JP2007525533A - 間質性膀胱炎の治療方法、並びに関連化合物及び組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、間質性膀胱炎の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物が提供される。有効量のビタミンD化合物を投与することによる間質性膀胱炎を予防且つ/又は治療するための方法も提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、間質性膀胱炎の予防及び/又は治療用の医薬品製造のための、ビタミンD化合物の使用に関する。さらに、このような疾患を予防且つ/又は治療するのに有効な量のビタミンD化合物を単独で又は別の作用物質と組み合わせて投与することによって、間質性膀胱炎を予防且つ/又は治療する方法に関する。
本明細書では「IC」と呼ぶ間質性膀胱炎は、慢性炎症性膀胱疾患であり、骨盤痛、尿意切迫及び頻数を特徴とする慢性骨盤痛症候群(CPPS)又は有痛性膀胱症候群(PBS)としても知られている。男性もICと診断されるが、この疾患は、主に女性に影響を及ぼす。他の膀胱機能不全病態と異なり、ICは、総体症状の原因となる膀胱壁の慢性炎症を特徴としている。言い換えれば、異常な膀胱収縮及び慢性骨盤痛の原因は、慢性炎症であり、結果として、治療はこの病因学的要素を標的とすべきである。実際には、過活動膀胱のような膀胱機能不全の、平滑筋弛緩剤を用いた伝統的な治療は、ICの患者に有効ではない。
現在では、多数の療法がこの疾患に対して用いられている。これは、この疾患が本当に有効な治療のない病態であることを反映している。例えば、膀胱内ジメチルスルホキシド(DMSO)は、広範な臨床試験の主題である。しかし、作用機序は、まだ不明である。臨床結果は、完全には満足のいくものではなく、投与経路(膀胱内)は、ICでしばしば必要とされる長期治療に理想的でない。
既存の療法には、粘膜関門保護の概念、例えばヘパリン類似体のペントサン多硫酸ナトリウム(PPS)の使用に基づいているものもある。やはり、結果は期待外れであり、長期的には、患者の20%未満しか、PPSの経口投与による有益な効果を示さない。
他の手法には、抗ヒスタミン剤、フラボノイド類、及び肥満細胞によって媒介される炎症誘発剤の作用を低減することができる他の作用物質の使用が含まれる。このような手法は、複数の研究において、一貫性がなく下限に近い有効性を示す。別の手法である膀胱内BCG(カルメットゲラン桿菌(Bacille Calmette Guerin))の使用も、DMSOに対する比較クロスオーバー試験において、症状改善を示さなかった。
結果として、疾患の原因に関与する様々な免疫因子のすべてを標的とする新規な薬理学的手法を特定することが明らかに求められている。
本明細書に記載するように、今回、驚くべきことに、ビタミンD類似体は間質性膀胱炎を治療且つ予防することができることが判明した。
高等動物の生物系におけるビタミンD(コレカルシフェロール)の重要性は、1920年Mellanbyのその発見(Mellanby, E. (1921) Spec. Rep. Ser. Med. Res. Council (GB) SRS 61:4)以降認められている。1920年〜1930年の間に、ビタミンDは、骨格の正常な発達、並びにカルシウム及びリンのホメオスタシスの維持に不可欠である「ビタミン」として公式に分類されることになった。
ビタミンDの代謝に関係する研究は、血漿代謝産物である25−ヒドロキシビタミンD[25(OH)D](Blunt, J.W.ら、(1968) Biochemistry 6:3317-3322)及びホルモン活性型である1−α,25(OH)(Myrtle, J.F.ら、(1970) J. Biol. Chem. 245:1190-1196; Norman, A.W.ら、(1971) Science 173:51-54; Lawson, D.E.M.ら、(1971) Nature 230:228-230; Holick, M.F. (1971) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 68:803-804)の発見及び化学的キャラクタリゼーションから開始された。ビタミンD内分泌系の概念の製剤は、慎重に調節された方式で1−α,25(OH)を生成する際の腎臓の重要な役割の理解(Fraser, D.R.及びKodicek, E (1970) Nature 288:764-766; Wong, R.G.ら、(1972) J. Clin. Invest. 51:1287-1291)と、腸における1−α,25(OH)の核内受容体(VD3R)の発見(Haussler, M.R.ら、(1969) Exp. Cell Res. 58:234-242;Tsai, H.C.及びNorman, A.W. (1972) J. Biol. Chem. 248:5967-5975)とに依存するものであった。
ビタミンD内分泌系の作動は、下記に依存する:第1に、ビタミンDの1−α,25(OH)や24R,25(OH)などの生物活性代謝産物への変換をもたらすシトクロムP450酵素が、肝臓(Bergman, T.及びPostlind, H. (1991) Biochem. J. 276:427-432; Ohyama, Y及びOkuda, K. (1991) J. Biol. Chem. 266:8690-8695)、及び腎臓(Henry, H.L.及びNorman, A.W. (1974) J. Biol. Chem. 249:7529-7535; Gray, R.W.及びGhazarian, J.G. (1989) Biochem. J. 259:561-568)、及び様々な他の組織に存在していること;第2に、ビタミンD内分泌系の様々な組織構成要素へのこれらの疎水性分子の選択的輸送及び送達をもたらすプラズマビタミンD結合タンパク質(DBP)が存在していること(Van Baelen, H.ら、(1988) Ann NY Acad. Sci. 538:60-68; Cooke, N.E.及びHaddad, J.G. (1989) Endocr. Rev. 10:294-307; Bikle, D.D.ら、(1986) J. Clin. Endocrinol. Metab. 63:954-959);第3に、アゴニストである1−α,25(OH)と相互に作用して、このセコステロイドホルモンに不可欠な特異的生体応答を生じる立体選択的受容体が広範囲の標的組織に存在していること(Pike, J.W. (1991) Annu. Rev. Nutr. 11:189-216)。現在のところ、1−α,25(OH)(VD3R)についての核内受容体は、正常な膀胱を含めて30を超える組織及び癌細胞系(Reichel, H.及びNorman, A.W. (1989) Annu. Rev. Med. 40:71-78)に存在しているという証拠がある。
ビタミンD及びそのホルモン活性型は、カルシウム及びリンのホメオスタシスの周知のレギュレータである。これらの化合物は、カルシウム及びホスフェートの腸管吸収、骨ミネラルの動員、及び腎臓におけるカルシウムの保持の少なくとも1つを刺激することで知られている。さらに、特異的ビタミンD受容体が30を超える組織において存在しているという発見により、ビタミンDが、カルシウム/骨のホメオスタシスにおけるその古典的役割の範囲を超えて、多能性レギュレータとして同定された。1−α,25(OH)についてパラクリンとしての役割は、ビタミンDをその活性型、例えば25−OHD−1−α−ヒドロキシラーゼに酸化することができる酵素と特異的受容体とが組み合わされて、骨、ケラチノサイト、胎盤、及び免疫細胞などいくつかの組織に存在していることによって示唆されている。さらに、ビタミンDホルモン及び活性代謝物は、正常と悪性の両細胞の細胞増殖及び分化を調節することができることが判明している(Reichel, H.ら、(1989) Ann. Rev. Med. 40: 71-78)。
ビタミンD及びその代謝産物の活性を考慮して、これらの化合物の合成類似体を開発することに多大な注目が集中している。多数のこれらの類似体は、A環、B環、C/D環、主に側鎖における構造改変を含む(Bouillon, R.ら、(1995) Endocrine Reviews 16(2):201-204)。現在までに開発されたビタミンD類似体の大部分は側鎖における構造改変を含むものであるが、いくつかの研究により、A環のジアステレオマーの生物学的プロフィールが報告されている(Norman, A.W.ら、(1993) J. Biol. Chem. 268 (27): 20022-20030)。さらに、ステロイドの生物学的エステル化が研究され(Hochberg, R.B., (1998) Endocr Rev. 19(3): 331-348)、ビタミンDのエステルが知られている(WO97/11053)。
さらに、合成類似体を開発する際の多大な努力にもかかわらず、ビタミンD及びその構造類似体の臨床適用は、ビタミンD化合物の公知の適応/適用のため対象者に投与した後これらの化合物によって誘発される望ましくない副作用によって制限されてきた。
ビタミンDの活性化型であるビタミンD、及びその類似体のいくつかは、細胞増殖及び分化の強力なレギュレータとして記述されている。ビタミンD及び類似体(類似体V)が、BPH細胞増殖を阻害し、ケラチノサイト増殖因子(KGF)やインスリン様増殖因子(IGF1)など、BPH細胞の強力な増殖因子のマイトジェン活性に対抗することは、すでに判明している。さらに、類似体は、bcl-2タンパク質発現、細胞内カルシウム動員、及び非刺激細胞とKGFによって刺激されたBPH細胞とにおけるアポトーシスを誘導した。
したがって、本発明は、ビタミンD化合物、及びこのような化合物を使用する間質性膀胱炎の予防又は治療のための新規な治療方法を提供する。
本発明のさらなる説明の前に、本発明を容易に理解されるように、いくつかの用語を定義し、便宜上ここに集める。
「間質性膀胱炎」(IC)は、様々な程度の尿意切迫、頻数及び膀胱痛を特徴とする膀胱の慢性炎症性障害を意味する。本明細書に記載するように、本発明者は、ビタミンD類似体は、IC患者に見られる疼痛、切迫及び頻数の症状に寄与するICの炎症性要素と結果として生じるICを特徴付ける膀胱過活動との両方の治療に適用されることを明らかにした。主な症状である疼痛を最小の頻数及び切迫と共に経験する恐れのあるIC患者もいれば、頻数及び切迫の症状しか呈しないかもしれない患者もいる。IC患者は、夜尿症という追加の症状を経験するかもしれないし、又はしないかもしれない。疼痛は、ICの最も重量な特徴的症状であると現在見なされているが、夜尿症は、ICの診断に不可欠であるとは見なされていない。正常な頻数であるものの、疼痛及び切迫を伴う患者も、ICである恐れがあるとも考えられている。これは、IC患者が、広範囲の症候の組合せを呈する恐れがあることを示唆している。細菌感染の非存在下で、疼痛を伴う若しくは伴わない排尿不快感、恥骨上部の圧迫若しくは重感、又は排尿時灼熱感を呈するすべての患者においては、ICを疑うべきである。ICは、現在では臨床的特徴を基準として診断されている。推奨試験には、尿検査、尿培養、細胞診断、尿力学的検査、及び膀胱拡張を伴う麻酔下膀胱鏡検査が含まれる。
「投与」又は「投与すること」という用語は、ビタミンD化合物を対象者に導入して、その意図された機能を果たす経路を包含する。使用することができる投与経路の例には、注射(皮下、静脈内、非経口的、腹腔内、経口、吸入、直腸、経皮、又は膀胱内点滴注入経由が含まれる。医薬製剤は、言うまでもなく、各投与経路に適した形によって与えられている。例えば、これらの製剤を、錠剤又はカプセル剤の形、注射、注入、吸入、ローション、軟膏、坐剤などで投与する。経口投与が好ましい。注射は、ボーラスでもよく、又は連続注輸でもよい。投与経路に応じて、ビタミンD化合物に選択された材料を被覆又は被着させて、その意図された機能を果たすその能力に悪影響をもたらす恐れがある自然の条件からそれを保護することができる。ビタミンD化合物は、単独で、或いは上記に記載するような別の作用物質、例えば平滑筋弛緩剤(α遮断剤や抗ムスカリン様作用薬など)若しくは医薬として許容できる担体、又は両方と共に投与することができる。ビタミンD化合物は、他の作用物質の投与の前に、作用物質と同時に、又は作用物質の投与の後に投与することができる。さらに、ビタミンD化合物は、その活性代謝物、又はより活性な代謝物にin vivoで変換されるプロ型で投与することもできる。
「有効量」という用語は、所望の結果を実現するのに必要な投与量及び期間において有効な量、即ち間質性膀胱炎を治療するのに十分な量を包含する。ビタミンD化合物の有効量は、対象者の病態、年齢、及び体重、並びに対象者において所望の応答を誘発するビタミンD化合物の能力などの要因によって変わり得る。用法は、最適の治療応答を提供するように調整することができる。有効量とは、ビタミンD化合物の毒性の又は有害な効果(例えば、副作用)を治療上有益な効果が上回るものでもある。
ビタミンD化合物の治療上有効量(即ち、有効投与量)は、約0.001〜30ug/体重1kg、好ましくは約0.01〜25ug/体重1kg、より好ましくは約0.1〜20ug/体重1kg、さらにより好ましくは約1〜10ug/体重1kg、2〜9ug/体重1kg、3〜8ug/体重1kg、4〜7ug/体重1kg、又は5〜6ug/体重1kgの範囲とすることができる。疾患又は障害の重症度、前処置、対象者の全体の健康及び/又は年齢、並びに他の疾患の存在を含めてこれらに限定されないいくつかの要因が、対象者を効果的に治療するのに必要とされる投与量に影響を及ぼす恐れがあることを当業者なら理解するであろう。さらに、投与する用量は使用する特定のビタミンD化合物にも依存し、各化合物の有効量は、当技術分野で知られている滴定方法によって決定することができる。さらに、治療上有効量のビタミンD化合物を用いた対象者の治療は、単独治療を含むことができ、又は好ましくは一連の治療を含むことができる。一例では、約0.1〜20ug/体重1kgの範囲のビタミンD化合物で、1日1回、症状の管理及び病態の進展に応じて6カ月以上の期間、例えば一生、対象者を治療する。また、他の慢性治療と同様に、「オン−オフ」又は間欠的な治療計画を考慮することができる。治療に使用するビタミンD化合物の有効投与量を、特定の治療の過程にわたって増量又は減量できることも理解されよう。
「アルキル」という用語は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含めて飽和脂肪族基の基を指す。アルキルという用語は、炭化水素主鎖の1つ以上の炭素に置換している酸素、窒素、硫黄、又はリン原子、例えば、酸素、窒素、硫黄、又はリン原子をさらに含むことができるアルキル基をさらに包含する。好ましい実施態様では、直鎖又は分枝鎖のアルキルは、その主鎖に30個以下(例えば、直鎖ではC〜C30、分枝鎖ではC〜C30)、好ましくは26個以下、より好ましくは20個以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、その環構造に3〜10個の炭素原子を有し、より好ましくは環構造に3、4、5、6、又は7個の炭素を有する。
さらに、明細書及び特許請求の範囲を通して使用されるアルキルという用語は、「非置換アルキル」と「置換アルキル」を共に包含するように意図され、後者は、炭化水素主鎖の1つ以上の炭素上の水素に置換している置換基を有するアルキル部分を指す。このような置換基には、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分が含まれ得る。適切な場合には、炭化水素鎖上の置換部分がそれ自体置換され得ることを当業者なら理解するであろう。シクロアルキルを、例えば上記に記載する置換基でさらに置換することができる。「アルキルアリール」部分は、アリール(例えば、フェニルメチル(ベンジル))で置換されたアルキルである。「アルキル」という用語は、長さ及び上記に記載するアルキルへの考えられる置換は類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重又は三重結合を含む不飽和脂肪族基も包含する。
炭素数に別段の指定のない限り、本明細書では「低級アルキル」は、上記に定義されるが、その主鎖構造において1〜10個の炭素、より好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有し、直鎖でも、分枝鎖でもよいアルキル基を意味する。低級アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、tert−ブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどが含まれる。低級アルキルの他の例には、sec−ブチル、n−ブチル、及びペンチルが含まれる。好ましい実施態様では、「低級アルキル」という用語は、その主鎖に4個以下の炭素原子を有する直鎖アルキル、例えばC〜Cアルキルを包含する。
したがって、アルキルの特有の例には、C1〜6アルキル又はC1〜4アルキル(メチルやエチルなど)が含まれる。ヒドロキシアルキルの特有の例には、C1〜6ヒドロキシアルキル又はC1〜4ヒドロアルキル(ヒドロキシメチルなど)が含まれる。
「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」、及び「チオアルコキシアルキル」という用語は、炭化水素主鎖の1つ以上の炭素に置換している酸素、窒素、又は硫黄原子、例えば酸素、窒素、又は硫黄原子をさらに含む、上記に記載するアルキル基を指す。
本明細書では「アリール」という用語は、0〜4個のヘテロ原子を含んでもよい5員及び6員の単環芳香族基を含めてアリール基の基、例えばベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、及びピリミジンなどを指す。アリール基には、ナフチル、キノリル、インドリルなどの多環縮合芳香族基も含まれる。環構造にヘテロ原子を有するそれらのアリール基は、「アリールヘテロ環」、「ヘテロアリール」、又は「ヘテロ芳香族」とも呼ばれることがある。芳香族環を、1つ以上の環位置において、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分のような上記に記載する置換基で置換することができる。アリール基は、多環(例えば、テトラリン)を形成するように、脂環式環又は芳香族ではないヘテロ環式環と縮合又は架橋させることもできる。
「アルケニル」及び「アルキニル」という用語は、長さ及び上記に記載するアルキルへの考えられる置換は類似しているが、それぞれ少なくとも1つの二重又は三重結合を含む不飽和脂肪族基を指す。例えば、本発明は、シアノ及びプロパルギル基を考慮している。
「キラル」という用語は、鏡像相手が重なることができないという特性を有する分子を指し、「アキラル」という用語は、その鏡像相手上に重ねることができる分子を指す。
「ジアステレオマー」という用語は、2つ以上の不斉中心を有し、その分子は相互に鏡像でない立体異性体を指す。
「エナンチオマー」という用語は、相互に重ねることができない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。2つのエナンチオマーの等モル混合物は、「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」と呼ばれる。
本明細書では「ハロゲン」という用語は、−F、−Cl、−Br、又は−Iを表し;「スルフヒドリル」又は「チオール」という用語は、−SHを意味し;「ヒドロキシル」という用語は、−OHを意味する。
「ハロアルキル」という用語は、ハロゲンで一置換、二置換、又は多置換されている上記に定義するようなアルキル基、例えばフロオロメチルやトリフルオロメチルなどのC1〜6ハロアルキル又はC1〜4ハロアルキルを包含するように意図されている。
本明細書では「ヘテロ原子」という用語は、炭素又は水素以外の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、硫黄、及びリンである。
「ポリシクリル」又は「多環式基」という用語は、2つ以上の炭素が2つの隣接する環に共通している、例えば環が「縮合環」である2つ以上の環式環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、及び/又はヘテロシクリル)の基を指す。非近接の原子を介して接合している環を「架橋」環という。多環の環はそれぞれ、例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナート、ホスフィナート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル、及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、スルホナート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、又は芳香族若しくはヘテロ芳香族部分のような上記に記載する置換基で置換することができる。
「異性体」又は「立体異性体」という用語は、同一の化学的組成を有するが、空間における原子又は基の配置に関して異なる化合物を指す。
「単離された」又は「実質的に精製された」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、非天然状態のビタミンD化合物を指す。化合物は、天然生成の場合には、細胞材料若しくは培地を、又は化学合成の場合には、化学的前駆体若しくは他の化学物質を実質的に含まない。いくつかの好ましい実施態様では、「単離された」又は「実質的に精製された」という用語は、キラル化合物のエナンチオマーの一方が実質的にない調製物;即ち、分子のエナンチオマー富化調製物又は非ラセミ調製物も指す。同様に、「単離されたエピマー」又は「単離されたジアステレオマー」という用語は、他の立体化学型を実質的に含まないキラル化合物の調製物を指す。例えば、単離された又は実質的に精製されたビタミンD化合物には、A環の3位のキラル炭素に結合している置換基を有する立体異性体についてα型立体配置に富化した、即ちβ型立体配置を有する他の異性体が実質的にない合成又は天然のビタミンD調製物が含まれる。別段の指定のない限り、このような用語は、α型とβ型の重量比が1:1より大きいビタミンD組成物を指す。例えば、エピマーの単離された調製物は、β型立体異性体に対して、50重量%超、より好ましくは少なくとも75重量%、さらにより好ましくは少なくとも85重量%のα型エピマーを有する調製物を意味する。言うまでもなく、富化は、85%をはるかに上回ることができ、「実質的にエピマー富化された」調製物、即ちβ型立体異性体に対して、90%超、さらにより好ましくは95%超のα型エピマーを有する化合物の調製物を提供する。「β型立体異性体を実質的に含まない」という用語は、同様な純度範囲を有すると理解されよう。
本明細書では、「ビタミンD化合物」という用語は、間質性膀胱炎を治療又は予防することができるビタミンDの類似体である化合物を包含する。一般に、ビタミンD受容体(VDRリガンド)に対するリガンドであり、且つ間質性膀胱炎を治療又は予防することができる化合物は、本発明の範囲内であると見なされる。ビタミンD化合物は、好ましくはビタミンD受容体のアゴニストである。したがって、ビタミンD化合物には、セコステロイドが含まれるように意図されている。本発明の方法での使用に適した特有のビタミンD化合物の例を、さらに本明細書に記載する。ビタミンD化合物には、ビタミンD化合物、ビタミンD化合物、それらの異性体、又はそれらの誘導体/類似体が含まれる。好ましいビタミンD化合物は、ビタミンD受容体のリガンドである(より好ましくは、アゴニストである)ビタミンD化合物である。好ましくは、ビタミンD化合物(例えば、ビタミンD化合物)は、天然リガンド(即ち、ビタミンD、例えばビタミンD)より強力な、ビタミンD受容体のアゴニストである。ビタミンD1化合物、ビタミンD2化合物、及びビタミンD3化合物にはそれぞれ、ビタミンD1、D2、D3、及びそれらの類似体が含まれる。いくつかの実施態様では、ビタミンD化合物は、セコステロイドなどのステロイド、例えばカルシオール、カルシジオール、又はカルシトリオールとすることができる。本発明によるビタミンD化合物の非限定的例には、US6,017,908、6,100,294、6,030,962、5,428029及び6,121,312、WO98/51633、WO01/40177A3に記載されているものが含まれる。
「セコステロイド」という用語は、当技術分野で認識されており、ステロイド環構造のシクロペンタノペルヒドロ−フェナントレン環の1つが開裂している化合物を包含する。例えば、1−α,25(OH)及びその類似体は、ホルモン活性セコステロイドである。ビタミンDの場合は、B環の9−10炭素−炭素結合が開裂し、セコ−B−ステロイドが生じる。ビタミンDについて公式のIUPAC名は、9,10−セココレスタ−5,7,10(19)−トリエン−3B−オールである。便宜上、本明細書では、1α,25(OH)の6−s−トランス配座異性体は、標準的ステロイド表示法を使用してすべての炭素原子を番号付けして例示する。
Figure 2007525533
本明細書に提示する式では、A環上の様々な置換基は、これらの記号:β配位(即ち、環の平面の上)である置換基を示す点線(−−−−)、α配位(即ち、分子の平面の下)である置換基を示す楔形実線(▲)、又は置換基が環の平面の上でも、下でもよいことを示す波線
Figure 2007525533
の1つによってステロイド核に接合して例示する。A環に関して、ビタミンD分野の立体化学の慣例は、点線がα配位(即ち、分子の平面の下)であるA環の置換基を示し、楔形実線がβ配位(即ち、環の平面の上)であるA環の置換基を示す一般化学分野とは反対であると理解されたい。
さらに、炭素−炭素二重結合と交差する立体化学の表示も、「Z」が「シス」(同じ側)配位と呼ばれることが多いものを指し、「E」が「トランス」(反対側)配位と呼ばれることが多いものを指すという点で一般化学分野とは反対である。ともかく、本発明に使用するための化合物では、シス/トランス及び/又はZ/Eの両立体配置を考える。
表示するように、ホルモン1−α,25(OH)のA環は、炭素1及び3に2つの不斉中心を含み、それぞれ特徴がはっきりとした立体配置のヒドロキシル基、即ち1−α−及び3−β−ヒドロキシル基を含む。言い換えれば、A環の炭素1及び3は、「キラル炭素」又は「炭素中心」であると言われる。
キラル中心の命名に関して、「d」及び「l」立体配置の用語は、IUPAC推奨による定義の通りである。用語の使用に関して、ジアステレオマー、ラセミ体、エピマー、及びエナンチオマーは、調製物の立体化学を記述するその通常の文脈の中で使用する。
また、本特許文献全体を通して、ビタミンD化合物のA環を下記の構造のいずれか1つである一般式で示すことが多い:
Figure 2007525533
(式中、X及びXは、H又は=CHと定義する);又は
Figure 2007525533
(式中、X及びXは、H又はCHと定義する)。
規定の慣例はないようであるが、式(A)又は(B)が、下記の通り、例えばXが=CHであり、且つXをHと定義するA環:
Figure 2007525533
を表すことを当業者は理解していることが明らかである。本発明では、すべての一般構造で式(B)を使用する。
したがって、一態様では、本発明は、間質性膀胱炎の予防又は治療におけるビタミンD化合物の使用を提供する。有効量のビタミンD化合物を投与することによって間質性膀胱炎の患者を治療する方法も提供する。さらに、間質性膀胱炎の予防又は治療用の医薬品の製造におけるビタミンD化合物の使用を提供する。さらに、間質性膀胱炎の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物を提供する。ビタミンD化合物を、間質性膀胱炎の治療及び/又は予防を必要とする患者に前記化合物を投与して、それによって前記患者における間質性膀胱炎を治療且つ/又は予防することを指示する説明書と共に含むキットも提供する。間質性膀胱炎は、例えば膀胱機能不全及び膀胱炎症の症状の存在を特徴とすることができる。
本発明の方法及び使用は、本発明の一実施態様では、女性を治療する際の方法及び使用とすることができる。別の実施態様では、これらは、男性を治療する際の方法及び使用である。
本発明の一実施態様では、ビタミンD化合物は、式(I)の化合物である:
Figure 2007525533
(式中:
Xは、ヒドロキシル又はフルオロであり;
Yは、H又はCHであり;
及びZは、H又は式(II)で表される置換基であり、但し、Z及びZは異なる(好ましくは、Z及びZは共には式(II)を表さない)ことを条件とする:
Figure 2007525533
(式中:Zは、上記の式(I)を表し;
Aは、単結合又は二重結合であり;
、R、及びZはそれぞれ独立に、水素、アルキル、又は式(III)で表される飽和若しくは不飽和の炭素鎖であり、但し、R、R、及びZの少なくとも1つは、式(III)で表される飽和又は不飽和の炭素鎖であり、且つ、R、R、及びZのすべてが、式(III)で表される飽和又は不飽和の炭素鎖ではないことを条件とする:
Figure 2007525533
(式中:Zは、上記の式(II)を表し;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;且つ
は、単結合又は二重結合であり;且つ
及びRはそれぞれ独立に、水素、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルであり;且つ
は、H又は酸素である)))。Rは、水素を表すこともあり、又は存在しないこともある。
したがって、上記の式(III)の構造では(及び、下記の対応する構造では)、Aが三重結合を表す場合、Rは存在しない。Aが二重結合を表す場合、Rは水素を表す。Aが単結合を表す場合、Rは、カルボニル基又は2つの水素原子を表す。
本発明の別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(IV)の化合物である:
Figure 2007525533
(式中:X及びXは、H又はCHであり、ここで、X及びXは同時にCHではなく;
Aは、単結合又は二重結合であり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
は、単結合又は二重結合であり;
及びRは、水素、C〜Cアルキル、又は4−ヒドロキシ−4−メチルペンチルであり、ここで、R及びRは共には水素でなく;
は、H又は酸素であり、Rは、水素を表すこともあり、又は存在しないこともあり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルであり;且つ
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルである)。
本発明のさらに別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(V)の化合物である:
Figure 2007525533
(式中:
及びXは、H又はCHであり、ここで、X及びXは同時にCHではなく;
Aは、単結合又は二重結合であり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
は、単結合又は二重結合であり;
及びRは、水素、C〜Cアルキルであり、ここで、R及びRは共には水素でなく;
は、H又は酸素であり、Rは、水素を表すこともあり、又は存在しないこともあり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルであり;且つ
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキルハロアルキル、例えば又はフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルである)。
上記の式(V)の構造の一例は、1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−インコレカルシフェロールである。
さらに別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(VI)の「ジェミナル」化合物である:
Figure 2007525533
(式中:
は、H又はCHであり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルであり;
は、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルであり;
且つC20の立体配置は、R又はSである)。
このタイプの化合物は、C20に2つのアルキル鎖が存在するため、「ジェミナル」又は「ジェミニ」ビタミンD化合物と呼ばれることがある。
式(VI)のジェミナル化合物の一例は、以下「化合物I」と呼ばれる1,25−ジヒドロキシ−21−(3−ヒドロキシ−3−メチルブチル)−19−ノル−コレカルシフェロールである:
Figure 2007525533
化合物Iの合成は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれるWO98/49138及びUS6,030,962に記載されている。
別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(VII)の化合物である:
Figure 2007525533
(式中:Aは、単結合又は二重結合であり;
及びRはそれぞれ独立に、水素、アルキル(例えば、メチル)であり;
及びRはそれぞれ独立に、アルキルであり、且つ
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである)。
別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(VIII)を有する化合物である:
Figure 2007525533
(式中:R及びRはそれぞれ独立に、水素、又はアルキル、例えばメチルであり;
は、アルキル、例えばメチルであり、
は、アルキル、例えばメチルであり;且つ
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである)。
本発明の特有の実施態様では、ビタミンD化合物は、下記からなる群から選択される:
Figure 2007525533
本発明の他の特有の実施態様では、ビタミンD化合物は、下記からなる群から選択される:
Figure 2007525533
本発明の別の特有の実施態様では、ビタミンD化合物は、下記からなるジェミナル化合物の群から選択される:
Figure 2007525533
本発明のさらに別の特有の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(IX)のジェミナル化合物:
Figure 2007525533
(式中:
は、H又はCHであり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
、R、R、及びRはそれぞれ独立に、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルであり;
Zは−OHであり、Zは=O、−NH、又は−SHでもよく;且つ
20の立体配置は、R又はSである)、
並びに医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグである。
別の実施態様では、XはCHである。別の実施態様では、Aは単結合である。別の場合、R、R、R、及びRはそれぞれ独立に、メチル又はエチルである。別の実施態様では、Zは−OHである。別の場合、XはCHであり;Aは単結合であり;R、R、R3、及びRはそれぞれ独立に、メチル又はエチルであり;且つZは−OHである。さらに別の実施態様では、R、R、R3、及びRはそれぞれ、メチルである。
本発明の別の実施態様では、ビタミンD化合物は、次式のジェミナル化合物である:
Figure 2007525533
先に記載する化合物2及び3の化学名はそれぞれ、1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20R−コレカルシフェロール、及び1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20S−コレカルシフェロールである。
ジェミナル化合物の追加の実施態様には、本発明による使用のための下記のビタミンD化合物が含まれる:
Figure 2007525533
(1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20S−19−ノル−コレカルシフェロール)、
Figure 2007525533
(1,25−ジヒドロキシ−20S−21−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−24−ケト−19−ノル−コレカルシフェロール)、
Figure 2007525533
(1,25−ジヒドロキシ−20S−21−(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−24−ケト−コレカルシフェロール)、
Figure 2007525533
(1,25−ジヒドロキシ−21−(3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−4−トリフルオロ−ブチニル)−26,27−ヘキサデウテロ−19−ノル−20S−コレカルシフェロール)、
及び
Figure 2007525533
(1,25−ジヒドロキシ−21−(3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−4−トリフルオロ−ブチニル)−26,27−ヘキサデウテロ−20S−コレカルシフェロール)。
本発明の別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(X)の化合物:
Figure 2007525533
(式中:X及びXはそれぞれ独立に、H又は=CHであり、但し、X及びXは双方ともが=CHでなく;
及びRはそれぞれ独立に、ヒドロキシル、OC(O)C〜Cアルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)フルロルアルキルであり;
及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキルヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり、或いはRとRはC20と一緒になって、C〜Cシルコアルキルを形成し;且つ
及びRはそれぞれ独立に、C〜Cアルキルである)
並びに医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグである。
適切には、R及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキルであり、又はRとRはC20と一緒になって、C〜Cシルコアルキルを形成する。
化合物群の一例では、R及びRはそれぞれ独立に、C〜Cアルキルである。
化合物群の別の例では、R及びRはそれぞれ独立に、ハロアルキル、例えばC〜Cフルオロアルキルである。
及びRがC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する場合、一例はシクロプロピルである。
一実施態様では、X及びXはそれぞれHである。別の実施態様では、Rは水素であり、且つRはC〜Cアルキルである。好ましい一実施態様では、Rはメチルである。
別の実施態様では、R及びRはそれぞれ独立に、メチル、エチル、フロオロメチル、又はトリフルオロメチルである。好ましい一実施態様では、R及びRはそれぞれメチルである。
さらに別の実施態様では、R及びRはそれぞれ独立に、ヒドロキシル又はOC(O)C〜Cアルキルである。好ましい一実施態様では、R及びRはそれぞれOC(O)C〜Cアルキルである。別の好ましい実施態様では、R及びRはそれぞれアセチルオキシである。
このような化合物の一例は、下記の構造を有する1,3−O−ジアセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−24−ケト−19−ノル−コレカルシフェロールであり、下記構造を有する:
Figure 2007525533
本発明の別の実施態様では、本発明による使用のためのビタミンD化合物は、2−メチレン−19−ノル−20(S)−1−α,25−ヒドロキシビタミンDである:
Figure 2007525533

この化合物及び関連化合物の合成は、参照によりその全体で本明細書に組み込まれるWO02/05823及びUS5,536,713に記載されている。
本発明の別の実施態様では、ビタミンD化合物は、式(XII)の化合物:
Figure 2007525533
(式中:Aは、単結合又は二重結合であり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
及びXはそれぞれ独立に、H又は=CHであり、但し、X及びXは双方ともには=CHでなく;
及びRはそれぞれ独立に、OC(O)C〜Cアルキル(例えば、OAc)、OC(O)ヒドロキシアルキル、OROC(O)ハロアルキルであり;
3、、及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり、或いはR及びRはC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し;且つ
及びRはそれぞれ独立に、C1〜4アルキル又はハロアルキルであり;且つ
は、H、-COC1〜Cアルキル(例えば、Ac)、−COヒドロキシアルキル、又は−COハロアルキルである);並びに
医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグである。
及びRはC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成する場合、一例はシクロプロピルである。
適切には、R及びRはそれぞれ独立に、ハロアルキルである。Rは、適切にはH又はAcを表すことができる。
一実施態様では、Aは単結合であり、且つAは、単結合、E若しくはZ二重結合、又は三重結合である。別の実施態様では、Aは二重結合であり、且つAは、単結合、E若しくはZ二重結合、又は三重結合である。Aが三重結合である場合、Rは存在しないことを当業者は容易に理解するであろう。
一実施態様では、X及びXはそれぞれHである。別の実施態様では、XはCHであり、且つXはHである。別の実施態様では、Rは水素であり、且つRはC〜Cアルキルである。好ましい一実施態様では、Rはメチルである。
化合物群の別の例では、R及びRは共に、OAcを表す。
化合物例の一組では、R及びRはそれぞれ独立に、C1〜4アルキルである。化合物例の別の一組では、R及びRはそれぞれ独立に、ハロアルキルである。別の実施態様では、R及びRはそれぞれ独立に、メチル、エチル、又はフルオロアルキルである。好ましい一実施態様では、R及びRはそれぞれ、トリフルオロアルキル、例えばトリフルオロメチルである。
適切には、Rは水素を表す。
したがって、いくつかの実施態様では、本発明による使用のためのビタミンD化合物は、式(XII):
Figure 2007525533
(式中:Aは、単結合又は二重結合であり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
及びXはそれぞれ独立に、H又は=CHであり、但し、X及びXは双方ともには=CHでなく;
及びRはそれぞれ独立に、OC(O)C〜Cアルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
3、及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり、或いはR及びRはC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し;
及びRはそれぞれ独立に、ハロアルキルであり;且つ
は、H、C(O)C〜Cアルキル、C(O)ヒドロキシアルキル、又はC(O)ハロアルキルである);並びに
医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグで表される。
本発明の文脈中で特に好ましい上記の式(XII)の化合物の一例は、1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(「化合物A」)である:
Figure 2007525533
別の好ましい実施態様では、化合物は、式(XIII)の1つである(式中、R及びRはそれぞれOAcであり;Aは二重結合であり;Aは三重結合であり;且つRはH又はAcである:
Figure 2007525533
上記に表す式(XII)のいくつかの実施態様では、本発明による使用のためのビタミンD化合物は、式(XIV)で表される:
Figure 2007525533
上記の式(XIV)の化合物の他の例には、下記が含まれる:
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−23−イン−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−コレカルシフェロール;
1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール:
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−25R−26−トリフルオロ−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール;
1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−19−ノル−コレカルシフェロール(「化合物C」);
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−19−ノル−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ビスホモ−19−ノル−コレカルシフェロール;
上記に表す式(XII)のいくつかの他の実施態様では、本発明による使用のためのビタミンD化合物は、式(XV)で表される:
Figure 2007525533
上記の式(XV)の化合物の他の例には、下記が含まれる:
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−19−ノル−コレカルシフェロール:
1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール;
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(「化合物F」);
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール;及び
1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール。
式XVの好ましい化合物は、1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(「化合物E」)である:
Figure 2007525533
別の実施態様では、本発明に使用するためのビタミンD化合物は、式(XVI)の化合物である:
Figure 2007525533
(式中:Xは、H又はCHであり、
は、水素、ヒドロキシ、又はフッ素であり、
は、水素又はメチルであり、
は、水素又はメチルである)。R又はRがメチルである場合、R又はRは水素でなければならない。
は、メチル、エチル、又はトリフルオロメチルであり、
は、メチル、エチル、又はトリフルオロメチルであり、
Aは、単結合又は二重結合であり、
Bは、単結合、E−二重結合、Z−二重結合、又は三重結合である。
好ましい化合物では、R及びRはそれぞれ、メチル又はエチルであり、例えば次式を有する1−α−フルオロ−25−ヒドロキシ−16,23E−ジエン−26,27−ビスホモ−20−エピ−コレカルシフェロール(実施例では「化合物B」と呼ばれる)である:
Figure 2007525533
このような化合物は、参照により内容がその全体で本明細書に組み込まれるUS5,939,408及びEP808833に記載されている。本発明は、化合物Bのエステル及び塩の使用も包含する。エステルには、体内で加水分解して、化合物Bを放出することができる化学変化をしやすい、医薬として許容できるエステルが含まれる。化合物Bの塩には、ナトリウム、カリウム、及びカルシウムイオン、並びに塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩など、アルカリ及びアルカリ土類金属イオン並びに金属イオン塩と形成することができる付加体及び錯体が含まれる。しかし、化合物Bは、医薬として許容できるその塩又はエステルとして投与することができるが、好ましくは、化合物Bをそのままで使用する、即ち、そのエステル又は塩として使用しない。
本発明による使用のための他の好ましいビタミンD化合物には、式(XVII)を有するものが含まれる:
Figure 2007525533
(式中:Bは、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
及びXはそれぞれ独立に、H又はCHであり、但し、X及びXは共にはCHでなく;且つ
及びRはそれぞれ独立に、アルキル又はハロアルキルである)。
式(XVII)の化合物には、下記のものが含まれる:
1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−20−シクロピル−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−20−シクロプロピル−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−20−シクロプロピル−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−20−シクロプロピル−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−20−シクロプロピル−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール:
Figure 2007525533
1,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(「化合物H」):
Figure 2007525533
本発明の他のビタミンD化合物は、1,25−ジヒドロキシ−21(3−ヒドロキシ−3−トリフルオロメチル−4−トリフルオロ−ブチニル)−26,27−ヘキサデューテロ−19−ノル−20S−コレカルシフェロールである。
上記所定の構造を有する化合物の使用は、医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグにまで拡張されている。
特定の重要なビタミンD化合物は、カルシトリオールである。
ビタミンD受容体アゴニストである本発明に有用な他の化合物の例には、パリカルシトール(ZEMPLAR(登録商標))(US5,587,497を参照のこと)、タカルシトール(BONALFA(登録商標))(US4,022,891を参照のこと)、ドキセルカルシフェロール(HECTOROL(登録商標))(Lamら、(1974) Science 186, 1038を参照のこと)、マキサカルシトール(OXAROL(登録商標))(US4,891,364を参照のこと)、カルシポトリオール(DAIVONEX(登録商標))(US4,866,048を参照のこと)、及びファレカルシトリオール(FULSTAN(登録商標))が含まれる。
他の化合物には、エカルシデン、カルシチアゾール、及びチソカルシテートが含まれる。
他の化合物には、アトカルシトール、レキサカルシトール、及びセオカルシトールが含まれる。
考えられる重要な別の化合物は、セカルシフェロール(「OSTEO D」)である。
本発明において使用し得るビタミンD化合物の他の非限定的例には、下記公開された国際出願に記載されたものがある:WO01/40177、WO0010548、WO0061776、WO0064869、WO0064870、WO0066548、WO0104089、WO0116099、WO0130751、WO0140177、WO0151464、WO0156982、WO0162723、WO0174765、WO0174766、WO0179166、WO0190061、WO0192221、WO0196293、WO02066424、WO0212182、WO0214268、WO03004036、WO03027065、WO03055854、WO03088977、WO04037781、WO04067504、WO8000339、WO8500819、WO8505622、WO8602078、WO8604333、WO8700834、WO8910351、WO9009991、WO9009992、WO9010620、WO9100271、WO9100855、WO9109841、WO9112239、WO9112240、WO9115475、WO9203414、WO9309093、WO9319044、WO9401398、WO9407851、WO9407852、WO9408958、WO9410139、WO9414766、WO9502577、WO9503273、WO9512575、WO9527697、WO9616035、WO9616036、WO9622973、WO9711053、WO9720811、WO9737972、WO9746522、WO9818759、WO9824762、WO9828266、WO9841500、WO9841501、WO9849138、WO9851663、WO9851664、WO9851678、WO9903829、WO9912894、WO9915499、WO9918070、WO9943645、WO9952863であり、下記米国特許に記載されているもの:US3856780、US3994878、US4021423、US4026882、US4028349、US4225525、US4613594、US4804502、US4898855、US5039671、US5087619、US5145846、US5247123、US5342833、US5428029、US5451574、US5612328、US5747479、US5804574、US5811414、US5856317、US5872113、US5888994、US5939408、US5962707、US5981780、US6017908、US6030962、US6040461、US6100294、US6121312、US6329538、US6331642、US6392071、US6452028、US6479538、US6492353、US6537981、US6544969、US6559138、US6667298、US6683219、US6696431、US6774251、及び米国特許出願公開に記載されたものがある:US2001007907、US2003083319、US2003125309、US2003130241、US2003171605、US2004167105である。
本発明の化合物のいくつかの構造は不斉炭素原子を含むことが知られている。したがって、別段の指示のない限り、このような非対称から生じる異性体(例えば、すべてのエナンチオマー及びジアステレオマー)は、本発明の範囲内に包含されることを理解されたい。このような異性体は、古典的分離技法及び/又は立体化学的に制御された合成によって実質的に純度の高い形で得ることができる。
天然又は合成の異性体を当技術分野で知られているいくつかの方式で分離することができる。2つのエナンチオマーのラセミ混合物を分離するための方法には、キラル固定相を使用するクロマトグラフィーが含まれる(例えば、「キラル液体クロマトグラフィー(Chiral Liquid Chromatography)」W.J. Lough, Ed. Chapman及びHall, New York (1989)を参照のこと)。エナンチオマーを古典的な分割技法によって分離することもできる。例えば、ジアステレオマー塩の形成及び分別晶出を用いて、エナンチオマーを分離することができる。カルボン酸のエナンチオマーの分離では、ブルシン、キニン、エフェドリン、ストリキニンなど、エナンチオマーとして純度の高いキラル塩基の添加によりジアステレオマー塩を形成することができる。或いは、ジアステレオマーエステルを、メントールなどエナンチオマーとして純度の高いキラルアルコールで形成し、続いてジアステレオマーエステルの分離及び加水分解を行って、遊離のエナンチオマー富化カルボン酸を得ることができる。アミノ化合物の光学異性体の分離では、カンファースルホン酸、酒石酸、マンデル酸、又は乳酸などのキラルカルボン酸又はスルホン酸の添加により、ジアステレオマー塩を形成することができる。
本発明は、有効量の本明細書に記載するようなビタミンD化合物及び医薬として許容できる担体を含む薬剤組成物も提供する。別の実施態様では、有効量は、以前に記載のように間質性膀胱炎を治療するのに有効である。
一実施態様では、医薬として許容できる製剤、例えば、医薬として許容できる製剤を対象者に投与した後、ビタミンD化合物の徐放を対象者に少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間、又は4週間行う医薬として許容できる製剤を使用して、ビタミンD化合物を対象者に投与する。
いくつかの実施態様では、これらの薬剤組成物は、対象者への局所又は経口投与に適している。他の実施態様では、下記に詳細に記載するように、本発明の薬剤組成物を、下記に適合させたものを含めて、固体又は液体の形で投与するために特別に配合することができる:(1)経口投与、例えば水薬(水性又は非水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、ボーラス、散剤、顆粒剤、泥膏;(2)例えば、皮下、筋肉内、又は静脈内注射によって、例えば滅菌溶液又は懸濁液として、非経口投与、(3)例えば、皮膚に塗布されるクリーム、軟膏、又はスプレーとして、局所塗布;(4)例えば、ペッサリー、クリーム、又はフォームとして、腟内又は直腸内投与;或いは(5)例えば、化合物を含有する水性エアゾール、リポソーム製剤、又は固体粒子として、エアゾール。
「医薬として許容できる」という語句は、適切な損益比に相応した、妥当な医学的判断の範囲内で過剰の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なしにヒト及び動物の組織と接触する使用に適した、本発明のそれらのビタミンD化合物、このような化合物を含有する組成物、及び/又は剤形を指す。
「医薬として許容できる担体」という語句は、医薬として許容できる材料、組成物;或いは液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又はカプセル化材料など、ある器官若しくは身体の一部分から別の器官若しくは身体の一部分への、主題の化学物質の運搬又は輸送に関与するビヒクルを包含する。各担体は、製剤の他の材料と相溶であり、患者に有害でないという意味で「許容でき」なければならない。医薬として許容できる担体として働くことができる材料の例としては、(1)乳糖、ブドウ糖、及びショ糖などの糖;(2)コーンスターチや馬鈴薯デンプンなどのデンプン;(3)カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及び酢酸セルロースなどのセルロース及びその誘導体;(4)トラガカント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオ脂や坐剤ワックスなどの賦形剤;(9)落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、及び大豆油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)パイロジェンを含まない水;(17)等張性生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;並びに(21)製剤に使用する他の非毒性相溶性物質が挙げられる。
ラウリル硫酸ナトリウムやステアリン酸マグネシウムなどの湿潤剤、乳化剤、及び滑沢剤、さらに着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、矯味及び芳香剤、防腐剤、並びに酸化防止剤も、組成物中に存在することができる。
医薬として許容できる酸化防止剤の例としては:(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどの水溶性酸化防止剤;(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロールなどの油溶性酸化防止剤;及び(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート化剤が挙げられる。
ビタミンD化合物を含有する組成物には、経口、鼻腔内、局所(口腔内及び舌下を含む)、直腸、腟内、エアゾール及び/又は非経口の投与に適したものが含まれる。組成物は、好都合には単位用量形態で存在することができ、薬剤技術分野でよく知られている方法によって調製することができる。担体材料と組み合わせて、1回分の剤形を生成することができる有効成分の量は、治療される受容者、特定の投与方法に応じて異なる。担体材料と組み合わせて、1回分の剤形を生成することができる有効成分の量は、一般に治療効果を生み出す化合物のその量となる。一般に、100パーセントのうち、この量は、約1パーセント〜約99パーセント、好ましくは約5パーセント〜約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント〜約30パーセントの有効成分である。
これらの組成物を調製する方法は、ビタミンD化合物を担体、及び場合によっては1つ以上の補助材料と関連付けるステップを含む。一般に、製剤は、ビタミンD化合物を液体担体、又は微細化された固体担体、又は両方と均一に且つ密接に関連付け、次いで必要なら、生成物を造形することにより調製する。
経口投与に適した本発明の組成物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ(香味付け基剤、通常はショ糖及びアカシア又はトラガカントを使用する)、散剤、顆粒剤の形で、或いは水性又は非水性の液体中の溶液又は懸濁液として、或いは水中油型又は油中水型の液体乳濁液として、或いはエリキシル剤又はシロップ剤として、或いは香錠(ゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアカシアなどの不活性基剤を使用する)として、且つ/或いは洗口剤などとすることができ、それぞれ、所定量のビタミンD化合物を有効成分として含有する。化合物は、ボーラス、舐剤、又は泥膏として投与することもできる。
経口投与(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒など)用の本発明の固体剤形では、有効成分を、クエン酸ナトリウムや第二リン酸カルシウムなど1つ以上の医薬として許容できる担体、及び/又は下記のいずれかと混合する:(1)デンプン、乳糖、ショ糖、ブドウ糖、マンニトール、及び/又はケイ酸などの充填剤又は延長剤;(2)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及び/又はアカシアなどの結合剤;(3)グリセロールなどの保湿剤;(4)寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のシリケート、及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤;(5)パラフィンなどの溶解遅延剤;(6)第四級アンモニウム化合物などの吸収促進剤;(7)例えば、アセチルアルコールやモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤;(8)カオリンやベントナイトの粘土などの吸収剤;(9)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、充実ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物などの滑沢剤、並びに(10)着色剤。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合は、薬剤組成物は緩衝剤を含むこともできる。同様のタイプの固体組成物は、乳糖や乳糖のような賦形剤、及び高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する軟及び硬ゼラチンカプセル剤中の充填剤として使用することもできる。
錠剤は、場合によっては1つ以上の補助材料を用いて、圧縮又は成形により作製することができる。圧縮錠は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤、又は分散剤を使用して調製することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤させた粉末有効成分の混合物を適切な機械で成形することによって作製することができる。
糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒など、本発明の薬剤組成物の錠剤及び他の固体剤形は、場合によっては割れ目を付けてもよく、又は腸溶コーティングや製剤技術分野で周知の他のコーティングなどコーティング及びシェルを用いて調製してもよい。これらは、有効成分の徐放又は制御放出がそれらの中で行われるように、例えば所望の放出プロファイルを提供する様々な比率のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム、及び/又はマイクロスフェアを使用して配合することもできる。これらは、例えば細菌保持フィルターを通して濾過することによって、或いは使用する直前に無菌の水、又は他の無菌の注射可能な媒体に溶解することができる無菌の固体組成物の形で滅菌剤を組み込むことによって滅菌することができる。これらの組成物は、場合によっては不透明化剤を含有することもでき、これらによって消化管のある部分で有効成分のみ又は優先的に、場合によっては遅延方式で放出されるという組成物からなるものとすることができる。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。有効成分は、適切な場合には上記の賦形剤の1つ以上と共に、マイクロカプセル化した形とすることもできる。
ビタミンD化合物の経口投与用の液体剤形には、医薬として許容できる乳濁液、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、及びエリキシル剤が含まれる。有効成分に加えて、液体剤形は、例えば水、又はエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実、落花生、トウモロコシ、胚芽、オリーブ、ヒマシ、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、及びそれらの混合物など、他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤など、当技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有することができる。
不活性希釈剤に加えて、経口組成物は、湿潤剤、乳化及び懸濁化剤、甘味剤、矯味剤、着色剤、芳香剤、並びに防腐剤などのアジュバントを含むことができる。
懸濁液は、活性ビタミンD化合物に加えて、懸濁化剤を、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、トラガカント、及びそれらの混合物として含有することができる。
直腸又は腟内投与用の本発明の薬剤組成物は、1つ以上のビタミンD化合物を、例えばカカオ脂、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス、又はサリチレートを含む1つ以上の適切な非刺激性賦形剤又は担体と混合することによって調製することができ、室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって直腸又は膣腔で溶融し、有効剤を放出する坐剤として提供することができる。
腟内投与に適した本発明の組成物には、当技術分野で適切であると知られているもののような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、泥膏、フォーム、又はスプレー製剤が含まれる。
ビタミンD化合物の局所又は経皮投与用の剤形には、散剤、スプレー、軟膏、泥膏、クリーム、ローション、ゲル、溶液、貼付剤、及び吸入剤が含まれる。活性ビタミンD化合物を、医薬として許容できる担体、及び必要とされることがある防腐剤、緩衝剤、又は噴射剤と共に無菌条件下で混合することができる。
軟膏、泥膏、クリーム、及びゲルは、本発明のビタミンD化合物に加えて、動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、及び酸化亜鉛、又はその混合物などの賦形剤を含有することができる。
散剤及びスプレーは、ビタミンD化合物に加えて、乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、及びポリアミドの粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレーは、さらにクロロフルオロ炭化水素、及びブタンやプロパンなどの揮発性非置換炭化水素など、常用の噴射剤を含有することができる。
或いは、ビタミンD化合物は、エアゾールによって投与することができる。これは、化合物を含む水性エアゾール、リポソーム製剤、又は固体粒子を調製することによって実施する。非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液を使用することができる。音波噴霧器は、化合物の分解を生じる恐れがあるせん断に作用物質が曝露されるのを最小限に抑えるので好ましい。
通常は、作用物質の水溶液又は懸濁液を、通常の医薬として許容できる担体及び安定剤と共に配合することによって、水性エアゾールを作製する。担体及び安定剤は、特定の化合物の要件によって異なるが、通常は、非イオン性界面活性剤(ツィーン(Tween)、プルロニック(Pluronic)、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩、糖、又は糖アルコールが含まれる。エアゾールを、一般に等張液から調製する。
経皮貼付剤は、ビタミンD化合物の身体への送達の制御を行うという添加の利点を有する。このような剤形は、作用物質を適切な媒体に溶解又は分散することによって作製することができる。吸収促進剤を使用して、皮膚を経由した有効成分の流入を増大させることもできる。このような流入の速度は、速度制御膜を設ける、又は有効成分をポリマーマトリックス又はゲルに分散することによって制御することができる。
非経口投与に適した本発明の薬剤組成物は、1つ以上のビタミンD化合物を、1つ以上の医薬として許容できる無菌の水性又は非水性の等張性溶液、分散液、懸濁液、又は乳濁液、或いは使用直前に無菌の注射可能な溶液又は分散液に再構成することができる無菌の散剤と組み合わせて含み、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、所期のレシピエントの血液と製剤を等張にする溶質、懸濁化剤、又は粘稠化剤を含有してもよい。
本発明の薬剤組成物に使用してもよい適切な水性及び非水性の担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及び適切なそれらの混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング材料の使用、分散液の場合に必要とされる粒径の維持、及び界面活性剤の使用により維持することができる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントを含有することもできる。様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有することにより、微生物の作用を確実に防止することができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含めることが望ましいこともある。さらに、モノステアリン酸アルミニウムやゼラチンなど、吸収を遅延させる作用物質の含有により、注射可能な薬剤形の持続的吸収をもたらすことができる。
場合によっては、薬物の効果を延長させるために、皮下又は筋肉内注射による薬物の吸収を遅くすることが望ましい。これは、不十分な水溶性を有する結晶質又は非晶質の材料の液体懸濁液の使用により実施することができる。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は結晶サイズ及び結晶形に依存することができる。或いは、非経口投与の薬物形の吸収の遅延は、薬物を油性ビヒクルに溶解又は懸濁することによって実施する。
注射可能なデポー形態には、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中、ビタミンD化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成することによって作製される。薬物放出速度は、薬物とポリマーの比、及び使用する特定のポリマーの性質に応じて制御することができる。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射製剤(注射可能な製剤)は、体組織と適合しているリポソーム又はマイクロエマルジョンに薬物を封入することによっても調製される。
ビタミンD化合物を薬剤としてヒト及び動物に投与する場合、これらは、それら自体、又は例えば0.1〜99.5%(より好ましくは、0.5〜90%)の有効成分を、医薬として許容できる担体と組み合わせて含有する薬剤組成物として投与することができる。
選択された投与経路にかかわらず、適切な水和形で使用することができるビタミンD化合物、及び/又は本発明の薬剤組成物を、当業者に知られている通常の方法により、医薬として許容できる剤形に調製する。
本発明の薬剤組成物中の有効成分の実際の投与量レベル及び時間経過は、特定の患者、組成物、及び投与方法について、患者に毒性のない所望の治療応答を実現するのに有効な有効成分の量が得られるように変えることができる。例示的用量範囲は、1日0.1〜300μgである。
本発明で好ましい用量のビタミンD化合物は、患者が許容することができ、高カルシウム血症を発症する恐れがない最大値である。好ましくは、本発明のビタミンD化合物を、約0.001ug〜約100ug/体重1キログラム、約0.001〜約10ug/kg、又は約0.001ug〜約100ug/体重1kgの濃度で投与する。中間範囲から上記に記載する値も、本発明の一部分であるように意図されている。
ビタミンD化合物を、間質性膀胱炎治療用の第2の医薬品と、個別又は組合せの製剤で別々に、連続して、又は同時に投与することができる。
本発明の化合物の合成
本発明のいくつかの化合物は、細胞中でのビタミンD類似体のインキュベーション、例えばUMR 106細胞又はRos 17/2.8細胞中でのビタミンD類似体のインキュベーションにより調製することができ、本発明のビタミンD化合物の生成がもたらされる。例えば、UMR 106細胞中での1,25−ジヒドロキシ−16−エン−5,6−trans−カルシトリオールのインキュベーションにより、1,25−ジヒドロキシ−16−エン−24−オキソ−5,6−trans−カルシトリオールの生成がもたらされる。
本発明の化合物は、本明細書に記載する方法に加えて、様々な合成方法を使用して調製することができる。例えば、当業者なら、本発明の化合物を調製するために、既存のビタミンD化合物を合成するための方法を使用することができるはずである(例えば、Bouillon, R.ら、(1995) Endocrine Reviews 16(2):201-204;Ikekawa N. (1987) Med. Res. Rev. 7:333-366;DeLuca H.F.及びOstrem V.K. (1988) Prog. Clin. Biol. Res. 259:41-55;Ikekawa N.及びIshizuka S. (1992) CRC Press 8:293-316;Calverley M.J.及びJones G. (1992) Academic Press 193-270;Pardo R.及びSantelli M. (1985) Bull. Soc. Chim. Fr:98-114;Bythgoe B. (1980) Chem. Soc. Rev. 449-475;Quinkert G. (1985) Synform 3:41-122;Quinkert G. (1986) Synform 4:131-256;Quinkert G. (1987) Synform 5:1-85;Mathieu C.ら、(1994) Diabetologia 37:552-558;Dai H.及びPosner G.H. (1994) Synthesis 1383-1398を参照のこと);DeLucaら、WO97/11053。
例示的な合成方法には、最初にプレビタミンが生成され、周知の方式で容易にビタミンDに熱分解される、7−デヒドロコレステロールの1−ヒドロキシル化側鎖が改変された誘導体の光化学開環(Barton D.H.R.ら、(1973) J. Am. Chem. Soc. 95:2748-2749;Barton D.H.R. (1974) JCS Chem. Comm. 203-204);Baggiolini E.G.ら、(1986) J. Org. Chem. 51:3098-3108;DeSchrijver J.及びDeClercq P.J. (1993) Tetrahed Lett 34:4369-4372;Posner G.H及びKinter C.M. (1990) J. Org. Chem. 55:3967-3969に記載されているように、ホスフィンオキシドをグルンドマン(Grundmann)のケトン誘導体にカップリングさせて、1−α,25(OH)骨格を直接生成するステップを含む、(Lythgoeら、(1978) JCS Perkin Trans. 1:590-595)によって開発されたホスフィンオキシドカップリング方法;Harrison R.G.ら、(1974) JCS Perkin Trans. 1:2654-2657;Castedo L.ら、(1988) Tetrahed Lett 29:1203-1206;Mascarenas J.S. (1991) Tetrahedron 47:3485-3498;Barrack S.A.ら、(1988) J. Org. Chem. 53:1790-1796)、及びOkamura W.H.ら、(1989) J. Org. Chem. 54:4072-4083に記載のような、対応するビタミンD類似体への転位を受けるプレビタミン構造へのジエンインの半水素化;熱、又は金属を触媒とする異性化とその後に続く増感光異性化との組合せを使用して、続いて配置されるいくつかの中間体が関与するビニルアレン手法(Okamura W.H.ら、(1989) J. Org. Chem. 54:4072-4083;Van Alstyne E.M.ら、(1994) J. Am. Chem. Soc.116:6207-6210);Trostら、B.M.ら、J. Am. Chem. Soc. 114:9836-9845;Nagasawa K.ら、(1991) Tetrahed Lett 32:4937-4940によって記載されている方法は、ブロモエンインに分子内クロスカップリングして、直接1,25(OH)骨格の形成をもたらす非環式A環前駆体を含む;i−ステロイドに異性化され、炭素−1において改変され、次いで引き続いてソボリティック条件下で逆異性化され、1−α,25(OH)又はその類似体を形成し得るトシル化誘導体(Sheves M.及びMazur Y. (1974) J. Am. Chem. Soc. 97:6249-6250;Paaren H.E.ら、(1980) J. Org. Chem. 45:3253-3258;Kabat M.ら、(1991) Tetrahed Lett 32:2343-2346;Wilson S.R.ら、(1991) Tetrahed Lett 32:2339-2342);(Andrews D.R.ら、(1986) J. Org. Chem. 51:1635-1637)に記載のような、ビタミンD誘導体から1−酸素化5,6−transビタミンDへの直接改変;プレビタミンDのディールス‐アルダー環化付加方法を使用して、熱異性化によりプレビタミン型の中間体を経て1−α,25(OH)に再び環化することができる(Vanmaele L.ら、(1985) Tetrahedron 41:141-144);及び最終方法は、遷移金属誘導体などの適切な保護基の使用又は他の化学転換による1−α,25(OH)又は類似体の直接改変を伴う(Okarmura W.H.ら、(1992) J. Cell Biochem. 49:10-18)が含まれる。ビタミンD化合物を合成するための追加の方法は、例えば特開昭48-62750、特開昭51-26858、特開昭51-26859、及び特開昭52-71456;US3,639,596;3,715,374;3,847,955及び3,739,001に記載されている。
飽和側鎖を有する本発明の化合物の例は、US4,927,815に例示且つ記載されている一般的方法に従って調製することができる。不飽和側鎖を有する本発明の化合物の例は、US4,847,012に例示且つ記載されている一般的方法に従って調製することができる。R基が共にシクロアルキル基を表す本発明の化合物の例は、US4,851,401に例示且つ記載されている一般的方法に従って調製することができる。
1−α,25−ジヒドロキシエルゴカルシフェロールの側鎖が改変された類似体の調製の別の合成戦略は、Kutnerら、The Journal of Organic Chemistry, 1988, 53:3450-3457に開示されている。さらに、24−ホモ及び26−ホモビタミンD類似体の調製は、US4,717,721に開示されている。
キラル分子のエナンチオ選択的合成は、現在、最新技術である。エナンチオ選択的合成と精製技法の組合せによって、多くのキラル分子をエナンチオマー富化調製物として合成することができる。例えば、Muralidharanら (1993) J. Organic Chem. 58(7): 1895-1899及びNormanら (1993) J. Biol. Chem. 268(27): 20022-30に記載のように、1−α,25(OH)のA環ジアステレオマーのエナンチオ選択的合成のための方法が報告されている。当技術分野で知られている様々な化合物のエナンチオマー合成のための他の方法には、とりわけエポキシド(例えば、Johnson, R.A.; Sharpless, K.B. In Catalytic Asymmetric Synthesis; Ojima, I.編: VCH: New York, 1993;Chapter 4.1. Jacobsen, E.N. 同書 Chapter 4.2を参照のこと)、ジオール(例えば、Sharpless, J. Org. Chem. (1992) 57:2768の方法による)、及びアルコール(例えば、ケトンの還元による、E.J. Coreyら、J. Am. Chem. Soc. (1987) 109:5551)が含まれる。光学富化生成物を生じるのに有用な他の反応には、オレフィンの水素化(例えば、M. Kitamuraら、J. Org. Chem. (1988) 53:708);ディールスアルダー反応(例えば、K. Narasakaら、J. Am. Chem. Soc. (1989) 111:5340);エノラートのアルドール反応及びアルキル化(例えば、D.A. Evansら、J. Am. Chem. Soc. (1981) 103:2127; D.A. Evansら、J. Am. Chem. Soc. (1982) 104:1737を参照のこと);カルボニル付加(例えば、R. Noyori, Angew. Chem. Int. Ed. Eng. (1991) 30:49);及びメソ−エポキシドの開環(例えば、Martinez, L.E.; Leighton J.L., Carsten, D.H.; Jacobsen, E.N. J. Am. Chem. Soc. (1995) 117:5897-5898)が含まれる。光学富化生成物を生成するための酵素の使用も、当技術分野でよく知られている(例えば、M.P. Scheider編「有機合成における触媒としての酵素(Enzymes as Catalysts in Organic Synthesis)」、D. Reidel, Dordrecht (1986)。
キラル合成は、高い立体異性体純度の生成物を生じることができる。しかし、場合によっては、生成物の立体異性体純度は、あまり高くない。本明細書に記載する分離方法を使用して、キラル合成によって得られるビタミンD−エピマーの立体異性体純度をさらに向上できることを当業者なら理解するであろう。
式(XVIII)の化合物:
Figure 2007525533
(式中:X及びXはそれぞれ独立に、H又は=CHであり、但し、X及びXは共には=CHでなく;
及びRはそれぞれ独立に、ヒドロキシル、OC(O)C〜Cアルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)フルロルアルキルであり、但し、R及びRは共にはヒドロキシルでなく;
及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキルであり、又はR及びRはC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し;且つ
及びRはそれぞれ独立に、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル、例えばフロオロメチル及びトリフルオロメチルである);
及び医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグは、このセクション及び化学文献に記載の方法によって合成することができる。具体的には、本発明の式(XVIII)の化合物を下記のスキーム1に示すように調製する。したがって、式(XIX)の化合物と式(XX)の化合物を、テトラヒドロフラン中、n−ブチルリチウムを塩基として用いてカップリングして、式(XXI)の化合物を得ることによって、式(XVIII)の化合物を調製する。続いて保護用シリル基(R=OSi(CH3)2t.Bu)を除去すると、式(XVIII)の1,3ジヒドロキシビタミンD化合物(R=OH、R=OH)が生じる。当技術分野でよく知られている方法を使用して、1及び/又は3位におけるアシル化を実現する。例えば、式IVの1,3ジアセトキシ化合物(R=R=OAc)の調製には、スキーム2に示し下記に記載するように、無水酢酸及びピリジンを用いてさらにアセチル化する必要がある。
スキーム1を参照して、式(XX)の化合物は、知られている化合物であり、知られている式(XXII)のエポキシ−ケトンから出発して調製される。式(XXII)の化合物を、ウィッティヒ反応によって式(XXIII)のエポキシ−オレフィンに変換する。LiAlH4を用いた化合物(XXIV)への還元及びヒドロキシ基の保護により、化合物(XXV)が生じた。それから、テトラヒドロフラン中、ルイス酸(CH3)2AlClの存在下、知られているヒドロキシ−共役ケトン(XXVI)(R=R=CH)との式(XXV)のエン反応により、標的ビタミンD類似体のC,D環及び完全な側鎖を特徴とする化合物(XXVII)が得られる。最後に、シリル基の除去及び酸化により、重要な中間体である式(XX)のケトンが得られる。
Figure 2007525533
スキーム2は、ウィッティングカップリング条件下における、化合物(XX)とシリル化ホスフィンオキシドのカップリングを示す。シリル保護基の除去により、式(XVIII)のジオール(式中、R及びRは共にヒドロキシルである)が得られる。
Figure 2007525533
式中、X、X、R3、、R、及びRは、上記に定義する通りである。
スキーム3は、式(P)のビタミンD誘導体から式(Q)の酢酸エステルへのアセチル化を示す。
Figure 2007525533
次式のビタミンD化合物:
Figure 2007525533
(式中:Aは、単結合又は二重結合であり;
は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
及びXはそれぞれ独立に、H又は=CHであり、
及びRはそれぞれ独立に、OC(O)C〜Cアルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOROC(O)ハロアルキルであり;
3、、及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり、或いはR及びRはC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し;
及びRはそれぞれ独立に、ハロアルキルであり;且つ
は、H、又はOC(O)C〜Cアルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOROC(O)ハロアルキルである);並びに医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグを、1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(1)(下記の実施例では「化合物A」)の合成と類似して調製することができ、ジオールから対応する酢酸ジエステルへの標準的アセチル化条件下で実施する:
Figure 2007525533
(合成例)
ビタミンD類似体が関与する操作はすべて、窒素雰囲気において、コハク色ガラス器具中で実施した。テトラヒドロフランは、それを使用する直前にナトリウム−ベンゾフェノンケチルから蒸留し、溶質の溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した。融点をThomas-Hoover毛細管装置で決定し、補正しない。旋光度を25℃で測定した。H NMRスペクトルは、別段の指摘のない限り、400MHz、CDCl3で記録した。TLCは、シリカゲルプレート(Merck PF-254)で、短波長UV光下で可視化し、或いはプレートにメタノール中10%リンモリブデン酸を噴霧し、続いて加熱することによって実施した。フラッシュクロマトグラフィーを40〜65μmメッシュシリカゲルで実施した。分取HPLCは、5×50cmのカラム及び15〜30μmメッシュシリカゲルを用いて、流量100mL/分で行った。
(合成例1)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(1)(化合物A)の合成
Figure 2007525533
出発材料の1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールは、DoranらのUS5,428,029に記載のように調製することができる。3mgの1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールを0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加し、その温度で16時間維持した。次いで、反応混合物を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、5mLの水と20mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3回×5mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、1:6、1:4、及び1:2の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。カラムクロマトグラフィーをTLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン、リンモリブデン酸スプレーでスポットを可視化)によって監視し、適切な分画を貯留し、蒸発させ、残渣をギ酸メチルで取り出し、濾過し、次いで再び蒸発させて、23.8mgの表題化合物(1)を無色シロップとして得た;400MHz 1H NMR δ 0.66 (3H, s), 0.90 (1H, m), 1.06 (3H, d, J=7.2 Hz), 1.51 (1H, m), 1.72-1.82 (3H,m), 1.9-2.1 (3H, m), 1.99 (3H, s) 2.04 (3H,s), 2.2-2.3 (3 m), 2.44-2.64 (6H, m), 2.78 (1H, m), 3.01 (1H, s), 5.10 (2H, m). 5.38 (1H, m), 5.43 (1H, d, J=12 Hz), 5.85 (1H, d, J=11.5 Hz), 5.97 (1H, dt, J=12及び7.3 Hz), 6.25 (1H, d, J= 11.5 Hz)。
(合成例2)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(2)及び1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(3)の合成
Figure 2007525533
出発材料の1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールは、BaggioliniらのUS5,451,574及び5,612,328に記載のように調製することができる。314mg(0.619ミリモル)の1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールを1.5mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.4mLの無水酢酸を添加した。反応混合物を室温で7時間、次いで冷蔵庫中で23時間維持した。次いで、10mLの水で希釈し、30mLの酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を、水及び食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。残渣を、10×140mmのカラムで、移動相として1:6及び1:4の酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、126mgの1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(2)、及び248mgの1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(3)を得た。
(合成例3)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−コレカルシフェロール(4)の合成
Figure 2007525533
10mLの丸底フラスコに、40mgの1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−コレカルシフェロールを加えた。この材料を1mLのピリジンに溶解した。この溶液を、氷浴中で冷却し、次いで、0.3mLの無水酢酸を添加した。溶液を、30分間攪拌し、次いで終夜冷蔵し、水で希釈し、10mLの水及び40mLの酢酸エチルを用いて分液漏斗に移した。有機層を4回×20mLの水、10mLの食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムの栓に通し、蒸発させた。明茶色油状残渣を1:9の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで10×130mmのカラムで、分画1〜5の場合移動相として1:9の酢酸エチル−ヘキサン、分画6〜13の場合1:6、分画14〜20の場合1:4の酢酸エチル−ヘキサン(18mLの分画)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画14〜19は、Rf0.15の主要帯(TLC 1:4)を含んでいた。これらの分画を貯留し、無色油0.044gにまで蒸発させた。材料を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、無色粘性フォームの表題化合物(4)0.0414gを得た。
(合成例4)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−コレカルシフェロール(5)の合成
Figure 2007525533
0.0468gの1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−コレカルシフェロールを1.5mLのピリジンに溶解した。この溶液を氷浴中で冷却し、次いで終夜冷蔵し、依然として氷浴に浸漬しながら10mLの水で希釈し、10分間攪拌し、10mLの水及び40mLの酢酸エチルを用いて分液漏斗に移した。有機層を、4回×20mLの水、10mLの食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムの栓に通し、蒸発させた。明茶色油状残渣を、1:9の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで10×130mmのカラムで、分画1〜3(20mLの分画)の場合移動相として1:9の酢酸エチル−ヘキサン、分画6〜8の場合1:6、分画9〜17の場合1:4の酢酸エチル−ヘキサン(それぞれ18mL)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画11〜14は、Rf0.09の主要帯(TLC 1:4)を含んでいた。これらの分画を貯留し、無色油0.0153gにまで蒸発させた。この材料を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、0.014gの表題化合物(5)を得た。
(合成例6)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−コレカルシフェロール(6)の合成
Figure 2007525533
0.0774gの1,25−ジヒドロキシ−16−エン−コレカルシフェロールを、1.5mLのピリジンに溶解した。この溶液を氷浴中で冷却し、次いで0.3mLの無水酢酸を添加した。溶液を攪拌し、終夜冷蔵し、次いで1mLの水で希釈し、氷浴中で1時間攪拌し、30mLの酢酸エチル及び15mLの水で希釈した。有機層を、4回×15mLの水、1回×5mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色油状残渣を、1:9の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで10×130mmのカラムで、分画1の場合、移動相として1:9の酢酸エチル−ヘキサン(20mL分画)、分画2〜7の場合1:6、分画8〜13の場合1:4の酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画9〜11は、Rf0.09の主要帯(TLC 1:4の酢酸エチル−ヘキサン)を含んでいた。これらの分画を貯留し、無色油0.0354gにまで蒸発させた。この材料を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、溶液を蒸発させた、無色被膜の表題化合物(6)0.027g。
(合成例7)1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(7)及び1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(8)の合成
Figure 2007525533
0.0291gの1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロールを1.5mLのピリジンに溶解した。この溶液を氷浴中で冷却し、次いで0.25mLの無水酢酸を添加した。溶液を、20分間攪拌し、冷凍庫中に終夜維持した。冷溶液を15mLの水で希釈し、10分間攪拌し、30mLの酢酸エチルで希釈した。有機層を、4回×15mLの水、1回×5mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで10×110mmのカラムで、1:6の酢酸エチル−ヘキサンを移動相として使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画2〜3としては、72.3461-72.3285=0.0176gが得られた。分画6〜7の蒸発により、0.0055gが得られた。分画2〜3の残渣を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、0.0107gの表題酢酸トリエステル(7)を得た。分画6〜7の残渣を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、0.0049gの酢酸ジエステル(8)を得た。
(合成例8)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−25R,26−トリフルオロ−コレカルシフェロール(9)の合成
Figure 2007525533
1.5mLの1,25−ジヒドロキシ−16,23E−ジエン−25R,26−トリフルオロ−コレカルシフェロールを1.5mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.4mLの無水酢酸を添加した。次いで、混合物を冷蔵した。2日後、混合物を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、次いで10mLの水と30mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、4回×15mLの水、1回×5mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで10×130mmのカラムで、1:6の酢酸エチル−ヘキサンを移動相として使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画4〜6(TLC、1:4)は、主要帯(TLCを参照のこと)を含んでいた。これらの分画を蒸発させ、0.0726gを得た。この残渣を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、無色フォームの表題化合物(9)0.0649gを得た。
(合成例8)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−19−ノル−コレカルシフェロール(10)(「化合物C」)の合成
Figure 2007525533
0.0535gの1,25−ジヒドロキシ−16−エン−19−ノル−コレカルシフェロールを、1.5mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.3mLの無水酢酸を添加し、混合物を終夜冷蔵した。溶液を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、次いで10mLの水と30mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、4回×15mLの水、1回×5mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。ほぼ無色油状残渣を1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで分画1〜6の場合移動相として1:4の酢酸エチル−ヘキサンを使用した。分画9〜19(TLC、1:4の酢酸エチル−ヘキサン、Rf0.09、下記を参照のこと)を貯留し、蒸発させて、0.0306gを得、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、次いで蒸発させた。それによって、0.0376の表題化合物(10)が得られた。
(合成例9)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−19−ノル−コレカルシフェロール(11)の合成
Figure 2007525533
50mgの1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−19−ノル−コレカルシフェロールを0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加した。混合物を3日間冷蔵し、次いで1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、5mLの水と20mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、4回×5mLの水、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。ほぼ無色油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで15×120mmのカラムで、分画1〜6の場合移動相として1:6の酢酸エチル−ヘキサン、分画9〜12の場合1:4、分画13〜15の場合1:3、残りの分画の場合1:2の酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画11〜16(TLC、1:4の酢酸エチル−ヘキサン、Rf0.09、下記を参照のこと)を貯留し、蒸発させ、76.1487-76.1260=0.0227g、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、次いで蒸発させた。それによって、0.0186gの表題化合物(11)が得られた。
(合成例10)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ビスホモ−19−ノル−コレカルシフェロール(12)の合成
Figure 2007525533
0.0726gの1,25−ジヒドロキシ−16−エン−23−イン−26,27−ビスホモ−19−ノル−コレカルシフェロールを0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加した。溶液を氷浴中で攪拌し、次いで終夜冷蔵した。次いで、溶液を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、10mLの水と25mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3回×10mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させ、33.5512-33.4654=0.0858gの黄褐色油状残渣、15×120mmのカラムで移動相として1:6を使用してフラッシュクロマトグラフィーを行った。分画7〜11(それぞれ20mL)を貯留し(TLC 1:4の酢酸エチル−ヘキサン、Rf0.14)、蒸発させた、67.2834-67.2654=0.018g。この残渣を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させた。それによって、0.0211gの表題化合物(12)が得られた。
(合成例11)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−19−ノル−コレカルシフェロール(13)の合成
Figure 2007525533
0.282gの1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−19−ノル−コレカルシフェロールを0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加し、混合物を終夜冷蔵し、次いで1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、5mLの水と20mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3×5mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで15×110mmのカラムで、分画1〜4の場合移動相として1:6の酢酸エチル−ヘキサン、分画5〜12の場合1:4、分画13〜15の場合1:3、残りの分画の場合酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画7〜12(TLC、1:4の酢酸エチル−ヘキサン、Rf0.13)を貯留し、蒸発させ、残渣をギ酸メチルで取り出し、濾過し、次いで蒸発させて、0.023gの表題化合物(13)を得た。
(合成例12)1,3,25−トリ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(14)及び1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(15)の合成
Figure 2007525533
0.1503gの1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールを、0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加した。混合物を終夜冷蔵し、次いで1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、5mLの水と20mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3×5mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで15×150mmのカラムで、分画1〜5の場合移動相として1:6の酢酸エチル−ヘキサン、残りの分画の場合1:4を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画3〜4及び6〜7を貯留し、蒸発させ、次いでギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、0.0476gの表題酢酸トリエステル(14)及び0.04670gの表題酢酸ジエステル(15)を得た。
(合成例13)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−コレカルシフェロール(16)の合成
Figure 2007525533
0.0369gの1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23−イン−コレカルシフェロールを0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加し、混合物を終夜冷蔵し、次いで1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、5mLの水と20mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3×5mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで13×110mmのカラムで、分画1〜7の場合移動相として1:6の酢酸エチル−ヘキサン、残りの分画の場合1:4の酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画9〜11(TLC、1:4の酢酸エチル−ヘキサン)を貯留し、蒸発させ、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、次いで蒸発させて、0.0099gの表題化合物(16)を得た。
(合成例14)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(17)(化合物E)の合成
Figure 2007525533
0.0328gの1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールを0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加した。溶液を終夜冷蔵した。次いで、溶液を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、5mLの水と20mLの酢酸エチルに分配した。(水層の抽出により、リンモリブデン酸が検出される材料はもたらされなかった)。有機層を、3×5mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。残渣は、唯一のスポットとしてRf0.25を示す。油状残渣を、1:6の酢酸エチル−ヘキサンで取り出し、次いで13.5×110mmのカラムで、分画1〜10の場合移動相として1:6の酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画4〜9を貯留し、蒸発させ、残渣をギ酸メチルで取り出し、濾過し、次いで蒸発させて、0.0316gの表題化合物(17)を得た。
(合成例15)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(18)の合成
Figure 2007525533
0.0429gの1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールを、0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加した。溶液を終夜冷蔵した。次いで、溶液を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、7mLの水と25mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3×5mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し(硫酸ナトリウム、TLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)はほぼ1スポットを示す)、蒸発させ、15×120mmのカラムで、移動相として1:6を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。分画3〜6(それぞれ20mL)を貯留し、蒸発させた。残渣を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、0.0411gの表題化合物(18)を得た。
(合成例16)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(19)(化合物F)の合成
Figure 2007525533
0.0797gの1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−コレカルシフェロールを、0.8mLのピリジンに溶解し、氷浴温度に冷却し、0.2mLの無水酢酸を添加した。溶液を終夜冷蔵した。次いで、溶液を1mLの水で希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、10mLの水と25mLの酢酸エチルに分配した。有機層を、3回×10mLの水、1回×5mLの飽和炭酸水素ナトリウム、1回×3mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させて、0.1061gの黄褐色油状残渣を得、15×120mmのカラムで、1:6を移動相として使用してフラッシュクロマトグラフィーを行った。分画9〜16(それぞれ20mL)を貯留し(TLC 1:4の酢酸エチル−ヘキサン、Rf0.13)、蒸発させた。この残渣を、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させて、0.0581gの表題化合物(19)を得た。
(合成例17)1,3−ジ−O−アセチル−1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(20)の合成
Figure 2007525533
1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(94mg、0.23mmol)のピリジン(3mL)溶液に、0℃で無水酢酸(0.5mL、5.3mmol)を添加した。混合物を、1時間攪拌し、15時間冷蔵し、次いでさらに8時間攪拌した。水(10mL)を添加し、15分間攪拌した後、反応混合物をAcOEt:ヘキサン1:1(25mL)で抽出し、水(4回×25mL)及び食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(120mg)を、FC(15g、ヘキサン中30%AcOEt)によって精製して、表題化合物(20)(91mg、0.18mmol、80%)を得た。[α]30 D=+14.4 c 0.34,EtOH;UVλmax(EtOH):242nm(ε 34349),250nm(ε 40458),260nm(ε 27545);1H NMR (CDCl3): 6.25 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.83 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.35 (1H, m), 5.09 (2H, m), 2.82-1.98 (7H, m), 2.03 (3H, s), 1.98 (3H, s), 2.00-1.12 (15H, m), 1.18 (6H, s), 0.77 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 170.73(0), 170.65(0), 157.27(0), 142.55(0), 130.01(0), 125.06(1), 123.84(1), 115.71(1), 71.32(0), 70.24(1), 69.99(1), 59.68(1), 50.40(0), 44.08(2), 41.40(2), 38.37(2), 35.96(2), 35.80(2), 32.93(2), 29.48(3), 29.31(2), 28.71(2), 23.71(2), 22.50(2), 21.56(3), 21.51(0), 21.44(3), 18.01(3), 12.93(2), 10.53(2); MS HRES C31H46O5の計算値 M+Na 521.3237、実測値 M+Na 521.3233
(合成例18)1,3−ジ−O−アセチル−1−α,25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(21)の合成
Figure 2007525533
1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(100mg、0.23mmol)のピリジン(3mL)溶液に、0℃で無水酢酸(0.5mL、5.3mmol)を添加した。混合物を、2時間攪拌し、次いでさらに15時間冷蔵した。水(10mL)を添加し、15分間攪拌した後、反応混合物をAcOEt:ヘキサン1:1(25mL)で抽出し、水(4回×25mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(150mg)を、FC(15g、ヘキサン中30%AcOEt)によって精製して、表題化合物(21)(92mg、0.18mmol、78%)を得た。[α]30 D=-14.9 c 0.37,EtOH;UV λmax(EtOH):208nm(ε 15949),265nm(ε 15745);1H NMR (CDCl3): 6.34 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.99 (1H, d, J=11.3 Hz), , 5.47 (1H, m), 5.33 (1H, m), 5.31 (1H, s), 5.18 (1H, m), 5.04 (1H, s), 2.78 (1H, m), 2.64 (1H, m), 2.40-1.10 (18H, m), 2.05 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.18 (6H, s), 0.76 (3H, s ),0.66-0.24 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 170.76(0), 170.22(0), 157.18(0), 143.02(0), 142.40(0), 131.94(0), 125.31(1), 125.10(1), 117.40(1), 115.22(2), 72.97(1), 71.32(0), 69.65(1), 59.71(1), 50.57(0), 44.07(2), 41.73(2), 38.36(2), 37.10(2), 35.80(2), 29.45(3), 29.35(2), 29.25(3), 28.92(2), 23.80(2), 22.48(2), 21.55(3), 21.50(3), 21.35(0), 17.90(3), 12.92(2), 10.54(2); MS HRES C32H46O5の計算値 M+Na 533.3237、実測値 M+Na 533.3236
(合成例19)1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−23−イン−コレカルシフェロール(22)の合成
Figure 2007525533
0.2007g(0.486mmol)を2mLのピリジンに溶解した。この溶液を、氷浴中で冷却し、0.6mLの無水酢酸を添加した。溶液を、氷浴中で45時間維持し、次いで10mLの水で希釈し、10分間攪拌し、10mLの水及び40mLの酢酸エチルで平衡にした。有機層を、4回×20mLの水、10mLの食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。茶色油状残渣を1:19、1:9、及び1:4の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。Rf0.16の主要帯(TLC 1:4の酢酸エステル−ヘキサン)を蒸発させて、無色フォームの1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−23−イン−コレカルシフェロール(22)0.0939gを得た。
(合成例20)(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オールの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−1−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−1−イル])−シクロプロピル}−エチニル(1.0g、2.90mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(2.72mL、4.35mmol、ヘキサン中1.6M)を添加した。−78℃で1時間拡販した後、アセトン(2.5mL、34.6mmol)を添加し、攪拌を2.5時間継続した。NH4Cl水溶液(15mL)を添加し、混合物を、室温で15分間攪拌し、次いでAcOEt(2回×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を、食塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(2.4g)を、FC(50g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、(3aR,4S,7aR)−5−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−1−イル]−シクロプロピル}−2−メチル−ペント−3−イン−2−オール(1.05g、2.61mmol)を得、フッ化テトラブチルアンモニウム(6mL、6mmol、THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で48時間攪拌した。混合物をAcOEt(25mL)で希釈し、水(5×25mL)、食塩水(25mL)で洗浄した。合わせた水性洗液をAcOEt(25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(1.1g)を、FC(50g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(0.75g、2.59mmol、90%)を得た。[α]30 D=+2.7 c 0.75,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, m), 4.18 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.35-1.16 (11H, m), 1.48 (6H, s), 1.20 (3H, s), 0.76-0.50 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.39, 125.26, 86.39, 80.19, 69.21, 65.16, 55.14, 46.94, 35.79, 33.60, 31.67, 29.91, 27.22, 19.32, 19.19, 17.73, 10.94, 10.37; MS HREI C22H28O2の計算値 M+ 288.2089、実測値 M+ 288.2091。
(合成例21)(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オールの合成
Figure 2007525533
(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(−4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(0.72g、2.50mmol)、酢酸エチル(10mL)、ヘキサン(24mL)、無水エタノール(0.9mL)、キノリン(47 L)、及びリンドラー触媒(156mg、CaCO3担持5%Pd)の混合物を室温で2時間水素化した。反応混合物をセライトパッドに通して濾過し、パッドをAcOEtで洗浄した。濾液及び洗液を合わせ、1M HCl、NaHCO3、及び食塩水で洗浄した。Na2SO4で乾燥した後、溶媒を蒸発させ、残渣(0.79g)を、FC(45g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(640mg、2.2mmol、88%)を得た。
(合成例22)(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オールの合成
Figure 2007525533
(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(100mg、0.34mmol)、1,4−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)ブタン1,5シクロオクタジエンロジウムテトラフルオロボラート(25mg、0.034mmol)、ジクロロメタン(5mL)、水銀1滴の混合物を、Paar機器を使用して、室温、圧力50p.s.i.で3時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドに通して濾過し、次いで酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を、蒸発乾固し(110mg)、FC(10g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(75mg、0.26mmol、75%)を得た。[α]30 D=-8.5 c 0.65,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.37-1.16 (17H, m), 1.19 (6H, s), 1.18 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m); MS HREI C19H32O2の計算値 M+H 292.2402、実測値 M+H 292.2404。
(合成例23)(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オンの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(440mg、1.50mmol)及びセライト(2.0g)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウム(1.13g、3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、5時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、次いでシリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、粗(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(426mg、1.47mmol、98%)を得た。攪拌された(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(424mg、1.47mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、室温でトリメチルシリル−イミダゾール(0.44mL、3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物(460mg、1.27mmol、86%)を得た。[α]29 D=-9.9 c 0.55,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5 Hz), 2.81 (1H, dd, J= 10.7, 6.2 Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.6, 10.7, 1.5 Hz), 2.30-1.15 (13H, m) 重複 2.03 ( ddd, J= 15.8, 6.4, 3.2 Hz), 1.18 (6H, s), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 211.08 (0), 155.32(0), 124.77(1), 73.98(0), 64.32(1), 53.91(0), 44.70(2), 40.45(2), 38.12(2), 34.70(2), 29.86(3), 29.80(3), 26.80(2), 24.07(2), 22.28(2), 21.24(0), 18.35(3), 12.60(2), 10.64(2), 2.63 (3); MS HRES C22H38O2Siの計算値 M+ 362.2641。実測値 M+ 362.2648。
(合成例24)(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オンの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(381mg、1.32mmol)及びセライト(2.0g)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウム(1.0g、2.65mmol)を添加した。得られた混合物を、1.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、次いでシリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、粗(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(360mg、1.26mmol、95%)を得た。攪拌された(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(360mg、1.26mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、室温でトリメチルシリル−イミダゾール(0.25mL、1.7mmol)を添加した。得られた混合物を、0.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中5%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物(382mg、1.07mmol、81%)を得た。
(合成例25)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−コレカルシフェロール(23)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1S,5R)−1,5−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−3−[2−(ジフェニルホスフィノイル)−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチレン−シクロヘキサン(513mg、0.88mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.55mL、0.88mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(179mg、0.50mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(716mg)を、FC(15g、ヘキサン中5%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−コレカルシフェロール(324mg、045mmol)を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−コレカルシフェロール(322mg、0.45mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、18時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(280mg)を、FC(10g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(23)(172mg、0.41mmol、82%)を得た。[α]31 D=+32.4 c 0.50,MeOH。UV λmax(EtOH):261nm(ε 11930);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.45(1H, m), 5.33 (1H, m), 5.01 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.22 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.50-1.10 (16H, m), 1.45 (6H, s), 0.81 (3H, s ),0.72-0.50 (4H, m); MS HRES C28H38O3の計算値 M+ 422.2821、実測値 M+ 422.2854。
(合成例26)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−19−ノル−コレカルシフェロール(24)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1R,3R)−1,3−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−5−[2−(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]−シクロヘキサン(674mg、1.18mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、−78℃でn−BuLi(0.74mL、1.18mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(235mg、0.66mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(850mg)を、FC(15g、ヘキサン中5%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−19−ノル−コレカルシフェロール(330mg、0.46mmol)を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−19−ノル−コレカルシフェロール(328mg、0.46mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(5mL、5mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、62時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(410mg)を、FC(10g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(24)(183mg、0.45mmol、68%)を得た。[α]29 D=+72.1 c 0.58,MeOH。UV λmax(EtOH):242nm(ε 29286),251nm(ε 34518),260nm(ε 23875);1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.94 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.48 (1H, m), 4.14 (1H, m), 4.07 (1H, m), 2.78 (2H, m), 2.52-1.10 (18H, m), 1.49( 6H, s), 0.81 (3H, s ),0.72-0.50 (4H, m); MS HRES C27H38O3の計算値 M+ 410.2821、実測値 M+ 410.2823。
(合成例27)(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オールの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−1−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−1−イル])−シクロプロピル}−エチニル(1.95g、5.66mmol)のテトラヒドロフラン(35mL)溶液に、−78℃でn−BuLi(4.3mL、6.88mmol、ヘキサン中1.6M)を添加した。−78℃で1時間攪拌した後、ヘキサフルオロアセトン(冷却フィンガーから6滴)を添加し、攪拌を1時間継続した。NH4Cl水溶液を添加し(10mL)、混合物を放置して室温にまで温めた。反応混合物を食塩水(100mL)で希釈し、ヘキサン(2×125mL)で抽出した。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(8.2g)を、FC(150g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、(3aR,4S,7aR)−5−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−1−イル]−シクロプロピル}−1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペント−3−イン−2−オール(2.73g,5.35mmol)を得、フッ化テトラブチルアンモニウム(20mL、20mmol、THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で30時間攪拌した。混合物をAcOEt(150mL)で希釈し、水(5×150mL)、食塩水(150mL)で洗浄した。合わせた水性洗液をAcOEt(150mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(3.2g)を、FC(150g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(2.05g、5.17mmol、97%)を得た。[α]28 D=+6.0 c 0.47,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, br. s), 4.16 (1H, br. s), 3.91 (1H, s), 2.48 (1H, AB四重線のうちのA部分, J=17.5 Hz), 2.43 (1H, AB四重線のうちのB部分, J=17.5Hz), 2.27 (1H, m), 2.00-1.40 (9H, m), 1.18 (3H, s), 0.8-0.5 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 155.26(0), 126.68(1), 121.32(0, q, J=284 Hz), 90.24 (0), 71.44(0, sep. J=34Hz), 70.54 (0), 69.57(1), 55.17(1), 47.17(0), 36.05(2), 33.63(2), 30.10(2), 27.94(2), 19.50(3), 19.27(0), 17.90(2), 11.56(2), 11.21(2); MS HREI C19H22O2F6の計算値 M+ 396.1524、実測値 M+ 396.1513。
(合成例28)(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−ペン−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オンの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(504mg、1.27mol)及びセライト(1.5g)のジクロロメタン(12mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウム(0.98g、2.6mmol)を添加した。得られた混合物を、2.5時間攪拌し、シリカゲル(5g)に通して濾過し、次いでシリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物(424mg、1.08mmol、85%)を得た。[α]28 D=+3.1 c 0.55,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.46 (1H, br. s), 3.537 (1H, s), 2.81 (1H, dd, J=10.7, 6.5 Hz), 2.49-1.76 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.77-0.53 (4H, m); MS HREI C19H20O2F6の計算値 M+H 395.1440、実測値 M+H 395.1443。
(合成例29)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(25)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1R,3R)−1,3−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−5−[2−(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]−シクロヘキサン(900mg、1.58mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(1.0mL、1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−ペン−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(200mg、0.51mmol)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(850mg)を、FC(20g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(327mg、0.44mmol、86%)を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(327mg、0.44mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を24時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(250mg)を、FC(10g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(25)(183mg、0.45mmol、68%)を得た。[α]30 D=+73.3 c 0.51,EtOH。UV λmax(EtOH):243nm(ε 29384),251nm(ε 34973),260nm(ε 23924);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.50 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.76 (2H, m), 2.55-1.52 (18H, m), 0.80 (3H, s ),0.80-0.49 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 155.24(0), 141.78(0), 131.28(0), 126.23(1), 123.65(1), 121.09(0, q, J=285Hz), 115.67(1), 89.63(0), 70.42(0), 67.48(1), 67.29(1), 59.19(1), 49.87(0), 44.49(2), 41.98(2), 37.14(2), 35.76(2), 29.22(2), 28.47(2), 27.57(2), 23.46(2), 19.32(0), 17.97(3), 11.89(2), 10.18(2); MS HRES C27H32O3F6の計算値 M+H 519.2329。実測値 M+H 519.2325。
(合成例30)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−26,27ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(26)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1S,5R)−1,5−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−3−[2−(ジフェニルホスフィノイル)−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチレン−シクロヘキサン(921mg、1.58mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(1.0mL、1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−ヒドロキシ−ペン−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(197mg、0.50mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(876mg)を、FC(20g、ヘキサン中105%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(356mg、0.47mmol)を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−イン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(356mg、0.47mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(5mL、5mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、15時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(270mg)を、FC(20g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(26)(216mg、0.41mmol、87%)を得た。[α]30 D=+40.0 c 0.53,EtOH。UV λmax(EtOH):262nm(ε 12919);1H NMR (CDCl3): 6.38 (1H, d, J=11.5 Hz), 6.10 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.49 (1H, m), 5.35 (1H, s), 5.02 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.25 (1H, m), 3.57 (1H, s), 2.83-1.45 (18H, m), 0.82 (3H, s ),0.80-0.51 (4H, m); MS HRES C28H32O3F6の計算値 M+H 531.2329。実測値 M+H 531.2337。
(合成例31)(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オールの合成
Figure 2007525533
水素化アルミニウムリチウム(4.5mL、4.5mmol、THF中1.0M)に、5℃でまず固体ナトリウムメトキシド(245mg、4.6mmol)を添加し、次いで(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(360mg、0.91mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)溶液を滴下した。添加が完了した後、混合物を還流下2.5時間攪拌した。次いで、氷浴中で冷却し、水(2.0mL)及び水酸化ナトリウム(2.0mL、2.0M水溶液)を用いて反応を中止し;エーテル(50mL)で希釈し、30分間攪拌し、次いでMgSO4(5g)を添加し、攪拌を30分間継続した。濾液を蒸発させた後の残渣(0.42g)を、FC(20g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(315mg、0.79mmol、87%)を得た。[α]28 D=+2.0 c 0.41,CHCl31H NMR (CDCl3): 6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7 Hz), 5.60 (1H, d, J=15.7 Hz), 5.38 (1H, br. s), 4.13 (1H, br. s), 3.27 (1H, s), 2.32-1.34 (12H, m), 1.15 (3H, s), 0.80-0.45 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 155.89(0), 138.10(1), 126.21(1), 122.50(0, q, J=287 Hz), 119.15 (1), 76.09(0, sep. J=31Hz), 69.57(1), 55.33(1), 47.30(0), 40.31(2), 36.05(2), 33.71(2), 30.10(2), 20.36(0), 19.46(3), 17.94(2), 11.96(2), 11.46(2); MS REI C19H24O2F6の計算値 M+ 398.1680。実測値 M+ 398.1675。
(合成例32)(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペン−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オンの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(600mg、1.51mmol)及びセライト(2.0g)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウム(1.13g、3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、3.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、次いでシリカゲルパッドを、ヘキサン中25%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、粗(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(550mg、1.39mmol、92%)を得た。攪拌された(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(550mg、1.39mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、室温でトリメチルシリル−イミダゾール(1.76mL、12.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物(623mg、1.33mmol、88%)を得た。[α]28 D=-1.6 c 0.51,CHCl31H NMR (CDCl3): 6.14 (1H, dt, J=15.5, 6.7 Hz), 5.55 (1H, d, J=15.5 Hz), 5.35 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J= 10.7, 6.4 Hz), 2.47-1.74 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.76-0.40 (4H, m), 0.2 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 210.99 (0), 154.28(0), 137.41(1), 126.26(1), 122.59(0, q, J=289 Hz), 120.89 (1), 64.31(1), 53.96(0), 40.60(2), 40.13(2), 35.00(2), 27.03(2), 24.21(2), 20.57(0), 18.53(3), 12.41(2), 10.79(2), 1.65 (3); MS HRES C22H30O2F6Siの計算値 M+H 469.1992。実測値 M+H 469.1995。
(合成例33)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(27)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1R,3R)−1,3−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−5−[2−(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]−シクロヘキサン(514mg、0.90mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.57mL、0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(200mg、0.43mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(750mg)を、FC(15g、ヘキサン中5%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(250mg)の混合物を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(250mg)の混合物に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、24時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(270mg)を、FC(10g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(27)(157mg、0.30mmol、70%)を得た。[α]30 D=+63.3 c 0.45,EtOH。UV λmax(EtOH):243nm(ε 30821),251nm(ε 36064),260nm(ε 24678);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.9, 6.4Hz), 5.92 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.61 (1H, d, J=15.7Hz), 5.38 (1H, m), 4.13 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.88 (1H, s), 2.82-1.34 (19H, m), 0.770 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); MS HRES C27H34O3F6の計算値 M+H 521.2485。実測値 M+H 521.2489。
(合成例34)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(28)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1S,5R)−1,5−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−3−[2−(ジフェニルホスフィノイル)−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチレン−シクロヘキサン(525mg、0.90mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.57mL、0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2E−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(200mg、0.43mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で2.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(760mg)を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(274mg)の混合物を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(274mg)の混合物に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(280mg)を、FC(15g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(28)(167mg、0.31mmol、73%)を得た。[α]30 D=+18.3 c 0.41,EtOH。UV λmax(EtOH):207nm(ε 17778),264nm(ε 15767);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1 Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7Hz), 6.07 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.60 (1H, d, J=15.5 Hz), 5.35 (1H, m), 5.33 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.40-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); MS HRES C28H34O3F6の計算値 M+H 533.2485。実測値 M+H 533.2483。
(合成例35)(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オールの合成
Figure 2007525533
(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(300mg、0.76mmol)、酢酸エチル(5mL)、ヘキサン(12mL)、無水エタノール(0.5mL)、キノリン(30uL)、及びリンドラー触媒(75mg、CaCO3担持5%Pd)の混合物を、室温で2時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドに通して濾過し、パッドをAcOEtで洗浄した。溶媒を蒸発させて、表題化合物(257mg、0.65mmol、87%)を得た。[α]28 D=+1.8 c 0.61,CHCl31H NMR (CDCl3): 6.08 (1H, dt, J=12.3, 6.7 Hz), 5.47 (1H, m,), 5.39 (1H, d, J=12.1 Hz), 4.15 (1H, br. s), 3.28 (1H, s), 2.52-1.34 (12H, m), 1.16 (3H, s), 0.78-0.36 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.66(0), 141.77(1), 126.51(1), 122.79(0, q, J=285 Hz), 115.77 (1), 69.59(1), 55.41(1), 47.28(0), 36.44(2), 35.90 (2), 33.75(2), 30.22(2), 20.89(0), 19.41(3), 17.94(2), 12.05(2), 11.11(2); MS HRES C19H24O2F6の計算値 M+H 399.1753。実測値 M+ H 399.1757。
(合成例36)(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペン−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オンの合成
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(617mg、1.55mmol)及びセライト(2.0g)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウム(1.17g、3.1mmol)を添加した。得られた混合物を、2.5時間攪拌し、シリカゲル(5g)に通して濾過し、次いでシリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、粗(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(600mg、1.51mmol、98%)を得た。攪拌された(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチル−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(600mg、1.51mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、室温でトリメチルシリル−イミダゾール(1.76mL、12.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物(640mg、1.37mmol、88%)を得た。[α]28 D=-0.2 c 0.55,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.97 (1H, dt, J=12.2, 6.2 Hz), 5.40 (1H, m), 5.38 (1H, d, J=12.2Hz), 2.82 (1H, dd, J= 10.7, 6.6 Hz), 2.60-1.74 (10H, m), 0.89 (3H, s), 0.75-0.36 (4H, m), 0.21 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 210.56 (0), 154.30(0), 139.28(1), 125.81(1), 122.52(0, q, J=289 Hz), 118.17 (1), 64.11(1), 53.69(0), 40.43(2), 35.51(2), 34.85(2), 26.94(2), 24.07(2), 20.89(0), 18.39(3), 12.26(2), 10.61(2), 1.43 (3); MS HRES C22H30O2F6Siの計算値 M+H 469.1992。実測値 M+H 469.1992。
(合成例37)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(29)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1R,3R)−1,3−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−5−[2−(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]−シクロヘキサン(514mg、0.90mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、−78℃でn−BuLi(0.57mL、0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(194mg、0.41mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で3.0時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(750mg)を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(230mg)の混合物を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール(230mg)の混合物に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、40時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(260mg)を、FC(10g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(29)(1327mg、0.25mmol、62%)を得た。[α]28 D=+53.6 c 0.33,EtOH。UV λmax(EtOH):243nm(ε 26982)251nm(ε 32081),260nm(ε 21689);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=10.7 Hz), 6.08 (1H, dt, J=12.5, 6.7Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.46 (1H, m,), 5.40 (1H, d, J=12.7 Hz)), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80-1.40 (19H, m), 0.77 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m); MS HRES C27H34O3F6の計算値 M+H 521.2485。実測値 M+H 521.2487。
(合成例38)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(30)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1S,5R)−1,5−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−3−[2−(ジフェニルホスフィノイル)−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチレン−シクロヘキサン(525mg、0.90mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.57mL、0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(5,5,5−トリフルオロ−4−トリフルオロメチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(200mg、0.43mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を−72℃で2.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(680mg)を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(310mg)の混合物を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール及び1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−ヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−23,24−Z−エン−26,27−ヘキサフルオロ−コレカルシフェロール(310mg)の混合物に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、15時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(370mg)を、FC(10g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(30)(195mg、0.37mmol、85%)を得た。[α]30 D=+9.4 c 0.49,EtOH。UV λmax(EtOH):262nm(ε 11846);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1 Hz), 6.08 (2H, m), 5.44 (1H, m), 5.40 (1H, d, J=12.3Hz), 5.32 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.43 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.08 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.55-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s),0.80-0.34 (4H, m); MS HRES C28H34O3F6の計算値 M+H 533.2485。実測値 M+H 533.2502。
(合成例39)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(31)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1R,3R)−1,3−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−5−[2−(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]−シクロヘキサン(697mg、1.22mmol)のテトラヒドロフラン(9mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.77mL、1.23mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(220mg、0.61mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を、−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(900mg)を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−19−ノル−コレカルシフェロール(421mg、0.59mmol)を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−26,27−ヘキサデューテロ−19−ノル−コレカルシフェロール(421mg、0.59mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、40時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(450mg)を、FC(15g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(31)(225mg、0.54mmol、89%)を得た。[α]29 D=+69.5 c 0.37,EtOH。UV λmax(EtOH):243nm(ε 27946),251nm(ε 33039),261nm(ε 22701);1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3 Hz), 5.93 (1H, d, J=11.3 Hz), , 5.36 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.04 (1H, m), 2.75 (2H, m), 2.52-1.04 (22H, m), 1.18 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.65-0.26 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 157.16(0), 142.33(0), 131.25(0), 124.73(1), 123.76(1), 115.50(1), 71.10(0), 67.39(1), 67.19(1), 59.47(1), 50.12(0), 44.60(2), 43.84(2), 42.15(2), 38.12(2), 37.18(2), 35.57(2), 29.26(3), 29.11(2), 29.08(3), 28.48(2), 23.46(2), 22.26(2), 21.27(0), 17.94(3), 12.70(2), 10.27(2); MS HRES C27H42O3の計算値 M+H 415.3207。実測値 M+H 415.3207。
(合成例40)1−α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(32)の合成
Figure 2007525533
攪拌された(1S,5R)−1,5−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−3−[2−(ジフェニルホスフィノイル)−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチレン−シクロヘキサン(675mg、1.16mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.73mL、1.17mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(210mg、0.58mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を、−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(850mg)を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(382mg、0.53mmol)を得た。1−α,3−β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(382mg、0.53mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、15時間攪拌した。AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(380mg)を、FC(15g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(32)(204mg、0.48mmol、83%)を得た。[α]29 D=+16.1 c 0.36, EtOH。UV λmax(EtOH):208nm(ε 17024),264nm(ε 16028);1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.38-1.08 (20H, m), 1.19 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.66-0.24 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 157.07(0), 147.62(0), 142.49(0), 133.00(0), 124.90(1), 124.73(1), 117.19(1), 111.64(2), 71.10(1), 70.70(0), 66.88(1), 59.53(1), 50.28(0), 45.19(2), 43.85(2), 42.86(2), 38.13(2), 35.59(2), 29.27(2), 29.14(3), 28.65(2), 23.57(2), 22.62(2), 21.29(0), 17.84(3), 12.74(2), 10.30(2); MS HRES C28H42O3の計算値 M+Na 449.3026。実測値 M+Na 449.3023。
(合成例41)1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20R−コレカルシフェロール(33)の合成
Figure 2007525533
[1R,3aR,4S,7aR]−2(R)−[4−(1,1−ジメチルエチル)ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−6−メチル−ヘプタン−1,6−ジオール(34)及び[1R,3aR,4S,7aR]−2(S)−[4−(1,1−ジメチルエチル)ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−6−メチル−ヘプタン−1,6−ジオール(35)
Figure 2007525533
アルケノールのテトラヒドロフラン(9mL)溶液を氷浴中で冷却し、1M ボラン−THFのテトラヒドロフラン(17mL)溶液を滴下すると、最初は発泡して反応した。溶液を室温で終夜攪拌し、氷浴中で再冷却し、水(17mL)、続いて過炭酸ナトリウム(7.10g、68mmol)を滴下した。混合物を50℃浴に浸漬し、70分間攪拌して、溶液を生成した。2相系を放置して冷却し、次いで1:1の酢酸エチル−ヘキサン(170mL)で平衡にした。有機層を、水(2回×25mL)、次いで食塩水(20mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、無色油(2.76g)を得た。この材料を、1:1の酢酸エチル−ヘキサン、及びシリカゲルGを使用した短いフラッシュカラムに通した。完全溶出後に得られた溶出物を蒸発させ、酢酸エチルで取り出し、濾過し、2×18インチ、15−20μシリカのYMC HPLCカラムで、移動相として2:1の酢酸エチル−ヘキサンを使用して、流速100mL/分でクロマトグラフィーを行った。異性体34は、溶出物最大2.9Lで、無色油1.3114gとして出現した。[α]D + 45.2°(メタノール,c 0.58;1H NMR δ -0.002 (3H, s), 0.011 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.93 (3H, s), 1.17 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.89 (1H, m), 3.66 (1H, dd, J = 4.8及び11 Hz), 3.72 (1H, dd, J = 3.3及び11 Hz), 4.00 (1H, m); LR-ES(-) m/z 412 (M), 411 (M-H); HR-ES(+): (M+Na)の計算値 435.3265、実測値: 435.3269。
異性体35は、溶出物最大4.9Lで溶出し、長期放置すると無色油0.8562gは結晶化した:mp102〜3°。[α]D + 25.2°(メタノール,c 0.49);1H NMR δ -0.005 (3H, s), 0.009 (3H, s), 0.89 (9 H, s), 0.93 (3H, s), 1.16 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.3-1.5, (14H, m), 1.57 (2H, m), 1.67 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.91 (1H, m), 3.54 (1H, dd, J = 4.8及び11 Hz), 3.72 (1H, dd, J = 2.9及び11 Hz), 4.00 (1H, m); ); LR-ES(-) m/z 412 (M), 411 (M-H). 元素分析:C24H48O3Siの計算値: C, 69.84, H, 11.72; 実測値: C, 69.91; H, 11.76。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(R)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−7−ヨード−2−メチル−ヘプタン−2−オール(36)
Figure 2007525533
ジクロロメタン(3mL)中攪拌されたトリフェニルホスフィン(0.333g、1.27mmol)及びイミダゾール(0.255g、3mmol)の混合物を、氷浴中で冷却し、ヨウ素(0.305g、1.20mmol)を添加した。この混合物を、10分間攪拌し、次いで34(0.4537g、1.10mmol)のジクロロメタン(3mL)の溶液を10分間で滴下した。混合物を、氷浴中で30分間、次いで周囲温度で2と3/4時間攪拌した。TLC(1:1の酢酸エチル−ヘキサン)により、遊離体はないことが確認された。チオ硫酸ナトリウム(0.1g)の水(5mL)溶液を添加し、混合物を平衡にし、有機相を、数滴の食塩水を含む0.1N 硫酸(10mL)、次いで1:1の水−食塩水(2回×10mL)、1回×食塩水(10mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。残渣を、移動相として1:9の酢酸エチル−ヘキサンを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色シロップの36を0.5637g(98%)得た:1H NMR δ -0.005 (3H, s), 0.010 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.23 (6H, s), 1.1-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.84 (1H, m), 3.37(1H, dd, J = 4及び10 Hz), 3.47 (1H, dd, J = 3及び10 Hz), 4.00 (1H, m); LR-EI(+) m/z 522 (M), 465 (M-C4H9), 477 (M-C4H9-H2O); HR-EI(+): C24H47IO2Siの計算値: 522.2390、実測値: 522.2394。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(S)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2−メチル−ノン−8−イン−2−オール(37)
Figure 2007525533
リチウムアセチリドDMA錯体(0.110g、1.19mmol)を、36(0.2018g(0.386mmol))のジメチルスルホキシド(1.5mL)及びテトラヒドロフラン(0.15mL)の溶液に添加した。混合物を終夜攪拌した。TLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)は、2つのスポットが非常に密接に移動している混合物であることを明らかにした(Rf0.52及び0.46)。36の脱離反応生成物である純粋なアルケノールは、溶出帯の始めの分画に含有され、主要生成物として生成された。しかし、溶出帯の終わりの分画も均質であり、蒸発時に所望のアセチレン37が得られた。同定の役に立つ37及びその6−エピマーのNMRスペクトルは、先に報告されている。
[1R,3aR,4S,7aR]−7−ベンゼンスルホニル−6(S)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2−メチル−ヘプタン−2−オール(38)
Figure 2007525533
37b(0.94g、1.8mmol)、ベンゼンスルフィン酸ナトリウム(2.18g、13mmol)及びN,N−ジメチルホルムアミド(31.8g)の混合物を、室温で12時間、次いでTLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)によって示唆されるようにすべての遊離体が変換されるまで40℃浴で約6時間攪拌した。溶液を、1:1の酢酸エチル−ヘキサン(120mL)及び1:1の食塩水−水(45mL)で平衡にした。有機層を、水(4回×25mL)、食塩水(10mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させて、無色油1.0317gを得た。この材料を、ステップワイズグラジエント(1:9、1:6、1:3の酢酸エチル−ヘキサン)を使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、無色油0.930g(96%)を得た:300MHz 1H NMR δ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.88 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 1.81 (1H, m), 3.09 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.59 (3H, m), 7.91 2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]−1−(1(S)−ベンゼンスルホニルメチル−5−メチル−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン(39)
Figure 2007525533
1−(トリメチルシリル)イミダゾール(1mL)を、38(0.8g)のシクロヘキサン(10mL)溶液に添加し、終夜攪拌し、次いでヘキサン、1:39及び1:19の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけた。溶出をTLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)によって監視し、無色シロップの39を0.7915g得た:300MHz 1H NMR δ 0.00 (3H, s), 0.02 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.90 (12H, s, t-butyl+7a-Me), 1.16 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.66-1.86 (3H, m), 3.10 (2H, m), 4.00 (1H, brs), 7.56-7.70 (3H, m), 7.93 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(R)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2,10−ジメチル−ウンデカン−2,3(R),10−トリオール(40)
Figure 2007525533
39(0.7513g、1.23mmol)及びジオール(0.508g、1.85mmol)のテトラヒドロフラン(28mL)溶液を、−35℃に冷却し、次いでヘキサン(2.75mL)中2.5Mブチルリチウムを滴下した。温度を放置して−20℃まで上げ、その温度で6時間、又は遊離体が消費されるまで維持した。反応の進行は、遊離体(Rf0.71)及び2つのエピマージオール(Rf0.09及び0.12)を示すTLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)によって監視した。反応時間の終わりに向けて、温度を短時間で0℃に上げ、再び−10に下げ、次いで飽和塩化アンモニウム(25mL)、続いて酢酸エチル(50mL)、及び沈殿した塩を溶解するのに十分な水を添加した。得られた水相を酢酸エチル(15mL)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水(15mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られたシロップを、1:9、1:6、1:4、及び1:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、無色シロップの39aを0.8586g得た。この材料を、テトラヒドロフラン(30mL)及びメタノール(18mL)の混合物に溶解し、次いで5%ナトリウムアマルガム(20g)を添加した。混合物を14時間攪拌した後、還元的脱スルホン化が完了した。反応の進行を、エピマージオール(Rf0.63及び0.74)の消失、及び40a(Rf0.79)の生成、及び部分脱シリル化類似体40(Rf0.16)を示すTLC(1:1の酢酸エチル−ヘキサン)によって監視した。混合物をメタノール(20mL)で希釈し、3分間攪拌し、次いで氷(20g)を添加し、2分間攪拌し、上澄みをデカンテーションして飽和塩化アンモニウム(50mL)を含有する混合物に入れた。残渣を少量のテトラヒドロフランで繰り返し洗浄し、塩溶液に添加し、次いで酢酸エチル(80mL)で平衡にした。水層を酢酸エチル(20mL)で1回再抽出し、合わせた抽出物を食塩水(10mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。40aと40を含有する得られた無色油を、10mLの1N シュウ酸のメタノール溶液(二水和物から調製)に溶解すると、トリメチルシリルエーテルの選択的加水分解が何分か以内に起こった。炭酸カルシウム(1g)を添加し、懸濁液を終夜攪拌し、次いで濾過した。溶液を蒸発させ、得られた残渣を、1:4、1:2、1:1及び2:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけると、トリオール40の残渣が得られ、アセトニトリルから非常に細かい分枝状針晶0.45gに結晶化した:mp94〜95℃、[α]D+44.1°(メタノール,c 0.37);400MHz 1H NMR δ -0.005 (3H, s), 0.007 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.15 (1H, m), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.6 (19H, m), 1.67 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.90 (2H, m), 2.06 (1H, m), 3.31 (1H, brd, J = 10 Hz), 4.00 (1H, brs), LR-ES(-) m/z: 533 (M+Cl), 497 (M-H); HR-ES(+): C29H58O4Si + Naの計算値: 521.3996、実測値: 521.4003. 元素分析:C29H58O4Siの計算値: C, 69.82, H, 11.72; 実測値: C, 69.97; H, 11.65。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(R)−(4−ヒドロキシ−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル)−2,10−ジメチル−ウンデカン−2,3(R),10−トリオール(41)
Figure 2007525533
攪拌されたトリオール40(0.4626g、0.927mmol)のアセトニトリル(10mL)及びジオキサン(0.7mL)の溶液を10℃に冷却し、フルオロケイ酸溶液(2mL)を滴下した。冷却浴を取り外し、2相系をさらにアセトニトリル(2mL)で希釈し、次いで室温で3と1/4時間攪拌した。遊離体の消失は、TLC(酢酸エチル)によって監視した。混合物を水(10mL)及び酢酸エチル(30mL)で平衡にした。水相を酢酸エチル(2回×20mL)で再抽出し、合わせた抽出物を、水(5mL)及び食塩水(10mL)、次いで1:1の食塩水−飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥した。残渣を、1:1から2:1への酢酸エチル−ヘキサン、及びニートな酢酸エチルのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけることによって精製して、残渣を得、1:1のジクロロメタン−ヘキサンで取り出し、濾過し、蒸発させて、非晶質固体0.3039g(85%)を得た:[α]D + 42.6°(メタノール,c 0.48);1H NMR (DMSO-d6): δ 0.87 (3H, s), 0.97 (3H, s), 1.02 (3H, s), 1.04 (6H, s), 1.1-1.4 (18H, m), 1.5-1.8 (4H, m), 1.84 (1H, m), 2.99 (1H, dd, J = 6及び10 Hz), 3.87 (1H, brs), 4.02 (1H, s, OH), 4.05 (1H, s, OH), 4.16 (1H, d, OH, J = 3.6 Hz), 4.20 (1H, d, OH, J = 6.4 Hz); LR-ES(+): m/z 384 (M), 383 (M-H); HR-ES(+): (M+Na)の計算値 407.3132、実測値: 407.3134。
[1R,3aR,4S,7aR]−1−{5−ヒドロキシ−5−メチル−1(R)−[2−(2,2,5,5−テトラメチル−[1,3]ジオキソラン−4(R)−イル)−エチル]−ヘキシル}−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オール(42)
Figure 2007525533
テトラオール40(0.2966g、0.771mmol)及びトシル酸ピリジニウム(100mg)のアセトン(8mL)及び2,2−ジメトキシプロパン(8mL)の溶液を室温で12時間維持した。TLC分析(酢酸エチル)は、遊離体(Rf0.21)がなく、Rf0.82及び0.71の2つの新しいスポットを示した。前者は期待される42であり、後者はメチルアセタールと推定される。反応混合物を水(5mL)で希釈し、10分間攪拌した。その時点では、Rf値の高い方のスポットしか観察されなかった。混合物を炭酸水素ナトリウム(0.5g)で中和し、次いで酢酸エチル(50mL)及び食塩水(5mL)で平衡にした。有機層を、水(5mL)及び食塩水(5mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させて、粘性残渣(0.324g)を得、次のステップで直接使用した:300MHz 1H NMR: δ 0.94 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.34 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.2-1.65 (20H, m), 1.78-1.86 (3H, m), 1.93 (1H, m), 3.62 (1H, dd, J = 4.6及び8.3 Hz), 4.08 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]−酢酸1−{5−ヒドロキシ−5−メチル−1(R)−[2−(2,2,5,5−テトラメチル−[1,3]ジオキソラン−4(R)−イル)−エチル]−ヘキシル}−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−イルエステル(43)
Figure 2007525533
上記で得られた残渣をピリジン(6.9g)に溶解し、さらに無水酢酸(3.41g)で希釈した。混合物を、室温で24時間、次いで遊離体が検出(TLC、酢酸エチル)されなくなるまで35℃浴中で約10時間放置した。混合物をトルエンで希釈し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、無色シロップの43を得た。0.3452g,97%:1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.25-1.6 (19H, m), 1.72 (1H, m), 1.82 (2H, m), 1.95 (1H, m), 2.05 (3H, s), 3.63 (1H, dd, J = 4.4及び8.4 Hz), 5.15 (1H, brs); LR-FAB(+) m/z 467 (M+H), 465 (M-H), 451 (M-Me)。
[1R,3aR,4S,7aR]−酢酸1−[4(R),5−ジヒドロキシ−1(R)−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−5−メチル−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−イルエステル(44)
Figure 2007525533
43(0.334g、0.716mmol)の80%酢酸(2mL)溶液を、68℃浴中に維持した。TLC(酢酸エチル、Rf0.33)で、加水分解の進行を監視した。遊離体は、2.5時間後にはもはや検出されなかった。混合物を蒸発させ、次いで少量のトルエンと共蒸発させて、無色被膜(0.303g)を得、次のステップで直接使用した:300MHz 1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.56 (3H, s), 1.1-1.6 (21H, m), 1.6-2.0 (5H, m), 2.04 (3H, s), 3.32 (1H, brd, J = 10 Hz), 5.15 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]−酢酸1−[4(R)−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−5−ヒドロキシ−1(R)−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−5−メチル−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−イルエステル(45)
Figure 2007525533
トリオール44(0.30g)、イミダゾール(0.68g、10mmol)及びジメチルテキシルシリルクロリド(1.34g、7.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6g)溶液を室温で維持した。48時間後、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(15mg)を添加し、混合物をさらに24時間攪拌した。反応の進行をTLC(酢酸エチル;24、Rf0.83;25a、Rf0.38)によって監視した。混合物を水(2mL)で希釈し、10分間攪拌し、次いで酢酸エチル(45mL)と水(20mL)に分配した。水層を1回×酢酸エチル(10mL)で抽出した。合わせた有機相を水(4回×12mL)及び食塩水(8mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。残留油を、1:9及び1:4の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色シロップの45を得た。少量の未反応の遊離体(80mg)を酢酸エチルで溶出した。シロップ状の45を次のステップで直接使用した:400MHz 1H NMR: δ 0.13 (3H, s), 0.14 (3H, s), 0.87 (6H, s), 0.91 (9H, m), 1.10 (1H, m), 1.14 (3H, s), 1.15 (3H, s), 1.21 (6H, s), 1.1-1.6 (19H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.94 (1H, brd, J = 12.8 Hz), 2.05 (3H, s), 3.38 (1H, brs), 5.15 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]−酢酸1−[4(R)−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−5−メチル−1(R)−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−イルエステル(46)
Figure 2007525533
1−(トリメチルシリル)イミダゾール(0.90mL、6.1mmol)を、45(0.2929mg)のシクロヘキサン(6mL)溶液に添加し、12時間攪拌し、次いでフラッシュクロマトグラフィーを行って(1:79の酢酸エチル−ヘキサン)、無色シロップの46(0.3372g)を得た。溶出をTLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)によって監視し、無色シロップの46を0.7915g得た:1H NMR δ: 0.074 (3H, s), 0.096 (3H, s), 0.103 (9H, s), 0.106 (9H, s), 0.82 (1H, m), 0.83 (6H, s), 0.88 (9H, m), 1.32 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.15-1.6 (17H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.97 (1H, brd, J = 12.8 Hz), 2.05 (3H, s), 3.27 (1H, m), 5.15 (1H, brs); LR-FAB(+) m/z: 712 (M), 711 (M-H), 697 (M-Me), 653 (M-AcO), 627 (M-C6H13)。
[1R,3aR,4S,7aR]−1−[4(R)−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−5−メチル−1(R)−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オール(47)
Figure 2007525533
攪拌された46(0.335mg、0.47mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を氷浴中で冷却し、1M水素化アルミニウムリチウムのテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。TLC(1:9の酢酸エチル−ヘキサン)は、1.5時間後に、25b(Rf0.61)から26(Rf0.29)に完全に転換されたことを示した。2M水酸化ナトリウム溶液(14滴)、続いて水(0.5mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加した。少量のセライトを添加し、15分間攪拌した後、液体層を濾過した。固体残渣を酢酸エチルで繰り返しすすぎ、合わせた液相を蒸発させて、無色シロップを得、ヘキサンで取り出し、濾過し、蒸発させて、26(0.335g)を得、さらに精製することなく使用した:1H NMR δ: 0.075 (3H, s), 0.10 (21H, brs), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 0.93 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.2-1.6 (16H, m), 1.6-1.7 (2H, m), 1.82 (3H, m), 1.95 (1H, brd, J = 12.4 Hz), 3.27 (1H, m), 4.08 (1H, brs); LR-FAB(+) m/z: 585 (M-C6H13), 481 (M-TMSO); HR-ES(+) m/z: C37H78O4Si3 + Naの計算値: 693.5100 実測値: 693.5100。
[1R,3aR,7aR]−1−[4(R)−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−5−メチル−1(R)−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オン(48)
Figure 2007525533
攪拌された47(0.310g、0.462mmol)のジクロロメタン(14mL)溶液に、セライト(0.6g)、続いて重クロム酸ピリジニウム(0.700g、1.86mmol)を添加した。47(Rf0.54)からケトン27(Rf0.76)への変換は、TLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)で追跡した。4.5時間後に混合物をシクロヘキサンで希釈し、次いでシリカゲル層に通して濾過した。濾液及びエーテル洗液を合わせ、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけて(1:39の酢酸エチル−ヘキサン)、無色シロップの27を0.2988g(96.6%)を得た:1H NMR δ: 0.078 (3H, s), 0.097 (3H, s), 0.107 (18H, s), 0.64 (3H, s), 0.81 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 1.134 (3H, s), 1.201 (3H, s), 1.207 (3H, s), 1.211 (3H, s), 1.3-1.6 (14H, m), 1.6-1.7 (3H, m), 1.88 (1H, m), 2.04 (2H, m), 2.2-2.32 (2H, m), 2.46 (1H, dd, J = 7.5及び11.5 Hz), 3.28 (1H, m); LR-FAB(+) m/z: 583 (M-C6H13), 479 (M-OTMS); HR-ES(+) m/z: C37H76O4Si3 + Naの計算値: 691.4943、実測値: 691.4949。
[1R,3aR,7aR,4E]−4−{2(Z)−[3(S),5(R)−ビス−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチレン−シクロヘキシリデン]−エチリデン}−7a−メチル−1−[5−メチル−1(R)−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−4(R)−[ジメチル−(1,1,2−トリメチル−プロピル)−シラニルオキシ]−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル]−オクタヒドロ−インデン(49)
Figure 2007525533
2.5Mブチルリチウムのヘキサン(0.17mL)溶液を、−70℃で28のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に添加して、濃鮮紅色のイリエドを得た。10分後、ケトン27(0.1415g、0.211mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を15分間で滴下した。4時間後、pH7のリン酸塩緩衝液(2mL)の添加により、反応を中止した。放置して温度を0℃まで上昇させ、次いでヘキサン(30mL)を添加した。水層をヘキサン(15mL)で再抽出した。合わせた抽出物を食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、無色油を得、フラッシュクロマトグラフィー(1:100の酢酸エチル−ヘキサン)によって精製して、無色シロップの49を0.155g(71%)を得た:1H NMR δ: 0.068 (15H, m), 0.103 (12H, s), 0.107 (9H, s), 0.53 (3H, s), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.88 (18H,m), 0.89 (6H, m), 1.14 (3H, m), 1.20 (9H, s), 12-1.9 (22H, m), 1.97 (2H, m), 2.22 (1H, dd, J = 7.5 an 13 Hz), 2.45 (1H, brd, J = 13 Hz), 2.83 (1H, brd, J = 13 Hz), 3.28 (1H, m), 4.20 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, d, J = 2 Hz), 5.18 (1H, d, J = 2 Hz), 6.02 (1H, d, J = 11.4 Hz, 6.24 (1H, d, J = 11.4 Hz); LR-FAB(+) m/z 1033 (M+H), 1032 (M), 1031 (M-H), 901 (M-TBDMS)。
1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20R−コレカルシフェロール(33)の合成
Figure 2007525533
上記の実験で得られたような49(0.153g、0.148mmol)の残渣を1Mフッ化テトラブチルアンモニウム(3.5mL)溶液に溶解した。TLC(酢酸エチル)で、反応の進行を監視した。したがって、24時間後、溶液を食塩水(5mL)で希釈し、5分間攪拌し、次いで酢酸エチル(35mL)及び水(15mL)で平衡にした。水層を酢酸エチル(15mL)で1回再抽出した。合わせた有機層を水(5回×10mL)、1回×食塩水(5mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル及び1:100のメタノール−酢酸エチルのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、無色微結晶性材料の33をギ酸メチル−ペンタンから、70mg(91%)得た:[α]D + 34.3°(メタノール,c 0.51);1H NMR (DMSO-d6) δ: 0.051 (3H, s), 0.98 (3H, s), 1.03 (3H, s), 1.05 (6H, s), 1.0-1.6 (17H, m), 1.64 (3H, m), 1.80 (2H, m), 1.90 (1H,d, J = 11.7 Hz), 1.97 (1H, dd, J=J= 9.8 Hz), 2.16 (1H, dd, J = 5.9及びJ = 13.7 Hz), 2.36 (1H, brd), 2.79 (1H, brd), 3.00 (1H, dd, J = 5及び10 Hz), 3.99 (1H, brs), 4.01 (1H, s, OH), 4.04 (1H, s, OH), 4.54 (1H, OH, d, J = 3.9 Hz), 4.76 (1H, brs), 4.87 (1H, OH, d, J = 4.9 Hz), 5.22 ( 1H, brs), 5.99 (1H, d, J = 10.7 Hz), 6.19 (1H, d, J = 10.7 Hz); LR-ES(+) m/z: 519 (M+H), 518 (M), 517 (M-H), 501 (M-OH); HR-ES(+) C32H54O5 + Naの計算値: 541.3863; 実測値 541.3870; UVmax (ε): 213 (13554), 241sh (12801), 265 (16029) nm。
(合成例42)1,25−ジヒドロキシ−21(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20S−コレカルシフェロール(50)の合成
Figure 2007525533
[1R,3aR,4S,7aR]−7−ベンゼンスルホニル−6(R)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2−メチル−ヘプタン−2−オール(51)
Figure 2007525533
36及びベンゼンスルフィン酸ナトリウム(0.263g、1.6mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を、77℃浴中で3時間攪拌した。溶液を1:1の酢酸エチル−ヘキサン(25mL)で平衡にし、有機層を水(5回×10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、1:9、1:4、及び1:3の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを用いたフラッシュクロマトグラフィーにかけて、無色シロップのスルホンを得た:1H NMR δ -0.02 (3H, s), 0.005 (3H, s), 0.79 (3H, s), 0.87 (9H, s), 1.12 (1H, m), 1.19 (6H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 2.08 (1H, m), 3.09 (1H, dd, J = 9.3及び14.5 Hz), 3.31 (1H, dd, J = 3及び14.5 Hz), 3.97 (1H, brs), 7.58 (3H, m), 7.66 (1H, m), 7.91 2H, m); LR-ES(+) m/z: 600 (M+Na+MeCN), 559 (M+Na); LR-ES(-) m/z: 536 (M), 535 (M-H); HR-ES(+): C30H52O4SSi + Naの計算値 559.3248; 実測値 559.3253。
[1R,3aR,4S,7aR]−1−(1(R)−ベンゼンスルホニルメチル−5−メチル−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン(52)
Figure 2007525533
1−(トリメチルシリル)イミダゾール(0.146mL)を、51(0.145g、0.27mmol)のシクロヘキサン(2mL)溶液に添加した。17時間後、生成物を、1:79及び1:39の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色残渣の52を0.157g(0.258mmol)を得た。TLC(1:9の酢酸エチル−ヘキサン)Rf0.14。300MHz 1H NMR: δ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (12H, s), 1.12 (1H, m), 1.17 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.6-1.9 (3H, m), 3.08 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.53-7.70 (3H, m), 7.90 (2H, d, J = 7Hz)。
[1R,3aR,4S,7aR]−5(R,S)−ベンゼンスルホニル−6(R)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2,10−ジメチル−10−トリメチルシラニルオキシ−ウンデカン−2,3(R)−ジオール(53)
Figure 2007525533
152(0.2589、0.425mmol)及びジオール(0.176g、0.638mmol)のテトラヒドロフラン(9mL)溶液を、−25℃に冷却し、ヘキサン(1.4mL)中1.6Mブチルリチウムを添加した。温度を−20℃に上昇させ、3時間、次いで−10℃で2.5時間、及び0℃で10分間維持した。混合物を再び−10℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(5mL)を添加し、次いで酢酸エチル(50mL)、及び沈殿した塩を溶解するのに十分な水で平衡にした。水層を酢酸エチル(15mL)で再抽出し、合わせた抽出物を乾燥し、蒸発させ、残渣を、1:6、1:4、及び1:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色シロップの53を0.212g(70%)得た:300MHz 1H NMR: δ 0.00 (3H, s), 0.017 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.81 (3H, s), 0.89 (9H, s), 1.16 (1H, m), 1.19 (12H, m), 1.1-1.6 (20H, m), 1.6-1.8 (2H, m), 3.10 (1H, dd, J = 8.4及び14.7 Hz), 3.30 (1H, m), 3.99 (1H, brs), 7.61 (2H, m), 7.67 (1H, m), 7.93 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(S)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2,10−ジメチル−10−トリメチルシラニルオキシ−ウンデカン−2,3(R)−ジオール(54)
Figure 2007525533
化合物53(0.186mg、0.262mmol)を、メタノール(2.5mL)中0.5Mシュウ酸二水化物に溶解した。溶液を、15分間攪拌し、次いで炭酸カルシウムを添加し(0.5g)、懸濁液を終夜攪拌し、次いで濾過した。濾液を蒸発させて、白色フォームの54を0.188g(98%)を得た:TLC(1:1の酢酸エチル−ヘキサン)Rf0.06。この材料をさらに精製することなく、次のステップで使用した。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(S)−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2,10−ジメチル−ウンデカン−2,3(R),10−トリオール(トリオール55)
Figure 2007525533
ナトリウムアマルガム(5%ナトリウム、10.8g)を、テトラヒドロフラン(15mL)及びメタノール(9mL)の混合物中激しく攪拌された54(0.426g、0.667mmol)の溶液に添加した。懸濁液を24時間攪拌し、反応をTLC(1:1の酢酸エチル−ヘキサン)によって監視して、55(Rf0.17)の生成を観察した。混合物をメタノール(3mL)で希釈し、5分間攪拌し、次いでさらに水で希釈し(10mL)、2分間攪拌し、デカンテーションして飽和塩化アンモニウム溶液(25mL)に入れた。水層を酢酸エチル(2回×20mL)で抽出した。合わせた抽出物をpH7のリン酸塩緩衝液(5mL)で洗浄し、次いで食塩水(10mL)、乾燥し、蒸発させた。残渣を、1:1及び2:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、無色シロップの55を0.244g(73%)得た:1H NMR: δ -0.006 (3H, s), 0.006 (3H, s), 0.86 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.11 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.75 (21H, m), 1.7-1.85 (3H, m), 1.90 (1H, m), 3.29 (1H, brd), 3.99 (1H, brs); LR-ES(+) m/z: 521 (M+Na), 481 (M-OH); LR-ES(-): m/z 544: (M+CH2O2), 543 (M-H+CH2O2), 533 (M-Cl); HR-ES(+) m/z: C29H58O4Si + Naの計算値: 521.3996、実測値 521.3999。
[1R,3aR,4S,7aR]−6(S)−(4−ヒドロキシ−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル)−2,10−ジメチル−ウンデカン−2,3(R),10−トリオール(56)
Figure 2007525533
水性フルオロケイ酸溶液(3mL)を、アセトニトリル(12mL)中攪拌された55(0.240g、0.481mmol)の溶液に添加した。TLC(酢酸エチル)で反応を監視した。2.5時間後、より極性でない55の犠牲によって生成された化合物56(Rf0.37)が、優先的な種であった。混合物を酢酸エチル及び水(10mL)で平衡にし、水層を水(2回×10mL)で再抽出し、合わせた抽出物を水(6mL)及び食塩水(2回×10mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。無色残渣を、1:2、1:1、及び2:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、未反応の55と、その後に続いて56を溶出し、無色シロップとして0.147g(79%)得た:1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.15-1.7 (20H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.96 (1H, brd), 3.29 (1H, d, J = 9.6 Hz), 4.08 (1H, brs); LR-ES(+): m/z 448: (M+Na+MeCN), 407 (M+Na); LR-ES(-): m/z 419 (M+Cl); HR-ES(+) m/z: C23H44O4 + Naの計算値: 407.3132、実測値 407.3135。
[1R,3aR,4S,7aR]−1−(5−ヒドロキシ−1(S)−{2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4(R)−イル]−エチル}−5−メチル−ヘキシル)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オール(57)
Figure 2007525533
56(81.2mg、0.211mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、4−メトキシベンゾアルデヒドジメチルアセタール(60μL、0.35mmol)と、その後に続いてジクロロメタン(10mL)中トシル酸ピリジニウム(200mg)を含有する溶液(0.2mL)を添加した。反応の進行は、TLC(1:2の酢酸エチル−ヘキサン)で追跡し、4−メトキシベンゾアルデヒドジメチルアセタール(Rf0.80)、4−メトキシベンゾアルデヒド(Rf0.65)、遊離体56(Rf0.42)、及び生成物57(Rf0.26)を明らかにした。5と3/4時間後、混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)と共に15分間攪拌し、次いで酢酸エチル(25mL)で平衡にした。有機層を、食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を1:3及び1:2の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、無色シロップの57を0.106mg(100%)得た:1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.19, 1.21 (6H, 各s, Me2COH), 1.23, 1.35及び1.24, 1.37 (6H, 各s、主及び副の5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.7 (18H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.9-2.0 (2H, m), 3.65 (1H, m), 3.81 (3H, s), 4.08 (1H, brs), 5.78及び5.96 (1H, 各s、主及び副のアセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.41 (2H, m)
[1R,3aR,7aR]−1−(5−ヒドロキシ−1(S)−{2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−5,5−ジメチル−[1,3]ジオキソラン−4(R)−イル]−エチル}−5−メチル−ヘキシル)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オン(58)
Figure 2007525533
重クロム酸ピリジニウム(230mg、0.61mmol)を、攪拌された57(0.0838、0.167mmol)、セライト(185mg)、及びジクロロメタン(4mL)を含有する混合物に添加した。57(Rf0.31)から58(Rf0.42)への転換をTLC(1:25のメタノール−クロロホルム)によって監視し、2.5時間後に、混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、次いでシリカゲル層に通して濾過した。濾液及び洗浄液(1:1のジクロロメタン−酢酸エチル)を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにかけて(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)、ケトン58を0.0763g(91%)得た:1H NMR: 0.63 (3H, s), 1.19, 1.21及び1.23 (6H, 各s, Me2COH), 1.25, 1.36, 1.38 (6H, m,s,s, 5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.9 (18H, m), 1.9-2.1 (3H, m), 2.1-2.4 (2H, m), 2.45 (1H, m), 3.66 (1H, m), 3.802及び3.805 (3H, 各s), 5.78及び5.95 (1H, 各s、主及び副のアセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.39 (2H, m)。
[1R,3aR,7aR]−1−[4(R),5−ジヒドロキシ−1(S)−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−5−メチル−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オン(59)
Figure 2007525533
ケトン58を、90%メタノールにとかした1Nシュウ酸溶液中で攪拌した。混合物は、数分後に均質になった。75分後、TLC(酢酸エチル)から、反応の完了が示唆された(59はRf0.24)。したがって、炭酸カルシウム(0.60g)を添加し、懸濁液を終夜攪拌し、次いで濾過した。濾液を蒸発させ、4:1:5のジクロロメタン−酢酸エチル−ヘキサン、1:1の酢酸エチル−ヘキサン、及びニートな酢酸エチルのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、無色残渣の59を0.060mg(94%)得た:1H NMR: 0.5 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.23 (3H, s), 1.2-1.21 (23H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.45 (1H, dd, J = 7及び11 Hz), 3.30, 1H, brd)。
[1R,3aR,7aR]−7a−メチル−1−[5−メチル−1(S)−(4−メチル−4−トリエチルシラニルオキシ−ペンチル)−4(R),5−ビス−トリエチルシラニルオキシ−ヘキシル]−オクタヒドロ−インデン−4−オン(60)
Figure 2007525533
59(0.055g、0.143mmol)、イミダゾール、(14.9mg、1.69mmol)、N,N−ジメチルピリジン(6mg)、トリエチルクロロシラン(0.168mL、1mmol)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)の混合物を、17時間攪拌した。反応をTLC(1:4の酢酸エチル−ヘキサン)で追跡し、ジシリル中間体(Rf0.47)への急速な転換が明らかになった。さらに、反応は円滑に終夜進行して、完全シリル化60(Rf0.90)が得られた。溶液を水(3mL)で平衡にし、酢酸エチル(20mL)で平衡にし、酢酸エチル層を水(3回×4mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン及び1:100の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、無色シロップの60を0.0813g(78.4%)得た:1H NMR δ 0.55-0.64 (21H, m), 0.92-0.97 (27H, m), 1.12 (3H, s), 1.18 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.21 (3H, s) , 1.1-1.7 (18H, m), 1.9-2.15 (2H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.43 (1H, dd, J = 7.7及び11 Hz), 3.30 (1H, dd, J = 3及び8.4 Hz)。
[1R,3aR,7aR,4E]−4−{2(Z)−[3(S),5(R)−ビス−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチレン−シクロヘキシリデン]−エチリデン}−7a−メチル−1−[5−メチル−1(S)−(4−メチル−4−トリエチルシラニルオキシ−ペンチル)−4(R),5−ビス−トリエチルシラニルオキシ−ヘキシル]−オクタヒドロ−インデン(61)
Figure 2007525533
1.6Mブチルリチウムのヘキサン(0.14mL)溶液を、−70℃でホスフィン(0.1308g、0.224mmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に添加した。10分後、ケトン60(0.0813g、0.112mmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液を15分間かけて滴下した。3時間後、イリドの色は褪せ、したがってpH7のリン酸塩緩衝液(2mL)を添加し、放置して温度を0℃まで上昇させた。混合物をヘキサン(30mL)で平衡にし、有機層を食塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、無色油を得、フラッシュクロマトグラフィー(1:100の酢酸エチル−ヘキサン)によって精製した。Rf0.33の帯(TLC 1:39の酢酸エチル−ヘキサン)のみを収集した。これらの分画を蒸発させると、無色シロップの61が0.070g(57%)得られた:1H NMR δ 0.06 (12H, brs), 0.53-0.64 (21H, m), 0.88 (18H, s), 0.92-0.97 (27H, m), 1.11 (3H, s), 1.177 (3H, s), 1.184 (3H, s), 1.195 (3H, s), 1-1.9 (22H, m), 1.98 (2H, m), 2.22 (1H, m), 2.45 (1H, m), 2.83 (1H, brd, J = 13 Hz, 3.27 (1H, d, J = 6 Hz), 4.19 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, brs), 5.18 (1H, brs), 6.02 (1H, d, J = 11 Hz), 6.24 (1H, d, J = 11 Hz)。
1,25−ジヒドロキシ−21(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20S−コレカルシフェロール(50)の合成
Figure 2007525533
1Mフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液中における61(0.068g、0.06238mmol)の脱保護反応は、TLC(酢酸エチル)で追跡し、徐々に進行して、50(Rf0.19)が得られた。25時間後、混合物を食塩水(5mL)で希釈し、5分間攪拌し、酢酸エチル(35mL)及び水(15mL)で平衡にした。水層を、酢酸エチルで1回再抽出し(35mL)、合わせた抽出物を水(5回×10mL)及び食塩水(5mL)で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。残渣を、1:1及び2:1の酢酸エチル−ヘキサン、並びに2:98のメタノール−酢酸エチルのリニアグラジエントを使用したフラッシュクロマトグラフィーにかけて、残渣を得、ギ酸メチルで取り出し、白色フォーム30mg(93%)にまで蒸発させた:[α]D+29.3°(メタノール,c 0.34);MHz 1H NMR δ: 0.55 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.1-1.75 (22H, m), 1.80 (2H, m), 1.9-2.1 (5H, m), 2.31 (1H, dd, J = 7及び13 Hz ), 2.60 (1H, brd), 284 (1H, m), 3.29 (1H, d, J = 9.5 Hz ), 4.22 (1H, m), 4.43 (1H, m), 5.00 (1H, s), 5.33 (1H, s), 6.02 (1H, d, J = 11 Hz ), 6.02 (1H, d, J = 11Hz); LR-ES(-) m/z: 564 (M+H2CO2), 563 M-H+ H2CO2); HR-ES(+) C32H54O5 + Naの計算値: 541.3863; 実測値 541.3854; UVmax (ε): 211 (15017), 265 (15850), 204 sh (14127), 245 sh (13747) nm。
合成例43−1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20S−19−ノル−コレカルシフェロール(62)の合成
Figure 2007525533
[1R,3aR,7aR,4E]−4−{2(Z)−[3(S),5(R)−ビス−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−シクロヘキシリデン]−エチリデン}−7a−メチル−1−[5−メチル−1(S)−(4−メチル−4−トリエチルシラニルオキシ−ペンチル)−4(R),5−ビス−トリエチルシラニルオキシ−ヘキシル]−オクタヒドロ−インデン(63)
Figure 2007525533
1.6Mブチルリチウムのヘキサン溶液を、−70℃でホスフィンのテトラヒドロフラン溶液に添加した。10分後、実施例2によるケトン60のテトラヒドロフラン溶液を15分間かけて滴下した。イリドの色が褪せた後、pH7のリン酸塩緩衝液を添加し、放置して温度を0℃まで上昇させた。混合物をヘキサンで平衡にし、有機層を食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、無色油を得、フラッシュクロマトグラフィー(1:100の酢酸エチル−ヘキサン)によって精製し、63を得た。
1,25−ジヒドロキシ−21−(2R,3−ジヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−20S−19−ノル−コレカルシフェロール(62)
Figure 2007525533
63の脱保護反応を、1Mフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液中で実施して、62を得た。25時間後、混合物を食塩水で希釈し、5分間攪拌し、次いで酢酸エチル及び水で平衡にした。水層を酢酸エチルで1回再抽出し、合わせた抽出物を水及び食塩水で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにかけて、残渣を得、ギ酸メチルで取り出し、蒸発させて、62を得た。
合成例44−1,25−ジヒドロキシ−20S−21(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−24−ケト−19−ノル−コレカルシフェロール(64)の合成
Figure 2007525533
(R)−6−[(1R,3aR,4S,7aR)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2−メチル−7−フェニルスルファニル−ヘプタン−2−オール(65)
Figure 2007525533
上記の反応を、Tet. Lett. 1975, 17: 1409-12に記載のように実施した。具体的には、50mLの丸底フラスコに、1.54g(3.73mmol)の(R)−2−[(1R,3aR,4S,7aR)−4−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−7a−メチルオクタヒドロインデン−1−イル]−6−メチルヘプタン−1,6−ジオール(1)(Eur. J. Org. Chem. 2004, 1703-1713)及び2.45g(11.2mmol)のジフェニルスルフィドを加えた。混合物を5mLのピリジンに溶解し、2.27g(11.2mmol、2.80mL)のトリブチルホスフィンを添加した。混合物を終夜攪拌し、次いで20mLのトルエンで希釈し、蒸発させた。残渣を再びトルエンで取り出し、蒸発させ、残留した液体を、ヘキサン、1:39、1:19、及び1:9の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、シロップの表題化合物65を1.95g得た。
(R)−7−ベンゼンスルホニル−6−[(1R,3aR,4S,7aR)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2−メチル−ヘプタン−2−オール(67)及び(1R,3aR,4S,7aR)−1−((R)−1−ベンゼンスルホニルメチル−5−メチル−5−トリエチルシラニルオキシ−ヘキシル)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン(68)
Figure 2007525533
1.95g(3.9mmol)の粗スルフィド65を含有する500mLの丸底フラスコを84gのジクロロメタン(63mL)と混合した。溶液を氷浴中で攪拌し、次いで2.77g(11mmol)のメタ−クロロ過安息香酸を1回で添加した。懸濁液を氷浴中で40分間、次いで室温で2時間攪拌した。反応をTLC(1:19のメタノール−ジクロロメタン)で監視した。反応時間の終わりに、Rf0.45の1つのスポットのみが観察された。次いで、1.68g(20mmol)の固体炭酸水素ナトリウムを懸濁液に添加し、懸濁液を10分間攪拌し、次いで30mLの水を複数回に分けて添加し、激しい攪拌を5分間継続して、固体をすべて溶解した。混合物をさらに40mLのヘキサンで希釈し、30分間攪拌し、41.6gのヘキサンを用いて分液漏斗に移した。下層を廃棄し、上層を25mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させて、3.48gの67を得た。この材料をヘキサンで粉砕し、濾過し、蒸発させて、曇ったシロップの67(2.81g)を得、次のステップで直接使用した。
上記で得られた2.81gの67を含有する100mLの丸底フラスコに、30mLのN,N−ジメチルホルムアミド1.43g(21mmol)のイミダゾール及び1.75mL(10mmol)のトリエチルシリルクロリドを加えた。混合物を、17時間攪拌し、次いで50gの氷−水で希釈し、10分間攪拌し、さらに5mLの食塩水及び60mLのヘキサンで希釈した。水層を20mLのヘキサンで再抽出し、2つの抽出物を合わせて、2回×30mLの水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この材料は、Rf0.12の大きなスポット(1:39の酢酸エチル−ヘキサン)及びRf0.06の小さなスポットを含んでいた。この材料を、ヘキサン、1:100、1:79、1:39、及び1:19の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけた。主要帯を1:39及び1:19の酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、1.83gの68を得た。
(R)−5−ベンゼンスルホニル−6−[(1R,3aR,4S,7aR)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−10−メチル−2−(R)−メチル−10−トリエチルシラニルオキシ−ウンデカン−2,3−ジオール(69)
Figure 2007525533
マグネチックスターラ、温度計、及びゴムセプタムと窒素スイープを付けたクライゼンアダプタを装備した100mLの三つ口丸底フラスコに、1.7636g(2.708mmol)のスルホン68、1.114g(4.062mmol)のトシル酸エステル、及びベンゾフェノンケチルによって新たに蒸留した50mLのテトラヒドロフランを加えた。この溶液を−20℃に冷却し、9.31mLの1.6Mブチルリチウムのヘキサン溶液を−20℃以下で滴下した。−10〜−20℃の温度範囲を5時間維持した。冷却浴を取り外し、50mLの飽和塩化アンモニウム溶液、続いて75mLの酢酸エチル、及びすべての塩を溶解するのに十分な水を添加した。有機層を、15mLの食塩水で洗浄し、乾燥し、及び無色油にまで蒸発させた。この残渣を、ヘキサン、1:9,1:6、1:4、及び1:3の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけた。主要帯を、1:4及び1:3の酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、無色シロップの1.6872gの化合物69を得た。
(S)−6−[(1R,3aR,4S,7aR)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−10−メチル−2−(R)−メチル−10−トリエチルシラニルオキシ−ウンデカン−2,3−ジオール(70)
Figure 2007525533
マグネチックスターラ、温度計、及びゴムセプタムと窒素スイープを付けたクライゼンアダプタを装備した25mLの二口丸底フラスコに、1.6872g(2.238mmol)のスルホン69及び40mLのメタノールを加えた。次いで、1.25g(51.4mmol)のマグネシウムを等量の2回に分けて、30分の間隔をあけて攪拌された溶液に添加した。懸濁液を70分間攪拌し、次いでさらに0.17gのマグネシウム及び約5mLのメタノールを添加し、攪拌を1時間継続した。次いで、混合物を100mLのヘキサンで希釈し、50mLの1M硫酸を滴下すると、2つの液相になった。水層は中性であった。水層を25mLの1:1のジクロロメタン−ヘキサンで1回再抽出した。有機層を合わせ、次いで15mLの食塩水で1回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られた材料を、ヘキサン、1:39、1:19、及び1:9の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけた。主要帯を1:9の酢酸エチル−ヘキサンで溶出して、1.2611gの無色シロップ70を得た。
(S)−6−[(1R,3aR,4S,7aR)−4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル]−2,10−ジヒドロキシ−2,10−ジメチル−ウンデカン−3−オン(71)
Figure 2007525533
マグネチックスターラ、温度計、窒素スイープとゴムセプタムを付けたクライゼンアダプタを装備した25mLの丸底フラスコに、518mg(3.88mmol)のN−クロロスクシンアミド及び11mLのトルエンを加えた。5分間攪拌し(すべてが溶解するわけではない)、次いで0℃に冷却し、2.4mL(4.8mmol)のトルエン中2M硫化ジメチル溶液を添加する。混合物を5分間攪拌し、次いで−30℃に冷却し、0.7143g(1.165mmol)のジオール70の4×1.5mLのトルエン溶液を−30℃で滴下した。攪拌をこの温度で1時間継続した。次いで、混合物を放置して2時間の間に−10℃にまで温め、次いで−17℃に冷却し、3.20mL(6.4mmol)のトルエン中2Mトリエチルアミンを滴下した。混合物を−17〜−20℃で10分間攪拌し、次いで放置して徐々に室温にまで温めた。混合物を、シリカゲルカラムで、ヘキサン、1:79、1:39、1:19、1:9、1:4、及び1:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したクロマトグラフィーにかけた。主要帯を1:1の酢酸エチル−ヘキサンで溶出すると、0.3428gの固体化合物71が得られた。
(S)−2,10−ジヒドロキシ−6−((1R,3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル)−2,10−ジメチル−ウンデカン−3−オン(72)
Figure 2007525533
マグネチックスターラを装備した25mLの丸底フラスコに、0.3428g(0.69mmol)のジオール71を加え、5mLのアセトニトリル、次いで1.25mLのフルオロケイ酸溶液に溶解した。3時間後、混合物を35mLの酢酸エチルと10mLの水に分配し、水層を10mLの酢酸エチルで再抽出し、有機層を合わせて、2回×5mLの水、1回×5mLの1:1の食塩水−飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この材料を、1:4、1:3、1:2、及び1:1のステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけ、0.2085gの表題化合物72を得た。
(1R,3aR,7aR)−1−[(S)−5−ヒドロキシ−1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンチル)−5−メチル−4−オキソ−ヘキシル]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−4−オン(73)
Figure 2007525533
25mLの丸底フラスコに、0.2153g(0.56mmol)の72、5mLのジクロロメタン、及び0.20gのセライトを加えた。この攪拌された懸濁液に、1.00g(2.66mmol)の重クロム酸ピリジニウムを1回で添加した。反応物を3時間攪拌し、進行をTLC(1:1の酢酸エチル−ヘキサン)で監視した。反応混合物を5mLのシクロヘキサンで希釈し、次いでシリカゲルGに通して濾過した。カラムをジクロロメタン、続いて溶出物中に、溶質が検出されなくなるまで1:1の酢酸エチル−ヘキサンで溶出した。溶出物を蒸発させ、無色油。次いで、この油を、1:4、1:3、1:2、1:1及び2:1の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、0.2077gのジケトン73を得た。
(1R,3aR,7aR)−7a−メチル−1−[(S)−5−メチル−1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−4−オキソ−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘキシル]−オクタヒドロ−インデン−4−オン(74)
Figure 2007525533
25−mLの丸底フラスコに、0.2077g(0.545mmol)のジケトン73を加えた。この材料を、0.5mLのテトラヒドロフランと3mLのシクロヘキサンの混合物に溶解した。得られた混合物に、0.30mL(2.0mmol)のTMS−イミダゾールを添加した。10時間後、反応混合物を3mLのヘキサンで希釈し、次いで濃縮し、ヘキサン、1:79、1:39、1:19、及び酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したシリカゲルのクロマトグラフィーにかけて、0.2381gの無色油74を得た。
(S)−6−((1R,3aS,7aR)−4−{2−[(R)−3−((R)−tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−5−(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)−シクロヘキシリデン]−エチリデン}−7a−メチルオクタヒドロインデン−1−イル)−2,10−ジメチル−2,10−ビス−トリメチルシラニルオキシウンデカン−3−オン(75)
Figure 2007525533
マグネチックスターラ、温度計、及び窒素スイープとゴムセプタムを含むクライゼンアダプタを装備した15mLの三つ口ナシ型フラスコに、0.2722g(0.4768mmol)の[2−[(3R,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィンオキシド及び2mLのテトラヒドロフランを加えた。溶液を−70℃に冷却し、0.30mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを添加した。濃赤色溶液を、その温度で10分間攪拌し、次いで2mLのテトラヒドロフランに溶解させた0.1261g(0.240mmol)のジケトン74を、注射器で10分間かけて滴下した。3時間15分後、5mLの飽和塩化アンモニウム溶液を、−65℃で添加し、混合物を放置して10℃にまで温め、次いで35mLのヘキサンと10mLの水に分配した。水層を10mLのヘキサンで1回再抽出し、合わせた層を、2mLのpH7緩衝液を含有する5mLの食塩水で洗浄し、次いで乾燥し、蒸発させた。この材料を、15×150mmのフラッシュカラムで、ヘキサン及び1:100の酢酸エチル−ヘキサンのステップワイズグラジエントを使用したクロマトグラフィーにかけて、無色シロップの表題化合物75を0.1572g得た。
1,25−ジヒドロキシ−20S−21(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−24−ケト−19−ノル−コレカルシフェロール(64)
Figure 2007525533
マグネチックスターラを装備した15mLの三つ口丸底フラスコに、155mg(0.17mmol)のテトラシリルエーテル75を加えた。この無色残渣を、2mLの1Mフッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液に溶解した。43時間後、さらに0.5mLの1M溶液のフッ化テトラブチルアンモニウム溶液を添加し、攪拌を5時間継続した。明黄褐色溶液を5mLの食塩水で希釈し、5分間攪拌し、50mLの酢酸エチル及び5mLの水を用いて分液漏斗に移し、次いで5mLの酢酸エチルで再抽出した。有機層を合わせて、5回×10mLの水、10mLの食塩水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られた残渣を、15×123mmのカラムで、2:3、1:1、2:1の酢酸エチル−ヘキサン、及び酢酸エチルのステップワイズグラジエントを使用したクロマトグラフィーにかけて、白色固体の64(TLC、酢酸エチル、Rf0.23)を得、ギ酸メチルで取り出し、濾過し、蒸発させ、固体物質の表題化合物64を0.0753g得た。
(合成例45)1,25−ジヒドロキシ−20S−21(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−24−ケト−コレカルシフェロール(76)の合成
Figure 2007525533
(S)−6−{(1R,3aS,7aR)−4−[2−[(R)−3−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−5−((S)−tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−2−メチレン−シクロヘキシリデン]−エタ−(E)−イリデン]−7a−メチル−オクタヒドロ−インデン−1−イル}−2,10−ジメチル−2,10−ビス−トリメチルシラニルオキシ−ウンデカン−3−オン(77)
74と[(2Z)−2−[(3S,5R)−3,5−ビス(tert−ブチルジメチルシラニルオキシ)メチレンシクロヘキシリデン]−エチル]ジフェニルホスフィンオキシドを反応させることによる点以外は、実施例4で75について記載したように、化合物77を調製した。
1,25−ジヒドロキシ−20S−21(3−ヒドロキシ−3−メチル−ブチル)−24−ケト−コレカルシフェロール(76)
64について実施例44で記載したように77を脱保護することによって、77から化合物76を調製した。
(合成例46)1α,25−ジヒドロキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(78)(化合物H)の合成
化合物(78)を、下記の合成手順に従って合成した。
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−1−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−1−イル])−シクロプロピル}−エチニル(1.0g、2.90mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(2.72mL、4.35mmol、ヘキサン中1.6M)を添加した。−78℃で1時間攪拌した後、アセトン(2.5mL、34.6mmol)を添加し、攪拌を2.5時間継続した。NH4Cl水溶液を添加し(15mL)、混合物を室温で15分間攪拌し、次いでAcOEt(2回×50mL)で抽出した。合わせた抽出物を食塩水(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(2.4g)を、FC(50g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、(3aR,4S,7aR)−5−{1−[4−(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−1−イル]−シクロプロピル}−2−メチル−ペント−3−イン−2−オール(1.05g、2.61mmol)を得、フッ化テトラブチルアンモニウム(6mL、6mmol、THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で48時間攪拌した。混合物をAcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×25mL)、食塩水(25mL)で洗浄した。合わせた水性洗液をAcOEt(25mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(1.1g)を、FC(50g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(0.75g、2.59mmol、90%)を得た。[α]30 D=+2.7 c 0.75、CHCl31H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, m), 4.18 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.35-1.16 (11H, m), 1.48 (6H, s), 1.20 (3H, s), 0.76-0.50 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.39, 125.26, 86.39, 80.19, 69.21, 65.16, 55.14, 46.94, 35.79, 33.60, 31.67, 29.91, 27.22, 19.32, 19.19, 17.73, 10.94, 10.37;
MS HREI C22H28O2の計算値 M+ 288.2089 実測値 M+ 288.2091。
Figure 2007525533
(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(−4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2−イニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(0.72g、2.50mmol)、酢酸エチル(10mL)、ヘキサン(24mL)、無水エタノール(0.9mL)、キノリン(47μL)及びリンドラー触媒(156mg、CaCO3担持5%Pd)の混合物を室温で2時間水素化する。反応混合物を、セライトパッドに通して濾過し、パッドをAcOEtで洗浄した。濾液及び洗液を合わせ、1M HCl、NaHCO3、及び食塩水で洗浄した。Na2SO4で乾燥した後、溶媒を蒸発させ、残渣(0.79g)を、FC(45g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(640mg、2.2mmol、88%)を得た。
Figure 2007525533
(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペント−2Z−エンイル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(100mg、0.34mmol)、1,4−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)ブタン1,5シクロオクタジエンロジウムテトラフルオロボラート(25mg、0.034mmol)、ジクロロメタン(5mL)、及び水銀1滴の混合物を、Paar機器を使用して、室温、圧力50p.s.i.で3時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドに通して濾過し、次いで酢酸エチルで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を、蒸発乾固し(110mg)、FC(10g、ヘキサン中20%AcOEt)によって精製して、表題化合物(75mg、0.26mmol、75%)を得た。[α]30 D=-8.5 c 0.65,CHCl31H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.37-1.16 (17H, m), 1.19 (6H, s), 1.18 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
MS HREI C19H32O2の計算値 M+H 292.2402。実測値 M+H 292.2404。
Figure 2007525533
攪拌された(3aR,4S,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール(440mg、1.50mmol)及びセライト(2.0g)のジクロロメタン(10mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウム(1.13g、3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、5時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、次いでシリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、粗(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(426mg、1.47mmol、98%)を得た。攪拌された(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−ヒドロキシ−4−メチル−ペンテニル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(424mg、1.47mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、室温でトリメチルシリル−イミダゾール(0.44mL、3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)に通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物(460mg、1.27mmol、86%)を得た。[α]29 D=-9.9 c 0.55, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5 Hz), 2.81 (1H, dd, J= 10.7, 6.2 Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.6, 10.7, 1.5 Hz), 2.30-1.15 (13H, m) 重複 2.03 ( ddd, J= 15.8, 6.4, 3.2 Hz), 1.18 (6H, s), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 211.08 (0), 155.32(0), 124.77(1), 73.98(0), 64.32(1), 53.91(0), 44.70(2), 40.45(2), 38.12(2), 34.70(2), 29.86(3), 29.80(3), 26.80(2), 24.07(2), 22.28(2), 21.24(0), 18.35(3), 12.60(2), 10.64(2), 2.63 (3); MS HRES C22H38O2Siの計算値 M+ 362.2641。実測値 M+ 362.2648。
Figure 2007525533
攪拌された(1S,5R)−1,5−ビス−((tert−ブチルジメチル)シラニルオキシ)−3−[2−(ジフェニルホスフィノイル)−エタ−(Z)−イリデン]−2−メチレン−シクロヘキサン(675mg、1.16mmol)のテトラヒドロフラン(8mL)溶液に、−78℃でn-BuLi(0.73mL、1.17mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、(3aR,7aR)−7a−メチル−1−[1−(4−メチル−4−トリメチルシラニルオキシ−ペンチル)−シクロプロピル]−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オン(210mg、0.58mmol)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液を滴下した。反応混合物を、−72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、食塩水(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(850mg)を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、1α,3β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(382mg、0.53mmol)を得た。1α,3β−ジ(tert−ブチル−ジメチル−シラニルオキシ)−25−トリメチルシラニルオキシ−16−エン−20−シクロプロピル−コレカルシフェロール(382mg、0.53mmol)に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウム(4mL、4mmol、1M THF溶液)を添加した。混合物を、15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発させた後の残渣(380mg)を、FC(15g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(78)(204mg、0.48mmol、83%)を得た。[α]29 D=+16.1 c 0.36,EtOH。UV λmax(EtOH):208nm(ε 17024),264nm(ε 16028);1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.38-1.08 (20H, m), 1.19 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.66-0.24 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 157.07(0), 147.62(0), 142.49(0), 133.00(0), 124.90(1), 124.73(1), 117.19(1), 111.64(2), 71.10(1), 70.70(0), 66.88(1), 59.53(1), 50.28(0), 45.19(2), 43.85(2), 42.86(2), 38.13(2), 35.59(2), 29.27(2), 29.14(3), 28.65(2), 23.57(2), 22.62(2), 21.29(0), 17.84(3), 12.74(2), 10.30(2); MS HRES C28H42O3の計算値 M+Na 449.3026。実測値 M+Na 449.3023.
合成例47−1−α−フルオロ−25−ヒドロキシ−16,23E−ジエン−26,27−ビスホモ−20−エピ−コレカルシフェロール(79)(化合物B)の合成
化合物(79)を、下記の合成手順に従って合成する。
Figure 2007525533
攪拌された11−(5−ヒドロキシ−1,5−ジメチル−ヘキサ−3−エンイル)−7a−メチル−3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−3H−インデン−4−オール及びセライトのジクロロメタン(10mL)懸濁液に、室温で重クロム酸ピリジニウムを添加する。得られた混合物を、5時間攪拌し、シリカゲルに通して濾過し、次いでシリカゲルパッドをヘキサン中20%AcOEtで洗浄する。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、ケトンを得る。攪拌されたケトンのジクロロメタン溶液に、室温でトリメチルシリル−イミダゾールを添加する。得られた混合物を1.0時間攪拌し、シリカゲルに通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄する。合わせた濾液及び洗液を蒸発させて、表題化合物を得る。
Figure 2007525533
攪拌されたtert−ブチル−{3−[2−(ジフェニル−ホスフィノイル)−エチリデン]−5−フルオロ−4−メチレン−シクロヘキシルオキシ}−ジメチル−シランのテトラヒドロフラン溶液に、−78℃でn-BuLiを添加する。得られた混合物を、15分間攪拌し、1−(5−エチル−1−メチル−5−トリメチルシラニルオキシ−ヘプタ−3−エンイル)−7a−メチル−3,3a,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インデン−4−オンのテトラヒドロフラン溶液を滴下する。反応混合物を、−78℃で3.5時間攪拌し、ヘキサンで希釈し、食塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥する。溶媒を蒸発させた後の残渣を、FC(15g、ヘキサン中10%AcOEt)によって精製して、シリル化された化合物を得た。シリル化された化合物に、室温でフッ化テトラブチルアンモニウムを添加する。混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5回×20mL)、食塩水(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥する。溶媒を蒸発させた後の残渣(380mg)を、FC(15g、ヘキサン中50%AcOEt、及びAcOEt)によって精製して、表題化合物(79)を得る。

(生物学的例)
(生物学的例1):in vivoモデルにおけるビタミンD類似体(化合物A)の評価−ラットにおけるシクロホスファミド(CYP)によって誘発される慢性IC
CYPの腹腔内注射によって誘発された化学性膀胱炎のラットモデルは、浴受け入れられている。CYPは、いくつかの悪性腫瘍の治療における診療で使用されている。その代謝産物のうちの1つであるアクロレインは、尿意頻数、切迫及び骨盤痛という症状を伴う出血性膀胱炎を引き起こす高濃度の尿に排出される。炎症過程は、膀胱の肉眼的組織像の変化、炎症性細胞浸潤(肥満細胞、マクロファージ、PMN)の数及び分布の増加、シクロオキシゲナーゼ−2発現、及びプロスタグランジン産生、増殖因子及びサイトカインの産生を特徴とする。化学性膀胱炎のラットモデルは、慢性有痛性膀胱症候群である間質性膀胱炎に酷似し、従来、治療薬の試験用に使用されてきた。
このモデルを使用して、CYPによって誘発される膀胱炎のラットにおける1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体の経口投与の効果を試験した。CYPによって誘発される膀胱炎の無麻酔自由行動ラットにおいて、膀胱内圧パラメータに与える治療効果を監視した。下記の膀胱内圧パラメータを、各動物において記録した:
・ 膀胱容量
・ 注入圧力(膀胱注入の始めの圧力)
・ 閾値圧(排尿直前の膀胱圧)
・ 排尿圧(排尿中の最大膀胱圧)
・ 非排尿膀胱収縮の有無(尿の排泄なしに少なくとも10cmHOの膀胱圧の上昇)
・ 非排尿膀胱収縮の振幅
動物:8週齢、体重125〜175gのメスウィスター(Wistar)ラットを使用した。2群の動物に、膀胱内圧力記録のためチューブを膀胱に埋め込んだ。回復後に、動物はすべて、CYPの腹腔内注射を3回受け、その後に処置群と偽薬対照群に分けた。
処置群:ラットを経口により、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体(1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール)「化合物A」で14日間処置(1日投与量0.1μg/kg)
対照群:ラットを経口により、処置群で送達されたのと同一の投与量のビヒクル(ミグリオール)で処置
薬物又はビヒクルの最後の投与を行って24時間後、覚醒している自由行動動物に膀胱内圧測定を行った。
動物数/群:
偽薬対照動物 4
処置動物 3
(方法)
ポリエチレンチュービングの膀胱への埋込み:
正中下腹部切開を全身吸入麻酔(イソフルリン及びO2)下で行い、先端部を熱で広げたポリエチレンチュービング(PE-50、Clay Adams、米国ニュージャージー州パーシッパニー)を膀胱ドームに挿入し、6−0のプロリーン巾着縫合糸で定位置に固定した。チュービングの遠心端をヒートシールし、皮下を通り抜け、動物の手の届かない頸部の後ろで外部に出した。腹部及び頸部の切開部を4−0のナイロン縫合糸で縫合した。
(シクロホスファミドの腹腔内注射:)
回復後(5日間)、対象動物は、9日間に、CYPの腹腔内注射(Sigma Chemical、米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis, MO);各回75mg/kg、腹腔内)を3回受けた。1回目のCYP注射をして10日目に、偽薬対照動物は、ビヒクルのみを受け、実験群は、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体である1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール「化合物A」(胃管栄養法を用いた経口送達)で処置した。処置を開始して2週間後、膀胱の機能を評価するために、動物は無麻酔膀胱内圧測定を受けた。
(膀胱内圧測定)
動物をケージ中、無拘束下に置き、カテーテルを、T字型チューブ経由で圧力トランスデューサー(Grass(登録商標)モデルPT300、米国ロードアイランド州ウェストウォーウィック(West Warwick, RI))及びマイクロインジェクション(Harvard Apparatus 22、米国マサチューセッツ州サウスナティック(South Natick, MA))に接続した。0.9%の生理食塩水溶液を、室温で膀胱に10mL/時間の速度で注入した。膀胱内圧力を、Neurodata Acquisition System(Grass(登録商標)モデル15、Astro-Med, Inc、米国ロードアイランド州ウェストウォーウィック(West Warwick, RI))を使用して連続記録した。25〜30分の初期安定化期の後に、少なくとも3つの再現性のある排尿周期が記録された。
(実験のタイムライン:)
手順 日
順化期 1〜5
チューブ埋込み+回復期 6〜10
CYP処置(3日おきに75mg/kgを3回腹腔内投与) 11〜17
処置(偽薬又は有効成分) 18〜31
膀胱内圧検査評価 32
(結果)
データ分析を表1と2、及び図1にまとめる。ここで:
Bl.Cap=膀胱容量(mL)
FP=注入圧力(cmH2O)
TP=閾値圧(cmH2O)
MP=排尿圧(cmH2O)
NVBCの回数=非排尿膀胱収縮の回数
NVBCの振幅=非排尿膀胱収縮の振幅
Figure 2007525533
Figure 2007525533
いくつかの膀胱内圧パラメータにおいて、変化が顕著であった。非排尿膀胱収縮の回数及び振幅の劇的な減少が、薬物で処置された動物において観察された。注入圧及び閾値圧においても、あまり顕著ではないが統計的にはやはり大幅な減少が記録された。処置によっては、膀胱容量の変化は生じなかった。
慢性膀胱炎を伴う膀胱過活動は、刺激性でしばしば有痛性の尿路症状を伴う膀胱壁の頻繁な収縮で現れる。非排尿膀胱収縮がその頻数も振幅も大幅に減少したことは、間質性膀胱炎の患者における膀胱機能に与える効果が同様である場合、ビタミンD類似体での経口治療には、これらの消耗性症状を緩和する潜在能力があることを示唆している。間質性膀胱炎を伴う膀胱内圧力の上昇は、上部尿路を潜在的に危険に曝す病態であるので、注入圧及び閾値圧の減少は、臨床的観点から重要である。
(生物学的例2):ラット膀胱の組織学的分析
実施例1の実験によるラット膀胱を、ホルマリンで固定し、パラフィンに包埋し、当技術分野で知られている方法によってヘマトキシリン及びエオシンで染色した。
病理組織学的試験を膀胱の少なくとも10切片について行った。様々な炎症パラメータ:
・ 止血
・ 浮腫
・ 炎症細胞の浸潤(大部分は、リンパ球及び単球)
・ 上皮糜爛
・ 線維化
を考慮し、下記の通りスコアを付けた:0=炎症の徴候がまったくなく正常、1=軽度、2=中等度、3=重度、4=切片全体にわたって拡散した重度の徴候
(結果)
下記の表3及び4は、化合物Aの組織学的スコアに与える効果を示している。表3はビヒクルで処置された動物に言及し、表4は「化合物A」で処置された動物に言及している。各炎症パラメータを、0〜4のスコア(ここで、0は正常、4は最も重度の症状)を付けた。
Figure 2007525533
Figure 2007525533
図2は、ラット膀胱における炎症の組織学的徴候に与える化合物Aの効果を示し、図3は、炎症の各徴候について組織学的スコアをまとめたヒストグラムを示している。
実施例1及び2のデータは、ビタミンD類似体が、間質性膀胱炎の炎症性要素、及びその結果として生じる、間質性膀胱炎を特徴付ける膀胱過活動を治療するのに有用であることを明らかに実証している。
(生物学的例3):in vivoモデルにおけるビタミンD類似体(化合物B)の評価−ラットにおけるシクロホスファミド(CYP)によって誘発される慢性IC
方法
ポリエチレンチュービングの膀胱への埋込み
ウィスター(Wistar)ラット(250g、メス、体重125〜175g、8週齢)を使用した。2%のイソフルランによる全身吸入麻酔下で、先端部を熱で広げたポリエチレンチュービング(PE-50、Clay Adams、米国ニュージャージー州パーシッパニー(Parsippany,NJ))を膀胱ドームに挿入し、6−0のナイロン巾着縫合糸で定位置に固定した。チュービングの遠心端をシールし、皮下を通り抜け、頸部の後ろで小さい切開部を通り抜けて外部に出した。次いで、チュービングをコイル状に巻き、皮下に埋め込んだ。
(シクロホスファミドの腹腔内注射)
回復後(5日間)、対象動物は、9日間に、CYPの腹腔内注射(Sigma Chemical、米国ミズーリ州セントルイス(St. Louis, MO);各回75mg/kg、腹腔内)を3回受けた。1回目のCYP注射をして10日目に、偽薬対照動物は、ビヒクルのみを受け、実験群は、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体である1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロール「化合物A」(胃管栄養法を用いた経口送達)で処置した。処置を開始して2週間後、膀胱の機能を評価するために、動物は無麻酔膀胱内圧測定を受けた。
(処置)
処置群:4〜6匹のラットを経口により、ビタミンD類似体(1−α−フルオロ−25−ヒドロキシ−16,23E−ジエン−26,27−ビスホモ−20−エピ−コレカルシフェロール)化合物「B」で連続して14日間処置(1日投与量30又は75ug/kg)。
対照群:4匹のラットを経口により、処置群で送達されたのと同一の投与量のビヒクル(ミグリオール)で処置。
化合物B(1mg/mL)のエタノール保存溶液を、ミグリオールビヒクルに適切な濃度で溶解した。対照動物は、同量のエタノールを含有するビヒクルを受けた。動物の体重を測定した後、毎日胃管栄養法によって、薬物(又はビヒクル)処置を実施した。薬物溶液は、最終体積100ul/体重10グラムを算出して調製した。
(膀胱内圧測定)
処置して2週間後、動物をケージ中、無拘束下に置き、カテーテルの遠心端を皮下嚢から引き出し、T字型チューブ経由で圧力トランスデューサー(Grass(登録商標)モデルPT300、米国ロードアイランド州ウェストウォーウィック(West Warwick, RI))及びマイクロインジェクション(Harvard Apparatus 22、米国マサチューセッツ州サウスナティック(South Natick, MA))に接続した。生理食塩水溶液(0.9%、室温)を、膀胱に10mL/時間の速度で注入した。膀胱内圧力を、Neurodata Acquisition System(Grass(登録商標)、Astro-Med, Inc、米国ロードアイランド州ウェストウォーウィック(West Warwick, RI))を使用して連続記録した。最低でも、3つの再現性のある排尿周期が記録された。各動物において、下記の膀胱内圧パラメータを記録した:注入圧力(FP:膀胱注入の始めの圧力)、閾値圧(TP:排尿直前の膀胱圧)、排尿圧(MP:排尿中の最大膀胱圧)、非排尿膀胱収縮の有無(NVBC:尿の排泄なしに少なくとも10cmH2Oの膀胱圧の上昇)。最後の排尿後に膀胱に残留している残尿を吸引、又は膀胱を重力でドレナージすることによって、排尿後の残尿(PVR)を測定した。膀胱容量(BC)を、排尿体積とPVRの合計として算出した。安楽死させた後、膀胱を回収し、その重量を記録した。
(カルシウム血症のアセスメント)
血清カルシウム血症を、市販の比色試験(Calcium Dry-Fast、Sentinel CH. イタリア(Italy))によって評価した。簡潔に言えば、製造業者の手順に従って96ウェルプレートに調製された100ulの反応溶液に、10ulの血清を添加した。室温で5分間インキュベートした後、分光光度計を用いて、試料を570nmで読み出し、指示されたように標準的基準を使用することによって、3回繰り返してカルシウムレベルを算出した。
Figure 2007525533
ビタミンD化合物(この場合、化合物B)での処置の結果、いくつかの膀胱内圧パラメータにおいて、この場合も変化が顕著であった。
非排尿膀胱収縮は、両方の投与量レベルで、その頻数が大幅に減少した(30g/kg、p<0.01;75ug/kg、p<0.005)。図4を参照のこと。図5に示すように、化合物Bでの処理によって、両方の投与量レベル(30 ug/kg、p<0.01;75ug/kg、p<0.01)で膀胱容量の増大がもたらされた。
化合物Bでの処理の結果、注入圧及び閾値圧でわずかな増大が見られた(統計的に有意でない)。非排尿膀胱収縮の振幅は、より高い投与レベルの化合物Bでの処理によって減少した(統計的に有意でない)。
化合物Bの両方の投与量レベルにおいて、平均血清カルシウムレベルは、わずかでしかなく、有意ではないが上昇した。図6を参照のこと(点線は、ラットにおける正常範囲限界の10.7mg/dlを示したものである)。
(生物学的例4):in vivoモデルにおけるビタミンD類似体(化合物B)の評価−マウスにおけるアレルギー性IC
(方法)
(全般)
マウス(BALB/c、メス、8週齢、体重18〜20g、Charles River、Calco ITA)を、4mgのミョウバン(SERVA、ドイツ(Germany))の存在下にSigmaからのニワトリオバルブミン(OVA、グレードV)を、10ug/マウス1匹で、1週間に1回、4週間腹腔内注射により注入することによって感作させた。これにより、血清において検出可能なIgEのレベルの維持が誘導される。
最後の追加免疫をして1又は2週間後に、感作マウスに麻酔をかけ(1.5%のイソフルラン)、次いで経尿道カテーテルを挿入した(24ゲージ、3/4インチ;Angiocath, Becton-Dickson)。わずかに指圧を下腹部に加えて、尿を排出させた。
膀胱に、150ulの生理食塩水又はOVA単独を点滴注入し(1mg/150ul)、外傷及び膀胱尿管逆流を回避するために低速で注入し、注射器をカテーテル上の定位置に少なくとも30分間維持して、30分の間隔内で2回繰り返した。同じ手順の1回目から7〜10日後に、膀胱内攻撃を繰り返した。
処置群:10匹のマウスを経口により、ビタミンD類似体(1−α−フルオロ−25−ヒドロキシ−16,23Eジエン−26,27−ビスホモ−20−エピ−コレカルシフェロール)化合物「B」で14日間処置した(1日投与量30又は75ug/kg)。
対照群:10匹のマウスを経口により、処置群で送達されたのと同一の投与量のビヒクル(ミグリオール)で処置
化合物B(1mg/mL)のエタノール保存溶液を、ミグリオールビヒクルに適切な濃度で溶解した。対照動物は、同量のエタノールを含有するビヒクルを受けた。動物の体重を測定した後、毎日胃管栄養法によって、薬物(又はビヒクル)処置を実施した。薬物溶液は、最終体積100ul/体重10グラムを算出して調製し、処置は、1回目の膀胱内オバルブミン攻撃の日に開始し、12日間の全処置のため毎日維持したが、週末には中断した。図7は、実験のタイムラインを示している。
(ELISA)
血清総IgEレベルは、市販のキット(BD Opteia、マウスIgE ELISAセット、カタログ番号555248)を使用し、製造業者の指示に従うことによって測定した。簡潔に言えば、マイクロウェルに、コーティング緩衝液(Coating Buffer)中に希釈された捕獲抗体(Capture Antibody)を50uL/ウェルでコートした(0.1M炭酸ナトリウム、pH9.5 8.40g NaHCO3、3.56g Na2CO3;1.0Lにするだけの十分量;pH9.5まで;新たに調製、又は調製して7日以内に使用、2〜8℃で貯蔵)。推奨抗体コーティング希釈1:250は、ロットに特有の指示書/分析証明書(Instruction/Analysis Certificate)によるものである。プレートをシールし、4℃で終夜インキュベートした。洗浄後(6回×PBS中/Tween 0.1%)、プレートを≧200μL/ウェルのPBS/10%FBS)でブロックし、室温(RT)で1時間インキュベートした。100uLの標準、サンプル、及び対照をそれぞれ、ピペットで適切なウェルに移し入れ、プレートを室温で2時間インキュベートした。6回洗浄した後、100uLの調製された検出抗体(Detection Antibody)+アビジン−HRP(1:250)試薬を各ウェルに分注し、室温で1時間静置させた。上記のように洗浄した後、0.1mLの基質溶液(Substrate Solution)をプレートに添加し、さらに暗所で(プレートシーラーなしに)30分間インキュベートした。反応を止めた(H2SO4 1M、50ul/ウェル)後、450nmにおける吸光度を、30分以内に記録した。
Ova特異的IgEを、下記の手順に従って測定した。抗マウスIgE抗体(1ug/mL Pharmingen、カタログ)を炭酸塩緩衝液でコートし、プレートを4℃でインキュベートした。ブロッキングした(>200ul PBS/10%FBS、1時間、37℃)後、さらにプレートを、適切に希釈されたサンプル血清と共に4℃でONにインキュベートした。徹底的に洗浄した後、ビオチン化オバルブミン(10ug/mL 最終)含有PBS/5%FBSを各ウェルに添加し、プレートを室温で2時間インキュベートした。Ova特異的IgEは、ストレプトアビジン−HRP(1:5000、Pharmingen、45分、室温)及び特異的基質を添加することによって明らかになった。最後に、反応を止めた後、450nmでの吸光度を記録した。
(組織学及び免疫組織化学)
膀胱を動物から外植し、2つの部分を縦方向に分割し、片半を直ちにホルマリン(10%緩衝化)で少なくとも3時間固定するか、又はOCT凍結媒体(Tissue-Tek Sakura)に入れる際に液体窒素中でスナップ凍結した。組織学的分析では、固定化した膀胱をさらに処理し、最後にパラフィン包埋した。連続的に5umの切片に切断し、次いでGIEMSA(BDH、20%溶液、3時間、室温)で染色し、次いで0.1%酢酸で10秒間脱染した。キシレンでの透徹ステップの後、スライドを、Eukitt液で永久マウントし、炎症性細胞浸潤、肥満細胞数、及び間質浮腫の存在について評価するために、病理学者によって盲検的に分析した。半定量的な組織学的スコアを使用し、次のように割り当てた:1は、軽度な浸潤、浮腫なし;2は、中程度の浸潤、わずかな浮腫;3は、重度の浸潤及び浮腫。
選択された膀胱組織において、免疫組織化学的染色を凍結切片に行うことによってビタミンD受容体(VDR)の発現を調べた。切片を、室温においてアセトンで10分間固定した。PBSで5回洗浄した後、内因性ペルオキシダーゼをクエンチするために、スライドを室温で0.3%H2O2を含有するメタノールと共に30分間インキュベートし、次いで5%ウサギ正常血清と共に1時間プレインキュベートした。次いで、抗VDR抗体(Affinity Bio Reagentのクローン9A7アイソタイプIgG2b)をスライドに添加し(5ug/mL 最終)、4℃でインキュベーションを延長した。
徹底的に洗浄した後、切片をウサギ抗ラットIgG(10ug/mL)と共に室温で1時間インキュベートし、再び洗浄し、さらにストレプトアビジン−HRP(Vector Labs)と共に室温で30分間インキュベートした。視覚的に良好な染色が実現されるまで特異的色原体(Vector labs)を添加することによって、スライドを展開し、ヘマトキシリンで対比染色し、最後にEukitt液(Bio-optica)で永久マウントした。
(Taq-man分析)
RNeasy Miniキット(Qiagen)を使用することによって、全RNAを膀胱の片半から抽出し、DNアーゼ1(Qiagen)で処置し、逆転写試薬(Reverse Transcription Reagent)(Applied Biosystems)をランダムヘキサマーと共に用いて逆転写を(製造業者の指示に従って)行った。1ugのRNAから、cDNAを合成した。リアルタイムPCRを96ウェルのオプティカルリアクションプレート(Applied Biosystems)で行った。各サンプルについて、標的遺伝子とハウスキーピング遺伝子(HPRT)とを、異なるウェルで(シングルプレックス)、2回繰り返して増幅した。下記のプロトコルに従って、増幅マスターミックス(amplification Master Mix)を調製した(体積は、最終体積が40ul/ウェルである単一のウェルを指す)):2X TaqMan(登録商標)Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems、4304437):20ul;20X アッセイ標的遺伝子:2ul;HO:8ul;cDNA:10ul。SDS 7000(Applied Biosystems)装置で、下記の増幅プログラムを用いて反応を実施した:40サイクルの場合、50℃で2分;95℃で10分;95℃で15秒、及び60℃で1分;。分析のため、サイクル閾値(Ct)をエクセルワークシートにエクスポートし、ΔCt方法を使用して相対定量を行った。使用するプライマーはすべて、FAMレポーターをもたらした。
(カルシウム血症のアセスメント)
市販の比色試験(Calcium Dry-Fast、Sentinel CH. イタリア)によって、血清カルシウム血症を評価した。簡潔に言えば、製造業者の手順に従って96ウェルプレートに調製された100ulの反応溶液に、10ulの血清を添加した。室温で5分間インキュベートした後、分光光度計を用いて、サンプルを570nmで読み出し、指示されたように標準的基準を使用することによって、3回繰り返してカルシウムレベルを算出した.
(結果)
(ELISA)
図8は、IgEの全量を示し、図9は、抗原特異的IgEの量を示す。データは、8〜10匹の対象動物/群(処置、対照、及び攻撃前の血清レベル)で、少なくとも3回繰り返した単一の実験を表している。1つの投与量75ug/kgについてのみ、結果を示す。投与量30ug/kgについて同様の結果が得られた(図示せず)。
データにより、この手順は、オバルブミン/ミョウバンで処理した動物中の抗原特異的血清IgEを、同じ動物の攻撃前の血清に比べて8倍増大させて、免疫応答を誘導する上で非常に有効であることが示唆されている。しかし、IgEの全量又はオバルブミン特異的IgEのレベルにおいて、ビヒクル処置動物と化合物B処置動物の間で大幅な変化は検出されなかった。この知見は、予想されるはずのことのようである。
図10に、肥満細胞由来のキマーゼMMCP1タンパク質の血清レベルを示す。抗原への曝露時に、膀胱粘膜は反応して、常在肥満細胞のデグラミュレーションを引き起こし、様々な炎症性メディエータの放出を引き起こす。化合物B(75ug/kg)で処置されたマウスは、ビヒクルで処置されたものより、キマーゼMMCP1タンパク質の血清レベルが有意に低く(p<0.05)、肥満細胞に与える抑制効果が、炎症反応を誘導したことが示唆される。
(カルシウム血症)
図11に示すように、化合物B(75ug/kg)での処置によって、カルシウム血症レベルは毒性閾値を超えて上昇しなかった(点線は、マウスにおける毒性閾値10.7mg/dlを示す)。わずかではあるが統計的に有意な血清カルシウムレベルの上昇が、化合物Bで処置した群において顕著である(p<0.05)。低い方の投与量(30mg/kg)の化合物Bで処置したマウスでは、血清カルシウムレベルの大幅な変化は検出されなかった(図示せず)。
(体重)
図12は、(化合物B、75ug/kg)で処置された動物及び対照動物の体重のバラツキを示している。データは平均値として表し、共に標準偏差値を示す。8〜10匹の対象動物/群。2つの群のデータ点は、有意差を示していない。体重は、毒性の良い指標であるので、この知見は、化合物Bでの処置に起因する副作用がないことを支持するものである。
(Taq-man分析)
図13に、様々な炎症マーカーのレベルを示す:IL-13、MCPT2、及びFcεR1αを、生理食塩水攻撃(ビヒクル処置)及びオバルブミン攻撃(ビヒクル、化合物B30ug/kg、及び化合物B75ug/kg処置)の場合について提示する。結果は、試験対象体から回収された等量の血清を貯留することによって得た。化合物Bで経口処置することによって、3つの炎症マーカーすべての発現が、両方の投与量レベルにおいて(用量依存的に)大幅に減少する。生理食塩水での攻撃は、Th2/肥満細胞特異的マーカーの増大を示さない。
図14は、オバルブミン攻撃された(ビヒクル及び化合物B処置75ug/kg)マウスについて、炎症マーカーのIL−13、MMCP4、及びFcεR1αの存在に関するデータを示す。単一の動物からの個々の値を示して、データを提示する。マーカーのアップレギュレーションが対照群内で様々な程度に観察され、これは動物が様々な速度で攻撃から回復できることを示唆している。しかし、ビタミンD類似体で経口処置することによって、炎症マーカーの発現が低下し、この知見は、本発明の化合物が、膀胱におけるTh2型炎症反応を調節できることを示唆している。
(組織学)
図15に、ビヒクル処理動物と化合物B処理(75ug/kg)動物の膀胱切片の盲検組織学的分析によるデータを提示する。肥満細胞(p<0.05)、好酸球(p<0.01)、及びリンパ球(p<0.01)の大幅な減少が観察され、浮腫は完全に消散されるようである(p<0.001)。
化合物Bでの処置の効果は、図16に示す代表的スライドでも明らかであり、化合物B処置動物(75ug/kg)では、浮腫の徴候は見られないが、対照動物(ビヒクル処置)では、矢印で示されるいくつかの病変が見られる。
(考察)
この実施例で提示されたデータは、ビタミンD類似体化合物Bが、IL-13やFcεR1αなどの典型的マーカーの発現を低下させることによって、膀胱におけるTh2型炎症反応を調節するのに有効であるという仮説を支持するものである。さらに、炎症性細胞浸潤の減少を、薬物治療時のオバルブミン攻撃された膀胱内でも検出することができ、おそらくサイトカイン/ケモカイン環境の減少、及び骨髄における細胞成熟の障害のため、炎症細胞の遊走が減少するかもしれないということが示唆される。化合物B処置は、血清におけるMMCP1タンパク質の放出も抑制し、肥満細胞活性化に直接影響を及ぼすことが示唆される。しかし、この観察された効果が、膀胱粘膜に遊走する肥満細胞が減少することによって、又はビタミンD類似体が肥満細胞脱顆粒に直接影響を及ぼすことによって生じるものかどうかは、依然として不明である。
ビタミンD類似体化合物Bでの経口処置は、慢性膀胱炎症のアレルゲン誘導性モデルにおける膀胱に抗炎症効果を与え、ビタミンD化合物が、間質性膀胱炎のための治療の新しい選択肢になることを示唆していると結論を出すことができる。
(生物学的例5):in vivoモデルにおけるビタミンD類似体(化合物C〜I)の評価−マウスにおけるアレルギー性IC
(方法)
先に実施例6で記載した一般的手順に従って、実施例7における実験を行った。マウスを生理食塩水(未処置)又はオバルブミン(表6にug/kgの単位で示す投与量のビヒクル又は化合物C〜Iの1つで処置)で攻撃した。
Figure 2007525533
(結果)
図17に、実施例7の実験結果をまとめる。図18〜26に、データを図式的に示す。
図18に、FcεR1α炎症マーカーの発現を示す。化合物E(p<0.05)、化合物H(p<0.05)、特に化合物F(p<0.001)での処置は、FcεR1α遺伝子のmRNA発現レベルの統計的に有意な低下をもたらした。
図19に、IL-13炎症マーカーの発現を示す。化合物H(p<0.05)及び化合物I(p<0.05)、特に化合物E(p<0.001)及び化合物F(p<0.001)での処置は、IL-13遺伝子のmRNA発現レベルの統計的に有意な低下をもたらした。
図20に、MMCP4炎症マーカーの発現を示す。化合物H(p<0.05)及び化合物I(p<0.05)、特に化合物E(p<0.001)及び化合物F(p<0.001)での処置は、MMCP4遺伝子のmRNA発現レベルの統計的に有意な低下をもたらした。
図21は、MMCP1の血清レベルを示す。化合物F(p<0.05)、特に化合物A(p<0.001)及び化合物E(p<0.001)での処置は、MMCP1タンパク質の血清レベルの統計的に有意な低下をもたらした。
図22〜25に、盲検組織学的分析によるデータを示す。試験化合物のいくつかで処置した場合のデータは、この時点では利用できないことに留意されたい。図22に示すように、ビタミンD類似体化合物Cでの処置は、対照(ビヒクル処置)動物に比べて、膀胱壁における肥満細胞の有意な減少(p<0.05)をもたらす。図23に示すように、化合物Aでの処置は、膀胱壁における好酸球の有意な減少(p<0.05)をもたらす。図24は、化合物Eでの処置と、化合物Iでの処置は共に、膀胱壁におけるLMPC数の有意な減少をもたらした(どちらの処置も、p<0.05)ことを明らかにしている。図25に、浮腫評価を示す。
化合物C、化合物E、化合物F、化合物H、及び化合物Iでの処置は、ビヒクル処置対照群に比べて、血清カルシウムレベルのわずかな上昇をもたらし(いずれの場合も、p<0.001)、血清カルシウム上昇の程度は、処置群の中で様々である。化合物A又は化合物Gでの処置は、血清カルシウムレベルの有意な上昇は示さなかった。
上記の実施例7で提示した結果をすべてまとめると、これらの化合物を、間質性膀胱炎のアレルゲン誘導性慢性膀胱炎症モデルにおける膀胱の炎症を評価するいくつかのパラメータを減少させる際のその有効性に関してランク付けできると結論を下すことができる。有効性のランクは次の通りである:化合物E>化合物F>化合物B>化合物H>化合物I>化合物A>化合物A=化合物G。まとめると、これらのデータから、ビタミンD化合物が、間質性膀胱炎のための治療の新しい選択肢となることが確認される。
(製剤例)
(製剤例1A):軟質ゼラチンカプセル製剤I
アイテム 材料 mg/カプセル
1 化合物A 10.001〜0.02
2 ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT) 0.016
3 ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA) 0.016
4 ミグリオール812 十分量 160.0
製造手順:
1.BHT及びBHAをミグリオール812に懸濁し、溶解するまで攪拌しながら約50℃に温める。
2.化合物Aを50℃でステップ1の溶液に溶解する。
3.ステップ2の溶液を室温で冷却する。
4.ステップ3の溶液を軟質ゼラチンカプセルに充填する。
注:製造ステップはすべて、窒素雰囲気中で行い、光から保護する。
(製剤例1B):軟質ゼラチンカプセル製剤II
アイテム 材料 mg/カプセル
1 化合物A 10.001〜0.02
2 ジ−α−トコフェロール 0.016
3 ミグリオール812 十分量 160.0
製造手順:
1.ジ−α−トコフェロールをミグリオール812に懸濁し、溶解するまで攪拌しながら約50℃に温める。
2.化合物Aを50℃でステップ1の溶液に溶解する。
3.ステップ2の溶液を室温で冷却する。
4.ステップ3の溶液を軟質ゼラチンカプセルに充填する。
(製剤例2A):経口剤形軟質ゼラチンカプセル剤
経口投与用のカプセル剤は、窒素中、暗室灯を用いて、150mgの分別蒸留したヤシ油(例えば、ミグリオール812)中0.01〜25.0mgの化合物Bと共に、0.015mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び0.015mgのブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を、軟質ゼラチンカプセルに充填して配合する。
カプセル剤を下記のプロセスによって調製する:
1.BHT及びBHAを分別蒸留されたヤシ油(例えば、ミグリオール812)に懸濁し、溶解するまで攪拌しながら約50℃に温める。
2.化合物Bを50℃でステップ1の溶液に溶解する。
3.ステップ2の溶液を室温に冷却する。
4.ステップ3の溶液を軟質ゼラチンカプセルに充填する。
製造ステップはすべて、窒素雰囲気中で行い、自然光から保護する。
(製剤例2B):経口剤形軟質ゼラチンカプセル剤
経口投与用のカプセル剤は、窒素中、暗室灯を用いて:150mgの分別蒸留されたヤシ油(ミグリオール812)中150μgの化合物Bと共に、0.015mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び0.015mgのブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を、軟質ゼラチンカプセルに充填して配合する。
(製剤例2C):経口剤形軟質ゼラチンカプセル剤
経口投与用のカプセル剤は、窒素中、暗室灯を用いて:150mgの分別蒸留されたヤシ油(ミグリオール812))中75μgの化合物Bと共に、0.015mgのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)及び0.015mgのブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)を、軟質ゼラチンカプセルに充填して配合する。
明細書及び下記の特許請求の範囲全体にわたって、文脈が別段の断りを必要としない限り、「含む(comprise)」という単語、及び「含む(comprises)」や「含んでいる(comprising)」などの変形は、記載の整数、ステップ、一群の整数、又は一群のステップを包含するが、他のいかなる整数、ステップ、一群の整数、又は一群のステップを除外しないことを意味するものと理解されたい。
(参照による組込み)
この明細書全体にわたって引用されているすべての文献(参考文献、発行済み特許、特許出願公開、及び同時係属中の特許出願を含めて)の内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
均等物
当業者は、ルーチンの実験を用いるだけで、本明細書に記載する本発明の特有の実施態様の等価形態の多くを理解し、又は確認することができるであろう。このような等価形態は、特許請求の範囲によって包含されるものとする。
次に、下記の非限定的な実施例、図を参照して、本発明を記述する:
ビタミンD類似体「化合物A」で処置されたラットと対照(ビヒクルで処置された)ラットにおいて記録された膀胱内圧パラメータの比較を示す図である。 炎症の各徴候について、4匹のラット/群の組織学的スコアを要約するヒストグラムである。様々な炎症パラメータ:止血、浮腫、炎症細胞の浸潤(大部分は、リンパ球及び単球)、上皮糜爛、線維化を考慮し、実施例2に記載のようにスコアを付けた。組織学的スコアの平均値±標準偏差を記入した。 実施例5の対象体が経験した非排尿膀胱収縮の回数を示す図である。各処置群(ビヒクル対照、30ug/kgの化合物B、及び75ug/kgの化合物B)について、平均収縮回数を、標準偏差を指示する誤差棒と共に示す。 実施例5の対象体の膀胱容量を示す図である。各処置群(ビヒクル対照、30ug/kgの化合物B、及び75ug/kgの化合物B)について、平均膀胱容量(mL)を、標準偏差を指示する誤差棒と共に示す。 実施例5の対象体の血清カルシウムレベルを示す図である。処置群(ビヒクル対照、30ug/kgの化合物B、及び75ug/kgの化合物B)中の各対象体について、血清中のカルシウムレベル(mg/dL)を、水平線で示された各群の平均レベルと共に示す。 実施例6について実験タイムラインを示す図である。 実施例6の対象体の血清中で検出されたIgEタンパク質の全量を示す図である。各群(攻撃前、ビヒクル処置対照、75ug/kgの化合物B処置)について、IgEの平均全量(ug/mL)を、標準偏差を指示する誤差棒と共に示す。 実施例6の対象体の血清中で検出されたオバルブミン特異的IgEタンパク質の量を示す図である。各群(攻撃前、ビヒクル処置対照、75ug/kgの化合物B処置)について、血清中の特異的特異的IgEタンパク質の平均量(OD450)を、標準偏差を指示する誤差棒と共に示す。 実施例6の対象体中の血清MMCP1タンパク質レベルを示す図である。各群(攻撃前、ビヒクル処置対照、75ug/kgの化合物B処置)について、血清MMCP1タンパク質の平均レベル(ug/mL)を、標準偏差を指示する誤差棒と共に示す。このデータは、各対象体に由来する個々の値をオーバーレイしている。 実施例6の対象体の血清カルシウムレベルを示す図である。処置群(ビヒクル対照及び75ug/kgの化合物B)の各対象体について、血清中のカルシウムレベル(mg/dL)を、水平線で示されたで指された各群の平均レベルと共に示す。延長された破線の水平線は、カルシウム毒性が出現し始めるレベルを示す。 実施例6の対象体の体重のバラツキを示す図である。両処置群(ビヒクル対照及び75ug/kgの化合物B)について、毎日の時点で平均体重(g)を示し、誤差棒は、標準偏差を示す。 実施例6の対象体中の炎症マーカー遺伝子IL-13、MCPT2及びFcεR1αのmRNA発現レベルを示す図である。データは、生理食塩水攻撃(ビヒクル処置)及びオバルブミン攻撃(ビヒクル、30ug/kgの化合物B、及び75ug/kgの化合物B処置)について、ハウスキーピング遺伝子に比べた各マーカーのレベルを示す図である。 実施例6の対象体中の炎症マーカー遺伝子IL-13、MMCP4、及びFcεR1αのmRNA発現レベルを示す図である。この図は、オバルブミン攻撃された処置群(ビヒクル又は75ug/kgの化合物B)について、ハウスキーピング遺伝子に比べた各マーカーのレベルを示す。対象体の個々のデータ点を、平均レベルを指示する水平線と共に示す。 実施例6の対象体に実施された組織学的分析(肥満細胞浸潤、浮腫、好酸球及びリンパモノ−プラズマ細胞)の結果を示す図である。この図は、各対象体に割り当てられたスコアを、各処置群(ビヒクル又は75ug/kgの化合物B)について水平線で示された平均レベルと共に示す。 ビヒクル及び75ug/kgの化合物Bで処置された動物の代表的な膀胱切片(×50倍率)を示す図である。組織学的病変を矢印で示す。 実施例7の実験結果の要約を示す表である。 実施例7の対象体中の炎症マーカー遺伝子FcεR1αのmRNA発現レベルを示す図である。この図は、生理食塩水攻撃された未処置群及びオバルブミン攻撃された処置群(ビヒクル、化合物C〜化合物I処置)について、ハウスキーピング遺伝子に比べたFcεR1αのレベルを示す。対象体の個々のデータ点を、平均レベルを指示する水平線と共に示す。 実施例7の対象体中の炎症マーカー遺伝子IL-13のmRNA発現レベルを示す図である。この図は、生理食塩水攻撃された未処置群及びオバルブミン攻撃された処置群(ビヒクル、化合物C〜化合物I処置)について、ハウスキーピング遺伝子に比べたIL-13のレベルを示す。対象体の個々のデータ点を、平均レベルを指示する水平線と共に示す。 実施例7の対象体中の炎症マーカー遺伝子MMCP4のmRNA発現レベルを示す図である。この図は、生理食塩水攻撃された未処置群及びオバルブミン攻撃された処置群(ビヒクル、化合物C〜化合物I処置)について、ハウスキーピング遺伝子に比べたMMPC4のレベルを示す。対象体の個々のデータ点を、平均レベルを指示する水平線と共に示す。 実施例7の対象体中の血清MMCP1タンパク質レベルを示す図である。この図は、攻撃前、生理食塩水攻撃された未処置群、及びオバルブミン攻撃された処置群(ビヒクル,化合物C〜化合物I処置)について、血清中のMMCP1タンパク質のレベル(ng/mL)を示す。対象体の個々のデータ点を、平均レベルを指示する水平線と共に示す。 実施例7の対象体に実施された肥満細胞浸潤の組織学的分析の結果を示す図である。この図は、各対象体に割り当てられたスコアを、各処置群(ビヒクル、化合物C、化合物E、化合物F、化合物H、又は化合物I)について水平線で示された平均レベルと共に示す。 実施例7の対象体に実施された好酸球の組織学的分析の結果を示す図である。この図は、各対象体に割り当てられたスコアを、各処置群(ビヒクル、化合物C、化合物E、化合物F、化合物H、又は化合物I)について水平線で示された平均レベルと共に示す。 実施例7の対象体に実施されたLMPCの組織学的分析の結果を示す図である。この図は、各対象体に割り当てられたスコアを、各処置群(ビヒクル、化合物C、化合物E、化合物F、化合物H、又は化合物I)について水平線で示された平均レベルと共に示す。 実施例7の対象体に実施された浮腫の組織学的分析の結果を示す図である。この図は、各対象体に割り当てられたスコアを、各処置群(ビヒクル、化合物C、化合物E、又は化合物F)について水平線で示された平均レベルと共に示す。 実施例7の対象体の血清中のカルシウム濃度を示す図である。処置群(ビヒクル対照、化合物C〜I)の各対象体について、血清カルシウム濃度(mg/dL)を、水平線で示された各群の平均レベルと共に示す。

Claims (15)

  1. 間質性膀胱炎の予防又は治療におけるビタミンD化合物の使用。
  2. 間質性膀胱炎の予防又は治療のための医薬品の製造における、請求項1に記載のビタミンD化合物の使用。
  3. 有効量のビタミンD化合物を投与することによる間質性膀胱炎を予防且つ/又は治療するための方法。
  4. 前記間質性膀胱炎が、膀胱機能不全及び膀胱炎症の症状の存在を特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の使用又は方法。
  5. ビタミンD化合物を、間質性膀胱炎治療用の第2の医薬品と、個別又は組合せの製剤で別々に、連続して、又は同時に投与する、請求項1から4のいずれか一項に記載の使用又は方法。
  6. 間質性膀胱炎の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物及び医薬として許容できる担体を含む製剤。
  7. 説明書と共に包装された、間質性膀胱炎の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物及び医薬として許容できる担体を含む製剤。
  8. 間質性膀胱炎の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物。
  9. ビタミンD化合物を、間質性膀胱炎の治療及び/又は予防を必要とする患者に前記化合物を投与して、それによって前記患者における間質性膀胱炎を治療且つ/又は予防することを指示する説明書と共に含むキット。
  10. 前記ビタミンD化合物が次式の化合物:
    Figure 2007525533
    (式中:
    は、単結合又は二重結合であり;
    は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
    及びXはそれぞれ独立に、H又は=CHであり、但し、X及びXは双方ともが=CHでなく;
    及びRはそれぞれ独立に、OC(O)C〜Cアルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OROC(O)ハロアルキル、OAcであり;
    3、4、及びRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり、或いはR及びRはC20と一緒になって、C〜Cシクロアルキルを形成し;且つ
    及びRはそれぞれ独立に、Cアルキル又はハロアルキルであり;且つ
    は、H、−COC〜Cアルキル、−COヒドロキシアルキル、又は−COハロアルキルである);
    並びに医薬として許容できるそのエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用、方法、製剤、化合物、又はキット。
  11. 前記ビタミンD化合物が次式の化合物:
    Figure 2007525533
    (式中:
    Xは、H又はCHであり、
    は、水素、ヒドロキシ、又はフッ素であり、
    は、水素又はメチルであり、
    は、水素又はメチルであり、但し、R又はRがメチルである場合、R又はRは水素でなければならず、
    は、メチル、エチル、又はトリフルオロメチルであり、
    は、メチル、エチル、又はトリフルオロメチルであり、
    Aは、単結合又は二重結合であり、
    Bは、単結合、E−二重結合、Z−二重結合、又は三重結合である)である、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用、方法、製剤、化合物、又はキット。
  12. 及びRはそれぞれ、メチル又はエチルである、請求項11に記載の使用、方法、製剤、化合物、又はキット。
  13. 前記ビタミンD化合物が、次式を有する1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−16,23Z−ジエン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールである、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用、方法、製剤、化合物、又はキット:
    Figure 2007525533
  14. 前記ビタミンD化合物が、次式を有する1−α−フルオロ−25−ヒドロキシ−16,23E−ジエン−26,27−ビスホモ−20−エピ−コレカルシフェロールである、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用、方法、製剤、化合物、又はキット:
    Figure 2007525533
  15. 前記化合物が、次式を有する1,3−ジ−O−アセチル−1,25−ジヒドロキシ−20−シクロプロピル−23E−エン−26,27−ヘキサフルオロ−19−ノル−コレカルシフェロールである、請求項1から9のいずれか一項に記載の使用、方法、製剤、化合物、又はキット:
    Figure 2007525533
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