JP2008519060A - 13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための組成物及び方法 - Google Patents

13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための組成物及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008519060A
JP2008519060A JP2007540146A JP2007540146A JP2008519060A JP 2008519060 A JP2008519060 A JP 2008519060A JP 2007540146 A JP2007540146 A JP 2007540146A JP 2007540146 A JP2007540146 A JP 2007540146A JP 2008519060 A JP2008519060 A JP 2008519060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deoxyanthracycline
anthracycline
benzene
deoxyanthracyclines
imino
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007540146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5307399B2 (ja
Inventor
ジェラルド, エム. ウォルシュ,
リチャード, ディー. オルソン,
Original Assignee
ジェム ファーマシューティカルズ, エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジェム ファーマシューティカルズ, エルエルシー filed Critical ジェム ファーマシューティカルズ, エルエルシー
Publication of JP2008519060A publication Critical patent/JP2008519060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5307399B2 publication Critical patent/JP5307399B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • C07H15/252Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/70Carbohydrates; Sugars; Derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】13−デオキシアントラサイクリン類調製用の組成物及び方法の提供。
【解決手段】本発明は、13−デオキシアントラサイクリン類の合成収率改善に有用な13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類、及び、還元反応が撹拌又は震盪されずに約55〜64℃に保たれる13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類の13−デオキシアントラサイクリン類への還元方法に関する。反応は重炭酸水溶液を添加して13−デオキシアントラサイクリン及び沈殿物を形成して完了する。沈殿はろ過され、沈殿とろ液は有機溶媒で別々に抽出される。粗13−デオキシアントラサイクリンは、アンモニア水のメタノール溶液と反応させて5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンに変換できる。反応は、反応液の中和又は生成物の抽出が不要な酸性ピリジニウム塩を強酸に替えて用いて精製を容易にできる。
【選択図】なし

Description

本開示は、13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための組成物及び方法に関し、より詳細には、13−デオキシアントラサイクリン類の合成及び単離のための13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン中間体の使用、並びに、13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類の調製方法に関する。本開示はまた、新規13−ベンゼンスルホニルヒドラゾン中間体、及び、これらの中間体の調製方法に関する。
最もよく知られているアントラサイクリン系抗癌剤は、13−ケト基を含むドキソルビシン及びダウノルビシンである。ドキソルビシンは特許文献1に開示されていて、抗癌作用についての広範なスペクトルを有し、白血病、リンパ腫及び固形腫瘍の治療に使用される。ダウノルビシンは特許文献2に開示されていて、急性白血病の治療に有用である。しかし、これらの薬物には重大な心毒性の副作用があるため、患者に投与可能な薬物の総量は550mg/M以下に制限される(非特許文献1)。推奨される最大総累積投与量(430〜650mg/M)ちょうど又はそれに近い量では患者の60%に重大かつ持続性の心機能不全が生じ、14%ではうっ血性心不全を発症する(非特許文献2)。従って、これらの薬物は、癌性腫瘍の増殖を阻害するのに有用であるが、患者は、薬物による重篤な心毒性の副作用によってうっ血性心不全で死に至る可能性がある。
これらのアントラサイクリン類の心毒性は、13−ケト部位が代謝により還元されて13−ジヒドロアルコール代謝産物となることによって生じるということも見出されている(非特許文献3)。ドキソルビシンの13−ジヒドロアルコール代謝産物(ドキソルビシノール)への代謝量が多量でないような試験システムにおいては、重大な心毒性は観察されない(非特許文献4及び5)。これとは対照的に、13−ジヒドロ代謝産物であるドキソルビシノール及びダウノルビシノールは、上記のような試験システムにおいて比較的低濃度で心毒性を引き起こす(1〜2μg/ml、非特許文献6及び7)。
ドキソルビシンが、たとえ短時間とはいえ試験システム内に残存する可能性がある場合、代謝変換が起きて13−ジヒドロ代謝産物が心毒性の発症開始に十分な量形成される可能性がある(非特許文献8及び9)。このように、ドキソルビシン及びダウノルビシンなどの薬物の心毒性は、その13−ジヒドロ代謝産物によって引き起こされる強力な心毒性作用によるものであるという実質的な証拠が蓄積されてきた(非特許文献10〜12)。
最近では、ドキソルビシン、ダウノルビシン又は他の類似のアントラサイクリン類の13−デオキシ型は代謝変換されて心毒性の13−ジヒドロ型になることはないこと、及び、5−ケト基が修飾されて遊離基生成の可能性が低いであろう形態になる可能性があり、これにより安全性が更に改善され得るということが発見された。特に、特許文献3〜6を参照のこと。これらの開示は、本明細書中に参考により援用される。
13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類から特定の13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための方法として最初に実証された方法は、収率が約10%と比較的低いものであった(非特許文献13参照)。13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類から13−デオキシアントラサイクリン類を合成するための改善された高収率の方法が、特許文献3及び4に開示されている。しかし、これらの方法では、使用する試薬の量がやや過剰であり、実施時間がやや長い。更に、収率は増加するが、量産に最適な量には満たない。また、13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類を使用すると、13−デオキシアントラサイクリン生成物中に本出発物質が約3%以上残る。13−p−F−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類の使用は公知であるが、これらの親にあたる13−ケトアントラサイクリン類からの13−p−F−、13−p−Cl−又は13−p−ニトロベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類の合成は、13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類よりも収率が低く、更に13−デオキシアントラサイクリン類の生成収率も低い。
米国特許第3,590,028号 米国特許第3,616,242号 PCT特許WO99/08687号 米国特許第5,984,896号 米国特許第5,942,605号 PCT特許US99/04704 E.A.Lefrakら、Cancer,32:302,1973 A.Dresdaleら、Cancer,52:51,1983 P.S.Mushlinら、Fed.Proc,45:809,1986 P.S.Mushlinら、Fed.Proc.,44:1274,1985 R.D.Olsonら、Fed.Proc.,45:809,1986 R.D.Olsonら、Proceed.Am.Assoc.Cancer Res.,26:227,1985 R.D.Olsonら、Proceed Am.Assoc.Cancer Res.28:441,1987 L.Rossiniら、Arch.Toxicol.Suppl.,9:474,1986 M Del Toccaら、Pharmacol.Res.Commun.,17:1073,1985 P.Mushlinら、FASEB Journal,2:A1133,1988 R.Boucekら、J.Biol.Chem.,262:15851,1987 R.Olsonら、Proc.Natl.Acad.Sci.,85:3585,1988 Smithら、J.Med.Chem.1978 21,280−283
本開示の組成物及び方法によって、対応する13−ケトアントラサイクリン類から高収率及び高純度の13−ドキシアントラサイクリン類(13−doxy anthracyclines)が提供される。本開示の一態様は、式:
Figure 2008519060
(式中、R、R及びRは、H又はOHであり;
は、H、OH、アルキル又はO−アルキルであり;
は、O又はNHであり;かつ、
は、H、OH又は糖部位である)
によって表される化合物に関する。
本開示はまた、アルコール溶液中で13−ケトアントラサイクリン又はその酸の塩とベンゼンスルホニルヒドラジドとを反応させることを含むことを特徴とする、上記で開示した13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンの調製方法に関する。
本開示の更に他の態様は、13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類からの13−デオキシアントラサイクリン(13−メチレンアントラサイクリン)誘導体の調製方法であって、
以下:
1.13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンと、水素化シアノホウ素ナトリウム(NaCNBH)などの還元剤及びパラ−トルエンスルホン酸(PTSA)などの強酸とをメタノールなどのアルコール中で混合することによって反応混合物を形成する工程;
2.撹拌又は震盪せずに上記反応混合物を加熱する工程;
3.炭酸水素ナトリウム(NaHCO)水溶液などの水性塩基で上記反応混合物を中和し、これによって13−デオキシアントラサイクリン生成物を形成して、反応混合物中に塩を沈殿させる工程;
4.沈殿塩を反応混合物からろ過し、有機溶媒を用いて沈殿塩から生成物を抽出して、有機溶媒を用いてろ液から生成物を抽出する工程:を含む
ことを特徴とする方法に関する。
本開示の更に他の態様は、13−デオキシアントラサイクリンをアンモニア水のメタノール溶液に供することによる、13−デオキシアントラサイクリン類からの5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体の調製方法に関する。
本開示によって、13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンを対応する13−デオキシアントラサイクリンに完全に還元することができる。
本開示によれば、13−デオキシアントラサイクリンを比較的単純な方法で単離することができる。
本開示により、粗13−デオキシ生成物から5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン類を生成することができる。
本開示により、16〜20時間でベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンを合成することができる。
本開示によると、粗13−デオキシアントラサイクリン生成物から5−イミノ類似物を、アンモニア水のメタノール溶液を使用して、糖アミン基を保護する必要なく合成することができる。
本開示によると、強酸の代わりに酸性ピリジニウム塩を使用して出発物質の還元を促進することができるため、反応物を中和又は抽出する必要がなく、従って、分取HPLCによる生成物の精製が容易になることが見出された。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
好ましい実施形態を以下の詳しく記載するが、本開示は他の実施形態であってよくかつ様々な方法で実施することができるため、付属の図面で図解される部分の詳細な構造及び配置の用途に本開示が限定されないということが理解されるであろう。
一実施形態は、式:
Figure 2008519060
(式中、各R、R及びRは、独立してH又はOHであり;
は、H、OH、アルキル及びO−アルキルからなる群より選択され;
は、O又はNHであり;
は、H、OH又は糖からなる群より選択される)
によって表される化合物に関する。
アルキル基は、典型的には1〜5個の炭素原子を含み、より典型的には1〜3個の炭素原子を含む。
O−アルキル基は、典型的には1〜5個の炭素原子を含み、より典型的には1〜3個の炭素原子を含み;かつ、
は、典型的にはOCH3である。
上記の化合物は、抗癌剤として有用な13−デオキシアントラサイクリン化合物及び5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体を生成するための前駆体である。本開示の方法において使用されるアントラサイクリン化合物の例は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、カルミノマイシン(carminomycin)、エピルビシン、イダルビシン及びアナマイシン(annamycin)であり、ドキソルビシン及びダウノルビシンが好ましい。
13−ケトアントラサイクリン類は、まず13−ケトアントラサイクリンを13−パラ置換ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンに変換することによって13−デオキシアントラサイクリン類に変換され得る。13−デオキシアントラサイクリン類の合成において出発物質として有用であることが知られる13−パラ置換ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類は、13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン及び13−p−F−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンである。例としては、13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシン(I)及び13−p−F−ベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシン(II)である:
Figure 2008519060
Figure 2008519060
化合物Iは、13−p−メチルベンゼンスルホニルヒドラゾン部位のベンゼン環に電子供与基を有し、還元反応で完全に13−デオキシドキソルビシン生成物に還元されることはない。化合物Iは13−デオキシドキソルビシン生成物から分離するのが困難であり、化合物Iから生成される13−デオキシドキソルビシン生成物を精製するためにはシリカカラムクロマトグラフィ及び分取HPLCの両方が必要とされる。
化合物IIは、13−p−F−ベンゼンスルホニルヒドラゾン部位のベンゼン環に電子吸引基を有し、本発明の還元反応において13−デオキシドキソルビシン生成物に完全に還元される。しかし、ドキソルビシン及びp−F−ベンゼンスルホニルヒドラジンからの化合物IIの合成の収率は、化合物Iの合成の場合よりも低い。また、化合物IIのメタノール中への溶解度は比較的低く、化合物IIの溶解には温度及び所望の濃度に応じて数時間かかる可能性がある。これは、p−Cl及びp−ニトロ類似物を含む場合にも同様である。メタノール中の化合物IIは20℃未満の温度でゼラチン状になり、反応溶液の処理が20℃未満になるのを防止する。化合物IIからの13−デオキシドキソルビシン生成物の収率は、結果的に低下する。他の例としては、例えば、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アナマイシン及びカルミノマイシンの13−p−置換ベンゼンスルホニルヒドラゾン類似物が挙げられる。
13−p−置換ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類は、p−置換ベンゼンスルホニルヒドラジンと13−ケトアントラサイクリンとをアルコール中で混合し、その溶液を室温で5日間静置することによって合成される。13−デオキシアントラサイクリン類の合成のためのより効果的な出発物質についての本発明者らの研究において、本発明らは、ベンゼン環がパラ置換されていない13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシン(化合物III)が、驚くべきことに、化合物I及びIIのようなp−置換ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類に関する問題がないことを発見した。
Figure 2008519060
更に、本発明者らは、13−ベンゼン−(又はp−置換13−ベンゼン−)スルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類が、室温で5日間反応を実施して得られるのに等しい収率及び純度で、メタノール中で10〜24時間、約35〜60℃、好ましくは約40〜45℃で合成され得ることも発見した。ベンゼンスルホニルヒドラジンとドキソルビシン(IV)との反応による化合物IIIの取得、その後の13−デオキシドキソルビシン生成物(化合物V)への還元は、以下に示される:
Figure 2008519060
13−p−置換ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリン類は、還元剤及び強酸、多くの場合はメタノール中のシアノボロハイドライド及びp−トルエンスルホン酸(PTSA)を用いて13−p−置換ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンの反応混合物を形成することによって、13−デオキシアントラサイクリン類に変換される。ヒドラゾンはおそらく、酸に由来する水素及びシアノボロハイドライドに由来する水素を受け取ることによって還元される。しかし、酸はシアノボロハイドライドを中和することもできるため、13−デオキシアントラサイクリン生成物を最適に生成させる際には反応物の濃度及び反応の温度がいくらか重要であるようである。メタノール中の反応混合物を加熱することによって混合物を還流して反応混合物を撹拌することが一般に許容される。反応終了後に水性塩基を添加して混合物を中和し、これによって強酸が中和され、還元されたヒドラジンが13位から切断されて、13位のメチレン基が残る。
水性塩基を反応混合物に添加することによって、13−デオキシアントラサイクリン生成物が結合した塩の沈殿物が生成される。沈殿した塩に生成物を結合させるためには、酸抽出並びにシリカゲル及びHPLCクロマトグラフィを用いた複数の分離といった、複雑な生成物回収手順が必要である。本発明者らの観察によれば、加熱中に反応混合物を少しでも震盪すると、酸(PTSA)によってシアノボロハイドライドが過度に中和され、その後アントラサイクリン類から糖が過度に切断されて、生成物の総収率が低くなった。本発明者らは、撹拌又は震盪せずに試薬を混合することによって、及び、震盪又は撹拌せずに反応混合物を加熱することによって、収率が実質的により高くなるということも発見した。撹拌又は震盪しない場合の最適温度は55〜64℃であるということが分かった。本発明者らは、水性塩基を添加した後に反応混合物をろ過し、塩残渣をクロロホルムとメタノールの混合物などの有機溶媒で洗浄することによって、沈殿した塩から13−デオキシアントラサイクリン生成物を容易に取り出すことができるということも発見した。本方法を以下に概説する。例えば、化合物III及び水素化シアノホウ素ナトリウムなどの出発物質を無水メタノールに溶解し、反応混合物の温度を0〜4℃に下げる。PTSAを無水メタノールに溶解し、冷却した反応混合物に添加する。そして反応混合物を、1〜4時間、好ましくは2時間、撹拌又は震盪せずに、55〜64℃、好ましくは59〜60℃に加熱する。そして反応混合物を好ましくは0℃以下に冷却し、冷却した(0〜10℃)飽和重炭酸水溶液を冷却した反応混合物に添加することよって、酸を中和し、生成物である化合物Vを形成させる。
Figure 2008519060
水とメタノールの混合物中の塩沈殿物並びに水とメタノールの混合物を、ブフナー漏斗及び真空フラスコを使用して真空下でろ過する。ブフナー漏斗の濾紙上の塩を約3.5:1のCHCl:メタノールを用いて真空下で洗浄することによって、生成物である塩に付着した化合物Vを抽出する。この抽出物を重炭酸水溶液/メタノール混合物と同じ真空フラスコに回収してもよい、又は、別の真空フラスコに別々に回収してもよい。重炭酸水溶液/メタノール混合物を入れたフラスコに十分量のCHClを添加し、クロロホルム及びメタノールの約3.5:1混合物を作る。その後、生成物である化合物Vを、重炭酸水溶液からクロロホルム/メタノール中に抽出する。有機抽出物を水から分けて、蒸発ささせて乾燥させる。生成物である化合物Vを含む残渣を、メタノールに溶解する。化合物Vを、従来公知のクロマトグラフィ法によって精製してもよい、又は、エーテルを添加することによって沈殿させてもよい。
アンモニア水のメタノール溶液の冷却したものの中で5−ケトアントラサイクリン類を反応させることによって、5−ケトアントラサイクリン類から5−イミノアントラサイクリン類を形成できるということが一般に知られている。13−ケト−14−OHアントラサイクリン類は、糖においてアミン基を保護することが必要であることも知られている。13−デオキシアントラサイクリン類の5−イミノ類似物はアンモニア水のメタノール溶液の冷却したものと反応させることによっても容易に形成できるが、本発明者らは、糖アミンの保護は必要でないことを発見した。本開示において、粗13−デオキシアントラサイクリン生成物をアンモニア水のメタノール溶液に溶解してもよく、反応が完了するまで通常1〜5日間、約20℃未満、好ましくは約0〜4℃に維持してもよい。13−デオキシアントラサイクリン類の5−イミノ類似物は、13−デオキシ化合物のHCl塩を形成する前又はその後、かつ、精製又は沈殿の前又は後に形成され得る。5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン類は、従来周知のクロマトグラフィ法によって容易に精製することができる。
5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン、5−イミノ−13−デオキシドキソルビシン(VIII)の例を、以下に示す。
Figure 2008519060
<13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシンHCl(III)の調製>
化合物IIIの合成を化合物I及びII並びに13−p−メトキシベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシン(VI)及び13−p−ニトロベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシン(VII)の合成と比較した。対応するベンゼン−又はp−置換ベンゼンスルホニルヒドラジン375mg及びドキソルビシンHCl(IV)500mgを無水メタノール15mlに溶解した。この溶液を、約16〜20時間、40〜45℃に加熱した、又は、約5日間室温(約23〜28℃)に維持した、又は、約10日間約0〜4℃に冷却した。反応後、ジエチルエーテル100mlをメタノール反応混合物に添加して、生成物を沈殿させた。沈殿物をジエチルエーテルで洗浄してメタノールを除去し、その後この沈殿物をデシケーター内で真空下において乾燥させた。生成物を純度90%以上で回収し、HPLCによって測定した。ドキソルビシンHCl(IV)を基準にした収率は、以下のとおりであった:
Figure 2008519060
反応温度に拘らず一貫して収率の高い化合物IIIと、一貫して収率の比較的低い化合物IIとを比較した。結果から、40〜45℃で短時間で合成を実施することによって、低温で長時間かけた場合と同程度の良好な収率にできるということが示される。
化合物III
質量スペクトル:Aligentイオントラップ質量分光光度計(EN824)(ESI陽イオン化)において実施。
構造:
Figure 2008519060
式:C333612
分子量:遊離塩基として697.7;HCl塩として734.2
UV:Aligent Technologies 8453 UV/Vis分光光度計(EN−246)において実施。サンプルをメタノール中で調製した。
Figure 2008519060
H NMR(300MHz.DMSO−d6、δ):Varian Mercury 300において実施。シフトは、TMS(テトラメチルシラン)から低磁場側である。
Figure 2008519060
<13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシンHCl(III)からの13−デオキシドキソルビシンHCl(V)の調製>
化合物Vを化合物IIIから合成した、化合物IIIは23〜27℃(室温)、0〜4℃(低温)又は40〜45℃(高温)で合成した。比較のため、化合物Vは同様の条件下で化合物IIからも合成した。化合物III(又は化合物II)100mgをNaCNBH100mgを含む無水メタノール6mlに溶解した。反応混合物を氷浴に置いた。PTSA 275mgを無水メタノール2mlに溶解した後、冷却した反応混合物に撹拌又は震盪せずに添加し、総量8mlのメタノールを得た。次いで反応混合物を59〜60℃で2時間、撹拌又は震盪せずに加熱した。2時間後、反応混合物を冷凍庫に入れて、反応混合物の温度を0℃以下とした。水12mlを重炭酸ナトリウムで飽和させ、温度1〜4℃で、冷却したメタノール反応混合物8mlに添加した。水/メタノール混合物を、ブフナー漏斗を用いて真空フラスコ中にろ過した。ブフナー漏斗の濾紙上の塩を真空下で3.5:1のクロロホルム:メタノール 20〜40mlで洗浄することによって、水/メタノール混合物のろ液の入った真空フラスコ中の塩から生成物を抽出した。所望であれば、塩を別の真空フラスコで洗浄してもよい。クロロホルム28mlを水/メタノールろ液に添加し、クロロホルム:メタノール比を3.5:1とした。添加されたクロロホルムを含む水/メタノールろ液を分液漏斗に移し、生成物(化合物V)をクロロホルム:メタノール中に抽出した。水と有機溶媒とを分け、有機層を除去してろ過した。有機層を真空下において30℃以下で蒸発させた。生成物を含む残渣をメタノール2mlに溶解し、その後、氷浴中に置いた。1M エーテルHCl 0.2mlを無水メタノール1ml及びジエチルエーテル1mlに添加し、その後、これを氷浴中で冷メタノール2mlに添加することによって、化合物VのHCl塩を形成させた。ジエチルエーテル30mlを冷メタノールに添加し、生成物である13−デオキシドキソルビシンHCl(V)を沈殿させた。沈殿物をジエチルエーテルで洗浄し、メタノールを除去して、デシケーター内で真空下において乾燥させた。純度は、HPLCによって測定した。反応物からの生成物の収率を、ドキソルビシンHCl(IV)と比較して、以下に示す。
様々な温度で合成された出発物質化合物III又は化合物IIから合成された13−デオキシドキソルビシンHCl(V)の回収率、純度及び収率。
Figure 2008519060
出発物質を合成した温度に関係なく、出発物質として化合物IIを使用した場合よりも、出発物質として化合物IIIを使用した場合の方が、化合物Vの収率は一貫して高い。化合物IIIを出発物質とした場合3回を平均した化合物Vの収率は47.3%±2.3(SE)であり、これは化合物IIを出発物質とした場合3回を平均した収率より35%高い;35.0%±1.0(SE)、p<0.05。高温条件下で合成された化合物VIIを用いた同様の実験では、化合物Vの収率は34%であった。化合物I及びVIを用いた実験から、これらの化合物が沈殿した化合物V生成物中に相当量残存していて、低純度及び低収率となっていることが確認された。
<13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシンHCl(III)からの5−イミノ−13−デオキシドキソルビシンHCl(VIII)の調製>
化合物III 200mgを用いて開始し、実施例1に従って化合物Vを合成した。反応により、純度67.5%の粗化合物V生成物が収率56.7%で得られた。この物質100mgを無水メタノール2mlに溶解し、氷浴中に置いた。2M アンモニア水のメタノール溶液6mlを添加した。反応混合物を4日間、0〜4℃で維持した。その後、メタノールを真空下において30℃以下で蒸発させた。残渣を4:1クロロホルム:メタノール 15mlに溶解し、溶液を蒸発させることによって、微量のアンモニアを除去した。これを2回繰り返した。残渣を無水メタノール4mlに溶解し、生成物である化合物VIIIをジエチルエーテル60mlを添加することによって沈殿させた。沈殿物をジエチルエーテルで洗浄し、デシケーター内で真空下において乾燥させた。回収率81%で、純度67%、収率80%であった。
シアノボロハイドライドの存在下で出発物質13−ヒドラゾンアントラサイクリンを還元する反応において強酸が必要であることは、従来一般に公知である。これはおそらく、13−デオキシアントラサイクリン生成物を分解させないためにやや低温(100℃未満)で反応を実施する必要があるためであろう。強酸を、反応終了後に塩基を添加して急冷又は中和することによって、あるいは、例えばハロカーボン溶媒を添加して13−デオキシアントラサイクリン生成物から分離することによって、生成物の分解を防止する必要がある。反応混合物を乾燥できる場合、処理することにより分取HPLCで精製できる場合、又は、反応混合物を分取HPLCに直接適用できる場合、最終生成物の精製は非常に容易になるであろう。強酸が存在すると、分取HPLCの間に不純物からの生成物の分離が妨げられて、純粋な生成物の収率がやや低くなるようである。反応終了後に反応混合物を乾燥させようとすると、強酸が濃縮されて生成物が破壊される。
多量の生成物を生成し得るが中和又は分離を必要としない弱酸について本発明者らが研究したところ、驚くべきことに、p−トルエンスルホン酸のピリジニウム塩がこの点に関して効果的であることを本発明者らは見出した。反応終了後の反応溶液は室温において安定であり、溶媒を除去して安定な乾燥残渣を生成することができる。残渣を保存してその後に精密に検査することができる、又は、適切な溶媒に溶解させて分取HPLC精製に直接適用することができる。好ましくは反応を約65℃〜75℃で約45分間実施し、そして出発物質ヒドラゾン100mgあたり約66mgのp−トルエンスルホン酸をピリジニウム−p−トルエンスルホネートに置き換える以外は、上記のように反応を実施してよい。従来、酸性ピリジニウム塩が本発明の還元反応において有用であり得ること、そして上記利点を提供し得ることは未知であった。
<p−トルエンスルホン酸の代わりにピリジニウム−p−トルエンスルホネートを使用した13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンドキソルビシンHCl(III)からの13−デオキシドキソルビシンHCl(V)の調製>
化合物III 100mgをNaCNBH100mgを含む無水メタノール6mlに溶解した。反応混合物を氷浴に置いた。ピリジニウム−p−トルエンスルホネート66mgを無水メタノール2mlに溶解し、そして冷却した反応混合物に添加し、総量8mlのメタノールを得た。反応混合物を約72℃で45分間加熱した。45分経過後、反応混合物を30℃未満に冷却し、水0.05mlを反応混合物に添加して、還元されたヒドラゾンの加水分解を促進させて、生成物である13−デオキシドキソルビシンHCl(V)を得た。HPLC分析により、13−デオキシドキソルビシンHCl(V)の収率55%がドキソルビシンHCl(IV)に対して示された。この反応混合物は分取HPLCで直接精製することができ、メタノールは除去することができ、そして残渣はクロマトグラフィに適した媒質に溶解させて、反応混合物は上記のように中和及び抽出することができ、そして反応混合物は上記のようにアンモニアを添加することによって5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体を形成するために使用することができる。
前述の説明は、特定の実施形態に限定される。しかし、開示された実施形態の利点の一部又は全部を達成するため、かつ、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、開示された実施形態を当業者が変更及び改変してもよいということは明らかであろう。例えば、水/メタノール反応混合物又はろ過された塩の抽出に、9:1〜2:1の範囲のハロカーボン:アルコールの溶媒混合物を使用することができる。様々なハロカーボン溶媒として、クロロホルムのほかに、例えばジクロロメタンを使用することができる。様々なアルコールとして、メタノールのほかに、例えばエタノールを使用することができる。様々なエーテルとして、ジエチルエーテルのほかに、例えば第3級メチルブチルエーテルを使用することができる。様々な酸として、パラ−トルエンスルホン酸のほかに、例えばHCl又はカンファースルホン酸を使用することができる。メタノールHClを、エーテルHClに加えて使用することができる。ベンゼン−又はパラ−置換ベンゼン−、スルホニルヒドラゾンアグリコン類を13−デオキシアグリコン類の生成において使用することができ、これをその後、糖の添加による13−デオキシアントラサイクリン類の合成に使用することができる。HCl塩は、5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン類の合成の前又は後に形成されてよい。13−デオキシ又は5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン類は、HCl塩形成の前又は後にクロマトグラフィによって精製することができる。13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンのベンゼン環での置換は、オルト位及びメタ位並びにパラ位であってよい。他の酸性ピリジニウム(pyridiniium)塩を、ピリジニウム−p−トルエンスルホネートのほかに使用することができる。
本開示の性質を説明するために、上記で説明し例証した部分の詳細、物質及び計画の様々な変更が、以下の特許請求の範囲で列挙される信条及び範囲から逸脱することなく、当業者によってなされ得るということが理解されるであろう。

Claims (21)

  1. 式:
    Figure 2008519060
    (式中、R、R及びRは、H又はOHであり;
    は、H、OH、アルキル又はO−アルキルであり;
    は、O又はNHであり;かつ、
    は、H、OH又は糖部位である)
    によって表される化合物。
  2. 前記化合物は、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アナマイシン及びカルミノマイシンからなる群より選択されるアントラサイクリンの誘導体である
    ことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1に記載の化合物の調製方法であって、
    アルコール溶媒中で13−ケトアントラサイクリン又はその酸の塩とベンゼンスルホニルヒドラジドとを約35〜50℃で10〜24時間反応させることを含む
    ことを特徴とする方法。
  4. 13−デオキシアントラサイクリン類の調製方法であって、
    以下:
    1) 13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンのアルコール溶液を作成する工程;
    2) 還元剤及び酸を前記溶液に添加する工程;
    3) 震盪又は撹拌せずに前記溶液を加熱して、前記13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンを還元する工程;並びに、
    4) 水性塩基で前記溶液を中和し、これによって前記13−デオキシアントラサイクリン及び沈殿を形成する工程:を含む
    ことを特徴とする方法。
  5. 前記沈殿をろ過し、前記沈殿から前記13−デオキシアントラサイクリンを抽出して、ろ液から前記13−デオキシアントラサイクリンを抽出する工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記加熱は約55℃〜約64℃であり、前記還元剤はシアノボロハイドライドであり、かつ、前記酸はp−トルエンスルホン酸である
    ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  7. 前記加熱は約59℃〜約60℃である
    ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アナマイシン及びカルミノマイシンからなる群より選択されるアントラサイクリンの誘導体である
    ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  9. 5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン類の調製方法であって、
    以下:
    1) 請求項4に記載の13−デオキシアントラサイクリンを調製する工程;
    2) 前記13−デオキシアントラサイクリンをアルコール中に溶解する工程;及び、
    3) 前記13−デオキシアントラサイクリンを、アンモニアを使用して約20℃未満で、対応する5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンに変換する工程:を含む
    ことを特徴とする方法。
  10. 前記13−デオキシアントラサイクリンをアンモニアを使用して対応する5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンに変換する工程は、約1℃〜約4℃で1〜4日間で実施される
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記13−デオキシアントラサイクリンは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アナマイシン及びカルミノマイシンの13−デオキシ型からなる群より選択される
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  12. 前記13−デオキシアントラサイクリンは、対応する13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンから合成される
    ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
  13. 13−デオキシアントラサイクリン類の調製方法であって、
    以下:
    1) 13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンのアルコール溶液を作成する工程;
    2) 前記溶液に還元剤及び酸性ピリジニウム塩を添加する工程;並びに、
    3) 前記溶液を加熱して前記13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンを還元する工程:を含む
    ことを特徴とする方法。
  14. 前記酸性ピリジニウム塩はピリジニウム−p−トルエンスルホネートであり、かつ、前記還元剤はシアノボロハイドライドである
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 前記還元型の13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンを加水分解することによって、前記13−デオキシアントラサイクリンを形成する工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  16. 前記加熱は約65℃〜約75℃である
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  17. 前記13−ベンゼン−又は置換されたベンゼン−スルホニルヒドラゾンアントラサイクリンは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アナマイシン及びカルミノマイシンからなる群より選択されるアントラサイクリンの誘導体である
    ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  18. 5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン類の調製方法であって、
    以下:
    1) 請求項13に記載の13−デオキシアントラサイクリンを調製する工程;及び、
    2) 前記13−デオキシアントラサイクリンを、アンモニアを使用して約20℃未満で、対応する5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンに変換する工程:を含む
    ことを特徴とする方法。
  19. 前記13−デオキシアントラサイクリンをアンモニアを使用して対応する5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリンに変換する工程は、約1℃〜約4℃で1〜4日間で実施される
    ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  20. 前記13−デオキシアントラサイクリンは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、アナマイシン及びカルミノマイシンの13−デオキシ型からなる群より選択される
    ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  21. 前記13−デオキシアントラサイクリンは、対応する13−ベンゼンスルホニルヒドラゾンアントラサイクリンから合成される
    ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
JP2007540146A 2004-11-08 2005-11-08 13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための組成物及び方法 Expired - Fee Related JP5307399B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US10/982,873 2004-11-08
US10/982,873 US7244829B2 (en) 2004-11-08 2004-11-08 Compositions and processes for preparing 13-deoxy-anthracyclines
PCT/US2005/040346 WO2006052915A1 (en) 2004-11-08 2005-11-08 Compositions and processes for preparing 13-deoxy-anthracyclines

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008519060A true JP2008519060A (ja) 2008-06-05
JP5307399B2 JP5307399B2 (ja) 2013-10-02

Family

ID=36317194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007540146A Expired - Fee Related JP5307399B2 (ja) 2004-11-08 2005-11-08 13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための組成物及び方法

Country Status (16)

Country Link
US (3) US7244829B2 (ja)
EP (1) EP1809644B1 (ja)
JP (1) JP5307399B2 (ja)
KR (1) KR101263043B1 (ja)
CN (1) CN101098880B (ja)
AU (1) AU2005304698A1 (ja)
BR (1) BRPI0517810B1 (ja)
CA (1) CA2586135C (ja)
CR (1) CR9174A (ja)
EA (1) EA200701270A1 (ja)
ES (1) ES2592682T3 (ja)
IL (1) IL182970A (ja)
MX (1) MX2007005543A (ja)
RU (1) RU2404188C9 (ja)
UA (1) UA91349C2 (ja)
WO (1) WO2006052915A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104151376B (zh) * 2014-06-23 2017-02-08 天津药物研究院新药评价有限公司 一种抗肿瘤药物及其合成方法和用途
CA3032817C (en) 2016-08-02 2020-02-11 Pindrop Security, Inc. Method and apparatus for threat identification through analysis of communications signaling, events, and participants
US10450340B2 (en) 2017-02-16 2019-10-22 Monopar Therapeutics Inc. 3′-deamino-3′-(2″-pyrroline-1″-yl)-5-imino-13-deoxyanthracyclines and methods of preparation

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1059873A (ja) * 1996-08-15 1998-03-03 Mitsui Petrochem Ind Ltd シクロペンタジエンの製造方法
JP2001512457A (ja) * 1997-02-14 2001-08-21 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド アミノオキシ修飾オリゴヌクレオチド
JP2001515040A (ja) * 1997-08-13 2001-09-18 ジェム ファーマスーティカル インク 13−デオキシアントラサイクリン誘導体及びその製造方法
JP2001270851A (ja) * 2000-03-24 2001-10-02 Tokuyama Corp 含窒素化合物の製造方法
US6403779B1 (en) * 1999-01-08 2002-06-11 Isis Pharmaceuticals, Inc. Regioselective synthesis of 2′-O-modified nucleosides
JP2002518293A (ja) * 1998-03-03 2002-06-25 ジェム ファーマスーティカル インク 5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体、その使用、及び、その調製方法
JP2002522447A (ja) * 1998-08-07 2002-07-23 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド アミノオキシ修飾ヌクレオシド化合物とそれから製造されるオリゴマー化合物
JP2002541784A (ja) * 1999-04-08 2002-12-10 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド Stat3発現のアンチセンスオリゴヌクレオチド調節
JP2003507051A (ja) * 1999-08-19 2003-02-25 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド フォーカルアドヒージョンキナーゼ発現のアンチセンスモジュレーション
JP2004277369A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Sumitomo Chem Co Ltd 酸ヒドラジド化合物の製造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2238540B (en) * 1989-11-29 1993-09-29 Erba Carlo Spa 13-deoxy-4'-deoxy-4'-iodoanthracyclines
GB9418260D0 (en) * 1994-09-09 1994-10-26 Erba Carlo Spa Anthracycline derivatives

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1059873A (ja) * 1996-08-15 1998-03-03 Mitsui Petrochem Ind Ltd シクロペンタジエンの製造方法
JP2001512457A (ja) * 1997-02-14 2001-08-21 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド アミノオキシ修飾オリゴヌクレオチド
JP2001515040A (ja) * 1997-08-13 2001-09-18 ジェム ファーマスーティカル インク 13−デオキシアントラサイクリン誘導体及びその製造方法
JP2002518293A (ja) * 1998-03-03 2002-06-25 ジェム ファーマスーティカル インク 5−イミノ−13−デオキシアントラサイクリン誘導体、その使用、及び、その調製方法
JP2002522447A (ja) * 1998-08-07 2002-07-23 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド アミノオキシ修飾ヌクレオシド化合物とそれから製造されるオリゴマー化合物
US6403779B1 (en) * 1999-01-08 2002-06-11 Isis Pharmaceuticals, Inc. Regioselective synthesis of 2′-O-modified nucleosides
JP2002541784A (ja) * 1999-04-08 2002-12-10 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド Stat3発現のアンチセンスオリゴヌクレオチド調節
JP2003507051A (ja) * 1999-08-19 2003-02-25 アイシス・ファーマシューティカルス・インコーポレーテッド フォーカルアドヒージョンキナーゼ発現のアンチセンスモジュレーション
JP2001270851A (ja) * 2000-03-24 2001-10-02 Tokuyama Corp 含窒素化合物の製造方法
JP2004277369A (ja) * 2003-03-18 2004-10-07 Sumitomo Chem Co Ltd 酸ヒドラジド化合物の製造方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012010767; Russian Journal of Organic Chemistry 36(9), 2000, 1346-1352頁 *
JPN6012010768; Tetrahedron 59(37), 2003, 7413-7422頁 *
JPN6012010769; Tetrahedron Letters 45(7), 200402, 1503-1505頁 *

Also Published As

Publication number Publication date
ES2592682T3 (es) 2016-12-01
KR101263043B1 (ko) 2013-05-09
US20080015345A1 (en) 2008-01-17
CA2586135A1 (en) 2006-05-18
UA91349C2 (uk) 2010-07-26
JP5307399B2 (ja) 2013-10-02
US7772379B2 (en) 2010-08-10
CR9174A (es) 2008-08-01
EP1809644A4 (en) 2012-07-18
EP1809644B1 (en) 2016-06-22
IL182970A (en) 2011-04-28
RU2007121563A (ru) 2008-12-20
WO2006052915A1 (en) 2006-05-18
RU2404188C9 (ru) 2011-03-20
US20060100421A1 (en) 2006-05-11
CN101098880B (zh) 2015-06-17
US7244829B2 (en) 2007-07-17
MX2007005543A (es) 2008-03-04
AU2005304698A1 (en) 2006-05-18
RU2404188C2 (ru) 2010-11-20
EP1809644A1 (en) 2007-07-25
BRPI0517810B1 (pt) 2022-03-03
KR20070089788A (ko) 2007-09-03
US20110028702A1 (en) 2011-02-03
US8097707B2 (en) 2012-01-17
IL182970A0 (en) 2007-08-19
BRPI0517810A (pt) 2008-10-21
CA2586135C (en) 2013-01-08
EA200701270A1 (ru) 2007-10-26
CN101098880A (zh) 2008-01-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
PT89662B (pt) Processo para a preparacao de novos glicosidos antraciclinicos e de composicoes farmaceuticas que os contem
JP5307399B2 (ja) 13−デオキシアントラサイクリン類を調製するための組成物及び方法
JPS634835B2 (ja)
JPS6328077B2 (ja)
JPH0660191B2 (ja) 新規アントラサイクリングリコシド類,それらの製造方法及びそれらを含む抗腫瘍剤
JPS6328079B2 (ja)
JP2516769B2 (ja) 新規なアントラサイクリン
CA2322424C (en) 5-imino-13-deoxy anthracycline derivatives, their uses, and processes for preparing them
JP3068258B2 (ja) 13−ジヒドロ−3′−(2−アルコキシ−4−モルホリニル)アンスラサイクリン
JPS6259717B2 (ja)
IT9022047A1 (it) 13-desosso-4'-desossi-4'-iodoantracicline
AU2012211397B2 (en) Compositions and Processes for Preparing 13-Deoxy-Anthracyclines
HRP950436A2 (en) 8-fluoro-anthracyclines, processes for their preparation and pharmaceutical compositions containing them
AU2015201950A1 (en) Compositions and Processes for Preparing 13-Deoxy-Anthracyclines
JPS6259718B2 (ja)
KR20010013772A (ko) 13-디하이드로-3' 아지리디노 안트라사이클린
JPS6260397B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20080813

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080815

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20120606

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120705

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20120706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20130426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees