JP2008535812A - 子宮内膜症を治療するためのビタミンd化合物の使用 - Google Patents

子宮内膜症を治療するためのビタミンd化合物の使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2008535812A
JP2008535812A JP2008502418A JP2008502418A JP2008535812A JP 2008535812 A JP2008535812 A JP 2008535812A JP 2008502418 A JP2008502418 A JP 2008502418A JP 2008502418 A JP2008502418 A JP 2008502418A JP 2008535812 A JP2008535812 A JP 2008535812A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
vitamin
methyl
mmol
hexane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2008502418A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008535812A5 (ja
Inventor
パニナ パオラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bioxell SpA
Original Assignee
Bioxell SpA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GB0505954A external-priority patent/GB0505954D0/en
Application filed by Bioxell SpA filed Critical Bioxell SpA
Publication of JP2008535812A publication Critical patent/JP2008535812A/ja
Publication of JP2008535812A5 publication Critical patent/JP2008535812A5/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/59Compounds containing 9, 10- seco- cyclopenta[a]hydrophenanthrene ring systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P15/00Drugs for genital or sexual disorders; Contraceptives

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Endocrinology (AREA)
  • Reproductive Health (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

子宮内膜症の治療又は予防におけるビタミンD化合物の使用、ビタミンD化合物を投与することによる子宮内膜症の治療又は予防方法、及びこれらに使用するための化合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、2005年3月23日に出願されたGB 0505955.5、及び2006年3月31日に出願されたU.S.予備特許出願Ser. No. 60/667,367の利益を主張する。これらの開示は、この引用により本明細書中に取り込まれている。
本発明は、子宮内膜症の治療又は予防におけるビタミンD化合物の使用、ビタミンD化合物を投与することによる子宮内膜症の治療又は予防方法、及びこれらに使用するための化合物に関するものである。
子宮内膜症は、低受胎、慢性骨盤痛、及び多数の外科手術により生じる、異所性部位での子宮内膜増殖に関与する病気である。これは、出産年齢の女性人口の約10%に発症する(Balweg, M. (2004) Best Pract. Res. Cl. Ob. 18:201、及びVigano, P.らの論文 (2004) Best Pract. Res. Cl. Ob. 18:177)。間質細胞の増殖、血管新生、及び炎症は、子宮内膜症の病因の重要な因子である(Kayama, C. M (2003) Reproductive Biology and Endocrinology 1:123)。現在の医学療法の多くは、患者の低エストロゲン状態(hypoestrogenic state)を誘発することを伴う。これらの治療は、危険な副作用、及び該疾患の高発生率と関連している。
本発明者らは、上記不利益を緩和又は軽減する目的で、子宮内膜症の新規治療方法を開発した。
高等動物の生物学的システムにおけるビタミンD(コレカルシフェロール)の重要性は、Mellanbyによる1920年のそのことの発見以降認められている(Mellanby, E.の論文、Spec. Rep. Ser. Med. Res. Council (GB) SRS, 61:4 (1921))。1920〜1930年の間に、ビタミンDは、骨格の正常な発達並びにカルシウム及びリンホメオスタシスの維持に必須である「ビタミン」として正式に分類され始めた。
ビタミンD3代謝に関連する研究は、血漿代謝産物25-ヒドロキシビタミンD3 [25(OH)D3] (Blunt, J.W.らの論文、Biochemistry, 6:3317-3322 (1968))及びホルモン活性型1-アルファ,25(OH)2D3 (Myrtle, J.F.らの論文、J. Biol. Chem., 245:1190-1196 (1970);Norman, A.W.らの論文、Science, 173:51-54 (1971);Lawson, D.E.M.らの論文、Nature, 230:228-230 (1971);Holick, M.F.の論文、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 68:803-804 (1971))の発見及び化学的特徴決定により始まった。ビタミンD内分泌系の概念の製剤は、慎重に調節された様式の1-アルファ,25(OH)2D3生成における腎臓の重要な役割の理解(Fraser, D.R.及びKodicek, E.の論文、Nature, 288:764-766 (1970);Wong, R.G.らの論文、J. Clin. Invest., 51:1287-1291 (1972))、並びに小腸における1-アルファ,25(OH)2D3 の核受容体(VD3R)の発見(Haussler, M.R.らの論文、Exp. Cell Res., 58:234-242 (1969);Tsai, H.C.及びNorman, A.W.の論文、J. Biol. Chem., 248:5967-5975 (1972))の両方を基にしている。
ビタミンD内分泌系の操作は、以下の存在によって左右される:第一に、ビタミンD3の生物学的活性代謝産物、例えば1-アルファ,25(OH)2D3及び24R,25(OH)2D3への転換を実現するための、肝臓(Bergman, T.及びPostlind, H.の論文、Biochem. J., 276:427-432 (1991);Ohyama, Y.及びOkuda, K.の論文、J. Biol. Chem., 266:8690-8695 (1991))及び腎臓(Henry, H.L.及びNorman, A.W.の論文、J. Biol. Chem., 249:7529-7535 (1974);Gray, R.W.及びGhazarian, J.G.の論文、Biochem. J., 259:561-568 (1989))、並びに様々な他の組織におけるシトクロムP450酵素の存在;第二に、これらの疎水性分子のビタミンD 内分泌系の様々な組織成分への選択的輸送及び送達を実現するための、血漿ビタミンD結合タンパク質(DBP)の存在(Van Baelen, H.らの論文、Ann. NY Acad. Sci., 538:60-68 (1988);Cooke, N.E.及びHaddad, J.G.の論文、Endocr. Rev., 10:294-307 (1989);Bikle, D.D.らの論文、J. Clin. Endocrinol. Metab., 63:954-959 (1986));並びに、第三に、このセコステロイドホルモンに必須の特異的な生物学的反応を生じるための、アゴニスト1-アルファ,25(OH)2D3と相互作用する多種多様な標的組織における立体選択的受容体の存在(Pike, J.W.の論文、Annu. Rev. Nutr., 11:189-216 (1991))。今日までに、1-アルファ,25(OH)2D3の核受容体(VD3R)が、正常な膀胱を含む30種よりも多い組織及び癌細胞株において存在することの証拠が存在する(Reichel, H.及びNorman, A.W.の論文、Annu. Rev. Med., 40:71-78 (1989))。
ビタミンD3及びそのホルモン活性型は、周知のカルシウム及びリンホメオスタシスの調節因子である。これらの化合物は、カルシウム及びリン酸の小腸吸収、骨塩の動員、並びに腎臓におけるカルシウム保持の少なくとも1つを刺激することがわかっている。更に、30種を超える組織における特異的ビタミンD受容体の存在の発見は、ビタミンD3のカルシウム/骨ホメオスタシスにおけるその古典的役割から逸脱した多能性調節因子としての同定につながる。1-アルファ,25(OH)2D3のパラクリンの役割は、ビタミンD3をその活性型、例えば25-OHD-1-アルファ-ヒドロキシラーゼへ酸化することが可能な酵素、並びに骨、ケラチノサイト、胎盤及び免疫細胞などのいくつかの組織における特異的受容体の存在の組合せにより示唆されている。更にビタミンD3ホルモン及び活性代謝産物は、正常細胞及び悪性細胞の両方において細胞の増殖及び分化を調節することが可能であることがわかっている(Reichel, H.らの論文、Ann. Rev. Med., 40:71-78 (1989))。
ビタミンD3 及びその代謝産物の活性が与えられると、多くの注意が、これらの化合物の合成アナログの開発に集中している。非常に多数のこれらのアナログは、A環、B環、C/D環、及び主に側鎖の構造的修飾に関連している(Bouillon, R.らの論文、Endocrine Reviews 16(2): 201-204 (1995))。今日までに開発されている膨大な数のビタミンD3アナログは、側鎖の構造的修飾に関連しており、わずかな研究がA環ジアステレオマーの生物学的プロファイルを報告している(Norman, A.W.らの論文、J. Biol. Chem., 268 (27): 20022-20030 (1993))。更にステロイドの生物学的エステル化が研究されており(Hochberg, R.B.の論文、Endocr. Rev. 19(3): 331-348 (1998))、ビタミンD3のエステルは公知である(WO 97/11053)。
更に、合成アナログの開発に多くの努力が傾けられたにもかかわらず、ビタミンD及びその構造的アナログの臨床適用は、公知のビタミンD化合物の適応/適用に関して対象への投与後にこれらの化合物により誘発される望ましくない副作用により制限されている。
ビタミンDの活性化型であるビタミンD3,及びそのアナログの一部は、細胞増殖及び分化の強力な調節因子として説明されている。ビタミンD3に加えアナログ(アナログV)は、BPHの細胞増殖を阻害し、ケラチノサイト増殖因子(KGF)及びインスリン-様増殖因子(IGF1)などのBPH細胞の強力な増殖因子のマイトジェン活性と逆作用することが先にわかっている。更にこのアナログは、未刺激の及びKGF-刺激の両方のBPH細胞において、bcl-2タンパク質発現、細胞内カルシウム動員、及びアポトーシスを誘導した。
Ailawadiらの論文 Fertil. Steril. 2004 81(2):290-296は、レトロゾール(letrozole)、及び酢酸ノルエチンドロンを用いた、子宮内膜症及び慢性骨盤痛の治療を開示している。骨量減少に関連した考えられ得る治療を減らすために、カルシウム及びビタミンDの追補を含む、一連の追加薬剤を提供している。
Shippenらの論文 Fertil. Steril. 2004 81(5):1395-1398には、アロマターゼ阻害剤を用いた、重度子宮内膜症の治療が記載されている。骨量減少の可能性を減らすために、主にカルシトリオールを含む、一連の追加薬剤を提供している。
US2005/0032741は、個人のホルモン変化に関連した症状の治療又は予防用の、カルシウム、ビタミンD、葉酸、ビタミンB12、及びビタミンB6を含むビタミン組成物を開示している。一例において、性腺刺激ホルモン放出ホルモンアンタゴニスト、ロイプロリド(Leuprolide)、及びフォサマックス(Fosamax)を同時投与している子宮内膜症患者及び骨粗鬆症患者に、該ビタミン組成物を投与した場合、骨量減少速度低下、及び子宮内膜症減少が示された。同時投与される薬剤の数を鑑みて、子宮内膜症状の低下が、ビタミンD投与による直接的結果であるという証拠は存在しない。
US2002/0010163は、新規ビタミンD化合物を開示している。前記化合物が、例えばホルモン感受性腫瘍、又は過形成(乳癌、前立腺癌、卵巣癌、類線維腫、又は子宮内膜症など)の治療における増殖抑制薬として、或いは、例えば浮腫、ざ瘡、肝斑、又は受精制御におけるプロゲステロン活性の抑制剤として有用であることが記載されている。上記効能の実用性における生物学的データは提供されていない。
従って、本発明は、子宮内膜症及び関連症状(例えば、慢性骨盤痛及び/又は低受胎)の予防又は治療用のビタミンD化合物、及び該化合物を使用する治療方法を提供する。治療及び/又は予防は、異所性増殖の数、及び/又は大きさの減少を含んでいてもよい。一実施態様において、本発明の使用及び方法は、内性子宮内膜症、子宮内膜、又は子宮筋層内子宮内膜症としても知られている腺筋症に関連していてもよい。
適宜に、本発明の方法を、子宮内膜症の治療に適用することができる。或いは、本発明の方法を、子宮内膜症の予防に適用することができる。
本発明の更なる説明の前に、本発明をより容易に理解するために、最初にある用語を、便宜上ここにまとめて定義する。
用語「投与」又は「投与する」は、ビタミンD化合物を、それらの意図された機能を実現するために対象へ導入する経路を含む。使用され得る投与経路の例は、注射(皮下、静脈内、非経口、腹腔内)、経口、吸入、経直腸、経皮、又は経膀胱(膀胱内)注入である。これらの医薬調製物は当然、各投与経路に適した形で投与される。例えばこれらの調製物は、錠剤又はカプセル剤の形で、注射、点滴、吸入、ローション、軟膏、坐薬などで投与することができる。経口投与が好ましい。この注射は、ボーラスであることができるか、又は連続点滴であることができる。投与経路に応じて、ビタミンD化合物は、その意図された機能を実行するその能力に不利益に影響を及ぼす自然条件からそれを保護するために、選択された物質でコートされるか又はその内部に配置され得る。ビタミンD化合物は、単独で、又は子宮内膜症の治療に使用される他の薬剤と併用して、もしくは医薬として許容し得る担体と併用して、又は両方と併用して投与することができる。ビタミンD化合物は、他の薬剤の投与前、他の薬剤と同時に、又は他の薬剤の投与後に投与することができる。更にビタミンD化合物は、その活性代謝産物、又はより活性のある代謝産物へin vivoにおいて転換される、代用形(pro-form)で投与することもできる。
用語「有効量」は、望ましい結果を実現するのに必要な、すなわち子宮内膜症の治療及び/又は予防に十分な、用量及び期間での有効な量を含む。ビタミンD化合物の有効量は、対象の病態、年齢及び体重、並びに対象における望ましい反応を誘起するビタミンD化合物の能力などの要因に応じて変動することができる。用量用法は、最適な治療反応を提供するように調節され得る。また、有効量は、ビタミンD化合物の毒性作用又は有害作用(例えば副作用)を治療的恩恵のある作用が上回る量でもある。
ビタミンD化合物の治療的有効量(すなわち、有効用量)は、約0.001〜30μg/kg体重、好ましくは約0.01〜25μg/kg体重、より好ましくは約0.1〜20μg/kg体重、更により好ましくは約1〜10μg/kg、2〜9μg/kg、3〜8μg/kg、4〜7μg/kg、又は5〜6μg/kg体重の範囲であって良い。当業者は、疾患又は障害の重症度、先行する治療、対象の全身の健康状態及び/又は年齢、並びに他の疾患の存在を含むが、これらに限定されるものではない、ある種の要因が、対象を効果的に治療するために必要な用量に影響を及ぼすことを理解するであろう。加えて、投与される投与量は、使用される特定のビタミンD化合物により左右され、各化合物の有効量は、当該技術分野において公知の滴定法により決定され得る。更に治療的有効量のビタミンD化合物による対象の治療は、単回治療を含むことができ、又は好ましくは連続治療を含むことができる。一例として、対象は、6ヶ月以上の期間、症状の管理及び状態の進展に応じて、1日1回、約0.1〜20μg/kg体重の範囲のビタミンD化合物で治療される。同じく、他の慢性治療のように、「オン-オフ」又は間欠式治療様式を考慮することができる。治療に使用されるビタミンD化合物の有効量は、特定の治療の過程で増加又は減少することができることも理解されるであろう。
用語「アルキル」は、直鎖アルキル基、分枝鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む、飽和脂肪族基のラジカルを意味する。用語アルキルは更に、炭化水素骨格の1個以上の炭素の代わりに、(例えば、1つの実施態様において、アルキル基が含有しない)酸素、窒素、イオウ又はリン原子を任意に更に含むことができるアルキル基、例えば酸素、窒素、イオウ又はリン原子などを任意に更に含むことができるアルキル基を含む。好ましい実施態様において、直鎖又は分枝鎖のアルキルは、その骨格に30個以下の炭素原子(例えば、直鎖についてC1-C30、分枝鎖についてC3-C30)を含み、好ましくは26個以下、より好ましくは20個以下、特に6個以下を有する。同様に好ましいシクロアルキルは、それらの環構造内に3〜10個の炭素原子を有し、より好ましくはそれらの環構造内に3、4、5、6又は7個の炭素を有する。
更に本願明細書及び特許請求の範囲を通じて使用される用語アルキルは、「非置換のアルキル」及び「置換アルキル」の両方を含むことが意図されており、後者は炭化水素骨格の1個以上の炭素上の水素原子と置き換わる置換基を有するアルキル部分を意味する。このような置換基は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート(カルボン酸塩又はエステル)、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート(リン酸塩又はエステル)、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート(チオカルボン酸塩又はエステル)、スルフェート(硫酸塩又はエステル)、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分を含むことができる。炭化水素鎖上の置換された部分が、それら自身適宜置換され得ることは、当業者に理解されるであろう。シクロアルキルは、例えば先に説明された置換基により、更に置換することができる。「アルキルアリール」部分は、アリールで置換アルキル(例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。(シクロアルキルを含む)非置換のアルキル基、又はハロゲン、特にフッ素により置換された基が、他の置換基よりも一般的に好ましい。用語「アルキル」は、先に説明されたアルキルに長さ及び可能な置換が類似しているが、各々、少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪族基も含む。
炭素の数が特に指定されない場合は、本願明細書において使用される「低級アルキル」は、先に定義されているものであるが、直鎖又は分枝鎖であることができる、その骨格に1〜10個の炭素、より好ましくは1〜6個、最も好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。低級アルキル基の例を挙げると、メチル、エチル、プロピル(n-プロピル、及びi-プロピル)、ブチル(tert-ブチル、n-ブチル、及びsec-ブチル)、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルなどがある。好ましい実施態様において、用語「低級アルキル」は、その骨格に4個以下の炭素原子を有する直鎖アルキル、例えばC1-C4アルキルを含む。
従って、アルキルの具体例には、(メチル又はエチルなどの)C1-6アルキル、又はC1-4アルキルがある。ヒドロキシアルキルの具体例には、(ヒドロキシメチルなどの)C1-6ヒドロキシアルキル、又はC1-4ヒドロアルキルがある。
用語「アルコキシアルキル」、「ポリアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル」は、先に説明されたものであり、更に炭化水素骨格の1個以上の炭素の代わりに、酸素、窒素又はイオウ原子を含むアルキル基、例えば酸素、窒素又はイオウ原子などを含むアルキル基を意味する。
本願明細書で説明された用語「アリール」は、例えば、0〜4個のヘテロ原子を含むことができる5-及び6-員の単環芳香族基を含む、アリール基のラジカルを意味し、例えば、ベンゼン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジンなどである。アリール基は、ナフチル、キノリル、及びインドリルなどのような、多環式縮合芳香族基も含む。これらの環構造にヘテロ原子を有するアリール基は、「アリール複素環」、「ヘテロアリール」、又は「ヘテロ芳香族」とも称される。これらの芳香族環は、先に説明されたような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、複素環、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などにより、1つ以上の環位置で置換され得る。アリール基は、多環(例えばテトラリン)を形成するために、芳香族でない脂環式又は複素環と縮合されるか又は架橋され得る。
用語「アルケニル」及び「アルキニル」は、先に説明されたアルキルに長さ及び可能な置換が類似しているが、各々、少なくとも1個の二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪族基を意味する。例えば本発明は、シアノ基及びプロパルギル基を企図している。
用語「キラル」は、鏡像対と重ならない特性を有する分子を意味するが、用語「アキラル」は、それらの鏡像対と重なり得る分子を意味する。
用語「ジアステレオマー」は、2個以上の不斉中心を持ち、その分子が互いに鏡像でない立体異性体を意味する。用語「エナンチオマー」は、互いに鏡像が重ならない化合物の2種の立体異性体を意味する。2種のエナンチオマーの等モル混合物は、「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」と称される。
本願明細書において使用される用語「ハロゲン」は、-F、-Cl、-Br又は-Iを意味し;用語「スルフヒドリル」又は「チオール」は、-SHを意味し;用語「ヒドロキシル」は、-OHを意味する。
用語「ハロアルキル」は、ハロゲンにより一-、二-又は多置換された先に説明されたアルキル基、例えば、フルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのC1-6ハロアルキル又はC1-4ハロアルキルを含むことが意図される。
本願明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を意味する。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、イオウ及びリンである。
用語「多環式」又は「多環式ラジカル」は、2個以上の炭素が、例えばその環が「縮合環」である、2個の隣接する環で共有されている、2個以上の環式環 (例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール及び/又はヘテロシクリル)のラジカルを意味する。非隣接原子により連結された環は、「架橋された」環と称される。多環式の各環は、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、スルフェート、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリール、又は芳香族もしくはヘテロ芳香族部分などである先に説明されたような置換基により置換することができる。
用語「異性体」又は「立体異性体」は、同じ化学構成を有するが、空間の原子又は基の配置が異なる化合物を意味する。
用語「単離された」又は「実質的に精製された」は、本願明細書において互換的に使用され、及び非天然状態のビタミンD3化合物を意味する。これらの化合物は、天然に生成された場合に細胞材料もしくは培養培地を、又は化学合成された場合に化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まないことができる。本発明の1つの実施態様において、単離したビタミンD化合物は、w/w基準において、少なくとも75%の純度であり、特に少なくとも85%の純度であり、とりわけ少なくとも95%の純度であり、好ましくは少なくとも99%の純度であり、該純度は、ビタミンD化合物が化学合成の過程で自然に関連する又は化学的に関連する化合物を基準にしている。ある好ましい実施態様において、用語「単離された」又は「実質的に精製された」は、エナンチオマーの一方を実質的に欠いているキラル化合物の調製物も意味し;すなわち、分子のエナンチオマーが豊富な又は非-ラセミ調製物である。同様に用語「単離されたエピマー」又は「単離されたジアステレオマー」は、他の立体化学型を実質的に含まないキラル化合物の調製物を意味する。例えば単離された又は実質的に精製されたビタミンD3化合物は、アルファ-立体配座でA環の3位でキラル炭素に結合された置換基を有する立体異性体が豊富な、従ってベータ-立体配座を有する他の異性体を実質的に欠いているビタミンD3の合成又は天然の調製物を含む。特に指定しない限りは、このような用語は、アルファ型対ベータ型の重量比が1:1よりも大きいビタミンD3組成物を意味する。例えばエピマーの単離された調製物は、アルファ-エピマーをベータ立体異性体に対し50重量%よりも多く、より好ましくは少なくとも75重量%、更により好ましくは少なくとも85重量%有する調製物を意味する。当然、豊富さ(enrichment)は、85%よりもはるかに多くなることができ、これは「実質的にエピマー-豊富な」調製物、すなわちベータ立体異性体に対して90%よりも多い、更により好ましくは95%よりも多いアルファ-エピマーを有する化合物の調製物を提供する。用語「ベータ立体異性体を実質的に非含有」は、同様の純度範囲を有することが理解されるであろう。
本願明細書において使用される用語「ビタミンD化合物」は、子宮内膜症の治療又は予防が可能であるビタミンDのアナログである任意の化合物を含む。一般にビタミンD受容体のリガンド(VDRリガンド)であり、子宮内膜症の治療又は予防が可能である化合物は、本発明の範囲内であると考えられる。ビタミンD化合物は好ましくは、ビタミンD受容体のアゴニストである。従ってビタミンD化合物は、セコステロイドを含むことが意図される。本発明の方法における使用に適した特定のビタミンD化合物の例は、更に本願明細書において説明されている。ビタミンD化合物は、ビタミンD2化合物、ビタミンD3化合物、それらの異性体、又はそれらの誘導体/アナログを含む。好ましいビタミンD化合物は、ビタミンD受容体のリガンドである(より好ましくはアゴニストである)ビタミンD3化合物である。好ましくはビタミンD化合物(例えばビタミンD3化合物)は、天然のリガンド(すなわち、ビタミンD、例えばビタミンD3)よりもより強力なビタミンD受容体のアゴニストである。ビタミンD1 化合物、ビタミンD2化合物及びビタミンD3化合物は、各々、ビタミンD1、D2、D3及びそれらのアナログを含む。ある実施態様において、ビタミンD化合物は、セコステロイド、例えば、カルシオール、カルシジオール又はカルシトリオールなどの、ステロイドであることができる。本発明におけるビタミンD化合物の他の非限定的例は、米国特許に開示されたもの、第6,017,908号、第6,100,294号、第6,030,962号、第5,428,029号、及び第6,121,312号、国際公開公報に開示されたもの、WO 98/51633、WO 01/40177A3を含む。他のビタミンD化合物の例は、US 6,492,353及びWO2005/030222で開示されたものを含む。
用語「セコステロイド」は、当該技術分野において認められており、ステロイド環構造のシクロペンタノペルヒドロ-フェナントレン環の1つが破壊された化合物を含む。例えば、1-アルファ, 25(OH)2D3及びそれらのアナログは、ホルモン活性のあるセコステロイドである。ビタミンD3の場合、B-環の9〜10個の炭素-炭素結合が破壊され、セコ-B-ステロイドを生成する。ビタミンD3の公式のIUPAC名は、9,10-セココレスタ-5,7,10(19)-トリエン-3B-オールである。便宜上、全ての炭素原子が標準のステロイド表記法を用いて番号づけされた1-アルファ, 25(OH)2D3の6-s-trans配座異性体をここに示す。
Figure 2008535812
ここで示された式において、A環上の様々な置換基は、これらの表記法の1つにより、ステロイド核への連結として記されている:点線(----)は、ベータ-配向(すなわち、環平面の上側)の置換基を示し、黒楔状の線(▼)は、アルファ-配向(すなわち、分子の環平面の下側)の置換基を示し、又は波線(〜〜〜)は、環平面の上側又は下側のいずれかである置換基を示す。環Aに関して、ビタミンD分野における立体化学慣習は、点線はアルファ-配向(すなわち、分子の環平面の下側)であるA環の置換基を示し、黒楔状の線はベータ-配向(すなわち、環平面の上側)であるA環の置換基を示す、一般的化学分野とは反対であることは理解されるべきである。
更に炭素-炭素二重結合にまたがる立体化学の表示も、「Z」は「cis」(同側)立体配座を意味することが多く、「E」は「trans」(対側)立体配座を意味することが多い点で、一般的化学分野とは反対である。とにかくcis/trans及び/又はZ/Eの両立体配置は、本発明において使用する化合物について意図されている。
示されたように、ホルモン1-アルファ,25(OH)2D3のA環は、炭素1及び3にふたつの不斉中心を含み、各々は、良く特徴付けられた立体配置のヒドロキシル基、すなわち1-アルファ-及び3-ベータ-ヒドロキシル基を含む。別の表現をすると、A環の炭素1及び3は、「キラル炭素」又は「炭素中心」と称される。
キラル中心の命名法に関して、用語「d」及び「l」立体配置は、「IUPAC Recommendations」により定義されている。用語の使用において、ジアステレオマー、ラセミ、エピマー及びエナンチオマーが、調製物の立体化学を説明するために、それらの通常の状況において使用されるであろう。
同じく本願明細書を通じて、ビタミンD化合物のA環は、下記構造のいずれか1つの一般式を示すことが多い:
Figure 2008535812
(式中、X1及びX2は、H又は=CH2として規定される。);又は
Figure 2008535812
(式中、X1及びX2は、H2又はCH2として規定される。)。
いずれの慣習であるかは明らかではないが、当業者は、式(A)又は(B)のいずれかは、以下のように、例えば、X1は=CH2、及びX2はH2と規定されるA環を表すことを理解することは明らかである:
Figure 2008535812
本発明の目的ために、式(B)は、全ての一般的構造で使用されるであろう。
従って1つの態様において、本発明は、子宮内膜症の予防又は治療においてビタミンD化合物の使用を提供する。有効量のビタミンD化合物を投与することによる、子宮内膜症の患者を治療する方法も提供される。更に子宮内膜症の予防又は治療のための医薬品の製造における、ビタミンD化合物の使用が提供される。更に子宮内膜症の予防及び/又は治療に使用されるビタミンD化合物が提供される。子宮内膜症の治療及び/又は予防を必要とする患者へ該化合物を投与し、これにより該患者における子宮内膜症の治療又は予防を指示することを指示する添付文書と共に、ビタミンD化合物を含むキットも提供される。子宮内膜症は、例えば、慢性骨盤痛及び/又は低受胎の症状を特徴とする。
該使用及び方法は、女性、特に閉経前女性の治療における使用及び方法である。
本発明の1つの実施態様において、該ビタミンD化合物は、式(I)の化合物である:
Figure 2008535812
(式中、Xは、ヒドロキシル又はフルオロであり;
Yは、H2又はCH2であり;
Z1及びZ2は、H又は式(II)により表された置換基であり、但しZ1及びZ2は異なり(好ましくは、Z1及びZ2は両方とも式(II)を表すことはなく):
Figure 2008535812
(ここで、Z3は、前記式(I)を表し;
Aは、単結合又は二重結合であり;
R1、R2及びZ4は、各々独立して、水素原子、アルキル、又は式(III)で表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖であり、但しR1、R2及びZ4の少なくとも1つは、式(III)で表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖であり、並びに但しR1、R2及びZ4の全ては、式(III)で表される飽和もしくは不飽和の炭素鎖ではなく:
Figure 2008535812
(ここで、Z5は、先に説明された式(II)を表し;
A2は、単結合、二重結合、又は三重結合であり;並びに
A3は、単結合又は二重結合であり;並びに
R3及びR4は、各々独立して、水素原子、アルキル、ハロアルキル、ヒドロキシアルキルであり;並びに、R5は、H2又は酸素である。R5は水素原子を表してもよく、又は存在しなくてもよい。)。)。)。
従って前記構造式(III)(及び以下の対応する構造)において、A2が三重結合を表す場合、R5は存在しない。A2が二重結合を表す場合、R5は水素原子を表す。A2が単結合を表す場合、R5は、カルボニル基又は2個の水素原子を表す。
本発明の別の実施態様において、該ビタミンD化合物は、式(IV)の化合物である:
Figure 2008535812
(式中、X1及びX2は、H2 又はCH2,であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
Aは、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
A3は、単結合又は二重結合であり;
R1及びR2は、水素原子、C1-C4アルキル又は4-ヒドロキシ-4-メチルペンチルであり、ここでR1及びR2が両方とも水素原子であることはなく;
R5は、H2又は酸素であり、R5は、水素原子を表してもよく、又は存在しなくてもよく;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;並びに
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルである。)。
更に本発明の別の実施態様において、該ビタミンD化合物は、下記式(V)の化合物である:
Figure 2008535812
(式中、X1及びX2は、H2 又はCH2,であり、ここでX1及びX2は、同時にCH2ではなく;
Aは、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
A3は、単結合又は二重結合であり;
R1及びR2は、水素原子、C1-C4アルキルであり、ここでR1及びR2が両方とも水素原子であることはなく;
R5は、H2又は酸素であり、R5は、水素原子を表してもよく、又は存在しなくてもよく;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;並びに
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、例えば、又はフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルである。)。
前記構造式(V)の例は、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロールである。
別の実施態様において、該ビタミンD化合物は、式(VII)の化合物である:
Figure 2008535812
(式中、Aは、単結合又は二重結合であり;
R1及びR2は、各々独立して、水素原子、又はアルキル、(例えばメチルであり);
R3及びR4は、各々独立して、アルキルであり、並びに
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
更なる実施態様において、該ビタミンD化合物は、式(VIII)を有する化合物である:
Figure 2008535812
(式中、R1及びR2は、各々独立して、水素原子、又はアルキル、例えばメチルであり;
R3は、アルキル、例えばメチルであり、
R4は、アルキル、例えばメチルであり;並びに
Xは、ヒドロキシル又はフルオロである。)。
本発明の特定の実施態様において、該ビタミンD化合物は、以下からなる群から選択される:
Figure 2008535812
別の本発明の特定の実施態様において、該ビタミンD化合物は、以下からなる群から選択される:
Figure 2008535812
更に別の実施態様において、該ビタミンDは、式(VI)の「ジェミナル」化合物である:
Figure 2008535812
(式中、X1は、H2又はCH2であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
R3は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;
R4は、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;並びに
C20の立体配置は、R又はSである。)。
この種の化合物は、C20での2個のアルキル鎖の存在のために、「ジェミナル」又は「ジェミニ」ビタミンD3化合物と称される。
式(VI)のジェミナル化合物の例は、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロール(本明細書では化合物Cとも称される)である:
Figure 2008535812
該化合物の合成は、その全体が本願明細書に引用により取り込まれている、WO98/49138及びUS6,030,962に開示されている。
本発明の更なる特定の実施態様において、該ビタミンD化合物は、以下からなるジェミナル化合物群から選択される:
Figure 2008535812
更に別の実施態様において、本発明は、式(IX)のジェミニビタミンD3化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグを提供する。
Figure 2008535812
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、C1-C4アルキル、C1-C4ジューテロアルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキルであり;
R5、R6、及びR7は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
C20の立体配置は、R又はSであり;
X1は、H2又はCH2であり;
ここで、少なくともR1及びR2のいずれかがC1-C4ジューテロアルキルであり、かつ少なくともR3及びR4のいずれかがハロアルキルである場合、又は少なくともR1及びR2のいずれかがハロアルキルであり、かつ少なくともR3及びR4のいずれかがC1-C4ジューテロアルキルである場合、Zは水素原子であり;又はZは-OH、=O、-SH、又は-NH2である。)。
本発明のこの態様の種々の実施態様は、式Iの個々の化合物を含む。式中、A1は単結合であり;A2は単結合であり;A2は三重結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、C1-C4ジューテロアルキル、又はハロアルキルであり;R5はヒドロキシルであり;R6及びR7は、ヒドロキシルであり;R6及びR7は、各々OC(O)C1-C4アルキルであり;X1はH2であり;X1はCH2であり;Zは水素原子であり;又はZは=Oである。
ある実施態様において、R5、R6及びR7は、ヒドロキシルである。他の実施態様において、R6及びR7は各々アセチルオキシである。
更に他の実施態様において、少なくともR1及びR2のいずれかがC1-C4ジューテロアルキルであり、かつ少なくともR3及びR4のいずれかがハロアルキルである場合、又は少なくともR1及びR2のいずれかがハロアルキルであり、かつ少なくともR3及びR4のいずれかがC1-C4ジューテロアルキルである場合、Zは水素原子であり;X1がCH2である場合、Zは-OH、=O、-SH、又は-NH2であり;X1がH2であり、C20の立体配置がSである場合、Zは-OH、=O、-SH、又は-NH2であり;又はX1がH2であり、C20の立体配置がRである場合、Zは=O、-SH、又は-NH2である。1つの実勢態様において、ZはOHである。
本発明の態様の更に他の実施態様は、以下のものを含む。式中、X1はCH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;並びにZはOHである。1つの実施態様において、X1はCH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;並びにZは=Oである。1つの実施態様において、X1はH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;C20の立体配置はSであり;並びにZはOHである。別の実施態様において、X1はH2であり;A2は単結合であり;R1、R2、R3、及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルであり;並びにZは=Oである。これらの実施態様において、R1、R2、R3、及びR4は、各々メチルであることが有利である。ある実施態様において、該ハロアルキルはフルオロアルキルである。フルオロアルキルは、フルオロメチル又はトリフルオロメチルであることが有利である。
本発明のこの態様の更なる実施態様に含まれる化合物は、X1はH2であり;A2は三重結合であり;R1及びR2は、各々C1-C4ジューテロアルキルであり;R3及びR4は、各々ハロアルキルであり;並びにZは水素原子である。他の実施態様において、X1はCH2であり;A2は三重結合であり;R1及びR2は、各々C1-C4ジューテロアルキルであり;R3及びR4は、各々ハロアルキルであり;並びにZは水素原子である。これらの実施態様において、R1及びR2は、各々ジューテロメチルであることが有利であり、及びR3及びR4は、各々トリフルオロメチルであることが有利である。
更に本発明の別の特定の実施態様において、該ビタミンD化合物は、式(IX)のジェミナル化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグである:
Figure 2008535812
(式中、X1は、H2又はCH2であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
R1、R2、R3及びR4は、各々独立してC1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル又はハロアルキル、例えばフルオロメチル及びトリフルオロメチルなどのフルオロアルキルであり;
Zは、-OHであり、Zは=O、-NH2又は-SHであってもよく;並びに
C20の立体配置は、R又はSである。)。
更なる実施態様において、X1はCH2である。別の実施態様において、A2は、単結合である。別のものにおいて、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、メチル又はエチルである。更なる実施態様において、Zは-OHである。別のものにおいて、X1は、CH2であり;A2は、単結合であり;R1、R2、R3及びR4は、各々独立してメチル又はエチルであり;並びに、Zは-OHである。より更なる実施態様において、R1、R2、R3及びR4は、各々メチルである。
更なる本発明の実施態様において、該ビタミンD化合物は、下記式のジェミナル化合物である:
Figure 2008535812
前述の化合物33及び50の化学名は、各々以下である:1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール、及び1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロールである。
ジェミナル化合物の追加の実施態様は、本発明で使用するための下記ビタミンD化合物を含む:
Figure 2008535812
(1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール)、
Figure 2008535812
(1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール)、
Figure 2008535812
(1,25-ジヒドロキシ-20S-21-(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール)、
Figure 2008535812
(1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロール)
及び
Figure 2008535812
(1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-20S-コレカルシフェロール)。
更なる本発明の実施態様において、本発明のビタミンD化合物は、式(X)の化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグである:
Figure 2008535812
(式中、X1及びX1は、各々独立して、H2又は=CH2であり、但しX1及びX1が両方とも=CH2であることはなく;
R1及びR2は、各々独立してヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、OC(O)フルオロアルキルであり;
R3及びR4は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキルもしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;並びに
R5及びR6は、各々独立してC1-C4アルキルである。)。
R3及びR4は、適切には、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキルであるか、又はR3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する。
化合物のセットの一例において、R5及びR6は、各々独立してC1-C4アルキルである。
化合物のセットの別の例において、R5及びR6は、各々独立してハロアルキル、例えばC1-C4フルオロアルキルである。
R3及びR4は、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する場合、その例はシクロプロピルがある。
1つの実施態様において、X1及びX1は、各々H2である。別の実施態様において、R3は、水素原子であり、R4は、C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R4は、メチルである。
別の実施態様において、R5及びR6は、各々独立して、メチル、エチル、フルオロメチル又はトリフルオロメチルである。好ましい実施態様において、R5及びR6は、各々メチルである。
更に別の実施態様において、R1及びR1は、各々独立して、ヒドロキシル又はOC(O)C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R1及びR1は、各々OC(O)C1-C4アルキルである。別の好ましい実施態様において、R1及びR1は、各々アセチルオキシである。
このような化合物の例は、下記構造を有する1,3-O-ジアセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2008535812
別の本発明の実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、2-メチレン-19-ノル-20(S)-1-アルファ,25-ヒドロキシビタミンD3である:
Figure 2008535812
この化合物及び関連する化合物の合成は、WO 02/05823及びUS 5,536,713に開示されており、これらはそれらの全体が本願明細書に引用により取り込まれている。
別の本発明の実施態様において、該ビタミンD化合物は、式(XII)の化合物、並びにそれらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグである:
Figure 2008535812
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2が、両方とも=CH2であることはなく;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル(例えばOAc)であり、
OC(O)C1-C4アルキル、又はOC(O)ヒドロキシアルキルなどの、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R1及び/又はR2は、あるいは、OHであってもよく;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;並びに
R6及びR7は、各々独立してC1-4アルキル又はハロアルキルであり;並びに
R8は、H、-COC1-C4アルキル(例えばAc)、-COヒドロキシアルキル又は-COハロアルキルである。)。
R3及びR4が、C20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成する場合、その例はシクロプロピルである。
R6及びR7は、適切には、各々独立してハロアルキルである。R8は、適切には、H又はAcを表すことができる。
1つの実施態様において、A1は、単結合であり、及びA2は、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である。別の実施態様において、A1は、二重結合であり、及びA2は、単結合、EもしくはZ二重結合、又は三重結合である。当業者は、A2が三重結合である場合、R5は存在しないことを、容易に理解するであろう。
1つの実施態様において、X1及びX2は、各々Hである。別の実施態様において、X1はCH2であり、及びX2はH2である。別の実施態様において、R3は、水素原子であり、R4は、C1-C4アルキルである。好ましい実施態様において、R4はメチルである。
化合物セットの別の例において、R1及びR2は両方ともOAcを表す。
化合物の例の1つのセットにおいて、R6及びR7は、各々独立してC1-4アルキルである。化合物の例の別のセットにおいて、R6及びR7は、各々独立してハロアルキルである。別の実施態様において、R6及びR7は、各々独立して、メチル、エチル又はフルオロアルキルである。好ましい実施態様において、R6及びR8は、各々トリフルオロアルキル、例えばトリフルオロメチルである。
R5は、適切には、水素原子を表す。
従ってある実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、式(XII)、並びにそれらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグで表される:
Figure 2008535812
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2が両方とも=CH2であることはなく;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、各々独立してハロアルキルであり;R6及びR7は、あるいは、アルキルであってもよく;並びに
R8は、H、C(O)C1-C4アルキル、C(O)ヒドロキシアルキル、又はC(O)ハロアルキルである。)。好ましい実施態様において、Aが単結合、R3が水素原子、及びR4がメチルである場合、A2は、二重結合又は三重結合である。
本発明の文脈の中で特に好ましい前述の式(XII)の化合物の例は、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールである:
Figure 2008535812
化合物が式(XIII)の1つである別の好ましい実施態様において、式中R1及びR2は各々OAcであり;A1は、二重結合であり;A2は、三重結合であり;並びに、R8は、H又はAcのいずれかである:
Figure 2008535812
先に説明した式(XII)のある実施態様において、本発明において使用するためのビタミンD化合物は、式(XIV)により表される:
Figure 2008535812
好ましい実施態様において、X1は=CH2、及びX2はH2である。ここで、A1が単結合であり、A2が三重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。A1が単結合であり、A2が単結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。A1が二重結合であり、A2が単結合である場合、好ましくは、R8は、H又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。
別の実施態様において、X1及びX2は、各々H2である。ここで、A1が単結合であり、A2が三重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキルであるか、又はハロアルキルである。好ましくは、該アルキル基はメチルであり、該ハロアルキル基はトリフオロアルキル、好ましくはトリフオロメチルである。A1が単結合であり、A2が二重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、R6及びR7はハロアルキル、好ましくはトリフオロアルキル、好ましくはトリフオロメチルである。A1が二重結合であり、A2が単結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、R6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。
先に説明した式(XIV)の別の例の化合物は、以下を含む:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R-26-トリフルオロ-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロールである。
先に説明した式(XII)のある別の実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は、式(XV)で表される:
Figure 2008535812
先に説明した式(XV)のある別の化合物例は、以下を含む:
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール;
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール;及び
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール。
好ましい式(XV)の化合物は、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールである;
Figure 2008535812
別の好ましい化合物の例は、下記式を有する、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(「化合物D」とも称される)である:
Figure 2008535812
このような化合物は、WO2005/030222に開示されており、これらの内容は全体が本願明細書に引用により取り込まれている。本発明は、化合物Dのエステル及び塩の使用も包含している。エステルは、体内で加水分解され、化合物Dを放出する、医薬として許容し得る不安定なエステルであってよい。化合物Dの塩は、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンにより形成される付加物及び錯体、並びにナトリウム、カリウム及びカルシウムのイオンなどの金属イオン塩、及び塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩を含む。しかし化合物Dは、それらの医薬として許容し得る塩又はエステルとして投与することができるが、好ましくは化合物Dは、そのまま使用され、すなわちそれらのエステル又は塩としては使用されない。
別の化合物は、下記式を有する、1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールである。
Figure 2008535812
これらの化合物は、US6,492,353に開示されており、これらの内容は全体が本願明細書に引用により取り込まれている。
本発明は、1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールのエステル及び塩の使用も包含している。エステルは、体内で加水分解され、化合物1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールを放出する、医薬として許容し得る不安定なエステルであってよい。化合物1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロピル-コレカルシフェロールの塩は、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンにより形成される付加物及び錯体、並びにナトリウム、カリウム及びカルシウムのイオンなどの金属イオン塩、及び塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩を含む。しかし1,25-ジヒドロキシ-20,21,28-シクロプロビル-コレカルシフェロールは、それらの医薬として許容し得る塩又はエステルとして投与することができるが、好ましくは化合物Dは、そのまま使用され、すなわちそれらのエステル又は塩としては使用されない。
他の好ましい本発明で使用するビタミンD化合物は、式(XVII)を有するものである:
Figure 2008535812
(式中、Bは、単結合、二重結合、又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立してH2又はCH2であり、但しX1及びX2が、両方ともCH2であることはなく;並びに
R4及びR5は、各々独立してアルキル又はハロアルキルである。)。
式(XVII)の化合物は、以下を含む:
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロピル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール:
Figure 2008535812
更なる実施態様において、本発明で使用するためのビタミンD化合物は式(XVI)の化合物である:
Figure 2008535812
(式中、Xは、H2又はCH2であり、
R1は、水素原子、ヒドロキシ又はフッ素であり、
R2は、水素原子又はメチルであり、
R3は、水素原子又はメチルである。R2又はR3がメチルである場合、R3又はR2は、水素原子でなければならず、
R4は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
R5は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
Aは、単結合又は二重結合であり、
Bは、単結合、E-二重結合、Z-二重結合又は三重結合である。)。
好ましい化合物では、R4及びR5は、各々メチル又はエチルであり、例えば、下記式を有する、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(例中、「化合物A」と称する)である:
Figure 2008535812
このような化合物は、US5,939,408及びEP808833に開示されており、これらの内容は全体が本願明細書に引用により取り込まれている。本発明は、化合物Aのエステル及び塩の使用も包含している。エステルは、体内で加水分解され、化合物Aを放出する、医薬として許容し得る不安定なエステルであってよい。化合物Aの塩は、アルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンにより形成される付加物及び錯体、並びにナトリウム、カリウム及びカルシウムのイオンなどの金属イオン塩、及び塩化カルシウム、マロン酸カルシウムなどのそれらの塩を含む。しかし化合物Aは、それらの医薬として許容し得る塩又はエステルとして投与することができるが、好ましくは化合物Aは、そのまま使用され、すなわちそれらのエステル又は塩としては使用されない。
本発明の別のビタミンD化合物は、1,25-ジヒドロキシ-21(3-ヒドロキシ-3-トリフルオロメチル-4-トリフルオロ-ブチニル)-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-20S-コレカルシフェロールである。
本発明で使用する更に他の好ましいビタミンD化合物は、式(XVIII)を有するものを含む:
Figure 2008535812
1つの実施態様において、A1は二重結合であり、X1は=CH2であり、及びX2はH2である。ここでA2が三重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル又はハロアルキルである。好ましくは、該アルキル基はメチルであり、及び該ハロアルキル基はトリフオロアルキル、好ましくはトリフオロメチルである。A2が二重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。R6及びR7は独立してアルキル及びハロアルキルであることも好ましい。A2が単結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。
好ましい実施態様において、A1は二重結合であり、及びX1及びX2は各々H2である。A2が三重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル又はハロアルキルである。好ましくは、該アルキル基はメチル又はエチルであり、及び該ハロアルキル基はトリフオロアルキル、好ましくはトリフオロメチルである。A2が二重結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はハロアルキル、好ましくはトリフオロアルキル、好ましくはトリフオロメチルである。A2が単結合である場合、好ましくは、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。
別の実施態様である本発明の式(XVIII)において、R3がHでありR4がメチルである場合、A2が二重結合又は三重結合であることを除いては、R1及びR2はC(O)CH3であり、A1は単結合であり、及びA2は単結合、二重結合又は三重結合である。好ましい実施態様において、R3はHであり、R4はメチルであり、R5は存在せず、R8はH又はC(O)CH3であり、並びにR6及びR7はアルキル、好ましくはメチルである。
本発明の好ましい化合物は以下を含む:1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール、1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール、及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール。これらの化合物は、例えばPCT公開公報WO2005030222に開示されたように調整することができる。先に示された構造を有する化合物の使用は、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグに拡大される。
さらに好ましい本発明で使用するためのビタミンD化合物は、式(XIX)を有するもの、並びに
それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを含む。
Figure 2008535812
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
X1及びX2は、各々独立してH2又はCH2であり、但しX1及びX2が両方ともCH2であることはなく;
R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、各々独立してハロアルキルであり;並びに
R8はH、C(O)C1-C4アルキル、C(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルである。)。好ましい実施態様において、R6及びR7は各々独立して、トリハロアルキル、特にトリフルオロメチルである。
これらの化合物は、例えば国際公報WO2005030222に開示されたように調製することができ、これらの内容は本願明細書に引用により取り込まれている。先に示された構造を有する化合物の使用は、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグに拡大される。
特に関心のあるビタミンD化合物は、カルシトリオールである。(本願明細書では化合物Bとも称される。
先に示された構造を有する化合物の使用は、それらの医薬として許容し得るエステル、塩及びプロドラッグに拡大される。
ビタミンD受容体アゴニストである本発明で使用する化合物の他の例は、パリカルシトール(ZEMPLAR(商標))(米国特許第5,587,497号参照)、タカルシトール(BONALFA(商標))(米国特許第4,022,891号参照)、ドキセルカルシフェロール(HECTOROL(商標))(Lamらの論文、(1974) Science 186, 1038参照)、マキサカルシトール(OXAROL(商標))(米国特許第4,891,364号参照)、カルシポトリオール(DAIVONEX(商標))(米国特許第4,866,048号参照)、及びファレカルシトリオール(FULSTAN(商標))を含む。
他の化合物は、エカルシデン(ecalcidene)、カルシチアゾール(calcithiazol)及びチソカルシテート(tisocalcitate)を含む。
他の化合物は、アトカルシトール(atocalcitol)、レクサカルシトール(lexacalcitol)及びセオカルシトール(seocalcitol)である。
関心を持つ可能性のある他の化合物は、セカルシフェロール(OSTEO D)である。
本発明で使用することができるビタミンD化合物の他の非限定的例は、以下の国際公開公報に開示されたもの:WO 01/40177、WO0010548、WO0061776、WO0064869、WO0064870、WO0066548、WO0104089、WO0116099、WO0130751、WO0140177、WO0151464、WO0156982、WO0162723、WO0174765、WO0174766、WO0179166、WO0190061、WO0192221、WO0196293、WO02066424、WO0212182、WO0214268、WO03004036、WO03027065、WO03055854、WO03088977、WO04037781、WO04067504、WO8000339、WO8500819、WO8505622、WO8602078、WO8604333、WO8700834、WO8910351、WO9009991、WO9009992、WO9010620、WO9100271、WO9100855、WO9109841、WO9112239、WO9112240、WO9115475、WO9203414、WO9309093、WO9319044、WO9401398、WO9407851、WO9407852、WO9408958、WO9410139、WO9414766、WO9502577、WO9503273、WO9512575、WO9527697、WO9616035、WO9616036、WO9622973、WO9711053、WO9720811、WO9737972、WO9746522、WO9818759、WO9824762、WO9828266、WO9841500、WO9841501、WO9849138、WO9851663、WO9851664、WO9851678、WO9903829、WO9912894、WO9915499、WO9918070、WO9943645、WO9952863、以下の米国特許に開示されたもの:US3856780、US3994878、US4021423、US4026882、US4028349、US4225525、US4613594、US4804502、US4898855、US5039671、US5087619、US5145846、US5247123、US5342833、US5428029、US5451574、US5612328、US5747479、US5804574、US5811414、US5856317、US5872113、US5888994、US5939408、US5962707、US5981780、US6017908、US6030962、US6040461、US6100294、US6121312、US6329538、US6331642、US6392071、US6452028、US6479538、US6492353、US6537981、US6544969、US6559138、US6667298、US6683219、US6696431、US6774251、並びに以下の米国特許出願に開示されたもの:US2001007907、US2003083319、US2003125309、US2003130241、US2003171605、US2004167105を含む。本発明で使用する更なるビタミンD化合物は、以下の開示されたもの:US4929609、US5393900、US5747478、WO2005/082375、WO2005/030223、WO2005/030222、WO2005/027923、WO2004/098522、及びWO2004/098507を含む。
本発明の化合物の一部の構造は、不斉炭素原子を含むことは注目されるであろう。従って、そのような不斉から生じる異性体(例えば、全エナンチオマー及びジアステレオマー)は、別に指摘しない限りは、本発明の範囲内に含まれることは理解されるべきである。このような異性体は、古典的分離技術によるか及び/又は立体化学的に管理された合成により、実質的に純粋な形で得ることができる。
天然の又は合成の異性体は、当該技術分野において公知のいくつかの方法で分離することができる。2種のエナンチオマーのラセミ混合物を分離する方法は、キラル固定相を使用するクロマトグラフィー(例えば、「キラル液体クロマトグラフィー(Chiral Liquid Chromatography)」W.J. Lough編集、Chapman and Hall、ニューヨーク (1989)参照)。エナンチオマーは、古典的分割技法により分離することもできる。例えばジアステレオマー塩の形成及び分別晶出を使用し、エナンチオマーを分離することができる。カルボン酸のエナンチオマーの分離に関して、ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネなどの、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基の添加により形成することができる。あるいは、ジアステレオマーエステルは、エナンチオマー的に純粋なキラルアルコール、例えばメントールにより形成され、それにジアステレオマーエステルの分離及び加水分解が続き、遊離のエナンチオマー豊富なカルボン酸が得られる。アミノ化合物の光学異性体の分離に関して、樟脳スルホン酸、酒石酸、マンデル酸、又は乳酸などのキラルカルボン酸又はスルホン酸の添加は、ジアステレオマー塩の形成を生じ得る。
また、本発明は、本願明細書に明らかにされた有効量のビタミンD化合物、及び医薬として許容し得る担体を含有した、医薬組成物を提供する。更なる実施態様において、この有効量は、先に説明されたように、子宮内膜症を治療するために有効である。
ある実施態様において、ビタミンD化合物は、医薬として許容し得る製剤を使用し、例えば、ビタミンD化合物の対象へ、この医薬として許容し得る製剤が対象へ投与された後少なくとも12時間、24時間、36時間、48時間、1週間、2週間、3週間又は4週間の持続送達を提供する医薬として許容し得る製剤を使用し、対象へ投与される。
ある実施態様において、これらの医薬組成物は、対象への局所的投与又は経口投与に適している。別の実施態様において、以下に詳述されるように、本発明の医薬組成物は、投与のために、固形又は液体の形で特別に製剤され、以下に適合されたものを含む:(1)経口投与、例えばドレンチ(水性もしくは非-水性の溶液又は懸濁液)、錠剤、ボーラス、散剤、顆粒剤、ペースト剤;(2)非経口投与、例えば滅菌溶液又は懸濁液の例えば皮下、筋肉内又は静脈内注射による;(3)局所的塗布、例えば皮膚へ塗布される、クリーム剤、軟膏剤又はスプレー剤;(4)膣内又は直腸内、例えばペッサリー、クリーム剤又は泡剤;もしくは、(5)エアロゾル、例えば水性エアロゾル、化合物を含有するリポソーム調製物又は固形粒子。
語句「医薬として許容し得る」は、本発明のビタミンD化合物、そのような化合物を含有する組成物、及び/又は健全な(sound)医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題点もしくは愁訴を伴わずに、妥当な恩恵/リスクの比の整合で、ヒト及び動物の組織との接触における使用に適している剤形を意味する。
語句「医薬として許容し得る担体」は、1つの臓器又は体の一部から、別の臓器又は体の一部への対象の化学物質の運搬又は輸送に関連した、医薬として許容し得る材料、組成物又はビヒクル、例えば液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒又は封入材料などを意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり及び患者を傷つけないという意味で、「許容」されなければならない。医薬として許容し得る担体として利用することができる材料の例の一部は、以下である:(1)糖質、例えば乳糖、グルコース及びショ糖;(2)デンプン、例えばトウモロコシデンプン及びバレイショデンプン;(3)セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロース;(4)トラガント末;(5)モルト;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばカカオバター及び坐薬用ワックス;(9)油分、例えばピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトール及びポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチル及びラウリル酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)パイロジェン-非含有水;(17)等張生理食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)リン酸緩衝液;並びに、(21)医薬製剤において使用される他の無毒の相溶性のある物質である。
湿潤剤、乳化剤及び滑沢剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムに加え、着色剤、剥離剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤及び矯臭剤、保存剤及び抗酸化剤も、この組成物中に存在することができる。
医薬として許容し得る抗酸化剤の例は、以下を含む:(1)水溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸、塩酸システイン、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど;(2)油溶性抗酸化剤、例えばアスコルビン酸パルミテート、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなど;並びに、(3)金属キレート剤、例えばクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
ビタミンD化合物を含有する組成物は、経口、鼻腔内、局所的(口腔内及び舌下を含む)、経直腸、膣、エアロゾル及び/又は非経口投与に適したものを含む。これらの組成物は好都合なことに、単位剤形で提示されてもよく、及び薬学の技術分野において周知の任意の方法により調製されてもよい。単位剤形を作製するために担体材料と組み合せることができる有効成分の量は、治療される宿主、特定の投与様式に応じて変動するであろう。単位剤形を作製するために担体材料と組み合せることができる有効成分の量は、一般に治療的効果を生じる化合物の量であろう。一般に、この量は、100%から出発して(out of one hundred)、この量は、有効成分約1%〜約99%、好ましくは約5%〜約70%、最も好ましくは約10%〜約30%である。
これらの組成物の調製法は、ビタミンD化合物を、担体及び任意に1種以上の補助成分と会合させる工程を含む。一般に、これらの製剤は、ビタミンD化合物を、液体担体、又は細分された固形担体、又は両方と均一かつ密接に会合させ、その後必要に応じ製品を造形することにより調製される。
経口投与に適している本発明の組成物は、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、トローチ剤(矯味矯臭基剤、通常ショ糖及びアラビアゴム又はトラガントを使用する)、散剤、顆粒剤、又は水性もしくは非水性液体の液剤もしくは懸濁剤として、又は水中油型もしくは油中水型乳剤、又はエリキシル剤もしくはシロップ剤、又は芳香錠(不活性基剤、例えばゼラチン及びグリセリン、又はショ糖及びアラビアゴムを使用する)及び/又は含嗽剤などの形であることができ、各々は、有効成分としてビタミンD化合物を予め定められた量含有する。化合物は、ボーラス、舐剤又はペースト剤として投与することもできる。
経口投与のための本発明の固形剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、及び顆粒剤など)において、有効成分は、1種以上の医薬として許容し得る担体、例えばクエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、及び/又は以下のいずれかと混合される:(1)充填剤又は増量剤、デンプン、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトール、及び/又はケイ酸など;(2)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖及び/又はアラビアゴムなど;(3)保湿剤、例えばグリセロール;(4)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、及び炭酸ナトリウム;(5)液体遅延剤、例えばパラフィン;(6)吸収促進剤、例えば第4級アンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、アセチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロール;(8)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイトクレイ;(9)滑沢剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物;並びに、(10)着色剤である。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、これらの医薬組成物は、緩衝剤も含有する。同様の形の固形組成物は、乳糖又はミルクシュガーのような賦形剤、更には高分子量ポリエチレングリコールなどを使用する、軟及び硬充填用ゼラチンカプセル剤における充填剤としても使用される。
錠剤は、任意に1種以上の補助成分と共に、圧縮又は成形により製造される。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム又は架橋されたカルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤又は分散剤を用い、作製することができる。成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿潤された、粉末化された有効成分の混合物を適当な機械内で成形することにより作製することができる。
本発明の医薬組成物の錠剤及び他の固形剤形、例えば糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤などは、任意に割れ目を入れるか、又は医薬製剤分野において周知の腸溶性コーティング及び他のコーティングなどのコーティング及びシェルにより又は調製されてもよい。これらは、例えば望ましい放出プロファイルを提供するために変動する割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソーム及び/又はミクロスフェアを使用し、それらの中に有効成分の徐放又は制御された放出を提供するように製剤することができる。これらは、例えば細菌を留めるフィルターを通す濾過によるか、又は使用直前に、滅菌水、もしくはいくつかの他の滅菌注射用媒体に溶解することができる無菌固形組成物の形での滅菌剤の混入により、滅菌されてもよい。これらの組成物は、任意に遮光剤も含有することができ、任意に遅延型で、有効成分のみを、又は優先的には胃腸管のある部分で放出する組成物であってもよい。使用することができる埋込型組成物の例は、高分子物質及びワックスを含有する。この有効成分は、適当ならば1種以上の前述の賦形剤と共に、マイクロカプセル封入された形であることもできる。
ビタミンD化合物の経口投与のための液体剤形は、医薬として許容し得る乳剤、マイクロエマルション、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤を含む。液体剤形は、有効成分に加え、当該技術分野において通常使用される不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油分(特に綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、並びにそれらの混合物を含有してもよい。
経口組成物は、不活性希釈剤に加え、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、矯味矯臭剤、着色剤、香料及び保存剤などの助剤を含むことができる。
懸濁剤は、活性ビタミンD化合物に加え、懸濁化剤、例えばエトキシル化されたイソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガント、並びにそれらの混合物を含むことができる。
直腸又は膣投与のための本発明の医薬組成物は、坐薬として存在することができ、これは1種以上のビタミンD化合物の、例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐薬用ワックス又はサリチル酸塩を含む、室温では固形物であるが、体温では液体であり、従って直腸内又は膣腔内で溶融し、有効成分を放出するような、適当な1種以上の非刺激性の賦形剤又は担体との混合により調製することができる。
膣投与のために適している本発明の化合物は、当該技術分野では適切であることが公知である担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、泡剤、又はスプレー剤も含有する。
ビタミンD化合物の局所的又は経皮的投与のための剤形は、散剤、スプレー剤、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、液剤、貼付剤及び吸入剤を含む。活性ビタミンD化合物は、無菌条件下で、医薬として許容し得る担体と、及び必要とされる任意の保存剤、緩衝剤、又は噴射剤と混合することができる。
これらの軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、及びゲル剤は、本発明のビタミンD化合物に加え、賦形剤、例えば動物性及び植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はそれらの混合物を含有することができる。
散剤及びスプレー剤は、ビタミンD化合物に加え、乳糖、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。スプレー剤は更に、慣習的に噴射剤、例えばクロロフルオロ炭化水素、及び揮発性非置換の炭化水素など、例えばブタン及びプロパンを含有することができる。
或いはビタミンD化合物は、エアロゾルにより投与することができる。これは、この化合物を含有する水性エアロゾル、リポソーム調製物又は固形粒子の調製により、実現される。非水性(例えばフルオロカーボン噴射剤)懸濁剤を使用することができる。超音波ネブライザーは、化合物の分解を生じ得る剪断にその作用物質を曝すことを最小化するので、これらは好ましい。
通常、水性エアロゾルは、その作用物質の水溶液又は懸濁液を、通常の医薬として許容し得る担体及び安定剤と一緒に製剤することにより、作製される。担体及び安定剤は、具体的化合物の必要要件により変動するが、典型的には非イオン性界面活性剤(Tweens、Pluronics、又はポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩、糖質又は糖アルコールを含む。エアロゾルは一般に、等張溶液から調製される。
経皮的貼付剤は、ビタミンD化合物の体への制御された送達を提供するという追加の利点を有する。このような剤形は、この作用物質を適当な媒体へ溶解又は分散することにより作製することができる。吸収増強剤を使用し、有効成分の皮膚を超えた流れを増大することができる。そのような流れの速度は、速度制御メンブレンを提供するか、又は有効成分をポリマーマトリックスもしくはゲル中に分散するかのいずれかにより制御することができる。
非経口投与に適している本発明の医薬組成物は、1種以上のビタミンD化合物を、1種以上の医薬として許容し得る無菌の等張の水性又は非水性の液剤、分散剤、懸濁剤もしくは乳剤と組合せて含有し、又は使用直前に無菌の注射可能な液剤もしくは分散剤に再構成され得る散剤は、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、懸濁化剤又は増粘剤を含んでもよい。
本発明の医薬組成物において使用することができる適当な水性及び非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びそれらの適当な混合物、オリーブ油のような植物油、及び注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルを含む。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材の使用、分散剤の場合に必要な粒度の維持、及び界面活性剤の使用により維持され得る。
また、これらの組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの助剤を含むことができる。微生物の作用の予防は、様々な抗菌薬及び抗真菌薬、例えばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含むことにより確実にされる。本組成物へ糖質、塩化ナトリウムなどの、等張剤を含むことも望ましい。加えて注射可能な医薬剤形の延長された吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンのような吸収を遅延する物質を含有することによりもたらされ得る。
場合によっては、薬物の作用を延長するために、皮下又は筋肉内注射からの薬物の吸収を遅延することが望ましい。これは、水への溶解度が低い結晶性又は非晶質材料の液体懸濁剤の使用により実現され得る。この薬物の吸収速度は次にその溶解速度により左右され、これは次に結晶のサイズ及び結晶形により左右される。あるいは非経口投与された薬物剤形の遅延された吸収は、薬物の油性ビヒクル中への溶解又は懸濁により実現される。
注射可能なデポ剤形は、ポリラクチド-ポリグリコリドのような生分解性ポリマー中のビタミンD化合物のマイクロカプセルマトリックスの形成により作製される。薬物のポリマーに対する比、及び使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度は制御され得る。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)及びポリ(酸無水物)を含む。デポ剤の注射可能な製剤も、体組織と適合性があるリポソーム又はマイクロエマルション中の薬物の封入により調製される。
ビタミンD化合物がヒト及び動物へ薬品として投与される場合、それ自体投与され得るか、又は医薬として許容し得る担体と併用して、例えば0.1〜99.5%(さらに好ましくは、0.5〜90%)の有効成分を含む医薬組成物として投与され得る。
選択された投与経路とは無関係に、適当に水和された形で使用されてもよいビタミンD化合物、及び/又は本発明の医薬組成物は、当業者に公知の常法により、医薬として許容し得る剤形へ配合される。
本発明の医薬組成物中の有効成分の投与の実際の用量レベル及び時間経過は、特定の患者、組成物、及び投与様式について所望の治療的反応を実現するのに有効である有効成分の量を、患者に毒性をもたらすことなく得るために、変動することができる。投与量範囲の例は、0.1〜300μg/日である。
本発明のビタミンD化合物の好ましい投与量は、患者が忍容でき、かつ高カルシウム血症を発生しない最大量である。好ましくは本発明のビタミンD化合物は、濃度約0.001μg〜約100μg/kg体重、約0.001〜約10μg/kg又は約0.001μg〜約100μg/kg体重で投与される。先に列記した値の中間の範囲も、本発明の一部であると意図される。
該ビタミンD化合物は、別々に又は組み合わせた医薬製剤において、子宮内膜症の治療のための第二医薬品と個別に、逐次に、又は同時に投与され得る。
(本発明の化合物の合成)
本発明の多くの化合物は、細胞中のビタミンD3アナログのインキュベーションにより調製することができ、例えばUMR 106細胞又はRos 17/2.8細胞のいずれかの中でのビタミンD3アナログのインキュベーションは、本発明のビタミンD3化合物の生成を生じる。例えばUMR 106細胞中の1,25-ジヒドロキシ-16-エン-5,6-トランス-カルシトリオールのインキュベーションは、該1,25-ジヒドロキシ-16-エン-24-オキソ-5,6-トランス-カルシトリオールの生成を生じる。
本発明の化合物は、本明細書に説明された方法に加え、様々な合成法を用い調製することができる。例えば当業者は、本発明の化合物を調製するために、現存するビタミンD3化合物の合成法を使用することができるであろう(例えば、Bouillon, R.らの論文、Endocrine Reviews 16(2):201-204 (1995);Ikekawa N.の論文、Med. Res. Rev. 7:333-366 (1987);DeLuca H.F.及びOstrem V.K.の論文、Prog. Clin. Biol. Res. 259:41-55 (1988);Ikekawa N.及びIshizuka S.の論文、CRC Press 8:293-316 (1992);Calverley M.J.及びJones G.の論文、Academic Press 193-270 (1992);Pardo R.及びSantelli M.の論文、Bull. Soc. Chim. Fr: 98-114 (1985);Bythgoe B.の論文、Chem Soc. Rev. 449-475 (1980);Quinkert G.の論文、Synform 3:41-122 (1985);Quinkert G.の論文、Synform 4:131-256 (1986);Quinkert G.の論文、Synform 5:1-85 (1987);Mathieu C.らの論文、Diabetologia 37:552-558 (1994);Dai H.及びPosner G.H.の論文、Synthesis 1383-1398(1994);並びにDeLucaらのWO 97/11053)。
合成の例証的方法は、周知の様式でビタミンD3へ容易に熱分解されるプレビタミンを最初に生成する、7-デヒドロコレステロールの1-ヒドロキシル化された側鎖-修飾された誘導体の光化学的開環(Barton D.H.R.らの論文、J. Am. Chem. Soc. 95:2748-2749 (1973);Barton D.H.R.の論文、JCS Chem. Comm. 203-204 (1974));Baggiolini E.G., らの論文、J. Org. Chem. 51:3098-3108 (1986);DeSchrijver J.及びDeClercq P.J.の論文、Tetrahed Lett 34:4369-4372 (1993);Posner G.H及びKinter, C.M.の論文、J. Org. Chem. 55:3967-3969 (1990)に説明されたように、ホスフィンオキシドを、Grundmannのケトン誘導体へカップリングし、直接1-アルファ,25(OH)2D3骨格を形成する、Lythgoeら(JCS Perkin Trans. 1:590-595 (1978))により開発された、ホスフィンオキシドカップリング法;ジエンの、対応するビタミンD3アナログへの再転位を受けるプレビタミン構造への半水素化法(Harrison R.G.らの論文、JCS Perkin Trans. 1:2654-2657 (1974);Castedo L.らの論文、Tetrahed Lett 29:1203-1206 (1988);Mascarenas J.S.の論文、Tetrahedron 47:3485-3498 (1991);Barrack S.A.らの論文、J. Org. Chem. 53:1790-1796 (1988)、並びにOkamura W.H.らの論文、J. Org. Chem. 54:4072-4083 (1989)に説明);熱、又は金属で触媒された異性化、それに続く増感された光異性化の組合せを用いて引き続き配列される中間体が関連した、ビニルアレン法(Okamura W.H.らの論文、J. Org. Chem. 54:4072-4083 (1989);Van Alstyne E.M.らの論文、J. Am. Chem. Soc. 116:6207-6210 (1994));Trostら、B.M.らの論文、J. Am. Chem. Soc. 114:9836-9845に説明された、方法;1,25(OH)2D3骨格の形成に直接つながる、ブロモエンインへ分子内架橋結合された非環式A環前駆体が関連する方法(Nagasawa K.らの論文、Tetrahed Lett 32:4937-4940 (1991));1-アルファ,25(OH)2D2又はそれらのアナログを形成するために、炭素-1で修飾され得るi-ステロイドへ異性化され、引き続き加溶媒分解条件下で逆(back)-異性化された、トシレート化された誘導体(Sheves, M.及びMazur Y.の論文、J. Am. Chem. Soc. 97:6249-6250 (1974);Paaren H.E.らの論文、J. Org. Chem. 45:3253-3258 (1980);Kabat M.らの論文、Tetrahed Lett 32:2343-2346 (1991);Wilson S.R.らの論文、Tetrahed Lett 32:2339-2342 (1991));ビタミンD誘導体の1-酸素化された5,6-transビタミンDへの直接修飾(Andrews D.R.らの論文、(J. Org. Chem. 51:1635-1637 (1986)に説明);プレビタミンD3のディールス-アルダー付加環化法を使用し、熱異性化によりプレビタミン型の中間体を介した1-アルファ,25(OH)2D2への環状脱離することができる方法(Vanmaele L.らの論文、Tetrahedron 41:141-144 (1985));並びに、最後に、遷移金属誘導体のような適当な保護基の使用によるか、又は他の化学変換による、1-アルファ,25(OH)2D2又はそれらのアナログの直接修飾を必要としている方法(Okarmura W.H.らの論文、J. Cell Biochem. 49:10-18 (1992))を含む。ビタミンD2化合物合成の追加の方法は、例えば、日本国特開62750/73、26858/76、26859/76、及び71456/77;米国特許第3,639,596号;第3,715,374号;第3,847,955号、及び第3,739,001号に開示されている。
本発明の飽和された側鎖を有する化合物の例は、米国特許第4,927,815号に開示されかつ説明された一般的手法に従い調製することができる。不飽和側鎖を有する本発明の化合物の例は、米国特許第4,847,012号に開示されかつ説明された一般的手法に従い調製することができる。R基がシクロアルキル基を表している本発明の化合物の例は、米国特許第4,851,401号に開示されかつ説明された一般的手法に従い調製することができる。
1-アルファ,25-ジヒドロキシエルゴカルシフェロールの側鎖修飾されたアナログを調製するための別の合成戦略は、Kutnerらの論文、(The Journal of Organic Chemistry, 53:3450-3457 (1988))に明らかにされている。加えて24-ホモ及び26-ホモビタミンDアナログの調製は、米国特許第4,717,721号に開示されている。
キラル分子のエナンチオ選択的合成が、当該技術分野において現在の状況である。エナンチオ選択的合成及び精製技術の組合せにより、多くのキラル分子を、エナンチオマーが豊富な調製物として合成することができる。例えば、Muralidharanらの論文(J. Organic Chem. 58(7): 1895-1899 (1993))及びNormanらの論文(J. Biol. Chem. 268(27): 20022-30 (1993))に明らかにされたような、1-アルファ,25(OH)2D3のA環ジアステレオマーのエナンチオ選択的合成の方法が報告されている。当該技術分野において公知の様々な化合物のエナンチオ的合成の他の方法は、とりわけエポキシド(例えば、Johnson, R.A.;Sharpless, K.B.の、触媒的不斉合成(Catalytic Asymmetric Synthesis);Ojima, I.編集: VCH: ニューヨーク, 1993;4.1.章 Jacobsen, E.N. 同書、4.2章参照)、ジオール(例えば、Sharplessの方法、J. Org. Chem. 57:2768 (1992))、及びアルコール(例えば、ケトンの還元、E.J.Coreyらの論文、J. Am. Chem. Soc. 109:5551 (1987))を含む。光学的に豊富な生成物の生成に有用な他の反応は、オレフィンの水素化(例えば、M. Kitamuraらの論文、J. Org. Chem. 53:708 (1988));ディールス-アルダー反応(例えば、K. Narasakaらの論文、J. Am. Chem. Soc. 111:5340 (1989));エノレートのアルドール反応及びアルキル化(例えば、D.A. Evansらの論文、J. Am. Chem. Soc. 103:2127 (1981);D.A. Evansらの論文、J. Am. Chem. Soc. 104:1737 (1982)参照);カルボニル付加(例えば、R. Noyoriの論文、Angew. Chem. Int. Ed. Eng. 30:49 (1991));並びに、メゾ-エポキシドの開環(例えば、Martinez, L.E.;Leighton J.L., Carsten, D.H.;Jacobsen, E.N.の論文、J. Am. Chem. Soc. 117:5897-5898 (1995))がある。光学的に豊富な生成物を生成するための酵素の使用も、当該技術分野において周知である(例えば、M.P. Scheider編集、「有機合成における触媒としての酵素(Enzymes as Catalysts in Organic Synthesis)」、D. Reidel, Dordrecht (1986))。
キラル合成は、高度に立体異性的に純粋である生成物を生じることができる。しかし場合によっては、この生成物の立体異性的純度は、十分に高くはない。当業者は、本明細書に説明された分離法を用い、キラル合成により得られたビタミンD3-エピマーの立体異性的純度を更に増大することができることを理解するであろう。
式(XVIII)の化合物、及びその医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを、このセクション及び化学文献に記載の方法により合成することができる:
Figure 2008535812
(式中、X1及びX2は、各々独立して、H2又は=CH2であり、但しX1及びX2が、両方とも=CH2であることはなく;
R1及びR2は、各々独立して、ヒドロキシル、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)フルオロアルキルであり、但しR1及びR2が、両方ともヒドロキシルであることはなく;
R3、及びR4は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;並びに
R5及びR6は、各々独立してC1-4アルキル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル、例えばフルオロアルキル(例えば、フルオロメチル及びトリフルオロメチル)である。)。特に、本発明の式(XVIII)の化合物を、下記スキーム1に示すように調製する。
従って、テトラヒドロフラン中、n-ブチルリチウムを用いて、式(XIX)の化合物を式(XX)の化合物とカップリングすることにより、式(XVIII)の化合物を調製することができる。続くシリル保護基(R1 = OSi(CH3)2t-Bu)の除去により、式(XVIII)の1,3-ジヒドロキシ ビタミンD3化合物(R1 = OH, R2 = OH)を提供する。1及び/又は3位でのアシル化を、技術的に周知の方法を用いて達成する。例えば、式IVの1,3-ジアセトキシ化合物(R1 = R2 = OAc)の調製には、下記スキーム2に示すように、無水酢酸とピリジンとを用いたさらなるアシル化を必要とする。
スキーム1を参照すると、式(XX)の化合物は、公知化合物であり、かつ式(XXII)の公知のエポキシ-ケトンから開始して調製される。式(XXII)の化合物を、ウィッティヒ反応により式(XXIII)のエポキシ-オレフィンに変換する。LiAlH4を用いた式(XXIV)への還元、及びヒドロキシ基の保護により、化合物(XXV)を得た。次に、テトラヒドロフラン中、ルイス酸の存在下、ヒドロキシ共役ケトン(XXVI) (R5 = R6 = CH3)を用いた式(XXV)のエン反応により、標的ビタミンD類似体のC,D-環及び全側鎖の特徴を有する式(XXVII)を提供する。最後に、該シリル基の除去、及び酸化により、鍵中間体(式(XX)のケトン)を提供する。
Figure 2008535812
スキーム2は、ウィッティヒ反応条件下でのシリル化ホスフィンオキシドを用いた化合物(XX)のカップリングを示す。シリル保護基の除去により、式(XVIII)のジオール(式中、R1及びR2は、双方ともヒドロキシルである。)を提供する。
Figure 2008535812
(式中、X1、X2、R3、R4、R5、及びR6は、上記で規定したものである。)。
スキーム3は、式(P)ビタミンD3誘導体から式(Q)のアセテートへのアシル化を示す。
Figure 2008535812
下記式のビタミンD3化合物:
Figure 2008535812
(式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
X1及びX2は、それぞれ独立にH、又は=CH2であり;
R1及びR2は、それぞれ独立にOC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;
R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;
R6及びR7は、それぞれ独立にハロアルキルであり;かつ
R8は、H、又はC(O)C1-C4アルキル、C(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルである。)
及びその医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグを、ジオールから対応するジアセテートへの標準的アシル化条件下で行われる1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(1)の合成と同じように調製することができる:
Figure 2008535812
(合成実施例)
ビタミンD3アナログに関連する全ての操作は、窒素大気中、琥珀色のガラス製品内で行った。テトラヒドロフランは、ナトリウム-ベンゾフェノンケチルから使用直前に蒸留し、溶質の溶液は、硫酸ナトリウムで乾燥した。融点は、Thomas-Hoover毛細管装置により決定し、補正しなかった。旋光度は、25℃で測定した。1H NMRスペクトルは、特に記さない限りは、CDCl3中、400MHzで記録した。TLCは、シリカゲルプレート(Merck PF-254)上で、短波長UV光下での目視、又はプレートへのメタノール中10%リンモリブデン酸の噴霧、その後の加熱により、実行した。フラッシュクロマトグラフィーは、40-65μmメッシュシリカゲル上で実行した。分取HPLCは、5x50cmカラム及び15-30μmメッシュシリカゲルで、流量100ml/分で行った。
(合成実施例1)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(1)の合成
Figure 2008535812
出発材料1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールは、Doranらの米国特許第5,428,029号に開示されたように調製することができる。1,25-ジヒドロキシ-16,23Z-ジエン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール3mgを、ピリジン0.8mlに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mlを添加し、その温度で16時間維持した。その後反応混合物を、水1mlで希釈し、氷浴で10分間攪拌し、水5mlと酢酸エチル20mlの間で分配した。有機層を、水3x5mlで、飽和炭酸水素ナトリウム5mlで1回、ブライン3mlで1回洗浄し、その後乾燥(硫酸ナトリウム)及び蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチルヘキサンに溶解させ、1:6、1:4及び1:2酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を用いるフラッシュクロマトグラフィーにかけた、カラムクロマトグラフィーは、TLC(1:4酢酸エチルヘキサン、リンモリブデン酸噴霧による斑点の目視)によりモニタリングし、適当な画分をプールし、蒸発させ、その残渣をギ酸メチルに溶解させ、濾過し、その後再度蒸発させ、標題化合物(1)23.8mgを無色のシロップとして得た;400MHz 1H NMR δ0.66 (3H, s), 0.90 (1H, m), 1.06 (3H, d, J=7.2Hz), 1.51 (1H, m), 1.72-1.82 (3H,m), 1.9-2.1 (3H, m), 1.99 (3H, s), 2.04 (3H,s), 2.2-2.3 (3 m), 2.44-2.64 (6H, m), 2.78 (1H, m), 3.01 (1H, s), 5.10 (2H, m), 5.38 (1H, m), 5.43 (1H, d, J=12Hz), 5.85 (1H, d, J=11.5Hz), 5.97 (1H, dt, J=12及び7.3Hz), 6.25 (1H, d, J= 11.5Hz)。
(合成実施例2)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(2)及び1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(3)の合成
Figure 2008535812
出発材料1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールは、Baggioliniらの米国特許第5,451,574号及び第5,612,328号に開示されたように調製することができる。1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール314mg (0.619mmole)を、ピリジン1.5mlに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.4mlを添加した。反応混合物を、室温で7時間維持し、その後冷蔵庫で23時間維持した。その後水10mlで希釈し、酢酸エチル30mlで抽出した。有機抽出物を、水及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。その残渣を、10x140mmカラム上、移動相としての1:6及び1:4の酢酸エチル-ヘキサンによるフラッシュクロマトグラフィーにかけ、1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(2)126mg、及び1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(3)248mgを得た。
(合成実施例3)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール(4)の合成
Figure 2008535812
10mLの丸底フラスコに、1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-コレカルシフェロール40mgを投入した。この材料を、ピリジン1mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、その後無水酢酸0.3mLを添加した。溶液を30分間攪拌し、その後一晩冷蔵し、水で希釈し、水10mL及び酢酸エチル40mLを使って、分液ロートに移した。有機層を、水4x20mL、ブライン10mLで洗浄し、硫酸ナトリウムプラグを通過させ及び蒸発させた。明茶色油状残渣を、1:9酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後10x130mmカラム上、画分1-5について移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサン、画分6-13について1:6、及び画分14-20について1:4酢酸エチル-ヘキサン(18mL画分)によるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分14-19は、Rf 0.15 (TLC 1:4)の主要バンドを含んだ。これらの画分は、プールし、蒸発させ、無色の油状物0.044gとした。この材料を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させ、標題化合物(4)を無色の粘稠な泡状物0.0414gとして得た。
(合成実施例4)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール (5)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-コレカルシフェロール0.0468gを、ピリジン1.5mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、その後一晩冷蔵し、依然氷浴に浸しながら水10mLで希釈し、10分間撹拌し、分液ロートに水10mL及び酢酸エチル40mLを使って移した。有機層を、水4x20mL、ブライン10mLで洗浄し、硫酸ナトリウムプラグを通過させ、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:9酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x130mmカラム上、画分1-3(20mL画分)について移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサン、画分6-8について1:6、及び画分9-17について1:4酢酸エチル-ヘキサン(各々18mL画分)によるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分11-14は、Rf 0.09 (TLC 1:4)の主要バンドを含んだ。これらの画分は、プールし、蒸発させ、無色の油状物0.0153gとした。この材料を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させ、標題化合物(5)0.014gを得た。
(合成実施例6)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール(6)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-コレカルシフェロール0.0774gを、ピリジン1.5mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、次に無水酢酸0.3mLを添加した。この溶液を攪拌し、一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で1時間攪拌し、酢酸エチル30mL及び水15mLで希釈した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:9酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x130mmカラム上、画分1(20mL画分)について移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサン、画分2-7について1:6、及び画分8-13について1:4酢酸エチル-ヘキサンによるフラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分9-11は、Rf 0.09 (TLC 1:4酢酸エチル-ヘキサン)の主要バンドを含んだ。これらの画分は、プールし、蒸発させ、無色の油状物0.0354g とした。この材料を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、溶液を蒸発させ、標題化合物(6) 0.027gを無色のフィルムとして得た。
(合成実施例7)
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(7)及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(8)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール0.0291gを、ピリジン1.5mLに溶解した。この溶液を、氷浴中で冷却し、その後無水酢酸0.25mLを添加した。この溶液を、20分間攪拌し、一晩冷凍庫内に放置した。この冷溶液を、水15mLで希釈し、10分間攪拌し、酢酸エチル30mLで希釈した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回で洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x110mmカラム上、移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分2-3は、72.3461-72.3285=0.0176gを生じた。画分6-7の蒸発は、0.0055gを生じた。画分2-3の残渣を、ギ酸メチルに溶解し、濾過し、蒸発させ、標題化合物(7) 0.0107gを得た。画分6-7の残渣を、ギ酸メチルに溶解し、濾過し、蒸発させ、二酢酸塩(8)0.0049gを得た。
(合成実施例8)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール(9)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16,23E-ジエン-25R,26-トリフルオロ-コレカルシフェロール1.5mLを、ピリジン1.5mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.4mLを添加した。この混合物をその後冷蔵した。2日後、混合物を水1mLで希釈し、氷浴中で10分間攪拌し、その後水10mL及び酢酸エチル30mLの間で分配した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。明茶色の油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に10x130mmカラム上、移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分4-6 (TLC, 1:4)は、主要バンドを含んだ(TLC参照)。これらの画分を蒸発させ、0.0726gを得た。この残渣を、ギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させ、無色の泡状物として、標題化合物(9) 0.0649gを得た。
(合成実施例8)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール(10)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-19-ノル-コレカルシフェロール0.0535gを、ピリジン1.5mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.3mLを添加し、混合物を一晩冷蔵した。この溶液を、水1mLで希釈し、10分間氷浴中で攪拌し、その後水10mL及び酢酸エチル30mLの間で分配した。有機層を、水4x15mL、ブライン5mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。ほぼ無色の油状残渣を、画分1-6について移動相として1:6 酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、次に1:4酢酸エチル-ヘキサンを使用した。画分9-19(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.09, 下記参照)をプールし、蒸発させ、0.0306gを得、これをギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させた。これは、標題化合物(10) 0.0376を生じた。
(合成実施例9)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(11)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール50mgを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この混合物を、3日間冷蔵し、その後水1mLで希釈し、10分間氷浴中で攪拌し、その後水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水4x15mL、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。ほぼ無色の油状残渣を、1:6 酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後15x120mmカラム上で、画分1-6について移動相として1:6 酢酸エチル-ヘキサン、画分9-12について1:4、画分13-15について1:3及び残りの画分について1:2酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分11-16(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.09, 下記参照)をプールし、蒸発させ、76.1487-76.1260=0.0227gを得、これをギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させた。これは、標題化合物(11) 0.0186gを生じた。
(合成実施例10)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール(12)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-16-エン-23-イン-26,27-ビスホモ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0726gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、氷浴中で攪拌し、その後一晩冷蔵した。この溶液を次に、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水10mL及び酢酸エチル25mLの間で分配した。有機層を、水3x10mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、黄褐色の油状残渣33.5512-33.4654=0.0858gを得、これを15x120mmカラム上で、移動相として1:6を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分7-11 (各20mL)をプールし(TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.14)、蒸発させ、67.2834-67.2654=0.018gとした。この残渣を、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させた。これは標題化合物(12) 0.0211gを生じた。
(合成実施例11)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(13)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-19-ノル-コレカルシフェロール0.282gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加し、この混合物を一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後15x110mmカラム上で、画分1-4について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサン、画分5-12について1:4、画分13-15について1:3、残りの画分について酢酸エチル-ヘキサンを使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分7-12(TLC, 1:4酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.13)をプールし、蒸発させ、残渣をギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(13) 0.023gを得た。
(合成実施例12)
1,3,25-トリ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(14)及び1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(15)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.1503gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この混合物を一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後15x150mmカラム上で、画分1-5について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサン、残りの画分について1:4を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分3-4及び6-7をプールし、蒸発させ、その後ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、蒸発させ、標題三酢酸塩化合物(14) 0.0476g及び標題二酢酸塩(15)0.04670gを得た。
(合成実施例13)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール(16)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23-イン-コレカルシフェロール0.0369gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度に冷却し、無水酢酸0.2mLを添加し、この混合物を一晩冷蔵し、その後水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後13x110mmカラム上で、画分1-7について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサン、残りの画分について1:4酢酸エチル-ヘキサンを使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分9-11(TLC, 1:4 酢酸エチル-ヘキサン)をプールし、蒸発させ、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(16) 0.0099gを得た。
(合成実施例14)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(17)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0328gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度へ冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、一晩冷蔵した。その後溶液を、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水5mL及び酢酸エチル20mLの間で分配した。(水層の抽出は、リンモリブデン酸で検出可能な物質を生じなかった)。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、その残渣は、ただ1つのスポットとしてRf 0.25を示した。この油状残渣を、1:6酢酸エチル-ヘキサンに溶解させ、その後13.5x110mmカラム上で、画分1-10について移動相として1:6酢酸エチル-ヘキサンを用い、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分4-9をプールし、蒸発させ、その後ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(17) 0.0316gを得た。
(合成実施例15)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(18)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-23Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール0.0429gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度へ冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、一晩冷蔵した。その後溶液を、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水7mL及び酢酸エチル25mLの間で分配した。有機層を、水3x5mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し(硫酸ナトリウム, TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサンは主に1つのスポットを示す)、蒸発させ、15x120mmカラム上で、移動相として1:6を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分3-6(各20mL)をプールし、蒸発させた。残渣を、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(18) 0.0411gを得た。
(合成実施例16)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(19)の合成
Figure 2008535812
1,25-ジヒドロキシ-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール0.0797gを、ピリジン0.8mLに溶解し、氷浴温度へ冷却し、無水酢酸0.2mLを添加した。この溶液を、一晩冷蔵した。その後溶液を、水1mLで希釈し、氷浴中で10分間撹拌し、水10mL及び酢酸エチル25mLの間で分配した。有機層を、水3x10mL、飽和炭酸水素ナトリウム5mLで1回、ブライン3mLで1回洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、黄褐色油状残渣0.1061gを得、これを15x120mmカラム上で、移動相として1:6を使用し、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。画分9-16(各20mL)をプールし(TLC 1:4 酢酸エチル-ヘキサン, Rf 0.13)、蒸発させた。この残渣を、ギ酸メチル中に溶解させ、濾過し、その後蒸発させ、標題化合物(19) 0.0581gを得た。
(合成実施例17)
1,3-ジ-O-アセチル-1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(20)の合成
Figure 2008535812
ピリジン(3mL)中の1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(94mg, 0.23mmol)の溶液へ、0℃で、無水酢酸(0.5mL, 5.3mmol)を添加した。この混合物を1時間攪拌し、15時間冷蔵し、その後更に8時間攪拌した。水(10mL)を添加し、15分間攪拌した後、反応混合物を、AcOEt:ヘキサン1:1 (25mL)で抽出し、水(4x25mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後残渣(120mg)を、FC(15g, ヘキサン中30%AcOEt)により精製し、標題化合物(20)(91mg, 0.18mmol, 80%)を得た。
[α]30 D=+14.4 c 0.34, EtOH;
UV λmax (EtOH): 242nm (ε34349), 250nm (ε40458), 260nm (ε27545);
1H NMR (CDCl3): 6.25 (1H, d, J=11.1Hz), 5.83 (1H, d, J=11.3Hz), 5.35 (1H, m), 5.09 (2H, m), 2.82-1.98 (7H, m), 2.03 (3H, s), 1.98 (3H, s), 2.00-1.12 (15H, m), 1.18 (6H, s), 0.77 (3H, s), 0.80-0.36 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 170.73(0), 170.65(0), 157.27(0), 142.55(0), 130.01(0), 125.06(1), 123.84(1), 115.71(1), 71.32(0), 70.24(1), 69.99(1), 59.68(1), 50.40(0), 44.08(2), 41.40(2), 38.37(2), 35.96(2), 35.80(2), 32.93(2), 29.48(3), 29.31(2), 28.71(2), 23.71(2), 22.50(2), 21.56(3), 21.51(0), 21.44(3), 18.01(3), 12.93(2), 10.53(2);
MS HRES C31H46O5 の計算値 M+Na 521.3237;実測値 M+Na 521.3233
(合成実施例18)
1,3-ジ-O-アセチル-1-アルファ,25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(21)の合成
Figure 2008535812
ピリジン(3mL)中の1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(100mg, 0.23mmol)の溶液へ、0℃で、無水酢酸(0.5mL, 5.3mmol)を添加した。この混合物を2時間攪拌し、更に15時間冷蔵した。水(10mL)を添加し、15分間攪拌した後、反応混合物を、AcOEt:ヘキサン1:1 (25mL)で抽出し、水(4x25mL)及びブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後残渣(150mg)を、FC(15g, ヘキサン中30%AcOEt)により精製し、標題化合物(21) (92mg, 0.18mmol, 78%)を得た。
[α]30 D=-14.9 c 0.37, EtOH:UV λmax (EtOH): 208nm (ε15949), 265nm (ε15745);
1H NMR (CDCl3): 6.34 (1H, d, J=11.3Hz), 5.99 (1H, d, J=11.3Hz), 5.47 (1H, m), 5.33 (1H, m), 5.31 (1H, s), 5.18 (1H, m), 5.04 (1H, s), 2.78 (1H, m), 2.64 (1H, m), 2.40-1.10 (18H, m), 2.05 (3H, s), 2.01 (3H, s), 1.18 (6H, s), 0.76 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
13C NMR (CDCl3): 170.76(0), 170.22(0), 157.18(0), 143.02(0), 142.40(0), 131.94(0), 125.31(1), 125.10(1), 117.40(1), 115.22(2), 72.97(1), 71.32(0), 69.65(1), 59.71(1), 50.57(0), 44.07(2), 41.73(2), 38.36(2), 37.10(2), 35.80(2), 29.45(3), 29.35(2), 29.25(3), 28.92(2), 23.80(2), 22.48(2), 21.55(3), 21.50(3), 21.35(0), 17.90(3), 12.92(2), 10.54(2);
MS HRES C32H46O5 の計算値 M+Na 533.3237;実測値 M+Na 533.3236
(合成実施例19)
1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール(22)の合成
Figure 2008535812
(0.486mmol)0.2007gを、ピリジン2mLに溶解した。この溶液を、氷浴で冷却し、無水酢酸0.6mLを添加した。溶液を、氷浴中に45時間放置し、その後水10mLで希釈し、10分間攪拌し、水10mL及び酢酸エチル40mLで平衡化した。有機層を、水4x20mL、ブライン10mLで洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させた。茶色の油状残渣を、1:19、1:9、及び1:4の酢酸エチルヘキサンを段階勾配として使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけた。Rf 0.16である主要バンド(TLC 1:4 酢酸塩ヘキサン)を蒸発させ、無色の泡状物として1,3-ジ-O-アセチル-1,25-ジヒドロキシ-23-イン-コレカルシフェロール(22) 0.0939gを得た。
(合成実施例20)
(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(15mL)中の(3aR, 4S, 7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル(1.0g, 2.90mmol)の-78℃の攪拌溶液へ、n-BuLi(2.72mL, 4.35mmol, ヘキサン中1.6M)を添加した。-78℃で1時間攪拌後、アセトン(2.5mL, 34.6mmol)を添加し、2.5時間攪拌を継続した。NH4Claqを添加し(15mL)、混合物を室温で15分間攪拌し、その後AcOEt(2x50mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後の残渣(2.4g)を、FC(50g, ヘキサン中10%AcOEt)で精製し、(3aR, 4S, 7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-2-メチル-ペンタ-3-イン-2-オール(1.05g, 2.61mmol)を生じ、これをフッ化テトラブチルアンモニウム(6mL, 6mmol, THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で48時間攪拌した。この混合物を、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x25mL)、ブライン(25mL)で洗浄した。一緒にした水性洗浄液を、AcOEt(25mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物を、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後のこの残渣(1.1g)を、FC(50g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、標題化合物(0.75g, 2.59mmol, 90%)を得た。[α]30 D=+2.7 c 0.75, CHCl3
1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, m), 4.18 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.35-1.16 (11H, m), 1.48 (6H, s), 1.20 (3H, s), 0.76-0.50 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.39, 125.26, 86.39, 80.19, 69.21, 65.16, 55.14, 46.94, 35.79, 33.60, 31.67, 29.91, 27.22, 19.32, 19.19, 17.73, 10.94, 10.37;
MS HREI C22H28O2Mの計算値 M+ 288.2089;実測値 M+ 288.2091。
(合成実施例21)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008535812
(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(0.72g, 2.50mmol)、酢酸エチル(10mL)、ヘキサン(24mL)、無水エタノール(0.9mL)、キノリン(47 L)及びリンドラー触媒(156mg, CaCO3上の5% Pd)の混合物を、室温で2時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、このパッドを、AcOEtで洗浄した。濾液及び洗浄液を一緒にし、1M HCl、NaHCO3及びブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥後、溶媒を蒸発させ、残渣(0.79g)を、FC(45g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、標題化合物(640mg, 2.2mmol, 88%)を得た。
(合成実施例22)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008535812
(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール (100mg, 0.34mmol)、1,4-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)ブタン1,5 シクロオクタジエンロジウムテトラフルオロボレート(25mg,0.034mmol)、ジクロロメタン(5mL)及び水銀1滴の混合物を、Paar装置を用い、室温及び圧力50p.s.i.で3時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、これを酢酸エチルで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を、蒸発乾固させ(110mg)、FC(10g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、標題化合物(75mg, 0.26mmol, 75%)を得た。[α]30 D=-8.5 c 0.65, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.37-1.16 (17H, m), 1.19 (6H, s), 1.18 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
MS HREI C19H32O2の計算値 M+H 292.2402;実測値 M+H 292.2404。
(合成実施例23)
(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008535812
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(440mg, 1.50mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.13g, 3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中の20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(426mg, 1.47mmol, 98%)を得た。ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(424mg, 1.47mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(0.44mL, 3.0mmol)を添加した。得られた混合物を1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドを、ヘキサン中の10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(460mg, 1.27mmol, 86%)を得た。[α]29 D=-9.9 c 0.55, CHCl3 1H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5Hz), 2.81 (1H, dd, J= 10.7, 6.2Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.6, 10.7, 1.5Hz), 2.30-1.15 (13H, m), 重なり 2.03 (ddd, J=15.8, 6.4, 3.2Hz), 1.18 (6H, s), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 211.08(0), 155.32(0), 124.77(1), 73.98(0), 64.32(1), 53.91(0), 44.70(2), 40.45(2), 38.12(2), 34.70(2), 29.86(3), 29.80(3), 26.80(2), 24.07(2), 22.28(2), 21.24(0), 18.35(3), 12.60(2), 10.64(2), 2.63(3);MS HRES C22H38O2Siの計算値 M+ 362.2641;実測値 M+ 362.2648。
(合成実施例24)
(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008535812
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 4S, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(381mg, 1.32mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.0g, 2.65mmol)を添加した。得られた混合物を、1.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中の20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(360mg, 1.26mmol, 95%)を得た。ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(360mg, 1.26mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(0.25mL, 1.7mmol)を添加した。得られた混合物を、0.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中の5%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(382mg, 1.07mmol, 81%)を得た。
(合成実施例25)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール(23)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(513mg, 0.88mmol)の攪拌溶液へ-78℃で、n-BuLi(0.55mL, 0.88mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(179mg, 0.50mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣(716mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール(324mg, 0.45mmol)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-コレカルシフェロール(322mg, 0.45mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を、18時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(280mg)を、FC(10g, ヘキサン中50% AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(23)(172mg, 0.41mmol, 82%)を得た。[α]31 D=+32.4 c 0.50, MeOH。UVλmax (EtOH): 261nm (ε11930); 1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.3Hz), 6.09 (1H, d, J=11.3Hz), 5.45(1H, m), 5.33 (1H, m), 5.01 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.22 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.50-1.10 (16H, m), 1.45 (6H, s), 0.81 (3H, s ),0.72-0.50 (4H, m);MS HRES C28H38O3の計算値 M+ 422.2821;実測値 M+ 422.2854。
(合成実施例26)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(24)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(674mg, 1.18mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.74mL, 1.18mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(3mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(235mg, 0.66mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣(850mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(330mg, 0.46mmol)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-19-ノル-コレカルシフェロール(328mg, 0.46mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム (5mL, 5mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を62時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発後の残渣(410mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)で精製し、標題化合物(24)(183mg, 0.45mmol, 68%)を得た。[α]29 D=+72.1 c 0.58, MeOH。UVλmax (EtOH): 242nm (ε29286), 251nm (ε 34518), 260nm (ε 23875); 1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3Hz), 5.94 (1H, d, J=11.3Hz), 5.48 (1H, m), 4.14 (1H, m), 4.07 (1H, m), 2.78 (2H, m), 2.52-1.10 (18H, m), 1.49(6H, s), 0.81 (3H, s ), 0.72-0.50 (4H,m);MS HRES C27H38O3の計算値 M+ 410.2821;実測値 M+ 410.2823。
(合成実施例27)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(35mL)中の(3aR,4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル(1.95g, 5.66mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi (4.3mL, 6.88mmol , ヘキサン中1.6M)を添加した。-78℃で1時間攪拌後、ヘキサフルオロアセトン(冷した指(cooling finger)から6滴)を添加し、攪拌を1時間継続した。NH4Claqを添加し(10mL)、この混合物を室温へ温めた。反応混合物を、ブライン(100mL)で希釈し、ヘキサン(2x125mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発後の残渣(8.2g)を、FC(150g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、(3aR, 4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-1,1,1-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-ペンタ-3-イン-2-オール(2.73g, 5.35mmol)を得、これをフッ化テトラブチルアンモニウム(20mL, 20mmol, THF中1.0M)で処理し、65〜75℃で30時間攪拌した。混合物を、AcOEt(150mL)で希釈し、水(5x150mL)、ブライン(150mL)で洗浄した。一緒にした水性洗浄液を、AcOEt(150mL)で抽出し、一緒にした有機抽出物を、Na2SO4で乾燥した。溶媒を蒸発後の残渣(3.2g)を、FC(150g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、標題化合物(2.05g, 5.17mmol, 97%)を得た。[α]28 D=+6.0 c 0.47, CHCl3.1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, br, s), 4.16 (1H, br, s), 3.91 (1H, s), 2.48 (1H, AB四重線のA部分, J=17.5Hz), 2.43 (1H, AB四重線のB部分, J=17.5Hz), 2.27 (1H, m), 2.00-1.40 (9H, m), 1.18 (3H, s), 0.8-0.5 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 155.26(0), 126.68(1), 121.32(0, q, J=284Hz), 90.24(0), 71.44(0, sep. J=34Hz), 70.54(0), 69.57(1), 55.17(1), 47.17(0), 36.05(2), 33.63(2), 30.10(2), 27.94(2), 19.50(3), 19.27(0), 17.90(2), 11.56(2), 11.21(2);MS HREI C19H22O2F6の計算値 M+ 396.1524;実測値 M+ 396.1513。
(合成実施例28)
(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008535812
ジクロロメタン(12mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(504mg, 1.27mmol)及びセライト(1.5g)の攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウム(0.98g, 2.6mmol)を添加した。得られた混合物を、2.5時間攪拌し、シリカゲル(5g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を、蒸発させ、標題化合物(424mg, 1.08mmol, 85%)を得た。[α]28 D=+3.1 c 0.55, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.46 (1H, br, s), 3.537 (1H, s), 2.81 (1H, dd, J=10.7, 6.5Hz), 2.49-1.76 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.77-0.53 (4H, m);MS HREI C19H20O2F6の計算値 M+H 395.1440;実測値 M+H 395.1443。
(合成実施例29)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(25)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(900mg, 1.58mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(1.0mL, 1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(3mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.51mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(850mg)を、FC(20g, ヘキサン中10%AcOEt)で精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(327mg, 0.44mmol, 86%)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(327mg, 0.44mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。この混合物を24時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(250mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)で精製し、標題化合物(25)(183mg, 0.45mmol, 68%)を得た。[α]30 D=+73.3 c 0.51, EtOH。UVλmax(EtOH): 243nm (ε29384), 251nm (ε 34973), 260nm (ε 23924);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.1Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1Hz), 5.50 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.76 (2H, m), 2.55-1.52 (18H, m), 0.80 (3H, s), 0.80-0.49 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 155.24(0), 141.78(0), 131.28(0), 126.23(1), 123.65(1), 121.09(0, q, J=285Hz), 115.67(1), 89.63(0), 70.42(0), 67.48(1), 67.29(1), 59.19(1), 49.87(0), 44.49(2), 41.98(2), 37.14(2), 35.76(2), 29.22(2), 28.47(2), 27.57(2), 23.46(2), 19.32(0), 17.97(3), 11.89(2), 10.18(2);MS HRES C27H32O3F6の計算値 M+H 519.2329;実測値 M+H 519.2325。
(合成実施例30)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27 ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(26)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(921mg, 1.58mmol)の攪拌溶液へ、-78℃でn-BuLi(1.0mL, 1.6mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-ペン-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(197mg, 0.50mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(25mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(876mg)を、FC(20g, ヘキサン中105%AcOEt)で精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(356mg, 0.47mmol)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-イン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(356mg, 0.47mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(5mL, 5mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を、15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(270mg)を、FC(20g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)で精製し、標題化合物(26)(216mg, 0.41mmol, 87%)を得た。[α]30 D=+40.0 c 0.53, EtOH。UVλmax(EtOH):262nm (ε 12919);1H NMR (CDCl3): 6.38 (1H, d, J=11.5Hz), 6.10 (1H, d, J=11.1Hz), 5.49 (1H, m), 5.35 (1H, s), 5.02 (1H, s), 4.45 (1H, m), 4.25 (1H, m), 3.57 (1H, s), 2.83-1.45 (18H, m), 0.82 (3H, s), 0.80-0.51 (4H, m);MS HRES C28H32O3F6の計算値 M+H 531.2329;実測値 M+H 531.2337。
(合成実施例31)
(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008535812
水素化リチウムアルミニウム(4.5mL, 4.5mmol, THF中1.0M)へ、5℃で、最初に固形ナトリウムメトキシド(245mg, 4.6mmol)を添加し、次にテトラヒドロフラン(5mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(360mg, 0.91mmol)の溶液を滴下した。添加の完了後、混合物を還流下で2.5時間攪拌した。その後これを、氷浴で冷却し、水(2.0mL)及び水酸化ナトリウム(2.0mL, 2.0M水溶液)で反応停止し;エーテル(50mL)で希釈し、30分間攪拌した。その後MgSO4(5g)を添加し、攪拌を30分間継続した。濾液の蒸発後の残渣(0.42g)を、FC(20g, ヘキサン中20%AcOEt)により精製し、標題化合物(315mg, 0.79mmol, 87%)を得た。[α]28 D=+2.0 c 0.41, CHCl3。 1H NMR (CDCl3):6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7Hz), 5.60 (1H, d, J=15.7Hz), 5.38 (1H, br, s), 4.13 (1H, br, s), 3.27 (1H, s), 2.32-1.34 (12H, m), 1.15 (3H, s), 0.80-0.45 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 155.89(0), 138.10(1), 126.21(1), 122.50(0, q, J=287Hz), 119.15 (1), 76.09(0, sep. J=31Hz), 69.57(1), 55.33(1), 47.30(0), 40.31(2), 36.05(2), 33.71(2), 30.10(2), 20.36(0), 19.46(3), 17.94(2), 11.96(2), 11.46(2);MS REI C19H24O2F6の計算値 M+ 398.1680;実測値 M+ 398.1675。
(合成実施例32)
(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペン-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008535812
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(600mg, 1.51mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液へ、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.13g, 3.0mmol)を添加した。得られた混合物を、3.5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドをヘキサン中25%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(550mg, 1.39mmol, 92%)を得た。ジクロロメタン(15mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(550mg, 1.39mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(1.76mL, 12.0mmol)を添加した。得られた混合物を、1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(623mg, 1.33mmol, 88%)を得た。[α]28 D=-1.6 c 0.51, CHCl31H NMR (CDCl3): 6.14 (1H, dt, J=15.5, 6.7Hz), 5.55 (1H, d, J=15.5Hz), 5.35 (1H, m), 2.80 (1H, dd, J= 10.7, 6.4Hz), 2.47-1.74 (10H, m), 0.90 (3H, s), 0.76-0.40 (4H, m), 0.2 (9H, s);13C NMR (CDCl3): 210.99 (0), 154.28(0), 137.41(1), 126.26(1), 122.59(0, q, J=289Hz), 120.89(1), 64.31(1), 53.96(0), 40.60(2), 40.13(2), 35.00(2), 27.03(2), 24.21(2), 20.57(0), 18.53(3), 12.41(2), 10.79(2), 1.65(3);MS HRES C22H30O2F6Siの計算値 M+H 469.1992;実測値 M+H 469.1995。
(合成実施例33)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(27)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(514mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.43mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(750mg)を、FC(15g, ヘキサン中5%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(250mg)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(250mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を24時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(270mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(27)(157mg, 0.30mmol, 70%)を得た。[α]30 D=+63.3 c 0.45, EtOH。UVλmax(EtOH):243nm (ε30821), 251nm (ε36064), 260nm (ε24678);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=11.3Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.9, 6.4Hz), 5.92 (1H, d, J=11.1Hz), 5.61 (1H, d, J=15.7Hz), 5.38 (1H, m), 4.13 (1H, m), 4.05 (1H, m), 2.88 (1H, s), 2.82-1.34 (19H, m), 0.770 (3H, s ),0.80-0.36 (4H, m);MS HRES C27H34O3F6の計算値 M+H 521.2485;実測値 M+H 521.2489。
(合成実施例34)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(28)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(525mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンタ-2E-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.43mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で2.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(760mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(274mg)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-E-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(274mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(280mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(28)(167mg, 0.31mmol, 73%)を得た。[α]30 D=+18.3 c 0.41, EtOH。UVλmax (EtOH):207nm (ε17778), 264nm (ε15767);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1Hz), 6.24 (1H, dt, J=15.7, 6.7Hz), 6.07 (1H, d, J=11.3Hz), 5.60 (1H, d, J=15.5Hz), 5.35 (1H, m), 5.33 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.40-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s), 0.80-0.36 (4H, m);MS HRES C28H34O3F6の計算値 M+H 533.2485;実測値 M+H 533.2483。
(合成実施例35)
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オールの合成
Figure 2008535812
(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(300mg, 0.76mmol)、酢酸エチル(5mL)、ヘキサン(12mL)、無水エタノール(0.5mL)、キノリン(30μL)及びリンドラー触媒(75mg, CaCO3上の5%Pd)の混合物を、室温で2時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、パッドをAcOEtで洗浄した。溶媒を蒸発させ、標題化合物(257mg, 0.65mmol, 87%)を得た。[α]28 D=+1.8 c 0.61, CHCl31H NMR (CDCl3): 6.08 (1H, dt, J=12.3, 6.7Hz), 5.47 (1H, m,), 5.39 (1H, d, J=12.1Hz), 4.15 (1H, br, s), 3.28 (1H, s), 2.52-1.34 (12H, m), 1.16 (3H, s), 0.78-0.36 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 156.66(0), 141.77(1), 126.51(1), 122.79(0, q, J=285Hz), 115.77 (1), 69.59(1), 55.41(1), 47.28(0), 36.44(2), 35.90 (2), 33.75(2), 30.22(2), 20.89(0), 19.41(3), 17.94(2), 12.05(2), 11.11(2);MS HRES C19H24O2F6の計算値 M+H 399.1753;実測値 M+H 399.1757。
(合成実施例36)
(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペン-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オンの合成
Figure 2008535812
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR,4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(617mg, 1.55mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液へ、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.17 g, 3.1mmol)を添加した。得られた混合物を2.5時間攪拌し、シリカゲル(5g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドをヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(600mg, 1.51mmol, 98%)を得た。ジクロロメタン(15mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(600mg, 1.51mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(1.76mL, 12.0mmol)を添加した。得られた混合物を1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(640mg, 1.37mmol, 88%)を得た。[α]28 D=-0.2 c 0.55, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.97 (1H, dt, J=12.2, 6.2Hz), 5.40 (1H, m), 5.38 (1H, d, J=12.2Hz), 2.82 (1H, dd, J= 10.7, 6.6Hz), 2.60-1.74 (10H, m), 0.89 (3H, s), 0.75-0.36 (4H, m), 0.21 (9H, s);13C NMR (CDCl3): 210.56 (0), 154.30(0), 139.28(1), 125.81(1), 122.52(0, q, J=289Hz), 118.17 (1), 64.11(1), 53.69(0), 40.43(2), 35.51(2), 34.85(2), 26.94(2), 24.07(2), 20.89(0), 18.39(3), 12.26(2), 10.61(2), 1.43 (3);MS HRES C22H30O2F6Siの計算値 M+H 469.1992;実測値 M+ H 469.1992。
(合成実施例37)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール(29)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(514mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を、15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(194mg, 0.41mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.0時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(750mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(230mg)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-19-ノル-コレカルシフェロールの混合物(230mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を40時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(260mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(29)(1327mg, 0.25mmol, 62%)を得た。[α]28 D=+53.6 c 0.33, EtOH。UVλmax(EtOH): 243nm (ε26982), 251nm (ε 32081), 260nm (ε 21689);1H NMR (CDCl3): 6.29 (1H, d, J=10.7Hz), 6.08 (1H, dt, J=12.5, 6.7Hz), 5.93 (1H, d, J=11.1Hz), 5.46 (1H, m), 5.40 (1H, d, J=12.7Hz)), 4.12 (1H, m), 4.05 (1H, m), 3.14 (1H, s), 2.80-1.40 (19H, m), 0.77 (3H, s), 0.80-0.36 (4H, m);MS HRES C27H34O3F6の計算値 M+H 521.2485;実測値 M+H 521.2487。
(合成実施例38)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール(30)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(6mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(525mg, 0.90mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.57mL, 0.91mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(5,5,5-トリフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンテ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(200mg, 0.43mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で2.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(680mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(310mg)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロール及び1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-ヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-23,24-Z-エン-26,27-ヘキサフルオロ-コレカルシフェロールの混合物(310mg)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を、15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(370mg)を、FC(10g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(30)(195mg, 0.37mmol, 85%)を得た。[α]30 D=+9.4 c 0.49, EtOH。UVλmax(EtOH): 262nm (11846);1H NMR (CDCl3): 6.36 (1H, d, J=11.1Hz), 6.08 (2H, m), 5.44 (1H, m), 5.40 (1H, d, J=12.3Hz), 5.32 (1H, s), 5.00 (1H, s), 4.43 (1H, m), 4.23 (1H, m), 3.08 (1H, s), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.55-1.40 (15H, m), 0.77 (3H, s),0.80-0.34 (4H, m);MS HRES C28H34O3F6の計算値 M+H 533.2485;実測値 M+H 533.2502。
(合成実施例39)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(31)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(9mL)中の(1R,3R)-1,3-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-5-[2-(ジフェニルホスフィノイル)エチリデン]-シクロヘキサン(697mg, 1.22mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.77mL, 1.23mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(220mg, 0.61mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(900mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-19-ノル-コレカルシフェロール(421mg, 0.59mmol)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-26,27-ヘキサジュウテロ-19-ノル-コレカルシフェロール(421mg, 0.59mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を40時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(450mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(31)(225mg, 0.54mmol, 89%)を得た。[α]29 D=+69.5 c 0.37, EtOH。UVλmax(EtOH): 243nm (ε27946), 251nm (ε 33039), 261nm (ε 22701);1H NMR (CDCl3): 6.30 (1H, d, J=11.3Hz), 5.93 (1H, d, J=11.3Hz), 5.36 (1H, m), 4.12 (1H, m), 4.04 (1H, m), 2.75 (2H, m), 2.52-1.04 (22H, m), 1.18 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.65-0.26 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 157.16(0), 142.33(0), 131.25(0), 124.73(1), 123.76(1), 115.50(1), 71.10(0), 67.39(1), 67.19(1), 59.47(1), 50.12(0), 44.60(2), 43.84(2), 42.15(2), 38.12(2), 37.18(2), 35.57(2), 29.26(3), 29.11(2), 29.08(3), 28.48(2), 23.46(2), 22.26(2), 21.27(0), 17.94(3), 12.70(2), 10.27(2);MS HRES C27H42O3の計算値 M+H 415.3207;実測値 M+H 415.3207。
(合成実施例40)
1-アルファ,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(32)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(675mg, 1.16mmol)の攪拌溶液へ、-78℃で、n-BuLi(0.73mL, 1.17mmol)を添加した。得られた混合物を15分間攪拌し、テトラヒドロフラン(2mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-( 4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(210mg, 0.58mmol)の溶液を滴下した。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(850mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(382mg, 0.53mmol)を得た。1-アルファ,3-ベータ-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(382mg, 0.53mmol)へ、フッ化テトラブチルアンモニウム(4mL, 4mmol, THF中1M溶液)を室温で添加した。混合物を15時間攪拌し、AcOEt(25mL)で希釈し、水(5x20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒蒸発後の残渣(380mg)を、FC(15g, ヘキサン中50%AcOEt及びAcOEt)により精製し、標題化合物(32)(204mg, 0.48mmol, 83%)を得た。[α]29 D=+16.1 c 0.36, EtOH。UVλmax(EtOH): 208nm (ε17024), 264nm (ε 16028);1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3Hz), 6.09 (1H, d, J=11.1Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.38-1.08 (20H, m), 1.19 (6H, s), 0.79 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);13C NMR (CDCl3): 157.07(0), 147.62(0), 142.49(0), 133.00(0), 124.90(1), 124.73(1), 117.19(1), 111.64(2), 71.10(1), 70.70(0), 66.88(1), 59.53(1), 50.28(0), 45.19(2), 43.85(2), 42.86(2), 38.13(2), 35.59(2), 29.27(2), 29.14(3), 28.65(2), 23.57(2), 22.62(2), 21.29(0), 17.84(3), 12.74(2), 10.30(2);MS HRES C28H42O3の計算値 M+Na 449.3026;実測値 M+Na 449.3023。
(合成実施例41)
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール(33)の合成
Figure 2008535812
[1R,3aR,4S,7aR]-2(R)-[4-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-ヘプタン-1,6-ジオール(34)及び[1R,3aR,4S,7aR]-2(S)-[4-(1,1-ジメチルエチル)ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-6-メチル-ヘプタン-1,6-ジオール(35)
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(9mL)中のアルケノールの溶液を、氷浴で冷却し、テトラヒドロフラン(17mL)中のボランTHFの1M溶液を、滴下し、最初は泡立つ反応であった。この溶液を、室温で一晩攪拌し、氷浴で再冷却し、水(17mL)を、その後過炭酸ナトリウム(7.10g, 68mmol)を滴下した。この混合物を、50℃の浴に浸漬し、70分間攪拌し、溶液を生じた。この2-相システムを冷却し、その後1:1酢酸エチルヘキサン(170mL)と平衡とした。有機層を、水(2x25mL)、その後ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物(2.76g)が残存した。この物質を、1:1酢酸エチルヘキサン及びシリカゲルGを使用する短いフラッシュカラムを通過させた。完全な溶離後得られた流出液を、蒸発させ、酢酸エチル中に溶解させ、濾過し、2x18" 15-20 uシリカYMC HPLCカラム上で、2:1酢酸エチルヘキサンを移動相として用い、100mL/分で流し、クロマトグラフィーにかけた。異性体34が、最大2.9Lの流出液で、無色の油状物1.3114gとして出現した。[α]D+45.2°(メタノール, c 0.58;1H NMR δ-0.002 (3H, s), 0.011 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.93 (3H, s), 1.17 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.89 (1H, m), 3.66 (1H, dd, J=4.8及び11Hz), 3.72 (1H, dd, J=3.3及び11Hz), 4.00 (1H, m); LR-ES(-) m/z 412 (M), 411 (M-H);HR-ES(+):(M+Na)計算値:435.3265;実測値:435.3269。
異性体35が、最大4.9Lの流出液で、無色の油状物0.8562gとして溶離し、これは長期間放置すると晶出した:融点102-3°,[α]D+25.2° (メタノール, c 0.49);1H NMRδ-0.005 (3H, s), 0.009 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.93 (3H, s), 1.16 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.3-1.5, (14H, m), 1.57 (2H, m), 1.67 (1H, m), 1.80 (2H, m), 1.91 (1H, m), 3.54 (1H, dd, J=4.8及び11Hz), 3.72 (1H, dd, J=2.9及び11Hz), 4.00 (1H, m); LR-ES(-) m/z 412 (M)、411 (M-H)。C24H48O3Siの分析、計算値:C, 69.84, H, 11.72;実測値:C, 69.91; H, 11.76。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-7-ヨード-2-メチル-ヘプタン-2-オール(36)
Figure 2008535812
ジクロロメタン(3mL)中のトリフェニルホスフィン(0.333g, 1.27mmol)及びイミダゾール(0.255g, 3mmol)の攪拌された混合物を、氷浴中で冷却し、ヨウ素(0.305g, 1.20mmol)を添加した。この混合物を10分間攪拌し、その後ジクロロメタン(3mL)中の化合物34の溶液(0.4537g, 1.10mmol)を、10分間かけて滴下した。この混合物を氷浴中で30分間攪拌し、その後周囲温度で2時間45分間攪拌した。TLC (1:1酢酸エチル-ヘキサン)は、抽出物が存在しないことを確認した。水(5mL)中のチオ硫酸ナトリウム(0.1g)の溶液を添加し、この混合物を平衡とし、有機相を、ブラインを数滴含有する0.1N硫酸(10mL)、その後1:1水-ブライン(2x10mL)、ブライン(10mL)で1回洗浄し、その後乾燥し蒸発させた。残渣を、移動相として1:9酢酸エチル-ヘキサンを使用する、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、無色のシロップ剤として化合物36を0.5637g, 98%得た:1H NMR δ-0.005 (3H, s), 0.010 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.23 (6H, s), 1.1-1.6 (16H, m), 1.68 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.84 (1H, m), 3.37(1H, dd, J=4及び10Hz), 3.47 (1H, dd, J=3及び10Hz), 4.00 (1H, m);LR-EI(+) m/z 522 (M), 465 (M-C4H9), 477 (M-C4H9-H2O);HR-EI(+):C24H47IO2Siの計算値:522.2390、実測値:522.2394。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ノニ-8-イン-2-オール(37)
Figure 2008535812
リチウムアセチリドDMA錯体(0.110g, 1.19mmol)を、ジメチルスルホキシド(1.5mL)及びテトラヒドロフラン(0.15mL)中の化合物36(0.2018g, 0.386mmol)の溶液に添加した。この混合物を一晩攪拌した。TLC(1:4酢酸エチル-ヘキサン)は、一緒に非常に近傍に移動する(Rf 0.52及び0.46)ふたつのスポットの混合物を示した。溶離されたバンドの始まりの画分は、純粋なアルケノールを含み、これは化合物36の脱離生成物であり、主副産物として生成された。しかし溶離バンドの最後の画分も、均一であり、蒸発時に望ましいアセチレン37を生じた。化合物37及び同定に利用されるその6-エピマーのNMRスペクトルは、先に報告されていた。
[1R,3aR,4S,7aR]-7-ベンゼンスルホニル-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール(38)
Figure 2008535812
化合物37b(0.94g, 1.8mmol)、ベンゼンスルホン酸ナトリウム(2.18g, 13mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(31.8g)の混合物を、室温で12時間攪拌し、その後40℃の浴で約6時間、全ての抽出物が転換されたことがTLC(1:4酢酸エチル-ヘキサン)により示されるまで、攪拌した。この溶液を、1:1酢酸エチル-ヘキサン(120mL)及び1:1ブライン-水(45mL)で平衡とした。有機層を、水(4x25mL)、ブライン(10mL)で洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、無色の油状物1.0317gが残存した。この物質を、段階勾配(1:9、1:6、1:3酢酸エチル-ヘキサン)を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、無色の油状物0.930g、96%を得た:300MHz 1H NMRδ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (9H, s), 0.88 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 1.81 (1H, m), 3.09 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.59 (3H, m), 7.91 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(1(S)-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン(39)
Figure 2008535812
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(1mL)を、シクロヘキサン(10mL)中の化合物38 (0.8g)の溶液に添加し、一晩攪拌し、その後ヘキサン、1:39及び1:19酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにかけた。溶離は、TLC(1:4酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングし、化合物39が無色のシロップとして0.7915g残存した:300MHz 1H NMR δ0.00 (3H, s), 0.02 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.90 (12H, s, t-ブチル+7a-Me), 1.16 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.66-1.86 (3H, m), 3.10 (2H, m), 4.00 (1H, brs), 7.56-7.70 (3H, m), 7.93 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(40)
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(28mL)中の化合物39(0.7513g, 1.23mmol)及びジオール(0.508g, 1.85mmol)の溶液を、-35℃に冷却し、その後ヘキサン中2.5Mブチルリチウム(2.75mL)を滴下した。温度を-20℃に上昇させ、その温度で6時間又は抽出物が消費されるまで維持した。反応の進行は、TLC(1:4酢酸エチル-ヘキサン)によりモニタリングし、これは抽出物(Rf 0.71)及びふたつのエピマー性ジオール(Rf 0.09及び0.12)を示した。この反応期間の最後に向けて、温度を短時間0℃に上昇し、その後再度-10℃に低下し、次に飽和塩化アンモニウム(25mL)を添加し、引き続き酢酸エチル(50mL)、及び沈殿した塩を溶解するのに十分量な水を添加した。得られた水相は酢酸エチル(15mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られたシロップを、1:9、1:6、1:4及び1:1酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物39aを無色のシロップとして0.8586g得た。この物質を、テトラヒドロフラン(30mL)及びメタノール(18mL)の混合物へ溶解し、その後5%ナトリウムアマルガム(20g)を添加した。混合物の14時間の撹拌後に、還元的脱スルホニル化は完了した。この反応の進行は、TLC(1:1酢酸エチル-ヘキサン)によりモニタリングし、これはエピマー性ジオール(Rf 0.63及び0.74)の消失、並びに化合物40a(Rf 0.79)及び部分的に脱シリル化されたアナログ40(Rf 0.16)の生成を示した。この混合物を、メタノール(20mL)で希釈し、3分間攪拌し、その後氷(20g)を添加し、2分間攪拌し、上清を、飽和塩化アンモニウム(50mL)を含有する混合物へデカントした。残渣を、少量のテトラヒドロフランで繰り返し洗浄し、これも前記塩溶液へ添加し、次に酢酸エチル(80mL)で平衡とした。水層を、酢酸エチル(20mL)で1回再抽出し、一緒にした抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、その後乾燥し、蒸発させた。化合物40a及び40の両方を含有する得られた無色の油状物を、メタノール中の1Nシュウ酸溶液10mLに溶解し(二水和物より調製)、トリメチルシリルエーテルの選択的加水分解を数分以内に行った。炭酸カルシウム(1g)を添加し、その懸濁液を一晩攪拌し、次に濾過した。溶液を蒸発させ、得られた残渣を、1:4、1:2、1:1及び2:1酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、トリオール40の残渣0.45gを、アセトニトリルから非常に細い枝の針状結晶として得た:mp 94-95℃, [α]D+44.1°(メタノール, c 0.37);400MHz 1H NMR δ-0.005 (3H, s), 0.007 (3H, s), 0.89 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.15 (1H, m), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.6 (19H, m), 1.67 (1H, m), 1.79 (2H, m), 1.90 (2H, m), 2.06 (1H, m), 3.31 (1H, brd, J=10Hz), 4.00 (1H, brs), LR-ES(-) m/z: 533 (M+Cl), 497 (M-H); HR-ES(+): C29H58O4Si+Naの計算値:521.3996;実測値:521.4003。C29H58O4Siの分析的計算値:C, 69.82, H, 11.72;実測値:C, 69.97; H, 11.65。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(R)-(4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(41)
Figure 2008535812
アセトニトリル(10mL)及びジオキサン(0.7mL)中のトリオール40(0.4626g, 0.927mmol)の攪拌溶液を、10℃に冷却し、フルオロケイ酸溶液(2mL)を滴下した。冷却浴を取り外し、この2-相系を更に、アセトニトリル(2mL)で希釈し、その後室温で3時間15分攪拌した。抽出物の消失は、TLC(酢酸エチル)によりモニタリングした。混合物を、水(10mL)及び酢酸エチル(30mL)で平衡とした。水相を、酢酸エチル(2x20mL)で再抽出し、一緒にした抽出物を、水(5mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、その後1:1ブライン-飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥した。残渣を、1:1から2:1酢酸エチル-ヘキサン及び無希釈の酢酸エチルの段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、残渣を得、これを1:1ジクロロメタン-ヘキサンに溶解し、濾過し、蒸発させ、非晶質固形物0.3039g (85%)を得た:[α]D+42.6℃(メタノール, c 0.48);1H NMR (DMSO-d6): δ0.87 (3H, s), 0.97 (3H, s), 1.02 (3H, s), 1.04 (6H, s), 1.1-1.4 (18H, m), 1.5-1.8 (4H, m), 1.84 (1H, m), 2.99 (1H, dd, J=6及び10Hz), 3.87 (1H, brs), 4.02 (1H, s, OH), 4.05 (1H, s, OH), 4.16 (1H, d, OH, J=3.6Hz), 4.20 (1H, d, OH, J=6.4Hz);LR-ES(+): m/z 384 (M), 383 (M-H);HR-ES(+):(M+Na)の計算値:407.3132;実測値:407.3134。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-{5-ヒドロキシ-5-メチル-1(R)-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル)-エチル]-ヘキシル}-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール(42)
Figure 2008535812
アセトン(8mL)及び2,2-ジメトキシプロパン(8mL)中のテトラオール40(0.2966g, 0.771mmol)及びトシル酸ピリジニウム(100mg)の溶液を、室温で12時間維持した。TLC分析(酢酸エチル)は、抽出物(Rf 0.21)の非存在及びRf 0.82及び0.71のふたつの新しいスポットの存在を示し、前者は予想された化合物42であり、後者はメチルアセタールであると推定された。反応混合物を、水(5mL)で希釈し、10分間攪拌した。この時点で、より高いRf値を伴うスポットのみ、観察された。この混合物を、炭酸水素ナトリウム(0.5g)で中和し、その後酢酸エチル(50mL)及びブライン(5mL)で平衡とした。有機層を、水(5mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、その後乾燥し、蒸発させ、粘着性の残渣(0.324g)が残存し、これは直接次工程で使用した:300MHz 1H NMR: δ 0.94 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.34 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.2-1.65 (20H, m), 1.78-1.86 (3H, m), 1.93 (1H, m), 3.62 (1H, dd, J=4.6及び8.3Hz), 4.08 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-{5-ヒドロキシ-5-メチル-1(R)-[2-(2,2,5,5-テトラメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル)-エチル]-ヘキシル}-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イルエステル(43)
Figure 2008535812
先に得られた残渣を、ピリジン(6.9g)に溶解し、更に無水酢酸(3.41g)で希釈した。この混合物を、室温で24時間放置し、その後35℃の浴中で約10時間、その抽出物が最早検出されなくなるまで放置した(TLC, 酢酸エチル)。この混合物を、トルエンで希釈し、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(1:4酢酸エチル-ヘキサン)で精製し、化合物43を無色のシロップとして(0.3452g, 97%)得た:1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.10 (3H, s), 1.20 (1H, m), 1.22 (6H, s), 1.25 (3H, s), 1.33 (3H, s), 1.41 (3H, s), 1.25-1.6 (19H, m), 1.72 (1H, m), 1.82 (2H, m), 1.95 (1H, m), 2.05 (3H, s), 3.63 (1H, dd, J=4.4及び8.4Hz), 5.15 (1H, brs);LR-FAB(+) m/z 467 (M+H), 465 (M-H), 451 (M-Me)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R),5-ジヒドロキシ-1(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イルエステル(44)
Figure 2008535812
80%酢酸(2mL)中の化合物43(0.334g, 0.716mmol)の溶液を、68℃の浴中で維持した。TLC(酢酸エチル, Rf 0.33)で、加水分解の進行をモニタリングした。2.5時間後、抽出物は最早検出されなかった。この混合物を蒸発させ、次に少量のトルエンと同時蒸発させ、無色のフィルム(0.303g)が残存し、これは直接次工程で用いた:300MHz 1H NMR: δ 0.89 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.56 (3H, s), 1.1-1.6 (21H, m), 1.6-2.0 (5H, m), 2.04 (3H, s), 3.32 (1H, brd, J=10Hz), 5.15 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-ヒドロキシ-1(R)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イルエステル(45)
Figure 2008535812
N,N-ジメチルホルムアミド(6g)中のトリオール44(0.30g)、イミダゾール(0.68g, 10mmol)及びジメチルテキシルシリルクロライド(1.34g, 7.5mmol)の溶液を、室温で維持した。48時間後、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン(15mg)を添加し、この混合物を更に24時間攪拌した。反応進行を、TLC(酢酸エチル;24, Rf 0.83;25a, Rf 0.38)によりモニタリングした。この混合物を、水(2mL)で希釈し、10分間攪拌し、その後酢酸エチル(45mL)と水(20mL)の間で分配した。水層を、酢酸エチル(10mL)で1回抽出した。一緒にした有機相を、水(4x12mL)及びブライン(8mL)で洗浄し、その後乾燥し蒸発させた。残存する油状物を、1:9及び1:4の酢酸エチル-ヘキサン段階勾配を使用する、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物45を無色のシロップとして得た。少量の未反応の抽出物(80mg)を、酢酸エチルで溶離した。シロップ45を、次工程で直接使用した:400MHz 1H NMR: δ 0.13 (3H, s), 0.14 (3H, s), 0.87 (6H, s), 0.91 (9H, m), 1.10 (1H, m), 1.14 (3H, s), 1.15 (3H, s), 1.21 (6H, s), 1.1-1.6 (19H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.94 (1H, brd, J=12.8Hz), 2.05 (3H, s), 3.38 (1H, brs), 5.15 (1H, brs)。
[1R,3aR,4S,7aR]-酢酸 1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-イル エステル(46)
Figure 2008535812
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(0.90mL, 6.1mmol)を、シクロヘキサン(6mL)中の化合物45(0.2929mg)の溶液へ添加し、12時間攪拌し、その後フラッシュクロマトグラフィーにかけ(1:79酢酸エチル-ヘキサン)、化合物46を無色のシロップ(0.3372g)として得た。溶離は、TLC(1:4 酢酸エチル-ヘキサン)によりモニタリングし、化合物46(0.7915g)を無色のシロップとして得た:1H NMR δ: 0.074 (3H, s), 0.096 (3H, s), 0.103 (9H, s), 0.106 (9H, s), 0.82 (1H, m), 0.83 (6H, s), 0.88 (9H, m), 1.32 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.15-1.6 (17H, m), 1.6-1.9 (5H, m), 1.97 (1H, brd, J=12.8Hz), 2.05 (3H, s), 3.27 (1H, m), 5.15 (1H, brs);LR-FAB(+) m/z: 712 (M), 711 (M-H), 697 (M-Me), 653 (M-AcO), 627 (M-C6H13)。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール(47)
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(15mL)中の化合物46(0.335mg, 0.47mmol)の攪拌溶液を、氷浴で冷却し、テトラヒドロフラン(2mL)中の水素化アルミニウムリチウム1M溶液を滴下した。TLC(1:9酢酸エチル-ヘキサン)は、1.5時間後に化合物25b(Rf 0.61)の26(Rf 0.29)への完全な転換を示した。2M水酸化ナトリウム溶液(14滴)を添加し、引き続き水(0.5mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加した。少量のセライトを添加し、15分間攪拌後、液層を濾過除去した。固形残渣を、酢酸エチルで繰り返し洗浄し、一緒にした液相を蒸発させ、無色のシロップを残存させ、これをヘキサン中に溶解し、濾過し蒸発させ、化合物26(0.335g)を得、これを更に精製することなく使用した:1H NMR δ: 0.075 (3H, s), 0.10 (21H, brs), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 0.93 (3H, s), 1.13 (3H, s), 1.20 (9H, s), 1.2-1.6 (16H, m), 1.6-1.7 (2H, m), 1.82 (3H, m), 1.95 (1H, brd, J=12.4Hz), 3.27 (1H, m), 4.08 (1H, brs);LR-FAB(+) m/z: 585 (M-C6H13), 481 (M-TMSO);HR-ES(+) m/z: C37H78O4Si3+Na:の計算値 693.5100 実測値: 693.5100。
[1R,3aR,7aR]-1-[4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(48)
Figure 2008535812
セライト(0.6g)を、ジクロロメタン(14mL)中の化合物47(0.310g, 0.462mmol)の攪拌溶液へ添加し、引き続き重クロム酸ピリジニウム(0.700g, 1.86mmol)を添加した。化合物47(Rf 0.54)のケトン27(Rf 0.76)への転換は、TLC(1:4酢酸エチル-ヘキサン)により辿った。この混合物を、4.5時間後にシクロヘキサンで希釈し、その後シリカゲル層を通して濾過した。濾液及びエーテル洗浄液を一緒にし、蒸発させた。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにかけ(1:39酢酸エチル-ヘキサン)、化合物27を無色のシロップ(0.2988g, 96.6%)として得た:1H NMR δ: 0.078 (3H, s), 0.097 (3H, s), 0.107 (18H, s), 0.64 (3H, s), 0.81 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.89 (6H,m), 1.134 (3H, s), 1.201 (3H, s), 1.207 (3H, s), 1.211 (3H, s), 1.3-1.6 (14H, m), 1.6-1.7 (3H, m), 1.88 (1H, m), 2.04 (2H, m), 2.2-2.32 (2H, m), 2.46 (1H, dd, J=7.5及び11.5Hz), 3.28 (1H, m);LR-FAB(+) m/z: 583 (M-C6H13), 479 (M-OTMS);HR-ES(+) m/z: C37H76O4Si3+Naの計算値: 691.4943, 実測値: 691.4949。
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(R)-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R)-[ジメチル-(1,1,2-トリメチル-プロピル)-シラニルオキシ]-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(49)
Figure 2008535812
ヘキサン中の2.5Mブチルリチウム(0.17mL)の溶液を、テトラヒドロフラン(2mL)中の化合物28の溶液へ-70℃で添加し、深鮮紅色の生成物を得た。10分後、テトラヒドロフラン(2mL)中のケトン27(0.1415g, 0.211mmol)の溶液を、15分間かけて滴下した。この反応は、4時間後、pH7のリン酸緩衝液(2mL)の添加により停止した。この温度を、0℃に上昇させ、その後ヘキサン(30mL)を添加した。水層を、ヘキサン(15mL)で再抽出した。一緒にした抽出物を、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(1:100酢酸エチル-ヘキサン)、化合物49を無色のシロップ(0.155g, 71%)として得た:1H NMRδ: 0.068 (15H, m), 0.103 (12H, s), 0.107 (9H, s), 0.53 (3H, s), 0.82 (1H, m), 0.84 (6H, s), 0.88 (18H,m), 0.89 (6H, m), 1.14 (3H, m), 1.20 (9H, s), 1.2-1.9 (22H, m), 1.97 (2H, m), 2.22 (1H, dd, J=7.5及び13Hz), 2.45 (1H, brd, J=13Hz), 2.83 (1H, brd, J=13Hz), 3.28 (1H, m), 4.20 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, d, J=2Hz), 5.18 (1H, d, J=2Hz), 6.02 (1H, d, J=11.4Hz), 6.24 (1H, d, J=11.4Hz);LR-FAB(+) m/z 1033 (M+H), 1032 (M), 1031 (M-H), 901 (M-TBDMS)。
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20R-コレカルシフェロール(33)の合成
Figure 2008535812
先の実験において得られた化合物49(0.153g, 0.148mmol)の残渣を、フッ化テトラブチルアンモニウム(3.5mL)の1M溶液に溶解した。TLC(酢酸エチル)は、反応の進行をモニタリングした。次にこの溶液は、24時間後ブライン(5mL)で希釈し、5分間攪拌し、その後酢酸エチル(35mL)及び水(15mL)で平衡とした。水層を、酢酸エチル(15mL)で1回再抽出した。一緒にした有機層を、水(5x10mL)、ブライン(5mL)で1回洗浄し、次に乾燥し、蒸発させた。残渣を、酢酸エチル及び1:100メタノール-酢酸エチルの段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、ギ酸メチル-ペンタンから化合物33を無色の微晶質物質(70mg, 91%)として得た:[α]D+34.3°(メタノール, c 0.51);1H NMR (DMSO-d6) δ: 0.051 (3H, s), 0.98 (3H, s), 1.03 (3H, s), 1.05 (6H, s), 1.0-1.6 (17H, m), 1.64 (3H, m), 1.80 (2H, m), 1.90 (1H,d, J=11.7Hz), 1.97 (1H, dd, J=J= 9.8Hz), 2.16 (1H, dd, J=5.9及びJ=13.7Hz), 2.36 (1H, brd), 2.79 (1H, brd), 3.00 (1H, dd, J=5及び10Hz), 3.99 (1H, brs), 4.01 (1H, s, OH), 4.04 (1H, s, OH), 4.54 (1H, OH, d, J=3.9Hz), 4.76 (1H, brs), 4.87 (1H, OH, d, J=4.9Hz), 5.22 (1H, brs), 5.99 (1H, d, J=10.7Hz), 6.19 (1H, d, J=10.7Hz);LR-ES(+) m/z: 519 (M+H), 518 (M), 517 (M-H), 501 (M-OH);HR-ES(+) C32H54O5+Naの計算値: 541.3863;実測値 541.3870;UVmax (ε): 213 (13554), 241sh (12801), 265 (16029)nm。
(合成実施例42)
1,25-ジヒドロキシ-21(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール(50)の合成
Figure 2008535812
[1R,3aR,4S,7aR]-7-ベンゼンスルホニル-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール(51)
Figure 2008535812
N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の化合物36及びベンゼンスルフォン酸ナトリウム(0.263g, 1.6mmol)の溶液を、77℃の浴中で3時間攪拌した。この溶液を、1:1酢酸エチル-ヘキサン(25mL)間で平衡とし、有機層を水(5x10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、段階勾配1:9、1:4、及び1:3酢酸エチル-ヘキサンによるフラッシュクロマトグラフィーにかけ、スルホンを無色のシロップとして得た:1H NMR δ -0.02 (3H, s), 0.005 (3H, s), 0.79 (3H, s), 0.87 (9H, s), 1.12 (1H, m), 1.19 (6H, s), 1.12 (1H, m), 1.20 (6H, s), 1.2-1.8 (18H, m), 2.08 (1H, m), 3.09 (1H, dd, J=9.3及び14.5Hz), 3.31 (1H, dd, J=3及び14.5Hz), 3.97 (1H, brs), 7.58 (3H, m), 7.66 (1H, m), 7.91 (2H, m);LR-ES(+) m/z: 600 (M+Na+MeCN), 559 (M+Na);LR-ES(-) m/z: 536 (M), 535 (M-H); HR-ES(+):C30H52O4SSi+Naの計算値 559.3248;実測値 559.3253.
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(1(R)-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン(52)
Figure 2008535812
1-(トリメチルシリル)イミダゾール(0.146mL)を、シクロヘキサン(2mL)中の化合物51(0.145g, 0.27mmol)の溶液へ添加した。17時間後、この生成物を、1:79及び1:39酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物52を無色の残渣として得た(0.157g 0.258mmol, TLC(1:9酢酸エチル-ヘキサン) Rf 0.14)。300MHz 1H NMR: δ -0.02 (3H, s), 0.00 (3H, s), 0.87 (12H, s), 1.12 (1H, m), 1.17 (6H, s), 1.2-1.6 (15H, m), 1.6-1.9 (3H, m), 3.08 (2H, m), 3.97 (1H, brs), 7.53-7.70 (3H, m), 7.90 (2H, d, J=7Hz)。
[1R,3aR,4S,7aR]-5(R,S)-ベンゼンスルホニル-6(R)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3(R)-ジオール(53)
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(9mL)中の化合物52(0.2589, 0.425mmol)及びジオール(0.176g, 0.638mmol)の溶液を、-25℃に冷却し、ヘキサン中の1.6Mブチルリチウム(1.4mL)を添加した。温度を-20℃に上昇し、3時間維持し、その後-10℃で2.5時間及び0℃で10分間維持した。混合物を再度-10℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム溶液(5mL)を添加し、その後酢酸エチル(50mL)及び沈殿した塩を溶解するのに十分な水で平衡とした。水層を、酢酸エチル(15mL)で再抽出し、一緒にした抽出物を乾燥し、蒸発させ、残渣を、1:6、1:4、及び1:1酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物53を無色のシロップ(0.212g, 70%)として得た:300MHz 1H NMR: δ0.00 (3H, s), 0.017 (3H, s), 0.12 (9H, s), 0.81 (3H, s), 0.89 (9H, s), 1.16 (1H, m), 1.19 (12H, m), 1.1-1.6 (20H, m), 1.6-1.8 (2H, m), 3.10 (1H, dd, J=8.4及び14.7Hz), 3.30 (1H, m), 3.99 (1H, brs), 7.61 (2H, m), 7.67 (1H, m), 7.93 (2H, m)。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-10-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3(R)-ジオール(54)
Figure 2008535812
化合物53(0.186mg, 0.262mmol)を、メタノール中の0.5Mシュウ酸二水和物(2.5mL)に溶解した。この溶液を、15分間攪拌し、その後炭酸カルシウムを添加し(0.5g)、懸濁液を一晩攪拌し、その後濾過した。濾液を蒸発させ、化合物54を白色泡状物として得た(0.188g, 98% :TLC(1:1 酢酸エチル-ヘキサン) Rf 0.06)。この物質を、更に精製せずに次工程で使用した。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(トリオール55)
Figure 2008535812
ナトリウムアマルガム(5% ナトリウム, 10.8g)を、テトラヒドロフラン(15mL)及びメタノール(9mL)の混合物中の化合物54(0.426g, 0.667mmol)の激しく攪拌している溶液へ添加した。この懸濁液を、24時間攪拌し、反応をTLC(1:1酢酸エチル-ヘキサン)でモニタリングし、化合物55(Rf 0.17)の生成を観察した。この混合物を、メタノール(3mL)で希釈し、5分間攪拌し、その後更に水(10mL)で希釈し、2分間攪拌し、飽和塩化アンモニウム溶液(25mL)へデカントした。水層を、酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。一緒にした抽出物を、pH7のリン酸緩衝液(5mL)、次にブライン(10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、段階勾配1:1及び2:1酢酸エチル-ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、化合物55を無色のシロップとして得た(0.244g, 73%):1H NMR: δ-0.006 (3H, s), 0.006 (3H, s), 0.86 (9H, s), 0.92 (3H, s), 1.11 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.2-1.75 (21H, m), 1.7-1.85 (3H, m), 1.90 (1H, m), 3.29 (1H, brd), 3.99 (1H, brs); LR-ES(+) m/z: 521 (M+Na), 481 (M-OH);LR-ES(-): m/z 544: (M+CH2O2), 543 (M-H+CH2O2), 533 (M-Cl);HR-ES(+) m/z: C29H58O4Si+Naの計算値: 521.3996, 実測値 521.3999。
[1R,3aR,4S,7aR]-6(S)-(4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-2,3(R),10-トリオール(56)
Figure 2008535812
フルオロケイ酸水溶液(3mL)を、アセトニトリル(12mL)中の化合物55(0.240g, 0.481mmol)の攪拌溶液へ添加した。TLC(酢酸エチル)で、この反応をモニタリングした。2.5時間後、化合物56(Rf 0.37)は、より極性の低い化合物55の代償として生成された優位な種であった。この混合物は、酢酸エチル及び水(10mL)で平衡とし、水層を、水(2x10mL)で再抽出し、一緒にした抽出物を、水(6mL)及びブライン(2x10mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。無色の残渣を、段階勾配1:2、1:1及び2:1酢酸エチル-ヘキサンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけ、一部の未反応の化合物55、引き続き化合物56を溶離し、無色のシロップとして得た(0.147g, 79%): 1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.12 (1H, m), 1.15 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.15-1.7 (20H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.96 (1H, brd), 3.29 (1H, d, J=9.6Hz), 4.08 (1H, brs); LR-ES(+): m/z 448: (M+Na+MeCN), 407 (M+Na); LR-ES(-): m/z 419 (M+Cl);HR-ES(+) m/z: C23H44O4+Naの計算値: 407.3132, 実測値 407.3135。
[1R,3aR,4S,7aR]-1-(5-ヒドロキシ-1(S)-{2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5,5-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル]-エチル}-5-メチル-ヘキシル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オール(57)
Figure 2008535812
4-メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール(60μL, 0.35mmol)を、ジクロロメタン(2mL)中の化合物56(81.2mg, 0.211mmol)の溶液へ添加し、引き続きジクロロメタン(10mL)中トシル酸ピリジニウム(200mg)を含有する溶液(0.2mL)を添加した。反応の進行を、TLC(1:2酢酸エチル-ヘキサン)で追跡し、これは4-メトキシベンズアルデヒドジメチルアセタール(Rf 0.80)、4-メトキシベンズアルデヒド(Rf 0.65)、抽出物56(Rf 0.42)及び生成物57(Rf 0.26)を示した。5時間45分後、この混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム溶液(5mL)と共に15分間撹拌し、その後酢酸エチル(25mL)で平衡とした。有機層を、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、1:3及び1:2酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物57を無色のシロップとして得た(0.106mg (100%)): 1H NMR: 0.94 (3H, s), 1.19, 1.21 (6H, 各s, Me2COH), 1.23, 1.35 及び 1.24, 1.37 (6H, 各s , 大及び小5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.7 (18H, m), 1.7-1.9 (5H, m), 1.9-2.0 (2H, m), 3.65 (1H, m), 3.81 (3H, s), 4.08 (1H, brs), 5.78及び5.96 (1H, 各s , 大及び小アセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.41 (2H, m)。
[1R,3aR,7aR]-1-(5-ヒドロキシ-1(S)-{2-[2-(4-メトキシ-フェニル)-5,5-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4(R)-イル]-エチル}-5-メチル-ヘキシル)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(58)
Figure 2008535812
重クロム酸ピリジニウム(230mg, 0.61mmol)を、化合物57(0.0838, 0.167mmol)、セライト(185mg)、及びジクロロメタン(4mL)を含有する攪拌混合物へ添加した。化合物57(Rf 0.31)の化合物58(Rf 0.42)への転換は、TLC(1:25メタノール-クロロホルム)によりモニタリングした。2.5時間後この混合物を、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、シリカゲル層を通して濾過した。濾液及び洗浄液(1:1 ジクロロメタン-酢酸エチル)を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィーにかけ(1:4酢酸エチル-ヘキサン)、ケトン58(0.0763g, 91%)を得た:1H NMR: 0.63 (3H, s), 1.19, 1.21 及び 1.23 (6H, 各s, Me2COH), 1.25, 1.36, 1.38 (6H, m,s,s, 5,5-ジメチルオキソランジアステレオマー), 1.1-1.9 (18H, m), 1.9-2.1 (3H, m), 2.1-2.4 (2H, m), 2.45 (1H, m), 3.66 (1H, m), 3.802 及び 3.805 (3H, 各s), 5.78 及び 5.95 (1H, 各s, 大及び小アセタールジアステレオマー), 6.89 (2H, m), 7.39 (2H, m)。
[1R,3aR,7aR]-1-[4(R),5-ジヒドロキシ-1(S)-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(59)
Figure 2008535812
ケトン58を、90%メタノール中の1Nシュウ酸溶液中で攪拌した。この混合物は、数分後均質となった。TLC(酢酸エチル)は、75分後反応が完了したことを示した(化合物59についてRf 0.24)。その後、炭酸カルシウム(0.60g)を添加し、懸濁液を一晩攪拌し、その後濾過した。濾液を蒸発させ、4:1:5ジクロロメタン-酢酸エチル-ヘキサン、1:1酢酸エチル-ヘキサン、及び無希釈の酢酸エチルの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーは、化合物59を無色の残渣として生じた(0.060mg, 94%):1H NMR: 0.5 (3H, s), 1.17 (3H, s), 1.22 (6H, s), 1.23 (3H, s), 1.2-1.21 (23H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.45 (1H, dd, J=7及び11Hz), 3.30 (1H, brd)。
[1R,3aR,7aR]-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(60)
Figure 2008535812
化合物59(0.055g, 0.143mmol)、イミダゾール(14.9mg, 1.69mmol)、N,N-ジメチルピリジン(6mg)、トリエチルクロロシラン(0.168mL, 1mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(1.5mL)の混合物を、17時間攪拌した。この反応に、TLC(1:4酢酸エチル-ヘキサン)を続け、ジシリル中間体(Rf 0.47)への迅速な転換を示した。更なる反応は、一晩滑らかに進行し、完全にシリル化された化合物60(Rf 0.90)を生じた。この溶液を、水(3mL)と平衡とし、酢酸エチル(20mL)と平衡とし、酢酸エチル層を水(3x4mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣を、ヘキサン及び1:100酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーにかけ、化合物60を無色のシロップとして得た(0.0813g, 78.4%):1H NMR δ0.55-0.64 (21H, m), 0.92-0.97 (27H, m), 1.12 (3H, s), 1.18 (3H, s), 1.19 (3H, s), 1.21 (3H, s), 1.1-1.7 (18H, m), 1.9-2.15 (2H, m), 2.15-2.35 (2H, m), 2.43 (1H, dd, J=7.7及び11Hz), 3.30 (1H, dd, J=3及び8.4Hz)。
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(61)
Figure 2008535812
ヘキサン中1.6Mブチルリチウムの溶液(0.14mL)を、テトラヒドロフラン(1.5mL)中のホスフィン(0.1308g, 0.224mmol)の溶液へ-70℃で添加した。10分後、テトラヒドロフラン(1.5mL)中のケトン60(0.0813g, 0.112mmol)の溶液を、15分かけて滴下した。イリド色は、3時間後には消失し、その結果pH7のリン酸緩衝液(2mL)を添加し、及び温度を0℃に上昇した。混合物を、ヘキサン(30mL)で平衡とし、有機層をブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物を得、これをフラッシュ-クロマトグラフィー(1:100酢酸エチル-ヘキサン)により精製した。Rf 0.33を伴うバンド(TLC 1:39酢酸エチル-ヘキサン)のみを、収集した。これらの画分を蒸発させ、化合物61を無色のシロップとして得た(0.070g, 57%):1H NMR δ0.06 (12H, brs), 0.53-0.64 (21H, m), 0.88 (18H, s), 0.92-0.97 (27H, m), 1.11 (3H, s), 1.177 (3H, s), 1.184 (3H, s), 1.195 (3H, s), 1-1.9 (22H, m), 1.98 (2H, m), 2.22 (1H, m), 2.45 (1H, m), 2.83 (1H, brd, J=13Hz), 3.27 (1H, d, J=6Hz), 4.19 (1H, m), 4.38 (1H, m), 4.87 (1H, brs), 5.18 (1H, brs), 6.02 (1H, d, J=11Hz), 6.24 (1H, d, J=11Hz)。
1,25-ジヒドロキシ-21(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-コレカルシフェロール(50)の合成
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液中の化合物61(0.068g, 0.06238mmol)の脱保護反応、それに続くTLC(酢酸エチル)を徐々に進行し、化合物50(Rf 0.19)を得た。この混合物を、25時間後ブライン(5mL)で希釈し、5分間攪拌し、酢酸エチル(35mL)及び水(15mL)で平衡とした。水層を、酢酸エチル(35mL)で1回再抽出し、一緒にした抽出物を、水(5x10mL)及びブライン(5mL)で洗浄し、その後乾燥及び蒸発させた。残渣を、1:1及び2:1酢酸エチル-ヘキサン、及び2:98メタノール-酢酸エチルの直線の段階勾配を用いる、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、残渣を得、これをギ酸メチルに溶解させ、蒸発させ、白色泡状物とした(30mg, 93%):[α]D+29.3°(メタノール, c 0.34);MHz 1H NMR : 0.55 (3H, s), 1.16 (3H, s), 1.21 (9H, s), 1.1-1.75 (22H, m), 1.80 (2H, m), 1.9-2.1 (5H, m), 2.31 (1H, dd, J=7及び13Hz ), 2.60 (1H, brd), 284 (1H, m), 3.29 (1H, d, J=9.5Hz ), 4.22 (1H, m), 4.43 (1H, m), 5.00 (1H, s), 5.33 (1H, s), 6.02 (1H, d, J=11Hz ), 6.02 (1H, d, J=11Hz); LR-ES(-) m/z: 564 (M+H2CO2), 563 M-H+ H2CO2);HR-ES(+)C32H54O5+Naの計算値: 541.3863;実測値541.3854;UVmax (ε): 211 (15017), 265 (15850), 204 sh (14127), 245 sh (13747)nm。
(合成実施例43)
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール(62)の合成
Figure 2008535812
[1R,3aR,7aR,4E]-4-{2(Z)-[3(S),5(R)-ビス-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチル-1-[5-メチル-1(S)-(4-メチル-4-トリエチルシラニルオキシ-ペンチル)-4(R),5-ビス-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン(63)
Figure 2008535812
ヘキサン中1.6Mブチルリチウムの溶液を、テトラヒドロフラン中のホスフィンの溶液へ-70℃で添加した。10分後、テトラヒドロフラン中の実施例2のケトン60の溶液を、15分かけて滴下した。イリド色が消失した後、pH7のリン酸緩衝液を添加し、温度を0℃に上昇した。この混合物を、ヘキサンで洗浄し、有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させ、無色の油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィー(1:100酢酸エチル-ヘキサン)により精製し、化合物63を得た。
1,25-ジヒドロキシ-21-(2R,3-ジヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-20S-19-ノル-コレカルシフェロール(62)
Figure 2008535812
化合物63の脱保護反応は、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液中で実行し、化合物62を得た。この混合物を、25時間後ブラインで希釈し、5分間攪拌し、その後酢酸エチル及び水で平衡とした。水層を、酢酸エチルで1回再抽出し、一緒にした抽出物を、水及びブラインで平衡とし、その後乾燥及び蒸発した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーにかけ、残渣を得、これをギ酸メチルに溶解させ、蒸発させ、化合物62を得た。
(合成実施例44)
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール(64)の合成
Figure 2008535812
(R)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-7-フェニルスルファニル-ヘプタン-2-オール(65)
Figure 2008535812
前記反応を、論文(Tet. Lett. 1975, 17: 1409-12)に記載されたように実行した。具体的には、50mLの丸底フラスコに、(R)-2-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-7a-メチルオクタヒドロインデン-1-イル]-6-メチルヘプタン-1,6-ジオール(1)(Eur. J. Org. Chem. 2004, 1703-1713) 1.54g (3.73mmol)及びジフェニルスルフィド2.45g (11.2mmol)を投入した。この混合物を、ピリジン5mLに溶解し、及びトリブチルホスフィン2.27g(11.2mmol, 2.80mL)を添加した。この混合物を一晩攪拌し、その後トルエン20mLで希釈し、蒸発させた。再度残渣をトルエンに溶解させ、蒸発させ、残存する液体を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:39、1:19及び1:9酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけ、標題化合物65をシロップとして得た(1.95g)。
(R)-7-ベンゼンスルホニル-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2-メチル-ヘプタン-2-オール(67)及び(1R,3aR,4S,7aR)-1-((R)-1-ベンゼンスルホニルメチル-5-メチル-5-トリエチルシラニルオキシ-ヘキシル)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン(68)
Figure 2008535812
1.95g(3.9mmol)の粗スルフィド65が入った500-mLの丸底フラスコに、ジクロロメタン84g(63mL)を混合した。この溶液を氷浴中で攪拌し、その後メタ-クロロ過安息香酸2.77g(11mmol)を一気に添加した。懸濁液を、氷浴中で40分間攪拌し、その後室温で2時間攪拌した。この反応を、TLC(1:19メタノール-ジクロロメタン)によりモニタリングした。反応期間の終了時に、ただ1個のスポットがRf 0.45で認められた。その後この懸濁液へ固形炭酸水素ナトリウム1.68g(20mmol)を添加し、この懸濁液を10分間攪拌し、その後水30mLを一気に添加し、連続して5分間激しく攪拌し、全ての固形物を溶解した。この混合物を更に、ヘキサン40mLに溶解し、30分間攪拌し、ヘキサン41.6gと共に分液ロートへ移した。下側層を廃棄し、上側層を飽和炭酸水素ナトリウム溶液25mLで洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、化合物67を3.48gを得た。この物質を、ヘキサンで摩砕し、濾過し、蒸発させ、濁ったシロップとして化合物67(2.81g)が残存し、これは次工程で直接使用した。
先に得られた化合物67の2.81gが入った100-mLの丸底フラスコに、N,N-ジメチルホルムアミド30mL、イミダゾール1.43g(21mmol)及び塩化トリエチルシリル1.75mL(10mmol)を投入した。この混合物を17時間攪拌し、その後氷水50gで希釈し、10分間攪拌し、更にブライン5mL及びヘキサン60mLで希釈した。水層を、ヘキサン20mLで再抽出し、両抽出物を一緒にし、水2x30mLで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この物質は、Rf 0.12 (1:39 酢酸エチル-ヘキサン)の大きいスポット及びRf 0.06の小さいスポットを含んだ。この物質を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:100、1:79、1:39及び1:19酢酸エチル-ヘキサンを段階勾配として使用するクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:39及び1:19酢酸エチル-ヘキサンで溶離し、化合物68を1.83g得た。
(R)-5-ベンゼンスルホニル-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-10-メチル-2-(R)-メチル-10-トリエチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3-ジオール(69)
Figure 2008535812
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した100-mLの3-首丸底フラスコに、スルホン68の1.7636g(2.708mmol)、トシレート1.114g (4.062mmol)及びベンゾフェノンケチルから新たに蒸留したテトラヒドロフラン50mLを投入した。この溶液を-20℃に冷却し、ヘキサン中1.6Mブチルリチウム溶液9.31mLを、≦-20℃で滴下した。-10〜-20℃の温度範囲を、5時間維持した。冷却浴を取り外し、飽和塩化アンモニウム溶液50mLを添加し、引き続き酢酸エチル75mL及び全ての塩を溶解するのに十分な水を添加した。有機層を、ブライン15mLで洗浄し、蒸発させ、無色の油状物とした。この残渣を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:9、1:6、1:4及び1:3酢酸エチル-ヘキサンを段階勾配として用いるクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:4及び1:3酢酸エチル-ヘキサンで溶離し、無色のシロップとして化合物69を1.6872g得た。
(S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-10-メチル-2-(R)-メチル-10-トリエチルシラニルオキシ-ウンデカン-2,3-ジオール(70)
Figure 2008535812
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した25-mLの2-首丸底フラスコに、スルホン69の1.6872g (2.238mmol)及びメタノール40mLを投入した。その後この攪拌溶液へ、マグネシウム1.25g(51.4mmol)をふたつの等量で、30分間隔で投入した。この懸濁液を70分間撹拌し、別のマグネシウム0.17g及びメタノール約5mLを添加し、連続して1時間攪拌した。その後この混合物を、ヘキサン100mLで希釈し、及び1M硫酸50mLを滴下し、2種の液相を得た。水層は中性であった。水層は、1:1ジクロロメタン-ヘキサン25mLで再抽出した。その後有機層を一緒にし、ブライン15mLで1回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。得られた物質を、シリカゲル上で、ヘキサン、1:39、1:19及び1:9酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:9酢酸エチル-ヘキサンで溶離し、化合物70の1.2611gを無色のシロップとして生じた。
(S)-6-[(1R,3aR,4S,7aR)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル]-2,10-ジヒドロキシ-2,10-ジメチル-ウンデカン-3-オン(71)
Figure 2008535812
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した25-mLの丸底フラスコに、N-クロロスクシンアミド518mg (3.88mmol)及びトルエン11mLを投入した。5分間攪拌し(全て溶解せず)、その後0℃に冷却し、トルエン中の2Mジメチルスルフィド溶液2.4mL(4.8mmol)を添加した。この混合物を5分間攪拌し、その後-30℃に冷却し、トルエン4x1.5mL中のジオール70の0.7143g (1.165mmol)溶液を、-30℃で滴下した。この温度で1時間連続攪拌した。次に混合物を、2時間かけて-10℃に温め、その後-17℃に冷却し、トルエン中の2Mトリエチルアミン3.20mL(6.4mmol)を滴下した。この混合物を、-17〜-20℃で10分間攪拌し、その後徐々に室温に温めた。混合物を、シリカゲルカラム上で、ヘキサン、1:79、1:39、1:19、1:9、1:4、及び1:1酢酸エチル-ヘキサンを段階勾配として使用するクロマトグラフィーにかけた。主要バンドは、1:1酢酸エチル-ヘキサンで溶離し、化合物71を固形物として0.3428g生じた。
(S)-2,10-ジヒドロキシ-6-((1R,3aR,4S,7aR)-4-ヒドロキシ-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル)-2,10-ジメチル-ウンデカン-3-オン(72)
Figure 2008535812
磁気撹拌子を装着した25-mL丸底フラスコに、ジオール71 0.3428g(0.69mmol)を投入し、アセトニトリル5mL、次にフルオロケイ酸溶液1.25mLに溶解した。3時間後、混合物を、酢酸エチル35mLと水10mLの間で分配し、水層を、酢酸エチル10mLで再抽出し、有機層を一緒にし、水2x5mL、1:1ブライン-飽和炭酸水素ナトリウム溶液5mLで1回洗浄し、乾燥し、蒸発させた。この物質を、シリカゲル上で、1:4、1:3、1:2、及び1:1の段階勾配を用いてクロマトグラフィーにかけ、標題化合物72 0.2085gを得た。
(1R,3aR,7aR)-1-[(S)-5-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンチル)-5-メチル-4-オキソ-ヘキシル]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-4-オン(73)
Figure 2008535812
25-mL丸底フラスコに、化合物72の0.2153g(0.56mmol)、ジクロロメタン5mL、セライト0.20gを投入した。この攪拌懸濁液へ、重クロム酸ピリジニウム1.00g (2.66mmol)を一気に添加した。この反応液を3時間攪拌し、進行をTLC(1:1酢酸エチル-ヘキサン)によりモニタリングした。反応混合物を、シクロヘキサン5mLで希釈し、シリカゲルGを通して濾過した。このカラムを、流出液中に溶質が検出されなくなるまで、ジクロロメタン、引き続き1:1酢酸エチル-ヘキサンで溶離した。流出液を蒸発させ、無色の油状物とした。この油状物を、次にシリカゲル上で、1:4、1:3、1:2、1:1及び2:1酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけ、ジケトン73を0.2077g得た。
(1R,3aR,7aR)-7a-メチル-1-[(S)-5-メチル-1-(4-メチル-4-トリメチルシラニルオキシ-ペンチル)-4-オキソ-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘキシル]-オクタヒドロ-インデン-4-オン(74)
Figure 2008535812
25-mLの丸底フラスコへ、ジケトン73を0.2077g(0.545mmol)投入した。この物質を、テトラヒドロフラン0.5mL及びシクロヘキサン3mLの混合物に溶解した。得られた混合物へ、TMS-イミダゾール0.30mL(2.0mmol)を添加した。10時間後、反応混合物を、ヘキサン3mLで希釈し、次に濃縮し、シリカゲル上で、ヘキサン、1:79、1:39、1:19及び酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を使用するクロマトグラフィーにかけ、無色の油状物として化合物74を0.2381g得た。
(S)-6-((1R,3aS,7aR)-4-{2-[(R)-3-((R)-tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-5-(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)-シクロヘキシリデン]-エチリデン}-7a-メチルオクタヒドロインデン-1-イル)-2,10-ジメチル-2,10-ビス-トリメチルシラニルオキシウンデカン-3-オン(75)
Figure 2008535812
磁気攪拌子、温度計、並びにゴム隔壁及び窒素掃引を備えるクライゼンアダプターを装着した15-mLの3-首梨型フラスコに、[2-[(3R,5R)-3,5-ビス(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ)シクロヘキシリデン]エチル]ジフェニルホスフィンオキシド0.2722g(0.4768mmol)及びテトラヒドロフラン2mLを投入した。この溶液を、-70℃に冷却し、ヘキサン中の1.6Mブチルリチウム0.30mLを添加した。この深紅の溶液を、その温度で10分間攪拌し、その後テトラヒドロフラン2mL中に溶解したジケトン74の0.1261g (0.240mmol)を、シリンジにより10分間かけて滴下した。3時間15分後、飽和塩化アンモニウム溶液5mLを、-65℃で添加し、この混合物を、10℃に温め、その後ヘキサン35mL及び水10mLの間で分配した。水層を、ヘキサン10mLにより1回再抽出し、一緒にした層を、pH7緩衝液2mLを含有するブライン5mlで洗浄し、その後乾燥及び蒸発させた。この物質を、15x150mmのフラッシュカラム上、ヘキサン及び1:100酢酸エチル-ヘキサンの段階勾配を用いるクロマトグラフィーにかけ、標題化合物75の0.1572gを無色のシロップとして得た。
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-19-ノル-コレカルシフェロール(64)
Figure 2008535812
磁気撹拌子を装着した15-mLの3-首丸底フラスコに、テトラシリルエーテル75を155mg(0.17mmol)投入した。この無色の残渣を、テトラヒドロフラン中の1Mフッ化テトラブチルアンモニウム溶液2mLに溶解した。43時間後、追加のフッ化テトラブチルアンモニウム1M溶液0.5mLを添加し、攪拌を5時間継続した。明黄褐色溶液を、ブライン5mLで希釈し、5分間攪拌し、分液ロートへ酢酸エチル50mL及び水5mLと共に移し、その後酢酸エチル5mLで再抽出した。有機層を一緒にし、水5x10mL、ブライン10mLで洗浄し、乾燥し蒸発させた。得られた残渣を、15x123mmカラム上で、2:3、1:1、2:1酢酸エチル-ヘキサン、及び酢酸エチルの段階勾配を用いるクロマトグラフィーにかけ、化合物64を白色固形物として得(TLC, 酢酸エチル, Rf 0.23)、これをギ酸メチルに溶解させ、濾過し、蒸発させて、標題化合物64の0.0753gを固形物として得た。
(合成実施例45)
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール(76)の合成
Figure 2008535812
(S)-6-{(1R,3aS,7aR)-4-[2-[(R)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-((S)-tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-2-メチレン-シクロヘキシリデン]-エタ-(E)-イリデン]-7a-メチル-オクタヒドロ-インデン-1-イル}-2,10-ジメチル-2,10-ビス-トリメチルシラニルオキシ-ウンデカン-3-オン(77)
化合物77を、化合物74を[(2Z)-2-[(3S,5R)-3,5-ビス(tert-ブチルジメチルシラニルオキシ) メチレンシクロヘキシリデン]-エチル]ジフェニルホスフィンオキシドと反応させる以外は、実施例4において化合物75について説明したように調製した。
1,25-ジヒドロキシ-20S-21(3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチル)-24-ケト-コレカルシフェロール(76)
化合物76は、実施例44において化合物64に関し説明したように、化合物77を脱保護することにより、化合物77から調製した。
(合成実施例46)
1α,25-ジヒドロキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(78)の合成。化合物(78)を、下記合成手順に従って合成した。
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(15 mL)中の(3aR, 4S,7aR)-1-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル])-シクロプロピル}-エチニル(1.0 g, 2.90 mmol)の撹拌溶液に、-78℃で、n-BuLi(2.72 mL, 4.35 mmol , ヘキサン中1.6M)を加えた。-78℃で1時間撹拌後に、アセトン(2.5 mL, 34.6 mmol)を加え、かつ撹拌を2.5時間続けた。NH4Cl水溶液(15 mL)を加え、かつ混合物を15分間室温で撹拌し、次にAcOEt(2x50 mL)で抽出した。一緒にした抽出液をブライン(50mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥させた。溶媒蒸発後の残渣を、FC(50g, ヘキサン中10% AcOEt)で精製し、(3aR,4S,7aR)-5-{1-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-1-イル]-シクロプロピル}-2-メチル-ペンタ-3-イン-2-オール(1.05 g, 2.61 mmol)を与えた。それをフッ化テトラブチルアンモニウム (6 mL, 6 mmol, THF中1.0M)で処理し、かつ65〜75℃で48時間撹拌した。混合物をAcOEt(25 mL)で希釈し、かつ水(5x25 mL)、ブライン(25 mL)で洗浄した。一緒にした水相をAcOEt(25 mL)で抽出し、かつ一緒にした有機相をNa2SO4で乾燥させた。溶媒蒸発後の残渣(1.1 g)をFC(50g, ヘキサン中20% AcOEt)で精製し、標題化合物を与えた(0.75 g, 2.59 mmol, 90 %)。
[α]30 D= +2.7 c 0.75, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.50 (1H, m), 4.18 (1H, m), 2.40 (2H, s), 2.35-1.16 (11H, m), 1.48 (6H, s), 1.20 (3H, s), 0.76-0.50 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 156.39, 125.26, 86.39, 80.19, 69.21, 65.16, 55.14, 46.94, 35.79, 33.60, 31.67, 29.91, 27.22, 19.32, 19.19, 17.73, 10.94, 10.37;
MS HREI C22H28O2の計算値 M+ 288.2089;実測値 M+ 288.2091。
Figure 2008535812
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(-4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2-イニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール(0.72 g, 2.50 mmol)、酢酸エチル(10 mL)、ヘキサン(24 mL)、無水エタノール(0.9 mL)、キノリン(47 μL)、及びリンドラー触媒(156mg, CaCO3上の5% Pd)の混合物を、室温で2時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、このパッドを、AcOEtで洗浄した。濾液及び洗浄液を一緒にし、1M HCl、NaHCO3及びブラインで洗浄した。Na2SO4で乾燥後、溶媒を蒸発させ、残渣(0.79g)を、FC(45g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、標題化合物(640mg, 2.2mmol, 88%)を得た。
Figure 2008535812
(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンタ-2Z-エニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール (100 mg, 0.34 mmol)、1,4-ビス(ジフェニル-ホスフィノ)ブタン-1,5-シクロオクタジエンロジウムテトラフルオロボレート(25mg,0.034mmol)、ジクロロメタン(5mL)及び水銀1滴の混合物を、Paar装置を用い、室温及び圧力50p.s.i.で3時間水素化した。反応混合物を、セライトパッドを通して濾過し、これを酢酸エチルで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を、蒸発乾固させ(110mg)、FC(10g, ヘキサン中20%AcOEt)で精製し、標題化合物(75mg, 0.26mmol, 75%)を得た。[α]30 D=-8.5 c 0.65, CHCl31H NMR (CDCl3): 5.37 (1H, m,), 4.14 (1H, m), 2.37-1.16 (17H, m), 1.19 (6H, s), 1.18 (3H, s), 0.66-0.24 (4H, m);
MS HREI C19H32O2の計算値 M+H 292.2402;実測値 M+H 292.2404。
Figure 2008535812
ジクロロメタン(10mL)中の(3aR, 4S,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール (440 mg, 1.50 mmol)及びセライト(2.0g)の攪拌懸濁液へ、室温で、重クロム酸ピリジニウム(1.13 g, 3.0 mmol)を添加した。得られた混合物を5時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、その後シリカゲルパッドをヘキサン中20%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、粗(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(426 mg, 1.47 mmol, 98 %)を得た。ジクロロメタン(15mL)中の(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-(4-ヒドロキシ-4-メチル-ペンテニル)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(424 mg, 1.47 mmol)の攪拌溶液へ、室温で、トリメチルシリル-イミダゾール(0.44 mL, 3.0 mmol)を添加した。得られた混合物を1.0時間攪拌し、シリカゲル(10g)を通して濾過し、シリカゲルパッドをヘキサン中10%AcOEtで洗浄した。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物(460 mg, 1.27 mmol, 86 %)を得た。[α]29 D=-9.9 c 0.55, CHCl3. 1H NMR (CDCl3): 5.33 (1H, dd, J=3.2, 1.5 Hz), 2.81 (1H, dd, J= 10.7, 6.2 Hz), 2.44 (1H, ddd, J=15.6, 10.7, 1.5 Hz), 2.30-1.15 (13H, m) 重なり 2.03 (ddd, J= 15.8, 6.4, 3.2 Hz), 1.18 (6H, s), 0.92 (3H, s), 0.66-0.28 (4H, m), 0.08 (9H, s); 13C NMR (CDCl3): 211.08 (0), 155.32(0), 124.77(1), 73.98(0), 64.32(1), 53.91(0), 44.70(2), 40.45(2), 38.12(2), 34.70(2), 29.86(3), 29.80(3), 26.80(2), 24.07(2), 22.28(2), 21.24(0), 18.35(3), 12.60(2), 10.64(2), 2.63 (3); MS HRES C22H38O2Siの計算値 M+ 362.2641;実測値 M+ 362.2648。
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン(8mL)中の(1S,5R)-1,5-ビス-((tert-ブチルジメチル)シラニルオキシ)-3-[2-(ジフェニルホスフィノイル)-エタ-(Z)-イリデン]-2-メチレン-シクロヘキサン(675 mg, 1.16 mmol)の-78℃の攪拌溶液へ、n-BuLi(0.73 mL, 1.17 mmol)を添加した。得られた混合物を15分間撹拌し、かつ(3aR,7aR)-7a-メチル-1-[1-( 4-メチル-4-triメチルシラニルオキシ-pentyl)-シクロプロピル]-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オン(テトラヒドロフラン(2mL)中、210 mg, 0.58 mmol)を滴下して加えた。反応混合物を、-72℃で3.5時間攪拌し、ヘキサン(35mL)で希釈し、ブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒の蒸発後、残渣(850mg)を、FC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)により精製し、1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(382 mg, 0.53 mmol)を得た。1α,3β-ジ(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-25-トリメチルシラニルオキシ-16-エン-20-シクロプロピル-コレカルシフェロール(382 mg, 0.53 mmol)にフッ化テトラブチルアンモニウム(4 mL, 4 mmol, THF中1M溶液)を室温で加えた。混合物を15分間撹拌し、AcOEt(25 mL)で希釈し、水(5x20 mL)、ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥させた。溶媒蒸発後の残渣(380 mg)をFC (15g,ヘキサン及びAcOEt中50% AcOEt)で精製し、標題化合物(78)(204 mg, 0.48 mmol, 83 %)を得た。
[α]29 D=+16.1 c 0.36, EtOH. UV λmax (EtOH): 208 nm (ε 17024), 264 nm (ε 16028); 1H NMR (CDCl3): 6.37 (1H, d, J=11.3 Hz), 6.09 (1H, d, J=11.1 Hz), 5.33 (2H, m), 5.01 (1H, s), 4.44 (1H, m), 4.23 (1H, m), 2.80 (1H, m), 2.60 (1H, m), 2.38-1.08 (20H, m), 1.19 (6H, s), 0.79 (3H, s ),0.66-0.24 (4H, m); 13C NMR (CDCl3): 157.07(0), 147.62(0), 142.49(0), 133.00(0), 124.90(1), 124.73(1), 117.19(1), 111.64(2), 71.10(1), 70.70(0), 66.88(1), 59.53(1), 50.28(0), 45.19(2), 43.85(2), 42.86(2), 38.13(2), 35.59(2), 29.27(2), 29.14(3), 28.65(2), 23.57(2), 22.62(2), 21.29(0), 17.84(3), 12.74(2), 10.30(2); MS HRES C28H42O3の計算値 M+Na 449.3026;実測値 M+Na 449.3023。
(合成実施例47)
1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(79)(化合物 A)の合成
化合物(79)を下記合成手順に従って合成する。
Figure 2008535812
ジクロロメタン(10mL)中の11-(5-ヒドロキシ-1,5-ジメチル-ヘキサ-3-エニル)-7a-メチル-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-3H-インデン-4-オール及びセライトの攪拌懸濁液に、室温で、重クロム酸ピリジニウムを添加する。得られた混合物を、5時間攪拌し、シリカゲルを通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中の20%AcOEtで洗浄する。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、ケトンを得る。ジクロロメタン中のケトンの撹拌溶液に、室温で、トリメチルシリル-イミダゾールを加える。得られた混合物を1.0時間撹拌し、シリカゲルを通して濾過し、その後シリカゲルパッドを、ヘキサン中の10%AcOEtで洗浄する。一緒にした濾液及び洗浄液を蒸発させ、標題化合物を得る。
Figure 2008535812
テトラヒドロフラン中のtert-ブチル-{3-[2-(ジフェニル-ホスフィノイル)-エチリデン]-5-フルオロ-4-メチレン-シクロヘキシルオキシ}-ジメチル-シランの-78℃の攪拌溶液へ、n-BuLiを添加する。得られた混合物を15分間撹拌し、かつテトラヒドロフラン中の1-(5-エチル-1-メチル-5-トリメチルシラニルオキシ-ヘプタ-3-エニル)-7a-メチル-3,3a,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-インデン-4-オン(210 mg, 0.58 mmol)を滴下して加える。反応混合物を-78℃で3.5時間撹拌し、ヘキサンで希釈し、ブラインで洗浄し、かつNa2SO4で乾燥させた。溶媒蒸発後の残渣をFC(15g, ヘキサン中10%AcOEt)で精製し、シリル化化合物を得る。該シリル化化合物にフッ化テトラブチルアンモニウムを室温で加える。混合物を15時間撹拌し、AcOEt(25 mL)で希釈し、かつ水(5x20 mL)、ブライン(20 mL)で洗浄し、かつNa2SO4で乾燥する。溶媒蒸発後の残渣(380 mg)をFC(15g, ヘキサン及びAcOEt 中50% AcOEt)で精製し、標題化合物(79)を得る。
(生物学的実施例)
(実施例1)
(材料及び方法)
(間質細胞調製)
組織を静かに小片(1〜2 mm3)に細分化し、かつA型コラゲナーゼ0.1%を用いて1時間37℃でインキュベートした。インキュベーション後に、1Gで10分間の異なる沈降作用により、上皮の大きな凝集塊から単一間質細胞を分離した。次に、主に間質細胞を含む培地上部8 mlをゆっくりと取り出し、該細胞を、遠心分離により回収した。間質細胞の豊富なフラクションを倍地中で2回洗浄し、15分間、組織培養皿に選択的に接着させた。その後、まだ存在する非付着上皮細胞を除去し、該培養皿の表面上で、精製間質細胞調製物を得た。
(全RNA抽出)
細胞を3% FBS DMEM(化合物A非含有、1uM濃度の化合物A含有、又は0.1 uM濃度の化合物A含有)中、又は10% FBS DMEM(化合物A非含有、1uM濃度の化合物A含有、又は0.1 uM濃度の化合物A含有)中、37℃でインキュベートした。4又は8時間のインキュベーション後に、細胞をトリプシン処理し、細胞ペレットとして回収した。
全RNA抽出のために、下記で簡潔に記載するRNeasyミニキット(RNeasy Mini Kit)QIAGEN (cat.no. 74106)を使用した。
緩衝液RLT(Buffer RLT)の添加により細胞を破壊し、かつ溶解物を、2 mlコレクションチューブ(collection tube)に配置したQIAshredderスピンカラム(QIAGEN cat.no.79656)にロードし、最大速度で2分間、遠心分離した。多量の70%エタノールをそのホモジナイズ溶解物に加えた。そのサンプルを、2 mlコレクションチューブに配置したRNeasyミニカラム(RNeasy mini column)にロードし、>10000 rpmで15秒間、遠心分離した。該カラムに結合したRNAをDNase処理により消化した。該カラムを緩衝液RW1(Buffer RW1)で洗浄し、かつ>10000 rpmで15秒間、遠心分離した。該サンプルをDNase I混合(RNase-Free Dnase Set QIAGEN cat.no.79254)を用いて、室温で15分間インキュベートした。RNeasyミニカラムを緩衝液RW1で洗浄し、かつ新たなコレクションチューブ内に移動させた。該カラムを緩衝液RPE(Buffer RPE)で2度洗浄し、かつ>10000 rpmで15秒間、遠心分離した;RNaseフリーの水を、該カラムにロードし、かつ>10000 rpmで1分間の遠心分離後にRNAを溶出した。RNA濃度は、ナノドロップ分光光度計(NanoDrop Spectrophotometer)で評価した。
(cDNA合成)
cDNA合成を、キットアプライドバイオシステムズTaqMan逆転写試薬(kit Applied Biosystems TaqMan Reverse Transcription Reagents)(Applied Biosystems cat.no.8080234)を用いて行った。
全RNA 1μgをRT緩衝液1X(RT Buffer 1X)、MgCl2 5.5 mM、dNTPs 500 uM、ランダムヘキサマー(Random Hexamers) 2.5 uM、RNase阻害剤 40 U、及びマルチスクライブ逆転写(Multiscribe Reverse Transcription) 125 Uを含む、最終液量100μlのRT混合物中でレトロ転写した。該混合物を、室温で10分間、続いて、48℃で30分間インキュベートした;得られたcDNA濃度は、10 ng/μlであった。
(遺伝子発現定量化のためのリアルタイムPCR)
リアルタイムPCRを、ABI PRISM 7000 配列検出システム(ABI PRISM 7000 Sequence Detection System)(Applied Biosystems)を用いて行った。cDNA 30 ngを、TaqMan ユニバーサルPCRマスターミックス1X(TaqMan Universal PCR Master Mix 1X)(Applied Biosystems cat.no.4304437)、及びアッセイミックス標的遺伝子1X(Assay Mix target gene 1X)(Applied Biosystems)を含む液量25μl中で増幅した。分析した遺伝子は、ビタミンD受容体(VDR)、シトクロムP450(CYP24)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、及びエストロゲン受容体アルファ(ERα)、エストロゲン受容体ベータ(ERβ)、プロゲステロン受容体(PR)、アロマターゼ(CYP19)、シクロオキシゲナーゼ2型(COX-2)、インターロイキン-8(IL-8)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF α)、カスパーゼ-3(CASP3)、カスパーゼ-6(CASP6)、Ki-67核抗原(Ki-67)を含む。
サンプルを2分間50℃で、10分間95℃でインキュベートし、かつ95℃で15秒(変性)、及び60℃で1分間(アニーリング/伸長)を40サイクルして増幅した。遺伝子発現量を、rRNA 18S遺伝子発現に対して規格化し、かつ相対的定量のために比較CT法(User Bulletin #2 ABI PRISM 7000 Sequence Detection System)を使用した。
(インビトロにおける子宮内膜間質細胞の増殖)
該細胞を、10%ウシ胎児血清(SIGMA)、及び100 U/ml ペニシリン、100μg/ml ストレプトマイシン (GIBCO cat.no. 15140-122)で補ったDMEM中に保持した。
該間質細胞を集密に成長させた時、PBS中で洗浄し、次に1Xトリプシン/EDTA溶液(PromoCell cat.no.C-41002)を用いてトリプシン処理した。該細胞を、DMEM、5%ウシ胎児血清、及び異なる濃度(1uM-0.1nM)のVDRリガンド(化合物A)中の96ウェル平底プレート中に、1x105細胞/mlで播種した。48〜96時間後に、上清を収集し、かつ該プレートを、増殖の測定のために-80℃で保存した。該増殖を、CyQuant細胞増殖アッセイ(CyQuant Cell Proliferation Assay)(Molecular Probe cat.no.C7026)で測定した。該プレートを室温で解凍し、かつ各サンプルウェルに、200 uL のCyQUANT GR染料/細胞溶解緩衝液を加えた。該プレートを、光を防御して、2〜5分間室温でインキュベートした。
蛍光は、〜480nm励起及び〜520nm発光に適切なフィルターを有する蛍光マイクロプレートリーダーを用いて測定した。
(ELISA Hu-IL-8)
IL-8を、ヒトIL-8 ELISAセット(Human IL-8 ELISA Set)(BD OptEIA BD Biosciences cat. No.555244)を用いて検出した。
プレートを、コーティング緩衝液(0.1 M Sodium Carbonate, pH 9.5)で1:250に希釈した100μlの捕捉抗ヒトIL-8でコーティングし、かつ4℃で一晩インキュベートした。洗浄後に、プレートを、200μlのアッセイ希釈剤(Assay Diluent)(10% FBSを有するPBS, pH 7.0)の添加により、室温で1〜2時間ブロッキングした。上清を捨て、かつ100μlの標準液(200 pg/ml〜3.1 pg/mlの組換えヒトIL-8)、又はアッセイ希釈剤で1:2に希釈したサンプルを加えた。プレートを、室温で2時間インキュベートした。洗浄後に、100μlの検出抗体(検出抗体(Detection Antibody)1:250 + SAv-HRP試薬1:250)を加え、かつ室温で1時間インキュベートした。
プレートを洗浄し、かつ各ウェルに100μlの基質溶液(Substrate Solution)を加えた。比色反応を停止溶液(Stop Solution)(H2SO4 1M)で遮断した。マイクロタイタープレートリーダーを用いて、405 nmで、光学密度を測定した。
(子宮内膜症のインビボモデル)
Balb/cドナーマウスに、エストロゲン(エストラジオールAMSA; 3μg/マウス)を注射し、一週間後に犠牲にし、かつ子宮を取り出し、2つの子宮角を単離し、かつ小断片にした。その単離子宮角の該断片を、アンピリシン含有生理食塩水(1 mg/ml)中に再懸濁化し、次に麻酔した2匹のレシピエントBalb/cマウスの腹壁を0.5 cm切開して、腹膜に注射した。子宮内膜増殖のために、2週の間、週に1回、エストロゲンを皮下に注射した。手術日、及びその次の日に、抗生物質(アンピリシン1 mg/ml)を投与した。手術4時間後から、腹腔内に2週の間、週5日、1日に1度、各ペアのうちの1匹のマウスに試験化合物(100μg/kg)を注射し、他方のマウスにコントロールを注射した。2週間後に、マウスに致死量の麻酔薬を投与し、かつマウスの腹部を開き、病変の存在を調べた。病変は、主に腹壁、膵臓、及び子宮周囲に見出される半透明の単離嚢胞又は集団嚢胞として確認され得る。幾つかの場合において、病変は壊死である。病変を慎重に取り出し、かつガラススライドに乗せ、48時間乾燥し、次に重量を測定した。他の実施態様において、遺伝子発現分析のために、病変を溶菌液に移し、mRNAを単離した。免疫組織化学的分析のために、病変を単離後すぐに凍結させた。
(結果)
(病変重量)
図1は、コントロール(ビヒクルのみ)を用いた処置に対する、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(化合物A)を用いた処置の効果を示す。図1Aは、マウスの17ペアの全データセットを示す。図1Bは、コントロールパートナーに対する、処置マウスの病変増加阻害割合としてのデータを示す。図1Cは、処置及びコントロールグループに対する平均を示す。統計分析は、ビタミンD化合物で処置されたマウスの病変重量において、有意な減少を示している(p=0.0034 対t検定(paired t test)、及びp=0.020 不対t検定(unpaired t test))。
(インビトロにおける子宮内膜間質細胞の増殖)
図2は、子宮内膜間質細胞の増殖に対する、異なる濃度のビタミンD化合物(化合物A)を用いた処置に対して観察された細胞増殖レベルを示す(パネルA-ユトピック子宮内膜(Eutopic endometrium)。パネルB-異所性子宮内膜(Ectopic endometrium)。使用した少ないデータセットのために、結果において一定の変動があるが、化合物Aを用いた処置では、一般に、ユトピック(図2A)、及び異所性(図2B)子宮内膜の細胞増殖が減少された。図2Bは、この効果が、用量依存様式において生じ得ることを示唆している。
観念的に、ビタミンD化合物での処置は、ユトピック細胞増殖の減少よりも、異所性細胞増殖の優先的減少を生じる。
(遺伝子発現定量)
図3は、未処置グループ、1 uMの化合物Aで処置されたグループ、及び0.1 uMの化合物Aで処置されたグループに対する、VDR(パネルA)、VEGF(パネルB)、Cyp24(パネルC)、及びCyp19(パネルD)の発現レベルを示す。
Cyp24発現の顕著な上方制御が、図3Cに示され得る。VDR、VEGF、又はCyp19の発現は、ほとんど変化がないことが観察された。
(ビタミンD化合物の効果)
子宮内膜症のインビボモデルにおいて、試験ビタミンD化合物は、全病変重量を有意に減少させることを明確に示し得る。
従って、該データは、子宮内膜症の予防及び治療において、ビタミンD化合物の使用の潜在性を示している。
(実施例2)
(材料及び方法)
(子宮内膜症のインビボモデル)
Balb/cドナーマウスに、エストロゲン(エストラジオールAMSA; 3μg/マウス)を注射し、一週間後に犠牲にし、かつ子宮を取り出し、2つの子宮角を単離し、かつ小断片にした。その単離子宮角の該断片を、アンピリシン含有生理食塩水(1 mg/ml)中に再懸濁化し、次に麻酔した2匹のレシピエントBalb/cマウスの腹壁を0.5 cm切開して、腹膜に注射した。子宮内膜増殖のために、2週の間、週に1回、エストロゲンを皮下に注射した。手術日、及びその次の日に、抗生物質(アンピリシン1 mg/ml)を投与した。手術4時間後から、腹腔内に2週の間、週5日、1日に1度、各ペアのうちの1匹のマウスに試験化合物(100μg/kg)を注射し、他方のマウスにコントロールを注射した。試験化合物の投与量レベルを、問題となる化合物の最大許容レベルとした。すなわち、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(化合物A)100μg/kg、カルシトリオール(化合物B)0.3μg/kg、及び1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロール(化合物C)3μg/kgである。2週間後に、マウスに致死量の麻酔薬を投与し、かつマウスの腹部を開き、病変の存在を調べた。病変は、主に腹壁、膵臓、及び子宮周囲に見出される半透明の単離嚢胞又は集団嚢胞として確認され得る。幾つかの場合において、病変は壊死である。病変を慎重に取り出し、かつガラススライドに乗せ、48時間乾燥し、次に重量を測定した。
(結果)
図4は、コントロール(ビヒクルのみ)を用いた処置に対する、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール(化合物 A)を用いた処置の効果を示す。図4Aは、各グループにおける24匹のマウスの全データセットを示す。図4Bは、処置及び未処置マウスにおける平均病変重量としてのデータを示す(平均、及び標準誤差を示す。)。図4Cは、処置グループと未処置グループとの間の病変重量における相対的減少を示す(平均、及び標準誤差を示す。)。対の動物間の病変重量減少を計算した:100μg/kgの化合物Aが、子宮移動後2週間投与された場合、病変重量を51±11%(平均±標準誤差)減少させることができる(平均病変重量:ミグリオール処置動物、及び化合物A処置動物において、それぞれ、8.452±1.039 mg 対 3.527±0.5400 mg)。統計分析は、ビタミンD類似体化合物で処置されたマウスの病変重量において、有意な減少を示している(p=0.0001 対t検定、及びp=0.0001 不対t検定)。
図5は、コントロール(ビヒクルのみ)を用いた処置に対する、カルシトリオール(化合物B)を用いた処置の効果を示す。図5Aは、各グループにおける7匹のマウスの全データセットを示す。図5Bは、処置及び未処置マウスにおける平均病変重量としてのデータを示す(平均、及び標準誤差を示す。)。図5Cは、処置グループと未処置グループとの間の病変重量における相対的減少を示す(平均、及び標準誤差を示す。)。また、統計分析は、ビタミンD類似体(この場合において化合物B)で処置されたマウスの病変重量において、有意な減少を示している(p=0.0207 不対t検定、及びp=0.0252 対t検定)。
図6は、コントロール(ビヒクルのみ)を用いた処置に対する、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロール(化合物C)を用いた処置の効果を示す。図6Aは、各グループにおける9匹のマウスの全データセットを示す。図6Bは、処置及び未処置マウスにおける平均病変重量としてのデータを示す(平均、及び標準誤差を示す。)。図6Cは、処置グループと未処置グループとの間の病変重量における相対的減少を示す(平均、及び標準誤差を示す。)。統計分析は、ビタミンD類似体化合物Cで処置されたマウスの病変重量において、有意な減少がないことを示している(p=0.1122 不対t検定、及びp=0.0781 対t検定)。
(ビタミンD化合物の効果)
実施例2は、一連のビタミンD化合物が、本発明に使用することができることを示している。3つの試験化合物の各々は、病変重量減少を生じるが、これは、化合物Aでの処置(その低い関連毒性のために、他の化合物よりも高投与量レベルで投与することができる。)に次いで最も顕著である。
(実施例3)
(材料及び方法)
(用量/反応分析)
Balb/cドナーマウスに、エストロゲン(エストラジオールAMSA; 3μg/マウス)を注射し、一週間後に犠牲にし、かつ子宮を取り出し、2つの子宮角を単離し、かつ小断片にした。その単離子宮角の該断片を、アンピリシン含有生理食塩水(1 mg/ml)中に再懸濁化し、次に麻酔した2匹のレシピエントBalb/cマウスの腹壁を0.5 cm切開して、腹膜に注射した。子宮内膜増殖のために、2週の間、週に1回、エストロゲンを皮下に注射した。手術日、及びその次の日に、抗生物質(アンピリシン1 mg/ml)を投与した。手術4時間後から、腹腔内に2週の間、週5日、1日に1度、各マウスに化合物A、又はコントロールを注射した。
2週間後に、マウスに致死量の麻酔薬を投与し、かつマウスの腹部を開き、病変の存在を調べた。病変は、主に腹壁、膵臓、及び子宮周囲に見出される半透明の単離嚢胞又は集団嚢胞として確認され得る。幾つかの場合において、病変は壊死である。病変を慎重に取り出し、かつガラススライドに乗せ、48時間乾燥し、次に重量を測定した。各グループにおいて、少なくとも10匹の試験動物を使用した。
(処置様式)
100 μg/kgの化合物Aを用いてさらなる実験を行ったが、該ビタミンD化合物の投与開始時、及び投与中断時点で変動する。特に:(i)子宮断片注射前1週間の投与、(ii)子宮断片注射後1週間の投与、(iii)子宮断片注射前1週間、及び後2週間の投与、(iv)子宮断片注射2日後に開始された2週間の投与、(v)子宮断片注射2週間後に開始された2週間の投与。これらの実験において、対象は、注射2週間後、又はそれぞれに見合った処置期間の最後に犠牲にした。
(結果)
100 μg/kgの最大許容投与量までの化合物Aの4つの異なる濃度の効果を図7に示す。平均及び標準誤差を示す。この結果は、試験化合物の高投与量で、大きな病変重量減少を生じる、典型的な用量/反応プロファイルである。注目すべきは、病変重量が、最大許容投与量未満の投与量レベルで減少するというという事実である(すなわち、1/10 MTDで約20%、約1/3 MTDで約35%)。
図8は、病変重量減少における、異なる処置時期の効果を示す。化合物Aを用いた先処置(グループ(i))は、2週間後の病変重量が40%になる。子宮移動時に開始する2週間の化合物Aでの処置(グループ(ii))は、病変重量の48%の減少を示す。子宮移動前1週間及び後2週間の動物の3週間の処置(グループ(iii))により、最大効果が得られる。また、化合物Aは、子宮内膜嚢胞が定着された場合、動物処置を子宮移動2日後(グループ(iv)、35%減少)、又は2週間後(グループ(v)、34%減少)に開始しても、効果的である。
(ビタミンD化合物の効果)
化合物Aは、マウスモデルにおいて、たとえ最大許容投与量未満(それ以上では、該化合物は高カルシウムを生じる。)であっても子宮内膜症の治療に効果的である。さらに、化合物Aで前処置及び後処置が与えられた場合に観測される最大減少とともに、前処置及び後処置の双方が病変重量を減少するという事実に基づき、化合物Aは、該障害の治療及び/又は予防、双方に使用されることが期待され得る。
(実施例4)
(材料及び方法)
(細胞接着)
対の動物を、1日に1度、2週の間、化合物A(100μg/kg)で処置した。次に該動物を犠牲にし、かつ子宮角を取り出した。子宮筋層を、手術用メスを用いて削ることにより除去し、残った子宮組織を、はさみで小断片にした。
組織を小片(1〜2 mm3)に細分化し、かつA型コラゲナーゼ0.1%を用いて1時間37℃でインキュベートした。インキュベーション後に、1Gで10分間の異なる沈降作用により、上皮の大きな凝集塊から単一間質細胞を分離した。次に、主に間質細胞を含む培地上部8 mlをゆっくりと取り出し、該細胞を、遠心分離により回収した。間質細胞の豊富なフラクションを倍地中で2回洗浄し、15分間、組織培養皿に選択的に接着させた。その後、まだ存在する非付着上皮細胞を除去し、該培養皿の表面上で、精製間質細胞調製物を得た。
ポリスチレン96ウェル(Costar)を、細胞外基質(ECM)(Sigma, USA) 8 mg/mlの50μl/ウェルでコーティングし、かつ層流フード(laminar flow hood)中に未被覆部分を残し、一晩、エバポレートした。次に、該プレートを、PBSですすぎ、かつ接着アッセイに使用した。細胞を、PBSで2度洗浄し、トリプシン処理し、かつECMに2x105/mlの密度で播種した。37℃のインキュベーション1〜2時間後、該ウェルをPBSで静かに3度洗浄し、未接着細胞を除去した。96ウェルプレート中の残りの細胞を、CyQuant細胞増殖キット(CyQuant cell proliferation kit)(Molecular Probes)で試験した。各ウェル中のサンプル蛍光を、480 nm励起及び520 nm発光極大を有する蛍光マイクロプレートリーダーを用いて測定した。結果は、コントロール中の接着細胞を100%として、全細胞のパーセンテージで表した。接着のパーセンテージは、下記式を用いて測定した:(PBSですすいだ後のAbs/すすぎなしのAbs)×100%である。この実験は、3回行った。
(細胞走化性アッセイ)
ヒト間質細胞調製:組織を静かに小片(1〜2 mm3)に細分化し、かつA型コラゲナーゼ0.1%を用いて1時間37℃でインキュベートした。インキュベーション後に、1Gで10分間の異なる沈降作用により、上皮の大きな凝集塊から単一間質細胞を分離した。次に、主に間質細胞を含む培地上部8 mlをゆっくりと取り出し、該細胞を、遠心分離により回収した。間質細胞の豊富なフラクションを倍地中で2回洗浄し、15分間、組織培養皿に選択的に接着させた。その後、まだ存在する非付着上皮細胞を除去し、該培養皿の表面上で、精製間質細胞調製物を得た。
子宮内膜間質細胞移動を、48ウェル改良型ボイデンチャンバ(Boyden chamber)中で、走化性実験手段により評価した。移動アッセイを用いて、本発明者らは、二次元基板上で、化学誘引物質の方へ移動する該細胞の能力を評価した(本発明者らの場合、コラーゲンIV型)。簡潔に言うと、該走化性実験は、10μg/mlのIV型コラーゲンでコーティングされ、かつ化学誘引物質として20 ng/ml PDGF及び/又は1 uM エストロゲンを含む下部チャンバ上に配置された、8 umのヌクレポア(Nuclepore)ポリビニルピロリジンフリーのポリカーボネートフィルターを用いて行った。ネガティブコントロールとして、血清フリーの培地を使用した。0.1%の脂肪酸フリーウシ血清アルブミンを含むD-MEM培地中で懸濁化したESC細胞を、1 uMの化合物Aで30分間、前処置し、次に、細胞をβエストラジオールで24時間処置した。該処置後に、細胞を、4x104細胞/ウェルの密度で、上部チャンバに加えた。37℃で6時時間インキュベーション後に、該フィルター表面上部の非移動細胞を、削ることにより除去した。該フィルターの下部に移動した細胞を、ディフ-クイック染色(Diff-Quick stain)(VWR Scientific Products, Bridgeport, NJ)で染色し、1フィルターにつき5〜8単位領域を、ツァイス顕微鏡を用いて160x倍率でカウントした。該アッセイは、3回行った。
(腹膜マクロファージにより産生されたサイトカインのELISA定量)
子宮移動2週間後に、腹膜細胞を、冷PBS、2 mM EDTA中、実施例1〜3に記載の手順に従って調製した処置(100μg/kgの化合物A)動物及び未処置(ビヒクルのみ)動物(1グループにつき5匹の予備マウス)の腹内洗浄により回収した。腹膜マクロファージを、Turk試薬を用いて、回収後に直接カウントし、洗浄し、かつRPMI/グルタマックス(glutamax)5% FC I, ペニシリン/ストレプトマイシン, ピルビン酸Naを有する培地中に配置した。37℃で2時間後に、非接着細胞を除去し、かつ該マクロファージをさらに48時間培養した。上清を収集し、かつサイトカイン(TNF-アルファ、IL1-アルファ、IL1-ベータ、IL6、MIP-2、及びVEGF)を、特異的ELISA(R&D System DuoSet)を用いて定量した。ELISA測定は全て、未希釈サンプルにおいて2回行った。培養した全細胞数を、CyQuantテストにより見積もり、タンパク質産生値を、細胞数に対して規格化した。
(結果)
(細胞接着)
図9に示すように、化合物Aは、コラーゲンへの子宮内膜細胞の接着を劇的に減少させることができる(1グループにつき5対象全てに対する平均及び標準誤差を示す。)。
(細胞走化性アッセイ)
図10は、化合物Aが、ヒト間質性子宮内膜細胞の走化性を誘発するエストロゲンを減少することができることを示している。エストロゲン刺激により見られる約50%の移動の減少と比較して、移動の基底条件では、化合物Aの効果は明白ではない。
(ELISA定量)
図11は、炎症性サイトカイン、及びVEGF産生が、化合物Aにより劇的に減少することを示しており、抗炎症性機序が、この子宮内膜症マウスモデルに寄与していることが示唆される。
(ビタミンD化合物の効果)
子宮内膜病変における、作用化合物Aの異なる潜在的機序の間で、子宮内膜細胞の接着及び走化応答性の直接的作用が存在する。化合物Aは、接着細胞数の双方を減少させることができ、かつエストロゲンに応答して子宮内膜細胞の走化性移動を減少させることができる。
ビタミンD化合物作用の他の潜在的機序は、炎症の阻害を含む。腹膜マクロファージの炎症反応は、ヒト子宮内膜症の進行を持続することが実証されている。従って、本発明者らは、ビタミンD化合物、例えば化合物Aが、子宮内膜症のマウスモデルにおいて腹膜炎症を調節することができるという仮説を試験し、炎症性サイトカイン及びVEGF産生が、化合物Aにより劇的に減少することを証明した(図11)。とはいえ、インビトロにおいてLPSなどの無関係の刺激で再活性化した場合、同一マクロファージは、同一サイトカインをさらに産生し得る(データ示さず)。
(製剤の実施例)
(製剤の実施例1:経口剤形の軟ゼラチンカプセル)
経口投与用カプセルを、暗室灯、窒素下で配合する:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)0.015 mg及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)0.015 mgとともに、分取ココナッツオイル(例えばミグリオール812)150 mg中において化合物A(1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール)0.01〜25.0 mgを軟ゼラチンカプセルに満たす。
該カプセルを、下記工程により調製する。
1.BHT及びBHAを、分取ココナッツオイル(例えばミグリオール812)に懸濁化し、溶解するまで、約50℃に暖め、撹拌する。
2.化合物Aを、工程1の溶液に50℃で溶解する。
3.工程2の溶液を、室温に冷やす。
4.工程3の溶液を、軟ゼラチンカプセルに満たす。
全ての製造工程を、窒素雰囲気下、自然光防御下で行う。
(製剤の実施例2:経口剤形軟ゼラチンカプセル)
経口投与用カプセルを、暗室灯、窒素下で配合する:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)0.015 mg及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)0.015 mgとともに、分取ココナッツオイル(例えばミグリオール812)150 mg中において化合物A(1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール) 150μgを軟ゼラチンカプセルに満たす。
(製剤の実施例3:経口剤形軟ゼラチンカプセル)
経口投与用カプセルを、暗室灯、窒素下で配合する:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)0.015 mg及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)0.015 mgとともに、分取ココナッツオイル(例えばミグリオール812)150 mg中において化合物A(1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロール) 75μgを軟ゼラチンカプセルに満たす。
文脈が他に要求しない限り、続く本明細書及び本特許請求の範囲を通して、単語「含む(comprise)」、及びその変形、例えば「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」は、規定された整数、工程、一群の整数、又は一群の工程の包含を意味し、任意の他の整数、工程、一群の整数、又は一群の工程の除外を意味するものではないことが理解されるであろう。
(参考文献の取り込み)
本出願を通じて列記された全ての参考文献(参照文献、公開特許、公開された特許出願、及び同時継続特許出願を含む)は、それらの全体が事実上本願明細書に引用により取り込まれている。
(均等物)
当業者は、慣習的な実験を超えないものを用い、本願明細書において説明された本発明の特定の実施態様の多くの同等物を認めるか、又は解明することができるであろう。このような同等物は、特許請求の範囲により包含される。
本発明は、図面に準拠した下記の非制限的実施例を参照して記載される。
図1は、子宮内膜症のインビボモデルにおける病変重量に対する、ビタミンD化合物(化合物A)を用いた処置の効果を示す。パネルA-同一ドナー細胞を投与した、一対の処置及び未処置対象。パネルB-特定の対に対する病変重量の変化。パネルC-処置及び未処置対象の平均病変重量。 図2は、子宮内膜間質細胞の増殖に対する、ビタミンD化合物(化合物A)を用いた処置の効果を示す。パネルA-ユトピック細胞(Eutopic cells)。パネルB-異所性細胞(Ectopic cell)。 図3は、培養細胞の遺伝子発現に対する、ビタミンD化合物(化合物A)を用いた処置の効果を示す。 図4は、子宮内膜症のインビボモデルにおける病変重量に対する、ビタミンD化合物(化合物A)を用いた処置の効果を示す。パネルA-全データセット。パネルB-処置グループの平均病変重量。パネルC-処置の結果として、病変重量の相対的減少。 図5は、子宮内膜症のインビボモデルにおける病変重量に対する、ビタミンD化合物(化合物B)を用いた処置の効果を示す。パネルA-全データセット。パネルB-処置グループの平均病変重量。パネルC-処置の結果として、病変重量の相対的減少。 図6は、子宮内膜症のインビボモデルにおける病変重量に対する、ビタミンD化合物(化合物C)を用いた処置の効果を示す。パネルA-全データセット。パネルB-処置グループの平均病変重量。パネルC-処置の結果として、病変重量の相対的減少。 図7は、ビタミンD化合物Aの異なる投与量の関数として、病変重量の減少を示す。 図8は、ビタミンD化合物Aを用いた、一連の異なる処置様式の結果生じる、病変重量の減少を示す。 図9は、細胞接着に対する、化合物Aを用いた処置の効果を示す。 図10は、細胞移動に対する、化合物Aを用いた処置の効果を示す。 図11は、一連の炎症マーカに対する、化合物Aを用いた処置の効果を示す。

Claims (15)

  1. 子宮内膜症の予防又は治療におけるビタミンD化合物の使用。
  2. 子宮内膜症の予防又は治療のための医薬品製造における、請求項1記載のビタミンD化合物の使用。
  3. 有効量のビタミンD化合物を投与することによる、子宮内膜症の予防及び/又は治療方法。
  4. 子宮内膜症の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物及び医薬として許容し得る担体を含む、医薬製剤。
  5. 子宮内膜症の予防及び/又は治療の使用に関する添付文書とともに包装された、ビタミンD化合物及び医薬として許容し得る担体を含む、医薬製剤。
  6. 子宮内膜症の予防及び/又は治療に使用するためのビタミンD化合物。
  7. 子宮内膜症の治療及び/又は予防が必要な患者にビタミンD化合物を投与し、これにより該患者における子宮内膜症を治療及び/又は予防することを指示する添付文書と共に、ビタミンD化合物を含む、キット。
  8. 前記ビタミンD化合物が、別々に又は組み合わせた医薬製剤において、子宮内膜症の治療のための第二医薬品と個別に、逐次に、又は同時に投与される、請求項1から7のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  9. 前記ビタミンD化合物が、下記式の化合物、並びに、それらの医薬として許容し得るエステル、塩、及びプロドラッグである、請求項1から8のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2008535812
    (式中、A1は、単結合又は二重結合であり;
    A2は、単結合、二重結合又は三重結合であり;
    X1及びX2は、各々独立して、H又は=CH2であり、但しX1及びX2が、両方とも=CH2であることはなく;
    R1及びR2は、各々独立して、OC(O)C1-C4アルキル、OC(O)ヒドロキシアルキル、又はOC(O)ハロアルキルであり;R1及び/又はR2は、あるいは、OHであってもよく;
    R3、R4及びR5は、各々独立して、水素原子、C1-C4アルキル、ヒドロキシアルキル、もしくはハロアルキルであるか、又はR3及びR4はC20と一緒に、C3-C6シクロアルキルを形成し;並びに
    R6及びR7は、各々独立してC1-4アルキル又はハロアルキルであり;かつ
    R8は、H、-COC1-C4アルキル、-COヒドロキシアルキル又は-COハロアルキルである。)。
  10. 前記ビタミンD化合物が、下記式の化合物である、請求項1から8のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2008535812
    (式中、Xは、H2又はCH2であり、
    R1は、水素原子、ヒドロキシ又はフッ素であり、
    R2は、水素原子又はメチルであり、
    R3は、水素原子又はメチルであり、但しR2又はR3がメチルである場合、R3又はR2は、水素原子でなければならず、
    R4は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
    R5は、メチル、エチル又はトリフルオロメチルであり、
    Aは、単結合又は二重結合であり、
    Bは、単結合、E-二重結合、Z-二重結合又は三重結合である。)。
  11. R4及びR5の各々が、メチル又はエチルである、請求項10記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  12. 前記ビタミンD化合物が、下記式を有する、1,25-ジヒドロキシ-21-(3-ヒドロキシ-3-メチルブチル)-19-ノル-コレカルシフェロールである、請求項1から8のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2008535812
  13. 前記ビタミンD化合物が、下記式を有する、1-アルファ-フルオロ-25-ヒドロキシ-16,23E-ジエン-26,27-ビスホモ-20-エピ-コレカルシフェロールである、請求項1から8のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット:
    Figure 2008535812
  14. 前記化合物がカルシトリオールである、請求項1から8のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
  15. 前記子宮内膜症が、慢性骨盤痛及び/又は低受胎の症状の存在と関連している、請求項1から14のいずれか1項記載の使用、方法、製剤、化合物又はキット。
JP2008502418A 2005-03-23 2006-03-23 子宮内膜症を治療するためのビタミンd化合物の使用 Abandoned JP2008535812A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB0505954A GB0505954D0 (en) 2005-03-23 2005-03-23 Novel use
US66736705P 2005-03-31 2005-03-31
PCT/EP2006/060983 WO2006100285A1 (en) 2005-03-23 2006-03-23 Use of vitamin d compounds to treat endometriosis

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008535812A true JP2008535812A (ja) 2008-09-04
JP2008535812A5 JP2008535812A5 (ja) 2009-05-07

Family

ID=36572110

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008502418A Abandoned JP2008535812A (ja) 2005-03-23 2006-03-23 子宮内膜症を治療するためのビタミンd化合物の使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20080280860A1 (ja)
EP (1) EP1863494A1 (ja)
JP (1) JP2008535812A (ja)
AU (1) AU2006226297A1 (ja)
CA (1) CA2601545A1 (ja)
IL (1) IL185114A0 (ja)
WO (1) WO2006100285A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8415390B2 (en) 2008-05-30 2013-04-09 Microdose Therapeutx, Inc. Methods and compositions for administration of oxybutynin
US9119777B2 (en) 2008-05-30 2015-09-01 Microdose Therapeutx, Inc. Methods and compositions for administration of oxybutynin
KR101147600B1 (ko) * 2009-02-09 2012-05-21 한올바이오파마주식회사 콜레칼시페롤 또는 이의 유도체를 함유하는 피부질환 치료용 외용제 조성물
WO2012047674A2 (en) * 2010-09-27 2012-04-12 Microdose Therapeutx, Inc. Methods and compositions for disease treatment using inhalation
CN114044788A (zh) * 2021-08-12 2022-02-15 甘肃皓天医药科技有限责任公司 一种氟骨化醇cd环的制备方法及其应用

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB9526208D0 (en) * 1995-12-21 1996-02-21 Res Inst Medicine Chem Chemical compounds
US6100294A (en) * 1997-05-16 2000-08-08 Women And Infants Hospital Cyclic ether vitamin D3 compounds, 1α(OH) 3-epi-vitamin D3 compounds and uses thereof
US6838584B2 (en) * 2001-05-10 2005-01-04 Merck & Co., Inc. Estrogen receptor modulators
US20050032741A1 (en) * 2003-08-06 2005-02-10 Balaji Venkataraman Vitamin Compositions

Also Published As

Publication number Publication date
AU2006226297A1 (en) 2006-09-28
EP1863494A1 (en) 2007-12-12
CA2601545A1 (en) 2006-09-28
IL185114A0 (en) 2008-06-05
WO2006100285A1 (en) 2006-09-28
US20080280860A1 (en) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
BRPI0609666A2 (pt) uso de um composto de vitamina d, método para prevenir e /ou tratar endometriose, formulação farmacêutica, composto de vitamina d, e, kit
Nagpal et al. Noncalcemic actions of vitamin D receptor ligands
JP2007525533A (ja) 間質性膀胱炎の治療方法、並びに関連化合物及び組成物
US9446127B2 (en) Compositions including androgen receptor degradation (ARD) enhancers and methods of prophylactic or therapeutic treatment of skin disorders and hair loss
Yee et al. Vitamin D receptor modulators for inflammation and cancer
KR101643199B1 (ko) 신규한 비타민 d 수용체 활성제 및 이의 제조 방법
JP2002505668A (ja) 環状エーテルビタミンD3化合物、1α(OH)3−エピ−ビタミンD3化合物及びそれらの使用法
JP2008535812A (ja) 子宮内膜症を治療するためのビタミンd化合物の使用
JP2002506429A (ja) 3−エピビタミンd2化合物及びその使用法
JP4763603B2 (ja) (20S)−1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−ビタミンD3及びその使用
JP2007506780A (ja) 膀胱機能障害の治療方法
JP2008519808A (ja) 膀胱癌治療のためのビタミンd誘導体及び抗増殖薬の併用
FR2545824A1 (fr) Derive 1a, 25-dihydroxyles de la vitamine d2 et produits intermediaires pour leur preparation et compositions pharmaceutiques renfermant ces derives
AU2011237592A1 (en) Substituted androst-4-ene diones
WO2006035075A1 (en) Use of vitamin d compounds for the prevention or treatment of chronic prostatitis
JP2010505921A (ja) 男性受精能低下の新規治療法
ZA200606720B (en) Treatment of interstitial cystitis with vitamin D compounds
CN101541330A (zh) 维生素d化合物用于预防粘连的用途
CN101522199A (zh) 治疗男性低生育力的新方法
WO2007110109A1 (en) Novel method
JP2010504306A (ja) 新規方法
ZA200602097B (en) Methods for treating bladder dysfunction
JPH09227376A (ja) 白血病治療剤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090318

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090318

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20100210