JP2008519808A - 膀胱癌治療のためのビタミンd誘導体及び抗増殖薬の併用 - Google Patents

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Abstract

本発明に従い、1種以上の他の抗増殖薬と組合せて有効量のビタミンD化合物を投与することによる、膀胱癌患者を治療する方法が提供される。同じく、ビタミンD化合物の1種以上の他の抗増殖薬と組合せにおける使用、並びにその方法において使用するための組成物も提供される。
【選択図】 なし

Description

(発明の背景)
膀胱癌は、複数の疾患亜型を有する:移行上皮癌(TCC)、扁平上皮癌(SCC)、腺癌。これらの中で、TCCは主であり、全ての膀胱癌の90%を占めている。TCC及びSCCの両方は、非侵襲型又は侵襲型であることができ、これらは集合的に表在性膀胱癌として知られている(Schenkman及びLammの論文、Scientific World Journal., (28):4 Suppl 1:387-99 (2004)参照)。このような癌は、外科的に除去することができる(典型的には経尿道的切除術により)が、再発の傾向が大きい。膀胱癌の発生数は、年齢と共に増大する。70歳以上のヒトは、本疾患を年齢55〜69歳のヒトの2〜3倍発症し、年齢30〜54歳のヒトよりも15〜20倍頻発する。膀胱癌は、女性と比べて男性の方が2〜3倍より一般的である。米国において毎年、男性約38,000名及び女性15,000名が、本疾患と診断されている。膀胱癌は、男性における最も一般的癌型の4位であり、女性における最も一般的癌型の8位である。
前述のように、表在性膀胱癌(superficial bladder cancer)は、外科的に除去することができるが、再発の傾向が大きい(Schenkman及びLammの論文、Scientific World Journal., (28);4 Suppl 1:387-99 (2004)参照)。
ドキソルビシン及びエピルビシンのようなアントラサイクリンは、膀胱癌を治療することがわかっている。アントラサイクリンの投与は、術後の再発のリスクを低下すると考えられているが、これらの化合物は、かなりの全身毒性を有する。毒性は、この薬物の膀胱への直接注入により低下することができるが、これは膀胱が手術によりなんらかの損傷を受けている場合は、依然器官系に侵入し得る。更にこれらの化合物は、投与経路とは無関係に、潜在的に発癌性であると考えられている。
従って、侵襲性疾患の再発又は進行を予防するより安全な治療に関する満たされていない医学的必要性が存在する。
本願明細書に説明されたように、驚くべきことに、ビタミンD化合物が、1種以上の他の抗増殖薬、例えばドキソルビシン又はエピルビシンのようなアントラサイクリン化合物と組合せて使用される場合、これは膀胱癌細胞の増殖を阻害することがわかっており、その結果膀胱癌、特に表在性膀胱癌を治療及び予防することが期待される。
カルシトリオール(1,25ジヒドロキシコレカルシフェロール;ビタミンDの活性ホルモン型)及びそのアナログは、様々な腫瘍細胞株に対し著しい抗-増殖作用を有するが、抗-癌剤としての臨床使用は、高カルシウム血症易罹患性により制限されている。表在性膀胱癌は、抗増殖薬の膀胱内投与により治療可能であり、その結果高濃度のカルシトリオールの使用を可能にし、同時に全身性副作用、例えば高カルシウム血症及び抗-腫瘍免疫応答の下方変調を避けることができるという独自の利点を提供する。動物モデルにおける研究は、膀胱内カルシトリオール投与の表在性膀胱癌に対するわずかな作用のみを示しているので(Konetyらの論文、J. Urol., 165(1): 253-258 (2001)参照)、本発明者らは、カルシトリオールと様々な臨床において使用される抗増殖薬の組合せの有効性を試験した。
高等動物の生物学的システムにおけるビタミンD(コレカルシフェロール)の重要性は、Mellanbyによる1920年のそのことの発見以降認められている(Mellanby, E.の論文、Spec. Rep. Ser. Med. Res. Council (GB) SRS, 61:4 (1921))。1920〜1930年の間に、ビタミンDは、骨格の正常な発達並びにカルシウム及びリンのホメオスタシスの維持に必須である「ビタミン」として正式に分類され始めた。
ビタミンD3代謝に関連する研究は、血漿代謝産物25-ヒドロキシビタミンD3 [25(OH)D3] (Blunt, J.W.らの論文、Biochemistry, 6:3317-3322 (1968))及びホルモン活性型1-アルファ,25(OH)2D3 (Myrtle, J.F.らの論文、J. Biol. Chem., 245:1190-1196 (1970);Norman, A.W.らの論文、Science, 173:51-54 (1971);Lawson, D.E.M.らの論文、Nature, 230:228-230 (1971);Holick, M.F.の論文、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 68:803-804 (1971))の発見及び化学的特徴決定により始まった。ビタミンD内分泌系の概念の製剤は、慎重に調節された様式の1-アルファ,25(OH)2D3(カルシトリオール)生成における腎臓の重要な役割の理解(Fraser, D.R.及びKodicek, E.の論文、Nature, 288:764-766 (1970);Wong, R.G.らの論文、J. Clin. Invest., 51:1287-1291 (1972))、並びに小腸における1-アルファ,25(OH)2D3 の核受容体(VDR)の発見(Haussler, M.R.らの論文、Exp. Cell Res., 58:234-242 (1969);Tsai, H.C.及びNorman, A.W.の論文、J. Biol. Chem., 248:5967-5975 (1972))の両方を基にしている。
ビタミンD内分泌系の操作は、以下の存在によって左右される:第一に、ビタミンD3の生物学的活性代謝産物、例えば1-アルファ,25(OH)2D3及び24R,25(OH)2D3への転換を実現するための、肝臓(Bergman, T.及びPostlind, H.の論文、Biochem. J., 276:427-432 (1991);Ohyama, Y.及びOkuda, K.の論文、J. Biol. Chem., 266:8690-8695 (1991))及び腎臓(Henry, H.L.及びNorman, A.W.の論文、J. Biol. Chem., 249:7529-7535 (1974);Gray, R.W.及びGhazarian, J.G.の論文、Biochem. J., 259:561-568 (1989))、並びに様々な他の組織におけるシトクロムP450酵素の存在;第二に、これらの疎水性分子のビタミンD 内分泌系の様々な組織成分への選択的輸送及び送達を実現するための、血漿ビタミンD結合タンパク質(DBP)の存在(Van Baelen, H.らの論文、Ann. NY Acad. Sci., 538:60-68 (1988);Cooke, N.E.及びHaddad, J.G.の論文、Endocr. Rev., 10:294-307 (1989);Bikle, D.D.らの論文、J. Clin. Endocrinol. Metab., 63:954-959 (1986));並びに、第三に、このセコステロイドホルモンに必須の特異的な生物学的反応を生じるための、アゴニスト1-アルファ,25(OH)2D3と相互作用する多種多様な標的組織における立体選択的受容体の存在(Pike, J.W.の論文、Annu. Rev. Nutr., 11:189-216 (1991))。今日までに、1-アルファ,25(OH)2D3の核受容体(VDR)が、30種よりも多い組織及び癌細胞株において存在することの証拠が存在する(Reichel, H.及びNorman, A.W.の論文、Annu. Rev. Med., 40:71-78 (1989))。
ビタミンD3及びそのホルモン活性型は、周知のカルシウム及びリンのホメオスタシスの調節因子である。これらの化合物は、カルシウム及びリン酸の小腸吸収、骨塩の動員、並びに腎臓におけるカルシウム保持の少なくともひとつを刺激することがわかっている。更に、30種を超える組織における特異的ビタミンD受容体の存在の発見は、ビタミンD3のカルシウム/骨ホメオスタシスにおけるその古典的役割から逸脱した多能性調節因子としての同定につながる。1-アルファ,25(OH)2D3のパラクリンの役割は、ビタミンD3をその活性型、例えば25-(OH)D-1α-ヒドロキシラーゼへ酸化することが可能な酵素、並びに骨、ケラチノサイト、胎盤及び免疫細胞などのいくつかの組織における特異的受容体の存在の組合せにより示唆されている。更にビタミンD3ホルモン及び活性代謝産物は、正常細胞及び悪性細胞の両方において細胞の増殖及び分化を調節することが可能であることがわかっている(Reichel, H.らの論文、Ann. Rev. Med., 40:71-78 (1989))。
ビタミンD3 及びその代謝産物の活性が与えられると、多くの注意が、これらの化合物の合成アナログの開発に集中している。非常に多数のこれらのアナログは、A環、B環、C/D環、及び主に側鎖の構造的修飾に関連している(Bouillon, R.らの論文、Endocr. Rev., 16(2): 200-257 (1995))。今日までに開発されている膨大な数のビタミンD3アナログは、側鎖の構造的修飾に関連しており、わずかな研究がA環ジアステレオマーの生物学的プロファイルを報告している(Norman, A.W.らの論文、J. Biol. Chem., 268 (27): 20022-20030 (1993))。更にステロイドの生物学的エステル化が研究されており(Hochberg, R.B.の論文、Endocr. Rev., 19(3): 331-348 (1998))、ビタミンD3のエステルは公知である(国際公開公報第97/11053号)。
更に、合成アナログの開発に多くの努力が傾けられたにもかかわらず、ビタミンD及びその構造的アナログの臨床適用は、公知のビタミンD化合物の適応/適用に関して対象への投与後にこれらの化合物により誘発される望ましくない副作用により制限されている。
ビタミンDの活性化型であるビタミンD3,及びそのアナログの一部は、細胞増殖及び分化の強力な調節因子として説明されている。ビタミンD3に加えアナログ(アナログV、本願明細書において他所では化合物Bと称される)は、良性前立腺肥大(BPH)の細胞増殖を阻害し、ケラチノサイト増殖因子(KGF)及びインスリン-様増殖因子(IGF1)のようなBPH細胞の強力な増殖因子のマイトジェン活性と逆作用することが先にわかっている。更にこのアナログは、未刺激の及びKGF-刺激の両方のBPH細胞において、bcl-2タンパク質発現、細胞内カルシウム動員、及びアポトーシスを誘導した。
米国特許第5,939,408号及び欧州特許第808833号は、化合物1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(化合物A)を含む、多くの1,25(OH)2D3アナログを開示している。米国特許第5,939,408号及び欧州特許第808833号は、これらの化合物が、様々な皮膚及び癌細胞株において分化及び増殖の阻害を誘導し、並びに過増殖性皮膚疾患、例えば乾癬、新生物形成性疾患、例えば白血病、乳癌、並びに皮脂腺疾患、例えば座瘡及び脂漏性皮膚炎及び骨粗鬆症の治療に有用であることを開示している。
膀胱癌治療のためのビタミンD誘導体及び抗増殖薬の併用を提供する。
(発明の要旨)
ここで本発明者らは驚くべきことに、本願明細書の実施例におてい明らかにされたように、カルシトリオールなどのビタミンDアナログが、例えばドキソルビシン又はエピルビシンなどの1種以上の他の抗増殖薬と組合せて使用した場合に、膀胱癌細胞の増殖を阻害する作用があることを発見し、従って膀胱癌の治療に有用であると予想されることを認めている。
より詳細に述べると、ビタミンD化合物と他の抗増殖薬との間には相乗的相互作用があり、これは他の抗増殖薬の所定の投与量でより大きい効能の実現を低下する可能性、又は他の抗増殖薬のより低い投与量と同様の効能を実現する可能性をもたらすことが明らかである。これは、アントラサイクリンのような抗増殖薬の毒性の問題の観点で、患者に最も恩恵がある。
使用されるビタミンD化合物は、例えばカルシトリオール、又はビタミンD3アナログ、例えば1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールであることができる。他のビタミンD化合物は、実施例51の表1のものを含む。
この抗増殖薬は、細胞増殖抑制剤、例えばアントラサイクリン化合物、例として、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アナマイシン、メトキシモルホリノドキソルビシン、シアノモルホリニルドキソルビシン、バルルビシン(N-トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩)、又はミトキサントロン及び他のアントラサイクリン又はそれら各々のアナログであることができる。
従って本発明は、膀胱癌及び関連症状の予防又は治療のために、そのような化合物を使用する新規治療方法における、例えばアントラサイクリンのような1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物の使用を提供する。
従って本発明は、例えばアントラサイクリンのような1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物、並びに膀胱癌の予防又は治療のためのそのような組合せを使用する新規治療方法を提供する。より詳細に述べると、本発明は、膀胱癌の予防及び/又は治療用医薬品の製造のための1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物の使用を提供する。
また、本発明は、膀胱癌を予防及び/又は治療するために、例えばアントラサイクリンのような1種以上の他の抗増殖薬と組合せてビタミンD化合物を有効量投与することによる、膀胱癌を予防及び/又は治療する方法を提供する。
本発明は更に、ビタミンD化合物と、膀胱癌の予防又は治療が必要な患者に例えばアントラサイクリンのような1種以上の他の抗増殖薬を組合せたビタミンD化合物を投与し、これにより該患者の膀胱癌を予防又は治療することを指示する添付文書とを共に含むキットも提供する。
(本発明の詳細な説明)
(I. 定義及び考察)
本発明の更なる説明の前に、本発明をより容易に理解するために、最初にある用語を、便宜上ここにまとめるて定義する。
「膀胱癌」は、膀胱内の悪性腫瘍成長を意味する。膀胱癌は通常、膀胱の移行細胞(膀胱の内層細胞)から生じる。膀胱癌は、いくつかの疾患亜型を含む:移行上皮癌(TCC)、扁平上皮癌(SCC)、腺癌。TCC及びSCCの両方は、非侵襲型又は侵襲型であることができ、これらは集合的に表在性膀胱癌として知られている理論と結びつけることを欲するものではないが、本発明者らは、本発明は特に表在性膀胱癌を治療することができると考えている。表在性膀胱腫瘍には下記の3種の認められた「亜段階」が存在し:
−Ta−尿路上皮(膀胱の内層)に限定された乳頭状腫瘍
−T1−下側の固有層(lamina propria)を侵襲している乳頭腫瘍
−Tcis(原位置癌腫で、TIS、CISとも記される)−尿路上皮に限定された高度の組織学的特徴を伴う平坦な赤化した病巣
これらに、本発明の方法、組成物及びキットが適用可能である。
用語「他の抗増殖薬」は、ビタミンD化合物以外の抗増殖薬(それ自身抗増殖特性を示すことができる)を意味する。一般に本発明の抗増殖薬は、細胞増殖抑制剤である。抗増殖薬は好ましくは、アントラサイクリン化合物、例えばドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アナマイシン、メトキシモルホリノドキソルビシン、シアノモルホリニルドキソルビシン、バルルビシン(N-トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩)、又はミトキサントロン並びに他のアントラサイクリン又はそれらの各々のアナログである。別の例は、エピダウノマイシン(epidaunomycin)である。特に関心のある抗増殖化合物のひとつは、ドキソルビシンである。ドキソルビシンは、抗新生物治療において長く使用されており、総説は、Arcamone編集の「ドキソツビシン(Doxorubicin)」(Acad. Press, ニューヨーク 1981)に見ることができる。ドキソルビシンの重篤な副作用は、頻発する不可逆的心筋症の発生である。別の特に関心がある抗増殖化合物は、エピルビシンである。エピルビシンは、ドキソルビシンと比べ、薬理学的特徴に利点を有することがわかっており、これは同等の抗腫瘍活性を示すが、副作用はより少ない(R. B. Weissらの論文、Cancer Chemother. Pharmacol. 18, 185-97(1986))。抗増殖薬は、例えばリポソームドキソルビシンのように、製剤においてリポソーム性であることもできる。当該技術分野において公知の他のアントラサイクリン化合物も、本発明の範囲内に考慮され、これらは例えば、Farquharらの論文(J Med Chem., 41(6): 965-72 (1998))、Rhoらの論文(Bull. Korean Chem. Soc., 22(9):963-968 (2001))により説明されたもの、Ingeらにより説明されたWP744、WP769、WP631(J Surg Res., 121(2):187-96 (2004))、及びBosらにより説明されたMEN-10755 (Cancer Chemother Pharmacol., 54(1): 64-70 (2004))である。
アントラサイクリン化合物の活性と結びつけた更なる参考文献は、以下を含む:「ドキソルビシン。抗癌、抗生物質(Doxorubicin. Anticancer Antibiotics)」, Federico Arcamone, 1981、Academic Press刊行、ニューヨーク、NY;「アドリアマイシン総説(Adriamycin Review)」, EROTC International Symposium、ブリュッセル、1974年5月、M. Staquet編集、Eur. Press Medikon刊行、ゲント、ベルギー;及び、「アドリアマイシン治療の結果(Results of Adriamycin Therapy)」, Adriamycin Symposium at Frankfurt/Main 1974年、M. Ghione, J. Fetzer及びH. Maier編集、Springer刊行、ニューヨーク、NY。
用語「投与」又は「投与する」は、ビタミンD化合物を、それらの意図された機能を実現するために対象へ導入する経路を含む。使用され得る投与経路の例は、注射(皮下、静脈内、非経口、腹腔内)、経口、吸入、経直腸、経皮、又は本発明の好ましい実施態様において、経膀胱(膀胱内)注入である。
これらの医薬調製物は当然、各投与経路に適した形で投与される。例えばこれらの調製物は、錠剤又はカプセル剤の形で経口的に、注射、吸入により、ローションもしくは軟膏として局所的に、坐薬として経直腸的になどで投与することができる。この注射は、ボーラスであることができるか、又は連続点滴であることができる。投与経路に応じて、ビタミンD化合物は、その意図された機能を実行するその能力に不利益に作用する自然条件からそれを保護するために、選択された物質でコートされるか又はその内部に配置され得る。ビタミンD化合物は、細胞増殖抑制剤、例えばアントラサイクリン化合物、例としてドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アナマイシン又はミトキサントロン及び他のアントラサイクリンもしくはそれらの各アナログと併用して、又は医薬として許容し得る担体と併用して、又は両方と併用して投与される。ビタミンD化合物は、抗増殖薬の投与前、抗増殖薬と同時に、又は抗増殖薬の投与後に投与することができる。ビタミンD化合物は、1種以上の抗増殖薬又は他のビタミンD化合物を組合せた調製物において投与され得、かつ1種以上の抗増殖薬は、個別の調製物において投与されてもよい。ビタミンD化合物は、1種以上の抗増殖薬又は他のビタミンD化合物と同じ経路で投与され得、かつ1種以上の抗増殖薬は、異なる経路で投与されてもよい。更にビタミンD化合物は、その活性代謝産物、又はより活性のある代謝産物へin vivoにおいて転換される、代用形(pro-form)で投与することもできる。
ビタミンD化合物及び1種以上の他の抗増殖薬の組合せは、他の公知の膀胱癌治療、例えば膀胱内BCG免疫療法と、同時又は逐次に併用投与されてもよい(Schenkman及びLammの論文、Scientific World Journal., (28); 4 Suppl 1:387-99 (2004)参照)。
用語「有効量」は、望ましい結果を実現するのに必要な、すなわち膀胱癌の治療に十分な、用量及び期間での有効な量を含む。ビタミンD化合物及び/又は抗増殖薬の有効量は、対象の病態、年齢及び体重、並びに対象における望ましい反応を誘起するビタミンD化合物及び/又は抗増殖薬の能力などの要因に応じて変動することができる。用量用法は、最適な治療反応を提供するように調節され得る。また、有効量は、ビタミンD化合物及び/又は抗増殖薬の毒性作用又は有害作用(例えば副作用)を治療的恩恵のある作用が上回る量でもある。
用語「治療する」又は「治療」は、例えば1種以上の下記作用を含む、抗新生物性作用を引き起こすことを意味する:細胞周期停止及びアポトーシス誘導に関連した増殖の阻害、細胞分化の誘導、侵襲の低下及び血管新生の阻害である。用語「治療する」は、膀胱癌の再発のリスクを低下するための、術後の使用も含むと理解されるであろう。
当業者は、ビタミンD化合物が、ヒト又は動物用医薬品において使用することができることを認めるであろう。ビタミンD化合物は、ヒト患者の治療において使用されることが、好ましい。
ビタミンD化合物の治療的有効量(すなわち、有効用量)は、約0.001〜30μg/kg体重、好ましくは約0.01〜25μg/kg体重、より好ましくは約0.1〜20μg/kg体重、更により好ましくは約1〜10μg/kg、2〜9μg/kg、3〜8μg/kg、4〜7μg/kg、又は5〜6μg/kg体重の範囲であって良い。当業者は、疾患又は障害の重症度、先行する治療、対象の全身の健康状態及び/又は年齢、並びに他の疾患の存在を含むが、これらに限定されるものではない、ある種の要因が、対象を効果的に治療するために必要な用量に影響を及ぼすことを理解するであろう。加えて、投与される投与量は、使用される特定のビタミンD化合物により左右され、各化合物の有効量は、当該技術分野において公知の滴定法により決定され得る。更に治療的有効量のビタミンD化合物による対象の治療は、単回治療を含むことができ、又は好ましくは連続治療を含むことができる。一例として、対象は、6ヶ月以上の期間、例えば症状の管理及び状態の進展に応じて一生を通じて、1日1回、約0.1〜20μg/kg体重の範囲のビタミンD化合物で治療される。同じく、他の慢性治療のように、「オン-オフ」又は間欠式治療様式を考慮することができる。治療に使用されるビタミンD化合物の有効量は、特定の治療の過程で増加又は減少することができることも理解されるであろう。
用語「アルキル」は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを意味する。用語アルキルは更に、炭化水素骨格の1個以上の炭素の代わりに酸素、窒素、イオウ又はリン原子を更に含むことができるアルキル基を含む。好ましい実施態様において、直鎖又は分枝鎖のアルキルは、その骨格に30個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてC1-C30、分枝鎖についてC3-C30)を含み、好ましくは26個以下、より好ましくは20個以下、例えば1〜6個の炭素原子、例えば1〜4個の炭素原子を有する。アルキル基の例を挙げると、メチル、エチル、プロピル(例えば、n-プロピル、i-プロピル)及びブチル(例えば、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル)がある。同様に好ましいシクロアルキルは、それらの環構造内に3〜10個の炭素原子を有し、より好ましくはそれらの環構造内に3、4、5、6又は7個の炭素を有する。
更に本願明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される用語アルキルは、「非置換のアルキル」及び「置換アルキル」の両方を含むことが意図されており、後者は炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素原子と置き換わる置換基を有するアルキル部分を意味する。このような置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート(カルボン酸塩又はエステル)、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート(リン酸塩又はエステル)、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート(チオカルボン酸塩又はエステル)、スルフェート(硫酸塩又はエステル)、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。炭化水素鎖上の置換された部分が、それら自身適宜置換され得ることは、当業者に理解されるであろう。シクロアルキルは、例えば先に説明された置換基により、更に置換することができる。「アルキルアリール」部分は、アリールで置換アルキル(例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。用語「アルキル」は、先に説明されたアルキルに長さ及び可能な置換が類似しているが、少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪族基も含む。
炭素の数が特に指定されない場合は、本願明細書において使用される「低級アルキル」は、先に定義されているものであるが、直鎖又は分枝鎖であることができる、その骨格に1〜10個の炭素、より好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。低級アルキル基の例を挙げると、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、tert-ブチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルなどがある。好ましい実施態様において、用語「低級アルキル」は、その骨格に4個以下の炭素原子を有する直鎖アルキル、例えばC1-C4アルキルを含む。
用語「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル」は、先に説明されたものであり、更に炭化水素骨格の1個以上の炭素の代わりに酸素、窒素又はイオウ原子を含むアルキル基を意味する。
本願明細書で説明された用語「アリール」は、例えば、O、N及びSから選択された0〜4個のヘテロ原子を含むことができる5-及び6-員の単環芳香族基を含む、アリール基のラジカルを意味し、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどである。アリール基は、ナフチル、キノリル、及びインドリルなどのような、多環式縮合芳香族基(好ましくは9〜10員)も含む。更なる例は、ベンゾオキサゾール及びベンゾチアゾールを含む。これらの環構造にヘテロ原子を有するアリール基は、「アリール複素環」、「ヘテロアリール」、又は「ヘテロ芳香族」とも称される。これらの芳香族環は、先に説明されたような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などにより、1つ以上の環位置で置換され得る。アリール基は、多環(例えばテトラリン)を形成するために、芳香族でない脂環式又は複素環と縮合されるか又は架橋され得る。
用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、先に説明されたアルキルに長さ及び可能な置換が類似しているが、各々、少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪族基を意味する。例えば本発明は、シアノ基及びプロパルギル基を企図している。
用語「キラル」は、鏡像対と重ならない特性を有する分子を意味するが、用語「アキラル」は、それらの鏡像対と重なり得る分子を意味する。
用語「異性体」又は「立体異性体」は、同じ化学構成を有するが、空間の原子又は基の配置が異なる化合物を意味する。
用語「ジアステレオマー」は、2個以上の不斉中心を持ち、その分子が互いに鏡像でない立体異性体を意味する。
用語「エナンチオマー」は、互いに鏡像が重ならない化合物の2種の立体異性体を意味する。2種のエナンチオマーの等モル混合物は、「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」と称される。
本願明細書において使用される用語「ハロゲン」は、-F、-Cl、-Br又は-Iを意味し;用語「スルフヒドリル」又は「チオール」は、-SHを意味し;用語「ヒドロキシル」は、-OHを意味する。
用語「ハロアルキル」は、ハロゲンにより一-、二-又は多置換された先に説明されたアルキル基、例えば、フルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルを含むことが意図される。
用語「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシにより一-、二-又は多置換された先に説明されたアルキル基、例えばヒドロキシメチル又は2-ヒドロキシエチルを含むことが意図される。
本願明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、イオウ及びリンであり、特にN、O及びSである。
本願明細書において使用される「注入する」、「注入された」、「注入」は、以下の1種以上を意味する:滴下、1滴ずつ注ぐ、段階的に与える、ゆっくり点滴する(例えば膀胱内溶液の緩徐な点滴)。
本願明細書において使用される「膀胱内」は、膀胱の内側を意味する。そのように「膀胱内注入」、「膀胱内療法」、「注入する」及び「注入」は、膀胱へ直接投与される溶液を意味する。一部の実施態様において、注入は、カテーテルを介する。更に「膀胱内溶液」、「膀胱内作用物質」、「膀胱内療法」及び「膀胱内化合物」は、膀胱へ投与することができる治療を意味する。例えば1つの実施態様において、膀胱内作用物質は、ビタミンD受容体アゴニスト、例えばカルシトリオールである。別の実施態様において、膀胱内作用物質は、アントラサイクリン、例えばドキソルビシン又はエピルビシンである。1つの実施態様において、膀胱内療法は、経口及び膀胱内作用物質の組合せである。本発明は、経口及び膀胱内作用物質の組合せに限定されることは意図されていない。例えば1つの実施態様において、膀胱内療法は、膀胱内作用物質である。別の実施態様において、膀胱内療法は、膀胱内作用物質の組合せ、例えばカルシトリオールと、ドキソルビシン又はエピルビシンのいずれかとの組合せである。
用語「多環式」又は「多環式ラジカル」は、2個以上の炭素が、例えばその環が「縮合環」である、2個の隣接する環で共有されている、2個以上の環式環 (例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/又はヘテロシクリル)のラジカルを意味する。非隣接原子により連結された環は、「架橋された」環と称される。多環式の各環は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などである先に説明されたような置換基により置換することができる。
用語「単離された」又は「実質的に精製された」は、本願明細書において互換的に使用され、及び非天然状態のビタミンD化合物(例えば、ビタミンD3化合物)を意味する。これらの化合物は、天然に生成された場合に細胞材料もしくは培養培地を、又は化学合成された場合に化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないことができる。ある好ましい実施態様において、用語「単離された」又は「実質的に精製された」は、エナンチオマーの一方を実質的に欠いているキラル化合物の調製物も意味し;すなわち、分子のエナンチオマーが豊富な又は非-ラセミ調製物である。同様に用語「単離されたエピマー」又は「単離されたジアステレオマー」は、他の立体化学型を実質的に含まないキラル化合物の調製物を意味する。例えば単離された又は実質的に精製されたビタミンD3化合物は、アルファ-立体配座でA環の3位でキラル炭素に結合された置換基を有する立体異性体が豊富な、従ってベータ-立体配座を有する他の異性体を実質的に欠いているビタミンD3の合成又は天然の調製物を含む。特に指定しない限りは、このような用語は、アルファ型対ベータ型の重量比が1:1よりも大きいビタミンD3組成物を意味する。例えばアルファ-エピマーの単離された調製物は、アルファ-エピマーをベータ-エピマーに対し50重量%よりも多く、より好ましくは少なくとも75重量%、更により好ましくは少なくとも85重量%有する調製物を意味する。当然、豊富さ(enrichment)は、85%よりもはるかに大くなることができ、これは「実質的にエピマー-豊富な」調製物、すなわちベータ-立体異性体に対して90%よりも多い、更により好ましくは95%よりも多いアルファ-エピマーを有する化合物の調製物を提供する。用語「ベータ立体異性体を実質的に非含有」は、同様の純度範囲を有することが理解されるであろう。
本願明細書において使用される用語「ビタミンD化合物」は、膀胱癌の治療又は予防が可能であるビタミンD又はそれらのアナログである任意の化合物を含む。一般にビタミンD受容体のリガンド(VDRリガンド)であり、膀胱癌の治療又は予防が可能である化合物は、本発明の範囲内であると考えられる。ビタミンD化合物は好ましくは、ビタミンD受容体のアゴニストである。従ってビタミンD化合物は、セコステロイドを含むことが意図される。本発明の方法における使用に適した特定のビタミンD化合物の例は、更に本願明細書において説明されている。ビタミンD化合物は、ビタミンD2化合物、ビタミンD3化合物、それらの異性体、又はそれらの誘導体/アナログを含む。好ましいビタミンD化合物は、ビタミンD受容体のリガンドである(より好ましくはアゴニストである)ビタミンD3化合物である。好ましくはビタミンD化合物(例えばビタミンD3化合物)は、天然のリガンド(すなわち、ビタミンD、例えばビタミンD3)よりもより強力なビタミンD受容体のアゴニストである。ビタミンD1 化合物、ビタミンD2化合物及びビタミンD3化合物は、各々、ビタミンD1、D2、D3及びそれらのアナログを含む。ビタミンD化合物の他の例は、実施例51の表1に示されたものを含む。
ある実施態様において、ビタミンD化合物は、セコステロイド、例えば、カルシオール、カルシジオール又はカルシトリオールなどの、ステロイドであることができる。
用語「セコステロイド」は、当該技術分野において認められており、ステロイド環構造のシクロペンタノペルヒドロ-フェナントレン環の1つが破壊された化合物を含む。例えば、1-アルファ, 25(OH)2D3及びそれらのアナログは、ホルモン活性のあるセコステロイドである。ビタミンD3の場合、B-環の9〜10個の炭素-炭素結合が破壊され、セコ-B-ステロイドを生成する。ビタミンD3の公式のIUPAC名は、9,10-セココレスタ-5,7,10(19)-トリエン-3B-オールである。便宜上、全ての炭素原子が標準のステロイド表記法を用いて番号づけされた1-アルファ, 25(OH)2D3の6-s-trans配座異性体をここに示す。
Figure 2008519808
ここで示された式において、A環上の様々な置換基は、これらの表記法のひとつにより、ステロイド核への連結として記されている:点線(----)は、ベータ-配向(すなわち、環平面の上側)の置換基を示し、黒楔状の線(▼)は、アルファ-配向(すなわち、分子の環平面の下側)の置換基を示し、又は波線(〜〜〜)は、環平面の上側又は下側のいずれかである置換基を示す。環Aに関して、ビタミンD分野における立体化学慣習は、点線はアルファ-配向(すなわち、分子の環平面の下側)であるA環の置換基を示し、黒楔状の線はベータ-配向(すなわち、環平面の上側)であるA環の置換基を示す、一般的化学分野とは反対であることは理解されるべきである。
更に炭素-炭素二重結合にまたがる立体化学の表示も、「Z」は「cis」(同側)立体配座を意味することが多く、「E」は「trans」(対側)立体配座を意味することが多い点で、一般的化学分野とは反対である。示されたように、ホルモン1-アルファ,25(OH)2D3のA環は、炭素1及び3にふたつの不斉中心を含み、各々は、良く特徴付けられた立体配置のヒドロキシル基、すなわち1-アルファ-及び3-ベータ-ヒドロキシル基を含む。別の表現をすると、A環の炭素1及び3は、「キラル炭素」又は「キラル炭素中心」と称される。とにかくcis/trans及び/又はZ/Eも両立体配置は、本発明において使用する化合物について企図されている。
キラル中心の命名法に関して、用語「d」及び「l」立体配置は、「IUPAC Recommendations」により定義されている。用語ジアステレオマー、ラセミ、エピマー及びエナンチオマーの使用において、これらは、調製物の立体化学を説明するために、それらの通常の状況において使用されるであろう。
同じく本願明細書を通じて、ビタミンD化合物のA環は、下記構造のいずれか1つの一般式を示すことが多い:
Figure 2008519808
(式中、X1及びX2は、H又は=CH2として規定される。);又は
Figure 2008519808
(式中、X1及びX2は、H2又はCH2として規定される。)。
いずれの慣習であるかは明らかではないが、当業者は、式I又はIIのいずれかは、以下のように例えばX1は=CH2及びX2はH2と規定されるA環を表すことを理解することは明らかである:
Figure 2008519808
本発明の目的ために、式IIは、全ての一般的構造で使用されるであろう。
従って1つの態様において、本発明は、膀胱癌の予防又は治療において1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物の使用を提供する。これは、膀胱癌の予防又は治療において使用するために1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物を提供する。有効量のビタミンD化合物を1種以上の他の抗増殖薬と組合せて投与することによる、膀胱癌の患者を治療するか又は膀胱癌を予防する方法も提供される。より特定すると、有効量のビタミンD化合物を1種以上の他の抗増殖薬と組合せて投与し、これにより該患者において膀胱癌を予防又は治療することによる、それが必要な患者における、膀胱癌の予防又は治療の方法が提供される。該方法は典型的には更に、ビタミンD化合物を入手する工程又は合成する工程を含む。ビタミンD化合物は通常、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に医薬組成物において配合される。1種以上の他の抗増殖薬は通常、医薬組成物中に、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に配合される。ビタミンD化合物及び1種以上の抗増殖薬は、医薬組成物中に個別に又は一緒に、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と共に配合される。更に膀胱癌の予防又は治療のための医薬品の製造における、1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物の使用が提供される。特にビタミンD化合物及び1種以上の抗増殖薬が、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に医薬組成物中に配合される場合に、膀胱癌の予防又は治療を必要とする患者へのビタミンD化合物及び1種以上の抗増殖薬の投与、それによる該患者における膀胱癌の予防又は治療を指示する添付文書と共にビタミンD化合物を含むキットも提供される。
1つの実施態様において、本発明において使用されるビタミンD化合物は、式Iの化合物を含む:
Figure 2008519808
(式中、Xは、ヒドロキシル又はフルオロであり;
Yは、H2又はCH2であり;
Z1及びZ2は、H又は式IIにより表された置換基であり、但しZ1及びZ2は異なり:
Figure 2008519808
(ここで、Z3は、前記式Iを表し;
Aは、単結合又は二重結合であり;
R1、R2及びZ4は、各々独立して、水素原子、アルキル、又は式IIIで表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖であり、但しR1、R2及びZ4の少なくともひとつは、式IIIで表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖であり、並びに但しR1、R2及びZ4の全ては、式IIIで表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖ではなく:
Figure 2008519808
(ここで、Z5は、先に説明された式IIを表し;
A2は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
A3は、単結合又は二重結合であり;並びに
R3及びR4は、各々独立して、水素原子、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルであり;並びに、R5は、水素原子、H2又は酸素である。)。)。)。
従って前記構造(及び以下の対応する構造)において、A2が三重結合を表す場合、R5は存在しない。A2が二重結合を表す場合、R5は水素原子を表す。A2が単結合を表す場合、R5は、カルボニル基又は2個の水素原子である。
別の実施態様において、本発明で使用されるビタミンD化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2008519808
(式中、X1及びX2は、H2 又はCH2,であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
Aは、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
A3は、単結合又は二重結合であり;
R1及びR2は、水素原子、C1-C4アルキル又は4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルであり、ここでR1及びR2は両方とも水素原子ではなく;
R5は、水素原子、H2又は酸素であり;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル又はトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;並びに
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル又はトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルである。)。例えば、R1及びR2は、水素原子又はC1-C4アルキルを表し、ここでR1及びR2は、両方とも水素原子ではない。
前記構造の化合物の例は、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-インコレカルシフェロール(本願明細書の別所では「化合物B」と称される)である。
更に別の実施態様において、本発明において使用されるビタミンD化合物は、下記式の「ジェミニ(gemini)」化合物である:
Figure 2008519808
(式中、X1は、H2又はCH2であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロメチル又はトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル又はトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;並びに
C20の立体配置は、R又はSである。)。
前記構造のジェミニ化合物の例は、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2008519808
この化合物の合成は、その全体が本願明細書に引用により組入れられている、国際公開公報第98/49138号に開示されてる。
別の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2008519808
(式中、Aは、単結合又は二重結合であり;
R1及びR2は、各々独立して、水素原子、又はアルキル、例えばメチルであり;
R3及びR4は、各々独立して、アルキルであり;並びに
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
更なる実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2008519808
(式中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、又はアルキル、例えばメチルであり;
R3は、アルキル、例えばメチルであり、
R4は、アルキル、例えばメチルであり;並びに
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
本発明の特定の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、以下からなる群から選択される:
Figure 2008519808
別の本発明の特定の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、以下からなる群から選択される:
Figure 2008519808
更なる特定の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、以下からなるジェミニ化合物の群から選択される:
Figure 2008519808
更に本発明の別の特定の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、下記式のジェミニ化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグである:
Figure 2008519808
(式中、X1は、H2又はCH2であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
R1、R2、R3及びR4は、各々独立してC1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロメチル又はトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;
Zは、-OH、=O、-NH2又は-SHであり;
C20の立体配置は、R又はSである。)。この式の化合物は、C20での2個のアルキル鎖の存在のために、「ジェミナルビタミンD3」化合物と称される。
Zは典型的には、-OHを表してもよい。
更なる実施態様において、X1は、CH2である。別の実施態様において、A2は、単結合である。別のものにおいて、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルである。更なる実施態様において、Zは-OHである。化合物のセットの例において、X1は、CH2であり;A2は、単結合であり;R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;並びに、Zは-OHである。より更なる実施態様において、R1、R2、R3及びR4は、各々メチルである。
更なる本発明の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、下記式のジェミニ化合物である:
Figure 2008519808
前述の化合物2及び3の化学名は、以下である:1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール;及び、1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロールである。
ジェミニ化合物の追加の実施態様は、本発明で使用するための下記ビタミンD化合物を含む:
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-20S-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
更なる本発明の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、下記式の化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである:
Figure 2008519808
(式中、X1及びX2は、各々独立して、H2又はCH2であり、但しX1及びX2は両方とも=CH2ではなく;
R1及びR2は、各々独立してヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル又はOC(O)フルオロアルキルであり;
R3及びR4は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキルもしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;並びに
R5及びR6は、各々独立してC1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキルである。)。
R3及びR4は好ましくは、各々独立して、水素原子及びC1-C4アルキルから選択されるであろう。
化合物のセットの一例において、R5及びR6は、各々独立してC1-C4アルキルである。
化合物のセットの別の例において、R5及びR6は、各々独立してハロアルキル、例えばC1-C4フルオロアルキルである。R3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する場合、その例はシクロプロピルがある。
1つの実施態様において、X1及びX2は、各々H2である。別の実施態様において、R3は、水素原子であり、R4は、C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R4は、メチルである。
別の実施態様において、R5及びR6は、各々独立して、メチル、エチル、フルオロメチル又はトリフルオロメチルである。好ましい実施態様において、R5及びR6は、各々メチルである。
更に別の実施態様において、R1及びR2は、各々独立して、ヒドロキシル又はOC(O)C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R1及びR2は、各々OC(O)C1-C4アルキルである。別の好ましい実施態様において、R1及びR2は、各々アセチルオキシである。
このような化合物の例は、下記構造を有する1,3-O-ジアセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2008519808
別の本発明の実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、2-メチレン-19-ノル-20(S)-1-アルファ-ヒドロキシビタミンD3である:
Figure 2008519808
この化合物の合成は、国際公開公報第02/05823号及び米国特許第5,536,713号に開示されており、これらはそれらの全体が本願明細書に引用により組入れられている。
特に関心のある実施態様を説明する、別の本発明の実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、式Iの化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである:
Figure 2008519808
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H2又はCH2であり、但しX1及びX2は、両方ともCH2ではなく;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル(OAcを含む)、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、各々独立してC1-4アルキル又はハロアルキルであり;並びに
R8は、H、-COC1-C4アルキル(例えばAc)、-COヒドロキシアルキル又は-COハロアルキルである。)。
R3及びR4が、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する場合、その例はシクロプロピルである。
R8は、典型的にはH又はAcを表すことができる。
1つの実施態様において、A1は、単結合であり、及びA2は、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である。別の実施態様において、A1は、二重結合であり、及びA2は、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である。当業者は、A2が三重結合である場合、R5は存在しないことを、容易に理解するであろう。
1つの実施態様において、X1及びX2は、各々Hである。別の実施態様において、X1はCH2であり、及びX2はH2である。
別の実施態様において、R3は、水素原子であり、R4は、C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R4はメチルである。
化合物セットの別の例において、R1及びR2は両方ともOAcを表す。
化合物の例の1つのセットにおいて、R6及びR7は、各々独立してC1-4アルキルである。化合物の例の別のセットにおいて、R6及びR7は、各々独立してハロアルキルである。別の実施態様において、R6及びR7は、各々独立して、メチル、エチル又はフルオロアルキルである。好ましい実施態様において、R6及びR7は、各々トリフルオロアルキル、例えばトリフルオロメチルである。
典型的には、R5は水素原子を表す。
従ってある実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、I-a、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグで表される:
Figure 2008519808
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2は両方とも=CH2ではなく;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、各々独立してハロアルキルであり;及び
R8は、H、C(O)C1-C4アルキル、C(O)ヒドロキシアルキル、又はC(O)ハロアルキルである。)。
前述の式I-aの化合物の例は、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(「化合物C」)である:
Figure 2008519808
別の好ましい実施態様において、R1及びR2は各々OAcであり;A1は、二重結合であり;A2は、三重結合であり;並びに、R8は、H又はAcのいずれかであり、例えば下記化合物である:
Figure 2008519808
先に説明した式Iのある実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、式I-bにより表される:
Figure 2008519808
先に説明した式I-bの別の例の化合物は、以下を含む:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R-26-トリフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロールである。
先に説明した式Iのある別の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、式I-cで表される:
Figure 2008519808
先に説明した式I-bのある別の化合物は、以下を含む:
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール;及び
1,3-Dd-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール。
別の好ましい実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2008519808
(式中、Xは、H2又はCH2であり;
R1は、水素原子、ヒドロキシ又はフッ素であり;
R2は、水素原子又はメチルであり;
R3は、水素原子又はメチルであり、R2又はR3がメチルである場合、R3又はR2は、水素原子でなければならず;
R4は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり;
R5は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり;
Aは、単結合又は二重結合であり;並びに
Bは、単結合、E-二重結合、Z-二重結合又は三重結合である。)。
特に好ましい化合物において、R4及びR5の各々は、メチル又はエチルであり、例えば下記式を有する、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(下記実施例の化合物A)である:
Figure 2008519808
このような化合物は、米国特許第5,939,408号及び欧州特許第808833号に開示されており、これらの内容は全体が本願明細書に引用により組入れられている。本発明は、化合物Aのエステル及び塩の使用も包含している。エステルは、体内で加水分解され、化合物Aを放出する、医薬として許容し得る不安定なエステルであってよい。化合物Aの塩は、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンにより形成される付加物及び錯体、並びにナトリウム、カリウム及びカルシウムのイオンなどの金属イオン塩、及び塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩を含む。しかし化合物Aは、それらの医薬として許容し得る塩又はエステルとして投与することができるが、好ましくは化合物Aは、そのまま使用され、すなわちそれらのエステル又は塩としては使用されない。
他の好ましい本発明で使用するビタミンD化合物は、式I-aを有するものである:
Figure 2008519808
(式中、Bは、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立してH2又はCH2であり、但しX1及びX2は、両方ともCH2ではなく;並びに
R4及びR5は、各々独立してアルキル又はハロアルキルである。)。
式I-aの化合物は、以下を含む:
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロピル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール:
Figure 2008519808
本発明の別のビタミンD化合物は、1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロールである。
先に示された構造を有する化合物の使用は、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグに拡大される。前段に例が示されている。
特に関心のあるビタミンD化合物は、カルシトリオールである。
ビタミンD受容体アゴニストである本発明で使用する化合物の他の例は、パリカルシトール(ZEMPLAR(商標))(米国特許第5,587,497号参照)、タカルシトール(BONALFA(商標))(米国特許第4,022,891号参照)、ドキセルカルシフェロール(HECTOROL(商標))(Lamらの論文、(1974) Science 186, 1038参照)、マキサカルシトール(OXAROL(商標))(米国特許第4,891,364号参照)、カルシポトリオール(DAIVONEX(商標))(米国特許第4,866,048号参照)、及びファレカルシトリオール(FULSTAN(商標))を含む。
他の化合物は、エカルシデン(ecalcidene)、カルシチアゾール(calcithiazol)及びチソカルシテート(tisocalcitate)を含む。他の化合物は、アトカルシトール(atocalcitol)、レクサカルシトール(lexacalcitol)及びセオカルシトール(seocalcitol)である。関心を持つ可能性のある他の化合物は、セカルシフェロール(OSTEO D)である。本発明で使用することができるビタミンD化合物の他の非限定的例は、以下の国際公開公報に開示されたもの:WO 01/40177、WO0010548、WO0061776、WO0064869、WO0064870、WO0066548、WO0104089、WO0116099、WO0130751、WO0140177、WO0151464、WO0156982、WO0162723、WO0174765、WO0174766、WO0179166、WO0190061、WO0192221、WO0196293、WO02066424、WO0212182、WO0214268、WO03004036、WO03027065、WO03055854、WO03088977、WO04037781、WO04067504、WO8000339、WO8500819、WO8505622、WO8602078、WO8604333、WO8700834、WO8910351、WO9009991、WO9009992、WO9010620、WO9100271、WO9100855、WO9109841、WO9112239、WO9112240、WO9115475、WO9203414、WO9309093、WO9319044、WO9401398、WO9407851、WO9407852、WO9408958、WO9410139、WO9414766、WO9502577、WO9503273、WO9512575、WO9527697、WO9616035、WO9616036、WO9622973、WO9711053、WO9720811、WO9737972、WO9746522、WO9818759、WO9824762、WO9828266、WO9841500、WO9841501、WO9849138、WO9851663、WO9851664、WO9851678、WO9903829、WO9912894、WO9915499、WO9918070、WO9943645、WO9952863、以下の米国特許に開示されたもの:US3856780、US3994878、US4021423、US4026882、US4028349、US4225525、US4613594、US4804502、US4898855、US5039671、US5087619、US5145846、US5247123、US5342833、US5428029、US5451574、US5612328、US5747479、US5804574、US5811414、US5856317、US5872113、US5888994、US5939408、US5962707、US5981780、US6017908、US6030962、US6040461、US6100294、US6121312、US6329538、US6331642、US6392071、US6452028、US6479538、US6492353、US6537981、US6544969、US6559138、US6667298、US6683219、US6696431、US6774251、並びに以下の米国特許出願に開示されたもの:US2001007907、US2003083319、US2003125309、US2003130241、US2003171605、US2004167105を含む。
本発明の化合物の一部の構造は、不斉炭素原子を含むことは注目されるであろう。従って、そのような不斉から生じる異性体(例えば、全エナンチオマー及びジアステレオマー)は、別に指摘しない限りは、本発明の範囲内に含まれることは理解されるべきである。このような異性体は、古典的分離技術によるか及び/又は立体化学的に管理された合成により、実質的に純粋な形で得ることができる。
化合物の好ましい立体化学は、本願明細書に明らかにされた構造により完全に表される。
天然の又は合成の異性体は、当該技術分野において公知のいくつかの方法で分離することができる。2種のエナンチオマーのラセミ混合物を分離する方法は、キラル固定相を使用するクロマトグラフィー(例えば、「キラル液体クロマトグラフィー(Chiral Liquid Chromatography)」W.J. Lough編集、Chapman and Hall、ニューヨーク (1989)参照)。エナンチオマーは、古典的分割技法により分離することもできる。例えばジアステレオマー塩の形成及び分別晶出を使用し、エナンチオマーを分離することができる。カルボン酸のエナンチオマーの分離に関して、ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネなどの、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基の添加により形成することができる。あるいは、ジアステレオマーエステルは、エナンチオマー的に純粋なキラルアルコール、例えばメントールにより形成され、それにジアステレオマーエステルの分離及び加水分解が続き、遊離のエナンチオマー豊富なカルボン酸が得られる。アミノ化合物の光学異性体の分離に関して、樟脳スルホン酸、酒石酸、マンデル酸、又は乳酸などのキラルカルボン酸又はスルホン酸の添加は、ジアステレオマー塩の形成を生じ得る。
抗増殖薬の調製のための合成法は、一般に、公表された情報源から公知である。例えばエピルビシンの調製法は、米国特許第5945518号に開示されている。
典型的には単独の抗増殖薬が、ビタミンD化合物と組合せて使用される。
好ましい本発明において使用する作用物質の組合せは、(i)カルシトリオール及びドキソルビシン;並びに、(ii)カルシトリオール及びエピルビシンがある。実施例において明らかにされたように、これらの化合物は、膀胱癌モデルにおいて好ましい相乗的相互作用を示す。カルシトリオール及びエピルビシンの間の相乗的相互作用は、特に好ましいように見える。
また、本発明は、本願明細書に明らかにされた有効量のビタミンD化合物、並びに1種以上の抗増殖薬及び医薬として許容し得る担体を含有する、医薬組成物を提供する。更なる実施態様において、この有効量は、先に説明されたように、膀胱癌を治療するために有効である。
ある実施態様において、ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬は、医薬として許容し得る製剤を使用し、例えば、ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬の対象へ、この医薬として許容し得る製剤が対象へ投与された後少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間又は4週間の持続送達を提供する医薬として許容し得る製剤を使用し、対象へ投与される。
ある実施態様において、これらの医薬組成物は、対象への局所的投与又は経口投与に適している。別の実施態様において、以下に詳述されるように、本発明の医薬組成物は、投与のために、固形又は液体の形で特別に製剤され、以下に適合されたものを含む:(1)経口投与、例えばドレンチ(水性もしくは非-水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、ボーラス、散剤、顆粒剤、ペースト剤;(2)非経口投与、例えば滅菌溶液又は懸濁液の例えば皮下、筋肉内又は静脈内注射による;(3)局所的塗布、例えば皮膚へ塗布される、クリーム剤、軟膏剤又はスプレー剤;(4)直腸内、例えば坐剤、クリーム剤又は泡剤;もしくは、(5)エアロゾル、例えば水性エアロゾル、化合物を含有するリポソーム調製物又は固形粒子。
好ましい実施態様において、ビタミンD化合物は、局所的膀胱注入、別の表現をすると膀胱内投与により投与され、その結果高カルシウム血症の可能性を無くすか又は低下し、並びに各注入時の膀胱内の総投与量は、約0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、20mg又は50mgで投与される。
従って本発明のビタミンD化合物は、アルコール溶液中に配合されてもよく、例えば, 5〜30%エタノール溶液10〜100ml中に希釈され及び膀胱内へ注入される場合、これは最終濃度例えば約10μM、50μM、100μM、1mM、2mM、5mM、又は10mMを有する。
好ましい実施態様において、他の抗増殖薬、例えばエピルビシン又はドキソルビシンなどのアントラサイクリンも、全身毒性のような副作用の可能性を避ける又は低下するために、局所的膀胱注入、別の表現をすると膀胱内投与により投与することができ、並びに典型的には、各注入時の膀胱内総投与量は、約0.1〜約500mg、例えば20〜150mg(例えば40〜100mg)である。
抗増殖剤化合物の選択は、アルコールが、それと併用投与又は逐次投与されるビタミンD化合物の任意の製剤中において避けられるものが好ましく、該ビタミンD化合物は、安定化剤と共に製剤することができ、例えばベータ-シクロデキストリンとの複合体として製剤することができ、その結果エタノールの使用又はCremophor(商標)EL(ポリオキシエチレングリコールトリリシノレート;BASF Aktiengesellschaft)のような非イオン性可溶化剤及び乳化剤との製剤を避けることができる。あるいは、ビタミンD化合物は、例えば米国特許第4,308,264号、第6,051,567号、第6,265,392号、第6,274,169号、国際公開公報第96/36340号に開示されたように、水溶液中に配合されてもよい。
本発明の抗増殖性化合物、特にアントラサイクリン化合物は、膀胱の内部に配置される作用物質の導入のために当該技術分野において公知のように、「膀胱内」注入のために配合されてもよい。そのような製剤は、ビタミンD化合物製剤と逐次投与することができるか、あるいはこの製剤は、ビタミンD化合物及び1種以上の他の抗増殖性化合物の両方を一緒に同時投与することができる。抗増殖薬は、例えば、生理食塩水55mL中に希釈された濃度1mg/mLのドキソルビシン30〜100mg又はバルルビシン800mg(ストック液20mL)として、膀胱内投与することができる。ヒトにおける膀胱内注入のためのエピルビシンは、典型的には2mg/mlで使用され、一般には容量25〜50mlで注入される。注入スケジュールは、最大6週間又はこれを超えて毎週から3週間毎までを変動する。通常の維持療法が一般的である。これらの作用物質は、膀胱内投与後、膀胱内に1〜2時間維持されなければならない。
本発明の好ましい医薬組成物は、膀胱内注入による膀胱への投与に適した(例えば溶液として)、ビタミンD化合物、1種以上の他の抗増殖薬及び1種以上の医薬として許容し得る担体を含有する。担体の例は、水、任意に水/エタノール混合物を含む。
本発明者らの実験は、注入に適した溶液中のエピルビシン及びカルシトリオールの間の適合性を示している。
製剤が、注入のために選択され、有効物質の膀胱の標的組織に対する均質な分布を実現し、並びに膀胱粘膜により忍容されるエタノールの濃度(使用される場合)(当該技術分野において公知)及び許容できるpH範囲で、最適及び最大注入用量で配合されるかどうかは重要である。当業者は、選択されたビタミンD化合物及び抗増殖性化合物と適合性がある膀胱内注入のための適当な製剤を知っているであろう。
本発明のビタミンD化合物及び及び抗増殖性化合物は、例えば、固形脂質ナノスフェア、リポソーム、ミセル、マイクロエマルション、マクロエマルション、マクロ-マイクロエマルション、及び同様の担体などの当該技術分野において公知の不均質システム中に製剤することができる(例えば、D. O. Shah(編集), 1998, 「ミセル、マイクロエマルジョン、及び単層(Micelles, Microemulsions, and Monolayers): Science and Technology」、 Marcel Dekker;A. S. Janoff (編集), 1998, Liposomes: Rational Design, Marcel Dekker参照)。
1つの実施態様において、本発明のビタミンD化合物及び抗増殖性化合物は、局所的膀胱注入のためにリポソーム中に配合される。リポソームは、確立された方法に従い作製することができる(例えば、G. Gregoriadis(編集)、1993, Liposome Technology 1-3巻, CRC Press, ボカラトン, FL, 又はSzoka及びPapahadjopoulosの論文, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75:4194-4198 (1978)参照のこと)。本発明のビタミンD化合物、例えばカルシトリオールは、リポソーム調製物中に製剤することができる(例えば、Krbelaらの論文、Skin Pharmacology and Applied Skin Physiology, 14:291-295 (2001)参照)。本発明の抗増殖性化合物、例えば、アドリアマイシン、ダウノマイシン、及びエピルビシンは、pH勾配を利用するリモートローディング法により、リポソームへ封入することができる(D. M. Lawrenceらの論文、Cancer Research, 49:5922 (1989)参照)。
別の実施態様において、本発明のビタミンD化合物及び抗増殖性化合物は、例えばその中の1種以上の成分の放出速度を調節する異なる分子量のポリマーを含有する、膀胱内に配置された浮遊挿入片(floating insert)に製剤することができる。薬物の持続放出を提供するために本発明において有用である尿道を通り膀胱へ配置するための生体内分解性、持続放出型調製物は、例えば米国特許第6,207,180号に開示されている。このような器具は、有効成分(例えば本発明のビタミンD化合物及び/又は抗増殖性化合物)の持続放出の間又はその後に、生体内分解され、その結果この器具が膀胱内に配置される間に、尿路の閉塞は起こらない。
本発明の抗増殖薬は、特異的癌細胞を標的化するか又はその効能を改善するために、当該技術分野において公知のように、製剤又は複合することができ、例えばTaatjes DJらの論文(Chem Res Toxicol., 12(7): 588-96 (1999))において説明された、プラスミン-標的化されたドキソルビシン、リポソーム-封入されたドキソルビシン(LED)、トランスドラッグ(Transdrug)ドキソルビシン(ドキソルビシン-ポリイソヘキシルシアノアクリレート複合体)又はアントラサイクリン-ホルムアルデヒド複合体、例えばドキソフォルム、ダウノフォルム、及びエピドキソフォルムがある。
本発明のビタミンD化合物及び抗増殖性化合物は、米国特許第5749845号に開示されたもののような、バルーンカテーテルによる、イオントフォレシス送達により、膀胱壁へ直接投与することもできる。
本発明の実践において、この組成物は、固形状態又は溶液であることができる。好ましくは溶液である場合、この組成物は、pH7〜12を有する。
治療用組成物は、ヒトの細胞及び血液と相溶性がある、等張又はほぼ等張の溶液を提供するオスモル成分も含むことができる。典型的にはオスモル成分は、塩化ナトリウムのような塩、又は糖質、又はこれらの2種以上の成分の組合せである。糖質は、デキストロースのような単糖、ショ糖もしくは乳糖のような二糖、デキストラン40、デキストラン60、10もしくはデンプンのような多糖、又は、マンニトールのような糖アルコールであってよい。組成物の全ての成分は、溶液のオスモル濃度に貢献するが、等張もしくはほぼ等張の溶液を実現し、これらの成分の貢献は、適切なオスモル成分が添加され、高浸透圧溶液を生じるような過剰には添加されないことを確実にするように考慮されなければならないことは当業者には明らかであるはずである。
尿路上皮の透過性の性質のために、好ましい溶液は、等張又はほぼ等張であろう。低浸透圧溶液は、細胞溶解、特に赤血球溶解を引き起こすが、他の細胞も損傷を受け、膀胱及び接近可能な基底層における細胞損傷の増加につながることはわかっている。高浸透圧溶液は、細胞収縮を引き起こし、これは細孔を拡大するか、又は細胞接合部を弱め、尿溶質を基底細胞層へより容易に接近させ、これは更なる損傷、疼痛及び炎症につながる。等張又はほぼ等張の溶液を形成するためのオスモル成分の組成物への添加は、これらふたつの可能性のいずれも生じないことを確実にする。典型的には、オスモル成分は、0.9%塩化ナトリウムであり、又は溶液中の若干少ない他の成分も、溶液のオスモル濃度に貢献し、従って考慮されるべきである。典型的にはオスモル成分は、塩化ナトリウムのような塩、又は糖質、又はこれらの2種以上の成分の組合せである。糖質は、デキストロースのような単糖、ショ糖もしくは乳糖のような二糖、デキストラン40、デキストラン60、もしくはデンプンのような多糖、又は、マンニトールのような糖アルコールであってよい。組成物の全ての成分は、溶液のオスモル濃度に貢献するが、等張もしくはほぼ等張の溶液を実現し、これらの成分の貢献は、適切なオスモル成分が添加され、高浸透圧溶液を生じるような過剰には添加されないことを確実にするよう考慮されなければならないことは当業者には明らかであるはずである。本発明の組成物のオスモル成分は、塩化ナトリウム、デキストロース、デキストラン40、デキストラン60、デンプン及びマンニトール、又はそれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。本発明の組成物中のオスモル成分の量は、対象、疾患の重症度又は経過、対象の健康状態、及び治療に対する反応及び治療担当医の判断により10変動するであろう。従ってこれらの分子の用量は、個々の対象について決定されなければならない。例えば本発明の組成物中のオスモル成分の量は、少なくとも50ミリオスモルである。
注入のための溶液は任意に、膀胱壁への付着又は残留(persistence)を増強するために意図された製剤成分を含有することができる。製剤成分の例は、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボマー、アルギン酸ナトリウム、ペクチンなどの生体接着剤を含む。製剤成分の更なる例は、ゲル化剤、例えば感熱性ゲル化剤を含む。感熱性ゲル化剤の例は、P. Tyagiらの論文、「Sustained Intravesical Drug Delivery Using Thermosensitive Hydrogel」、Pharm. Res., 21:832-837 (2004)に説明されている。概してこれらの感熱性ゲル化剤は、室温では溶液であるが、温度上昇に曝されると、 (例えば膀胱壁などの体組織との接触を介して) 粘度が増大する。他のゲル化剤が、当該技術分野において公知である。C. Le Visageらの論文である「Efficacy of paclitaxel released from bio-adhesive polymer micropshperes on model superficial bladder cancer」(J. Urol., 171(3) 1324-1329 (2004))は、ポリマーミクロスフェア中での抗癌剤の使用を明らかにしている。このようなミクロスフェアも、本発明において使用することができる。
語句「医薬として許容し得る」は、本発明のビタミンD化合物、そのような化合物を含有する組成物、及び/又は健全な(sound)医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題点もしくは愁訴を伴わずに、妥当な恩恵/リスクの比の整合で、ヒト及び動物の組織との接触における使用に適している剤形を意味する。
語句「医薬として許容し得る担体」は、1つの臓器又は体の一部から、別の臓器又は体の一部への対象の化学物質の運搬又は輸送に関連した、医薬として許容し得る材料、組成物又はビヒクル、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料などを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり及び患者を傷つけないという意味で、「許容」されなければならない。医薬として許容し得る担体として利用することができる材料の例の一部は、以下である:(1)糖質、例えば乳糖、グルコース及びショ糖;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びバレイショデンプン;(3)セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばカカオバター及び坐薬用ワックス;(9)油分、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリル酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェン-非含有水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;並びに、(21)医薬製剤において使用される他の無毒の相溶性のある物質である。
湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムに加え、着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び矯臭剤、保存剤及び抗酸化剤も、この組成物中に存在することができる。
医薬として許容し得る抗酸化剤の例は、以下を含む:(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど;並びに、(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
ビタミンD化合物及び/又は他の抗増殖薬を含有する組成物は、膀胱内、経口、鼻腔内、局所的(口腔内及び舌下を含む)、経直腸、エアロゾル及び/又は非経口投与に適したものを含む。これらの組成物は好都合なことに、単位剤形で提示されてもよく、及び薬学の技術分野において周知の任意の方法により調製されてもよい。単位剤形を作製するために担体材料と組み合せることができる有効成分の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に応じて変動するであろう。単位剤形を作製するために担体材料と組み合せることができる有効成分の量は、一般に治療的効果を生じる化合物の量であろう。一般に、この量は、100%から出発して(out of one hundred)、この量は重量で約0.1〜約99.5%の範囲であり、例えば有効成分約1%〜約99%又は約0.5%〜約90%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%である。
これらの組成物の調製法は、ビタミンD化合物及び/又は他の抗増殖薬を、担体及び任意に1種以上の補助成分と会合させる工程を含む。一般に、これらの製剤は、ビタミンD化合物及び/又は1種以上の他の抗増殖薬を、液体担体、又は細分された固形担体、又は両方と均一かつ密接に会合させ、その後必要に応じ製品を造形することにより調製される。
経口投与に適している本発明の組成物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(矯味矯臭基剤、通常ショ糖及びアラビアゴム又はトラガントを使用する)、散剤、顆粒剤、又は水性もしくは非水性液体の液剤もしくは懸濁剤として、又は水中油型もしくは油中水型乳剤、又はエリキシル剤もしくはシロップ剤、又は芳香錠(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアラビアゴムを使用する)及び/又は含嗽剤などの形であることができ、各々は、有効成分としてビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬を予め定められた量含有する。化合物は、ボーラス、舐剤又はペースト剤として投与することもできる。
経口投与のための本発明の固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、及び顆粒剤など)において、有効成分は、1種以上の医薬として許容し得る担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、及び/又は以下のいずれかと混合される:(1)充填剤又は増量剤、デンプン、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸など;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及び/又はアラビアゴムなど;(3)保湿剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)液体遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、アセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物;並びに、(10)着色剤である。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、これらの医薬組成物は、緩衝剤も含有する。同様の形の固形組成物は、乳糖又はミルクシュガーのような賦形剤、更には高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する、軟及び硬充填用ゼラチンカプセル剤における充填剤としても使用される。
錠剤は、任意に1種以上の補助成分と共に、圧縮又は成形により製造される。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋されたカルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤又は分散剤を用い、作製することができる。成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤された、粉末化された有効成分の混合物を適当な機械内で成形することにより作製することができる。
本発明の医薬組成物の錠剤及び他の固形剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤などは、任意に割れ目を入れるか、又は医薬製剤分野において周知の腸溶性コーティング及び他のコーティングなどのコーティング及びシェルにより又は調製されてもよい。これらは、例えば望ましい放出プロファイルを提供するために変動する割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/又はミクロスフェアを使用し、それらの中に有効成分の徐放又は制御された放出を提供するように製剤することができる。これらは、例えば細菌を留めるフィルターを通す濾過によるか、又は使用直前に、滅菌水、もしくはいくつかの他の滅菌注射用媒体に溶解することができる無菌固形組成物の形での滅菌剤の混入により、滅菌されてもよい。これらの組成物は、任意に遮光剤も含有することができ、任意に遅延型で、有効成分のみを、又は優先的には胃腸管のある部分で放出する組成物であってもよい。使用することができる埋込型組成物の例は、高分子物質及びワックスを含有する。この有効成分は、適当ならば1種以上の前述の賦形剤と共に、マイクロカプセル封入された形であることもできる。
ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬の膀胱内又は経口投与のための液体剤形は、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。液体剤形は、有効成分に加え、当該技術分野において通常使用される不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油分(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含有してもよい。
膀胱内又は経口組成物は、不活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、香料及び保存剤などの助剤を含むことができる。
懸濁剤は、活性ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬に加え、懸濁化剤、例えばエトキシル化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガント、並びにそれらの混合物を含むことができる。
直腸投与のための本発明の医薬組成物は、坐薬として存在することができ、これは1種以上のビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬の、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬用ワックス又はサリチル酸塩を含む、室温では固形物であるが、体温では液体であり、従って直腸内で溶融し、有効成分を放出するような、適当な1種以上の非刺激性の賦形剤又は担体との混合により調製することができる。
ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬の局所的又は経皮的投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、貼付剤及び吸入剤を含む。活性ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬は、無菌条件下で、医薬として許容し得る担体と、及び必要とされる任意の保存剤、緩衝剤、又は噴射剤と混合することができる。
これらの軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、及びゲル剤は、本発明のビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬に加え、賦形剤、例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物を含有することができる。
散剤及びスプレー剤は、ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬に加え、乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレー剤は更に、慣習的に噴射剤、例えばクロロフルオロ炭化水素又はヒドロフルオロアルカン、例えばHFA134a又はHFA227など、及び揮発性非置換の炭化水素、例えばブタン及びプロパンを含有することができる。
あるいはビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬は、エアロゾルにより投与することができる。これは、この化合物を含有する水性エアロゾル、リポソーム調製物又は固形粒子の調製により、実現される。非水性(例えばフルオロカーボン噴射剤)懸濁剤を使用することができる。超音波ネブライザーは、化合物の分解を生じ得る剪断にその作用物質を曝すことを最小化するので、これらは好ましい。
通常、水性エアロゾルは、その作用物質の水溶液又は懸濁液を、通常の医薬として許容し得る担体及び安定剤と一緒に製剤することにより、作製される。担体及び安定剤は、具体的化合物の必要要件により変動するが、典型的には非イオン性界面活性剤(Tweens、Pluronics、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩、糖質又は糖アルコールを含む。エアロゾルは一般に、等張溶液から調製される。
経皮的貼付剤は、ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬の体への制御された送達を提供するという追加の利点を有する。このような剤形は、この作用物質を適当な媒体へ溶解又は分散することにより作製することができる。吸収増強剤を使用し、有効成分の皮膚を超えた流れを増大することができる。そのような流れの速度は、速度制御メンブレンを提供するか、又は有効成分をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散するかのいずれかにより制御することができる。
非経口投与に適している本発明の医薬組成物は、1種以上のビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬を、1種以上の医薬として許容し得る無菌の等張の水性又は非水性の液剤、分散剤、懸濁剤もしくは乳剤と組合せて含有し、、又は使用直前に無菌の注射可能な液剤もしくは分散剤に再構成され得る散剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、懸濁化剤又は増粘剤を含んでもよい。
本発明の医薬組成物において使用することができる適当な水性及び非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適当な混合物、オリーブ油のような植物油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材の使用、分散剤の場合に必要な粒度の維持、及び界面活性剤の使用により維持され得る。
また、これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの助剤を含むことができる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌薬及び抗真菌薬、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含むことにより確実にされる。本組成物へ糖質、塩化ナトリウムなどの、等張剤を含むことも望ましい。加えて注射可能な医薬剤形の延長された吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのような吸収を遅延する物質を含有することによりもたらされ得る。
場合によっては、薬物の作用を延長するために、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延することが望ましい。これは、水への溶解度が低い結晶性又は非晶質材料の液体懸濁剤の使用により実現され得る。この薬物の吸収速度は次にその溶解速度により左右され、これは次に結晶のサイズ及び結晶形により左右される。あるいは非経口投与された薬物剤形の遅延された吸収は、薬物の油性ビヒクル中への溶解又は懸濁により実現される。
注射可能なデポ剤形は、ポリラクチド-ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中のビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬のマイクロカプセルマトリックスの形成により作製される。薬物のポリマーに対する比、及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(酸無水物)を含む。デポ剤の注射可能な製剤も、体組織と適合性があるリポソーム又はマイクロエマルション中の薬物の封入により調製される。
選択された投与経路とは無関係に、適当に水和された形で使用されてもよいビタミンD化合物及び/もしくは1種以上の抗増殖薬、並びに/又は本発明の医薬組成物は、当業者に公知の常法により、医薬として許容し得る剤形へ配合される。
本発明の医薬組成物中の有効成分の投与の実際の用量レベル及び時間経過は、特定の患者、組成物、及び投与様式について所望の治療的反応を実現するのに有効である有効成分の量を、患者に毒性をもたらすことなく得るために、変動することができる。投与量範囲の例は、0.1〜300μug/日である。化合物Aの投与量範囲の例は、0.1〜300μg/日、例えば50〜150μg/日、例えば75又は150μg/日である。単位投与量製剤は好ましくは、50〜150μg、例えば75又は150μgを含有し、並びに1日1回投与されることが好ましい。
本発明のビタミンD化合物の好ましい投与量は、患者が忍容でき、かつ高カルシウム血症を発生しない最大量である。好ましくは本発明のビタミンD化合物は、濃度約0.001μg〜約100μg/kg体重、約0.001〜約10μg/kg又は約0.001μg〜約100μg/kg体重で投与される。先に列記した値の中間の範囲も、本発明の一部であると意図される。ビタミンD化合物が膀胱内投与される場合、投与量は、最適有効投与量、例えば各注入時に膀胱内の総投与量が約0.01mg、0.05mg、0.1mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、20mg又は50mgまで増加され、好ましくは血清カルシウムの対応する増加を伴わない。
本発明は、本発明に従い膀胱癌の予防及び/又は治療における使用に関する添付文書と共に包装された、ビタミンD化合物を含有する医薬組成物、1種以上の他の抗増殖薬を含有する医薬組成物(1種以上の抗増殖薬は任意にビタミンD化合物と同じ医薬組成物内にある)、及び医薬として許容し得る担体を含む、包装された製剤も含む。
本発明の組成物の製剤を補助するために、「レミントンの薬学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」15版、Mack Publishing Co., Easton, Paも参照することができる。
(II. 化合物の合成)
本発明において使用するための多くの化合物は、細胞中のビタミンD3アナログのインキュベーションにより調製することができ、例えばUMR 106細胞又はRos 17/2.8細胞のいずれかの中でのビタミンD3アナログのインキュベーションは、本発明で使用するためのビタミンD3化合物の生成を生じる。例えばUMR 106細胞中の1,25-ジヒドロキシ-16-エン-5,6-トランス-カルシトリオールのインキュベーションは、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-オキソ-5,6-トランス-カルシトリオールの生成を生じる。
本発明の化合物は、本明細書に説明された方法に加え、様々な合成法を用い調製することができる。例えば当業者は、本発明で使用する化合物を調製するために、現存するビタミンD3化合物の合成法を使用することができるであろう(例えば、Bouillon, R.らの論文、Endocr. Rev., 16(2):200-257 (1995);Ikekawa, N.の論文、Med. Res. Rev., 7:333-366 (1987);DeLuca, H.F.及びOstrem, V.K.の論文、Prog. Clin. Biol. Res., 259:41-55 (1988);Ikekawa, N.及びIshizuka, S.の論文、CRC Press, 8:293-316 (1992);Calverley, M.J.及びJones, G.の論文、Academic Press, 193-270 (1992);Pardo, R.及びSantelli, M.の論文、Bull. Soc. Chim. Fr: 98-114 (1985);Bythgoe, B.の論文、Chem. Soc. Rev., 449-475 (1980);Quinkert, G.の論文、Synform, 3:41-122 (1985);Quinkert, G.の論文、Synform, 4:131-256 (1986);Quinkert, G.の論文、Synform, 5:1-85 (1987);Mathieu, C.らの論文、Diabetologia, 37:552-558 (1994);Dai, H.及びPosner, G.H.の論文、Synthesis, 1383-1398 (1994);並びに、DeLuca,らの国際公開公報第97/11053号参照)。
合成の例証的方法は、周知の様式でビタミンD3へ容易に熱分解されるプレビタミンを最初に生成する、7-デヒドロコレステロールの1-ヒドロキシル化された側鎖-修飾された誘導体の光化学的開環(Barton, D.H.R.らの論文、J. Am. Chem. Soc., 95:2748-2749 (1973);Barton, D.H.R.の論文、JCS Chem. Comm., 203-204 (1974));Baggiolini, E.G., らの論文、J. Org. Chem., 51:3098-3108 (1986);DeSchrijver, J.及びDeClercq, P.J.の論文、Tetrahed Lett, 34:4369-4372 (1993);Posner, G.H及びKinter, C.M.の論文、J. Org. Chem., 55:3967-3969 (1990)に説明されたように、ホスフィンオキシドを、Grundmannのケトン誘導体へカップリングし、直接1-アルファ,25(OH)2D3骨格を形成する、Lythgoeら(JCS Perkin Trans., 1:590-595 (1978))により開発された、ホスフィンオキシドカップリング法;ジエンの、対応するビタミンD3アナログへの再転位を受けるプレビタミン構造への半水素化法(Harrison, R.G.らの論文、JCS Perkin Trans., 1:2654-2657 (1974);Castedo, L.らの論文、Tetrahed Lett, 29:1203-1206 (1988);Mascarenas, J.S.の論文、Tetrahedron, 47:3485-3498 (1991);Barrack, S.A.らの論文、J. Org. Chem., 53:1790-1796 (1988)、並びにOkamura, W.H.らの論文、J. Org. Chem., 54:4072-4083 (1989)に説明);熱、又は金属で触媒された異性化、それに続く増感された光異性化の組合せを用いて引き続き配列される中間体が関連した、ビニルアレン法(Okamura, W.H.らの論文、J. Org. Chem., 54:4072-4083 (1989);Van Alstyne, E.M.らの論文、J. Am. Chem. Soc., 116:6207-6210 (1994));Trost, B.M.らの論文、J. Am. Chem. Soc., 114:9836-9845に説明された、方法;1,25(OH)2D3骨格の形成に直接つながる、ブロモエンインへ分子内架橋結合された非環式A環前駆体が関連する方法(Nagasawa, K.らの論文、Tetrahed Lett, 32:4937-4940 (1991));1-アルファ,25(OH)2D2又はそれらのアナログを形成するために、炭素-1で修飾され得るi-ステロイドへ異性化され、引き続き加溶媒分解条件下で逆(back)-異性化された、トシレート化された誘導体(Sheves, M.及びMazur, Y.の論文、J. Am. Chem. Soc., 97:6249-6250 (1974);Paaren, H.E.らの論文、J. Org. Chem., 45:3253-3258 (1980);Kabat, M.らの論文、Tetrahed Lett, 32:2343-2346 (1991);Wilson, S.R.らの論文、Tetrahed Lett, 32:2339-2342 (1991));ビタミンD誘導体の1-酸素化された5,6-transビタミンDへの直接修飾(Andrews, D.R.らの論文、(J. Org. Chem., 51:1635-1637 (1986)に説明);プレビタミンD3のディールス-アルダー付加環化法を使用し、熱異性化によりプレビタミン型の中間体を介した1-アルファ,25(OH)2D2への環状脱離することができる方法(Vanmaele, L.らの論文、Tetrahedron, 41:141-144 (1985));並びに、最後に、遷移金属誘導体のような適当な保護基の使用によるか、又は他の化学変換による、1-アルファ,25(OH)2D2又はそれらのアナログの直接修飾を必要としている方法(Okarmura, W.H.らの論文、J. Cell Biochem., 49:10-18 (1992))を含む。ビタミンD2化合物合成の追加の方法は、例えば、日本国特開62750/73、26858/76、26859/76、及び71456/77;米国特許第3,639,596号;第3,715,374号;第3,847,955号、及び第3,739,001号に開示されている。
本発明において使用する飽和された側鎖を有する化合物の例は、米国特許第4,927,815号に開示されかつ説明された一般的手法に従い調製することができる。不飽和側鎖を有する本発明の化合物の例は、米国特許第4,847,012号に開示されかつ説明された一般的手法に従い調製することができる。C20位のR基がシクロアルキル基を表している本発明の化合物の例は、米国特許第4,851,401号に開示されかつ説明された一般的手法に従い調製することができる。
1-アルファ,25-ジヒドロキシエルゴカルシフェロールの側鎖修飾されたアナログを調製するための別の合成戦略は、Kutnerらの論文、(The Journal of Organic Chemistry, 53:3450-3457 (1988))に明らかにされている。加えて24-ホモ及び26-ホモビタミンDアナログの調製は、米国特許第4,717,721号に開示されている。
キラル分子のエナンチオ選択的合成が、当該技術分野において現在の状況である。エナンチオ選択的合成及び精製技術の組合せにより、多くのキラル分子を、エナンチオマーが豊富な調製物として合成することができる。例えば、Muralidharanらの論文(J. Organic Chem., 58(7): 1895-1899 (1993))及びNormanらの論文(J. Biol. Chem., 268(27): 20022-30 (1993))に明らかにされたような、1-アルファ,25(OH)2D3のA環ジアステレオマーのエナンチオ選択的合成の方法が報告されている。当該技術分野において公知の様々な化合物のエナンチオ的合成の他の方法は、とりわけエポキシド(例えば、Johnson, R.A.;Sharpless, K.B.の、触媒的不斉合成(Catalytic Asymmetric Synthesis);Ojima, I.編集: VCH: ニューヨーク, 1993;4.1.章 Jacobsen, E.N. 同書、4.2章参照)、ジオール(例えば、Sharplessの方法、J. Org. Chem., 57:2768 (1992))、及びアルコール(例えば、ケトンの還元、E.J.Coreyらの論文、J. Am. Chem. Soc., 109:5551 (1987))を含む。光学的に豊富な生成物の生成に有用な他の反応は、オレフィンの水素化(例えば、M. Kitamuraらの論文、J. Org. Chem., 53:708 (1988));ディールス-アルダー反応(例えば、K. Narasakaらの論文、J. Am. Chem. Soc., 111:5340 (1989));エノレートのアルドール反応及びアルキル化(例えば、D.A. Evansらの論文、J. Am. Chem. Soc., 103:2127 (1981);D.A. Evansらの論文、J. Am. Chem. Soc., 104:1737 (1982)参照);カルボニル付加(例えば、R. Noyoriの論文、Angew. Chem. Int. Ed. Eng., 30:49 (1991));並びに、メゾ-エポキシドの開環(例えば、Martinez, L.E.;Leighton J.L., Carsten, D.H.;Jacobsen, E.N.の論文、J. Am. Chem. Soc., 117:5897-5898 (1995))がある。光学的に豊富な生成物を生成するための酵素の使用も、当該技術分野において周知である(例えば、M.P. Scheider編集、「有機合成における触媒としての酵素(Enzymes as Catalysts in Organic Synthesis)」、D. Reidel, Dordrecht (1986))。
キラル合成は、高度に立体異性的に純粋である生成物を生じることができる。しかし場合によっては、この生成物の立体異性的純度は、十分に高くはない。当業者は、本明細書に説明された分離法を用い、キラル合成により得られたビタミンD3-エピマーの立体異性的純度を更に増大することができることを理解するであろう。
(III. 特定の好ましい化合物の化学合成例)
(実験について)
下記化合物の合成の更なる詳細は、国際公開公報第2005/030223号に開示されている。
ビタミンD3アナログに関連する全ての操作は、窒素大気中、琥珀色のガラス製品内で行った。テトラヒドロフランは、ナトリウム-ベンゾフェノンケチルから使用直前に蒸留し、溶質の溶液は、硫酸ナトリウムで乾燥した。融点は、Thomas-Hoover毛細管装置により決定し、補正しなかった。旋光度は、25℃で測定した。1H NMRスペクトルは、特に記さない限りは、CDCl3中、400MHzで記録した。TLCは、シリカゲルプレート(Merck PF-254)上で、短波長UV光下での目視、又はプレートへのメタノールを溶媒とする10%リンモリブデン酸の噴霧、その後の加熱により、実行した。フラッシュクロマトグラフィーは、40-65μmメッシュシリカゲル上で実行した。分取HPLCは、5×50cmカラム及び15-30μmメッシュシリカゲルで、流量100ml/分で行った。
(実施例1)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(1)の合成
Figure 2008519808
出発材料1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールは、Doranらの米国特許第5,428,029号に開示されたように調製することができる。1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール3mgを、ピリジン0.8mlに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mlを添加し、その温度で16時間維持した。その後反応混合物を、水1mlで希釈し、氷浴で10分間攪拌し、水5mlと酢酸エチル20mlの間で分配した。有機層を、水3x5mlで、飽和炭酸水素ナトリウム5mlで1回、ブライン3mlで1回洗浄し、その後乾燥(硫酸ナトリウム)及び蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチルヘキサンに溶解させ、1:6、1:4及び1:2酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーにかけた、カラムクロマトグラフィーは、TLC(1:4酢酸エチルヘキサン、リンモリブデン酸噴霧による斑点の目視)によりモニタリングし、適当な画分をプールし、蒸発させ、その残渣をギ酸メチルに溶解させ、濾過し、その後再度蒸発させ、標題化合物(1)23.8mgを無色のシロップとして得た;400MHz 1H NMR δ0.66 (3H, s), 0.90 (1H, m), 1.06 (3H, d, J=7.2Hz), 1.51 (1H, m), 1.72-1.82 (3H,m), 1.9-2.1 (3H, m), 1.99 (3H, s), 2.04 (3H,s), 2.2-2.3 (3 m), 2.44-2.64 (6H, m), 2.78 (1H, m), 3.01 (1H, s), 5.10 (2H, m), 5.38 (1H, m), 5.43 (1H, d, J=12Hz), 5.85 (1H, d, J=11.5Hz), 5.97 (1H, dt, J=12 and 7.3Hz), 6.25 (1H, d, J= 11.5Hz)。
(実施例2)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(2)及び1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(3)の合成
Figure 2008519808
出発材料1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールは、Baggioliniらの米国特許第5,451,574号及び第5,612,328号に開示されたように調製することができる。1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール314mg (0.619mmole)を、ピリジン1.5mlに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.4mlを添加した。反応混合物を、室温で7時間維持し、その後冷蔵庫で23時間維持した。その後水10mlで希釈し、酢酸エチル30mlで抽出した。有機抽出物を、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させた。その残渣を、10x140mmカラム上、移動相としての1:6及び1:4の酢酸エチル-ヘキサンによるフラッシュクロマトグラフィーにかけ、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(2)126mg、及び1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(3)248mgを得た。
(実施例3)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール(4)の合成
Figure 2008519808
10mLの丸底フラスコに、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール40mgを投入した。この材料を、ピリジン1mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、その後無水酢酸0.3mLを添加した。溶液を30分間攪拌し、その後一晩冷蔵し、水で希釈し、水10mL及び酢酸エチル40mLを使って、分液ロートに移した。有機層を、水4x20mL、ブライン10mLで洗浄し、硫酸ナトリウムプラグを通過させ及び蒸発させた。明茶色油状残渣を、1:9酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後10x130mmカラム上、画分1-5について移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサン、画分6-13について1:6、及び画分14-20について1:4酢酸エチル-ヘキサン(18mL画分)によるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分14-19は、Rf 0.15 (TLC 1:4)の主要バンドを含んだ。これらの画分は、プールし、蒸発させ、無色の油状物0.044gとした。この材料を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させ、標題化合物(4)を無色の粘稠な泡状物0.0414gとして得た。
(実施例4)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール (5)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール0.0468gを、ピリジン1.5mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、その後一晩冷蔵し、依然氷浴に浸しながら水10mLで希釈し、10分間撹拌し、分液ロートに水10mL及び酢酸エチル40mLを使って移した。有機層を、水4x20mL、ブライン10mLで洗浄し、硫酸ナトリウムプラグを通過させ、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:9酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x130mmカラム上、画分1-3(20mL画分)について移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサン、画分6-8について1:6、及び画分9-17について1:4酢酸エチル-ヘキサン(各々18mL画分)によるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分11-14は、Rf 0.09 (TLC 1:4)の主要バンドを含んだ。これらの画分は、プールし、蒸発させ、無色の油状物0.0153gとした。この材料を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させ、標題化合物(5)0.014gを得た。
(実施例5)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール(6)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール0.0774gを、ピリジン1.5mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、次に無水酢酸0.3mLを添加した。この溶液を攪拌し、一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で1時間攪拌し、酢酸エチル30mL及び水15mLで希釈した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:9酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x130mmカラム上、画分1(20mL画分)について移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサン、画分2-7について1:6、及び画分8-13について1:4酢酸エチル-ヘキサンによるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分9-11は、Rf 0.09 (TLC 1:4酢酸エチル-ヘキサン)の主要バンドを含んだ。これらの画分は、プールし、蒸発させ、無色の油状物0.0354g とした。この材料を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、溶液を蒸発させ、標題化合物(6) 0.027gを無色のフィルムとして得た。
(実施例6)
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(7)及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(8)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール0.0291gを、ピリジン1.5mLに溶解した。この溶液を、氷浴中で冷却し、その後無水酢酸0.25mLを添加した。この溶液を、20分間攪拌し、一晩冷凍庫内に放置した。この冷溶液を、水15mLで希釈し、10分間攪拌し、酢酸エチル30mLで希釈した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回で洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x110mmカラム上、移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分2-3は、72.3461-72.3285=0.0176gを生じた。画分6-7の蒸発は、0.0055gを生じた。画分2-3の残渣を、ギ酸メチルに溶解し、濾過し、蒸発させ、標題化合物(7) 0.0107gを得た。画分6-7の残渣を、ギ酸メチルに溶解し、濾過し、蒸発させ、二酢酸塩(8)0.0049gを得た。
(実施例7)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール(9)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール1.5mLを、ピリジン1.5mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.4mLを添加した。この混合物をその後冷蔵した。2日後、混合物を水1mLで希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、その後水10mL及び酢酸エチル30mLの間で分配した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x130mmカラム上、移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分4-6 (TLC, 1:4)は、主要バンドを含んだ(TLC参照)。これらの画分を蒸発させ、0.0726gを得た。この残渣を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させ、無色の泡状物として、標題化合物(9) 0.0649gを得た。
(実施例8)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール(10)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール0.0535gを、ピリジン1.5mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.3mLを添加し、混合物を一晩冷蔵した。この溶液を、水1mLで希釈し、10分間氷浴中で攪拌し、その後水10mL及び酢酸エチル30mLの間で分配した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。ほぼ無色の油状残渣を、画分1-6について移動相として1:6 酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に1:4酢酸エチル-ヘキサンを使用した。画分9-19(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.09, 下記参照)をプールし、蒸発させ、0.0306gを得、これをギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させた。これは、標題化合物(10) 0.0376を生じた。
(実施例9)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(11)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール50mgを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この混合物を、3日間冷蔵し、その後水1mLで希釈し、10分間氷浴中で攪拌し、その後水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水4x15mL、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。ほぼ無色の油状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後15x120mmカラム上で、画分1-6について移動相として1:6 酢酸エチル-ヘキサン、画分9-12について1:4、画分13-15について1:3及び残りの画分について1:2酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分11-16(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.09, 下記参照)をプールし、蒸発させ、76.1487−76.1260=0.0227gを得、これをギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させた。これは、標題化合物(11) 0.0186gを生じた。
(実施例10)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール(12)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0726gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、氷浴中で攪拌し、その後一晩冷蔵した。この溶液を次に、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水10mL及び酢酸エチル25mLの間で分配した。有機層を、水3x10mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、黄褐色の油状残渣33.5512−33.4654=0.0858gを得、これを15x120mmカラム上で、移動相として1:6を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分7-11 (各20mL)をプールし(TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.14)、蒸発させ、67.2834−67.2654=0.018gとした。この残渣を、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させた。これは標題化合物(12) 0.0211gを生じた。
(実施例11)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(13)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール0.282gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加し、この混合物を一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後15x110mmカラム上で、画分1-4について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサン、画分5-12について1:4、画分13-15について1:3、残りの画分について酢酸エチル-ヘキサンを使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分7-12(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.13)をプールし、蒸発させ、残渣をギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(13) 0.023gを得た。
(実施例12)
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(14)及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(15)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.1503gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この混合物を一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後15x150mmカラム上で、画分1-5について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサン、残りの画分について1:4を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分3-4及び6-7をプールし、蒸発させ、その後ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、蒸発させ、標題三酢酸塩化合物(14) 0.0476g及び標題二酢酸塩(15)0.04670gを得た。
(実施例13)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール(16)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール0.0369gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加し、この混合物を一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後13x110mmカラム上で、画分1-7について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサン、残りの画分について1:4酢酸エチル-ヘキサンを使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分9-11(TLC, 1:4 酢酸エチル-ヘキサン)をプールし、蒸発させ、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(16) 0.0099gを得た。
(実施例14)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(17)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0328gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度へ冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、一晩冷蔵した。その後溶液を、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。(水層の抽出は、リンモリブデン酸で検出可能な物質を生じなかった)。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、その残渣は、ただ1つのスポットとしてRf 0.25を示した。この油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後13.5x110mmカラム上で、画分1-10について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分4-9をプールし、蒸発させ、その後ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(17) 0.0316gを得た。
(実施例15)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(18)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0429gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度へ冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、一晩冷蔵した。その後溶液を、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水7mL及び酢酸エチル25mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム, TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサンは主に1つのスポットを示す)、蒸発させ、15x120mmカラム上で、移動相として1:6を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分3-6(各20mL)をプールし、蒸発させた。残渣を、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(18) 0.0411gを得た。
(実施例16)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(19)の合成
Figure 2008519808
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール0.0797gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度へ冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、一晩冷蔵した。その後溶液を、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水10mL及び酢酸エチル25mLの間で分配した。有機層を、水3x10mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、黄褐色油状残渣0.1061gを得、これを15x120mmカラム上で、移動相として1:6を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分9-16(各20mL)をプールし(TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.13)、蒸発させた。この残渣を、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(19) 0.0581gを得た。
(実施例17)
1,3-ジ-O-アセチル-1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(20)の合成
Figure 2008519808
ピリジン(3mL)を溶媒とする1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(94mg, 0.23mmol)の溶液へ、0℃で、無水酢酸(0.5mL, 5.3mmol)を添加した。この混合物を1時間攪拌し、15時間冷蔵し、その後更に8時間攪拌した。水(10mL)を添加し、15分間攪拌した後、反応混合物を、AcOEt:ヘキサン1:1 (25mL)で抽出し、水(4x25mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後残渣(120mg)を、FC(15g, ヘキサン中30%AcOEt)により精製し、標題化合物(20)(91mg, 0.18mmol, 80%)を得た。
[α]30 D=+14.4 c 0.34, EtOH
UV λmax (EtOH): 242nm (ε34349), 250nm (ε40458), 260nm (ε27545);
1H NMR (CDCl3): 6.25 (1H, d, J=11.1Hz), 5.83 (1H, d, J=11.3Hz), 5.35 (1H, m), 5.09 (2H, m), 2.82-1.98 (7H, m), 2.03 (3H, s), 1.98 (3H, s), 2.00-1.12 (15H, m), 1.18 (6H, s), 0.77 (3H, s), 0.80-0.36 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 170.73(0), 170.65(0), 157.27(0), 142.55(0), 130.01(0), 125.06(1), 123.84(1), 115.71(1), 71.32(0), 70.24(1), 69.99(1), 59.68(1), 50.40(0), 44.08(2), 41.40(2), 38.37(2), 35.96(2), 35.80(2), 32.93(2), 29.48(3), 29.31(2), 28.71(2), 23.71(2), 22.50(2), 21.56(3), 21.51(0), 21.44(3), 18.01(3), 12.93(2), 10.53(2);
MS HRES C31H46O5 の計算値 M+Na 521.3237;実測値 M+Na 521.3233
(実施例18)
1,3-ジ-O-アセチル-1α,25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(21)の合成
Figure 2008519808
ピリジン(3mL)を溶媒とする1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(100mg, 0.23mmol)の溶液へ、0℃で、無水酢酸(0.5mL, 5.3mmol)を添加した。この混合物を2時間攪拌し、更に15時間冷蔵した。水(10mL)を添加し、15分間攪拌した後、反応混合物を、AcOEt:ヘキサン1:1 (25mL)で抽出し、水(4x25mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後残渣(150mg)を、FC(15g, ヘキサン中30%AcOEt)により精製し、標題化合物(21) (92mg, 0.18mmol, 78%)を得た。
[α]30 D=-14.9 c 0.37, EtOH
UV λmax (EtOH): 208nm (ε15949), 265nm (ε15745);
1H NMR (CDCl3): 6.34 (1H, d, J=11.3Hz), 5.99 (1H, d, J=11.3Hz), 5.47 (1H, m), 5.33 (1H, m), 5.31 (1H, s), 5.18 (1H, m), 5.04 (1H, s), 2.78 (1H, m), 2.64 (1H, m), 2.40-1.10 (18H, m), 2.05 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.18 (6H, s), 0.76 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 170.76(0), 170.22(0), 157.18(0), 143.02(0), 142.40(0), 131.94(0), 125.31(1), 125.10(1), 117.40(1), 115.22(2), 72.97(1), 71.32(0), 69.65(1), 59.71(1), 50.57(0), 44.07(2), 41.73(2), 38.36(2), 37.10(2), 35.80(2), 29.45(3), 29.35(2), 29.25(3), 28.92(2), 23.80(2), 22.48(2), 21.55(3), 21.50(3), 21.35(0), 17.90(3), 12.92(2), 10.54(2);
MS HRES C32H46O5 の計算値 M+Na 533.3237;実測値 M+Na 533.3236
(実施例19)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール(22)の合成
Figure 2008519808
(0.486mmol)0.2007gを、ピリジン2mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、無水酢酸0.6mLを添加した。溶液を、氷浴中に45時間放置し、その後水10mLで希釈し、10分間攪拌し、水10mL及び酢酸エチル40mLで平衡化した。有機層を、水4x20mL、ブライン10mLで洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。茶色の油状残渣を、1:19、1:9、及び1:4の酢酸エチルヘキサンを段階勾配として使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけた。Rf 0.16である主要バンド(TLC 1:4 酢酸塩ヘキサン)を蒸発させ、無色の泡状物として1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール(22) 0.0939gを得た。
(実施例20)
(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(15mL)を溶媒とする(3aR, 4S, 7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル(1.0g, 2.90mmol)の-78℃の攪拌溶液へ、n-BuLi(2.72mL, 4.35mmol, ヘキサン中1.6M)を添加した。78℃で1時間攪拌後、アセトン(2.5mL, 34.6mmol)を添加し、2.5時間攪拌を継続した。NH4Claqを添加し(15mL)、混合物を室温で15分間攪拌し、その後AcOEt(2x50mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(2.4g)を、FC(50g, ヘキサン中10%AcOEt)で精製し、(3aR, 4S, 7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-2-メチル-ペンタ-3-イン-2-オール(1.05g, 2.61mmol)を生じ、これをフッ化テトラブチルアンモニウム(6mL, 6mmol, THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で48時間攪拌した。この混合物を、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x25mL)、ブライン(25mL)で洗浄した。一緒にした水性洗浄液を、AcOEt(25mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後のこの残渣(1.1g)を、FC(50g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、標題化合物(0.75g, 2.59mmol, 90%)を得た。[α]30 D=+2.7 c 0.75, CHCl3
1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, m), 4.18 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.35-1.16 (11H, m), 1.48 (6H, s), 1.20 (3H, s), 0.76-0.50 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.39, 125.26, 86.39, 80.19, 69.21, 65.16, 55.14, 46.94, 35.79, 33.60, 31.67, 29.91, 27.22, 19.32, 19.19, 17.73, 10.94, 10.37;
MS HREI C22H28O2Mの計算値 M+ 288.2089;実測値 M+ 288.2091。
(実施例21)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008519808
(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(0.72g, 2.50mmol)、酢酸エチル(10mL)、ヘキサン(24mL)、無水エタノール(0.9mL)、キノリン(47μL)及びリンドラー触媒(156mg, CaCO3上の5% Pd)の混合物を、室温で2時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、このパッドを、AcOEtで洗浄した。濾液及び洗浄液を一緒にし、1M HCl、NaHCO3及びブラインで洗浄した。Na2SO4上で乾燥後、溶媒を蒸発させ、残渣(0.79g)を、FC(45g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、標題化合物(640mg, 2.2mmol, 88%)を得た。
(実施例22)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008519808
(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール (100mg, 0.34mmol)、1,4-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)ブタン1,5 シクロオクタジエンロジウムテトラフルオロホウ酸(25mg,0.034mmol)、ジクロロメタン(5mL)及び水銀1滴の混合物を、Paar装置を用い、室温及び圧力50p.s.i.で3時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、これを酢酸エチルで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を、蒸発乾固させ(110mg)、FC(10g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、標題化合物(75mg, 0.26mmol, 75%)を得た。[α]30 D=-8.5 c 0.65, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.37-1.16 (17H, m), 1.19 (6H, s), 1.18 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
MS HREI C19H32O2の計算値 M+H 292.2402;実測値 M+H 292.2404。
(実施例23)
(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008519808
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(440mg, 1.50mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.13g, 3.0mmol)を添加した。得られる混合物を、5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中の20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(426mg, 1.47mmol, 98%)を得た。ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(424mg, 1.47mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(0.44mL, 3.0mmol)を添加した。得られる混合物を1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中の10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(460mg, 1.27mmol, 86%)を得た。[α]29 D=-9.9 c 0.55, CHCl3 1H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5Hz), 2.81 (1H, dd, J= 10.7, 6.2Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.6, 10.7, 1.5Hz), 2.30-1.15 (13H, m), 重なり 2.03 (ddd, J=15.8, 6.4, 3.2Hz), 1.18 (6H, s), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 211.08(0), 155.32(0), 124.77(1), 73.98(0), 64.32(1), 53.91(0), 44.70(2), 40.45(2), 38.12(2), 34.70(2), 29.86(3), 29.80(3), 26.80(2), 24.07(2), 22.28(2), 21.24(0), 18.35(3), 12.60(2), 10.64(2), 2.63(3);MS HRES C22H38O2Siの計算値 M+ 362.2641;実測値 M+ 362.2648。
(実施例24)
(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008519808
ジクロロメタン(10mL)を溶媒とする(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(381mg, 1.32mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.0g, 2.65mmol)を添加した。得られた混合物を、1.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中の20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(360mg, 1.26mmol, 95%)を得た。ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(360mg, 1.26mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(0.25mL, 1.7mmol)を添加した。得られた混合物を、0.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中の5%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(382mg, 1.07mmol, 81%)を得た。
(実施例25)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール(23)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(513mg, 0.88mmol)の攪拌溶液へ78℃で、n-BuLi(0.55mL, 0.88mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(179mg, 0.50mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣(716mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール(324mg, 0.45mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール(322mg, 0.45mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を、18時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(280mg)を、FC(10g, ヘキサン中50% AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(23)(172mg, 0.41mmol, 82%)を得た。[α]31 D=+32.4 c 0.50, MeOH。UVλmax (EtOH): 261nm (ε11930); 1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.3Hz), 6.09 (1H, d, J=11.3Hz), 5.45(1H, m), 5.33 (1H, m), 5.01 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.22 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.50-1.10 (16H, m), 1.45 (6H, s), 0.81 (3H, s ),0.72-0.50 (4H, m);MS HRES C28H38O3の計算値 M+ 422.2821;実測値 M+ 422.2854。
(実施例26)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(24)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(674mg, 1.18mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.74mL, 1.18mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(3mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(235mg, 0.66mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣(850mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(330mg, 0.46mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(328mg, 0.46mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム (5mL, 5mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を62時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発後の残渣(410mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)で精製し、標題化合物(24)(183mg, 0.45mmol, 68%)を得た。[α]29 D=+72.1 c 0.58, MeOH。UVλmax (EtOH): 242nm (ε29286), 251nm (ε 34518), 260nm (ε 23875); 1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3Hz), 5.94 (1H, d, J=11.3Hz), 5.48 (1H, m), 4.14 (1H, m), 4.07 (1H, m), 2.78 (2H, m), 2.52-1.10 (18H, m), 1.49(6H, s), 0.81 (3H, s ), 0.72-0.50 (4H,m);MS HRES C27H38O3の計算値 M+ 410.2821;実測値 M+ 410.2823。
(実施例27)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(35mL)中の(3aR,4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル(1.95g, 5.66mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi (4.3mL, 6.88mmol , ヘキサン中1.6M)を添加した。78℃で1時間攪拌後、ヘキサフルオロアセトン(冷した指(cooling finger)から6滴)を添加し、攪拌を1時間継続した。NH4Claqを添加し(10mL)、この混合物を室温へ温めた。反応混合物を、ブライン(100mL)で希釈し、ヘキサン(2x125mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発後の残渣(8.2g)を、FC(150g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、(3aR, 4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ペンタ-3-イン-2-オール(2.73g, 5.35mmol)を得、これをフッ化テトラブチルアンモニウム(20mL, 20mmol, THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で30時間攪拌した。混合物を、AcOEt(150mL)で希釈し、水(5x150mL)、ブライン(150mL)で洗浄した。一緒にした水性洗浄液を、AcOEt(150mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒を蒸発後の残渣(3.2g)を、FC(150g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、標題化合物(2.05g, 5.17mmol, 97%)を得た。[α]28 D=+6.0 c 0.47, CHCl3.1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, br, s), 4.16 (1H, br, s), 3.91 (1H, s), 2.48 (1H, AB四重線のA部分, J=17.5Hz), 2.43 (1H, AB四重線のB部分, J=17.5Hz), 2.27 (1H, m), 2.00-1.40 (9H, m), 1.18 (3H, s), 0.8-0.5 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 155.26(0), 126.68(1), 121.32(0, q, J=284Hz), 90.24(0), 71.44(0, sep. J=34Hz), 70.54(0), 69.57(1), 55.17(1), 47.17(0), 36.05(2), 33.63(2), 30.10(2), 27.94(2), 19.50(3), 19.27(0), 17.90(2), 11.56(2), 11.21(2);MS HREI C19H22O2F6の計算値 M+ 396.1524;実測値 M+ 396.1513。
(実施例28)
(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008519808
ジクロロメタン(12mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(504mg, 1.27mmol)及びセライト(1.5g)の攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウム(0.98g, 2.6mmol)を添加した。得られた混合物を、2.5時間攪拌し、シリカゲル(5g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を、蒸発させ、標題化合物(424mg, 1.08mmol, 85%)を得た。[α]28 D=+3.1 c 0.55, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.46 (1H, br, s), 3.537 (1H, s), 2.81 (1H, dd, J=10.7, 6.5Hz), 2.49-1.76 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.77-0.53 (4H, m);MS HREI C19H20O2F6の計算値 M+H 395.1440;実測値 M+H 395.1443。
(実施例29)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(25)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(900mg, 1.58mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(1.0mL, 1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(3mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.51mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(850mg)を、FC(20g, ヘキサン中10%AcOEt)で精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(327mg, 0.44mmol, 86%)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(327mg, 0.44mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を24時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(250mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)で精製し、標題化合物(25)(183mg, 0.45mmol, 68%)を得た。[α]30 D=+73.3 c 0.51, EtOH。UVλmax(EtOH): 243nm (ε29384), 251nm (ε 34973), 260nm (ε 23924);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.1Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1Hz), 5.50 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.76 (2H, m), 2.55-1.52 (18H, m), 0.80 (3H, s), 0.80-0.49 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 155.24(0), 141.78(0), 131.28(0), 126.23(1), 123.65(1), 121.09(0, q, J=285Hz), 115.67(1), 89.63(0), 70.42(0), 67.48(1), 67.29(1), 59.19(1), 49.87(0), 44.49(2), 41.98(2), 37.14(2), 35.76(2), 29.22(2), 28.47(2), 27.57(2), 23.46(2), 19.32(0), 17.97(3), 11.89(2), 10.18(2);MS HRES C27H32O3F6の計算値 M+H 519.2329;実測値 M+H 519.2325。
(実施例30)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27 ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(26)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(921mg, 1.58mmol)の攪拌溶液へ、78℃でn-BuLi(1.0mL, 1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(197mg, 0.50mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(876mg)を、FC(20g, ヘキサン中105%AcOEt)で精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(356mg, 0.47mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(356mg, 0.47mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(5mL, 5mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を、15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(270mg)を、FC(20g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)で精製し、標題化合物(26)(216mg, 0.41mmol, 87%)を得た。[α]30 D=+40.0 c 0.53, EtOH。UVλmax(EtOH):262nm (ε 12919);1H NMR (CDCl3): 6.38 (1H, d, J=11.5Hz), 6.10 (1H, d, J=11.1Hz), 5.49 (1H, m), 5.35 (1H, s), 5.02 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.25 (1H, m), 3.57 (1H, s), 2.83-1.45 (18H, m), 0.82 (3H, s), 0.80-0.51 (4H, m);MS HRES C28H32O3F6の計算値 M+H 531.2329;実測値 M+H 531.2337。
(実施例31)
(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008519808
水素化リチウムアルミニウム(4.5mL, 4.5mmol, THF中1.0M)へ、5℃で、最初に固形ナトリウムメトキシド(245mg, 4.6mmol)を添加し、次にテトラヒドロフラン(5mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(360mg, 0.91mmol)の溶液を滴下した。添加の完了後、混合物を還流下で2.5時間攪拌した。その後これを、氷浴で冷却し、水(2.0mL)及び水酸化ナトリウム(2.0mL, 2.0M水溶液)で反応停止し;エーテル(50mL)で希釈し、30分間攪拌した。その後MgSO4(5g)を添加し、攪拌を30分間継続した。濾液の蒸発後の残渣(0.42g)を、FC(20g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、標題化合物(315mg, 0.79mmol, 87%)を得た。[α]28 D=+2.0 c 0.41, CHCl3。 1H NMR (CDCl3):6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7Hz), 5.60 (1H, d, J=15.7Hz), 5.38 (1H, br, s), 4.13 (1H, br, s), 3.27 (1H, s), 2.32-1.34 (12H, m), 1.15 (3H, s), 0.80-0.45 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 155.89(0), 138.10(1), 126.21(1), 122.50(0, q, J=287Hz), 119.15 (1), 76.09(0, sep. J=31Hz), 69.57(1), 55.33(1), 47.30(0), 40.31(2), 36.05(2), 33.71(2), 30.10(2), 20.36(0), 19.46(3), 17.94(2), 11.96(2), 11.46(2);MS REI C19H24O2F6の計算値 M+ 398.1680;実測値 M+ 398.1675。
(実施例32)
(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペン-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008519808
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(600mg, 1.51mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液へ、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.13g, 3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、3.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドをヘキサン中25%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(550mg, 1.39mmol, 92%)を得た。ジクロロメタン(15mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(550mg, 1.39mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(1.76mL, 12.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(623mg, 1.33mmol, 88%)を得た。[α]28 D=-1.6 c 0.51, CHCl31H NMR (CDCl3): 6.14 (1H, dt, J=15.5, 6.7Hz), 5.55 (1H, d, J=15.5Hz), 5.35 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J= 10.7, 6.4Hz), 2.47-1.74 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.76-0.40 (4H, m), 0.2 (9H, s);13C NMR (CDCl3): 210.99 (0), 154.28(0), 137.41(1), 126.26(1), 122.59(0, q, J=289Hz), 120.89(1), 64.31(1), 53.96(0), 40.60(2), 40.13(2), 35.00(2), 27.03(2), 24.21(2), 20.57(0), 18.53(3), 12.41(2), 10.79(2), 1.65(3);MS HRES C22H30O2F6Siの計算値 M+H 469.1992;実測値 M+H 469.1995。
(実施例33)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(27)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(514mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.43mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(750mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(250mg)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(250mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を24時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(270mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(27)(157mg, 0.30mmol, 70%)を得た。[α]3 D=+63.3 c 0.45, EtOH。UVλmax(EtOH):243nm (ε30821), 251nm (ε36064), 260nm (ε24678);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.3Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.9, 6.4Hz), 5.92 (1H, d, J=11.1Hz), 5.61 (1H, d, J=15.7Hz), 5.38 (1H, m), 4.13 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.88 (1H, s), 2.82-1.34 (19H, m), 0.770 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m);MS HRES C27H34O3F6の計算値 M+H 521.2485;実測値 M+H 521.2489。
(実施例34)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(28)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(525mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.43mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で2.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(760mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(274mg)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(274mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(280mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(28)(167mg, 0.31mmol, 73%)を得た。[α]3 D=+18.3 c 0.41, EtOH。UVλmax (EtOH):207nm (ε17778), 264nm (ε15767);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7Hz), 6.07 (1H, d, J=11.3Hz), 5.60 (1H, d, J=15.5Hz), 5.35 (1H, m), 5.33 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.40-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s), 0.80-0.36 (4H, m);MS HRES C28H34O3F6の計算値 M+H 533.2485;実測値 M+H 533.2483。
(実施例35)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008519808
(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(300mg, 0.76mmol)、酢酸エチル(5mL)、ヘキサン(12mL)、無水エタノール(0.5mL)、キノリン(30μL)及びリンドラー触媒(75mg, CaCO3上の5%Pd)の混合物を、室温で2時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、パッドをAcOEtで洗浄した。溶媒を蒸発させ、標題化合物(257mg, 0.65mmol, 87%)を得た。[α]28 D=+1.8 c 0.61, CHCl31H NMR (CDCl3): 6.08 (1H, dt, J=12.3, 6.7Hz), 5.47 (1H, m,), 5.39 (1H, d, J=12.1Hz), 4.15 (1H, br, s), 3.28 (1H, s), 2.52-1.34 (12H, m), 1.16 (3H, s), 0.78-0.36 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 156.66(0), 141.77(1), 126.51(1), 122.79(0, q, J=285Hz), 115.77 (1), 69.59(1), 55.41(1), 47.28(0), 36.44(2), 35.90 (2), 33.75(2), 30.22(2), 20.89(0), 19.41(3), 17.94(2), 12.05(2), 11.11(2);MS HRES C19H24O2F6の計算値 M+H 399.1753;実測値 M+H 399.1757。
(実施例36)
(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペン-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008519808
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(617mg, 1.55mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液へ、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.17 g, 3.1mmol)を添加した。得られた混合物を2.5時間攪拌し、シリカゲル(5g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドをヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(600mg, 1.51mmol, 98%)を得た。ジクロロメタン(15mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(600mg, 1.51mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(1.76mL, 12.0mmol)を添加した。得られた混合物を1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(640mg, 1.37mmol, 88%)を得た。[α]28 D=-0.2 c 0.55, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.97 (1H, dt, J=12.2, 6.2Hz), 5.40 (1H, m), 5.38 (1H, d, J=12.2Hz), 2.82 (1H, dd, J= 10.7, 6.6Hz), 2.60-1.74 (10H, m), 0.89 (3H, s), 0.75-0.36 (4H, m), 0.21 (9H, s);13C NMR (CDCl3): 210.56 (0), 154.30(0), 139.28(1), 125.81(1), 122.52(0, q, J=289Hz), 118.17 (1), 64.11(1), 53.69(0), 40.43(2), 35.51(2), 34.85(2), 26.94(2), 24.07(2), 20.89(0), 18.39(3), 12.26(2), 10.61(2), 1.43 (3);MS HRES C22H30O2F6Siの計算値 M+H 469.1992;実測値 M+ H 469.1992。
(実施例37)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(29)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(514mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(194mg, 0.41mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.0時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(750mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(230mg)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(230mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を40時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(260mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(29)(1327mg, 0.25mmol, 62%)を得た。[α]28 D=+53.6 c 0.33, EtOH。UVλmax(EtOH): 243nm (ε26982), 251nm (ε 32081), 260nm (ε 21689);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=10.7Hz), 6.08 (1H, dt, J=12.5, 6.7Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1Hz), 5.46 (1H, m), 5.40 (1H, d, J=12.7Hz)), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80-1.40 (19H, m), 0.77 (3H, s), 0.80-0.36 (4H, m);MS HRES C27H34O3F6の計算値 M+H 521.2485;実測値 M+H 521.2487。
(実施例38)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(30)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(525mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.43mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で2.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(680mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(310mg)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(310mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を、15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(370mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(30)(195mg, 0.37mmol, 85%)を得た。[α]30 D=+9.4 c 0.49, EtOH。UVλmax(EtOH): 262nm (11846);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1Hz), 6.08 (2H, m), 5.44 (1H, m), 5.40 (1H, d, J=12.3Hz), 5.32 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.43 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.08 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.55-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s),0.80-0.34 (4H, m);MS HRES C28H34O3F6の計算値 M+H 533.2485;実測値 M+H 533.2502。
(実施例39)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(31)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(9mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(697mg, 1.22mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.77mL, 1.23mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(220mg, 0.61mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(900mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(421mg, 0.59mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール(421mg, 0.59mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を40時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(450mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(31)(225mg, 0.54mmol, 89%)を得た。[α]29 D=+69.5 c 0.37, EtOH。UVλmax(EtOH): 243nm (ε27946), 251nm (ε 33039), 261nm (ε 22701);1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3Hz), 5.93 (1H, d, J=11.3Hz), 5.36 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.04 (1H, m), 2.75 (2H, m), 2.52-1.04 (22H, m), 1.18 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.65-0.26 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 157.16(0), 142.33(0), 131.25(0), 124.73(1), 123.76(1), 115.50(1), 71.10(0), 67.39(1), 67.19(1), 59.47(1), 50.12(0), 44.60(2), 43.84(2), 42.15(2), 38.12(2), 37.18(2), 35.57(2), 29.26(3), 29.11(2), 29.08(3), 28.48(2), 23.46(2), 22.26(2), 21.27(0), 17.94(3), 12.70(2), 10.27(2);MS HRES C27H42O3の計算値 M+H 415.3207;実測値 M+H 415.3207。
(実施例40)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(32)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(675mg, 1.16mmol)の攪拌溶液へ、78℃で、n-BuLi(0.73mL, 1.17mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-( 4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(210mg, 0.58mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(850mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(382mg, 0.53mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(382mg, 0.53mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(380mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(32)(204mg, 0.48mmol, 83%)を得た。[α]29 D=+16.1 c 0.36, EtOH。UVλmax(EtOH): 208nm (ε17024), 264nm (ε 16028);1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3Hz), 6.09 (1H, d, J=11.1Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.38-1.08 (20H, m), 1.19 (6H, s), 0.79 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 157.07(0), 147.62(0), 142.49(0), 133.00(0), 124.90(1), 124.73(1), 117.19(1), 111.64(2), 71.10(1), 70.70(0), 66.88(1), 59.53(1), 50.28(0), 45.19(2), 43.85(2), 42.86(2), 38.13(2), 35.59(2), 29.27(2), 29.14(3), 28.65(2), 23.57(2), 22.62(2), 21.29(0), 17.84(3), 12.74(2), 10.30(2);MS HRES C28H42O3の計算値 M+Na 449.3026;実測値 M+Na 449.3023。
(実施例41)
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール(33)の合成
Figure 2008519808
[1R,3aR,4S,7aR]-2(R)-[4-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-ヘプタン-1,6-ジオール(34)及び[1R,3aR,4S,7aR]-2(S)-[4-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-ヘプタン-1,6-ジオール(35)
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(9mL)中のアルケノールの溶液を、氷浴で冷却し、テトラヒドロフラン(17mL)中のボランTHFの1M溶液を、滴下し、最初は泡立つ反応であった。この溶液を、室温で一晩攪拌し、氷浴で再冷却し、水(17mL)を、その後過炭酸ナトリウム(7.10g, 68mmol)を滴下した。この混合物を、50℃の浴に浸漬し、70分間攪拌し、溶液を生じた。この2-相システムを冷却し、その後1:1酢酸エチルヘキサン(170mL)と平衡とした。有機層を、水(2x25mL)、その後ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物(2.76g)が残存した。この物質を、1:1酢酸エチルヘキサン及びシリカゲルGを使用する短いフラッシュカラムを通過させた。完全な溶離後得られた流出液を、蒸発させ、酢酸エチル中に溶解させ、濾過し、2x18" 15-20 uシリカYMC HPLCカラム上で、2:1酢酸エチルヘキサンを移動相として用い、100mL/分で流し、クロマトグラフィーにかけた。異性体34が、最大2.9Lの流出液で、無色の油状物1.3114gとして出現した。[α]D+45.2°(メタノール, c 0.58;1H NMR δ-0.002 (3H, s), 0.011 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.93 (3H, s), 1.17 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.89 (1H, m), 3.66 (1H, dd, J=4.8 and 11Hz), 3.72 (1H, dd, J=3.3 and 11Hz), 4.00 (1H, m); LR-ES(-) m/z 412 (M), 411 (M-H);HR-ES(+):(M+Na)計算値:435.3265;実測値:435.3269。
異性体35が、最大4.9Lの流出液で、無色の油状物0.8562gとして溶離し、これは長期間放置すると晶出した:融点102-3°,[α]D+25.2SYMBOL 176 \f "Symbol" \s 10.5 (メタノール, c 0.49);1H NMRδ-0.005 (3H, s), 0.009 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.93 (3H, s), 1.16 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.3-1.5, (14H, m), 1.57 (2H, m), 1.67 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.91 (1H, m), 3.54 (1H, dd, J=4.8 and 11Hz), 3.72 (1H, dd, J=2.9 and 11Hz), 4.00 (1H, m); LR-ES(-) m/z 412 (M)、411 (M-H)。C24H48O3Siの分析、計算値:C, 69.84, H, 11.72;実測値:C, 69.91; H, 11.76。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヨード-2-メチル-ヘプタン-2-オール(36)
Figure 2008519808
ジクロロメタン(3mL)中のトリフェニルホスフィン(0.333g, 1.27mmol)及びイミダゾール(0.255g, 3mmol)の攪拌された混合物を、氷浴中で冷却し、ヨウ素(0.305g, 1.20mmol)を添加した。この混合物を10分間攪拌し、その後ジクロロメタン(3mL)中の化合物34の溶液(0.4537g, 1.10mmol)を、10分間かけて滴下した。この混合物を氷浴中で30分間攪拌し、その後周囲温度で2時間45分間攪拌した。TLC (1:1酢酸エチルヘキサン)は、抽出物が存在しないことを確認した。水(5mL)中のチオ硫酸ナトリウム(0.1g)の溶液を添加し、この混合物を平衡とし、有機相を、ブラインを数滴含有する0.1N硫酸(10mL)、その後1:1水ブライン(2x10mL)、ブライン(10mL)で1回洗浄し、その後乾燥し蒸発させた。残渣を、移動相として1:9酢酸エチルヘキサンを使用する、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、無色のシロップ剤として化合物36を0.5637g, 98%得た:1H NMR δ-0.005 (3H, s), 0.010 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.23 (6H, s), 1.1-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.84 (1H, m), 3.37(1H, dd, J=4 and 10Hz), 3.47 (1H, dd, J=3 and 10Hz), 4.00 (1H, m);LR-EI(+) m/z 522 (M), 465 (M-C4H9), 477 (M-C4H9-H2O);HR-EI(+):C24H47IO2Siの計算値:522.2390、実測値:522.2394。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ノニ-8-イン-2-オール(37)
Figure 2008519808
リチウムアセチリドDMA錯体(0.110g, 1.19mmol)を、ジメチルスルホキシド(1.5mL)及びテトラヒドロフラン(0.15mL)中の化合物36(0.2018g, 0.386mmol)の溶液に添加した。この混合物を一晩攪拌した。TLC(1:4酢酸エチルヘキサン)は、一緒に非常に近傍に移動する(Rf 0.52及び0.46)ふたつのスポットの混合物を示した。溶離されたバンドの始まりの画分は、純粋なアルケノールを含み、これは化合物36の脱離生成物であり、主副産物として生成された。しかし溶離バンドの最後の画分も、均一であり、蒸発時に望ましいアセチレン37を生じた。化合物37及び同定に利用されるその6-エピマーのNMRスペクトルは、先に報告されていた。
[1R,3aR,4S,7aR]-7-ベンゼンスルホニル-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール(38)
Figure 2008519808
化合物37b(0.94g, 1.8mmol)、ベンゼンスルホン酸ナトリウム(2.18g, 13mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(31.8g)の混合物を、室温で12時間攪拌し、その後40℃の浴で約6時間、全ての抽出物が転換されたことがTLC(1:4酢酸エチルヘキサン)により示されるまで、攪拌した。この溶液を、1:1酢酸エチルヘキサン(120mL)及び1:1ブライン水(45mL)で平衡とした。有機層を、水(4x25mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、無色の油状物1.0317gが残存した。この物質を、段階勾配(1:9、1:6、1:3酢酸エチルヘキサン)を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、無色の油状物0.930g、96%を得た:300MHz 1H NMRδ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.88 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 1.81 (1H, m), 3.09 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.59 (3H, m), 7.91 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(1(S)-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン(39)
Figure 2008519808
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1mL)を、シクロヘキサン(10mL)中の化合物38 (0.8g)の溶液に添加し、一晩攪拌し、その後ヘキサン、1:39及び1:19酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。溶離は、TLC(1:4酢酸エチルヘキサン)でモニタリングし、化合物39が無色のシロップとして0.7915g残存した:300MHz 1H NMR δ0.00 (3H, s), 0.02 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.90 (12H, s, t-ブチル+7a-Me), 1.16 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.66-1.86 (3H, m), 3.10 (2H, m), 4.00 (1H, brs), 7.56-7.70 (3H, m), 7.93 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(40)
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(28mL)中の化合物39(0.7513g, 1.23mmol)及びジオール(0.508g, 1.85mmol)の溶液を、35℃に冷却し、その後ヘキサン中2.5Mブチルリチウム(2.75mL)を滴下した。温度を20℃に上昇させ、その温度で6時間又は抽出物が消費されるまで維持した。反応の進行は、TLC(1:4酢酸エチルヘキサン)によりモニタリングし、これは抽出物(Rf 0.71)及びふたつのエピマー性ジオール(Rf 0.09及び0.12)を示した。この反応期間の最後に向けて、温度を短時間0℃に上昇し、その後再度10℃に低下し、次に飽和塩化アンモニウム(25mL)を添加し、引き続き酢酸エチル(50mL)、及び沈殿した塩を溶解するのに十分量な水を添加した。得られた水相は酢酸エチル(15mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られたシロップを、1:9、1:6、1:4及び1:1酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物39aを無色のシロップとして0.8586g得た。この物質を、テトラヒドロフラン(30mL)及びメタノール(18mL)の混合物へ溶解し、その後5%ナトリウムアマルガム(20g)を添加した。混合物の14時間の撹拌後に、還元的脱スルホニル化は完了した。この反応の進行は、TLC(1:1酢酸エチルヘキサン)によりモニタリングし、これはエピマー性ジオール(Rf 0.63及び0.74)の消失、並びに化合物40a(Rf 0.79)及び部分的に脱シリル化されたアナログ40(Rf 0.16)の生成を示した。この混合物を、メタノール(20mL)で希釈し、3分間攪拌し、その後氷(20g)を添加し、2分間攪拌し、上清を、飽和塩化アンモニウム(50mL)を含有する混合物へデカントした。残渣を、少量のテトラヒドロフランで繰り返し洗浄し、これも前記塩溶液へ添加し、次に酢酸エチル(80mL)で平衡とした。水層を、酢酸エチル(20mL)で1回再抽出し、一緒にした抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、その後乾燥し、蒸発させた。化合物40a及び40の両方を含有する得られた無色の油状物を、メタノール中の1Nシュウ酸溶液10mLに溶解し(二水和物より調製)、トリメチルシリルエーテルの選択的加水分解を数分以内に行った。炭酸カルシウム(1g)を添加し、その懸濁液を一晩攪拌し、次に濾過した。溶液を蒸発させ、得られた残渣を、1:4、1:2、1:1及び2:1酢酸エチルヘキサンの段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、トリオール40の残渣0.45gを、アセトニトリルから非常に細い枝の針状結晶として得た:mp 94-95℃, [α]D+44.1°(メタノール, c 0.37);400MHz 1H NMR δ-0.005 (3H, s), 0.007 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.15 (1H, m), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.6 (19H, m), 1.67 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.90 (2H, m), 2.06 (1H, m), 3.31 (1H, brd, J=10Hz), 4.00 (1H, brs), LR-ES(-) m/z: 533 (M+Cl), 497 (M-H); HR-ES(+): C29H58O4Si+Naの計算値:521.3996;実測値:521.4003。C29H58O4Siの分析的計算値:C, 69.82, H, 11.72;実測値:C, 69.97; H, 11.65。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-(4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(41)
Figure 2008519808
アセトニトリル(10mL)及びジオキサン(0.7mL)中のトリオール40(0.4626g, 0.927mmol)の攪拌溶液を、10℃に冷却し、フルオロケイ酸溶液(2mL)を滴下した。冷却浴を取り外し、この2-相系を更に、アセトニトリル(2mL)で希釈し、その後室温で3時間15分攪拌した。抽出物の消失は、TLC(酢酸エチル)によりモニタリングした。混合物を、水(10mL)及び酢酸エチル(30mL)で平衡とした。水相を、酢酸エチル(2x20mL)で再抽出し、一緒にした抽出物を、水(5mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、その後1:1ブライン飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥した。残渣を、1:1から2:1酢酸エチルヘキサン及び無希釈の酢酸エチルの段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、残渣を得、これを1:1ジクロロメタンヘキサンに溶解し、濾過し、蒸発させ、非晶質固形物0.3039g (85%)を得た:[α]D+42.6℃(メタノール, c 0.48);1H NMR (DMSO-d6): δ0.87 (3H, s), 0.97 (3H, s), 1.02 (3H, s), 1.04 (6H, s), 1.1-1.4 (18H, m), 1.5-1.8 (4H, m), 1.84 (1H, m), 2.99 (1H, dd, J=6 and 10Hz), 3.87 (1H, brs), 4.02 (1H, s, OH), 4.05 (1H, s, OH), 4.16 (1H, d, OH, J=3.6Hz), 4.20 (1H, d, OH, J=6.4Hz);LR-ES(+): m/z 384 (M), 383 (M-H);HR-ES(+):(M+Na)の計算値:407.3132;実測値:407.3134。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-{5-ヒドロキシ-5-メチル-1(R)-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル)-エチル]-ヘキシル}-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール(42)
Figure 2008519808
アセトン(8mL)及び2,2-ジメトキシプロパン(8mL)中のテトラオール40(0.2966g, 0.771mmol)及びトシル酸ピリジニウム(100mg)の溶液を、室温で12時間維持した。TLC分析(酢酸エチル)は、抽出物(Rf 0.21)の非存在及びRf 0.82及び0.71のふたつの新しいスポットの存在を示し、前者は予想された化合物42であり、後者はメチルアセタールであると推定された。反応混合物を、水(5mL)で希釈し、10分間攪拌した。この時点で、より高いRf値を伴うスポットのみ、観察された。この混合物を、炭酸水素ナトリウム(0.5g)で中和し、その後酢酸エチル(50mL)及びブライン(5mL)で平衡とした。有機層を、水(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、粘着性の残渣(0.324g)が残存し、これは直接次工程で使用した:300MHz 1H NMR: δ 0.94 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.34 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.2-1.65 (20H, m), 1.78-1.86 (3H, m), 1.93 (1H, m), 3.62 (1H, dd, J=4.6 and 8.3Hz), 4.08 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-{5-ヒドロキシ-5-メチル-1(R)-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル)-エチル]-ヘキシル}-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イルエステル(43)
Figure 2008519808
先に得られた残渣を、ピリジン(6.9g)に溶解し、更に無水酢酸(3.41g)で希釈した。この混合物を、室温で24時間放置し、その後35℃の浴中で約10時間、その抽出物が最早検出されなくなるまで放置した(TLC, 酢酸エチル)。この混合物を、トルエンで希釈し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(1:4酢酸エチルヘキサン)で精製し、化合物43を無色のシロップとして(0.3452g, 97%)得た:1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.25-1.6 (19H, m), 1.72 (1H, m), 1.82 (2H, m), 1.95 (1H, m), 2.05 (3H, s), 3.63 (1H, dd, J=4.4 and 8.4Hz), 5.15 (1H, brs);LR-FAB(+) m/z 467 (M+H), 465 (M-H), 451 (M-Me)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R),5-ジヒドロキシ-1(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イルエステル(44)
Figure 2008519808
80%酢酸(2mL)中の化合物43(0.334g, 0.716mmol)の溶液を、68℃の浴中で維持した。TLC(酢酸エチル, Rf 0.33)で、加水分解の進行をモニタリングした。2.5時間後、抽出物は最早検出されなかった。この混合物を蒸発させ、次に少量のトルエンと同時蒸発させ、無色のフィルム(0.303g)が残存し、これは直接次工程で用いた:300MHz 1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.56 (3H, s), 1.1-1.6 (21H, m), 1.6-2.0 (5H, m), 2.04 (3H, s), 3.32 (1H, brd, J=10Hz), 5.15 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-ヒドロキシ-1(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イルエステル(45)
Figure 2008519808
N,N-ジメチルホルムアミド(6g)中のトリオール44(0.30g)、イミダゾール(0.68g, 10mmol)及びジメチルテキシルシリルクロライド(1.34g, 7.5mmol)の溶液を、室温で維持した。48時間後、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(15mg)を添加し、この混合物を更に24時間攪拌した。反応進行を、TLC(酢酸エチル;24, Rf 0.83;25a, Rf 0.38)によりモニタリングした。この混合物を、水(2mL)で希釈し、10分間攪拌し、その後酢酸エチル(45mL)と水(20mL)の間で分配した。水層を、酢酸エチル(10mL)で1回抽出した。一緒にした有機相を、水(4x12mL)及びブライン(8mL)で洗浄し、その後乾燥し蒸発させた。残存する油状物を、1:9及び1:4の酢酸エチルヘキサン段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物45を無色のシロップとして得た。少量の未反応の抽出物(80mg)を、酢酸エチルで溶離した。シロップ45を、次工程で直接使用した:400MHz 1H NMR: δ 0.13 (3H, s), 0.14 (3H, s), 0.87 (6H, s), 0.91 (9H, m), 1.10 (1H, m), 1.14 (3H, s), 1.15 (3H, s), 1.21 (6H, s), 1.1-1.6 (19H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.94 (1H, brd, J=12.8Hz), 2.05 (3H, s), 3.38 (1H, brs), 5.15 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イル エステル(46)
Figure 2008519808
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(0.90mL, 6.1mmol)を、シクロヘキサン(6mL)中の化合物45(0.2929mg)の溶液へ添加し、12時間攪拌し、その後フラッシュクロマトグラフィーにかけ(1:79酢酸エチルヘキサン)、化合物46を無色のシロップ(0.3372g)として得た。溶離は、TLC(1:4 酢酸エチルヘキサン)によりモニタリングし、化合物46(0.7915g)を無色のシロップとして得た:1H NMR δ: 0.074 (3H, s), 0.096 (3H, s), 0.103 (9H, s), 0.106 (9H, s), 0.82 (1H, m), 0.83 (6H, s), 0.88 (9H, m), 1.32 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.15-1.6 (17H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.97 (1H, brd, J=12.8Hz), 2.05 (3H, s), 3.27 (1H, m), 5.15 (1H, brs);LR-FAB(+) m/z: 712 (M), 711 (M-H), 697 (M-Me), 653 (M-AcO), 627 (M-C6H13)。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール(47)
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(15mL)中の化合物46(0.335mg, 0.47mmol)の攪拌溶液を、氷浴で冷却し、テトラヒドロフラン(2mL)中の水素化アルミニウムリチウム1M溶液を滴下した。TLC(1:9酢酸エチルヘキサン)は、1.5時間後に化合物25b(Rf 0.61)の26(Rf 0.29)への完全な転換を示した。2M水酸化ナトリウム溶液(14滴)を添加し、引き続き水(0.5mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加した。少量のセライトを添加し、15分間攪拌後、液層を濾過除去した。固形残渣を、酢酸エチルで繰り返し洗浄し、一緒にした液相を蒸発させ、無色のシロップを残存させ、これをヘキサン中に溶解し、濾過し蒸発させ、化合物26(0.335g)を得、これを更に精製することなく使用した:1H NMR δ: 0.075 (3H, s), 0.10 (21H, brs), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 0.93 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.2-1.6 (16H, m), 1.6-1.7 (2H, m), 1.82 (3H, m), 1.95 (1H, brd, J=12.4Hz), 3.27 (1H, m), 4.08 (1H, brs);LR-FAB(+) m/z: 585 (M-C6H13), 481 (M-TMSO);HR-ES(+) m/z: C37H78O4Si3+Na:の計算値 693.5100 実測値: 693.5100。
[1R,3aR,7aR]-1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(48)
Figure 2008519808
セライト(0.6g)を、ジクロロメタン(14mL)中の化合物47(0.310g, 0.462mmol)の攪拌溶液へ添加し、引き続き重クロム酸ピリジニウム(0.700g, 1.86mmol)を添加した。化合物47(Rf 0.54)のケトン27(Rf 0.76)への転換は、TLC(1:4酢酸エチルヘキサン)により辿った。この混合物を、4.5時間後にシクロヘキサンで希釈し、その後シリカゲル層を通して濾過した。濾液及びエーテル洗浄液を一緒にし、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにかけ(1:39酢酸エチルヘキサン)、化合物27を無色のシロップ(0.2988g, 96.6%)として得た:1H NMR δ: 0.078 (3H, s), 0.097 (3H, s), 0.107 (18H, s), 0.64 (3H, s), 0.81 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 1.134 (3H, s), 1.201 (3H, s), 1.207 (3H, s), 1.211 (3H, s), 1.3-1.6 (14H, m), 1.6-1.7 (3H, m), 1.88 (1H, m), 2.04 (2H, m), 2.2-2.32 (2H, m), 2.46 (1H, dd, J=7.5 and 11.5Hz), 3.28 (1H, m);LR-FAB(+) m/z: 583 (M-C6H13), 479 (M-OTMS);HR-ES(+) m/z: C37H76O4Si3+Naの計算値: 691.4943, 実測値: 691.4949。
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(49)
Figure 2008519808
ヘキサン中の2.5Mブチルリチウム(0.17mL)の溶液を、テトラヒドロフラン(2mL)中の化合物28の溶液へ70℃で添加し、深鮮紅色の生成物を得た。10分後、テトラヒドロフラン(2mL)中のケトン27(0.1415g, 0.211mmol)の溶液を、15分間かけて滴下した。この反応は、4時間後、pH7のリン酸緩衝液(2mL)の添加により停止した。この温度を、0℃に上昇させ、その後ヘキサン(30mL)を添加した。水層を、ヘキサン(15mL)で再抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(1:100酢酸エチルヘキサン)、化合物49を無色のシロップ(0.155g, 71%)として得た:1H NMRδ: 0.068 (15H, m), 0.103 (12H, s), 0.107 (9H, s), 0.53 (3H, s), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.88 (18H,m), 0.89 (6H, m), 1.14 (3H, m), 1.20 (9H, s), 1.2-1.9 (22H, m), 1.97 (2H, m), 2.22 (1H, dd, J=7.5 and 13Hz), 2.45 (1H, brd, J=13Hz), 2.83 (1H, brd, J=13Hz), 3.28 (1H, m), 4.20 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, d, J=2Hz), 5.18 (1H, d, J=2Hz), 6.02 (1H, d, J=11.4Hz), 6.24 (1H, d, J=11.4Hz);LR-FAB(+) m/z 1033 (M+H), 1032 (M), 1031 (M-H), 901 (M-TBDMS)。
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール(33)の合成
Figure 2008519808
先の実験において得られた化合物49(0.153g, 0.148mmol)の残渣を、フッ化テトラブチルアンモニウム(3.5mL)の1M溶液に溶解した。TLC(酢酸エチル)は、反応の進行をモニタリングした。次にこの溶液は、24時間後ブライン(5mL)で希釈し、5分間攪拌し、その後酢酸エチル(35mL)及び水(15mL)で平衡とした。水層を、酢酸エチル(15mL)で1回再抽出した。一緒にした有機層を、水(5x10mL)、ブライン(5mL)で1回洗浄し、次に乾燥し、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル及び1:100メタノール酢酸エチルの段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ギ酸メチルペンタンから化合物33を無色の微晶質物質(70mg, 91%)として得た:[α]D+34.3°(メタノール, c 0.51);1H NMR (DMSO-d6) δ: 0.051 (3H, s), 0.98 (3H, s), 1.03 (3H, s), 1.05 (6H, s), 1.0-1.6 (17H, m), 1.64 (3H, m), 1.80 (2H, m), 1.90 (1H,d, J=11.7Hz), 1.97 (1H, dd, J=J= 9.8Hz), 2.16 (1H, dd, J=5.9 and J=13.7Hz), 2.36 (1H, brd), 2.79 (1H, brd), 3.00 (1H, dd, J=5 and 10Hz), 3.99 (1H, brs), 4.01 (1H, s, OH), 4.04 (1H, s, OH), 4.54 (1H, OH, d, J=3.9Hz), 4.76 (1H, brs), 4.87 (1H, OH, d, J=4.9Hz), 5.22 (1H, brs), 5.99 (1H, d, J=10.7Hz), 6.19 (1H, d, J=10.7Hz);LR-ES(+) m/z: 519 (M+H), 518 (M), 517 (M-H), 501 (M-OH);HR-ES(+) C32H54O5+Naの計算値: 541.3863;実測値 541.3870;UVmax (ε): 213 (13554), 241sh (12801), 265 (16029)nm。
(実施例42)
1,25-ジヒドロキシ-21(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール(50)の合成
Figure 2008519808
[1R,3aR,4S,7aR]-7-ベンゼンスルホニル-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール(51)
Figure 2008519808
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の化合物36及びベンゼンスルフォン酸ナトリウム(0.263g, 1.6mmol)の溶液を、77℃の浴中で3時間攪拌した。この溶液を、1:1酢酸エチルヘキサン(25mL)間で平衡とし、有機層を水(5x10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、段階勾配1:9、1:4、及び1:3酢酸エチルヘキサンによるフラッシュクロマトグラフィーにかけ、スルホンを無色のシロップとして得た:1H NMR δ -0.02 (3H, s), 0.005 (3H, s), 0.79 (3H, s), 0.87 (9H, s), 1.12 (1H, m), 1.19 (6H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 2.08 (1H, m), 3.09 (1H, dd, J=9.3 and 14.5Hz), 3.31 (1H, dd, J=3 and 14.5Hz), 3.97 (1H, brs), 7.58 (3H, m), 7.66 (1H, m), 7.91 (2H, m);LR-ES(+) m/z: 600 (M+Na+MeCN), 559 (M+Na);LR-ES(-) m/z: 536 (M), 535 (M-H); HR-ES(+):C30H52O4SSi+Naの計算値 559.3248;実測値 559.3253.
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(1(R)-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン(52)
Figure 2008519808
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(0.146mL)を、シクロヘキサン(2mL)中の化合物51(0.145g, 0.27mmol)の溶液へ添加した。17時間後、この生成物を、1:79及び1:39酢酸エチルヘキサンの段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物52を無色の残渣として得た(0.157g 0.258mmol, TLC(1:9酢酸エチルヘキサン) Rf 0.14)。300MHz 1H NMR: δ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (12H, s), 1.12 (1H, m), 1.17 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.6-1.9 (3H, m), 3.08 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.53-7.70 (3H, m), 7.90 (2H, d, J=7Hz)。
[1R,3aR,4S,7aR]-5(R,S)-ベンゼンスルホニル-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3(R)-ジオール(53)
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン(9mL)中の化合物152(0.2589, 0.425mmol)及びジオール(0.176g, 0.638mmol)の溶液を、25℃に冷却し、ヘキサン中の1.6Mブチルリチウム(1.4mL)を添加した。温度を20℃に上昇し、3時間維持し、その後10℃で2.5時間及び0℃で10分間維持した。混合物を再度10℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(5mL)を添加し、その後酢酸エチル(50mL)及び沈殿した塩を溶解するのに十分な水で平衡とした。水層を、酢酸エチル(15mL)で再抽出し、一緒にした抽出物を乾燥し、蒸発させ、残渣を、1:6、1:4、及び1:1酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物53を無色のシロップ(0.212g, 70%)として得た:300MHz 1H NMR: δ0.00 (3H, s), 0.017 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.81 (3H, s), 0.89 (9H, s), 1.16 (1H, m), 1.19 (12H, m), 1.1-1.6 (20H, m), 1.6-1.8 (2H, m), 3.10 (1H, dd, J=8.4 and 14.7Hz), 3.30 (1H, m), 3.99 (1H, brs), 7.61 (2H, m), 7.67 (1H, m), 7.93 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3(R)-ジオール(54)
Figure 2008519808
化合物53(0.186mg, 0.262mmol)を、メタノール中の0.5Mシュウ酸二水和物(2.5mL)に溶解した。この溶液を、15分間攪拌し、その後炭酸カルシウムを添加し(0.5g)、懸濁液を一晩攪拌し、その後濾過した。濾液を蒸発させ、化合物54を白色泡状物として得た(0.188g, 98% :TLC(1:1 酢酸エチルヘキサン) Rf 0.06)。この物質を、更に精製せずに次工程で使用した。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(トリオール55)
Figure 2008519808
ナトリウムアマルガム(5% ナトリウム, 10.8g)を、テトラヒドロフラン(15mL)及びメタノール(9mL)の混合物中の化合物54(0.426g, 0.667mmol)の激しく攪拌している溶液へ添加した。この懸濁液を、24時間攪拌し、反応をTLC(1:1酢酸エチルヘキサン)でモニタリングし、化合物55(Rf 0.17)の生成を観察した。この混合物を、メタノール(3mL)で希釈し、5分間攪拌し、その後更に水(10mL)で希釈し、2分間攪拌し、飽和塩化アンモニウム溶液(25mL)へデカントした。水層を、酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、pH7のリン酸緩衝液(5mL)、次にブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、段階勾配1:1及び2:1酢酸エチルヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物55を無色のシロップとして得た(0.244g, 73%):1H NMR: δ-0.006 (3H, s), 0.006 (3H, s), 0.86 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.11 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.75 (21H, m), 1.7-1.85 (3H, m), 1.90 (1H, m), 3.29 (1H, brd), 3.99 (1H, brs); LR-ES(+) m/z: 521 (M+Na), 481 (M-OH);LR-ES(-): m/z 544: (M+CH2O2), 543 (M-H+CH2O2), 533 (M-Cl);HR-ES(+) m/z: C29H58O4Si+Naの計算値: 521.3996, 実測値 521.3999。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-(4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(56)
Figure 2008519808
フルオロケイ酸水溶液(3mL)を、アセトニトリル(12mL)中の化合物55(0.240g, 0.481mmol)の攪拌溶液へ添加した。TLC(酢酸エチル)で、この反応をモニタリングした。2.5時間後、化合物56(Rf 0.37)は、より極性の低い化合物55の代償として生成された優位な種であった。この混合物は、酢酸エチル及び水(10mL)で平衡とし、水層を、水(2x10mL)で再抽出し、一緒にした抽出物を、水(6mL)及びブライン(2x10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。無色の残渣を、段階勾配1:2、1:1及び2:1酢酸エチルヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけ、一部の未反応の化合物55、引き続き化合物56を溶離し、無色のシロップとして得た(0.147g, 79%): 1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.15-1.7 (20H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.96 (1H, brd), 3.29 (1H, d, J=9.6Hz), 4.08 (1H, brs); LR-ES(+): m/z 448: (M+Na+MeCN), 407 (M+Na); LR-ES(-): m/z 419 (M+Cl);HR-ES(+) m/z: C23H44O4+Naの計算値: 407.3132, 実測値 407.3135。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(5-ヒドロキシ-1(S)-{2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5,5-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル]-エチル}-5-メチル-ヘキシル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール(57)
Figure 2008519808
4-メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール(60μL, 0.35mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中の化合物56(81.2mg, 0.211mmol)の溶液へ添加し、引き続きジクロロメタン(10mL)中トシル酸ピリジニウム(200mg)を含有する溶液(0.2mL)を添加した。反応の進行を、TLC(1:2酢酸エチルヘキサン)で追跡し、これは4-メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール(Rf 0.80)、4-メトキシベンズアルデヒド(Rf 0.65)、抽出物56(Rf 0.42)及び生成物57(Rf 0.26)を示した。5時間45分後、この混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)と共に15分間撹拌し、その後酢酸エチル(25mL)で平衡とした。有機層を、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、1:3及び1:2酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物57を無色のシロップとして得た(0.106mg (100%)): 1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.19, 1.21 (6H, 各s, Me2COH), 1.23, 1.35 及び 1.24, 1.37 (6H, 各s , 大及び小5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.7 (18H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.9-2.0 (2H, m), 3.65 (1H, m), 3.81 (3H, s), 4.08 (1H, brs), 5.78 and 5.96 (1H, 各s , 大及び小アセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.41 (2H, m)。
[1R,3aR,7aR]-1-(5-ヒドロキシ-1(S)-{2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5,5-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル]-エチル}-5-メチル-ヘキシル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(58)
Figure 2008519808
重クロム酸ピリジニウム(230mg, 0.61mmol)を、化合物57(0.0838, 0.167mmol)、セライト(185mg)、及びジクロロメタン(4mL)を含有する攪拌混合物へ添加した。化合物57(Rf 0.31)の化合物58(Rf 0.42)への転換は、TLC(1:25メタノールクロロホルム)によりモニタリングした。2.5時間後この混合物を、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、シリカゲル層を通して濾過した。濾液及び洗浄液(1:1 ジクロロメタン酢酸エチル)を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにかけ(1:4酢酸エチルヘキサン)、ケトン58(0.0763g, 91%)を得た:1H NMR: 0.63 (3H, s), 1.19, 1.21 及び 1.23 (6H, 各s, Me2COH), 1.25, 1.36, 1.38 (6H, m,s,s, 5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.9 (18H, m), 1.9-2.1 (3H, m), 2.1-2.4 (2H, m), 2.45 (1H, m), 3.66 (1H, m), 3.802 及び 3.805 (3H, 各s), 5.78 及び 5.95 (1H, 各s, 大及び小アセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.39 (2H, m)。
[1R,3aR,7aR]-1-[4(R),5-ジヒドロキシ-1(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(59)
Figure 2008519808
ケトン58を、90%メタノール中の1Nシュウ酸溶液中で攪拌した。この混合物は、数分後均質となった。TLC(酢酸エチル)は、75分後反応が完了したことを示した(化合物59についてRf 0.24)。その後、炭酸カルシウム(0.60g)を添加し、懸濁液を一晩攪拌し、その後濾過した。濾液を蒸発させ、4:1:5ジクロロメタン-酢酸エチルヘキサン、1:1酢酸エチルヘキサン、及び無希釈の酢酸エチルの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーは、化合物59を無色の残渣として生じた(0.060mg, 94%):1H NMR: 0.5 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.23 (3H, s), 1.2-1.21 (23H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.45 (1H, dd, J=7 and 11Hz), 3.30 (1H, brd)。
[1R,3aR,7aR]-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(60)
Figure 2008519808
化合物59(0.055g, 0.143mmol)、イミダゾール(14.9mg, 1.69mmol)、N,N-ジメチルピリジン(6mg)、トリエチルクロロシラン(0.168mL, 1mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)の混合物を、17時間攪拌した。この反応に、TLC(1:4酢酸エチルヘキサン)を続け、ジシリル中間体(Rf 0.47)への迅速な転換を示した。更なる反応は、一晩滑らかに進行し、完全にシリル化された化合物60(Rf 0.90)を生じた。この溶液を、水(3mL)と平衡とし、酢酸エチル(20mL)と平衡とし、酢酸エチル層を水(3x4mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン及び1:100酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物60を無色のシロップとして得た(0.0813g, 78.4%):1H NMR δ0.55-0.64 (21H, m), 0.92-0.97 (27H, m), 1.12 (3H, s), 1.18 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.21 (3H, s), 1.1-1.7 (18H, m), 1.9-2.15 (2H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.43 (1H, dd, J=7.7 and 11Hz), 3.30 (1H, dd, J=3 and 8.4Hz)。
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(61)
Figure 2008519808
ヘキサン中1.6Mブチルリチウムの溶液(0.14mL)を、テトラヒドロフラン(1.5mL)中のホスフィン(0.1308g, 0.224mmol)の溶液へ70℃で添加した。10分後、テトラヒドロフラン(1.5mL)中のケトン60(0.0813g, 0.112mmol)の溶液を、15分かけて滴下した。イリド色は、3時間後には消失し、その結果pH7のリン酸緩衝液(2mL)を添加し、及び温度を0℃に上昇した。混合物を、ヘキサン(30mL)で平衡とし、有機層をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物を得、これをフラッシュ-クロマトグラフィー(1:100酢酸エチルヘキサン)により精製した。Rf 0.33を伴うバンド(TLC 1:39酢酸エチルヘキサン)のみを、収集した。これらの画分を蒸発させ、化合物61を無色のシロップとして得た(0.070g, 57%):1H NMR δ0.06 (12H, brs), 0.53-0.64 (21H, m), 0.88 (18H, s), 0.92-0.97 (27H, m), 1.11 (3H, s), 1.177 (3H, s), 1.184 (3H, s), 1.195 (3H, s), 1-1.9 (22H, m), 1.98 (2H, m), 2.22 (1H, m), 2.45 (1H, m), 2.83 (1H, brd, J=13Hz), 3.27 (1H, d, J=6Hz), 4.19 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, brs), 5.18 (1H, brs), 6.02 (1H, d, J=11Hz), 6.24 (1H, d, J=11Hz)。
1,25-ジヒドロキシ-21(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール(50)の合成
Figure 2008519808
テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液中の化合物61(0.068g, 0.06238mmol)の脱保護反応、それに続くTLC(酢酸エチル)を徐々に進行し、化合物50(Rf 0.19)を得た。この混合物を、25時間後ブライン(5mL)で希釈し、5分間攪拌し、酢酸エチル(35mL)及び水(15mL)で平衡とした。水層を、酢酸エチル(35mL)で1回再抽出し、一緒にした抽出物を、水(5x10mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、その後乾燥及び蒸発させた。残渣を、1:1及び2:1酢酸エチル-ヘキサン、及び2:98メタノール酢酸エチルの直線の段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、残渣を得、これをギ酸メチルに溶解させ、蒸発させ、白色泡状物とした(30mg, 93%):[α]D+29.3°(メタノール, c 0.34);MHz 1H NMR SYMBOL 100 \f "Symbol" \s 10.5: 0.55 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.1-1.75 (22H, m), 1.80 (2H, m), 1.9-2.1 (5H, m), 2.31 (1H, dd, J=7 and 13Hz ), 2.60 (1H, brd), 284 (1H, m), 3.29 (1H, d, J=9.5Hz ), 4.22 (1H, m), 4.43 (1H, m), 5.00 (1H, s), 5.33 (1H, s), 6.02 (1H, d, J=11Hz ), 6.02 (1H, d, J=11Hz); LR-ES(-) m/z: 564 (M+H2CO2), 563 M-H+ H2CO2);HR-ES(+)C32H54O5+Naの計算値: 541.3863;実測値541.3854;UVmax (ε): 211 (15017), 265 (15850), 204 sh (14127), 245 sh (13747)nm。
(実施例43)
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール(62)の合成
Figure 2008519808
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(63)
Figure 2008519808
ヘキサン中1.6Mブチルリチウムの溶液を、テトラヒドロフラン中のホスフィンの溶液へ70℃で添加した。10分後、テトラヒドロフラン中の実施例2のケトン60の溶液を、15分かけて滴下した。イリド色が消失した後、pH7のリン酸緩衝液を添加し、温度を0℃に上昇した。この混合物を、ヘキサンで洗浄し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(1:100酢酸エチルヘキサン)により精製し、化合物63を得た。
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール(62)
Figure 2008519808
化合物63の脱保護反応は、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液中で実行し、化合物62を得た。この混合物を、25時間後ブラインで希釈し、5分間攪拌し、その後酢酸エチル及び水で平衡とした。水層を、酢酸エチルで1回再抽出し、一緒にした抽出物を、水及びブラインで平衡とし、その後乾燥及び蒸発した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、残渣を得、これをギ酸メチルに溶解させ、蒸発させ、化合物62を得た。
(実施例44)
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール(64)の合成
Figure 2008519808
(R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-7-フェニルスルファニル-ヘプタン-2-オール(65)
Figure 2008519808
前記反応を、論文(Tet. Lett. 1975, 17: 1409-12)に記載されたように実行した。具体的には、50mLの丸底フラスコに、(R)-2-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-7a-メチルオクタヒドロインデン-1-イル]-6-メチルヘプタン-1,6-ジオール(1)(Eur. J. Org. Chem. 2004, 1703-1713) 1.54g (3.73mmol)及びジフェニルスルフィド2.45g (11.2mmol)を投入した。この混合物を、ピリジン5mLに溶解し、及びトリブチルホスフィン2.27g(11.2mmol, 2.80mL)を添加した。この混合物を一晩攪拌し、その後トルエン20mLで希釈し、蒸発させた。再度残渣をトルエンに溶解させ、蒸発させ、残存する液体を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:39、1:19及び1:9酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけ、標題化合物65をシロップとして得た(1.95g)。
(R)-7-ベンゼンスルホニル-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール(67)及び(1R,3aR,4S,7aR)-1-((R)-1-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン(68)
Figure 2008519808
1.95g(3.9mmol)の粗スルフィド65が入った500-mLの丸底フラスコに、ジクロロメタン84g(63mL)を混合した。この溶液を氷浴中で攪拌し、その後メタ-クロロ過安息香酸2.77g(11mmol)を一気に添加した。懸濁液を、氷浴中で40分間攪拌し、その後室温で2時間攪拌した。この反応を、TLC(1:19メタノールジクロロメタン)によりモニタリングした。反応期間の終了時に、ただ1個のスポットがRf 0.45で認められた。その後この懸濁液へ固形炭酸水素ナトリウム1.68g(20mmol)を添加し、この懸濁液を10分間攪拌し、その後水30mLを一気に添加し、連続して5分間激しく攪拌し、全ての固形物を溶解した。この混合物を更に、ヘキサン40mLに溶解し、30分間攪拌し、ヘキサン41.6gと共に分液ロートへ移した。下側層を廃棄し、上側層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液25mLで洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、化合物67を3.48gを得た。この物質を、ヘキサンで摩砕し、濾過し、蒸発させ、濁ったシロップとして化合物67(2.81g)が残存し、これは次工程で直接使用した。
先に得られた化合物67 2.81gが入った100-mLの丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド30mL、イミダゾール1.43g(21mmol)及び塩化トリエチルシリル1.75mL(10mmol)を投入した。この混合物を17時間攪拌し、その後氷水50gで希釈し、10分間攪拌し、更にブライン5mL及びヘキサン60mLで希釈した。水層を、ヘキサン20mLで再抽出し、両抽出物を一緒にし、水2×30mLで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この物質は、Rf 0.12 (1:39 酢酸エチルヘキサン)の大きいスポット及びRf 0.06の小さいスポットを含んだ。この物質を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:100、1:79、1:39及び1:19酢酸エチルヘキサンを段階勾配として使用するクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:39及び1:19酢酸エチルヘキサンで溶離し、化合物68 1.83gを得た。
(R)-5-ベンゼンスルホニル-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-10-メチル-2-(R)-メチル-10-トリエチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3-ジオール(69)
Figure 2008519808
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した100-mLの3-首丸底フラスコに、スルホン68 1.7636g(2.708mmol)、トシレート1.114g (4.062mmol)及びベンゾフェノンケチルから新たに蒸留したテトラヒドロフラン50mLを投入した。この溶液を20℃に冷却し、ヘキサン中1.6Mブチルリチウム溶液9.31mLを、≦-20℃で滴下した。-10〜-20℃の温度範囲を、5時間維持した。冷却浴を取り外し、飽和塩化アンモニウム溶液50mLを添加し、引き続き酢酸エチル75mL及び全ての塩を溶解するのに十分な水を添加した。有機層を、ブライン15mLで洗浄し、蒸発させ、無色の油状物とした。この残渣を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:9、1:6、1:4及び1:3酢酸エチルヘキサンを段階勾配として用いるクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:4及び1:3酢酸エチルヘキサンで溶離し、化合物69 1.6872gを無色のシロップとして得た。
(S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-10-メチル-2-(R)-メチル-10-トリエチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3-ジオール(70)
Figure 2008519808
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した25-mLの2-首丸底フラスコに、スルホン69の1.6872g (2.238mmol)及びメタノール40mLを投入した。その後この攪拌溶液へ、マグネシウム1.25g(51.4mmol)をふたつの等量で、30分間隔で投入した。この懸濁液を70分間撹拌し、別のマグネシウム0.17g及びメタノール約5mLを添加し、連続して1時間攪拌した。その後この混合物を、ヘキサン100mLで希釈し、及び1M硫酸50mLを滴下し、2種の液相を得た。水層は中性であった。水層は、1:1ジクロロメタンヘキサン25mLで再抽出した。その後有機層を一緒にし、ブライン15mLで1回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られた物質を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:39、1:19及び1:9酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:9酢酸エチルヘキサンで溶離し、化合物70の1.2611gを無色のシロップとして生じた。
(S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジヒドロキシ-2,10-ジメチル-ウンデカン-3-オン(71)
Figure 2008519808
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した25-mLの丸底フラスコに、N-クロロスクシンアミド518mg (3.88mmol)及びトルエン11mLを投入した。5分間攪拌し(全て溶解せず)、その後0℃に冷却し、トルエン中の2Mジメチルスルフィド溶液2.4mL(4.8mmol)を添加した。この混合物を5分間攪拌し、その後-30℃に冷却し、トルエン4×1.5mL中のジオール70の0.7143g (1.165mmol)溶液を、-30℃で滴下した。この温度で1時間連続攪拌した。次に混合物を、2時間かけて-10℃に温め、その後-17℃に冷却し、トルエン中の2Mトリエチルアミン3.20mL(6.4mmol)を滴下した。この混合物を、-17〜-20℃で10分間攪拌し、その後徐々に室温に温めた。混合物を、シリカゲルカラム上で、ヘキサン、1:79、1:39、1:19、1:9、1:4、及び1:1酢酸エチルヘキサンを段階勾配として使用するクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:1酢酸エチルヘキサンで溶離し、化合物71を固形物として0.3428g生じた。
(S)-2,10-ジヒドロキシ-6-((1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-3-オン(72)
Figure 2008519808
磁気撹拌子を装着した25-mL丸底フラスコに、ジオール71 0.3428g(0.69mmol)を投入し、アセトニトリル5mL、次にフルオロケイ酸溶液1.25mLに溶解した。3時間後、混合物を、酢酸エチル35mLと水10mLの間で分配し、水層を、酢酸エチル10mLで再抽出し、有機層を一緒にし、水2×5mL、1:1ブライン飽和炭酸水素ナトリウム溶液5mLで1回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この物質を、シリカゲル上で、1:4、1:3、1:2、及び1:1の段階勾配を用いてクロマトグラフィーにかけ、標題化合物72 0.2085gを得た。
(1R,3aR,7aR)-1-[(S)-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-4-オキソ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(73)
Figure 2008519808
25-mL丸底フラスコに、化合物72の0.2153g(0.56mmol)、ジクロロメタン5mL、セライト0.20gを投入した。この攪拌懸濁液へ、重クロム酸ピリジニウム1.00g (2.66mmol)を一気に添加した。この反応液を3時間攪拌し、進行をTLC(1:1酢酸エチルヘキサン)によりモニタリングした。反応混合物を、シクロヘキサン5mLで希釈し、シリカゲルGを通して濾過した。このカラムを、流出液中に溶質が検出されなくなるまで、ジクロロメタン、引き続き1:1酢酸エチルヘキサンで溶離した。流出液を蒸発させ、無色の油状物とした。この油状物を、次にシリカゲル上で、1:4、1:3、1:2、1:1及び2:1酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけ、ジケトン73を0.2077g得た。
(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(S)-5-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-4-オキソ-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(74)
Figure 2008519808
25-mLの丸底フラスコへ、ジケトン73を0.2077g(0.545mmol)投入した。この物質を、テトラヒドロフラン0.5mL及びシクロヘキサン3mLの混合物に溶解した。得られた混合物へ、TMS-イミダゾール0.30mL(2.0mmol)を添加した。10時間後、反応混合物を、ヘキサン3mLで希釈し、次に濃縮し、シリカゲル上で、ヘキサン、1:79、1:39、1:19及び酢酸エチルヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけ、化合物74 0.2381gを無色の油状物として得た。
(S)-6-((1R,3aS,7aR)-4-{2-[(R)-3-((R)-tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-5-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチルオクタヒドロインデン-1-イル)-2,10-ジメチル-2,10-ビス-トリメチルシラニルオキシウンデカン-3-オン(75)
Figure 2008519808
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した15-mLの3-首梨型フラスコに、[2-[(3R,5R)-3,5-ビス(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィンオキシド0.2722g(0.4768mmol)及びテトラヒドロフラン2mLを投入した。この溶液を、70℃に冷却し、ヘキサン中の1.6Mブチルリチウム0.30mLを添加した。この深紅の溶液を、その温度で10分間攪拌し、その後テトラヒドロフラン2mL中に溶解したジケトン74 0.1261g (0.240mmol)を、シリンジにより10分間かけて滴下した。3時間15分後、飽和塩化アンモニウム溶液5mLを、-65℃で添加し、この混合物を、10℃に温め、その後ヘキサン35mL及び水10mLの間で分配した。水層を、ヘキサン10mLにより1回再抽出し、一緒にした層を、pH7緩衝液2mLを含有するブライン5mlで洗浄し、その後乾燥及び蒸発させた。この物質を、15x150mmのフラッシュカラム上、ヘキサン及び1:100酢酸エチルヘキサンの段階勾配を用いるクロマトグラフィーにかけ、標題化合物75の0.1572gを無色のシロップとして得た。
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール(64)
Figure 2008519808
磁気撹拌子を装着した15-mLの3-首丸底フラスコに、テトラシリルエーテル75を155mg(0.17mmol)投入した。この無色の残渣を、テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム溶液2mLに溶解した。43時間後、追加のフッ化テトラブチルアンモニウム1M溶液0.5mLを添加し、攪拌を5時間継続した。明黄褐色溶液を、ブライン5mLで希釈し、5分間攪拌し、分液ロートへ酢酸エチル50mL及び水5mLと共に移し、その後酢酸エチル5mLで再抽出した。有機層を一緒にし、水5×10mL、ブライン10mLで洗浄し、乾燥し蒸発させた。得られた残渣を、15×123mmカラム上で、2:3、1:1、2:1酢酸エチルヘキサン、及び酢酸エチルの段階勾配を用いるクロマトグラフィーにかけ、化合物64を白色固形物として得(TLC, 酢酸エチル, Rf 0.23)、これをギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物64 0.0753gを固形物として得た。
(実施例45)
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール(76)の合成
Figure 2008519808
(S)-6-{(1R,3aS,7aR)-4-[2-[(R)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-((S)-tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタ-(E)-イリデン]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル}-2,10-ジメチル-2,10-ビス-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-3-オン(77)
化合物77を、化合物74を[(2Z)-2-[(3S,5R)-3,5-ビス(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ) メチレンシクロヘキシリデン]-エチル]ジフェニルホスフィンオキシドと反応させる以外は、実施例4において化合物75について説明したように調製した。
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール(76)
化合物76は、実施例22において化合物64に関し説明したように、化合物77を脱保護することにより、化合物77から調製した。
(実施例46)
1,3-O-ジアセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール(78)の合成
下記スキーム1を参照し、本発明の式Iの化合物を、下記スキーム1に示されたように調製した。従って式Iの化合物(式中、X1及びX2は各々独立してH2又は=CH2であり、但しX1及びX2は、両方とも=CH2ではなく;R1及びR2は、各々独立して、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル又はOC(O)フルオロアルキルであり、但しR1及びR2は、両方ともヒドロキシルではなく;R3及びR4は、各々独立して水素原子、C1-C4アルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒にC3-C6シクロアルキルを形成し;R5及びR6は、各々独立してC1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルである。)を、n-ブチルリチウムによる、テトラヒドロフラン中の式IIの化合物の、式IIIの化合物とのカップリングにより調製し、式IVの化合物を生成した。保護シリル基(R1=OSi(CH3)2t-Bu)の引き続きの除去は、式Iの1,3ジヒドロキシビタミンD3化合物 (R1=OH, R2=OH)を生じた。1及び/又は3位でのアシル化は、当該技術分野において周知の方法を用いて行った。例えば式Iの1,3ジアセトキシ化合物(R1=R2=OAc)の調製は、スキーム2に示されたような、無水酢酸及びピリジンによる、追加のアセチル化を必要とする。
Figure 2008519808
式中、X1、X2、R3、R4、R5及びR6は、上記で規定したものである。
Figure 2008519808
スキーム1及び3に関して、式IIの化合物は、公知の化合物であり、式Vの公知のエポキシ-ケトンから出発し調製される。式Vの化合物は、ウィティッヒ反応により、式VIIのエポキシ-オレフィンへ転換された。LiAlH4による化合物VIIIへの還元及びヒドロキシ基の保護は、化合物IXを生じた。その後、ルイス酸(CH3)2AlClの存在下での、式IXの公知のヒドロキシ-複合体化されたケトンX(R5=R6=CH3)とのテトラヒドロフラン中でのエン反応は、化合物XIを提供し、これは標的ビタミンDアナログのC,D-環及び完全な側鎖を提供する。最後に、シリル基の除去及び酸化は、重要な中間体である式IIIのケトンを提供する。
Figure 2008519808
スキーム2に関して、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール0.032gを、ピリジン0.8mlに溶解し、浴中で冷却し、無水酢酸0.2mlで室温で7時間及び冷蔵庫で14時間処理した。その後これを水1mlに希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、水5ml及び酢酸エチル20mlで希釈した。有機層を、水3x5ml、その後飽和炭酸水素ナトリウム5ml、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させた。油状残渣を、移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後13.5x110mmカラム上で、画分15について1:6酢酸エチル-ヘキサン、残りの画分について1:4酢酸エチル-ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分1114をプールし、蒸発させ、標題化合物(2) 0.0184gを得た。
(IV. 生物学的実施例及び製剤実施例)
(実施例47)
(膀胱癌細胞株増殖の阻害におけるカルシトリオール及びドキソルビシンの相乗作用)
カルシトリオールは、様々な腫瘍細胞株において著しい抗増殖作用を有するが、その抗癌剤としての臨床使用は、高カルシウム血症の易罹患性のために制限されている。表在性膀胱癌は、抗増殖薬の膀胱内投与により治療可能である独特な利点をもたらし、従って高カルシトリオール濃度の使用を可能にしつつ、高カルシウム血症及び抗腫瘍免疫応答のダウンレギュレーションのような全身の副作用を避けることができる。動物モデルでの試験は、膀胱内カルシトリオール投与の表在性膀胱癌に対するわずかな作用のみを示しているので、本発明者らは、カルシトリオールと臨床使用される抗増殖薬の組合せにより相乗作用を誘導する可能性を試験した。第一に、本発明者らは、カルシトリオール治療後のVDR発現及びCYP24アップレギュレーションに関してin vitroにおいていくつかのヒト膀胱癌細胞株を試験した。次に本発明者らは、マイトマイシンc、シスプラチン、ゲムシタビン、カルボプラチン、エピルビシン又はドキソルビシンと組合せたカルシトリオールによる細胞増殖の阻害を試験し、組合せインデックス(combination index)法を用い相乗作用又は拮抗作用を調べた。カルシトリオールの、マイトマイシンc、カルボプラチン又はシスプラチンとの組合せは、いかなる付加的又は相乗的作用も生じなかったのに対し、ゲムシタビンとの組合せにより拮抗作用が誘導された。対称的に、疑いのない相乗作用は、試験した大半の細胞株において、カルシトリオール及びドキソルビシン並びにカルシトリオール及びエピルビシンにより誘導された。ドキソルビシン標準薬は、表在性膀胱癌の治療及び再発予防において膀胱内投与される。これは、ほとんどの患者において忍容性が良好であるが、有効性、特に腫瘍再発を予防する能力は低い。エピルビシンも、表在性膀胱癌の治療及び再発予防において公知である。本発明者らの結果を基に、カルシトリオール及びドキソルビシン又はカルシトリオール及びエピルビシンの膀胱内投与は、表在性膀胱癌患者の治療において有望であることが明らかであろう。ビタミンD化合物(カルシトリオール)と他の抗増殖薬(ドキソルビシン又はエピルビシン)との相乗的相互作用のために、抗増殖薬の所定の投与量でより大きい効能を実現するか、又は抗増殖薬の減少された投与量で治療の同様の効能を実現すること(これにより、患者の毒性負荷及び潜在的発癌性物質の易罹患性を低下する)が可能であろう。
(材料及び方法)
下記の膀胱癌細胞株を使用した:
T24 (ECV)−ヒト膀胱、移行性細胞癌−グレード3
RT112/84−ヒト膀胱癌上皮細胞−グレード1
HT 1197−白人の膀胱癌−グレード4、移行性癌44歳男性、化学療法も放射線療法も受けていない
HT 1376−白人膀胱癌−グレード3、移行性癌58歳女性、化学療法も放射線療法も受けていない
RT4−白人膀胱移行細胞癌−グレード1-2;膀胱の再発性乳頭状腫瘍の外植
膀胱癌細胞株は、96-ウェルプレートにおいて培養し、これらのウェルへ、播種の24時間後にカルシトリオールを添加した。更に96時間後に、増殖を、CyQuant細胞増殖アッセイキットを用いて測定した。
薬物相互作用(図1に示した)を、CalcuSynソフトウェア(Biosoft, ケンブリッジ, 英国)を使用する、半有効/イソボログラム(median-effect/isobologram)法により評価した。組合せインデックス(CI)を、一定でない比(non-costant ratio)での組合せデザインを使用し、算出し、各データ点における相乗作用又は拮抗作用を決定した。
図2は、ヒト膀胱癌細胞株増殖のin vitro阻害におけるカルシトリオール及び化学療法薬による併用治療に関する、組合せインデックス値を示している。推奨される記号を、組合せインデックス法で分析した薬物併用試験における相乗作用又は拮抗作用を説明するために使用した(Chou.及びTalalayの論文、Adv. Enzyme Regul., 22 (1984) 27-55):
Figure 2008519808
図3に示したように、ヒト膀胱癌細胞株におけるVDRの構成的発現の観察において、示された細胞株は、1,25(OH)2ビタミンD3(=カルシトリオール)(100nM)の存在下で2時間培養し、24-ヒドロキシラーゼ(CYP24)の発現を、リアルタイムRT-PCRにより分析した。
図4に示したように、カルシトリオールによる膀胱癌細胞株増殖の阻害の観察において、膀胱癌細胞株は、96-ウェルプレートで培養し、カルシトリオールを、これらのウェルへ播種の24時間後に添加した。更に96時間後に、増殖を、CyQuant細胞増殖アッセイキットを用いて測定した。
結果
ヒト膀胱癌細胞株は、VDRを発現し、そのライゲーションは、CYP24のアップレギュレーションにつながる。カルシトリオールは、mM範囲で膀胱癌細胞株増殖を阻害する。カルシトリオールのマイトマイシンc、シスプラチン又はカルボプラチンとの組合せは、いかなる相加作用又は相乗作用も示さなかった。強力な拮抗作用は、カルシトリオールのゲムシタビンとの組合せにより誘導された。強力な相乗作用は、ドキソルビシン及びエピルビシンが各々カルシトリオールと組合せて使用される場合に観察された。
(実施例48)
(膀胱内注入のための滅菌液)
膀胱における膀胱内投与のために意図された膀胱内注入用滅菌液は、膀胱内投与前に希釈されるべき非水溶液として供給される。各5mLバイアル(5mLバイアル中200mgバルルビシン/150μgカルシトリオール)は、50%CremophorEL(ポリオキシエチレングリコールトリリシノレート)/50%脱水されたアルコールUSP内に、バルルビシンを濃度40mg/mLで及びカルシトリオールを濃度30μg/mLを含み、保存剤又は他の添加剤は含まない。この溶液は無菌であり、パイロジェンを含まない。
バルルビシン800mg及びカルシトリオール600μgの投与量は、6週間にわたり1週間に1回、膀胱内投与される。投与は、経尿道的切除術及び/又は放電療法の後少なくとも2週間は、延期されるべきである。各注入に関して、この製剤の4個のバイアルは、ゆっくり室温へ温められるが、加熱はされない。その後製剤20mlを、4個のバイアルから採取し、0.9%塩化ナトリウム注射液USP 55mLで希釈し、希釈した製剤溶液75mLを得た。次に尿道カテーテルを、無菌状態で、患者の膀胱へ挿入し、膀胱を排液させ、希釈された75mL製剤溶液を、重力流により数分間かけてゆっくり注入した。その後カテーテルを抜管した。患者は、排尿前に2時間はこの製剤を保持しなければならない。2時間の終わりに、全ての患者は排尿した。(一部の患者は、この製剤を完全に2時間保持することができないであろう。)患者は、治療後適切な水分補給(hydration)を維持するように指示されなければならない。
(実施例49)
(In vivoモデルにおけるVDRアゴニスト及びアントラサイクリンの併用治療の評価並びに正常なマウス膀胱粘膜に対するこのような併用可能性のある局所毒性の測定)
以下の方法は、腫瘍の存在しない正常なマウス膀胱粘膜に対する、VDRアンタゴニスト(例えばカルシトリオール)及びアントラサイクリン(例えばエピルビシン)の両方の可能性のある局所毒性の評価を明らかにしている。
使用されるモデルは、発癌物質の経口投与により誘導された膀胱の移行細胞癌から得、その後皮下増殖によりin vivoにおいて維持された、マウス膀胱腫瘍(MBT-2)を用い誘導した。単独の細胞の懸濁液を、新鮮な腫瘍から得た。その後C3Hマウスへの移植を、1時間の接触時間で生理食塩水0.1ml中の約500万個の細胞の膀胱内注入により行った。このモデルの測定値は、膀胱重量及び組織学的検査であった。このモデルの時間枠は、約2週間であった。
実験群:
A)カルシトリオール0.3μg/kgの単回膀胱内注入、マウス6匹
B)カルシトリオール(0.3μg/kg)+エピルビシン100μg/マウスの単回膀胱内注入、マウス6匹
C)カルシトリオール(0.3μg/kg)+エピルビシン(100μg/マウス)の6回の膀胱内注入(1日おき)、マウス8匹。
各実験群において、動物は、最後の注入の24時間後に屠殺した。血清及び膀胱を採取し、カルシウム血を測定し、膀胱重量を測定し、及びパラフィン-包埋した膀胱の切片について組織学的検査を行い、粘膜刺激又は尿路上皮損傷として測定した、局所毒性の徴候の可能性を評価した。1群当たり3匹の未処置の動物を、対照として使用した。
次に、腫瘍を持つマウスにおけるVDRアゴニスト及びアントラサイクリンを使用する併用療法の治療効能を、下記の方法により測定した:
治療開始前に、マウス膀胱癌細胞を、健康なマウスの膀胱へ注射した。麻酔下の動物において1日おきに、膀胱内注入治療を0.1mlで行い、6回繰り返した。この実験の最後に、マウスを屠殺し、膀胱を採取し、秤量し、膀胱腫瘍増殖に対する療法の作用について分析し、同時に血液を採取し、血清を集めた。血清を、ビタミンD化合物(例えば、カルシトリオール)の全身の生体利用性及び毒性を評価するために、サロゲートマーカーとして使用しカルシウム血症について分析した。
全ての膀胱は、取り込まれた腫瘍の存在について組織学的に評価した。癌のいかなる存在も示さない処置動物の膀胱は、完全に寛解とはみなされず、むしろ腫瘍移植の欠如、その結果としての消失とみなされた。
実験群:
D)カルシトリオール(低投与量)0.06μg/kgの注入、マウス5匹
E)カルシトリオール(高投与量)0.3μg/kgの注入、マウス5匹
F)エピルビシン(100μg/マウス)の注入、マウス5匹
G)カルシトリオール(0.06μg/kg)+エピルビシン(100μg/マウス)の注入、マウス5匹
H)カルシトリオール(0.3μg/kg)+エピルビシン(100μg/マウス)の注入、マウス5匹
I)ビヒクル単独の注入、マウス5匹
K)対照、処置なし、マウス5匹
この実験は理想的には3回繰り返した。
試薬:
エピルビシンHClは、2Xストック液(2mg/ml、生理食塩水中)で提供され、そのまま50μl/マウスで使用した。カルシトリオールは、6μg/mlで単回使用用のバイアル(20μl/アリコート)で提供され、EtOH 100%に溶解し、窒素大気下で-70℃で貯蔵し、カルシトリオール溶液の安定性についての可能性のある問題点を最小化した。薬物ビヒクルの一例は:0.9%生理食塩水(pH6)、0.1%(w/v)Tween 20であった。カルシトリオールの添加後、最終注入溶液中の1%EtOHで、示された濃度が存在することができる。注入溶液は、毎日、できるかぎり手技の直前に、新たに調製されなければならない。作業液は、使用後廃棄した。
Figure 2008519808
(実施例50)
(膀胱内注入のための実施例溶液の安定性)
本発明のビタミンD化合物及び他の抗増殖薬は、同時併用療法のために、同じ溶液中に存在することができる。従ってそのような溶液の安定性が評価された。
(方法)
試料調製
1)エピルビシン
凍結乾燥されたFarmorubicina(登録商標)散剤の約12mg(エピルビシン約2mg)を、水に溶解し、濃いストック液を作製した。激しく攪拌した後、濃ストックを、Tween 20を0.1%(w/v)含有する等張生理食塩水を用い、1:2希釈し、試料Bを提供した。更に激しく攪拌した後、試料Bを、使用時まで4℃で貯蔵した。
2)カルシトリオール
褐色ガラス瓶を使用し、カルシトリオール1mgを、エタノールに溶解した。この溶液を混合し、使用時まで-20℃で貯蔵した。次に濃ストック液100μlを取り、Tween 20を0.1%(w/v)含有する等張生理食塩水900μlで希釈した。振盪後、試料を使用時まで4℃で貯蔵した。
3)カルシトリオール/エピルビシン(カルシトリオール50μg/ml+エピルビシン1mg/ml)の組合せ
褐色ガラス瓶を使用し、エピルビシンの濃ストック液300μlを、カルシトリオール溶液300μlと一緒にした。激しく混合後、この試料を、5℃で貯蔵し、調製直後(t=0)及び2.5時間後(t=150分間)に、HPLCクロマトグラフィーを用いて分析した。
(HPLC条件)
カラム:Supelcosil LC-1、25cmx4,6mm、5μm
移動相:17容量メタノール:29容量アセトニトリル:54容量溶液A
溶液A:水を溶媒とする、3.7g/lラウリル硫酸ナトリウム及び2.8%(v/v)希リン酸(すなわち、濃H3PO4 115g及びH2O 885g)。
流量:2.5ml/分
カラム温度:35℃
注入量:50μl
検出:UV 254nm及び230nm
保持時間:エピルビシン:約2.9分間
保持時間:カルシトリオール:約6.5分間
(結果)
1)エピルビシン(1mg/ml)
図5は、試行1からの、各々波長230nm及び254nmで検出したUVクロマトグラムを示している。
Figure 2008519808
2)カルシトリオール(100μg/ml)
図6は、試行1からの、各々波長230nm及び254nmで検出したUVクロマトグラムを示している。
Figure 2008519808
3)併用(カルシトリオール50μg/ml+エピルビシン1mg/ml)
t=0分
図7は、試行1からの、各々波長230nm及び254nmで検出したUVクロマトグラムを示している。
Figure 2008519808
t=150分
図8は、試行1からの、各々波長230nm及び254nmで検出したUVクロマトグラムを示している。
Figure 2008519808
(結論)
これらの結果は、新たに調製された併用は、2種の単独の成分の結果を重複した結果と同等であるクロマトグラムを有することを示し、ピーク面積値は、両成分の理論上の予測値と合致している。5℃で2.5時間経過後、クロマトグラムプロファイルは実質的に変化しなかった。この証拠を考慮し、これらの試験条件下で、エピルビシン及びカルシトリオールの併用は、相溶性に伴ういかなる問題点も示さなかった。
(実施例51)
(ヒト膀胱癌細胞の増殖の阻害能に関する様々なVDRアゴニストの試験)
ビタミンDアナログの構造的に多様なセットを、下記の4種のヒト膀胱癌細胞株の細胞増殖の阻害について試験した:T24、RT112、HT 1376及びRT4。
膀胱癌細胞は、完全培地(10%FCS、Hyclone Laboratories, ローガン, UT, 2mM L-グルタミン、50mg/mlゲンタマイシン、1mMピルビン酸ナトリウム及び1%非必須アミノ酸を補充した、RPMI 1640培養培地)0.1mlを含有する96-ウェルの平底プレートにおいて、103個/ウェルで分散した。プレートを24時間インキュベーションし、細胞を接着させ、試験されるカルシトリオール又はビタミンD3アナログの連続希釈液0.1mlを、ウェルに添加した。更に96時間培養後、培地を取り外し、プレートを-80℃で凍結した。細胞増殖を、Molecular Probes (ユージーン, OR)のCyQuant細胞増殖アッセイキットを用いて評価した。
結果を下記表1に示している。
Figure 2008519808
Figure 2008519808
Figure 2008519808
先に試験した全てのビタミンD3アナログは、試験した1種以上の細胞株の増殖の阻害において、何らかの活性を示しているにもかかわらず、所定の細胞株について20μM以下のIC50を有する一部の化合物は、明らかにカルシトリオールに勝っている。これらの知見は、膀胱癌治療のために、他のビタミンD3アナログを抗増殖薬と併用して使用する可能性を裏付けている。
(参考文献の組み入れ)
本出願を通じて列記された全ての参考文献(参照文献、公開特許、公開された特許出願、及び同時継続特許出願を含む)は、それらの全体が事実上本願明細書に引用により組入れられている。
(同等物)
当業者は、慣習的な実験を超えないものを用い、本願明細書において説明された本発明の特定の実施態様の多くの同等物を認めるか、又は解明することができるであろう。このような同等物は、「特許請求の範囲」により包含される。
本発明は更に、先の非限定的例を参照し、及び下記図面を参照し、説明される。
図1は、カルシトリオールと組合せた化学療法薬による膀胱癌細胞増殖に対する相乗作用又は拮抗作用を示す。 図2は、ヒト膀胱癌細胞株増殖のin vitro阻害におけるカルシトリオール及び化学療法薬による組合せ処置に関する、インデックス値の組合せを示す。 図3は、カルシトリオールと共にインキュベーションされたヒト膀胱癌細胞株におけるCYP24のVDR発現及びアップレギュレーションを示す。 図4は、カルシトリオールによる膀胱癌細胞株増殖の阻害を示す。 図5は、実施例50に説明された適合性試験におけるエピルビシン単独に関する、各々、230nm及び254nmでの検出の、UVクロマトグラムを示す。 図6は、実施例50に説明された適合性試験におけるカルシトリオール単独に関する、各々、230nm及び254nmでの検出の、UVクロマトグラムを示す。 図7は、実施例50に説明された適合性試験におけるt=0でのエピルビシン及びカルシトリオール組合せに関する、各々、230nm及び254nmでの検出の、UVクロマトグラムを示す。 図8は、実施例50に説明された適合性試験におけるt=150でのエピルビシン及びカルシトリオール組合せに関する、各々、230nm及び254nmでの検出の、UVクロマトグラムを示す。

Claims (22)

  1. 膀胱癌の予防又は治療における、1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物の使用。
  2. 1種以上の他の抗増殖薬と組合せた有効量のビタミンD化合物の投与による、膀胱癌患者の治療方法。
  3. 膀胱癌の予防又は治療のための医薬品製造における、請求項1記載の1種以上の他の抗増殖薬と組合せたビタミンD化合物の使用。
  4. 前記抗増殖薬の少なくとも1種が、アントラサイクリンである、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用又は方法。
  5. 前記アントラサイクリンが、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、アクラルビシン、イダルビシン、ピラルビシン、アナマイシン、メトキシモルホリノドキソルビシン、シアノモルホリニルドキソルビシン、バルルビシン(N-トリフルオロアセチルアドリアマイシン-14-吉草酸塩)及びミトキサントロンからなる群から選択される、請求項4記載の使用又は方法。
  6. 前記アントラサイクリンが、バルルビシン、ドキソルビシン及びエピルビシンからなる群から選択される、請求項5記載の使用又は方法。
  7. 前記アントラサイクリンが、エピルビシンである、請求項6記載の使用又は方法。
  8. 前記ビタミンD化合物が、カルシトリオールである、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用又は方法。
  9. 前記ビタミンD化合物が、下記式の化合物である、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用又は方法:
    Figure 2008519808
    (式中、Xは、H2又はCH2であり、
    R1は、水素原子、ヒドロキシ又はフッ素であり、
    R2は、水素原子又はメチルであり、
    R3は、水素原子又はメチルであり、ここでR2又はR3がメチルである場合、R3又はR2は、水素原子でなければならず、
    R4は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
    R5は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
    Aは、単結合又は二重結合であり、
    Bは、単結合、E-二重結合、Z-二重結合又は三重結合である。)。
  10. R4及びR5の各々が、メチル又はエチルである、請求項9記載の使用又は方法。
  11. 膀胱癌の予防又は治療が必要な患者に、ビタミンD化合物と1種以上の他の抗増殖薬とを同時投与又は連続投与し、これにより該患者における膀胱癌を予防又は治療することを指示する添付文書と共に、ビタミンD化合物を含む、キット。
  12. 前記ビタミンD化合物及び/又は抗増殖薬が、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に、医薬組成物中に配合された、請求項11記載のキット。
  13. (i)ビタミンD化合物;(ii)1種以上の抗増殖薬、及び(iii)1種以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体を含む、医薬組成物。
  14. 膀胱内注入による膀胱への投与に適した、(i)ビタミンD化合物;(ii)1種以上の抗増殖薬、及び(iii)1種以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体を含む、請求項13記載の医薬組成物。
  15. 膀胱癌の治療又は予防における使用のための、請求項13又は14記載の医薬組成物。
  16. (i)ビタミンD化合物を、1種以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に含有した医薬組成物、(ii)1種以上の抗増殖薬を、1種以上の医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に含有した医薬組成物;並びに、(iii)膀胱癌の予防又は治療が必要な患者に、ビタミンD化合物及び1種以上の抗増殖薬を含有した組成物を同時投与又は連続投与し、これにより該患者の膀胱癌を予防又は治療することを指示する添付文書;を含む、キット。
  17. 前記抗増殖薬の少なくとも1種が、アントラサイクリンである、請求項11〜16のいずれか1項記載のキット又は医薬組成物。
  18. 前記アントラサイクリンが、エピルビシンである、請求項17記載のキット又は医薬組成物。
  19. 前記ビタミンD化合物が、カルシトリオールである、請求項11〜18のいずれか1項記載のキット又は医薬組成物。
  20. 前記ビタミンD化合物及び/又は1種以上の抗増殖薬が、膀胱内注入により膀胱に投与される、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法、使用、組成物又はキット。
  21. 前記ビタミンD化合物及び1種以上の抗増殖薬が、膀胱内注入により膀胱に投与される、請求項20記載の方法、使用、組成物又はキット。
  22. 前記膀胱癌が、表在性膀胱癌である、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法、使用、組成物又はキット。
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