JP2010504306A - 新規方法 - Google Patents

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Abstract

ビタミンD化合物を使用することを含む、例えば手術的癒着などの、癒着を防止する方法が提供される。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、新規使用及び方法、並びにそれらにおいて使用するための化合物、詳細には癒着防止のためのビタミンD化合物の使用に関する。
(発明の背景)
腹膜及び他の組織の修復に関する主要な臨床上の問題点は、癒着の形成である。例えば外科的外傷、機械的損傷、虚血性損傷、炎症、化学的傷害、放射線治療、感染症又は他の異物反応に起因した、密に併置された表面が損傷を受ける場合に、癒着は形成される。
特に重要な癒着の原因は、手術によるものである。術後の腹腔内癒着形成及び再構築は、罹患状態の大きな原因である。術後癒着は、腸閉塞を生じ得る。術前の癒着の存在は、手術時間を長くし、かつ腸管、膀胱、尿管の損傷、及び出血を含む、手術中の合併症を増大する。
骨盤癒着は、不妊及び疼痛を引き起こし得る。癒着は、卵管の機械的閉塞を引き起こし、その結果、卵細胞の取り込みを妨げることにより、不妊を引き起こすことがある。
胆嚢摘出術、虫垂切除術、結腸手術及び骨盤手術などの、ある種の外科的処置は、癒着の形成に特に関連する傾向がある。
癒着は特に、腹膜に関連しているが、しかし癒着はとりわけ胸郭、心臓、脊椎、関節、眼及び鼻の組織にも関連していることがある。
癒着が炎症又は感染症の過程に関連している場合、これらは、例えば腹膜炎、心膜炎、胸膜炎、胆嚢炎及び骨盤炎症疾患に関連することがある。
外科的処置後の癒着の発生率は、55〜94%の範囲であり、婦人科手術後の発生率はこれよりも高い。これらの割合は、画像診断技術による癒着の診断ができないことに加え、それらの診断を可能にする血液試験が存在しないために、不明確であり得る。今日、術後癒着形成を確定する唯一の方法は、別の手術時の目視である。
術後癒着の発生率は、手術用手袋からのタルクなどの異物の体内への導入により増大される。
術後癒着の発達は、外科的処置後直ちに3〜5日以内に生じると考えられる。従ってこの期間の治癒過程の調整は、術後癒着の発達を最小化する(及び望ましくは防止する)ために重要である。
癒着形成の開始は、典型的には抑制されたフィブリン溶解の存在下での凝血時に生じる、フィブリンマトリックスの形成から始まる。手術による組織の損傷は、血流を低下させ又は排除し、これにより虚血が生じ、フィブリンマトリックスの局所的残存につながる。このマトリックスは、血管肉芽(granular)組織により次第に置き換わる。最終的に癒着は、線維帯に成熟し、時には石灰化した小さい小結節を含む。癒着は、しばしば中皮層により覆われ、並びに血管及び結合組織繊維を含むことが多い。骨盤痛の病歴を伴うものを含む、骨盤癒着内には、神経組織が認められる。
現在、癒着の形成又は再構築を防止する理想的方法はない。手術技術に関して、穏やかな組織の取り扱い、細心の止血、豊富な潅流、感染症の防止及び異物反応(例えば、粉末をかけた手袋の使用による)の回避が、推奨される。炎症防止剤(例えば、ステロイド及びCOX-2阻害剤)並びにフィブリン分解剤(例えば組織プラスミノーゲン活性化因子)又は凝血防止剤(例えばヘパリン)が、評価されている。現在市販されている方法は、外傷を受けた組織を効果的に分離することにより作用する物理的障壁を含む。この分離は、固体の機械的障壁(Interceed又はSeprafilmなどのフィルム及びゲル)の使用によるか、又はハイドロフローテーション(hydroflotation)による流体(イコデキストリン)の使用により、実現することができる。しかし障壁法のほとんどは、取り扱いが困難であり、ある種の手術には適していない(例えばこれらは腹腔鏡下手術には適していないことがある)ため、並びに吻合漏出を増大することがあり、更には血液の存在下では無効となり始めるという理由で、不適切であることがある。イコデキストリン溶液は細菌の増殖を助けるので、それらの使用は、細菌感染症のリスクがある場合は禁忌であり、従ってこれは大きな欠点である。
US2005/0281883A(Daniloff)は、現位置で(in situ)架橋する組成物を開示しており、並びに癒着の軽減に使用されることを記載している。その開示によると、これらの組成物は、1-α,25-ジヒドロキシビタミンD3又はそれらの類似体もしくは誘導体などのイノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を含む幅広い抗線維化薬と組み合わせられてよい。
WO2006/094064(Avocet Polymer Technologies社)は、ビタミンD又は活性ビタミンD類似体を投与することが関与する、閉鎖された創傷の外観を改善し及び/又はそのサイズを縮小する方法及び組成物を開示している。
US 5,194,248(ボストン大学)は、低エネルギーUV光によりビタミンD前駆体へ転換される作用物質を投与することによる、皮膚へのビタミンD類似体の供給に関する方法を開示している。これらの方法は、創傷治癒及び瘢痕形成の阻害において有用であると言われている。
一般に、癒着を治療する現在の方法は、成功が限定されたものである。従って、現在のアプローチの十分に認められた欠点を持たない、癒着防止のためのより選択的かつ特異的方法が強く必要とされている。
本発明者らは、前述の欠点を軽減又は緩和する目的で、癒着、特に術後癒着を防止する新規方法を開発した。本方法は、集合的に本明細書において「ビタミンD化合物」と称される、カルシトリオール及びそれらの類似体の使用を基本にしている。
高等動物の生体システムにおけるビタミンD(コレカルシフェロール)の重要性は、1920年のMellanbyによるその発見以来認められている(Mellanby, E.の文献、(1921) Spec. Rep. Ser. Med. Res. Council (GB) SRS 61:4)。1920年から1930年の間に、ビタミンDは公式に、骨格の正常な発達並びにカルシウム及びリンのホメオスタシスの維持に必須である「ビタミン」として分類された。
ビタミンD3の代謝に関する研究は、血漿代謝産物である25-ヒドロキシビタミンD3[25(OH)D3]の発見及び化学的特徴決定(Blunt, J. W.らの論文、(1968) Biochemistry, 6:3317-3322)、並びにホルモン活性型1-α,25(OH)2D3の発見及び化学的特徴決定(Myrtle, J.F.らの論文、(1970) J. Biol. Chem. 245:1190-1196;Norman, A.W.らの論文、(1971) Science, 173:51-54;Lawson, D.E.M.らの論文、 (1971) Nature, 230:228-230;Holick, M.F.の論文、(1971) Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 68:803-804)により始まった。ビタミンD内分泌系の概念の製剤は、慎重に制御された様式での1-α,25(OH)2D3の生成における腎臓の重要な役割の認知(Fraser, D. R.及びKodicek, Eの論文、(1970) Nature, 288:764-766;Wong, R.G.らの論文、(1972) J. Clin. Invest. 51:1287-1291)、並びに小腸における1-α,25(OH)2D3の核内受容体(VD3R)の発見(Haussler, M. R.らの論文、(1969) Exp. Cell Res. 58:234-242;Tsai, H.C.及びNorman, A.W.の論文、(1972) J. Biol. Chem. 248:5967-5975)の両方に依存していた。
ビタミンD内分泌系の働きは、以下によって決まる:第一に、肝臓における(Bergman, T.及びPostlind, H.の論文、(1991) Biochem. J. 276:427-432;Ohyama, Y.及びOkuda, K.の論文、(1991) J. Biol. Chem. 266:8690-8695)及び腎臓における (Henry, H.L.及びNorman, A.W.の論文、(1974) J. Biol. Chem. 249:7529-7535;Gray, R.W.及びGhazarian, J. G.の論文、(1989) Biochem. J. 259:561-568)、並びにビタミンD3の、1-α,25(OH)2D3及び24R,25(OH)2D3などの生物学的活性型代謝産物への転換に作用する様々な他の組織における、シトクロムP450酵素の存在によって;第二に、これらの疎水性分子の、ビタミンD内分泌系の様々な組織成分への選択的輸送及び送達に作用する、血漿ビタミンD結合タンパク質(DBP)の存在によって(Van Baelen, H.らの論文、(1988) Ann NY Acad. Sci. 538:60-68;Cooke, N.E.及びHaddad, J.G.の論文、(1989) Endocr. Rev. 10:294-307;Bikle, D.D.らの論文、(1986) J. Clin. Endocrinol. Metab. 63:954-959);並びに、第三に、このセコステロイドホルモンに関する必須の特異的生物学的反応を生じるために、アゴニスト1-α,25(OH)2D3と相互作用する多種多様な標的組織における立体選択性受容体の存在によって(Pike, J.W.の論文、(1991) Annu. Rev. Nutr. 11:189-216)。現在までに、1-α,25(OH)2D3の核内受容体(VD3R)は、正常な眼(Johnson JAらの論文、Curr Eye Res. 1995 Feb; 14(2): 101-8)を含む、30種を超える組織及び癌細胞株に存在する(Reichel, H.及びNorman, A.W.の論文、(1989) Annu. Rev. Med. 40:71-78)ことを示す証拠がある。
ビタミンD3及びそのホルモン活性型は、カルシウム及びリンのホメオスタシスの周知の調節因子である。これらの化合物は、カルシウム及びリン酸の小腸吸収、骨塩の動員、及び腎臓内のカルシウムの保持の少なくともひとつを刺激することがわかっている。更に、30種を超える組織における特異的ビタミンD受容体の存在の発見は、カルシウム/骨ホメオスタシスにおけるその古典的役割を超える多能性の調節因子としてのビタミンD3の同定につながっている。1-α,25(OH)2D3の傍分泌の役割は、ビタミンD3をその活性型へ酸化することが可能な酵素、例えば25-OHD-1-α-水酸化酵素、並びに骨、ケラチノサイト、胎盤、及び免疫細胞などのいくつかの組織内の特異的受容体の存在の組み合わせにより示唆されている。更に、ビタミンD3ホルモン及び活性型代謝産物は、正常細胞及び悪性転換細胞の両方の細胞増殖及び分化を調節することが可能であることがわかっている(Reichel, H.らの論文、(1989) Ann. Rev. Med. 40:71-78)。
ビタミンD3及びその代謝産物の活性を前提として、これらの化合物の合成類似体の開発に多くの注目が集まっている。非常に多数のこれらの類似体は、A環、B環、C/D環、及び主に側鎖における構造的修飾に関連している(Bouillon, R.らの論文、(1995) Endocrine Reviews, 16(2):201-204)。今日までに開発されたビタミンD3類似体の圧倒的多数は、側鎖の構造的修飾に関連しているが、わずかな研究が、A-環ジアステレオマーの生物学的プロファイルについて報告している(Norman, A.W.らの論文、(1993) J. Biol. Chem. 268 (27):20022-20030)。更にステロイドの生物学的エステル化が研究されており(Hochberg, R.B.の論文、(1998) Endocr. Rev. 19(3):331-348)、ビタミンD3のエステルは公知である(WO 97/11053)。
更に、合成類似体の開発における多くの努力にもかかわらず、ビタミンD及びその構造的類似体の臨床適用は、ビタミンD化合物の公知の適応症/適用のために被験者へ投与した後に、これらの化合物により引き起こされる望ましくない副作用により限定されている。
ビタミンD、ビタミンD3、及びいくつかのその類似体の活性型が、細胞増殖及び分化の強力な調節因子として説明されている。ビタミンD3に加え類似体(類似体V)は、BPH細胞増殖を阻害し、並びにケラチノサイト増殖因子(KGF)及びインスリン-様増殖因子(IGF1)などのBPH細胞の強力な増殖因子のマイトジェン活性に反対に作用することは、これまでにわかっている。更にこの類似体は、未刺激の及びKGF-刺激された両方のBPH細胞において、bcl-2タンパク質発現、細胞内カルシウム動員、及びアポトーシスを誘導した。
本明細書の実施例に記載されているように、本発明者らは、カルシトリオール及びカルシトリオール類似体(本実施例において「化合物X」及び「化合物Y」)などのビタミンD化合物は、マウスモデル及びウサギモデルなどの動物モデルにおいて癒着を防止することができることがわかった。
理論により限定されるものではないが、ビタミンD化合物は、抗炎症作用を有することと結びつけて、フィブリン溶解経路の調整を通じてそれらの有益な作用を発揮すると考えられる。本実施例により明らかにされるように、この有益な作用は、創傷治癒へ有害な影響を及ぼさずに達成されることがある。理論的には、一旦線維性癒着が形成されると、抗線維化薬は、治癒過程を損なうことなく、癒着の排除において活性があるとは予想されない。それにもかかわらず、ビタミンD化合物は、有効であることがわかっている。更にある種の先行技術の方法とは異なり、感染症との相乗作用に起因した死亡率への有害な影響があるようには見えない。
従って一態様において、本発明は、癒着の防止におけるビタミンD化合物の使用を提供する。同じくビタミンD化合物の有効量を投与することによる、被験者における癒着を防止する方法が提供される。癒着の防止のための医薬品の製造におけるビタミンD化合物の使用が、更に提供される。更に癒着の防止において使用するためのビタミンD化合物が提供される。同じくビタミンD化合物を、該化合物の癒着の防止の必要な患者へ投与し、これにより該患者の癒着を防止することを指示する説明書と一緒に備えるキットも、提供される。
一態様において、本発明は、ビタミンD化合物を使用する癒着防止法を提供する。
別の態様において、本発明は、癒着が被験者において防止されるように、ビタミンD化合物の有効量を、それを必要とする被験者へ投与することを含む、被験者における癒着防止法を提供する。
一実施態様において、本発明は、癒着の防止を必要とする被験者を確定することを更に含む、先に説明された方法を提供する。別の実施態様において、本発明は、ビタミンD化合物を得る工程を更に含む、先に説明された方法を提供する。本明細書において説明された方法の一実施態様において、被験者は、哺乳類である。更なる実施態様において、被験者はヒトである。
別の実施態様において、本発明は、ビタミンD化合物が、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に医薬組成物に製剤される、本明細書に説明された方法を提供する。
別の態様において、本発明は、癒着防止のための医薬品の製造におけるビタミンD化合物の使用を提供する。
別の態様において、本発明は、癒着防止において使用のための、ビタミンD化合物及び医薬として許容し得る担体を含有する医薬製剤を提供する。
更に別の態様において、本発明は、癒着防止における使用に関する説明書と共に包装された、ビタミンD化合物及び医薬として許容し得る担体を含有する医薬製剤を提供する。
別の態様において、本発明は、癒着防止における使用のためのビタミンD化合物を提供する。
本発明は、ビタミンD化合物を、該化合物を癒着防止の必要な患者へ投与し、これにより該患者の癒着を防止することを指示する説明書と一緒に含むキットを提供する。
一実施態様において、本発明は、ビタミンD化合物が、癒着の防止及び/又は治療のための第二の医薬品と個別の又は組み合わせた医薬製剤において、個別に、順次又は同時に投与される、使用、方法、製剤、化合物又はキットを提供する。別の実施態様において、本発明は、該ビタミンD化合物が、カルシトリオール、以下に規定された化合物X又は化合物Yである、使用、方法、製剤、化合物又はキットを提供する。
図1は、化合物X又はビヒクルの投与後の癒着スコアの比較を示す。 図2は、化合物Y又はビヒクルの投与後の癒着スコアの比較を示す。 図3は、(上側図)化合物X、化合物Y、カルシトリオール又はビヒクルの投与後の癒着スコアの比較、並びに(下側図)対応する癒着長を示す。 図4は、化合物X、化合物Y、カルシトリオール又はビヒクルの投与後の実験動物に関する血液の血清カルシウムレベルを示す。 図5は、様々な投与量での化合物Yの投与後の実験動物に関する血液の血清カルシウムレベルを示す:上側のトレースは、腹腔内投与(単回投与量)した後の結果を示し、かつ下側トレースは、腹腔内投与(単回投与量)した後、最大耐量(MTD)(3μg/kg)で3日間の経口投与を伴う結果を示す。 図6は、酢酸ロイプロリド(陽性対照)又はビヒクルの投与後の癒着スコアの比較を示す。 図7は、マウス線維芽細胞3T3.L1培養上清による、フィブリン塊の溶解により証拠付けられる、フィブリン溶解経路に対する、化合物Yのインビトロ作用を示す。 図8は、ヒト中皮細胞におけるtPA/PAI比率により証拠付けられる、フィブリン溶解経路に対する、化合物Yのインビトロ作用を示す。 図9は、血清カルシウムレベルに対する、マウスへの化合物Yの腹腔内単回投与の作用を示す。 図10は、術後癒着のマウスモデル(CPSS)における、化合物Yの用量反応効能試験を示す。 図11は、術後癒着のウサギモデル(DUH)における、化合物Yの用量反応効能試験を示す。 図12は、血清カルシウムレベルに対する、DUHウサギへの化合物Yの腹腔内単回投与の作用を示す。 図13は、組織治癒のマウスモデルにおける化合物Yの作用を示す。 図14は、マウスにおけるVEGF及びTGF-βレベルに対する、化合物Yの作用を示す。 図15は、感染症の相乗作用に起因した死亡率マウスモデルにおける、化合物Yの作用を示す。 図16は、DUHウサギモデルにおける、イコデキストリンと比較した、化合物Yの有効性を示す。 図17は、DUHウサギモデルにおける、ラザロイドと比較した、化合物Yの有効性を示す。
(発明の詳細な説明)
(1. 定義)
本発明の更なる説明の前に、本発明をより容易に理解することができるように、ある種の用語を、最初に定義し、かつ便宜上ここにまとめている。
「癒着」は、組織間、例えば腹膜、胸郭、心臓、脊椎、関節、眼、鼻などの組織間の、望ましくない線維性結合(具体的には持続性のフィブリンマトリックスで形成された結合)を意味する。このような癒着は、外科的処置又は基礎となる病態のような多くの原因となる状況から生じることがある。特に癒着が形成される状況は、婦人科手術及び帝王切開による分娩を含む。多くの基礎となる慢性状態、例えば炎症性腸疾患、クローン病、子宮内膜症及び潰瘍性大腸炎などは、時には癒着の形成から生じることがあり、そのような基礎となる慢性状態は、それら自身は「癒着」という用語に含まれないことは認められるであろう。一実施態様において、癒着防止のためにビタミンD化合物が投与される被験者は、子宮内膜症には罹患していない。第二の実施態様において、癒着防止のためにビタミンD化合物が投与される被験者は、炎症性腸疾患、クローン病、子宮内膜症又は潰瘍性大腸炎には罹患していない。
「防止」又は「予防」は、癒着の防止又は予防に関して本明細書において使用される場合、形成された癒着の数及び/又は形成された癒着のサイズ/重症度の軽減を意味する。癒着形成は、広範な分子成分及び多くの段階を通じた進行に関連するので、「防止」又は「予防」は、癒着形成が始まる前の、及び同じくビタミンD化合物が癒着形成の過程を逆行するように作用する任意の段階の両方での、ビタミンD化合物の投与を包含することが理解される。防止又は「予防」は、予め存在する癒着の治療のため、又はビタミンD化合物が癒着形成の過程を逆行することができないような癒着形成段階でのビタミンD化合物の投与までは拡大されない。
「腹膜癒着」は、典型的には手術、虚血性損傷、炎症、細菌性及び化学性腹膜炎、放射線治療又は異物反応の結果としての、腹膜の癒着、例えば腹部及び骨盤の癒着を意味する。
「術後癒着」は、例えば胆嚢摘出術、虫垂切除術、結腸手術、心臓手術、肺手術及び骨盤手術後のような、従来の手術及び腹腔鏡検査を含む(しかし限定されるものではない)手術後に組織間に形成された癒着を意味する。
当業者は、ビタミンD化合物は、臨床薬又は獣医学用医薬品において使用されてよいことを認めるであろう。従って本発明に従い、用語「被験者」及び「患者」は、互換的に使用され、これは哺乳類、例えばヒトを含むことが意図される。本ビタミンD化合物は、ヒト患者における癒着の防止に使用されることが好ましい。
用語「投与」又は「投与する」は、ビタミンD化合物(類)の意図された機能を実行するために、それらを被験者に導入する全ての経路を含む。使用することができる投与経路の例は、注射(皮下、静脈内、非経口、腹腔内)、又は経口投与、吸入、経直腸もしくは経皮経路、又は例えば膀胱もしくは腹腔内注入のような注入によるものを含む。医薬調製品は、当然、各投与経路に好適な形状により与えられる。例えばこれらの調製品は、錠剤又はカプセル剤の形で、注射、輸液、吸入、ローション、軟膏、坐薬などにより投与される。経口投与又は腹膜への直接投与(すなわち、腹腔内経路)が好ましい。注射は、ボーラスであることができるか、又は連続輸液であることができる。投与経路に応じて、ビタミンD化合物を、その意図された機能を実行するその能力に悪影響を及ぼし得る天然の条件から保護するために、これは、選択された物質によりコーティングされるか、又は選択された物質内に配置されることができる。本ビタミンD化合物は、単独で、又は癒着の防止及び/もしくは治療において有用である別の作用物質(例えば、コルチコステロイドのような抗炎症薬、及び組織プラスミノーゲン活性化因子のようなフィブリン溶解薬)と、もしくは医薬的に許容し得る担体のいずれかと、もしくは両方と一緒に、投与されることができる。本ビタミンD化合物は、他の作用物質の投与前、該作用物質と同時に、又は該作用物質の投与後に投与することができる。更に本ビタミンD化合物は、インビボにおいてその活性代謝産物、又はより活性のある代謝産物へ転換されるプロ型で投与されることもできる。
用語「有効量」は、所望の結果を実現するのに必要な、すなわち癒着を防止するのに十分な、用量及び期間での、有効である量を含む。ビタミンD化合物の有効量は、原因背景(すなわち、基礎となる病態又は関連した特定の外科的処置)、被験者の年齢及び体重、並びにビタミンD化合物の被験者において所望の反応を誘発する能力などの要因に応じて変動してよい。薬物投与計画は、最適な予防反応を提供するように調節されてよい。有効量は、ビタミンD化合物の毒性又は有害作用(例えば副作用)に、予防的恩恵作用が勝るような量でもある。
ビタミンD化合物の予防的有効量(すなわち、有効用量)は、1日につき、約0.001〜30μg/kg体重、好ましくは約0.01〜25μg/kg体重、より好ましくは約0.1〜20μg/kg体重、及び更により好ましくは約1〜10μg/kg、2〜9μg/kg、3〜8μg/kg、4〜7μg/kg、又は5〜6μg/kg体重の範囲であってよい。より高い濃度、例えば600μg/kgも、忍容され得る。当業者は、疾患又は障害の重症度、先行する治療、被験者の全身の健康及び/又は年齢、並びに存在する他の疾患を含むが、これらに限定されるものではない、ある種の要因は、被験者における癒着の効果的防止に必要とされる用量に影響を及ぼし得ることを理解するであろう。加えて、投与される投与量も、使用される特定のビタミンD化合物により左右され、各化合物の有効量は、当該技術分野において公知の力価測定法により決定することができる。更に、ビタミンD化合物の予防的有効量による被験者における癒着形成の防止は、単回投与を含むことができるか、又は好ましくは、連続投与を含むことができる。一例において、被験者は、ビタミンD化合物が、約0.1〜20μg/kg体重の範囲で、1又は2週間にわたり1日1回、投与され、例えば待機手術(elective surgery)の場合、手術の直前に開始され、術後短期間で終了される。
「オン-オフ」又は間欠投与計画も考慮することができる。癒着の防止に使用されるビタミンD化合物の有効用量は、特定の投与期間の経過に渡り増加又は減少することができることは理解されるであろう。
用語「アルキル」は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換されたシクロアルキル基、及びシクロアルキル置換されたアルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを言う。用語アルキルは、例えば酸素、窒素、イオウ又はリン原子で、炭化水素主鎖の1個以上の炭素が交換された、酸素、窒素、イオウ又はリン原子を任意に更に含むことができるアルキル基(例えば、一実施態様においてアルキル基はこれらを含まない)を更に含む。好ましい実施態様において、直鎖又は分枝鎖のアルキルは、その主鎖に30個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてC1-C30、分枝鎖についてC3-C30)、好ましくは26個以下、及びより好ましくは20個以下、特に6個以下を有する。同様に好ましいシクロアルキルは、それらの環構造に3〜10個の炭素原子を有し、及びより好ましくはその環構造に3、4、5、6又は7個の炭素を有する。
更に本明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される用語アルキルは、「非置換のアルキル」及び「置換アルキル」の両方を含むことが意図され、「置換アルキル」は、炭化水素主鎖の1個以上の炭素上の水素の代わりに置換基を有するアルキル部分をいう。このような置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。当業者により、炭化水素鎖上の置換された部分は、適宜、それら自身置換され得ることは理解されるであろう。シクロアルキルは、例えば先に説明された置換基により、更に置換され得る。
「アルキルアリール」部分は、アリール(例えば、フェニルメチル(ベンジル))により置換されたアルキルである。非置換アルキル(シクロアルキルを含む)基又はハロゲン、特にフッ素で置換された基が、一般に他の置換された基よりも好ましい。用語「アルキル」は、また、長さ及び可能性のある置換が先に説明されたアルキルに類似しているが、各々少なくとも1個の二重又は三重結合を含む、不飽和脂肪族基も含む。
炭素の数が別に特定されない限りは、本明細書において使用される「低級アルキル」は、先に定義されたような、しかし直鎖又は分枝鎖であってよい、その主鎖構造に1〜10個の炭素、より好ましくは1〜6個、及び最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。低級アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル及びi-プロピル)、ブチル(tert-ブチル、n-ブチル及びsec-ブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどを含む。好ましい実施態様において、用語「低級アルキル」は、その主鎖に4個以下の炭素原子を有する直鎖アルキル、例えばC1-C4アルキルを含む。
従って、アルキルの具体例は、C1-6アルキル又はC1-4アルキル(例えばメチル又はエチル)を含む。ヒドロキシアルキルの具体例は、C1-6ヒドロキシアルキル又はC1-4ヒドロアルキル(ヒドロキシメチルなど)を含む。
用語「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル」は、先に説明されたような、例えば酸素、窒素又はイオウ原子で、炭化水素主鎖の1個以上の炭素が交換された、酸素、窒素又はイオウ原子を更に含むアルキル基をいう。
本明細書において使用される用語「アリール」は、0〜4個のヘテロ原子を含んでよい、5-及び6-員の単環芳香族基を含む、アリール基のラジカル、例えばベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどをいう。また、アリール基は、多環式縮合芳香族基、例えばナフチル、キノリル、インドリルなども含む。
これらの環構造にヘテロ原子を有するアリール基は、「アリールヘテロ環」、「ヘテロアリール」又は「ヘテロ芳香族」とも称される。該芳香環は、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などの先に説明されたような置換基で、1つ以上の環上の位置で置換されることができる。アリール基は、多環(例えばテトラリン)を形成するために、脂環式又は芳香族ではないヘテロ環式環と縮合又は架橋されることもできる。
用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、長さ及び可能性のある置換が先に説明されたアルキルに類似しているが、各々少なくとも1個の二重又は三重結合を含む、不飽和脂肪族基をいう。例えば、本発明は、シアノ及びプロパルギル基を意図している。
用語「キラル」は、鏡像対を重ね合わせることができない特性を有する分子をいう一方で、「アキラル」は、それらの鏡像対を重ね合わせることが可能な分子をいう。
用語「ジアステレオマー」は、2個以上の非対称な中心を持ち、かつその分子は互いに鏡像ではない、立体異性体をいう。
用語「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2種の立体異性体をいう。2種のエナンチオマーの等モル混合物は、「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」と称される。
本明細書において使用される用語「ハロゲン」は、-F、-Cl、-Br又は-Iを意味し;用語「スルフヒドリル」又は「チオール」は、-SHを意味し;用語「ヒドロキシル」は、-OHを意味する。
用語「ハロアルキル」は、ハロゲンにより一-、二-又は多置換された、先に定義されたアルキル基、例えばC1-6ハロアルキル又はC1-4ハロアルキル、例としてフルオロメチル及びトリフルオロメチルを含むことが意図されている。
本明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、イオウ及びリンである。
用語「多環式」又は「多環式ラジカル」は、2個以上の炭素が、2個の隣接環と共通である、例えば環が「縮合環」である、2個以上の環式環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/又はヘテロ環)のラジカルをいう。非隣接原子を介して結合している環は、「架橋した」環と称される。多環の各環は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環、アルキル、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などの、先に説明されたような置換基により置換されることができる。
用語「異性体」又は「立体異性体」は、同じ化学構成を有するが、空間における原子又は基の配置に関して異なる化合物をいう。
用語「単離された」又は「実質的に精製された」は、本明細書において互換的に使用され、並びに非天然状態のビタミンD3化合物をいう。これらの化合物は、天然に生成された場合には細胞物質もしくは培養培地を、又は化学的に合成された場合には化学前駆体もしくは他の化学物質を、実質的に含まない。本発明の一実施態様において、単離されたビタミンD化合物は、重量/重量ベースで少なくとも75%純粋、特に少なくとも85%純粋、特に少なくとも95%純粋、及び好ましくは少なくとも99%純粋であり、前記純度は、ビタミンD化合物が天然に会合しているか又はそうでなければ化学合成経路において化学的に会合している化合物に関してである。
ある好ましい実施態様において、用語「単離された」又は「実質的に精製された」は、一方のエナンチオマーを実質的に欠いているキラル化合物の調製物;すなわち、分子の鏡像異性的に豊富化された又は非-ラセミ体の調製物もいう。
同様に用語「単離されたエピマー」又は「単離されたジアステレオマー」は、他の立体化学形を実質的に含まない、キラル化合物の調製物をいう。例えば、単離された又は実質的に精製されたビタミンD3化合物は、α-立体配置においてA-環の3位でキラル炭素に結合された置換基を有する立体異性体について豊富化され、その結果β-立体配置を有する他の異性体を実質的に欠いている、ビタミンD3の合成又は天然の調製物を含む。特に別に指定しない限りは、このような用語は、α型対β型の比率が、重量比で1:1よりも大きいビタミンD3組成物をいう。例えば、エピマーの単離された調製物は、β立体異性体に対しα-エピマーが50重量%よりも多い、より好ましくは少なくとも75重量%、及び更により好ましくは少なくとも85重量%である調製物を意味する。当然豊富化は、85%よりもはるかに大きいことができ、「実質的にエピマー−豊富化された」調製物、すなわちβ立体異性体に対しα-エピマーが90%よりも多い、更により好ましくは95%よりも多い化合物の調製物を提供する。用語「β立体異性体を実質的に含まない」は、同様の純度範囲を有すると理解されるであろう。
本明細書において使用される用語「ビタミンD化合物」は、癒着を防止することが可能であるビタミンDの類似体である任意の化合物を含む。一般に、ビタミンD受容体のリガンド(VDRリガンド)でありかつ癒着の防止が可能である化合物は、本発明の範囲内であると考えられる。ビタミンD化合物は好ましくは、ビタミンD受容体のアゴニストである。従ってビタミンD化合物は、セコステロイドを含むことが意図される。本発明の方法における使用に好適な特異的ビタミンD化合物の例は、更に本明細書において説明される。ビタミンD化合物は、ビタミンD2化合物、ビタミンD3化合物、それらの異性体、又はそれらの誘導体/類似体を含む。好ましいビタミンD化合物は、ビタミンD受容体のリガンドである(より好ましくはそのアゴニストである)ビタミンD3化合物である。好ましくは、ビタミンD化合物(例えばビタミンD3化合物)は、天然のリガンド(すなわち、ビタミンD、例えばビタミンD3)よりも、より強力なビタミンD受容体のアゴニストである。ビタミンD1化合物、ビタミンD2化合物及びビタミンD3化合物は、各々、ビタミンD1、D2、D3及びそれらの類似体を含む。ある実施態様において、ビタミンD化合物は、セコステロイドなどのステロイド、例えば、カルシオール、カルシジオール又はカルシトリオールであってよい。本発明のある種の好ましいビタミンD化合物の非限定的な例は、US 6,492,353に開示されたもの、及び公開された国際出願WO 2005/030222に開示されたものを含む。
本明細書において使用される用語「得ること」は、本発明の実践において使用されるビタミンD化合物の1種以上を購入すること、合成すること、単離すること又はそれ以外で獲得することを含む。
用語「セコステロイド」は、当該技術分野において認められており、かつステロイド環構造のシクロペンタノペルヒドロ-フェナントレン環のひとつが開裂されている化合物を含む。例えば、1-α,25(OH)2D3及びそれらの類似体は、ホルモン活性のあるセコステロイドである。ビタミンD3の場合、B-環の9-10の炭素-炭素結合は開裂し、セコ-B-ステロイドを生成する。ビタミンD3の公式のIUPAC名は、9,10-セココレスタ-5,7,10(19)-トリエン-3B-オールである。便宜上、標準のステロイド表記を使用し全ての炭素原子に番号付けした、1-α,25(OH)2D3の6-s-trans配座異性体を、以下に例示する。
Figure 2010504306
本明細書に示された式において、環A上の様々な置換基は、これらの表記のひとつにより、ステロイド核に結合したように例示されている:点線(----)は、β-配向(すなわち、環の面の上側)である置換基を示し、楔形実線(
Figure 2010504306
)は、α-配向(すなわち、分子の面の下側)である置換基を示し、又は波線(
Figure 2010504306
)は、置換基が、環の面の上側又は下側のいずれかであってよいことを示している。環Aに関して、ビタミンD分野における立体化学的慣例は、点線は、α-配向(すなわち、分子の面の下側)である環A上の置換基を示し、かつ楔形実線は、β-配向(すなわち、環の面の上側)である環A上の置換基を示す一般的化学分野とは反対であることは理解されなければならない。
更に、炭素-炭素二重結合の全域での立体化学の表示も同じく、「Z」は、しばしば「cis」(同側)立体配座と称されるものをいうのに対し、「E」は、しばしば「trans」(対側)立体配座と称されるものをいう一般的化学分野とは反対である。それにもかかわらず、両方の立体配置cis/trans及び/又はZ/Eは、本発明において使用する化合物に関して意図されている。
示されたように、ホルモン1-α,25(OH)2D3のA環は、炭素1及び3の2個の不斉中心を含み、各々は、よく特徴付けられた立体配置でヒドロキシル基を含み、すなわち1-α-及び3-β-ヒドロキシル基である。別の言い方をすると、A環の炭素1及び3は、「キラル炭素」又は「炭素中心」と言われる。
キラル中心の命名法に関して、用語「d」及び「l」立体配置は、国際純正・応用化学連合(IUPAC)の推奨により規定されるものである。これらの用語の使用のように、ジアステレオマー、ラセミ体、エピマー及びエナンチオマーは、調製物の立体化学を説明するためにそれらの通常の文脈で使用されるであろう。
同じく本特許文献を通じて、ビタミンD化合物のA環は、しばしば下記構造のいずれかひとつとして一般式で表される:
Figure 2010504306
(式中、X1及びX2は、Hもしくは=CH2と定義される。);又は
Figure 2010504306
(式中、X1及びX2は、H2 もしくはCH2と定義される。)。
いかなる慣例の設定であるかは明らかではないが、当業者は、式(A)又は(B)のいずれかは、例えばX1が=CH2であり、及びX2がH2と定義された、以下:
Figure 2010504306
である、A環を表すことを理解することは明らかである。
本発明の目的のためには、式(B)が全ての一般構造において使用されるであろう。
本発明の一実施態様において、ビタミンD化合物は、式(I)の化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
Xは、ヒドロキシル又はフルオロであり;
Yは、H2又はCH2であり;
Z1及びZ2は、H又は式(II)により表される置換基であり、但しZ1及びZ2は、異なることを条件とし(好ましくはZ1及びZ2は、両方とも式(II)を表さない):
Figure 2010504306
(式中:
Z3は、前述の式(I)を表し;
Aは、単結合又は二重結合であり;
R1、R2、及びZ4は、各々独立して、水素、アルキル、又は式(III)により表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖であり、但しR1、R2、及びZ4の少なくともひとつは、式(III)により表される飽和又は不飽和の炭素鎖であり、かつR1、R2、及びZ4の全ては、式(III)により表される飽和又は不飽和の炭素鎖ではないことを条件とし:
Figure 2010504306
(式中:
Z5は、前述の式(II)を表し;
A2は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;並びに
A3は、単結合又は二重結合であり;並びに
R3及びR4は、各々独立して、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルであり;並びに、R5は、H2又は酸素である。)。)。)。R5は、水素を表してもよく、又は存在しなくともよい。
従って、前述の式(III)の構造(及び以下の対応する構造)において、A2が三重結合を表す場合、R5は存在しない。A2が二重結合を表す場合、R5は水素を表す。A2が単結合を表す場合、R5はカルボニル基又は2個の水素原子を表す。
別の本発明の実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(IV)の化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
X1及びX2は、H2又はCH2であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
Aは、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
A3は、単又は二重結合であり;
R1及びR2は、水素、C1-C4アルキル又は4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルであり、ここでR1及びR2は、両方とも水素ではなく;
R5は、H2又は酸素であり、R5は、水素を表すか、又は存在しなくともよく;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり、並びに
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。)。
更に別の本発明の実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(V)の化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
X1及びX2は、H2又はCH2であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
Aは、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
A3は、単又は二重結合であり;
R1及びR2は、水素、C1-C4アルキルであり、ここでR1及びR2は、両方とも水素ではなく;
R5は、H2又は酸素であり、R5は、水素を表すか、又は存在しなくともよく;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり;並びに
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルである。)。
前記式(V)の構造の例は、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-インコレカルシフェロールである。
更に別の実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(VI)の「ジェミナル」化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
X1は、H2又はCH2であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり;
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり;
並びに、C20での立体配置は、R又はSである。)。
この種の化合物は、C20での2つのアルキル鎖の存在のために、「ジェミナル」又は「ジェミニ」ビタミンD3化合物と称されてよい。
式(VI)のジェミナル化合物の例は、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロール(本明細書の別所において「化合物Y」と称する)である。
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロールの合成は、WO 98/49138及びUS 6,030,962に開示されており、それらの開示は引用により本明細書中に組み込まれている。この合成は、下記実施例2において説明されている。
別の実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(VII)の化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
Aは、単又は二重結合であり;
R1及びR2は、各々独立して、水素、アルキル(例えば、メチル)であり;
R3及びR4は、各々独立して、アルキルであり;並びに
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
更なる実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(VIII)の化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
R1及びR2は、各々独立して、水素、又はアルキル、例えばメチルであり;
R3は、アルキル、例えばメチルであり;
R4は、アルキル、例えばメチルであり;並びに
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
本発明の具体的な実施態様において、本ビタミンD化合物は、下記化合物からなる群から選択される:
Figure 2010504306
別の本発明の具体的な実施態様において、本ビタミンD化合物は、下記化合物からなる群から選択される:
Figure 2010504306
更なる本発明の具体的な実施態様において、本ビタミンD化合物は、下記化合物からなるジェミナル化合物の群から選択される:
Figure 2010504306
更に別の態様において、本発明は、式(IX)のジェミニビタミンD3化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A1は、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、C1-C4アルキル、C1-C4ジュウテロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
R5、R6及びR7は、各々独立して、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
C20の立体配置は、R又はSであり;
X1は、H2又はCH2であり;
Zは、R1及びR2の少なくとも一方がC1-C4ジュウテロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方がハロアルキルである場合、又はR1及びR2の少なくとも一方がハロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方がC1-C4ジュウテロアルキルである場合、水素であるか;又は、Zは、-OH、=O、-SH、又は-NH2である。);並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
本発明のこの態様の様々な実施態様は、個別の式Iの化合物を含む(式中、A1は、単結合であり;A2は、単結合であり;A2は、三重結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、C1-C4ジュウテロアルキル又はハロアルキルであり;R5は、ヒドロキシルであり;R6及びR7は、ヒドロキシルであり;R6及びR7は、各々OC(O)C1-C4アルキルであり;X1はH2であり;X1はCH2であり;Zは水素であり;又は、Zは=Oである。)。
ある実施態様において、R5、R6及びR7は、ヒドロキシルである。別の実施態様において、R6及びR7は、各々アセチルオキシである。
更に別の実施態様において、Zは、R1及びR2の少なくとも一方がC1-C4ジュウテロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方がハロアルキルである場合、又はR1及びR2の少なくとも一方がハロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方がC1-C4ジュウテロアルキルである場合、水素であり;Zは、X1がCH2である場合、-OH、=O、-SH、又は-NH2であり;Zは、X1がH2でありかつC20の立体配置がSである場合、-OH、=O、-SH、又は-NH2であり;もしくは、X1がH2でありかつC20の立体配置がRである場合、Zは、=O、-SH、又は-NH2である。ひとつの実施態様において、Zは-OHである。
本発明のこの態様の更に別の実施態様は、X1がCH2であり;A2が単結合であり;R1、R2、R3、及びR4が、各々独立して、メチル又はエチルであり;かつZが-OHであるものを含む。一実施態様において、X1はCH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;かつZは=Oである。一実施態様において、X1はH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;C20での立体配置はSであり;並びに、Zは-OHである。別の実施態様において、X1はH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;かつZは=Oである。これらの実施態様において、R1、R2、R3、及びR4は、有利なのは各々メチルである。
ある実施態様において、ハロアルキルはフルオロアルキルである。有利なことに、フルオロアルキルは、フルオロメチル又はトリフルオロメチルである。
本発明のこの態様の追加の実施態様は、X1はH2であり;A2は三重結合であり;R1及びR2は、各々C1-C4ジュウテロアルキルであり;R3及びR4は、各々ハロアルキルであり;かつZは水素である化合物を含む。別の実施態様において、X1はCH2であり;A2は三重結合であり;R1及びR2は、各々、C1-C4ジュウテロアルキルであり;R3及びR4は、各々、ハロアルキルであり;かつZは水素である。
これらの実施態様において、R1及びR2は、有利には各々ジュウテロメチルであり、かつR3及びR4は、有利には、各々トリフルオロメチルである。
本発明の具体的化合物は、以下を含む:1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール:
Figure 2010504306
;1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール:
Figure 2010504306
;1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2010504306
;及び、1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-20S-コレカルシフェロール:
Figure 2010504306
なお更なる本発明の具体的実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(X)のジェミナル化合物:
Figure 2010504306
(式中:
X1は、H2又はCH2であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルであり;
Zは、-OHであり、Zは、=O、-NH2、又は-SHであってもよく;かつ
C20の立体配置は、R又はSである。)、及びそれらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである。
更なる実施態様において、X1は、CH2である。別の実施態様において、A2は、単結合である。別のものにおいて、R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルである。更なる実施態様において、Zは、-OHである。別のものにおいて、X1は、CH2であり;A2は、単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;かつZは、-OHである。なお更なる実施態様において、R1、R2、R3、及びR4は、各々メチルである。
本発明の更なる実施態様において、本ビタミンD化合物は、下記式のジェミナル化合物である:
Figure 2010504306
前述の化合物33及び50の化学名は、各々、1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール及び1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロールである。
ジェミナル化合物の追加の実施態様は、本発明に従い使用するための以下のビタミンD化合物を含む:
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール)、
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール)、
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール)、
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロール)、及び
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-20S-コレカルシフェロール)。
本発明の更なる実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(XI)の化合物:
Figure 2010504306
(式中:
X1及びX1は、各々独立して、H2又は=CH2であり、但しX1及びX1は、両方とも=CH2ではないことを条件とし;
R1及びR2は、各々独立して、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)フルオロアルキルであり;
R3及びR4は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又は、R3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;かつ
R5及びR6は、各々独立して、C1-C4アルキル又はハロアルキルである。);及び、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである。
好適なことに、R3及びR4は、各々独立して、水素、C1-C4アルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する。
化合物の一例のセットにおいて、R5及びR6は、各々独立して、C1-C4アルキルである。
別の化合物の例のセットにおいて、R5及びR6は、各々独立して、ハロアルキル、例えば、C1-C4フルオロアルキルである。
R3及びR4がC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する場合、例は、シクロプロピルである。
一実施態様において、X1及びX1は、各々H2である。別の実施態様において、R3は水素であり、及びR4はC1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R4は、メチルである。
別の実施態様において、R5及びR6は、各々独立して、メチル、エチル、フルオロメチル又はトリフルオロメチルである。好ましい実施態様において、R5及びR6は、各々メチルである。
更に別の実施態様において、R1及びR1は、各々独立して、ヒドロキシル又はOC(O)C1-C4アルキルである。
好ましい実施態様において、R1及びR1は、各々、OC(O)C1-C4アルキルである。別の好ましい実施態様において、R1及びR1は、各々、アセチルオキシである。
そのような化合物の例は、下記構造を有する、1,3-O-ジアセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2010504306
別の本発明の実施態様において、本発明に従い使用するためのビタミンD化合物は、2-メチレン-19-ノル-20(S)-1-α,25-ヒドロキシビタミンD3である:
Figure 2010504306
この化合物及び関連化合物の合成は、WO 02/05823及びUS 5,536,713に開示されており、これらはそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
別の本発明の実施態様において、本ビタミンD化合物は、式(XII)の化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A1は、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2は、両方とも=CH2ではないことを条件とし;
R1及びR2は、各々独立して、H、OC(O)C1-C4アルキル(例えばOAc)、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)ハロアルキル;例えば、OC(O)C1-C4アルキル(例えばOAc)、OC(O)ヒドロキシアルキルなどであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;並びに、
R6及びR7は、各々独立して、C1-C4アルキル又はハロアルキルであり;並びに、
R8は、H、-COC1-C4アルキル(例えばAc)、-COヒドロキシアルキル、又は-COハロアルキルである。);並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである。
R3及びR4が、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する場合、例はシクロプロピルである。
好適なR6及びR7は、各々独立して、ハロアルキルである。R8は、好適なことにH又はAcを表してよい。
一実施態様において、A1は、単結合であり、及びA2は、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合であり、例えば、A1は単結合であり、及びA2は単結合である。別の実施態様において、A1は、二重結合であり、及びA2は、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である。当業者は、A2が三重結合である場合、R5は存在しないことを容易に理解するであろう。
一実施態様において、X1及びX2は、各々、Hである。別の実施態様において、X1は、CH2であり、及びX2は、H2である。別の実施態様において、R3は、水素であり、及びR4は、C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R4はメチルである。
別の実施態様において、R3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキル、例えばシクロプロピルを形成する。
化合物の別の例のセットにおいて、R1及びR2は、OH又はOC(O)C1-C4アルキルであり、例えばR1及びR2は両方とも、OAcを表す。
例証的化合物のひとつのセットにおいて、R6及びR7は、各々独立して、C1-C4アルキルである。例証的化合物の別のセットにおいて、R6及びR7は、各々独立して、ハロアルキルである。別の実施態様において、R6及びR7は、各々独立して、メチル、エチル又はフルオロアルキルであり、例えば、これらは両方ともメチルである。好ましい実施態様において、R6及びR8は、各々、トリフルオロアルキル、例えば、トリフルオロメチルである。
好適なことに、R5は、水素を表す。
好適なことに、R8は、水素を表す。
別の実施態様において、R1及びR2は、OH又はOC(O)C1-C4アルキルであり、X1は、=CH2であり、及びX2は、Hであり、A1は、単結合であり、A2は、単結合であり、R3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し、R5は、水素であり、R6及びR7は、各々独立して、C1-C4アルキルであり、並びにR8は、Hである。更に別の実施態様において、本発明は、R1及びR2が、OH又はOAcであり、R3及びR4が、C20と一緒にシクロプロピルを形成し、並びにR6及びR7が、各々メチルである、使用、方法、製剤、化合物又はキットを提供する。
従ってある実施態様において、本発明に従い使用するためのビタミンD化合物は、式(XII)により表される:
Figure 2010504306
(式中:
A1は、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2は、両方とも=CH2ではないことを条件とし;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるが、A2が三重結合である場合には、R5は存在しないことは理解されるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、各々独立して、アルキル又はハロアルキルであり;並びに、
R8は、H、C(O)C1-C4アルキル、C(O)ヒドロキシアルキル、又はC(O)ハロアルキルである。);並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである。
好ましい実施態様において、A1は単結合であり、R3は水素であり、及びR4はメチルである場合、A2は、二重又は三重結合である。
本発明の状況において好ましい化合物のひとつである前述の式(XII)の例証的化合物は、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2010504306
別の好ましい実施態様において、本化合物は、R1及びR2は、各々OAcであり;A1は、二重結合であり;A2は、三重結合であり;並びに、R8は、H又はAcのいずれかである、式(XIII)の化合物のひとつである:
Figure 2010504306
前述の式(XII)のある実施態様において、本発明に従い使用するためのビタミンD化合物は、式(XIV)により表される:
Figure 2010504306
他の前述の式(XIV)の例証的化合物は、以下を含む:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R-26-トリフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール。
前述の式(XII)のある別の実施態様において、本発明に従い使用するためのビタミンD化合物は、式(XV)により表される:
Figure 2010504306
好ましい実施態様において、X1は、=CH2であり、及びX2は、H2である。A1が単結合であり、及びA2が三重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。A1が単結合であり、及びA2が単結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。A1が二重結合であり、及びA2が単結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。
別の好ましい実施態様において、X1及びX2は、各々H2である。A1が単結合であり、及びA2が三重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル又はハロアルキルであることが好ましい。前記アルキル基はメチルであり、及びハロアルキル基は、トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチルであることが好ましい。A1が単結合であり、及びA2が二重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、R6及びR7は、ハロアルキル、好ましくはトリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチルであることが好ましい。A1が二重結合であり、及びA2が単結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、R6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。
その他の前述の式(XV)の例証的化合物は、以下を含む:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール;及び
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール。
好ましい式XVの化合物は、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2010504306
好ましい化合物の例は、下記式を有する、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(「化合物A」と称される)である:
Figure 2010504306
このような化合物は、WO2005/030222に開示されており、その内容はそれらの全体の引用により本明細書中に組み込まれている。本発明は同じく、化合物Aのエステル及び塩の使用も包含している。エステルは、体内で加水分解され、化合物Aを放出する、医薬として許容し得る不安定なエステルを含む。化合物Aの塩は、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンなどの、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン及び金属イオンの塩、並びに塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩により形成され得る付加物及び錯体を含む。しかし化合物Aは、それらの医薬として許容し得る塩又はエステルとして投与されてよいが、化合物Aは、そのまま利用される、すなわちそれらのエステル又は塩として利用されないことが好ましい。
別の化合物は、下記式を有する、1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールである:
Figure 2010504306
本化合物は、US 6,492,353に開示されており、その内容はそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
本発明は、1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールのエステル及び塩の使用も包含している。エステルは、体内で加水分解され、1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールを放出することができる、医薬として許容し得る不安定なエステルを含む。1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールの塩は、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びカルシウムイオンなどの、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオン及び金属イオンの塩、並びに塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩により形成され得る付加物及び錯体を含む。しかし1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールは、それらの医薬として許容し得る塩又はエステルとして投与されてよいが、これは、そのまま利用される、すなわちそれらのエステル又は塩として利用されないことが好ましい。
更なる実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、式(XVI)の化合物である:
Figure 2010504306
(式中:
Xは、H2又はCH2であり、
R1は、水素、ヒドロキシ又はフッ素であり
R2は、水素又はメチルであり、
R3は、水素又はメチルであり、但しR2又はR3がメチルである場合、R3又はR2は、水素でなければならないことを条件とし、
R4は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
R5は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
Aは、単又は二重結合であり、
Bは、単、E-二重、Z-二重又は三重結合である。)。
好ましい化合物において、R4及びR5の各々は、メチル又はエチルであり、例えば、下記式を有する、1-α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールであり、これは以後「化合物X」と称す:
Figure 2010504306
このような化合物及び合成法は、Radinovらの論文、J. Org. Chem. 2001, 66, 6141;Daniewskiらの特許、米国特許第6,255,501号;Batchoらの特許、米国特許第5,939,408号及び欧州特許第808833号に開示されており、これらの内容はそれら全体が引用により本明細書中に組み込まれている。1-α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールの改善された合成は、下記実施例1に説明されている。
他の好ましい本発明に従い使用するためのビタミンD化合物は、式(XVII)を有するものを含む:
Figure 2010504306
(式中:
Bは、単、二重、又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H2又はCH2であり、但しX1及びX2は、両方ともCH2ではないことを条件とし;並びに
R4及びR5は、各々独立して、アルキル又はハロアルキルである。)。
式(XVII)の化合物の例は、以下を含む:
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロピル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール;
Figure 2010504306
本発明の別のビタミンD化合物は、1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロールである。
更に本発明に従い使用するための別の好ましいビタミンD化合物は、式(XVIII)を有するものである:
Figure 2010504306
好ましい実施態様において、A1は、二重結合であり、及びX1は、=CH2であり、X2は、H2である。A2が三重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7は、アルキル又はハロアルキルであることが好ましい。アルキル基は、メチルであり、及びハロアルキル基は、トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチルであることが好ましい。A2が二重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。R6及びR7は、独立して、アルキル又はハロアルキルであることも好ましい。A2が単結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。
好ましい実施態様において、A1は、二重結合であり、並びにX1及びX2は、各々H2である。A2が三重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル又はハロアルキルであることが好ましい。アルキル基は、メチル又はエチルであり、及びハロアルキル基は、トリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチルであることが好ましい。A2が二重結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、ハロアルキル、好ましくはトリフルオロアルキル、好ましくはトリフルオロメチルであることが好ましい。A2が単結合である場合、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルであることが好ましい。
別の式(XVIII)の本発明の実施態様において、R1及びR2は、OC(O)CH3であり、A1は、単結合であり、並びにR3がH及びR4がメチルである場合、A2は二重又は三重結合であることを除き、A2は、単、二重又は三重結合である。好ましい実施態様において、R3はHであり、R4はメチルであり、R5は存在せず、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7は、アルキル、好ましくはメチルである。
本発明の好ましい化合物は、以下を含む:1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール、1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール、及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール。
これらの化合物は、例えばPCT公開公報WO2005030222に開示されたように調製することができる。
本発明に従い使用するためのより更に好ましいビタミンD化合物は、式(XIX)を有するもの:
Figure 2010504306
(式中:
A1は、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H2又はCH2であり、但しX1及びX2は、両方ともCH2ではないことを条件とし;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、各々独立して、ハロアルキルであり;並びに
R8は、H、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルである。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを含む。好ましい実施態様において、R6及びR7は、各々独立して、トリハロアルキル、特にトリフルオロメチルである。
これらの化合物は、例えばPCT公開公報WO2005030222に開示されたように調製することができ、この内容は引用により本明細書中に組み込まれている。
ジェミニ20-アルキル、例えばメチル、ビタミンD3化合物が、本発明により意図されている。ひとつの態様において、本発明は、式(XX)を有するビタミンD3化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A1は、単又は二重結合であり;
A2は、単、二重又は三重結合であり;
R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、アルキル、ジュウテロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
R5は、ハロゲン、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R6は、ハロゲン、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
X1は、H2又はCH2であり;
Yは、アルキルである。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
ひとつの態様において、本発明は、式(XX-a)を有するビタミンD3化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A2は、単、二重又は三重結合であり;
R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
R5は、ハロゲン、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R6は、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
X1は、H2又はCH2である。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
ある態様において、本発明は、式(XX-b)を有する化合物:
Figure 2010504306
(式中:
R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;
X1は、H2又はCH2である。);並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
別の態様において、本発明は、式(XX-c)を有する化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A2は、単、二重、又は三重結合であり;
R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;
X1は、H2又はCH2である。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
別の態様において、本発明は、式(XX-d)を有する化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A2は、単、二重、又は三重結合であり;
R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;
X1は、H2又はCH2である。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
更に別の態様において、本発明は、式(XX-e)を有する化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A2は、単、二重、又は三重結合であり;
R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;
X1は、H2又はCH2である。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
更に別の態様において、本発明は、式(XX-f)を有する化合物:
Figure 2010504306
(式中:
A2は、単、二重、又は三重結合であり;
R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;
X1は、H2又はCH2である。)、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
本発明の好ましい化合物は、以下の化合物を含み、これらは更にチャート1に例示されている。式(XX)の化合物の合成は、下記実施例3-41に含まれる。
Figure 2010504306
Figure 2010504306
Figure 2010504306
Figure 2010504306
Figure 2010504306
Figure 2010504306
Figure 2010504306
別の態様において、本発明は、式XXIIのビタミンD3化合物:
Figure 2010504306
(式中:
Aは、単又は二重結合であり;Bは、単、二重、又は三重結合であり;Xは、H2又はCH2であり;
Yは、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)ハロアルキル;又は、ハロゲンであり;Zは、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルである。);並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを提供する。
本発明の好ましい化合物は、表1にまとめ、及びそのような化合物の合成は、下記実施例42-50に詳述している。
Figure 2010504306
先に示された構造を有する化合物の使用は、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグに拡大される。
特に興味深いビタミンD化合物は、カルシトリオールである。別の特に興味深いビタミンD化合物は、化合物Xである。別の特に興味深いビタミンD化合物は、化合物Yである。
ビタミンD受容体アゴニストである本発明において使用する化合物のその他の例は、パリカルシトール(ZEMPLAR(商標))(US 5,587,497参照)、タカルシトール(BONALFA(商標))(US 4,022,891参照)、ドキセルカルシフェロール(HECTOROL(商標))(Lamらの論文、(1974) Science, 186, 1038参照)、マキサカルシトール(OXAROL(商標))(US 4,891,364参照)、カルシポトリオール(DAIVONEX(商標))(US 4,866,048参照)、及びファレカルシトリオール(FULSTAN(商標))である。
他の化合物は、エカルシデン、カルシチアゾール及びチソカルシタートを含む。
他の化合物は、アトカルシトール、レキサカルシトール及びセオカルシトールを含む。
別の可能性のある興味深い化合物は、セカルシフェロール(「OSTEO D」)である。
本発明に従い使用することができるビタミンD化合物のその他の非限定的例は、下記の公開された国際出願において開示されたものがある:WO2006/036813、WO2005/082375、WO2005/030223、WO2005/030222、WO2005/027923、WO2004/098522、WO2004/098507、WO2002/094247、WO98/49138、WO 01/40177、WO0010548、WO0061776、WO0064869、WO0064870、WO0066548、WO0104089、WO0116099、WO0130751、WO0140177、WO0151464、WO0156982、WO0162723、WO0174765、WO0174766、WO0179166、WO0190061、WO0192221、WO0196293、WO02066424、WO0212182、WO0214268、WO03004036、WO03027065、WO03055854、WO03088977、WO04037781、WO04067504、WO8000339、WO8500819、WO8505622、WO8602078、WO8604333、WO8700834、WO8910351、WO9009991、WO9009992、WO9010620、WO9100271、WO9100855、WO9109841、WO9112239、WO9112240、WO9115475、WO9203414、WO9309093、WO9319044、WO9401398、WO9407851、WO9407852、WO9408958、WO9410139、WO9414766、WO9502577、WO9503273、WO9512575、WO9527697、WO9616035、WO9616036、WO9622973、WO9711053、WO9720811、WO9737972、WO9746522、WO9818759、WO9824762、WO9828266、WO9841500、WO9841501、WO9849138、WO9851663、WO9851664、WO9851678、WO9903829、WO9912894、WO9915499、WO9918070、WO9943645、WO9952863;下記の米国特許において開示されたもの:US3856780、US3994878、US4021423、US4026882、US4028349、US4225525、US4613594、US4804502、US4898855、US 4929609、US5039671、US5087619、US5145846、US5247123、US5342833、US 5393900、US5428029、US5451574、US5612328、US 5747478、US5747479、US5804574、US5811414、US5856317、US5872113、US5888994、US5939408、US5962707、US5981780、US6017908、US6030962、US6040461、US6100294、US6121312,US6329538、US6331642、US6392071、US6452028、US6479538、US6492353、US6537981、US6544969、US6559138、US6667298、US6683219、US6696431、US6774251;並びに、下記の米国特許出願において開示されたもの:US2001007907、US2003083319、US2003125309、US2003130241、US2003171605、US2004167105、US2004214803及びUS2005065124である。
本発明の一部の化合物の構造は、不斉炭素原子を含むことは注目されるであろう。従って、そのような不斉性から生じる異性体(例えば、全てエナンチオマー及びジアステレオマーなど)は、別に指定されない限りは、本発明の範囲内に含まれることは理解されるべきである。このような異性体は、古典的分離技術及び/又は立体化学的に制御された合成により、実質的に純粋な形で得ることができる。
天然の又は合成の異性体は、当該技術分野において公知のいくつかの様式で分離することができる。2種のエナンチオマーのラセミ混合物の分離法は、キラル固定相を使用するクロマトグラフィーを含む(例えば、「キラル液体クロマトグラフィー(Chiral Liquid Chromatography)」、W.J. Lough編集、Chapman 及び Hall社、ニューヨーク(1989)を参照されたい)。エナンチオマーは、古典的分割技術により分離することもできる。例えば、ジアステレオマー塩の形成及び分別結晶を使用し、エナンチオマーを分離することができる。カルボン酸のエナンチオマーの分離に関して、これらのジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネなどのような、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基の添加により形成することができる。あるいはジアステレオマーエステルは、メントールなどのエナンチオマー的に純粋なキラルアルコールにより形成され、引き続きジアステレオマーエステルの分離及び加水分解により、遊離のエナンチオマー的に豊富化されたカルボン酸が得られる。アミノ化合物の光学異性体の分離に関して、カンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸又は乳酸などの、キラルカルボン酸又はスルホン酸の添加は、ジアステレオマー塩の形成を生じることができる。
本発明は、本明細書に説明されたビタミンD化合物の有効量及び医薬として許容し得る担体を含有する、医薬組成物も提供する。更なる実施態様において、この有効量は、先に説明されたような癒着を防止するのに有効なものである。
ある実施態様において、本ビタミンD化合物は、医薬的に許容し得る製剤、例えば、該医薬的に許容し得る製剤が該被験者へ投与された後少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間、又は4週間に及ぶ、ビタミンD化合物の被験者への持続送達を提供する医薬的に許容し得る製剤を用い、被験者へ投与される。
ある実施態様において、これらの医薬組成物は、被験者への局所もしくは経口投与又は被験者への腹腔内投与に適している。別の実施態様において、以下に詳細に説明されるように、本発明の医薬組成物は、特に固形又は液体の形での投与のために製剤されてよく、これは以下に関して適応されたものを含む:(1)経口投与、例えばドレンチ(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、ボーラス剤、散剤、顆粒剤、泥膏;(2)非経口投与、例えば無菌の液剤又は懸濁剤などとしての、例えば、皮下、筋肉内又は静脈内注射による;(3)局所適用、例えば、皮膚へ適用される、クリーム剤、軟膏剤又はスプレー剤;(4)膣内又は直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム又は泡剤として;(5)エアロゾル、例えば本化合物を含有する水性エアロゾル、リポソーム調製品又は固形粒子として;もしくは、(6)腹腔内送達、例えば、無菌の液剤又は懸濁剤(水溶液又は懸濁液など)としてである。
語句「医薬として許容し得る」は、妥当なベネフィット/リスク比に見合った、信頼できる医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応又はその他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒト及び動物の組織と接触し使用するのに適している、これらの本発明のビタミンD化合物、そのような化合物を含有する組成物、及び/又は剤形をいう。
語句「医薬的に許容し得る担体」は、対象の化学物質をひとつの臓器から、もしくは体の一部から、別の臓器もしくは体の一部へ運搬又は輸送することに関連した、液体又は固形の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又はカプセル封入材などの、医薬的に許容し得る物質、組成物又はビヒクルを含む。各担体は、その製剤の他の成分と相溶性があり、かつ患者に有害でないという意味で、「許容し得る」ものでなければならない。医薬的に許容し得る担体として役目を果たすことができる物質の例の一部は、以下を含む:(1)糖類、例えばラクトース、ブドウ糖及びショ糖など;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンなど;(3)セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースなど;(4)トラガカント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばカカオバター及び坐薬用ワックスなど;(9)油分、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油など;(10)グリコール、例えばプロピレングリコールなど;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコールなど;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなど;(13)カンテン;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなど;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンフリー水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;並びに、(21)その他の医薬製剤において利用される無毒の相溶性のある物質である。
湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなど、更には着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、矯味矯臭剤及び香料、保存剤及び抗酸化剤も、本組成物中に存在することができる。
医薬的に許容し得る抗酸化剤の例は、以下を含む:(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)脂溶性抗酸化剤、例えばパルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α-トコフェロールなど;並びに、(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などである。
これらの組成物は好都合なことに、単位剤形で提供されてよく、調剤技術分野において周知の方法のいずれかにより調製されてよい。
単独剤形を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、その投与量を受け取ることが意図された被験者及び特定の投与様式によって変動するであろう。単独剤形を製造するために担体物質と組み合わせることができる活性成分の量は、一般に予防作用を生じる該化合物の量であろう。一般に、この量は、100%の中で、活性成分が約0.1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%の範囲である。
これらの組成物を調製する方法は、ビタミンD化合物(類)を担体及び任意に1種以上の付属成分と会合させる工程を含む。一般に本製剤は、ビタミンD化合物を、液体担体と、又は微粉化した固形担体と、又は両方と均質かつ緊密に会合させ、次に必要ならば、製品に造形することにより調製される。
経口投与に適した本発明の組成物は、各々が予め決定された量のビタミンD化合物(類)を活性成分として含有する、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、舐剤(矯味矯臭基剤、通常ショ糖及びアカシアゴム又はトラガカントを使用)、散剤、顆粒剤の形で、又は水性もしくは非水性の液体の溶液もしくは懸濁液として、又は水中油型もしくは油中水型の液体乳液として、又はエリキシル剤もしくはシロップ剤として、又はトローチ剤として(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアカシアゴムを使用)、及び/又は洗口剤などとしてであってよい。化合物は、ボーラス剤、舐剤又は泥膏として投与されてもよい。
経口投与のための本発明の固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、活性成分は、1種以上の医薬的に許容し得る担体、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウム、及び/又は以下のいずれかと混合される:(1)充填剤又は増量剤、例えばデンプン、ラクトース、ショ糖、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸など;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及び/又はアカシアゴムなど;(3)保湿剤、例えばグリセロールなど;(4)崩壊剤、例えばアガー-アガー、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムなど;(5)溶液遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィンなど;(6)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物など;(7)湿潤剤、例えばアセチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなど;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレイなど;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物など;並びに、(10)着色剤。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、本医薬組成物は、緩衝剤を含有してもよい。同様の型の固形組成物も、ラクトース又は乳糖のような賦形剤、更には高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する、軟及び硬-充填ゼラチンカプセル剤の充填剤として使用してもよい。
錠剤は、任意に1種以上の付属成分と共に、圧縮又は成形により作製されてよい。圧縮錠は、結合剤(例えばゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えばデンプングリコール酸ナトリウム又は架橋したナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤又は分散剤を用いて調製されてよい。成形錠は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末化された活性成分の混合物を好適な機械内で成形することにより、製造されてよい。
これらの錠剤、及び本発明の医薬組成物の他の固形剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤は、任意に、割線を入れるか、又は医薬製剤の技術分野において周知の腸溶性コーティング及び他のコーティングなど、コーティング及びシェルにより調製されてよい。これらは、例えば、所望の放出プロファイルを提供するために割合が変動するヒドロキシプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリクス、リポソーム及び/又はミクロスフェアを使用し、その中の活性成分の遅延放出又は制御放出を提供するために、製剤されてもよい。これらは、例えば、細菌-保持するフィルターを通る濾過によるか、又は使用直前に滅菌水もしくはいくつかの他の無菌注射用媒体中に溶解することができる無菌の固形組成物の形状における滅菌剤の組み込みにより、滅菌されてよい。これらの組成物は、任意に遮光剤も含んでよく、及び任意に遅延様式で、胃腸管のある部分においてのみ又はその部分で優先的に、活性成分(類)を放出する組成物であってよい。使用することができる包埋組成物の例は、ポリマー性物質及びワックスを含有する。
本活性成分は、適宜、1種以上の前述の賦形剤と共に、マイクロカプセル封入された形であることもできる。
本ビタミンD化合物(類)の経口投与のための液体剤形は、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。本活性成分に加え、液体剤形は、当該技術分野において通常使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒など、可溶化剤及び乳化剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油類(特に綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステルなど、並びにそれらの混合物を含む。
経口組成物は、不活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、香料及び保存剤などの、補助剤を含有することができる。
懸濁剤は、本活性ビタミンD化合物(類)に加え、例えばエトキシル化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、アガー-アガー及びトラガカント、並びにそれらの混合物などの懸濁化剤を含んでよい。
直腸又は膣投与のための本発明の医薬組成物は、坐薬として提供されてよく、これは1種以上のビタミンD化合物(類)を、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス又はサリチル酸塩を含み、並びに室温で固形であるが体温では液体であり、従って直腸又は膣腔内で溶融し、活性作用物質を放出するような、1種以上の好適な非刺激性賦形剤又は担体との混合により、調製されてよい。
膣内投与に適している本発明の組成物は、好適であることが当該技術分野において公知であるような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、泥膏、泡剤又はスプレー製剤も含む。
ビタミンD化合物(類)の局所又は経皮投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏、泥膏、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、貼付剤及び吸入剤を含む。本活性ビタミンD化合物(類)は、医薬的に許容し得る担体と、及び必要とされることがある任意の保存剤、緩衝液、又は噴射剤と、無菌条件下で混合されてよい。
軟膏、泥膏、クリーム剤及びゲル剤は、本発明のビタミンD化合物(類)に加え、例えば動物性及び植物性脂肪、油類、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物などの賦形剤を含有することができる。
散剤及びスプレー剤は、ビタミンD化合物(類)に加え、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレー剤は追加的に、慣例の噴射剤、例えばクロロフルオロ炭化水素、及び揮発性非置換炭化水素、例えばブタン及びプロパンなどを含有することができる。
本ビタミンD化合物(類)は代わりに、エアロゾルにより投与することができる。これは、本化合物を含有する、水性エアロゾル、リポソーム調製品又は固形粒子を調製することにより実行される。非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液を使用することができる。音波ネブライザーは、本化合物の分解を生じ得るような剪断へ本作用物質が曝されることを最小化するので、これらは好ましい。
通常水性エアロゾルは、本作用物質の水性の溶液又は懸濁液を、通常の医薬的に許容し得る担体及び安定剤と一緒に製剤することにより、作製される。これらの担体及び安定剤は、その特定の化合物の必要要件により変動するが、典型的には非イオン性界面活性剤(Tweens、プルロニック、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンなどの無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖質もしくは糖アルコールなどを含む。エアロゾルは一般に、等張溶液から調製される。
経皮貼付剤は、ビタミンD化合物(類)の体への制御された送達を提供するという追加の利点を有する。このような剤形は、適切な媒体中に本作用物質を溶解又は分散することにより製造することができる。吸収増強剤は、皮膚を超える活性成分の流れ(flux)を増大するために使用することもできる。このような流れの速度は、速度調節メンブレンを提供するか、又はポリマーマトリックスもしくはゲル内に活性成分を分散することのいずれかにより、制御することができる。
非経口又は腹腔内投与に適した本発明の医薬組成物は、1種以上のビタミンD化合物(類)を、1種以上の医薬的に許容し得る滅菌した等張性の水性又は非水性の溶液、分散液、懸濁液もしくは乳液と、又は使用直前に無菌の注射用溶液もしくは分散液に再構成することができる無菌の散剤と組み合わせて含有し、これは抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、その製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸濁化剤もしくは増粘剤を含有してよい。
本発明のビタミンD化合物を含有する組成物は、特に腹腔内投与される場合に該組成物と組織の間の接触を促進するため又は接触時間を延長するために、この組成物の粘度を増大する作用物質を適宜含んでよい。
本発明の医薬組成物において利用されてよい好適な水性及び非水性の担体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング物質の使用、分散剤の場合の必要な粒度の維持、及び界面活性剤の使用により、維持することができる。
これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤も含有してよい。微生物の活動の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などの、様々な抗菌薬及び抗真菌薬を含有することにより確実にされてよい。例えば糖質、塩化ナトリウムなどの等張化剤を本組成物に含有することが望ましいことがある。加えて、注射可能な医薬剤形の延長された吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延する作用物質を含有することによりもたらされてよい。
場合によっては、薬物の作用を延長するために、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延することが望ましい。これは、水への溶解度が低い結晶性物質又は非晶質物質の懸濁液の使用により実現することができる。従ってこの薬物の吸収速度は、その溶解度に左右され、これは次に結晶のサイズ及び結晶形によって左右される。
あるいは、非経口投与された薬物剤形の遅延された吸収は、油性ビヒクル内の薬物の溶解又は懸濁により達成される。
注射可能なデポ剤は、ポリラクチド-ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中のビタミンD化合物(類)のマイクロカプセル封入マトリクスを形成することにより製造される。薬物のポリマーに対する割合、及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(アンヒドリド)を含む。注射用デポ剤は、薬物を、体組織と相溶性があるリポソーム又はマイクロエマルジョン内に捕獲することによっても調製される。
本発明は、癒着の防止のためのキットも提供する。一実施態様において、本キットは、単位剤形中の有効量のビタミンD化合物を、癒着を患い易い被験者へ本ビタミンD化合物を投与するための説明書と共に含む。
好ましい実施態様において、本キットは、本ビタミンD化合物を含む滅菌容器を備え;そのような容器は、箱、アンプル、瓶、バイアル、チューブ、バッグ、パウチ、ブリスター−パック、又は他の当該技術分野において公知の好適な容器であることができる。このような容器は、プラスチック、ガラス、積層された紙、金属箔、又は医薬品の保持に適した他の材料で製造することができる。
これらの説明書は一般に、癒着の予防のための本化合物の使用に関する情報を含み;好ましい実施態様において、これらの説明書は、以下の少なくともひとつを含む:本化合物の説明;癒着の予防のための投薬計画及び投与;使用上の注意;警句;適応症;禁忌;過量投与情報;有害反応;動物薬学;臨床試験;及び/又は、参考文献。これらの説明書は、容器(存在する場合は)上に直接印刷されるか、容器に添付されたラベルとして、又は容器内にもしくは容器と共に供給される個別のシート、パンフレット、カードもしくはフォルダーとしてであってよい。
本ビタミンD化合物(類)が医薬品として、ヒト及び動物へ投与される場合、これらはそれら自身、又は医薬的に許容し得る担体と組み合わせて活性成分を例えば、0.1〜99.5%(より好ましくは0.5〜90%)含有する医薬組成物として、与えることができる。
好適な水和型及び/又は本発明の医薬組成物において使用することができる本ビタミンD化合物(類)は、選択された投与経路とは関わりなく、当業者に公知の常法により、医薬として許容し得る剤形へ製剤される。
本発明の医薬組成物中の活性成分の投与の実際の用量レベル及び時間経過は、患者にとって毒性ではなく、特定の患者、組成物及び投与様式に対する所望の治療的反応を実現するために有効である該活性成分の量を得るために、変動されてよい。投与量の範囲の一例は、0.1〜300μg/日である。
本発明のビタミンD化合物の好ましい投与量は、患者が忍容することができ、かつ高カルシウム血症を発症しない最大量である。好ましくは、本発明のビタミンD化合物は、濃度約0.001μg〜約100μg/kg体重、約0.001〜約10μg/kg又は約0.001μg〜約100μg/kg体重で投与される。先に列記された値の中間の範囲も、本発明の一部として意図されている。例えば、別の投与量の典型は、0.1〜600μg/kg、例えば1〜100μg/kgである。
本ビタミンD化合物は、癒着を防止及び/又は治療するための第二の医薬品(例えば、第二の本発明のビタミンD化合物、又は抗生物質、又は抗炎症化合物)と個別の又は組み合わせた医薬製剤において、個別に、順次又は同時に投与されてよい。このような併用療法は、治療全体の有効性を増大することができるか、又は使用される第二の医薬品を、ビタミンD化合物を伴わない場合よりもより少ない量とすることができる。術後癒着の防止の場合、手術の前に、例えば24時間前に、通常同時に(例えば経口的に)、抗生物質又は抗炎症化合物を投与することが望ましく、その結果有効な血漿(又は局所)レベルが手術中は実現される。
好適なことに本発明のビタミンD化合物は、m個の求核基で置換されたコアを有する第一の成分(ここで、mは2以上である);及び、n個の求電子基で置換されたコアを有する第二の成分(ここで、nは2以上であり、及びm+nは4よりも大きい)で構成された均質な乾燥粉末組成物などと、水性環境において相互反応し、三次元マトリックスを形成するような、架橋した組成物又は架橋可能な組成物とは同時投与又は共製剤されず;ここで、これらの求核基及び求電子基は、乾燥環境においては非反応性であるが、水性環境に曝されると反応性となり、その結果これらの成分は、水性環境において相互反応し、三次元マトリックスを形成する(US2005/0281883を参照されたい)。
癒着の形成が、特定の基礎となる疾患又は障害に関連している場合、癒着の防止に使用するための本ビタミンD化合物は、この基礎となる疾患又は障害の治療又は予防のための更なる医薬品と共に投与されてよい。
術後癒着を予防する場合、都合の良い投与計画は、例えば経口投与による、術前のビタミンD化合物の全身投与が関連している。あるいは、本ビタミンD化合物は、手術の終了時に、手術部位へ(例えば腹腔内経路により腹膜へ)直接局所投与されてよい。好適なことに本ビタミンD化合物は、長期間にわたる(例えば数日間)局所的曝露を継続することを可能にするために、制御放出型で、手術の終了時に、手術部位へ直接局所的に投与されてよい。
本ビタミンD化合物の溶液を使用し、手術前、手術時又は手術後に、手術部位を洗浄してよい。
好適なことに本ビタミンD化合物は、手術前に、例えば経口投与により全身投与され、加えて本ビタミンD化合物は、手術の終了時に、手術部位(例えば腹膜)へ直接局所的に投与される。
手術の終了時(例えば、切開部を縫合する直前に、大量のビタミンD化合物含有組成物(例えば水性組成物)を、手術部位に注入することができる。容積100〜2000ml、例えば1000mlが適している。
(本発明の化合物の合成)
本発明の化合物の合成は、例えば、WO2006/036813、WO2005/082375、WO2005/030223、WO2005/030222、WO2005/027923、WO2004/098522、WO2004/098507、WO2002/094247、WO98/49138、US 6,492,353、US 6,030,962、及びUS 5,939,408など、当該技術分野において開示されており、これらの特許の内容はそれらの全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
(本発明の例証)
ここで本発明を、以下の非限定的実施例を参照して、説明する。
(合成実施例)
ビタミンD3アナログに関する全ての操作は、窒素大気中、琥珀色のガラス製品内で行った。テトラヒドロフランは、その使用直前に、ナトリウム-ベンゾフェノンケチルから蒸留し、溶質の溶液は、硫酸ナトリウムで乾燥した。融点は、Thomas-Hooverキャピラリー装置で測定し、補正しなかった。旋光度は、25℃で測定した。1H NMRスペクトルは、特に記さない限りは、CDCl3中400MHzで測定した。TLCは、シリカゲルプレート(Merck PF-254)上で実行し、短波長UV光の下で、又はメタノール中の10%リンモリブデン酸の噴霧、その後の加熱により可視化した。フラッシュクロマトグラフィーは、40〜65μmメッシュシリカゲル上で行った。分取HPLCは、5×50cmカラム上で、15〜30μmメッシュシリカゲルで、流量100ml/分で行った。
(実施例1)
(1-α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールの合成)
(t-ブチル-ジメチル-(4-メチレン-3-{2-[7a-メチル-1-(1,4,5-トリメチル-ヘキセ-2-エニル)-オクタヒドロ-インデン-4-イリデン]-エチリデン}-シクロヘキシルオキシ)-シラン)
Figure 2010504306
DMF(250mL)中の4-メチレン-3-{2-[7a-メチル-1-(1,4,5-トリメチル-ヘキセ-2-エニル)-オクタヒドロ-インデン-4-イリデン]-エチリデン}-シクロヘキサノール(100.00g, 0.25mol)の攪拌溶液へ、イミダゾール(40.80g, 0.6mol)及び(t-ブチルジメチル)シリルクロライド(45.40g, 0.3mol)を連続して添加した。この反応混合物を、室温で1時間攪拌し、ヘキサン(750mL)で希釈し、水(500mL)、1N HCl (500mL)、ブライン(500mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。その溶媒の蒸発後、残渣(155g)を、シリカゲルプラグを通して濾過し(500g, ヘキサン中5%AcOEt)、表題化合物(115.98g, 0.23mol, 92%)を得た。
1H-NMR: δ 0.04 及び 0.08 (2s, 6H), 0.59 (s, 3H), 0.90 (d, 3H, J=6.6 Hz), 0.92 (d, 3H, J=6.6 Hz), 0.98 (s, 9H), 0.99 (d, 3H, J=7.0 Hz), 1.06 (d, 3H, J=6.8 Hz), 1.10-2.95 (m, 21H), 5.11 (br s, 2H), 5.22 (m, 2H), 6.49 (br s, 2H)。
(2-[5-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール及び1-(2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
オゾン流れを、ジクロロメタン(550mL)中のt-ブチル-ジメチル-(4-メチレン-3-{2-[7a-メチル-1-(1,4,5-トリメチル-ヘキセ-2-エニル)-オクタヒドロ-インデン-4-イリデン]-エチリデン}-シクロヘキシルオキシ)-シラン(23.4g, 45.8mmol)、ピリジン(5.0mL)及びスダンレッド7B(15.0mg)の攪拌溶液を、-55〜-60℃で、スダンレッドが脱色するまで(55分間)、通過させた。その後水素化ホウ素ナトリウム(6.75g, 180mmol)を、引き続きエタノール(250mL)を添加した。この反応液を、室温に温め、室温で1時間攪拌した。アセトン(15mL)を添加し、30分後ブライン(300mL)を添加した。この混合物を、酢酸エチル(500mL)で希釈し、水(600mL)で洗浄した。水相を、AcOEt(300mL)で抽出した。一緒にした有機相を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(26.5g)を、シリカゲルプラグを通して濾過し(500g, ヘキサン中15%、30%及び50%AcOEt)、以下を得た:画分A(5.9g, 所望のA-環を含む混合物(NMRによる純度約83%)。 1H NMR:δ 5.38 (1H, t, J=6.4 Hz), 4.90 (1H, brs), 4.57 (1H, brs), 4.22 (1H, dd, J=7.3, 12.5 Hz), 4.13 (1H, dd, J=6.3, 12.5 Hz), 3.78 (1H, m), 2.40-1.30 (6H, m), 0.83 (9H, s), 0.01 (3H, s), 0.00 (3H, s);画分Aは、A-環前駆体の合成に使用した。画分B(14.6g, 酸化の異なる段階のCD-環断片を含む混合物)。画分Bは、Lythgoeジオールを得るために、更にオゾン分解した。オゾン流れを、エタノール(225mL)中の画分B(14.6g)及びスダンレッド7B(3.0mg)の攪拌溶液中を、-55〜-60℃で、30分間(スダンレッドが脱色される)通過させた。水素化ホウ素ナトリウム(3.75g, 100mmol)を添加し、この反応液を、室温に温め、室温で1時間攪拌した。アセトン(5mL)を添加し、30分後ブライン(200mL)を添加した。この混合物を、ジクロロメタン(300mL)で希釈し、水(250mL)で洗浄した。水相を、ジクロロメタン(200mL)で抽出した。一緒にした有機相を、蒸発乾固させた(最後の部分は、トルエン100mLを添加し蒸発させた)。この残渣(16.2g)を、ジクロロメタン(100mL)に溶解し、容積約20mLへ濃縮し、石油エーテル(30mL)で希釈し、結晶化のために冷蔵庫内に置いた。白色粉末を濾過し(4.05g)、母液を濃縮し、シリカゲルを通して濾過し(100g, CH2Cl2中5%MeOH)、黄色油状物(9.4g)を得、これを再結晶し(20mL, ジクロロメタン:石油エーテル=1:2)、白色粉末(1.79g)を得た。このようにしてLythgoeジオールの総収量は、(5.84g, 27.5mmol, D2から60%)であった。
1H NMR:δ 4.08 (1H, m), 3.64 (1H, dd, J=3.3, 10.6 Hz), 3.39 (1H, dd, J=6.6, 10.6 Hz), 2.04-1.14 (15H, m), 1.03 (3H, d, J=6.6 Hz), 0.96 (3H, s)。
(1-(2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール及び1-(2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
t-ブチル-ジメチル-(4-メチレン-3-{2-[7a-メチル-1-(1,4,5-トリメチル-ヘキセ-2-エニル)-オクタヒドロ-インデン-4-イリデン]-エチリデン}-シクロヘキシルオキシ)-シラン(98.8g, 249mmol)を、ジクロロメタン(900mL)に溶解し、並びにエタノール(400mL)、ピリジン(25.0mL)及びスダンレッド7B(30.0mg)を添加し、この混合物を、-65〜-70℃に冷却した。オゾン流れを、3時間通過させた(スダンレッドが脱色されるまで、反応はTLCによっても追跡し、スダンレッドの脱色は、ビタミンD2の消費に対応している)。水素化ホウ素ナトリウム(24.0g, 0.64mol)を、少量ずつ添加し、この反応液を、室温に温め、室温で1時間攪拌した。アセトン(75mL)を少量ずつ添加し(温度は35℃以下に維持)、この反応混合物を、冷蔵庫内で一晩貯蔵した。この混合物を、水(600mL)で洗浄した。水相を、ジクロロメタン(6×300mL)で抽出した。一緒にした有機相を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(118g)を、シリカゲルプラグを通過させ(0.5kg, ヘキサン中30%、 50%のAcOEt)、以下の画分を得た:画分A(69.7g, CD-環断片);画分B(ヘキサン:AcOEt 3:1からの結晶化後、純粋なLythgoeジオール4.8g);画分C(AcOEtからの結晶化後、純粋な化合物の出発材料12.3g);画分D(11.5g, 出発材料及び4-メチレン-シクロヘキサン-1,3-ジオールの混合物)。
画分Aは、このジオールを得るために、更にオゾン分解した。オゾン流れを、エタノール(500mL)、ジクロロメタン(600mL)及びスダンレッド7B(3.0mg)中の、画分A(69.7g)の攪拌溶液を、-65〜-70℃で3時間通過させた(スダンレッドが脱色した)。水素化ホウ素ナトリウム(22.5g, 0.6mol)を添加し、この反応液を室温に温め、室温で1時間攪拌した。アセトン(125mL)を、少量ずつ添加した(温度は35℃以下に維持)、この反応混合物を、冷蔵庫内で一晩貯蔵した。この混合物を、水(600mL)で洗浄した。水相を、ジクロロメタン(2×300mL)及びAcOEt(300mL)で抽出した。一緒にした有機相を、Na2SO4上で乾燥し、蒸発乾固させた。残渣(55.0g)を、結晶化(AcOEt:ヘキサン 1:2)により精製し、以下を得た:画分E(純粋な結晶性ジオール15.7g);画分F(Lythgoeジオールを含む混合物35g)。画分F(35g)は、シリカゲルプラグを通過させ(0.5kg, ヘキサン中30%、 50%AcOEt)、結晶化(AcOEt:ヘキサン 1:2)後、画分G(18.9g)を得、その結果ジオールの全体の収量は、39.4g(出発材料から74.5%)であった。
1H NMR:δ 5.38 (1H, t, J=6.4 Hz), 4.90 (1H, brs), 4.57 (1H, brs), 4.22 (1H, dd, J=7.3, 12.5 Hz), 4.13 (1H, dd, J=6.3, 12.5 Hz), 3.78 (1H, m), 2.40-1.30 (6H, m), 0.83 (9H, s), 0.01 (3H, s), 0.00 (3H, s);
画分D(11.5g)を、シリカゲルプラグ(0.3kg, ヘキサン中50%AcOEt)を通過させ、以下を得た(結晶化(AcOEt)後:画分H(純粋な結晶性1-(2-ヒドロキシ-1-メチル-エチル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール1.1g, 2.8%);画分I(所望の化合物の混合物10.2g)。このようにして単離された(S)-(Z)-3-(2-ヒドロキシ-エチリデン)-4-メチレン-シクロヘキサノールの全体の収量は、13.4g、34.8%である。
1H NMR:δ 5.51 (1H, t, J=6.6 Hz), 5.03 (1H, brs), 4.66 (1H, brs), 4.24 (2H, m), 3.94 (1H, m), 2.55 (1H, dd, J=3.9, 13.2 Hz), 2.41 (1H, m), 2.25 (1H, dd, J=7.8, 12.9 Hz), 1.94 (1H, m), 1.65 (1H, m)。
((S)-(Z)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(40mL)中の(S)-(Z)-3-(2-ヒドロキシ-エチリデン)-4-メチレン-シクロヘキサノール(4.04g, 26.3mmol)の攪拌溶液へ、イミダゾール(5.36g, 78.7mmol)及び(tert-ブチルジメチル)シリルクロライド(9.50g, 63.0mmol)を連続して添加した。この反応混合物を、室温で100分間攪拌し、その後水(25mL)を添加した。15分後、この混合物をヘキサン(350mL)で希釈し、水(2×100mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(10.7g)を、テトラヒドロフラン(50mL)中に溶解し、Bu4NF(26.5mL, 1M/THF)を+5℃で添加し、この混合物を+5℃で45分間、室温で更に30分間攪拌した。この混合物を、水(100mL)及び酢酸エチル(250mL)で希釈した。分離後、有機層を、水(100mL)及びブライン(50mL)で洗浄した。水層を、酢酸エチル(5×50mL)で抽出した。一緒にした有機層を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣を、FCにより精製し(150g, ヘキサン中10%、 50%及び100%AcOEt)、表題化合物を得た(6.43g, NMRによる純度85%, 表題化合物78%)。
1H NMR:δ 5.38 (1H, t, J=6.4 Hz), 4.90 (1H, brs), 4.57 (1H, brs), 4.22 (1H, dd, J=7.3, 12.5 Hz), 4.13 (1H, dd, J=6.3, 12.5 Hz), 3.78 (1H, m), 2.40-1.30 (6H, m), 0.83 (9H, s), 0.01 (3H, s), 0.00 (3H, s)。
(A-環前駆体の合成)
((2R,3S,7S)-[7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクチ-2-イル]-メタノール)
Figure 2010504306
ジクロロ-メタン(120mL)中の粗(S)-(Z)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール(5.9g, 約18.3mmol, オゾン分解からの画分A)の攪拌溶液へ、室温で、AcONa(2.14g, 26.1mmol)を、引き続き72%mCPBA(4.32g, 18.0mmol)を添加した。その後反応混合物を、10℃で30分間攪拌し、次にヘキサン(200mL)で希釈し、10%K2CO3 (3×150mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(6.6g)を、シリカゲルプラグを通して濾過し(150g, ヘキサン中10%AcOEt)、粗表題化合物(4.87g, 約15.4mmol, 84%)を得た。1H-NMR: δ 0.063及び0.068 (2s, 6H), 0.88 (s, 9H), 1.38-1.49 (m, 1H), 1.54 (m, 1H, OH), 1.62 (m, 1H), 1.96 (m, 3H), 2.43 (m, 1H), 3.095 (t, 1H, J=5.6 Hz), 3.60 (m, 2H), 3.86 (m, 1H), 4.91 (m, 1H)。
(安息香酸(2R,3S,7S)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル)
Figure 2010504306
ピリジン(25mL)中の(2R,3S,7S)-[7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イル]-メタノール(4.87g, 約15.4mmol)の攪拌溶液へ、室温で、塩化ベンゾイル(2.14mL, 18.4mmol)を添加し、この反応混合物を1時間攪拌した。水(25mL)を添加し、室温で45分間攪拌した後、この混合物を、ヘキサン(80mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(17.5g)を、FCにより精製し(150g, ヘキサン中10%AcOEt)、表題化合物(5.44g, 14.0mmol, 91%)を得た。 1H NMR: δ 8.04-7.80 (2H, m), 7.56-7.50 (1H, m), 7.44-7.37 (2H, m), 4.94 (1H, brs), 4.92 (1H, brs), 4.32 (1H, dd, J=4.8, 11.9 Hz), 4.14 (1H, dd, J=6.2, 11.9 Hz), 3.83 (1H, m), 3.21 (1H, dd, J=4.8, 6.2 Hz), 2.42 (1H, m), 2.04-1.90 (3H, m), 1.64-1.34 (2H, m), 0.83 (9H, s), 0.02 (3H, s), 0.01 (3H, s)。
(安息香酸(2R,3S,5R,7S)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-ヒドロキシ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル)
Figure 2010504306
ジオキサン(550mL)中の安息香酸(2R,3S,7S)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル(10.0g, 25.7mmol)の攪拌溶液へ、85℃で、二酸化セレン(3.33g, 30.0mmol)、引き続きt-ブチルヒドロペルオキシド(9.0mL, 45.0mmol, ノナン中5〜6M)を添加し、この反応混合物を、85℃で16時間攪拌し、その後二酸化セレン(1.11g, 10.0mmol)、引き続きt-ブチルヒドロペルオキシド(3.0mL, 15.0mmol, ノナン中5〜6M)を添加し、反応混合物を85℃で更に6時間攪拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣(15.3g)を、シリカゲルプラグを通して濾過し(300g, ヘキサン中20%AcOEt)、以下を得た:出発材料(970mg, 10%)、並びにエピマーa及びエピマーbの混合物(8.7g)。この混合物を、3部分に分割し(各2.9g)、FCにより2回精製し(200g, ヘキサン中5%イソプロパノール、同じカラムを6回のクロマトグラフィー全てに使用した)、以下を得た:エピマーb(1.83g, 10b:10aの10:1混合物として、5α-ヒドロキシ化合物約16%);エピマーa(6.0g, 14.8mmol, 58%)を白色結晶として得た。エピマーaの構造は、X-線結晶学により確認した。
1H NMR: δ 8.02-7.90 (2H, m), 7.58-7.50 (1H, m), 7.46-7.38 (2H, m), 5.25 (1H, br s), 5.11 (1H, br s), 4.26 (1H, dd, J=5.5, 12.1 Hz), 4.15 (1H, dd, J=5.9, 12.1 Hz), 4.07 (1H, m), 3.87 (1H, m), 3.19 (1H, dd, J=5.5, 5.9 Hz), 2.34-1.10 (5H, m), 0.81 (9H, s), 0.01 (3H, s), 0.00 (3H, s)。
(安息香酸(2R,3S,5S,7R)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-フルオロ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル)
Figure 2010504306
トリクロロエチレン(20mL)中のジエチルアミノサルファートリフルオリド(DAST) (2.0mL, 16.0mmol)の攪拌溶液へ、トリクロロエチレン(126mL)中の安息香酸(2R,3S,5R,7S)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-ヒドロキシ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル(2.78g, 6.87mmol)の溶液を、-75℃で添加した。20分間-75℃で攪拌した後、メタノール(5.5mL)、引き続き飽和NaHCO3溶液(6mL)を添加し、得られた混合物を、ヘキサン(150mL)で希釈し、飽和NaHCO3溶液(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濃縮した。この残渣(4.5g)を、FCにより精製し(150g, DCM:ヘキサン:AcOEt 10:20:0.2)、表題化合物(2.09g, 5.14mmol, 75%)を得た。 1H NMR: δ 8.02-7.99 (2H, m), 7.53-7.45 (1H, m), 7.40-7.33 (2H, m), 5.26 (2H, m), 5.11 (1H, dt, J=3.0, 48.0 Hz), 4.46 (1H, dd, J=3.3, 12.5 Hz), 4.21 (1H, m), 3.94 (1H, dd, J=7.7, 12.5 Hz), 3.29 (1H, dd, J=3.3, 7.7 Hz), 2.44-1.44 (4H, m), 0.80 (9H, s), 0.01 (3H, s), 0.00 (3H, s)。
(安息香酸2-[5-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチルエステル)
Figure 2010504306
トリス(3,5-ジメチルピラゾイル)ハイドロボレート三酸化レニウム(265mg, 0.50mmol)、トリフェニルホスフィン(158mg, 0.6mmol)、安息香酸(2R,3S,5S,7R)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-フルオロ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル(203mg, 0.5mmol)及びトルエン(8mL)の混合物を、アルゴン下でアンプル内に密封し、100℃で14時間加熱した(TLC, ヘキサン中10%AcOEt, 基質及び生成物の混合物, 約1:1)。酸化レニウムは、完全には溶解しなかった。トルエン(4mL)中のトリフェニルホスフィン(158mg, 0.6mmol)の溶液を添加し、加熱を6時間継続した。反応混合物を室温に冷却し、シリカゲルプラグを通して濾過し、その後溶媒の蒸発後の残渣を、FCにより精製し(20g, ヘキサン中5%AcOEt)、以下を得た:表題化合物(120mg, 0.31mmol, 所望の生成物の61%)並びに出発材料と少量の夾雑物70mg, 約34%であった。
((1Z,3S,5R)-2-[5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール)
Figure 2010504306
メタノール(3mL)中の安息香酸2-[5-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチルエステル(150mg, 0.38mmol)の溶液へ、ナトリウムメトキシド(0.5mL, メタノール中15%)を添加した。室温で1時間攪拌した後、水を添加し(6mL)、この混合物を塩化メチレン(3×10mL)で抽出した。一緒にした有機層を、Na2SO4上で乾燥し、蒸発乾固させた。その残渣(0.2g)を、FCにより精製し(20g, ヘキサン中15%AcOEt)、表題化合物(80mg, 0.28mmol, 生成物の73%)を得た。
((1R,3Z,5S)-t-ブチル-[3-(2-クロロ-エチリデン)-5-フルオロ-4-メチレン-シクロヘキシルオキシ]-ジメチルシラン)
Figure 2010504306
ヘキサン(150mL)中の(1Z,3S,5R)-2-[5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール(8.07g, 28.2mmol)及びトリホスゲン(4.18g, 14.1mmol)の溶液へ、0℃で、ヘキサン(20mL)中のピリジン(4.5mL, 55.6mmol)の溶液を、30分間かけて添加し、この反応混合物を、この温度で30分間、及び室温で更に30分間攪拌した。反応混合物を、CuSO4水溶液で洗浄した(3×200mL)。一緒にした水層を、ヘキサンで戻し抽出した(2×100mL)。有機層を一緒にし、乾燥し(MgSO4)、真空において濃縮し、表題化合物(9.0g, 超過重量)を得た。この物質を、更に精製することなく、直ちに次工程で使用した。[α]25 D=+73.0° (c 0.28, CHCl3);IR (CHCl3) 1643, 838cm-11H-NMR δ 0.08 (s, 6H), 0.88 (s, 9H), 1.84-2.03 (m, 1H), 2.12 (br s, 1H), 2.24 (m, 1H), 2.48 (br d, J=13 Hz, 1H), 4.06-4.26 (m, 3H), 5.10 (br d, J=48 Hz), 5.16 (s, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.63 (br t, J=6 Hz, 1H)。
((1S,3Z,5R)-1-フルオロ-5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メテニル-3-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデンシクロヘキサン)
Figure 2010504306
ジフェニルホスフィンオキシド(6.70g, 33.1mmol)を、DMF(50mL)中のNaHの懸濁液(1.33g, 33.1mmol, 鉱物油中の60%分散)へ10℃で15分間かけて滴下した。得られた溶液を、室温で30分間攪拌し、-60℃へ冷却した。その後DMF(20mL)中の粗(1R,3Z,5S)-t-ブチル-[3-(2-クロロ-エチリデン)-5-フルオロ-4-メチレン-シクロヘキシルオキシ]-ジメチルシラン(9.0g)の溶液を滴下した。この反応混合物を、-60℃で2時間、室温で1時間攪拌し、ジエチルエーテル(600mL)で希釈し、水で洗浄した(3×200mL)。水層を、ジエチルエーテル(200mL)で抽出した。一緒にした有機層を、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮し、白色固形物を得た。この粗生成物を、ジイソプロピルエーテル(25mL)から再結晶した。得られた固形物を濾過により収集し、冷ジイソプロピルエーテル(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥し、表題化合物(7.93g)を得た。母液を濃縮し、残渣を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(50g, ヘキサン中30%〜50%AcOEt)に供し、表題化合物(2.22g)を得た。このようにして(1S,3Z,5R)-1-フルオロ-5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メテニル-3-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデンシクロヘキサンの総収量は、10.1g, (21.5mmol, (1Z,3S,5R)-2-[5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノールから全体で76%)であった。[α]25 D=+50.2° (c 0.84, CHCl3);IR (CHCl3) 835, 692cm-1;UVλ max (エタノール) 223 (ε 22770), 258 (1950), 265 (1750), 272nm (1280);MS, m/e 470 (M+), 455 (4), 450 (8), 413 (98), 338 (9), 75 (100); 1H-NMR: δ 0.02 (s, 6H), 0.84 (s, 9H), 1.76-1.93 (m, 1H), 2.16 (m, 2H), 2.42 (br d, 1H), 3.28 (m, 2H), 4.01 (m, 1H), 5.02 (dm, J=44 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 5.30 (s, 1H), 5.5 (m, 1H), 7.5 (m, 6H), 7.73 (m, 4H)。 C27H36O2FPSiの分析;理論値:C 68.91, H 7.71, F 4.04;実測値: C 68.69, H 7.80, F 3.88。
(A-環前駆体のより大規模合成)
((2R,3S,7S)-[7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イル]-メタノール)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(100mL)中の粗(S)-(Z)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール(13.5g, 約40mmol)の攪拌溶液へ、室温で、AcONa(4.5g, 54.8mmol)、引き続き77%mCPBA(8.96g, 40.0mmol)を+5℃で添加した。その後反応混合物を、+5℃で1.5時間攪拌し、ヘキサン(500mL)で希釈し、水(200mL)及びNaHCO3 (2×200mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(12.36g)を、更に精製することなく、次工程で使用した。 1H-NMR: δ 0.063 及び 0.068 (2s, 6H), 0.88 (s, 9H), 1.38-1.49 (m, 1H), 1.54 (m, 1H, OH), 1.62 (m, 1H), 1.96 (m, 3H), 2.43 (m, 1H), 3.095 (t, 1H, J=5.6 Hz), 3.60 (m, 2H), 3.86 (m, 1H), 4.91 (m, 1H)。
(安息香酸(2R,3S,7S)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル)
Figure 2010504306
ピリジン(50mL)中の(2R,3S,7S)-[7-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イル]-メタノール(12.36g)の攪拌溶液に、室温で、塩化ベンゾイル(8.5mL, 73mmol)を添加し、この反応混合物を2時間攪拌した。水(60mL)を添加し、45分間室温で攪拌した後、混合物をヘキサン(250mL)で希釈し、NaHCO3水溶液(2×250mL)、ブライン(250mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(15.28g)を、更に精製することなく、次工程で使用した。 1H NMR: δ 8.04-7.80 (2H, m), 7.56-7.50 (1H, m), 7.44-7.37 (2H, m), 4.94 (1H, brs), 4.92 (1H, brs), 4.32 (1H, dd, J=4.8, 11.9 Hz), 4.14 (1H, dd, J=6.2, 11.9 Hz), 3.83 (1H, m), 3.21 (1H, dd, J=4.8, 6.2 Hz), 2.42 (1H, m), 2.04-1.90 (3H, m), 1.64-1.34 (2H, m), 0.83 (9H, s), 0.02 (3H, s), 0.01 (3H, s)。
(安息香酸(2R,3S,5R,7S)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-ヒドロキシ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル)
Figure 2010504306
ジオキサン(450mL)中の安息香酸(2R,3S,7S)-7-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル(15.28g)の攪拌溶液へ、85℃で、二酸化セレン(4.26g, 38.4mmol)、引き続きtert-ブチルヒドロペルオキシド(7.7mL, 38.4mmol, ノナン中5〜6M)を添加し、この反応混合物を、85℃で13時間攪拌し、その後二酸化セレン(2.39g, 21.5mmol)、引き続きtert-ブチルヒドロペルオキシド(4.3mL, 21.5mmol, ノナン中5〜6M)を添加し、この反応混合物を85℃で更に24時間攪拌した。この混合物を、シリカゲルプラグ(0.5kg, AcOEt)を通して濾過した。この溶媒を真空下で除去し、この残渣をAcOEt(250mL)中に溶解し、水(3×100mL)で洗浄した。有機層を、Na2SO4上で乾燥し、真空下で蒸発させた。この残渣(16g)を、フラッシュクロマトグラフィー(0.5kg, ヘキサン中10、 15及び20%AcOEt)により精製し、以下を得た:画分A(1.1g, 出発材料);画分B(0.78g, エピマーb);画分C(3.01g, 65:35(エピマーb:エピマーa);画分D(6.22g, 5:95(エピマーb:エピマーa);画分Dは、ヘキサンから2回結晶化し(各回残存する油状物を使用)、淡黄色固形物画分E(合計6.0g)及び黄赤色油状物画分F(合計0.2g)を得た。画分C及びFは、フラッシュクロマトグラフィー(300g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、以下を得た:画分G(0.8g, エピマーb);画分H(2.4g, 8:92 エピマーb:エピマーa)。画分Hは、ヘキサンから2回結晶化し(各回残存する油状物を使用)、淡黄色固形物画分I(合計2.2g)及び黄赤色油状物画分J(合計0.2g)を得た。画分E及びIは一緒にし、エピマーa(8.2g, 20.3mmol,総収量50.7%)を得た。[α]22 D=-10.6° (c 0.35, EtOH);1H NMR: δ 8.04 (2H, m), 7.58 (1H, m), 7.46 (2H, m), 5.32 (1H, br s), 5.18 (1H, br s), 4.33 (1H, dd, J=5.2, 11.9 Hz), 4.21 (1H, dd, J=6.0, 11.9 Hz), 4.14 (1H, ddd, J=2.6,4.9, 10.0 Hz), 3.94 (1H, m), 3.25 (1H, dd, J=5.5, 5.9 Hz), 2.38 (1H, m), 2.05 (1H, t, J=11.5 Hz), 1.64 (1H, ddd, J=1.9, 4.3, 12.2 Hz), 1.52 dt, J=11.1, 11.7 Hz), 1.28 (1H, m), 0.87 (9H, s), 0.07 (3H, s), 0.06 (3H, s); 13C NMR:166.31(0), 145.52(0), 133.29(1), 129.65(1), 129.54(0), 128.46(1), 107.44(2),68.51(1), 65.95(1), 62.75(2), 61.62(1), 61.09(0), 45.23(2), 44.33(2), 25.72(3), 18.06(0), -4.72(3);MS HR-ES:C22H32O5Siの理論値:M+Na:427.1911;実測値:427.1909。
(安息香酸(2R,3S,5S,7R)-7-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-フルオロ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ [2.5]オクタ-2-イルメチルエステル)
Figure 2010504306
トリクロロエチレン(140mL)中のジエチルアミノサルファートリフルオリド(16.5mL, 126.0mmol)の攪拌溶液へ、トリクロロエチレン(100mL)中の安息香酸(2R,3S,5R,7S)-7-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-ヒドロキシ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステルエピマーa(18.7g, 46.2mmol)の溶液を-75℃で添加した。20分間攪拌した後、-75℃でメタノール(40mL)を、引き続きNaHCO3水溶液(50mL)を添加し、得られた混合物を、ヘキサン(700mL)で希釈し、NaHCO3水溶液(600mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、回転蒸発器上で濃縮した。残渣(25.6g)を、フラッシュクロマトグラフィー(500g, DCM:ヘキサン:AcOEt 10:20:0.2)で精製し、表題化合物(13.9g, 34.2mmol, 74%)を得た;[α]29 D=+38.9° (c 0.8, CHCl3);1H NMR: δ 8.07 (2H, m), 7.57 (1H, m), 7.44 (2H, m), 5.33 (2H, m), 5.20 (1H, dt, J=2.9, 48 Hz), 4.55 (1H, dd, J=3.2, 12.3 Hz), 4.29 (1H, m), 4.02 (1H, dd, J=7.9, 12.3 Hz), 3.37 (1H, dd, J=3.2, 7.7 Hz), 2.45 (1H, m), 2.05 (1H, t, J=11.9 Hz), 1.73 (1H, dm), 1.62 (1H, m), 0.88 (9H, s), 0.08 (3H, s), 0.06 (3H, s); 13C NMR:166.25(0), 139.95(0, d, J=17 Hz), 132.97(1), 129.75(0), 129.62(1), 128.24(1), 116.32(2, d, J=9 Hz), 92.11 (1, d, J=162 Hz), 65.23(1), 63.78(2), 62.29(1), 60.35(0), 44.38(2), 41.26(2, d, J=23 Hz), 25.81(3), 18.13(0), -4.66(3);MS HR-ES:C22H31O4SiFの理論値:M+H:407.2049;実測値:407.2046。
((1E,3S,5R)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール)
Figure 2010504306
六塩化タングステン(36.4g, 91mmol)を、THF(800mL)へ-75℃で添加した。温度を-65℃に調節し、nBuLi(73mL, 182.5mmol, ヘキサン中2.5M溶液)を、温度を-20℃未満に維持しながら添加した。添加が完了した後、反応混合物を室温とし、これを30分間攪拌し、0℃に冷却し、この時THF(50mL)中の安息香酸(2R,3S,5S,7R)-7-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-フルオロ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステル(18.5g, 45.5mmol)の溶液を添加した。このようにして形成された混合物を、室温とし(2時間)、16時間攪拌した。メタノール(400mL)を添加し、引き続きナトリウムメトキシド(250mL, メタノール中15%)を添加し、得られた混合物を30分間攪拌し、次にAcOEt(1L)で希釈し、水(1L)及びブライン(500mL)で洗浄した。乾燥した(Na2SO4)溶媒の蒸発後の残渣(21.6g)を、更に精製することなく、次工程に使用した。
1H-NMR (CDCl3); δ 0.09 (s, 6H), 0.81 (s, 9H), 1.80-2.22 (m, 3H), 2.44 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 4.14 (d, 2H, J=6.9 Hz), 4.98 (br s, 1H), 5.10 (d, 1H, J=50.0 Hz), 5.11 (s, 1H), 5.79 (t, 1H, J=6.8 Hz)。
((1Z,3S,5R)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール)
Figure 2010504306
tert-ブチル-メチルエーテル(650mL)中の(1E,3S,5R)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール(21.6g, Z異性体を約10%含有する粗物質)及び9-フルオレノン(1.8g, 10mmol)の溶液を、ウランコアフィルターの装備された450Wハノビア(hanovia)ランプで8時間照射した。溶媒の蒸発後の残渣(23.95g)を、フラッシュクロマトグラフィー(750g, ヘキサン中5%、 20%AcOEt)により精製し、表題化合物(10.4g, 36.3mmol, 安息香酸(2R,3S,5S,7R)-7-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-フルオロ-4-メチレン-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-2-イルメチルエステルから80%)を得た。[α]30 D=+40.1° (c 0.89, EtOH)。
1H-NMR:δ 5.65(1H, t, J=6.8 Hz), 5.31(1H, dd, J=1.5, 1.7 Hz), 5.10 (1H, ddd, J=3.2, 6.0, 49.9 Hz), 4.95(1H, d, J=1.7 Hz), 4.28(1H, dd, J=7.3, 12.6 Hz), 4.19 (1H, ddd, J=1.7, 6.4, 12.7 Hz), 4.15(1H, m), 2.48 (1H, dd, J=3.8, 13.0 Hz), 2.27-2.13 (2H, m), 1.88 (1H, m), 0.87 (9H, s), 0.07 (6H,s); 13C-NMR: 142.54(0,d, J=17 Hz), 137.12(0, d, J=2.3 Hz), 128.54(1), 115.30(2, d, J=10 Hz), 92.11 (1, d, J=168 Hz), 66.82(1, d, J=4.5 Hz), 59.45(2), 45.15(2), 41.44(2, d, J=21 Hz), 25.76(3), 18.06(0), -4.75(3), -4.85(3)。
((1R,3Z,5S)-t-ブチル-[3-(2-クロロ-エチリデン)-5-フルオロ-4-メチレン-シクロヘキシルオキシ]-ジメチルシラン)
Figure 2010504306
ヘキサン(150mL)中の(1Z,3S,5R)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノール(8.07g, 28.2mmol)及びトリホスゲン(4.18g, 14.1mmol)の溶液へ、0℃で、ヘキサン(20mL)中ピリジン(4.5mL, 55.6mmol)の溶液を30分かけて添加し、この反応混合物を、この温度で30分間、及び室温で更に30分間攪拌した。この反応混合物を、CuSO4水溶液(3×200mL)で洗浄した。一緒にした水層を、ヘキサンで戻し抽出した(2×100mL)。有機層を一緒にし、乾燥し(MgSO4)、真空において濃縮し、表題化合物(9.0g, 超過重量)を得た。この物質を、更に精製することなく、直ぐ次工程で使用した。[α]25 D=+73.0° (c 0.28, CHCl3); IR (CHCl3) 1643, 838cm-11H-NMR δ 0.08 (s, 6H), 0.88 (s, 9H), 1.84-2.03 (m, 1H), 2.12 (br s, 1H), 2.24 (m, 1H), 2.48 (br d, J=13 Hz, 1H), 4.06-4.26 (m, 3H), 5.10 (br d, J=48 Hz), 5.16 (s, 1H), 5.35 (s, 1H), 5.63 (br t, J=6 Hz, 1H)。
((1S,3Z,5R)-1-フルオロ-5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メテニル-3-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデンシクロヘキサン)
Figure 2010504306
ジフェニルホスフィンオキシド(6.70g, 33.1mmol)を、DMF(50mL)中のNaH(1.33g, 33.1mmol, 鉱物油中60%分散)の懸濁液へ、10℃で、15分間かけて少量ずつ添加した。得られた溶液を、室温で30分間攪拌し、-60℃に冷却した。次にDMF(20mL)中の粗(1R,3Z,5S)-t-ブチル-[3-(2-クロロ-エチリデン)-5-フルオロ-4-メチレン-シクロヘキシルオキシ]-ジメチルシラン(9.0g)の溶液を滴下した。この反応混合物を、-60℃で2時間、及び室温で1時間攪拌し、ジエチルエーテル(600mL)で希釈し、水(3×200mL)で洗浄した。水層を、ジエチルエーテル(200mL)で抽出した。一緒にした有機層を、乾燥し(MgSO4)、減圧下で濃縮し、白色固形物を得た。粗生成物を、ジイソプロピルエーテル(25mL)から再結晶した。得られた固形物を、濾過により収集し、冷ジイソプロピルエーテル(5mL)で洗浄し、高真空下で乾燥し、表題化合物(7.93g)を得た。母液を濃縮し、残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーに供し(50g, ヘキサン中30%〜50%AcOEt)、表題化合物(2.22g)を得た。このような表題化合物の総収量は、10.1g、 (21.5mmol, (1Z,3S,5R)-2-[5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタノールから全体で76%)であった。[α]25 D=+50.2° (c 0.84, CHCl3);IR (CHCl3) 835, 692cm-1; UVλmax (エタノール) 223 (ε 22770), 258 (1950), 265 (1750), 272nm (1280); MS, m/e 470 (M+), 455 (4), 450 (8), 413 (98), 338 (9), 75 (100); 1H-NMR: δ 0.02 (s, 6H), 0.84 (s, 9H), 1.76-1.93 (m, 1H), 2.16 (m, 2H), 2.42 (br d, 1H), 3.28 (m, 2H), 4.01 (m, 1H), 5.02 (dm, J=44 Hz, 1H), 5.14 (s, 1H), 5.30 (s, 1H), 5.5 (m, 1H), 7.5 (m, 6H), 7.73 (m, 4H)。C27H36O2FPSiの分析:理論値:C 68.91, H 7.71, F 4.04;実測値:C 68.69, H 7.80, F 3.88。
(C,D-環/側鎖前駆体の合成)
((S)-2-((1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-プロピオンアルデヒド)
Figure 2010504306
250-mLのフラスコに、Lythgoeジオール0.99g(4.67mmol)、TEMPO 75mg(0.48mmol)、テトラブチルアンモニウムクロリド水和物146mg(0.53mmol)、及びジクロロメタン(50mL)を充填した。この激しく攪拌している溶液へ、炭酸水素ナトリウム(4.2g)及び炭酸カリウム(0.69g)を、容積100mLの水に溶解することにより調製した緩衝液(50mL)を添加した。この混合物を激しく攪拌し、N-クロロスクシンイミド839mg(6.28mmol)を添加した。TLC(1:2, 酢酸エチル-ヘプタン)は、排出物(educt)(Rf 0.32)の表題アルデヒド(Rf 0.61)への段階的転換を示した。18時間後、追加量のN-クロロスクシンイミド830mg(6.28mmol)を添加し、1時間後、TEMPO 20mgを添加し、この混合物を24時間攪拌した。有機層を分離し、水層を、ジクロロメタンで再抽出した(3×50mL)。一緒にした有機抽出液を、ブラインで洗浄し、乾燥し、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:3)により精製し、粗アルデヒド876mg(89%)を提供した。 1H NMR:δ 9.58 (1H, d, J=2.8 Hz), 4.12 (1H, m), 2.50-2.30 (1H, m), 2.10-1.10 (13H, m), 1.11 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.99 (3H, s)。
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-((S)-1-メチル-2-オキソ-エチル)-オクタヒドロインデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
粗(S)-2-((1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-プロピオンアルデヒド(255mg, 1.21mmol)を、ピリジン(1mL)に溶解し、この溶液を氷浴中で冷却し、DMAP(5mg)及び無水酢酸(0.5mL)を添加した。この混合物を、室温で24時間攪拌し、次に水(10mL)で希釈し、10分間攪拌し、酢酸エチル(30mL)で平衡とした。この有機層を、水(10mL)及び1N硫酸(14mL)の混合液、次に水(10mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(10mL)で洗浄し、その後乾燥しかつ蒸発させた。得られた残渣(201mg)を、シリカゲルカラム上で、移動相として1:4酢酸エチル-ヘキサンを用いクロマトグラフィーに供した。本生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、表題化合物を無色のシロップとして得た(169mg, 0.67mmol, 67%)。 1H NMR (300MHz, CDCl3): δ 9.56 (1H, d, J=2.0 Hz), 5.20 (1H, br s), 2.44-2.16 (1H, m), 2.03 (3H, s), 2.00-1.15 (12H, m), 1.11 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.92 (3H, s)。
(酢酸(3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
ジエチルエーテル(5mL)中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-((S)-1-メチル-2-オキソ-エチル)-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(480mg, 1.90mmol)の溶液へ、炭素上に担持された10%Pd(25mg)を添加した。この懸濁液を、室温で20分間攪拌し、セライト経路を通して濾過し、濾液を真空において濃縮した。この残渣へ、ベンザルアセトン(350mg, 2.40mmol, 蒸留した)及び炭素上に担持された10%Pd(50mg)を添加した。この懸濁液を、フラスコを排気することにより脱気し、窒素を補給した(2×)。その後フラスコを、230℃の加熱浴に40分間浸した。室温へ冷却後、この懸濁液を酢酸エチルで希釈し、セライト経路を通して濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィーにより精製し(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:9)、CDオレフィンの混合物290mg(68%)を得た。GC分析:表題生成物(54%);Z異性体(4%);内部オレフィン(27%);末端オレフィン(5%);他の不純物(10%)。
((2R,3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(a)及び酢酸(2S,3aR,4S,7aR)-1-E)-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(b))
Figure 2010504306
ジクロロメタン(30mL)中のSeO2 (460mg, 4.15mmol)の懸濁液へ、tert-ブチルヒドロペルオキシド(9.0mL, 水中70w/w%溶液, 65.7mmol)を添加した。この懸濁液を、室温で30分間攪拌し、0℃に冷却し、ジクロロメタン(35mL)中のCD-異性体(9.13g, 41.1mmol, 16約50%含有)の溶液を、30分以内に滴下した。この反応混合物を、一晩で常温とし、30℃で攪拌を2日間継続した。転換は、GCによりチェックした。この反応は、水の添加により停止し、水層をジクロロメタン(3×)により抽出した。一緒にした有機層を、水で洗浄し(4×)、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮した。この残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:3)により精製し、3種の主要画分を得た:画分1:ケトン(2.08g, 収率42%);2種の不純物と夾雑した;純度〜75%;画分2:アルコールエピマーa+望ましくない異性体の混合画分(1.32g);画分3:アルコールエピマーa(2.10g, 収率42%);約12%の副産物と夾雑しているが、しかし更なる合成には十分な純度であった。画分2は再度、カラムクロマトグラフィーにより精製し、約20%の望ましくない異性体と夾雑しているが、しかし更なる合成には十分な純度の、アルコールエピマーa 1.01g(収率20%)を得た。*注記:酸化反応時に、異性体エピマーa及びエピマーbの両方の形成が、TLC及びGCにより認められた。延長された反応時間の後、TLC上の比較的低いスポット(エピマーb及び他の異性体の混合物)の強度は減少し、ケトンの形成が認められた。出発材料のアルコールエピマーa及びエピマーbへの転換のみが完了したのではなく、エピマーであるエピマーbも、ケトンへ完全に酸化されたことは重要である。エピマーであるエピマーbは、望ましくない異性体から分離することはできない。GC上の保持時間:出発材料の保持時間=8.06分;生成物の保持時間=9.10分;エピマーbの保持時間=9.30又は9.34分;ケトンの保持時間=9.60分。エピマーa: 1H NMR:δ 0.94 (s, 3H), 1.30 (m, 1H), 1.40-1.46 (m, 1H), 1.46-1.80 (m, 4H), 1.77 (dd, J=7.2, 1.2 Hz, 3H), 1.80-1.94 (m, 4H), 2.02 (s, 3H), 4.80 (br, s, 1H), 5.23 (m, 1H), 5.47 (qd, J=7.2, 1.2 Hz, 1H). GC-MS: m/e 223 (M-15), 178 (M-60), 163 (M-75)。エピマーb: 1H NMR:δ 1.24 (s, 3H), 1.38-1.60 (m, 5H), 1.68-1.88 (m, 3H), 1.72 (dd, J=7.2, 1.2 Hz, 3H), 1.99 (ddd, J=11.0, 7.0, 3.7 Hz, 1H), 2.03 (s, 3H), 2.26 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 5.14 (m, 1H), 5.30 (qd, J=7.2, 1.2 Hz, 1H). GC-MS: m/e 223 (M-15), 178 (M-60), 163 (M-75)。
(ケトンのアルコールエピマーbへの還元)
Figure 2010504306
メタノール(8mL)中のケトン(2.08g, 2種の不純物と夾雑)の溶液を、0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.57g, 15.1mmol)を分けて添加した。0℃で1時間攪拌した後、TLCは、完全な転換を示した(TLC上で視認可能なUV活性化合物なし)。この反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(30mL)の添加により反応停止した。水を添加し、水層を酢酸エチルで抽出した(3×)。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:3)により精製し、アルコールエピマーb(1.20g, 2工程について24%)を無色の油状物として得た。
(酢酸(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-(1-(R)-メチル-3-オキソ-プロピル)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
(2R,3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(a)及び酢酸(2S,3aR,4S,7aR)-1-E)-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(b)の両方(4.3g, 18.1mmol, 純度90%)を、3バッチにおいて、化合物酢酸(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-(1-(R)-メチル-3-オキソ-プロピル)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イルエステルへ転換した。エチルビニルエーテル(20mL)中のエピマーa(2.1g, 8.82mmol)の溶液に、Hg(OAc)2 (2.23g, 7.00mmol)を添加した。この懸濁液を、パイレックス製加圧チューブに注ぎ、N2をフラッシュし、密閉した。この混合物を、120℃で24時間攪拌し、室温に冷却し、濾過した。濾液を真空において濃縮し、残渣を、ふたつの他のバッチの粗生成物と一緒にし、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:4)により2回精製し、表題化合物(2.58g, 60%)をわずかに黄色の油状物として得た。この生成物は、冷凍庫で貯蔵時に固化した。カラムクロマトグラフィーによる第二の精製は、出発材料中に存在する副産物のために有利であった。
トルエン(2mL)中のエピマーa及びb(173mg, 0.73mmol)の溶液へ、触媒量の[Ir(COD)Cl]2 (5mg)、Na2CO3 (46mg, 0.44mmol)及び酢酸ビニル(0.13mL, 1.45mmol)を添加した。この懸濁液を100℃で2時間加熱後、TLCは、中間体への約20%の転換を示した(J. Am. Chem. Soc, 2002, 134, 1590-1591)。更に酢酸ビニル(0.15mL)を添加し、100℃での攪拌を18時間継続した。TLCによると、中間体及び表題化合物の混合物が形成されたが、出発材料の転換は依然完全ではなかった。更に酢酸ビニル(2mL)を添加し、100℃での攪拌を24時間継続した。TLCは、出発材料の中間体及び表題化合物の混合物への完全な転換を示した。この懸濁液を真空において濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:9)により精製し、中間体60mg(31%)及び表題化合物45mg(23%)を得た。 1H NMR:δ 1.02 (s, 3H), 1.14 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.36 (M, 1H), 1.47-1.62 (m, 2H), 1.72-1.90 (m, 4H), 2.03 (s, 3H), 2.02-2.14 (m, 2H), 2.33 (ddd, J=16.2, 7.3, 2.6 Hz, 1H), 2.53 (ddd, J=16.2, 5.8, 1.8 Hz, 1H), 2.72 (m, 1H), 5.19 (m, 1H), 5.40 (m, 1H), 9.68 (s, 1H)。
(5(R)-((3aR,4S,7aR)-4-アセトキシ-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル)-ヘキセ-2-E-エン酸エチルエステル)
Figure 2010504306
酢酸(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-(1-(R)-メチル-3-オキソ-プロピル)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イルエステル(2.24g, 8.47mmol)及びホスホノ酢酸トリエチル(5.74g, 25.6mmol, 3eq.)を、N2大気下、THF(40mL, Na/ベンゾフェノン上で新たに蒸留)に溶解した。この混合物を-100℃に冷却し、ヘキサン中LiHMDS(16.8mL, 1M溶液, 2eq.)の溶液を、20分以内に滴下した。-100℃〜-78℃で70分間攪拌した後、この反応液を、水(10mL)の滴下、引き続き飽和NH4Cl溶液(10mL)の添加により反応停止した。水を添加し、これをtert-ブチルメチルエーテルで抽出した(3×)。一緒にした有機層を、水(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:10)により精製し、表題化合物のエステル(2.15g, 76%)を無色の油状物として得た;NMRによる純度:>95%(Z異性体は検出されず)。 1H NMR:δ 0.99 (s, 3H), 1.06 (d, J=7.2 Hz, 3H), 1.27 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.36 (td, J=13.3, 4.0 Hz, 1H), 1.46-1.62 (m, 2H), 1.72-1.90 (m, 4H), 1.96-2.17 (m, 3H), 2.03 (s, 3H), 2.22-2.39 (m, 2H), 4.17 (q, J=7.2 Hz, 2H), 5.20 (br, s, 1H), 5.37 (br, s, 1H), 5.78 (dm, J=15.4 Hz, 1H), 6.88 (dt, J=15.4, 7.3 Hz, 1H)。HPLC:純度>99% (218nm)。HPLC-MS: m/e 357 (M+23), 275 (M-59)。
((3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
CeCl3・7H2O(29.1g)を、三つ口フラスコ中で、真空において(10-3mbar)、160℃で6時間乾燥し、無水CeCl3 (18.7g, 76.0mmol, 12eq.)を得た。室温に冷却後、このフラスコを窒素で掃流した。THF(200mL, Na/ベンゾフェノン上で新たに蒸留した)を添加し、この混合物を室温で18時間攪拌した。引き続き、この懸濁液を0℃で冷却し、THF中のEtMgBrの溶液(75mL, 1M溶液)を、20分以内に滴下した。明茶色懸濁液を0℃で2時間攪拌後、THF(30mL, Na/ベンゾフェノン上で新たに蒸留した)中の5(R)-((3aR,4S,7aR)-4-アセトキシ-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル)-ヘキセ-2-E-エン酸エチルエステル(2.15g, 6.42mmol)の溶液を、10分以内に滴下した。0℃で30分間攪拌した後、TLCは、完全な転換を示し、この反応液を、水(60mL)を添加することにより反応停止した。更なる水を添加し、この混合物をヘプタン中の50%酢酸エチルで抽出した(3×)。一緒にした有機層を、飽和NaHCO3溶液(2×)、ブライン(1×)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮し、わずかに黄色の油状物を得た。この粗生成物(2.4g)を、2番目のバッチ(600mg, 出発材料550mgから得られた粗(3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール)と一緒にした。カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:3)による精製は、(3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(2.45g, 99%)を、無色の油状物として得た。 1H NMR:δ 0.84 (t, J=7.3 Hz, 6H), 1.04 (d, J=7.2 Hz, 3H), 1.05 (s, 3H), 1.23-1.60 (m, 9 H), 1.67-2.02 (m, 6H), 2.12-2.32 (m, 3H), 4.17 (m, 1H), 5.33 (m, 1H), 5.35 (dm, J=15.4 Hz, 1H), 5.51 (ddd, J=15.4, 7.4, 6.5 Hz, 1H)。HPLC:純度=98%(212nm)。HPLC-MS: m/e 330 (M+24), 289 (M-17), 271 (M-35)。
((3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(30mL)中の(3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(465mg, 1.52mmol)の溶液を、氷浴中で冷却し、ジクロム酸ピリジニウム(1.28g, 3.40mmol, 2.2eq.)で少量ずつ処理した。反応混合物を、0℃で6時間、室温で18時間攪拌した。この反応混合物を、セライト経路を通して濾過した。フィルターケーキを、ジクロロメタンにより洗浄し、一緒にした濾液を、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘプタン中25%酢酸エチル)により精製し、表題化合物(320mg, 69%)を無色の油状物として得た。 1H NMR:δ 0.82 (s, 3H), 0.85 (br, t, J=7.2 Hz, 6H), 1.05 (d, J=6.9 Hz, 3H), 1.34 (br, s, 1H), 1.52 (br, q, J=6.9 Hz, 4H), 1.65 (td, J=12.1, 5.6 Hz, 1H), 1.84-1.93 (m, 1H), 1.93-2.16 (m, 4H), 2.16-2.33 (m, 4H), 2.42 (ddt, J=15.4, 10.4, 1.6 Hz, 1H), 2.82 (dd, J=10.4, 6.0 Hz, 1H), 5.30 (m, 1H), 5.38 (dm, J=15.6 Hz, 1H), 5.54 (ddd, J=15.6, 7.1, 6.0 Hz, 1H)。
(C,D-環/側鎖前駆体の比較的大規模な合成)
(酢酸(1R,3aR,4S,7aR)-1-((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-7a-メチル-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した1Lの丸底フラスコに、Lythgoeeジオール出発材料(38.41g, 180.9mmol)、ジクロロメタン(400mL)、ピリジン(130mL)及びDMAP(5.00g, 40.9mmol)を充填した。無水酢酸(150mL)をゆっくり添加し、この混合物を、室温で14.5時間攪拌した。メタノール(70mL)をこの反応混合物へ滴下し(発熱反応)、この溶液を30分間攪拌した。水(1L)を添加し、水層を、ジクロロメタン(2×250mL)で抽出した。これらの抽出物を、1N HCl (200mL)及びNaHCO3溶液(200mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、トルエン(150mL)と共に蒸発乾固させた。残渣を、メタノール(300mL)に溶解し、炭酸ナトリウム(40.0g)を添加した。この懸濁液を、24時間攪拌した。炭酸ナトリウムの追加部分(10.0g)を添加し、反応混合物を18時間攪拌した。メタノールを、回転蒸発器で除去した。水(500mL)を添加し、この混合物を酢酸エチル(3×250mL)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、真空において濃縮した。残渣を、FC(シリカゲル0.4kg, 20%、30%ヘキサン-酢酸エチル)で精製し、表題化合物酢酸(1R,3aR,4S,7aR)-1-((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-7a-メチル-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル(45g, 98%)を得た。 1H NMR (DMSO-D6) 5.03(1H, br s), 4.26(1H, dd, J=5.9, 5.1 Hz), 3.42-3.36(1H, m), 3.10-3.02(1H, m), 1.99(3H, s), 1.96-1.91(1H, m), 1.77-1.58(3H, m), 1.50-1.08(9H, m), 0.93(3H, d, J=6.6 Hz), 0.85(3H, s)。
(酢酸(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-((S)-オキソプロパン-2-イル)-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(150mL)中の塩化オキサリル(17mL, 195mmol)の冷却した溶液(-65℃)へ、ジクロロメタン(200mL)中のDMSO(27mL, 380mmol)溶液を、温度を-65℃以下に維持しながら、35分以内に添加した。添加が完了した後、-65℃での攪拌を15分間継続した。引き続き、ジクロロメタン(300mL)中の酢酸(1R,3aR,4S,7aR)-1-((S)-1-ヒドロキシプロパン-2-イル)-7a-メチル-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル(41g, 161mmol)の溶液を、温度を-65℃以下に維持しながら、80分以内で滴下した。添加時に、固形物が沈殿した。添加が完了した後、-65℃での攪拌を1時間継続した。引き続きジクロロメタン(200mL)中のトリエチルアミン(110mL)の溶液を、30分以内に滴下した。添加が完了した後、-65℃での攪拌を45分間継続した。冷却浴を取り外し、反応混合物を5℃に1時間以内で温めた。ジクロロメタン(約600mL)を、減圧下の蒸留により除去し、その残渣に、水(600mL)及びtert-ブチル-メチルエーテル(500mL)を添加した。有機層を分離し、水層をtert-ブチル-メチルエーテル(2×200mL)で抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル800g, ヘプタン中15%酢酸エチル)により精製し、表題化合物38g(94%)をわずかに黄色油状物として得た。 1H NMR (CDCl3): δ 9.56 (1H, d, J=2.0 Hz), 5.20 (1H, br s), 2.44-2.16 (1H, m), 2.03 (3H, s), 2.00-1.15 (12H, m), 1.11 (3H, d, J=7.0 Hz), 0.92 (3H, s)。
(酢酸(3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
ベンザルアセトンを、使用前にバルブツーバルブ蒸留(bulb to bulb distillation)(130℃, 10-2mbar)により精製した。ジエチルエーテル(240mL)中の酢酸(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-((S)-オキソプロパン-2-イル)-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル(38.3g, 0.15mol)の溶液へ、チャコール上に担持された10%パラジウム(1.8g)を添加した。この懸濁液を、室温で45分間攪拌し、セライト経路を通して濾過し、濾液を、真空において濃縮した。この残渣へ、ベンザルアセトン(28.3g, 0.19mol)及びチャコール上に担持された10%パラジウム(1.8g)を添加した。この懸濁液を、フラスコを排気することにより脱気し、窒素を補給した。次にこのフラスコを、230℃の油浴に40分間、部分的に浸した。室温で冷却後、懸濁液を酢酸エチルで希釈し、セライト経路を通して濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2の1800g, ヘプタン中5〜10%酢酸エチル)により精製し、Δ17E、Δ17Z、Δ16及びΔ20インデンオレフィンの混合物を21.6g(65%)得、これは各々、51%、4%、25%、及び1%で存在した(GC分析)。この異性体混合物は、更に精製することなく次工程で使用した。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3, 所望のΔ17E異性体のシグナル): 5.21 (m, 1H), 4.98-5.07 (m, 1H), 2.15-2.35 (m, 2H), 2.05 (s, 3H), 1.53 (d, 3H, J=7 Hz),δ 0.96 (s, 3H)。
様々な実験において、硝酸銀含浸したシリカゲル中速クロマトグラフィーにより、所望の生成物が、オレフィン類の混合物(Δ17E17Z1620=65:4:27:4)から収率55%で単離された(米国特許第5,939,408号)。
((2R,3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(17a)及び酢酸(2S,3aR,4S,7aR)-1-E)-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(55mL)中のSeO2 (1.4g; 12.6mmol)の懸濁液へ、t-ブチル-ヒドロペルオキシド(17mL, 水中70w/w%溶液, 124mmol)を添加した。この懸濁液を、室温で30分間懸濁し、0℃に冷却し、ジクロロメタン(70mL)中の酢酸(3aR,4S,7aS,E)-1-エチリデン-7a-メチル-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル(18.8g, 84.5mmol、Δ17E、Δ17Z、Δ16及びΔ20インデンオレフィンの混合物の一部として;所望の異性体酢酸(3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル51%含有)の溶液を滴下した。この反応混合物を、0℃で1時間、室温で18時間、引き続き30℃で3日間攪拌した。反応混合物へ、水(350mL)及び酢酸エチル(400mL)を添加した。これらの層を分離し、水層を酢酸エチル(1×400mL、1×350mL、1×150mL)で抽出した。水(600ml)を一緒にした有機画分に添加し、これらの層を、磁気攪拌により、60分間完全に混合した。この有機層を分離し、乾燥し(Na2SO4)、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(1kg SiO2;ヘプタン中20%AcOEt 4L、ヘプタン中25%AcOEt 4L、ヘプタン中33%AcOEt 4Lで溶離)により精製し、以下を得た:画分A(4.2g,ケトン断片約75%を含有する混合物);画分B(7.2g, アルコール性酢酸(3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル, 純度約90%)。画分Aをメタノール(100mL)中に溶解し、0℃に冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(1.1g, 29mmol)を、分けて添加した。0℃で40分間攪拌後、TLCは、完全な転換を示した。この反応混合物を、飽和NH4Cl水溶液(30mL)の添加により反応停止し、酢酸エチルで抽出した(3×)。一緒にした有機層を、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣(4.5g)を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:3)により精製し、以下を得た:画分C(3.2g, アルコール性酢酸(2S,3aR,4S,7aR)-1-E)-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(b))。画分B及びCは一緒にし、アルコール性酢酸(2R,3aR,4S,7aR)-1-E-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(a)及び酢酸(2S,3aR,4S,7aR)-1-E)-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロインデン-4-イルエステル(b)の混合物10.4g(CDオレフィン混合物中の出発材料の51%の量を基に収率93%)を無色の油状物として得た。
アルコールa: 1H NMR (CDCl3): δ 5.47 (qd, J=7.2, 1.2 Hz, 1H), 4.80 (br, s, 1H), 5.23 (m, 1H), 1.80-1.94 (m, 4H), 2.02 (s, 3H), 1.77 (dd, J=7.2, 1.2 Hz, 3H), 1.46-1.80 (m, 4H), 1.40-1.46 (m, 1H), 1.30 (m, 1H), 0.94 (s, 3H); GC-MS: m/e 223 (M-15), 178 (M-60), 163 (M-75); MS: m/e 223 (M-15), 178 (M-60), 163 (M-75)。
アルコールb: 1H NMR (CDCl3): δ 5.30 (qd, J=7.2, 1.2 Hz, 1H), 5.14 (m, 1H), 4.36 (m, 1H), 2.26 (m, 1H), 2.03 (s, 3H), 1.99 (ddd, J=11.0, 7.0, 3.7 Hz, 1H), 1.72 (dd, J=7.2, 1.2 Hz, 3H), 1.68-1.88 (m, 3H), 1.38-1.60 (m, 5H), 1.24 (s, 3H); GC-MS: m/e 223 (M-15), 178 (M-60), 163 (M-75); MS: m/e 223 (M-15), 178 (M-60), 163 (M-75)。
(酢酸(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-(1-(R)-メチル-3-オキソ-プロピル)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イルエステル)
Figure 2010504306
酢酸(2R,3aR,4S,7aR,Z)-1-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステル及び酢酸(2S,3aR,4S,7aS,Z)-1-エチリデン-2-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-1H-インデン-4-イルエステルの混合物(12.5g, 47mmol)を、エチルビニルエーテル(150mL)に溶解した。Hg(OAc)2 (14.1g, 44mmol)を添加し、この懸濁液をパイレックス製加圧チューブ内に注ぎ、N2をフラッシュし、密閉した。この混合物を、130℃で18時間攪拌し、室温に冷却し、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘプタン中7.5〜30%酢酸エチル)により精製し、以下を得た:画分A(8.1g表題化合物(65%));画分B(1.8g, 表題化合物を約50%含有する混合物)。画分Bは、カラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘプタン中7.5〜30%酢酸エチル)により精製し、以下を得た:画分C(表題化合物0.6g)。画分A及びCを一緒にし、表題化合物8.7g(70%)を無色の油状物として得た。 1H NMR (CDCl3):δ 9.68 (s, 1H), 5.40 (m, 1H), 5.19 (m, 1H), 2.72 (m, 1H), 2.53 (ddd, J=16.2, 5.8, 1.8 Hz, 1H), 2.33 (ddd, J=16.2, 7.3, 2.6 Hz, 1H), 2.03 (s, 3H), 2.02-2.14 (m, 2H), 1.72-1.90 (m, 4H), 1.47-1.62 (m, 2H), 1.36 (M, 1H), 1.14 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.02 (s, 3H)。
(5(R)-((3aR,4S,7aR)-4-アセトキシ-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル)-ヘキセ-2-E-エン酸エチルエステル)
Figure 2010504306
酢酸(3aR,4S,7aS)-7a-メチル-1-((S)-4-オキソブタン-2-イル)-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-イルエステル(16.2g; 61mmol)及びホスホノ酢酸トリエチル(36ml; 183mmol, 3eq.)を、N2大気下で、THF(200mL, Na/ベンゾフェノン上で新たに蒸留した)に溶解した。この混合物を-90℃に冷却し、ヘキサン中LiHMDSの溶液(122mL, 1M溶液, 2eq.)を、温度を-90℃未満に維持しながら、45分以内に滴下した。添加が完了した後、反応混合物を-78℃に温め、攪拌をこの温度で70分間継続した。この反応液は、水(64ml)及び飽和NH4Cl溶液(32mL)の混合物を滴下することにより反応停止した。この反応混合物に、tert-ブチルメチルエーテル(400ml)及び水(400mL)を添加し、有機層を分離し、真空において濃縮し、画分Aを得た。水層を、tert-ブチルメチルエーテル(1×400ml, 1×200ml)で抽出した。これらの有機層を画分Aと一緒にし、水で洗浄し(2×200ml)、ブラインで洗浄し(1×150ml)、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮した。この残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, 酢酸エチル/ヘプタン=1:10)により精製し、表題化合物(18g, 88%)をE/Z-混合物(E:Z=10:1)として得た。 1H NMR (CDCl3): δ 6.88 (dt, J=15.4, 7.3 Hz, 1H), 5.78 (dm, J=15.4 Hz, 1H), 5.37 (br, s, 1H), 5.20 (br, s, 1H), 4.17 (q, J=7.2 Hz, 2H), 2.03 (s, 3H), 2.22-2.39 (m, 2H), 1.96-2.17 (m, 3H), 1.72-1.90 (m, 4H), 1.46-1.62 (m, 2H), 1.36 (td, J=13.3, 4.0 Hz, 1H), 1.27 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.06 (d, J=7.2 Hz, 3H), 0.99 (s, 3H); MS: m/e 357 (M+23), 275 (M-59)。
((3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
1Lの丸底フラスコに、塩化セリウム(III)七水和物(234g, 0.63mol)を充填し、水(約70g)を、各々、70℃(30分間)、95℃(3時間)、120℃(1時間)及び160℃(3時間)でゆっくり加熱することによる、バルブツーバルブ蒸留により、真空において(10-2mbar)除去した。一晩冷却後及び室温の真空下で、帯黄白色塩化セリウム(III)一水和物(162g)を、磁気攪拌棒を装着した3Lの三首フラスコに移した。最後の等量の水を、攪拌、並びに真空における(10-2mbar)、各々、90℃(1時間)、120℃(1時間)、160℃(1時間)及び210℃(4時間)での加熱により除去した。フラスコの頂上の凝縮水を、ホットガンで加熱することにより除去した。凝縮物の形成がもはや認められない時点で、水の除去は完了した。このフラスコを室温で冷却し、窒素をフラッシュした。THF(1.3L)を添加し、この混合物を室温で18時間攪拌した。乳状の懸濁液を0℃で冷却し、THF中のEtMgBrの溶液(610mL, 1M溶液)を、1時間以内に滴下した。0℃で2時間攪拌後、THF(75mL)中の(S,E)-5-((3aR,4S,7aS)-4-アセトキシ-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル)-ヘキセン酸エチルエステル(16.2g, 48.4mmol, 対応するZ-異性体の約10%が夾雑)の溶液を、1時間以内に滴下した。0℃で1時間攪拌後、TLCは、完全な転換を示し、この反応液は、水(150mL, 発熱反応)のゆっくりとした添加により反応停止し、この時粘着性の固形物が沈殿した。この溶液(画分A)をデカントし、残留固形物を、水(1L)と完全に混合し、水性懸濁液(画分B)を得た。画分A及びBを一緒にし、酢酸エチル(500mL)及びヘプタン(500mL)の混合液で4回抽出した。一緒にした有機層を、飽和NaHCO3溶液(2×)、ブライン(1×)により洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を真空において濃縮した。残渣(17g)を、カラムクロマトグラフィー(1kg SiO2, ヘプタン中20%酢酸エチル)により精製し、表題化合物(13.4g, 98%)をわずかに黄色油状物として得た。HPLCによる純度:93.1% (λ=212nm)。この生成物を、再度カラムクロマトグラフィー(1kg SiO2, ヘプタン中20%酢酸エチル)により精製し、以下を得た:画分A、無色の油状物としての表題化合物11.91g, (収率86%);HPLCによる純度:>96.5% (λ=212nm);画分B、無色の油状物としての表題化合物1.40g, (収率10%);HPLCによる純度:86.9% (λ=212nm); 1H NMR (CDCl3): δ 5.51 (ddd, J=15.4, 7.4, 6.5 Hz, 1H), 5.35 (dm, J=15.4 Hz, 1H), 5.33 (m, 1H), 4.17 (m, 1H), 2.12-2.32 (m, 3H), 1.67-2.02 (m, 6H), 1.23-1.60 (m, 9 H), 1.05 (s, 3H), 1.04 (d, J=7.2 Hz, 3H), 0.84 (t, J=7.3 Hz, 6H); MS: m/e 329 (M+23), 289 (M-17), 271 (M-35)。
((3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(200mL)中の(3aR,4S,7aS)-1-((S,E)-6-エチル-6-ヒドロキシオク-4-エン-2-イル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(4.70g, 15.3mmol, HPLCによる純度:96.5%(λ=212nm))の溶液を、氷浴中で冷却し、ジクロム酸ピリジニウム(13.1g, 34.9mmol, 2.2eq.)で処理した。この反応混合物を、室温で一晩温め、セライト経路を通して濾過し、フィルターケーキをジクロロメタンで洗浄した。一緒にした濾液を、2M KHCO3溶液で洗浄し、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、真空において濃縮し、残渣を、カラムクロマトグラフィー (SiO2, ヘプタン中の25%酢酸エチル)により精製し、表題化合物(4.0g, 85%)を無色の油状物として得た。
1H NMR (CDCl3): δ 5.54 (ddd, J=15.6, 7.1, 6.0 Hz, 1H), 5.38 (dm, J=15.6 Hz, 1H), 5.30 (m, 1H), 2.82 (dd, J=10.4, 6.0 Hz, 1H), 2.42 (ddt, J=15.4, 10.4, 1.6 Hz, 1H), 2.16-2.33 (m, 4H), 1.93-2.16 (m, 4H), 1.84-1.93 (m, 1H), 1.65 (td, J=12.1, 5.6 Hz, 1H), 1.52 (br, q, J=6.9 Hz, 4H), 1.34 (br, s, 1H), 1.05 (d, J=6.9 Hz, 3H), 0.85 (br, t, J=7.2 Hz, 6H), 0.82 (s, 3H)。
(カップリング及び合成)
(1-(5-エチル-1-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(20mL)中の(3aR,4S,7aR)-1-((S,E)-5-エチル-5-ヒドロキシ-1-メチル-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(320mg, 1.05mmol)の溶液へ、1-(トリメチルシリル)イミダゾール(0.2mL, 1.34mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で4日間攪拌した。反応対照(TLC)は、完全な転換を示した。この混合物を真空において濃縮し、残渣を、カラムクロマトグラフィー (SiO2, ヘプタン中10%酢酸エチル)により精製し、表題化合物(377mg, 95%)を無色の油状物として得た。
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16-23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
無水テトラヒドロフラン5ml中の(1S,3Z,5R)-1-フルオロ-5-(t-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メテニル-3-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデンシクロヘキサン240mg(0.51mmole)の攪拌溶液へ、-78℃で、ヘキサン中1.6M n-ブチルリチウム0.319ml(0.51mmole)を、アルゴン下で滴下した。5分間攪拌した後、こうして得られた赤色溶液へ、無水テトラヒドロフラン4ml中の1-(5-エチル-1-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-インデン-4-オン103mg(0.273mmole)の溶液を、10分間かけて滴下した。この反応混合物を、-78℃で2時間攪拌し、その後冷凍庫(-20℃)内に1時間放置し、2Nロッシェル塩及び2N炭酸水素カリウムの1:1混合物10mlの添加により反応停止し、室温に温めた。同じ塩混合物25mlの添加により希釈した後、これを、酢酸エチル3×90mlにより抽出した。一緒にした有機層を、水及びブラインで3回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固させた。この残渣を、ヘキサン-酢酸エチル(1:4)による30mm×7"のシリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ジシリル化された表題化合物145mgを得た。無水テトラヒドロフラン3ml中のジシリル中間体145mgの溶液へ、テトラヒドロフラン中の1Mテトラブチル-フッ化アンモニウム1.7ml(1.7mmole)をアルゴン下で添加した。この反応混合物を、室温で18時間攪拌し、次に水10mlの添加により反応停止し、15分間攪拌した。これを、水及びブライン20mlで希釈し、酢酸エチル3×80mlで抽出した。これらの有機層を、水及びブラインで4回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発乾固させた。粗生成物を、ヘキサン-酢酸エチル(3:2)による30mm×5"シリカゲルカラム上のフラッシュクロマトグラフィー、及びヘキサン-酢酸エチル(1:1)によるYMC 50mm×50cmシリカゲルカラム上のHPLCにより精製した。これは、酢酸メチル-ヘキサンから結晶化された表題化合物90mg(74%)を得た。
(大規模カップリング及び合成)
(1-(5-エチル-1-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘプト-3-エニル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(200mL)中の(3aR,7aS)-1-((S,E)-6-エチル-6-ヒドロキシオクタ-4-エン-2-イル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(4.0g, 13.1mmol)の溶液へ、1-(トリメチルシリル)イミダゾール(2.2mL, 14.9mmol)を添加した。この反応混合物を、室温で18時間攪拌した。TLCによると、転換は完全ではなく、追加の1-(トリメチルシリル)イミダゾール(4.3mL, 29.1mmol)を添加し、攪拌を5時間継続した。この混合物を、30℃で真空において濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(200g SiO2, ヘプタン中10%酢酸エチル)により精製し、表題化合物(4.6g, 93%)を無色の油状物として得た。HPLCによる純度:100% (λ=265nm); 1H NMR (CDCl3): δ 5.28-5.52 (m, 3H), 2.83 (dd, J=10.4, 6.1 Hz, 1H), 2.43 (ddm, J=15.4, 10.4 Hz, 1H), 2.18-2.32 (m, 4H), 1.94-2.18 (m, 4H), 1.85-1.93 (m, 1H), 1.76 (td, J=12.4, 5.6 Hz, 1H), 1.53 (br, q, J=7.3 Hz, 4H), 1.16 (d, J=6.9Hz, 3H), 0.83 (s, 3H), 0.81 (br, t, J=7.1 Hz, 6H), 0.47 (s, 9H); MS: m/e 376 (M), 361 (M-15), 347 (M-29)。
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16-23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
25mlのフラスコに、(1S,3Z,5R)-1-フルオロ-5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メテニル-3-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデンシクロヘキサン(748mg,1.59mmol, 1.2eq)及び(3aR,7aS)-1-((S,E)-6-エチル-6-(トリメチルシリルオキシ)オクタ-4-エン-2-イル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(499mg, 1.32mmol)を充填した。この混合物を、トルエンと共沸し(3×5mL)、THF(10mL, Na/ベンゾフェノン上新たに蒸留した)に溶解し、-55℃に冷却した。LiHMDS(1.65mL, THF中1M溶液, 1.2eq.)を、5分以内に滴下した。深赤色溶液を、1.5時間以内に-25℃に温めた。TBAF(9mL, THF中1M溶液)を添加し(色はオレンジ色に変化)、この混合物を室温で一晩温めた。この反応液を、氷冷した1MKHCO3水溶液へゆっくり注ぐことにより反応停止した。こうして形成された混合物を、酢酸エチル(3×25mL)で抽出した。一緒にした有機層を、水、ブライン(3×)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、30℃で真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(ヘプタン中25%酢酸エチル)により精製し、以下を得た:画分A:エピマー化されたCD-ブロックエピ-(3aR,7aS)-1-((S,E)-6-エチル-6-(トリメチルシリルオキシ)オクタ-4-エン-2-イル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン35mg (7%);画分B:微量のビタミンD-関連した副産物;画分C:白色固形物としての表題化合物27mg (5%);HPLCによる純度:96.8% (λ=265nm);画分D:白色固形物としての表題化合物450mg (75%);HPLCによる純度:93.7% (λ=265nm);画分E:白色固形物としての表題化合物30mg (5%);HPLCによる純度:92.9% (λ=265nm)。画分Dを、ギ酸メチル(3〜4mL)に溶解した。ヘプタン(15mL)を添加し、この溶液が濁り始めるまで、このフラスコを窒素ガスでフラッシュした。この生成物は、結晶化し始め、完全な結晶化のために、このフラスコを4℃で1時間貯蔵した。この溶媒をデカントし、残留する固形物を、冷ヘプタンで洗浄した(3×5mL)。窒素ガスでフラッシュした後、この固形物を真空において乾燥し、以下を得た:画分F:白色固形物としての表題化合物331mg (収率56%);HPLCによる純度:100% (λ=265nm); 1H NMR (CD3CN): δ 6.42 (br d, 1H), 6.10 (br d, 1H), 5.51 (ddd, 1H), 5.39 (br d, 1H), 5.36 (br s, 1H), 5.35 (br d, 1H), 5.13 (ddd, 1H), 5.07 (br s, 1H), 3.97-4.05 (m, 1H), 2.92 (d, 1H), 2.85 (dd, 1H), 2.57 (dd, 1H), 2.38 (dd, 1H), 2.14-2.29 (m, 5H), 1.96-2.04 (m, 2H), 1.84-1.89 (m, 1H), 1.73-1.82 (m, 3H), 1.64-1.72 (m, 1H), 1.53 (ddd, 1H), 1.45 (br, q, 4H), 1.04 (d, 3H), 0.81 (t, 6H), 0.69 (s, 3H); 13C NMR (CD3CN): 160.12, 143.37 (d, J=17 Hz), 142.83, 137.33, 133.21 (d, J=2 Hz), 126.96, 124.84, 120.83, 117.33 (d, J=32 Hz), 115.40 (d, J=10 Hz), 93.74, 91.51, 74.83, 65.72 (d, J=5 Hz), 58.19, 50.31, 45.14, 40.94 (d, J=21 Hz), 39.78, 35.21, 33.34, 33.33, 32.46, 29.33, 28.63, 23.56, 20.33, 16.74, 1.41. 19F NMR (CD3CN): δ-177.55; MS: m/e 482 (M+39), 465 (M+23), 425 (M-17). UV λmax: 244nm (ε 13747), 270nm (ε 13756) (CH3OH)。[α]D 25=+101° (c 1.92, CH3OH)。
(別のカップリング及び合成)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16-23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
THF (10mL, Na-ベンゾフェノン上で蒸留)中の(1S,3Z,5R)-1-フルオロ-5-(tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-2-メテニル-3-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデンシクロヘキサン(278mg, 0.59mmol, 3.6eq.)の溶液を、-75℃で冷却し、n-BuLi(0.23mL, ヘキサン中2.5M溶液, 0.57mmol)を滴下した。この赤色溶液を、20分間攪拌し、その間に温度を-50℃に上昇した。THF(2mL, Na-ベンゾフェノン上で蒸留)中の(3aR,7aS)-1-((S,E)-6-エチル-6-ヒドロキシオクタ-4-エン-2-イル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(50mg, 0.164mmol)の溶液を、5分以内に-50℃で滴下した。攪拌を2時間継続し、この間に温度を-10℃に上昇した。TLCは、約20%転換を示した。この黄色溶液へ、TBAF(1.8mL, THF中1M溶液, 水約5%含有)を滴下し、この時点でこの溶液は赤茶色に変化した。この反応混合物を、一晩で室温に到達させた。反応混合物を、氷冷した1M KHCO3水溶液(水30mL中3g)の添加により反応停止し、この混合物を酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。一緒にした有機層を、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、濾液を30℃で真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(SiO2, ヘプタン中25%酢酸エチル)により精製し、表題化合物(13mg, 18%)を白色泡状物として得た。
(実施例2)
(21-(3-ヒドロキシ-3-ジメチルブチル)-1,25-ジヒドロキシ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
([1R-[1α(2E,4E,7E),3aβ,4α,7aα]]-5-[4-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]オクタヒドロ-7a-メチル-1H-インデン-1-イル]-2,4,7-ノナトリエン二酸ジエチルエステル)
Figure 2010504306
ジクロロメタン20mL中の[1R-(1α,3aβ,4α,7aα)]-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル[[オクタヒドロ-7a-メチル-1-(1-メチルエテニル)-1H-インデン-4-イル]オキシ]シラン3.08g (10.0mmol)及びプロピオル酸エチル3.92g (40.0mmol)の攪拌溶液へ、ヘキサン中のエチルアルミニウムジクロリド1.0M溶液40mL(40.0mmol)を添加した。この混合物を、アルゴン下室温で24時間攪拌し、プロピオル酸エチル981mg(10mmol)及びヘキサン中のエチルアルミニウムジクロリド1.0M溶液7.5mL(7.5mmol)で処理し、更に18時間攪拌した。得られたオレンジ-赤色溶液を、酢酸エチル200mL及び50%ブライン100mLの混合物へ少量ずつ添加し、弱い泡立ち(fizzing)が収まった後、有機相を収集し、水相を酢酸エチル3×100mLで再抽出した。一緒にした有機抽出液を、50%ブライン2×100mLで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、赤味を帯びたゴム状物5.76gを得、これを、溶離液としてヘキサン中10%酢酸エチルを使う、シリカゲル120g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーに供し、20-mL画分を収集した。画分21-32を一緒にし、蒸発させ、粗生成物2.18gを得た。更なる精製を、溶離液としてヘキサン中7.5%酢酸エチルを使用する、HPLC(15〜30μmメッシュシリカゲル, 50cm×50mmカラム, 流量70mL/分)により行い、RT 25分の、淡黄色ゴム状物として表題化合物1.62g(32%)を得た:[α]25 D=+83.50° (EtOH, c=0.98);UV (MeOH) 284 (ε=28,173), 207 (ε=16,884)nm; IR (CHCl3) 1708, 1651, 1628cm-11H NMR (CDCl3) δ 0.006 (6H, s), 0.80 (3H, s), 0.88 (9H, s), 1.16 (1H, t, J=7.6 Hz), 1.28 (6H, 重なりt, J=7 Hz), 1.67-1.78, (6H, m), 2.16 (1H, t, J=9 Hz), 3.00, (1H, dd, J=6, 16, Hz), 3.35 (1H, dd, J=16,4 Hz), 4.02(1H, s), 4.16 (4H, 重なりq, J=7 Hz), 5.75 (1H, d, J=16 Hz), 5.84 (1H, d, J=15 Hz), 6.17 (1H, d, J=11 Hz), 6.88 (1H, dt, J=16,6 Hz), 7.50 (1H, dd, J=11, 15, Hz); MS (EI) m/z 504 (M+, 23)。C29H48O5Siの分析:理論値:C, 69.00;H, 9.58;Si, 5.56。実測値:C, 68.94; H, 9.69;Si, 5.67。
([1R-(1α,3aβ,4α,7aα)]-5-[4-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]オクタヒドロ-7a-メチル-1H-インデン-1-イル]ノナン二酸ジエチルエステル)
Figure 2010504306
酢酸エチル50mL中の[1R-[1α(2E,4E,7E),3aβ,4α,7aα]]-5-[4-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]オクタヒドロ-7a-メチル-1H-インデン-1-イル]-2,4,7-ノナトリエン二酸ジエチルエステル1.009g (2.0mmol)の攪拌溶液を、チャコールに担持された10%パラジウム200mg上、室温及び大気圧で、水素吸収が静まるまで(水素140mLを2.5時間の間に吸収した)、水素添加した。この混合物を、セライトパッド上で濾過し、これを酢酸エチル4×50mLで洗浄し、一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、無色の油状物1.07gを得た。これは、溶離液としてヘキサン中12%酢酸エチルを使用する、シリカゲル60g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、20-mL画分を収集した。画分7-12を一緒にし、蒸発させ、表題化合物964mg(94%)を無色の油状物として得た:[α]25 D=+32.1° (CHCl3, c=1.04); IR (CHCl3) 1726cm-11H NMR (CDCl3) δ 0.00 (3H, s), 0.01 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.88 (3H, s), 1.27 (6H, t, J=7 Hz), 1.28-1.90 (21H, m), 2.25 (4H, br t), 3.98 (1H, s), 4.11 (4H, q, J=7 Hz); MS (FAB) m/z 511 (M++1, 100)。C29H54O5Siの分析:理論値:C, 68.11;H, 10.66;Si, 5.50。実測値:C, 68.21;H, 10.85;Si, 5.43。
([1R-(1α,3aβ,4α,7aα)]-6-[4-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]オクタヒドロ-7a-メチル-1H-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-2,10-ウンデカンジオール)
Figure 2010504306
無水THF 12mL中の[1R-(1α,3aβ,4α,7aα)]-5-[4-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]オクタヒドロ-7a-メチル-1H-インデン-1-イル]ノナン二酸ジエチルエステル868mg(1.7mmol)の攪拌溶液へ、エーテル中のメチルマグネシウムブロミドの3.0M溶液5.0mL(15mmol)を、冷却しながら(氷浴)滴下した。この混合物を、室温で45分間攪拌し、5℃に冷却し、飽和NH4Cl 3.0mLを滴下することにより反応停止した。弱い泡立ちが収まった後、酢酸エチル15mL及び飽和NH4Cl 15mLを添加し、攪拌を20分間継続し、この混合物を酢酸エチル100mL及び飽和NH4Cl 50mLへ注いだ。この有機相を収集し、水相を酢酸エチル3×60mLで再抽出した。一緒にした有機抽出液を、50%ブライン2×100mLで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、無色のゴム状物814mgを得、これを溶離液としてヘキサン中50%酢酸エチルを使用する、シリカゲル100g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、20-mL画分を得た。画分19-20を一緒にし、蒸発させ、高真空乾燥(17時間)後、無色の泡状物として表題化合物763mg(93%)を得た:[α]25 D=+35.8° (EtOH, c=1.02); IR (CHCl3) 3608cm-11H NMR (CDCl3) δ 0.00 (6H, s), 0.88 (9H, s), 0.90 (3H, s), 1.20 (12H, s), 1.23-1.90 (27H, m), 3.99 (1H, s); MS (EI) m/z 482 (3, M+)。C29H58O3Siの分析:理論値:C, 72.14;H, 12.11;Si, 5.82。実測値:C, 72.18;H, 11.99;Si, 5.69。
([1S-(1α,3aβ,4α,7aα)]オクタヒドロ-1-[5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-5-メチルヘキシル]-7a-メチル-4H-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
テフロンボトル中に入ったTHF 5mL及びCH3CN 15mL中の[1R-(1α,3aβ,4α,7aα)]-6-[4-[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]オクタヒドロ-7a-メチル-1H-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-2,10-ウンデカンジオール700mg(1.45mmol)の攪拌溶液へ、フルオロケイ酸のほぼ30%水溶液3.0mLを添加し(A. S. Pilcher及びP. DeShongの論文に従い調製, J. Org. Chem., 1993, 58, 5130)、この混合物を、アルゴン下、室温で1.0時間攪拌した。その後4つのフルオロケイ酸溶液の2.0-mL部分を、試薬合計が11mL及び反応時間5時間となるまで、1時間間隔で添加した。この反応混合物を、酢酸エチル125mL及び飽和KHCO3水溶液75mLの混合物へ慎重に注いだ。弱い泡立ちが収まった後、この有機相を収集し、水相を、酢酸エチル3×75mLで再抽出した。有機抽出液を、50%ブライン125mLで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、ゴム状物534mgを生じ、これを溶離液として70%酢酸エチルを使用する、シリカゲル70g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、20-mL画分を得た。画分17-30を一緒にし、濾過し、蒸発させ、残渣を、高真空下で4時間維持し、無色の泡状物として表題化合物458mg(85%)を得た:[α]25 D=+26.2° (CHCl3, c=0.76); IR (CHCl3) 3608cm-11H NMR (CDCl3) δ 0.93 (3H, s), 1.21 (12H, s), 1.24-1.60 (24H, m), 1.79-1.95 (4H, m), 4.07 (1H,s); MS (FAB) m/z 369 (M+ +H)。
([1S-(1α,3aβ,7aα)]オクタヒドロ-1-[5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-5-メチルヘキシル]-7a-メチル-4H-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン8.0mL中の[1S-(1α,3aβ,4α,7aα)]オクタヒドロ-1-[5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-5-メチルヘキシル]-7a-メチル-4H-インデン-4-オール400mg(1.08mmol)の攪拌溶液へ、ジクロム酸ピリジニウム1.30g(3.45mmol)を添加し、この混合物を室温で4.75時間攪拌した。これを、ジイソプロピルエーテル20mLで希釈し、更に15分間攪拌し、セライトパッド上で濾過した。このセライトを、ジイソプロピルエーテル4×40mLで洗浄し、一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、淡黄色ゴム状物405mgを生じ、これを、溶離液としてヘキサン中75%酢酸エチルを使用する、シリカゲル70g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、20-mL画分を得た。画分17-30を一緒にし、蒸発させ、無色のゴム状物を得、これを高真空下で4.5時間放置し、無色のゴム状物として表題化合物372mg(94%)を得た:[α]25 D 0.45° (EtOH, c=0.92); IR (CHCl3) 3608,1706cm-11H NMR (CDCl3) δ 0.63 (3H, s), 1.22 (12H, s), 1.30-2.10 (22H, m), 2.20-2.28 (2H, m), 2.45 (1H, dd, J=7.6, 11 Hz); MS m/z 348 (M+-18)。
([1S-(1α,3aβ,7aα)]オクタヒドロ-7a-メチル-1-[5-メチル-1-[4-メチル-4-[(トリメチルシリル)オキシ]ペンチル]-5-[(トリメチルシリル)オキシ]ヘキシル]-4H-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン10.0mL中の[1S-(1α,3aβ,7aα)]オクタヒドロ-1-[5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-5-メチルヘキシル]-7a-メチル-4H-インデン-4-オン366.6mg(1.0mmol)の攪拌溶液へ、1-(トリメチルシリル)イミダゾール1.25mL(8.5mmol)を添加し、この混合物を、アルゴン下、室温で4.25時間攪拌した。これを、水7.0mLで希釈し、更に15分間攪拌し、酢酸エチル75mL及び50%ブライン50mLの混合物へ注いだ。この有機相を収集し、水相を酢酸エチル3×50mLで再抽出した。一緒にした有機抽出液を、50%ブライン3×75mLで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、無色の油状物を得、これを溶離液としてヘキサン中20%酢酸エチルを使用する、シリカゲル65g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、20-mL画分を得た。画分5-7を一緒にし、約5mLに濃縮し、0.45μmフィルター(Millex-HV)を通して濾過し、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これを高真空下に18時間放置し、表題化合物469mg(91%)を得た:[α]25 D=-3.21° (CHCl3, c=0.87); IR (CHCl3); 1706cm-11H NMR (CDCl3) δ 0.01 (18H, s), 0.63 (3H, s), 1.20 (6H, s), 1.21 (6H, s), 1.26-1.49 (14H, m), 1.50-2.10 (8H, m), 2.21-2.31 (2H, m), 2.46 (1H, dd, J=12, 11 Hz); MS (EI) m/z 495 (M+-15)。C29H58O3Si2の分析:理論値:C, 68.17;H, 11.44;Si, 10.99。実測値:C, 68.19;H, 11.41;Si, 11.07。
((1α,3β,5Z,7E)-21-(3-ヒドロキシ-3-ジメチルブチル)-9,10-セココレスタ-5,7,10,(19)-トリエン-1,3,25-トリオール)
Figure 2010504306
無水THF 6.0mL中の試薬[3R-(3α,5β,Z)]-[3,5-ビス[[(1,1-ジメチルエチル)ジメチルシリル]オキシ]シクロヘキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィンオキシド571mg(1.0mmol)の攪拌された冷(-78℃)溶液へ、ヘキサン中n-ブチルリチウム1.6M溶液0.65mL(1.04mmol)を添加した。得られた深赤色溶液を、-78℃で10分間攪拌し、無水THF 2.5mL中の[1R-(1α,3aβ,7aα)]オクタヒドロ-7a-メチル-1-[5-メチル-1-[4-メチル-4-[(トリメチルシリル)オキシ]ペンチル]-5-[(トリメチルシリル)オキシ]ヘキシル]-4H-インデン-4-オン204.4mg(0.40mmol)で処理し、-78℃で3時間攪拌した。この混合物を、室温に温め、15分間攪拌し、1Nロッシェル塩溶液及び1N KHCO3溶液の1:1混合液15mLで反応停止した。10分後、この混合物を、酢酸エチル70mL並びに1Nロッシェル塩溶液及び1N KHCO3溶液の1:1混合液40mLの混合物へ注いだ。この有機相を分離し、水相を、酢酸エチル3×70mLで再抽出した。一緒にした有機抽出液を、10%ブライン100mLで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、無色のゴム状物760mgを得、これを、溶離液としてヘキサン中5%酢酸エチルを使用する、シリカゲル60g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、15mL画分を得た。画分5-10を一緒にし、蒸発させ、無色のゴム状物304mgを得た。これを、THF 4.0mLに溶解し、THF中のフッ化テトラ-n-ブチルアンモニウムの1.0M溶液5.0mLで処理し、この溶液を、アルゴン下、室温で42時間攪拌した。これを、水15mLで希釈し、15分間攪拌し、酢酸エチル75mL及び10%ブライン50mLの混合物へ注いだ。有機相を分離し、水相を、酢酸エチル3×70mLで再抽出した。一緒にした有機抽出液を、水5×100mLで洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させ、半固形物186mgを生じ、これを溶離液として酢酸エチル中の7.5%の2-プロパノールを使用する、シリカゲル50g(40〜65μmメッシュ, カラム直径3.5cm)上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、15-mL画分を得た。画分11-29を一緒にし、蒸発させた。残渣を、無水ギ酸メチル20mLに溶解し、この溶液を0.4μmフィルターを通して濾過した。濾液の蒸発は、無色の固形物として表題化合物154mgを得た:[α]25 D=+50.93° (MeOH, c=0.32); 1H NMR (CDCl3) δ 0.54 (3H, s), 1.21 (12H, s), 1.2-2.0 (27H, m), 2.20 (2H, m) 2.48 (1H, d, J=12 Hz), 2.25 (2H, m), 2.82 (1H, s), 4.06 (1H, br s) 4.10 (1H, br s), 5.85 (1H, d, J=12 Hz), 6.30(1H, d, J=12 Hz); MS (FAB) m/z 490.4 (M+, 30)。
(実施例3)
(1,25-ジヒドロキシ-20-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-1-(5-メチル-1-メチレン-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-オクタヒドロ-インデン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプト-6-エン-2-オール1.78g (4.510mmol)及びジクロロメタン15mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール1.98ml(13.53mmol)を滴下した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。水15mlを添加し、この混合物を10分間攪拌した。得られた混合物を、水100mlを添加することにより溶解した。水層を、ジクロロメタン50mlで3回抽出した。一緒にした有機層を、ブライン30mlで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用いる、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物2.037g(96%)を得た。
Figure 2010504306
(2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した100ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-1-(5-メチル-1-メチレン-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-オクタヒドロ-インデン1.275g(2.731mmol)、Rh2(OAc)4 25mg、及びジクロロメタン10mlを充填した。ジクロロメタン20ml中のジアゾ酢酸エチル935mg(8.202mmol)の溶液を、室温で滴下した(5ml/時)。この混合物を30分間攪拌した。反応混合物を、真空において濃縮し、残留する残渣を、移動相としてジクロロメタンを用い、カラム(100cm3)上でクロマトグラフィーに供し、異性体の混合物として生成物1.236g(82%)を得た。
Figure 2010504306
(2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-ンデン(nden)-1-イル]-2-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル1.236g(2.235mmol)、テトラヒドロフラン中1Mフッ化テトラブチルアンモニウム4ml、及びテトラヒドロフラン4mlを充填した。この反応混合物を、室温で2時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル100mlの添加により溶解し、水:ブライン(2:1) 50ml及びブライン50mlで5回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させ、無色の油状物として生成物1.081gを得た(生成物は、精製することなく次反応で使用した)。
Figure 2010504306
(5-{1-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-ヒドロキシメチル-シクロプロピル}-2-メチル-ペンタン-2-オール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロパンカルボン酸エチルエステルの粗物質(約2.2mmol)及びテトラヒドロフラン6mlを充填した。テトラヒドロフラン中の1M水素化アルミニウムリチウム6mlを滴下し、この反応混合物を室温で1.5時間攪拌した。その後このフラスコを、氷浴に配置し、水5mlを滴下した。この混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液50ml、水50ml及び1M H2SO4 25mlの添加により溶解し、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(2:1, 1:1)を使用し、シリカゲル(350cm3)上で精製し、異性体の混合物として生成物876mg(90%)を得た。
Figure 2010504306
(2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロパンカルボアルデヒド)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム575mg(2.667mmol)、セライト650mg、及びジクロロメタン12mlを充填した。ジクロロメタン4ml中の5-{1-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-ヒドロキシメチル-シクロプロピル}-2-メチル-ペンタン-2-オール562mg(1.128mmol)を滴下し、混合物を室温で2時間攪拌した。この反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1, 3:1)を使用し、シリカゲル(50cm3)及びセライト(3cm)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物として生成物550mgを得た(生成物は精製せずに次反応で使用した)。
Figure 2010504306
(3-[2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロピル]-アクリル酸エチルエステル)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、トルエン15mlを充填し、テトラヒドロフラン中の1Mカリウムtert-ブトキシド4.5mlを添加した。トルエン0.5ml中のホスホノ酢酸トリエチル1.005g(4.482mmol)を、約5℃で滴下した。この混合物を室温で1時間攪拌した。次に混合物を-15℃に冷却し、トルエン4ml中の2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロパンカルボアルデヒドの粗物質(約1.281mmol)を添加し、攪拌を-10℃で4時間継続した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液50mlにより反応停止し、酢酸エチル50mlで希釈し、無機層を、酢酸エチル50mlで2回抽出し、ブライン25mlで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(5:1, 3:1)を使用し、シリカゲル(150cm3)上で精製し、異性体の混合物として生成物518mg(2工程について80%)を得た。
Figure 2010504306
(5-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-デカン酸エチルエステル)
3-[2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロピル]-アクリル酸エチルエステル550mg(1.085mmol)を、エタノール4ml中10%Pd/C 200mg上で、周囲温度及び大気圧の水素で、水素添加した。この反応は、TLC(ヘキサン:酢酸エチル-3:1)により追跡した。16時間後、その触媒を濾過除去し、溶媒を蒸発させた。残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1, 8:1, 3:1)を使用し、シリカゲル(100cm3)上で精製し、無色の油状物として生成物549mg(99%) (異性体の混合物)を得た。
Figure 2010504306
(6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6,10-トリメチル-ウンデカン-2,10-ジオール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、5-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-9-ヒドロキシ-5,9-ジメチル-デカン酸エチルエステル1.099mg(2.151mmol)及びジエチルエーテル15mlを充填した。この溶液を、氷水(ace-water)浴中で冷却し、ジエチルエーテル中のメチルマグネシウムブロミド3.12M溶液4.10ml(12.792mmol)を滴下した。添加の完了後、この混合物を室温で3.5時間攪拌し、その後再度氷浴中で冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液10mlを滴下した。得られた沈殿を、水50mlを添加することにより溶解した。水層を、酢酸エチル50mlで3回再抽出した。一緒にしたエーテル層を、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(3:1, 2:1, 1:1)を使用する、カラム(200cm3)上でクロマトグラフィーに供した。このクロマトグラフィー(200cm3)を、混合物画分について反復し、無色の油状物として生成物1.017g(95%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.98(1H, br s), 2.00-1.95(1H, m), 1.84-1.73(1H, m), 1.66-1.63(1H, m), 1.60-1.47(4H, m), 1.43-1.30(11H, m), 1.29-1.14(8H, m), 1.20(12H, s), 1.04(3H, s), 0.90(3H, s), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 71.07, 71.05, 69.67, 57.05, 53.05, 45.03, 44.98, 43.82, 41.63, 39.87, 39.37, 39.31, 34.44, 29.45, 29.39, 29.36, 29.33, 25.89, 23.09, 22.87, 21.99, 18.47, 18.11, 17.97, 17.86, 16.78, -4.69, -5.04。
MS HRES C30H60O3Siの理論値:[M+Na]+ 519.4204
実測値:[M+Na]+ 519.4203
Figure 2010504306
(6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6,10-トリメチル-ウンデカン-2,10-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6,10-トリメチル-ウンデカン-2,10-ジオール884mg(1.779mmol)及びテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlを充填した。この反応混合物を、70℃で48時間攪拌した(24時間後テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlの新たな部分を添加した)。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1) 50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4 22上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(2:1, 1:1)を用いる、カラム(175cm3)上でクロマトグラフィーに供し、無色の油状物として生成物590mg(87%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 4.07(1H, br s), 2.02(1H, br d, J=12.6 Hz), 1.84-1.76(2H, m), 1.64-1.16(24H, m), 1.21(12H, s), 1.06(3H, s), 0.91(3H, s)。
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-1-[5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1,5-ジメチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム1.745g(4.638mmol)、セライト2.00g、及びジクロロメタン15mlを充填した。ジクロロメタン4ml中の6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6,10-トリメチル-ウンデカン-2,10-ジオール590mg(1.542mmol)を滴下し、混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物を、移動相としてジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(2:1, 1:1)を使用し、シリカゲル(50cm3)及びセライト(3cm)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、ケトン577mg(98%)を得た。
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-1-[1,5-ジメチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-1-[5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1,5-ジメチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン577mg(1.516mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール1.80ml(12.269mmol)を滴下した。この混合物を、室温で2時間30分間攪拌した。得られた混合物を、水100mlの添加により溶解した。水層を、酢酸エチル50mlで4回抽出した。一緒にした有機層を、ブライン50mlで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
この残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、シリカゲル(50cm3)上で精製し、無色の油状物として生成物739mg(93%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 2.42(1H, dd, J=9.9, 7.3 Hz), 2.30-2.13(3H, m), 2.04-1.50(9H, m), 1.42-1.14(11H, m), 1.21(6H, s), 1.20(6H, s), 0.90(3H, s), 0.73(3H, s), 0.11(9H, s), 0.10(9H, s)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン700mg(1.201mmol)及びテトラヒドロフラン5mlを充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.75ml(1.200mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で25分間攪拌し、テトラヒドロフラン1ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-1-[1,5-ジメチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン300mg(0.571mmol)を滴下した。この反応混合物を、5時間攪拌し、その後浴を取り外し、この混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。この水画分を、酢酸エチル50mlで4回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約430mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlで処理した。この反応混合物を、室温で24時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1) 50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。油状物を、酢酸メチルから結晶化し、生成物183mg(62%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 14606), 264nm (ε 17481)
1H NMR (CDCl3): 6.18(1H, d, J=11.1 Hz), 5.97(1H, d, J=11.3 Hz), 5.23(1H, d, J=1.3 Hz), 4.86(1H, d, J=4.7 Hz), 4.75(1H, d, J=1.7 Hz), 4.54(1H, d, J=3.8 Hz), 4.20-4.16(1H, m), 4.05(1H, s), 4.04(1H, s), 4.01-3.96(1H, m), 2.77(1H, br d, J=11.7 Hz), 2.35(1H, br d, J=11.5 Hz), 2.17(1H, dd, J=13.5, 5.2 Hz), 2.01-1.94(2H, m), 1.83-1.78(1H, m), 1.68-1.52(6H, m), 1.48-1.05(16H, m), 1.06(12H, s), 0.86(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 149.41, 139.87, 135.74, 122.37, 117.81, 109.72, 68.72, 68.69, 68.34, 65.07, 56.64, 56.05, 46.17, 44.85, 44.79, 43.11, 40.53, 40.12, 39.56, 38.89, 29.48, 29.45, 29.18, 28.34, 23.15, 22.98, 21.89, 21.59, 18.07, 17.56, 14.70
MS HRES:C33H56O4 の理論値:[M+Na]+ 539.4071
実測値:[M+Na]+ 539.4066
(実施例4)
(1,25-ジヒドロキシ-20-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン1.023g(1.792mmol)及びテトラヒドロフラン5mlを充填した。この反応混合物を、-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウムBuLi 1.12ml(1.792mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で25分間攪拌し、テトラヒドロフラン1ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-1-[1,5-ジメチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン350mg(0.667mmol)を加えた。この反応混合物を5時間攪拌し、その後ドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで4回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(30:1及び10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約500mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム6mlで処理した。この反応混合物を、室温で20時間攪拌した。テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム3mlの新規部分を添加し、この混合物を22時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1) 50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を、酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色固形物として生成物285mg(85%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 33019), 251nm (ε 38843), 261nm (ε 26515)
1H NMR (CDCl3): 6.29(1H, d, J=11.1 Hz), 5.83(1H, d, J=11.1 Hz), 4.12-4.09(1H, m), 4.06-4.00(1H, m), 2.80-2.71(2H, m), 2.47(1H, dd, J=13.3, 3.1 Hz), 2.23-2.17(2H, m), 2.05-1.91(3H, m), 1.78(1H, ddd, J=13.1, 8.3, 3.1 Hz), 1.67-1.16(24H, m), 1.21(12H, s), 0.89(3H, s), 0.63(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 142.76, 131.16, 123.67, 115.63, 71.04, 67.38, 67.15, 57.18, 56.69, 46.73, 44.97, 44.92, 44.66, 42.20, 41.15, 39.70, 39.54, 39.37, 37.22, 29.44, 29.39, 29.36, 28.90, 23.48, 23.14, 22.41, 21.97, 18.44, 17.95, 15.12
MS HRES:C32H56O4 の理論値:[M+Na]+ 527.4071
実測値:[M+Na]+ 527.4073
(実施例5)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン680mg (1.445mmol)及びテトラヒドロフラン5mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.9ml(1.44mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で25分間攪拌し、テトラヒドロフラン1ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-1-[1,5-ジメチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン300mg(0.571mmol)を滴下した。この反応混合物を4時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を、1時間の間に最高-40℃まで温めた。この混合物を酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(30:1及び10:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約399mg)を得、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlで処理した。この反応混合物を、室温で20時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(2:1及び3:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物243mg(82%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 208nm (ε 16024), 242nm (ε 14965), 270nm (ε 15024)
1H NMR (CDCl3): 6.39(1H, d, J=11.1 Hz), 6.01(1H, d, J=11.3 Hz), 5.38(1H, s), 5.13(1H, ddd, J=49.9, 6.8, 3.7 Hz), 5.09(1H, s), 4.25-4.18(1H, m), 2.82-2.77(1H, m), 2.61(1H, dd, J=13.3, 3.7 Hz), 2.30(1H, dd, J=13.3, 7.6 Hz), 2.22-2.13(1H, m), 2.07-1.94(3H, m), 1.76-1.15(24H, m), 1.21(12H, s), 0.89(3H, s), 0.63(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 143.30, 143.06(d, J=16.7 Hz), 131.40, 125.47, 117.37, 114.71(d, J=9.9 Hz), 91.53(d, J=172.6 Hz), 71.05, 71.05, 66.53, 66.47, 57.17, 56.74, 46.89, 44.96, 44.90, 41.17, 40.87, 40.67, 39.67, 39.51, 39.36, 29.41, 29.35, 29.07, 23.56, 23.11, 22.37, 21.90, 18.43, 17.94, 15.05。
(実施例6)
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-メチレン-プロピル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプター及び窒素掃引を装着した250ml丸底フラスコに、3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-ブタ-3-エン-1-オール17.53g (51.77mmol)及びジクロロメタン75mlを充填した。イミダゾール7.05g (103.54mmol)、引き続きt-ブチルジメチルシリルクロライド9.36g(62.124mmol)を添加した。この混合物を2.5時間攪拌した。
次に混合物を、水100mlで希釈し、ジクロロメタン50mlで4回抽出した。一緒にした有機層を、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン、ヘキサン:酢酸エチル(50:1, 25:1)を使用し、カラム(400cm3)上でクロマトグラフィーに供し、約40ml画分を収集し、無色の油状物として生成物22.32g(95%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 4.87(1H, s), 4.80(1H, s), 4.02(1H, br s), 3.67(2H, t, J=7.3 Hz), 2.34-2.14(2H, m), 2.06-2.00(1H, m), 1.85-1.27(9H, m), 1.20-1.08(2H, m), 0.89(18H, s), 0.79(3H, s), 0.05(6H, s), 0.02(3H, s), 0.01(3H, s)。
Figure 2010504306
(2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-[3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-メチレン-プロピル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン10.00g (22.08mmol)、Rh2(OAc)4 200mg、及びジクロロメタン40mlを充填した。ジクロロメタン30ml中のジアゾ酢酸エチル5.304g(46.486mmol)の溶液を、室温で滴下した(12ml/時)。この反応混合物を、真空において濃縮し、残留する残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を使用し、カラム(200cm3)上で濾過した。この溶媒を蒸発させ、油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(25:1, 10:1及び5:1)を使用し、カラム(250cm3)上でクロマトグラフィーに供し、異性体の混合物として生成物8.44g(71%)を得た。
Figure 2010504306
({2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-メタノール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロパンカルボン酸エチルエステル4.140g(7.682mmol)及びジクロロメタン20mlを充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、トルエン中の1.5M DIBAL-H 10.0ml(15.0mmol)を45分間に滴下した。この反応液を、-70℃で1時間攪拌し、その後飽和塩化アンモニウム溶液5mlを滴下した。
この混合物を、水100ml及び1N HCl 50mlの添加により溶解し、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1, 3:1)を使用し、カラム(200cm)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(異性体の混合物)3.610g(94%)を得た。
Figure 2010504306
(2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロパンカルボアルデヒド)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム6.074g(28.178mmol)、セライト7.00g及びジクロロメタン100mlを充填した。ジクロロメタン10ml中の{2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-メタノール6.970g(14.027mmol)を滴下し、混合物を室温で1時間攪拌した。この反応混合物を、シリカゲル(200cm3)及びセライト(2cm)のカラム通し、移動相としてジクロロメタンを使用し、濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(約5.71g)を得た。生成物を、更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
(3-{2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-アクリル酸エチルエステル)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、トルエン80mlを充填し、テトラヒドロフラン中の1Mカリウムtert-ブトキシド35.0ml(35.0mmol)を添加した。トルエン5ml中のホスホノ酢酸トリエチル7.850g (35.015mmol)を約5℃で滴下した。この混合物を、室温で1時間攪拌した。その後混合物を-15℃に冷却し、トルエン5ml中の2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロパンカルボアルデヒド粗物質(約11.54mmol)を添加し、攪拌を-10℃で3時間継続した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液10mlにより反応停止し、飽和塩化アンモニウム溶液100mlで希釈し、トルエン50mlで4回、その後酢酸エチル50mlで抽出した。有機層を、ブライン50mlで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1)を使用し、シリカゲル(200cm3)上で精製し、生成物(異性体の混合物)5.750g(88%)を得た。
Figure 2010504306
(7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-5-メチル-ヘプタン酸エチルエステル)
3-{2-[2-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-エチル]-2-[(1S,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-アクリル酸エチルエステル5.750g(10.177mmol)を、エタノール40ml中、10%Pd/C 1.60g上、室温及び大気圧の水素で水素添加した。この反応は、TLC(ヘキサン:酢酸エチル-50:1)により追跡した。18時間後、触媒を濾過除去し、溶媒を蒸発させた。残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(100:1, 50:1, 20:1)を使用し、シリカゲル(300cm3)上で精製し、生成物(異性体の混合物)5.150g(89%)を得た。
Figure 2010504306
(8-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6-ジメチル-オクタン-2-オール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-5-メチル-ヘプタン酸エチルエステル5.110g (8.980mmol)及びジエチルエーテル80mlを充填した。この溶液を、氷水浴で冷却し、ジエチルエーテル中の3.12Mメチルマグネシウムブロミド溶液17.4ml(54.3mmol)を滴下した。添加の完了後、この混合物を、室温で2.5時間攪拌し、その後再度氷浴中で冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液10mlを滴下した。得られた沈殿を、飽和塩化アンモニウム溶液50mlの添加により溶解した。水層を、酢酸エチル100mlで3回抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。この生成物を、更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
(3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-3,7-ジメチル-オクタン-1,7-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、8-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-6-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6-ジメチル-オクタン-2-オール粗物質(約8.98mmol)、テトラヒドロフラン10ml、及びテトラヒドロフラン中1Mフッ化テトラブチルアンモニウム15.0ml(15.0mmol)を充填した。この反応混合物を、室温で2.5時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を使用し、カラム(400cm3)上で4回クロマトグラフィーに供し、以下を得た:1回目-1.456g(低極性エピマー);2回目-0.852g(エピマーの混合物);3回目-1.132g(より極性のあるエピマー)。全ての生成物3.440g(2工程で88%)。
(低極性エピマー:(3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-3,7-ジメチル-オクタン-1,7-ジオール)
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.90(1H, br s), 3.67(2H, br t, J=8.1 Hz),2.06-1.99(1H, m), 1.87-1.50(4H, m), 1.73(2H, t, J=7.9 Hz), 1.40-1.06(14H, m), 1.22(6H, s), 1.06(3H, s), 0.95(3H, s), 1.95-0.82(1H, m), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 71.03, 69.58, 59.79, 57.32, 52.99, 44.78, 43.81, 41.64, 41.58, 40.26, 38.68, 34.37, 29.48, 29.36, 25.86, 23.49, 22.78, 21.72, 18.18, 18.09, 17.78, 16.78, -4.70, -5.07
MS HRES:C26H52O3Siの理論値:[M+Na]+ 463.3578
実測値:[M+Na]+ 463.3580
(より極性のあるエピマー:(3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-3,7-ジメチル-オクタン-1,7-ジオール)
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.99-3.97(1H, m), 3.65-3.61(2H, m), 1.97(1H, br d, J=12.3 Hz), 1.84-1.72(1H, m), 1.66-1.50(6H, m), 1.45-1.15(14H, m), 1.21(6H, s), 1.05(3H, s), 0.95(3H, s), 0.87(9H, s), -0.01(3H, s), -0.02(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 71.05, 69.57, 59.47, 57.46, 53.02, 44.87, 43.90, 41.83, 41.61, 39.99, 38.93, 34.37, 29.43, 29.42, 25.87, 23.42, 22.84, 22.12, 18.57, 18.09, 17.81, 16.79, -4.69, -5.06。
MS HRES:C26H52O3Siの理論値:[M+Na]+ 463.3578
実測値:[M+Na]+ 463.3575
Figure 2010504306
((3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム1.572g(7.292mmol)、セライト1.60g、及びジクロロメタン25mlを充填した。ジクロロメタン6ml中の(3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-3,7-ジメチル-オクタン-1,7-ジオール1.607g(3.646mmol)を滴下し、混合物を室温で1時間45分攪拌し、クロロクロム酸ピリジニウムの追加部分300mg(1.392mmol)を添加した。この反応液を、次に1時間15分攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を使用し、シリカゲル(50cm3)及びセライト(1cm)のカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物として生成物1.58gを得た。この生成物を更に精製することなく次反応に使用した。
Figure 2010504306
((6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6-ジメチル-ノン-8-イン-2-オール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール1.58g(3.601mmol)及びメタノール30mlを充填した。メタノール3ml中の(1-ジアゾ-2-オキソ-プロピル)-ホスホン酸ジメチルエステル1.416g(7.37mmol)を添加し、得られた混合物を氷浴中で冷却した。炭酸カリウム1.416g(10.245mmol)を添加し、反応混合物を氷浴中で30分間、その後室温で3時間攪拌した。水100mlを添加し、この混合物を、酢酸エチル80mlで3回抽出し、Na2SO4 上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(7:1)を使用し、カラム(250cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物1.310g(83%, 2工程)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.98(1H, br s), 2.28(2H, d, J=2.1 Hz), 1.95-1.91(2H, m), 1.78(1H, dt, J=13.4, 3.8 Hz), 1.68-1.62(1H, m), 1.58-1.48(6H, m), 1.44-1.17(15H, m), 1.22(6H, s), 1.04(3H, s), 1.00(3H, s), 0.93-0.83(1H, m), 0.88(9H, s), -0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 83.09, 71.03, 69.84, 69.64, 56.68, 52.95, 44.80, 43.71, 41.31, 40.21, 39.28, 34.33, 29.44, 29.29, 28.80, 25.85, 22.74, 22.69, 22.18, 18.14, 18.05, 17.73, 16.68, -4.77, -5.13
MS HRES:C27H50O2Siの理論値:[M+Na]+ 457.3472
実測値:[M+Na]+ 457.3473
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-[(1S)-1,5-ジメチル-1-プロピ-2-イニル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6-ジメチル-ノン-8-イン-2-オール1.300g(2.990mmol)及びジクロロメタン25mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール2.00ml(13.63mmol)を滴下した。この混合物を、室温で1時間攪拌した。
水100mlを添加し、この混合物を、ヘキサン80mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(25:1)を使用し、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物1.409g(93%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 3.98(1H, br s), 2.27(2H, d, J=2.9 Hz), 1.97-1.91(2H, m), 1.82-1.75(1H, m), 1.69-1.62(1H, m), 1.59-1.50(2H, m), 1.42-1.20(12H, m), 1.20(6H, s), 1.05(3H, s), 1.00(3H, s), 0.93-0.85(1H, m), 0.88(9H, s), 0.10(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)。
Figure 2010504306
((6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリフルオロ-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプター及び漏斗(冷却浴付き)を装着した50ml二首丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-[(1S)-1,5-ジメチル-1-プロピ-2-イニル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン1.390g(2.742mmol)及びテトラヒドロフラン30mlを充填した。漏斗をヘキサフルオロアセトンの入った容器に接続し、冷却した(アセトン、ドライアイス)。この反応混合物を-70℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の1.6M n-ブチルリチウム5.00ml(8.00mmol)を滴下した。30分後、ヘキサフルオロアセトンを添加した(容器のバルブは3回開放した)。この反応液を、-70℃で2時間攪拌し、その後飽和塩化アンモニウム溶液5.0mlを添加した。この混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液100mlの添加により溶解し、酢酸エチル80mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、大量の高分子化合物を除去するために、クロマトグラフィーに2回供した。第一のカラム(100cm3)は、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用する。第二のカラム(100cm3)は、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(25:1, 15:1)を使用する。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物1.959gを得た。生成物を、更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリフルオロ-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール粗物質(約2.74mmol)及びテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム12.0ml(12.0mmol)を充填し、反応液を、70℃で攪拌した。18時間後、テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5.0mlの新たな部分を添加した。この反応混合物を、70℃で次の80時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(3:1, 2:1)を使用し、カラム(200cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。残渣を、ヘキサン-酢酸エチルから結晶化し、白色結晶としての生成物917mg(69%, 2工程)を得た。
m.p. 146-147℃
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 4.08(1H, br s), 2.45(1H, AB, J=17 Hz), 2.36(1H, AB, J=17 Hz), 1.98-1.92(1H, m), 1.85-1.74(2H, m), 1.67-1.18(18H, m), 1.25(6H, s), 1.07(3H, s), 1.02(3H, s)
MS HRES:C24H36F6O3の理論値:[M+Na]+ 509.2461
実測値:[M+Na]+ 509.2459
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール300mg(0.617mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。ジクロム酸ピリジニウム696mg(1.851mmol)及びセライト710mgを添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、シリカゲル(50cm3)及びセライト(2cm)の入ったカラムを通し、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を用いて濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物を得た。この生成物を、更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン1.798g(3.084mmol)及びテトラヒドロフラン12mlを充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の1.6M n-ブチルリチウム1.9ml(3.04mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オンの粗物質(約0.617mmol)を滴下した。反応混合物を、5時間攪拌し、その後浴を取り除き、この混合物を酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(5:1)を使用し、カラム(75cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(293mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlで処理した。反応混合物を、室温で40時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlを添加することにより溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物190mg(50% 3工程)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 205.50nm (ε 16586), 266.00nm (ε 14319)
1H NMR (CDCl3): 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.23(1H, br s), 6.00(1H, d, J=11.1 Hz), 5.32(1H, s), 4.98(1H, s), 4.43(1H, dd, J=7.7, 4.3 Hz), 4.25-4.20(1H, m), 2.82-2.79(1H, m), 2.59(1H, dd, J=13.1, 3.1 Hz), 2.44(1H, AB, J=17.2 Hz), 2.37(1H, AB, J=17.2 Hz), 2.30(1H, dd, J=13.2, 6.2 Hz,), 2.06-1.87(4H, m), 1.72-1.36(11H, m), 1.26-1.21(1H, m), 1.24(6H, s), 0.99(3H, s), 0.64(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 147.48, 142.29, 133.16, 124.72, 121.32(q, J=287.1 Hz), 117.59, 11.68, 90.08, 72.62, 71.39, 70.73, 66.89, 57.28, 56.52, 46.65, 45.18, 43.20, 42.81, 41.04, 40.89, 40.03, 29.79, 29.35, 28.95, 23.45, 22.86, 22.60, 21.84, 17.77, 14.93。
MS HRES:C33H46F6O4の理論値:[M+Na]+ 643.3192
実測値:[M+Na]+ 643.3192。
(実施例7)
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン585mg(1.207mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール1.5ml(10.2mmol)を滴下した。混合物を、室温で3時間攪拌した。酢酸エチル150mlを添加し、混合物を、水50mlで3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物660mg(87%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 2.44-2.39(3H, m), 2.32-2.16(2H, m), 2.10-1.99(2H, m), 1.95-1.84(2H, m), 1.77-1.56(4H, m), 1.38-1.19(7H, m), 1.20(6H, s), 1.03(3H, s), 0.74(3H, s), 0.28(9H, s), 0.10(9H, s)
Figure 2010504306
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン618mg(1,083mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム BuLi 0.67ml(1.07mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン335mg(0.532mmol)を加えた。この反応混合物を、5時間攪拌し、その後ドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlへ注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで4回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約440mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を、室温で29時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1) 50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物308mg(95%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 29530), 252nm (ε 33645), 261nm (ε 23156)
1H NMR (CDCl3): 6.28(1H, d, J=11.3 Hz), 5.83(1H, d, J=11.1 Hz), 4.12-4.09(1H, m), 4.05-4.01(1H, m), 2.80-2.72(2H, m), 2.46(1H, dd, J=13.4, 3.0 Hz), 2.42(1H, AB, J=16.8 Hz), 2.36(1H, AB, J=16.8 Hz), 2.22-2.16(2H, m), 2.04-1.86(6H, m), 1.80-1.38(17H, m), 1.23(6H, s), 0.99(3H, s), 0.63(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 142.13, 131.41, 123.55, 121.36(q, J=286.9 Hz), 115.88, 72.40, 71.40, 67.40, 67.15, 27.19, 56.47, 46.50, 44.44, 43.40, 41.94, 40.91, 40.83, 39.97, 37.09, 29.65, 29.29, 29.26, 28.79, 23.35, 22.79, 22.60, 21.81, 17.79, 15.00
MS HRES:C32H46F6O4の理論値:[M+Na]+ 631.3192
実測値:[M+Na]+ 631.3191
(実施例8)
((20S)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20S)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン495mg (1.052mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.65ml(1.04mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン300mg(0.477mmol)を滴下した。反応混合物を、4時間攪拌し、その後ドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約429mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を、室温で18時間攪拌した。混合物を酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。この油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を、酢酸メチル中に溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物274mg(92%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 212nm (ε 34256), 243nm (ε 15866), 271nm (ε 16512)
1H NMR (CDCl3): 6.38(1H, d, J=11.3 Hz), 6.01(1H, d, J=11.3 Hz), 5.38(1H, s), 5.13(1H, ddd, J=49.9, 6.6, 3.6 Hz), 5.09(1H, s), 4.23-4.19(1H, m), 2.80(1H, dd, J=12.0, 3.5 Hz), 2.61(1H, dd, J=13.3, 3.7 Hz), 2.43(1H, AB, J=16.9 Hz), 2.36(1H, AB, J=16.9 Hz), 2.30(1H, dd, J=13.4, 7.9 Hz), 2.24-2.15(1H, m), 2.04-1.92(3H, m), 1.73-1.35(17H, m), 1.26-1.21(1H, m), 1.24(6H, s), 0.99(3H, s), 0.64(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 142.97(d, J=16.8 Hz), 142.69, 131.68(d, J=2.2 Hz), 125.37, 121.34(q, J=286.9 Hz), 117.63, 114.99(d, J=10.0 Hz), 91.61(d, J=172.4 Hz), 90.07, 72.62, 71.38, 66.56(d, J=6.0 Hz), 57.26, 56.53, 46.68, 44.91, 43.31, 40.97, 40.89, 40.68(d, J=20.6 Hz), 40.01, 29.67, 29.28, 28.98, 23.43, 22.81, 22.60, 21.78, 17.79, 14.96
MS HRES:C33H45F7O3の理論値:[M+Na]+ 645.3149
実測値:[M+Na]+ 645.3148
(実施例9)
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-(2Z)-エニル)コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((3Z,6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
25ml丸底フラスコに、(6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール250mg(0.514mmol)、5%Pd/CaCO3 70mg、ヘキサン6.0ml、酢酸エチル2.4ml、及びエタノール中のキノリン溶液0.23ml(エタノール3.1ml及びキノリン168μlから調製)を充填した。この基質を、周囲温度及び大気圧の水素で水素添加した。この反応を、TLC(ヘキサン:酢酸エチル-2:1)により追跡した。7時間後、触媒を濾過除去し、溶媒を蒸発させた。残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用い、シリカゲル(125cm3)上で精製した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物243mg(97%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.14-6.05(1H, m), 5.49(1H, d, J=12.5 Hz), 4.08(1H, br s), 2.83(1H, dd, J=15.9, 9.7 Hz), 2.48-2.38(1H, m), 1.85-1.75(2H, m), 1.65-1.20(17H, m), 1.22(3H, s), 1.20(3H, s), 1.08(3H, s), 1.03-0.96(1H, m), 1.00(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 140.22, 117.44, 71.79, 69.66, 56.74, 52.58, 44.11, 43.45, 41.19, 40.24, 39.64, 36.88, 33.44, 30.09, 28.88, 22.55, 22.21, 21.70, 17.63, 17.58, 16.54。
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(3Z,6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール290mg(0.594mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。ジクロム酸ピリジニウム700mg(1.861mmol)及びセライト750mgを添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を使用し、シリカゲル(75cm3)及びセライト(2cm)の入ったカラム通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物を得た。生成物は、更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-(2Z)-エニル)コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン1.800g(3.088mmol)及びテトラヒドロフラン10.0mlを充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中1.6M n-ブチルリチウム1.9ml(3.04mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン278mg(0.571mmol)を滴下した。反応混合物を、5時間攪拌し(最後の0.5時間は-20℃で)、次に浴を取り外し、この混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlへ注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(4:1)を使用し、カラム(75cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(309mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlで処理した。反応混合物を、室温で22時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物192mg(54%, 2工程)を得た。
UV λmax (EtOH): 204.08nm (ε 27522), 266.03nm (ε 20144)
1H NMR (CDCl3): 6.37(1H, d, J=11.1 Hz), 6.10(1H, ddd, J=12.5, 9.0, 6.0 Hz), 6.00(1H, d, J=11.3 Hz), 5.47(1H, d, J=12.2 Hz), 5.32(1H, s), 5.07(1H, br, s), 4.99(1H, s), 4.43(1H, dd, J=7.8, 4.2 Hz), 4.25-4.20(1H, m), 2.85-2.79(2H, m), 2.59(1H, dd, J=13.4, 3.0 Hz), 2.46(1H, dd, J=16.4, 4.9 Hz), 2.31(1H, dd, J=13.4, 6.4 Hz), 2.04-1.97(3H, m), 1.90(1H, ddd, J=12.0, 8.2, 3.2 Hz), 1.76-1.20(17H, m), 1.21(3H, s), 1.20(3H, s), 1.06-1.00(1H, m), 0.96(3H, s), 0.64(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 147.51, 142.74, 140.17, 132.92, 124.88, 122.95(q, J=286.9 Hz), 122.80(q, J=285.5 Hz), 117.52, 117.39, 111.65, 71.94, 70.73, 66.88, 56.86, 56.65, 46.79, 45.20, 43.95, 42.83, 41.06, 40.09, 39.75, 37.22, 30.35, 29.05, 28.82, 23.58, 22.50, 22.19, 21.93, 17.53, 15.04
MS HRES:C33H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 645.3349
実測値:[M+Na]+ 645.3350
(実施例10)
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン590mg(1.213mmol)及びジクロロメタン15mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール1.4ml(9.5mmol)を滴下した。混合物を、室温で4時間攪拌した。酢酸エチル150mlを添加し、混合物を水50mlで3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物726mg(95%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.07-5.99(1H, m), 5.41(1H, d, J=11.4 Hz), 2.52(2H, dd, J=6.2, 2.6 Hz), 2.44-2.38(1H, m), 2.31-1.54(11H, m), 1.36-1.14(6H, m), 1.19(6H, s), 0.97(3H, s), 0.74(3H, s), 0.25(9H, s), 0.09(9H, s)。
Figure 2010504306
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン841mg (1,473mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム BuLi 0.88ml(1.41mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン369mg(0.585mmol)を加えた。反応混合物を5時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。混合物を酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約560mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム8mlで処理した。反応混合物を室温で8時間攪拌した。テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム7mlの新たな部分を添加し、この混合物を40時間攪拌した。混合物を酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を、酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物327mg(92%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243.67nm (ε 36197), 252.00nm (ε 41649), 261.83nm (ε 28455)
1H NMR (CDCl3): 6.31(1H, d, J=11.2 Hz), 6.11(1H, ddd, J=12.4, 9.3, 5.7 Hz), 5.84(1H, d, J=10.7 Hz), 5.48(1H, d, J=11.7 Hz), 4.12(1H, br s), 4.05(1H, br s), 2.86-2.72(3H, m), 2.50-2.46(2H, m), 2.24-2.18(2H, m), 2.08-1.94(3H, m), 1.88-1.22(8H, m), 1.22(6H, s), 1.06-0.91(2H, m), 0.97(3H, s), 0.65(3H, s)
MS HRES:C32H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 633.3349
実測値:[M+Na]+ 633.3348
(実施例11)
((20S)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20S)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン712mg(1.513mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.90ml(1.44mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン320mg(0.507mmol)を滴下した。反応混合物を4時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlへ注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を、室温で6時間30分攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:1及び2:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物300mg(95%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 207.67nm (ε 20792), 242.33nm (ε 17972), 270.00nm (ε 18053)
1H NMR (CDCl3): 6.40(1H, d, J=11.1 Hz), 6.11(1H, ddd, J=12.4, 9.5, 6.0 Hz), 6.02(1H, d, J=11.1 Hz), 5.49(1H, d, J=12.1 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, ddd, J=49.5, 7.2, 4.2 Hz), 5.10(1H, s), 4.23(1H, br s), 2.87-2.80(2H, m), 2.62(1H, br d, J=12.1 Hz), 2.48-2.43(1H, m), 2.31(1H, dd, J=12.9, 7.5 Hz), 2.22-2.14(1H, m), 2.06-1.97(3H, m), 1.70-1.12(16H, m), 1.22(3H, s), 1.21(3H, m), 1.05-0.91(2H, m), 0.97(3H, s), 0.65(3H, s)
MS HRES:C33H47F7O3の理論値:[M+Na]+ 647.3305
実測値:[M+Na]+ 647.3304
(実施例12)
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((3E,6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
攪拌棒及び窒素掃引を伴う冷却器を装着した25ml丸底フラスコに、テトラヒドロフラン中の1M水素化リチウムアルミニウム4.0ml(4.0mmol)を充填した。この混合物を0℃に冷却し、ナトリウムメトキシド216mg(4.00mmol)をゆっくり添加し、引き続きテトラヒドロフラン4.0ml中の(6S)-1,1,1-トリフルオロ-6-([(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール300mg(0.617mmol)を添加した。反応混合物を80℃で5時間攪拌し、次に0℃に冷却した。水1.0ml、2N NaOH 1.0ml及びジエチルエーテル20.0mlを添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌し、MgSO4 2.2gを添加し、混合物を次の15分間攪拌した。懸濁液を濾過し、溶媒を蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を使用し、カラム(100cm3及び30cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物279mg(93%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.32(1H, dt, J=15.7, 7.8 Hz), 5.59(1H, 15.7 Hz), 4.09(1H, br s), 2.29(2H, d, J=7.6 Hz), 2.01(1H, br d, J=3.3 Hz), 1.86-1-75(2H, m), 1.63-1.04(18H, m), 1.21(6H, s), 1.09(3H, s), 0.98(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 137.07, 119.81, 71.52, 69.54, 69.57, 57.20, 52.53, 44.16, 43.50, 42.29, 41.43, 40.10, 40.04, 33.39, 29.33, 29.29, 23.01, 22.17, 21.69, 17.86, 17.51, 16.58。
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(6S,3E)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール274mg(0.561mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。ジクロム酸ピリジニウム704mg(1.871mmol)及びセライト740mgを添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。反応混合物を、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を使用し、シリカゲル(100cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物253mgを得た。この生成物を更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン1.765g(3.028mmol)及びテトラヒドロフラン10.0mlを充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の1.6M n-ブチルリチウム1.8ml(2.88mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン253mg(0.520mmol)を滴下した。反応混合物を、5時間攪拌し(最後の0.5時間は-20℃で)、次に浴を取り除き、この混合物を酢酸エチル50ml及びブライン100mlへ注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(4:1)を使用し、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(304mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlで処理した。反応混合物を、室温で21時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物176mg(54%, 2工程)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 204.50nm (ε 17846), 266.17nm (ε 16508)
1H NMR (CDCl3): 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.32(1H, dt, J=15.1, 7.5 Hz), 6.00(1H, d, J=11.1 Hz), 5.59(1H, d, J=15.8 Hz, 5.33(1H, s), 4.99(1H, s), 4.53(1H, br s), 4.43(1H, dd, J=7.7, 4.3 Hz), 4.25-4.00(1H, m), 2.81(1H, dd, J=12.1, 3.8 Hz), 2.59(1H, dd, J=13.3, 2.9 Hz), 2.34-2.29(3H, m), 2.05-1.96(3H, m), 1.93-1.87(1H, m), 1.71-1.21(17H, m), 1.21(6H, s), 1.12-1.05(1H, m), 0.95(3H, s), 0.66(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 147.48, 142.53, 136.92, 133.05, 124.83, 122.39(q, J=284.7 Hz), 119.76, 117.58, 117.49, 111, 71, 71.61, 70.73, 66.90, 57.39, 56.62, 46.79, 45.18, 43.99, 42.83, 42.48, 41.29, 40.13, 40.04, 29.62, 29.28, 28.98, 23.50, 23.06, 22.24, 21.90, 17.74, 15.11
MS HRES:C33H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 645.3349
実測値:[M+Na]+ 645.3346
(実施例13)
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン577mg(1.186mmol)及びジクロロメタン20mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール1.5ml(10.2mmol)を滴下した。この混合物を、室温で5時間30分攪拌した。酢酸エチル150mlを添加し、この混合物を水50mlで3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物710mg(95%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.21(1H, dt, J=15.1, 7.2 Hz), 5.56(1H, d, J=15.4 Hz), 1.22-1.19(1H, m), 2.32-1.06(2H, m), 2.27(2H, d, J=7.0 Hz), 2.06-1.52(9H, m), 1.34-1.08(6H, m), 1.20(3H, s), 1.19(3H, s), 0.96(3H, s), 0.73(3H, s), 0.22(9H, s), 0.10(9H, s)
Figure 2010504306
((20S)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル) シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン836mg(1,464mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム BuLi 0.89ml(1.42mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン360mg(0.571mmol)を加えた。反応混合物を5時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃に温めた。混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlへ注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約440mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を室温で26時間攪拌した。テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム2.5mlの新たな部分を添加し、この混合物を次の6時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物303mg(87%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 27480), 252nm (ε 32212), 262nm (ε 21694)
1H NMR (CDCl3): 6.33(1H, dt, J=15.6, 7.8 Hz), 6.29(1H, d, J=9.0 Hz), 5.83(1H, d, J=11.1 Hz), 5.58(1H, d, J=15.6 Hz), 4.12-4.09(1H, m), 4.05-4.02(1H, m), 2.79-2.71(2H, m), 2.46(1H, dd, J=13.2, 3.0 Hz), 2.29(2H, d, J=7.5 Hz), 2.20(2H, dd, J=13.3, 7.1 Hz), 2.04-1.75(7H, m), 1.68-1.46(9H, m), 1.41-1.21(6H, m), 1.21(6H, s), 1.12-1.05(1H, m), 0.95(3H, s), 0.65(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 142.40, 136.79, 131.25, 123.64, 122.4(q, J=286.96 Hz), 119.83, 115.76, 71.59, 67.42, 67.18, 57.33, 56.56, 46.64, 44.52, 44.04, 42.40, 42.02, 41.24, 40.10, 40.01, 37.13, 29.54, 29.26, 28.83, 23.39, 23.07, 22.25, 21.87, 17.79, 15.17。
MS HRES:C32H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 633.3349
実測値:[M+Na]+ 633.3349
(実施例14)
((20S)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20S)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル) シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン521mg(1.107mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.69ml(1.10mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン324mg(0.514mmol)を滴下した。反応混合物を4時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。混合物を、酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム8mlで処理した。反応混合物を、室温で9時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物305mg(95%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 210nm (ε 13484), 243nm (ε 13340), 271nm (ε 13609)
1H NMR (CDCl3): 6.39(1H, d, J=11.3 Hz), 6.32(1H, dt, J=15.6, 7.6 Hz), 6.01(1H, d, J=11.3 Hz), 5.58(1H, d, J=15.8 Hz), 2.39(1H, s), 5.13(1H, ddd, J=49.9, 6.3, 3.8 Hz), 5.09(1H, s), 4.21(1H, br s), 2.81(1H, dd, J=11.8, 3.5 Hz), 2.61(1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 2.32-2.28(3H, m), 2.23-2.15(1H, m), 2.04-1.93(3H, m), 1.70-1.48(9H, m), 1.41-1.21(8H, m), 1.21(6H, s), 1.12-1.05(1H, m), 0.95(3H, s), 0.65(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 142.95(d, J=16.0 Hz), 136.84, 131.54, 125.42, 122.42(q, J=286.9 Hz), 119.78, 117.53, 114.96(d, J=10.0 Hz), 71.74, 66.56(d, J=6.0 Hz), 57.35, 56.61, 46.82, 44.91, 44.04, 42.40, 41.29, 40.69(d, J=20.6 Hz), 40.10, 39.98, 29.47, 29.20, 29.01, 23.47, 23.07, 22.22, 21.82, 17.79, 15.13
MS HRES:C33H47F7O3の理論値:[M+Na]+ 647.3305
実測値:[M+Na]+ 647.3302
(実施例15)
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム1.558g(7.228mmol)、セライト1.60g、及びジクロロメタン20mlを充填した。ジクロロメタン10ml中の(3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-3,7-ジメチル-オクタン-1,7-ジオール1.440g(3.267mmol)を滴下し、混合物を室温で2時間50分攪拌した。反応混合物を、移動相としてジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を使用し、シリカゲル(75cm3)及びセライト(2cm)が入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物1.298gを得た。この生成物を更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6-ジメチル-ノン-8-イン-2-オール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヒドロキシ-3,7-ジメチル-オクタナール1.298g(2.958mmol)及びメタノール30mlを充填した。メタノール3ml中の(1-ジアゾ-2-オキソ-プロピル)-ホスホン酸ジメチルエステル1.137g(5.916mmol)を添加し、得られた混合物を氷浴中で0℃に冷却した。炭酸カリウム1.140g(8.248mmol)を添加し、反応混合物を、氷浴中で30分、次に室温で2時間50分攪拌した。水100mlを添加し、この混合物を、酢酸エチル80mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、 蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(7:1)を用い、カラム(200cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物1.151g(81%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.99(1H, br s), 2.16-2.07(2H, m), 2.00-1.97(1H, m), 1.92(1H, t, J=2.6 Hz), 1.84-1.74(1H, m), 1.67-1.64(1H, m), 1.58-1.22(16H, m), 1.22(6H, s), 1.04(3H, s), 0.99(3H, s), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
MS HRES:C27H50O2Siの理論値:[M+Na]+ 457.3472
実測値:[M+Na]+ 457.3473
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-[(1R)-1,5-ジメチル-1-プロピ-2-イニル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,6-ジメチル-ノン-8-イン-2-オール1.151g(2.647mmol)及びジクロロメタン20mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール2.0ml(13.63mmol)を滴下した。混合物を、室温で1時間攪拌した。水100mlを添加し、この混合物を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(25:1)を用い、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物1.260g(94%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.98(1H, br s), 2.12-2.08(2H, m), 20.5-1.95(2H, m), 1.92-1.90(1H, m), 1.83-1.21(16H, m), 1.21(6H, s), 1.04(3H, s), 0.98(3H, s), 0.88(9H, s), 0.11(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 83.00, 74.07, 69.70, 69.50, 56.63, 53.03, 45.66, 43.74, 41.35, 39.59, 39.45, 34.38, 29.99, 29.60, 25.85, 22.81, 22.43, 22.06, 18.56, 18.05, 17.76, 16.49, 2.65, -4.77,-5.13
MS HRES:C30H58O2Si2の理論値:[M+Na]+ 529.3867
実測値:[M+Na]+ 529.3868
Figure 2010504306
((6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリフルオロ-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプター及び漏斗(冷却浴付き)を装着した50ml二首丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-1-[(1R)-1,5-ジメチル-1-プロピ-2-イニル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン1.252g(2.470mmol)及びテトラヒドロフラン25mlを充填した。漏斗を、ヘキサフルオロアセトンが入った容器へ接続し、冷却した(アセトン、ドライアイス)。この反応混合物を-70℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の1.6M n-ブチルリチウム2.4ml(3.84mmol)を滴下した。30分後、ヘキサフルオロアセトンを添加した(この容器のバルブを3回開放した)。この反応液を、-70℃で2時間攪拌し、その後飽和塩化アンモニウム溶液5.0mlを添加した。
この混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液100mlの添加により溶解し、酢酸エチル80mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供し、生成物及び高分子(ヘキサフルオロアセトン由来)の混合物1.711gを得た。
Figure 2010504306
((6R)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリフルオロ-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール粗物質(約2.470mmol)及びテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム15.0ml(15.0mmol)を充填した。反応混合物を、70℃で96時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用い、カラム(200cm3及び75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物979mg(81%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 4.08(1H, br s), 2.24(1H, AB, J=17.2 Hz), 2.17(1H, AB, J=17.2 Hz), 2.05-2.02(1H, m), 1.85-1.76(2H, m), 1.66-1.20(18H, m), 1.26(3H, s), 1.25(3H, s), 1.07(3H, s), 1.01(3H, s)
MS HRES:C24H36F6O3の理論値:[M+Na]+ 509.2461
実測値:[M+Na]+ 509.2463
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(6R)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール291mg(0.598mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。ジクロム酸ピリジニウム700mg(1.861mmol)及びセライト720mgを添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1, 3:1)を用い、シリカゲル(75cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物として生成物271mg(94%)を得た。
Figure 2010504306
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン2.118g(3.634mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の1.6M n-ブチルリチウム2.2ml(3.52mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン271mg(0.559mmol)を滴下した。この反応混合物を、-78℃で5時間攪拌し、その後この浴を取り外し、混合物を飽和塩化アンモニウム溶液100mlに注ぎ、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(4:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。不純物を含む画分を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(5:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(250mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlで処理した。この反応混合物を、室温で18時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を、酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物194mg(56%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 212.33nm (ε 14113), 265.00nm (ε 15960)
1H NMR (D6-DMSO): 8.93(1H, s), 6.18(1H, d, J=11.3 Hz), 5.96(1H, d, J=11.3 Hz), 5.22(1H, s), 4.86(1H, d, J=4.83 Hz), 4.75(1H, s), 4.54(1H, d, J=3.63 Hz), 4.20-4.15(1H, m), 4.06(1H, s), 3.98(1H, br s), 2.77(1H, d, J=13.7 Hz), 2.40-2.33(1H, m), 2.27-2.14(3H, m), 2.00-1.90(2H, m), 1.82-1.78(2H, m), 1.64-1.54(5H, m), 1.47-1.18(10H, m), 1.05(3H, s), 1.05(3H, s), 0.95(3H, s), 0.59(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 149.38, 139.51, 135.94, 122.32, 121.47(q, J=287.5 Hz), 117.99, 109.77, 89.53, 70.58, 68.72, 68.35, 65.06, 56.02, 55.91, 46.06, 44.85, 44.65, 43.11, 29.30, 29.03, 28.78, 28.32, 23.05, 22.40, 21.90, 21.52, 18.27, 14.29
MS HRES:C33H46F6O4の理論値:[M+Na]+ 643.3192
実測値:[M+Na]+ 643.3190
(実施例16)
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン399mg(0.823mmol)及びジクロロメタン8.0mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール0.9ml(6.2mmol)を滴下した。この混合物を、室温で4時間攪拌した。ヘキサン150mlを添加し、この混合物を水50mlで3回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(5:1)を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物として生成物492mg(95%)を得た。
Figure 2010504306
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、 (1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン490mg(0.858mmol)及びテトラヒドロフラン8mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム BuLi 0.53ml(0.848mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を-70℃で30分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン249mg(0.396mmol)を添加した。反応混合物を4.5時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-55℃まで温めた。この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約349mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を室温で63時間攪拌した。混合物を酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:テトラヒドロフラン(1:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、白色固形物として生成物207mg(86%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 242nm (ε 30834)
1H NMR (DMSO-D6): 8.96(1H, s), 6.08(1H, d, J=10.9 Hz), 5.78(1H, d, J=11.3 Hz), 4.48(1H, d, J=4.3 Hz), 4.38(1H, d, J=4.1 Hz), 4.07(1H, s), 3.91-3.85(1H, m), 3.84-3.77(1H, m), 2.74(1H, d, J=13.6 Hz), 2.43(1H, dd, J=13.4, 3.4 Hz), 2.28-2.20(3H, m), 2.07-1.93(4H, m), 1.84-1.79(1H, m), 1.69-1.21(16H, m), 1.06(3H, s), 1.06(3H, s), 0.97(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 139.09, 134.88, 121.60(q, J=286.0 Hz), 120.90, 116.56, 89.61, 70.64, 70.45(sep, J=33.3 Hz), 68.77, 65.57, 65.30, 56.00, 55.92, 45.93, 44.66, 44.59, 42.22, 36.95, 29.27, 29.02, 28.78, 28.14, 22.87, 22.38, 21.93, 21.40, 18.24, 14.35
MS HRES:C32H46F6O4の理論値:[M+Na]+ 631.3192
実測値:[M+Na]+ 631.3195
(実施例17)
((20R)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20R)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-イニル)-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン460mg(0.977mmol)及びテトラヒドロフラン8mlを充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.61ml(0.976mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン240mg(0.382mmol)を、テトラヒドロフラン1.5ml中で滴下した。反応混合物を4.5時間攪拌し、その後ドライアイスを浴から除去し、この溶液を1.5時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)へ注いだ。水画分を酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約239mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム8mlで処理した。反応混合物を室温で17時間攪拌した。
この混合物を酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:2及び1:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物196mg(82%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 241nm (ε 17260), 273nm (ε 16624)
1H NMR (DMSO-D6): 8.95(1H, s), 6.37(1H, d, J=11.5 Hz), 5.93(1H, d, J=11.1 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, br d, J=47.1 Hz), 4.99(1H, d, J=1.9 Hz), 4.86(1H, d, J=4.3 Hz), 4.07(1H, s), 3.94-3.87(1H, m), 2.83-2.80(1H, m), 2.28-2.05(4H, m), 2.00-1.93(2H, m), 1.83-1.21(17H, m), 1.06(3H, s), 1.06(3H, s), 0.96(3H, s), 0.59(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 143.27(d, J=16.7 Hz), 141.62, 133.20, 124.14, 121.59(q, J=286.0 Hz), 117.49, 115.34(d, J=9.8 Hz), 92.05(d, J=166.9 Hz), 89.60, 70.64, 70.44(sep, J=32.6 Hz), 68.77, 64.55(d, J=4.5 Hz), 55.99, 55.92, 46.15, 44.83, 44.65, 40.68(d, J=20.5 Hz), 40.05, 39.79, 39.41, 29.27, 29.02, 28.76, 28.30, 22.95, 22.33, 21.87, 21.39, 18.24, 14.28
MS HRES:C33H45F7O3の理論値:[M+Na]+ 645.3149
実測値:[M+Na]+ 645.3155
(実施例18)
((20)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール(8)の合成)
Figure 2010504306
((3Z,6R)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
25ml丸底フラスコに、(6R)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール340mg(0.699mmol)、5%Pd/CaCO3 100mg、ヘキサン8.0ml、酢酸エチル3.3ml及びエタノール中のキノリン溶液0.32ml(エタノール3.1ml及びキノリン168μlから調製)を充填した。この基質を、周囲温度及び大気圧の水素で水素添加した。この反応は、TLC(ヘキサン:酢酸エチル-2:1)により追跡した。7時間後、触媒を濾過除去し、溶媒を蒸発させた。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用い、シリカゲル(50cm3)上で精製した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物320mg(94%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.12-6.03(1H, m), 5.46(1H, d, J=13.2 Hz), 4.08(1H, br s), 2.46-2.40(2H, m), 2.06-1.95(1H, m), 1.86-1.76(2H, m), 1.66-1.20(18H, m), 1.21(6H, s), 1.09(3H, s), 0.99(3H, s)。
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3Z)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール315mg(0.645mmol)及びジクロロメタン12.0mlを充填した。ジクロム酸ピリジニウム780mg(1.861mmol)を添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。
この反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(4:1, 3:1)を用い、シリカゲル(100cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物として生成物305mg(97%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 6.07(1H, dt, J=12.4, 7.3 Hz), 5.49(1H, d, J=11.9 Hz), 4.33(1H, br s), 2.52(1H, dd, J=16.2, 7.7 Hz), 2.45-2.38(2H, m), 2.31-2.10(3H, m), 2.06-1.98(1H, m), 1.96-1.81(1H, m), 1.79-1.35(12H, m), 1.23(6H, s), 0.99(3H, s), 0.75(3H, s)
MS HRES:C24H36F6O3の理論値:[M+Na]+ 509.2461
実測値:[M+Na]+ 509.2463
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン295mg(0.606mmol)及びジクロロメタン8.0mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール0.7ml(4.8mmol)を滴下した。この混合物を、室温で3時間攪拌した。水100mlを添加し、この混合物を酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物362mg(95%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.02-5.94(1H, m), 5.42(1H, d, J=11.0 Hz), 2.50-2.40(2H, m), 2.35-2.14(4H, m), 2.06-1.55(7H, m), 1.43-1.14(7H, m), 1.21(6H, s), 0.96(3H, s), 0.74(3H, s), 0.24(9H, s), 0.10(9H, s)。
Figure 2010504306
((20)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン757mg(1.299mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中の1.6M n-ブチルリチウム0.8ml(1.28mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン360mg(0.571mmol)を滴下した。反応混合物を、4時間30分攪拌し(最後の0.5時間は-30℃で)、次に浴を取り除き、混合物を酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(15:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された(mono deprotected)化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物(430mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を室温で6時間40分攪拌した。混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物278mg(78%, 2工程)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 212.67nm (ε 15573), 265.17nm (ε 17296)
1H NMR (D6-DMSO): 7.97(1H, s), 6.18(1H, d, J=11.3 Hz), 6.09(1H, dt, J=12.1, 6.3 Hz), 5.96(1H, d, J=11.3 Hz), 5.42(1H, d, J=12.1 Hz), 5.22(1H, s), 4.86(1H, d, J=4.8 Hz), 4.75(1H, s), 4.54(1H, d, J=3.6 Hz), 4.20-4.36(1H, m), 4.04(1H, s), 4.00-3.96(1H, m), 2.77(1H, br d, J=11.1 Hz), 2.49-2.39(2H, m), 2.359(1H, d, J=11.9 Hz), 2.16(1H, dd, J=13.4, 5.3 Hz), 2.00-1.86(2H, m), 1.83-1.77(1H, m), 1.70-1.15(16H, m), 1.04(3H, s), 1.04(3H, s), 0.90(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 149.40, 139.75, 139.21, 135.81, 122.94(q, J=287.7 Hz), 122.36, 117.87, 117.15, 109.75, 68.72, 68.34, 65.08, 56.56, 55.98, 46.15, 44.85, 44.69, 43.11, 40.35, 38.85, 36.04, 29.43, 29.12, 28.34, 23.13, 22.79, 21.83, 21.50, 17.96, 14.55
MS HRES:C33H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 645.3349
実測値:[M+Na]+ 645.3337
(実施例19)
((20)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン804mg(1,408mmol)及びテトラヒドロフラン8mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム BuLi 0.88ml(1.41mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で25分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン441mg(0.699mmol)を加えた。反応混合物を、-70℃で6時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(25:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(約615mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中1Mフッ化テトラブチルアンモニウム15mlで処理した。反応混合物を、室温で18時間攪拌した。テトラヒドロフラン中1Mフッ化テトラブチルアンモニウム5mlの新たな部分を添加し、この混合物を次の48時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:2、1:1及び3:1)及び酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物395mg(92%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 35888), 252nm (ε 41722), 262nm (ε 28261)
1H NMR (DMSO-D6): 7.99(1H, s), 6.14-6.08(1H, m), 6.08(1H, d, J=12.4 Hz), 5.78(1H, d, J=11.3 Hz), 5.44(1H, d, J=12.4 Hz), 4.48(1H, d, J=4.1 Hz), 4.38(1H, d, J=4.1 Hz), 4.05(1H, s), 3.89-3.84(1H, m), 3.83-3.77(1H, m), 2.73(1H, d, J=13.2 Hz), 2.49-2.41(2H, m), 2.26(1H, d, J=10.4 Hz), 2.07-1.96(4H, m), 1.72-1.20(18H, m), 1.05(3H, s), 1.05(3H, s), 0.91(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 139.41, 139.34, 134.75, 123.07(q, J=288.2 Hz), 120.95, 117.26, 116.46, 76.83(sep, J=28.1 Hz), 68.77, 65.59, 65.31, 56.56, 55.98, 46.01, 44.71, 44.61, 42.22, 40.35, 39.01, 38.78, 36.96, 36.07, 29.44, 29.11, 22.97, 22.78, 21.88, 21.38, 17.94, 14.64。
MS HRES:C32H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 633.3349
実測値:[M+Na]+ 633.3357
(実施例20)
((20)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2Z)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン673mg(1.430mmol)及びテトラヒドロフラン8mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.89ml(1.42mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン320mg(0.507mmol)を滴下した。反応混合物を4時間攪拌し、次にドライアイスを浴から取り除き、この溶液を2時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(25:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(568mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を室温で17時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、2本のカラム:移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:1)を用い、50cm3(遮光された)上で、並びにヘキサン:酢酸エチル(2:1及び1:1)を用い、50cm3(遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物365mg(81%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 210nm (ε 15393), 243nm (ε 15181), 270nm (ε 15115)
1H NMR (DMSO-D6): 7.99(1H, s), 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.10(1H, dt, J=12.2, 6.3 Hz), 5.93(1H, d, J=11.3 Hz), 5.43(1H, d, J=12.2 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, br d, J=47.5 Hz), 4.99(1H, d, J=1.7 Hz), 4.85(1H, d, J=4.3 Hz), 4.05(1H, s), 3.94-3.88(1H, m), 2.81(1H, d, J=13.2 Hz), 2.47-2.41(2H, m), 2.16-2.05(2H, m), 2.01-1.96(2H, m), 1.83-1.18(17H, m), 1.05(3H, s), 1.05(3H, s), 0.90(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.30(d, J=16.7 Hz), 141.89, 139.35, 133.08, 124.18, 123.05(q, J=288.2 Hz), 117.37, 117.24, 115.26(d, J=9.1 Hz), 92.02(d, J=167.6 Hz), 76.84(sep, J=28.1 Hz), 68.76, 64.53, 56.55, 55.95, 46.25, 44.82, 44.70, 40.68(d, J=20.5 Hz), 40.29, 38.95, 38.77, 36.06, 29.41, 29.12, 28.32, 23.03, 22.71, 21.81, 21.37, 17.93, 14.55
MS HRES:C33H47F7O3の理論値:[M+Na]+ 647.3305
実測値:[M+Na]+ 647.3297
(実施例21)
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((3E,6R)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
攪拌棒及び窒素掃引を伴う冷却器を装着した25ml丸底フラスコに、テトラヒドロフラン中の1M水素化リチウムアルミニウム4.5ml(4.5mmol)を充填し、この混合物を0℃に冷却した。ナトリウムメトキシド243mg(4.50mmol)をゆっくり添加し、引き続きテトラヒドロフラン5ml中の基質(3E,6R)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール337mg (0.693mmol)を添加した。反応混合物を80℃で6時間30分攪拌し、その後0℃に冷却した。水1ml、2N NaOH 1ml及びジエチルエーテル20mlを添加した。この混合物を、室温で30分間攪拌し、MgSO4 2.2gを添加し、混合物を次に15分間攪拌した。この懸濁液を濾過し、溶媒を蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を用い、カラム(100cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物330mg(97%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.28(1H, dt, J=15.7, 7.3 Hz), 5.59(1H, d, J=15.4 Hz), 6.12(1H, br s), 2.12(2H, d, J=7.7 Hz), 2.06-1.98(1H, m), 1.85-1.74(2H, m), 1.68-1.16(18H, m), 1.22(6H, s), 1.08(3H, s), 0.98(3H, s)。
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(3E,6Z)-1,1,1-トリフルオロ-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6,10-ジメチル-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール330mg(0.675mmol)及びジクロロメタン10mlを充填した。ジクロム酸ピリジニウム920mg(2.445mmol)を添加し、混合物を室温で7時間攪拌した。
反応混合物を、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(4:1)を用い、シリカゲル(60cm)が入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物302mg(92%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 6.30(1H, dt, J=15.6, 7.7 Hz), 5.60(1H, d, J=15.6 Hz), 2.40(1H, dd, J=11.1, 7.3 Hz), 2.30-2.14(6H, m), 2.06-1.98(1H, m), 1.96-1.81(1H, m), 1.78-1.30(13H, m), 1.24(3H, s), 1.23(3H, s), 0.98(3H, s), 0.74(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 212.12, 136.27, 120.28, 71.45, 62.27, 57.44, 50.69, 44.28, 42.02, 40.76, 40.17, 39.69, 39.65, 29.34, 29.23, 23.98, 22.66, 22.24, 18.67, 18.19, 15.47
MS HRES:C24H36F6O3の理論値:[M+Na]+ 509.2461
実測値:[M+Na]+ 509.2463
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-1-メチル-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン292mg (0.600mmol)及びジクロロメタン8mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール0.7ml(4.8mmol)を滴下した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。水100mlを添加し、混合物を酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1, 4:1)を用い、カラム(60cm3) 上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物360mg(95%)を得た。
Figure 2010504306
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン760mg(1.304mmol)及びテトラヒドロフラン10mlを充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、テトラヒドロフラン中1.6M n-ブチルリチウム0.8ml(1.28mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン358mg(0.567mmol)を滴下した。反応混合物を、4時間攪拌し(最後の0.5時間は-20℃)、その後浴を取り除き、混合物を酢酸エチル50ml及びブライン100mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル50mlで3回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物(440mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を、室温で21時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水:ブライン(1:1)50ml及びブライン50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の固形物として生成物305mg(86%, 2工程)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 212.76nm (ε 15453), 265.03(ε 17341)
1H NMR (D6-DMSO): 8.04(1H, s), 6.28(1H, dt, J=15.5, 7.6 Hz), 6.18(1H, d, J=11.1 Hz), 5.97(1H, d, J=11.1 Hz), 5.61(1H, d, J=15.5 Hz), 5.22(1H, s), 4.75(1H, s), 4.19-4.16(1H, m), 3.98(1H, br s), 2.77(1H, d, 13.9 Hz), 2.35(1H, d, J=11.7 Hz), 2.16(1H, dd, J=13.6, 5.3 Hz), 2.07(2H, d, J=7.3 Hz), 1.99-1.90(2H, m), 1.81-1.78(1H, m), 1.64-1.55(6H, m), 1.48-1.17(12H, m), 1.05(6H, s), 0.90(3H, s), 0.84(1H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 149.34, 139.65, 136.40, 135.82, 122.60(q, J=287.7 Hz), 122.32, 119.80, 117.90, 109.76, 68.68, 68.36, 65.04, 56.35, 56.00, 46.18, 44.85, 44.64, 43.09, 41.05, 40.42, 29.34, 29.12, 28.31, 23.08, 22.47, 21.79, 21.58, 17.91, 14.57
MS HRES:C33H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 645.3349
実測値:[M+Na]+ 645.3355
(実施例22)
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20R)-1,25-ジヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン493mg(0.864mmol)及びテトラヒドロフラン8mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウムBuLi 0.54ml(0.86mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で25分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン240mg(0.380mmol)を加えた。反応混合物を7時間攪拌し、その後ドライアイスを浴から取り除き、この溶液を1時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(約380mg)を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム10mlで処理した。反応混合物を、室温で50時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:テトラヒドロフラン(1:1、 1:2及び1:2+10%メタノール)を用い、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の固形物として生成物181mg(78%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 241nm (ε 26823)
1H NMR (DMSO-D6): 8.05(1H, s), 6.29(1H, dt, J=15.3, 7.7 Hz), 6.07(1H, d, J=11.1 Hz), 5.78(1H, d, J=11.1 Hz), 5.63(1H, d, J=15.3 Hz), 4.48(1H, s), 4.38(1H, s), 4.06(1H, s), 3.87(1H, s), 3.80(1H, s), 2.74(1H, d, J=14.5 Hz), 2.43(1H, dd, J=13.0, 3.4 Hz), 2.28-2.25(1H, m), 2.10-1.91(6H, m), 1.62-1.27(17H, m), 1.06(3H, s), 1.06(3H, s), 0.91(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 139.25, 136.60, 134.79, 122.73(q, J=286.8 Hz), 120.93, 119.96, 116.50, 75.55(sep, J=28.8 Hz), 68.74, 65.57, 65.29, 56.38, 56.00, 46.05, 44.67, 44.60, 42.22, 41.07, 40.43, 36.95, 29.35, 29.12, 28.14, 22.92, 22.47, 21.83, 21.47, 17.90, 14.66
MS HRES:C32H48F6O4の理論値:[M+Na]+ 633.3349
実測値:[M+Na]+ 633.3350
(実施例23)
((20R)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((20R)-1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-[(2E)-5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペント-2-エニル]-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン439mg(0.933mmol)及びテトラヒドロフラン8mlを充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、1.6M n-ブチルリチウム0.58ml(0.93mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で25分間攪拌し、テトラヒドロフラン1.5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン238mg(0.377mmol)を滴下した。反応混合物を6時間攪拌し、その後ドライアイスを浴から取り除き、この溶液を、1時間で最高-40℃まで温めた。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(10:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム8mlで処理した。反応混合物を室温で15時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水50mlで6回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:2及び1:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(2回)、白色泡状物として生成物195mg(83%)を得た。
Figure 2010504306
UVλmax (EtOH): 243nm (ε 11639), 273nm (ε 10871)
1H NMR (DMSO-D6): 8.05(1H, s), 6.37(1H, d, J=11.3 Hz), 6.28(1H, dt, J=15.3, 7.6 Hz), 5.93(1H, d, J=11.3 Hz), 5.62(1H, d, J=15.6 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, br d, J=47.7 Hz), 4.99(1H, d, J=1.5 Hz), 4.87(1H, br s), 4.06(1H, br s), 3.93-3.88(1H, m), 2.81(1H, d, J=11.9 Hz), 2.16-2.06(4H, m), 1.99-1.91(2H, m), 1.82-1.26(17H, m), 1.06(3H, s), 1.06(3H, s), 0.90(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (D6-DMSO): 143.26(d, J=17.5 Hz), 141.80, 136.57, 133.12, 124.17, 122.73(q, J=285.2 Hz), 119.96, 117.42, 115.37(d, J=9.9 Hz), 92.06(d, J=166.9 Hz), 75.54(sep, J=28.8 Hz), 68.74, 64.55(d, J=4.5 Hz), 56.38, 55.99, 46.28, 44.84, 44.67, 41.07, 40.69(d, J=20.5 Hz), 40.39, 29.34, 29.14, 28.31, 22.99, 22.42, 21.76, 21.47, 17.90, 14.58
MS HRES:C33H47F7O3の理論値:[M+Na]+ 647.3305
実測値:[M+Na]+ 647.3313
(実施例24)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(8-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリジュウテロ-6-メチル-2-トリジュウテロメチル-オクタン-2-オール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-5-メチル-ヘプタン酸エチルエステル(18.770g, 32.987mmol)及びエーテル(150ml)を充填した。この溶液を氷水浴で冷却し、ジエチルエーテル中のメチル-d3-マグネシウムヨージドの1.0M溶液(100.0ml, 100.0mmol)を滴下した。添加の完了後、この混合物を、室温で3時間攪拌し、その後再度氷浴で冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液(10ml)を滴下した。得られた沈殿を、飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)の添加により溶解した。水層を、ジエチルエーテル(3×l00ml)で抽出した。一緒にした有機層を、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣は次反応で使用した。
Figure 2010504306
((3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタン-1,7-ジオール、及び(3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタン-1,7-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、8-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリジュウテロ-6-メチル-2-トリジュウテロメチル-オクタン-2-オール(約32.9mmol)、テトラヒドロフラン(60ml)及びフッ化テトラブチルアンモニウム(45.0ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この反応混合物を、室温で2.5時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水:ブライン(1:1, 100ml)及びブライン(50ml)で6回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、カラム(VersaPak Cartridge, 80×150mm及び40×150mm、ヘキサン/酢酸エチル-1:1)上で10回クロマトグラフィーに供し、生成物(12.72g, 87%)を得た:
((3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタン-1,7-ジオール(6.69g, 低極性エピマー))
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.99(1H, br s), 3.69-3.63(2H, m), 2.02(1H, br d, J=12.2 Hz), 1.82-1.48(7H, m), 1.40-1.09(14H, m), 1.06(3H, s), 0.95(3H, s), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
MS HRES:C26H46D6O3Siの理論値:[M+Na]+ 469.3954
実測値:[M+Na]+ 469.3956
((3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタン-1,7-ジオール (6.03g, より極性のあるエピマー))
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.99-3.97(1H, m), 3.66-3.62(2H, m), 1.98(1H, br d, J=12.8 Hz), 1.84-1.73(1H, m), 1.67-1.51(6H, m), 1.42-1.16(14H, m), 1.05(3H, s), 0.95(3H, s), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
MS HRES:C26H46D6O3Siの理論値:[M+Na]+ 469.3954
実測値:[M+Na]+ 469.3957
Figure 2010504306
((3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-7-ヒドロキシ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタナール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム(2.90g, 13.45mmol)、セライト(4.0g)及びジクロロメタン(60ml)を充填した。ジクロロメタン(5ml)中の (3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタン-1,7-ジオール(4.00g, 8.95mmol)を滴下し、混合物を室温で2時間40分攪拌した。
この反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を使用し、シリカゲル(200cm3)及びセライト(2cm)が入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(3.61g, 91%)を得た。この生成物は、精製することなく次反応に使用した。
Figure 2010504306
((6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリジュウテロ-6-メチル-2-トリジュウテロメチル-ノン-8-イン-2-オール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した100ml丸底フラスコに、(3S)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-7-ヒドロキシ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタナール(3.61g, 8.116mmol)及びメタノール(65ml)を充填した。メタノール(3ml)中の(1-ジアゾ-2-オキソ-プロピル)-ホスホン酸ジメチルエステル(3.00g, 15.62mmol)を添加し、得られた混合物を氷浴中で冷却した。炭酸カリウム(3.00g, 21.74mmol)を添加し、この反応混合物を氷浴中で30分間、次に室温で4時間攪拌した。水(100ml)を添加し、混合物を酢酸エチル(4×80ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-9:1及び8:1を用い、カラム(300cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(3.131g, 87.5%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.98(1H, br d, J=2.13 Hz), 2.28(1H, AB, J=17.3 Hz), 2.26(1H, AB, J=17.3 Hz), 1.96-1.91(2H, m), 1.84-1.73(1H, m), 1.67-1.48(5H, m), 1.43-1.24(12H, m), 1.04(3H, s), 1.00(3H, s), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 83.06, 76.41(sep, J=29.6 Hz), 69.84, 69.55, 56.54, 52.87, 44.66, 43.68, 41.27, 40.16, 39.28, 34.32, 28.76, 25.87, 22.76, 22.69, 22.17, 18.10, 17.76, 16.78, -4.69, 5.05
MS HRES:C27H44D6O2Siの理論値:[M+Na]+ 463.3849
実測値:[M+Na]+ 463.3848
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリジュウテロ-1-メチル-1-(プロピ-2-イニル)-5-トリジュウテロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した100ml丸底フラスコに、(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリジュウテロ-6-メチル-2-トリジュウテロメチル-ノン-8-イン-2-オール(3.100g, 7.033mmol)及びジクロロメタン(30ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(3.0ml, 20.45mmol)を滴下した。この混合物を、室温で1時間45分攪拌した。水(100ml)を添加し、この混合物を酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(125cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、生成物を無色の油状物(3.36g, 93%)として得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 3.99(1H, br s), 2.27(2H, br s), 2.00-1.93(2H, m), 1.84-1.73(1H, m), 1.65(1H, d, J=14.3 Hz), 1.59-1.49(3H, m), 1.42-1.20(12H, m), 1.05(3H, s), 1.00(3H, s), 0.88(9H, s), 0.10(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 83.18, 76.66(sep, J=28.8 Hz), 69.74, 69.58, 56.62, 52.91, 45.38, 43.67, 41.27, 40.07, 39.28, 34.34, 28.77, 25.88, 22.76, 22.16, 18.13, 18.11, 17.77, 16.76, 2.74,-4.69, -5.05
MS HRES:C30H52D6O2Si2の理論値:[M+Na]+ 535.4244
実測値:[M+Na]+ 535.4246
Figure 2010504306
((6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプター及び漏斗(冷却浴付き)を装着した100ml二首丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリジュウテロ-1-メチル-1-(プロピ-2-イニル)-5-トリジュウテロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(3.330g, 6.491mmol)及びテトラヒドロフラン(40ml)を充填した。漏斗を、ヘキサフルオロアセトンの入った容器に接続し、冷却した(アセトン、ドライアイス)。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(6.10ml, 9.76mmol)を滴下した。30分後、ヘキサフルオロアセトンを添加した(容器のバルブは3回開放した)。この反応液を、-70℃で2時間攪拌し、その後飽和塩化アンモニウム溶液(5ml)を添加した。この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)の添加により溶解し、酢酸エチル(3×60ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。この残渣を、カラム(300cm3, ヘキサン:酢酸エチル-25:1及び20:1)上で2回クロマトグラフィーに供し、生成物及び高分子(ヘキサフルオロアセトン由来)の混合物(4.33g)を得た。この生成物を、更に精製せずに次反応に使用した。
Figure 2010504306
((6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-1l,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール(約3.3mmol)及びフッ化テトラブチルアンモニウム(25ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填し、反応液を、70℃で113時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水-ブライン(1:1, 50ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。
生成物を、ヘキサンから結晶化した(1.996g, 62%)。
Figure 2010504306
1H NMR (DMSO-D6): 8.92(1H, s), 4.21(1H, d, J=3.0 Hz), 4.04(1H, s), 3.87(1H, s), 2.37(2H, s), 1.89(1H, d, J=11.5 Hz), 1.76-1.48(6H, m), 1.33-1.11(11H, m), 1.02(3H, s), 0.96(3H, m)
13C NMR (DMSO-D6): 121.47(q, J=286.8 Hz), 89.70, 70.71, 70.40(sep, J=31.9 Hz), 68.41, 66.86, 56.24, 52.37, 44.45, 42.96, 40.44, 39.38, 33.70, 28.14, 22.43, 22.01, 21.68, 17.73, 17.46, 16.32
MS HRES:C24H30D6F6O3の理論値:[M+Na]+ 515.2837
実測値:[M+Na]+ 515.2838
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム(1.51g, 4.01mmol)及びジクロロメタン(20ml)を充填した。ジクロロメタン(5ml)中の(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール(712mg, 1.445mmol)を滴下し、混合物を室温で2時間45分攪拌した。
反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を使用し、シリカゲル(50cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物を得た。この生成物を、精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(約1.445mmol)及びジクロロメタン(10ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(2.00ml, 13.63mmol)を滴下した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。酢酸エチル(150ml)を添加し、この混合物を水(3×50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-5:1を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。この生成物は、シリカゲル上で不安定である(単一保護された化合物が得られた(246mg))。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(585mg, 64%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 2.44-2.37(3H, m), 2.32-2.16(2H, m), 2.11-1.99(2H, m), 1.95-1.84(2H, m), 1.81-1.52(5H, m), 1.38-1.20(6H, m), 1.03(3H, s), 0.74(3H, s), 0.28(9H, s), 0.10(9H, s)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(532mg, 0.913mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.57ml, 0.912mmol))を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(281mg, 0.443mmol)を滴下した。反応混合物を、5時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。浴を取り外し、この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。
生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。油状の残渣を、次反応で使用した。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の25時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水(50ml)及びブライン(50ml)で6回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物中に不純物(Bu3N)が存在した(1H, 13C NMR)。物質を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル1:1及び酢酸エチルを用い、カラム(70cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(191mg, 69%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 15402), 264nm (ε 17663)
1H NMR (DMSO-D6): 8.95(1H, br s), 6.18(1H, d, J=11.1 Hz), 5.97(1H, d, J=11.1 Hz), 5.23(1H, d, J=1.1 Hz), 4.88(1H, d, J=3.4 Hz), 4.75(1H, d, J=1.7 Hz), 4.56(1H, s), 4.19(1H, br s), 4.06(1H, br s), 3.99(1H, br s), 2.78(1H, d, J=12.2 Hz), 2.45-2.29(2H, m), 2.17(1H, dd, J=13.2, 5.4 Hz), 1.96-1.91(2H, m), 1.84-1.73(2H, m), 1.65-1.18(17H, m), 0.96(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 149.40, 139.51, 135.95, 122.33, 121.49(q, J=286.0 Hz), 118.02, 109.77, 89.59, 70.84, 70.43(sep, J=31.9 Hz), 68.42, 68.37, 65.09, 56.36, 55.94, 45.97, 44.87, 44.43, 43.12, 39.98, 39.85, 39.43, 28.35, 28.27, 23.11, 22.51, 22.02, 21.42, 17.77, 14.44
MS HRES:C33H40D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 649.3569
実測値:[M+Na]+ 649.3572
(実施例25)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(562mg, 0.984mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.61ml, 0.98mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(296mg, 0.466mmol)を滴下した。反応混合物を、4時間40分攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。浴を取り外し、この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)へ注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物(380mg)を得た。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の49時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水(50ml)及びブライン(50ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。この生成物中に不純物(Bu3N)が存在した(1H, 13C NMR)。物質を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル2:1及び酢酸エチルを用い、カラム(60cm3, 遮光された)上で2回クロマトグラフィーに供した。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(251mg, 87%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 29859), 252nm (ε 34930), 262nm (ε 23522)
1H NMR (DMSO-D6): 8.94(1H, s), 6.07(1H, d, J=11.0 Hz), 5.78(1H, d, J=11.0 Hz), 4.48(1H, d, J=4.0 Hz), 4.38(1H, d, J=4.0 Hz), 4.04(1H, s), 3.92-3.76(2H, m), 2.77(1H, br d, J=11.0 Hz), 2.49-2.25(2H, m), 2.05-1.95(4H, m), 1.76-1.20(19H, m), 0.97(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 138.95, 134.73, 121.50(q, J=286.0 Hz), 120.80, 116.47, 89.59, 70.84, 70.44(sep, J=31.9 Hz), 68.43, 65.57, 65.45, 65.28, 56.37, 55.91, 45.82, 44.59, 44.45, 42.23, 40.01, 39.43, 36.98, 28.29, 28.19, 22.98, 22.54, 22.08, 21.33, 17.78, 14.55
MS HRES:C32H40D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 637.3569
実測値:[M+Na]+ 637.3570
(実施例26)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン(500mg, 1.062mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.66ml, 1.06mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(269mg, 0.424mmol)を滴下した。反応混合物を5時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。油状の残渣を次反応で使用した。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を6時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水(50ml)及びブライン(50ml)で6回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-1:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物中に不純物(Bu3N)が存在した(1H, 13C NMR)。物質を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル2:1及び1:1を用い、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(229mg, 86%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 211nm (ε 15893), 243nm (ε 16109), 270nm (ε 16096)
1H NMR (DMSO-D6): 8.93(1H, s), 6.36(1H, d, J=11.1 Hz), 5.93(1H, d, J=11.3 Hz), 5.38(1H, s), 5.14(1H, ddd, J=49.6, 3.4, 2.0 Hz), 4.98(1H, d, J=1.5 Hz), 4.86(1H, d, J=4.3 Hz), 4.05(1H, s), 3,94-3.88(1H, m), 2.81(1H, d, J=13.2 Hz), 2.44-2.35(2H, m), 2.16-2.08(2H, m), 1.98-1.93(2H, m), 1.84-1.17(17H, m), 0.95(3H, s), 0.59(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.15(d, J=16.7 Hz), 141.49, 133.06, 124.03, 121.49(q, J=286.0 Hz), 117.40, 115.18(d, J=9.9 Hz), 91.97(d, J=166.9 Hz), 89.61, 70.85, 70.44(sep, J=31.9 Hz), 68.43, 64.55(d, J=4.6 Hz), 56.37, 55.91, 46.06, 44.84, 44.44, 40.70(d, J=20.5 Hz), 39.97, 39.81, 39.43, 28.37, 28.26, 23.06, 22.52, 22.02, 21.32, 17.77, 14.48
MS HRES:C33H39D6F7O3の理論値:[M+Na]+ 651.3526
実測値:[M+Na]+ 651.3528
(実施例27)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((6S,3Z)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
50ml丸底フラスコに、(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール(722mg, 1.466mmol)、Pd/CaCO3 (180mg, 5%)、ヘキサン(16.8ml)、酢酸エチル(6.8ml)及びエタノール中のキノリン溶液(0.65ml, エタノール(3.1ml)及びキノリン(168μl)から調製)を充填した。
この基質を、周囲温度及び大気圧の水素で水素添加した。この反応は、TLC(ジクロロメタン:酢酸エチル 4:1, 3×)により追跡した。
5時間10分後、触媒を濾過除去し(セライト)、溶媒を蒸発させた。
残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を用い、シリカゲル(50cm3)上で精製した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た(720mg, 99%)。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 6.14-6.05(1H, m), 5.48(1H, d, J=12.8 Hz), 4.08(1H, s), 2.83(1H, dd, J=15.6, 9.0 Hz), 2.48-2.40(1H, m), 2.00(1H, d, J=11.4 Hz), 1.85-1.73(2H, m), 1.64-1.24(18H, m), 1.08(3H, s), 0.99(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 140.29, 117.60, 71.72, 69.91, 56.94, 52.76, 44.28, 43.62, 41.36, 40.39, 39.79, 36.97, 33.53, 22.78, 22.40, 21.88, 17.81, 13.73
MS HRES:C24H32D6F6O3の理論値:[M+Na]+ 517.2994
実測値:[M+Na]+ 517.2997
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム(1.50g, 3.99mmol)及びジクロロメタン(15ml)を充填した。ジクロロメタン(5ml)中の(6S, 3Z)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール(710mg, 1.436mmol)を滴下し、混合物を室温で6時間攪拌した。
反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1、3:1を使用し、シリカゲル(50cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(694mg, 98%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.10(1H, m), 5.52(1H, d, J=12.4 Hz), 5.07(1H, br s), 2.92(1H, dd, J=16.1, 9.9 Hz), 2.48-2.38(2H, m), 2.91-1.25(18H, m), 0.99(3H, s), 0.74(3H, s)
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(690mg, 1.401mmol)及びジクロロメタン(8ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1.8ml, 12.3mmol)を滴下した。この混合物を、室温で1.5時間攪拌した。酢酸エチル(150ml)を添加し、この混合物を水(50ml)で3回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(854mg, 96%)を得た。
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(539mg, 0.925mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.58ml, 0.93mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(270mg, 0.424mmol)を滴下した。反応混合物を、4時間30分攪拌し、その後浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(50ml)で3回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物(350mg)を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、前記油状物及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の24時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(232mg, 87%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 15177), 266nm (ε 18553)
1H NMR (DMSO-D6): 8.02(1H, s), 6.19(1H, d, J=11.3 Hz), 6.11(1H, dt, J=12.1, 6.3 Hz), 5.98(1H, d, J=11.1 Hz), 5.42(1H, d, J=12.4 Hz), 5.23(1H, s), 4.87(1H, d, J=4.7 Hz), 4.76(1H, s), 4.55(1H, d, J=3.4 Hz), 4.20-4.17(1H, m), 4.03(1H, s), 3.98(1H, br s), 2.82-2.75(2H, m), 2.45(1H, dd, J=16.6, 4.9 Hz), 2.36(1H, d, J=11.9 Hz), 2.17(1H, dd, J=13.04, 5.3 Hz), 2.04-1.95(2H, m), 1.84-1.79(1H, m), 1.73-1.54(6H, m), 1.48-1.31(4H, m), 1.22-1.17(6H, m), 0.86(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 149.41, 139.79, 139.46, 135.80, 122.95(q, J=186.7 Hz), 122.37, 117.85, 117.01, 109.75, 76.76(sep, J=28.9 Hz), 68.41, 68.37, 65.10, 56.45, 56.02, 51.21, 46.09, 44.87, 44.55, 43.12, 40.31, 39.37, 38.74, 35.68, 28.37, 23.21, 22.88, 21.81, 21.55, 17.60, 14.58
MS HRES:C33H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 651.3725
実測値:[M+Na]+ 651.3728
(実施例28)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(541mg, 0.948mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.59ml, 0.94mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(286mg, 0.449mmol)を滴下した。反応混合物を、4時間10分攪拌し、その後浴を取り外し、この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)へ注いだ。水画分を、酢酸エチル(50ml)で3回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物(390mg)を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、前記油状物及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の30時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(264mg, 95%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 31469), 252nm (ε 36060), 262nm (ε 24658)
1H NMR (DMSO-D6): 8.02(1H, s), 6.14-6.08(1H, m), 6.08(1H, d, J=11.9 Hz), 5.78(1H, d, J=11.1 Hz), 5.43(1H, d, J=12.2 Hz), 4.49(1H, d, J=4.1 Hz), 4.39(1H, d, J=4.1 Hz), 4.04(1H, s), 3.88-3.78(2H, m), 2.82-2.72(2H, m), 2.48-2.42(2H, m), 2.31-2.25(1H, m), 2.07-1.90(4H, m), 1.73-1.18(17H, m), 0.87(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 139.45, 139.19, 134.57, 122.94(q, J=286.8 Hz), 120.84, 117.02, 116.29, 76.75(sep, J=28.8 Hz), 68.41, 65.55, 65.27, 56.43, 55.98, 45.94, 44.60, 44.55, 42.23, 40.32, 39.38, 38.74, 36.97, 35.69, 28.21, 23.07, 22.89, 21.85, 21.44, 17.59, 14.69
MS HRES:C32H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 639.3725
実測値:[M+Na]+ 639.3724
(実施例29)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン(462mg, 0.982mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.61ml, 0.98mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(267mg, 0.419mmol)を滴下した。この反応混合物を5時間攪拌し、次に浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を次の5時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。
この生成物は、若干の不純物を含有し、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用い、カラム(VersaPak, 40x75mm)上で再度クロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(244mg, 92%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 15004), 270nm (ε 15084)
1H NMR (DMSO-D6): 8.02(1H, s), 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.14-6.07(1H, m), 5.39(1H, d, J=11.3 Hz), 5.42(1H, d, J=11.9 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, br d, J=49.7 Hz), 4.99(1H, d, J=1.7 Hz), 4.86(1H, d, J=4.3 Hz), 4.03(1H, s), 3.93-3.88(1H, m), 2.82-2.74(2H, m), 2.48-2.43(2H, m), 2.17-1.97(4H, m), 1.84-1.55(6H, m), 1.46-1.32(4H, m), 1.29-1.16(7H, m), 0.86(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.18(d, J=16.7 Hz), 141.74, 139.43, 132.93, 124.08, 122.95(q, J=286.7 Hz), 117.22, 117.01, 115.08(d, J=9.1 Hz), 91.93(d, J=166.9 Hz), 76.76(sep, J=28.0 Hz), 68.41, 64.56, 56.43, 55.96, 46.18, 44.82, 44.54, 40.69(d, J=20.5 Hz), 40.27, 38.73, 35.68, 28.38, 23.15, 22.85, 21.80, 21.45, 17.59, 14.61
MS HRES:C33H41D6F7O3の理論値:[M+Na]+ 653.3682
実測値:[M+Na]+ 653.3689
(実施例30)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((6S,3E)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
攪拌棒及び窒素掃引を備えた冷却器を装着した25ml丸底フラスコに、水素化リチウムアルミニウム(12.0ml, 12.0mmol, 1M/テトラヒドロフラン)を充填し、この混合物を0℃に冷却した。ナトリウムメトキシド(648mg, 12.0mmol)をゆっくり添加し、引き続きテトラヒドロフラン(8ml)中の(6S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール(740mg, 1.502mmol)を添加した。この反応混合物を80℃で4時間攪拌し、次に0℃に冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液(5ml)をゆっくり添加し、引き続き飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)及び2N HCl (20ml)を添加した。この混合物を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-4:1を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(727mg, 98%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 6.32(1H, dt, J=15.4, 7.9), 5.58(1H, d, J=15.8 Hz), 4.09(1H, br s), 2.29(2H, d, J=8.1 Hz), 2.04-1.97(1H, m), 1.84-1.76(2H, m), 1.63-1.18 (18H, m), 1.09(3H, s), 0.98(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 137.23, 120.09, 71.53, 69.83, 57.36, 52.71, 44.27, 43.69, 42.44, 41.61, 40.22, 33.54, 23.20, 22.36, 21.88, 18.02, 17.70, 17.31, 16.77
MS HRES:C24H32D6F6O3の理論値:[M+Na]+ 517.2994
実測値:[M+Na]+ 517.2994
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム(1.50g, 3.99mmol)及びジクロロメタン(15ml)を充填した。ジクロロメタン(5ml)中の(6S, 3E)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール(730mg, 1.476mmol)を滴下し、混合物を室温で4.5時間攪拌した。
反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を用い、シリカゲル(50cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(706mg, 97%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 6.33(1H, dt, J=15.3, 7.7 Hz), 5.61(1H, d, J=15.6 Hz), 2.43(1H, dd, J=11.2, 7.1 Hz), 2.33-2.19(4H, m), 2.17-2.12(1H, m), 2.06-2.00(1H, m), 1.95-1.84(1H, m), 1.80-1.54(7H, m), 1.40-1.20(5H, m), 1.15-1.09(1H, m), 0.98(3H, s), 0.75(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 211.74, 136.54, 119.96, 71.25, 62.22, 57.49, 50.59, 43.80, 42.54, 40.85, 39.97, 39.80, 24.04, 23.03, 22.10, 18.67, 17.72, 15.71
MS HRES:C24H30D6F6O3の理論値:[M+Na]+ 515.2837
実測値:[M+Na]+ 515.2837
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(698mg, 1.417mmol)及びジクロロメタン(8ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1.8ml, 12.3mmol)を滴下した。この混合物を室温で2時間攪拌した。酢酸エチル(150ml)を添加し、この混合物を水(4×50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(60cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(871mg, 96%)を得た。
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(531mg, 0.911mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.57ml, 0.91mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(260mg, 0.408mmol)を滴下した。反応混合物を、5時間30分攪拌し、次に浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びテトラヒドロフラン(5ml)を充填した。フッ化テトラブチルアンモニウム(2.10g, 6.66mmol)を添加した。混合物を、次の6時間攪拌し、フッ化テトラブチルアンモニウム(5ml, 1M/テトラヒドロフラン)を添加した。この反応液を、次の15時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(186mg, 73%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 13978), 265nm (ε 16276)
1H NMR (CDCl3): 6.37(1H, d, J=11.1 Hz), 6.31(1H, dd, J=15.6, 7.9 Hz), 6.00(1H, d, J=11.1 Hz), 5.59(1H, d, J=15.6 Hz), 5.33(1H, s), 4.99(1H, s), 4.43(1H, br s), 4.23(1H, br s), 2.81(1H, dd, J=12.2, 3.4 Hz), 2.59(1H, br d, J=10.5 Hz), 2.34-2.29(3H, m), 2.06-1.98(3H, m), 1.93-1.87(1H, m), 1.76-1.18(18H, m), 1.12-1.06(1H, m), 0.95(3H, s), 0.66(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 149.41, 139.75, 136.73, 135.85, 122.63(q, J=285.2 Hz), 122.39, 119.72, 117.94, 109.79, 75.51(sep, J=29.6 Hz), 68.41, 65.11, 56.54, 56.02, 46.13, 44.87, 44.43, 43.11, 41.20, 40.48, 28.37, 23.14, 22.90, 21.72, 21.52, 17.56, 14.70
MS HRES:C33H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 651.3725
実測値:[M+Na]+ 651.3727
(実施例31)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(546mg, 0.956mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.60ml, 0.96mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(295mg, 0.463mmol)を滴下した。反応混合物を5時間30分攪拌し、次に浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の42時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(280mg, 98%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 32355), 252nm (ε 37697), 262nm (ε 25353)
1H NMR (DMSO-D6): 8.04(1H, s), 6.32(1H, dt, J=15.6, 7.7 Hz), 6.07(1H, d, J=11.1 Hz), 5.78(1H, d, J=11.1 Hz), 5.63(1H, d, J=15.3 Hz), 4.50(1H, d, J=3.4 Hz), 4.39(1H, d, J=3.4 Hz), 4.04(1H, s), 3.88(1H, br s), 3.80(1H, br s), 2.74(1H, br d, J=13.9 Hz), 2.44(1H, dd, J=13.0, 3.0 Hz), 2.33-2.21(2H, m), 2.07-1.95(2H, m), 1.69-1.04(17H, m), 0.90(3H, s), 0.62(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 139.13, 136.71, 134.63, 122.44(q, J=285.2 Hz), 120.83, 119.71, 116.38, 75.51(sep, J=28.9 Hz), 68.37, 65.57, 65.28, 56.52, 55.97, 45.96, 44.59, 44.44, 42.23, 41.18, 40.48, 39.62, 39.58, 37.00, 28.19, 22.99, 22.91, 21.76, 21.42, 17.55, 14.79
MS HRES:C32H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 639.3725
実測値:[M+Na]+ 639.3724
(実施例32)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20S-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン(473mg, 1.005mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-78℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.63ml, 1.01mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を-78℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1S,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(271mg, 0.426mmol)を滴下した。反応混合物を、4.5時間攪拌し、次に浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(10ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の17時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(226mg, 84%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 14182), 269nm (ε 14044)
1H NMR (DMSO-D6): 8.03(1H, s), 6.36(1H, d, J=10.9 Hz), 6.33-6.27(1H, m), 5.93(1H, d, J=11.1 Hz), 5.63(1H, d, J=15.4 Hz), 5.38(1H, s), 5.14(1H, br d, J=49.7 Hz), 4.99(1H, s), 4.86(1H, d, J=4.3 Hz), 4.03(1H, s), 3.94-3.88(1H, m), 2.81(1H, br d, J=12.4 Hz), 2.34-2.20(2H, m), 2.16-2.06(2H, m), 2.00-1.95(1H, m), 1.84-1.02(18H, m), 0.89(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.17(d, J=16.7 Hz), 141.68, 136.70, 132.97, 124.05, 122.62(q, J=286.7 Hz), 119.71, 117.29, 115.16, 91.95(d, J=166.9 Hz), 75.50(sep, J=28.8 Hz), 68.36, 64.56, 56.51, 55.95, 46.19, 44.83, 44.42, 41.15, 40.69(d, J=20.5 Hz), 40.41, 39.61, 28.36, 23.06, 22.88, 21.70, 21.40, 17.54, 14.71
MS HRES:C33H41D6F7O3の理論値:[M+Na]+ 653.3682
実測値:[M+Na]+ 653.3686
(実施例33)
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-7-ヒドロキシ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタナール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、クロロクロム酸ピリジニウム(3.858g, 17.898mmol)、セライト(3.93g)及びジクロロメタン(70ml)を充填した。ジクロロメタン(10ml)中の(3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタン-1,7-ジオール(5.00g, 11.190mmol)を滴下し、混合物を室温で3時間45分攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を使用し、シリカゲル(250cm3)及びセライト(1cm)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物(4.42g, 89%)を得た。
Figure 2010504306
((6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリジュウテロ-6-メチル-2-トリジュウテロメチル-ノン-8-イン-2-オール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、(3R)-3-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-8,8,8-トリジュウテロ-7-ヒドロキシ-3-メチル-7-トリジュウテロメチル-オクタナール(4.42g, 9.937mmol)及びメタノール(65ml)を充填した。メタノール(3ml)中の(1-ジアゾ-2-オキソ-プロピル)-ホスホン酸ジメチルエステル(3.75g, 19.52mmol)を添加し、得られた混合物を氷浴中で冷却した。炭酸カリウム(3.75g, 27.13mmol)を添加し、反応混合物を氷浴中で30分間、次に室温で4時間攪拌した。水(100ml)を添加し、この混合物を、酢酸エチル(4×80ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。残渣を、ヘキサン:酢酸エチル-5:1を用い、シリカゲル(50cm3)を通して濾過し、蒸発させた。
この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-5:1及び4:1を用い、カラム(VersaPak Cartridge 80×150mm)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(3.83g, 87%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 3.99(1H, br s), 2.12-1.92(4H, m), 1.83-1.75(1H, m), 1.68-1.22(17H, m), 1.04(3H, s), 0.99(3H, s), 0.88(9H, s), 0.00(3H, s), -0.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 82.90, 70.75, 69.67, 69.60, 60.33, 56.61, 52.99, 44.73, 43.71, 41.35, 39.55, 39.51, 34.34, 29.51, 25.83, 22.77, 22.39, 22.03, 18.49, 18.03, 17.73, 16.48, 14.19, -4.79, -5.14
Figure 2010504306
((1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリジュウテロ-1-メチル-1-(プロピ-2-イニル)-5-トリジュウテロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した100ml丸底フラスコに、(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-1,1,1-トリジュウテロ-6-メチル-2-トリジュウテロメチル-ノン-8-イン-2-オール(3.80g, 8.62mmol)及びジクロロメタン(30ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(3.7ml, 25.22mmol)を滴下した。この混合物を室温で1時間35分攪拌した。水(100ml)を添加し、この混合物を、ヘキサン(3×70ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-20:1を用い、カラム(250cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(4.09g, 93%)を得た。
Figure 2010504306
((6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール)
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプター及び漏斗(冷却浴付き)を装着した100ml二首丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリジュウテロ-1-メチル-1-(プロピ-2-イニル)-5-トリジュウテロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(4.09g, 7.97mmol)及びテトラヒドロフラン(50ml)を充填した。この漏斗を、ヘキサフルオロアセトンの入った容器に連結し、冷却した(アセトン、ドライアイス)。反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(7.5ml, 12.00mmol)を滴下した。30分後に、ヘキサフルオロアセトンを添加した(容器のバルブは3回開放した)。この反応液を、-70℃で2時間攪拌し、次に飽和塩化アンモニウム溶液(5ml)を添加した。この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)の添加により溶解し、酢酸エチル(3×80ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。残渣を、カラム(300cm3, ヘキサン:酢酸エチル-20:1)上で2回クロマトグラフィーに供し、生成物及び高分子(ヘキサフルオロアセトン由来)の混合物(5.56g)を得た。この生成物を、更に精製することなく次反応に使用した。
Figure 2010504306
((6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール)
攪拌棒及びゴム隔壁を装着した100ml丸底フラスコに、(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデセ-3-イン-2-オール(5.56g)、アセトニトリル(48ml)及びテトラヒドロフラン(12ml)を充填した。H2SiF6の溶液(35%)を、少量ずつ添加した:5ml、2ml(1時間20分後)、4ml(50分後)、5ml(1時間40分後)、5ml(1時間30分後)、5ml(16時間後)。更に5時間後、得られた混合物を水(50ml)で希釈し、酢酸エチル(50ml)及び水(50ml)の混合物へ注いだ。有機相を収集し、水相を酢酸エチル(2×50ml)で再抽出した。一緒にした有機層を乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてジクロロメタン:酢酸エチル(5:1)を用い、カラム(450cm3)上でクロマトグラフィーに供した。混合物画分を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-2:1及び1:1を用い、カラム(VersaPak Cartridge 40×150mm)上で精製した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、生成物(3.303g, 2工程で84%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 4.09(1H, br s), 2.16(1H, AB, J=17.2 Hz), 2.23(1H, AB, J=17.2 Hz), 2.05-2.01(1H, m), 1.85-1.76(2H, m), 1.65-1.21(18H, m), 1.06(3H, s), 1.01(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 121.35(q, J=286.0 Hz), 90.34, 72.39, 71.06(sep, J=32.6 Hz), 69.48, 56.99, 52.48, 43.51, 43.13, 40.91, 40.39, 39.97, 33.35, 30.05, 22.54, 22.14, 21.92, 18.09, 17.47, 16.10
MS HRES:C24H30D6F6O3の理論値:[M+Na]+ 515.2837
実測値:[M+Na]+ 515.2836
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム(1.620g, 4.306mmol)及びジクロロメタン(15ml)を充填した。ジクロロメタン(2ml)及びDMF(0.5ml)中の(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール(783mg, 1.583mmol)を滴下し、この混合物を室温で5時間攪拌した。反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を使用し、シリカゲル(50cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、黄色油状物として生成物を得た。この油状の残渣を、次反応で使用した。
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(約 1.58mmol)及びジクロロメタン(8ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1.90ml, 12.95mmol)を滴下した。この混合物を、室温で1.5時間攪拌した。ヘキサン(150ml)を添加し、混合物を、水(3×50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。
この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-5:1を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(918mg, 95%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 2.41(1H, dd, J=11.3, 7.2 Hz), 2.31-2.12(4H, m), 2.05-1.24(15H, m), 1.00(3H, s), 0.73(3H, s), 0.27(9H, s), 0.10(9H, s)
MS HRES:C30H44D6F6O3Si2の理論値:[M+Na]+ 657.3471
実測値:[M+Na]+ 657.3467
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(500mg, 0.858mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.53ml, 0.85mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(314mg, 0.495mmol)を滴下した。反応混合物を、8時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。飽和塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、浴を取り外した。この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×60ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、油状物を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(10ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の41時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(70cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。不純物を含有する画分を、移動相として酢酸エチルを用い、次のカラム(70cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を、酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(198mg, 64%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 17873), 264nm (ε 20804)
1H NMR (DMSO-D6): 8.95(1H, s), 6.19(1H, d, J=11.3 Hz), 5.97(1H, d, J=11.3 Hz), 5.22(1H, s), 4.86(1H, d, J=4.9 Hz), 4.75(1H, d, J=1.9 Hz), 4.55(1H, d, J=3.8 Hz), 4.20-4.18(1H, m), 4.04(1H, s), 4.01-3.98(1H, m), 2.78(1H, d, J=13.6 Hz), 2.35(1H, d, J=13.4 Hz), 2.28-2.14(3H, m), 1.99-1.92(2H, m), 1.83-1.78(2H, m), 1.64-1.57(5H, m), 1.47-1.21(10H, m), 0.96(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 149.56, 139.66, 136.09, 122.45, 121.61(q, J=286.7 Hz), 118.13, 109.87, 89.59, 70.67, 70.46(sep, J=31.9 Hz), 68.48, 68.42, 65.13, 56.05, 55.96, 46.09, 44.88, 44.55, 43.13, 40.12, 38.88, 28.77, 28.31, 23.03, 22.37, 21.89, 21.51, 18.21, 14.25
MS HRES:C33H40D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 649.3569
実測値:[M+Na]+ 649.3569
(実施例34)
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(568mg, 0.995mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.62ml, 0.99mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(306mg, 0.482mmol)を滴下した。反応混合物を、6時間攪拌し、次に飽和塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、浴を取り外した。この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル- 10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、油状物を得た。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の96時間攪拌した。
この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(223mg, 75%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 36685), 252nm (ε 42933), 262nm (ε 28904)
1H NMR (DMSO-D6): 8.95(1H, s), 6.07(1H, d, J=11.1 Hz), 5.78(1H, d, J=11.1 Hz), 4.48(1H, d, J=4.3 Hz), 4.38(1H, d, J=3.8 Hz), 4.04(1H, s), 3.90-3.76(2H, m), 2.74(1H, d, J=13.4 Hz), 2.43(1H, d, J=14.1 Hz), 2.28-2.19(3H, m), 2.07-1.93(3H, m), 1.81(1H, dd, J=9.6, 9.2 Hz), 1.68-1.22(17H, m), 0.96(3H, s), 0.59(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 139.10, 134.88, 121.61(q, J=286.7 Hz), 120.92, 116.57, 89.60, 70.67, 68.49, 65.60, 65.32, 56.01, 55.94, 45.94, 44.60, 44.55, 42.23, 39.80, 36.96, 28.80, 28.15, 22.89, 22.39, 21.94, 21.42, 18.22, 14.37
MS HRES:C32H40D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 637.3569
実測値:[M+Na]+ 637.3565
(実施例35)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル- ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23-イン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン](542mg, 1.152mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.71ml, 1.14mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1R)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-イニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(292mg, 0.460mmol)を滴下した。反応混合物を、7時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物を得た。油状の残渣を次反応で使用した。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(8ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。混合物を次の48時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-1:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(278mg, 96%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 210nm (ε 14823), 244nm (ε 14731), 270nm (ε 14798)
1H NMR (DMSO-D6): 8.95(1H, s), 6.36(1H, d, J=11.1 Hz), 5.93(1H, d, J=11.3 Hz), 5.38(1H, s), 5.14(1H, br d, J=49.6 Hz), 4.98(1H, d, J=1.9 Hz), 4.86(1H, d, J=4.5 Hz), 4.04(1H, s), 3.94-3.87(1H, m), 2.82(1H, d, J=10.2 Hz), 2.27-2.05(4H, m), 2.00-1.93(2H, m), 1.83-1.55(7H, m), 1.48-1.21(10H, m), 0.95(3H, s), 0.58(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.31(d, J=16.7 Hz), 141.67, 133.23(d, J=1.5 Hz), 124.18, 121.64(q, J=286.0 Hz), 117.53, 115.37(d, J=9.2 Hz), 92.09(167.6 Hz), 89.59, 70.70, 70.48(sep, J=31.9 Hz), 68.51, 64.61, 64.57, 56.02, 55.96, 46.19, 44.86, 44.56, 40.71(d, J=19.7 Hz), 39.82, 28.80, 28.34, 22.98, 22.35, 21.90, 21.43, 18.24, 14.31
MS HRES:C33H39D6F7O3の理論値:[M+Na]+ 651.3526
実測値:[M+Na]+ 651.3530
(実施例36)
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((6R, 3Z)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
50ml丸底フラスコに、(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール(800mg, 1.624mmol)、Pd/CaCO3 (200mg, 5%)、ヘキサン(18.6ml)、酢酸エチル(7.6ml)、及びエタノール中キノリン溶液(0.72ml,エタノール(3.1ml)及びキノリン(168μl)から調製)を充填した。この基質を、周囲温度及び大気圧の水素で、水素添加した。この反応は、TLC(ジクロロメタン:酢酸エチル4:1, 3×)で追跡した。5時間10分後、触媒を濾過除去し(シリカゲル50cm3, ヘキサン:酢酸エチル1:1)、溶媒を蒸発させた。生成物を、ヘキサン:酢酸エチルから結晶化した(750mg, 93%)。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 6.07(1H, dt, J=12.4, 7.2 Hz), 5.45(1H, d, J=12.4 Hz), 4.08(1H, d, J=2.1 Hz), 2.50-2.39(2H, m), 2.03(1H, d, J=11.1 Hz), 1.88-1.79(2H, m), 1.67-1.22(18H, m), 1.09(3H, s), 0.98(3H, s)
13C NMR (CDCl3): 139.98, 122.83(q, J=286.7 Hz), 117.24, 71.45, 69.57, 56.67, 52.55, 44.08, 43.56, 41.21, 39.71, 39.13, 37.19, 33.39, 22.42, 22.15, 21.86, 17.92, 17.54, 16.47
MS HRES:C24H32D6F6O3の理論値:[M+Na]+ 517.2994
実測値:[M+Na]+ 517.2992
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム(1.520g, 4.040mmol)及びジクロロメタン(20ml)を充填した。ジクロロメタン(5ml)中の(6R,3Z)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール(730mg, 1.476mmol)を滴下し、混合物を室温で4時間20分攪拌した。
反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を使用し、シリカゲル(50cm3)が入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。この生成物を更に精製することなく次反応で使用した。
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R, 3Z)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(約1.47mmol)及びジクロロメタン(8ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1.80ml, 12.27mmol)を滴下した。この混合物を、室温で3時間攪拌した。水(50ml)を添加し、この混合物を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-5:1を用い、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(766mg, 81%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 5.98(1H, dt, J=12.5, 6.2 Hz), 5.42(1H, d, J=11.4 Hz), 2.49-2.40(2H, m), 2.34-2.15(4H, m), 2.07-1.95(1H, m), 1.93-1.60(6H, m), 1.43-1.19(7H, m), 0.95(3H, s), 0.74(3H, s), 0.24(9H, s), 0.10(9H, s)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(473mg, 0.811mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.50ml, 0.80mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中で(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(280mg, 0.440mmol)を滴下した。反応混合物を、6時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。飽和塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、浴を取り外した。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)へ注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×70ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の29時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-1:2を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(224mg, 81%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 15024), 265nm (ε 17330)
1H NMR (DMSO-D6): 7.98(1H, s), 6.18(1H, d, J=11.1 Hz), 6.10(1H, dt, J=12.8, 6.4 Hz), 5.97(1H, d, J=11.3 Hz), 5.43(1H, d, J=11.9 Hz), 5.23(1H, s), 4.86(1H, d, J=4.7 Hz), 4.75(1H, d, J=1.7 Hz), 4.54(1H, d, J=3.6 Hz), 4.21-4.16(1H, m), 4.02(1H, s), 4.05-3.95(1H, m), 2.77(1H, d, J=11.7 Hz), 2.50-2.29(2H, m), 2.16(1H, dd, J=13.5, 5.2 Hz), 2.00-1.94(2H, m), 1.82-1.78(1H, m), 1.71-1.25(17H, m), 0.90(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 149.40, 139.76, 139.25, 135.81, 122.93(q, J=287.5 Hz), 122.35, 117.88, 117.11, 109.75, 76.78(sep, J=29.6 Hz), 68.41, 68.35, 65.07, 56.55, 55.98, 46.15, 44.86, 44.59, 43.11, 40.34, 38.76, 36.05, 28.98, 23.13, 22.80, 21.83, 29.50, 20.07, 17.93, 14.57
MS HRES:C33H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 651.3725
実測値:[M+Na]+ 651.3726
(実施例37)
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(575mg, 1.007mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.61ml, 0.98mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中で(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R, 3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(303mg, 0.476mmol)を滴下した。反応混合物を、5時間攪拌し、次に飽和塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、浴を取り外した。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×70ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を次の64時間攪拌した。混合物を酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(60cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(251mg, 85%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 36100), 252nm (ε 42319), 262nm (ε 28518)
1H NMR (DMSO-D6): 7.99(1H, s), 6.14-6.06(1H, m), 6.07(1H, d, J=12.4 Hz), 5.78(1H, d, J=11.3 Hz), 5.43(1H, d, J=12.2 Hz), 4.48(1H, d, J=4.0 Hz), 4.38(1H, d, J=4.1 Hz), 4.02(1H, s), 3.90-3.84(1H, m), 3.84-3.76(1H, m), 2.73(1H, d, J=13.6 Hz), 2.54-2.41(2H, m), 2.26(1H, br d, J=10.4 Hz), 2.07-1.97(3H, m), 1.72-1.18(19H, m), 0.90(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 139.25, 139.18, 134.60, 122.94(q, J=286.8 Hz), 120.82, 117.13, 116.33, 76.77(sep, J=28.0 Hz), 68.41, 65.54, 65.26, 56.53, 55.95, 46.00, 44.59, 42.22, 40.34, 38.78, 36.96, 36.07, 28.17, 22.99, 22.80, 21.89, 21.40, 17.94, 14.67
MS HRES:C32H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 639.3725
実測値:[M+Na]+ 639.3717
(実施例38)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン(520mg, 1.105mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.69ml, 1.10mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3Z)6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(314mg, 0.493mmol)を滴下した。この反応混合物を、5時間30分攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。浴を取り外し、この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(100ml)へ注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。油状の残渣を次反応で使用した。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(10ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の22時間攪拌した。この混合物を酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-1:1を使用し、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び不純物を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-2:1及び1:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上で精製した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(258mg, 83%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 210nm (ε 15800), 245nm (ε 15638), 269nm (ε 15445)
1H NMR (DMSO-D6): 7.99(1H, s), 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.10(1H, dt, J=11.9, 6.3 Hz), 5.92(1H, d, J=11.3 Hz), 5.43(1H, d, J=12.4 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, ddd, J=49.4, 5.5, 3.7 Hz), 4.98(1H, d, J=1.7 Hz), 4.85(1H, d, J=4.5 Hz), 4.02(1H, s), 3.93-3.87(1H, m), 2.81(1H, d, J=12.8 Hz), 2.54-2.40(2H, m), 2.16-1.97(4H, m), 1.82-1.17(17H, m), 0.89(3H, s), 0.59(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.13(d, J=16.7 Hz), 141.74, 139.20, 132.94, 124.06, 122.93(q, J=286.0 Hz), 117.26, 117.12, 115.18(d, J=9.1 Hz), 91.95(d, J=166.9 Hz), 76.78(sep, J=28.8 Hz), 68.41, 64.54, 65.50, 56.51, 55.92, 46.24, 44.81, 44.58, 40.68(d, J=20.5 Hz), 40.28, 38.97, 38.78, 36.07, 28.33, 23.06, 22.74, 21.83, 21.40, 17.93, 14.59
MS HRES:C33H41D6F7O3の理論値:[M+Na]+ 653.3682
実測値:[M+Na]+ 653.3686
(実施例39)
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
((6R,3E)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール)
攪拌棒及び窒素掃引を備えた冷却器を装着した25ml丸底フラスコに、水素化リチウムアルミニウム(13.00ml, 13.00mmol, 1M/テトラヒドロフラン)を充填し、この混合物を0℃に冷却した。ナトリウムメトキシド(702mg, 13.00mmol)をゆっくり添加し、引き続きテトラヒドロフラン(8ml)中の(6R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-イン-2,10-ジオール(810mg, 1.665mmol)を添加した。反応混合物を、80℃で6.5時間攪拌し、その後0℃に冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液(5ml)をゆっくり添加し、引き続き飽和塩化アンモニウム溶液(60ml)及び2N HCl (20ml)を添加した。この混合物を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。
油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-2:1及び1:1を用い、カラム(75cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物(806mg, 98%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 6.28(1H, dt, J=15.4, 7.7 Hz), 5.59(1H, d, J=15.7 Hz), 4.08(1H, br s), 2.13-2.00(3H, m), 1.83-1.79(2H, m), 1.63-1.24(18H, m), 1.08(3H, s), 0.97(3H, s)
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム(1.600g, 4.253mmol)及びジクロロメタン(15ml)を充填した。ジクロロメタン(2ml)中の(6R,3E)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-11,11,11-トリジュウテロ-10-トリジュウテロメチル-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ウンデセ-3-エン-2,10-ジオール(782mg, 1.581mmol)を滴下し、混合物を室温で4時間30分攪拌した。
この反応混合物を、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル4:1を用い、シリカゲル(25cm3)の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(746mg, 96%)を得た。
Figure 2010504306
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-5-ヒドロキシ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(746mg, 1.515mmol)及びジクロロメタン(10ml)を充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1.90ml, 12.95mmol)を滴下した。この混合物を、室温で3時間攪拌した。ヘキサン(150ml)を添加し、混合物を水(3×50ml)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-5:1を用い、カラム(50cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物(917mg, 95%)を得た。
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(460mg, 0.789mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.49ml, 0.78mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中の(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(302mg, 0.474mmol)を滴下した。反応混合物を、5.5時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。飽和塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、浴を取り外した。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を、次の18時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水(50ml)及びブライン(50ml)で6回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した(テトラヒドロフランを使用し、物質をカラム上に移した)。生成物を含む画分は、若干の不純物を含有した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、白色固形物を得た。この固相を、ブフナー漏斗(10〜15μm)へヘキサンで移し、ヘキサン(20ml)で洗浄し、不純物を除去した。その後生成物を、エタノール(25ml)で漏斗から取り除き、この溶液を蒸発させ、白色固形物として生成物(215mg, 71%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 214nm (ε 1377), 265nm (ε 1675)
1H NMR (DMSO-D6): 8.05(1H, s), 6.28(1H, dt, J=15.3, 7.7 Hz), 6.18(1H, d, J=11.1 Hz), 5.97(1H, d, J=11.3 Hz), 5.62(1H, d, J=15.3 Hz), 5.22(1H, s), 4.87(1H, d, J=4.7 Hz), 4.75(1H, d, J=2.1 Hz), 4.55(1H, d, J=3.6 Hz), 4.21-4.16(1H, m), 4.04(1H, s), 4.05-3.95(1H, m), 2.79-2.76(1H, m), 2.35(1H, d, J=13.9 Hz), 2.16(1H, dd, J=13.3, 5.2 Hz), 2.07(2H, d, J=7.5 Hz), 2.00-1.90(2H, m), 1.82-1.78(1H, m), 1.65-1.55(6H, m), 1.43-1.24(10H, m), 0.90(3H, s), 0.61(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 149.37, 139.67, 136.44, 135.84, 122.60(q, J=286.8 Hz), 122.35, 119.82, 117.93, 109.79, 75.49(sep, J=28.8 Hz), 68.39, 65.06, 56.36, 56.01, 46.20, 44.87, 44.56, 43.11, 41.06, 40.43, 28.33, 23.09, 22.49, 21.80, 21.60, 17.90, 14.59
MS HRES:C33H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 651.3725
実測値:[M+Na]+ 651.3729
(実施例40)
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1,25-ジヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(584mg, 1.023mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.63ml, 1.01mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中で(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(308mg, 0.484mmol)を滴下した。反応混合物を6時間攪拌し、次に飽和塩化アンモニウム溶液(1ml)を添加し、浴を取り外した。この混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分及び一部の単一脱保護された化合物をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(15ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を次の96時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水(50ml)及びブライン(50ml)で6回洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:テトラヒドロフラン-1:1、1:2を用い(テトラヒドロフランは若干の不純物を含有した)、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、白色固形物を得た。固相を、ヘキサンでブフナー漏斗(10〜15μm)へ移し、ヘキサン(20ml)で洗浄し、不純物を除去した。その後生成物を、エタノール(25ml)で漏斗から取り除き、この溶液を蒸発させ、白色固形物として生成物(274mg, 92%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 244nm (ε 35585), 252nm (ε 41634), 262nm (ε 28023)
1H NMR (DMSO-D6): 8.05(1H, s), 6.29(1H, dt, J=15.6, 7.7 Hz), 6.07(1H, d, J=11.3 Hz), 5.78(1H, d, J=11.3 Hz), 5.62(1H, d, J=15.6 Hz), 4.48(1H, d, J=4.1 Hz), 4.38(1H, d, J=3.8 Hz), 4.04(1H, s), 3.90-3.84(1H, m), 3.83-3.7(1H, m), 2.73(1H, d, J=13.2 Hz), 2.43(1H, dd, J=12.9, 3.3 Hz), 2.26(1H, d, J=10.4 Hz), 2.09-1.91(6H, m), 1.69-1.24(17H, m), 0.91(3H, s), 0.60(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 139.10, 136.46, 134.64, 122.59(q, J=286.0 Hz), 120.80, 119.84, 116.38, 75.50(sep, J=28.8 Hz), 68.40, 65.54, 65.25, 56.36, 55.98, 46.04, 44.56, 42.22, 41.07, 40.43, 36.96, 28.16, 22.95, 22.50, 21.85, 21.50, 17.90, 14.70
MS HRES:C32H42D6F6O4の理論値:[M+Na]+ 639.3725
実測値:[M+Na]+ 639.3725
(実施例41)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロールの合成)
Figure 2010504306
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20R-20-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロコレカルシフェロール)
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン(543mg, 1.154mmol)及びテトラヒドロフラン(8ml)を充填した。この反応混合物を-70℃に冷却し、n-ブチルリチウム(0.72ml, 1.15mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-70℃で20分間攪拌し、テトラヒドロフラン(1.5ml)中で(1R, 3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[(1R,3E)-6,6,6-トリフルオロ-1-メチル-1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリフルオロメチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキセ-3-エニル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(279mg, 0.438mmol)を滴下した。反応混合物を、8時間攪拌した(最後の1時間に温度を-70℃から-50℃へ上昇した)。浴を取り外し、混合物を、酢酸エチル(50ml)及び飽和塩化アンモニウム溶液(50ml)に注いだ。水画分を、酢酸エチル(3×50ml)で抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-10:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、油状物を得た。油状の残渣を次反応で使用した。攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、基質及びフッ化テトラブチルアンモニウム(8ml, 1M/テトラヒドロフラン)を充填した。この混合物を次の25時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル(150ml)の添加により溶解し、水及びブライン(30ml+20ml)で6回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-2:1、1:1を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物として生成物(216mg, 78%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 211nm (ε 16931), 243nm (ε 17696), 269nm (ε 17736)
1H NMR (DMSO-D6): 8.05(1H, s), 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.28(1H, dt, J=15.6, 7.6 Hz), 5.92(1H, d, J=11.3 Hz), 5.62(1H, d, J=15.3 Hz), 5.39(1H, s), 5.14(1H, br d, J=49.7 Hz), 4.99(1H, d, J=1.7 Hz), 4.86(1H, d, J=4.3 Hz), 4.04(1H, s), 3.94-3.86(1H, m), 2.81(1H, d, J=12.4 Hz), 2.15-2.06(4H, m), 1.99-1.91(3H, m), 1.82-1.55(6H, m), 1.46-1.20(10H, m), 0.90(3H, s), 0.59(3H, s)
13C NMR (DMSO-D6): 143.29(d, J=17.4 Hz), 141.83, 136.58, 133.13(d, J=1.5 Hz),
124.20, 122.76(q, J=287.5 Hz), 119.99, 117.46, 115.39(d, J=9.9 Hz), 92.09(d, J=166.8 Hz), 75.57(sep, J=28.8 Hz), 68.48, 64.60, 64.56, 56.40, 56.02, 46.31, 44.86, 44.58, 41.11, 40.71(d, J=20.4 Hz), 40.43, 39.36, 28.34, 23.02, 22.44, 21.79, 21.50, 17.90, 14.60
MS HRES:C33H41D6F7O3の理論値:[M+Na]+ 653.3682
実測値:[M+Na]+ 653.3684
(実施例42)
(1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
((1R,3aR,4S,7aR)-2-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}エチルトルエン-4-スルホン酸エステル)
Figure 2010504306
攪拌棒及び窒素掃引を装着した100ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-2-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-エタノール5.98g(16.958mmol)、ジクロロメタン50ml、トリエチルアミン6ml及び4-ジメチルアミノピリジン230mg(1.883mmol)を充填した。トシルクロリド4.83g(25.334mmol)を一気に添加した。この混合物を、室温で2時間攪拌した。懸濁液を、氷40g、飽和炭酸水素ナトリウム溶液100ml及びヘキサン100mlの混合物へ注いだ。水層を、ジクロロメタン50mlで3回再抽出した。これらの一緒にした抽出物を、ブライン100mlで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。この残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1)を用い、短いフラッシュクロマトグラフィーカラムを使用し精製し、粗生成物9.0gを無色の油状物として得た。この生成物を、更に精製することなく次反応で使用した。
((1R,3aR,4S,7aR)-2-(2-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-エチル)-マロン酸ジメチルエステル)
Figure 2010504306
機械式攪拌装置、窒素掃引を備えた添加用漏斗及び冷却器を装着した500ml三首丸底フラスコに、トルエン160mlを充填した。水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散) 5.20g(130mmol)を一気に添加した。この攪拌した懸濁液に、トルエン50ml中のマロン酸ジメチル19.36g (146.5mmol)溶液を滴下した。このゲルを、120℃の油浴中で10分間加熱し、次にトルエン100ml中の粗(1R,3aR,4S,7aR)-2-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}エチルトルエン-4-スルホン酸エステル9.0g(約 16.958mmol)溶液を滴下した。この反応液を、この温度で6時間攪拌した。このフラスコを氷浴に配置し、冷水100mlを添加し、多量の沈殿を溶かした。この混合物を、ヘキサン100mlで平衡とした。得られた水相を、トルエン50mlで3回再抽出した。一緒にした抽出物を、水100ml及びブライン50mlで洗浄し、その後Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1;15:1)を用い、カラム(500cm3)上でクロマトグラフィーに供し、約50ml画分を収集した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させた。これらの混合物である画分をプールし、個別に蒸発させ、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1)を用い、カラム(300cm3)上で再度クロマトグラフィーに供し、約25ml画分を収集した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物6.148g(2工程で78%)を得た。
((1R,3aR,4S,7aR)-4-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-酪酸メチルエステル)
Figure 2010504306
攪拌棒及び窒素掃引を備えた冷却器を装着した100ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-2-(2-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-エチル)-マロン酸ジメチルエステル6.11g(13.091mmol)、ジメチルスルホキシド及び水(100:1)の混合物25ml、及び塩化リチウム1.11g(26.185mmol)を充填した。この混合物を攪拌し、窒素下で160℃で3時間加熱した。その後この溶液を冷却し、水100mlとヘキサン200mlの間で分配させた。水層を、ヘキサン50mlで3回抽出した。一緒にした有機層を、水50ml及びブライン50mlで5回洗浄し、その後Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(50:1)を用い、カラム(500cm3)上でクロマトグラフィーに供し、約50ml画分を収集した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。混合物である画分をプールし、個別に蒸発させ、ヘキサン:酢酸エチル (50:1)を用い、カラム(160cm3)上で再度クロマトグラフィーに供した。これは生成物4.19g(78%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 3.98(1H, br s), 3.66(3H, s), 2.29-2.23(2H, m), 2.10-1.75(5H, m), 1.68-1.22(10H, m), 0.94(3H, s), 0.88(9H, s), 0.71-0.65(1H, m), 0.61-0.50(1H, m), 0.21-0.14(2H, m), 0.00(3H, s), -0.02(3H, s), -0.05-0.12(1H, m)
((1R,3aR,4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-1,1,1-トリジュウテロ-2-トリジュウテロメチル-ペンタン-2-オール)
Figure 2010504306
攪拌棒、ゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-4-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-酪酸メチルエステル3.012g(7.370mmol)及び無水ジエチルエーテル75mlを充填した。この溶液を、氷水浴で冷却し、ジエチルエーテル中の1Mメチル-d3-マグネシウムヨージド20ml(20mmol)を滴下した。添加の完了後、この混合物を、室温で1.5時間攪拌し、その後氷浴中で再度冷却した。飽和塩化アンモニウム溶液25mlを滴下した。得られた沈殿を、水100mlの添加により溶解した。水層を、ジエチルエーテル50mlで3回再度抽出した。一緒にしたエーテル層を、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。この油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(9:1)を用い、カラム(350cm3)上でクロマトグラフィーに供し、約50ml画分を収集した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を得た。これらの混合物である画分をプールし、個別に蒸発させ、ヘキサン:酢酸エチル(9:1)を用い、カラム(100cm3)上で再度クロマトグラフィーに供した。これは生成物2.95g(96%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 3.99(1H, br s), 2.05-1.76(4H, m), 1.68-1.17(14H, m), 0.95(3H, s), 0.88(9H, s), 0.70-0.52(2H, m), 0.22-0.12(2H, m), 0.01(3H, s), -0.01(3H, s),-0.05--0.11(1H, m).
((1R,3aR,4S,7aR)-1-[1-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-シクロプロピル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(1R,3aR,4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-1,1,1-トリジュウテロ-2-トリジュウテロメチル-ペンタン-2-オール2.940g(7.088mmol)及びテトラヒドロフラン中の1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム25ml(25.0mmol)を充填した。この反応混合物を、70℃で22時間攪拌し、フッ化テトラブチルアンモニウムの新たな部分10ml(10.0mmol)を添加した。この反応液を、70℃で次の26時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水40ml及びブライン20mlで6回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用い、カラム(250cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、生成物2.00g(94%)を得た。
((1R,3aR,7aR)-1-[1-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-シクロプロピル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した250ml丸底フラスコに、ジクロム酸ピリジニウム7.42g(19.723mmol)、セライト7.28g、及びジクロロメタン75mlを充填した。ジクロロメタン5ml中の(1R,3aR,4S,7aR)-1-[1-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-シクロプロピル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール1.96g(6.522mmol)を滴下し、混合物を室温で6時間攪拌した。反応混合物を、移動相としてジクロロメタン及びジクロロメタン:酢酸エチル(4:1、3:1、2:1)を使用し、シリカゲル100cm3の入ったカラムを通して濾過した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、ケトン1.92g(98%)を得た。
1H NMR (CDCl3): 2.50(1H, dd, J=11.4, 7.0 Hz), 2.29-2.12(4H, m), 2.05-1.86(3H, m), 1.75-1.17(9H, m), 1.08-0.98(1H, m), 0.73-0.60(2H, m), 0.69(3H, s), 0.26-0.19(2H, m), 0.06--0.01(1H, m)。
((1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した100ml丸底フラスコに、(1R, 3aR, 7aR)-1-[1-(4-ヒドロキシ-5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-シクロプロピル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン1.91g(6.399mmol)及びジクロロメタン60mlを充填した。1-(トリメチルシリル)イミダゾール3.8ml(25.90mmol)を滴下した。この混合物を、室温で1時間45分攪拌した。水25mlを添加し、この混合物を10分間攪拌した。得られた混合物を、水200mlの添加により溶解した。水層を、酢酸エチル50mlで5回抽出した。一緒にした有機層を、ブライン50mlで洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:ジクロロメタン(2:1、1:1)及びジクロロメタンを用い、カラム(200cm3)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物2.10g(89%)を得た。
(1α,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン2.155g(3.776mmol)及び無水テトラヒドロフラン15mlを充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、ヘキサン中1.6M n-ブチルリチウム2.3ml(3.68mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、無水テトラヒドロフラン2ml中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン700mg(1.888mmol)を滴下した。この反応混合物を4時間攪拌し、その後浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル50ml及びブライン50mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル75mlで3回抽出した。全ての有機層を一緒にし、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1)を用い、カラム(100cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム20mlで処理した。この反応混合物を、室温で24時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解した。有機層を、水50ml及びブライン50mlで5回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。油状物を酢酸メチル中に溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物525mg(66%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 32133), 251nm (ε 37757), 261nm (ε 25993)
1H NMR (CDCl3): 6.30(1H, d, J=11.3 Hz), 5.82(1H, d, J=11.3), 4.15-4.08(1H, m), 4.07-4.00(1H, m), 2.82-2.78(1H, m), 2.73(1H, dd, J=13.1, 3.7 Hz), 2.48(1H, dd, J=13.3, 3.3 Hz), 2.24-1.24(21H, m), 1.19(1H, s), 1.00-0.91(1, m), 0.68-0.61(2H, m), 0.59(3H, s), 0.23-0.17(2H, m), 0.05 --0.05(1H, m)
MS HRES:C27H38D6FOの理論値:[M+Na]+ 445.3559
実測値:[M+Na]+ 445.3561
(実施例43)
(酢酸1α-アセトキシ-25-ヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロールエステルの合成)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、1α,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール245mg (0.579mmol)及びピリジン6mlを充填した。この混合物を、0〜5℃で攪拌し、無水酢酸1ml(10.6mmol)を滴下した。反応混合物を、0〜5℃で17時間攪拌し、無水酢酸の新たな部分0.75ml(7.9mmol)を滴下した。反応混合物を次の24時間攪拌した。この混合物を、水10mlの添加により溶解し、15分間攪拌し、酢酸エチル100mlを注いだ。この混合物を、水50ml及びブライン50mlで5回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物259mg(88%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 34931), 251nm (ε 40870), 260nm (ε 27807)
1H NMR (CDCl3): 6.25(1H, d, J=11.1 Hz), 5.72(1H, d, J=11.5 Hz), 5.12-5.06(2H, m), 2.80-2.76(1H, m), 2.60-2.44(3H, m), 2.27(1H, dd, J=13.5, 7.7 Hz), 2.14-1.87(6H, m), 2.03(3H, s), 2.00(3H, s), 1.70-1.25(11H, m), 1.18(1H, s), 1.00-0.91(1H, m), 0.68-0.60(2H, m), 0.57(3H, s), 0.23-0.16(2H, m), 0.00--0.06(1H, m)
MS HRES:C31H42D6FO5の理論値:[M+Na]+ 529.3770
実測値:[M+Na]+ 529.3782
(実施例44)
(1α,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン2.201g(3.774mmol)及び無水テトラヒドロフラン15mlを充填した。この反応混合物を-78℃に冷却し、ヘキサン中1.6M n-ブチルリチウム2.3ml(3.68mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、無水テトラヒドロフラン2ml中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン700mg(1.888mmol)を滴下した。この反応混合物を4時間攪拌し、その後浴を取り外し、混合物を、酢酸エチル60ml及びブライン50mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル75mlで4回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(20:1)を用い、カラム(100cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム20mlで処理した。この反応混合物を、室温で24時間攪拌した。この混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水50ml及びブライン50mlで5回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相として酢酸エチルを用い、カラム(75cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。不純物を含有する一部の画分は、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(2:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上で精製した。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物749mg(91%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 213nm (ε 12528), 264nm (ε 14832)
1H NMR (CDCl3): 6.37(1H, d, J=11.5 Hz), 5.99(1H, d, J=11.1), 5.32(1H, s), 4.99(1H, s), 4.44-4.42(1H, m), 4.23(1H, br s), 2.84-2.80(1H, m), 2.59(1H, dd, J=13.5, 3.5 Hz), 2.31(1H, dd, J=13.4, 6.4 Hz), 2.13-2.09(1H, m), 2.06-1.88(5H, m), 1.73-1.26(13H, m), 1.18(1H, br s), 0.99-0.90(1H, m), 0.68-0.61(2H, m), 0.59(3H, s), 0.21-0.16(2H, m), 0.00--0.06(1H, m)
MS HRES:C28H38D6FO3の理論値:[M+Na]+ 457.3559
実測値:[M+Na]+ 457.3563
(実施例45)
(酢酸1α-アセトキシ-25-ヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロールエステル)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、1α,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール345mg(0.794mmol)及びピリジン7mlを充填した。この混合物を、0〜5℃で攪拌し、無水酢酸1.5ml(15.9mmol)を滴下した。この反応混合物を、0〜5℃で17時間攪拌し、無水酢酸の新たな部分0.5ml(5.3mmol)を添加した。更に25時間後、無水酢酸の次の部分1ml(10.6mmol)を添加した。この反応混合物を、更に16時間攪拌した。この混合物を、水15mlの添加により溶解し、15分間攪拌し、酢酸エチル120mlに注いだ。この混合物を、水50ml及びブライン50mlで5回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用い、カラム(75cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物364mg(88%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 207nm (ε 14863), 250nm (ε 15225), 265nm (ε 15985)
1H NMR (CDCl3): 6.34(1H, d, J=11.3 Hz), 5.89(1H, d, J=11.5 Hz), 5.47(1H, dd, J=6.2, 4.0 Hz), 5.30(1H, s), 5.21-5.15(1H, m), 5.03(1H, d, J=1.7 Hz), 2.82-2.78(1H, m), 2.64(1H, dd, J=13.2, 4.3 Hz), 2.38-2.33(1H, m), 2.13-1.92(6H, m), 2.05(3H, s), 2.03(3H, s), 1.72-1.28(11H, m), 1.19(1H, s), 0.98-0.88(1H, m), 0.68-0.59(2H, m), 0.56(3H, s), 0.22-0.16(2H, m), 0.01--0.06(1H, m)
MS HRES:C32H42D6FO5の理論値:[M+Na]+ 541.3770
実測値:[M+Na]+ 541.3764
(実施例46)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した50ml丸底フラスコに、(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン1.907g (4.052mmol)及び無水テトラヒドロフラン15mlを充填した。この反応混合物を、-78℃に冷却し、ヘキサン中1.6M n-ブチルリチウム2.5ml(4.00mmol)を滴下した。得られた深赤色溶液を、-78℃で20分間攪拌し、無水テトラヒドロフラン2ml中の(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン650mg(1.754mmol)を滴下した。反応混合物を、3.5時間攪拌し、その後浴を取り外し、この混合物を酢酸エチル60ml及びブライン50mlに注いだ。水画分を、酢酸エチル60mlで4回抽出し、乾燥し(Na2SO4)、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル-20:1を用い、カラム(75cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物を生じ、これをテトラヒドロフラン中の1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム20mlで処理した。反応混合物を、室温で7.5時間攪拌した。混合物を、酢酸エチル150mlの添加により溶解し、水50ml及びブライン50mlで5回洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(1:1)を用い、カラム(75cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。不純物を含有する一部の画分を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上で精製した。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物629mg(82%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 209nm (ε 14376), 243nm (ε 13949), 269nm (ε 14083)
1H NMR (CDCl3): 6.39(1H, d, J=11.1 Hz), 6.00(1H, d, J=11.1 Hz), 5.38(1H, s), 5.13(1H, ddd, J=49.5, 6.9, 3.7 Hz), 5.09(1H, s), 4.22(1H, br s), 2.84-2.80(1H, m), 2.62(1H, dd, J=13.3, 3.7 Hz), 2.30(1H, dd, J=13.3, 7.5 Hz), 2.23-1.92(6H, m), 1.74-1.26(12H, m), 1.18(1H, s), 0.98-0.91(1H, m), 0.68-0.61(2H, m), 0.59(3H, s), 0.21-0.16(2H, m), 0.00--0.06(1H, m)
MS HRES:C28H37D6FO2の理論値:[M+Na]+ 459.3516
実測値:[M+Na]+ 459.3521
(実施例47)
(酢酸1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロールエステル)
Figure 2010504306
攪拌棒及びゴム隔壁を備えたクライゼンアダプターを装着した25ml丸底フラスコに、1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール300mg(0.687mmol)及びピリジン6mlを充填した。この混合物を0〜5℃で攪拌し、無水酢酸1ml(10.6mmol)を滴下した。反応混合物を、0〜5℃で16時間攪拌し、無水酢酸の新たな部分0.5ml(5.3mmol)を添加した。この反応混合物を、次の3時間攪拌した。この混合物を、水15mlの添加により溶解し、15分間攪拌し、酢酸エチル120mlに注いだ。この混合物を、水50ml及びブライン50mlで5回抽出し、Na2SO4上で乾燥し、蒸発させた。油状の残渣を、移動相としてヘキサン:酢酸エチル(3:1)を用い、カラム(50cm3, 遮光された)上でクロマトグラフィーに供した。生成物を含有する画分をプールし、蒸発させ、無色の油状物として生成物を得た。この生成物を酢酸メチルに溶解し、蒸発させ(4回)、白色泡状物292mg(89%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 210nm (ε 11176), 245nm (ε 10496), 264nm (ε 10387)
1H NMR (CDCl3): 6.36(1H, d, J=11.3 Hz), 6.00(1H, d, J=11.3 Hz), 5.40(1H, s), 5.23-5.16(1H, m), 5.10(1H, dm, J=49.7 Hz), 5.10(1H, s), 2.82-2.79(1H, m), 2.64(1H, dd, J=13.7, 3.7 Hz), 2.41-2.36(1H, m), 2.23-1.93(6H, m), 2.04(3H, s), 1.73-1.26(12H, m), 0.99-0.92(1H, m), 0.68-0.61(2H, m), 0.60(3H, s), 0.22-0.17(2H, m), 0.00--0.06(1H, m)
MS HRES:C30H39D6FO3の理論値:[M+Na]+ 501.3621
実測値:[M+Na]+ 501.3619
(実施例48)
(1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロールの合成)
((3aR,4S,7aR)-1-E/Z-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-2-メトキシ-ビニル)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(100mL)中のクロロクロム酸ピリジニウム(10.3g, 47.7mmol)の攪拌懸濁液へ、室温で、ジクロロメタン(10.0mL)中の(3aR,4S,7aR)-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-メタノール(6.5g, 19.31mmol)の溶液を滴下した。この反応混合物を、1.0時間攪拌し、セライト/シリカゲルカラム(20g+50g)を通して濾過し、これを次にヘキサン中10%AcOEtで洗浄し、粗(3aR, 4S,7aR)-1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロパンカルボアルデヒド(5.6g)を得た。テトラヒドロフラン(150mL)中の(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド(7.5g, 21.88mmol)の攪拌懸濁液へ、0℃で、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(22mL, 22mmol, THF中1.0M)を滴下した。0℃で30分後、テトラヒドロフラン(20mL)中の(3aR, 4S,7aR)-1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロパンカルボアルデヒド(5.6g, 16.74mmol)の溶液を滴下した。この反応混合物を、0℃で1時間攪拌し、その後水(150mL)を添加し、この反応液を、ヘキサン(2×150mL)で抽出し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(12.5g)を、FC(200g, ヘキサン, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、表題化合物(5.41g, 14.92mmol, 77%)を得た。
((3aR,4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(50mL)中の(3aR,4S,7aR)-1-E/Z-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-2-メトキシ-ビニル(5.41g, 14.92mmol)の攪拌溶液へ、室温で、酢酸(acidic acid)(25mL)を添加し、反応混合物を72時間還流加熱した。NaHCO3水溶液(350mL)を添加し、反応混合物をジクロロメタン(2×200mL)で抽出し、ブライン(200mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(1.2g)を、FC(150g, ヘキサン, ヘキサン中2%AcOEt)で精製し、(3aR,4S,7aR)-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-アセトアルデヒド(3.65g, 10.47mmol)を得た。メタノール(15mL)中の(3aR, 4S,7aR)-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-アセトアルデヒド(3.65g, 10.47mmol)の攪拌溶液へ、室温で、メタノール(5mL)中の(1-ジアゾ-2-オキソ-プロピル)-ホスホン酸ジメチルエステル(3.0g, 15.61mmol)を添加した。得られた混合物を氷浴中で冷却し、炭酸カリウム(3.07g, 22.21mmol, 粉末化した)を添加した。この反応混合物を、氷浴中で30分間攪拌し、その後室温で45分間攪拌した。水を添加し(100mL)、この混合物をヘキサン(2×150mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(100mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(3.9g)を、FC(100g, ヘキサン, ヘキサン中2%AcOEt)により精製し、表題化合物(2.6g, 7.54mmol, 72%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 5.45 (1H, br, s), 4.04 (1H, br, s), 2.40 (2H, m), 2.24 (1H, m), 1.96-1.38 (9H, m), 1.17 (3H, s), 0.88 (9H, s), 0.74-0.54 (4H, m), 0.01 (6H, s);
13C NMR (CDCl3): 156.44(0), 125.39(1), 82.65(1), 69.39(0), 69.23(1), 55.92(1), 47.60(0), 36.42(2), 34.65(2), 30.76(2), 26.04(2), 20.34(3), 19.35(0), 18.30(2), 11.516(2), 10.97(2), -4.55(3), -4.87(3);
MS HREI:C22H36OSiの理論値:M+ 344.2535
実測値:M+ 344.2539
((3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペント-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
テトラヒドロフラン(22mL)中の(3aR,4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル(1.6g, 4.64mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi (4.35mL, 6.96mmol, ヘキサン中1.6M)を添加した。-78℃で1時間攪拌後、アセトン-d6(1.0mL, 13.6mmol, (D,99,96)を添加し、その攪拌を2.5時間継続した。NH4Cl水溶液(15mL)を添加し、この混合物を、室温で15分間攪拌し、その後AcOEt(2×50mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(2.4g)を、FC(50g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、(3aR,4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-1,1,1-トリジュウテロ-2-トリジュウテロメチル-ペント-3-イン-2-オール(1.81g, 4.43mmol)を生じ、これをフッ化テトラブチルアンモニウム(12mL, 12mmol, THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で48時間攪拌した。この混合物をAcOEt(25mL)で希釈し、水(5×25mL)、ブライン(25mL)で洗浄した。一緒にした水性洗浄液を、AcOEt(25mL)で抽出し、一緒にした有機抽出液を、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(2.5g)を、FC(100g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、表題化合物(1.21g, 4.11mmol, 89%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 5.47 (1H, m), 4.15 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.28 (1H, ddd, J=13.4, 11.9, 1.5 Hz), 1.98-1.36 (10H, m), 1.19 (3H, s), 0.70-0.52 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 156.32(0), 125.22(1), 86.36(0), 80.33(0), 69.31(1), 69.14(0), 55.20(1), 47.01(0), 35.87(2), 33.70(2), 29.99(2), 27.34(2), 19.39(2), 19.29(0), 17.83(3), 11.05(2), 10.50(2);
MS HREI:C19H22O2D6の理論値:M+ 294.2466
実測値:M+ 294.2474
((3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペント-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペント-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(1.02g, 3.46mmol)、酢酸エチル(14mL)、ヘキサン(31mL)、無水エタノール(1.25mL)、キノリン(66μL)、及びリンドラー触媒(222mg, CaCO3上に担持された5%Pd)の混合物を、室温で2時間水素添加した。この反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、このパッドをAcOEtで洗浄した。この濾液及び洗浄液を一緒にし、1M HCl、NaHCO3及びブラインで洗浄した。Na2SO4上で乾燥した後、この溶媒を蒸発させ、残渣(1.2g)を、FC(75g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、表題化合物(890mg, 3.0mmol, 87%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 5.45 (1H, dt, J=11.9, 1.8 Hz), 5.42 (1H, m,), 5.36 (1H, dt, J=12.1, 6.3 Hz), 4.14 (1H, m), 2.43 (1H, m), 2.27 (1H, ddd, J=13.6, 12.2, 1.7 Hz), 2.00-1.24 (11H, m), 1.18 (3H, s), 0.70-0.36 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 156.67(0), 136.58(1), 128.65(1), 125.21 (1), 71.48(0), 69.37(1), 55.28(1), 47.07(0), 35.89(2), 35.57(2), 33.68(2), 30.04(2), 21.14(0), 19.37(3), 17.84(2), 11.85(2), 11.06(2);
MS HRES:C19H24O2D6の理論値:M+H 296.2622
実測値:M+H 296.2619
((3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール)
Figure 2010504306
(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペント-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(860mg, 2.9mmol)、1,4-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)ブタン-1,5-シクロオクタジエンロジウムテトラフルオロボレート(200mg,0.28mmol)、ジクロロメタン(35mL)、及び水銀1滴の混合物を、パール装置を用い、室温及び圧力50psiで、2時間水素添加した。この反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、これを次に酢酸エチルで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発乾固させ(950mg)、FC(100g, ヘキサン中20%AcOEt)により3回精製し、表題化合物(600mg, 2.01mmol, 69%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.32-1.20 (17H, m), 1.18 (3H, s), 0.64-0.26 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 156.84(0), 124.87(1), 70.79(0), 69.39(1), 55.42(1), 47.19(0), 43.75(2), 38.31(2), 35.86(2), 33.69(2), 29.97(2), 22.35(2), 21.14(0), 19.46(3), 17.88(2), 12.19(2), 11.28(2);
MS HREI:C19H26O2D6の理論値:M+H 298.2779
実測値:M+H 298.2787
((3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン)
Figure 2010504306
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(450mg, 1.51mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液へ、室温で、ジクロム酸ピリジニウム(1.13g, 3.0mmol)を添加した。得られた混合物を3.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドをヘキサン中25%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(425mg, 1.44mmol, 95%)を得た。ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-ヒドロキシ-4-トリジュウテロメチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(425mg, 1.44mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(0.44mL, 3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(15g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、表題化合物(450mg, 1.22mmol, 85%)を得た。
Figure 2010504306
1H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5 Hz), 2.81 (1H, dd, J=10.7, 6.4 Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.8, 10.7, 1.6 Hz), 2.30-1.12 (13H, m) 重なり2.03 (ddd, J=15.9, 6.4, 3.2 Hz), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s);
13C NMR (CDCl3): 210.74 (0), 155.41(0), 124.81(1), 73.71(0), 64.37(1), 53.92(0), 44.67(2), 40.46(2), 38.21(2), 34.80(2), 26.86(2), 24.06(2), 22.28(2), 21.28(0), 18.40(3), 12.59(2), 10.69(2), 2.62 (3);
MS HRES:C22H32O2SiD6の理論値:M+ 368.0318
実測値:M+ 368.3029
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
テトラヒドロフラン(7mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(536mg, 0.92mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.58mL, 0.93mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(170mg, 0.46mmol)の溶液を滴下した。この反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(725mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール(293mg, 041mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール(293mg, 0.41mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を40時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(280mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、表題化合物(163mg, 0.39mmol, 84%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε32702) 251nm (ε 39060), 261nm (ε 26595);
1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.93 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.36 (1H, m), 4.13 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.76 (2H, m), 2.52-1.10 (22H, m), 0.79 (3H, s),0.66-0.24 (4H,m);
13C NMR (CDCl3): 157.05(0), 142.25(0), 131.15(0), 124.66(1), 123.70(1), 115.44(1), 70.82(0), 67.42(1), 67.22(1), 59.51(1), 50.17(0), 44.66(2), 43.79(2), 42.22(2), 38.18(2), 37.25(2), 35.64(2), 29.19(2), 28.56(2), 23.55(2), 22.31(2), 21.37(0), 18.04(3), 12.81(2), 10.38(2);
MS HRES:C27H36O3D6の理論値:M+ 420.3511
実測値:M+ 420.3524
(実施例49)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
テトラヒドロフラン(7mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(536mg, 0.92mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.58mL, 0.93mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(170mg, 0.46mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(725mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール(302mg, 041mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール(302mg, 0.41mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(280mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、表題化合物(160mg, 0.37mmol, 80%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 207nm (εl7011), 264nm (ε 15067);
1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J=11.9, 3.2 Hz), 2.60 (1H, dd, J=13.2, 3.2 Hz), 2.38-1.08 (20H, m), 0.79 (3H, s),0.66-0.24 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 156.97(0), 147.53(0), 142.41(0), 132.94(0), 124.83(1), 124.68(1), 117.14(1), 111.60(2), 70.82(0), 70.71(1), 66.88(1), 59.55(1), 50.30(0), 45.23(2), 43.79(2), 42.90(2), 38.18(2), 35.64(2), 29.19(2), 28.71(2), 23.63(2), 22.30(2), 21.36(0), 17.91(3), 12.82(2), 10.39(2);
MS HRES:C28H36O3D6の理論値:M+ 432.3510
実測値:M+ 432.3517
(実施例50)
(1α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール)
Figure 2010504306
テトラヒドロフラン(7mL)中の(1S,5R)-1-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エチ-(Z)-イリデン]-5-フルオロ-2-メチレン-シクロヘキサン(433mg, 0.92mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.58mL, 0.93mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリジュウテロ-4-トリジュウテロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(170mg, 0.46mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(580mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α-tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ-3β-フルオロ-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール(260mg, 042mmol)を得た。1α-tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ-3β-フルオロ-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-コレカルシフェロール(260mg, 0.42mmol)を生じるために、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(260mg)を、FC(10g, ヘキサン中30%、50%AcOEt)により精製し、表題化合物(140mg, 0.32mmol, 70%)を得た。
Figure 2010504306
UV λmax (EtOH): 243nm (ε 12254), 265nm (ε 12144);
1H NMR (CDCl3): 6.40 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.10 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.39 (1H, s), 5.34 (1H, m), 5.13 (1H, dm, J=50 Hz), 5.11 (1H, s), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.63 (1H, m), 2.38-1.08 (19H, m), 0.80 (3H, s),0.66-0.24 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 156.92(0), 143.06(0, d, J=17 Hz), 142.78(0), 131.49(0), 125.48(1), 124.71(1), 117.16(1), 114.67(2, d, J=10 Hz), 91.47 (1, d, J=172 Hz), 70.83(0), 66.58(1, d, J=6 Hz), 59.55(1), 50.35(0), 45.00(2), 43.80(2), 40.79(2, d, J=20 Hz), 38.20(2), 35.68(2), 29.15(2), 28.74(2), 23.64(2), 22.32(2), 20.79(0), 17.96(3), 12.81(2), 10.41(2);
MS HRES:C28H35FO2D6の理論値:M+Na 457.3359
実測値:M+Na 457.3360
(生物学的実施例)
(生物学的実施例1)
(方法)
(動物)
雌のBALB/cマウス(20g;Charles River Breeding Laboratories)を、全ての実験に使用した。全てのマウスは、Home Office規制に従い、飼料及び水の自在摂取の標準条件下、12-時間の昼夜サイクルで、飼育した。
(癒着形成のマウス実験モデル)
癒着は、Sulaimanとその同僚により開発された手順(Sulaiman H, Gabella G, Davis C, Mutsaers SE, Boulos P, Laurent GJ, Herrick SEの論文「マウス腹膜癒着への神経線維の成長(Growth of nerve fibers into murine peritoneal adhesions)」、J Pathol, 2000, 192:396-403)をベースにしたプロトコールにより、マウスにおいて誘導した。簡単に述べると、マウスに、吸入イソフルラン及び酸素の混合物で麻酔をかけ、腹壁及び腹膜を通る正中切開を行った。左側腹壁上の正中切開に対し中間部及び0.5cm側方の標準部位(直径6mm及び深度1mm)を、外科用メスの刃で30回掻き取り損傷した。盲腸を切り離し、0.9%滅菌食塩水で初回潅流後、外科用メスの刃でその側方側面上を30回掻き取った。次にこれらの2つの損傷された表面を、2本の水平マットレス縫合線(8/0 Ethilon;Ethicon, バークシャー, 英国)上に1cm離して配置することにより併置した。以下の2種で層内の正中切開を縫合した;連続縫合線により白線(linea-alba)を、次にMichel縫合クリップ(Aesculap, Tuttlingen 独国)を用い皮膚を閉じた。このモデルは、手術の1週間前に1mg/kgのGnRHアゴニスト酢酸ロイプロリド(Enantone, Takeida)注射を用い、バリデーションした。これらの動物を、7日目に通常のように屠殺し、癒着スコアの低下を評価した。
ビタミンD化合物の癒着形成に対する作用を評価するために、ビタミンD化合物又はビヒクルを受け取る実験群に無作為化した10匹の動物において、腹膜癒着を誘導した。最初の試験において、実験群の動物(n=5)は、手術日に、食塩水中の化合物X 200μg/kg又はビヒクル(食塩水)のみ(n=5)を0.1-ml腹腔内注射で受け取り、その後4日間毎日経口投与(ミグリオール中化合物X 100μg/kg又はミグリオールビヒクルのみ)を受け取った。第二の実験は、手術日に食塩水中の化合物Y 6μg/kgを0.1-ml腹腔内注射で、その後4日間毎日経口投与(ミグリオール中3μg/kg)を受け取る動物の一群(n=5)で行った。対照動物(n=5)には、ビヒクル単独(投与経路に応じてミグリオール又は食塩水)を同様に投与した。第三の実験は、カルシトリオールの作用を比較するためにデザインした。簡単に述べると、28匹の動物を手術し、以下の4つの異なる群に無作為化した:ビヒクル(投与経路に応じてミグリオール又は食塩水)(n=13)、化合物Xの腹腔内200μg/kg+MTDでの3日間の経口治療(n=5)、化合物Yの腹腔内30μg/kg+MTDでの3日間の経口治療(n=5)、カルシトリオールの腹腔内0.6μg/kg+MTDでの3日間の経口治療(n=5)。全ての動物は、7日目に屠殺し、それらの癒着を盲検方式で定量化した。各動物は、形成された癒着の数、長さ及び強度を基に癒着スコアを受け取った。腹膜への盲腸癒着の長さ(mm)も測定した。
(血清カルシウムレベルの比色測定)
血清カルシウムを、Calcium Dry-fastキット(Sentinel diagnostics社, ミラノ, イタリア)により、標準法をわずかに改変して、測定した:10μlの血清、標準溶液、又は水を、96ウェルプレート内の再構成されたアッセイ試薬100μlに添加し、5分間インキュベーションし、その後550nm、室温で測定した。標準は、4つ組で、ブランク(水)は2つ組で、及び試料は3つ組で試行した。
(結果)
Balb/cマウスを用い、盲腸の擦過モデルにおいて、術後癒着を誘導した。術後4時間目に、マウスに、化合物X 200μg/kgの腹腔内又はビヒクル単独を1回投与し、その後100μg/kgを1日1回4日間経口投与した。7日目に、マウスを屠殺し、開腹し、癒着の存在についてチェックした。各癒着の長さ及び強度を測定し、動物1匹毎にスコアとして表した。図1は、化合物X投与が総癒着スコアを有意に低下したことを示している。
Balb/cマウスを使用し、盲腸の擦過モデルにおいて、術後癒着を誘導した。術後4時間目に、マウスに、化合物Y 6μg/kgの腹腔内又はビヒクル単独を1回投与し、その後3μg/kgを1日1回4日間経口投与した。7日目に、マウスを屠殺し、開腹し、癒着の存在についてチェックした。各癒着の長さ及び強度を測定し、動物1匹毎にスコアとして表した。図2は、化合物Y投与が全体の癒着スコアを有意に低下したことを示している。
Balb/cマウスを使用し、盲腸の擦過モデルにおいて、術後癒着を誘導した。術後4時間目に、マウスに、ビヒクル又は化合物X 200μg/kgの腹腔内、化合物Y 30μg/kgの腹腔内、カルシトリオール0.6μg/kgの腹腔内を1回投与し、その後MTD(各々、100、3、0.3μg/kg)を1日1回4日間経口投与した。7日目に、マウスを屠殺し、開腹し、癒着の存在についてチェックした。各癒着の長さ及び強度を測定し、動物1匹毎にスコアとして表した。あるいは、盲腸の腹膜への癒着の長さ(mm)を測定した。統計解析は、ボンフェロニの多重比較検定でのANOVAにより行った。図3は、ミグリオール対照と比較した化合物X及び化合物Y及びカルシトリオールの作用を示している。ビタミンD化合物を受け取った動物とビヒクル群の動物の間の差異は、統計学的に有意であった。
血液血清を、図3に説明された実験の動物から採取し、カルシウムレベルを測定した。図4は、これらの実験における血清カルシウムレベルを示している。この状況ではわずかに高カルシウム血症である化合物X投与を除き、他の動物群は、正常血清カルシウムレベルを有した。
CD1マウスを用い、様々な投与量の化合物Yの腹腔内投与後の、血清カルシウム血を試験した。第二の動物群は、腹腔内投与(様々な投与量)及びMTD(3μg/kg)で3日間の経口投与の両方を受け取った。血清カルシウム血は、最終投与後24時間測定した。図5は、この投薬計画では高カルシウム血症作用は認められないことを示している。
図1、2及び3の実験において使用した盲腸擦過マウスモデルは、手術の1週間前に1mg/kgのGnRHアゴニスト酢酸ロイプロリド(Enantone, Takeida)の注射を用い、バリデーションした。これらの動物を、7日目に通常のように屠殺し、図6に示したように総癒着スコアを測定した。スコアの統計学的に有意な低下が認められた。
まとめると、これらの結果は、化合物X、化合物Y及びカルシトリオールにより例示されるように、ビタミンD化合物は、マウスモデルにおいて腹膜癒着の発生及び/又は重症度を低下する点で効果があることを示している。
(生物学的実施例2)
(化合物Yのフィブリン溶解経路に対する作用)
(方法):
集密な3T3-L1細胞を、以下の化合物と共に、一晩インキュベーションした:TGF-β1 5ng/ml、化合物Y 10-6、10-7、10-8及び10-9M。上清を取り除いた後、3μMフィブリノゲン及び100nMプラスミノーゲン("BM")を含有するフィブリン溶解緩衝液を、各ウェルに添加した。20nMトロンビンの添加により、フィブリン塊を誘導した。プレートを、37℃でインキュベーションし、405nmで光学密度を測定することにより、凝塊密度を決定した。結果は、未処理の細胞に対し正規化された、様々な時点での、相対フィブリン塊密度として示した。
(結果):
これらの結果を図7に示した。化合物Yは、投与量依存様式で、マウス線維芽細胞によるフィブリン塊溶解を促進した。
(生物学的実施例3)
(化合物Yのフィブリン溶解経路に対する作用)
(方法):
ヒト中皮細胞(LP9, コーネル大学)を、異なる投与量の化合物Yの存在下で、96ウェルプレートに播種した。48時間で、上清を収集し、tPA及びPAI-1生成を、ELISAにより測定した。tPA/PAI-1比を計算した。統計学的解析は、ANOVA検定により行った。
(結果):
これらの結果を、図8に示す。tPA/PAI-1比は、ヒト中皮細胞の化合物Yによる処置により増大し、このことはフィブリン溶解活性のアップレギュレーションを示している。
(生物学的実施例4)
(化合物Y腹腔内単回投与−血清カルシウムレベル)
(方法):
雌のBALB/cマウスに、0.1% Tween-20、0.1%エタノールを含む滅菌食塩水中の異なる投与量で化合物Y又はカルシトリオール100mlを腹腔内注射した。血液を2つの時点で採取し、血清カルシウム血を測定した。
(結果):
これらの結果は、図9に示している。一過性の高カルシウム血症が、高用量(300mg/kg)の化合物Yで認められたのに対し、カルシトリオールは、腹腔内投与後16及び24時間の両方で、より顕著かつ持続した高カルシウム血症を誘導した。
(生物学的実施例5)
(用量反応効能試験−盲腸腹膜擦過及び縫合の術後癒着マウスモデル)
(方法):
様々な投与量の化合物Yを、術後癒着のCPSS(盲腸腹膜擦過及び縫合)マウスモデルにおいて試験した。動物は、手術の終了時に、0.1% Tween-20、0.1%エタノールを含む滅菌食塩水100ml中の30-100-300μg/kgの化合物Yの腹腔内投与により試験した。2週間後、動物を屠殺し、腹膜癒着を評価した。4群の現位置(in situ)スコアの平均を比較し、及びビヒクル群と比較した、処置した動物の現位置スコアの平均の低下の割合を、考察した。
(結果):
これらの結果は、図10に示している。化合物Yは、盲腸−腹膜癒着形成を、用量依存的様式で低下した。
(生物学的実施例6)
(用量反応効能試験−双角子宮(dual uterine horn)の術後癒着ウサギモデル)
(方法):
双角子宮ウサギモデル(DUH)の一般的説明:
プロトコール:
動物:28匹の2.4〜2.7kgの雌のニュージーランドホワイトウサギを、Irish Farms社(Norco, CA)から購入し、使用前に少なくとも2日間隔離した。7匹のウサギを、手術開始前に、4治療群に無作為化した。これらのウサギは、12:12明暗サイクルで、飼料及び水は自在摂取できるように飼育した。
双角子宮モデル:ウサギに、塩酸ケタミン55mg/kg及びRompum 5mg/kgの混合物を筋肉内投与し、麻酔をかけた。無菌手術の準備に従い、正中開腹術を行った。子宮角を露出させ、穿刺出血が出現するまで、ガーゼで漿膜表面を擦過することにより傷つけた。側副血行供給を除去することにより、両方の子宮角の虚血が誘導された。子宮角への残りの血液供給は、子宮筋層の子宮−膣動脈の上行枝による供給であった。処置された動物は、ビヒクル(0.1% Tween 20、0.1%イソプロピルアルコールを含む乳酸リンゲル液)、又は2種の投与量の化合物Y(30又は300μg/kg)の一方を含むビヒクルのいずれか25mLを受け取った。追加群の動物は、手術のみを受けた。その後これらの角を、その正常な解剖学的位置に戻し、3-0 Vicrylで正中縫合した。これらの動物は、手術前及び剖検前に秤量した。
7日後、これらのウサギを死亡させ、角の様々な臓器への癒着領域の割合を決定した。加えて、癒着の頑強さを、以下のシステムを用い、スコア化した:
0=癒着なし
1=軽度、容易に解離可能な癒着
2=中等度の癒着;解離不能、臓器は裂かれない
3=濃密な癒着;解離不能、剥離時に臓器を裂く
加えて、前述のデータの全てを考慮する総スコアを、各ウサギに与えた。下記のスコア化システムを使用した:
Figure 2010504306
これらのウサギは、該動物の先行する治療について盲検とされた2名の独立した観察者により、スコア化した。個々の動物に割り当てられたスコアに相違が存在する場合は、より高いスコアを与えた。
(結果):
これらの結果は、図11に示している。化合物Yは、両投与量で、ビヒクル群と比べ、癒着形成を有意に低下した(両対照と比べた両投与量について、P<0.001)。剖検時に、腹膜炎、体重減少又は高カルシウム血症は、認められなかった。
(生物学的実施例7)
(DUHウサギモデル動物の血清カルシウムレベルに対する化合物Yの作用)
(方法):
血液1mlを、術前、術後24時間、及び剖検前に、赤色蓋のチューブ(red top tube)に採取し、血清カルシウムレベルを測定するために、血清を生じさせた。この血液は凝固させ、血清を遠心分離により収集し、血清カルシウムを測定した。
(結果):
これらの結果を、図12に示している。高カルシウム血症の徴候は、両方の投与量で、3種の時点で認められなかった。
(生物学的実施例8)
(マウスモデルにおける組織治癒の可能性のある悪化の研究)
(方法):
直径1cmの1個の完全な厚さの創傷を、型板(template)を用いて印しをつけ、その組織を、解剖用の鋏及び鉗子を用い、皮下組織のレベルで切除した。創傷治癒は、トレーシングフィルムにより創傷の周縁を描くことにより決定した。創傷治癒の速度は、残存する面積の割合(%)として表した。1群5匹の無毛マウスに、化合物Y 3mg/kgを週5日間、毎日経口投与した。ボルツマン式を用い、創傷治癒曲線を描き、V50(創傷半分治癒時間)を算出した。これら2本の曲線の間に、統計学的有意差は認められなかった。
ヒト中皮細胞(Cornell Cell Repositories)を、異なる投与量の化合物Yが存在する96ウェルプレートに播種した。上清を48時間で収集し、VEGF及びTGF-β生成を、ELISAにより測定した。生存細胞の総数は、蛍光アッセイにより定量した。
(結果):
これらの結果を、図13及び14に示している。これらの結果は、化合物Yは、完全厚マウスモデルにおいて創傷治癒を遅延しないことを示している(図13)。ヒト中皮細胞の化合物Yによる処置は、創傷治癒の促進において重要な因子である、VEGF及びTGF-βの生成に対し影響を及ぼさない(図14)。
(生物学的実施例9)
(マウスにおける感染増強に起因した死亡リスクの研究)
(方法):
CLP(盲腸結紮及び穿刺)を、23G針及び50〜70%の盲腸結紮で行った。化合物Y 30mg/kgを、手術日に腹腔内投与した。死亡率を、1日2回チェックした。1群10匹のC57/BL6マウスを使用した。
(結果):
これらの結果を、図15に示した。対数順位検定による生存曲線の比較は、ビヒクルと化合物Yで処置されたマウスの間に、統計学的有意差はないことを明らかにした。このことは、化合物Yは、細菌感染の増強に起因した死亡率増加のリスクに無関係であることを確認している。
(生物学的実施例10)
(イコデキストリン及びラザロイドと比較した有効性)
(方法):
化合物Yを使用して得た結果を、公開された文献において報告された、イコデキストリン及びラザロイドを使用して得た結果と比較した。これらの結果は、図16及び17に示している。これらの結果は、化合物Yは、DUHウサギモデルにおける癒着形成の防止において、イコデキストリン(図16)及びラザロイド(図17)の先行する研究と同等に有効であることを示している。イコデキストリンに関するデータは、SJS Vercoらの文献、Human Reproduction, 15(8) 1764-1772 (2000)から得た。ラザロイドに関するデータは、KE Rodgersらの文献、Human Reproduction, 13(9) 2443-2451 (1998)から得た。比較のための化合物Y実験は、Rodgersらの実験と同じ研究室において行った。
(生物学的結果のまとめ)
これらの結果から、カルシトリオール、化合物X、特に化合物Yにより例示されるように、ビタミンD化合物は、動物モデルにおいて、創傷治癒に対する有害作用を伴わず、かつ感染症の増強に起因した死亡率の増加を伴わず、癒着形成を低下することにおいて有効であると結論付けることができる。
(略号)
SFM=血清非含有培地
i.p.=腹腔内
(らを含む)
本明細書及び以下の「特許請求の範囲」を通じて、状況が特に必要としない限りは、単語「らを含む(comprise)」並びに「を含む(comprises)」及び「を含んでいる(comprising)」などの変形は、言及された整数、工程、整数の群又は工程の群を包含することを含意しているが、いずれか他の整数、工程、整数の群又は工程の群を排除することを含意するものではないことが理解されるであろう。
(参考文献の組み込み)
本出願を通じて引用された全ての参照(参考文献、発行された特許、公開された特許出願、及び同時係属特許出願を含む)の内容は、それら全体が引用により本明細書中に明確に組み込まれている。
(同等物)
当業者は、更なる慣習的な実験を使用することなく、本明細書において説明された本発明の具体的な実施態様の多くの同等物を認めるか又は確定することができるであろう。このような同等物は、以下の「特許請求の範囲」に包含されることが意図されている。

Claims (112)

  1. ビタミンD化合物を使用することを含む、癒着の防止法。
  2. ビタミンD化合物の有効量を、それを必要とする被験者へ投与し、その結果癒着が該被験者において防止されることを含む、被験者における癒着防止法。
  3. 癒着の防止を必要とする被験者を確定することを更に含む、請求項2記載の方法。
  4. 前記ビタミンD化合物を得る工程を更に含む、請求項2又は3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記被験者が、哺乳類である、請求項2〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記被験者が、ヒトである、請求項5記載の方法。
  7. 前記ビタミンD化合物が、医薬として許容し得る希釈剤又は担体と一緒に医薬組成物中に製剤される、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 癒着の防止のための医薬品の製造における、ビタミンD化合物の使用。
  9. 癒着の防止において使用するための、ビタミンD化合物及び医薬として許容し得る担体を含有する、医薬製剤。
  10. 癒着の防止における使用に関する説明書と共に包装された、ビタミンD化合物及び医薬として許容し得る担体を含有する、医薬製剤。
  11. 癒着の防止における使用のための、ビタミンD化合物。
  12. ビタミンD化合物を、該化合物を癒着の防止が必要な患者へ投与し、これにより該患者における癒着を防止することを指示する説明書と共に含む、キット。
  13. 前記ビタミンD化合物が、癒着の防止及び/又は治療のための第二の医薬品と個別の又は組み合わせた医薬製剤において、個別に、順次又は同時に投与される、請求項1〜12のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  14. 前記癒着が、術後癒着である、請求項1〜13のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  15. 前記癒着が、腹膜癒着である、請求項1〜14のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  16. 前述のビタミンD化合物が、下記式の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A1は、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2は、両方が=CH2ではないことを条件とし;
    R1及びR2は、各々独立して、OH、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OROC(O)ハロアルキル、OAcであり;
    R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;かつ
    R6及びR7は、各々独立して、C1-C4アルキル又はハロアルキルであり;かつ
    R8は、H、-COC1-C4アルキル、-COヒドロキシアルキル又は-COハロアルキルである。)。
  17. 前記R1及びR2が、OH又はOC(O)C1-C4アルキルである、請求項16記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  18. 前記R1及びR2が、OAcである、請求項17記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  19. 前記R1及びR2が、OHである、請求項17記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  20. 前記X1が、=CH2であり、かつX2が、Hである、請求項16〜19のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  21. 前記A1が、単結合であり、かつA2が、単結合である、請求項16〜20のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  22. 前記R3及びR4が、C20と一緒にC3-C6シクロアルキルを形成する、請求項16〜21のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  23. 前記R3及びR4が、C20と一緒にシクロプロピルを形成する、請求項22記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  24. 前記R5が、水素である、請求項16〜23のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  25. 前記R6及びR7が、各々独立して、C1-C4アルキルである、請求項16〜24のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  26. 前記R6及びR7が、各々独立してメチルである、請求項25記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  27. 前記R8が、Hである、請求項16〜26のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  28. 前記R1及びR2が、OH又はOC(O)C1-C4アルキルであり、X1が、=CH2であり、かつX2が、Hであり、A1が、単結合であり、A2が、単結合であり、R3及びR4がC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し、R5が、水素であり、R6及びR7が、各々独立してC1-C4アルキルであり、並びにR8が、Hである、請求項16記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  29. 前記R1及びR2が、OH又はOAcであり、R3及びR4が、C20と一緒にシクロプロピルを形成し、かつR6及びR7が、各々メチルである、請求項28記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  30. 前記ビタミンD化合物が、式(XVI)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    Xは、H2又はCH2であり、
    R1は、水素、ヒドロキシ又はフッ素であり
    R2は、水素又はメチルであり、
    R3は、水素又はメチルであり、但しR2又はR3がメチルである場合、R3又はR2は、水素でなければならないことを条件とし、
    R4は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
    R5は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
    Aは、単又は二重結合であり、
    Bは、単、E-二重、Z-二重又は三重結合である。)。
  31. 前記R4及びR5の各々が、独立して、メチル又はエチルである、請求項30記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  32. 前記ビタミンD化合物が、下記式を有する、1-α-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールである、請求項30記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  33. 前記ビタミンD化合物が、式(IV)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    X1及びX2は、H2又はCH2であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
    Aは、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    A3は、単又は二重結合であり;
    R1及びR2は、水素、C1-C4アルキル又は4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルであり、ここでR1及びR2は、両方が水素ではなく;
    R5は、H2又は酸素であり、R5は、水素を表してもよいか、又は存在しなくともよく;
    R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキルであり、かつ
    R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキルである。)。
  34. 前記ビタミンD化合物は、式(V)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    X1及びX2は、H2又はCH2であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
    Aは、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    A3は、単又は二重結合であり;
    R1及びR2は、水素、C1-C4アルキルであり、ここでR1及びR2は、両方が水素ではなく;
    R5は、H2又は酸素であり、R5は、水素を表してもよいか、又は存在しなくともよく;
    R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキルであり、かつ
    R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキルである。)。
  35. 前記ビタミンD化合物は、式(VI)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    X1は、H2又はCH2であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキルであり;
    R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキルであり;かつ
    C20の立体配置は、R又はSである。)。
  36. 前記ビタミンD化合物が、下記式を有する、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロールである、請求項35記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  37. 前記ビタミンD化合物が、式(VII)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    Aは、単又は二重結合であり;
    R1及びR2は、各々独立して、水素、アルキルであり;
    R3及びR4は、各々独立して、アルキルであり;かつ
    Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
  38. 前記ビタミンD化合物が、式(VIII)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    R1及びR2は、各々独立して、水素、又はアルキルであり;
    R3は、アルキルであり;
    R4は、アルキル(alky)であり;かつ
    Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
  39. 前記ビタミンD化合物が、式(IX)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A1は、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、C1-C4アルキル、C1-C4ジュウテロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
    R5、R6及びR7は、各々独立して、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
    C20の立体配置は、R又はSであり;
    X1は、H2又はCH2であり;
    Zは、R1及びR2の少なくとも一方がC1-C4ジュウテロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方がハロアルキルである場合、又はR1及びR2の少なくとも一方がハロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方がC1-C4ジュウテロアルキルである場合、水素であるか;又は、Zは、-OH、=O、-SH、もしくは-NH2である。)。
  40. 前記A1が、単結合である、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  41. 前記A2が、単結合である、請求項39又は40のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  42. 前記A2が、三重結合である、請求項39又は40のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  43. 前記R1、R2、R3及びR4が、各々独立して、メチル、エチル、C1-C4ジュウテロアルキル又はハロアルキルである、請求項39〜42のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  44. 前記R5が、ヒドロキシルである、請求項39〜43のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  45. 前記R6及びR7が、各々独立して、ヒドロキシル又はOC(O)C1-C4アルキルである、請求項39〜44のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  46. 前記X1が、H2である、請求項39〜45のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  47. 前記X1が、CH2である、請求項39〜45のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  48. 前記Zが、水素又は=Oである、請求項39〜47のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  49. 前記Zが、水素であり、R1及びR2の少なくとも一方が、C1-C4ジュウテロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方が、ハロアルキルである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  50. 前記Zが、水素であり、R1及びR2の少なくとも一方が、ハロアルキルであり、かつR3及びR4の少なくとも一方が、C1-C4ジュウテロアルキルである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  51. 前記Zが、-OH、=O、-SH、又は-NH2であり;かつX1が、CH2である、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  52. 前記Zが、-OH、=O、-SH、又は-NH2であり;X1が、H2であり、かつC20の立体配置が、Sである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  53. 前記Zが、=O、-SH、又は-NH2であり;X1が、H2であり、及びC20の立体配置が、Rである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  54. 前記X1が、CH2であり;A2が、単結合であり;R1、R2、R3、及びR4が、各々独立してメチル又はエチルであり;かつZが、-OHである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  55. 前記X1が、CH2であり;A2が、単結合であり;R1、R2、R3及びR4が、各々独立してメチル又はエチルであり;かつZが、=Oである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  56. 前記X1が、H2であり;A2が、単結合であり;R1、R2、R3、及びR4が、各々独立してメチル又はエチルであり;C20の立体配置が、Sであり;かつZが、-OHである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  57. 前記X1が、H2であり;A2が、単結合であり;R1、R2、R3、及びR4が、各々独立してメチル又はエチルであり;かつZが、=Oである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  58. 前記X1が、H2であり;A2が、三重結合であり;R1及びR2が、各々C1-C4ジュウテロアルキルであり;R3及びR4が、各々ハロアルキルであり;かつZが、水素である、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  59. 前記X1が、CH2であり;A2が、三重結合であり;R1及びR2が、各々C1-C4ジュウテロアルキルであり;R3及びR4が、各々ハロアルキルであり;かつZが、水素である、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  60. 前記R1及びR2が、各々ジュウテロメチルであり、かつR3及びR4が、各々トリフルオロメチルである、請求項39記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  61. 前記ビタミンD化合物が、式(X)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    X1は、H2又はCH2であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
    Zは、-OH、=O、-NH2、又は-SHであり;かつ
    C20の立体配置は、R又はSである。)。
  62. 前記X1が、CH2である、請求項62記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  63. 前記A2が、単結合である、請求項62又は63のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  64. 前記R1、R2、R3、及びR4が、各々独立して、メチル又はエチルである、請求項62〜64のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  65. 前記Zが、-OHである、請求項62〜65のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  66. 前記X1が、CH2であり;A2が、単結合であり;R1、R2、R3、及びR4が、各々独立して、メチル又はエチルであり;かつZが、-OHである、請求項62記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  67. 前記ビタミンD化合物が、式(XI)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    X1及びX1は、各々独立して、H2又は=CH2であり、但しX1及びX1は、両方が=CH2ではないことを条件とし;
    R1及びR2は、各々独立して、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)フルオロアルキルであり;
    R3及びR4は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又は、R3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;かつ
    R5及びR6は、各々独立して、C1-C4アルキル又はハロアルキルである。)。
  68. 前記R3及びR4が、各々独立して、水素、C1-C4アルキルであるか、又はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する、請求項68記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  69. 前記R3が、水素であり、かつR4が、C1-C4アルキルである、請求項69記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  70. 前記R5及びR6が、各々独立して、C1-C4アルキルである、請求項68〜70のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  71. 前記R5及びR6が、各々独立して、ハロアルキルである、請求項68〜70のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  72. 前記R5及びR6が、各々独立して、メチル、エチル、フルオロメチル又はトリフルオロメチルである、請求項68〜70のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  73. 前記X1及びX2が、各々、H2である、請求項68〜73のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  74. 前記R1及びR2が、各々独立して、ヒドロキシル又はOC(O)C1-C4アルキルである、請求項68〜74のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  75. 前記ビタミンD化合物が、下記式の2-メチレン-19-ノル-20(S)-1-α,25-ヒドロキシビタミンD3である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  76. 前記ビタミンD化合物が、式(XII)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A1は、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2は、両方が=CH2ではないことを条件とし;
    R1及びR2は、各々独立して、H、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)ハロアルキルであり;
    R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;かつ
    R6及びR7は、各々独立して、C1-C4アルキル又はハロアルキルであり;かつ
    R8は、H、-COC1-C4アルキル、-COヒドロキシアルキル、又は-COハロアルキルである。)。
  77. 前記R3及びR4が、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する、請求項77記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  78. 前記R3が、水素であり、かつR4が、C1-C4アルキルである、請求項77記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  79. 前記R6及びR7が、各々独立して、C1-C4アルキル又はハロアルキルである、請求項77〜79のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  80. 前記R6及びR7が、各々独立して、ハロアルキルである、請求項80記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  81. 前記R8が、H又は-COC1-C4アルキルである、請求項77〜81のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  82. 前記A1が、単結合であり、かつA2が、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である、請求項77〜82のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  83. 前記A1が、二重結合であり、かつA2が、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である、請求項77〜82のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  84. 前記X1及びX2が、各々、Hである、請求項77〜84のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  85. 前記X1が、CH2であり、及びX2が、H2である、請求項77〜84のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  86. 前記R1及びR2が、両方とも、OAcを表す、請求項77〜86のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  87. 前記R5が、水素である、請求項77〜87のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  88. 前記ビタミンD化合物が、式(XIV)の化合物である、請求項77記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  89. 前記ビタミンD化合物が、式(XV)の化合物である、請求項77記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  90. 前記X1が、=CH2であり、かつX2が、H2である、請求項90記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  91. 前記A1が、単結合であり、A2が、三重結合であり、R8が、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7が、アルキルである、請求項91記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  92. 前記A1が、単結合であり、A2が、単結合であり、R8が、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7が、アルキルである、請求項91記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  93. 前記A1が、二重結合であり、A2が、単結合であり、R8が、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7が、アルキルである、請求項91記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  94. 前記X1及びX2が、各々H2である、請求項90記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  95. 前記A1が、単結合であり、A2が、三重結合であり、R8が、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7が、アルキル又はハロアルキルである、請求項95記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  96. 前記A1が、単結合であり、A2が、二重結合であり、R8が、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7が、ハロアルキルである、請求項95記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  97. 前記A1が、二重結合であり、A2が、単結合であり、R8が、H又はC(O)CH3であり、かつR6及びR7が、アルキルである、請求項95記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  98. 前記ビタミンD化合物が、式(XVII)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    Bは、単、二重、又は三重結合であり;
    X1及びX2は、各々独立して、H2又はCH2であり、但しX1及びX2は、両方がCH2ではないことを条件とし;かつ
    R4及びR5は、各々独立して、アルキル又はハロアルキルである。)。
  99. 前記ビタミンD化合物が、式(XVIII)の化合物である、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A1は、二重結合、又は単結合であり;
    A2は、三重結合、二重結合、又は単結合であり;
    X1は、=CH2又はH2であり;
    X2は、H2であり;
    R6及びR7は、各々独立して、アルキル又はハロアルキルであり;かつ
    R8は、H又はC(O)CH3である。)。
  100. 前記ビタミンD化合物が、式(XIX)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A1は、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    X1及びX2は、各々独立して、H2又はCH2であり、但しX1及びX2は、両方がCH2ではないことを条件とし;
    R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
    R3、R4及びR5は、各々独立して、水素、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
    R6及びR7は、各々独立して、ハロアルキルであり;かつ
    R8は、H、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルである。)。
  101. 前記ビタミンD化合物が、式(XX)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A1は、単又は二重結合であり;
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、アルキル、ジュウテロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
    R5は、ハロゲン、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
    R6は、ハロゲン、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
    X1は、H2又はCH2であり;かつ
    Yは、アルキルである。)。
  102. 前記ビタミンD化合物が、式(XX-a)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項102記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A2は、単、二重又は三重結合であり;
    R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
    R5は、ハロゲン、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
    R6は、ヒドロキシル、OC(O)アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;かつ
    X1は、H2又はCH2である。)。
  103. 前記ビタミンD化合物が、式(XX-b)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項102記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;
    X1は、H2又はCH2である。)。
  104. 前記ビタミンD化合物が、式(XX-c)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項102記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A2は、単、二重、又は三重結合であり;
    R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;かつ
    X1は、H2又はCH2である。)。
  105. 前記ビタミンD化合物が、式(XX-d)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項102記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A2は、単、二重、又は三重結合であり;
    R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;かつ
    X1は、H2又はCH2である。)。
  106. 前記ビタミンD化合物が、式(XX-e)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項102記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A2は、単、二重、又は三重結合であり;
    R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;かつ
    X1は、H2又はCH2である。)。
  107. 前記ビタミンD化合物が、式(XX-f)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項102記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    A2は、単、二重、又は三重結合であり;
    R5は、フルオロ又はヒドロキシルであり;かつ
    X1は、H2又はCH2である。)。
  108. 前記ビタミンD化合物が、式(XXII)の化合物、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
    (式中:
    Aは、単又は二重結合であり;Bは、単、二重、又は三重結合であり;Xは、H2又はCH2であり;
    Yは、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)ハロアルキル;又は、ハロゲンであり;かつ
    Zは、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルである。)。
  109. 前記ビタミンD化合物が、下記式を有する、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロールである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  110. 前記ビタミンD化合物が、下記式を有する、1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2010504306
  111. 前記化合物が、カルシトリオールである、請求項1〜15のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  112. 前記ビタミンD化合物が、水性環境と相互反応し、三次元マトリックスを形成する、架橋した組成物又は架橋可能な組成物と、同時投与又は同時製剤されることがない、請求項1〜112のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
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