JP2008512580A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】明細書
【発明の名称】 ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパンメルト不織布、より具体的には、ハイドロエンゴルジされているこのようなスパンメルト不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
スパンメルト不織布(例えば、スパンボンドもしくはメルトブローン不織布)は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のような熱可塑性連続繊維、2成分もしくは多成分繊維、ならびに、このようなスパンメルト繊維の、レーヨン、綿、およびセルロースパルプ繊維等との混合物から形成される。従来、これらスパンメルト不織布は、熱的に、超音波により、化学的に(例えば、ラテックスにより)、もしくは樹脂状に結合等され、こうして、実質的に脆くなく、これらの一体性を接着後の加工および変換を経て保持する接着を作り出す。熱および超音波による接着は、永久的な融着を作り出す一方、化学的接着は、永久的な接着を作り出すこともあり、作り出さないこともある。典型的に融着されたスパンメルト不織布は、10〜35%、好ましくは12〜26%の接着面積を有する。
【0003】
一般的に、先行技術は、スパンメルト不織布のハイドロエンタングルメントが、引張強度を増加もしくは維持するために、該スパンメルト不織布は初期に融着を基本的に有しておらず、初期に存在する接着はハイドロエンタングルメントプロセスの間に大部分が壊れる脆いタイプであることを必要とすると教示する。例えば、米国特許第6,430,788号明細書および米国特許第6,321,425号明細書ならびに米国特許出願公開第2004/0010894号明細書および米国特許出願公開第2002/0168910号明細書参照。このような非接着もしくは脆く接着されたスパンメルト体のハイドロエンタングルメントは、主として結合性、これゆえ引張強度を該スパンメルト不織布に加えるのに使用される。
【0004】
変換を容易化させるために(つまり、更なるスパンメルト不織布の加工)、該不織布が、該変換加工に適切な引張強度を有することが必要である。その引張強度に関する許容可能な「窓」は、意図される変換加工と共に変動する。
【0005】
該非接着もしくは脆く接着されたスパンメルト不織布の場合、その初期の結合性もしくは引張強度は非常に低く、ハイドロエンタングルメント工程の使用が、その結合性および引張強度を増加させ(以前のものに相対的に)、こうして、当該スパンメルト不織布が、該変換プロセスを受けることができる。しかしながら、先行技術は一般的に、ハイドロエンタングルメント前の該融着されたスパンメルト不織布の性質のために、ハイドロエンタングルメントに引き続いてのこのようなスパンメルト不織布が、限られたレベルの結合性および相対的に低い引張強度しか示さないと教示しており、これらの1種が頻繁に、ハイドロエンタングルメント前の該融着されたスパンメルト不織布の引張強度に相対的に、実質的に消されてしまい、これは、その繊維の破壊による。これゆえ、融着されたスパンメルト不織布のハイドロエンタングルメントが、当該スパンメルト不織布の結合性および引張強度を、もはや望まれる引き続いての変換プロセスに適していないような程度にまで低下させることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、1つの好ましい実施形態において、融着パターンで接着された熱可塑性連続繊維で形成されるハイドロエンゴルジスパンメルト不織布を提供することである。
【0007】
もう1つ別の課題は、1つの好ましい実施形態において、10%未満の融着面積を有するスパンメルト不織布を提供することである。
【0008】
更なる課題は、1つの好ましい実施形態において、少なくとも10%の融着面積を有するスパンメルト不織布を提供することであり、ここで、該融着パターンは異方性である。
【0009】
本発明の課題はまた、1つの好ましい実施形態において、ハイドロエンゴルジ後に、少なくとも50%の厚さの増加、および、ハイドロエンゴルジ前の該スパンメルト不織布により示された引張強度の少なくとも75%の引張強度を示すようなスパンメルト不織布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記課題および関連した課題が、熱可塑性連続繊維で形成され、融着パターンを提供するハイドロエンゴルジスパンメルト不織布において得られることが今、見出された。不織布は、(i)0%超10%未満の融着面積、および、(ii)少なくとも10%の融着面積(ここで、該融着パターンが異方性である)のうちの1つを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態において、不織布は、直交方向で異なるように融着で接着される。該融着パターンは、各接着の最大寸法の少なくとも4倍の最大接着間隔を有する。ハイドロエンゴルジメント後の不織布は、ハイドロエンゴルジメント前の不織布と比べて、少なくとも50%の厚さの増加を示す(つまり、ロフトもしくは厚さ)。更に、ハイドロエンゴルジメント後の不織布は、ハイドロエンゴルジメント前の該不織布と比べて、少なくとも75%の引張強度を示す。
【0012】
好ましい坪量は、5〜50gsmである。
【0013】
本発明は更に、このような不織布を包含する吸収物品、このような不織布を包含する非吸収物品、または、このような不織布を包含する積層体もしくはブレンド(混合物)を含む。不織布は更に、その表面エネルギーを変更するか、もしくは、そのコンドレープ性を増加させる仕上げを包含してよい。
【0014】
本発明はまた、融着パターンを有するハイドロエンゴルジ合成繊維構造体を含む。該構造体は、(i)0%超10%未満の融着面積、および、(ii)少なくとも10%の融着面積(ここで、該接着パターンが異方性である)のうちの1つを有する。好ましくは、該構造体が、熱可塑性連続繊維を有するスパンメルト不織布で形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書および請求項において使用される場合の用語「ハイドロエンゴルジメント」とは、水圧エネルギーが不織布に適用され、結果として厚さおよび柔らかさがハイドロエンゴルジメント前の当該不織布と比べて増加するようなプロセスを言う。好ましくは、少なくとも50%の厚さの増加がある。同時に、該不織布がこの中において融着パターンを有する場合、一般的に、該ハイドロエンゴルジメントによる引張強度の減少があるが、引張強度の減少は典型的に、従来のハイドロエンタングルメントにより生じるものよりも少ない。好ましくは、ハイドロエンゴルジメント後の引張強度は、ハイドロエンゴルジメント前の引張強度の少なくとも75%である。
【0016】
該ハイドロエンゴルジメントプロセスは、ハイドロエンタングルメント、水ニードリングおよび同様なもののような他の水圧プロセスのように、その中において融着パターンを有する不織布繊維の幾らかの崩壊を該ハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて不可避に生じ、このような繊維の崩壊は、該プロセスの目的ではない。ハイドロエンゴルジメントが、その望まれる機能として、繊維の交絡を生成させる崩壊繊維末端の回転、巻きおよび絡まりを持たないからである。反対に、ハイドロエンゴルジメントは、厚さおよび柔らかさの増加の創出と関連している(これら2つは組み合わされて典型的に、本明細書において、「バルクの増加」と言われている)。
【0017】
ハイドロエンゴルジメントを生じさせるのに使用される装置は、広く言えば、ハイドロエンタングルメントおよび水ニードリングプロセスにおいて従来使用されるものに類似している一方、如何にこのような装置が使用されるかにおいて、ならびに、これがその上で使用される不織布の性質において違いがある。本明細書において以下に記されるように、本発明において有用なスパンメルト不織布は、0%超10%未満の融着面積割合を有するか、もしくは、少なくとも10%の融着面積割合を有し、ここで、該融着の接着パターンは、異方性である。
【0018】
第1に、典型的に、該ハイドロエンゴルジメントプロセスは、不織布各側に、水圧ジェットの単一列もしくはビームを与え、一般的に、該不織布の動きの機械の方向に対して横断的(つまり、直交もしくは45°角未満)である。2列が、該不織布各側にあることがあるが、より多い数の列は一般的に、必要ではない。
【0019】
第2に、該不織布に該水圧ジェットにより付与される水圧エネルギー量は、如何なる与えられた形成表面でも、繊維崩壊量を最小化させ、限るようデザイン(設計)されている一方、尚、厚さの増加および柔らかさの増加を該不織布において創出させるのに必要とされる繊維の動きを達成させるのに充分である。該ハイドロエンゴルジメントプロセスは、これら繊維の崩壊を必要としないが、これは、既に、0%超10%未満である融着面積割合、もしくは、該融着面積割合が少なくとも10%である場合の該融着の接着パターンの異方性の性質による充分長い遊離繊維長があるからである。
【0020】
下で論じられるように、ハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて、他の水圧エネルギー付与プロセスの先行技術のものとは違うことがある他の操作パラメーターは、水ジェット開口部もしくはノズルのサイズおよびデザイン、与えられた如何なる列においても該水ジェット開口部からの離れている空間、該不織布直下の形成表面デザイン、該不織布の移動スピード、および同様なものを包含する。特定の量およびパターンの融着を有する所定のスパンメルト不織布に対して、本明細書において上で同定された本発明の目的を達成するために、ハイドロエンゴルジメントプロセスのこれらパラメーターおよび他のパラメーターの望ましいバランス(平衡)は本発明の範囲内にある。
【0021】
本発明の不織布は、熱可塑性連続繊維で形成されており、ある種のパターンの融着を持つ。融着において、該接着を貫通している連続繊維は、一緒に該接着において溶融されており、こうして、脆くないかもしくは永久的な接着を形成する。該繊維自体が壊され、こうしてもはや、隣接している接着間に延びないのでなければ(ハイドロエンタングルメントプロセスにおいてよく起こるように)、これら繊維の動き、中間体、これら接着が、前記遊離繊維長により限られる(つまり、その上で隣接している2つの接着間の繊維長)。
【0022】
今、図面、特にその図7を参照しながら、スパンメルト不織布10が、連続ストランドもしくはフィラメント12でできていて、移動しているコンベヤベルト14に、ランダム化された分布で載せられている。典型的なスパンメルトプロセスにおいて、樹脂ペレットが加熱下に溶融体中に加工され、次いで、吐糸管を通して供給され、引くための装置16の使用により、数百の薄フィラメントもしくはスレッド12を創出する。(エアのような)流動体ジェットは、スレッド12が伸ばされるようにし、スレッド12が次いで、動いているウェブ14上に吹かれるかもしくは運ばれ、ここで落とされ、ウェブ14に対して搾取函18により、ランダムなパターンで搾取され、布10を創出する。布10が次いで、巻き取り/巻き戻しロール31上で曲げられる前に、接着用ステーション30を通過する。フィラメントもしくはスレッド12は一緒に織られないので、接着が必要である。
【0023】
典型的な融着用ステーション30は、カレンダー32を包含し、接着用ロール34を持っており、一連の同一突起もしくは突出36を画定している。典型的に、これら接着点36は一般的に、互いから等距離にあり、全方向に、これゆえ機械方向(MD)および横断方向(CD)両方に延びている一様で対称なパターンである(つまり、等方性パターン)。あるいは、典型的な融着ステーション30は、超音波装置もしくは通気装置を持ってもよく、融着を引き起こすに充分上昇した温度においてエアを使用する。
【0024】
今、図8Aを参照しながら、そこにおいて、ドラム型デザインを使用するハイドロエンゴルジメント用装置が例示されている。該装置は、巻き取り/巻き戻しロール31を包含し、ここからは、融着布10は曲げられない。布10が次いで引き続き、2つのハイドロエンゴルジメントステーション40、42を通過する。各ハイドロエンゴルジメントステーション40、42は、少なくとも1つのウォータージェットビーム40a、42aをそれぞれ、そして任意に、これに隣接している第2のウォータージェットビームを包含する。布10が、ハイドロエンゴルジメントステーション40、42の周りで曲げられ、こうして、各ビーム40a、42aが、そのウォータージェットを、布10の反対側上に向ける。仕上げに、今ハイドロエンゴルジされた布10が、ドライヤー50を通過させられる。
【0025】
図8Aがドラム型デザインを使用するハイドロエンゴルジメントに使用される装置を例示する一方、図8Bがベルト型デザインを使用するハイドロエンゴルジメントに使用される装置を例示する。この例における布10は、巻き取り/巻き戻しロール31から、透水ベルトもしくはコンベヤー52上に動き、これは、少なくとも1つのビーム40aを備える第1ハイドロエンゴルジメントステーション40および少なくとも1つのウォータージェットビーム42aを備える第2ハイドロエンゴルジメントステーション42を通り、運ぶ。ビーム40a、42aは、該ウォータージェットを、布10の反対表面上に向ける。仕上げに、今ハイドロエンゴルジされた布10が、ドライヤー50を通過させられる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、水用開口部を含有する列もしくはビームが、該不織布表面片側に1もしくは2、好ましくは各側に1だけ、配置される。該ビームは好ましくは、線密度35〜40開口部/インチを持ち、40が特に好ましい。該水用開口部の直径は好ましくは、0.12〜0.14mmであり、0.12mmが特に好ましい。かけられる圧は好ましくは、180〜280バールであり、240バールが特に好ましい。該ハイドロエンゴルジメントステーションを通る該不織布の移動スピードは好ましくは、一般的に約400m/分であるが、より遅いかもしくはより速いスピードが、該不織布上で実施されている他の操作により、採られてよい。該形成表面は、該不織布下で該搾水スロット上に位置されるが、好ましくは、15〜100メッシュのワイヤスクリーン表面であり、25〜30が最適である。明らかに、スパンメルト、融着およびハイドロエンゴルジメントは、好ましくは、統合されたin−lineプロセスにおいて実施される。
【0027】
共有される米国特許第6,537,644号明細書および米国特許第6,610,390号明細書ならびに米国特許出願第09/971,797号明細書は、2001年10月5日に提出され、これらの各々が、本明細書において援用され、非対称パターンの融着(つまり、異方性もしくは非対称パターン)を有する不織布を開示する。これらの文書において開示されているとおり、非対称パターンにある接着は、共通の向きおよび共通の寸法を持ってよいが、第1の向きに直交する向きにされているもう1つ別の方向(例えば、CD)に沿うよりも大きく、1方向(例えば、MD)に沿う合計接着面積を画定し、こうして、これらの点が、もう一方の他の方向の一様なパターンの接着密度とは異なる1方向の一様なパターンの接着密度を形成する。あるいは、やはりこれらの文書において開示されているとおり、これら接着自体が、変動している向きもしくは変動している寸法を持ってよく、これにより、これら2方向に沿うものとは異なるパターンの接着密度を形成する。これら接着は、単純融着、もしくは、1方向に伸びた閉じた図形であってよい。これら接着は、1方向に伸びた閉じた図形であってよく、(a)1方向の軸に沿って平行に向けられた、(b)1方向の軸に沿って隣接する閉じた図形を横断的に向けられた、ならびに(c)次の閉じた図形と共に向けられたセットであって、その間に1方向の軸に沿って伸びた閉じた形状を形成する閉じた図形からなる群から選択されてよい。
【0028】
前記文献が、直交方向に異なる接着パターン(つまり、それに直交する第2の方向の軸に沿うよりも大きく第1の方向の軸に沿った合計接着面積を画定する接着パターン)を開示する一方、本発明において有用な異方性接着パターンは、第1の方向の軸に沿った合計接着面積が、第2の方向の軸に沿った合計接着面積とは異なることだけを必要とし、これら第1および第2の方向の軸が、互いに直交しているかどうかは関係無い。全ての直交方向に異なる接着パターンが異方性である一方、異方性接着パターンが直交方向に異なる必要は無い。
【0029】
本発明は、充分な数の繊維が不織布中においてあり、適度に長い遊離繊維長を有すること、つまり、その上の隣接接着間の繊維長が適度に長いことを確実にする。与えられた繊維に沿った隣接接着間距離が大きいほど、最大可能遊離繊維長は大きくなる。該遊離繊維長が大きいほど、当該繊維がハイドロエンゴルジメント(つまり、バルク化)により利用可能になる。従来の対称接着において、つまり、互いの近傍において多重に融着を持つ対称パターンにおいて、その接着面積割合が少なくとも10%である場合、これら繊維の遊離長は一様に、相対的に短い。結果として、これら繊維が、その鉛直もしくは”z”方向に伸びている(つまり、当該不織布平面に直交)ものからの接着により、バルク化に関して拘束される。従って、従来の接着において、バルク化(つまり、鉛直もしくは”z”方向における伸び)における増大に関する拘束がある。
【0030】
対照的に、本発明による非対称もしくは異方性接着パターンを有する不織布のハイドロエンゴルジメントは、対称パターンを有する同一全体接着面積の布に比較して、より大きな厚さおよび柔らかさを与える。更に、このような異方性パターンを有する不織布のハイドロエンゴルジメントは結果的に、等方性パターンを有する不織布に関連する該ハイドロエンゴルジメントプロセス(および、当該不織布繊維の少なくとも幾らかの不可避の破壊)の結果として、当該不織布の引張強度のより僅かな減少を与える。
【0031】
もし、融着面積の割合が全くなければ(つまり、当該融着面積の割合が0%である)、当該不織布はハイドロエンゴルジメント前の極めて低い引張強度により特徴付けられることになる。従って、融着面積の割合が0%である不織布は、本発明の範囲外にある。
【0032】
本発明は、適切な遊離繊維長を持つ繊維を有するスパンメルト不織布を提供するために、2つの手法を同化させるものと認められることになる。今、特に図1および2に言及しながら、第1の手法が、+であるが低い融着面積割合を与えているパターンの使用に関与する。例えば、これら接着が同一形状および寸法のものであると仮定すれば、当該接着面積割合が低いほど、その平均遊離繊維長が長くなる。この接着面積割合が0%超10%未満である限り、該平均遊離繊維長が本発明の目的に適しているものとなることが、見出されている。当該接着面積の割合が10%により近づくと、当該不織布のハイドロエンゴルジメント前の、そして恐らくハイドロエンゴルジメントに引き続いての、引張強度がより大きくなる。実際、0%超10%未満の接着面積の割合を有する不織布は、異方性パターンもしくは等方性パターンの融着を持つか、あるいは尚、本発明における使用に適している適切な平均遊離繊維長を提供することがある。図1および2はそれぞれ、ハイドロエンゴルジメント前およびハイドロエンゴルジメント後の、10%未満の接着面積を有する不織布を例示する。0%超10%未満の融着面積の割合を有する不織布に関して、図1の最初の厚さC0が、ハイドロエンゴルジメントにより、図2の厚さC1にまで増大される。
【0033】
一方、今、特に図3〜6に言及しながら、該融着面積の割合が少なくとも10%である場合、該平均遊離繊維長が抑えられ、こうして、本発明の利点が、該融着パターンが異方性である場合だけ得られる。これゆえ、図3のC0および図4のC1は実質的に、等方に(対称に)接着された不織布に関して、同一である。対照的に、異方に(非対称に)接着された不織布では、図5のC 0 が図6のC 1 にまで増大される。
【0034】
該接着面積の割合が大きいほど(10%を上回る)、その接着パターンが異方性であることがより重要となり、バルク化を促進させるに適切な遊離繊維長を示す繊維が適切な数あるようにさせる。恐らく、バルク化の促進に適切な遊離繊維長未満を示す多数の繊維があることになる一方(つまり、厚さおよび柔らかさの増加)、異方性接着パターンの使用は、本発明において有用な適切な遊離繊維長を示す適切な数の繊維が残ることになることを確実にする。実際、異方性パターンにおいて与えられた接着面積の割合に関して、これら繊維のうちの幾らかにより示される遊離繊維長が短いほど、他の繊維により示される遊離繊維長が大きくなることになる。
【0035】
これら接着が最大寸法d(例えば、これら接着が平面において環状である場合の直径d)を持つと仮定すれば、好ましい最大接着間隔(つまり、適切な遊離繊維長を与えて)が少なくとも4d、好ましくは少なくとも5dであることが見出されている。
【0036】
最大接着寸法dは、該不織布上の突出を形成していくことにより残される痕の最大寸法として、測定される。実際に、一般的に、このような接着間の遊離繊維長を求めるには、1対の隣接接着間の繊維の経路を辿るのは、不可能である。しかしながら、明らかに、これら2つの接着間の繊維長は、これら接着間の間隔未満であり得ない。これゆえ、実際に、該接着間隔を求め(つまり、1対の隣接接着間距離)、該繊維が、これら隣接接着間を直線で延びると仮定して、該対の隣接接着間の繊維の遊離繊維長が正に、最少接着間隔にあると仮定する。該接着間隔は、光学もしくは電子顕微鏡を使用して、測定用対照を用いて、測定され、本明細書において、1対の隣接接着間の絶対距離である。問われている接着が実際には接着の束である場合、その接着間隔は、1対の隣接クラスター間の絶対距離として採られる。
【0037】
両パターンにおける少なくとも10%の同一の全体での接着面積割合を仮定すると、等方性接着パターンを有する不織布は典型的に、隣接接着対間で一般的に約2d未満の不適切に短い接着間隔だけを持つ一方、対照すれば、異方性パターンを有する不織布は典型的に、実質的な数の適切に大きい最大接着間隔を持ち、実質的な数の対の隣接接着間で、少なくとも4d、好ましくは少なくとも5dであり、ならびに典型的に、より短い接着間隔を持ち、残っている対の隣接接着間で、一般的に約2d未満である。従って、該異方性パターン化不織布は、ハイドロエンゴルジメント後の該等方性パターン化不織布よりも、ハイドロエンゴルジメント後に、柔らかく、より大きい厚さを持つ。
【0038】
不織布の接着面積割合は、不織布の単位面積における幾つかの接着により占められる不織布の全面積/不織布の単位面積の全面積として算出される。接着が共通面積のものである場合、不織布単位面積における幾つかの接着により占められる全面積は、不織布の単位面積における接着の数倍にした接着の共通面積として算出されてよい。
【0039】
今、特に図9および10に言及すると、図9は、断片的な等方性のスキーム表示であり、一部断面であり、異方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布のものであり、図10は、同一材料の電子走査顕微鏡写真であり、50倍の拡大率において撮影された。両方の場合において、dは、楕円形の接着の長軸の長さを表し、S1は、1対の隣接する接着間の最短中心−中心距離を表し、S2は、最長中心−中心距離を表す。この特別な場合において、S1およびS2は、互いに直角であるが、これは必ずしもというわけではない。本明細書において上で論じたとおり、FFL−minは、1対の隣接接着間の最少接着間隔を表し、FFL−maxは、1対の隣接接着間の最大接着間隔を表す。これら接着距離S1およびS2が、これら接着の中点から測定される一方、これら接着間隔FFL−minおよびFFL−maxは、これら接着の隣接末端から測定される(つまり、カレンダーパターンの突出により残される痕の端)。再び、この特別な場合において、FFL−minおよびFFL−maxは、互いに直角であるが、これは必ずしもというわけではない。ハイドロエンゴルジメント前のその布の厚さがC0により指し示される一方、ハイドロエンゴルジメント後の厚さがC1により指し示されることとなる。
【0040】
図11は、典型的な接着およびこの周囲の上からの平面図であり、ハイドロエンゴルジメント前の、等方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布に関する。比較すれば、図12は、幾つかの接着およびこれらの周囲の上からの平面図であり、ハイドロエンゴルジメント前の、異方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布に関する。図15は、典型的な接着およびこの周囲の上からの平面図であり、ハイドロエンゴルジメント後の、等方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布に関する。
【0041】
図13および14はそれぞれ、図11および12の不織布の断面図である。図16および17は、ハイドロエンゴルジメント後の、異方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布材料の、同様な断面図である。図16および17のハイドロエンゴルジ材料の厚さC1の増加はそれぞれ、図13および14の非ハイドロエンゴルジ材料本来の厚さC0に相対的に、明らかである。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布は、仕上げに処理されてよく、より柔らかくよりコンドレープできるようにし、このような仕上げは、米国特許第6,632,385号明細書において開示されており、本明細書において援用され、あるいは、その表面エネルギーを変更し、これにより、疎水性もしくはより疎水的に、または、親水性もしくはより親水的にする。
【0043】
ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布は、吸収物品(特に、例えば、カバーシートもしくは背後シートとして)もしくは非吸収物品に取り込まれてよい。本発明の特に有用な応用は、例えば、溶融ブローもしくはスパンボンド繊維、ステープル繊維、セルロースパルプもしくは合成パルプ、レーヨン繊維、および他の不織布−−例えば、SMS不織布−−と共に、積層体もしくはブレンド(混合物)の1成分としてである。本発明のもう1つ別の特に有用な応用は、フック+ループの閉じるシステムの”ループ”材料としてである。ハイドロエンゴルジ合成繊維構造の他の使用は容易に、当業者に明らかとなる。
【0044】
本発明の特に有用な応用は、少なくとも1スクリムの使用による、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の任意の強化に関与し、引き裂き耐性、引張強度等を向上させる。該スクリムは、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の積層体もしくはブレンド内、または、1層の不織布に隣接もしくは離れた別の層中において配置される積層体中において配置されてよい。該スクリム自体は、非弾性でもよく−−例えば、米国特許第6,735,832号明細書参照−−、または、少なくとも1方向において、弾性でもよく−−例えば、米国特許第6,878,647号明細書参照−−最終製品の望まれる特性および該基礎不織布の弾性に依る(つまり、スクリムなしの不織布)。該スクリム含有積層体もしくはブレンドは、3次元イメージ移動装置上で形成されても、もしくは、されなくてもよい−−例えば、米国特許第6,903,034号明細書参照−−望まれる最終製品に依る。
【0045】
本発明のハイドロエンゴルジスパンメルト不織布と組み合わされたスクリムの使用は、引用特許において示唆されるようなハイドロエンタングルスパンメルト不織布に関連して同程度のスクリムの使用を凌駕する幾つかの利点を与える。これらの改良点は、厚さおよび柔らかさの増強を包含する。当業者は容易に、該スクリムが、本発明のハイドロエンゴルジスパンメルト不織布に取り込まれてよいことを認め、これは引き続き、ハイドロエンタングルされ、あるいは、該スクリムは、ハイドロエンタングルされたスパンメルト不織布に取り込まれてよく、これは引き続き、ハイドロエンゴルジメントに付され、本発明のハイドロエンゴルジスパンメルト不織布を生成させる。
【0046】
本発明のもう1つ別の特に有用な応用は、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布と組み合わせてのパルプの任意の使用に関与し、その嵩(厚さもしくは3−D効果とも呼ばれる)、その吸収性、およびその芯を増大させる。該パルプは、天然セルロースパルプ、もしくは、ビスコースのような人工パルプであってよい。好ましくは、こうして生産された不織布は、1層の該基礎不織布に隣接もしくは離れた層中において配置されるパルプを持つ(つまり、パルプなしの不織布)。該積層体は、ハイドロエンタングルメント(例えば、ニードリング)に付されてよく、該積層体において、該基礎不織布層および該パルプ層を一緒に固定させる。
【0047】
特に有利なパルプ含有積層体は、1層の基礎不織布を、該パルプ層の各表面上もしくは隣接して包含し、こうして、該基礎不織布層が、該積層体の外側層となる。こうして、該積層体の柔らかさ(感触もしくは手触りとも呼ばれる)の如何なる修飾もなく、該パルプの添加の望ましい効果が得られ、これは、その外側層が、該積層体の該パルプ層でなくむしろ、該ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の外側表面を反映するからである。こうして、バルク(嵩)の望まれる増加ならびに吸収性および芯の増強が、接触に対する該積層体の柔らかさを犠牲にすることなく、得られる。該パルプ含有積層体の種々の層が、従来のハイドロエンタングル(例えば、ニードリング)プロセスを通じて結合される場合、該ハイドロエンタングルメントプロセスは好ましくは、該パルプ層がハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の外側層に入り得る程度を限るパラメーター下において実施され、これにより、該外側層の柔らかさを保持する。
【0048】
同様に、上記した任意のスクリム層は好ましくは、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の外側2表面層間に展開され、こうして、当該積層体の感触が、その中間スクリム層よりもむしろ、不織布外側表面層により、決定される。
【0049】
図19は、異方性パターンの融着点(および厚さC1)および基材54を有するハイドロエンゴルジ不織布52で形成された積層体50の断片的な等方性スキーム図である。基材54は、吸収性であっても、非吸収性であってもよい。見えないが、ハイドロエンゴルジ不織布52の繊維は任意に、仕上げにコーティングされ、そのコンドレープ性を増加させるか、もしくは、その表面エネルギーを修飾でき、本明細書において上記したとおりである(疎水性もしくはより疎水的に、または、親水性もしくはより親水的にする)。この基材54は、溶融ブローもしくはスパンボンド繊維、ステープル繊維、セルロースもしくは合成パルプ、レイヨン繊維もしくはもう1種別の不織布(SMS不織布のような)で形成されてもよい。
【実施例】
【0050】
3サンプルのポリプロピレンスパンボンド不織布が得られ、各々が坪量約18.0g/m2を持っていた。サンプルA、B、およびCは、First Quality Nonwovens,Inc.から、サンプルAおよびBに関して商品名18GSM SB HYDROPHOBICとして、サンプルCに関して商品名18GSM PB−SB HYDROPHOBICとして、入手可能である。サンプルAおよびBは、標準等方性接着パターン、いわゆる”楕円パターン”を持っていた。サンプルCは、標準異方性接着パターンを持っており、直交してずれてもいた。各々のこれらサンプルは、同一寸法および形状の融着を持っており、各サンプルは、約18.5%の接着面積割合を持っていた。
【0051】
各サンプルが、移動スピード400m/分で、ハイドロエンゴルジメント操作を通され、各不織布2表面上で中庸な水圧を有するウォータージェットの使用を通じて、水機械的なインパクト(衝撃)を与えた。その水の開口部は、該不織布の各側において単一列に並んでおり、該単一列は、該不織布の幅を横切って延びていた。各列は、直線密度40水用開口部/インチを持ち、各水用開口部の直径は、0.12mmであった。該水圧は、240バールにおいてかけられた。該不織布下および該搾水スロット上に位置される形成表面は、織布ワイヤ表面25〜30メッシュであった。
【0052】
ハイドロエンゴルジメント前およびハイドロエンゴルジメント後サンプルの特性が、ASTMもしくはINDA試験手順により求められ、表において記録され、データーにおける変化は結果的にハイドロエンゴルジメントからきており、ハイドロエンゴルジメント後サンプルA’、B’、およびC’に関して指し示されている。
【0053】
サンプルA’、B’、およびC’は表において”SBHE”として同定され、これらがスパンボンド(SB)不織布ハイドロエンゴルジメント後(HE)を表すことを指し示し、これとは反対に、サンプルA、B、およびCは”コントロール”として指し示され、これらが当該ハイドロエンゴルジメント前サンプルを表すからである。これら6サンプルのうち、サンプルC’が、本発明による不織布を表し、つまり、異方性パターンの融着を有するハイドロエンゴルジ不織布である。
【0054】
表は、各サンプルに関するハイドロエンゴルジメント操作の間に使用されるエネルギー量も指し示す。図18に対する言及により、使用されたエネルギー量が、いわゆる「好ましいウィンドウ(窓)のエネルギー使用」内にあったことが認められ、ここで、最大厚さ増加と最少引張損失との間のバランスが、そのハイドロエンゴルジメントプロセスにおける使用のための現実的および経済的レベルのエネルギーにおいて達成される。サンプルA’およびB’のハイドロエンゴルジメント後特性の違いが本質的に、これらのハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて用いられるエネルギーレベルの違いに属し得る。
【0055】
エア透過データーが、表に包含されているが、ハイドロエンゴルジメントが、不織布の孔を開けていく効果を持つからであり、これにより、そのエア透過を増していき、該孔を開けていくことが今度は、柔らかさおよび厚さ両方に関連している。
【0056】
表において例示されるとおり、ハイドロエンゴルジメント後サンプルA’、B’、およびC’の各々が、厚さおよびドレープ/柔らかさ(Thwing AlbertからのHandle−O−Meterにより測定された場合、4×4インチの見本を使用)の増加を持っており、それぞれのハイドロエンゴルジメント前サンプルA、B、およびCに比較して、中庸なMD引張損失だけを有していた。これらサンプルの各々は、ハイドロエンゴルジメント後の充分な摩耗耐性も、例えば、ワイプとして、もしくは、吸収物品の外側カバーとしての使用に関して、実証した。
【0057】
しかしながら、サンプルC’だけが、50%より大きい厚さ増加を示し、その実際の増加は74.6%であり、サンプルB’のそれの約2倍であり、サンプルA’のそれの5倍より大きかった。これは特に、サンプルC’を生産するハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて使用されるエネルギーが有意に、サンプルA’およびB’を生産するハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて使用されるエネルギーよりも少ないとの事実の観点において、有意である。換言すれば、サンプルC’は、サンプルA’およびB’よりも低いエネルギーコストで、実質的および有意により大きい厚さの増加%を示す。
【0058】
サンプルC’だけが、25%未満のMD引張損失を示した。そのMD引張損失は、サンプルA’およびB’によりそれぞれ示された29.7%および27.6%の損失に相対して、21.9%だけであった。換言すれば、サンプルC’が、サンプルA’およびB’の引張損失の80%未満を被った。
【0059】
サンプルC’だけが、少なくとも30%のエア透過の増加を示した。そのエア透過の増加は、37.6%であったが、一方、サンプルA’およびB’はそれぞれ、14.9および25.9%の増加を例示した。換言すれば、サンプルC’は、エア(空気)透過の増加をきたし、サンプルA’およびB’に関する増加の約150〜250%であった。サンプルC’におけるこの高いエア透過の増加は、そのより優れるバルク化を、そのハイドロエンゴルジメントプロセスの結果として反映する。
【0060】
柔らかさの増加はサンプルC’に関しては(Handle−O−Meterにより測定された場合)、サンプルA’およびB’に関する柔らかさの増加よりも小さいが、サンプルCが既に、ハイドロエンゴルジメント前もしくはコントロールサンプルの内で最も柔らかいので、これは容易に説明される。これは、その中において使用された異方性接着パターンが典型的に既に、等方性接着パターンよりも柔らかい不織布を生成させるからであり、これゆえ、ハイドロエンゴルジメントによる好ましいウィンドウのエネルギー使用内のその柔らかさの増加のための余裕がより少ない。
【0061】
従って、本発明は、熱可塑性連続繊維および融着パターンでできたハイドロエンゴルジメントスパンメルト不織布を提供する。不織布は、0%超10%未満の接着面積割合を持ってよく、あるいは、該融着パターンが異方性である場合、少なくとも10%の接着面積割合を持ってよい。不織布は典型的に、ハイドロエンゴルジメント後、少なくとも50%の厚さの増加およびハイドロエンゴルジメント前の当該不織布により示された引張強度の、少なくとも75%の引張強度を示す。
【0062】
今や、好ましい実施形態が詳細に示され記載され、これに関する種々の修飾および改良が容易に、当業者に対して明らかとなる。従って、本発明の精神および範囲は広く解釈されるべきであり、以上の明細書によってではなく、添付の請求項によってだけ限定されるべきである。
【0063】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明の上のおよび関連した課題、特徴、および利点がより充分に、本発明の本発明においては好ましいが例示的な実施形態の以降の詳細な記述に対する参照により、添付の図面と共に採り入れられると、理解される。
【図1】部分的に断面の、10%未満の接着面積を有するスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント前の、同じ寸法の概略図である。
【図2】部分的に断面の、10%未満の接着面積を有するスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント後の、同じ寸法の概略図である。
【図3】部分的に断面の、少なくとも10%の接着面積を有し、融着パターンが等方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント前の、同じ寸法の概略図である。
【図4】部分的に断面の、少なくとも10%の接着面積を有し、融着パターンが等方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント後の、同じ寸法の概略図である。
【図5】部分的に断面の、図3および4と同じ接着面積を有するが、融着パターンが異方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント前の、同じ寸法の概略図である。
【図6】部分的に断面の、図3および4と同じ接着面積を有するが、融着パターンが異方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント後の、同じ寸法の概略図である。
【図7】 融着されたスパンメルト不織布の溶融スピン化および融着に使用される装置およびプロセスのスキームである。
【図8】図8Aおよび8Bはそれぞれ、ドラムのデザインおよびベルトのデザインを使用する、融着されたスパンメルト布を吸収させ、次いで乾燥させるのに使用される装置およびプロセスのスキーム表示である。
【図9】 ハイドロエンゴルジメント前の、等方性融着パターンを有するスパンメルト不織布の、断片化した同じ寸法の概略図である。
【図10】 ハイドロエンゴルジメント前の、等方性融着パターンを有するスパンメルト不織布の、50倍の拡大率でのSEM写真である。
【図11】 ハイドロエンゴルジメント前の、等方性融着パターンを有するスパンボンド不織布の、150倍の拡大率での上から見た走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図12】拡大率50倍での、異方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント前の、スパンボンド不織布の、上からの平面SEM写真である。
【図13】拡大率50倍での、等方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント前の、スパンボンド不織布の、断面図のSEM写真である。
【図14】拡大率50倍での、異方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント前の、スパンボンド不織布の、断面図のSEM写真である。
【図15】拡大率150倍での、等方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント後の、スパンボンド不織布の、上からの平面SEM写真である。
【図16】拡大率50倍での、一部切り取った、等方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント後の、スパンボンド不織布の、断面のSEM写真である。
【図17】拡大率50倍での、一部切り取った、異方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント後の、スパンボンド不織布の、断面のSEM写真である。
【図18】使用されたエネルギー(キロワット時/キログラム布)の、該布の引張強度の%損失および該布の厚さの%増加への効果を示すグラフであり、ハイドロエンゴルジメントに関するエネルギー使用の好ましいウィンドウ(窓)が、指し示されている。
【図19】積層体の断片的等方スキームであり、本発明による不織布を包含している。
【発明の名称】 ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布
【技術分野】
【0001】
本発明は、スパンメルト不織布、より具体的には、ハイドロエンゴルジされているこのようなスパンメルト不織布に関する。
【背景技術】
【0002】
スパンメルト不織布(例えば、スパンボンドもしくはメルトブローン不織布)は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のような熱可塑性連続繊維、2成分もしくは多成分繊維、ならびに、このようなスパンメルト繊維の、レーヨン、綿、およびセルロースパルプ繊維等との混合物から形成される。従来、これらスパンメルト不織布は、熱的に、超音波により、化学的に(例えば、ラテックスにより)、もしくは樹脂状に結合等され、こうして、実質的に脆くなく、これらの一体性を接着後の加工および変換を経て保持する接着を作り出す。熱および超音波による接着は、永久的な融着を作り出す一方、化学的接着は、永久的な接着を作り出すこともあり、作り出さないこともある。典型的に融着されたスパンメルト不織布は、10〜35%、好ましくは12〜26%の接着面積を有する。
【0003】
一般的に、先行技術は、スパンメルト不織布のハイドロエンタングルメントが、引張強度を増加もしくは維持するために、該スパンメルト不織布は初期に融着を基本的に有しておらず、初期に存在する接着はハイドロエンタングルメントプロセスの間に大部分が壊れる脆いタイプであることを必要とすると教示する。例えば、米国特許第6,430,788号明細書および米国特許第6,321,425号明細書ならびに米国特許出願公開第2004/0010894号明細書および米国特許出願公開第2002/0168910号明細書参照。このような非接着もしくは脆く接着されたスパンメルト体のハイドロエンタングルメントは、主として結合性、これゆえ引張強度を該スパンメルト不織布に加えるのに使用される。
【0004】
変換を容易化させるために(つまり、更なるスパンメルト不織布の加工)、該不織布が、該変換加工に適切な引張強度を有することが必要である。その引張強度に関する許容可能な「窓」は、意図される変換加工と共に変動する。
【0005】
該非接着もしくは脆く接着されたスパンメルト不織布の場合、その初期の結合性もしくは引張強度は非常に低く、ハイドロエンタングルメント工程の使用が、その結合性および引張強度を増加させ(以前のものに相対的に)、こうして、当該スパンメルト不織布が、該変換プロセスを受けることができる。しかしながら、先行技術は一般的に、ハイドロエンタングルメント前の該融着されたスパンメルト不織布の性質のために、ハイドロエンタングルメントに引き続いてのこのようなスパンメルト不織布が、限られたレベルの結合性および相対的に低い引張強度しか示さないと教示しており、これらの1種が頻繁に、ハイドロエンタングルメント前の該融着されたスパンメルト不織布の引張強度に相対的に、実質的に消されてしまい、これは、その繊維の破壊による。これゆえ、融着されたスパンメルト不織布のハイドロエンタングルメントが、当該スパンメルト不織布の結合性および引張強度を、もはや望まれる引き続いての変換プロセスに適していないような程度にまで低下させることがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、1つの好ましい実施形態において、融着パターンで接着された熱可塑性連続繊維で形成されるハイドロエンゴルジスパンメルト不織布を提供することである。
【0007】
もう1つ別の課題は、1つの好ましい実施形態において、10%未満の融着面積を有するスパンメルト不織布を提供することである。
【0008】
更なる課題は、1つの好ましい実施形態において、少なくとも10%の融着面積を有するスパンメルト不織布を提供することであり、ここで、該融着パターンは異方性である。
【0009】
本発明の課題はまた、1つの好ましい実施形態において、ハイドロエンゴルジ後に、少なくとも50%の厚さの増加、および、ハイドロエンゴルジ前の該スパンメルト不織布により示された引張強度の少なくとも75%の引張強度を示すようなスパンメルト不織布を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記課題および関連した課題が、熱可塑性連続繊維で形成され、融着パターンを提供するハイドロエンゴルジスパンメルト不織布において得られることが今、見出された。不織布は、(i)0%超10%未満の融着面積、および、(ii)少なくとも10%の融着面積(ここで、該融着パターンが異方性である)のうちの1つを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施形態において、不織布は、直交方向で異なるように融着で接着される。該融着パターンは、各接着の最大寸法の少なくとも4倍の最大接着間隔を有する。ハイドロエンゴルジメント後の不織布は、ハイドロエンゴルジメント前の不織布と比べて、少なくとも50%の厚さの増加を示す(つまり、ロフトもしくは厚さ)。更に、ハイドロエンゴルジメント後の不織布は、ハイドロエンゴルジメント前の該不織布と比べて、少なくとも75%の引張強度を示す。
【0012】
好ましい坪量は、5〜50gsmである。
【0013】
本発明は更に、このような不織布を包含する吸収物品、このような不織布を包含する非吸収物品、または、このような不織布を包含する積層体もしくはブレンド(混合物)を含む。不織布は更に、その表面エネルギーを変更するか、もしくは、そのコンドレープ性を増加させる仕上げを包含してよい。
【0014】
本発明はまた、融着パターンを有するハイドロエンゴルジ合成繊維構造体を含む。該構造体は、(i)0%超10%未満の融着面積、および、(ii)少なくとも10%の融着面積(ここで、該接着パターンが異方性である)のうちの1つを有する。好ましくは、該構造体が、熱可塑性連続繊維を有するスパンメルト不織布で形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書および請求項において使用される場合の用語「ハイドロエンゴルジメント」とは、水圧エネルギーが不織布に適用され、結果として厚さおよび柔らかさがハイドロエンゴルジメント前の当該不織布と比べて増加するようなプロセスを言う。好ましくは、少なくとも50%の厚さの増加がある。同時に、該不織布がこの中において融着パターンを有する場合、一般的に、該ハイドロエンゴルジメントによる引張強度の減少があるが、引張強度の減少は典型的に、従来のハイドロエンタングルメントにより生じるものよりも少ない。好ましくは、ハイドロエンゴルジメント後の引張強度は、ハイドロエンゴルジメント前の引張強度の少なくとも75%である。
【0016】
該ハイドロエンゴルジメントプロセスは、ハイドロエンタングルメント、水ニードリングおよび同様なもののような他の水圧プロセスのように、その中において融着パターンを有する不織布繊維の幾らかの崩壊を該ハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて不可避に生じ、このような繊維の崩壊は、該プロセスの目的ではない。ハイドロエンゴルジメントが、その望まれる機能として、繊維の交絡を生成させる崩壊繊維末端の回転、巻きおよび絡まりを持たないからである。反対に、ハイドロエンゴルジメントは、厚さおよび柔らかさの増加の創出と関連している(これら2つは組み合わされて典型的に、本明細書において、「バルクの増加」と言われている)。
【0017】
ハイドロエンゴルジメントを生じさせるのに使用される装置は、広く言えば、ハイドロエンタングルメントおよび水ニードリングプロセスにおいて従来使用されるものに類似している一方、如何にこのような装置が使用されるかにおいて、ならびに、これがその上で使用される不織布の性質において違いがある。本明細書において以下に記されるように、本発明において有用なスパンメルト不織布は、0%超10%未満の融着面積割合を有するか、もしくは、少なくとも10%の融着面積割合を有し、ここで、該融着の接着パターンは、異方性である。
【0018】
第1に、典型的に、該ハイドロエンゴルジメントプロセスは、不織布各側に、水圧ジェットの単一列もしくはビームを与え、一般的に、該不織布の動きの機械の方向に対して横断的(つまり、直交もしくは45°角未満)である。2列が、該不織布各側にあることがあるが、より多い数の列は一般的に、必要ではない。
【0019】
第2に、該不織布に該水圧ジェットにより付与される水圧エネルギー量は、如何なる与えられた形成表面でも、繊維崩壊量を最小化させ、限るようデザイン(設計)されている一方、尚、厚さの増加および柔らかさの増加を該不織布において創出させるのに必要とされる繊維の動きを達成させるのに充分である。該ハイドロエンゴルジメントプロセスは、これら繊維の崩壊を必要としないが、これは、既に、0%超10%未満である融着面積割合、もしくは、該融着面積割合が少なくとも10%である場合の該融着の接着パターンの異方性の性質による充分長い遊離繊維長があるからである。
【0020】
下で論じられるように、ハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて、他の水圧エネルギー付与プロセスの先行技術のものとは違うことがある他の操作パラメーターは、水ジェット開口部もしくはノズルのサイズおよびデザイン、与えられた如何なる列においても該水ジェット開口部からの離れている空間、該不織布直下の形成表面デザイン、該不織布の移動スピード、および同様なものを包含する。特定の量およびパターンの融着を有する所定のスパンメルト不織布に対して、本明細書において上で同定された本発明の目的を達成するために、ハイドロエンゴルジメントプロセスのこれらパラメーターおよび他のパラメーターの望ましいバランス(平衡)は本発明の範囲内にある。
【0021】
本発明の不織布は、熱可塑性連続繊維で形成されており、ある種のパターンの融着を持つ。融着において、該接着を貫通している連続繊維は、一緒に該接着において溶融されており、こうして、脆くないかもしくは永久的な接着を形成する。該繊維自体が壊され、こうしてもはや、隣接している接着間に延びないのでなければ(ハイドロエンタングルメントプロセスにおいてよく起こるように)、これら繊維の動き、中間体、これら接着が、前記遊離繊維長により限られる(つまり、その上で隣接している2つの接着間の繊維長)。
【0022】
今、図面、特にその図7を参照しながら、スパンメルト不織布10が、連続ストランドもしくはフィラメント12でできていて、移動しているコンベヤベルト14に、ランダム化された分布で載せられている。典型的なスパンメルトプロセスにおいて、樹脂ペレットが加熱下に溶融体中に加工され、次いで、吐糸管を通して供給され、引くための装置16の使用により、数百の薄フィラメントもしくはスレッド12を創出する。(エアのような)流動体ジェットは、スレッド12が伸ばされるようにし、スレッド12が次いで、動いているウェブ14上に吹かれるかもしくは運ばれ、ここで落とされ、ウェブ14に対して搾取函18により、ランダムなパターンで搾取され、布10を創出する。布10が次いで、巻き取り/巻き戻しロール31上で曲げられる前に、接着用ステーション30を通過する。フィラメントもしくはスレッド12は一緒に織られないので、接着が必要である。
【0023】
典型的な融着用ステーション30は、カレンダー32を包含し、接着用ロール34を持っており、一連の同一突起もしくは突出36を画定している。典型的に、これら接着点36は一般的に、互いから等距離にあり、全方向に、これゆえ機械方向(MD)および横断方向(CD)両方に延びている一様で対称なパターンである(つまり、等方性パターン)。あるいは、典型的な融着ステーション30は、超音波装置もしくは通気装置を持ってもよく、融着を引き起こすに充分上昇した温度においてエアを使用する。
【0024】
今、図8Aを参照しながら、そこにおいて、ドラム型デザインを使用するハイドロエンゴルジメント用装置が例示されている。該装置は、巻き取り/巻き戻しロール31を包含し、ここからは、融着布10は曲げられない。布10が次いで引き続き、2つのハイドロエンゴルジメントステーション40、42を通過する。各ハイドロエンゴルジメントステーション40、42は、少なくとも1つのウォータージェットビーム40a、42aをそれぞれ、そして任意に、これに隣接している第2のウォータージェットビームを包含する。布10が、ハイドロエンゴルジメントステーション40、42の周りで曲げられ、こうして、各ビーム40a、42aが、そのウォータージェットを、布10の反対側上に向ける。仕上げに、今ハイドロエンゴルジされた布10が、ドライヤー50を通過させられる。
【0025】
図8Aがドラム型デザインを使用するハイドロエンゴルジメントに使用される装置を例示する一方、図8Bがベルト型デザインを使用するハイドロエンゴルジメントに使用される装置を例示する。この例における布10は、巻き取り/巻き戻しロール31から、透水ベルトもしくはコンベヤー52上に動き、これは、少なくとも1つのビーム40aを備える第1ハイドロエンゴルジメントステーション40および少なくとも1つのウォータージェットビーム42aを備える第2ハイドロエンゴルジメントステーション42を通り、運ぶ。ビーム40a、42aは、該ウォータージェットを、布10の反対表面上に向ける。仕上げに、今ハイドロエンゴルジされた布10が、ドライヤー50を通過させられる。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、水用開口部を含有する列もしくはビームが、該不織布表面片側に1もしくは2、好ましくは各側に1だけ、配置される。該ビームは好ましくは、線密度35〜40開口部/インチを持ち、40が特に好ましい。該水用開口部の直径は好ましくは、0.12〜0.14mmであり、0.12mmが特に好ましい。かけられる圧は好ましくは、180〜280バールであり、240バールが特に好ましい。該ハイドロエンゴルジメントステーションを通る該不織布の移動スピードは好ましくは、一般的に約400m/分であるが、より遅いかもしくはより速いスピードが、該不織布上で実施されている他の操作により、採られてよい。該形成表面は、該不織布下で該搾水スロット上に位置されるが、好ましくは、15〜100メッシュのワイヤスクリーン表面であり、25〜30が最適である。明らかに、スパンメルト、融着およびハイドロエンゴルジメントは、好ましくは、統合されたin−lineプロセスにおいて実施される。
【0027】
共有される米国特許第6,537,644号明細書および米国特許第6,610,390号明細書ならびに米国特許出願第09/971,797号明細書は、2001年10月5日に提出され、これらの各々が、本明細書において援用され、非対称パターンの融着(つまり、異方性もしくは非対称パターン)を有する不織布を開示する。これらの文書において開示されているとおり、非対称パターンにある接着は、共通の向きおよび共通の寸法を持ってよいが、第1の向きに直交する向きにされているもう1つ別の方向(例えば、CD)に沿うよりも大きく、1方向(例えば、MD)に沿う合計接着面積を画定し、こうして、これらの点が、もう一方の他の方向の一様なパターンの接着密度とは異なる1方向の一様なパターンの接着密度を形成する。あるいは、やはりこれらの文書において開示されているとおり、これら接着自体が、変動している向きもしくは変動している寸法を持ってよく、これにより、これら2方向に沿うものとは異なるパターンの接着密度を形成する。これら接着は、単純融着、もしくは、1方向に伸びた閉じた図形であってよい。これら接着は、1方向に伸びた閉じた図形であってよく、(a)1方向の軸に沿って平行に向けられた、(b)1方向の軸に沿って隣接する閉じた図形を横断的に向けられた、ならびに(c)次の閉じた図形と共に向けられたセットであって、その間に1方向の軸に沿って伸びた閉じた形状を形成する閉じた図形からなる群から選択されてよい。
【0028】
前記文献が、直交方向に異なる接着パターン(つまり、それに直交する第2の方向の軸に沿うよりも大きく第1の方向の軸に沿った合計接着面積を画定する接着パターン)を開示する一方、本発明において有用な異方性接着パターンは、第1の方向の軸に沿った合計接着面積が、第2の方向の軸に沿った合計接着面積とは異なることだけを必要とし、これら第1および第2の方向の軸が、互いに直交しているかどうかは関係無い。全ての直交方向に異なる接着パターンが異方性である一方、異方性接着パターンが直交方向に異なる必要は無い。
【0029】
本発明は、充分な数の繊維が不織布中においてあり、適度に長い遊離繊維長を有すること、つまり、その上の隣接接着間の繊維長が適度に長いことを確実にする。与えられた繊維に沿った隣接接着間距離が大きいほど、最大可能遊離繊維長は大きくなる。該遊離繊維長が大きいほど、当該繊維がハイドロエンゴルジメント(つまり、バルク化)により利用可能になる。従来の対称接着において、つまり、互いの近傍において多重に融着を持つ対称パターンにおいて、その接着面積割合が少なくとも10%である場合、これら繊維の遊離長は一様に、相対的に短い。結果として、これら繊維が、その鉛直もしくは”z”方向に伸びている(つまり、当該不織布平面に直交)ものからの接着により、バルク化に関して拘束される。従って、従来の接着において、バルク化(つまり、鉛直もしくは”z”方向における伸び)における増大に関する拘束がある。
【0030】
対照的に、本発明による非対称もしくは異方性接着パターンを有する不織布のハイドロエンゴルジメントは、対称パターンを有する同一全体接着面積の布に比較して、より大きな厚さおよび柔らかさを与える。更に、このような異方性パターンを有する不織布のハイドロエンゴルジメントは結果的に、等方性パターンを有する不織布に関連する該ハイドロエンゴルジメントプロセス(および、当該不織布繊維の少なくとも幾らかの不可避の破壊)の結果として、当該不織布の引張強度のより僅かな減少を与える。
【0031】
もし、融着面積の割合が全くなければ(つまり、当該融着面積の割合が0%である)、当該不織布はハイドロエンゴルジメント前の極めて低い引張強度により特徴付けられることになる。従って、融着面積の割合が0%である不織布は、本発明の範囲外にある。
【0032】
本発明は、適切な遊離繊維長を持つ繊維を有するスパンメルト不織布を提供するために、2つの手法を同化させるものと認められることになる。今、特に図1および2に言及しながら、第1の手法が、+であるが低い融着面積割合を与えているパターンの使用に関与する。例えば、これら接着が同一形状および寸法のものであると仮定すれば、当該接着面積割合が低いほど、その平均遊離繊維長が長くなる。この接着面積割合が0%超10%未満である限り、該平均遊離繊維長が本発明の目的に適しているものとなることが、見出されている。当該接着面積の割合が10%により近づくと、当該不織布のハイドロエンゴルジメント前の、そして恐らくハイドロエンゴルジメントに引き続いての、引張強度がより大きくなる。実際、0%超10%未満の接着面積の割合を有する不織布は、異方性パターンもしくは等方性パターンの融着を持つか、あるいは尚、本発明における使用に適している適切な平均遊離繊維長を提供することがある。図1および2はそれぞれ、ハイドロエンゴルジメント前およびハイドロエンゴルジメント後の、10%未満の接着面積を有する不織布を例示する。0%超10%未満の融着面積の割合を有する不織布に関して、図1の最初の厚さC0が、ハイドロエンゴルジメントにより、図2の厚さC1にまで増大される。
【0033】
一方、今、特に図3〜6に言及しながら、該融着面積の割合が少なくとも10%である場合、該平均遊離繊維長が抑えられ、こうして、本発明の利点が、該融着パターンが異方性である場合だけ得られる。これゆえ、図3のC0および図4のC1は実質的に、等方に(対称に)接着された不織布に関して、同一である。対照的に、異方に(非対称に)接着された不織布では、図5のC 0 が図6のC 1 にまで増大される。
【0034】
該接着面積の割合が大きいほど(10%を上回る)、その接着パターンが異方性であることがより重要となり、バルク化を促進させるに適切な遊離繊維長を示す繊維が適切な数あるようにさせる。恐らく、バルク化の促進に適切な遊離繊維長未満を示す多数の繊維があることになる一方(つまり、厚さおよび柔らかさの増加)、異方性接着パターンの使用は、本発明において有用な適切な遊離繊維長を示す適切な数の繊維が残ることになることを確実にする。実際、異方性パターンにおいて与えられた接着面積の割合に関して、これら繊維のうちの幾らかにより示される遊離繊維長が短いほど、他の繊維により示される遊離繊維長が大きくなることになる。
【0035】
これら接着が最大寸法d(例えば、これら接着が平面において環状である場合の直径d)を持つと仮定すれば、好ましい最大接着間隔(つまり、適切な遊離繊維長を与えて)が少なくとも4d、好ましくは少なくとも5dであることが見出されている。
【0036】
最大接着寸法dは、該不織布上の突出を形成していくことにより残される痕の最大寸法として、測定される。実際に、一般的に、このような接着間の遊離繊維長を求めるには、1対の隣接接着間の繊維の経路を辿るのは、不可能である。しかしながら、明らかに、これら2つの接着間の繊維長は、これら接着間の間隔未満であり得ない。これゆえ、実際に、該接着間隔を求め(つまり、1対の隣接接着間距離)、該繊維が、これら隣接接着間を直線で延びると仮定して、該対の隣接接着間の繊維の遊離繊維長が正に、最少接着間隔にあると仮定する。該接着間隔は、光学もしくは電子顕微鏡を使用して、測定用対照を用いて、測定され、本明細書において、1対の隣接接着間の絶対距離である。問われている接着が実際には接着の束である場合、その接着間隔は、1対の隣接クラスター間の絶対距離として採られる。
【0037】
両パターンにおける少なくとも10%の同一の全体での接着面積割合を仮定すると、等方性接着パターンを有する不織布は典型的に、隣接接着対間で一般的に約2d未満の不適切に短い接着間隔だけを持つ一方、対照すれば、異方性パターンを有する不織布は典型的に、実質的な数の適切に大きい最大接着間隔を持ち、実質的な数の対の隣接接着間で、少なくとも4d、好ましくは少なくとも5dであり、ならびに典型的に、より短い接着間隔を持ち、残っている対の隣接接着間で、一般的に約2d未満である。従って、該異方性パターン化不織布は、ハイドロエンゴルジメント後の該等方性パターン化不織布よりも、ハイドロエンゴルジメント後に、柔らかく、より大きい厚さを持つ。
【0038】
不織布の接着面積割合は、不織布の単位面積における幾つかの接着により占められる不織布の全面積/不織布の単位面積の全面積として算出される。接着が共通面積のものである場合、不織布単位面積における幾つかの接着により占められる全面積は、不織布の単位面積における接着の数倍にした接着の共通面積として算出されてよい。
【0039】
今、特に図9および10に言及すると、図9は、断片的な等方性のスキーム表示であり、一部断面であり、異方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布のものであり、図10は、同一材料の電子走査顕微鏡写真であり、50倍の拡大率において撮影された。両方の場合において、dは、楕円形の接着の長軸の長さを表し、S1は、1対の隣接する接着間の最短中心−中心距離を表し、S2は、最長中心−中心距離を表す。この特別な場合において、S1およびS2は、互いに直角であるが、これは必ずしもというわけではない。本明細書において上で論じたとおり、FFL−minは、1対の隣接接着間の最少接着間隔を表し、FFL−maxは、1対の隣接接着間の最大接着間隔を表す。これら接着距離S1およびS2が、これら接着の中点から測定される一方、これら接着間隔FFL−minおよびFFL−maxは、これら接着の隣接末端から測定される(つまり、カレンダーパターンの突出により残される痕の端)。再び、この特別な場合において、FFL−minおよびFFL−maxは、互いに直角であるが、これは必ずしもというわけではない。ハイドロエンゴルジメント前のその布の厚さがC0により指し示される一方、ハイドロエンゴルジメント後の厚さがC1により指し示されることとなる。
【0040】
図11は、典型的な接着およびこの周囲の上からの平面図であり、ハイドロエンゴルジメント前の、等方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布に関する。比較すれば、図12は、幾つかの接着およびこれらの周囲の上からの平面図であり、ハイドロエンゴルジメント前の、異方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布に関する。図15は、典型的な接着およびこの周囲の上からの平面図であり、ハイドロエンゴルジメント後の、等方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布に関する。
【0041】
図13および14はそれぞれ、図11および12の不織布の断面図である。図16および17は、ハイドロエンゴルジメント後の、異方性パターンの融着を有するスパンボンド不織布材料の、同様な断面図である。図16および17のハイドロエンゴルジ材料の厚さC1の増加はそれぞれ、図13および14の非ハイドロエンゴルジ材料本来の厚さC0に相対的に、明らかである。
【0042】
本発明の好ましい実施形態において、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布は、仕上げに処理されてよく、より柔らかくよりコンドレープできるようにし、このような仕上げは、米国特許第6,632,385号明細書において開示されており、本明細書において援用され、あるいは、その表面エネルギーを変更し、これにより、疎水性もしくはより疎水的に、または、親水性もしくはより親水的にする。
【0043】
ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布は、吸収物品(特に、例えば、カバーシートもしくは背後シートとして)もしくは非吸収物品に取り込まれてよい。本発明の特に有用な応用は、例えば、溶融ブローもしくはスパンボンド繊維、ステープル繊維、セルロースパルプもしくは合成パルプ、レーヨン繊維、および他の不織布−−例えば、SMS不織布−−と共に、積層体もしくはブレンド(混合物)の1成分としてである。本発明のもう1つ別の特に有用な応用は、フック+ループの閉じるシステムの”ループ”材料としてである。ハイドロエンゴルジ合成繊維構造の他の使用は容易に、当業者に明らかとなる。
【0044】
本発明の特に有用な応用は、少なくとも1スクリムの使用による、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の任意の強化に関与し、引き裂き耐性、引張強度等を向上させる。該スクリムは、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の積層体もしくはブレンド内、または、1層の不織布に隣接もしくは離れた別の層中において配置される積層体中において配置されてよい。該スクリム自体は、非弾性でもよく−−例えば、米国特許第6,735,832号明細書参照−−、または、少なくとも1方向において、弾性でもよく−−例えば、米国特許第6,878,647号明細書参照−−最終製品の望まれる特性および該基礎不織布の弾性に依る(つまり、スクリムなしの不織布)。該スクリム含有積層体もしくはブレンドは、3次元イメージ移動装置上で形成されても、もしくは、されなくてもよい−−例えば、米国特許第6,903,034号明細書参照−−望まれる最終製品に依る。
【0045】
本発明のハイドロエンゴルジスパンメルト不織布と組み合わされたスクリムの使用は、引用特許において示唆されるようなハイドロエンタングルスパンメルト不織布に関連して同程度のスクリムの使用を凌駕する幾つかの利点を与える。これらの改良点は、厚さおよび柔らかさの増強を包含する。当業者は容易に、該スクリムが、本発明のハイドロエンゴルジスパンメルト不織布に取り込まれてよいことを認め、これは引き続き、ハイドロエンタングルされ、あるいは、該スクリムは、ハイドロエンタングルされたスパンメルト不織布に取り込まれてよく、これは引き続き、ハイドロエンゴルジメントに付され、本発明のハイドロエンゴルジスパンメルト不織布を生成させる。
【0046】
本発明のもう1つ別の特に有用な応用は、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布と組み合わせてのパルプの任意の使用に関与し、その嵩(厚さもしくは3−D効果とも呼ばれる)、その吸収性、およびその芯を増大させる。該パルプは、天然セルロースパルプ、もしくは、ビスコースのような人工パルプであってよい。好ましくは、こうして生産された不織布は、1層の該基礎不織布に隣接もしくは離れた層中において配置されるパルプを持つ(つまり、パルプなしの不織布)。該積層体は、ハイドロエンタングルメント(例えば、ニードリング)に付されてよく、該積層体において、該基礎不織布層および該パルプ層を一緒に固定させる。
【0047】
特に有利なパルプ含有積層体は、1層の基礎不織布を、該パルプ層の各表面上もしくは隣接して包含し、こうして、該基礎不織布層が、該積層体の外側層となる。こうして、該積層体の柔らかさ(感触もしくは手触りとも呼ばれる)の如何なる修飾もなく、該パルプの添加の望ましい効果が得られ、これは、その外側層が、該積層体の該パルプ層でなくむしろ、該ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の外側表面を反映するからである。こうして、バルク(嵩)の望まれる増加ならびに吸収性および芯の増強が、接触に対する該積層体の柔らかさを犠牲にすることなく、得られる。該パルプ含有積層体の種々の層が、従来のハイドロエンタングル(例えば、ニードリング)プロセスを通じて結合される場合、該ハイドロエンタングルメントプロセスは好ましくは、該パルプ層がハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の外側層に入り得る程度を限るパラメーター下において実施され、これにより、該外側層の柔らかさを保持する。
【0048】
同様に、上記した任意のスクリム層は好ましくは、ハイドロエンゴルジスパンメルト不織布の外側2表面層間に展開され、こうして、当該積層体の感触が、その中間スクリム層よりもむしろ、不織布外側表面層により、決定される。
【0049】
図19は、異方性パターンの融着点(および厚さC1)および基材54を有するハイドロエンゴルジ不織布52で形成された積層体50の断片的な等方性スキーム図である。基材54は、吸収性であっても、非吸収性であってもよい。見えないが、ハイドロエンゴルジ不織布52の繊維は任意に、仕上げにコーティングされ、そのコンドレープ性を増加させるか、もしくは、その表面エネルギーを修飾でき、本明細書において上記したとおりである(疎水性もしくはより疎水的に、または、親水性もしくはより親水的にする)。この基材54は、溶融ブローもしくはスパンボンド繊維、ステープル繊維、セルロースもしくは合成パルプ、レイヨン繊維もしくはもう1種別の不織布(SMS不織布のような)で形成されてもよい。
【実施例】
【0050】
3サンプルのポリプロピレンスパンボンド不織布が得られ、各々が坪量約18.0g/m2を持っていた。サンプルA、B、およびCは、First Quality Nonwovens,Inc.から、サンプルAおよびBに関して商品名18GSM SB HYDROPHOBICとして、サンプルCに関して商品名18GSM PB−SB HYDROPHOBICとして、入手可能である。サンプルAおよびBは、標準等方性接着パターン、いわゆる”楕円パターン”を持っていた。サンプルCは、標準異方性接着パターンを持っており、直交してずれてもいた。各々のこれらサンプルは、同一寸法および形状の融着を持っており、各サンプルは、約18.5%の接着面積割合を持っていた。
【0051】
各サンプルが、移動スピード400m/分で、ハイドロエンゴルジメント操作を通され、各不織布2表面上で中庸な水圧を有するウォータージェットの使用を通じて、水機械的なインパクト(衝撃)を与えた。その水の開口部は、該不織布の各側において単一列に並んでおり、該単一列は、該不織布の幅を横切って延びていた。各列は、直線密度40水用開口部/インチを持ち、各水用開口部の直径は、0.12mmであった。該水圧は、240バールにおいてかけられた。該不織布下および該搾水スロット上に位置される形成表面は、織布ワイヤ表面25〜30メッシュであった。
【0052】
ハイドロエンゴルジメント前およびハイドロエンゴルジメント後サンプルの特性が、ASTMもしくはINDA試験手順により求められ、表において記録され、データーにおける変化は結果的にハイドロエンゴルジメントからきており、ハイドロエンゴルジメント後サンプルA’、B’、およびC’に関して指し示されている。
【0053】
サンプルA’、B’、およびC’は表において”SBHE”として同定され、これらがスパンボンド(SB)不織布ハイドロエンゴルジメント後(HE)を表すことを指し示し、これとは反対に、サンプルA、B、およびCは”コントロール”として指し示され、これらが当該ハイドロエンゴルジメント前サンプルを表すからである。これら6サンプルのうち、サンプルC’が、本発明による不織布を表し、つまり、異方性パターンの融着を有するハイドロエンゴルジ不織布である。
【0054】
表は、各サンプルに関するハイドロエンゴルジメント操作の間に使用されるエネルギー量も指し示す。図18に対する言及により、使用されたエネルギー量が、いわゆる「好ましいウィンドウ(窓)のエネルギー使用」内にあったことが認められ、ここで、最大厚さ増加と最少引張損失との間のバランスが、そのハイドロエンゴルジメントプロセスにおける使用のための現実的および経済的レベルのエネルギーにおいて達成される。サンプルA’およびB’のハイドロエンゴルジメント後特性の違いが本質的に、これらのハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて用いられるエネルギーレベルの違いに属し得る。
【0055】
エア透過データーが、表に包含されているが、ハイドロエンゴルジメントが、不織布の孔を開けていく効果を持つからであり、これにより、そのエア透過を増していき、該孔を開けていくことが今度は、柔らかさおよび厚さ両方に関連している。
【0056】
表において例示されるとおり、ハイドロエンゴルジメント後サンプルA’、B’、およびC’の各々が、厚さおよびドレープ/柔らかさ(Thwing AlbertからのHandle−O−Meterにより測定された場合、4×4インチの見本を使用)の増加を持っており、それぞれのハイドロエンゴルジメント前サンプルA、B、およびCに比較して、中庸なMD引張損失だけを有していた。これらサンプルの各々は、ハイドロエンゴルジメント後の充分な摩耗耐性も、例えば、ワイプとして、もしくは、吸収物品の外側カバーとしての使用に関して、実証した。
【0057】
しかしながら、サンプルC’だけが、50%より大きい厚さ増加を示し、その実際の増加は74.6%であり、サンプルB’のそれの約2倍であり、サンプルA’のそれの5倍より大きかった。これは特に、サンプルC’を生産するハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて使用されるエネルギーが有意に、サンプルA’およびB’を生産するハイドロエンゴルジメントプロセスにおいて使用されるエネルギーよりも少ないとの事実の観点において、有意である。換言すれば、サンプルC’は、サンプルA’およびB’よりも低いエネルギーコストで、実質的および有意により大きい厚さの増加%を示す。
【0058】
サンプルC’だけが、25%未満のMD引張損失を示した。そのMD引張損失は、サンプルA’およびB’によりそれぞれ示された29.7%および27.6%の損失に相対して、21.9%だけであった。換言すれば、サンプルC’が、サンプルA’およびB’の引張損失の80%未満を被った。
【0059】
サンプルC’だけが、少なくとも30%のエア透過の増加を示した。そのエア透過の増加は、37.6%であったが、一方、サンプルA’およびB’はそれぞれ、14.9および25.9%の増加を例示した。換言すれば、サンプルC’は、エア(空気)透過の増加をきたし、サンプルA’およびB’に関する増加の約150〜250%であった。サンプルC’におけるこの高いエア透過の増加は、そのより優れるバルク化を、そのハイドロエンゴルジメントプロセスの結果として反映する。
【0060】
柔らかさの増加はサンプルC’に関しては(Handle−O−Meterにより測定された場合)、サンプルA’およびB’に関する柔らかさの増加よりも小さいが、サンプルCが既に、ハイドロエンゴルジメント前もしくはコントロールサンプルの内で最も柔らかいので、これは容易に説明される。これは、その中において使用された異方性接着パターンが典型的に既に、等方性接着パターンよりも柔らかい不織布を生成させるからであり、これゆえ、ハイドロエンゴルジメントによる好ましいウィンドウのエネルギー使用内のその柔らかさの増加のための余裕がより少ない。
【0061】
従って、本発明は、熱可塑性連続繊維および融着パターンでできたハイドロエンゴルジメントスパンメルト不織布を提供する。不織布は、0%超10%未満の接着面積割合を持ってよく、あるいは、該融着パターンが異方性である場合、少なくとも10%の接着面積割合を持ってよい。不織布は典型的に、ハイドロエンゴルジメント後、少なくとも50%の厚さの増加およびハイドロエンゴルジメント前の当該不織布により示された引張強度の、少なくとも75%の引張強度を示す。
【0062】
今や、好ましい実施形態が詳細に示され記載され、これに関する種々の修飾および改良が容易に、当業者に対して明らかとなる。従って、本発明の精神および範囲は広く解釈されるべきであり、以上の明細書によってではなく、添付の請求項によってだけ限定されるべきである。
【0063】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明の上のおよび関連した課題、特徴、および利点がより充分に、本発明の本発明においては好ましいが例示的な実施形態の以降の詳細な記述に対する参照により、添付の図面と共に採り入れられると、理解される。
【図1】部分的に断面の、10%未満の接着面積を有するスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント前の、同じ寸法の概略図である。
【図2】部分的に断面の、10%未満の接着面積を有するスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント後の、同じ寸法の概略図である。
【図3】部分的に断面の、少なくとも10%の接着面積を有し、融着パターンが等方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント前の、同じ寸法の概略図である。
【図4】部分的に断面の、少なくとも10%の接着面積を有し、融着パターンが等方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント後の、同じ寸法の概略図である。
【図5】部分的に断面の、図3および4と同じ接着面積を有するが、融着パターンが異方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント前の、同じ寸法の概略図である。
【図6】部分的に断面の、図3および4と同じ接着面積を有するが、融着パターンが異方性であるスパンメルト不織布の、ハイドロエンゴルジメント後の、同じ寸法の概略図である。
【図7】 融着されたスパンメルト不織布の溶融スピン化および融着に使用される装置およびプロセスのスキームである。
【図8】図8Aおよび8Bはそれぞれ、ドラムのデザインおよびベルトのデザインを使用する、融着されたスパンメルト布を吸収させ、次いで乾燥させるのに使用される装置およびプロセスのスキーム表示である。
【図9】 ハイドロエンゴルジメント前の、等方性融着パターンを有するスパンメルト不織布の、断片化した同じ寸法の概略図である。
【図10】 ハイドロエンゴルジメント前の、等方性融着パターンを有するスパンメルト不織布の、50倍の拡大率でのSEM写真である。
【図11】 ハイドロエンゴルジメント前の、等方性融着パターンを有するスパンボンド不織布の、150倍の拡大率での上から見た走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
【図12】拡大率50倍での、異方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント前の、スパンボンド不織布の、上からの平面SEM写真である。
【図13】拡大率50倍での、等方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント前の、スパンボンド不織布の、断面図のSEM写真である。
【図14】拡大率50倍での、異方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント前の、スパンボンド不織布の、断面図のSEM写真である。
【図15】拡大率150倍での、等方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント後の、スパンボンド不織布の、上からの平面SEM写真である。
【図16】拡大率50倍での、一部切り取った、等方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント後の、スパンボンド不織布の、断面のSEM写真である。
【図17】拡大率50倍での、一部切り取った、異方性パターンの融着を有する、ハイドロエンゴルジメント後の、スパンボンド不織布の、断面のSEM写真である。
【図18】使用されたエネルギー(キロワット時/キログラム布)の、該布の引張強度の%損失および該布の厚さの%増加への効果を示すグラフであり、ハイドロエンゴルジメントに関するエネルギー使用の好ましいウィンドウ(窓)が、指し示されている。
【図19】積層体の断片的等方スキームであり、本発明による不織布を包含している。
Claims (22)
- 融着パターンで接着された熱可塑性連続繊維でできたハイドロエンゴルジスパンメルト不織布であって、
(i)0%超10%未満の融着面積割合、および
(ii)該融着パターンが異方性である場合、少なくとも10%の融着面積割合
のうちの1つを有するハイドロエンゴルジスパンメルト不織布。 - 融着パターンで接着された熱可塑性連続繊維でできたハイドロエンゴルジスパンメルト不織布であって、少なくとも10%の融着面積割合を有しており、該融着パターンが異方性であるハイドロエンゴルジスパンメルト不織布。
- 直交方向で異なるように融着で接着されている請求項2に記載の不織布。
- ハイドロエンゴルジメント後の不織布は、ハイドロエンゴルジメント前の不織布と比べて、厚さの増加および柔らかさの増加の両方を示す請求項2に記載の不織布。
- ハイドロエンゴルジメント後の不織布は、ハイドロエンゴルジメント前の不織布と比べて、少なくとも50%の厚さの増加を示す請求項2に記載の不織布。
- 前記接着は、各接着の最大寸法の少なくとも4倍の最大接着間隔を有する請求項2に記載の不織布。
- 5〜50gsmの坪量を有する請求項2に記載の不織布。
- 前記不織布が、ハイドロエンゴルジメント前の引張強度の少なくとも75%のハイドロエンゴルジメント後の引張強度を示す請求項2に記載の不織布。
- 0%超10%未満の融着面積割合を有する請求項1に記載の不織布。
- 請求項1に記載の不織布を包含する吸収物品。
- 請求項1に記載の不織布を包含する非吸収物品。
- 請求項1に記載の不織布を包含する積層体もしくはブレンド。
- 不織布の表面エネルギーを変更する仕上げを包含する請求項1に記載の不織布。
- 不織布のコンドレープ性を増加させる仕上げを包含する請求項1に記載の不織布。
- 融着パターンで接着されたハイドロエンゴルジ合成繊維構造であって、
(i)0%超10%未満の融着面積割合、および
(ii)該融着パターンが異方性である場合、少なくとも10%の融着面積割合
のうちの1つを有するハイドロエンゴルジ合成繊維構造。 - 熱可塑性連続繊維を有するスパンメルト不織布でできている請求項15に記載の繊維構造。
- 更にスクリムを包含する請求項12に記載の積層体もしくはブレンド。
- 前記積層体が、1層の前記スクリムを、1層の前記不織布に隣接もしくは離れて有する請求項17に記載の積層体もしくはブレンド。
- 前記積層体が、1層の前記不織布を、1層の前記スクリムの反対側に有する請求項17に記載の積層体もしくはブレンド。
- 更にパルプを包含する請求項12に記載の積層体もしくはブレンド。
- 前記積層体が、1層の前記パルプを、1層の前記不織布に隣接もしくは離れて有する請求項20に記載の積層体もしくはブレンド。
- 前記積層体が、1層の前記不織布を、1層の前記パルプの反対側に有する請求項20に記載の積層体もしくはブレンド。
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