cl.sdsc.edu/ce/ce_align.htmlにて利用可能)。必要に応じて、親配列分子との比較のために構造を予測するために、HMM-ROSETTAまたはMODELLERプログラムによるものなど、非経験的タンパク質構造的予測法を変異体配列に対して適用することができる。適切な場合は、また、または代わりに、変異体および/または親配列タンパク質の構造を予測するために、スレッディング法などのその他の構造予測法を使用することができる。
また、または代わりに、類似残基の保持は、BLASTプログラム(たとえば、NCBIを介して利用できるBLAST 2.2.8)を使用することによって決定される類似性スコアにより測定することができる。適切な変異体は、典型的には、親ペプチドに対して少なくとも約55%、少なくとも約65%、少なくとも約75%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以上(たとえば、約70〜99%)など、少なくとも約45%の類似性を示す。
本明細書において他で論議したとおり、変異体と親との間の変異/分岐のその他の位置も許容することができるが(たとえば、天然に存在しないアミノ酸、誘導体化したアミノ酸、配列の挿入、欠失および伸長その他の包含)、ただしこのような変化は、親ペプチドと比較して、変異体が標的抗原を結合する能力を実質的に損なわないことを条件する。
本発明のアミノ酸配列に関連した同一性は、任意の適切な技術によって、典型的には-12の初期ギャップペナルティーおよび-2の伸長ペナルティーでBLOSUM50スコアリングマトリックスを使用してALIGN 2.0で解析を経て提供されるものなどの、Needleman-Wunsch整列解析(Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol.(1970) 48:443-453を参照されたい)によって決定することができる(ALIGNプログラムに組み込まれた全体的な整列技術に関する議論については、Myers and Miller, CABIOS(1989) 4:11-17を参照されたい)。ALIGN2.0プログラムのコピーは、たとえばSan Diego Supercomputer(SDSC)Biology Workbenchを介して入手できる。Needleman-Wunsch整列では、2つの配列間の全体の、または全体的な同一性測定を提供するので、より大きなペプチド配列の一部または部分列であろう標的配列を完全な配列と類似の様式に使用してもよく、または代わりに、たとえば入手可能なプログラム(同一性を解析するために適しているであろうその他の局部的配置法には、FastAおよびBLASTプログラムなどの帰納的な局部的整列アルゴリズムを適用するプログラムを含む)を介して得ることができるSmith-Waterman整列(J. Mol. Biol.(1981)147:195-197)によって決定される局部的整列値を使用して部分列の関係を評価することができることが認識されるはずである。同一性を評価するためのさらに関連した方法は、たとえば国際特許出願公報国際公開第03/048185号に記述されている。あるいは、Needleman-Wunschにアルゴリズムを改善するために探求されているGotohアルゴリズムを全体的な配列整列のために使用することができる。たとえば、Gotoh, J. Mol. Biol. 162:705-708(1982)を参照されたい。
典型的には、有利な配列変化は、(1)タンパク質分解に対する感受性を減少させ、(2)酸化に対する感受性を減少させ、(3)変異体配列の結合親和性を変化させ(典型的には、望ましくは、親和性を増加する)および/または(4)関連した変異体/類似体ペプチドに対してその他の物理化学的もしくは機能的特性を与えるか、または修飾するものである。CDRおよびFR領域変異体に関して、典型的にはCDR構造のループ構造を補助し、および/または位置を定めるために必要とされる残基が保持されること;約10オングストロームのCDR構造のループ内に入る残基(しかし、任意に、約5オングストローム2以上の水混合溶媒が到達できる表面も有するこの領域の残基のみ)が修飾されているか、または保存的アミノ酸残基置換のみによって修飾されていること;および/または配列が限られた数の挿入および/または欠失(もしあれば)のみに供されることが望まれ、その結果CDR構造のループ様構造が変異体に保持される(関連した技術および関連した原理の記述は、たとえばSchiweck et al., J Mol Biol. 1997 May 23;268(5):934-51; Morea, Biophys Chem. 1997 Oct;68(1-3):9-16; Shirai et al., FEBS Lett. 1996 Dec 9;399(1-2):1-8; Shirai et al., FEBS Lett. 1999 Jul 16;455(1-2):188-97; Reckzo et al., Protein Eng. 1995 Apr;8(4):389-95;および Eigenbrot et al., J Mol Biol. 1993 Feb 20;229(4):969-95に提供されている)。
すでに述べたように、アミノ酸配列変異は、親抗体配列と比較して変異形抗体配列において変化したグリコシル化パターンを生じることができる。この文脈において「変化させる」とは、親抗体で見いだされる1つもしくは複数のグリコシル化部位の除去および/または親抗体に存在しない1つもしくは複数のグリコシル化部位を付加することを意味する。抗体のグリコシル化は、典型的にはN連結またはO連結のいずれかがなされている。N連結されたとは、アスパラギン残基の側鎖に対する炭化水素部分の付着をいう。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-スレオニン(式中、Xはプロリン以外の任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖に対する炭化水素部分の酵素の付着のための共通の認識配列である。したがって、ポリペプチドにこれらのトリペプチド配列のいずれかが存在すると、潜在的グリコシル化部位を作製することができる。また、O連結されたグリコシル化とは、ヒドロキシアミノ酸、最も一般的にはセリンまたはスレオニンに対するN-アセチルガラクトサミン(N-aceylgalactosamine)、ガラクトースまたはキシロースなどの糖の付着をいうが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンを使用してもよい。抗体に対するグリコシル化部位の付加は、親配列に関して変異体のアミノ酸配列を変化させることによって都合よく達成することができ、その結果、(N-連結されたグリコシル化部位について)上記したトリペプチド配列またはその他の適切なグリコシル化部位の1つまたは複数を含むこととなる。また、変化は、たとえば、(O連結されたグリコシル化部位についての)元の抗体の配列に対する1つもしくは複数のセリンまたはスレオニン残基の付加によって、または置換によって作製してもよい。
本明細書に記述した上記技術およびその他の技術を使用して、本発明は、NKCAMR、NKCAMR部分またはNKCAMR配列を含むタンパク質(たとえば、KIR、KIR部分またはKIR配列を含むタンパク質)での免疫化に応答して、哺乳類またはその他の脊索動物(またはこれらのいずれかから得られ、もしくは由来する細胞−ハイブリドーマに由来する哺乳類細胞など)によって産生される1つまたは複数の「親」抗KIR抗体に類似する有用な抗体および抗体様ペプチド変異体を産生するための多くの方法を提供する。
アミノ酸配列変異体は、一般に、たとえば化学ペプチド合成または何らかのその他の適切な技術により(たとえば、部位定方向突然変異誘発により)、抗体をコードする核酸内に適切なヌクレオチド変化を導入することによって得ることができる。このような変異体は、たとえば既知の抗KIR抗体の親アミノ酸配列内の、および本明細書において提供された抗KIR抗体配列内の残基からの欠失、残基内への挿入、残基に対する付加(親配列のいずれかの末端に)および/または残基の置換によって異なった変異体を含む。欠失、挿入、付加および置換のいずれの組み合わせを作製して、所望の変異体に到達することもできるが、ただし変異体は、本発明の方法の実施のために適した特徴を有することを条件とする(たとえば、1つまたは複数のKIRエピトープに関して、少なくとも親抗体の親和性、特異性および/または選択性の実質的保持)。また、親抗体に関してのアミノ酸配列変化は、グリコシル化部位の数または位置を変えることなどにより、親抗体に関して変異形抗体の翻訳後プロセスを変化させてもよい。
抗体配列変異体を調製するためのその他の潜在的に適した技術は、CDR歩行突然変異誘発、抗体鎖混合、「倹約突然変異誘発(parsimonious mutagenesis)」(Balint and Larrick Gene 137:109-118(1993))およびその他の親和性成熟技術(たとえば、Wu et al. PNAS(USA) 95: 6037-6-42(1998)を参照されたい)を含む。また、レパートリークローニング法も、変異形抗体の産生に有用であり得る(たとえば国際特許出願国際公開第96/33279号を参照されたい)。
変異形抗体を作製するために高頻度可変領域挿入が行われる場合、既知の同様の抗体における問題の高頻度可変領域の長さの典型的範囲が定型的に考慮される。たとえば、軽鎖可変ドメインの最初の高頻度可変領域については、親抗体のCDR L1配列に挿入を導入すると共に、実質的に同様のサイズを保持することができ、これにより適切なサイズが予想され、これはKabat et al.,上記によれば、たとえば典型的には、約9〜20(たとえば、約10〜17)残基の全体を有する。同様に、CDR L2は、典型的には約5〜10残基の全長を有し;CDR L3は、典型的には約7〜20残基の長さを有し;CDR H1は、典型的には約10〜15残基の長さを有し;CDR H2は、典型的には約15〜20残基の長さを有し;およびCDR H3は、典型的には約6〜30残基(たとえば、3〜25残基)の長さを有する。VH領域の挿入は、典型的にはCDR H3に、および典型的には、Kabatに記載されているような整列および番号付けを使用して、親CDR H3の残基97〜102の周りなど(たとえば、親CDR H3配列に隣接して、および好ましくは親CDR H3配列に対する配列のC末端、親CDR H3配列の残基番号100)、ドメインのC末端の近くに作製される。その高頻度可変領域にアミノ酸残基が挿入された抗体変異体は、特に、標的抗原に対する親抗体の最初の結合親和性をランダムに産生した抗体変異体により容易にスクリーニングすることができるような場合、ランダムに調製してもよい。たとえば、ファージディスプレイは、このようなランダムな変異体をスクリーニングする便利な方法を提供する。
アミノ酸配列挿入には、1残基〜100以上の残基を含むポリペプチドの長さに及ぶアミノ末端および/またはカルボキシル末端融合(時に、別々に「付加」とも称する)、並びに単一または複数のアミノ酸残基の内部配列挿入を含む。末端挿入の例には、N末端のメチオニル残基をもつ抗体またはエピトープタグに融合された抗体を含む。抗体分子のその他の挿入変異体は、酵素もしくはポリペプチドに対する抗体のNもしくはC末端または抗体の血清半減期を増大するPEGに対する融合を含む。このような抗体融合タンパク質は、本明細書に他に別々に記述してある。
抗体について、置換変異のための最も多大な関心のもたれる部位は、高頻度可変領域(または、特定のCDR)であるが、フレームワーク(FR)変化もまた、抗体変異体の範囲内であり、有利な特性と関連している可能性もあり、たとえばハイブリッド抗体配列が使用される場合には、CDR配列の適切または最適な整列を得るために、FR領域の挿入および欠失が必要とされ得る。また、フレームワーク領域または定常ドメインにおける置換またはその他の修飾(挿入、欠失またはこれらのいずれかの組み合わせ)も、親抗体と比較して、変異形抗体の半減期の増大を付随し得る。フレームワーク領域または定常ドメインの変異を、親抗体と比較して変異形抗体の免疫原性を変化させるために、別の分子に対して共有結合性もしくは非共有結合するための部位を提供するために、または補体結合としてこのような特性を変化させるために作製してもよい。抗体変異体の変異は、単一の変異形抗体のフレームワーク領域、定常ドメインおよび/または可変領域のそれぞれ(または、これらのいずれか1つまたは複数のCDR)に作製してもよい。あるいは、変異は、抗体のフレームワーク領域、可変領域(または、これらの単一のCDR)または定常ドメインのうちの1つのみに作製してもよい。Cunningham and Wells(1989), Science 244:1081-1085によって記述されたものなどのアラニンスキャニング突然変異誘発技術は、変異体VL、VHまたは特定のCDR配列を含む抗体を作製する際の置換または欠失のために適した残基を同定するために使用することができるが、その他の適切な突然変異誘発技術も適用することができる。たとえば、複数のアミノ酸置換を作製して、Reidhaar-Olson and Sauer, Science 241:53-57(1988)またはBowie and Sauer Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:2152-2156(1989)によって開示されたものなどの既知の突然変異誘発およびスクリーニング法を使用して試験することができる。変異形抗体を作製するために使用することができるさらなる技術は、定方向進化およびたとえば米国特許出願第20040009498号;Marks et al., Methods Mol Biol. 2004;248:327-43(2004); Azriel-Rosenfeld et al., J Mol Biol. 2004 Jan 2;335(1):177-92; Park et al., Biochem Biophys Res Commun. 2000 Aug 28;275(2):553-7; Kang et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 1991 Dec 15;88(24):11120-3; Zahnd et al., J Biol Chem. 2004 Apr 30;279(18):18870-7; Xu et al., Chem Biol. 2002 Aug;9(8):933-42; Border et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2000 Sep 26;97(20):10701-5; Crameri et al., Nat Med. 1996 Jan;2(1):100-2に記述されたもの、およびさらに一般的には、たとえば国際特許出願国際公開第03/048185号に記述されたものなどのその他の変異体作製技術を含む。
抗体配列の質および/または多様性をさらに改善するために、VL/VH対のVLおよびVHセグメント、典型的には少なくともVHおよび/またはVLのCDR3領域内を、天然の免疫応答の間の抗体の親和性成熟の役割を担うインビボでの体細胞突然変異過程に類似の過程でランダムに変異することができる。このようなインビトロでの親和性成熟は、たとえば、それぞれVH CDR3またはVL CDR3をコードする配列に対して相補的なPCRプライマーを使用してVHおよびVL領域を増幅することによって達成することができ、これらのプライマーは、典型的には一定の位置において4ヌクレオチド塩基のランダムな混合物で「スパイク」されており、その結果、生じるPCR産物は、ランダム突然変異が導入されて、これにより(少なくとも一部の場合において)VHおよび/またはVL CDR3領域に配列変異を生じたVHおよびVLセグメントをコードする。このようなランダムに変異されたVHおよびVLセグメントは、その後に、ファージディスプレイまたは標的(1つまたは複数のKIRなど)に対する結合のために適したその他の技術によって再びスクリーンし、有利な変異体を解析して新規抗KIR抗体を調製するために使用することができる。
CDR変異体のデザイン、構築および/または評価の際に、エピトープ結合を改善することができるように、CDR領域を修飾することができるという事実に注意を払うことができる。抗体CDRは、典型的にはエピトープが適合する「ポケット」またはその他のパラトープ構造を構築することによって作動する。エピトープがきっちりと適合しない場合、抗体は、最高の親和性を提供しないかもしれない。しかし、エピトープと同様に、大部分のこの結合の根拠となるパラトープ構造には、少数の重要な残基があることが多い。したがって、CDR配列は、同じ標的タンパク質に対して特異的な抗体間で有意に長さおよび組成物を変更することができる。当業者であれば、(たとえば、CDR-H3配列に関して)チロシン残基などの、このようなエピトープ結合の有意な寄与体である一定の残基が、典型的には望ましくはCDR変異体に保持されていることを認識するであろう。
すでに述べたように、置換変異体を作製するための便利な方法は、当技術分野において既知の方法を使用するファージを使用した親和性成熟である。修飾のための候補高頻度可変領域部位を同定するために、アラニンスキャニング突然変異誘発を行って、有意に抗原結合に寄与する高頻度可変領域残基を同定することができる。あるいは、または加えて、抗体と抗原との間の接触点を同定するために、抗原抗体複合体の結晶構造を解析することも有益であろう。このような接触残基および隣接残基は、可能性の高い置換のための適切な候補である。
CDR配列変異体の合理的な設計のための有用な方法は、たとえば国際特許出願国際公開第91/09967号および国際公開第93/16184号に記述されている。ペプチド変異体の産生/選択におけるさらなる考慮(たとえば、アミノ酸残基機能的特徴の保存、ヒドロパシー特徴に基づくアミノ酸残基の保存および/または重量/サイズに基づいたアミノ酸残基の保存は、本明細書において他に記述してある)。典型的には、保存的置換変異などのアミノ酸配列変異は、望ましくは親配列の構造的特徴を実質的に変えない(たとえば、置換アミノ酸は、親配列の機能を特徴づける二次構造を崩壊させる傾向があるべきではない)。当技術分野で認識されたポリペプチド二次構造および三次構造の例は、たとえば、Proteins, Structures and Molecular Principles(Creighton, Ed., W. H. Freeman and Company, New York(1984)); Introduction to Protein Structure(C. Branden and J. Tooze, eds., Garland Publishing, New York, N.Y.(1991)); およびThornton et at. Nature 354:105(1991)に記述されている。ペプチド変異体の設計と構成に関連するさらなる原理は、たとえばCollinet et al., J Biol Chem 2000 Jun 9;275(23):17428-33に記述されている。
「潜在的アミノ酸相互作用」という句は、抗原に存在する1つまたは複数のアミノ酸残基と、親抗体配列に存在しないが変異体配列に導入することができ、かつ抗原とこのような導入された残基を含む抗体配列変異体との間のアミノ酸接触を増大するような1つもしくは複数のアミノ酸残基との間の接触またはエネルギー的に有利な相互作用をいうために使用することができる。好ましくは、関心対象のアミノ酸相互作用は、水素結合相互作用、ファンデルワールス相互作用および/またはイオン相互作用から選択される。
一つの特定の例示的側面において、本発明は、抗KIR抗体(たとえば、交差反応性抗KIR抗体)であって、抗KIR抗体配列(たとえば、抗体DF200由来の配列)に関連して、最も近い関連した野生型抗KIR抗体について、3未満などの約5未満などの約10未満のアミノ酸変異が変異形抗体配列のVHまたはVL領域に存在する抗KIR抗体を提供する。もう一つの例示的側面において、本発明は、関連した野生型抗KIR抗体、たとえばDF200における最も関連した配列について、約5アミノ酸などの約10未満などの約15未満のアミノ酸変異体が変異形抗体の定常ドメインに存在する配列変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
本明細書において他に記述したように、抗KIR抗体は、単鎖タンパク質として、または多量体(たとえば、二量体、三量体、四量体(野生型抗体の場合のように)またはより高次の多量体)として存在することができる。抗KIR抗体および抗体断片は、典型的にはIgM抗体と関連するものなどのより高次の多量体の形態ではない場合、少なくともヘテロ三量体の形態である。単量体タンパク質に由来する抗KIR抗体は、当技術分野において既知の多量体化促進配列を含めることによって修飾することができる(その例は、本明細書において他に記述してある)。
典型的には、変異体配列は、望ましくは同様の親配列と同様の構造を保持する。タンパク質構造は、当技術分野において周知である核磁気共鳴(NMR)分光学構造決定技術などの多くの適切な技術(たとえば、Wuthrich, NMR of Proteins and Nucleic Acids, Wiley, New York, 1986; Wuthrich, K. Science 243:45-50(1989); Clore et al., Crit. Rev. Bioch. Molec. Biol. 24:479-564(1989); Cooke et al. Bioassays 8:52-56(1988)を参照されたい)によって、典型的には構造類似体についての空間的および配向要求を得るためのコンピュータモデリング法と組み合わせて(たとえば、MACROMODEL(商標)、INSIGHT(商標)およびDISCOVER(商標)などのプログラムを使用することによって)評価することができる。これらおよびその他の適切な既知の技術によって得られた情報を使用して、合理性に基づいたアミノ酸置換、挿入および/または欠失を介して構造類似体をデザインし、および作製することができる。この点で有用でもあろうコンピュータに基づいたタンパク質構造モデリング法は、本明細書において他に記述してある。
すでに示したように、典型的には、変異体配列は、抗原親和性および/または特異性に関してなど、それらが由来する親配列の機能性を少なくとも実質的に保持することが望ましい(たとえば、定常ドメインを媒介した機能などの特定の機能を減少し、または除去することを試みる場合、例外が存在するであろう)。抗体の機能的領域または活性領域は、タンパク質の特定領域の突然変異誘発、続く発現されたポリペプチドの発現および試験によって同定してもよい。このような方法は、当業者には直ちに明らかであり、抗体またはその他のNKCAMR結合タンパク質をコードする核酸の部位特異的突然変異を含むことができる。関連した原理に関する議論については、たとえば、Zoller M J et al. Nucl. Acids Res. 10:6487-500(1982)を参照されたい。
2. 抗KIR抗体配列の変異体
抗KIR抗体の変異体配列の使用をよりよく例証する目的のためには、抗KIR抗体に取り込まれる抗体配列変異体を作製するための、およびこれらの製作に使用される、多数の具体的ストラテジーおよび製造法を本明細書に提供してある。
一つの側面において、本発明は、式Xaa1 Ala Ser Xaa4 Xaa5 Val Xaa7 Ser Xaa9 Tyr Leu Xaa12(配列番号:16)(式中、それぞれの「Xaa」は、任意の適切なアミノ酸残基(式I)を表す)に記載の配列から本質的になるCDR L1配列変異体を含む抗KIR抗体を提供する。一つの側面において、本発明は、配列が以下の1つまたは複数によってさらに特徴づけられる式Iに記載のCDR L1変異体配列を含む抗KIR抗体を提供する:Xaa1は、LysまたはThrであり;Xaa4は、GluまたはSerであり;Xaa5は、AsnまたはSerであり;Xaa7は、ValまたはSerであり;Xaa9は、Serであるか、または存在せず;およびXaa12は、SerまたはTyrである(式Ia)。
もう一つの側面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12に記載の配列(式中、(a)Xaa1は、LysまたはThrであり;Xaa4は、GluまたはSerであり;Xaa5は、AsnまたはSerであり;Xaa7は、ValまたはSerであり;およびXaa12は、SerまたはTyrであり;(b)Xaa8およびXaa11は、任意の適切なアミノ酸残基であり、Xaa8は、ThrまたはSerであり、Xaa11は、ValまたはLeuであるか、またはXaa8は、ThrまたはSerであり、およびXaa11は、ValまたはLeuであり;(c)Xaa9は、Ser、存在しない、またはSer以外の任意の適切なアミノ酸残基(たとえば、Gly)であり;並びに(d)Xaa2 Xaa3 Xaa6 Xaa10およびXaa11は、任意に以下の1つまたは複数を除く式Iの対応する位置によってそれぞれ定義され(たとえば、Xaa2は、Alaである):Xaa2は、Ala以外の任意の適切な残基であり;Xaa3は、Ser以外の任意の適切な残基であり;Xaa6は、Val以外の任意の適切な残基であり;Xaa10は、Tyr以外の任意の適切な残基であり;およびXaa11は、Leu(式II)以外の任意の適切な残基である)から本質的になるCDR L1配列変異体を含む抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、式(IIa)の部分(a)または部分(b)のいずれかによって定義される1つまたは複数の配列変異のみにより、配列番号:1および/または配列番号:2とは異なる類似CDR L1変異体を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Ser Asn Xaa5 Xaa6 Serに記載の配列(式中、Xaaは、任意の適切なアミノ酸残基である(式III))から本質的になるCDR L2変異体を含む抗KIR抗体を提供する。より詳細な側面において、本発明は、配列が以下の1つまたは複数によって特徴づける式III配列から本質的になるCDR L2変異体配列を含む抗KIR抗体を提供する:Xaa1は、GlyまたはSerであり;Xaa2は、AlaまたはThrであり;Xaa5は、ArgまたはLeuであり;およびXaa6は、TyrまたはAlaである(式IIIa)。
さらなる面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7に記載の配列(式中、(a)Xaa1はGlyまたはSerであり、Xaa2はAlaまたはThrであり、Xaa5はArgまたはLeuであり、およびXaa6はTyrまたはAlaであり;(b)Xaa7は、任意の適切な残基(たとえばAla残基または別の柔軟な残基)、ThrまたはSerであり;並びに(c)Xaa3はSerであり、およびXaa4は、Asn以外の任意の適切な残基であり、Xaa3は、Ser以外の任意の適切な残基であり、かつXaa4は、Asnであるか、またはXaa3は、Ser以外の任意の適切な残基であり、かつXaa4は、Asn以外の任意の適切な残基である(式IV))から本質的になるCDR L2変異体を含む抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、配列が(i)部分(a)によって定義された1つもしくは複数の変化のみによって、または(ii)式IVの部分(c)の一方もしくは両方の変化のみにより、配列番号:3および/または配列番号:4と異なる類似CDR L2変異体配列を提供する。
さらにもう一つの側面において、本発明は、式Xaa1 Gln Xaa3 His Xaa5 Xaa6 Pro Xaa8 Thr(配列番号:17)に記載の配列(式中、Xaaは、任意の適切なアミノ酸残基である(式V))から本質的になるCDR L3変異体配列を含む抗KIR抗体を提供する。より詳細な側面において、本発明は、配列が以下の1つまたは複数によってさらに特徴づけられる式Vに記載の配列から本質的になるCDR L3変異体を含む抗KIR抗体を提供する:Xaa1は、GlyまたはHisであり、Xaa3は、GlyまたはTyrであり、Xaa5は、SerまたはArgであり、Xaa6は、TyrまたはSerであり、およびXaa8は、TyrまたはProである(式Va)。
さらなる面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9に記載の配列(式中、(a)Xaa1は、GlyまたはHisであり、Xaa3は、GlyまたはTyrであり、Xaa5は、SerまたはArgであり、Xaa6は、TyrまたはSerであり、およびXaa8は、TyrまたはProであり;(b)Xaa4は、Tyr、Hisまたは別の適切な残基(たとえば、別のシクロアルケニル関連残基)であり;並びに(c)Xaa2、Xaa7およびXaa9は、以下の1つまたは複数についてのものを除く式Vの対応する位置に従って定義される:Xaa2は、Gln以外の任意の適切な残基であり、Xaa7は、Pro以外の任意の適切な残基であり、およびXaa9はThr以外の任意の適切な残基である(式VI))から本質的になるCDR L3変異体配列を含む抗KIR抗体を提供する。もう一つの側面において、本発明は、式V配列(しかし、式中、Xaa1、Xaa3、Xaa6およびXaa8の全てが、配列番号:5もしくは配列番号:6の同一の位置に対応するか、またはXaa2、Xaa7およびXaa9は、式Vの同一の位置に対応するかのいずれかである)から本質的になるCDR L3変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
もう一つの面において、本発明は、式Gly Phe Ser Xaa4 Thr Xaa6 Tyr Gly Val His(配列番号:18)に記載の配列(式中、Xaa4は、Glu以外の任意の適切な残基(たとえば、Leu)であり、Xaa6は、Phe以外の任意の適切な残基(たとえば、Ser)であり、またはXaa4およびXaa6は、それぞれGluおよびPhe以外の任意の適切な残基を表す(式VII))から本質的になるCDR H1変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
さらにもう一つの側面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Glu Xaa5 Phe Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10に記載の配列(式中、1つまたは複数のXaa1、Xaa2、Xaa3、Xaa5、Xaa7、Xaa8、Xaa9およびXaa10は、配列番号:7の対応する位置とは異なる(式VIII))から本質的になるCDR H1変異体を含む抗KIR抗体を提供する。一つの側面において、本発明は、式VIII配列(式中、式VIII配列は、配列番号:7に対して少なくとも70%(たとえば、少なくとも80%または少なくとも90%)の同一性を示す)から本質的になるCDR H1変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
さらなる面において、本発明は、Val Ile Trp Ser Gly Gly Xaa7 Thr Asp Tyr Asn Ala Ala Phe Ile Ser(配列番号:19)に記載の配列(式中、Xaa7は、Asn以外の任意の適切な残基である(式IX))から本質的になるCDR H2変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Asn Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13 Xaa14 Xaa15 Xaa16に記載の配列(式中、配列は、配列番号:8に対して少なくとも約60%、典型的には約80%以上などの少なくとも約70%(たとえば、約90%以上)の同一性を示すが、Xaa1-Xaa6およびXaa8-Xaa16のいずれか1つの位置において1つまたは複数の置換によって異なる(式X))から本質的になるCDR H2変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
本発明のもう一つの側面は、式Asn Pro Arg Pro Gly Asn Tyr Arg Tyr Gly Xaa11 Xaa12 Tyr(配列番号:20)に記載の配列(式中、Xaa11はMet以外の任意の適切な残基であり、およびXaa12は、Aspであり、Xaa11は、Metであり、およびXaa12は、Asp以外の任意の適切な残基であり、またはXaa11およびXaa12は、それぞれMetおよびAsp以外の任意の適切な残基を表す(式XI))から本質的になるCDR H3変異体を含む抗KIR抗体である。
本発明のもう一つの特徴は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10 Xaa11 Xaa12 Xaa13に記載の配列(式中、配列は、典型的には、Xaa1-Xaa13の1〜4個の置換により、配列番号:9に対して少なくとも約70%の同一性を示す(式XII))から本質的になるCDR H3変異体を含む抗KIR抗体において提供される。一つの側面において、本発明は、Xaa11がMetであり、および/またはXaa12がAspであるこのような抗KIR抗体を提供する。
また、本発明は、式Gly Xaa2 Xaa3 Phe Thr Xaa6 Tyr Xaa8 Xaa9 His(配列番号:21)に記載の配列(式中、Xaa2は、シクロアルケニル残基、典型的には芳香族残基およびより典型的にはPheまたはTyrであり;Xaa3は、Ser、Thr、Ala、AsnおよびGln、より典型的にはSer、ThrおよびAla、またはさらに典型的にはSerもしくはThrから選択され;Xaa6は、ProまたはSerであり;Xaa8は、Glyまたはtrpであり;およびXaa9は、Met、Ile、Leu、ValおよびPheから、またはより典型的にはMet、Ile、LeuおよびValから選択される(式XIII))から本質的になるCDR-H1変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
さらなる側面において、本発明は、式Xaa1 Xaa2 Xaa3 Xaa4 Xaa5 Xaa6 Xaa7 Xaa8 Xaa9 Xaa10に記載の配列(式中、Xaa2、Xaa3、Xaa6、Xaa8およびXaa9は、式XIIIにおいて定義したとおりであり、並びにXaa1、Xaa4、Xaa5、Xaa7およびXaa10は、以下の1つまたは複数を除いて式XIIIの対応する位置において見いだされるものと同じ残基を表す):Xaa1は、Gly以外の任意の適切な残基であり;Xaa4は、Phe以外の任意の適切な残基であり;Xaa5は、Thr以外の任意の適切な残基であり;Xaa7は、Tyr以外の任意の適切な残基であり;およびXaa10は、His以外の任意の適切な残基である(式XIV))から本質的になるCDR-H1変異体を含む抗KIR抗体を提供する。
より一般的な意味において、本発明は、配列番号:1〜9と高度に類似する1つまたは複数の変異体CDRを含む抗KIR抗体を提供する(たとえば、本発明は、配列番号:1〜9の少なくとも1つに対して少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以上の同一性を示す少なくとも1つのCDR変異体を含む抗KIR抗体を提供する)。
さらなる側面において、本発明は、このようなCDR変異体の組み合わせを含む抗KIR抗体(たとえば、式 I〜IIに記載のCDR L1変異体、式III〜IVに記載のCDR L2変異体、式V〜VIに記載のCDR L3変異体、式VII〜VIIIに記載のCDR H1変異体、式IX〜Xに記載のCDR H2変異体および/または式XI〜XIIに記載のCDR H3変異体を含む抗KIR抗体)を提供する。さらなる面において、本発明は、このようなCDR変異体と配列番号:1〜9から選択される1つまたは複数のCDR配列との組み合わせを含む抗KIR抗体を提供する。
また、本発明は、(人工抗KIR抗体に組み込むための)KIR結合変異形抗体配列を製造する方法であって、前述の式(たとえば、式I〜XII)によって定義したとおりの変異体CDRの組み合わせを含む抗体または抗体配列含有タンパク質を製造すること、少なくとも1つのKIRについて変異形抗体配列の親和性を評価すること、および少なくとも予め定められた親和性レベル(典型的には、本明細書において他に記述したものに相当するレベル)にて少なくとも1つのKIRと結合する配列を選択することを含む方法を提供する。
モノクローナル抗体は、特にKohler et al., Nature, 256:495(1975)によって最初に、またはその他の周知の、その後に開発された方法(たとえば、Goding, Monoclonal Antibodies: Principles and Practice, pp.59-103(Academic Press, 1986))によって記述されたハイブリドーマ法を使用して作製してもよい。ハイブリドーマおよびその他の融合細胞は、任意の適切なタイプの骨髄腫、ヘテロ骨髄腫、リンパ芽球腫(phoblastoid)細胞、プラズマ細胞腫または同様の不死化された細胞と任意の適切なタイプの抗体発現細胞との化学物質融合、電気融合法またはその他の任意の適切な技術によって形成してもよい。
また、形質転換された不死化されたB細胞は、抗体を効率的に産生するために使用することができる。形質転換されたB細胞は、標準的技術(たとえば、エプスタインバーウイルスまたは形質転換遺伝子でのトランスフォーメーション)によって産生することができる。(たとえば、"Continuously Proliferating Human Cell Lines Synthesizing Antibody of Predetermined Specificity," Zurawaki, V. R. et al, in Monoclonal Antibodies, ed. by Kennett R. H. et al, Plenum Press, N.Y. 1980, pp 19-33を参照されたい)。したがって、安定かつ持続的および/または不死化した、抗KIR抗体を発現する細胞および株化細胞も、本発明のもう一つの特徴である。抗KIR抗体を産生するための方法の工程は、たとえば抗AMR抗体および/または抗STM抗体を産生する不死化されたB細胞を産生し、抗KIR抗体を産生するために適したパートナーに融合するか、またはシーケンスして、このような配列を組換え抗KIR抗体を産生するために使用する工程を含むことができる。
組換えタンパク質発現のための宿主として利用できる株化細胞は、当技術分野において周知であり、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から入手可能な多くの不死化された株化細胞を含む。これらには、とりわけ、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、NSO、SP2細胞、HeLa細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、サル腎臓細胞(COS)、ヒト肝臓癌細胞(たとえば、Hep G2)、A549細胞および多数のその他の株化細胞を含む。使用してもよいその他の株化細胞は、Sf9細胞などの昆虫株化細胞である。抗体遺伝子をコードする核酸(または核酸含有ベクター)を哺乳動物宿主細胞に導入するときは、抗体は、宿主細胞における抗体を発現させるため、またはより好ましくは宿主細胞が培養される培地中へ抗体を分泌させるために十分な期間宿主細胞を培養することによって産生することができる。抗体は、標準的なタンパク質精製法を使用して培地から回収することができる。分泌シグナルなしで直接発現させるときは、抗体は、また、宿主細胞可溶化液から回収してもよい。
細胞培養、細胞可溶化物およびトランスジェニック動物からの抗体またはそこから(たとえば、抗体を産生するトランスジェニック動物の腹水液から)得られた生物材料の精製は、たとえば免疫親和性カラム精製;硫酸塩沈澱;等電点電気泳動;調製用SDS-PAGEその他を含む当技術分野において既知の多くの適切な技術を適用することによって達成することができる。
また、抗KIR抗体は、細菌細胞および酵母などの真核生物単細胞微生物において産生することができる。細菌細胞が産生した抗体は、正常なグリコシル化を欠いており、したがってADCC機能およびそうでなれば哺乳動物細胞および/または動物において産生される本質的に同一の抗体と関連しているであろう免疫反応のその他の側面に関して欠損があるであろう。酵母細胞で産生された抗体は、たとえば、通常哺乳動物細胞において産生される抗体とは異なるタイプのグリコシル化パターンを示す。しかし、酵母において有効なグリコシル化で抗体を産生するための方法が最近開発されており、Glycofi, Inc.(Lebanon, NH, USA)などの会社によって市販されている(たとえば、Hamilton et al., Science. 2003 Aug 29;301(5637):1244-6; Choi et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2003 Apr 29;100(9):5022-7;および Cambridge Health Institute Proceedingsを介して入手可能なGerngross et al., "Antibody Engineering and Optimization,"に示された"Production of Complex Human Glycoproteins in Yeast"(2004年4月28日に提出した)を参照されたい)。また、タンパク質のグリコシル化は、米国特許出願第20030124645号、第20030180835号、第20040063911号および米国特許第6,379,933号に記述されたものなど技術を使用して修正することができる。本発明のその他の方法の側面とこれらの方法を組み合わせて酵母および同様の細胞において産生される抗KIR抗体は、本発明のさらなる面である。たとえば、本発明の抗KIR抗体産生方法は、ヒト抗AMR抗体におけるヒトグリコシル化パターンを示す抗KIR抗体および/またはその中に産生される抗STM抗体配列を産生するために、このような方法に従って、たとえば本明細書に記述した抗KIR抗体部分をコードする核酸を使用して、酵母細胞において抗KIR抗体を産生する工程を含むことができる。
抗KIR抗体は、既知の生化学的技術のいずれか一つまたは組み合わせを使用して、精製することができる。
たとえば、抗KIR抗体発現ポリドーマ(polydoma)細胞培養ブロスを遠心し;生じる上清を収集し;および上清を塩析(通常、硫酸アンモニウムまたは硫酸ナトリウムを使用する)に供することができる。得られたタンパク質沈殿物は、所望の抗KIR抗体を分離して精製するために、適切な溶液において溶解し、透析し、カラムクロマトグラフィー(たとえば、イオン交換カラム、ゲル濾過カラム、プロテインAカラムまたはヒドロキシアパタイトカラムを使用する)に供することができる。また、標的NKCAMRおよび標的STM(または関連した分子)が固定されたカラムを使用する過程によって、一段階分離および精製を行うこともできる。
抗KIR抗体を精製するためのその他の適切な方法には、等電点電気泳動や、二重アフィニティークロマトグラフィー(たとえば、抗KIR抗体を精製するシーケンシャルなマウス抗イディオタイプ抗アイソタイプモノクローナル抗体を使用する)、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー(たとえば、陽イオン交換クロマトグラフィー)、ELISA、固定された金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)、サイズ排除クロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)、ウエスタンブロッティング、表面プラスモン共鳴(SPR)、質量分光的アフィニティー法、勾配チオール基吸着(thiophilic)クロマトグラフィー、透析、フィルタリング法および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法を含むアフィニティークロマトグラフィーを含む。
抗KIR抗体のスクリーニングおよび選択は、任意の適切な技術または技術の組み合わせによって達成することができる。たとえば、特定のタンパク質、変異体または断片と選択的に結合する抗体を選択するために、種々の免疫アッセイ形式を使用してもよい。たとえば、タンパク質、タンパク質変異体またはこれらの断片と選択的に免疫応答する抗体を選択するためには、固相ELISA免疫アッセイ法がルーチン的に使用される。上記、HarlowおよびLaneを参照されたい。モノクローナル抗体の結合親和性は、たとえばMunson et al., Anal. Biochem., 107:220(1980)のスキャッチャード解析によって決定することができる。
抗KIR抗体により、典型的にはKIRを媒介したシグナルを阻害すること、NCRもしくはその他のKARを媒介されたシグナルを介してNK細胞の活性化を促進することまたはその他などによってNK細胞活性を調整する能力についてスクリーニングされる。たとえばフローサイトメトリースクリーニング法を含む、このような状況に有用であり得る多数のNK細胞アッセイ法が開発されている。たとえば、McGinnes et al., J Immunol Methods 80 1984 70-85を参照されたい。NK細胞を培養すること、NK細胞を評価することなどに関する方法は、当技術分野において既知である。たとえば、Campbell and Colonna, Natural Killer Cell Protocols(Methods in Molecular Biology Series vol. 121)(2000)を参照されたい。
抗KIR抗体に関して、NK細胞中和活性は、抗KIR抗体がKIR陽性NK細胞による標的細胞の溶解を再構成する能力によって証明することができる。たとえば、抗体DF200に由来する1つまたは複数のKIR結合部分を含む抗KIR抗体に関するアッセイ法には、KIR2DL陽性NKクローンが、抗KIR抗体の非存在下と比較して、抗KIR抗体の存在下においてHLA-Cポジティブ標的を溶解する能力を測定することを含むことができる。このような状況において、また、または代わりに、抗KIR抗体の中和活性は、たとえば抗KIR抗体がKIR2DL1およびKIR2DL3(または密接に関連したKIR2DL2)受容体に対するHLA-C分子の結合を阻害する能力によって定義することができる。特にこのような状況において、中和能力は、抗KIR抗体がCw1、Cw3、Cw7およびCw8から選択されるHLA-C分子の(または、位置80にAsn残基を有するHLA-C分子の)KIR2DL2/3に対する結合および/またはCw2、Cw4、Cw5およびCw6から選択されるHLA-C分子の(または、位置80にLys残基を有するHLA-C分子の)KIR2DL1に対する結合を阻害する能力に関して測定することができる。
抗KIR抗体よってもたらされるNK細胞活性変化は、生検を採取すること、免疫組織化学解析のためにこれにより得られた組織切片を調製すること、NK細胞を組織について染色すること(たとえば、CD56、NKp30、NKp46またはその他のNK特異的細胞マーカーに特異的なmAbsを使用する)、および集団における活性化されたNK細胞の比率を決定するために、NK細胞の数を定量して活性化されたNK細胞で特異的にアップレギュレートされたマーカー(たとえば、NKp44、CD25、CD69、CD86またはその他)について同時染色することを含む方法によって決定することができる。また、細胞懸濁液が組織試料から調製される場合、このような測定は、FACS解析によって行うことができる。
また抗KIR抗体関連NK細胞調整(たとえば、KIR阻害)は、種々の細胞に基づいた細胞障害アッセイ法によって評価することができる。
もう一つの変異体において、抗KIR抗体と関連するNK細胞活性調整は、NK細胞を試験抗KIR抗体および標的株化細胞と共にインキュベートしてNK細胞サイトカイン産生(たとえば、IFN-γおよび/またはGM-CSF産生)を刺激するサイトカイン放出アッセイ法で評価することができる。たとえば、抗KIR抗体に関して、試験NK細胞集団のKIR分子によって認識される1つのHLA-C対立遺伝子を発現する株化細胞は、このようなサイトカイン放出アッセイ法に使用することができる。さらに詳細な例示的プロトコルにおいて、PBMCからのIFN-γ産生は、培養約4日後にフローサイトメトリーによる細胞表面および細胞質内の染色、並びに解析によって評価することができる。簡単には、Brefeldin A(Sigma Aldrich)を約5μg/mlの終濃度にて培養において最低約4時間添加することができる。次いで、細胞を透過化処理(IntraPrep(商標); Beckman Coulter)の前に抗CD3および抗CD56 mAbと共にインキュベートして、PE抗IFN-γまたはPE-IgG1(Pharmingen)で染色することができる。ポリクローナル活性化されたNK細胞からのGM-CSFおよびIFN-γ産生は、上清においてELISAを使用して測定することができる(GM-CSF: DuoSet Elisa, R&D Systems, Minneapolis, MN; IFN-γ: OptE1A set, Pharmingen)。
抗KIR抗体は、任意の適切な基準に基づいて選択することができる。たとえば、一つの側面において、抗KIR抗体は、それらのKIRによって遮断されないNK細胞で同じエフェクター/標的比にて得られる溶解または細胞障害性と比較して、同族HLAクラスI分子を発現する標的細胞に対する標準的クロム放出アッセイ法で測定される抗KIR抗体によって認識される少なくとも1つのKIRを示すNK細胞によって媒介される少なくとも約10%の特異的溶解、および望ましくは少なくとも約40%の特異的溶解、少なくとも約50%の特異的溶解または少なくとも約70%の特異的溶解(たとえば、約60〜100%の特異的溶解)を生じさせる能力に基づいて選択される。もう一つの例示的な例において、DF200に由来する抗KIR抗体または別の抗KIR抗体は、1つまたは複数の、抗KIR抗体が特異的なKIRのNK細胞発現の存在下において行われるクロム放出アッセイ法に関して、標的細胞に対する細胞障害性レベルを少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約35%以上増大する能力に基づいて選択することができる。
もう一つの側面において、標的細胞アポトーシスは、抗KIR抗体のNK細胞活性調整の指標として使用することができる。アポトーシスは、周知のDNA分析技術を介して決定することができる。たとえば、特徴的なDNAラダーパターンは、アポトーシス細胞死の特徴として認識される。このようなDNA断片化を視覚化するための技術は既知である。このような技術には、典型的にはアガロースゲル電気泳動による断片化されたDNAの分離およびDNAを可視化することができる色素の使用を含む。細胞死を確認するためのもう一つの方法は、トリパンブルーで標的細胞を染色することによる。変形例は、FlickおよびGiffordによって記述されたとおりに行われる、クリスタルバイオレット染色である(J. Immunol. Methods 68:167-175, 1984)。
再方向付け死滅(redirected killing)は、NK細胞受容体が細胞障害性を誘導する能力を決定するための実験系である。候補受容体に対して特異的な抗体でコーティングしたNK細胞を、これらが、抗体の結合するFc受容体を発現する標的細胞を殺す能力について評価する。
また、種々の抗KIR抗体と関連するその他の生物活性を、抗KIR抗体を評価するために使用することができる。たとえば、抗KIR抗体により、これらが抗体依存的細胞障害(ADCC)を誘導し、促進し、および/または増強する能力について評価することができる。IgG2a、IgG3およびいくつかのIgG1サブクラス抗体は、典型的にはADCCを媒介し、その結果、ADCC機能が望まれる場合、アイソタイプの検討(および、おそらく修飾)が考慮される。ADCCを誘導する能力は、クロム放出アッセイ法を使用して評価することができる。簡潔には、エフェクター細胞による溶解についての標的とされる抗原を発現する株化細胞を約100μCiの51Crで約1時間標識した後、U底マイクロタイタープレート内でエフェクター細胞と抗KIR抗体とを合わせる。約37℃にて約5時間インキュベーション後、上清を収集して、放射能を解析することができる。細胞障害性は、式:% 溶解=[((実験CPM)-(標的漏れCPM))/((洗浄剤溶解CPM)-(標的漏れCPM))]×100%によって算出することができる。特異的溶解は、式:特異的溶解-(%抗体での溶解)-(%抗体なしでの溶解)を使用して算出することができる。
また、または代わりに、抗KIR抗体は、これらが補体結合を提供するか、もしくは提供しない能力および/または補体依存性細胞障害(CDC)を誘導し、促進し、および/または増強する能力に基づいて選択することができる。以下を含むが、これらに限定されるわけではない補体結合およびCDCができる抗体の多数のアイソタイプがある:マウスIgM、マウスIgG2a、マウスIgG2b、マウスIgG3、ヒトIgM、ヒトIgG1およびヒトIgG3。これらのアイソタイプには、ヒトIgG2およびヒトIgG4を含むが、これらに限定されるわけではない。抗体の補体結合およびCDC機能的特徴を修飾するためのアイソタイプ決定およびその他の方法は、当技術分野において既知である。
さらなるADCCおよびCDCアッセイ法、並びに関連した原理は、たとえば米国特許第5,500,362号に記述されている。
また、抗KIR抗体は、これらが補体活性化を誘導し、促進し、および/または増強する能力に基づいて選択することができる。IgG3、IgG2aおよびIgMクラスの抗体は、典型的には血清補体に結合して活性化する。このような機能が望まれる場合、適切なアイソタイプの検討および/または調整を行うことができる。補体結合アッセイ法は、当技術分野において既知であり、一般に候補抗KIR抗体との標的細胞のインキュベーション、洗浄すること、補体と接触すること、インキュベートすること、並びにトリパンブルーまたはその他の適切な色素を添加して細胞数の測定および細胞血漿統合性の評価を行うことを含む。
また、抗KIR抗体は、これらが食作用を誘導し、促進し、および/または増強する能力に基づいて評価することができる。食作用アッセイ法は、既知である。一例として、標的細胞を親油性の赤い蛍光色素PKH 26で標識することができる。ヘパリン処置した、エフェクター細胞を含む全血から精製したバフィーコート細胞を標識された標的と共に、抗KIR抗体の有無において、約37℃にて約6時間インキュベートすることができる。その後、エフェクター細胞を、0℃にてエフェクター細胞と結合するFITC(フルオレッセインイソチオシアネート)で標識された抗体で染色することができる。典型的には、その後細胞を洗浄し、FACScanまたはその他の走査方法によって2色蛍光を使用して解析する。パーセント食作用は、PKH26染色に関連したエフェクター細胞(NK細胞、単球、好中球またはマクロファージ)のパーセントとして発現される。
抗KIR抗体は、均一組成物中に、またはその他の活性および/または不活性な成分と組み合わせて提供することができる。
抗KIR抗体は、典型的には少なくとも実質的に純粋な形態で使用され、および提供される。実質的に純粋な分子は、それが属する分子のクラスに関して、それが見いだされる組成物中の主な種である分子である(たとえば、実質的に純粋な抗体は、それが見いだされる組成物中の主なタンパク質種である)。実質的に純粋な種は、組成物中の分子のタイプの少なくとも約50%を構成し、典型的には、重量により組成物中の種の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以上の割合を構成するであろう。一般に、抗KIR抗体を含む組成物は、全ての組成物中に存在するペプチド種に関して、または少なくとも提唱された使用に関連して実質的に活性なペプチド種に関して、抗KIR抗体について少なくとも約98%、98%または99%の均質性を示す。たとえば、アルブミンなどのペプチド安定剤/緩衝液が、抗KIR抗体の活性を妨げずに最終医薬品製剤に故意に含まれてもよく、したがって、このような純度計算から除いてもよい。また、実質的に純粋な組成物に関して、基本的活性を妨害しない不純物の存在を許容してもよい。純度は、所与の化合物について適切な方法によって測定することができる(たとえば、クロマトグラフィー法;アガロースおよび/またはポリアクリルアミドゲル電気泳動法;HPLC解析;その他)。
単離された分子とは、有意なレベル(たとえば、約1%以上、約2%以上、約3%以上または約5%以上)の、抗KIR抗体が産生される細胞、細胞培養、化学媒体または動物内に含まれる非抗KIR抗体生体分子などの、任意の外来の、および望ましくない生体分子が結合していない分子をいう。また、単離された分子とは、有意な時間量(たとえば、少なくとも約10分、少なくとも約20分、少なくとも約1時間またはより長く)の間のヒト介入(自動、手動または両方であるかにかかわらず)により、このような純度の段階を通過したいずれの分子をもいう。1つまたは複数の薬学的に許容されるキャリアを含む組成物においてなど、本発明によって提供される種々の組成物の多くにおいて、抗KIR抗体は、組成物(たとえば、大量の薬学的に許容されるキャリア、安定剤および/または保存剤を含む組成物の場合)中の総分子種の数に関して、比較的小量で存在することができる。場合によっては、BSAなどのさらなるペプチドを、以前に精製した抗KIR抗体と共にこのような組成物に含めることができる。しかし、このような組成物におけるさらなる成分が、抗KIR抗体の意図された適用について許容されることを条件として、このような組成物は、単離された抗KIR抗体を含むものとしてさらに記述することができる。言い換えると、「単離された」という用語は、薬学的に許容される製剤の一部を形成するであろうものなどの、その他の化合物または材料との人工または合成の混合物を除外することは意味しない。
一つの側面において、本発明は、その他のNKCAMR結合分子および/またはSTM結合分子が実質的にない抗KIR抗体を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、異なる特異性および特徴をもつ多数の抗KIR抗体を含む組成物を提供する(たとえば、本発明は、一つの側面において、異なる特異性および/または選択性の特徴を有する抗KIR抗体の「カクテル」を提供する)。
医薬品用途のための抗KIR抗体組成物は、典型的には少なくとも生理的有効量を含み、望ましくは一般に抗KIR抗体、抗KIR抗体の組み合わせ、または抗KIR抗体およびさらなる活性/治療的薬剤の治療上有効量を含む。
「治療上有効量」は、典型的には化合物または組成物に対して応答性である宿主に対して適切な投薬量で、および適切な期間の間送達されたときに、宿主において所望の治療結果を達成するのに十分であり、および/または典型的には実質的に同様の宿主(たとえば、治療される患者と同様の特徴を有する患者)においてこのような治療結果を達成することができる、生物学的に活性な化合物または組成物の量をいう。抗KIR抗体の治療上有効量は、個体の疾病状態、年齢、性および重量、並びに抗KIR抗体が個体において所望の応答を誘発する能力などの要素に応じて変更してもよい。また、治療上有効量は、抗体または抗体部分の何らかの有毒または有害効果を治療的に有益な効果が上回るものである。例示的な治療有効性には、たとえば、(a)特定の被験体または実質的に同様の被験体の集団における疾患、障害または関連した状態の重症度の減少;(b)疾患、障害もしくは状態と関連した1つもしくは複数の症候または生理学的状態の減少;または(c)予防の効果を含む。疾患の重症度の減少には、たとえば(a)障害の伝播(たとえば、患者における癌の伝播)の測定可能な減少;(b)被験体におけるポジティブな結果の機会の増大(たとえば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%以上の増大);(c)生存または寿命が増大される機会;および/または(d)疾病状態の存在と関連した1つまたは複数の生物マーカーの測定可能な減少(たとえば、癌治療法に関連した腫瘍の量および/またはサイズの減少;ウイルス感染治療に関連したウイルス負荷の減少;その他)を含むことができる。治療上有効量は、個々の被験体に関して、またはより一般には、実質的に同じ被験体の集団(抗KIR抗体組成物に関連する臨床試験に登録された同様の障害をもつ多数のヒト患者または前臨床実験に関連して抗KIR抗体を試験するために使用した同様の特徴セットを有する多数の非ヒト哺乳類)に関して測定することができる。
「予防的有効量」とは、宿主において所望の予防結果を達成するために、または典型的には実質的に同じ宿主においてこのような結果を達成することができるために、典型的にはこのような化合物または組成物に応答する宿主おいて必要な投薬量にて、および期間の間有効な活性化合物または組成物の量をいう。例示的な予防効果には、障害を発病する可能性、障害の強度または伝播の減少、差し迫った障害の間の生存の可能性の増大、疾患状態の発症の遅延、差し迫った状態の伝播の減少、予防処方計画を受けていない同様の患者におけるものと比較した伝播の減少、その他を含む。典型的には、予防的用量は、疾病の前または初期段階で被験体に使用されるので、予防的有効量は、特定の抗KIR抗体についての治療上有効量よりも少ないであろう。また、予防効果は、たとえば発症の予防、発症までの時間の遅延、抗KIR抗体組成物を受けていない実質的に同様の被験体と比較したその後の疾患の重症度の減少、その他を含むことができる。
生理的有効量は、通常このような薬剤に応答する宿主に対して投与することにより、NK細胞活性の調整と関連した少なくとも1つの生理作用の誘導、促進および/または増強(たとえば、NK細胞関連アポトーシスの増大;NK細胞関連IFNγ分泌の増大;その他)を生じる活性薬剤の量である。
「治療」とは、何らかの症候または疾病状態が発病するのを予防する目的で、またはすでに発病したこのような症候または疾病状態を容易にし、寛解させ、または根絶する(治癒する)目的で、本発明の治療的に活性な化合物の有効量を送達することをいう。したがって、「治療」という用語は、予防的治療を含むことが意味される。しかし、本発明の治療計画および予防計画は、本発明の別々の、独立した側面とみなすることができることが理解されるであろう。
A.薬学的に許容されるキャリア
抗KIR抗体は、薬学的に許容される組成物を提供することが意図される投与経路の1つまたは複数に適した1つまたは複数のキャリア(希釈剤、賦形剤その他)および/またはアジュバントと組み合わせることができる。
抗KIR抗体は、たとえば乳糖、ショ糖、粉末(たとえば、澱粉散剤)、アルカノン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウム塩並びにカルシウム塩、アカシア、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリジンおよび/またはポリビニルアルコールと混合してもよく、任意に従来の投与のためにさらにタブレット化またはカプセル化してもよい。あるいは、抗KIR抗体またはその他の抗KIR抗体は、塩類溶液、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、エタノール、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴムおよび/または種々の緩衝液に溶解してもよい。その他のキャリア、アジュバントおよび投与様式も、薬学的技術分野において周知である。キャリアまたは希釈剤には、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリン単独、または蝋またはその他の機能的に同様の材料と共になど、時間遅延材料を含んでいてもよい。
薬学的に許容されるキャリアは、一般に、抗KIR抗体と生理的に適合性である任意のおよび全ての適切な溶媒、分散媒、コーティング、抗菌薬および抗真菌薬、等張薬および吸収遅延薬その他を含む。薬学的に許容されるキャリアの例には、水、塩類溶液、リン酸緩衝食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールその他、並びにこれらのいずれかの組み合わせを含む。多くの場合、このような組成物中に等張薬、たとえば糖、マンニトールなどの多価アルコール、ソルビトールまたは塩化ナトリウムを含むことが望ましいであろう。湿潤剤などの薬学的に許容される物質、湿潤剤もしくは乳化剤などの微量の補助物質、防腐剤または緩衝液であって、望ましく抗KIR抗体、関連した組成物または組み合わせの貯蔵寿命または有効性を増強することができるもの。キャリアおよび医薬組成物のその他の成分についての適合性は、抗KIR抗体、関連した組成物または組み合わせの所望の生物学的性質に対して有意なネガティブな影響がないことに基づいて決定される(たとえば、抗KIR抗体断片の場合、NKCAMRおよびSTM結合に対して実質的にそれほど影響がない(10%以下の相対的阻害、5%以下の相対的阻害、その他))。
本発明に従った抗KIR抗体組成物、関連した組成物および組み合わせは、種々の適切な形態のものであってもよい。このような形態は、たとえば液体溶液(たとえば、注射溶液または輸液)などの液体、半固体および固体の剤形、分散液または懸濁液、乳剤、ミクロエマルジョン、錠剤、丸剤、粉末、リポソーム、デンドリマーおよびその他のナノ粒子(たとえば、Baek et al., Methods Enzymol. 2003;362:240-9; Nigavekar et al., Pharm Res. 2004 Mar;21(3):476-83を参照されたい)、微小粒子、並びに坐薬を含む。任意の抗KIR抗体関連組成物のために最適な形態は、意図される投与様式、組成物または組み合わせの性質、並びに医療適用またはその他の使用目的に依存する。また、製剤にたとえば粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、蝋、油、脂質、小胞を含む脂質(陽イオン性、または陰イオン性)、DNA抱合体、無水物吸収ペースト、水中油型および油中水型乳剤、乳剤、カーボワックス(種々の分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲルおよびカーボワックスを含む半固体混合物を含むことができる。前述の混合物のいずれを本発明に従った治療および療法に適用してもよいが、ただしγ2DIII会合ペプチドターゲットに対する抗KIR抗体の結合が有意に阻害されず、および/または関連した分子の生物活性が製剤によって有意に阻害されず、および製剤が投与経路に生理的に適合性かつ許容されることを条件とする。薬剤師に周知の賦形剤およびキャリアに関連した付加的情報は、たとえばPowell et al. "Compendium of excipients for parenteral formulations" PDA J Pharm Sci Technol. 52:238-311(1998)およびその中の引用を参照されたい。
特定の側面において、抗KIR抗体は、リポソーム(免疫リポソーム)中に投与される。もう一つの側面において、抗KIR抗体は、リポソームおよび二次薬剤(たとえば、NK細胞または毒素における遺伝子またはNK細胞(組み合わせ療法のためのさらなる二次薬剤は、本明細書に記述された他である)のターゲットされた死滅のための薬物を抑制するためのアンチセンスRNA、RNAiまたはsiRNA)中に投与される。リポソームの製作は、当技術分野において周知である。また、免疫リポソームは、標準的技術によって特定の細胞にターゲットすることができる。
また、抗KIR抗体組成物は、抗KIR抗体ペプチドの任意の適切な組み合わせおよびそのために適した塩を含む組成物を含む。任意の適切な形態のアルカリ土類金属塩などの任意の適切な塩(たとえば、緩衝塩)は、抗KIR抗体の安定化に使用することができる(好ましくは、塩の量は、抗KIR抗体の酸化および/または沈澱が回避されるようなものである)。適切な塩は、典型的には塩化ナトリウム、コハク酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムおよび塩化カルシウムを含む。一つの側面において、アルミニウム塩は、本発明の組成物中の抗KIR抗体を安定化するために使用され、このアルミニウム塩は、また、このような組成物が患者に投与されたときにアジュバントとして役に立つであろう。また、塩基および抗KIR抗体を含む組成物も提供される。その他の側面において、本発明は、張度変更(tonicifying)量の任意の塩が本質的に無い抗KIR抗体組成物を提供する。
典型的には、その他の抗体でのヒトの受身免疫処置のために使用されるものと同じ組成物などの、注射溶液または輸液の形態の組成物は、本発明の抗KIR抗体の送達のために使用される。抗KIR抗体組成物の送達のための典型的な様式は、非経口投与(たとえば、静脈内、皮下、腹腔内および/または筋肉内投与)による。一つの側面において、抗KIR抗体は、静脈内輸液または静脈内注射によってヒト患者に投与される。もう一つの側面において、抗KIR抗体は、筋肉内注射または皮下注射によって投与される。また、上記のように、内腫瘍投与は、一定の治療計画に有用でもよい。
したがって、抗KIR抗体抗体などの抗KIR抗体は、たとえば固体製剤(たとえば、顆粒、粉末、発射粒子または坐薬を含む)、半固体形態(ゲル、クリーム、その他)に、または液体状態(たとえば、溶液、懸濁液または乳剤)に処方してもよい。抗体およびその他の抗KIR抗体を種々の溶液に適用してもよい。本発明に従って使用するために適した溶液は、典型的には無菌であり、組成物における抗体およびその他の成分(たとえば、GM-CDF、IL-2および/またはKGFなどの免疫調節性サイトカイン)の十分な量を溶解し、製造および貯蔵のための条件下で安定であり、かつ提唱された適用について被験体に対して有害ではない。抗KIR抗体は、滅菌などの従来の薬学的操作に供してもよく、および/または防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液等などの従来のアジュバントを含んでいてもよい。また、組成物は、溶液(高薬剤濃度に適したミクロエマルジョン、分散、粉末、マクロエマルジョン、リポソームまたはその他の整った構造)として処方することができる。望ましい溶液の流動度特性は、たとえばレシチンなどのコーティングの使用によって、分散の場合に必要とされる粒径の維持によって、および界面活性物質の使用によって維持することができる。注射用組成物の吸収延長は、組成物に吸収を遅延させる薬剤、たとえばモノステアリン酸塩およびゼラチンを含めることによってもたらすことができる。これらのおよび本発明の薬学的に許容される組成物のその他の成分には、改善された転移、送達、寛容などの有利な特性を与えることができる。
また、薬学的使用のための組成物は、薬学的使用のための組成物に包含するために適した種々の希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、洗浄剤(たとえば、Tween-80などの非イオン性界面活性剤)、安定剤(たとえば、糖またはタンパク質を含まないアミノ酸)、防腐剤、組織固定液、可溶化剤および/またはその他の材料を含むことができる。また、適切な成分の例は、たとえばBerge et al., J. Pharm. Sci., 6661), 1-19(1977); Wang and Hanson, J. Parenteral. Sci. Tech: 42, S4-S6(1988);米国特許第6,165,779号および第6,225,289号;並びに本明細書において引用したその他の文書に記述されている。また、このような医薬組成物には、当業者に既知の防腐剤、抗酸化剤またはその他の添加物を含むことができる。さらなる薬学的に許容されるキャリアは、当技術分野において既知であり、たとえばUrquhart et al., Lancet, 16, 367(1980), Lieberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms-Disperse Systems(2nd ed., vol. 3,1998); Ansel et al., Pharmaceutical Dosage Forms & Drug Delivery Systems(7th ed. 2000); Martindale, The Extra Pharmacopeia(31st edition), Remington's Pharmaceutical Sciences(16th-20th editions); The Pharmacological Basis Of Therapeutics, Goodman and Gilman, Eds.(9th ed.-1996); Wilson and Gisvolds' Textbook Of Organic Medicinal And Pharmaceutical Chemistry, Delgado and Remers, Eds.(10th ed. -1998)、並びに米国特許5,708,025号および第5,994,106号に記述されている。また、薬学的に許容される組成物を処方する原理は、たとえば、Platt, Clin. Lab Med., 7:289-99(1987), Aulton, Pharmaceutics: The Science Of Dosage Form Design, Churchill Livingstone(New York)(1988), Extemporaneous Oral Liquid Dosage Preparations, CSHP(1998)および "Drug Dosage," J. Kans. Med. Soc., 70(I), 30-32(1969)に記述されている。特に抗KIR抗体組成物および関連した組成物(たとえば、抗KIR抗体をコードする核酸を含む組成物またはベクターを含む抗KIR抗体をコードする核酸)の投与のために適したさらなる薬学的に許容されるキャリアは、たとえば、国際特許出願国際公開第98/32859号に記述されている。
抗KIR抗体組成物は、インプラント、経皮パッチおよびマイクロカプセルに入れられた送達系を含む、徐放製剤などの化合物の迅速放出から保護するキャリアと共に製造することができる。このような組成物を提供するために、エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステルおよびポリ乳酸、並びにこれらのいずれかの組み合わせなどの生体分解性の生体適合性重合体を使用することができる。このような組成物の製造方法は、既知である。たとえば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems, J. R. Robinson, ed., Marcel Dekker, Inc., New York, 1978を参照されたい。
もう一つの側面において、本発明の組成物は、たとえば不活性希釈剤または吸収できる食用キャリアと共に経口投与される。また、化合物(およびその他の成分必要に応じて)は、硬または軟シェルゼラチンカプセルに封入してもよく、錠剤に圧縮してもよく、または被験体の食餌に直接取り込んでもよい。経口治療投与のためには、化合物は、賦形剤と共に取り込まれても、摂食可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエハ等の形態で使用されてもよい。非経口投与以外によって本発明の化合物を投与するためには、その不活性化を妨げる材料で化合物をコーティングするか、またはその不活性化を妨げる材料共に化合物を同時投与する必要があるかもしれない。
組み合わせ組成物(本明細書においてさらに論議してある)の場合、抗KIR抗体は、1つまたは複数のさらなる治療薬(たとえば、抗原性ペプチドおよび/または免疫賦活性サイトカイン)と共に同時処方すること、および/または同時投与することができる。このような組み合わせ療法では、抗KIR抗体および/または共同投与される薬剤の投薬量をより低くし、こうして種々の単独療法と関連した可能性のある毒性または合併症を回避することが必要であろう。
B.組み合わせ組成物および療法
本発明は、1つまたは複数のさらなる活性薬剤(予測可能な様式で標的宿主集団の少なくとも実質的な集団において生物反応を誘導し、促進し、および/または増強する薬剤)と組み合わせて、1つまたは複数の抗KIR抗体を含む組成物をさらに提供する。たとえば、抗KIR抗体は、免疫調節薬、ホルモン薬、化学療法薬、抗血管形成薬、アポトーシス薬、二次抗体、抗感染剤、これらの2つ以上の組み合わせなどと組み合わせることができる。
一般的抗KIR抗体組み合わせ組成物(何らかの状態に関連したNK細胞活性を促進し、および/または増強することに関する組み合わせ)および癌の治療に特異的な組み合わせ組成物を本明細書においていくらか詳細に記述してある。
他で述べられたか、または状況から明らかに否定されない限り、本明細書に記述した種々の組み合わせのいずれも、組み合わせ療法の状況に使用してもよく、これらは、本明細書においてさらに他に記述してある。
1. 一般的組み合わせ
一つの側面において、本発明は、誘導の非存在下でNK溶解薬活性を実質的に増大させる能力を示す1つまたは複数のサイトカインの少なくとも生理的有効量および望ましくは治療上有効量をさらに含む抗KIR抗体組み合わせ組成物(「組み合わせ組成物」)を提供する。多数のサイトカインは、このような活性を示すことが占めさえている。このようなサイトカインの例には、IFNα、IFNβ、IL-12およびIL-18を含む。
もう一つの側面において、本発明は、NK細胞によるIFNγ産生を誘導する1つまたは複数のサイトカインの少なくとも生理的有効量および望ましくは治療上有効量を含む組み合わせ組成物を提供する。このようなサイトカインの例には、IL-12およびIL-18を含む。
さらにもう一つ側面において、本発明は、NK細胞を活性化し、これらに対して適切な量および濃度でこれらが増殖するように(いわゆる、リンホカイン活性化キラー(LAK)表現型を得るように)誘導することができるサイトカインまたはサイトカインの組み合わせを含む組み合わせ組成物を提供する。IL-2は、たとえばNK細胞におけるこのような効果を誘導するために使用することができる。
さらなる側面において、本発明は、NK阻害性の受容体シグナルを、これらに対して有効量において、少なくとも部分的に作動しないようにすることができるサイトカインまたはサイトカインの組み合わせを含む組み合わせ組成物を提供する。IL-12および/またはIL-18と組み合わせたIFNγは、たとえばNK阻害シグナル作動しないようにすることが証明した。
もう一つの例示的側面において、本発明は、NK細胞活性を増強するために十分な量のIL-2およびIFNαの組み合わせを含む組み合わせ組成物を提供する。
2. 癌治療法のための組み合わせ組成物
より詳細な側面において、本発明は、癌の治療に有用である組み合わせ組成物を提供する。このような組み合わせは、少なくとも1つの抗KIR抗体と癌の治療と関連しているか、もしくは癌の治療に関して組成物中の抗KIR抗体の効果を増強する生理作用を誘導し、または促進する少なくとも1つの第2の薬剤とを包含することによって特徴づけられる。このような第2の薬剤は、抗新生物性免疫原性ペプチド、抗体または小分子薬物などのいずれの適切な抗悪性腫瘍治療薬であることができる。
癌療法に使用される薬物は、癌細胞に対して細胞障害能または細胞静止効果を有してもよく、または悪性細胞の増殖を減少させてもよい。癌療法のためのガイダンスを提供するテキストの中には、Cancer, Principles and Practice of Oncology, 4th Edition, DeVita et al., Eds. J. B. Lippincott Co., Philadelphia, Pa.(1993)がある。適切な治療手段は、妥当な分野において認識されているとおり、癌の特定のタイプおよび患者の全身状態などの要因に従って選択される。
a. 抗癌性mAbs
特定の面において、本発明は、抗KIR抗体またはその他の抗KIR抗体と適切な第2の抗癌mAbとを含む組成物を提供する(これは、全長mAb、mAb断片またはmAb誘導体を含んでいてもよい)。いずれのmAbも、抗KIR抗体抗体またはその他の抗KIR抗体の特異性、選択性および/または親和性を有意に妨害しない(たとえば、抗KIR抗体抗体によるNKCAMR結合に対して約5%以上、約10%以上または約20%以上の競合を生じさせない)。
適切な第2の抗癌mAbsの例には、以下を含む:抗CD20 mAbs(たとえば、リツキシマブおよびHuMax-CD20)、抗Her2 mAbs(たとえば、トラスツズマブ)、抗CD52 mAbs(たとえば、アレムツズマブおよびキャンパス(登録商標)1H)、抗EGFR mAbs(たとえば、セツキシマブ、HuMax-EGFrおよびABX-EGF)、ザミル(Zamyl)、ペルツヅマブ、抗A33抗体(米国特許第6,652,853号を参照されたい)、抗癌胎児性のタンパク質mAbs(米国特許第5,688,505号を参照されたい)、抗PSMA mAbs(たとえば、米国特許第6,649,163号を参照されたい)、抗TAG-72抗体(米国特許第6,207,815号を参照されたい)、抗アミノリン脂質抗体(米国特許第6,406,693号を参照されたい)、抗ニューロトロフィン抗体(米国特許第6,548,062号)、抗C3b(i)抗体(米国特許第6,572,856号を参照されたい)、抗Mn抗体(たとえば、米国特許第6,051,226号を参照されたい)、抗mts1 mAbs(たとえば、米国特許第6,638,504号を参照されたい)および抗VEGF mAbs(たとえば、バベシヅマブ(bevacizumab))。その他のおそらく適切な第2のmAb分子は、アレムツヅマブ(alemtuzumab)、エドレコロマブ(edrecolomab)、トシツモマブ、イブリツモマブチウキセタンおよびゲムツズマブ・オゾガマイシンを含む。本発明の組み合わせ組成物または組み合わせ投与法の有用成分であることができるさらなる抗体は、組織因子に対する抗体およびキラーIg様受容体(抗KIR抗体)に対する抗体を含む。必要に応じて、これらの抗体のための標的は、また、本発明の多特異的抗KIR抗体によってターゲットすることができる。必要に応じて、このような抗体は、細胞毒、放射性核種またはその他の抗癌剤に抱合することができる。また、必要に応じて、このような抗体の免疫原性ペプチド標的を使用して、本発明の組み合わせ組成物または組み合わせ投与法における免疫応答を誘導することができる。また、IL-20、IL-21、これに対する抗体および関連した抗イディオタイプの抗体は、このような組成物または方法における有用成分であり得る。
また、リンパ腫、白血病細胞、微小癌組織転移および固形腫瘍に対して開発されたその他の抗体も、本発明の組み合わせ法および/または組み合わせ組成物に有用であろう。腫瘍細胞生存、増殖、侵襲および/または遊走のための重要な機能を阻害する抗体;腫瘍/癌細胞に対してADCCまたはCDCを誘導する抗体;重要な癌進行関連シグナリング事象を中断する抗体;および/または新生物発生前細胞および/または新生物細胞に有毒なペイロードを送達するものは、特にこのような方法および組成物に有用であり得る。また、腫瘍細胞の死では、免疫系を「ワクチン接種する」腫瘍抗原の放出を引き起こし、これを刺激して二次応答を生じさせ、次いで腫瘍/癌細胞をターゲットする。したがって、一つの側面において、本発明は、癌細胞または腫瘍の特定の集団をターゲットし、続いて二次応答について患者をモニタリングし、およびこのような二次応答が不満足であると考えられる場合にさらなる抗癌治療を提供する方法を提供する。過剰発現された発癌遺伝子および腫瘍特異抗原は、このような抗体のための有利な標的であり得る。たとえば、この状況において、または免疫原性ペプチドとしてそれら自体が有用であり得る腫瘍抗原((「ワクチン」)は、たとえばStauss et al.: Tumor antigens recognized by T cells and antibodies. Taylor and Frances(2003) and Durrant et al., Expert Opin. Emerging Drugs 8(2):489-500(2003))に記述されている。
もう一つの側面において、本発明は、抗HER-2/neu抗体、抗PSAn抗体等などのNKCAMR抗体とは類似しない第2の抗体を含む組み合わせ組成物および組み合わせ投与方法を提供する。このような抗体のさらなる例は、本明細書において他に記述してある。もう一つの側面において、組み合わせ組成物および/または組み合わせ投与法は、単独で、または抗KIR抗体に加えて、抗イディオタイプ抗KIR抗体または抗-抗イディオタイプ抗体を含む。
b. 化学療法
もう一つの側面において、本発明は、抗癌抗KIR抗体に結合して宿主に送達される化学療法薬を含む組み合わせ組成物および組み合わせ療法を提供する。たとえば、一つの側面において、本発明は、少なくとも添加剤が、このような治療を必要とするか、または疾患、障害もしくは状態を発病する実質的リスクがある患者において抗癌効果があるように、CHOPまたはCHOP-R化学療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾンおよびリタキサンの抗癌に有効な組み合わせを含む療法)に付随して、抗癌抗KIR抗体を投与することを含む組み合わせ療法を提供し、この場合、このような治療は、たとえば差し迫った癌の重症度を減少させ、癌を発病する可能性を減少させ、差し迫った癌の効果を減少させ、差し迫った癌の伝播を減少させ、またはこれらのいずれかの組み合わせその他に有益である。
特定の側面において、抗KIR抗体または関連した組成物は、DNAレベルの癌進行に作用する化学療法薬に付随して送達される(従来のDNAレベルの化学療法薬の非限定の例は、抗代謝産物(たとえば、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、メトトレキセート、5-フルオロウラシルおよびヒドロキシ尿素)、シタラビン、アルキル化剤、プロカルバジン、トポイソメラーゼ阻害剤、白金誘導体、アントラサイクリンおよび抗生物質を含む))。
もう一つの特定の側面において、抗KIR抗体または関連した組成物は、「RNAレベル」化学療法薬(またはこれらの組み合わせ)と共に被験体に送達されるか、または組成物に含まれ、これらの非限定の例には、L-アスパラギナーゼ、ビンカアルカロイド、タキサン、抗癌タキサン組み合わせ組成物(プレドニゾンを加えたドセタキセルなど)およびトポイソメラーゼ阻害剤を含む。もう一つの特定の側面において、抗KIR抗体および/または関連した組成物は、ダカルバジン(DTIC)の有効な用量に付随して送達される。
また、または代わりに抗KIR抗体は、シクロホスファミド、タキソール(および、ドセタキセル、パクリタキセルその他などのその他のタキサン)、5-フルオロウラシル、アドリアマイシン、シスプラチン、メトトレキセート、オキサリプラチン、イリノテカン、トポテカン、ロイコボリン、カルムスチン、ストレプトゾシン、シトシンアラビノシド、マイトマイシンC、プレドニゾン、ビンデシン、カルバプラチナム(carbaplatinum)およびビンクリスチンから選択される1つまたは複数の抗癌細胞障害性薬/化学療法薬と共に投与することができる。
化学療法組み合わせ組成物および投与法に関して有用なさらなる組成物、方法および関連した原理を提供することができる化学療法に使用される細胞障害性薬に関する一般的な議論は、たとえばSathe, M. et al., Cancer Chemotherapeutic Agents: Handbook of Clinical Data(1978) and the second edition thereof(Preston-1982), and Cancer Chemotherapeutic Agents(ACS Professional Reference Book)(William Foye, Ed. 1995)に提供される。
このような状況において有用であり得る多数のさらなる薬剤が、米国特許第6,524,583号の表Cに記載されている。
c. 抗癌核酸
もう一つの例示的側面において、本発明は、抗KIR抗体が抗癌核酸と組み合わされ、または結合された組み合わせ組成物または組み合わせ投与法を提供する。
たとえば、抗KIR抗体は、抗癌アンチセンス核酸と組み合わせること、または結合して投与することができる(たとえば、Genasense(登録商標)(オウグメロセン(augmerosen)/G3139))、LY900003(ISIS 3521)、ISIS 2503、OGX-011(ISIS 112989)、LE-AON/LEraf-AON(c-rafアンチセンスオリゴヌクレオチド/ISIS-5132をカプセル化したリポソーム)、MG98およびPKCα、クラスタリン、IGFBP、プロテインキナーゼA、サイクリンD1またはBcl-2をターゲットするその他のアンチセンス核酸−たとえば、Benimetskaya et al., Clin Prostate Cancer. 2002 Jun;1(1):20-30; Tortora et al., Ann N Y Acad Sci. 2003 Dec;1002:236-43; Gleave et al., Ann N Y Acad Sci. 2003 Dec;1002:95-104.; Lahn et al., Ann N Y Acad Sci. 2003 Dec;1002:263-70; Kim et al., Int J Oncol. 2004 Jan;24(1):5-17; Stahel et al., Lung Cancer. 2003 Aug;41 Suppl 1:S81-8; Stephens et al., Curr Opin Mol Ther. 2003 Apr;5(2):118-22; Cho-Chung, Arch Pharm Res. 2003 Mar;26(3):183-91; and Chen, Methods Mol Med. 2003;75:621-36))を参照されたい。
もう一つの側面において、抗KIR抗体は、抗癌阻害性RNA分子と結合して、またはで組成物中に組み合わせて投与される(たとえば、Lin et al., Curr Cancer Drug Targets. 2001 Nov;1(3):241-7, Erratum in: Curr Cancer Drug Targets. 2003 Jun;3(3):237; Lima et al., Cancer Gene Ther. 2004 May;11(5):309-16; Grzmil et al., Int J Oncol. 2004 Jan;24(1):97-105; Collis et al., Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2003 Oct 1;57(2 Suppl):S144; Yang et al., Oncogene. 2003 Aug 28;22(36):5694-701; and Zhang et al., Biochem Biophys Res Commun. 2003 Apr 18;303(4):1169-78)を参照されたい)。
もう一つの面において、本発明は、抗KIR抗体がリボザイムなどの抗癌ヌクレオザイムと組み合わされた、組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供しする(この例には、アンジオザイム(angiozyme)(Ribozyme Pharmaceuticals)がある)(たとえば、Pennati et al., Oncogene. 2004 Jan 15;23(2):386-94; Tong et al., Clin Lung Cancer. 2001 Feb;2(3):220-6; Kijima et al., Int J Oncol. 2004 Mar;24(3):559-64; Tong et al., Chin Med J(Engl). 2003 Oct;116(10):1515-8; and Orlandi et al., Prostate. 2003 Feb 1;54(2):133-43). In yet another aspect, an Anti-KIR antibody is combined with an immunostimulatory nucleic acid(see, e.g., Krieg, Trends in Microbiol 7: 64-65(1999); Wooldridge et al., Curr Opin Oncol. 2003 Nov;15(6):440-5; Jahrsdorfer et al., Semin Oncol. 2003 Aug;30(4):476-82; Jahrsdorfer et al., Curr Opin Investig Drugs. 2003 Jun;4(6):686-90; and Carpentier et al., Front Biosci. 2003 Jan 1; 8:e115-27を参照されたい)。さらにもう一つの側面において、抗KIR抗体は、免疫賦活性核酸と組み合わせられる(たとえばKrieg, Trends in Microbiol 7: 64-65(1999); Wooldridge et al., Curr Opin Oncol. 2003 Nov;15(6):440-5; Jahrsdorfer et al., Semin Oncol. 2003 Aug;30(4):476-82; Jahrsdorfer et al., Curr Opin Investig Drugs. 2003 Jun;4(6):686-90; and Carpentier et al., Front Biosci. 2003 Jan 1; 8:e115-27を参照されたい)。
もう一つの側面において、本発明は、抗KIR抗体が腫瘍抑制因子コード核酸と組み合わせられ、またはと結合して投与される組み合わせ組成物および方法を提供する。一つの例示的側面において、腫瘍抑制因子は、p53腫瘍抑制遺伝子である(たとえば、Roth et al., Oncology(Huntingt). 1999 Oct;13(10 Suppl 5):148-54) and Nielsen et al., Cancer Gene Ther. 1998 Jan-Feb;5(1):52-63を参照されたい)。さらなる腫瘍抑制因子標的には、たとえばBRCA1、RB1、BRCA2、DPC4(Smad4)、MSH2、MLH1およびDCCを含む。
d. 腫瘍退縮性ウイルス
もう一つの側面において、本発明は、抗KIR抗体が腫瘍退縮性ウイルスと組み合わせて、または共に同時投与される組み合わせ組成物および組み合わせ投与方法を提供する。このようなウイルスの例は、腫瘍退縮性アデノウイルスおよびヘルペスウィルスを含み、これは、修飾されたヘルペスウィルスであっても、またはなくてもよい(たとえば、このようなウイルスおよび関連した原理の例は、Teshigahara et al., J Surg Oncol. 2004 Jan;85(1):42-7; Stiles et al., Surgery. 2003 Aug;134(2):357-64; Zwiebel et al., Semin Oncol. 2001 Aug;28(4):336-43; Varghese et al., Cancer Gene Ther. 2002 Dec;9(12):967-78;およびWildner et al., Cancer Res. 1999 Jan 15;59(2):410-3に記述されている)。
また、ウイルス、ウイルスタンパク質その他を組み合わせ組成物および組み合わせ投与法に使用することができる。通常インビボにおいて1つまたは数回の複製ラウンドのみが可能であり、かつ腫瘍細胞にターゲットされる複製欠損ウイルスは、たとえばこのような組成物および方法の有用成分であることができる。このようなウイルス薬は、GM-CDFおよび/またはIL-2などの免疫賦活薬をコードする核酸含むこと、または結合することができる。天然において腫瘍退縮性およびこのような組換え腫瘍退縮性ウイルスの両方(たとえば、HSV-1ウイルス;レオウイルス;複製欠損および複製感受性アデノウイルス;その他)が、このような方法および組成物の有用成分であることができる(たとえば、Teshigahara et al., J Surg Oncol. 2004 Jan;85(1):42-7; Stiles et al., Surgery. 2003 Aug;134(2):357-64; Zwiebel et al., Semin Oncol. 2001 Aug;28(4):336-43; Varghese et al., Cancer Gene Ther. 2002 Dec;9(12):967-78; and Wildner et al., Cancer Res. 1999 Jan 15;59(2):410-3を参照されたい)。
e. 癌「ワクチン」
さらなる特色として、本発明は、抗KIR抗体が癌抗原/腫瘍関連抗原(たとえば、上皮細胞接着分子(Ep-CAM/TACSTD1)、ムチン1(MUC1)、癌胎児抗原(CEA)、腫瘍関連糖タンパク質72(TAG-72)、gp100、Melan-A、MART-1、KDR、RCAS1、MDA7、癌関連ウイルスワクチン(たとえば、ヒト乳頭腫ウイルスワクチン)、腫瘍由来熱ショックタンパク質、これらのさらなる例は、本明細書において他に記述してある)などの抗癌免疫原と結合して送達される組み合わせ投与法および組み合わせ組成物を提供する(また、たとえば、Acres et al., Curr Opin Mol Ther 2004 Feb, 6:40-7; Taylor-Papadimitriou et al., Biochim Biophys Acta. 1999 Oct 8;1455(2-3):301-13; Emens et al., Cancer Biol Ther. 2003 Jul-Aug;2(4 Suppl 1):S161-8; and Ohshima et al., Int J Cancer. 2001 Jul 1;93(1):91-6を参照されたい)。また、または代わりに、本明細書において他に記述された多数のその他の適切な癌抗原/腫瘍関連抗原(たとえば、gp75)および当技術分野において既知の類似分子は、このような組み合わせ投与法に使用することができ、またはこのような組み合わせ組成物に組み込むことができる。また、抗癌性免疫原性ペプチドには、BEC2抗イディオタイプmAbなどの抗イディオタイプ「ワクチン」を含む(Mitumomab−たとえば、Chapman, Curr Opin Investig Drugs. 2003 Jun;4(6):710-5 and McCaffery et al., Clin Cancer Res. 1996 Apr;2(4):679-86を参照されたい)、CeaVac(登録商標)および関連した抗イディオタイプmAbs(たとえば、Foon et al., J Clin Oncol. 1999 Sep;17(9):2889-5を参照されたい)、MG7 mAbに対する抗イディオタイプmAb(たとえば、Fengtian et al., Chin Med Sci J. 2002 Dec;17(4):215-9を参照されたい)、およびその他の抗癌抗イディオタイプAb(たとえば、Birebent et al., Vaccine. 2003 Apr 2;21(15):1601-12, Li et al., Chin Med J(Engl). 2001 Sep;114(9):962-6, Schmitt et al., Hybridoma. 1994 Oct;13(5):389-96, Maloney et al., Hybridoma. 1985 Fall;4(3):191-209, Raychardhuri et al., J Immunol. 1986 Sep 1;137(5):1743-9, Pohl et al., Int J Cancer. 1992 Apr 1;50(6):958-67, Bohlen et al., Cytokines Mol Ther. 1996 Dec;2(4):231-8, and Maruyama, J Immunol Methods. 2002 Jun 1;264(1-2):121-33を参照されたい)。このような抗イディオタイプAbは、任意に都合よく合成(典型的には不活性の)分子キャリアであってもよいキャリア、タンパク質(たとえば、キーホール リンペットヘモシニアン(KLH)(たとえば、Ochi et al., Eur J Immunol. 1987 Nov;17(11):1645-8))または細胞(たとえば、赤血球−たとえばWi et al., J Immunol Methods. 1989 Sep 1;122(2):227-34)を参照されたい)に抱合することができる。
また、本発明の組成物および組み合わせ投与法は、このような癌抗原/腫瘍関連抗原をコードする裸のDNAワクチンなどの核酸ワクチンの包含または同時投与を含む(たとえば、米国特許第5,589,466号、第5,593,972号、第5,703,057号、第5,879,687号、第6,235,523号および第6,387,888号を参照されたい)。もう一つの側面において、組み合わせ投与法および/または組み合わせ組成物は、自己ワクチン組成物を含む。さらなる側面において、組み合わせ組成物および/または組み合わせ投与法には、細胞全体ワクチンまたはサイトカイン発現細胞(たとえば、組換えIL-2発現線維芽細胞、組換えサイトカイン発現樹状細胞その他)を含む(たとえば、Kowalczyk et al., Acta Biochim Pol. 2003;50(3):613-24; Reilly et al., Methods Mol Med. 2002;69:233-57; Ferlazzo et al., J. Exp. Med., 153):343-351(2002); and Tirapu et al., Curr Gene Ther. 2002 Feb;2(1):79-89を参照されたい)。本発明の組み合わせ方法に有用であり得る治療的自己細胞法のもう1つの例は、MyVax(登録商標)個人化免疫療法(以前には、GTOP-99と称された)(Genitope Corporation - Redwood City, CA, USAを通じて入手可能)(米国特許5,972,334号および第5,776,746号を参照されたい)。異なる側面において、本発明の方法は、また、または代わりに、NK細胞(たとえば、CD56dimCD16+ NK細胞の集団)の1つまたは複数のタイプの同時送達を含む方法によって実施することができ、これらは、送達の前に物質(たとえば、1つまたは複数の活性化因子)との種々の接触によって遺伝的に改変し、および/または修飾することができる。
f. 抗癌サイトカイン
もう一つの側面において、本発明は、抗KIR抗体および抗癌サイトカイン(ケモカインまたはこれらの組み合わせ)を含む組み合わせ組成物または組み合わせ投与法を提供する。いずれの適切な抗癌サイトカインおよび/またはケモカインも、本発明の方法および組成物の抗KIR抗体と共に使用し、および/または共に組み合わせることができる。適切なケモカインおよびサイトカインは、インビボにおいて癌細胞または関連した組織(たとえば、腫瘍)に対する免疫応答を検出可能により大きなおよび/またはより包括的に生じ、組成物/方法において抗KIR抗体の結合を実質的に妨げない。適切なサイトカインおよび成長因子の例には、IFNγ、IL-1α、IL-1β、 IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-8、IL-9、IL-10、IL-11、IL-12、IL-13、IL-15、IL-18、IL-21、IL-23、IL-24、IL-27、IL-28a、IL-28b、IL-29、KGF、TGF.beta.、M-CSF、G-CSF、TNF.beta.、LAF、TCGF、BCGF、TRF、BAF、BDG、MP、LIF、OSM、TMF、PDGF、IFN-α、IFNβ.、IFN癌am.、IFNα(たとえば、INFα2b)、IFNβ、GM-CSF、CD40L、Flt3リガンド、幹細胞因子、アンセスチム(ancestim)およびTNFαを含む(たとえば、 Dranoff, Nat Rev Cancer. 2004 Jan;4(1):11-22 and Szlosarek, Novartis Found Symp. 2004;256:227-37; discussion 237-40, 259-69を参照されたい)。適切なケモカインには、ヒトCXCおよびC-CケモカインファミリーからのIP-10、MCP-3、MIGおよびSDF-1αなどのGlu-Leu-Arg(ELR)-ネガティブケモカインを含むことができる。また、適切なサイトカインには、サイトカイン誘導体、サイトカイン変異体、サイトカイン断片およびサイトカイン融合タンパク質を含む(たとえばEliason, BioDrugs, 2001;15(11):705-11(PEG化された(PEGylated)サイトカインに関して);Shibuya et al., Laryngoscope. 2003 Nov;113(11):1870-84(その他のサイトカイン誘導体);米国特許第5,229,109号、第5,153,310号、第5,312,903号、第6,929,791号、第6,825,334号、第6,168,785号、第4,851,512号および第6,906,170号並びに Fallon et al., J Biol Chem. 2000 Mar 10;275(10):6790-7, Chang et al., Mol Pharmacol. 1995 Jan;47(1):206-11; Berndt et al., Biochemistry. 1994 May 31;33(21):6571-7; Bulchi et al., Arch Biochem Biophys. 1993 Dec;307(2):411-5; Teppler et al., J Infect Dis. 1993 Feb;167(2):291-8, Landgraf et al., J Biol Chem. 1992 Sep 15;267(26):18511-9;およびLandgraf et al., Proteins. 1991;9(3):207-16(例示的IL-2類似体および誘導体に関して−独立型治療薬としてのIL-2の使用(たとえば、投薬量、投与、その他に関して)は、周知である(たとえば、国際公開第2004/056392号を参照されたい))並びに国際特許出願公開第国際公開第01/79258号(アルブミン-サイトカイン融合タンパク質)を参照されたい)。本明細書において他に示したとおり、これらおよび本明細書における天然に存在するペプチドをコードする核酸を含むその他の方法では、代わりに、または加えて、米国特許第5,968,502号、第6,063,630号および第6,187,305号および欧州特許公開第0 505 500号に記述されたものなどの「遺伝子活性化」および相同的組換え遺伝子アップレギュレーション技術によって行うことができる。このような側面において、抗KIR抗体は、抗KIR抗体をコードする核酸または同じものを含むベクターもしくは細胞によって細胞に「送達する」ことができる。
g. アジュバント
もう一つの側面において、本発明は、典型的には抗癌免疫原性ペプチドとさらに組み合わせて、抗KIR抗体およびアジュバントを含む組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供する。適切なアジュバントの非限定の例は、QS21、GM-CDF、SRL-172、ヒスタミン二塩化水素化物、チモカルチン、Tio-TEPA、モノホスホリルリピドA/微生物組成物、ミョウバン、不完全フロイントアジュバント、モンタナイド(Montanide )ISA、Ribiアジュバント系、TiterMaxアジュバント、シンテックスアジュバント製剤、免疫刺激複合体(ISCOM)、GerbuRアジュバント、CpGオリゴデオキシヌクレオチド、リポ多糖およびポリイノシン酸:ポリシチジル酸である。
h. 腫瘍インターナリゼーションプロモーター
さらなる側面において、本発明は、腫瘍の内部への抗KIR抗体のアクセスを促進する1つまたは複数の薬剤の送達を含む組み合わせ組成物および組み合わせ方法を提供する。したがって、たとえば、このような方法は、腫瘍アクセスを容易にするリラキシンの送達に付随して行うことができる(たとえば、米国特許6,719,977号を参照されたい)。このような技術のもう一つの例として、抗KIR抗体または関連した化合物(たとえば、抗KIR抗体をコードする核酸または同じものを含むベクター)を、細胞透過ペプチド(CPP)に結合/融合することができる。細胞透過ペプチドおよび関連したペプチド(操作された細胞透過抗体など)は、当技術分野において既知であり、たとえば、Zhao et al., J Immunol Methods. 2001 Aug 1;254(1-2):137-45; Hong et al., Cancer Res. 2000 Dec 1;60(23):6551-6; Lindgren et al., Biochem J. 2004 Jan 1;377(Pt 1):69-76; Buerger et al., J Cancer Res Clin Oncol. 2003 Dec;129(12):669-75; Pooga et al., FASEB J. 1998 Jan;12(1):67-77;およびTseng et al., Mol Pharmacol. 2002 Oct;62(4):864-72に記述されている。また、または代わりに、抗KIR抗体または抗KIR抗体をコードする核酸配列を含むベクターの腫瘍内投与を本発明の治療計画態様を容易にするために使用することができる。
i. テロメラーゼおよびテロメラーゼ関連組成物
さらにもう一つの側面において、本発明は、少なくとも1つの抗KIR抗体または関連した分子に加えて、テロメラーゼ阻害剤、テロメラーゼワクチンまたはこれらの組み合わせを含む組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供する。このような組成物および関連した技術および原理の例は、たとえば米国特許第6,440,735号および第6,713,055号に記述されている。
j. 免疫調節物質
さらなる側面において、本発明の組み合わせ組成物および/または組み合わせ投与法は、これらの免疫調節性化合物またはモジュレーター(たとえば、抗阻害性免疫調節性抗体)の投与を含む。このような化合物の例は、B7分子(B7-1、B7-2、これらの変異体およびこれらの断片)(たとえば、Adv Exp Med Biol. 2000;465:381-90を参照されたい)、ICOSおよびOX40(Coyle et al., Springer Semin Immunopathol. 2004 Feb;25(3-4):349-59を参照されたい)を含む。このような分子のもう一つの例は、CTLA4に対する抗体またはBTLAおよびPD-1などのもう一つのネガティブ免疫細胞制御因子に対する抗体などの、ネガティブT細胞制御因子の阻害剤である。もう一つの側面において、このような阻害性の分子の送達は、たとえば自己免疫疾患またはその他の免疫系関連障害の治療において望まれるであろう。さらに例示的側面において、抗CD4抗体などのCD4の阻害剤は、本明細書に提供される発明の方法の実施に結合して送達することができる。
もう一つの面において、組み合わせ組成物または組み合わせ投与法には、Tリンパ球ホーミングモジュレーター(たとえば、FTY-720−Yangawa et al., J Immunol. 1998 Jun 1;160(11):5493-9を参照されたい);カルシニューリン阻害剤(たとえば、バルスポダル(valspodar)、PSC 833およびその他のMDR-1またはp-糖タンパク質阻害剤など);またはTOR阻害剤(たとえば、シロリムス、エベロリムスおよびラパマイシン)などの1つまたは複数の免疫抑制薬/免疫調節薬を含む。
k. 細胞周期制御およびアポトーシス関連薬
もう一つの側面において、本発明は、少なくとも1つの抗KIR抗体および1つまたは複数の細胞周期制御/アポトーシス制御因子(または細胞周期/アポトーシス「調節薬」)を含む組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供する。細胞周期制御/アポトーシス制御因子は、たとえば(i)cdc-25(非限定の例としてのNSC 663284で(たとえば、Pu et al(2003)J Biol Chem 278、46877を参照されたい))、(ii)細胞周期を過剰刺激するサイクリン依存性キナーゼ(この非限定の例は、フラボピリドール(L868275、HMR1275;Aventis)、7-ヒドロキシスタウロスポリン(UCN-01、kW-2401;協和発酵工業)およびロコビチン(roscovitine)(R-ロコビチン、CYC202;Cyclacel)−Fischer & Gianella-Borradori(2003) Exp Op Invest Drugs 12, 955-970によって概説されているとおり)並びに(iii)テロメラーゼモジュレーター(たとえば、BIBR1532(Damm et al(2001) EMBO J 20, 6958-6968)およびSOT-095(Tauchi et al(2003) Oncogene 22, 5338-5347))などの細胞周期制御/アポトーシス制御因子をターゲットし、および調整する1つまたは複数の分子を含むことができる。アポトーシス経路を妨害する分子の非限定の例は、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)/アポトーシス-2リガンド(Apo-2L)、TRAIL受容体を活性化する抗体、IFNおよびアンチセンスBcl-2(gney and Krammer(2002) Nature Rev. Cancer 2, 277-288; Makin and Dive(2003) Trends Mol Med 9, 2519; Smyth et al(2003) Immunity 18, 1-6; Panaretakis et al(2003) Oncogene 22, 4543-45566;およびその中で引例された参照文献を参照されたい)を含む。
l.成長因子阻害剤
さらにもう一つの側面において、本発明は、1つまたは複数の成長因子阻害剤を含む組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供する。癌の治療を促進するのに有用であり得る、成長因子および成長因子受容体に対する多数のmAbが既知である。たとえば、上皮性腫瘍において異常に活性化される表皮成長因子受容体(EGF-R)タンパク質の細胞外リガンド結合ドメインに対する抗体は、攻撃的な上皮細胞に由来する腫瘍の治療に有用であり得る。また、このような受容体のチロシンキナーゼドメインを阻害する低分子量分子に対する抗体は、組み合わせ組成物または組み合わせ投与法に有用であり得る。このようなmAbの非限定の例は、ハーセプチン(モノクローナル抗体)、セツキシマブ(モノクローナル抗体)、ゾレア(Omalizumab)、タルセバ(低分子量阻害剤)およびイレッサ(低分子量阻害剤)である。このような組み合わせ組成物および投与法に包含するために適したさらなる関連した有用な抗体は、本明細書において他に記述してある。
m. 血管形成阻害剤
その他の本発明の特徴は、1つまたは複数の抗KIR抗体に結合して送達される血管形成、新血管新生および/またはその他の血管新生阻害剤を含む組み合わせ組成物および組み合わせ投与方法を含む。このような薬剤の非限定の例は、以下を含む:エンドスタチンおよびアンジオスタチン(Marx(2003) Science 301, 452-454において概説されている)並びにこれらの誘導体/類似体;血管新生を阻害するヘパリン誘導体および関連した分子(たとえば、ヘパリナーゼ(heperinase) III);VEGF-Rキナーゼ阻害剤、並びにその他の抗血管形成チロシンキナーゼ阻害剤(たとえば、SU011248、Rosen et al., Clinical Oncology; May 31-June 3, 2003, Chicago, IL, USA(abstract 765)を参照されたい;;テモゾロマイド;Neovastat(商標)(Gingras et al., Invest New Drugs. 2004 Jan;22(1):17-26);Angiozyme(商標)(Weng et al., Curr Oncol Rep. 2001 Mar;3(2):141-6);NK4(Matsumoto et al., Cancer Sci. 2003 Apr;94(4):321-7);マクロファージ遊走阻止因子(MIF);シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤;レズベラトロル(たとえば、Sala et al., Drugs Exp Clin Res. 2003;29(5-6):263-9を参照されたい);PTK787/ZK 222584(たとえば、Klem, Clin Colorectal Cancer. 2003 Nov;3(3):147-9 およびZips et al., Anticancer Res. 2003 Sep-Oct;23(5A):3869-76を参照されたい);抗血管新生大豆イソフラボン(たとえば、Genistein−たとえばSarkar and Li, Cancer Invest. 2003;21(5):744-57を参照されたい);オルチプラズ;サリドマイドおよびサリドマイド類似体(たとえば、CC-5013−たとえばTohnya et al., Clin Prostate Cancer. 2004 Mar;2(4):241-3を参照されたい);その他の内皮細胞阻害剤(たとえば、スクアラミンおよび2-メトキシエストラジオール);フマギリンおよびこれらの類似体;ソマトスタチン類似体;ペントサンポリサルフェート;テコガラン(tecogalan)ナトリウム;マトリックス破壊を遮断する分子(スラミンおよびこれらの類似体など(たとえば、Marchetti et al., Int J Cancer. 2003 Mar 20;104(2):167-74, Meyers et al., J Surg Res. 2000 Jun 15;91(2):130-4, Kruger and Figg, Clin Cancer Res. 2001 Jul;7(7):1867-72, and Gradishar et al., Oncology. 2000 May;58(4):324-33を参照されたい));およびマトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(BMS-275291など−Rundhaug, Clin Cancer Res. 2003 Feb;9(2):551-4を参照されたい;一般にCoussens et al. Science 2002;295:2387-2392を参照されたい);VEGF、bFGFおよびアンジオポエチン-1などの血管形成薬および/またはこれらの受容体に対してターゲットされるモノクローナル抗体;並びにその他の関連した標的に対するモノクローナル抗体(たとえば、抗α-v/β-3インテグリンおよび抗キニノスタチン mAbs)(また、一般にReisfeld et al., Int Arch Allergy Immunol. 2004 Mar;133(3):295-304; Mousa et al., Curr Pharm Des. 2004;10(1):1-9; Shibuya, Nippon Yakurigaku Zasshi. 2003 Dec;122(6):498-503; Zhang et al., Mol Biotechnol. 2003 Oct;25(2):185-200; Kiselev et al., Biochemistry(Mosc). 2003 May;68(5):497-513; Shepherd, Lung Cancer. 2003 Aug;41 Suppl 1:S63-72; O'Reilly, Methods Mol Biol. 2003;223:599-634;およびZhu et al., Curr Cancer Drug Targets. 2002 Jun;2(2):135-56を参照されたい)。
n. ホルモン調節薬
さらにもう一つの側面において、本発明は、少なくとも1つの抗KIR抗体が抗アンドロゲンおよび/または抗卵胞ホルモン療法薬もしくは処方計画(たとえば、Trachtenberg, Can J Urol. 1997 Jun;4(2 Supp 1):61-64; Ho, J Cell Biochem. 2004 Feb 15;91(3):491-503を参照されたい)、タモキシフェン、プロゲスチン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(または、これらの類似体もしくはその他のLHRHアゴニスト)またはアロマターゼ阻害薬(たとえば、Dreicer et al., Cancer Invest. 1992;10(1):27-41を参照されたい)などのホルモン調節薬と組み合わせられた、組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供する。
o. 細胞全体ワクチンおよび養子免疫治療
また、または代わりに、組み合わせ組成物および組み合わせ投与法には、「細胞全体」および「養子」免疫療法を含むことができる。たとえば、このような方法は、免疫系細胞(たとえば、CD4+および/またはCD8+ T細胞などの腫瘍浸潤性リンパ球(TIL)(たとえば、腫瘍特異抗原および/または遺伝的増強で発達させたT細胞)、抗体発現B細胞またはその他の抗体産生する/提示細胞、樹状細胞(たとえば、抗サイトカインを発現する組換え樹状細胞、GM-CSF、IL-4、TNFαおよび/もしくはFlt3-LなどのDC膨張剤と共に培養した樹状細胞、並びに/または腫瘍関連抗原を負荷した樹状細胞)、抗腫瘍NK細胞、いわゆる雑種細胞、またはこれらの組み合わせの輸液または再輸液を含むことができる(たとえば、Fishman et al., Expert Rev Anticancer Ther. 2003 Dec;3(6):837-49; Whiteside et al., Cancer Immunol Immunother. 2004 Mar;53(3):240-8; Conrad et al., Curr Opin Mol Ther. 2003 Aug;5(4):405-12; Trefzer et al., Mol Biotechnol. 2003 Sep;25(1):63-9; Reinhard et al., Br J Cancer. 2002 May 20;86(10):1529-33; Korbelik et al., Int J Cancer. 2001 Jul 15;93(2):269-74; Costa et al., J Immunol. 2001 Aug 15;167(4):2379-87; Hanson et al., Immunity. 2000 Aug;13(2):265-76; Matsui et al., Int Immunol. 2003 Jul;15(7):797-805; and Ho et al., Cancer Cell. 2003 May;3(5):431-7を参照されたい)。また、細胞可溶化物は、このような方法および組成物に有用であろう。このような側面に有用でもあろう臨床試験中の細胞「ワクチン」は、Canvaxin(商標)、APC-8015(Dendreon)、HSPPC-96(Antigenics)およびMelacine(登録商標)細胞可溶化物を含む。また、任意にミョウバンなどのアジュバントと共に混合された、癌細胞から脱落した抗原およびこれらの混合物(たとえば、Bystryn et al., Clinical Cancer Research Vol. 7, 1882-1887, July 2001を参照されたい)は、このような方法に有利な成分であり得る。米国特許6,699,483号は、細胞全体抗癌療法のもう一つの例を提供する。抗KIR抗体関連組成物および方法に有用に組み合わせることができるこのような細胞全体免疫療法のさらなる例は、本明細書において他に記述してある。
p. 免疫系および細胞内シグナリング阻害剤
もう一つの側面において、本発明は、1つまたは複数の免疫系阻害剤細胞内シグナリング阻害剤を含む、組み合わせ組成物および組み合わせ投与法を提供する。このような化合物の例は、チロシンキナーゼ阻害剤(グリベック(登録商標)、イマチニブメシレート)、rasシグナリング経路のモジュレーターおよびタンパク質輸送の制御因子を含む。その他の例には、セリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、チロシンホスファターゼ阻害剤、二重特異的ホスファターゼ阻害剤およびセリン/スレオニンホスファターゼ阻害剤を含む。
q. 抗アネルギー薬
また、または代わりに、組み合わせ組成物および組み合わせ投与法には、抗アネルギー薬(たとえば、腫瘍および癌抗原に対する寛容を中断する小分子化合物、タンパク質、糖タンパク質または抗体)を含むことができる。このような化合物の例は、MDX-010などのCTLA-4の活性を遮断する分子を含む(Phan et al.(2003) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 100: 8372)。
r. 内部ワクチン接種
さらにもう一つの側面において、抗KIR抗体は、内部ワクチン接種法の適用と組み合わせて患者に送達することができる。内部ワクチン接種は、患者内で薬物誘導されるか、または放射線誘導される腫瘍細胞の細胞死などの、誘導される腫瘍細胞死または癌細胞死をいい、典型的には(i)全体として腫瘍細胞に、(ii)(a)分泌されたタンパク質、糖タンパク質またはその他の産物、(b)膜結合タンパク質もしくは糖タンパク質または膜と結合したか、もしくは挿入されたその他の成分、(および/または(c)細胞内タンパク質またはその他の細胞内成分を含む腫瘍細胞の一部に向けられた免疫応答の誘発を引き起こす。内部ワクチン接種で誘導される免疫応答は、体液性であっても(すなわち、抗体−補体で媒介される)または細胞媒介であってもよい(たとえば、内部で殺された腫瘍細胞またはこれらの一部を認識する内因性細胞障害性リンパ球の発生および/または増大)。放射線療法に加えて、前記腫瘍細胞死誘導および内部ワクチン接種法を誘導するために使用することができる薬物および薬剤の非限定の例には、従来の化学療法薬、細胞周期阻害剤、抗血管形成薬物、モノクローナル抗体、アポトーシス誘導薬およびシグナル伝達阻害剤を含む。
s. その他の抗癌剤
本発明の組み合わせ組成物および/または組み合わせ投与法に含めることができるさらなる薬剤は、カペシタビンなどのフルオロピリミジンカルバメート;非ポリグルタミン酸化チミジル酸シンターゼ阻害剤;トクラデシン(tocladesine)などのヌクレオシド類似体;ペメトレキセド二ナトリウムなどの葉酸代謝拮抗薬;タキサンおよびタキサン類似体;トポイソメラーゼ阻害剤;ポリアミン類似体;mTOR阻害剤(たとえば、ラパマイシン(rapamcyin)エステル);アルキル化剤(たとえば、オキサリプラチン);レクチン阻害剤;ビタミンD類似体(抗血管形成化合物(たとえば、エンドスタチン、アンギオコール(angiocol)、抗PDGF mAb、およびその他のPDGF(血小板由来成長因子)阻害剤、PEDF(色素上皮由来成長因)その他);炭水化物プロセシング阻害剤;代謝拮抗葉酸アンタゴニスト;スミジラート(thumidylate)シンターゼ阻害剤;その他の代謝拮抗剤(たとえば、ラルチトレキセド);リボヌクレアーゼレダクターゼ阻害剤;ジオキソラートヌクレオシド類似体;チミラート(thimylate)シンターゼ阻害剤;生殖腺刺激ホルモン(GRNH)ペプチド;ヒト絨毛性ゴナドトロピン;化学的に修飾されたテトラサイクリン(たとえば、CMT-3;COL-3);およびシトシンデアミナーゼを含む。必要に応じて、このような薬剤は、代わりに、本発明の抗KIR抗体に抱合することができる。
組み合わせ組成物および方法のその他の有用成分には、たとえば、チモペンチン、DTIC、カルムスチン、カルボプラチン、ビンブラスチン、テモゾロマイド、ビンデシンおよびチモシン-αを含むことができる。ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(たとえば、フェニルブチラート)および/またはDNA修復薬(たとえば、Dimericine(商標)(T4エンドヌクレアーゼ含有リポソームV)などのDNA修復酵素および関連した組成物)も、このような方法および組成物の有用成分であり得る。また、または代わりに、本発明の有用な予防法および治療計画は、抗癌に向けられた光感作療法と組み合わせることができる(たとえば、抗癌レーザ療法−これは、光感作薬を用いて任意に行うすることができ、たとえばZhang et al., J Control Release. 2003 Dec 5;93(2):141-50を参照されたい);抗癌音波およびショック波療法(たとえばKambe et al., Hum Cell. 1997 Mar;10(1):87-94を参照されたい);抗癌温熱療法(たとえば、米国特許6,690,976号を参照されたい)および/または抗癌機能性食品療法(たとえば、Roudebush et al., Vet Clin North Am Small Anim Pract. 2004 Jan;34(1):249-69, viii and Rafi, Nutrition. 2004 Jan;20(1):78-82を参照されたい)。また、例示的組み合わせ組成物および組み合わせ投与法には、タモキシフェンを特異的に含むことができる。
さらなる側面において、組み合わせ組成物および方法の成分は、Oral VEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤PTK/ZKを含むことができる組み合わせ組成物および方法の成分を含むことができる。
癌免疫療法に関連するさらなる教示は、たとえばBerczi et al., "Combination Immunotherapy of Cancer" in Neuroimmune Biology Volume 1: New foundation of Biology, Berczi I, Gorczynski R, Editors, Elsevier, 2001;pp.417-432に提供されている。
VI. 治療適用
もう一つの側面において、本発明は、抗KIR抗体、抗KIR抗体組成物および/または関連した組成物を含む治療法を提供する。
抗KIR抗体は、たとえば癌、ウイルス感染および免疫系に関連した障害の治療を含む種々の治療計画および予防計画に有用であり得る。
A.癌進行の減少
一つの例示的側面において、本発明は、検出可能なレベルの癌細胞を有するヒト患者などの哺乳類宿主における癌進行を減少させる方法であって、宿主における癌の進行を検出可能に減少させるために十分な量において、抗KIR抗体、抗KIR抗体組成物または関連した組成物(たとえば、抗KIR抗体をコードする核酸)を投与することを含む方法を提供する。
癌細胞は、異常に分裂し、および複製し、増殖を抑制できない細胞である(たとえば、正常な細胞増殖の「ヘイフリックの限界」を越えることによる(たとえば、Hayflick, Exp. Cell Res., 37,614(1965)記載されているとおり))。「癌」は、一般に宿主において部分的に独立した増殖(たとえば、良性腫瘍)または宿主において完全に独立した増殖(悪性癌)ができる細胞の単一またはいくつかのクローンからなる。癌細胞は、新生物形質転換(「発癌」)を経て宿主細胞から生じる。
「新生物発生前」、「前悪性」および「前癌性」などの用語は、本明細書において細胞および/または組織の記述に関して、癌性になる有意な可能性を示す遺伝子および/または表現型プロフィールを有する細胞または組織をいう。通常、このような細胞は、シグナル癌進行の発症または癌進行を開始する有意なリスクを知らせるこれらの最も近い非腫瘍性対応物からの1つまたは複数の相違によって特徴づけることができる。このような前癌病変は、検出可能であるならば、通常優れた結果で治療することができる。したがって、予防計画の一部としてのこのような細胞および組織に対する抗KIR抗体の送達は、重要な本発明の側面である。いくつかの癌は、明確な前癌前駆体を有するが、その他は有さない。一般に、前癌性状態は、新生物または新生物発生前の病変の発病率と関連する。既知の、および可能性が高い新生物発生前組織の例には、乳癌における非浸潤性乳管癌(DCIS)増殖、子宮頚癌における頚部上皮内新形成(CIN)、結直腸癌における結腸腺腫様ポリープ、肺癌における非典型的腺腫状過形成および皮膚癌における光線性角化症(AK)を含む。種々の癌のための新生物発生前の表現型および遺伝子型、並びに細胞における新生物発生前状態の存在を評価するための方法が、特徴づけられてきた。たとえば、Medina, J Mammary Gland Biol Neoplasia. 2000 Oct;5(4):393-407; Krishnamurthy et al., Adv Anat Pathol. 2002 May;9(3):185-97; Ponten, Eur J Cancer. 2001 Oct;37 Suppl 8:S97-113; Niklinski et al., Eur J Cancer Prev. 2001 Jun;10(3):213-26; Walch et al., Pathobiology. 2000 Jan-Feb;68(1):9-17; and Busch, Cancer Surv. 1998;32:149-79を参照されたい。遺伝子発現プロフィールは、ますます、細胞を正常(前癌)と癌との間で区別するために使用することができる。たとえば、家族性大腸ポリープ症遺伝子は、大腸癌についての迅速に精密な調査をさせ;変異したp53癌抑制遺伝子は、細
胞がそれは、攻撃的な癌へと発達する可能性が高いことを示し;オステオポンチン発現レベルは、前悪性細胞において上昇し、およびテロメラーゼ活性の増大は、また前癌状態(たとえば、膀胱癌および肺癌において)のマーカーでもあり得る。
「癌進行」とは、正常な非腫瘍性細胞から癌性の新生物細胞への移行、このような新生細胞の遊走、並びにこれらからの腫瘍の形成および増殖を促進し、または指し示す任意の事象または事象の組み合わせをいう(この後者の側面は、腫瘍発達ということができる)。このような事象の例は、正常な非腫瘍性細胞から認識された新生物発生前表現型へのトランスフォーメーションに付随した表現型の細胞変化、および前癌細胞の新生細胞へのトランスフォーメーションを示す細胞の表現型変化を含む。
癌進行(また、本明細書において「癌進行期」とも称される)の側面には、細胞危機、不死化および/または正常アポトーシスの不全、不死化されたおよび/または新生物発生前の細胞の増殖、トランスフォーメーション(すなわち、不死化された細胞が固定非依存性、血清非依存性および/または増殖因子非依存性もしくは接触阻害非依存性増殖を示すことができるか、または癌を指し示す形状変化、異数性およびフォーカス形成を付随する変化)、形質転換細胞の増殖、転移能の発生、遊走および転移(たとえば、ある位置からの細胞の脱会合および別の部位への再配置)、新たなコロニー形成、腫瘍形成、腫瘍成長、新腫瘍形成(識別可能な位置の、かつ形質転換細胞の供与源と接触しない新たな腫瘍の形成)並びにこれらのいずれかの組み合わせ)を含む。
発癌は、典型的には、宿主細胞の調節制御の迂回(たとえば、宿主細胞において通常活性なアポトーシスシグナリング経路の迂回または克服)を経て細胞増殖を調節する遺伝子の活性化および癌抑制遺伝子の発現の減少と関連する。完全に悪性の腫瘍の発症に関連して、典型的には複数の遺伝子が調節解除される。
また、または代わりに、癌進行は、開始、促進および進行の一般的段階によって記述されることが多い。腫瘍形成癌において、たとえば癌進行は、腫瘍開始、腫瘍促進、悪性変換および腫瘍発達の点から記述されることが多い(たとえば、Cancer Medicine, 5th Edition(2000) B.C. Decker Inc., Hamilton, Ontario, Canada(Blast et al. eds.)を参照されたい)。細胞または組織レベルでの形態学的、遺伝的および/または行動の変化の存在を反映する腫瘍開始(たとえば、有糸分裂誘発、添充細胞増殖、プレ新形成および過形成の誘導、前悪性または悪性の細胞の生存(不死化、免疫抑制)および転移能に対する癌関連効果の発生その他)は、典型的には、発癌物質誘導突然変異などの不可逆的遣伝子損傷によって生じる。開始段階は、典型的にはDNA傷害物質に応答して正常細胞から潜在性細胞に変換することによって特徴づけられる。腫瘍促進には、潜在性細胞の選択的クローン増殖を含む。腫瘍発達には、悪性表現型の発現およびすでに悪性の細胞が時間とともにより攻撃的な特徴を得る傾向を含む。促進段階は、典型的には、遺伝子発現および細胞増殖が変化することにより、潜在性細胞が前癌細胞の集団にトランスフォーメーションすることによって特徴づけられる。進行期は、典型的には、さらなる遺伝子変化の結果として、前癌細胞が新生物細胞集団にトランスフォーメーションすることによって特徴づけられる。
また、新生物形質転換または新生物変換などの用語により、癌進行の段階を記述することができる。新生物変換は、の前癌細胞が新生物表現型を発現するものへトランスフォーメーションすることである。一旦新生物変換が完了すると、変化した遺伝子構造をもつ細胞は、癌関連を、遺伝子構造を発現するために増殖することが必要である。細胞複製により、発現の割合および関連した発癌リスクが決定する。一般の後成的事象および特にDNAメチル化は、正常から新生物状態〜新生物発生前への変化を調整することに関連している。また、新生物形質転換は、成長因子受容体(たとえば、erbA、erbB、fims、neu);シグナル伝達に関与する分子(src、abl、ras);および転写因子(jun、fos、myc)などの、細胞性癌遺伝子または「(c)発癌遺伝子」と称されることが多い増殖調節遺伝子の活性化と関連する。新生物形質転換に関与するさらなる因子は、増殖を阻害する遺伝子(たとえば、p53およびRb)およびbcl-2などのアポトーシスを調節する遺伝子を含む。また、新生物形質転換には、細胞増殖を制御する遺伝子の不適当な活性化を含む。
癌進行のもう一つの段階において、免疫原性腫瘍は、典型的には、宿主の免疫監視を逃れてこれらの増殖を可能にする。癌進行のさらなる関連した側面には、癌細胞によるアポトーシスの回避、無制限の複製能を達成すること、成長因子発現において自給自足を達成すること、抗増殖シグナルに対する異常な無感受性を達成すること:持続的血管形成を達成することおよび転移を含む。
転移とは、媒体中の1つの部位から、患者の組織内などの別の場所へ癌細胞が伝播することをいう。また、転移は、典型的には以下を含む多数の異なる生理学的事象に関与する:リンパ性チャンネルまたはプロテアーゼ活性を経て最初の部位からの癌細胞の逃避;循環における癌細胞の生存;二次部位における停止;周囲組織への血管外遊走;増殖の開始および維持、並びに転移性腫瘍の血管新生。また、転移には、腫瘍細胞が、プロテアーゼを分泌して原発腫瘍の隣接部位を超えて浸潤することができる能力を含み得る。悪性表現型の顕著な特徴は、ゲノムの不安定性および増殖が抑制されなくなる傾向である。
転移性癌細胞は、典型的には細胞外基質(ECM)および血管基底膜を透過して標的器官(異所性部位)に転移する。EMCは、炭水化物複合体(ヘパラン硫酸ペプチドグリカン)に包埋されたタンパク質からなり、腫瘍を囲むプロテアーゼは、この宿主組織を分解する際に活性である。したがって、ECMおよび基底膜の透過、並びに関連した宿主組織の破壊も癌進行の関連した側面である。実際に、細胞付着、分離、並びに細胞外基質タンパク質の分解、および浸潤性腫瘍細胞が遠い位置に移動するために必要な遊走は、通常連続した過程の複雑な寄せ集めであることが多い。これらの活性の全ては、本発明に関連した癌進行の重要な側面である。したがって、たとえば、患者における癌の治療に関連して、これらの生理活性のいずれか一つを減少させる手段として、抗KIR抗体、関連した化合物または組み合わせ組成物の送達を使用することができる。
癌および癌進行を検出するための方法には、(a)臨床検査(症候には、膨張、触知可能な塊、リンパ節の拡大、出血、可視皮膚病変および体重減少を含むことができる);(b)イメージング(X線技術、乳房X線撮影、結腸鏡検査、コンピュータ断層撮影法(CTおよび/またはCAT)走査、磁気共鳴映像法(MRI)、その他);(c)免疫診断アッセイ法(たとえば、CEA、AFP、CA125、その他の検出);(d)抗体を媒介した放射性イメージング;および(e)細胞/組織免疫組織化学を解析することを含む。
抗KIR抗体の被験体への送達(直接投与か、または抗KIR抗体をコードする核酸配列を含むポックスウイルス遺伝子導入ベクターからなど、その中の核酸から発現するかのいずれかによる)および本発明のその他の方法の実施は、癌進行のいずれの適切な側面を減少させ、治療し、予防し、またはそうでければ寛解させるためにも使用することができる。本発明の方法は、本明細書においてさらに記述したとおり、特に腫瘍成長、癌遊走および癌細胞侵襲性減少および/または回復に有用であり得る。このような癌進行の側面を減少させ、予防し、またはそうでければ寛解させる方法は、独立して、およびひとまとめにして、有利な本発明の特徴である。本発明のさらなる有利な態様は、転移の減少、腫瘍の伝播の減少、腫瘍成長の減少およびこれらのいずれかの組み合わせを含む。もう一つの有利な側面は、微小癌組織転移によって特徴づけられる癌の治療におけるこのような方法の有効性である。
癌進行の検出は、いずれの適切な技術によっても達成することができる、そのいくつかの例は、当技術分野において既知である。適切な技術の例は、(たとえば、癌細胞関連遺伝子または「マーカー」の)PCRおよびRT-PCR、生検、電子顕微鏡法、ポジトロン放出断層撮影(PET)、コンピュータ断層撮影法、免疫シンチグラフィーおよびその他のシンチグラフィー技術、磁気共鳴映像法(MRI)、核型分析およびその他の染色体解析、免疫アッセイ法/免疫細胞化学的検出技術(たとえば、差動的抗体認識)、(たとえば、細胞膜変化の)組織学的および/または組織病理学的アッセイ法、細胞動力学的研究および細胞周期解析、超音波またはその他の断層撮影検出技術、放射線学的検出技術、フローサイトメトリー、内視鏡的可視化技術、並びに理学的検査技術を含む。たとえば、これらおよびその他の適切な技術の例は、Rieber et al., Cancer Res., 36(10), 3568-73(1976), Brinkley et al., Tex. Rep. Biol. Med., 37,26-44(1978), Baky et al., Anal. Quant. Cytol., 2(3), 175-85(1980), Laurence et al., Cancer Metastasis Rev., 2(4), 351-74(1983), Cooke et al., Gut, 25(7), 748-55(1984), Kim et al, Yonsei Med. J., 26(2), 167-74(1985), Glaves, Prog. Clin. Biol. Res., 212,151-67(1986), McCoy et al., Itnmunol. Ser., 53,171-87(1990), Jacobsson et al., Med. Oncol. Tumor. Pharmacother., 8(4), 253-60(1991), Swierenga et al., IARC Sci. Publ., 165-93(1992), Hirnle, Lymphology, 27(3), 111-3(1994), Laferte et al., J. Cell Biochem., 57(1), 101-19(1995), Machiels et al., Eur. J. Cell Biochem., 66(3), 282-92(1995), Chaiwun et al., Pathology(Phila), 4(1), 155-68(1996), Jacobson et al, Ann. Oncol., 6(Suppl. 3), S3-8(1996), Meijer et al., Eur. J. Cancer, 31A(7-8), 1210-11(1995), Greenman et al., J. Clin. Endocrinol. Metab., 81(4), 1628-33(1996), Ogunbiyi et al., Ann. Surg. Oncol., 4(8), 613-20(1997), Merritt et al., Arch. Otolaryngol. Head Neck Surg., 123(2), 149-52(1997), Bobardieri et al., Q. J. Nucl. Med., 42(1), 54-65(1998), Giordano et al., J. Cell Biochem, 70(1), 1-7(1998), Siziopikou et al., Breast J., 5(4), 221-29(1999), Rasper, Surgery, 126(5), 827-8(1999), von Knebel et al., Cancer Metastasis Rev., 18(1), 43-64(1999), Britton et al., Recent Results Cancer Res., 157,3-11(2000), Caraway et al., Cancer, 90(2), 126-32(2000), Castillo et al., Am. J. Neuroadiol., 21(5), 948-53(2000), Chin et al., Mayo Clin. Proc., 75(8), 796-801(2000), Kau et al., J. Ortohinolaryngol. Relat. Spe., 62(4), 199-203(2000), Krag, Cancer J. Sci. Am., 6(Suppl. 2), S121-24(2000), Pantel et al., Curr. Opin. Oncol., 12(1), 95-101(2000), Cook et al., Q. J. Nucl. Med., 45(1), 47-52(2001), Gambhir et al., Clin. Nucl. Med., 26(10), 883-4(2001), MacManus et al., Int. J. Radiat. Oncol. Biol. Phys., 50(2), 287-93(2001), Olilla et al., Cancer Control., 8(5), 407-14(2001), Taback et al., Recent Results Cancer Res.,158,78-92(2001)よびその中で引例された参照文献に記述されされている。関連した技術は、米国特許第6,294,343号、第6,245,501号、第6,242,186号、第6,235,486号、第6,232,086号、第6,228,596号、第6,200,765号、第6,187,536号、第6,080,584号、第6,066,449号、第6,027,905号、第5,989,815号、第5,939,258号、第5,882,627号、第5,829,437号、第5,677,125号および第5,455,159号、並びに国際特許出願国際公開第01/69199号、国際公開第01/64110号、国際公開第01/60237、国際公開第01/53835v、国際公開第01/48477v、国際公開第01/04353号、国際公開第98/12564号、国際公開第97/32009号、国際公開第97/09925号および国際公開第96/15456号に記述されている。
癌進行の減少は、たとえば(1)新生細胞に形質転換する正常細胞(またはこれらのいずれかの局面)の割合、(2)新生物発生前または新生物細胞の増殖の割合、(3)新生物発生前のおよび/または新生物表現型を示す細胞の数、(4)新生物発生前および/または新生物細胞を含む細胞媒体(たとえば、細胞培養、組織または器官(たとえば、哺乳類宿主の器官))の物理的領域、(5)正常細胞および/または前癌細胞が新生細胞に形質転換するであろう確率、(6)癌細胞が癌進行の次の局面(たとえば、転移能の減少)に進行するであろう確率または(7)これらのいずれかの組み合わせにおけるいずれの検出可能な減少を含むこともできる。このような変化は、上記技術または当業者に既知のこれらの適切な対応技術のいずれを使用して検出することもでき、これらは、典型的にはその有効性を評価するために治療計画を施す前に適切な時間適用される。癌可能性の減少が生じたかどうかをアッセイするための回数および条件は、癌のタイプ、宿主に送達される抗KIR抗体、関連した組成物または組み合わせ組成物のタイプおよび量を含むいくつかの要因に依存する。当業者であれば、ルーチン試験により当技術分野において既知の技術および原理を適用するこのようなアッセイ法を行うための適切な回数および条件の決定を行うことができるであろう。
癌進行を診断するために有用なその他の方法は、American Joint Commission on Cancer grading system, the National Program of Cancer Registries “General Staging”法(Summary Staging, California StagingおよびSEER Stagingとしても知られる)などの腫瘍等級付け法および段階付け法、並びに/または一般に使用される特定化された等級づけ系(たとえば、高グリースン腫瘍等級スコアは、前立腺癌に関して、攻撃的癌を指し示し;TNM(腫瘍、結節、転移)段階付け系は、結直腸癌に関して、有用であることが多く、またScarff-Bloom-Richardson系は、乳癌評価に関して、使用されることが多い(たとえば、Fawcett and Drew, Prof Nurse. 2002 Apr;17(8):470-2; Toloza et al., Chest. 2003 Jan;123(1 Suppl):157S-166S; Fischer et al., Lancet Oncol. 2001 Nov;2(11):659-66; and Perrotti et al., Urology. 1999 Aug;54(2):208-14; Zinkin, Dis Colon Rectum. 1983 Jan;26(1):37-43; see also generally Neal, Clinical Oncology(Oxford University Press - 3rd Ed. 2003), Price, Treatment of Cancer(Oxford University Press - 4th Ed. 2002), Franks, Introduction to the Cellular and Molecular Biology of Cancer(Oxford University Press - 3rd Ed. 1997); Bast et al., Cancer Medicine, 5th Edition(BC Decker Inc. - 2000); Adami, Textbook of Cancer Epidemiology(Oxford University Press 2002を参照されたい)。癌を同定し、および/または癌進行を診断するためのさらなる方法は、癌遺伝子関連DNAメチル化(たとえば、Carmen et al., J. Natl. Cancer Inst., 93(22)(2001)を参照されたい)、DNA細胞数測定、有糸分裂アッセイ法(頻度、常態または両方に関して)、多形性評価、自己分泌刺激性ループ活性の存在、尿細管形成測定、角質化(keritinization)アッセイ法、細胞間架橋アッセイ法、上皮真珠検出、異常なホルモン受容体発現またはフォーム産生(form production)アッセイ法(たとえば、Her2過剰発現アッセイ法)、並びにその他の癌関連遺伝子発現アッセイ法(たとえば、PRL-3チロシンホスファターゼ遺伝子発現アッセイ法)を含む。さらに有用な診断法は、米国特許6,682,901号およびPCT国際国際公開第03/033667号に記述されている。本発明の創意に富む治療計画(とりわけ、これらの1つまたは複数の側面において、癌進行を減少させるために、これらの必要な患者に対して抗KIR抗体または関連した化合物を送達することを含む)は、これらもしくは本明細書に記述されたその他の診断アッセイ法のまたはこれらの同等物のいずれか一つによって決定される患者における癌および/または癌進行の指標を見いだすことと付随して実施することができる。このような方法は、本発明のさらなる特徴である。
本発明の方法は、いずれの適切なタイプの癌の癌進行を減少させるためにも使用することができる。本発明によって提供される抗KIR抗体、抗KIR抗体組成物および組み合わせ組成物の送達または投与によって治療されるであろう癌の形態は、扁平上皮癌、白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリーセル白血病、バーケットリンパ腫、急性または慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病、線維肉腫、横紋筋肉腫(rhabdomyoscaroma);黒色腫、精上皮腫、奇形癌腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、星細胞腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、シュワン腫;線維肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、甲状腺濾胞性癌および奇形癌腫を含む。また、抗KIR抗体は、膀胱、乳房、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、前立腺、膵臓、胃、頚部、甲状腺または皮膚のその他の癌腫の治療にも有用であり得る。抗KIR抗体は、リンパ様系統のその他の造血性腫瘍、骨髄球系統のその他の造血性腫瘍、間充織起源のその他の腫瘍、中枢または末梢神経系のその他の腫瘍および/または間充織起源のその他の腫瘍の治療にも有用であろう。
特定の側面において、リンパ様系統の造血器腫瘍における、またはに伴う癌進行を減少させるために、抗KIR抗体が投与される。より詳細な側面において、抗KIR抗体は、T前リンパ球性白血病(T-PLL)(これらの小細胞および/または大脳様細胞型を含む);T細胞型の大型顆粒リンパ球白血病(大型顆粒リンパ球);セザリー症候群(SS);成人型T細胞白血病リンパ腫(ATLL);a/d T-NHL肝脾リンパ腫;多形性または免疫芽細胞性サブタイプの末梢/胸腺後部T細胞リンパ腫;血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫;血管中心体(鼻腔)T細胞リンパ腫;未分化(Ki 1+)大細胞リンパ腫;腸管T細胞リンパ腫;Tリンパ芽球性白血病;および/またはリンパ腫/白血病(T-Lbly/T-ALL)から選択される腫瘍における癌進行を減少させるために投与される。
本発明の方法は、前立腺癌細胞、黒色腫細胞(たとえば、皮膚の黒色腫細胞、眼の黒色腫細胞および/またはリンパ節関連する黒色腫細胞)、乳癌細胞、大腸癌細胞および肺癌細胞における癌進行を減少させるのに都合がよく、有用であろう。本発明の方法は、腫瘍形成性癌および非腫瘍形成性癌(たとえば、非腫瘍形成性造血癌)における癌進行を減少させるために使用することができる。本発明の方法は、上皮癌(たとえば、癌腫)および/または結直腸癌、乳癌、肺癌、膣癌、子宮頚癌および/または扁平上皮癌(たとえば、頭頸部の中で)の治療に特に有用である。さらなる潜在性標的には、肉腫およびリンパ腫を含む。さらに有利な標的には、固形腫瘍および/または汎発性腫瘍(たとえば、急性または慢性的であり得る、骨髄系およびリンパ系の腫瘍)を含む。
もう一つの側面において、本発明は、癌進行のリスクを減少させ、前癌病変を受けた細胞集団におけるさらなる癌進行のリスクを減少させ、および/またはヒト患者における癌進行を減少させるための治療計画を提供する方法であって、以下などの新生物発生前細胞および/または新生細胞のような遺伝子発現のレベルおよび/または型を示す細胞を有すると診断された患者に対して抗KIR抗体、関連した化合物または組み合わせ組成物の量を投与すること(または組み合わせ投与法を適用すること)を含む方法を提供する:癌に付随したerbB2(Her2/neu)遺伝子発現のパターン;p53遺伝子発現;BRCA1および/またはBRCA2遺伝子発現;PTEN遺伝子発現;rasファミリー遺伝子発現(k-ras、h-ras、m-ras、RAB2、RAP2A、その他)、c-MYC遺伝子発現または以下のExol、ASPP2、C/EBPD、p16(INK4a)CDKN2A、R24P、P81L、V126D、BNIP3、MYH、PTCH、B-ras、Ara、PPAR(α、γおよびΔ)、MC1R、TP16p14/ARF、SMAD3、SMAD4、CDK4、p73、p15、AXIN1、raf、CHEK2、SHIP、HFE、p21(CIP1/WAF1)、FAS、TSG101、MEN1、GSTPI、P2X7、BRAFの、HPV型16 E7、P27 Cyclin E、Cyclin D、Rb、P300、Mdm2、Fos、Jun、N-Ras、Ki-Ras、Raf-1、Abl、Bcl-2、Bcl-6、Bax、APC(アクセッション番号:M74088)、ベータカテニン、E-カドヘリン、PI3-キナーゼ、TGFα、TGFβ、TGFβ受容体、Src、Met、Akt、Alk、Grb2、ShcおよびE2F 1-5の1つもしくは複数の癌様発現。特定の例示的側面において、本発明は、RasおよびMycの癌様アップレギュレーション/発現;正規のp53遺伝子活性の喪失を伴ったRasの発現;正規のRb活性の喪失を伴ったRasの発現;正規のNFKβ活性の喪失を伴ったRasの発現;正規のAPC活性の喪失を伴ったRasの発現;正規のArf活性の喪失を伴ったRasの発現;E7を伴ったRasの発現;その他を示すヒトにおける癌進行を(これらのいずれかの側面の検出の前後のいずれかに)阻害する方法を提供する。
もう一つの例示的側面において、本発明は、哺乳類宿主における浸潤新生細胞に対する静止状態新生細胞の比率をを増大する方法であって、宿主における浸潤細胞に対する静止状態細胞の比率を増やすために、本発明の抗KIR抗体(たとえば、抗KIR抗体)、関連した組成物または組み合わせ組成物の治療上有効量を投与することを含む方法を提供する。
さらなる側面において、本発明は、哺乳類宿主における癌緩解を促進する方法であって、宿主における癌緩解を促進するために、mAb DF200(ELISアッセイ法Aによって、少なくとも約10%(たとえば約15%以上、20%以上、25%以上など)のレベルにて相対的に阻害する)と競合する抗KIR抗体などの、抗KIR抗体を含む組成物をヒト患者などの宿主に投与することを含む方法を提供する。
さらなる側面において、本発明は、癌状態を発病するリスクを減少させ、癌状態の発症の時間を減少させ、初期段階に診断された癌の重症度を減少させ、および/または哺乳類宿主におけるこれらの発症による癌患部を減少させるための方法であって、所望の生理作用を達成するために、宿主に対して本発明の抗KIR抗体、関連した化合物または組み合わせ組成物の予防的に有効量を投与することを含む方法を提供する。
もう一つの側面において、本発明は、腫瘍成長および/または転移を、これらの必要における個体において阻害するための方法であって、腫瘍成長および/または転移を阻害するために、本発明の抗KIR抗体、関連した組成物または組み合わせ組成物の量と腫瘍を接触させることを含む方法を提供する。標的腫瘍には、癌腫を含み得るが、これらに限定されるわけではない。このような癌腫は、扁平上皮癌(皮膚、頚部および陰門の扁平上皮癌含むが、これらに限定されるわけではない)、胃癌腫、結腸腺癌、結腸直腸癌腫および子宮頚癌を含むが、これらに限定されるわけではない。本明細書に記述した本発明の方法によって治療することができるその他の癌腫には、乳管癌を含む。本明細書に記述した本発明の方法によって治療することができるその他の共通の癌は、悪性黒色腫を含む。
腫瘍成長を阻害することは、一般に治療がないときに生じるであろう腫瘍成長の量の減少を生じさせること、および/または検出可能な腫瘍成長の実質的に完全な停止を意味し、腫瘍サイズの減少および/または腫瘍成長の速度の減少を含む。転移を阻害することは、治療がないときに生じるであろう腫瘍転移の量を減少させることを意味し、転移の数および/またはサイズの相対的減少を含む。
さらに異なる側面において、本発明の方法は、周囲組織への腫瘍の前面の増殖、伝播もしくは増殖および伝播、並びに予想される腫瘍の増殖、伝播もしくは増殖および伝播を遅らせることによって抗腫瘍効果を誘発し、促進し、および/または増強するための手段を提供することができる。腫瘍細胞増殖阻害は、たとえば、本明細書に記述したその他の方法および/または国際公開第89/06692号に記述されたような阻害アッセイ法がなどを使用するいずれの適切な標準および技術によって測定することができる。
さらなる本発明の側面は、抗KIR抗体抗体もしくはその他の有効な抗KIR抗体、関連した化合物または組み合わせ組成物をにこれらの必要な患者に送達することによって、周囲組織への腫瘍の増殖および/または伝播を阻害し、または遅らせるための方法を提供することである。
また、本発明の方法は、特に微小癌組織の転移の除去に関して、および/または癌であると以前に診断されたが、現在緩解状態の患者における癌の再発の予防のために有利であり得る。再発および/または再発のリスクを評価するための方法は、当技術分野において既知であり(たとえば、米国特許第6,656,684号を参照されたい)、本明細書に記述されたその他の癌診断法の適用を含むことができる。
さらなる側面において、本発明は、癌であると診断されたヒト患者における該当期間を通して生存の可能性を増大する方法を提供する。たとえば、本発明は、本発明の抗KIR抗体組成物療法後に、抗KIR抗体組成物での治療を受けていないものと比較して生存の可能性が約6月、約9月、約1年、約3年またはより長基増大する方法を提供する(生存率は、たとえば、臨床試験などに関連した同様の患者の集団に対する研究によって決定することができる)。
もう一つの側面において、本発明は、癌患者の生活の質を改善するための方法であって、彼らの生活の質を改善するために、患者に対して有効量の本発明の組成物を投与することを含むを提供する。癌治療法における患者の生活の質を評価するための方法は、当技術分野において周知である(Movass and Scott, Hematol Oncol Clin North Am. 2004 Feb;18(1):161-86; Dunn et al., Aust N Z J Public Health. 2003;27(1):41-53; Morton and Izzard, World J Surg. 2003 Jul;27(7):884-9; Okamato et al., Breast Cancer. 2003;10(3):204-13; Conroy et al., Expert Rev Anticancer Ther. 2003 Aug;3(4):493-504; List et al., Cancer Treat Res. 2003;114:331-51; and Shimozuma et al., Breast Cancer. 2002;9(3):196-202)。
さらなる側面において、本明細書に記述した本発明の方法は、たとえば腫瘍の総数および/またはサイズを減少させられるように、脊椎動物宿主における癌細胞数を有意に減少させるために適用することができる。このような方法は、化学耐性腫瘍、固形腫瘍および/または転移した腫瘍を含むいずれの適切なタイプの腫瘍を治療するためにも適用することができる。関連した意味において、本発明は、ヒト癌患者などの脊椎動物における新生物発生前細胞および/または新生細胞を死滅させるための方法を提供する。
ウイルス感染
もう一つの側面において、本発明は、患者または宿主におけるウイルス感染を治療する方法であって、このような感染の重症度、伝播、症候または期間を減少させるために、抗KIR抗体または組み合わせ組成物の治療上有効量を投与するか、またはそうでなければ送達することを含むを提供する。たとえば、このような方法は、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSV-1)、単純ヘルペス2型(HSV-2)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、パピローマウィルス、パピローマウィルス、サイトメガロウイルス(CMV−たとえば、HCMV)、エキノウイルス(echinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス(huntavirus)、コクサッキーウィルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルスおよび/またはヒト免疫不全症ウイルスI型もしくは2型(HIV-1、HIV-2)から選択される1つまたは複数のウイルスによる感染を治療するために使用することができる。このような方法の実施により、ウイルス、ウイルス負荷、ウイルスに感染した細胞の数の減少などの力価の減少を生じるであろう。詳細な側面において、これらの方法は、免疫無防備状態/免疫抑制性の個体において実施される。もう一つの側面において、これらの方法は、幼児(たとえば、年齢が約10歳以下、約8歳以下、約6歳以下、約5歳以下、約4歳以下、約3歳以下、約2歳以下、年齢が約1〜18月、約1〜12月、約1〜9月、約1〜6月または約3月未満の子供)または高齢者(たとえば年齢が、約65歳以上、約70年以上、約75年以上、約80年以上、約85年以上、その他の患者)においてなど、比較的免疫抑制のリスクの高いか、または比較的免疫系の欠陥した患者において実施される。その他の発明の方法(たとえば、癌の治療)において、本発明の方法は、同様に一般的有効性が改善されていることが予想される個体群に限定することができる。本明細書において他に論議したとおり、一定の状況において、抗KIR抗体の特異性により、たとえば抗KIR抗体が、A型ハプロタイプを有する白人などの、このような集団に関連したKIRに対して交差反応性がある場合、一般に有意な個体群を決定することができる。
抗KIR抗体は、HIV治療または抗ウイルス抗体(たとえば、HIV治療に関して、抗gp41および抗CD4抗体、その他)に関して、プロテアーゼ阻害剤(たとえば、アシクロビル)などの抗ウイルス薬と共に、または付随して投与することができる。標的ウイルスのそれぞれのタイプに関して、多くのタイプの抗ウイルス薬が既知である。一つの側面において、本発明は、ウイルス病を治療する方法であって、これらの必要な患者に対して、さらに抗ウイルス薬の治療上効率的量を投与することを含む方法を提供する。このような薬剤の例は、以下のとおりである:
単純ヘルペス、水痘帯状疱疹ウイルス(VSV)感染に対して:アシクロビル、ファムシクロビル、バラシクロビル、ペンシクロビル。
CMV感染に対して:ガンシクロビル、バルガンシクロビル。
レトロウイルス感染(たとえば、HIV-1)に対して:ラミブジン、ジドブジン、エムトリシタビン、アバカビル、テノフォビル、ジダノシン、スタブジン、エファビレンツ、ネビラピン、アンプレナビル、インジナビル、サキナビル、リトナビル、ロピナビル、アタザナビル、ネルフィナビル、エンフビルチド(enfuvirtid)。
インフルエンザウイルス感染に対して:オセルタミビル。
慢性B型肝炎ウイルス感染に対して:アデフォビル、ラミブジン
慢性C型肝炎ウイルス感染に対して:リバビリン、インターフェロン-α、ペグ化したインターフェロン-α。
ウイルスに対して使用するための抗KIR抗体は、たとえば、宿主におけるウイルス感染した細胞数を減少させる能力などの、何らかの適切な根拠に基づいて選択することができる。
実施例1
抗KIR抗体および組換えインターフェロンα/βとの組み合わせ療法の結果としてのNK細胞活性の増強インビトロでの相関。
ヒトNK細胞(新たに単離したか、または事前にインビトロにおいてインターロイキン-2と共に2〜14日間プレインキュベートした)を標準的な4時間の細胞障害アッセイ法において、1つまたは複数の抗KIR抗体およびインターフェロンαまたはβの存在下においてクロム標識した標的細胞(たとえば、K562またはEBVで形質転換したB細胞)と混合する。組み合わせにより、KIR抗体またはインターフェロンα/β単独での¥単独療法」と比較して、特異的溶解の増強を生じることが予想される。
実施例2
上で議論したように、MHCクラスI特異的阻害性NK受容体は、ヒトのKIR(A. Moretta et al., J Exp Med 178, 597-604(1993); N. Wagtmann et al., Immunity 2, 439-449(1995); M. Colonna and J. Samaridis, Science 268, 405-408(1995); and V. Litwin, J. Gumperz, P. Parham, J. H. Phillips, L. L. Lanier, J Exp Med 180, 537-543(1994))、齧歯類のLy49(たとえば、F. M. Karlhofer, R. K. Ribaudo, W. M. Yokoyama, Nature 358, 66-70(1992)を参照されたい)および両方の種の保存されたCD94/NKG2A受容体(V. M. Braud et al., Nature 391, 795-799(1998))を含む。MHCクラスI分子の結合により、これらの受容体は、NK細胞性の溶解を阻害するネガティブシグナルを伝達する(たとえば、Karlhofer et al.(1992)、上記、 Braud et al.(1998)、上記、およびN. Wagtmann, S. Rajagopalan, C. C. Winter, M. Peruzzi, E. O. Long, Immunity 3, 801-809(1995)を参照されたい)。
その他の抗癌剤と共に阻害性受容体(IR)のmAbを媒介下遮断に基づいた癌療法としての組み合わせ治療の効果を試験するために、NK CIR抗体がLy49I/Cに対して向けられた5E6抗体であるマウスモデルを使用した。(C. Y. Koh et al., Blood 97, 3132-3137(2001)を参照されたい)。5E6抗体は、抗KIR mAbsと類似の様式で機能する(Ly49とKIR受容体との間の類似性による)。マウス腫瘍モデルにおいて、抗IR mAbをIL-2(この実施例に記載されているように)およびIL-21(実施例3に記載されているように)などのNK細胞増殖または活性化を刺激するサイトカインと組み合わせして使用した。C57BL/6近交系マウスにB16.F10マウス黒色腫細胞を皮下接種して、腫瘍サイズを少なくとも毎週2回デジタルカリパスで測定した。治療処置は、腫瘍細胞接種の3日後に開始した。その時に、固形腫瘍を認識できた。マウスを4群(n=8)にランダム化し、A)処置なし、B)抗Ly49I/C mAb(Fab'2)の毎週投与、C)毎週繰り返して3日サイクルの全身性ヒトIL-2投与またはD)上記と同じスケジュールでの抗Ly49I/CおよびIL-2投与の組み合わせのいずれかを受けさせた。
図1でわかるように、抗Ly49単独では、この状況においてB16腫瘍の増殖に効果を示さなかったが、IL-2単独では、ここで適用した用量において、統計学的に有意ではないわずかな抗腫瘍効果を有した。しかし、抗Ly49I/C mAbおよびIL-2の組み合わせを投与したときに、強力な抗腫瘍効果が観察され、未処置および抗Ly49処置群と比較して高度に統計学的に有意な腫瘍量の減少があり(p>0.05)、IL-2単独で処置した群と比較して有意な腫瘍量の減少があった(p>0.002)(等分散両側T検定)。
これらの結果は、抗Ly49I/C mAbが、免疫を媒介した腫瘍クリアランスを促進する際に予想外にIL-2と相乗作用することを示す。上記のように、抗KIR抗体と、ヒト患者においてIL-2と同様の生物活性を有するIL-2変異体および誘導体を含むIL-2タンパク質との組み合わせについても、同様の相乗作用が予想される(このようなNK細胞受容体の関係に基づく)。
実施例3
一般に、Jia et al., J. Immunol., 165(11):6142-7(2000)に記述された方法に基づいた3時間肺クリアランスアッセイ法を使用して、マウスインターロイキン-21(mIL-21)と抗Ly49I/C抗体(上記の如く、これらは、ヒトKIRのマウス対応物に対する抗体である)との組み合わせが、いずれかの薬剤を単独で投与したものと比較して、B16F10黒色腫およびRMAリンパ腫の肺クリアランスを有意に増大することを証明した。具体的には、単独および組み合わせて投与されるmIL-21および既知の抗腫瘍効果を有する抗体断片を2つの異なる周知の同系腫瘍モデルのB16F10黒色腫およびRMAリンパ腫において試験した。5E6は、NK細胞上のLy49CおよびLy49I阻害性受容体(ヒトKIRのマウス対応物)に対するモノクローナルF(ab')2断片である(たとえば、Koh et al., Biol Blood Marrow Transplant. 2002;8(1):17-25 and Koh et al., Blood, 97(10):3132-3137(2001)を参照されたい)。
詳細には、51Cr常識下RMAまたはB16F10腫瘍細胞を同系のC57BL/6マウスにi.v.注射した(5×105細胞)。肺における放射能の保持を3時間後に記録した。IL-21処置したマウスには、腫瘍細胞注射の3、2および1日前に、50μg用量を皮下注射した。5E6処置したマウスには、腫瘍細胞注射の1日前に、50μg(上段および中段のパネル)または25μg(下段パネル)用量をi.v.注射した。結果は、接種した総放射能の割合として表してある。平均±SEM、t検定。これらの実験の結果を図2に示してある(垂直軸は、対照と比較して肺に保持された放射能の割合を表す)。
これらのデータは、mIL-21サイトカイン療法およびNK細胞上のLy49C/I受容体の遮断が肺における抗腫瘍活性を増大することを証明する。いずれの化合物での処置における相違も、対照と有意に異なっており、組み合わせでの処置も、単独で肺に取り込まれたいずれの薬剤共有意に異なっていた(おそらく、たとえば脾臓の場合の細胞およびには肝臓に含まれる細胞および細胞断片の可能性のある混合物の数が不十分なことにより、肝臓および脾臓における測定は、このような相違を示さなかった)、しかし、さらなる抗腫瘍活性は、両化合物で処置した群において見いだされ、IL-21および抗KIRの組み合わせが、いずれか単独で与えられた薬剤より強力な抗腫瘍反応を生じるかもしれないことを示唆する。
本明細書で引用した刊行物、特許出願および特許を含む全ての参照文献は、いずれの別々に提供された特定の文書の援用が、本明細書において他になされているかにかかわらず、参照により、その全体が、またあたかもそれぞれの参照文献が個々におよび具体的に参照により援用されたことを示し、かつ本明細書にその全体が記載されたのと同じ範囲で、本明細書に援用される。
「ある」および「その」という用語、並びに同様の指示対象は、本明細書に特に明記しない限り、または明らかに状況によって否定されない限り、本発明の記述に関連して単数および複数を包含すると解釈される。および。
特に明記しない限り、本明細書に提供される全ての正確な値は、対応する近似値を表す(たとえば、特定の因子または測定に関して提供される全ての正確な例示的値は、対応する近似測定も提供するとみなすることができ、必要に応じて「約」によって修飾される)。
要素に関して「含む」、「有する」、「含む」または「含有する」という用語を使用する本明細書の任意の側面または態様の本明細書における記述は、特に明記しない限り、または明らかに状況によって否定されない限り、その特定要素を「からなる」、「本質的になる」または「実質的に含む」本発明の同様の側面または態様についての補助を提供することを意図する(たとえば、本明細書において特定要素を含むと記述された組成物は、特に明記しない限り、または明らかに状況によって否定されない限り、その要素からなる組成物も記述するものとして理解されるべきである。
本明細書に提供されるあらゆる、および全ての実施例または例示的語(たとえば、「などの」)は、単に本発明をよりよく解明することのみを意図し、他に主張求されない限り、本発明の範囲に対する限定を与えない。明細書における語は、本発明の実施に必須な任意の主張されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
マウス癌モデルにおいて、NK CIR抗体(KIRのマウス相同分子種と反応する抗Ly49(5E6)mAb)およびインターロイキン-2(IL-2)単独および組み合わせで行った実験の結果を示す。 マウスを抗Ly49抗体、IL-21または両方で処置したときに、2つのマウス腫瘍モデルにおいて行った実験の結果を示す。 抗KIR抗体Pan-2DおよびDF200のVLドメイン、並びにVL CDR配列の整列を示す。(A)DF200(配列番号:1)およびPan-2D(配列番号:2)の軽鎖可変(VL)領域の整列。アミノ酸配列上の数は、未成熟(分泌されていない)免疫グロブリンの翻訳Met(+1)の開始に対するそれぞれの位置を示す。(B)CDR-L1配列の整列。(C)CDR-L2配列の整列。(D)CDR-L3配列の整列。 抗KIR抗体DF200のVHドメインおよびVH CDRの配列を示す。(A)DF-200 VH領域(未成熟タンパク質)。分泌された成熟VHは、位置20:残基Qにて始まる。(B)CDR-H1。(C)CDR-H2。(D)CDR-H3。 抗KIR抗体1-7F9のVHおよびVLドメインの配列を示す。(A)HuKIR 1-7F9成熟可変軽鎖の翻訳。(B)HuKIR 1-7F9成熟可変軽鎖をコードするヌクレオチド配列。(C)HuKIR 1-7F9成熟可変重鎖の翻訳。(D)HuKIR 1-7F9成熟可変重鎖をコードするヌクレオチド配列。

Claims (25)

  1. 癌を治療するための医薬の製造のための、抗KIR抗体およびインターロイキン-2、インターロイキン-2誘導体またはインターロイキン-2類似体の治療上有効量の使用。
  2. 前記癌が肺癌である、請求項1に記載の使用。
  3. 前記医薬がリタキサンまたはキャンパスを含まない、請求項1または請求項2に記載の使用。
  4. 前記医薬が他のいかなる薬学的に活性な薬剤も含まない、請求項1または請求項2に記載の使用。
  5. 前記抗KIR抗体がDF200と競合する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 前記抗KIR抗体が1-7F9と競合する、請求項1に記載の使用。
  7. 前記使用がヒトインターロイキン-2の使用を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  8. 前記使用がインターロイキン-2変異体または誘導体の使用を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
  9. 前記抗体が1-7F9である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
  10. 前記抗体が1-7F9のVLおよびVHドメインを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  11. 前記抗体が1-7F9のVLおよびVH CDRを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
  12. 抗KIR抗体およびインターロイキン-2、インターロイキン-2誘導体またはインターロイキン-2類似体の有効量を含む薬学的に許容される組成物。
  13. 前記組成物がリタキサンまたはキャンパスを含まない、請求項12に記載の組成物。
  14. 前記組成物が他のいかなる薬学的に活性な薬剤も含まない、請求項12に記載の組成物。
  15. 前記抗KIR抗体がDF200と競合する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  16. 前記抗KIR抗体が1-7F9と競合する、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  17. 前記インターロイキン、インターロイキン類似体またはインターロイキン誘導体がヒトインターロイキン-2である、請求項12〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  18. 前記組成物がインターロイキン-2変異体または誘導体を含む、請求項12〜16のいずれか1項に記載の組成物。
  19. 前記抗体が1-7F9である、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  20. 前記抗体が1-7F9のVLおよびVHドメインを含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  21. 前記抗体が1-7F9のVLおよびVH CDRを含む、請求項12〜14のいずれか1項に記載の組成物。
  22. ウイルス感染を治療するための医薬の製造のための、抗KIR抗体および第二の抗ウイルス薬の治療上有効量の使用。
  23. 前記第二の抗ウイルス薬がインターロイキン-2タンパク質である、請求項22に記載の使用。
  24. 前記ウイルス感染がHCV感染である、請求項22または請求項23に記載の使用。
  25. 前記ウイルス感染がHIV感染である、請求項22または請求項23に記載の使用。
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