JP2008517068A - 歯科用セルフエッチング組成物および使用法 - Google Patents

歯科用セルフエッチング組成物および使用法 Download PDF

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Abstract

セルフエッチングプライマー組成物と、修復の前に歯の表面をエッチングおよび処理する方法である。本セルフエッチングプライマー組成物はDOPAを含む。実施においては、本組成物を歯の表面に塗布した後、洗浄を行わずに接着剤またはその他の修復材料を適用する。

Description

本出願は、その内容を本件に引用して援用する、2004年10月20日出願、米国仮出願第60/620,646号、標題“歯科用セルフエッチング組成物および使用法(Dental Self-Etching Composition And Method Of Use)”に対して優先権を主張するものである。
本発明は一般に、窩洞充填、コア構築、修復用セメント合着、および根管治療などの歯の補修または修復に先だち、歯の表面を前処理(preparing)するための組成物および方法、特に、セルフエッチング組成物およびその使用法に関する。
硬組織、すなわち象牙質またはエナメル質へのレジンの接着性を向上させる方法と組成物は、歯科技術において常に目標である。接着性の向上は、修復を長持ちさせ、歯の感受性(sensitivity)を抑える。このため、歯科用修復材料(シーラント、充填材、間接的な歯科修復のセメント合着など)を適用するため歯を前処理する方法、例えば、酸エッチングやプライミング工程など、多くの方法が開発されてきた。残念ながらこれらの工程は治療を長く複雑にしてしまう。
酸エッチング剤は、スミアー層を除去し、歯表面を脱灰して、修復材料の機械的接着性を効果的に高めると一般に考えられている。しかしエッチング剤の使用には、塗布後に洗い流さなければならず、塗布、洗浄、および乾燥と時間のかかる工程が必要であるなどの欠点がある。更に、強力なエッチング剤の使用により一部の患者で歯の感受性が大きくなると認められている点も、エッチング剤の欠点である。
酸エッチング法の他、プライマーの使用によっても接着強度は向上する。プライマー類は一般に、象牙質と接着レジン系の両方に親和性を示し、また重合工程に関与する表面活性化合物であって、本来親水性である象牙質と大部分が疎水性のポリマー系接着剤またはその原料となるモノマー類との間の接着性を向上させる。プライマー類は、アセトン、エタノール、水、および様々な混合溶媒系など、一般に用いられる溶媒の溶液の形で象牙質に塗布する。ボウエン(Bowen)による米国特許第4,588,756号および米国特許第5,789,610号では、N−フェニルグリシン(NPG)およびN−(p−トリル)グリシンとメタクリル酸グリシジルとの付加物(NTG−GMA)の、プライマーとしての使用を開示している。これらはその表面活性に加え、界面重合の際の共開始剤または活性剤としても作用する。アントヌッチ(Antonucci)による米国特許第6,458,869号は、象牙質接着用の象牙質接着セルフエッチングプライマーとしてのN−フェニルイミノ二酢酸(PIDAA)の使用を教示している。プライマーは接着性の向上に有効であるが、しばしば追加工程を用いて塗布しなければならない。また、アミノ酸は一般に酸化し易く、更にアミノ酸の溶液は、数日内ではなくとも数週間のうちには暗褐色に変わってしまう。
米国特許第4,588,756号 米国特許第5,789,610号 米国特許第6,458,869号
従って、当該技術においては、接着性に優れ、歯の感受性を高めず、更に、より少ない工程数で適用可能な、改良された組成物が求められている。
上記の欠点および不都合は、反応性の高いアミノ酸であるジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)を含むセルフエッチングプライマー組成物によって解決される。DOPAの含有量は、エッチングおよびプライミングを行うのに効果的な量、一般に全組成物の約0.1〜約10重量%、より望ましくは約0.5〜約5.0重量%の範囲である。特に好ましい態様では、本組成物は、歯表面から組成物を洗い流す必要がなく、歯構造体の接着性を高める。従って本組成物を、塗布および貯蔵が容易なよう、単一成分材料として調製することができる。本組成物には更に、歯の感受性を下げるのに効果的な量で、炭素数2〜約20のアルデヒド、望ましくはグルタルアルデヒドの形の知覚鈍麻剤および抗菌剤を加えても良い。硝酸カリウムまたは塩化カルシウムなどの金属イオン塩も加えることができる。更にフッ化物またはフッ化物源を本組成物に加えても良い。
使用法に従って上記の組成物を歯構造体と物理的に接触させた後、接着剤やその他の修復用組成物を塗布する前に、少なくとも部分的に乾燥させる。その間の洗浄工程や第2のプライマー塗布工程は不要である。
本発明者らは思いがけず、DOPAが、修復を受ける歯にエッチングとプライミングを同時に行うために有効であることを発見した。DOPAをHClなどの希釈した鉱酸溶液に溶解すると、生成したセルフエッチングプライマーは非常に貯蔵安定性が良くなる。望ましいDOPA体の例としては、レボドーパ(L−DOPA)、DOPAの自然発生体、D−DOPA、およびDL−DOPAが挙げられる。
従って、本発明によるセルフエッチング、プライミング組成物は、HCl、HNO、HPO、HSOなどの一般的な希釈した鉱酸および同様の酸と組み合わせた、DOPAの溶液を含むものである。希酸の濃度は約2以下の酸規定度であることが望ましい。
DOPA成分の含有量は、全組成物の約0.1〜約50重量%、より望ましくは約0.2〜約10重量%、最も望ましくは約0.5〜約5.0重量%である。酸成分の含有量は、全組成物の約5〜約99重量%、より望ましくは約40〜約98重量%である。
接着効果を更に高めるため、ジア(Jia)らによる、同一発明者による(commonly owned)米国特許第6,592,372号に開示のものなど、他のセルフエッチングプライマーと共に、このDOPA溶液を使用することもできる。
本組成物に含まれる追加成分としては、オレフィン系不飽和基と末端−SO基、例えば−SOH基の両方を持つモノマーが挙げられる。このような化合物の例としては、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸(AMPS)とその誘導体、メタクリル酸2−スルホエチル(SEM)とその誘導体、およびメタクリル酸3−スルホプロピル(SPM)とその誘導体が挙げられる。誘導体の例としては、AMPS、SEM、およびSPMのスルホン酸塩類、およびAMPS、SEM、およびSPMの加水分解活性(hydrolytically active)エステル類が挙げられる。AMPS化合物は、オハイオ州ウィクリフ、ルーブリゾール・コーポレーション(Lubrizol Corporation)より入手できる。SEMおよびSPM化合物は、ペンシルベニア州、ポリサイエンス・インク(Polyscience, Inc.)より入手できる。
適当な塩対としては、アルカリおよびアルカリ土類金属が挙げられる(但し、これらに限定するものではない)。適当なエステル部分としては、低級アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルなど、また更にベンジルなどの芳香族基が挙げられる(但し、これらに限定するものではない)。−SO末端基を持つモノマーの溶液中の含有量は、全組成物の約0.1〜約50重量%、より望ましくは約0.5〜約20重量%、最も望ましくは約1〜約10重量%である。
セルフエッチング/プライマー組成物には更に、歯の修復部位における感受性を下げるために効果的な量のアルデヒドを加えても良い。適当なアルデヒド類としては、炭素数2〜約20、望ましくは2〜約10、最も望ましくは2〜約6の脂肪族アルデヒド類が挙げられる。炭素数6〜約20の芳香族および複素芳香族アルデヒド類も使用できる。本発明の範囲にはジアルデヒド類も含まれる。アルデヒド類の例としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、バニリン、サリチルアルデヒド、o−フタルアルデヒド、アニスアルデヒド、フルフラールなどが挙げられる(但し、これらに限定するものではない)。望ましい知覚鈍麻剤はグルタルアルデヒドである。
アルデヒドを用いる場合、その効果的な量は一般の当業者であれば容易に決定できる。一般に、効果的な量は全組成物の約0.1〜約20重量%、望ましくは約0.2〜約10重量%、最も望ましくは約0.5〜約3重量%である。
セルフエッチング/プライマー接着剤組成物には、必要に応じてフッ化物源を更に加えても良い。本組成物の成分と適合性を持つ適当なフッ化物源としては、例えば、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化カルシウム、フルオロリン酸カルシウムなどが挙げられる。フッ化物放出化合物を用いる場合、その使用量は全組成物の約2重量%までである。
セルフエッチング/プライマー接着剤組成物には、組成物のプライミング、接着、クリーニング、またはコンディショニング効果を高めるため、必要に応じた追加成分を更に加えても良い。このような成分としては、メタクリル酸、エステル、または同様の基などに含まれる、重合可能な二重結合を持つ化学物質、水に良好または制限された溶解性を持つ追加の酸、界面活性剤、メチレンブルーなどの染料、クロロヘキサジンおよびその誘導体などの薬剤、pH指示薬、等が挙げられる。より詳細には、有用なプライミング成分の例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル類、イタコン酸、エチレングリコール=メタクリラート、マレイン酸、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、トリメチロールプロパン=トリメタクリラート(TMPTMA)、および当該分野で公知のその他の重合性(メタ)アクリル酸モノマー類/オリゴマー類が挙げられる。光硬化開始剤の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(ドイツ国BASF製、Lucirin TPO)などが挙げられる。これらの必要に応じた成分の含有量は一般に約50重量%までの範囲である。
pH指示薬を加えると、歯の無機物からのエッチング処理の中和効果によるセルフエッチング組成物のpH変化を示すことができる。適当なpH指示薬の例としては、メチルレッド(酸性で赤、pHが中性に近づくと黄色に変わる)、リトマス(酸性で赤、pHが微アルカリ性になると青に変わる)が挙げられる。更にpH指示薬によって、溶液を塗布した場所が実施者に見えるようになる。
メチレンブルーなどの染料を0.1%以下の少量で加えると、歯の表面に塗布する場合に組成物を青く染めることができる。実施においては、染料を含むプライマーを歯の表面に塗布する。しばらく待ってプライマーを乾燥させた後、プライミングした表面に歯科用接着剤の層を塗って約5〜約60秒間光硬化させると、処置した歯の表面の青色は薄くなり、接着剤層は無色となる。
エッチング剤/プライマー組成物は更に溶媒を含む。このような溶媒系としては、水、および/または、水と部分的または完全に混和する極性溶媒が挙げられる。歯科用に適した溶媒系は、臨床において許容可能な時間(約15〜約180秒程度)のうちに、コンディショニングしたエナメル質、特に象牙質の表面を完全に濡らし、その中に拡散するものである。望ましい有機溶媒としては、低分子量ケトン類(例えば、アセトンおよびメチルエチルケトンなど、広い濃度範囲で水に容易に溶けるもの)、または低分子量アルコール(例えば、エタノールまたはプロパノールなど)が挙げられる。その他の溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性非プロトン性液体が挙げられる。水、エタノール、アセトン、または水とアセトンとの混合溶媒系が好ましい。このような溶媒系では、アセトンの量(体積)を約5〜約50%の範囲とし、残りの部分を水とすることができる。
溶媒は、セルフエッチング/プライマー化合物を露出した象牙質表面全体と確実に接触させ、セルフエッチング/プライマー化合物が十分作用できるようにすることを目的としている。このため溶媒系は、エッチング剤/プライマー化合物の粘度を適度に下げ、更に、象牙質表面の最も小さな間隙、裂溝または細孔にも組成物が浸透して、重合した接着剤成分と象牙質とが適度に接触するよう、適当な表面張力とするものでなければならない。一部の例では、適当な表面張力とするために界面活性剤を用いる。多くの例においては、セルフエッチング/プライマー化合物を接着剤モノマー系と組み合わせるならば、セルフエッチング/プライマー化合物の溶解に用いる溶媒系は、接着剤モノマー系の溶解に用いる溶媒系とも混和性であり、および/または、接着剤モノマー系自体も溶解可能なものであることが望ましい。
使用する溶媒の量は、他の成分の全量の100重量%以下、望ましくは全組成物の30〜99重量%、より望ましくは40〜99重量%である。蒸留水または脱イオン水は、溶液の接着性に有害となり得る不純物を含まないため好ましい。本組成物にエタノールまたはアセトンなどの揮発性溶媒を用いる場合、水の量は2%程度まで少なくしても良い。
セルフエッチング/プライマー接着剤組成物は、前処理した歯の表面に直接塗布することができる。組成物は、従来のプッシュシリンジ、スクイーズボトル、伸長したプラスチック製管状チップ、金属カニューレ、単回投与用パッケージから押し出し、またはブラシで歯に塗布する。所定時間(5〜120秒、望ましくは10〜60秒)置いて、歯の表面を軽く乾かす。洗浄の必要はない。歯の表面に治療用組成物を塗布後、重合性の歯科用接着剤系を塗布し、乾燥し、必要に応じて硬化させた後、歯科用修復材料を塗布し、硬化させる。歯科用接着剤は、歯の洗浄を行う必要なく、歯に接着する。あるいは、歯科用接着剤系をセルフエッチング/プライマー接着剤組成物に加え、セルフエッチング/プライマーの塗布と歯科用接着剤の塗布とを併せてひとつの工程で行っても良い。
適当な歯科用接着剤および修復剤は当該技術において一般的なものである。“歯科用接着剤”および本件で用いる同様の用語は、コンディショニングしたエナメル質と象牙質の両方に接着性を持つ様々な材料に適用できる。少なくとも歯科用接着剤は、可視光または化学線により、あるいは化学的手段によって重合を開始および促進するために必要な1つ以上の重合性樹脂成分と、リン酸またはカルボン酸(COOH)官能基などのアニオン官能基を含む1つ以上の重合性モノマーとを含むものである。モノマー類の例としては、トリエチレングリコール=ジメタクリラート(以後、TEGDMAとする)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以後、HEMAとする)、2,2−ビス[p−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(以後、ビス−GMAとする)、ポリウレタン=ジメタクリラート類(以後、PUDMAとする)、トリメチロールプロパン=トリメタクリラート(以後、TMPTMAとする)などが挙げられる。この歯科用接着剤は、アセトン、エタノール、およびそれらの混合物などの揮発性溶媒を更に含むセルフプライミング接着剤の形態としても良い。溶媒として水も使用できる。歯科用接着剤は、1成分材料から成るものでも、あるいは2成分から成るものでも良い。歯科用接着剤の第2成分は、単独で化学硬化を促進する、あるいは化学線への露光による硬化と組み合わせて2段階硬化型の重合とする、開始剤および/または促進剤を含んでいても良い。歯科用接着剤の自己硬化を促進する物質の例としては、例えば、BPO、DHEPT、および芳香族スルフィン酸塩が挙げられる。有用な歯科用接着剤の1つとして、Bond−1(登録商標)およびBond−IT(登録商標)(いずれも、ペントロン・クリニカル・テクノロジーズ(Pentron Clinical Technologies, LLC)製)が挙げられる。望ましい歯科用接着剤は、光、望ましくは可視光への露光によって硬化する。
有用な歯科用修復材料またはセメントとしては、アマルガムおよび非アマルガム歯科用修復材が挙げられる。有用な非アマルガム材料の例としては、コンポマー(compomer)修復材、コンポジットレジン修復材、グラスアイオノマーレジン修復材、グラスアイオノマーレジン合着用セメント、レジンセメント、およびレジン系歯科用シーラントが挙げられる。
この組成物は、歯に塗布すると、洗浄または第2の塗布工程を行う必要なく、歯の接着性を高める。現在市販の接着剤系の典型的な多工程接着プロトコルは、一般に材料を無駄にし易く、また非常に技術に左右される傾向がある。本発明のセルフエッチング/プライマー接着剤組成物は、基材表面の前処理と接着剤モノマー系の塗布に通常含まれる工程数を減らす(3または4工程から1または2工程へ)だけでなく、無駄が少なく、良好な修復またはシーラントを行うことができる。
更に、従来の強力なエッチング剤は、接着剤系の成分の拡散による濡れを良くするために象牙質表面を清浄にするには効果的であるが、同時に、過剰な脱灰とコラーゲン原繊維の崩壊によってその下の健全な象牙質を弱くすることがある。このようなタイプのエッチング剤では通常、残留する酸と可溶性の副成物を除去するため水洗工程が必要である。更に、強力なエッチング剤の使用により脱灰・変性した象牙質の深さは、接着レジンが象牙質に浸透できる深さより大きく、弱められ、部分的に強化された混成象牙質領域が生じるため、破損し易くなる。これに対し、本発明の組成物はより穏やかで、水および/または水性溶媒存在下でも有効であるため、エッチング剤とプライマー組成物とを後に濯ぎを行う必要のない単一工程として使用することができる。従って、多工程系で残留する酸と可溶性副生物を除去するために行うような水洗工程を用いても良いが、このような濯ぎ工程を用いる必要はない。
本発明の組成物が穏やかであることのもう一つの長所は、修復部位における患者の感受性が下がることである。このような感受性は、効果的なアルデヒド(グルタルアルデヒドなど)を用いても更に低下する。
次の表1に、本発明のセルフエッチングプライマー組成物を示す。
Figure 2008517068
以下の非限定的な例は本発明を説明するものである。
本発明のセルフエッチングプライマー組成物と共に用いた接着剤の接着強度を試験するため、表1に示す組成物から成る本発明のエッチング剤溶液を用いた。円筒形の冷硬化アクリル樹脂を用いてそれぞれの歯を固定し、露出した冠部分を取り去って、歯試料を調製した。各試験群は5個の歯試料から成る。次に、低速ダイアモンドホイールソー、650型(サウス・ベイ・テクノロジーズ・インク(South Bay Technologies, Inc.)製)を用いて歯冠のエナメル部を切り落とし、咬合象牙質を露出した。露出した象牙質に600グリットのSiC研磨紙をかけた。象牙質表面を清浄とし、水洗後、2〜3秒間空気を吹きつけて軽く乾かし、表面に見える水を除いた。次に、実験用セルフエッチングプライマーおよび/または接着剤、あるいはオールインワン型接着剤を、使い捨てブラシチップを用いて歯の表面に塗布した。
セルフエッチングプライマーについては、ブラシを用いて歯表面にプライマーを塗り、約30秒間置いた後、短く2秒間空気を吹き付けて乾燥させ、あるいはキムワイプティッシュで拭うか、乾いたブラシチップで掃き取った。エッチング剤として37%HPOを用いた試料では、エッチングゲルを歯表面に塗り、20秒間置いた後、少なくとも10秒間水をフラッシュして酸を除き、キムワイプティッシュで拭って乾燥させた。
次に、プライミングした歯の表面にレジン接着剤の被覆を塗布し、約10秒間空気乾燥して接着剤中の溶媒を除いた。Optilux400光硬化ユニット(Demetron/Kerr製)を用い、約600mw/cmの放射強度の可視光で接着剤表面を10秒間硬化した。最初の接着剤の塗布でブラシに残っていた接着剤を、硬化した接着剤の表面にブラシで付けた。
歯の接着試料を固定し、硬化した接着剤の面上に複合材のシリンダを作るため、Ultradent象牙質接着装置/ジグ(ユタ州、ウルトラデント(Ultradent)製)を用いた。直径2.38mm、厚さ約2mmの複合材ボタンの構築には、Simile(登録商標)A2シェード複合材(ペントロン・クリニカル・テクノロジーズ製)を用いた。次にこの複合材を、上方のみから40秒間光硬化させた。
ウルトラデント装置を取り外し、接着した歯の試料を37℃の温度の湯に24時間漬けた後、供試した。押し切り型(push-shear mold)中、ウルトラデント装置をATS装置と共に用い、クロスヘッド速度0.02インチ/分で接着性試験を行った。複合材ボタンが壊れ/歯から砕け落ちた負荷を記録し、最大負荷を複合材シリンダの表面積で割って接着強度を算出し、メガパスカル(MPa)で示した。次に、各群の供試試料を基に標準偏差も計算した。以下の表2に、接着強度の結果を示す。
Figure 2008517068
* Bond 1、Bond-It、および NanoBond 歯科用接着剤は、ペントロン・クリニカル・テクノロジーズの製品である。
**Clearfil SE Bond歯科用接着剤は、(株)クラレの製品である。
表2に示すように、本発明のセルフエッチング組成物は、歯表面へのエッチング剤の塗布に用いた工程は少なかったが、同程度またはより良好な接着性を示した。
上記の表2の例で使用した他の接着剤は溶媒を含む接着剤で、塗布後更に空気乾燥する必要があるのに対し、Bond-It(登録商標)VLC接着剤は溶媒を含まないレジン接着剤である点が注目される。無溶媒接着剤を本件に記載のセルフエッチングプライマー組成物と組み合わせて用いると工程が容易となり、更に、接着剤層中に捕捉される空気が少なくなる。
先の記述は本発明の望ましい実施の形態を説明するものであるが、使用された概念は、これらの記述に基づいて、本発明の範囲から外れることなく他の実施の形態にも用いることができる。従って添付の請求項は、本発明を広く、また具体的な形で列挙しようとするものである。

Claims (69)

  1. 約0.1〜約50重量%のジヒドロキシフェニルアラニン(DOPA)を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  2. 約40〜約99重量%の量の鉱酸溶媒を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  3. 請求項2に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記鉱酸溶媒は希釈した酸であることを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  4. 請求項2に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記鉱酸溶媒は、HCl、HNO、HPO、HSO、およびそれらの混合物から成る群より選ばれる無機酸を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  5. AMPS、AMPS誘導体、SEM、SEM誘導体、SPM、SPM誘導体、または前記モノマー類の少なくとも1つを含む混合物から成る群より選ばれる、オレフィン系不飽和基と−SO末端基とを持つモノマーを、約0.1〜約50重量%含む化合物を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  6. 請求項5に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記オレフィン系不飽和基と−SO末端基を持つモノマーは、アルカリまたはアルカリ土類金属の塩を更に含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  7. 請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記DOPAは、レボドーパ(L−DOPA)、DOPAの自然発生体、D−DOPA、DL−DOPA、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  8. 約0.1〜約20重量%の量のアルデヒドを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  9. 請求項8に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記アルデヒドは、アセトアルデヒド(acetic aldehyde)、プロピオンアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、バニリン、サリチルアルデヒド(salicylic aldehyde)、o−フタルアルデヒド(phthalic aldehyde)、アニスアルデヒド、フルフラール、またはグルタルアルデヒドを含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  10. 0〜約2重量%のフッ化物成分を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  11. 請求項10に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記フッ化物は、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム(sodium monofluorophosphate)、フッ化カルシウム、またはフルオロリン酸カルシウム類を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  12. 約50重量%までの量の重合性樹脂を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  13. 請求項12に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記重合性樹脂は、(メタ)アクリル酸モノマーまたはオリゴマーの1つ以上を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  14. 請求項13に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記(メタ)アクリル酸モノマーまたはオリゴマーは、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル類、イタコン酸、エチレングリコール=メタクリラート、マレイン酸、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、およびトリメチロールプロパン=トリメタクリラートの1つ以上を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  15. 界面活性剤、染料、pH指示薬、薬剤、光硬化開始剤、およびそれらの混合物から成る群より選ばれる添加剤を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  16. 請求項15に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記光硬化開始剤は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  17. 請求項15に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記pH指示薬は、メチルレッドまたはリトマスを含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  18. 請求項15に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記薬剤は、クロロヘキサジン(chlorohexadine)またはその誘導体を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  19. 請求項15に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記染料はメチレンブルーを含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  20. 全組成物の約30〜約99重量%の量の第2溶媒を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  21. 請求項20に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記第2溶媒は、低分子量ケトン、低分子量アルコール、極性非プロトン性液体、水、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  22. 請求項21に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記低分子量ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  23. 請求項21に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記低分子量アルコールは、エタノール、プロパノール、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  24. 請求項21に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記極性非プロトン性液体は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  25. 請求項20に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記第2溶媒は、水、エタノール、およびアセトンを含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  26. 請求項20に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記第2溶媒は、水およびアセトンを含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  27. 歯科用接着剤組成物を更に含むことを特徴とする、請求項2に記載のセルフエッチングプライマー組成物。
  28. 請求項27に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記歯科用接着剤組成物は重合性樹脂成分を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  29. 請求項28に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記重合性樹脂成分は、トリエチレングリコール=ジメタクリラート(以後、TEGDMAとする)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以後、HEMAとする)、2,2−ビス[p−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(以後、ビス−GMAとする)、ポリウレタン=ジメタクリラート類(以後、PUDMAとする)、トリメチロールプロパン=トリメタクリラート(以後、TMPTMAとする)、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  30. 請求項27に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記歯科用接着剤組成物は、開始剤、促進剤、またはそれらの混合物を更に含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  31. 請求項27に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記歯科用接着剤組成物は溶媒を含まないことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  32. 請求項27に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記歯科用接着剤組成物は溶媒を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  33. 請求項32に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記溶媒は揮発性溶媒を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  34. 請求項33に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記揮発性溶媒は、アセトン、エタノール、またはそれらの混合物を含むことを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  35. 請求項27に記載のセルフエッチングプライマー組成物であって、
    前記歯科用接着剤組成物は二成分系であることを特徴とするセルフエッチングプライマー組成物。
  36. 接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    約0.1〜約50重量%のDOPAを含むセルフエッチングプライマー組成物を塗布する工程と、
    異なるプライマー組成物を塗布することなく、接着剤組成物を表面に塗布する工程と、
    を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  37. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル類、イタコン酸、エチレングリコール=メタクリラート、マレイン酸、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、トリメチロールプロパン=トリメタクリラート、および2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドの1つ以上を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  38. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、約40〜約99重量%の量の鉱酸溶媒を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  39. 請求項38に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記鉱酸溶媒は希釈した酸であることを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  40. 請求項38に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記鉱酸溶媒は、HCl、HNO、HPO、HSO、およびそれらの混合物から成る群より選ばれる無機酸を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  41. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、AMPS、AMPS誘導体、SEM、SEM誘導体、SPM、SPM誘導体、または前記モノマー類の少なくとも1つを含む混合物から成る群より選ばれる、オレフィン系不飽和基と−SO末端基とを持つモノマーを、約0.1〜約50重量%含む化合物を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  42. 請求項41に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記オレフィン系不飽和基と−SO末端基とを持つモノマーは、アルカリまたはアルカリ土類金属の塩を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  43. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、約0.1〜約20重量%の量のアルデヒドを更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  44. 請求項43に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記アルデヒドはグルタルアルデヒドであることを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  45. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、0〜約2重量%のフッ化物成分を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  46. 請求項45に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記フッ化物は、フッ化ナトリウム、フッ化スズ、モノフルオロリン酸ナトリウム、またはフルオロリン酸カルシウム類を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  47. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、約50重量%までの量の重合性樹脂を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  48. 請求項47に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記重合性樹脂は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリセリル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル類、イタコン酸、エチレングリコール=メタクリラート、マレイン酸、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、およびトリメチロールプロパン=トリメタクリラートの1つ以上を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  49. 界面活性剤、染料、pH指示薬、薬剤、光硬化開始剤、またはそれらの混合物から成る群より選ばれる添加剤を更に含むことを特徴とする、請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法。
  50. 請求項49に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記光硬化開始剤は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  51. 請求項49に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記pH指示薬はメチルレッドを含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  52. 請求項49に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記薬剤は、クロロヘキサジンまたはその誘導体を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  53. 請求項49に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記染料はメチレンブルーを含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  54. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、全組成物の約30〜約99重量%の量の第2溶媒を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  55. 請求項54に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記第2溶媒は、低分子量ケトン、低分子量アルコール、極性非プロトン性液体、水、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  56. 請求項55に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記低分子量ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  57. 請求項55に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記低分子量アルコールは、エタノール、プロパノール、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  58. 請求項55に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記極性非プロトン性液体は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  59. 請求項54に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記第2溶媒は、水、エタノール、およびアセトンを含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  60. 請求項54に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記第2溶媒は、水およびアセトンを含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  61. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記歯科用接着剤組成物は重合性樹脂成分を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  62. 請求項61に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記重合性樹脂成分は、トリエチレングリコール=ジメタクリラート(以後、TEGDMAとする)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以後、HEMAとする)、2,2−ビス[p−(2’−ヒドロキシ−3’−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(以後、ビス−GMAとする)、ポリウレタン=ジメタクリラート類(以後、PUDMAとする)、トリメチロールプロパン=トリメタクリラート(以後、TMPTMAとする)、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  63. 請求項61に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記歯科用接着剤組成物は、開始剤、促進剤、またはそれらの混合物を更に含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  64. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記歯科用接着剤組成物は溶媒を含まないことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  65. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記歯科用接着剤組成物は溶媒を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  66. 請求項65に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記溶媒は揮発性溶媒を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  67. 請求項65に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記揮発性溶媒は、アセトン、エタノール、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  68. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記接着剤組成物は二成分系であることを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
  69. 請求項36に記載の接着性を高めるための歯のエッチングおよび処理法であって、
    前記セルフエッチングプライマー組成物は、従来のプッシュシリンジ、スクイーズボトル、伸長したプラスチック製管状チップ、金属カニューレ、単回投与用パッケージ、またはブラシを用いて歯に塗布することを特徴とする歯のエッチングおよび処理法。
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