JP2007506780A - 膀胱機能障害の治療方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、膀胱機能障害の予防、又は治療における、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23e-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールなどのビタミン D 化合物の使用を提供する。

Description

(関連出願)
本出願は、下記特許出願に対して優先権を主張する:2003年9月24日に出願されたGB0322395.5;2003年11月03日に出願されたGB 0325598.1;2004年3月01日に出願されたGB0404567.0;2004年3月01日に出願されたGB 0404571.2,;及び2004年7月29日に出願されたGB 0416876.1である。上記特許出願の各々は、引用により、その全体として本明細書中に取り込まれている。
(本発明の背景)
膀胱壁の進行性除神経、及び肥大を含む形態的な膀胱変化は、異なる膀胱障害を有する患者に組織的によく見られ、例えば、良性前立腺増殖症(BPH)、及び脊髄損傷などに関連した膀胱障害のような過活動性膀胱を引き起こす。
これらの症状において観察される該膀胱の伸長、及び/又は変形の増加は、例えば、細胞骨格及び収縮性タンパク質、ミトコンドリア機能、及び平滑筋細胞の様々な酵素活性における、細胞、及び分子変化に関連していることが示されている。該膀胱壁肥大は、その細胞外マトリックス、及び非平滑筋成分の変化にも関連する。
該膀胱のこれらの変化は、蓄尿(刺激性)症状、特に、頻発、緊急、急迫性尿失禁、及び夜間多尿に関連している。これらの症状は、該患者の社会的、心理的、家庭的、職業的、物理的、及び性的生活に影響を与え、生活の質に深い悪影響を与える。
現在のところ、これらの症状の理想的治療法は見つかっていない。利用可能な治療法の選択余地(例えば、抗ムスカリン、又はアルファ-ブロッカー)の各々は、これらの作用機序に関して不利点がある。それは、症状の対応にのみ準拠し、そして該状態の原因の治療に準拠しない点である。事実、幾つかの利用可能な薬剤の臨床的有用性には、効果が乏しいこと、及び多くの有意な副作用のために、一般的患者の受入が乏しいことによる制限がある。
結果として、膀胱平滑筋細胞の内在的な病因的要素、成長異常、及び結果的な機能障害を治療することにより、改善された臨床効果を提供する新しい治療法が必要である。
本明細書中に記載するように、今回、驚くべきことに、ビタミン D類似体が、膀胱肥大に関連した疾患、例えば、膀胱過活動、及び臨床的BPHのような膀胱機能障害を治療し、かつ予防することができることを発見した。排尿筋過活動、又は排尿筋不安定として知られている過活動膀胱は、不随意の膀胱痙攣に関与する。排尿筋の機能亢進は、過活動膀胱を引き起こし得る。過活動膀胱の内在的要因は、神経系疾患(例えば、多発性硬化症、パーキンソン病、脳卒中、脊髄損傷)、腹部の心的外傷,骨盤の心的外傷,又は外科手術により引き起こされる神経損傷、脳卒中、多発性硬化症、感染症、膀胱癌、薬剤副作用、又は前立腺肥大(BPH)となり得る。多くの場合、該要因は、特発性、すなわち原因不明である。
さらに、前記ビタミン D関連化合物は、BPHに関連した刺激性排尿症状の治療への応用がある。BPHは、膀胱排尿障害(BOO)、及びその二次的症状を生じる、腺の肥大だけでなく、該膀胱壁の肥大、及び進行性除神経を含む、形態的な膀胱変化に関連する。これらの変化が、機能損傷の増加、及び該膀胱平滑筋細胞内協調の崩壊を生じさせる。
高等動物の生体系におけるビタミン D (コレカルシフェロール)の重要性は、1920年にMellanbyによるその発見以来、認知されている(Mellanby, E. (1921) Spec. Rep. Ser. Med. Res. Council (GB) SRS 61:4)。1920〜1930年の間に、ビタミン Dは、該骨格の正常な発達、並びにカルシウム、及びリンホメオスタシスの維持に必須である"ビタミン"として正式に分類された。
ビタミン D3代謝に関する研究は、該発見、及び該血漿代謝産物の化学的特性、25-ヒドロキシビタミン D3 [25(OH)D3] (Blunt, J.W.らの論文. (1968) Biochemistry 6:3317-3322)、及び該ホルモン活性形態である1-アルファ,25(OH)2D3 (Myrtle, J.F.らの論文. (1970) J. Biol. Chem. 245:1190-1196; Norman, A.W.らの論文. (1971) Science 173:51-54; Lawson, D.E.M.らの論文. (1971) Nature 230:228-230; Holick, M.F. (1971) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 68:803-804)とともに開始された。ビタミン D内分泌系の概念構築は、次の2つのことに依存する。慎重に調整した方法で1-アルファ,25(OH)2D3を製造する腎臓の重要な役割の認識 (Fraser, D.R. 及びKodicek, E. (1970) Nature 288:764-766; Wong, R.G.らの論文. (1972) J. Clin. Invest. 51:1287-1291)、及び腸内で、1-アルファ,25(OH)2D3 (VDR)に対する核内受容体の発見(Haussler, M.R.らの論文. (1969) Exp. Cell Res. 58:234-242; Tsai, H.C.及びNormanの論文, A.W. (1972) J. Biol. Chem. 248:5967-5975) である。
該ビタミン D内分泌系の作用は、下記に依存する:第一に、肝臓、及び腎臓内のシトクロム P450酵素の存在(肝臓内(Bergman, T. 及びPostlind, H.の論文 (1991) Biochem. J. 276:427-432; Ohyama, Y.及びOkuda, K.の論文 (1991) J. Biol. Chem. 266:8690-8695)、及び腎臓内(Henry, H.L.及びNorman, A.W.の論文 (1974) J. Biol. Chem. 249:7529-7535; Gray, R.W.及びGhazarian, J.G.の論文 (1989) Biochem. J. 259:561-568))、並びに、ビタミン D3を生物学的に活性な代謝産物、例えば1-アルファ,25(OH)2D3、及び24R,25(OH)2D3に変換する様々な他の組織;第二に、選択的輸送のための該血漿ビタミン D結合タンパク質(DBP)の存在、及びこれらの疎水性分子を、該ビタミン D内分泌系の様々な組織成分に運ぶこと(Van Baelen, H.らの論文. (1988) Ann. NY Acad. Sci. 538:60-68; Cooke, N.E. 及びHaddad, J.G.の論文 (1989) Endocr. Rev. 10:294-307; Bikle, D.D.らの論文. (1986) J. Clin. Endocrinol. Metab. 63:954-959);及び第三に、このセコステロイドホルモンとって必須である特異的な生物学的応答を生じる該アゴニスト1-アルファ,25(OH)2D3と相互作用する、多種多様の標的組織内の立体選択的受容体の存在(Pike, J.W.の論文 (1991) Annu. Rev. Nutr. 11:189-216)である。今日まで、1-アルファ,25(OH)2D3 (VD3R)に対する核内受容体が、正常な膀胱を含む、30より多くの組織、及び癌細胞株内(Reichel, H.及びNorman, A.W.の論文 (1989) Annu. Rev. Med. 40:71-78) に存在するという証拠がある。
ビタミン D3、及びそのホルモン活性形態は、カルシウム、及びリンホメオスタシスの調節因子として周知である。これらの化合物は、カルシウム及びホスフェートの腸吸収、骨塩の動員、及び該腎臓内のカルシウム保持、これらのうちの少なくとも1つを刺激することは公知である。さらに、30よりも多くの組織内に、特異的ビタミン D 受容体が存在するという発見により、カルシウム/骨ホメオスタシスのその標準的役割の他に、多能性調節因子としてのビタミン D3の同定が可能となった。1-アルファ,25(OH)2D3のパラクリン役割は、ビタミン D3をその活性形態に酸化できる酵素、例えば25-(OH)D-1α-ヒドロキシラーゼと、骨、ケラチノサイト、胎盤、及び免疫細胞などの幾つかの組織内の特異的受容体とを組み合わせた存在により提唱されている。さらに、ビタミン D3ホルモン、及び活性代謝産物は、細胞増殖、並びに正常、及び悪性細胞、双方の分化を調節できる(Reichel, H.らの論文. (1989) Ann. Rev. Med. 40:71-78)。
ビタミン D3、及びその代謝産物の活性を前提として、多くの注目が、これらの化合物の合成類似体の開発に集中している。これらの類似体の多くは、該A環、B環、C/D環の構造修飾、及び第1位に側鎖を含む(Bouillon, R.らの論文. (1995) Endocr. Rev. 16(2):200-257)。今日までに開発された該ビタミン D3類似体の多くは、該側鎖の構造修飾を含む。一方、A-環ジアステレオマーの生物学的性質を報告している研究は少ない(Norman, A.W.らの論文. (1993) J. Biol. Chem. 268 (27):20022-20030)。さらに、ステロイドの生物学的エステル化が、研究されており(Hochberg, R.B. (1998) Endocr. Rev. 19(3): 331-348)、ビタミン D3のエステルは公知である(WO 97/11053)。
また、合成類似体を開発する多くの試みにもかかわらず、ビタミン Dの臨床応用、及びその構造類似体は制限される。これらの化合物が、ビタミン D 化合物の公知の効能/応用のために対象に投与した後、望ましくない副反応を誘発するためである。
ビタミン Dの活性形態、ビタミン D3、及びその類似体の幾つかは、細胞増殖、及び分化の有力な調節因子として記載されている。以前に、ビタミン D3、並びに類似体(化合物Bとして、本明細書中の他の場所に示した類似体V)が、BPH細胞増殖を阻害し、かつケラチノサイト成長因子、及びインシュリン様成長因子(IGF1)のようなBPH細胞にとって有力な成長因子の分裂促進因子を妨げることが発見された。さらに、該類似体は、bcl-2タンパク質発現、細胞内カルシウム代謝、並びに、非刺激、及びKGF-刺激BPH細胞、双方のアポトーシスを誘発する。
米国特許第5,939,408号、及び欧州特許EP808833号は、化合物 1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール (化合物A)を含む、多くの1,25(OH)2D3類似体を開示している。米国特許第5,939,408号、及び欧州特許EP808833号は、様々な皮膚、及び癌細胞株において、該化合物が分化を誘発し、かつ増殖を阻害し、かつ乾癬のような高増殖性皮膚疾患、白血病、乳癌のような腫瘍性疾患、及びざ瘡、及び脂漏性皮膚炎のような脂腺疾患、及び骨粗鬆症の治療に有用であることを開示している。
インビトロ、及びインビボにおいて、膀胱の移行上皮癌におけるカルシトリオール (1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール)の明白な効果が議論されている(Konety, B.R.らの論文. (2001) J. Urology 165(1):253-258)。
膀胱機能障害の治療方法を提供する。
今回、驚くべきことに、本発明者らは、本明細書中の実施例に示すように、カルシトリオール、及び他のビタミン D類似体が、正常(すなわち、非腫瘍)ヒト膀胱細胞の基礎的、及び刺激的成長の阻害に有効であることを発見した。
従って、本発明は、膀胱機能障害予防、及び治療用のビタミン D 化合物、及び前記化合物を使用する新しい治療方法を提供する。さらに、本発明は、膀胱機能障害、特に形態的膀胱変化に関連した機能障害の予防用、及び/又は治療用薬剤の製造における、ビタミン D 化合物の使用を提供する。
また、本発明は、膀胱機能障害、特に形態的膀胱変化に関連した機能障害の予防、及び/又は治療方法であって、前記機能障害を予防、及び/又は治療するために、有効量のビタミン D 化合物を、単独で、又はさらなる薬剤と組み合わせて投与する、前記方法を提供する。
さらにまた、本発明は、ビタミン D 化合物とともに、膀胱機能障害の予防、又は治療が必要な患者に、該ビタミン D 化合物を投与し、それによって前記患者の膀胱機能障害を予防、又は治療するための説明書とを含む、キットを提供する。
(本発明の詳細な説明)
(1.定義)
本発明のさらなる説明の前に、及び本発明がより容易に理解され得るために、便宜上、最初に特定の用語をここで規定し、かつ集めた。
"膀胱機能障害"は、例えば、臨床的BPH、又は過活動膀胱のような、該排尿筋過活動に関連した膀胱の症状を意味する。本発明との関連で、"膀胱機能障害"は、膀胱癌を除く。
通常、膀胱機能障害は、刺激性症状により臨床的に特徴付けられる(例えば、刺激性蓄尿症状、すなわち該膀胱の非排尿)。現在の臨床研修において、過活動膀胱の診断は、該患者により見られる症状に基づいて行われる。さらに、排尿水力学調査は、該排尿筋過活動の確認に使用され得る。
本発明に従って、該ビタミン D 化合物は、雄の膀胱機能障害の治療に使用され得る。前記雄は、同時にBPHに苦しむことがある。あるいは、前記雄は、BPHに苦しんでいないこともある。本発明に従って、該ビタミン D 化合物は、また、雌の膀胱機能障害(例えば、過活動膀胱)の治療に使用され得る。
当業者は、該ビタミン D 化合物が、ヒト、又は動物薬として使用され得ることを認識するであろう。好ましくは、該ビタミン D 化合物は、ヒト患者の治療に使用される。
理論により束縛されることを望まないが、本発明者らは、ビタミン D 類似体が前記疾患の治療に使用され得る機序が、膀胱機能障害へと導き得る該膀胱の間質及び筋細胞の異常(悪性でない)増殖の制限に関与すると考えている。しかし、本発明者らは、本発明の化合物作用のさらなる機序、例えば、該末梢神経系への影響を介する機序を除外することはできない。
該用語"投与"、又は"投与する"は、これらの意図された機能を実行するように、該ビタミン D 化合物(類)を対象に導入する経路を含む。使用され得る投与経路の例は、注射(皮下、静脈、非経口、腹腔内)、経口、吸入、直腸、膣、経皮的、又は膀胱点滴注入を介することを含む。医薬製剤は、もちろん、各投与経路に適した形態を与える。例えば、該製剤は、錠剤又はカプセル形態で経口的に、注射、吸入により、ローション又は軟膏として局所的に、坐薬として直腸に、などで投与され得る。経口投与が好ましい。該注射は、ボーラスであり得るか、又は持続注入であり得る。該投与経路によって、該ビタミン D 化合物は、その意図された機能を実行するその能力に有害に影響を与え得る自然条件からそれを保護するために、選択された物質でコートされ得るか、又は処理され得る。該ビタミン D 化合物は、単独、又は上記の他の薬剤、例えば、平滑筋弛緩薬(アルファブロッカー、又は抗ムスカリン様作用薬)などの当業者に公知である他の膀胱機能活性薬剤、又は医薬として許容し得るキャリア、又はこれら両方とともに投与され得る。該ビタミン D 化合物は、該他の薬剤の投与前に、該薬剤と同時に、又は該薬剤の投与後に投与され得る。さらに、また、該ビタミン D 化合物は、その活性代謝産物に、又はインビボにおいて、さらに活性のある代謝産物に変換された代用形で投与され得る。
該用語"有効量"は、投与量、及び所要時間の期間で、所望の結果の達成に有効な量を含む。すなわち、膀胱機能障害の治療に十分な量である。ビタミン D 化合物の有効量は、該対象の疾患状態、年齢、性別、及び体重のような因子、並びに、該対象の所望の応答を誘発する該ビタミン D 化合物の能力により変えられ得る。用量は、該最適治療応答が得られるように調節され得る。また、有効量は、該治療的に有利な影響が、該ビタミン D 化合物の毒性、又は有害な影響(例えば、副作用)を超える量である。
ビタミン D 化合物の治療的有効量(すなわち、有効投与量)は、約0.001〜30 ug/kg (体重)、好ましくは、約0.01〜25 ug/kg (体重)、さらに好ましくは約0.1〜20 ug/kg (体重)、さらに好ましくは約1〜10 ug/kg, 2〜9 ug/kg, 3〜8 ug/kg, 4〜7 ug/kg, 又は5〜6 ug/kg(体重)の範囲である。当業者は、特定の因子が、対象の有効治療に必要な投与量に影響を与え得ることを理解するであろう。該因子は、制限されないが、該疾患、又は障害の重症度、以前の治療法、該対象の一般的健康及び/又は年齢、及び他の疾患の存在を含む。さらに、また、投与される量は、使用される該特定のビタミン D 化合物に依存するであろう。各化合物の有効量は、技術的に公知である滴定方法により決定され得る。さらに、ビタミン D 化合物の治療的有効量を用いた、対象の治療は、単一治療を含み得る、又は好ましくは、一連の治療を含み得る。一例において、対象は、6ヶ月、又はそれ以上の期間、例えば、該症状の管理、及び該状態の発生に依存する生活の間、一日当り一度に約0.1〜20μg/kg(体重)の間の範囲のビタミン D 化合物を用いて治療される。また、他の慢性治療のように、" on-off "、又は断続的な治療計画を考慮することができる。また、治療に使用されるビタミン D 化合物の有効投与量を、特定の治療の間に増加、又は減少してもよい。
該用語"アルキル"は、ラジカル飽和脂肪族基を意味し、直鎖アルキル基、分岐アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む。さらに、該用語アルキルは、該炭化水素骨格の1以上の炭素原子を置換する、酸素, 窒素, 硫黄, 又はリン原子をさらに含み得るアルキル基を含む。好ましい実施態様において、直鎖アルキル基、又は分岐アルキルは、その骨格内に、30個以下の炭素原子(例えば、直鎖にとってC1-C30、分岐にとってC3-C30)、好ましくは26個以下の炭素原子、さらに好ましくは29個以下の炭素原子を有する(例えば、1〜4個の炭素原子のような、1〜6個の炭素原子)。同様に、好ましいシクロアルキルは、これらの環構造内に、3〜10個の炭素原子、さらに好ましくは該環構造内に3, 4, 5, 6, 又は7個の炭素原子を有する。
さらに、本明細書、及び請求項に渡って使用される該用語アルキルは、"非置換アルキル"、及び"置換アルキル"、双方を含むことが意図される。後者は、該炭化水素骨格の1以上の炭素原子上の水素原子を置換する置換基を有するアルキル部位を意味する。前記置換基は、例えば、下記のものを含み得る:ハロゲン, ヒドロキシル, アルキルカルボニルオキシ, アリールカルボニルオキシ, アルコキシカルボニルオキシ, アリールオキシカルボニルオキシ, カルボキシラート(カルボン酸塩、又はエステル), アルキルカルボニル, アルコキシカルボニル, アミノカルボニル, アルキルチオカルボニル, アルコキシル, ホスフェート(リン酸塩、又はエステル), ホスホナト, ホスフィナト, シアノ, アミノ (アルキルアミノ, ジアルキルアミノ, アリールアミノ, ジアリールアミノ, 及びアルキルアリールアミノを含む), アシルアミノ (アルキルカルボニルアミノ, アリールカルボニルアミノ, カルバモイル, 及びウレイドを含む), アミジノ, イミノ, スルフヒドリル, アルキルチオ, アリールチオ, チオカルボキシラート, スルフェート(硫酸塩、又はエステル), スルホナト, スルファモイル, スルホンアミド, ニトロ, トリフルオロメチル, シアノ, アジド, ヘテロシクリル, アルキルアリール, 若しくは、芳香族、又は複素芳香族部位である。適切な場合、該炭化水素鎖上の置換された部位、それ自体が置換され得ることは、当業者により理解されるであろう。シクロアルキルを、例えば上記置換基で、さらに置換することができる。"アリールアルキル"部位は、アリールで置換したアルキルである(例えば、フェニルメチル(ベンジル))。また、該用語"アルキル"は、上記アルキル対して長さ、及び可能な置換が類似し、少なくとも1つの二重結合、又は三重結合を含む、不飽和脂肪族基を含む。
炭素原子数を他に特定しない限り、本明細書中で使用する"低アルキル"は、その骨格構造内に1〜10個の炭素原子、さらに好ましくは1〜6個の炭素原子、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有する、上記規定したアルキル基を意味する。該低アルキルは、直鎖、又は分岐鎖であってもよい。低アルキル基の例を挙げると、メチル, エチル, n-プロピル, i-プロピル, tert-ブチル, ヘキシル, ヘプチル, 及びオクチルなどがある。好ましい実施態様において、該用語"低アルキル"は、その骨格内に4個以下の炭素原子を有する直鎖アルキルである。例えば、C1-C4アルキルである。
該用語"アルコキシアルキル", "ポリアミノアルキル", 及び"チオアルコキシアルキル"は、該炭化水素骨格の1以上の炭素原子を置換した酸素, 窒素, 又は硫黄原子をさらに含む、上記アルキル基を意味する。
本明細書中で使用される該用語"アリール"は、例えばO, N, 及びSから選択されたヘテロ原子を0〜4個含み得る5-、及び6-員環単環芳香族基を含む、ラジカルアリール基を意味し、例えば、ベンゼン, ピロール, フラン, チオフェン, イミダゾール, トリアゾール, テトラゾール, ピラゾール, ピリジン, ピラジン, ピリダジン, 及びピリミジンなどである。また、アリール基は、ナフチル, キノリル, 及びインドリルなどのような多環式融合芳香族基(好ましくは、9又は10員環)を含む。さらに、例を挙げると、ベンゾオキサゾール, 及びベンゾチアゾールがある。また、該環構造内にヘテロ原子を有するこれらのアリール基は、"アリール複素環"、"ヘテロアリール"、又は"ヘテロ芳香族"と呼ばれ得る。該芳香族環を、1以上の環位置で、上記の置換基を用いて置換することができる。該置換基は、例えば、ハロゲン, ヒドロキシル, アルコキシ, アルキルカルボニルオキシ, アリールカルボニルオキシ, アルコキシカルボニルオキシ, アリールオキシカルボニルオキシ, カルボキシラート, アルキルカルボニル, アルコキシカルボニル, アミノカルボニル, アルキルチオカルボニル, ホスフェート, ホスホナト, ホスフィナト, シアノ, アミノ (アルキルアミノ, ジアルキルアミノ, アリールアミノ, ジアリールアミノ, 及びアルキルアリールアミノを含む), アシルアミノ (アルキルカルボニルアミノ, アリールカルボニルアミノ, カルバモイル, 及びウレイドを含む), アミジノ, イミノ, スルフヒドリル, アルキルチオ, アリールチオ, チオカルボキシラート, スルフェート, スルホナト, スルファモイル, スルホンアミド, ニトロ, トリフルオロメチル, シアノ, アジド, ヘテロシクリル, アルキルアリール, 若しくは、芳香族、又は複素芳香族部位がある。また、アリール基を、多環を形成するために芳香族でない脂環、又は複素環と縮合、又は架橋することができる。
該用語"アルケニル"、及び"アルキニル"は、上記アルキルに対して長さ、及び可能な置換が類似し、それぞれ、少なくとも1つの二重、又は三重結合を含む。不飽和脂肪族基を意味する。例えば、本発明は、シアノ、及びプロパルギル基を意図する。
該用語"キラル"は、その鏡像体と重ね合わせることができないという特性を有する分子を意味する。一方、該用語"アキラル"は、これらの鏡像体と重ね合わせることができる分子を意味する。
該用語"異性体"、又は"立体異性体"は、同一の化学構造を有するが、原子、又は基の空間配置に関して異なる化合物を意味する。
該用語"ジアステレオマー"は、2つ以上の非対称中心を有する立体異性体を意味し、かつ、それらの分子は、互いに鏡像ではない。
該用語"エナンチオマー"は、2つの立体異性体の化合物を意味し、該化合物は、互いに重ね合わせることのできない鏡像体である。2つのエナンチオマーの等量混合物は、"ラセミ混合物"、又は"ラセミ化合物"と呼ばれる。
本明細書中で使用される用語"ハロゲン"は、-F, -Cl, -Br, 又は-Iを意味する;該用語"スルフヒドリル"、又は"チオール"は、-SHを意味する;該用語"ヒドロキシル"は、-OHを意味する。
該用語"ハロアルキル"は、ハロゲンで、モノ-、ジ-、又は多置換した、上記で規定したアルキル基であることを意味する。例えば、フルオロメチル、及びトリフルオロメチルのようなフルオロアルキルである。
該用語"ヒドロキシアルキル"は、ヒドロキシで、モノ-、ジ-、又は多置換した、上記で規定したアルキル基であることを意味する。例えば、ヒドロキシメチル、又は2-ヒドロキシエチルである。
本明細書中で使用される該用語"ヘテロ原子"は、炭素、又は水素原子以外の全ての元素の原子を意味する。好ましくは、ヘテロ原子は、窒素, 酸素, 硫黄, 及びリンであり、特にN, O, 及びSである。
該用語"ポリシクリル"、又は"多環ラジカル"は、2つ以上の炭素原子が、2つの隣接環で共通している、2つ以上の環のラジカル(例えば、シクロアルキル, シクロアルケニル, シクロアルキニル, アリール, 及び/又はヘテロシクリル)を意味し、例えば、該環は、縮合環である。 隣接していない原子を介して結合した環は、用語"架橋"環である。多環の各々を、上記置換基で置換することができる。該置換基は、例えば、ハロゲン, ヒドロキシル, アルキルカルボニルオキシ, アリールカルボニルオキシ, アルコキシカルボニルオキシ, アリールオキシカルボニルオキシ, カルボキシラート, アルキルカルボニル, アルコキシカルボニル, アミノカルボニル, アルキルチオカルボニル, アルコキシル, ホスフェート, ホスホナト, ホスフィナト, シアノ, アミノ (アルキルアミノ, ジアルキルアミノ, アリールアミノ, ジアリールアミノ, 及びアルキルアリールアミノを含む), アシルアミノ (アルキルカルボニルアミノ, アリールカルボニルアミノ, カルバモイル, 及びウレイドを含む), アミジノ, イミノ, スルフヒドリル, アルキルチオ, アリールチオ, チオカルボキシラート, スルフェート, スルホナト, スルファモイル, スルホンアミドo, ニトロ, トリフルオロメチル, シアノ, アジド, ヘテロシクリル, アルキル, アルキルアリール, 若しくは、芳香族、又は複素芳香族部位である。
本明細書中に交互に使用される該用語"単離"、又は"実質的に純粋"は、非天然発生状態のビタミン D 化合物(例えばビタミン D3 化合物)を意味する。該化合物は、天然で製造される場合、実質的に細胞物質、又は培養液、若しくは化学的に合成される場合、化学的前駆体、又は他の化学物質がないものであり得る。特定の好ましい実施態様において、また、該用語"単離"、又は"実質的に純粋"は、エナンチオマーの1つが実質的に存在しないキラル化合物の調製を意味する;すなわち、分子のエナンチオマー過剰化、又は非ラセミ化合物調製である。類似して、該用語"単離エピマー"、又は"単離ジアステレオマー"は、実質的に他の立体化学的形態のない、キラル化合物の調製を意味する。例えば、単離、又は実質的に純粋なビタミン D3化合物は、アルファ配置の、該A-環の3位の該キラル炭素に結合した置換基を有している立体異性体に対して、ビタミン D3が過剰になるように、合成的、又は天然的調製を含む。従ってベータ-配置を有する他の異性体は、実質的に存在しない。他に特定しない限り、前記用語は、アルファ形態対ベータ形態の重量比が1:1よりも大きい、ビタミン D3成分を意味する。例えば、アルファ-エピマーの単離調製は、該ベータエピマーに対して該アルファ-エピマーが、50重量%よりも大きくなるように、好ましくは少なくとも75重量%、さらに好ましくは少なくとも85重量%になるように調製することを意味する。もちろん、該過剰は、85%よりも大きくなり得る。"実質的にエピマー過剰"調製、すなわち、該ベータ-立体異性体に対して該アルファ-エピマーが90%よりも多い、好ましくは95%よりも多い化合物の調製を提供する。該用語"実質的に該ベータ立体異性体は存在しない"は、類似した純度の範囲を有するものと理解されるであろう。
本明細書中で使用される該用語"ビタミン D 化合物"は、膀胱機能障害を治療、又は予防することができる、全ての化合物を含む。一般的に、該ビタミン D 受容体 (VDR リガンド)に対するリガンドであり、かつ膀胱機能障害を治療、又は予防することができる化合物は、本発明の範囲内であると考えられる。好ましくは、ビタミン D 化合物は、該ビタミン D 受容体のアゴニストである。従って、ビタミン D 化合物は、セコステロイドを含むことを意図する。本発明の方法の使用に適した、特定のビタミン D 化合物の例は、本明細書中にさらに記載する。ビタミン D 化合物は、ビタミン D2化合物、ビタミン D3化合物、それらの異性体、又はそれらの誘導体/類似体を含む。好ましいビタミン D 化合物は、該ビタミン D 受容体のリガンド(さらに好ましくは、そのアゴニスト)である、ビタミン D3化合物である。好ましくは、該ビタミン D 化合物(例えば、該ビタミン D3化合物)は、該天然リガンド(すなわち、該ビタミン D, 例えばビタミン D3)より有力な、該ビタミン D 受容体のアゴニストである。ビタミン D1化合物、ビタミン D2化合物、及びビタミン D3化合物は、それぞれ、ビタミン D1、D2、D3、及びそれらの類似体を含む。特定の実施態様において、該ビタミン D 化合物は、セコステロイド、例えばカルシオール、カルシジオール、又はカルシトリオールのようなステロイドであり得る。
該用語"セコステロイド"は、技術的に認識されており、かつ該ステロイド環構造のシクロペンタノペルヒドロ-フェナントレン環の1つが壊れた化合物である。例えば、1-アルファ,25(OH)2D3、及びその類似体は、ホルモン活性セコステロイドである。ビタミン D3の場合、該B-環の9-10の炭素-炭素結合が壊れ、セコ-B-ステロイドを生成する。ビタミン D3の公式のIUPAC名は、9,10-セココレスタ-5,7,10(19)-トリエン-3B-オールである。便宜上、1-アルファ,25(OH)2D3の6-s-trans配座を、本明細書中に示す。全ての炭素原子を、標準的なステロイド表記法を用いて番号付けした。
Figure 2007506780
本明細書中に示した式において、これらの表記法の1つにより、該ステロイド核に結合した、環A上の様々な置換基を示す:点線(----)は、ベータ-配向(すなわち、該環の平面の上方向)である置換基を示し、くさび形実線(▼)は、アルファ-配向(すなわち、該環の平面の下方向)である置換基を示し、又は波線(〜)は、該環の平面の上、又は下方向、どちらかである置換基を示す。環Aについて、該ビタミン D分野の該立体化学慣習表示は、一般的な化学分野と逆である。一般的な化学分野では、点線は、アルファ-配向(すなわち、該分子の平面の下方向)である、環Aの置換基を示し、かつくさび形実線は、ベータ配向(すなわち、該環の平面の上方向)である、環Aの置換基を示す。
さらに、炭素-炭素二重結合の立体化学の表示も、"Z"は、頻繁に" cis "(同じ側)構造と称されるものを意味し、一方、"E"は、頻繁に" trans "(対側)構造と称されるものを意味するという点で、一般的な化学分野と逆である。示すように、該ホルモン1-アルファ,25(OH)2D3のA環は、2つの不斉中心を含む。該2つの不斉中心は、よく特徴付けされた立体配置に、それぞれヒドロキシル基(すなわち、該1-アルファ-、及び3-ベータ-ヒドロキシル基)を含む、炭素1、及び3である。言い換えると、該A環の炭素1、及び3は、"キラル炭素"、又は"キラル炭素中心"と言う。ともかく、両方の立体配置、cis/trans、及び/又は、Z/Eは、本発明に使用する化合物に対して考慮される。
キラル中心の命名法に関して、該用語"d"、及び"l"配置は、IUPAC推奨により規定される。該用語ジアステレオマー, ラセミ化合物, エピマー, 及びエナンチオマーの使用に関して、これらは、生成物の立体化学を記載するように、これらの通常の文脈中に使用されるであろう。
また、本文献を通して、ビタミン D 化合物のA環は、頻繁に、下記構造のいずれか1つの一般式で示される。
Figure 2007506780
式中、X1、及びX2は、H、又は=CH2を定義し;又は
Figure 2007506780
式中、X1、及びX2は、H2、又はCH2を定義する。
全ての定められた慣習になるように見えないが、当業者は、例えばX1が=CH2であり、かつX2がH2と定義されたA環が、下記のA環を表すように、式I、又はIIを理解することは明らかである:
Figure 2007506780
本発明の目的にとって、式IIは、全ての一般構造に使用されるであろう。
従って、一態様において、本発明は、膀胱機能障害の予防、又は治療における、ビタミン D 化合物の使用を提供する。本発明は、膀胱機能障害の予防、又は治療において使用される、ビタミン D 化合物を提供する。また、有効量のビタミン D 化合物を投与することにより、膀胱機能障害を有する患者を治療する方法、又は膀胱機能障害を予防する方法を提供する。特に、膀胱機能障害の予防、又は治療方法であって、それが必要な患者に、有効量のビタミン D 化合物を投与し、それによって、前記患者の膀胱機能障害を予防、又は治療する、前記方法を提供する。通常、前記方法は、さらに、該ビタミン D 化合物を得る段階、又は合成する段階を含む。通常、該ビタミン D 化合物は、医薬として許容し得る希釈剤、又はキャリアとともに医薬組成物に調剤されている。さらに、膀胱機能障害の予防、又は治療用の薬剤製造における、ビタミン D 化合物の使用を提供する。また、ビタミン D 化合物とともに、膀胱機能障害の予防、又は治療が必要な患者に、該ビタミン D 化合物を投与し、それによって前記患者の膀胱機能障害を予防、又は治療するための説明書とを含む、キットを提供し、特に、ビタミン D 化合物は、医薬として許容し得る希釈剤、又はキャリアとともに、医薬組成物に調剤されている。
一実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は式Iの化合物を含む:
Figure 2007506780
(式中、
Xは、ヒドロキシル、又はフルオロであり;
Yは、H2、又はCH2であり;
Z1、及びZ2はHであるか、又はZ1、及びZ2が異なる式IIにより表される置換基であり:
Figure 2007506780
(式中、
Z3は、上記式Iを表し;
A は、単結合, 又は二重結合であり;
R1, R2, 及びZ4は、それぞれ独立に、水素原子, アルキル, 若しくは式IIIにより表される飽和、又は不飽和炭素鎖であるが、但し、R1, R2, 及びZ4の少なくとも1つが、式IIIにより表される該飽和、又は不飽和炭素鎖であり、かつ但し、R1, R2, 及びZ4のすべてが、式IIIにより表される該飽和、又は不飽和炭素鎖である:
Figure 2007506780
(式中、
Z5は、上記式IIを表し;
A2 は、単結合, 二重結合, 又は三重結合であり;
A3 は、単結合, 又は二重結合であり;かつ
R3, 及びR4は、それぞれ独立に、水素原子, アルキル, ハロアルキル, ヒドロキシアルキルであり;かつ
R5は、水素原子, H2, 又は酸素原子である。)。)。
従って、上記構造において(及び対応する下記構造において)、A2が、三重結合を表す場合、R5は存在しない。A2が、二重結合の場合、R5は、水素原子を表す。A2が、単結合の場合、R5は、カルボニル基、又は2つの水素原子を表す。
他の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2007506780
(式中、
X1、及びX2は、H2、又はCH2であり、ここで、X1、及びX2は、同時にCH2ではなく;
Aは、単結合、又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
A3は、単結合、又は二重結合であり;
R1, 及びR2は、水素原子, C1-C4 アルキル, 又は4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルであり、ここで、R1, 及びR2は、両方とも水素原子ではなく;
R5は、水素原子, H2, 又は酸素原子であり;
R3は、C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル, 例えばフルオロアルキル, 例えばフルオロメチル, 又はトリフルオロメチルであり;かつ
R4は、C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル, 例えばフルオロアルキル, 例えばフルオロメチル, 又はトリフルオロメチルである。)。
例えば、R1, 及びR2が、水素原子、又はC1-C4 アルキルを表してもよく、ここで、R1, 及びR2は、両方とも水素原子でない。
上記構造の一例は、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロールである(本明細書中、他で"化合物B"と呼ぶ。)。
また、他の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式の"ジェミニ(gemini)型"化合物である:
Figure 2007506780
(式中、
X1は、H2, 又はCH2であり;
A2は、単結合, 二重結合, 又は三重結合であり;
R3は、C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル, 例えばフルオロアルキル, 例えばフルオロメチル, 又はトリフルオロメチルであり;
R4は、C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル, 例えばフルオロアルキル, 例えばフルオロメチル, 又はトリフルオロメチルであり;
かつ
C20の立体配置は、R, 又はSである。)。
上記構造のジェミニ型化合物の一例は、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2007506780
この化合物の合成は、WO98/49138に記載されており、該文献は、全体として本明細書中に取り込まれている。
他の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2007506780
(式中、
Aは、単結合、又は二重結合であり;
R1, 及びR2は、それぞれ独立に、水素原子, 又はアルキル 例えばメチルであり;
R3, 及びR4は、それぞれ独立に、アルキルであり;かつ
Xは、ヒドロキシル、又はフルオロである。)。
さらなる実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式を有する化合物である:
Figure 2007506780
(式中、
R1, 及びR2は、それぞれ独立に水素原子, 又はアルキル, 例えばメチルであり;
R3は、アルキル, 例えばメチルであり;
R4は、アルキル, 例えばメチルであり;かつ
Xは、ヒドロキシル, 又はフルオロである。)。
本発明の特定の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記からなる群から選択される:
Figure 2007506780
本発明の他の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記からなる群から選択される:
Figure 2007506780
さらなる特定の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記からなるジェミニ型化合物の群から選択される:
Figure 2007506780
また、さらなる特定の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式の"ジェミニ型"化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラックである:
Figure 2007506780
(式中、
X1は、H2, 又はCH2であり;
A2は、単結合, 二重結合, 又は三重結合であり;
R1, R2, R3, 及びR4は、それぞれ独立に、C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル, 例えばフルオロアルキル, 例えばフルオロメチル, 又はトリフルオロメチルであり;
Zは、-OH, =O, -NH2, 又は-SHであり;
C20の立体配置は、R, 又はSである。)。
この式の化合物は、C20で2つのアルキル鎖が存在するために、"ジェミナルビタミン D3"化合物と呼ばれ得る。
通常、Zは、-OHを表してもよい。
さらなる実施態様において、X1は、CH2である。他の実施態様において、A2 は、単結合である。他には、R1, R2, R3, 及びR4は、それぞれ独立に、メチル, 又はエチルである。さらなる実施態様において、Zは、-OHである。一連の化合物の例において、X1は、CH2であり;A2 は、単結合であり;R1, R2, R3, 及びR4は、それぞれ独立に、メチル, 又はエチルであり;かつZは、-OHである。同等なさらなる実施態様において、R1, R2, R3, 及びR4は、それぞれメチルである。
本発明のさらなる実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式のジェミニ型化合物である:
Figure 2007506780
上記の化合物2、及び3の化学名は:
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール;及び
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロールである。
ジェミニ型化合物のさらなる実施態様は、本発明に従って使用される下記ビタミン D 化合物を含む。
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-20S-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
である。
本発明のさらなる実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式の化合物、及びそれらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである:
Figure 2007506780
(式中、X1、及びX2は、それぞれ独立に、H2, 又はCH2であるが、但し、X1、及びX2は、両方とも=CH2ではなく;
R1, 及びR2は、それぞれ独立に、ヒドロキシル, OC(O)C1-C4 アルキル, OC(O)ヒドロキシアルキル, 又はOC(O)フルオロアルキルであり;
R3, 及びR4は、それぞれ独立に、水素原子, C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル、若しくはR3, 及びR4は、まとまってC20で、C3-C6 シクロアルキルを形成し、;かつ
R5, 及びR6は、それぞれ独立に、C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキルである。)。
好ましくは、R3, 及びR4は、それぞれ、水素原子, 及びC1-C4 アルキルから独立に選択されるであろう。
一連の化合物の一例において、R5, 及びR6は、それぞれ独立にC1-C4 アルキルである。
一連の化合物の一例において、R5, 及びR6は、それぞれ独立にハロアルキル、例えばC1-C4 フルオロアルキルである。
R3, 及びR4が、まとまってC20で、C3-C6 シクロアルキルを形成する場合の一例は、シクロプロピルである。
一実施態様において、 X1、及びX2は、それぞれ、H2である。他の実施態様において、R3は、水素原子であり、かつR4は、C1-C4 アルキルである。好ましい実施態様において、R4はメチルである。
他の実施態様において、R5, 及びR6は、それぞれ独立に、メチル, エチル, フルオロメチル, 又はトリフルオロメチルである。好ましい実施態様において、R5, 及びR6は、それぞれメチルである。
また、他の実施態様において、R1, 及びR2は、それぞれ独立に、ヒドロキシル, 又はOC(O)C1-C4 アルキルである。好ましい実施態様において、R1, 及びR2は、それぞれOC(O)C1-C4 アルキルである。他の好ましい実施態様において、R1, 及びR2は、それぞれアセチルオキシである。
前記化合物の一例は、下記構造を有する1,3-O-ジアセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2007506780
本発明の他の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、2-メチレン-19-ノル-20(S)-1-アルファ-ヒドロキシビタミン D3である:
Figure 2007506780
この化合物の合成は、WO02/05823、及びUS 5,536,713に記載されており、これらの文献は、全体として本明細書中に引用により取り込まれている。
特定の対象の実施態様を表す、本発明の他の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式Iの化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、又はプロドラッグである:
Figure 2007506780
(式中、
A1は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
A2は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
X1、及びX2は、それぞれ独立に、H2, 又はCH2であるが、但し、X1、及びX2は、両方ともCH2ではなく;
R1, 及びR2は、それぞれ独立に、OC(O)C1-C4 アルキル (OAcを含む), OC(O)ヒドロキシアルキル, 又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3, R4, 及びR5は、それぞれ独立に、水素原子, C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキルであり、若しくはR3, 及びR4は、まとまってC20で、C3-C6 シクロアルキルを形成し、;
R6, 及びR7は、それぞれ独立に、C1-4アルキル, 又はハロアルキルであり;かつ
R8は、H, -COC1-C4アルキル (例えば、Ac), -COヒドロキシアルキル, 又は-COハロアルキルである。)。
R3, 及びR4が、まとまってC20で、C3-C6 シクロアルキルする場合の一例は、シクロプロピルである。
通常、R8は、H, 又はAcであり得る。
一実施態様において、 A1 は、単結合であり、かつA2 は、単結合, E又はZ二重結合, 若しくは三重結合である。他の実施態様において、A1は、二重結合であり、かつA2 は、単結合, E又はZ二重結合, 若しくは三重結合である。当業者は、A2が、三重結合の場合、R5は存在しないことを用意に理解するであろう。
一実施態様において、 X1、及びX2は、それぞれHである。他の実施態様において、X1は、CH2であり、かつX2は、H2である。
他の実施態様において、R3は、水素原子であり、かつR4は、C1-C4 アルキルである。好ましい実施態様において、R4は、メチルである。
一連の化合物の他の例において、 R1, 及びR2は、両方ともOAcを表す。
一連の化合物例の1つにおいて、R6, 及びR7は、それぞれ独立に、C1-4アルキルである。一連の化合物の他の例は、R6, 及びR7は、それぞれ独立に、ハロアルキルである。他の実施態様において、R6, 及びR7は、それぞれ独立に、メチル, エチル, 又はフルオロアルキルである。好ましい実施態様において、R6, 及びR7は、それぞれ、トリフルオロアルキル, 例えばトリフルオロメチルである。
通常、R5は、水素原子を表す。
従って、特定の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式I-aにより表される化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、又はプロドラッグである:
Figure 2007506780
(式中、
A1は、単結合、又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
X1、及びX2は、それぞれ独立に、H, 又は=CH2であるが、但し、X1、及びX2は、両方とも=CH2ではなく;
R1, 及びR2は、それぞれ独立に、OC(O)C1-C4 アルキル, OC(O)ヒドロキシアルキル, 又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3, R4, 及びR5は、それぞれ独立に、水素原子, C1-C4 アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキルであり、若しくはR3, 及びR4は、まとまってC20で、C3-C6 シクロアルキルを形成し、;
R6, 及びR7は、それぞれ独立に、ハロアルキルであり;かつ
R8は、H, C(O)C1-C4 アルキル, C(O)ヒドロキシアルキル, 又はC(O)ハロアルキルである。)。
上記式I-aの化合物の例は、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールである("化合物C ")。
Figure 2007506780
他の好ましい実施態様において、R1, 及びR2は、それぞれOAcであり;A1は、二重結合であり;A2は、三重結合であり;かつR8は、H, 又はAcである、例えば下記化合物である。
Figure 2007506780
上記式Iの特定の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式I-bにより表される。
Figure 2007506780
上記式I-bの化合物の他の例には、下記のものがある:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R-26-トリフルオロ-コレカルシフェロール:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロールである。
上記式Iの特定の実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、式I-cにより表される。
Figure 2007506780
上記式I-bの化合物の他の例には、下記のものがある:
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール; 及び
1,3-Dd-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロールである。
他の好ましい実施態様において、本発明に従って使用される該ビタミン D 化合物は、下記式の化合物である:
Figure 2007506780
(式中、
Xは、H2, 又はCH2であり;
R1は、水素原子, ヒドロキシ, 又はフルオロであり;
R2は、水素原子, 又はメチルであり;
R3は、水素原子, 又はメチルであり、R2, 又はR3がメチルの場合、R3, 又はR2は、水素原子でなければならず;
R4は、メチル, エチル, 又はトリフルオロメチルであり;
R5は、メチル, エチル, 又はトリフルオロメチルであり;
Aは、単結合、又は二重結合であり;かつ
Bは、単結合、E-二重結合、Z-二重結合、又は三重結合である。)。
特に好ましい化合物において、R4, 及びR5の各々は、メチル, 又はエチルであり、例えば、下記式を有する1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールである (下記例において化合物A)。
Figure 2007506780
前記化合物は、US 5,939,408、及びEP808833に記載されており、これらの内容は、全体として、本明細書中に引用により取り込まれている。また、本発明は、化合物Aのエステル、及び塩の使用を包含する。エステルは、医薬として許容し得る不安定なエステルを含み、該エステルは、化合物Aを放出するように、体内で加水分解され得る。化合物Aの塩は、付加物、及び錯体を含み、これらは、アルカリ、及びアルカリ土類金属イオン、並びに、ナトリウム、カリウム、及びカルシウムイオン、並びに、塩化カルシウム、及びマロン酸カルシウムなどのこれらの塩のような金属イオン塩で形成され得る。しかし、化合物Aは、医薬として許容し得るそれらの塩、又はエステルとして投与され得るが、好ましくは、化合物Aをそのまま使用する、すなわち、エステル、又はそれらの塩として使用しない。
本発明に従って使用される他の好ましい該ビタミン D 化合物は、下記式I-aを有するものを含む:
Figure 2007506780
(式中、
Bは、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
X1、及びX2は、それぞれ独立して、H2, 又はCH2であるが、X1、及びX2は、両方ともCH2ではなく;かつ
R4, 及びR5は、それぞれ独立して、アルキル, 又はハロアルキルである。)。
式I-aは、下記のものを含む:
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロピル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール:
Figure 2007506780
である。
本発明の他のビタミン D 化合物は、1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロールである。例は、前のパラグラフにある。
上記の該構造を有する化合物の使用は、これらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグに拡張される。
特定の重要なビタミン D 化合物は、カルシトリオールである。
ビタミン D 受容体アゴニストである、本発明に従って使用される他の化合物例は、下記のものがある:パリカルシトール(paricalcitol)(ZEMPLAR(商標))(米国特許第5,587,497号参照)、タカルシトール(tacalcitol)(BONALFA(商標))(米国特許第4,022,891号参照)、ドキセルカルシフェロール(doxercalciferol)(HECTOROL(商標))(Lamらの論文 (1974) Science 186, 1038参照)、マキサカルシトール(maxacalcitol)(OXAROL(商標))(米国特許第4,891,364号参照)、カルシポトリオール(calcipotriol)(DAIVONEX(商標))(米国特許第4,866,048号参照)、及びファレカルシトリオール(falecalcitriol)(FULSTAN(商標))である。
他の化合物には、エカルシデン(ecalcidene)、カルシチアゾール(calcithiazol)、及びチソカルシテート(tisocalcitate)がある。
可能性のある対象の他の化合物は、セカルシフェロール(secalciferol) ("OSTEO D")である。
限定されないが、本明細書に従って使用され得る他のビタミン D 化合物例は、公表された下記国際公開番号の公報に記載されたもの、下記米国特許に記載されたもの、及び公表された下記米国特許出願番号の公報に記載されたものがある:WO 01/40177, WO0010548, WO0061776, WO0064869, WO0064870, WO0066548, WO0104089, WO0116099, WO0130751, WO0140177, WO0151464, WO0156982, WO0162723, WO0174765, WO0174766, WO0179166, WO0190061, WO0192221, WO0196293, WO02066424, WO0212182, WO0214268, WO03004036, WO03027065, WO03055854, WO03088977, WO04037781, WO04067504, WO8000339, WO8500819, WO8505622, WO8602078, WO8604333, WO8700834, WO8910351, WO9009991, WO9009992, WO9010620, WO9100271, WO9100855, WO9109841, WO9112239, WO9112240, WO9115475, WO9203414, WO9309093, WO9319044, WO9401398, WO9407851, WO9407852, WO9408958, WO9410139, WO9414766, WO9502577, WO9503273, WO9512575, WO9527697, WO9616035, WO9616036, WO9622973, WO9711053, WO9720811, WO9737972, WO9746522, WO9818759, WO9824762, WO9828266, WO9841500, WO9841501, WO9849138, WO9851663, WO9851664, WO9851678, WO9903829, WO9912894, WO9915499, WO9918070, WO9943645, WO9952863;US3856780, US3994878, US4021423, US4026882, US4028349, US4225525, US4613594, US4804502, US4898855, US5039671, US5087619, US5145846, US5247123, US5342833, US5428029, US5451574, US5612328, US5747479, US5804574, US5811414, US5856317, US5872113, US5888994, US5939408, US5962707, US5981780, US6017908, US6030962, US6040461, US6100294, US6121312 , US6329538, US6331642, US6392071, US6452028, US6479538, US6492353, US6537981, US6544969, US6559138, US6667298, US6683219, US6696431, US6774251;及びUS2001007907, US2003083319, US2003125309, US2003130241, US2003171605, US2004167105である。
本発明の幾つかの化合物構の構造が不斉炭素原子を含むことが、注目されるであろう。従って、他に示さない限り、前記不斉から生じる異性体(例えば、エナンチオマー、及びジアステレオマーのすべて)が、本発明の範囲内に含まれることが理解されるであろう。前記異性体を、古典的な分離技術により、及び/又は立体化学的制御合成法により、実質的に純粋形態で得ることができる。
該化合物の好ましい立体化学は、本明細書中に記載した構造により完全に表されたものである。
天然発生的異性体、又は合成異性体を、技術的に公知な幾つかの方法で分離することができる。2つのエナンチオマーのラセミ混合物を分離する方法は、キラル固定相を用いるクロマトグラフィーがある(例えば、"キラル液体クロマトグラフィー(Chiral Liquid Chromatography)", W.J. Lough, Ed. Chapman、及びHall, New York (1989)を参照されたい。)。また、エナンチオマーを、古典的分離技術により分離することができる。例えば、ジアステレオマー塩の形成、及び分別晶出(fractional crystallization)を、エナンチオマー分離に使用することができる。カルボン酸の該エナンチオマー分離にとって、該ジアステレオマー塩を、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、及びストリキニーネなどのエナンチオマー純粋キラル塩基の添加により形成することができる。一方、ジアステレオマーエステルを、メントールのようなエナンチオマー純粋キラルアルコールを用いて形成することができ、続いて該ジアステレオマーエステルを分離し、かつ加水分解し、エナンチオマー過剰の遊離カルボン酸を得ることができる。アミノ化合物の光学異性体の分離にとって、カンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸、又は乳酸などのキラルカルボン酸、又はスルホン酸の添加により、該ジアステレオマー塩の形成を生じることができる。
また、本発明は、本明細書中に記載した、有効量のビタミン D 化合物、及び医薬として許容し得るキャリアを含む、医薬組成物を提供する。さらなる実施態様において、該有効量は、前記の膀胱機能障害の治療に効果的な量である。
一実施態様において、該ビタミン D 化合物を、医薬として許容し得る製剤を用いて、該対象に投与する。該医薬として許容し得る製剤は、例えば、医薬として許容し得る製剤が対象に投与された後に、該対象に対して少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間、又は4週間、該ビタミン D 化合物の持続的輸送を提供する、医薬として許容し得る製剤である。
特定の実施態様において、これらの医薬組成物は、対象に対して、局所的、又は経口的投与に適している。他の実施態様において、下記で詳細に記載するが、本発明の医薬組成物は、固体、又は液体形態での投与のために特別に調剤され得る。該形態は、下記の投与に適合した形態を含む:(1)経口投与、例えば、水薬(水、又は非水溶液、又は懸濁液)、錠剤、丸剤、粉末、顆粒、ペースト;(2)非経口投与、例えば、滅菌溶液、又は懸濁液として、皮下、筋肉内、又は静脈内注射による方法;(3)局所適用、例えば、皮膚に適用するクリーム、軟膏、又はスプレー;(4)膣内、又は直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム、又は気泡;又は(5)エアロゾル、例えば、該化合物を含む、水性エアロゾル、リポソーム製剤、又は固体粒子である。
該語句"医薬として許容し得る"は、本発明のこれらのビタミン D 化合物、前記化合物を含む組成物、及び/又は、妥当な利益/リスク比に相応した、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、若しくは他の問題、又は合併症を除き、信頼できる医学的判断の範囲内の、ヒト、及び動物組織と接触して使用することに適した投与形態を意味する。
該語句"医薬として許容し得るキャリア"は、液体又は固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又は医薬として許容し得る物質、組成物、又はカプセル化物質のような賦形剤(vehicle)を含み、これらは、ある器官又は体内の一部分から、他の器官又は体内の一部分への該対象化学物質の運搬、又は輸送に関与する。各キャリアは、該製剤の他の成分と適合でき、かつ該患者に対して無害であるという意味の"許容し得る"でなければならない。医薬として許容し得るキャリアとして役立つ物質の幾つかの例は、下記のものがある:(1)ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖類;(2)コーンスターチ、及びかたくり粉などのデンプン類;(3) ナトリウム カルボキシメチル セルロース、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース類、又はその誘導体;(4)粉末トラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオバター、及び坐薬ワックスなどの賦形剤;(9)ピーナッツオイル、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油などのオイル類;(10)プロピレングリコールのようなグリコール類;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール類;(12)オレイン酸エチル、及びラウリン酸エチルなどのエステル類;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウム、及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱物質のない水;(17) 等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19) エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;及び(21)医薬製剤において使用される、他の無毒性の適合性物質である。
また、ラウリル硫酸ナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、及び潤滑剤、並びに、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、香味料、及び香料、保存料、及び酸化防止剤が、該組成物中に存在し得る。
医薬として許容し得る酸化防止剤の例を挙げると下記のものがある:(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、及び亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;(2)アスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、及びアルファ-トコフェロールなどの油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸 (EDTA)、ソルビトール、酒石酸、及びリン酸などの金属キレート剤である。
ビタミン D 化合物を含む組成物は、経口的、経鼻的、局所的(頬、及び舌下を含む)、直腸的、膣的、エアロゾル、及び/又は非経口的投与に適したものである。都合のよいことに、該組成物を、単位投与量形態で存在させることができ、かつ薬学技術において周知である全ての方法で調製することができる。単一投与量形態を製造するためにキャリア物質と組み合わせた有効成分量は、治療されるべき主、及び特定の投与形態に依存して変わるであろう。単一投与量形態を製造するためにキャリア物質と組み合わせた該有効成分量は、一般的に、該化合物が治療効果を生じる、その量であろう。通常、100パーセントの範囲内で、この量は、約0.1〜約99.5重量パーセント、例えば、有効成分約1重量パーセント〜約99重量パーセント、又は、他に約0.5重量パーセント〜約90重量パーセント、好ましくは、約5重量パーセント〜約70重量パーセント、最も好ましくは、約10重量パーセント〜約30重量パーセントの範囲内であろう。
これらの組成物の調製方法は、ビタミン D 化合物と該キャリアと、任意に1以上の副成分とを合わせる段階を含む。一般に、該製剤は、ビタミン D 化合物と液体キャリア、又は微粉かした固体キャリア、若しくはその両方を、均一に、かつ深く合わせ、かつ必要であれば、次に該生成物を成形することにより調製される。
経口投与に適した、本発明の組成物は、カプセル、封印、ピル、錠剤、トローチ剤(一般に、スクロース、及びアカシア、又はトラガカントの風味成分を使用する。)、粉末、顆粒、若しくは、水、又は非水液体の溶液、又は懸濁液として、若しくは水中油型、又は油中水型の液体エマルションとして、若しくはエリキシル剤、又はシロップとして、若しくは香錠(ゼラチン、及びグリセリンなどの不活性成分、又はスクロース、及びアカシアを使用する。)、及び/又は口内洗浄剤などの形態とすることができ、各々は、有効成分として、一定量のビタミン D 化合物を含む。また、化合物は、ボーラス、舐剤、又はペーストとして投与され得る。
本発明の経口投与用の固体投与量形態(カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末、及び顆粒など)において、該有効成分は、1以上の医薬として許容し得るキャリア、例えばクエン酸ナトリウム、又は第二リン酸カルシウムなどと、及び/又は下記のいずれかのものと混合される:(1)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸などの充填剤、又は増量剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩又はエステル、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/又はアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの湿潤剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、かたくり粉又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩又はエステル、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶液緩染剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、アセチルアルコール、及びグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤;(8)カオリン、及びベントナイト土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物などの潤滑剤;及び(10)着色剤である。カプセル、錠剤、及びピルの場合において、該医薬組成物は、緩衝剤も含み得る。また、類似した形態の固体組成物は、ラクトース、又は乳糖のような賦形剤、並びに高分子量ポリエチレングリコールなどを用いて、柔軟かつ硬い充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。
錠剤は、任意に1以上の副成分とともに圧縮、又は成形することにより製造され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン、又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、又は架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、界面活性剤、又は分散剤を用いて調製され得る。成形錠剤は、該粉末有効成分と不活性液体希釈剤との混合物を、適切な機械で成形することにより製造され得る。
本発明の医薬組成物の錠剤、及び他の固体投与量形態、例えば、糖衣錠、カプセル、ピル、及び顆粒などは、任意にコーティング剤、及びシェル、例えば、腸用コーティング剤、及び医薬製剤技術において周知の他のコーティング剤を用いて得られ得る、又は調製され得る。また、これらを、該有効成分の徐放、又は制御放出を提供するために調剤することができ、例えば、所望の放出性を提供するように比率を変えたヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマー基質、リポソーム、及び/又はミクロスフェアを用いる。これらを、例えば、細菌留保フィルターを通す濾過により滅菌することができ、若しくは、滅菌固体組成物の形態において、使用前に滅菌水、又は他の滅菌注射剤に速やかに溶解し得る滅菌剤を組み込むことにより滅菌することができる。また、これらの組成物は、任意に、乳白剤を含んでもよく、かつ消化管の特定の部分において、任意に遅延方法において、有効成分のみ、又は有効成分を優先的に放出する組成物であってもよい。使用され得る埋包組成物の例を挙げると、高分子物質、及びワックスがある。また、該有効成分は、適切な場合に1以上の上記賦形剤を有する、マイクロカプセル形態であり得る。
該ビタミン D 化合物の経口投与用の液体投与量形態は、医薬として許容し得るエマルション、マイクロエマルション、溶液、懸濁液、シロップ、及びエリキシル剤を含む。該有効成分に加えて、該液体投与量形態は、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤、及び乳化剤などの、技術的に一般使用される不活性希釈剤を含み得る。例えば、これらには、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピルレングリコール、1,3-ブチレングリコール、オイル(特に、綿実、ラッカセイ、コーン、微生物、オリーブ、ヒマシ、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、及びソルビタンの脂肪酸エステル、及びこれらの混合物がある。
不活性希釈剤に加えて、該経口的組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、香味料、着色剤、香料、及び保存料などのアジュバントを含み得る。
懸濁液は、該活性ビタミン D 化合物に加えて、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天及びトラガカント、及びこれらの混合物などの懸濁化剤を含み得る。
直腸、又は膣投与用の本発明の医薬組成物は、坐薬として存在し得る。該坐薬を、1以上のビタミン D 化合物と、1以上の非刺激性賦形剤、又はキャリア、例えばカカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックス、又はサリチル酸塩とを混合することにより調製することができる。該坐薬は、室温で固体であるが、体温で液体になり、従って、該直腸、又は膣腔で溶解し、かつ該活性成分を放出する。
また、膣投与に適した本発明の組成物は、技術的に公知である適当な前記キャリアを含む、キャリア、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、気泡、又はスプレー製剤を含む。
ビタミン D 化合物の局所的、又は経皮的投与量形態は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、及び吸入剤を含む。該活性ビタミン D 化合物は、滅菌条件下で、医薬として許容し得るキャリアとともに、及び必要され得る幾つかの保存料、緩衝液、又は噴霧剤とともに混合され得る。
該軟膏、ペースト、クリーム、及びゲルは、本発明のビタミン D 化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、オイル、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物などの賦形剤を含み得る。
粉末、及びスプレーは、ビタミン D 化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミド粉、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含み得る。スプレーは、さらに、HFA134a、又はHFA227などのクロロフルオロ炭化水素、又はヒドロフルオロアルカン、並びに、ブタン、及びプロパンなどの揮発性不飽和炭化水素のような、慣習的噴霧剤を含み得る。
また、該ビタミン D 化合物は、エアロゾルにより投与され得る。これは、該化合物を含む水性エアロゾル、リポソーム製剤、又は固体粒子を調製することにより達成される。非水(例えば、フルオロカーボン噴霧剤)懸濁液を使用できる。音波噴霧器(Sonic nebulizers)が好ましい。なぜならば、これらは、該化合物の分解を生じ得る剪断(shear)に、該化合物を曝すことを最小化するためである。
通常、水性エアロゾルは、該薬剤の水溶液、又は懸濁液とともに、従来の医薬として許容し得るキャリア、及び安定化剤を調剤することにより製造される。該キャリア、及び安定化剤は、該特定の化合物の要求に伴って変化するが、通常、非イオン性界面活性剤(Tweens, Pluronics, 又はポリエチレングリコール)、無害タンパク質様血清アルブミン、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝液、塩、糖又は糖アルコールを含む。
経皮パッチは、ビタミン D 化合物を該体に制御輸送することに別の利点がある。前記投与量形態は、適切な媒体中に該薬剤を溶解、又は分散させることにより製造され得る。また、吸収促進剤を使用し、該皮膚を通した該有効成分の流出を向上することができる。前記流出の速度は、速度制御膜を提供すること、若しくは、ポリマー基質、又はゲル中の該有効成分を分散することにより制御され得る。
非経口投与に適した、本発明の医薬組成物は、1以上のビタミン D 化合物と、1以上の医薬として許容し得る無菌等張性水溶液又は非水溶液、分散剤、懸濁液、又はエマルション、若しくは無菌粉末とを含む。該無菌粉末は、使用前に無菌注射溶液、又は分散剤中にもどしてもよい。これらは、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、所定の受け手の血液と等浸透圧の調剤物を与える溶質、若しくは、懸濁化剤、又は増粘剤を含み得る。
本発明の医薬組成物に使用され得る、適切な水性、及び非水性キャリアの例を挙げると、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、及びポリエチレングリコールなど)、及び適切なこれらの混合物、オリーブオイルなどの植物性油、及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルがある。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング物質の使用により、分散剤の場合における要求される粒子サイズの維持により、及び界面活性剤の使用により維持され得る。
また、これらの組成物は、保存料、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントを含み得る。微生物作用の予防は、様々な抗菌剤、及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、及びフェノールソルビン酸などを包含することにより保証され得る。また、該組成物に、糖、及び塩化ナトリウムなどの等張剤を含むことが所望され得る。さらに、該注射用医薬形態の持続吸収は、モノステアリン酸アルミニウム、及びゼラチンなどの吸収を遅らせる薬剤の包含により実現され得る。
幾つかの場合において、薬剤効果を延長するために、皮下、又は筋内注射から薬剤の吸収を遅くすることが所望される。これは、結晶性、又は非晶性物質の液体懸濁液の使用により達成され得る。該薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存し、順番に、結晶サイズ、及び結晶形態に依存し得る。また、非経口で投与された薬剤形態の遅延吸収は、オイル賦形剤中の該薬剤を溶解、又は懸濁化することにより達成され得る。
注射用貯蔵形態は、ポリ乳酸-ポリグリコリドのような生分解性ポリマーにおける、ビタミン D 化合物のマイクロカプセル基質を形成することにより製造される。薬剤対ポリマーの比、及び使用される該特定ポリマーの性質に依存して、薬剤放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例を挙げると、ポリ(オルトエステル)、及びポリ(酸無水物)がある。また、貯蔵注射用製剤は、体内組織適合性リポソーム、又はマイクロエマルション中に該薬剤を包括することにより調製される。
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本発明の該ビタミン D 化合物、及び/又は該医薬組成物は、当業者に公知である従来の方法により、医薬として許容され得る投与量形態に調剤される。
該医薬組成物中の有効成分の投与の実際の投与量レベル、及び時間経過は、特定の患者、組成物、及び投与様式に対して所望される治療反応の達成に効果的であり、該患者に対して毒性がない、該有効成分量を得るために変えられ得る。例証的な投与量範囲は、1日につき0.1〜300μgである。化合物Aの例証的な投与量範囲は、1日につき0.1〜300μg、例えば1日につき50〜150μg、例えば1日につき75〜150μgである。好ましくは、単位投与量製剤は、50〜150μg、例えば75〜150μgを含み、かつ好ましくは、1日に1度投与される。
本発明の該ビタミン D 化合物の好ましい投与量は、患者が耐えることができ、かつ高カルシウム血症に発展させない最大量である。好ましくは、本発明のビタミン D 化合物は、体重1キログラムにつき約0.001μg〜約100μg、約0.001μg〜約10μg/kg体重、又は約0.001μg〜約10μg/kg体重の濃度で投与される。また、上記列挙した値の中間の範囲は、本発明の一部であることが意図される。
また、本発明は、ビタミン D 化合物、及び医薬として許容し得るキャリアを含む医薬組成物とともに包装した、膀胱機能障害の予防、及び/又は治療に使用するための説明書を含む、包装された製剤を含む。
本発明に従って使用される組成物は、該ビタミン D 化合物と組み合わせて、膀胱機能障害の予防の治療に適した他の物質、例えば抗ムスカリン様作用薬、及び/又はアルファ-ブロッカーを含み得る。
(II.化合物の合成)
本発明において使用される、多くの化合物は、細胞内のビタミン D3 類似体のインキュベーションにより製造され得る。例えば、UMR 106細胞、又はRos 17/2.8細胞内のビタミン D3 類似体のインキュベーションは、本発明において使用されるビタミン D3化合物を製造する。例えば、UMR 106細胞内の1,25-ジヒドロキシ-16-エン-5,6-trans-カルシトリオールのインキュベーションは、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-オキソ-5,6-trans-カルシトリオールを製造する。
本明細書中に記載した方法に加えてさらに、本発明の化合物は、様々な合成方法を用いて製造され得る。例えば、当業者は、既存のビタミン D3化合物の合成方法を使用し、本発明において使用される化合物を製造することができるであろう(例えばBouillon, R.らの論文(1995) Endocr. Rev. 16(2):200-257;Ikekawa, N.の論文 (1987) Med. Res. Rev. 7:333-366;DeLuca, H.F. 及びOstrem, V.K.の論文 (1988) Prog. Clin. Biol. Res. 259:41-55;Ikekawa, N. 及びIshizuka, S.の論文 (1992) CRC Press 8:293-316;Calverley, M.J. 及びJones, G.の論文 (1992) Academic Press 193-270;Pardo, R. 及びSantelli, M.の論文 (1985) Bull. Soc. Chim. Fr:98-114;Bythgoe, B.の論文 (1980) Chem. Soc. Rev. 449-475;Quinkert, G.の論文 (1985) Synform 3:41-122;Quinkert, G. の論文(1986) Synform 4:131-256;Quinkert, G. の論文(1987) Synform 5:1-85;Mathieu, C.らの論文(1994) Diabetologia 37:552-558;Dai, H. 及びPosner, G.H. の論文(1994) Synthesis 1383-1398;及び DeLuca,らの文献, WO 97/11053を参照)。
例証的な合成方法には、周知の方法(Barton, D.H.R.らの論文(1973) J. Am. Chem. Soc. 95:2748-2749;Barton, D.H.R.の論文 (1974) JCS Chem. Comm. 203-204)である、ビタミンD3に容易にサーモライズ(thermolyze)されるプレビタミンを最初に製造する7-デヒドロコレステロールの1-ヒドロキシル化側鎖-修飾誘導体の光化学的環開裂;Baggiolini, E.G.らの論文(1986) J. Org. Chem. 51:3098-3108;DeSchrijver, J. 及びDeClercq, P.J.の論文 (1993) Tetrahed Lett 34:4369-4372;Posner, G.H 及びKinter, C.M.の論文 (1990) J. Org. Chem. 55:3967-3969;に記載されているような、1-アルファ,25(OH)2D3骨格を直接製造するように、ホスフィンオキシドを、Grundmann's ケトン誘導体にカップリングすることを含む、(Lythgoe,らの論文(1978) JCS Perkin Trans. 1:590-595)により開発されたホスフィンオキシドカップリング方法;Harrison, R.G.らの論文(1974) JCS Perkin Trans. 1:2654-2657;Castedo, L.らの論文(1988) Tetrahed Lett 29:1203-1206;Mascarenas, J.S.の論文 (1991) Tetrahedron 47:3485-3498;Barrack, S.A.らの論文(1988) J. Org. Chem. 53:1790-1796)及び Okamura, W.H.らの論文(1989) J. Org. Chem. 54:4072-4083に記載されているような、該対応するビタミン D3類似体に転位するプレビタミン構造のジエンインの半水素化;続いて熱を用いて配列されるか、又は金属触媒異性体化の組み合わせ、続く、光異性化を感作する中間体を含む、該ビニルアレンアプローチ(Okamura, W.H.らの論文 (1989) J. Org. Chem. 54:4072-4083;Van Alstyne, E.M.らの論文(1994) J. Am. Chem. Soc.116:6207-6210);Trost, B.M.らの論文J. Am. Chem. Soc. 114:9836-9845;Nagasawa, K.らの論文(1991) Tetrahed Lett 32:4937-4940に記載されている方法は、非環式A-環前駆体を含み、該ブロモエンインに分子内クロスカップリングし、直接的に、1,25(OH)2D3骨格を形成する;トシル化誘導体は、炭素-1で修飾され得る該i-ステロイドに異性化し、かつ続いてソボリティック条件下(sovolytic conditions)で逆異性化(back-isomerized)し、1-アルファ,25(OH)2D2、又はその類似体を形成する(Sheves, M. 及びMazur, Y.の論文 (1974) J. Am. Chem. Soc. 97:6249-6250;Paaren, H.E.らの論文(1980) J. Org. Chem. 45:3253-3258;Kabat, M.らの論文 (1991) Tetrahed Lett 32:2343-2346;Wilson, S.R.らの論文(1991) Tetrahed Lett 32:2339-2342);(Andrews, D.R.らの論文(1986) J. Org. Chem. 51:1635-1637)に記載されいているようなビタミン D 誘導体の1-酸素化5,6-trans ビタミン Dへの直接的修飾;プレビタミン D3のディールズ・アルダー環化付加方法は、熱異性化を介したプレビタミン形態の中間体を経て、1-アルファ,25(OH)2D2への環化復帰に使用され得る(Vanmaele, L.らの論文(1985) Tetrahedron 41:141-144);及び、最後の方法は、遷移金属誘導体のような適切な保護基の使用を介して、又は他の化学的変換により、1-アルファ,25(OH)2D2、又は類似体の直接的修飾を伴う(Okarmura, W.H.らの論文(1992) J. Cell Biochem. 49:10-18)。ビタミン D2化合物のさらなる合成方法は、例えば、日本特許公表第62750/73, 26858/76, 26859/76,及び71456/77号;米国特許第3,639,596; 3,715,374; 3,847,955, 及び3,739,001号に記載されている。
飽和側鎖を有する、本発明において使用される化合物の例は、米国特許第4,927,815号で説明され、かつ記載されている一般的方法に従って調製され得る。不飽和側鎖を有する本発明の化合物例は、米国特許第4,847,012号で説明され、かつ記載されている一般的方法に従って調製され得る。C20位置でR基が、共に、シクロアルキル基を表す、本発明において使用される化合物例は、米国特許第4,851,401号で説明され、かつ記載されている一般的方法に従って調製され得る。
1-アルファ,25-ジヒドロキシエルゴカルシフェロールの側鎖修飾類似体を調製するための他の合成方法は、Kutner らの論文, The Journal of Organic Chemistry, 1988, 53:3450-3457に記載されている。さらに、24-ホモ、及び26-ホモビタミン D 類似体の調製は、米国特許第4,717,721号に記載されている。
キラル分子のエナンチオ選択合成は、現状技術である。エナンチオ選択合成、及び精製技術を介して、多くのキラル分子が、エナンチオマー過剰製剤として合成され得る。例えば、1-アルファ,25(OH)2D3のA-環ジアステレオマーのエナンチオ選択合成方法が報告されており、Muralidharanらの論文(1993) J. Organic Chem. 58(7): 1895-1899、及びNorman らの論文 (1993) J. Biol. Chem. 268(27): 20022-30に記載されている。技術的に公知である、様々な化合物の他のエナンチオマー合成方法には、とりわけ、エポキシド(例えば、Johnson, R.A.; Sharpless, K.B.の触媒的不斉合成(Catalytic Asymmetric Synthesis);Ojima, I., Ed.: VCH: New York, 1993; Chapter 4.1. Jacobsen, E.N. ibid. Chapter 4.2)、ジオール(例えば、Sharplessの方法, J. Org. Chem. (1992) 57:2768)、及びアルコール(例えば、ケトンの還元, E.J.Coreyらの論文, J. Am. Chem. Soc. (1987) 109:5551)がある。光学的過剰な生成物の生成に有用な他の反応には、オレフィンの水素化(例えばM. Kitamuraらの論文, J. Org. Chem. (1988) 53:708);ディールズ・アルダー反応(例えばK. Narasakaらの論文, J. Am. Chem. Soc. (1989);エノラートのアルドール反応、及びアルキル化(例えば、D.A. Evansらの論文, J. Am. Chem. Soc. (1981) 103:2127;D.A. Evansらの論文, J. Am. Chem. Soc. (1982) 104:1737を参照);カルボニル付加(例えば、R. Noyoriの論文, Angew. Chem. Int. Ed. Eng. (1991) 30:49);及びメソ-エポキシドの環開裂(例えば、Martinez, L.E.; Leighton J.L., Carsten, D.H.; Jacobsen, E.N.の論文 J. Am. Chem. Soc. (1995) 117:5897-5898)がある。また、光学的過剰な生成物を生成するために、酵素を使用することも公知である(例えば、M.P. Scheider, ed. "有機合成における触媒としての酵素(Enzymes as Catalysts in Organic Synthesis)", D. Reidel, Dordrecht (1986)。
キラル合成は、高純度の立体異性体生成物を得ることができる。しかし、幾つかの場合において、該生成物の立体異性体純度は、十分に高いわけではない。当業者は、本明細書中に記載した該分離方法が、キラル合成により得られた該ビタミン D3エピマーの立体異性体純度をさらに高めるようにしようされ得ることを認識するであろう。
(III.特定の好ましい化合物の化学合成例)
(実験)
ビタミン D3類似体に関与する全操作を、窒素雰囲気下、褐色ガラス中で行った。テトラヒドロフランを、使用前に、ナトリウム-ベンゾフェノンケチルから蒸留し、かつ溶質の溶液を、硫酸ナトリウムで乾燥した。融点を、Thomas-Hooverキャピラリー装置で測定し、かつ訂正されていない。旋光度を、25℃で測定した。1H NMRスペクトルを、他に示さない限り、CDCl3中で400 MHz で記録した。TLCを、シリカゲルプレート(Merck PF-254)上で、短波長UV光照射下で可視化して、又は該プレートに、メタノール中10%リンモリブデン酸を噴霧し、続いて加熱することにより行った。フレッシュクロマトグラフィーを、40-65 mmメッシュシリカゲルで行った。分取用HPLCを、5×50 cmカラム、及び15-30 mmメッシュシリカゲルで、流速100ml/分で行った。
(実施例1)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (1)の合成)
Figure 2007506780
出発物質1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールは、Doranらの米国特許第5,428,029号に記載されているように調製され得る。1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール3 mgを、ピリジン0.8 mlに溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mlを加え、かつ16時間、その温度を維持した。次に、該反応混合物を、水1 mlで希釈し、該氷浴下で10分間撹拌し、かつ水5 ml、及び酢酸エチル20 mlで分配した。該有機相を、水5 ml×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mlで1回洗浄し、ブライン3 mlで1回洗浄し、次いで乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。該オイル残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、かつ1:6, 1:4, 及び1:2 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いたフラッシュ-クロマトグラフィーにかけた。該カラムクロマトグラフィーを、TLC(1:4 酢酸エチル-ヘキサン、リンモリブデン酸噴霧でスポットを可視化)でモニタリングし、適切なフラクションを貯め、エバポレートし、該残渣をギ酸メチル中に取り出し、濾過し、続いて再びエバポレートして、該タイトル化合物(1)を無色シロップ状物質として23.8 mg得た;
400 MHz 1H NMR δ 0.66 (3H, s), 0.90 (1H, m), 1.06 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.51 (1H, m), 1.72-1.82 (3H,m), 1.9-2.1 (3H, m), 1.99 (3H, s) 2.04 (3H,s), 2.2-2.3 (3 m), 2.44-2.64 (6H, m), 2.78 (1H, m), 3.01 (1H, s), 5.10 (2H, m). 5.38 (1H, m), 5.43 (1H, d, J=12 Hz), 5.85 (1H, d, J=11.5 Hz), 5.97 (1H, dt, J=12、及び7.3 Hz), 6.25 (1H, d, J= 11.5 Hz)。
(実施例2)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (2)、及び1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (3)の合成)
Figure 2007506780
出発物質 1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールは、Baggioliniらの米国特許第5,451,574、及び5,612,328号に記載されているように調製され得る。1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール314 mg (0.619モル)を、ピリジン1.5 ml中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸を加えた。該反応混合物を、7時間、室温で、かつ次に冷蔵室で23時間保存した。次に、水10 mlで希釈し、かつ酢酸エチル30 mlで抽出した。該有機抽出液を、水、及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、移動相として1:6、及び1:4 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、10×140 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけ、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (2) を126 mg、1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (3)を248 mg得た。
(実施例3)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール (4)の合成)
Figure 2007506780
10-mL 丸底フラスコに、40 mgの1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロールを加えた。この物質を、ピリジン1 mLで溶解した。この溶液を、氷浴下で冷却し、次に無水酢酸0.3 mLを加えた。該溶液を、30分間撹拌し、次に、一晩冷蔵し、水で希釈し、かつ水10 mL、及び酢酸エチル40 mLで分液ロートに移した。該有機相を、水20 mL×4回で洗浄し、ブライン10 mLを、硫酸ナトリウムのプラグを通して通過させ、かつエバポレートした。淡褐色のオイル状残渣を、1:9 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1-5には1:9 酢酸エチル-ヘキサン、フラクション6-13には1:6、及びフラクション14-20には1:4 酢酸エチル - ヘキサンを用いて(18 mL フラクション)、10×130 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション14-19は、Rf 0.15(TLC 1:4)の該主要バンドを含んでいた。これらのフラクションを貯め、かつエバポレートし、無色オイル0.044 gを得た。該物質を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートし、0.0414 gの該タイトル化合物(4)を、無色の粘着性発泡体として得た。
(実施例4)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール (5)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール0.0468 gを、ピリジン1.5 mL中に溶解した。この溶液を、氷浴下で冷却し、次に一晩冷蔵し、該氷浴下に浸している間に、水10 mLで希釈し、10分間撹拌し、かつ水10 mL、及び酢酸エチル40 mLを用いて分液ロートに移した。該有機相を水20 mL×4回で洗浄し、ブライン10 mLを、硫酸ナトリウムのプラグを通して通過させ、かつエバポレートした。淡褐色のオイル状残渣を、1:9 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1-3(20 mL フラクション)には1:9 酢酸エチル-ヘキサン、フラクション6-8には1:6、及びフラクション9-17には1:4 酢酸エチル-ヘキサンを用いて(各18 mL)、10×130 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション11-14は、Rf 0.09(TLC 1:4)の該主要バンドを含んでいた。これらのフラクションを貯め、かつエバポレートし、無色オイル0.0153 gを得た。この物質を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.014 gの該タイトル化合物(5)を得た。
(実施例5)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール (6)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール0.0774 gを、ピリジン1.5 mL中に溶解した。この溶液を、氷浴下で冷却し、次に無水酢酸0.3 mLを加えた。該溶液を撹拌し、一晩冷蔵し、次に水1 mLで希釈し、氷浴下で1時間撹拌し、かつ酢酸エチル30 mL、及び水15 mLで希釈した。該有機相を水15 mL×4回で洗浄し、ブライン5 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。淡褐色のオイル状残渣を、1:9 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1 (20 mL フラクション)には1:9 酢酸エチル-ヘキサン、フラクション2-7には1:6、及びフラクション8-13には1:4 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、10×130 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション9-11は、Rf 0.09(TLC 1:4酢酸エチル-ヘキサン)の該主要バンドを含んでいた。これらのフラクションを貯め、かつエバポレートし、無色オイル0.0354 gを得た。この物質を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつ該溶液をエバポレートして、0.027 gの該タイトル化合物(6)を無色フィルムとして得た。
(実施例6)
(1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (7)、及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (8)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール0.0291 gを、ピリジン1.5 mL中に溶解した。この溶液を、氷浴下で冷却し、次に無水酢酸0.25 mLを加えた。該溶液を20分間撹拌し、一晩冷蔵庫中で保存した。該冷却溶液を、水15 mLで希釈し、10分間撹拌し、かつ酢酸エチル30 mLで希釈した。該有機相を水15 mL×4回で洗浄し、ブライン5 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。淡褐色のオイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、1:6 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、10×110 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション2-3は、72.3461 - 72.3285 = 0.0176 gであった。フラクション6-7のエバポレーションにより、0.0055 gを得た。フラクション2-3の該残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.0107 gの該タイトル化合物(7)を得た。ラクション6-7の該残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.0049 gの二酢酸塩 (8)を得た。
(実施例7)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール (9)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール1.5 mLを、ピリジン1.5 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.4 mLを加えた。該混合物を一晩冷蔵した。二日後、該混合物を、水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、水10 mL、及び酢酸エチル30 mLの間で分配した。該有機相を水15 mL×4回で洗浄し、ブライン5 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。淡褐色のオイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、1:6 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、10×110 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション4-6(TLC, 1:4)は、該主要バンドを含んでいた(TLC参照)。これらのフラクションをエバポレートし、かつ0.0726 gを得た。この残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.0649 gの該タイトル化合物(9)を、無色発泡体として得た。
(実施例8)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール (10)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール0.0535 gを、ピリジン1.5 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.3 mLを加え、かつ該混合物を一晩冷蔵した。該溶液を、水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、次に水10 mL、及び酢酸エチル30 mLの間で分配した。該有機相を水15 mL×4回で洗浄し、ブライン5 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。ほぼ無色のオイル状残渣を、フラクション1-6の移動相としての1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、1:4 酢酸エチル-ヘキサンを使用した。フラクション9-19(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.09, 下記参照)を貯め、エバポレートし、かつ0.0306 gを得た。これを、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、次にエバポレートした。0.0376 gの該タイトル化合物(10)を得た。
(実施例9)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール (11) の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール50 mgを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加えた。該混合物を、3日間冷蔵し、次に水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水5 mL、及び酢酸エチル20 mLの間で分配した。該有機相を水5 mL×4回で洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。ほぼ無色のオイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1-6には1:6 酢酸エチル-ヘキサン、フラクション9-12には1:4、フラクション13-15には1:3、及び残りのフラクションには1:2 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、15×120 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション11-16 (TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.09, 下記参照)を貯め、かつエバポレートし、76.1487−76.1260=0.0227 gを得た。この物質を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、次にエバポレートした。0.0186 gの該タイトル化合物(11)を得た。
(実施例10)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール (12)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0726 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加えた。該溶液を、氷浴下で撹拌し、次に一晩冷蔵した。該溶液を、水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水10 mL、及び酢酸エチル25 mLの間で分配した。該有機相を水10 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。33.5512−33.4654=0.0858 gの黄褐色オイル状残渣を、1:6を移動層として用いて、15×120 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション7-11 (各20 mL)を貯め(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.14)、かつエバポレートし、67.2834−67.2654=0.018 gを得た。この残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートした。0.0211 gの該タイトル化合物(12)を得た。
(実施例11)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール (13)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール0.282 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加え、かつ該混合物を一晩冷蔵し、次に水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水5 mL、及び酢酸エチル20 mLの間で分配した。該有機相を水5 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。該オイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1-4には1:6 酢酸エチル-ヘキサン、フラクション5-12には1:4、フラクション13-15には1:3、残りのフラクションには酢酸エチル-ヘキサンを用いて、15×110 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション7-12 (TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.13)を貯め、かつエバポレートし、該残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、次にエバポレートして、0.023 gの該タイトル化合物(13)を得た。
(実施例12)
(1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (14)、及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (15)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.1503 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加えた。該混合物を、一晩冷蔵し、次に水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水5 mL、及び酢酸エチル20 mLの間で分配した。該有機相を水5 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。該オイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1-5には1:6 酢酸エチル-ヘキサン、残りのフラクションには1:4を用いて、15×150 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション3-4、及び6-7を貯め、エバポレートし、次にギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.0476 gの該タイトル化合物の三酢酸塩(14)、及び0.04670 gの該タイトル化合物の二酢酸塩(15)を得た。
(実施例13)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール (16) の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール0.0369 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加え、かつ該混合物を、一晩冷蔵し、次に水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水5 mL、及び酢酸エチル20 mLの間で分配した。該有機相を水5 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。該オイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、移動相として、フラクション1-7には1:6 酢酸エチル-ヘキサン、残りのフラクションには1:4酢酸エチル-ヘキサンを用いて、13×110 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション9-11(TLC, 1:4 酢酸エチル-ヘキサン)を貯め、かつエバポレートし、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、次にエバポレートして、0.0099 gの該タイトル化合物 (16)を得た。
(実施例14)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (17) の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0328 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加えた。該溶液を、一晩冷蔵した。次に、該溶液を、水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水5 mL、及び酢酸エチル20 mLの間で分配した。(該水相抽出液には、リンモリブデン酸-検出可能物質はなかった。)。該有機相を水5 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。該残渣は、唯一のスポットとしてRf 0.25を示した。該オイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に、フラクション1-10の移動相として、1:6 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、13.5×110 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション4-9を貯め、かつエバポレートし、該残渣をギ酸メチル中に取り出し、濾過し、次にエバポレートして、0.0316 gの該タイトル化合物 (17)を得た。
(実施例15)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (18)の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0429 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加えた。該溶液を、一晩冷蔵した。次に、該溶液を水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水7 mL、及び酢酸エチル25 mLの間で分配した。該有機相を水5 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥(硫酸ナトリウム, TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサンは、1つのスポットを示した。)し、かつエバポレートし、移動相として1:6を用いて、15×120 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション3-6(各20 mL)を貯め、かつエバポレートした。該残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.0411 gの該タイトル化合物 (18)を得た。
(実施例16)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール (19) の合成)
Figure 2007506780
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール0.0797 gを、ピリジン0.8 mL中に溶解し、氷浴温度に冷却し、かつ無水酢酸0.2 mLを加えた。該溶液を、一晩冷蔵した。次に、該溶液を、水1 mLで希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、かつ水10 mL、及び酢酸エチル25 mLの間で分配した。該有機相を水10 mL×3回で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウム5 mLで1回洗浄し、ブライン3 mLで1回洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートして、0.1061 gの黄褐色オイル状残渣を得た。該残渣を、1:6を移動相として用いて、15×120 mmカラムのフラッシュクロマトグラフィにかけた。フラクション9-16(各20 mL)を貯め(TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.13)、かつエバポレートした。該残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.0581 gの該タイトル化合物 (19)を得た。
(実施例17)
(1,3-ジ-O-アセチル-1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール (20)
Figure 2007506780
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール (94 mg, 0.23 mmol)の0℃ピリジン(3 mL)溶液に、無水酢酸 (0.5 mL, 5.3 mmol)を加えた。該混合物を、1時間撹拌し、15時間冷蔵し、かつ次にさらに8時間撹拌した。水(10 mL)を加え、かつ15分間撹拌後に、該反応混合物を、AcOEt:ヘキサン 1:1 (25 mL)で抽出し、水(4×25 mL)、及びブライン(20 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後、該残渣(120 mg)を、FC (15g, ヘキサン中、30% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(20) (91 mg, 0.18 mmol, 80%)を得た。
[α]30 D=+14.4 c 0.34, EtOH
UV λmax (EtOH): 242nm (ε34349 250 nm (ε 40458), 260 nm (ε 27545);
1H NMR (CDCl3): 6.25 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.83 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.35 (1H, m), 5.09 (2H, m), 2.82-1.98 (7H, m), 2.03 (3H, s), 1.98 (3H, s), 2.00-1.12 (15H, m), 1.18 (6H, s), 0.77 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 170.73(0), 170.65(0), 157.27(0), 142.55(0), 130.01(0), 125.06(1), 123.84(1), 115.71(1), 71.32(0), 70.24(1), 69.99(1), 59.68(1), 50.40(0), 44.08(2), 41.40(2), 38.37(2), 35.96(2), 35.80(2), 32.93(2), 29.48(3), 29.31(2), 28.71(2), 23.71(2), 22.50(2), 21.56(3), 21.51(0), 21.44(3), 18.01(3), 12.93(2), 10.53(2);
MS HRES 計算値C31H46O5 M+Na 521.3237
MS HRES 観測値 M+Na 521.3233
(実施例18)
(1,3-ジ-O-アセチル-1α,25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール (21)の合成)
Figure 2007506780
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール (100 mg, 0.23 mmol)の0℃ピリジン(3 mL)溶液に、無水酢酸 (0.5 mL, 5.3 mmol)を加えた。該混合物を、2時間撹拌し、かつ次にさらに15時間冷蔵した。水(10 mL)を加え、かつ15分間撹拌後に、該反応混合物を、AcOEt:ヘキサン 1:1 (25 mL)で抽出し、水(4×25 mL)、及びブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後、該残渣(150 mg)を、FC (15g, ヘキサン中、30% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(21) (92 mg, 0.18 mmol, 78 %)を得た。
[α]30 D=−14.9 c 0.37, EtOH
UV λmax (EtOH): 208 nm (ε 15949), 265 nm (ε 15745);
1H NMR (CDCl3): 6.34 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.99 (1H, d, J=11.3 Hz), , 5.47 (1H, m), 5.33 (1H, m), 5.31 (1H, s), 5.18 (1H, m), 5.04 (1H, s), 2.78 (1H, m), 2.64 (1H, m), 2.40-1.10 (18H, m), 2.05 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.18 (6H, s), 0.76 (3H, s ),0.66-0.24 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 170.76(0), 170.22(0), 157.18(0), 143.02(0), 142.40(0), 131.94(0), 125.31(1), 125.10(1), 117.40(1), 115.22(2), 72.97(1), 71.32(0), 69.65(1), 59.71(1), 50.57(0), 44.07(2), 41.73(2), 38.36(2), 37.10(2), 35.80(2), 29.45(3), 29.35(2), 29.25(3), 28.92(2), 23.80(2), 22.48(2), 21.55(3), 21.50(3), 21.35(0), 17.90(3), 12.92(2), 10.54(2);
MS HRES 計算値C32H46O5 M+Na 533.3237
MS HRES 観測値 M+Na 533.3236
(実施例19)
(1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール (22) の合成)
Figure 2007506780
0.2007 g (0.486 mmol)を、ピリジン2 mL中に溶解した。該溶液を、氷浴下で冷却し、かつ無水酢酸0.6 mLを加えた。該溶液を、45時間、氷浴下に保ち、次に水10 mLで希釈し、10分間撹拌し、かつ水10 mL、及び酢酸エチル40 mLの間で平衡化した。該有機相を水10 mL×4回、ブライン10 mLで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートした。茶色オイル状残渣を、1:19, 1:9, 及び1:4 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配としてを用いて、フラッシュクロマトグラフィにかけた。Rf 0.16 (TLC 1:4 アセテート-ヘキサン)を有する該主要バンドを、エバポレートして、0.0939 gの1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール (22)を、無色発泡体として得た。
(実施例20)
( (3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成)
Figure 2007506780
(3aR,4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル (1.0 g, 2.90 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(15 mL)溶液に、n-BuLi (2.72 mL, 4.35 mmol , ヘキサン中1.6M)を加えた。−78℃で1時間撹拌後に、アセトン (2.5 mL, 34.6 mmol)を加え、かつ2.5時間撹拌を続けた。NH4Cl aq(15 mL)を加え、かつ室温で15分間撹拌し、次にAcOEt(2×50 mL)で抽出した。該合わせた抽出液を、ブライン(50 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒(2.4 g)をエバポレートした後、該残渣を、FC (50g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、(3aR,4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-2-メチル-ペンタ-3-イン-2-オール (1.05 g, 2.61 mmol)を得た。該化合物を、フッ化テトラブチルアンモニウム(6 mL, 6 mmol, THF中1.0M)で処置し、かつ65-75℃で48時間撹拌した。該混合物を、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×25 mL)、ブライン(25 mL)で洗浄した。該合わせた水洗浄液を、AcOEt(25 mL)で抽出し、かつ該合わせた有機抽出液を、Na2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(1.1 g)を、(50g, ヘキサン中20% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(0.75 g, 2.59 mmol, 90 %)を得た。[α]30 D= +2.7 c 0.75, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, m), 4.18 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.35-1.16 (11H, m), 1.48 (6H, s), 1.20 (3H, s), 0.76-0.50 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.39, 125.26, 86.39, 80.19, 69.21, 65.16, 55.14, 46.94, 35.79, 33.60, 31.67, 29.91, 27.22, 19.32, 19.19, 17.73, 10.94, 10.37;
MS HREI 計算値 C22H28O2 M+ 288.2089 観測値 M+ 288.2091.
(実施例21)
( (3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成)
Figure 2007506780
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(0.72 g, 2.50 mmol), 酢酸エチル(10 mL), ヘキサン(24 mL), 無水エタノール(0.9 mL), キノリン(47□L)、及びリンドラー触媒(156 mg, CaCO3 35% Pd)の混合物を、室温で2時間、水素化した。該反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、かつ該パッドを、AcOEtで洗浄した。該濾液、及び該洗浄液を合わせ、かつ1M HCl, NaHCO3, 及びブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥後に、該溶媒をエバポレートし、かつ該残渣(0.79 g)をFC (45g, ヘキサン中20% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(640 mg, 2.2 mmol, 88 %)を得た。
(実施例22)
( (3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成)
Figure 2007506780
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(100 mg, 0.34 mmol), 1,4-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)ブタン 1,5 シクロオクタジエン ロジウム テトラフルオロホウ酸塩(25 mg,0.034 mmol), ジクロロメタン(5 mL), 及び水銀1滴の混合物を、パール装置(Paar apparatus)を用いて、室温, 及び50 p.s.i. 圧力で3時間、水素化した。該反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、次に酢酸エチルで洗浄した。該合わせた濾液、及び洗浄液を、エバポレートして、乾燥し(110 mg)、かつFC (10 g, ヘキサン中20% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(75 mg, 0.26 mmol, 75 %)を得た。[α]30 D= -8.5 c 0.65, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.37-1.16 (17H, m), 1.19 (6H, s), 1.18 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
MS HREI 計算値 C19H32O2 M+H 292.2402. 観測値 M+ H 292.2404.
(実施例23)
( (3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成)
Figure 2007506780
ジクロロメタン (10 mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(440 mg, 1.50 mmol)、及びセライト(2.0 g)の撹拌懸濁液に、室温で二クロム酸ピリジニウム(1.13 g, 3.0 mmol)を加えた。該得られた混合物を、5時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中20% AcOEtで洗浄した。該合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、粗生成物(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(426 mg, 1.47 mmol, 98 %)を得た。ジクロロメタン (10 mL) 中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(424 mg, 1.47 mmol)の撹拌溶液に、室温でトリメチルシリル-イミダゾール (0.44 mL, 3.0 mmol)を加えた。該得られた混合物を、1.0時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつシリカゲルパッドを、ヘキサン中10% AcOEtで洗浄した。合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、該タイトル化合物(460 mg, 1.27 mmol, 86 %)を得た。[α]29 D= -9.9 c 0.55, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5 Hz), 2.81 (1H, dd, J= 10.7, 6.2 Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.6, 10.7, 1.5 Hz), 2.30-1.15 (13H, m) 重なり 2.03 ( ddd, J= 15.8, 6.4, 3.2 Hz), 1.18 (6H, s), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 211.08 (0), 155.32(0), 124.77(1), 73.98(0), 64.32(1), 53.91(0), 44.70(2), 40.45(2), 38.12(2), 34.70(2), 29.86(3), 29.80(3), 26.80(2), 24.07(2), 22.28(2), 21.24(0), 18.35(3), 12.60(2), 10.64(2), 2.63 (3); MS HRES 計算値C22H38O2Si M+ 362.2641. 観測値M+ 362.2648.
(実施例24)
( (3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成)
Figure 2007506780
ジクロロメタン (10 mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(381 mg, 1.32 mmol)、及びセライト(2.0 g)の撹拌懸濁液に、室温で、二クロム酸ピリジニウム(1.0 g, 2.65 mmol)を加えた。該得られた混合物を、1.5時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中20% AcOEtで洗浄した。該合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、粗生成物(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(360 mg, 1.26 mmol, 95 %)を得た。ジクロロメタン (10 mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(360 mg, 1.26 mmol)の撹拌懸濁液に、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール (0.25 mL, 1.7 mmol)を加えた。該得られた混合物を、0.5時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつシリカゲルパッドを、ヘキサン中5% AcOEtで洗浄した。合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、該タイトル化合物(382 mg, 1.07 mmol, 81 %)を得た。
(実施例25)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール (23)の合成)
Figure 2007506780
(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン (513 mg, 0.88 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(6 mL)撹拌溶液に、n-BuLi (0.55 mL, 0.88 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(179 mg, 0.50 mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (25 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(716mg)を、FC (15g, ヘキサン中5% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール (324 mg, 045 mmol)を得た。該1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール (322 mg, 0.45 mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、18時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(280 mg)を、FC (10g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(23) (172 mg, 0.41 mmol, 82 %)を得た。[α]31 D= +32.4 c 0.50, MeOH. UV λmax (EtOH): 261 nm (ε 11930); 1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.45(1H, m), 5.33 (1H, m), 5.01 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.22 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.50-1.10 (16H, m), 1.45 (6H, s), 0.81 (3H, s ),0.72-0.50 (4H, m); MS HRES 計算値C28H38O3 M+ 422.2821. 観測値 M+ 422.2854.
(実施例26)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール (24)の合成)
Figure 2007506780
(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(674 mg, 1.18 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(8 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.74 mL, 1.18 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(235 mg, 0.66 mmol)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (25 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(850 mg)を、FC (15g, ヘキサン中5% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(330 mg, 0.46 mmol)を得た。該1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(328 mg, 0.46 mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(5 mL, 5 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、62時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(410 mg)を、FC (10g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(24) (183 mg, 0.45 mmol, 68 %)を得た。[α]29 D= +72.1 c 0.58, MeOH. UV λmax (EtOH): 242nm (ε29286), 251 nm (ε 34518), 260 nm (ε 23875); 1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.94 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.48 (1H, m), 4.14 (1H, m), 4.07 (1H, m), 2.78 (2H, m), 2.52-1.10 (18H, m), 1.49( 6H, s), 0.81 (3H, s ),0.72-0.50 (4H,m); MS HRES 計算値C27H38O3 M+ 410.2821. 観測値 M+ 410.2823.
(実施例27)
((3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成)
Figure 2007506780
(3aR, 4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル (1.95 g, 5.66 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(35 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(4.3 mL, 6.88 mmol , ヘキサン中1.6M)を加えた。−78℃で1時間撹拌後に、ヘキサフルオロアセトン(クーリングフィンガー(cooling finger)から6滴)を加え、1時間撹拌を続けた。NH4Claqを加え(10 mL)、かつ該混合物を室温に暖めた。該反応混合物を、ブライン(100 mL)で希釈し、かつヘキサン(2×125 mL)で抽出した。該合わせた抽出液を、Na2SO4で乾燥した。該溶媒のエバポレーション後の該残渣(8.2g)を、FC (150g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、(3aR, 4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ペンタ-3-イン-2-オール (2.73 g, 5.35 mmol)を得た。該化合物を、フッ化テトラブチルアンモニウム(20 mL, 20 mmol, THF中1.0M)で処置し、かつ65-75℃で30時間撹拌した。該混合物を、AcOEt (150 mL)で希釈し、かつ水(5×150 mL)、ブライン(150 mL)で洗浄した。該合わせた水洗浄液を、AcOEt (150 mL)で抽出し、かつ該合わせた有機抽出液を、Na2SO4で乾燥した。該溶媒のエバポレーション後の該残渣(3.2 g)を、FC (150g, ヘキサン中20% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(2.05 g, 5.17 mmol, 97 %)を得た。[α]28 D= +6.0 c 0.47, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, br. s), 4.16 (1H, br. s), 3.91 (1H, s), 2.48 (1H, ABカルテットのA部分, J=17.5 Hz), 2.43 (1H, ABカルテットのB部分, J=17.5Hz), 2.27 (1H, m), 2.00-1.40 (9H, m), 1.18 (3H, s), 0.8-0.5 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 155.26(0), 126.68(1), 121.32(0, q, J=284 Hz), 90.24 (0), 71.44(0, sep. J=34Hz), 70.54 (0), 69.57(1), 55.17(1), 47.17(0), 36.05(2), 33.63(2), 30.10(2), 27.94(2), 19.50(3), 19.27(0), 17.90(2), 11.56(2), 11.21(2); MS HREI 計算値 C19H22O2F6 M+ 396.1524. 観測値 M+ 396.1513.
(実施例28)
((3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成)
Figure 2007506780
ジクロロメタン(12 mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(504 mg, 1.27 mmol)、及びセライト(1.5 g)の撹拌懸濁液に、室温で二クロム酸ピリジニウム(0.98 g, 2.6 mmol)を加えた。該得られた混合物を、2.5時間撹拌し、シリカゲル(5 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中20% AcOEtで洗浄した。該合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、該タイトル化合物(424 mg, 1.08 mmol, 85 %)を得た。[α]28 D= +3.1 c 0.55, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.46 (1H, br. s), 3.537 (1H, s), 2.81 (1H, dd, J=10.7, 6.5 Hz), 2.49-1.76 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.77-0.53 (4H, m); MS HREI 計算値 C19H20O2F6 M+H 395.1440. 観測値 M+H 395.1443.
(実施例29)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (25)の合成)
Figure 2007506780
(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(900 mg, 1.58 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(8 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(1.0 mL, 1.6 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200 mg, 0.51 mmol)のテトラヒドロフラン(3 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (25 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(850 mg)を、FC (20g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (327 mg, 0.44 mmol, 86%)を得た。該1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (327 mg, 0.44 mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、24時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(250 mg)を、FC (10g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(25)(183 mg, 0.45 mmol, 68 %)を得た。[α]30 D= +73.3 c 0.51, EtOH. UV λmax (EtOH): 243 nm (ε29384251 nm (ε 34973), 260 nm (ε 23924); 1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.50 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.76 (2H, m), 2.55-1.52 (18H, m), 0.80 (3H, s ),0.80-0.49 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 155.24(0), 141.78(0), 131.28(0), 126.23(1), 123.65(1), 121.09(0, q, J=285Hz), 115.67(1), 89.63(0), 70.42(0), 67.48(1), 67.29(1), 59.19(1), 49.87(0), 44.49(2), 41.98(2), 37.14(2), 35.76(2), 29.22(2), 28.47(2), 27.57(2), 23.46(2), 19.32(0), 17.97(3), 11.89(2), 10.18(2); MS HRES 計算値C27H32O3F6 M+H 519.2329. 観測値 M+H 519.2325.
(実施例30)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27 ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (26)の合成)
Figure 2007506780
(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(921 mg, 1.58 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(8 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(1.0 mL, 1.6 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(197 mg, 0.50 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (25 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(876 mg)を、FC (20g, ヘキサン中105% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(356 mg, 0.47 mmol)を得た。該1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(356 mg, 0.47 mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(5 mL, 5 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、15時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(270 mg)を、FC (20g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(26) (216 mg, 0.41 mmol, 87 %)を得た。[α]30 D= +40.0 c 0.53, EtOH. UV λmax (EtOH): 262 nm (ε 12919); 1H NMR (CDCl3): 6.38 (1H, d, J=11.5 Hz), 6.10 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.49 (1H, m), 5.35 (1H, s), 5.02 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.25 (1H, m), 3.57 (1H, s), 2.83-1.45 (18H, m), 0.82 (3H, s ),0.80-0.51 (4H, m); MS HRES 計算値 C28H32O3F6 M+H 531.2329. 計算値 M+H 531.2337.
(実施例31)
((3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成)
Figure 2007506780
水素化アルミニウムリチウム(4.5 mL, 4.5 mmol, THF 中1.0M)に、最初、5℃でナトリウムメトキシド(245 mg, 4.6 mmol)を加え、かつ次にテトラヒドロフラン(5 mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(360 mg, 0.91 mmol)溶液を滴下して加えた。添加終了後に、該混合物を、還流下で2.5時間撹拌した。次に氷浴下で冷却し、かつ水(2.0 mL)、及び水酸化ナトリウム(2.0 mL, 2.0 M 水溶液)でクエンチし;エーテル (50 mL)で希釈し、30分間撹拌し、次にMgSO4(5g)を加え、かつ30分間撹拌を続けた。該濾液(0.42 g)のエバポレーション後の該残渣を、FC (20g, ヘキサン中20% AcOEt)で精製して、該タイトル化合物(315 mg, 0.79 mmol, 87 %)を得た。[α]28 D= +2.0 c 0.41, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7 Hz), 5.60 (1H, d, J=15.7 Hz), 5.38 (1H, br. s), 4.13 (1H, br. s), 3.27 (1H, s), 2.32-1.34 (12H, m), 1.15 (3H, s), 0.80-0.45 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 155.89(0), 138.10(1), 126.21(1), 122.50(0, q, J=287 Hz), 119.15 (1), 76.09(0, sep. J=31Hz), 69.57(1), 55.33(1), 47.30(0), 40.31(2), 36.05(2), 33.71(2), 30.10(2), 20.36(0), 19.46(3), 17.94(2), 11.96(2), 11.46(2); MS REI 計算値 C19H24O2F6 M+ 398.1680. 観測値 M+ 398.1675.
(実施例32)
((3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペン-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成)
Figure 2007506780
ジクロロメタン (10 mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(600 mg, 1.51 mmol)、及びセライト(2.0 g)の撹拌懸濁液に、室温で二クロム酸ピリジニウム(1.13 g, 3.0 mmol)を加えた。該得られた混合物を、3.5時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中25% AcOEtで洗浄した。該合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、粗生成物(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(550 mg, 1.39 mmol, 92 %)を得た。ジクロロメタン (15 mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(550 mg, 1.39 mmol)の撹拌懸濁液に、室温でトリメチルシリル-イミダゾール(1.76 mL, 12.0 mmol)を加えた。該得られた混合物を、1.0時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中10% AcOEtで洗浄した。合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、該タイトル化合物(623 mg, 1.33 mmol, 88 %)を得た。[α]28 D= -1.6 c 0.51, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 6.14 (1H, dt, J=15.5, 6.7 Hz), 5.55 (1H, d, J=15.5 Hz), 5.35 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J= 10.7, 6.4 Hz), 2.47-1.74 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.76-0.40 (4H, m), 0.2 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 210.99 (0), 154.28(0), 137.41(1), 126.26(1), 122.59(0, q, J=289 Hz), 120.89 (1), 64.31(1), 53.96(0), 40.60(2), 40.13(2), 35.00(2), 27.03(2), 24.21(2), 20.57(0), 18.53(3), 12.41(2), 10.79(2), 1.65 (3); MS HRES 計算値 C22H30O2F6Si M+H 469.1992. 観測値 M+ H 469.1995.
(実施例33)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (27) の合成)
Figure 2007506780
(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(514 mg, 0.90 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(6 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.57 mL, 0.91 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200 mg, 0.43 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (35 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(750 mg)を、FC (15g, ヘキサン中5% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(250 mg)の混合物を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (250 mg)の該混合物に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、24時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(270 mg)を、FC (10g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(27)(157 mg, 0.30 mmol, 70%)を得た。[α]30 D= +63.3 c 0.45, EtOH. UV λmax (EtOH): 243nm (ε30821251 nm (ε 36064), 260 nm (ε 24678); 1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.9, 6.4Hz), 5.92 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.61 (1H, d, J=15.7Hz), 5.38 (1H, m), 4.13 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.88 (1H, s), 2.82-1.34 (19H, m), 0.770 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); MS HRES 計算値 C27H34O3F6 M+H 521.2485. 観測値 M+H 521.2489.
(実施例34)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (28)の合成 )
Figure 2007506780
(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(525 mg, 0.90 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(6 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.57 mL, 0.91 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200 mg, 0.43 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で2.5時間撹拌し、ヘキサン (35 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(760 mg)を、FC (15g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (274 mg)の混合物を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (274 mg)の該混合物に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、15時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(280 mg)を、FC (15g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(28)(167 mg, 0.31 mmol, 73 %)を得た。[α]30 D= +18.3 c 0.41, EtOH. UV λmax (EtOH): 207 nm (ε 17778), 264 nm (ε 15767); 1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1 Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7Hz), 6.07 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.60 (1H, d, J=15.5 Hz), 5.35 (1H, m), 5.33 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.40-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); MS HRES 計算値 C28H34O3F6 M+H 533.2485. 観測値 M+H 533.2483.
(実施例35)
((3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成)
Figure 2007506780
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(300 mg, 0.76 mmol), 酢酸エチル(5 mL), ヘキサン(12 mL), 無水エタノール(0.5 mL), キノリン(30μL)、及びリンドラー触媒(75 mg, CaCO3 5% Pd)の混合物を、室温で2時間、水素化した。該反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、かつ該パッドを、AcOEtで洗浄した。該溶媒をエバポレートして、該タイトル化合物(257 mg, 0.65 mmol, 87%)を得た。[α]28 D= +1.8 c 0.61, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 6.08 (1H, dt, J=12.3, 6.7 Hz), 5.47 (1H, m,), 5.39 (1H, d, J=12.1 Hz), 4.15 (1H, br. s), 3.28 (1H, s), 2.52-1.34 (12H, m), 1.16 (3H, s), 0.78-0.36 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.66(0), 141.77(1), 126.51(1), 122.79(0, q, J=285 Hz), 115.77 (1), 69.59(1), 55.41(1), 47.28(0), 36.44(2), 35.90 (2), 33.75(2), 30.22(2), 20.89(0), 19.41(3), 17.94(2), 12.05(2), 11.11(2); MS HRES 計算値 C19H24O2F6 M+H 399.1753. 観測値 M+H 399.1757.
(実施例36)
((3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペン-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成)
Figure 2007506780
ジクロロメタン (10 mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(617 mg, 1.55 mmol)、及びセライト(2.0 g)の撹拌懸濁液に、室温で二クロム酸ピリジニウム(1.17 g, 3.1 mmol)を加えた。該得られた混合物を、2.5時間撹拌し、シリカゲル(5 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中20% AcOEtで洗浄した。該合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、粗生成物(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(600 mg, 1.51 mmol, 98 %)を得た。ジクロロメタン (15 mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(600 mg, 1.51 mmol)の撹拌懸濁液に、室温でトリメチルシリル-イミダゾール(1.76 mL, 12.0 mmol)を加えた。該得られた混合物を、1.0時間撹拌し、シリカゲル(10 g)を通して濾過し、かつ次にシリカゲルパッドを、ヘキサン中10% AcOEtで洗浄した。合わせた濾液、及び洗浄液をエバポレートして、該タイトル化合物(640 mg, 1.37 mmol, 88 %)を得た。[α]28 D= -0.2 c 0.55, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.97 (1H, dt, J=12.2, 6.2 Hz), 5.40 (1H, m), 5.38 (1H, d, J=12.2Hz), 2.82 (1H, dd, J= 10.7, 6.6 Hz), 2.60-1.74 (10H, m), 0.89 (3H, s), 0.75-0.36 (4H, m), 0.21 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 210.56 (0), 154.30(0), 139.28(1), 125.81(1), 122.52(0, q, J=289 Hz), 118.17 (1), 64.11(1), 53.69(0), 40.43(2), 35.51(2), 34.85(2), 26.94(2), 24.07(2), 20.89(0), 18.39(3), 12.26(2), 10.61(2), 1.43 (3); MS HRES 計算値 C22H30O2F6Si M+H 469.1992. 観測値 M+H 469.1992.
(実施例37)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (29)の合成)
Figure 2007506780
(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(514 mg, 0.90 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(6 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.57 mL, 0.91 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(194 mg, 0.41 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.0時間撹拌し、ヘキサン (35 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(750 mg)を、FC (15g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (230 mg)の混合物を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール (230 mg)の該混合物に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、40時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(260 mg)を、FC (10g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(29) (1327 mg, 0.25 mmol, 62%)を得た。[α]28 D= +53.6 c 0.33, EtOH. UV λmax (EtOH): 243nm (ε26982251 nm (ε 32081), 260 nm (ε 21689); 1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=10.7 Hz), 6.08 (1H, dt, J=12.5, 6.7Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.46 (1H, m,), 5.40 (1H, d, J=12.7 Hz)), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80-1.40 (19H, m), 0.77 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); MS HRES 計算値 C27H34O3F6 M+H 521.2485. 観測値 M+H 521.2487.
(実施例38)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (30)の合成)
Figure 2007506780
(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(525 mg, 0.90 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(6 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.57 mL, 0.91 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200 mg, 0.43 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で2.5時間撹拌し、ヘキサン (35 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(680 mg)を、FC (15g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(310 mg)の混合物を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、及び1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール (310 mg)の該混合物に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、15時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(370 mg)を、FC (10g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(30) (195 mg, 0.37 mmol, 85 %)を得た。[α]30 D= +9.4 c 0.49, EtOH. UV λmax (EtOH): 262 nm (ε 11846); 1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1 Hz), 6.08 (2H, m), 5.44 (1H, m), 5.40 (1H, d, J=12.3Hz), 5.32 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.43 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.08 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.55-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s ),0.80-0.34 (4H, m); MS HRES 計算値 C28H34O3F6 M+H 533.2485. 観測値 M+H 533.2502.
(実施例39)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール (31)の合成)
Figure 2007506780
(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン (697 mg, 1.22 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(9 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.77 mL, 1.23 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(220 mg, 0.61 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (35 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(900 mg)を、FC (15g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール (421 mg, 0.59 mmol)を得た。該1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール (421 mg, 0.59 mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、40時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(450 mg)を、FC (15g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(31) (225 mg, 0.54 mmol, 89 %)を得た。[α]29 D= +69.5 c 0.37, EtOH. UV λmax (EtOH): 243nm (ε27946251 nm (ε 33039), 261 nm (ε 22701); 1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.93 (1H, d, J=11.3 Hz), , 5.36 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.04 (1H, m), 2.75 (2H, m), 2.52-1.04 (22H, m), 1.18 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.65-0.26 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 157.16(0), 142.33(0), 131.25(0), 124.73(1), 123.76(1), 115.50(1), 71.10(0), 67.39(1), 67.19(1), 59.47(1), 50.12(0), 44.60(2), 43.84(2), 42.15(2), 38.12(2), 37.18(2), 35.57(2), 29.26(3), 29.11(2), 29.08(3), 28.48(2), 23.46(2), 22.26(2), 21.27(0), 17.94(3), 12.70(2), 10.27(2); MS HRES 計算値 C27H42O3 M+H 415.3207. 観測値 M+H 415.3207.
(実施例40)
(1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール (32) の合成)
Figure 2007506780
(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(675 mg, 1.16 mmol)の−78℃テトラヒドロフラン(8 mL)撹拌溶液に、n-BuLi(0.73 mL, 1.17 mmol)を加えた。該得られた混合物を、15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-( 4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(210 mg, 0.58 mmol)のテトラヒドロフラン(2 mL)溶液を滴下して加えた。該反応混合物を、−72℃で3.5時間撹拌し、ヘキサン (35 mL)で希釈し、ブライン(30 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(850 mg)を、FC (15g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製して、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール (382 mg, 0.53 mmol)を得た。該1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール (382 mg, 0.53 mmol)に、フッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中 1M溶液)を室温で加えた。該混合物を、15時間撹拌し、AcOEt (25 mL)で希釈し、かつ水(5×20 mL), ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥した。該溶媒をエバポレートした後の該残渣(380 mg)を、FC (15g, ヘキサン中50% AcOEt、及びAcOEt)で精製して、該タイトル化合物(32) (204 mg, 0.48 mmol, 83 %)を得た。[α]29 D= +16.1 c 0.36, EtOH. UV λmax (EtOH): 208 nm (ε 17024), 264 nm (ε 16028); 1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.38-1.08 (20H, m), 1.19 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.66-0.24 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 157.07(0), 147.62(0), 142.49(0), 133.00(0), 124.90(1), 124.73(1), 117.19(1), 111.64(2), 71.10(1), 70.70(0), 66.88(1), 59.53(1), 50.28(0), 45.19(2), 43.85(2), 42.86(2), 38.13(2), 35.59(2), 29.27(2), 29.14(3), 28.65(2), 23.57(2), 22.62(2), 21.29(0), 17.84(3), 12.74(2), 10.30(2); MS HRES 計算値 C28H42O3 M+Na 449.3026. 観測値 M+Na 449.3023.
(実施例41)
(1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール (33)の合成)
Figure 2007506780
[1R,3aR,4S,7aR]-2(R)-[4-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-ヘプタン-1,6-ジオール (34)、及び[1R,3aR,4S,7aR]-2(S)-[4-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-ヘプタン-1,6-ジオール (35)
Figure 2007506780
テトラヒドロフラン(9 mL)中の該アルケノール(alkenol)の溶液を、氷浴下で冷却し、かつテトラヒドロフラン (17 mL)中のボラン-THFの1 M溶液を、初めは沸騰性反応中に滴下して加えた。該溶液を室温で一晩撹拌し、氷浴水(17 mL)下で再冷却し、続いて過炭酸ナトリウム(7.10g, 68 mmol)を滴下して加えた。該混合物を、50℃バスに浸し、かつ溶液となるように70分間撹拌した。該二相系を冷却し、次に1:1酢酸エチル-ヘキサン (170 mL)で平衡化した。該有機相を、水(2×25 mL)、次にブライン(20 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートして、無色オイル(2.76 g)を得た。この物質を、1:1 酢酸エチル-ヘキサン、及びシリカゲルGを用いて、短いフラッシュカラムに通した。完全な溶出後に得られた溶出液を、エバポレートし、酢酸エチル中に取り出し、濾過し、かつ移動相として2:1 酢酸エチル-ヘキサンを用い、流速100 mL/分で、2×18”15-20μシリカYMC HPLCカラムのクロマトグラフィにかけた。2.9 Lの溶出最大値で、異性体 34が現れた。無色オイル、1.3114 g, [α]D + 45.2° (メタノール, c 0.58; 1H NMR δ -0.002 (3H, s), 0.011 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.93 (3H, s), 1.17 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.89 (1H, m), 3.66 (1H, dd, J = 4.8 and 11 Hz), 3.72 (1H, dd, J = 3.3 and 11 Hz), 4.00 (1H, m); LR-ES(-) m/z 412 (M), 411 (M-H); HR-ES(+): 計算値 (M+Na) 435.3265, 観測値: 435.3269.
4.9 Lの溶出最大値で、異性体 35が現れた。無色オイル、0.8562 g、長期静置で結晶化した:mp 102-3°, [α]D + 25.2° (メタノール, c 0.49); 1H NMR δ -0.005 (3H, s), 0.009 (3H, s), 0.89 (9 H, s), 0.93 (3H, s), 1.16 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.3-1.5, (14H, m), 1.57 (2H, m), 1.67 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.91 (1H, m), 3.54 (1H, dd, J = 4.8 and 11 Hz), 3.72 (1H, dd, J = 2.9 and 11 Hz), 4.00 (1H, m); ); LR-ES(-) m/z 412 (M), 411 (M-H). Anal. 計算値 C24H48O3Si: C, 69.84, H, 11.72; 観測値: C, 69.91; H, 11.76.
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヨード-2-メチル-ヘプタン-2-オール (36)
Figure 2007506780
ジクロロメタン(3 mL)中のトリフェニルホスフィン(0.333 g, 1.27 mmol)、及びイミダゾール (0.255 g, 3 mmol)の撹拌混合物を、氷浴下で冷却し、かつヨウ素 (0.305 g, 1.20 mmol)を加えた。この混合物を、10分間撹拌し、次に34 (0.4537 g, 1.10 mmol)のジクロロメタン (3 mL)溶液を、10分かけて滴下して加えた。該混合物を、該氷浴下で30分間撹拌し、次に周囲温度で2と3/4時間撹拌した。TLC (1:1 酢酸エチル-ヘキサン)で、抽出物(educt)がないことを確認した。チオ硫酸ナトリウム (0.1 g)の水(5 mL)溶液を加え、該混合物を平衡化し、かつ該有機相を、数滴のブラインを含む0.1 N 硫酸 (10 mL)で洗浄し、次に、1:1水-ブライン(2×10 mL)で洗浄し、ブライン(10 mL)で1回洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、移動相として1:9 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、フラッシュクロマトグラフィで精製し、無色シロップ状物質として36を0.5637 g, 98%で得た:1H NMR δ -0.005 (3H, s), 0.010 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.23 (6H, s), 1.1-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.84 (1H, m), 3.37(1H, dd, J = 4、及び10 Hz), 3.47 (1H, dd, J = 3 and 10 Hz), 4.00 (1H, m); LR-EI(+) m/z 522 (M), 465 (M-C4H9), 477 (M-C4H9-H2O); HR-EI(+): 計算値 C24H47IO2Si: 522.2390, 観測値: 522.2394.
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ノン-8-イン-2-オール (37)
Figure 2007506780
リチウム アセチリド DMA錯体(0.110 g, 1.19 mmol)を、ジメチル スルホキシド (1.5 mL)、及びテトラヒドロフラン (0.15 mL)中の36 (0.2018 g (0.386 mmol)の溶液に加えた。該混合物を、一晩撹拌した。TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)は、2つのスポット混合物が、共に非常に近い位置にあることを示した(Rf 0.52、及び0.46)。該溶出バンドの開始からのフラクションは、純粋なアルケノール含んでおり、これは、36の脱離生成物であり、かつ該主要生成物として製造されたものである。しかし、また、該溶出バンドの最後のフラクションは、均一であり、かつエバポレートして、該所望のアセチレン37を得た。37、及び同定に役立つその6-エピマーのNMRスペクトルは、以前に報告された。

[1R,3aR,4S,7aR]-7-ベンゼンスルホニル-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール (38).
Figure 2007506780
37b (0.94 g, 1.8 mmol)、ベンゼンスルホン酸ナトリウム(2.18 g, 13 mmol)、及びN,N-ジメチルホルムアミド (31.8 g)の混合物を、室温で12時間撹拌し、次に40℃浴下で、約6時間、TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)で見て全ての溶出物が変換されるまで撹拌した。該溶液を1:1 酢酸エチル-ヘキサン(120 mL)、及び1:1 ブライン-水(45 mL)で平衡化した。該有機相を、水(4×25 mL)、ブライン(10 mL)で洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートして、1.0317 gの無色オイルを得た。この物質を、段階的勾配(1:9, 1:6, 1:3 酢酸エチル-ヘキサン)を用いて、フラッシュ-クロマトグラフィにかけ、0.930 gの無色オイルを得た(96 %):300 MHz 1H NMR δ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.88 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 1.81 (1H, m), 3.09 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.59 (3H, m), 7.91 2H, m).
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(1(S)-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン (39).
Figure 2007506780
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1 mL)を、シクロヘキサン(10 mL)中の38 (0.8 g)の溶液に加え、かつ一晩撹拌し、次にヘキサン, 1:39, 及び1:19 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュ-クロマトグラフィにかけた。該溶出液をTLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングし、0.7915 gの39を無色シロップ状物質として得た:300 MHz 1H NMR δ 0.00 (3H, s), 0.02 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.90 (12H, s, t-ブチル+7a-Me), 1.16 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.66-1.86 (3H, m), 3.10 (2H, m), 4.00 (1H, brs), 7.56-7.70 (3H, m), 7.93 (2H, m).
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール (40).
Figure 2007506780
39 (0.7513 g, 1.23 mmol)、及びジオール(0.508 g, 1.85 mmol)のテトラヒドロフラン(28 mL)溶液を、-35℃に冷却し、次にヘキサン中2.5 M ブチルリチウム(2.75 mL)を滴下して加えた。該温度を-20℃に上げ、かつ該温度を6時間、又は該抽出物(educt)が消費されるまで維持した。反応進行を、TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングした。該TLCは、該抽出物(educt)(Rf 0.71)、及び該2つのエピマージオール(Rf 0.09、及び0.12) を示した。該反応終了時間の少し前に、一時的に、該温度を0℃まで上げ、再び-10℃に下げ、次いで、飽和塩化アンモニウム(25 mL)、続いて、酢酸エチル (50 mL) 、及び十分な水を加えて、沈殿塩を溶解した。該得られた水相を、酢酸エチル(15 mL)で抽出した。該合わせた抽出液を、ブライン(15 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該得られたシロップ状物質を、1:9, 1:6, 1:4, 及び1:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにかけ、0.8586 gの39aを、無色シロップ状物質として得た。この物質を、テトラヒドロフラン (30 mL)、及びメタノール (18 mL)の混合液で溶解し、次に5%ナトリウムアマルガム(20 g)を加えた。該混合物を、14時間撹拌し、還元的脱スルホニル化を終了した。該反応工程を、TLC (1:1 酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングし、該TLCは、該エピマージオール(Rf 0.63、及び0.74)の消失、並びに40a (Rf 0.79)、及び部分的脱シリル化類似体40 (Rf 0.16)の生成を示した。該混合物を、メタノール (20 mL)で希釈し、3分間撹拌し、次に氷(20 g)を加え、2分間撹拌し、かつ該上清を、飽和塩化アンモニウム(50 mL)を含む混合物中に移した。該残渣を、少量のテトラヒドロフランで繰り返し洗浄し、該塩溶液に加え、次に酢酸エチル(80 mL)で平衡化した。該水相を、酢酸エチル(20 mL)で1回、再抽出し、該合わせた抽出液を、ブライン(10 mL)で洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。40a、及び40、両方を含む該得られた無色オイルを、該トリメチルシリルエーテルの選択的加水分解をすぐに生じるように、メタノール中1 N シュウ酸溶液(該二水和物から調製)10mLに溶解した。炭酸カルシウム(1 g)を加え、かつ該懸濁液を一晩撹拌し、次に濾過した。該溶液をエバポレートし、かつ該得られた残渣を、1:4, 1:2, 1:1, 及び2:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにかけて、該トリオール 40の残渣を得た。該トリオール 40を、アセトニトリルから非常に微細な分岐針状物質(0.45 g)に結晶化した:mp 94-95℃, [a]D + 44.1° (メタノール, c 0.37); 400 MHz 1H NMR δ -0.005 (3H, s), 0.007 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.15 (1H, m), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.6 (19H, m), 1.67 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.90 (2H, m), 2.06 (1H, m), 3.31 (1H, brd, J = 10 Hz), 4.00 (1H, brs), LR-ES(-) m/z: 533 (M+Cl), 497 (M-H); HR-ES(+): 計算値 C29H58O4Si + Na: 521.3996, 観測値: 521.4003. Anal 計算値C29H58O4Si: C, 69.82, H, 11.72; 観測値: C, 69.97; H, 11.65.
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-(4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール (41).
Figure 2007506780
アセトニトリル(10 mL)、及びジオキサン(0.7 mL)中の該トリオール 40 (0.4626 g, 0.927 mmol)の撹拌溶液を、10℃に冷却し、かつフルオロケイ酸溶液(2 mL)を、滴下して加えた。該冷却浴槽を除去し、該2-相系を、アセトニトリル(2 mL)でさらに希釈し、次に室温で3と1/4時間撹拌した。抽出物(educt)の消失を、TLC (酢酸エチル)でモニタリングした。該混合液を、水(10 mL)、及び酢酸エチル(30 mL)で平衡化した。該水相を、酢酸エチル(2×20 mL)で再抽出し、該合わせた抽出液を、水(5 mL)、及びブライン(10 mL)で、次に1:1ブライン-飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、かつ乾燥した。該残渣を、1:1〜2:1 酢酸エチル-ヘキサン、及びニート(neat)の酢酸エチルの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにより精製して、残渣を得た。該残渣を1:1 ジクロロメタン-ヘキサンに取り出し、濾過し、かつエバポレートして、0.3039 g(85%)の非晶質固体を得た:[a]D + 42.6° (メタノール, c 0.48); 1H NMR (DMSO-d6): δ 0.87 (3H, s), 0.97 (3H, s), 1.02 (3H, s), 1.04 (6H, s), 1.1-1.4 (18H, m), 1.5-1.8 (4H, m), 1.84 (1H, m), 2.99 (1H, dd, J = 6、及び10 Hz), 3.87 (1H, brs), 4.02 (1H, s, OH), 4.05 (1H, s, OH), 4.16 (1H, d, OH, J = 3.6 Hz), 4.20 (1H, d, OH, J = 6.4 Hz); LR-ES(+): m/z 384 (M), 383 (M-H); HR-ES(+): 計算値 (M+Na) 407.3132, 観測値: 407.3134.
[1R,3aR,4S,7aR]-1-{5-ヒドロキシ-5-メチル-1(R)-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル)-エチル]-ヘキシル}-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール (42).
Figure 2007506780
アセトン(8 mL)、及び2,2-ジメトキシプロパン(8 mL)中の該テトラオール 40 (0.2966 g, 0.771 mmol)、及びピリジニウムトシラート(100 mg)の溶液を、室温で12時間維持した。TLC分析(酢酸エチル)は、抽出物(educt)(Rf 0.21)がなく、かつRf 0.82、及び0.71に、2つの新しいスポットを示した。前者は42であり、後者が該メチルアセタールであると想定される。該反応混合物を、水(5 mL)で希釈し、かつ10分間撹拌した。その時にのみ、より高いRf値のスポットを観察した。該混合物を、炭酸水素ナトリウム (0.5 g)で中和し、次に酢酸エチル(50 mL)、及びブライン(5 mL)で平衡化した。該有機相を、水(5 mL)、及びブライン(5 mL)で洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートして、粘着性残渣(0.324 g)を得た。該残渣を、直接、次の反応に使用した:300 MHz 1H NMR: δ 0.94 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.34 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.2-1.65 (20H, m), 1.78-1.86 (3H, m), 1.93 (1H, m), 3.62 (1H, dd, J = 4.6、及び8.3 Hz), 4.08 (1H, brs).
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-{5-ヒドロキシ-5-メチル-1(R)-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル)-エチル]-ヘキシル}-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イル エステル (43).
Figure 2007506780
上記残渣を、ピリジン (6.9 g)に溶解し、かつ無水酢酸 (3.41 g)でさらに希釈した。該混合物を、室温で24時間、次に35℃浴下で約10時間、該抽出物(educt)が検出(TLC, 酢酸エチル)されなくなるまで静置した。該混合物を、トルエンで希釈し、かつエバポレートした。該残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(1:4 酢酸エチル-ヘキサン)で精製して、43を無色シロップ状物質として0.3452 g, 97%で得た:1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.25-1.6 (19H, m), 1.72 (1H, m), 1.82 (2H, m), 1.95 (1H, m), 2.05 (3H, s), 3.63 (1H, dd, J = 4.4、及び8.4 Hz), 5.15 (1H, brs); LR-FAB(+) m/z 467 (M+H), 465 (M-H), 451 (M-Me).
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸1-[4(R),5-ジヒドロキシ-1(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イル エステル (44).
Figure 2007506780
80 % 酢酸 (2 mL)中の43 (0.334 g, 0.716 mmol)の溶液を、68℃浴下で維持した。該加水分解の進行を、TLC (酢酸エチル, Rf 0.33)でモニタリングした。該抽出物(educt)は、2.5時間後に検出されなくなった。該混合物を、エバポレートし、次に少量のトルエンを用いて同時蒸留し、無色フィルム(0.303 g)を得た。該フィルムを、次の反応に直接使用した:300 MHz 1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.56 (3H, s), 1.1-1.6 (21H, m), 1.6-2.0 (5H, m), 2.04 (3H, s), 3.32 (1H, brd, J = 10 Hz), 5.15 (1H, brs).
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-ヒドロキシ-1(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イル エステル (45)
Figure 2007506780
トリオール 44 (0.30 g), イミダゾール (0.68 g, 10 mmol), 及びジメチルヘキシルシリル クロライド (1.34 g, 7.5 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド (6 g)溶液を、室温で維持した。48時間後に、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン (15 mg)を加え、かつ該混合物を、さらに24時間撹拌した。反応進行を、TLC (酢酸エチル; 24, Rf 0.83; 25a, Rf 0.38)でモニタリングした。該混合物を、水(2 mL)で希釈し、10分間撹拌し、次に、酢酸エチル(45 mL)、及び水(20 mL)の間で分配した。該水相を、酢酸エチル (10 mL)で1回抽出した。該合わせた有機相を、水(4×12 mL)、及びブライン(8 mL)で洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。該残渣オイルを、1:9、及び1:4 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにより精製して、無色シロップ状物質として45を得た。少量の未反応抽出物(80 mg)を、酢酸エチルで溶出した。該シロップ状の45を、次の反応に直接使用した:400 MHz 1H NMR: δ 0.13 (3H, s), 0.14 (3H, s), 0.87 (6H, s), 0.91 (9H, m), 1.10 (1H, m), 1.14 (3H, s), 1.15 (3H, s), 1.21 (6H, s), 1.1-1.6 (19H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.94 (1H, brd, J = 12.8 Hz), 2.05 (3H, s), 3.38 (1H, brs), 5.15 (1H, brs).

[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イル エステル (46).
Figure 2007506780
45 (0.2929 mg)のシクロヘキサン(6 mL)溶液に、1-(トリメチルシリル)イミダゾール (0.90 mL, 6.1 mmol)を加え、かつ12時間撹拌し、次にフラッシュクロマトグラフィにかけ(1:79 酢酸エチル-ヘキサン)、46を無色シロップ状物質として得た(0.3372 g)。該溶出液を、TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングして、46を無色シロップ状物質として得た(0.7915 g):1H NMR δ: 0.074 (3H, s), 0.096 (3H, s), 0.103 (9H, s), 0.106 (9H, s), 0.82 (1H, m), 0.83 (6H, s), 0.88 (9H, m), 1.32 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.15-1.6 (17H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.97 (1H, brd, J = 12.8 Hz), 2.05 (3H, s), 3.27 (1H, m), 5.15 (1H, brs); LR-FAB(+) m/z: 712 (M), 711 (M-H), 697 (M-Me), 653 (M-AcO), 627 (M-C6H13).
[1R,3aR,4S,7aR]-1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール (47)
Figure 2007506780
46 (0.335 mg, 0.47 mmol)のテトラヒドロフラン (15 mL)撹拌溶液を、氷浴下で冷却し、かつテトラヒドロフラン (2 mL)中1 Mの水素化アルミニウムリチウム溶液を滴下して加えた。TLC (1:9 酢酸エチル-ヘキサン)は、1.5時間後に、25b (Rf 0.61)から26 (Rf 0.29)に完全に変換していることを示した。2 M 水酸化ナトリウム溶液(14滴)、続いて水(0.5 mL)、及び酢酸エチル(30 mL)を加えた。少量のセライトを加え、かつ15分間撹拌後に、該液体相を濾過した。該固体残渣を、酢酸エチルで繰り返し洗浄し、かつ該合わせた液体相をエバポレートして、無色シロップ状物質を得た。それを、ヘキサン中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、26 (0.335 g)を得た。それを、さらなる精製をせずに使用した:1H NMR δ: 0.075 (3H, s), 0.10 (21H, brs), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 0.93 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.2-1.6 (16H, m), 1.6-1.7 (2H, m), 1.82 (3H, m), 1.95 (1H, brd, J = 12.4 Hz), 3.27 (1H, m), 4.08 (1H, brs); LR-FAB(+) m/z: 585 (M-C6H13), 481 (M-TMSO); HR-ES(+) m/z: 計算値C37H78O4Si3 + Na: 693.5100 観測値: 693.5100.
[1R,3aR,7aR]-1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-オン (48)
Figure 2007506780
セライト(0.6 g)を、47 (0.310g, 0.462 mmol)のジクロロメタン(14 mL)撹拌溶液に加え、続いて、二クロム酸ピリジニウム(0.700 g, 1.86 mmol)を加えた。47 (Rf 0.54)から該ケトン27 (Rf 0.76)への変換を、TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)で追跡した。4.5時間後に、該混合物をシクロヘキサンで希釈し、次に、シリカゲル層を通して濾過した。濾液、及びエーテル洗浄液を合わせ、かつエバポレートした。該残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(1:39 酢酸エチル-ヘキサン)にかけ、無色シロップ状の27を、0.2988 g, 96.6%で得た:1H NMR δ: 0.078 (3H, s), 0.097 (3H, s), 0.107 (18H, s), 0.64 (3H, s), 0.81 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 1.134 (3H, s), 1.201 (3H, s), 1.207 (3H, s), 1.211 (3H, s), 1.3-1.6 (14H, m), 1.6-1.7 (3H, m), 1.88 (1H, m), 2.04 (2H, m), 2.2-2.32 (2H, m), 2.46 (1H, dd, J = 7.5、及び11.5 Hz), 3.28 (1H, m); LR-FAB(+) m/z: 583 (M-C6H13), 479 (M-OTMS); HR-ES(+) m/z: 計算値 C37H76O4Si3 + Na: 691.4943, 観測値: 691.4949.
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン (49).
Figure 2007506780
ヘキサン (0.17 mL)中の2.5-M ブチルリチウム溶液を、テトラヒドロフラン (2 mL)中の28の溶液に-70℃で加え、深いチェリーレッド色の生成物を生成した。10分後に、テトラヒドロフラン (2 mL)中のケトン27 (0.1415 g, 0.211 mmol)の溶液を、15分間かけて滴下して加えた。該反応を、4時間後に、pH 7 リン酸緩衝液(2 mL)を添加してクエンチした。該温度を、0℃に上げ、次にヘキサン(30 mL)を加えた。該水相を、ヘキサン(15 mL)で再抽出した。該合わせた抽出液を、ブライン(5 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートして、無色オイルを得た。該オイルを、フラッシュクロマトグラフィ(1:100 酢酸エチル-ヘキサン)で精製し、無色シロップ状の49を0.155 g, 71%で得た:1H NMR δ: 0.068 (15H, m), 0.103 (12H, s), 0.107 (9H, s), 0.53 (3H, s), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.88 (18H,m), 0.89 (6H, m), 1.14 (3H, m), 1.20 (9H, s), 12-1.9 (22H, m), 1.97 (2H, m), 2.22 (1H, dd, J = 7.5 an 13 Hz), 2.45 (1H, brd, J = 13 Hz), 2.83 (1H, brd, J = 13 Hz), 3.28 (1H, m), 4.20 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, d, J = 2 Hz), 5.18 (1H, d, J = 2 Hz), 6.02 (1H, d, J = 11.4 Hz, 6.24 (1H, d, J = 11.4 Hz); LR-FAB(+) m/z 1033 (M+H), 1032 (M), 1031 (M-H), 901 (M-TBDMS).
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール (33)の合成
Figure 2007506780
前実験で得られた該残渣49(0.153 g, 0.148 mmol)を、フッ化テトラブチルアンモニウムの1 M溶液(3.5 mL)に溶解した。TLC (酢酸エチル)で、反応進行をモニタリングした。24時間後に、該溶液をブライン(5 mL)で希釈し、5分間撹拌し、酢酸エチル(35 mL)、及び水(15 mL)で平衡化した。該水相を、酢酸エチル(15 mL)で1回再抽出した。該合わせた有機相を、水(5×10 mL)で洗浄し、ブライン(5 mL)で1回洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、酢酸エチル、及び1:100 メタノール-酢酸エチルの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィで精製し、ギ酸メチル-ペンタンからの無色微小結晶物質として、33を70 mg, 91 %で得た。[a]D + 34.3 °(メタノール, c 0.51); 1H NMR (DMSO-d6) δ: 0.051 (3H, s), 0.98 (3H, s), 1.03 (3H, s), 1.05 (6H, s), 1.0-1.6 (17H, m), 1.64 (3H, m), 1.80 (2H, m), 1.90 (1H,d, J = 11.7 Hz), 1.97 (1H, dd, J=J= 9.8 Hz), 2.16 (1H, dd, J = 5.9、及びJ = 13.7 Hz), 2.36 (1H, brd), 2.79 (1H, brd), 3.00 (1H, dd, J = 5、及び10 Hz), 3.99 (1H, brs), 4.01 (1H, s, OH), 4.04 (1H, s, OH), 4.54 (1H, OH, d, J = 3.9 Hz), 4.76 (1H, brs), 4.87 (1H, OH, d, J = 4.9 Hz), 5.22 ( 1H, brs), 5.99 (1H, d, J = 10.7 Hz), 6.19 (1H, d, J = 10.7 Hz); LR-ES(+) m/z: 519 (M+H), 518 (M), 517 (M-H), 501 (M-OH); HR-ES(+) 計算値 C32H54O5 + Na: 541.3863; 観測値 541.3870; UVmax (ε): 213 (13554), 241sh (12801), 265 (16029) nm.
(実施例42)
(1,25-ジヒドロキシ-21(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール (50)の合成)
Figure 2007506780
[1R,3aR,4S,7aR]-7-ベンゼンスルホニル-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール (51).
Figure 2007506780
36、及びベンゼンスルフィン酸ナトリウム(0.263 g, 1.6 mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド(5 mL)溶液を、77℃浴槽下で3時間撹拌した。該溶液を、1:1 酢酸エチル-ヘキサン(25 mL)で平衡化し、かつ該有機相を、水(5×10 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、1:9, 1:4, 及び1:3 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにかけて、無色シロップ状の該スルホン体を得た:1H NMR δ -0.02 (3H, s), 0.005 (3H, s), 0.79 (3H, s), 0.87 (9H, s), 1.12 (1H, m), 1.19 (6H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 2.08 (1H, m), 3.09 (1H, dd, J = 9.3、及び14.5 Hz), 3.31 (1H, dd, J = 3 及び14.5 Hz), 3.97 (1H, brs), 7.58 (3H, m), 7.66 (1H, m), 7.91 2H, m); LR-ES(+) m/z: 600 (M+Na+MeCN), 559 (M+Na); LR-ES(-) m/z: 536 (M), 535 (M-H); HR-ES(+): 計算値 C30H52O4SSi + Na 559.3248; 観測値 559.3253.
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(1(R)-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン (52).
Figure 2007506780
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(0.146 mL)を、51 (0.145 g, 0.27 mmol)のシクロヘキサン (2 mL)溶液に加えた。17時間後に、該生成物を、1:79、及び1:39 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィで精製し、52を無色残渣として、0.157 g 0.258 mmol, TLC (1:9 酢酸エチル-ヘキサン) Rf 0.14で得た。300 MHz 1H NMR: δ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (12H, s), 1.12 (1H, m), 1.17 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.6-1.9 (3H, m), 3.08 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.53-7.70 (3H, m), 7.90 (2H, d, J = 7Hz).
[1R,3aR,4S,7aR]-5(R,S)-ベンゼンスルホニル-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3(R)-ジオール (53)
Figure 2007506780
テトラヒドロフラン(9 mL)中の152 (0.2589, 0.425 mmol)、及びジオール(0.176 g, 0.638 mmol)の溶液を、-25℃に冷却し、ヘキサン(1.4 mL)中1.6 M ブチルリチウムを加えた。該温度を、-20℃に上げ、かつ3時間維持し、次に-10℃で2.5時間、かつ0℃で10分間維持した。該混合物を、再び-10℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(5 mL)を加え、次に酢酸エチル(50 mL)、及び沈殿塩を溶解する十分な水で平行化した。該水相を、酢酸エチル(15 mL)で再抽出し、該合わせた抽出液を乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、1:6, 1:4, 及び1:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィで精製し、無色シロップ状の53を0.212 g, 70 %で得た:300 MHz 1H NMR: δ 0.00 (3H, s), 0.017 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.81 (3H, s), 0.89 (9H, s), 1.16 (1H, m), 1.19 (12H, m), 1.1-1.6 (20H, m), 1.6-1.8 (2H, m), 3.10 (1H, dd, J = 8.4、及び14.7 Hz), 3.30 (1H, m), 3.99 (1H, brs), 7.61 (2H, m), 7.67 (1H, m), 7.93 (2H, m).
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3(R)-ジオール (54).
Figure 2007506780
化合物53 (0.186 mg, 0.262 mmol)を、0.5 M シュウ酸二水和物のメタノール(2.5 mL)の溶液に溶解した。該溶液を、15分間撹拌し、次に炭酸カルシウム(0.5 g)を加え、かつ該懸濁液を、一晩撹拌し、次に濾過した。該濾液をエバポレートし、白色発泡体として54を、0.188 g, 98 %で得た:TLC (1:1 酢酸エチル-ヘキサン) Rf 0.06。この物質を、さらなる精製なしに、次の反応に使用した。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール (トリオール 55).
Figure 2007506780
ナトリウムアマルガム(5% ナトリウム, 10.8 g)を、テトラヒドロフラン(15 mL)、及びメタノール(9 mL)の混合液中の54(0.426 g, 0.667 mmol)の強撹拌溶液に加えた。該懸濁液を、24時間撹拌し、かつ該反応を、TLC (1:1 酢酸エチル-ヘキサン0, 55 (Rf 0.17)の生成を観察するように)でモニタリングした。該混合物を、メタノール (3 mL)で希釈し、5分間撹拌し、次に、水でさらに希釈し、かつ2分間撹拌し、かつ飽和塩化アンモニウム溶液(25 mL)に注いだ。該水相を、酢酸エチル(2×20 mL)で抽出した。該合わせた抽出液を、pH 7のリン酸緩衝液(5 mL)、次にブライン(10 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、1:1、及び2:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィで精製し、無色シロップ状の55を、0.244 g, 73%で得た:1H NMR: δ -0.006 (3H, s), 0.006 (3H, s), 0.86 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.11 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.75 (21H, m), 1.7-1.85 (3H, m), 1.90 (1H, m), 3.29 (1H, brd), 3.99 (1H, brs); LR-ES(+) m/z: 521 (M+Na), 481 (M-OH); LR-ES(-): m/z 544: (M+CH2O2), 543 (M-H+CH2O2), 533 (M-Cl); HR-ES(+) m/z: 計算値 C29H58O4Si + Na: 521.3996, 観測値 521.3999.
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-(4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール (56).
Figure 2007506780
水性フルオロケイ酸溶液(3 mL)を、アセトニトリル (12 mL)中の55 (0.240 g, 0.481 mmol)の撹拌溶液に加えた。TLC (酢酸エチル)で、該反応をモニタリングした。2.5時間後に、極性の小さい55の消費で生成される化合物56 (Rf 0.37)が、主成分となった。該混合物を、酢酸エチル、及び水(10 mL)で平衡化し、該水相を、水で再抽出(2×10 mL)し、かつ合わせた抽出液を、水(6 mL)、及びブライン(2×10 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該無色残渣を、1:2, 1:1, 及び2:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにかけ、幾らかの未反応の55、続いて、無色シロップ状の56を、0.147 g, 79 %で溶出した:1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.15-1.7 (20H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.96 (1H, brd), 3.29 (1H, d, J = 9.6 Hz), 4.08 (1H, brs); LR-ES(+): m/z 448: (M+Na+MeCN), 407 (M+Na); LR-ES(-): m/z 419 (M+Cl); HR-ES(+) m/z: 計算値 C23H44O4 + Na: 407.3132, 観測値 407.3135.
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(5-ヒドロキシ-1(S)-{2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5,5-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル]-エチル}-5-メチル-ヘキシル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール (57) .
Figure 2007506780
4-メトキシベンゾアルデヒド ジメチル アセタール (60 mL, 0.35 mmol)を、56 (81.2 mg, 0.211 mmol)のジクロロメタン(2 mL)溶液に加え、続いてジクロロメタン (10 mL)中にピリジニウムトシラート(200 mg)を含む溶液に加えた。反応進行を、TLC (1:2 酢酸エチル-ヘキサン)で追跡し、4-メトキシベンゾアルデヒド ジメチル アセタール(Rf 0.80), 4-メトキシベンゾアルデヒド(Rf 0.65), 抽出物(educt) 56 (Rf 0.42), 及び生成物57(Rf 0.26)を示した。5と3/4時間後に、該混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム(5 mL)とともに15分間撹拌し、次に酢酸エチル (25 mL)で平衡化した。該有機相を、ブライン(5 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、1:3、及び1:2 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにかけ、無色シロップ状の57を、0.106 mg (100 %)で得た:1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.19, 1.21 (6H, s 各々, Me2COH), 1.23, 1.35 and 1.24, 1.37 (6H, s 各々, メジャー、及びマイナーの5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.7 (18H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.9-2.0 (2H, m), 3.65 (1H, m), 3.81 (3H, s), 4.08 (1H, brs), 5.78 and 5.96 (1H, s 各々, メジャー、及びマイナーのアセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.41 (2H, m).
[1R,3aR,7aR]-1-(5-ヒドロキシ-1(S)-{2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5,5-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル]-エチル}-5-メチル-ヘキシル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-オン (58)
Figure 2007506780
二クロム酸ピリジニウム(230 mg, 0.61 mmol)を、57 (0.0838 , 0.167 mmol), セライト (185 mg), 及びジクロロメタン (4 mL)を含む撹拌混合液に加えた。57 (Rf 0.31)から58 (Rf 0.42)への変換を、TLC (1:25 メタノール-クロロホルム)でモニタリングした。2.5時間後に、該混合液を、ジクロロメタン(10 mL)で希釈し、次にシリカゲル層に通して濾過した。濾液、及び洗浄液(1:1 ジクロロメタン-酢酸エチル)を、エバポレートし、該残渣を、クロマトグラフィ(1:4 酢酸エチル-ヘキサン)にかけ、ケトン 58を、0.0763 g, 91 %で得た:1H NMR: 0.63 (3H, s), 1.19, 1.21, 及び1.23 (6H, s 各々, Me2COH), 1.25, 1.36, 1.38 (6H, m,s,s, 5,5-ジメチルオキソラン ジアステレオマー), 1.1-1.9 (18H, m), 1.9-2.1 (3H, m), 2.1-2.4 (2H, m), 2.45 (1H, m), 3.66 (1H, m), 3.802, 及び3.805 (3H, s 各々), 5.78, 及び5.95 (1H, s 各々, メジャー、及びマイナーのアセタール ジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.39 (2H, m).
[1R,3aR,7aR]-1-[4(R),5-ジヒドロキシ-1(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-オン (59)
Figure 2007506780
該ケトン58を、90 % メタノールの1 N シュウ酸溶液中で撹拌した。該混合物は、数分後に均一になった。TLC (酢酸エチル)は、75分後に反応が終了したことを示した(59に対してRf 0.24)。炭酸カルシウム(0.60 g)を加え、かつ該懸濁液を、一晩撹拌し、次に濾過した。該濾液をエバポレートし、かつ4:1:5 ジクロロメタン-酢酸エチル-ヘキサン, 1:1 酢酸エチル-ヘキサン, 及びニートの酢酸エチルの段階的勾配を用いた、フラッシュクロマトグラフィにかけ、無色残渣として59を、0.060 mg, 94%で得た: 1H NMR: 0.5 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.23 (3H, s), 1.2-1.21 (23H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.45 (1H, dd, J = 7、及び11 Hz), 3.30, 1H, brd).
[1R,3aR,7aR]-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン-オン (60)
Figure 2007506780
59 (0.055 g, 0.143 mmol), イミダゾール, (14.9 mg, 1.69 mmol), N,N-ジメチルピリジン (6 mg), トリエチルクロロシラン (0.168 mL, 1 mmol), 及びN,N-ジメチルホルムアミド (1.5 mL)の混合物を、17時間撹拌した。該反応を、TLC (1:4 酢酸エチル-ヘキサン)で追跡し、かつ該TLCは、該ジシリル中間体(Rf 0.47)に迅速に変換されることを示した。さらなる反応が、スムーズに一晩で進行し、完全シリル化体60(Rf 0.90)を得た。該溶液を、水(3 mL)で平衡化し、酢酸エチル(20 mL)で平衡化し、該酢酸エチル相を、水(3×4 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、ヘキサン、及び1:100 酢酸エチル-ヘキサンを用いてフラッシュクロマトグラフィにかけ、無色シロップ状の60を、0.0813 g, 78.4%で得た:1H NMR δ 0.55-0.64 (21H, m), 0.92-0.97 (27H, m), 1.12 (3H, s), 1.18 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.21 (3H, s) , 1.1-1.7 (18H, m), 1.9-2.15 (2H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.43 (1H, dd, J = 7.7、及び11 Hz), 3.30 (1H, dd, J = 3、及び8.4 Hz).
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン (61)
Figure 2007506780
ヘキサン (0.14 mL)中の1.6 M ブチルリチウム溶液を、テトラヒドロフラン (1.5 mL)中のホスフィン(0.1308 g, 0.224 mmol)溶液に、70℃で加えた。10分後に、ケトン60(0.0813 g, 0.112 mmol)のテトラヒドロフラン (1.5 mL)溶液を、15分かけて滴下して加えた。pH 7のリン酸緩衝液(2 mL)を加え、かつ該温度を0℃に上げた。結果、イリド色が消失した。外混合物を、ヘキサン (30 mL)で平衡化し、該有機相を、ブライン(5 mL)で洗浄し、乾燥し、かつエバポレートし、無色オイルを得た。それを、フラッシュクロマトグラフィ(TLC 1:100 酢酸エチル-ヘキサン)で精製した。Rf 0.33 (TLC 1:39 酢酸エチル-ヘキサン)のバンドのみを回収した。それらのフラクションをエバポレートし、無色シロップ状の61を、0.070 g, 57%で得た:1H NMR δ 0.06 (12H, brs), 0.53-0.64 (21H, m), 0.88 (18H, s), 0.92-0.97 (27H, m), 1.11 (3H, s), 1.177 (3H, s), 1.184 (3H, s), 1.195 (3H, s), 1-1.9 (22H, m), 1.98 (2H, m), 2.22 (1H, m), 2.45 (1H, m), 2.83 (1H, brd, J = 13 Hz, 3.27 (1H, d, J = 6 Hz), 4.19 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, brs), 5.18 (1H, brs), 6.02 (1H, d, J = 11 Hz), 6.24 (1H, d, J = 11 Hz).
1,25-ジヒドロキシ-21(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール (50)の合成
Figure 2007506780
TLC (酢酸エチル)で追跡した、テトラヒドロフラン中 1Mフッ化テトラブチルアンモニウム溶液中の61 (0.068 g, 0.06238 mmol)の脱保護反応が、次第に進行し、50 (Rf 0.19)を得た。25時間後に、該混合液を、ブライン(5 mL)で希釈し、5分間撹拌し、酢酸エチル(35 mL)、及び水(15 mL)で平衡化した。該水相を、酢酸エチル (35 mL)で1回再抽出し、該合わせた抽出液を、水(5×10 mL)、及びブライン(5 mL)で洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、1:1、及び2:1 酢酸エチル-ヘキサン, 及び2:98 メタノール-酢酸エチルの直線勾配を用いたフラッシュクロマトグラフィにかけて、残渣を得た。該残渣をギ酸メチル中に取り出し、かつエバポレートし、白色発泡体を、30 mg, 93 %で得た:[a]D + 29.3 ° (メタノール, c 0.34); MHz 1H NMR δ: 0.55 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.1-1.75 (22H, m), 1.80 (2H, m), 1.9-2.1 (5H, m), 2.31 (1H, dd, J = 7 及び13 Hz ), 2.60 (1H, brd), 284 (1H, m), 3.29 (1H, d, J = 9.5 Hz ), 4.22 (1H, m), 4.43 (1H, m), 5.00 (1H, s), 5.33 (1H, s), 6.02 (1H, d, J = 11 Hz ), 6.02 (1H, d, J = 11Hz); LR-ES(-) m/z: 564 (M+H2CO2), 563 M-H+ H2CO2); HR-ES(+) 計算値 C32H54O5 + Na: 541.3863; 観測値 541.3854; UVmax (ε): 211 (15017), 265 (15850), 204 sh (14127), 245 sh (13747) nm.
(実施例43)
(1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール (62)の合成)
Figure 2007506780
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン (63)
Figure 2007506780
ヘキサン中の1.6 M ブチルリチウム溶液を、テトラヒドロフラン中のホスフィン溶液に、70℃で加えた。10分後に、実施例2のケトン 60のテトラヒドロフラン溶液を、15分かけて滴下して加えた。該生成物色が、薄くなった後で、pH 7の リン酸緩衝液を加え、かつ該温度を0℃に上げた。該混合物を、ヘキサンで平衡化し、該有機相を、ブラインで洗浄し、乾燥し、かつエバポレートして、無色オイルを得た。該オイルを、フラッシュクロマトグラフィ(1:100 酢酸エチル-ヘキサン)で精製し、63を得た。
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール (62)
Figure 2007506780
62を生成するように、63の脱保護反応を、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液中で行った。25時間後に、該混合物をブラインで希釈し、5分間撹拌し、かつ次に酢酸エチル、及び水で平衡化した。該水相を、酢酸エチルで1回再抽出し、該合わせた抽出液を、水、及びブラインで洗浄し、かつ次に乾燥し、かつエバポレートした。該残渣を、フラッシュクロマトグラフィにかけ、残渣を得た。該残渣を、ギ酸メチル中に取り出し、かつエバポレートして、62を得た。
(実施例44)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール (64)の合成)
Figure 2007506780
(R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-7-フェニルスルファニル-ヘプタン-2-オール (65)
Figure 2007506780
上記反応を、Tet. Lett. 1975, 17: 1409-12に記載されているように行った。具体的には、50 mL 丸底フラスコに、1.54 g (3.73 mmol)の (R)-2-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-7a-メチルオクタヒドロインデン-1-イル]-6-メチルヘプタン-1,6-ジオール(1)(Eur. J. Org. Chem. 2004, 1703-1713)、及び2.45 g (11.2 mmol)のジフェニルスルフィドを加えた。該混合物を、ピリジン5 mLに溶解し、かつトリブチルホスフィン2.27 g (11.2 mmol, 2.80 mL)を加えた。該混合物を一晩撹拌し、かつ次にトルエン20 mLで希釈し、かつエバポレートした。該残渣を、再びトルエン中に取り出し、かつエバポレートし、該残留物を、ヘキサン, 1:39, 1:19, 及び1:9 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた液体クロマトグラフィにかけ、シロップ状の該タイトル化合物65を、1.95 g得た。
(R)-7-ベンゼンスルホニル-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール (67)、及び(1R,3aR,4S,7aR)-1-((R)-1-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン (68)
Figure 2007506780
1.95 g (3.9 mmol)の該粗生成物65を含む500-mL 丸底フラスコに、84 gのジクロロメタン(63 mL)を混合した。該溶液を、氷浴下で撹拌し、次に2.77 g(11 mmol)のメタ-クロロ過安息香酸を、一部分に加えた。該懸濁液を、該氷浴下で40分間撹拌し、次に室温で2時間撹拌した。該反応を、TLC (1:19 メタノール-ジクロロメタン)でモニタリングした。該反応終了時に、Rf 0.45の1スポットのみが観察された。次に、1.68 g(20 mmol)の固体炭酸水素ナトリウムを、該懸濁液に加え、該懸濁液を10分間撹拌し、次に30mLの水を、一部分に加え、かつ5分間、強く撹拌し続けて、全ての固体を溶解させた。該混合物を、さらに40 mLのヘキサンで希釈し、30分間撹拌し、41.6 gのヘキサンを用いて分液ロートに移した。該下相を捨て、かつ上相を、25 mLの飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、かつエバポレートして、67を3.48 g得た。この物質を、ヘキサンを用いて粉にし、濾過し、かつエバポレートして、濁ったシロップ状の67を得た(2.81 g)。これを、次の反応に直接使用した。
上記で得られた67を2.81 g含む100-mL 丸底フラスコに、30 mLのN,N-ジメチルホルムアミド、1.43 g(21 mmol)のイミダゾール、及び1.75 mL(10 mmol)のトリエチルシリルクロライドを加えた。該混合物を、17時間撹拌し、次に氷水50 gで希釈し、10分間撹拌し、5 mLのブライン、及び60 mLのヘキサンでさらに希釈した。該水相を、20 mLのヘキサンで再抽出し、両抽出液を合わせて、水30 mL×2回で洗浄し、乾燥し、エバポレートした。この物質は、メジャースポットRf 0.12 (1:39 酢酸エチル-ヘキサン)、及びマイナースポットRf 0.06を含んでいた。この物質を、ヘキサン, 1:100, 1:79, 1:39, 及び1:19 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いたクロマトグラフィにかけ、68を1.83 g得た。
(R)-5-ベンゼンスルホニル-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-10-メチル-2-(R)-メチル-10-トリエチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3-ジオール (69)
Figure 2007506780
マグネチックスターラー、温度計、並びにゴムセプタム、及び窒素吹込み(nitrogen sweep)を有するクライゼンアダプター(Claisen adapter)を備えた100-mL 3-口丸底フラスコに、1.7636 g(2.708 mmol)のスルホン体68、1.114 g(4.062 mmol)のシトレート、及びベンゾフェノンケチルから新たに蒸留した50 mLのテトラヒドロフランを加えた。この溶液を、-20℃に冷却し、ヘキサン中の1.6 M ブチルリチウム溶液9.31 mLを、≦-20℃で、滴下して加えた。該温度を、-10〜-20℃の間で、5時間維持した。該冷却浴槽を取り外し、飽和塩化アンモニウム溶液50 mLを加え、続いて、酢酸エチル75 mL、及び全ての塩を溶解する十分な水を加えた。該有機相を、ブライン15 mLで洗浄し、乾燥し、かつエバポレートし、無色オイルを得た。この残渣を、ヘキサン, 1:9, 1:6, 1:4, 及び1:3 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いたクロマトグラフィにかけた。該主要バンドを、1:4, 及び1:3 酢酸エチル-ヘキサンで溶出し、無色シロップ状の化合物69を、1.6872 g得た。
(S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-10-メチル-2-(R)-メチル-10-トリエチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3-ジオール (70)
Figure 2007506780
マグネチックスターラー、温度計、並びにゴムセプタム、及び窒素吹込み(nitrogen sweep)を有するクライゼンアダプター(Claisen adapter)を備えた25-mL 2-口丸底フラスコに、1.6872 g (2.238 mmol)のスルホン体69、及び40 mLのメタノールを加えた。次に、2等量分の該撹拌溶液に1.25 g (51.4 mmol)のマグネシウムを30分間隔で加えた。該懸濁液を、70分間撹拌し、次に別のマグネシウム0.17 g、及びメタノール約5 mLを加え、一時間撹拌を続けた。次に、該混合物を100 mLのヘキサンで希釈し、かつ1 M 硫酸(50 mL)を滴下して加えて、2つの液体相にした。該水相を中性化した。該水相を、25 mLの1:1 ジクロロメタン‐ヘキサンで一回再抽出した。該有機相を合わせ、次に15 mLのブラインで洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該得られた物質を、ヘキサン, 1:39, 1:19, 及び1:9 酢酸エチル‐ヘキサンの段階的勾配を用いて、シリカゲルのクロマトグラフィにかけた。該主要バンドを、1:9 酢酸エチル‐ヘキサンで溶出し、無色シロップ状の70を、1.2611 gで得た。
(S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジヒドロキシ-2,10-ジメチル-ウンデカン-3-オン (71)
Figure 2007506780
マグネチックスターラー、温度計、並びにゴムセプタム、及び窒素吹込み(nitrogen sweep)を有するクライゼンアダプターを備えた25-mL丸底フラスコに、518 mg (3.88 mmol)のN-クロロスクシンアミド、及び11 mLのトルエンを加えた。5分間撹拌(全て溶解せず)し、次に0℃に冷却し、かつトルエン中の2M ジメチルスルフィド溶液2.4 mL(4.8 mmol)を加えた。該混合物を、5分間撹拌し、次に−30℃に冷却し、かつトルエン4×1.5 mL中の該ジオール70溶液を0.7143 g (1.165 mmol)、−30℃で滴下して加えた。この温度で1時間撹拌を続けた。次に、該混合物を、-10℃まで2時間かけて暖め、次に-17℃に冷却し、かつトルエン中の2 M トリエチルアミン3.20 mL (6.4 mmol)を加えた。該混合物を、-17〜-20℃で10分間撹拌し、次に、室温までゆっくりと暖めた。該混合物を、ヘキサン, 1:79, 1:39, 1:19, 1:9, 1: 4, 及び1:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、シリカゲルのクロマトグラフィにかけた。該主要バンドを、1:1 酢酸エチル-ヘキサンで溶出し、該化合物71を0.3428 g得た。
(S)-2,10-ジヒドロキシ-6-((1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-3-オン (72)
Figure 2007506780
マグネチックスターラーを備えた25-mL 丸底フラスコに、0.3428 g (0.69 mmol)の該ジオール71を加え、5 mLのアセトニトリル、次に1.25 mLのフルオロケイ酸溶液中に溶解した。3時間後に、該混合物を、酢酸エチル35 mL、及び水10 mLで分配し、該有機相を合わせ、水5 mL×2回で洗浄し、1:1 ブライン-飽和炭酸水素ナトリウム溶液5 mLで1回洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。この物質を、1:4, 1:3, 1:2, 及び1:1の段階的勾配を用いた、シリカゲルのクロマトグラフィにかけ、該タイトル化合物72を0.2085 g得た。
(1R,3aR,7aR)-1-[(S)-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-4-オキソ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-オン (73)
Figure 2007506780
25-mL 丸底フラスコに、72を0.2153 g (0.56 mmol)、ジクロロメタンを5 mL、及びセライトを0.20 g加えた。この撹拌懸濁液に、二クロム酸ピリジニウム1.00 g (2.66 mmol)を一部分において加えた。該反応物を3時間撹拌し、かつ該進行を、TLC (1:1 酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングした。該反応混合物を、5 mLのシクロヘキサンで溶解し、次にシリカゲルGを通して濾過した。該カラムを、ジクロロメタン、続いて1:1 酢酸エチル-ヘキサンで、該流出物中に溶質が検出されなくなるまで溶出した。該溶出液をエバポレートし、かつ無色オイルを得た。次に、このオイルを1:4, 1:3, 1:2, 1:1, 及び2:1 酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、シリカゲルのクロマトグラフィにかけ、該ジケトン体73を0.2077 g得た。
(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(S)-5-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-4-オキソ-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン-オン (74)
Figure 2007506780
25-mL 丸底フラスコに、0.2077 g (0.545 mmol)の該ジケトン体73を加えた。この物質を、0.5 mLのテトラヒドロフラン、及び3 mLのシクロヘキサンに溶解した。該得られた混合物に、0.30 mL(2.0 mmol)のTMS-イミダゾールを加えた。10時間後に、該反応混合物を3 mLのヘキサンで溶解し、次に濃縮し、かつヘキサン, 1:79, 1:39, 1:19, 及び酢酸エチル-ヘキサンの段階的勾配を用いた、シリカゲルのクロマトグラフィにかけ、無色オイルとして、74を0.2381 g得た。
(S)-6-((1R,3aS,7aR)-4-{2-[(R)-3-((R)-tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-5-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチルオクタヒドロインデン-1-イル)-2,10-ジメチル-2,10-ビス-トリメチルシラニルオキシウンデカン-3-オン (75)
Figure 2007506780
マグネチックスターラー、温度計、並びにゴムセプタム、及び窒素吹込み(nitrogen sweep)を含むクライゼンアダプターを備えた15-mL三つ口洋ナシ形フラスコに、0.2722 g (0.4768 mmol)の[2-[(3R,5R)-3,5-ビス(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ) シクロヘキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィン オキシド、及び2 mLのテトラヒドロフランを加えた。該溶液を、70℃に冷却し、かつヘキサン中の1.6 M ブチルリチウムを0.30 mL加えた。該濃赤色溶液を、その温度で、10分間撹拌し、次に、テトラヒドロフラン2 mL に溶解した、0.1261g(0.240 mmol)の該ジケトン体74をシリンジを介して、10分かけて滴下して加えた。3時間と15分後に、-65℃で、5 mLの飽和塩化アンモニウム溶液を加え、該混合物を、10℃に暖め、次にヘキサン35 mL、及び水10 mLで分配した。該水相を、10 mLのヘキサンで1回再抽出し、該合わせた相を、2 mLのpH 7緩衝液を含むブライン5 mlで洗浄し、次に乾燥し、かつエバポレートした。この物質を、ヘキサン、及び 1:100 酢酸エチル-ヘキサンを段階的勾配として用いた、フラッシュカラム15×150 mmのクロマトグラフィにかけ、無色シロップ状の該タイトル化合物75を0.1572 g得た。
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール (64)
Figure 2007506780
マグネチックスターラーを備えた15-mL 3-口丸底フラスコに、155 mg (0.17 mmol)のテトラシリルエーテル75を加えた。この無色残渣を、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム1 M溶液2 mLで溶解した。43時間後に、さらに、フッ化テトラブチルアンモニウム溶液の1 M溶液を0.5 mL加え、5時間撹拌を続けた。該薄い黄褐色溶液を、5 mLのブラインで希釈し、5分間撹拌し、かつ50 mLの酢酸エチル、及び5 mLの水を用いて分液ロートに移し、次に5 mLの酢酸エチルで再抽出した。該有機相を合わせ、水10 mL×5回、ブライン10 mLで洗浄し、乾燥し、かつエバポレートした。該得られた残渣を、2:3, 1:1, 2:1 酢酸エチル-ヘキサン, 及び酢酸エチルの段階的勾配を用いた、カラム15×123 mmのクロマトグラフィにかけ、該64を白色個体として得た(TLC, 酢酸エチル, Rf 0.23)。該64を、ギ酸メチル中に取り出し、濾過し、かつエバポレートして、固体物質の該タイトル化合物64を、0.0753 g得た。
(実施例45)
(1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール (76)の合成)
Figure 2007506780
(S)-6-{(1R,3aS,7aR)-4-[2-[(R)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-((S)-tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタ-(E)-イリデン]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル}-2,10-ジメチル-2,10-ビス-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-3-オン (77)
化合物77を、実施例4の75に対して記載したように調製した。但し、74を[(2Z)-2-[(3S,5R)-3,5-ビス(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ) メチレンシクロヘキシリデン]-エチル]ジフェニルホスフィン オキシドと反応させた。
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール (76)
化合物76を、64に対して、実施例22に記載したように77を保護することにより、77から調製した。
(実施例46)
(1,3-O-ジアセチル1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール (78)の合成)
下記スキーム1を参照して、本発明の式Iの化合物を、下記スキーム1に示すように調製した。従って、式Iの化合物(式中、X1、及びX2は、それぞれ独立に、H2, 又はCH2であるが、但し、X1、及びX2は、両方ともCH2ではなく;R1, 及びR2は、それぞれ独立に、ヒドロキシル, OC(O)C1−C4 アルキル, OC(O)ヒドロキシアルキル, 又はOC(O)フルオロアルキルであるが、但しR1, 及びR2は、両方ともヒドロキシルではない;R3, 及びR4は、それぞれ独立に、水素原子, C1-C4 アルキルであり, 若しくはR3, 及びR4は、まとまってC20でC3-C6 シクロアルキルを形成し;R5, 及びR6は、それぞれ独立に、C1-C4アルキル, ヒドロキシアルキル, 又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル, 例えばフルオロメチル、及びトリフルオロメチルである。)は、式IIの化合物と式IIIの化合物とを、テトラヒドロフラン中、式IVの化合物を得るための塩基としてn-ブチルリチウムを用いて、カップリングすることにより調製され得る。次の該保護シリル基(R1 = OSi(CH3)2t.Bu)の除去は、式I(R1 = OH, R2 = OH)の該1,3 ジヒドロキシビタミンD3化合物を与える。該1、及び/又は3位のアシル化は、技術において周知の方法を用いて達成される。例えば、式I (R1 = R2 = OAc)の該1,3ジアセトキシ化合物の調製は、スキーム2に示すように、無水酢酸、及びピリジンを用いたさらなるアセチル化を要求する。
Figure 2007506780
式中、X1, X2, R3, R4, R5, 及びR6は、上記で定義したものである。
Figure 2007506780
スキーム1、及び3を参照して、式IIの化合物は、公知の化合物であり、かつ該公知のエポキシ-ケトン式Vから出発して調製される。式Vの化合物は、記載した反応により、式VIIの該エポキシ-オレフィンに変換される。該化合物IIIのLiAlH4を用いた還元、及び該ヒドロキシ基の保護により、化合物IXを生じる。次に、テトラヒドロフラン中、ルイス酸(CH3)2AlClの存在下、該公知のヒドロキシ-共役ケトンX(R5 = R6 = CH3)を用いた、式IXの該エン反応は、該C, D-環、及び該標的ビタミンD類似体の全ての側鎖を特徴とする該化合物XIを提供する。最後に、該シリル基の除去は、式IIIのケトンの鍵中間体を提供する。
Figure 2007506780
Figure 2007506780
スキーム2を参照して、0.032 g の1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロールを、0.8 mlピリジンに溶解し、浴槽で冷却し、かつ0.2 ml 無水酢酸を用いて、室温で7時間、及び冷蔵室で14時間処置した。次に、1 mlの水で希釈し、氷浴下で10分間撹拌し、水5 ml、及び酢酸エチル20 mlで希釈した。該有機相を、水5 ml×3回、次に飽和重炭酸ナトリウム、次にブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、かつエバポレートした。該オイル状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサン中に取り出し、次に移動相として、フラクション1-5には1:6 酢酸エチル-ヘキサン、残りには1:4 酢酸エチル-ヘキサンを用いて、13.5×110 mmカラムのクロマトグラフィにかけた。フラクション11-14をため、かつエバポレートして、0.0184 gの該タイトル化合物(2)を得た。
(IV. 生物学的実施例)
下記実施例に記載したように、カルシトリオール、及びビタミン D3 類似体が、膀胱細胞の成長、及び機能に影響を与え得るという本発明者らの発見は、インビトロモデルにおいて、ヒト間質膀胱細胞を培養することにより証明されており、かつ前臨床のインビボの有効モデルにおいて確認されている。
(実施例47)
(膀胱細胞の該成長、及び機能に対する、カルシトリオール、及びビタミン D3 類似体の活性)
カルシトリオール、及びビタミン D3 類似体が、膀胱細胞の成長、及び機能に影響を与え得るという本発明者らの発見は、インビトロモデルにおいて、ヒト間質膀胱細胞を培養することにより証明されている。本発明者らは、文献に以前に報告されているビタミン D 受容体(VDRs)の存在を、これらの細胞中に確認した(下図1を参照されたい。)。
これらのモデルにおいて、カルシトリオール (ビタミン D3の活性形態)、及び他のビタミン D3 類似体は、膀胱細胞の基礎的(図2)、及びテストステロン-刺激的(図3)成長の阻害に有効であることを示している。この活性は、今まで報告されておらず、カルシトリオール (1,25-ジヒドロキシコレカルシフェロール) (基底細胞において)にとって9.8±7×10-15、及び1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23e-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール (図中、"化合物A"/"Cmpd A")(刺激細胞において)にとって1.6±7×10-15のIC50を有し、投与量依存性がある(図2、及び3を参照。)。
この効果は、他のビタミン D3 類似体 (例えば、米国特許第5,145,846号に記載されており、かつ、これらの実施例、及び図中において、"化合物B"/"Cmpd B"と言及されている、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-インコレカルシフェロール)でも示されており、幾つかの場合において、フィナステリドのような泌尿生殖器疾患の治療に広く使用される抗-アンドロゲンのそれよりも極めて大きい(図4)。
多くの他のビタミン D 化合物に対して類似調査を行った。該結果(-Log IC50として表現した。)は、下記表に示した。該表中のデータは、テストステロンで刺激されていない細胞、又は刺激された細胞(1ケース)の基礎的なヒト膀胱細胞増殖において、該化合物の阻害効果を意味する。また、ラットにおける該最大耐量(MTD)を、各化合物に対して示した。
Figure 2007506780
Figure 2007506780
表中にアスタリスク(*)印を付けた化合物は、本発明の関係において特に興味深いものである(これらは、非刺激細胞に対して最も高いLogIC50を有する。)。
aを示した1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロールの表中の第二エントリーは、刺激細胞の使用から誘導されたデータを示したものである(該表中の他の全データは、非刺激細胞の使用に関連するものである。)。
(実施例48)
(基礎的、及び刺激的ヒト膀胱細胞増殖、及び生存、及びアポトーシスにおける、ビタミン D3類似体化合物Aの効果)
アンドロゲン-刺激hBC増殖における、抗-アンドロゲン、又は化合物Aの効果をさらに調査するために、細胞を、テストステロン, T (10 nM)、又はジヒドロテストステロン, DHT (10 nM)の存在下、又は非存在下、化合物A(1 nM)、又は抗-アンドロゲン(フィナステリド, F, 1 nM; 酢酸シプロテロン, Cyp, 100 nM)を用いて、48時間保温した。
結果を、これらの比較コントロールに対して、百分率変化(平均±SEM)として表し、かつ3つの別個のhBC細胞調製から得られた、少なくとも3つの別々の実験から算出した。P<0.05 (vs. コントロール);°P<0.01 (vs. アンドロゲン-処置細胞)。結果を、図5に示した。図5は、図4と幾つか同じデータを示す。しかし、有意な効果がないフィナステリドとは異なり、化合物Aが、該アンドロゲンDHT により刺激されたhBC増殖を阻害することも示す。
hBCのbcl-2の発現における、化合物A(10 nM), KGF (10 ng/ml), 及びT (10 nM)の効果をさらに調査するために、Bcl-2タンパク質発現を、以前に記載されている(Crescioli, C.らの論文 (2000) J. Clin. Endocrinol. Metab. 85:2576-83)のように、免疫細胞化学により上昇させた。該指示刺激で保温後に、スライドを、PBS pH 7.4で2回洗浄し、かつPBS 中の3.7% パラホルムアルデヒドで15分間、室温で固定させ、続いて、0.1% トリトン(Triton) X-100を含む、PBS 中の3.7% パラホルムアルデヒドで15分間、室温で透過化処理をした。2% BSAを含むPBS中に希釈した、抗-Bcl-2 mAb (1:40)を、該スライドに加え、かつ4℃で一晩保温した。スライドを、PBS 中で3回(5分)洗浄し、かつ二次抗体(1:1000希釈)を含む2% BSA-PBSを用いて、室温で45分間保温した。PBS中で3回洗浄後に、該スライドを、位相差顕微鏡(Nikon mocrophot-FX 顕微鏡; Nikon, Kogaku, 東京, 日本)を用いて検査した。該第一抗体を欠いたスライド、又は非免疫性血清で染色したスライドを、コントロールとして扱った。bcl-2染色細胞の百分率を、1スライドにつき少なくとも5つの選別した領域における免疫陽性細胞の数をカウントして、全細胞数で割って計算した。データは、3つの別々のhBC 調製から得られた3つの別々の実験から算出した。P<0.05 (vs. コントロール);°P<0.01 (vs. KGF、又はT-処置細胞)。結果を、図6に示した。図6は、化合物Aが、単独で、若しくはKGF、又はテストステロンの存在下でも、bcl-2発現を有意に阻害することを示す。
hBC中のDNA断片における、化合物A(10 nM), KGF (10 ng/ml), 及びT (10 nM)の効果を調査するために、アポトーシス指数を、原位置末端標識(in situ end labelling (ISEL))実験(Crescioliらの論文 (2004) Eur J Endocrinol. 150:591-603.を参照)から得た。該指数は、1スライドにつき少なくとも5つの選別した領域の各々の染色核の数を、全細胞数で割ったものを表す。結果を、平均±SEM)として表し、かつ3つの別個のhBC 調製から誘導された、3つの別々の実験から得た。*P<0.05 (vs. コントロール);°P<0.05 (vs. 化合物A処置細胞);#P<0.05 (vs. KGF-、又はT-処置細胞)、及び図7に示す。図7は、化合物Aが、単独で、又はKGF、又はテストステロンの存在下でも、該アポトーシス指数を有意に増加することを示す。
まとめると、図6、及び図7に示した該結果は、化合物Aが、刺激、及び非刺激hBCのアポトーシスを誘発するという有意な効果を示す。
(実施例49)
(hBC中のデスミン遺伝子、及びタンパク質発現における、化合物Aの効果)
膀胱肥大の初期段階は、伸縮性の伸張誘発上方制御より特徴付けられ、かつ網状骨格タンパク質が、デスミン/アクチン比において増加する(Berggren, T.らの論文 (1996) Urol. Res. 24:135-40)。デスミンは、平滑筋特異的フィラメントであり、平滑筋アルファ-アクチンに付随している。
遺伝子、又はタンパク質レベルでデスミン双方を検出するために、hBC細胞を、それぞれ、mRNA、又は免疫細胞化学的分析用の10 mm直径の培養皿上、又は無菌ガラススライドのこれらの成長培地中に播種した(約104細胞/ml)。約30%密集度のhBC細胞を、化合物A (10-8 M)を有するか、又は有しない0.1% BSA含有フェノールレッド-、及び血清フリー媒体中で、2, 4, 8, 及び12日間保温し、かつ該培地を2日おきに交換した。mRNA、又はタンパク質分析のために、Taqman、又はウエスタンブロット分析により細胞をそれぞれ収集し、かつ該スライドを、特異的タンパク質免疫細胞化学的検出 のために処理した。化合物A (10 nM, グレーカラム)で処置した血清不足hBC中のデスミンmRNA発現のリアルタイムRT-PCRを用いた定量分析を、異なる時間点(2〜12日)で調査した。結果を、3つの別個のhBC 調製からの5つの別々の実験から算出し、かつ時間ゼロと比較した倍増加として示した。P≦0.01、又は°P=0.04 vs. コントロール, オープンカラム、及び図8に示した。
hBC中のデスミンのウエスタンブロット検出を、下記のように行った:30μgのタンパク質を、10%SDS-PAGEで分離し、ニトロセルロース膜に移し、かつ抗デスミン抗体(1:1000)で探索した。結果を図9に示す。約58kDaのバンドを、hBCの各バンド中に検出した。化合物A(10 nM)は、処置されたどの時間点でも、デスミンタンパク質発現を低下させた。分子量マーカー(kDa)を、該ブロットの右に示した。結果は、別個のhBC調製を用いて行った、3つの独立した実験の代表的なものである。hBC中のデスミンの免疫細胞化学的検出を、下記のように行った:細胞を、無菌ガラス上に播種し、化合物A(10 nM)で処置し、かつ該示した時点で、抗デスミン抗体(1:1000)で処理した。結果を、図10、及び11に示す。図10中に報告した該マイクロ写真は、化合物A(10 nM, 右のマイクロ写真, 倍率×150)、又は賦形剤(左のマイクロ写真, 倍率×150)を用いて保温4日後に得られた結果を示す。
3つの別個のhBC 調製からの3つの別々の実験の定量を、図11に示した(コントロール、オープンカラム;化合物A、グレーカラム)。デスミン陽性細胞の割合を、1スライドにつき少なくとも5つの選別した領域における染色細胞数をカウントし、該全細胞数で割ることにより計算した。P<0.01 vs これらの比較コントロール。要約すると:hBCにおいて、長期血清不足は、平滑筋特異的中間系フィラメント(デスミン)発現の進行性増加を誘発した。これらは、図8〜11に示すように、化合物Aにより妨げられる。hBCにおけるデスミンの過剰発現は、膀胱機能障害を引き起こすか、又は悪化させることが予測され得る。従って、化合物Aにより処置されることが予測され得る。
(実施例50)
(hBC中のビタミン遺伝子、及びタンパク質発現における化合物Aの効果)
ビタミンを、実施例1Bに記載したデスミンに使われた方法のように検出した(mRNA and protein)。ビタミンは、線維芽細胞マーカーである。化合物A(10 nM)で処置した血清不足hBC中のビタミンmRNA発現のリアルタイムRT-PCRを用いた定量分析を、異なる時間点(2〜12日)で調査した。結果を、図12に示す。結果を、3つの別個のhBC 調製からの5つの別々の実験から算出し、かつ時間ゼロと比較した倍増加として示した。コントロール, オープンカラム;化合物A, グレーカラム。
hBC中のビタミンのウェスタンブロット検出を、下記のように行った:タンパク質30 ugを、10 % SDS-PAGEで分離し、ニトロセルロース膜に移し、かつ抗ビタミン抗体(1:1000)で探索した。結果を、図13に示す。hBCの各試料において、約61kDaのバンドを検出した。化合物A(10 nM)は、試験したどの時間点でも、ビタミンタンパク質発現に影響を与えなかった。結果は、別々のhBC 調製を用いて行った、3つの独立した実験の代表的なものである。
hBC中のビタミンの免疫細胞化学的検出を、下記のように行った:細胞を、無菌ガラス上に播種し、化合物A(10 nM)で処置し、かつ該示した時点で、抗ビタミン抗体(1:1000)で処理した。結果を、図14、及び15に示す。図14中に報告した該マイクロ写真は、化合物A(10 nM, 右のマイクロ写真, 倍率×150)、又は賦形剤(左のマイクロ写真, 倍率×150)を用いて保温4日後に得られた結果を示す。3つの別個のhBC 調製からの3つの別々の実験の定量を、図15に示した(コントロール、オープンカラム;化合物A、グレーカラム)。ビタミン陽性細胞の割合を、1スライドにつき少なくとも5つの選別した領域の各々における染色細胞数をカウントし、該全細胞数で割ることにより計算した。化合物Aが、線維芽細胞マーカービタミンを阻害しないことは、実施例1Bに記載したデスミンにおける効果が、特異的、かつ有用な効果であるという確証的な証拠を提供する。
(実施例51)
(膀胱排尿障害モデルにおける膀胱機能障害に対する、ビタミン D3 類似体の効果)
実験
1. 物質
1.1. 動物:
Female Sprague-Dawley ラット, 体重 200-250g
1.2. グループ分け
グループA:該障害の作成1日後に開始(n=12)し、2週間に渡って該ビタミン D 類似体で処置したBOO ラット,
グループB:該障害の作成1日後に開始(n=12)し、2週間に渡って賦形剤で処置したBOO ラット,
グループC:手術1日後に開始(n=12)し、2週間に渡って該ビタミン D 類似体で処置した偽操作ラット(Sham operated rats)
1.3. 研究:
a) 意識的条件下での膀胱内圧測定 (該薬剤/賦形剤の最後の投与後〜18時間, 該閉塞結紮の除去後12時間)
b) 膀胱重量の測定
c) インビトロ調査
2. 方法
2.1. BOO:
該膀胱、及び尿道膀胱接合部を、下腹部正中切開を通して露出させた。0.9 mmの金属ロッドを、近接尿道と平行にして置き、かつ3-0絹結紮糸を、該尿道と該ロッドとの周りできつく結び、結果的に除去した。それに応じて、該結紮糸を取り付けることのない偽手術を行った。13日後に、該結紮糸を除去し、かつカテーテルを、該膀胱穹窿部に挿入し、かつ皮下に通した。
2.2. 膀胱内圧測定:
該カテーテルを挿入後の次の朝に、麻酔、又は代謝ケージにおける拘束なしに、該膀胱内圧測定調査を行った。排尿量を、力変位変換器(force displacement transducer)と接続した液体収集器(fluid collector)の方法により測定した。該膀胱を、室温で、連続的に生理食塩水で満たした。また、該カテーテルを、圧変換器に接続した。30〜60分間の固定化後に、再生排尿パターンが達成された場合、下記パラメーターを、30分にわたって記録した:基礎的な膀胱圧、排尿圧、限界圧、排尿間隔及び量、並びに非排尿収縮である。該膀胱内圧測定の最後に、残尿量を手動で3回調査した。膀胱容量を、該測定値を基にして計算した。
2.3. インビトロ調査
2.3.1. 調製:
該膀胱内圧測定の終了後に、該ラットを、一酸化炭素窒息、続いて失血で犠牲にした。該結合を開いた後に、下正中切開を通して、該腹部に近づいた。該膀胱を、慎重に切開し、自由に、かつ直ぐに冷却クレブス液中に置き、かつストリップ調製物(strip preparations)を分析した。
2.3.2 機械的活動の記録:
該膀胱、及び尿道を、該膀胱頚部レベルで分離し、かつ半円形ストリップを、該排尿筋の中1/3(1×2×5 mm)から調製した。全ての調製を、除去後にすぐに使用した。
該ストリップを、クレブス液を含む、5 mlの組織溶液に移した。該クレブス液を、37℃で維持し、かつ95% O2、及び5% CO2の混合ガスでバブリングし、結果としてpH 7.4になった。該ストリップを、絹結紮糸の方法により、2つのL-型フックでぶら下げた。1つのフックを、他動張力調節が可能な可動ユニットに、及び他方を、グラスFT03C(Grass FT03C)(Grass Instruments Co, MA, USA)力変換器に結合した。同じ伸長を、グラスポリグラフ(Grass polygraph) (7D)を用いて記録した。取り付け後に、該ストリップを、4 mNの他動張力(全ての調製物に対して同じ伸長)で伸ばし、かつさらなる実験を行う前に45〜60分間平衡化した。
2.3.3. 電場刺激
電場刺激 (EFS)を、該調製物の両側に2つの白金電極を置く方法により達成し、かつ選択した周波数で単一方形パルス波を供給するGrass S48、又はS88刺激装置を用いて行った。該余波の持続時間を5s、該パルスの持続時間を0.8ms、及び該刺激間隔を2分とした。該電極の極性を、極性変換ユニットの方法により各パルス後にシフトさせた。
2.3.4 手順:
該調製物を高K+(124 mM)クレブス液に曝し、2回の再生収縮が得られるまで、各実験を行った。次に、下記実験を行った:
a)神経の電気的刺激を行い、かつ頻度応答関係をアトロピン存在下で得た。
b) 濃度-反応曲線を、カルバコール、及びATPに対して作図した。
(結果)
上記の該有効な膀胱排尿障害ラットモデルを使用し、ビタミン D3 類似体の能力を、コントロール、及び処置膀胱機能障害に対して試験した。該目的は、投与量150 ug/kg/日のビタミン D3類似体(1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23e-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール−化合物"A")が、膀胱過活動のような膀胱肥大、及び膀胱機能障害を抑制することができるかどうかを評価することである。
このモデルにおいて、カテーテルを入れた膀胱の排出口の周りに該結紮糸を外科的に配置した。該カテーテルか除去された場合、実験した該膀胱は、尿道耐性を増加する。該ラットを、連続的膀胱内圧法により、膀胱機能の評価をした。さらに、神経刺激、及びインビトロにおける外部刺激に応答する単離膀胱調製物の該収縮特性を、電場刺激(EFS)下で調査した。
下記膀胱内圧パラメーターを調査した(図16〜20参照):
-排尿圧(排尿時の最大膀胱圧)
-膀胱容量(排尿後の残留量プラス外排尿を誘発するように注入した生理食塩水の量)
-排尿量(該放出された尿の量)
-残尿(膀胱容量マイナス排尿量)
及び
-膀胱内圧の自然発生的変化の振幅、及び大きさ(非排尿収縮)
である。
このモデルにおいて、評価における該ビタミン D3類似体は、膀胱機能上、有益な効果を有していた。この効果は、該正常膀胱において明らかであり、かつ膀胱排尿障害を維持する。特に、下記の、賦形剤との有意な違いが観察された:
-自発性非排尿収縮頻度、及び大きさ(図15、及び16)
-残尿(該活性化合物未使用, 図20)
-排尿圧(図19)
である。
さらに、膀胱機能上の有益な効果は、インビトロ試験において確認されている:
-K 応答;
-EFSに対する応答 (図21);
-カルバコールに対する応答
である。
最後に、試験された該ビタミン D3類似体を用いて、膀胱重量のわずかな減少が観察された(図16)。
これらのデータは、過活動膀胱のような膀胱機能障害の予防、及び治療において、ビタミン D 類似体(50 ug〜300 ugの投与量範囲−約0.725〜5 ug/kgヒト体重に相当する。)の使用を示している。
(実施例52)
(柔らかいゼラチンカプセル製剤I)
品目 成分 mg/カプセル
1 1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール 10.001-0.02
2 ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT) 0.016
3 ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA) 0.016
4 Miglyol 812 qs. 160.0
製造手順:
1.BHT、及びBHAを、Miglyol 812中に懸濁化し、かつ溶解するまで撹拌したまま約50℃に暖める。
2.1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールを段階1の溶液中に50℃で溶解する。
3.段階2の溶液を、室温に冷却する。
4.段階3の溶液を、柔らかいゼラチンカプセル中に充填する。
注意:全ての製造段階を、窒素雰囲気下で行い、かつ光から保護する。
(実施例53)
(経口投与量形態の柔らかいゼラチンカプセル)
経口投与用カプセルを、窒素雰囲気下で調剤する:ヤシ油(Miglyol 812)150 mg中の化合物A 150ugと、ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT) 0.015 mg、及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)とを、柔らかいゼラチンカプセル中に充填した。
(実施例54)
(経口投与量形態の柔らかいゼラチンカプセル)
経口投与用カプセルを、窒素雰囲気下で調剤する:ヤシ油(Miglyol 812)150 mg中の化合物A 75ugと、ブチル化ヒドロキシトルエン (BHT) 0.015 mg、及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)とを、柔らかいゼラチンカプセル中に充填した。
(実施例55)
(柔らかいゼラチンカプセル製剤II)
品目 成分 mg/カプセル
1.1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール 10.001-0.02
2.ジ-.アルファ.-トコフェロール 0.016
3.Miglyol 812 qs. 160.0
製造手順:
1.ジ-アルファ-トコフェロールを、Miglyol 812中に懸濁化し、かつ溶解するまで撹拌したまま約50℃に暖めた。
2.1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールを、段階1の溶液中に50℃で溶解する。
3.段階2の溶液を、室温に冷却する。
4.段階3の溶液を、柔らかいゼラチンカプセル中に充填する。
実施例5:インビボモデルにおける、膀胱機能上のビタミン D3 類似体の効果の評価−ラットにおいて、シクロホスファアミド(CYP)が、慢性的ICを誘発する。
CYPの腹腔内投与により誘発された化学的膀胱炎のラットモデルが、よく受け入れられている。CYPを、多くの悪性腫瘍の治療における臨床研修に使用する。その代謝産物の1つアクロレインは、頻尿、尿意促迫、及び骨盤痛の症状に関連した出血性膀胱炎を誘発する高い濃度で、尿中に排出される。該炎症過程は、膀胱の全組織像の変化により特徴付けられ、炎症細胞の数、及び分布の増加が、シクロ-オキシゲナーゼ-2発現及びプロスタグランジン産生、成長因子及びサイトカイン産生を浸潤する(肥満細胞, マクロファージ, PMNs)。化学的膀胱炎のラットモデルは、間質性膀胱炎、慢性、有痛性膀胱症候群によく似ており、かつ過去に、治療薬剤の試験に使用されている。
このモデルを使用し、CYP-誘発膀胱炎を有するラットにおいて、1,25-ジヒドロキシビタミン D3類似体の効果を試験した。意識的に自由に移動するCYP-誘発膀胱炎ラットにおける該膀胱内圧測定パラメーターの治療効果を、モニターした。各動物において、下記膀胱内圧パラメーターを記録した:
膀胱容量
充填圧(該膀胱充填の開始点の圧力)
限界圧(排尿直前の膀胱圧)
排尿圧(排尿時の最大膀胱圧)
非排尿膀胱収縮の存在、及び非存在(尿放出なしに、少なくとも10 cm H20の膀胱圧の増加)
非排尿膀胱収縮の大きさ
である。
動物:体重125-175gのウィスターラットを使用した。動物の2つのグループは、膀胱内圧の記録のために、膀胱中に埋め込まれたチューブを有している。回復に続いて、全ての動物は、CYPの腹腔内注射を3回受け、かつ次に、処置、及び偽コントロールグループに分けた。
処置グループ:ラットを、経口的に1,25-ジヒドロキシビタミン D3類似体 1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール("化合物C")を用いて、14日間(1日投与量0.1mg/kg)処置した。
Figure 2007506780
コントロールグループ:該治療グループにおいて供給される量と同じ投与量で、経口的に賦形剤(miglyol)で処置したラット
膀胱内圧測定を、起きている自由に動ける動物に該薬剤、又は賦形剤を最後に投与してから24時間後に行った。
1グループ中の動物数:
偽コントロール動物 4
処置動物 3
(方法)
該膀胱への該ポリエチレンチューブの埋め込み:
下正中腹部切開を、一般的吸入麻酔下(O2を用いたイソフルレン(isoflurine))で行い、かつ熱により発赤した末端を有するポリエチレンチューブ(PE-50, Clay Adams, Parsippany, NJ)を、該膀胱のドーム内に挿入し、かつ6-0プロレン巾着縫合(prolene purse string suture)で適当な位置に固定した。該チューブの遠位末端を、熱融着し、皮下に通し、かつ動物のリーチの外、該頚部の後ろで外面化させた。腹部、及び頚部切開を、4-0ナイロン縫合で閉じた。
シクロホスファアミドの腹腔内注射:
下記の回収(5日)対象動物に、9日間にわたって、3回のCYP腹腔内注射を行った。(Sigma Chemical, St. Louis, MO; 各々75 mg/kg, 腹腔内)。最初のCYP注射後10日で、該偽コントロール動物には、該賦形剤のみを受入し、一方、該実験グループには、該1,25-ジヒドロキシビタミン D3類似体1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール"化合物C"で処置した(チューブによる補給により輸送した。)。処置動物の開始後2週間は、該膀胱機能を評価するように、意識的膀胱内圧測定図を受けた。
膀胱内圧測定図:
動物を、かごの中に非制限的に置き、かつ該カテーテルを、T-チューブを介して圧変換器 (Grass(登録商標)Model PT300, West Warwick, RI)、及びマイクロインジェクションポンプ(Harvard Apparatus 22, South Natick, MA)に結合した。0.9%食塩溶液を、室温で、該膀胱内に10 ml/hの速度で注入した。膀胱内圧を、ニューロデータ取得システム(Neurodata Acquisition System)(Grass(登録商標) Model 15, Astro-Med, Inc, West Warwick, RI)を用いて、連続的に記録した。最初の安定化の25〜30分後に、少なくとも3回の再生排尿サイクルを記録した。
実験の時系列:
手順 日
順化期間 1〜5
チューブ埋め込み+回収期間 6〜10
CYP処置(75mg/kg 腹腔内の3回投与, 3日毎) 11〜17
処置(偽、又は活性) 18〜31
膀胱内圧評価 32
(結果)
該データ分析を、表1、及び表2、並びに図22にまとめた。ここで:
Bl. Cap = 膀胱容量(ml)
FP = 充填圧(cmH2O)
TP = 限界圧(cmH2O)
MP = 排尿圧 (cmH2O)
NVBCの# = 非排尿膀胱収縮数
NVBCの大きさ =非排尿膀胱収縮の大きさ
Figure 2007506780
Figure 2007506780
多くの膀胱内圧測定パラメーターの変化を記録した。該薬剤処置動物の非排尿膀胱収縮の数、及び大きさ、双方において、劇的な減少が観察された。また、充填圧、及び限界圧において、明白ではないが、統計的に有意な減少が記録された。該処置は、該膀胱容量の変化をもたらさなかった。
該膀胱壁の頻繁な収縮において、慢性膀胱炎それ自身に関連した膀胱過活動は、刺激性有痛性膀胱症候群に関係している。非排尿膀胱収縮が、これらの頻度、及び大きさ、双方を強く減少させるという事実は、間質性膀胱炎患者の該膀胱機能が類似している場合の、ビタミン D3 類似体を用いた治療(例えば、経口的治療)が、これらの衰弱症状を軽減する可能性を有することを提案する。該充填圧、及び限界圧の減少は、臨床的観点から意義がある。なぜならば、間質性膀胱炎に関連した該膀胱内圧増加は、該上部尿路を潜在的に危険にさらす状態である。この例は、ビタミン D3類似体1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(化合物C)が、膀胱機能障害を治療する能力を有するという、さらなる証明を提供する。
類似実験を、該試験化合物として化合物A(30、及び75 ug/kg)を用いて行った。該結果を、図23、及び24に示す。これらの図は、このモデルにおいて、膀胱容量の増加、及び非排尿膀胱収縮の減少によって示されるように、化合物Aも、膀胱機能障害を治療する能力を有することを示す。
本出願に引用した特許、及び特許出願を含む全ての参照文献は、全範囲の可能性に対して引用により本明細書中に取り込まれている。本明細書、及び後の請求項を通して、該用語′含む(comprise)′、並びに′含む(comprises)′、及び′含んでいる(comprising)′などの変形は、該前後関係が他に要求しない限り、規定整数値、又は段階、若しくは整数値のグループの包含を意味するが、他の全整数値、又は段階、若しくは整数値、又は段階のグループの除外はないことが理解されるであろう。
(略語)
T テストステロン
DHT ジヒドロテストステロン
GF 成長因子
BPH 良性前立腺増殖症
BOO 膀胱排尿障害
AR アンドロゲン受容体
PSA 前立腺特異抗原
VDR ビタミン D 受容体
hBC ヒト膀胱細胞
KGF ケラチノサイト成長因子
(引用による取り込み)
本出願で引用された全ての引用文献(文献引例、交付済み特許、公表特許出願、及び同時継続特許出願を含む)は、これらの全体として引用により本明細書中に、これによって明白に取り込まれている。
(同値)
当業者は、本明細書中に記載した本発明の特定の実施態様の同値を認識する、又はただのルーチン実験を用いて確定できるであろう。前記同値は、次の請求項により含まれることを意図する。
(図面の簡単な説明)
本発明は、制限されない実施例を参照、及び下図を参照して、さらに記載する。
図1は、膀胱組織における、ビタミン D 受容体(VDRs)の免疫組織化学的検出を示す。 図2は、膀胱細胞増殖における、カルシトリオールの効果を示す。“hB”=ヒト膀胱;“T” =テストステロン;“C” =コントロールである。 図3は、テストステロン-刺激膀胱細胞増殖における、ビタミン D 化合物の効果を示す。“hB”=ヒト膀胱である。 図4は、刺激的、及び基礎的膀胱細胞増殖における、異なる化合物の効果を示す。“T 10 nM” =テストステロン; “F 1nM” =フィナステリド; “Cyp 100 nM”=酢酸シプロテロンである。 図5〜7は、基礎的、及び刺激的hBC増殖、及びアポトーシスにおける、化合物Aの効果を示す。 図8〜11は、hBCのデスミン遺伝子、及びタンパク質発現における、化合物Aの効果を示す。 図12〜15は、hBCのビメンチン遺伝子、及びタンパク質発現における、化合物Aの効果を示す。 図16は、膀胱重量における、ビタミン D 化合物の効果を示す。 図17は、自発性非排尿収縮頻度における、ビタミン D 化合物の効果を示す。 図18は、自発性非排尿収縮の大きさにおける、ビタミン D 化合物の効果を示す。 図19は、排尿圧における、ビタミン D 化合物の効果を示す。 図20は、残尿における、ビタミン D 化合物の効果を示す。 図21は、EFS(電界刺激)に対する膀胱片の膀胱収縮応答における、ビタミン D 化合物の効果を示す。 図22は、ビタミン D3類似体“化合物C”で処置したラット、及びコントロールラット(賦形剤処置)において記録した膀胱内圧パラメーターの比較を示す。 図23は、ラットの慢性ICを誘発した、シクロホスファアミド (CYP)のインビボモデルの膀胱容量を測定した結果を示す(コントロール v 化合物A)。 図24は、ラットの慢性ICを誘発した、インビボモデル-シクロホスファアミド (CYP)の非排尿膀胱収縮数を測定した結果を示す(コントロール v 化合物A)。

Claims (22)

  1. 膀胱機能障害の予防、又は治療における、ビタミン D 化合物の使用。
  2. 膀胱機能障害の予防、又は治療方法であって、それが必要な患者に、有効量のビタミン D 化合物を投与し、それによって、前記患者の膀胱機能障害を予防、又は治療する、前記方法。
  3. さらに、該ビタミン D 化合物を得る段階、又は合成する段階を含む、請求項2記載の方法。
  4. 該ビタミン D 化合物が、医薬として許容し得る希釈剤、又はキャリアとともに、医薬組成物に調剤されている、請求項3記載の方法。
  5. 膀胱機能障害の予防又は治療用の薬剤製造における、ビタミン D 化合物の使用。
  6. 膀胱機能障害の予防、又は治療において使用される、ビタミン D 化合物。
  7. ビタミン D 化合物とともに、膀胱機能障害の予防、又は治療が必要な患者に、該ビタミン D 化合物を投与し、それによって前記患者の膀胱機能障害を予防、又は治療するための説明書とを含む、キット。
  8. 該ビタミン D 化合物が、医薬として許容し得る希釈剤、又はキャリアとともに、医薬組成物に調剤されている、請求項7記載のキット。
  9. 前記ビタミン D 化合物が、ビタミン D 受容体アゴニストである、請求項1〜8記載のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  10. 前記ビタミン D 受容体アゴニストが、ビタミン D3、又はその類似体である、請求項9記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  11. 前記膀胱機能障害が、膀胱肥大の存在により特徴付けられる、請求項1〜10のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  12. 前記膀胱機能障害が、過活動膀胱である、請求項1〜11のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  13. 雄の膀胱機能障害の予防、又は治療における、請求項1〜12のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  14. 同時にBPHに苦しんでいる、雄の膀胱機能障害の予防、又は治療における、請求項13項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  15. 雌の膀胱機能障害の予防、又は治療における、請求項1〜12のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  16. 該患者が、ヒトである、請求項13〜15のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  17. 前記ビタミン D 化合物が、下記式の化合物である、請求項1〜16のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット:
    Figure 2007506780
    (式中、
    Xは、H2, 又はCH2であり、
    R1は、水素原子, ヒドロキシ, 又はフルオロであり、
    R2は、水素原子, 又はメチルであり、
    R3は、水素原子, 又はメチルであり、R2, 又はR3がメチルである場合、R3, 又はR2は、水素原子でなければならず、
    R4は、メチル, エチル, 又はトリフルオロメチルであり、
    R5は、メチル, エチル, 又はトリフルオロメチルであり、
    Aは、単結合、又は二重結合であり、
    Bは、単結合, E-二重結合, Z-二重結合, 又は三重結合である。)。
  18. R4, 及びR5の各々が、メチル, 又はエチルである、請求項17記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  19. 前記化合物が、下記式を有する、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールである、請求項18記載の使用、方法、化合物、又はキット:
    Figure 2007506780
  20. 前記化合物が、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロールである、請求項1〜16のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
  21. 前記ビタミン D 化合物が、下記式を有する、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールである、請求項1〜16のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット:
    Figure 2007506780
  22. 前記ビタミン D 化合物が、カルシトリオールである、請求項1〜16のいずれか1項記載の使用、方法、化合物、又はキット。
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