JP2008510455A - 試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための方法 - Google Patents

試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための方法 Download PDF

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Abstract

試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための方法であって、i)試料を核酸増幅に必要な成分の全ておよび核酸増幅の生物発光アッセイに必要な成分の全てと接触させるステップ、そして次に、ii)核酸増幅反応を実行するステップ、iii)生物発光アッセイからの光出力の強さをモニターするステップ、およびiv)試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するステップを含む方法。

Description

本発明は、試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための方法であって、i)試料を核酸増幅に必要な成分の全ておよび核酸増幅の生物発光アッセイに必要な成分の全てと接触させるステップ、そして次に、ii)核酸増幅反応を実行するステップ、iii)生物発光アッセイからの光出力の強さをモニターするステップ、およびiv)試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するステップを含む方法に関する。
核酸増幅は、ある特定のテンプレート核酸が、ある試料中に存在するかどうかを決定するために使用することができる。増幅産物が生成される場合、それは、そのテンプレート核酸がその試料中に存在したことを示す。逆に、増幅産物の不在は、試料中にテンプレート核酸が存在しないことを示す。そのような技法は、診断用途において、例えば病原体が試料中に存在するかどうかを決定するために、極めて重要である。
核酸は種々のサーモサイクリング技法および等温技法によって増幅することができる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などのサーモサイクリング技法では、温度サイクリングを使ってDNA合成の反復サイクルが推進され、その結果、大量の新しいDNAが元のテンプレートDNA量に比例して合成されることになる。最近、増幅反応を推進するのにサーモサイクリングに頼らない等温技法も、いくつか開発されている。RNA合成ステップを伴わない増幅反応のために、鎖置換活性を持つDNAポリメラーゼを利用する等温技法が開発されている。同様に、RNA合成ステップを伴う増幅反応のために、逆転写酵素、RNアーゼHおよびDNA依存性RNAポリメラーゼを使用する等温技法も開発されている。
核酸増幅反応の産物は、伝統的に、ゲル電気泳動(アガロースまたはアクリルアミドに基づくもの)を使用し、DNAの存在を染色するために蛍光色素(臭化エチジウムなど)を使って分析されてきた。この方法を使って増幅産物の数、量およびサイズを示すことができる。しかし、ゲル電気泳動を用いる増幅反応の準備、実行および分析には、多大な手作業と危険な試薬類が必要であり、多くの時間を要する(典型的には全部で1時間ぐらいかかる)。また、検出可能な産物を生成させるには、多数のPCRサイクル(典型的には30サイクル)が必要になる。さらに最近になって、蛍光に基づく技法または濁度アッセイに頼って核酸増幅反応の産物をリアルタイムでモニターする、ゲル電気泳動より高い感度を持つ方法が開発された。
DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼの特徴は、それらが成長中のDNA/RNA分子に新しい塩基を組み込むたびに、化合物ピロリン酸(PPi)を放出するという事実である。したがってPPiは、成長中のヌクレオチド鎖にヌクレオチドがポリメラーゼによって付加される際に、副生成物として化学量論量で生成される。したがってPPiの濃度は、既に起こった核酸合成の量に比例し、それゆえにアンプリコンの蓄積に比例するということになる。長さnのポリマーの場合、反応は、
Figure 2008510455
と表すことができる。
PPiの高感度アッセイの一つは、酵素発光測定無機ピロリン酸検出アッセイ(Enzymatic Luminometric Inorganic Pyrophosphate Detection Assay:ELIDA)として知られている(Nyren, P.およびLundin, A., Anal. Biochem. 151: (2) 504-509 (1985)参照)。このアッセイには、二つのステップ、すなわち(1)酵素ATPスルフリラーゼによるピロリン酸(PPi)のATPへの変換、ならびに(2)ルシフェラーゼによって触媒される、ルシフェリンおよび酸素の存在下での、ATPを利用した光の生成が含まれる。
Figure 2008510455
ELIDA型アッセイの使用は、小さな試料体積から生物発光測定値を迅速に得ることができ、写真フィルムまたは電荷結合素子(CCD)カメラなどの簡単で安価なモニタリング装置を使って読み取りを行なうことができるという点で有利である。
米国特許第5,534,424号、第5,498,523号明細書、国際公開第98/28440号、第98/13523号および第02/20836号パンフレットには、ELIDAに基づく方法を使った短いDNA領域の配列決定が記述されている。ELIDAアッセイは、ピロシーケンス中に1ラウンドの重合で起こるポリメラーゼによるDNA分子への一ヌクレオチドの組み込みを追跡するために用いられた。ピロシーケンスは、反復アッセイのそれぞれに四つのデオキシヌクレオチド三リン酸(「dNTP類」)のうちの一つだけが存在して、配列の各位置で各デオキシヌクレオチド三リン酸(「dNTP」)を試験することができるようになっている反復技法である。したがって、DNA合成に必要な成分の全てが同時に存在することは決してない。
サーモサイクリングポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)をモニターするための「H3PIM」と呼ばれるエンドポイントELIDA型アッセイの使用も記述されている(国際公開第92/16654号パンフレットおよびTarbaryら, J. Immunological Methods, 156 (1992) 55-60参照)。反応過程の全体にわたって所定の一定時間間隔で、および/または増幅過程の終了時に、反応混合物の一部が採取されている。このように、試薬類を何度も添加する必要がある冗長な段階的アッセイが記述されている。
国際公開第02/064830号パンフレットには、サーモサイクリングPCR反応をモニターする目的でエンドポイントアッセイを行なうための、ELIDAアッセイの使用が記述されている。国際公開第92/16654号パンフレットでは、サーモサイクリングPCRをエンドポイントアッセイとしてモニターするために、多数の添加と、インキュベーションステップとが要求されるのに対して、国際公開第02/064830号パンフレットでは、ELIDAアッセイを1段階で行なうことができる。
上述のエンドポイントアッセイにはいくつかの課題がある。第1に、これらは、生物発光アッセイの成分を、増幅反応後に反応混合物に加える必要がある。チューブを開けることは、試料の汚染につながる可能性があり、さらには実験室の汚染につながる可能性もある。試料自体が汚染されると、結果として、偽陽性または偽陰性が生成することになるかもしれない。さらにまた、増幅されたテンプレート核酸で実験室が汚染されると、それにより、さらなる試料が汚染される可能性および偽陽性結果または偽陰性結果が得られる可能性が増加する(例えばVictor, T.ら「Laboratory experience and guidelines for avoiding false-positive polymerase chain-reactions results(偽陽性のポリメラーゼ連鎖反応結果を避けるための実験室での経験と指針)」Eur. J. Clin. Chem. & Clin. Biochem., 31(8): 531-535 (1993)参照)。したがって汚染の可能性は、このタイプのエンドポイント分析を診断方法に使用する上で、重大な短所になる。
上述のエンドポイント分析に伴うさらにもう一つの課題は、dATPがルシフェラーゼの基質としても作用することである。したがってdATPをポリメラーゼの基質として使用すると、ATPの代わりにdATPが基質としてルシフェラーゼと反応することによって、スペクトル干渉が起こる。国際公開第02/064830号パンフレットには、増幅反応でdATPを基質として使用した時に、ELIDAからの光シグナルが迅速に減衰する様子が記述されている。測定される光測定値がPPi濃度の関数であるだけでなく、時間の関数にもなるので、この減衰は、エンドポイントアッセイの有用性にとって、重大な障害になるだろう。したがって、エンドポイントアッセイは、厳密なタイミングで行なわれるのでなければ、定量的ではなくなるだろう。
エンドポイントアッセイに代わる方法は、増幅反応中の核酸の合成を「リアルタイム」で、すなわち核酸合成の進行中に、モニターすることができるアッセイである。既存のリアルタイムアッセイには、蛍光に基づく技法や、濁度アッセイがある。
蛍光に基づく技法は、増幅産物の蓄積に付随する蛍光の変化を何らかの手段でモニターすることによって機能する。例えば、二本鎖DNA結合色素(具体的にはドナー蛍光団およびアクセプター蛍光団を含有するハイブリダイゼーションプローブ)を使ってPCR中のDNAの増幅をモニターする方法が、米国特許第5,994,056号明細書、国際公開第97/44486号、国際公開第99/42611号パンフレットおよび米国特許第6,174,670号明細書に記述されている。これらの蛍光に基づくリアルタイム技法により、液体試料採取を行なわずにPCRを追跡することが可能になり、その結果、反応チューブを開ける必要がなくなり、それゆえに汚染の危険が減少する。
しかし蛍光に基づく技法には重大な欠点がある。特に、蛍光試薬(とりわけ蛍光標識プライマー)のコストが高く、試料調製は面倒な場合がある。さらに、蛍光に基づくシステムの応用は、装置の限られた能力およびその高いコストによって阻まれるかもしれない。これらの方法は、多くの場合、エンドポイント分析に用いられるのではなく、PCRをリアルタイムで追跡するので、通常は、コンピュータを駆使した一体型のサーモサイクラー-蛍光計が必要になる。結果として、そのようなシステムの利用しやすさ(コスト)および携帯性が損なわれる。検出はPCR装置内で行なわれるので、そのような方法は、適切に装備された実験室でしか利用することができない。
リアルタイム濁度アッセイでは、PPiが生成したかどうかを決定する方法として、増幅反応混合物におけるピロリン酸マグネシウムの白色沈殿物の有無をモニターする。これは、等温ループ媒介増幅反応が起こったかどうかを決定するための方法として記述されている(Mori, Y.ら「Detection of loop-mediated isothermal amplification reaction by turbidity derived from magnesium pyrophosphate formation(ピロリン酸マグネシウム形成によって生じる濁りによるループ媒介等温増幅反応の検出)」Biochem. and Biophys. Res. Comm., 289, 150-154 (2001)参照)。しかしこの方法はあまり高感度ではなく、有意な濁りを観察するには、0.6mM程度のPPi濃度を必要とする。さらに、濁度法では測定手段として吸光度を使用する必要もあり、それゆえにアッセイの実行に要求されるハードウェアが複雑になる。
生物発光測定によるPCR産物の定量方法は、国際公開第01/42496号パンフレットおよびNygrenら(「Quantification of HIV-1 using multiple quantitative polymerase chain reaction standards and bioluminometric detection(複数の定量ポリメラーゼ連鎖反応標準および生物発光測定検出を使ったHIV-1の定量)」Analytical Biochem., 288, 28-38 (2001))に記述されている。PCR増幅の結果として得られる産物が固定化され、1ラウンドの重合を室温で行なう鎖伸長重合を利用して定量された。ヌクレオチドの組み込みによって放出されるPPiが、ATPスルフリラーゼおよびアデノシン5'-ホスホ硫酸(APS)を含むELIDA型の系で、ルミノメーターおよび電位差記録計を使って反応開始1分後のシグナルを測定することにより、検出された。
同時係属中の出願PCT/GB2004/000127に開示されている主題は、本願の範囲からは、特に除外される。
本発明は、試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための方法であって、
i)試料を、
a)核酸ポリメラーゼ、
b)核酸ポリメラーゼの基質、
c)少なくとも二つのプライマー、
d)耐熱性ルシフェラーゼ、
e)ルシフェリン、
f)PPiをATPに変換する酵素であって、ATPスルフリラーゼではないもの、および
g)項目f)の酵素の、他の任意の必要な基質または補因子
を含む、核酸増幅に必要な成分の全ておよび核酸増幅の生物発光アッセイに必要な成分の全てと接触させるステップ、そして次に、
ii)核酸増幅反応を実行するステップ、
iii)生物発光アッセイからの光出力の強さをモニターするステップ、および
iv)試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するステップ
を含む方法を提供する。
項目g)の基質または補因子がPPiでないことは理解されるだろう。PPiは増幅反応中に核酸重合の結果として生成される。本発明の方法では、このPPiの生成を生物発光アッセイからの光出力に共役させる。好ましくは、PPiをまずATPに変換する。次に、そのATPを、ルシフェラーゼ(これはルシフェリンおよび酸素の存在下で光を生成するための基質としてATPを利用する)が触媒する生物発光アッセイによって検出する。したがってルシフェラーゼはATP濃度の変化を追跡するために使用される。好ましくは、PPiをATPに変換する酵素または酵素群を使って、これを達成する。生物発光アッセイからの光出力の強さをモニターすることにより、どれくらい多くのPPiが反応混合物中に存在するかを決定し、それによって試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定することができる。したがって本方法は核酸のインビトロ酵素合成をアッセイするものであり、本方法により、核酸が増幅反応中にデノボ重合の結果として増幅された程度を定量することが可能になる。
PPiをATPに変換する酵素であって、本発明での使用に適しているものの例には、ピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ(「PPDK」)(Eisaki, N.ら「Pyruvate phosphate dikinase from a thermophilic actinomyces Microbispora rosea subsp. Aerata: purification, characterisation and molecular cloning of the gene(好熱性放線菌Microbispora rosea亜種Aerata由来のピルビン酸リン酸ジキナーゼ:精製、特徴づけおよび遺伝子の分子クローニング)」Biochimica et Biophysica Acta, (1999) 1431: 363-73、耐熱性PPDKが記載されている英国特許第2317892号明細書も参照のこと)、ニコチンアミド-モノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ(「NMNAT」)(Sakubara, H.ら「A nicotinamide mononucleotide adenylyltransferase with unique adenylyl group donor specificity from a hyperthermophilic archaeon, Pyrococcus horikoshii OT-3(超好熱性古細菌Pyrococcus horikoshii OT-3由来のユニークなアデニリル基供与体特異性を持つニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ)」J Mol Catalysis B: Enzymatic 23 (2003) 273-279;この文献には極めて高い耐熱性を持つNMNATの単離が記載されている)、ATPジホスファターゼ(Heppel LAおよびHilmoe RJ「Mechanism of enzymatic hydrolysis of adenosinetriphosphate(アデノシン三リン酸の酵素的加水分解の機序)」J. Biol. Chem. (1953) 202:217-226)およびATPホスホリボシルトランスフェラーゼ(Voll MJら「Purification and composition studies of phosphoribosyladenosine triphosphate: pyrophosphate phosphorybosyltransferase. The first enzyme of histidine biosynthesis(ホスホリボシルアデノシン三リン酸:ピロリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼの精製および組成研究.ヒスチジン生合成の第1酵素)」J. Biol. Chem. (1967) 242:1760-1767)がある。これらの酵素は以下の反応を触媒する。
ピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ:
PPi+ホスホエノールピルビン酸+AMP→ATP+ピルビン酸+Pi
ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ:
PPi+NAD+→ATP+ニコチンアミドリボヌクレオチド
ATPジホスファターゼ:
PPi+AMP→ATP+H2O
ATPホスホリボシルトランスフェラーゼ:
PPi+1-(5-ホスホ-D-リボシル)-ATP→ATP+5-ホスホ-α-D-リボース1-二リン酸
上述の酵素は全くの例示に過ぎず、PPiをATPに変換する他の酵素または酵素の組み合わせであって本発明の方法に適合するものは、どれでも使用することができる。しかし、同時係属中の出願PCT/GB2004/000127に記述されている、PPiをATPに変換する酵素としてのATPスルフリラーゼの使用は、本発明の範囲からは、特に除外される。さらに、PPiをATPに変換する酵素として、ルシフェラーゼそのものを単独で使用することも、本発明の範囲からは、特に除外される。
PPiをATPに変換する酵素がピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼである場合、基質はホスホエノールピルビン酸およびAMPである。PPiをATPに変換する酵素がニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼである場合、補因子はNAD+である。PPiをATPに変換する酵素がATPジホスファターゼである場合、基質はAMPである。PPiをATPに変換する酵素がATPホスホリボシルトランスフェラーゼである場合、基質は1-(5-ホスホ-D-リボシル)-ATPである。
ステップii)の核酸増幅反応は、緩衝液成分へのさらなる添加または緩衝液成分のさらなる操作を伴わずに2回以上のヌクレオチド付加サイクルが行なわれる点で、「連続移動型(processive)」核酸ポリメラーゼ反応と同等であると考えることができる。したがってステップii)の核酸増幅反応は、特異的核酸配列のコピーを数多く生成させるためのインビトロ技法であり、生成したコピーはそれ自体がさらにコピーされて、コピーされる特異的核酸配列のコピー数の増幅をもたらす。
ステップii)の増幅反応中にルシフェラーゼおよび生物発光アッセイの他の成分が存在することにより、いったん増幅反応が始まれば反応混合物をさらに操作する必要がなくなるので、試料の分析が著しく簡略化される。例えば、どれくらい多くのPPiが生成されたかを決定するために試料の一部を採取する必要はない。その代わりに、生物発光アッセイが、核酸増幅反応に必要な全成分の存在下で、酵素的核酸増幅反応に使用した反応混合物に対して、すなわちステップi)で形成される反応混合物に対して、直接実行される。増幅反応中も、増幅反応後も、生物発光アッセイの成分を反応混合物に添加する必要はない。
生物発光アッセイ(「ピロリン酸アッセイ」または「PPiアッセイ」とも呼ばれている)の成分および増幅反応の成分は、ステップii)の核酸増幅反応の条件に耐えることができなければならない。例えば、PPiをATPに変換する耐熱性酵素および/または耐熱性ルシフェラーゼおよび/または耐熱性核酸ポリメラーゼを使用することができる。酵素に関して本明細書で使用する「耐熱性」という用語は、ステップii)の核酸増幅反応が行なわれる温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応が行なわれる期間、安定であるような酵素を指す。
ステップi)の成分は、好ましくは、凍結乾燥によって、または安定化因子の存在によって、安定化される。したがって好ましくは、安定剤も、ステップi)において試料と接触させる。例えば、BSA、トレハロース、ポリビニルピロリドンおよびジチオスレイトール(DTT)の一つ以上を、ステップi)において、試料と接触させることができる。好ましくは、これらの安定剤の全てを、ステップi)において、試料と接触させる。
核酸増幅反応に要求される温度および時間は、核酸重合反応に要求されるものとはかなり異なる。核酸増幅反応は、高温もしくは長い継続時間(例えば15分〜24時間)のどちらか一方または両方を必要とする。これに対して、核酸重合反応は、低温(例えば37℃)で迅速に行なうことができる。ルシフェラーゼは不安定であることが知られている。例えば野生型ホタルルシフェラーゼは37℃で迅速に失活する。ルシフェラーゼは、例えば、自らの光反応の生成物であるオキシルシフェリンなどによって、容易に阻害されることも知られている。しかし驚いたことに、ルシフェラーゼはステップii)の核酸増幅反応中も安定であり続けられることが見いだされた。さらにまた、ルシフェラーゼはステップii)の核酸増幅反応の全過程を通して安定であり続けられることがわかった。核酸増幅反応によっては長い継続時間が要求されることもあるので、これは驚くべきことである。
ステップi)において試料と接触させる耐熱性ルシフェラーゼは、ステップii)の核酸増幅反応が行なわれる温度範囲内で安定なルシフェラーゼ酵素である。使用するルシフェラーゼは、ステップii)の核酸増幅反応が実行される条件に依存するだろう。本明細書で使用する「ルシフェラーゼ」という用語は、生物発光反応を触媒する酵素を指す。本発明の方法における使用に適したルシフェラーゼには、ステップii)の核酸反応が行なわれる温度範囲内で安定であることを条件として、野生型ルシフェラーゼも、突然変異型または変種ルシフェラーゼも含まれる。好ましくは、ルシフェラーゼは37℃で少なくとも10分の半減期を持つだろう。より好ましくは、ルシフェラーゼは40℃で少なくとも10分の半減期を持つだろう。より好ましくは、ルシフェラーゼは50℃で少なくとも10分の半減期を持つだろう。より一層好ましくは、ルシフェラーゼは60℃で少なくとも10分の半減期を持つだろう。本発明の方法における使用に適した耐熱性ルシフェラーゼの例は、60℃で少なくとも10分の半減期を持つPromegaのUltra-Glow耐熱性ルシフェラーゼや、40℃で少なくとも10分の半減期を持つTisi, L.ら(Tisi, L. C.ら, (2002)「Development of a thermostable firefly luciferase(耐熱性ホタルルシフェラーゼの開発)」Analytica Chimica Acta, Vol. 457, 115-123)に記載のルシフェラーゼである。
ステップii)の核酸増幅反応は、RNA合成ステップを伴っても、伴わなくてもよい。ステップii)の増幅反応がRNA合成ステップを伴わない方法の場合、ポリメラーゼの基質には、四つのdNTP類、すなわちdATP、dTTP、dCTPおよびdGTPのそれぞれが含まれる。dNTP類の一つ以上を適切なその類似体で置き換えてもよい。使用するルシフェラーゼは、光を生成するための基質としてATPを使用するルシフェラーゼである。光を生成するための基質としてATPを使用するルシフェラーゼの例は、ホタルルシフェラーゼ(北アメリカホタルPhotinus pyralis由来のもの)およびその突然変異体である。光を生成するための基質としてATPを使用するルシフェラーゼは、好ましくは、PromegaのUltra-Glow耐熱性ルシフェラーゼである。ルシフェラーゼは、一つには、ATP濃度の変化を追跡するために使用され、したがって反応混合物にはPPiをATPに変換する酵素が存在する。
ATPをPPiから生成させるために必要な、PPiをATPに変換する酵素の基質または補因子はいずれも、PPiをATPに変換する酵素が存在するステップi)において、反応混合物に加えられる。
RNA合成ステップを伴わう増幅反応の場合、ポリメラーゼの基質には、四つのdNTP類(dATP、dTTP、dCTPおよびdGTP)のそれぞれと、四つのヌクレオチド三リン酸(「NTP類」)(ATP、UTP、CTPおよびGTP)のそれぞれが含まれる。dNTP類および/またはNTP類の一つ以上を適切な類似体で置き換えてもよい。したがって、増幅反応がRNA合成ステップを伴う場合には、RNAポリメラーゼによって使用されうるがルシフェラーゼとは反応しないATP類似体を使用しない限り、ポリメラーゼの基質の一つとして反応混合物中に内因性ATPが存在することになる。反応混合物中の有意な量の内因性ATPは、ステップi)において試料と接触させるルシフェラーゼがATP濃度の小さな変化に対して鋭敏であることが要求される本発明方法の使用を、著しく損なうことになるだろう。この問題を克服するために、好ましくは、ATPそのものではなく、RNAポリメラーゼの基質であるがルシフェラーゼの基質ではない(または少なくとも、ルシフェラーゼの基質としては非常に悪い)適切なATP類似体を、ステップi)において試料と接触させる。
本発明方法のさらにもう一つの利点は、ステップiii)において光出力を容易に検出できるということである。ステップiii)における光出力の強さは、好ましくは、視覚的にモニターされる。光出力の強さをモニターするための適切な方法には、写真フィルム、電荷結合素子(CCD)カメラまたは光電子増倍管の使用などがある(例えばW.R. Leo「Techniques for Nuclear and Particle Physics Experiments」Springer, 1994を参照されたい)。もう一つの選択肢として、光出力の強さは目検出(eye detection)を使ってモニターすることもできる。好ましくは、ステップiii)では、生物発光アッセイからの光出力の強さを、CCDカメラを使ってモニターする。必要な場合は可視化のために光出力を増幅してもよい。このように、写真フィルム、CCDカメラまたは電子増倍管だけを使って光出力を検出できるということは、複雑なハードウェアまたは光学装置を必要としない点で、蛍光分析またはゲルに基づく分析を使用する技術よりも有利である。さらにまた、(蛍光または吸光度が関わる技法で要求されるように)何らかの形で試料の照射を必要とすることも、(例えば半導体に基づくアプローチ[Wilding, P.ら, (1994)「PCR in a silicon microstructure(シリコン微細構造におけるPCR)」Clinical Chemistry, 40(9): 1815-1818]の場合のように)試料との電気化学的界面を必要とすることも、または(例えば表面プラズモン共鳴アプローチ[Bianchi, N.ら, (1997)「Biosensor technology and surface plasmon resonance for real-time detection of HIV-1 genomic sequences amplified by polymerase chain reaction(ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅されるHIV-1ゲノム配列をリアルタイム検出するためのバイオセンサー技術および表面プラズモン共鳴)」Clinical and Diagnostic Virology, 8(3): 199-208]の場合のように)間接的照射を必要とすることもなく、光出力の強さをモニターすることができる。
さらに、一つまたは複数(例えば数千)の試料を、例えば一つのCCDカメラによって、同時にモニターすることもできる。このように本発明の方法では、携帯および小型化が可能であり、高スループットシステムへの組み込みが容易な、簡単かつ安価なハードウェアを使用することができる。
本発明方法のステップi)は、好ましくは、適切な緩衝液を試料と接触させることも含む。本発明方法での使用に適した緩衝液には、増幅反応の進行を可能にする緩衝液や、生物発光アッセイの進行を可能にする緩衝液が含まれる。好ましくは、緩衝液はマグネシウムイオン源を含む。これらは、好ましくは、MgCl2またはMgSO4の形をとる。例えば、適切な緩衝液は、トリス-酢酸塩、塩化カルシウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウムおよびTriton X-100を含有し、25℃でpH8.8であることができる。
本発明方法の少なくともステップii)およびiii)は、密封された容器中で行なわれることが有利である。増幅反応と生物発光アッセイの両方を密封された容器中で実行することができれば、試料が汚染される可能性は減少し、さらには防止されるので、これは、非常に有益である。さらにまた、実験室が汚染される可能性も減少し、さらには防止される。1コピーのテンプレート核酸でも実験室中に漏出すれば、それが他の被験試料を汚染し、偽陽性結果を与える潜在的可能性があるので、これは特に重要である。したがって、汚染を防止できることは、本発明の方法を診断用途に使用する場合には、特に重要である。
汚染をさらに防止するために、ステップiv)後に、好ましくは、容器を適切な処理に付して、その中に含まれる核酸が破壊されるように、特にテンプレート核酸が破壊されるようにする。容器自体も、好ましくは、ステップiv)後に、またはその中に含まれる核酸の破壊後に破壊する。これにより、実験室および/または他の試料が汚染される可能性は最小限に抑えられる。
好ましくは、本発明方法のステップiii)において、光出力の強さを核酸増幅反応中にモニターする。これは、生物発光アッセイ用の成分がステップii)の核酸増幅反応の初めから終わりまでずっと存在するからこそ、可能になることである。好ましくは、光出力の強さを、核酸増幅反応の時間経過の全体にわたって、すなわち核酸増幅反応の最初から最後まで、モニターする。もう一つの選択肢として、核酸増幅反応の少なくとも一部分の間に、光出力の強さをモニターすることもできる。これに代えて、および/またはこれに加えて、ステップii)の核酸増幅反応が終了した後に、および/またはステップii)の増幅反応が始まる前に、例えば対照測定値の取得などを目的として、光出力の強さをモニターすることもできる。ステップii)の増幅反応中に光出力の強さをモニターすることができれば、反応容器の取り扱いが簡便になると共に、試料中に存在するテンプレート核酸の量を迅速に決定することができるようにもなる。
dATPはルシフェラーゼの基質としても作用する。増幅反応の経過中に光出力の強さをモニターすることのさらにもう一つの利点は、dATPがルシフェラーゼと反応することによって生成するバックグラウンドシグナルが、本発明の方法に干渉しないことである。これはエンドポイント分析でしか問題にならない。本発明の方法を使用すればdATPが引き起こす問題は本質的に減少するが、本発明は、ルシフェラーゼが、PPiをATPに変換する酵素によって生成されるATPと反応することによって生じる光を、ルシフェラーゼが、ポリメラーゼ酵素の基質として存在するヌクレオチドと反応することによって生じる光と区別することを可能にする方法を包含する。これらの方法は、バックグラウンドシグナルを減少させ、したがって、PPiをATPに変換する酵素によって生成されるATPから生じる光の検出感度を増大させるだろう。これらの方法には、
(a)ATPから生じる光の波長を、増幅反応緩衝液中に存在するヌクレオチドに対する酵素作用によって生じる光と区別するための光学的方法、
(b)増幅反応に、PPiをATPに変換する酵素の有効な基質ではないヌクレオチドを利用すること、
(c)dATPを基質として利用する能力が減少している酵素変種を利用すること、
という選択肢が含まれる。
例えば、波長特異的光検出を使って、ATPから生じる(それゆえ、ピロリン酸に由来する)光と、dATPからの光とを識別することができる。ホタルルシフェラーゼはATPと反応すると黄緑色の光を生じるのに対して、dATPと反応すると赤色光を生じる。結果として、試料がATPとdATPの両方を含有する場合、ルシフェラーゼの存在下で生じる光がATPに由来する程度は、適切なフィルターを使用することによって、または記録されるシグナルへのdATPの寄与がATPと比較してほとんどないような波長で光放射を測定することによって、評価することができる。このように、dAPTがルシフェラーゼと直接反応することによって生じる光を十分に最小化して、PPi濃度が低くても、PPiをATPに変換する酵素によって生成されるATPの検出感度を増大させることができる。
さらに、dATPをd-α-SATPで置き換えてもよい。d-α-SATPは、ルシフェラーゼに関して、dATPの100分の1程度の悪い基質でしかないので、d-α-SATPとルシフェラーゼとの直接反応からは光はほとんど生成しない。にもかかわらず、d-α-SATPは、DNA合成を伴う増幅反応にとっては適切な基質である。d-α-SATPはDNAポリメラーゼによってDNA鎖に組み込まれうることが知られている。d-α-SATPを組み込んだ(その結果、硫黄原子を含有している)DNAは、さらなるDNA合成を指示するためのテンプレートとして働きうることが、今回、明らかになった。これは増幅にとって必要条件である。d-α-SATPを用いる増幅反応は効率がよく、d-α-SATPはルシフェラーゼにとってはdATPよりはるかに悪い基質なので、干渉は著しく軽減される。したがって、本発明の方法でd-α-SATPを使用すれば、結果として得られる試料は、ピロリン酸が生成した場合(例えばテンプレート核酸が増幅された場合)にのみ、有意な光を放射することになる。増幅反応で使用するポリメラーゼの基質になるが、ルシフェラーゼとの反応については、dATPの場合よりも低い比活性を示すような、d-α-SATP以外のヌクレオチドも、この文脈で利用できることは、当業者には明白だろう。
例えば、ATPと比較してdATPを使った場合の生物発光の色の相違が大きいか、dATPまたはATPに対して異なる親和性を持つ、突然変異型ルシフェラーゼ(突然変異型または変種のホタルまたは甲虫ルシフェラーゼ)を使用してもよい。dATPとATPとで最大発光波長の差が野生型酵素の場合よりも大きい突然変異型ルシフェラーゼは、ATPから生じる光とdATPから生じる光との弁別を改善するために使用することができる。さらに、光放射にとってdATPがATPよりも悪い基質であるような突然変異体も、同様に使用することができる。この実施形態では、活性および/または生成する光の波長で測定した場合に、他のヌクレオチドに比してATPとの反応に関する弁別性が高い、任意の突然変異型ルシフェラーゼを使用することができる。そのようなルシフェラーゼを取得または同定するための方法は当技術分野では知られている(例えば国際公開第96/22376号および第99/14336号パンフレット)。
好ましくは、本発明方法のステップiii)はさらに、時間の関数としての光出力の強さのデータセットを生成させることを含む。そのデータセットは、試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するために使用される。そのデータセットは、好ましくは、ソフトウェアアプリケーションによって解析され、そして/またはグラフもしくは数字の一覧の形で表される。例えば、データセットは、経時的な光強度のプロットとして表すか、経時的な光強度の変化率のプロット(すなわち一次導関数)として表すことができる。
光出力の強さは、一つ以上の所定の時刻に(例えば少なくとも2、3、4、5、10、15、20またはそれ以上の所定の時刻に)モニターすることができる。これら所定の時刻は、好ましくは、ステップii)の核酸増幅反応が起こるために必要な条件が全て存在する時刻[この時を(t)=0分とする]から後の、所定の時刻である。そのような条件は、ステップi)に記載したように反応混合物が形成されていること、およびその反応混合物が、増幅が進行するに適した温度にあることであり、前記温度は、増幅反応および生物発光アッセイの成分が安定な温度でもある。例えば、光出力の強さは、増幅反応の少なくとも一部分の間に、固定された所定の時間間隔で、モニターすることができる。好ましくは、増幅反応全体にわたって、固定された所定の時間間隔で、光出力の強さをモニターする。例えば、これらの間隔は30秒ごと、1分ごと、1分30秒ごとなどであることができるだろう。もう一つの選択肢として、所定の時刻間の間隔は変動してもよい。好ましくは、1分あたり1個、2個またはそれ以上の光測定値を取得する。1分あたりに取得する測定値が多いほど、結果の信頼性が高くなるので、1分あたりにできる限り多くの測定値を取得することが好ましい。好ましくは、光出力をまず最初に時刻=0分でモニターする。いくつかの実施形態では、光出力の強さを、増幅反応が終了した後にも、モニターすることができる。
使用する光検出系の感度が高いほど、1分あたりの時点数を多くすることができる。というのも、感度の高いカメラを使用すれば、感度が低いCCDカメラの場合よりも短い期間の光放射を積分することで、個々のデータが得られるからである。したがって、できる限り感度の高いカメラを使用することが有利である。
本発明方法のステップiii)では、光出力の強さを連続的にモニターすることが有利である。「連続的に」とは、使用している検出系の最大能力を意味する。好ましくは、ステップii)の増幅反応の少なくとも一部分の間に、光出力を連続的にモニターする。より好ましくは、ステップii)の増幅反応全体にわたって、光出力を連続的にモニターする。これに代えて、またはこれに加えて、ステップiii)は、ステップii)の増幅反応が終了した後に光の出力の強さを連続的にモニターすることも包含する。
本発明の方法は、試料中に存在するテンプレート核酸の量を定量的におよび/または定性的に決定するために使用することができる。定量的な使用には、ステップii)の核酸増幅反応が起こる前の試料中に存在するテンプレートの量を決定するための、本発明方法の使用が含まれる。ステップii)の増幅反応の結果として試料中に存在するテンプレート核酸の量(これは、ステップii)の核酸増幅反応中または核酸増幅反応後に決定することができる)を決定するための、本発明方法の使用も含まれる(すなわち、どれくらい多くの核酸増幅産物(「アンプリコン」)が生成されたかの定量)。これにより、核酸増幅反応の程度を定量することが可能になる。定量的に使用する場合、「決定する」という用語は、試料中に存在するテンプレート核酸の量の正確な決定と、試料中に存在するテンプレート核酸の量の推定とを、どちらも包含する。
驚いたことに、試料中に存在するテンプレート核酸の量を定量的に決定するには、生成される光出力の強さそのものに加えて、光出力の強さの変化のタイミングも、比例因子であることがわかった。例えば、ある特定の反応条件セット(例えば、特定のテンプレート核酸、特定濃度の増幅反応用および生物発光アッセイ用成分、ならびに特定の増幅反応温度)に関して、核酸増幅反応の開始時点で試料中に存在するテンプレート核酸の濃度が高い場合は、試料中に存在するテンプレート核酸の濃度が低い反応と比較して、光出力の強さの変化が、増幅反応の開始に続いて、より短い期間後に起こることになる。したがって、特定の反応条件セットについては、光出力の強さの変化を時間の関数としてモニターすることによって、試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定することができる。好ましくは、特定の反応条件セットの下で異なる既知濃度の特定テンプレート核酸を使って一連の対照反応を実行し、分析対象の試料から本発明の方法によって得られる結果を、この一連の対照反応から得られる結果と比較する。所定の時点で増幅反応中に生成されたテンプレート核酸の量をゲル電気泳動または他の適切な定量方法を使って評価する対照を実行することもできる。これにより、所定の時点における対照試料中のテンプレート核酸の量を計算し、データセット上の各点と相関させることが可能になるだろう。
定性的に使用する場合、本発明の方法は、核酸増幅反応が増幅産物をもたらしたかどうかを評価し、それによって試料中にテンプレート核酸が存在するかどうかを決定するために使用することができる。増幅条件が既に十分に最適化されている多くの用途(例えば病原体に関連する核酸(好ましくはDNA)の迅速検出)では、標的DNA配列が試料中に存在したことを確証するために要求される唯一の情報は、増幅反応の発生である。テンプレート核酸が試料中に存在する場合、これは、ステップii)の核酸増幅反応の結果として生成されるアンプリコンをもたらすだろう。その結果、これは、増幅が起こっていない対照反応と比較して、時間の関数としての光出力の強さのパターンに変化をもたらすだろう。テンプレート核酸が試料中に存在しない場合は、ステップii)において増幅反応が起こらず、したがって結果としてアンプリコンが生成されることもないだろう。その結果、時間の関数としての光出力の強さの変化のパターンは、増幅が起こっていない対照と、同じでないまでも、類似することになる。時間の関数としての光出力の強さの変化のパターンが、対照によって与えられるパターンと有意に異なるかどうかは、当業者であれば決定することができるだろう。したがって、ステップii)で使用する「核酸増幅反応を実行する」という表現は、「核酸増幅反応を実行すること」と、「増幅反応が起こるのに適当な条件を作り出すこと」の両方を包含する。というのも、試料中にテンプレート核酸が存在しない実施形態では、核酸増幅反応は起こらないだろうからである。好ましくは、予想される光変化の有無を、反応開始後、所定の期間でモニターする。
PPi自体が、高濃度では、ルシフェラーゼに対して直接的影響を持ちうることがわかった。当業者は、ある特定の反応条件セットの下で濃度の異なる特定出発テンプレート核酸を使っていくつかの対照実験を行なうことにより、PPi自体がルシフェラーゼに対して容易に感知できる目に見える直接的影響を持つ時刻を、そのデータセットから決定することができるだろう。次に、これらの対照結果を使って、試料中に存在するテンプレート核酸の量を推測することができる。
例えば、PPi自体が、高濃度では、ルシフェラーゼを阻害しうることがわかった。光出力の強さが急速に減少し始める点は、ルシフェラーゼが特定濃度のPPiによって阻害された状態になった点と相関する。これは、光出力の強さが最大である点(すなわち光出力の増加と光出力の減少との間の移行部を特徴づける点)に相当しうる。あるいは、それは、光出力の強さの減少率が、例えば漸進的減少から急速な減少へと、有意に増加する点を表しうる。異なる濃度のテンプレート核酸を使っていくつかの対照実験を行なうことにより、ある特定の反応条件セットの下で各特定出発テンプレート核酸濃度に関して、光出力の強さが急速に減少し始める時刻を決定することができる。次に、これらの対照結果を使って、試料中に存在するテンプレート核酸の量を推測することができる。
あるいは、PPiは、PPi以外の物質によって阻害されたルシフェラーゼからの光放射を増加させうる。
したがって、ルシフェラーゼによって触媒される生物発光アッセイをPPiが刺激するか阻害するかは、使用するルシフェラーゼの厳密なタイプ、反応の温度、PPiの濃度、およびルシフェラーゼ活性に影響を及ぼすことができる他の化合物の存在を含むいくつかの因子に依存する。当業者は、ある特定の反応条件セットの下で異なる濃度の特定出発テンプレート核酸を使っていくつかの対照実験を行なうことにより、PPi自体がルシフェラーゼに対して直接的影響を持つ時刻と、この影響の性質とを、そのデータセットから決定することができるだろう。次に、これらの対照結果を使って、試料中に存在するテンプレート核酸の量を推測することができる。
時間の関数としての光出力の強さのデータセットは、試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するために、いくつかの異なる方法で解釈することができる。データセット上の特定の点は、特異的濃度のPPiが存在する時点を表す。次に、これらは、試料中に存在するテンプレート核酸の量に相関させることができる。例えば、好ましくは、データセット上の以下の点の一つ以上をモニターする:i)光出力の強さが増加し始める点に到達するのに要する時間、ii)光出力の強さの増加の変化率が増加または減少する点に到達するのに要する時間、iii)光出力の強さの変化率が増加から減少へと変化する点(これは、好ましくは、光出力の最大強度の点または光出力の「ピーク」強度の点である)もしくは減少から増加へと変化する点に到達するのに要する時間、iv)光出力の強さの減少の変化率が増加または減少する点に到達するのに要する時間、および/またはv)光出力の強さが所定のレベルに到達する点または所定のレベルを横切る点に到達するのに要する時間。
試料中に存在するテンプレート核酸の量を定量的に決定する場合、モニターするデータセット上の点は、好ましくは、光出力の強さの変化率が有意に変化する点である。データセットを解釈する際に、光出力の強さの変化率が有意に変化する点は、当業者には明白だろう。
光出力の強さの変化率が有意に変化する点は、最も好ましくは、光出力の強さの増加と光出力の強さの減少との間の移行部を表す点であるだろう。光出力の強さの減少と光出力の強さの増加との間の移行部を表す点も、光出力の強さの変化率が有意に変化する点である。光出力の強さの増加と減少との間の移行部または減少と増加との間の移行部を特徴づける点は、好ましくは、結果を時間の関数としての光出力の強さのグラフ上に表示した場合に、変曲点として表されるだろう。光出力の強さが一定の強さから強さの増加または減少へと変化する点、または光出力の強さが強さの増加または減少から一定の強さへと変化する点も、光出力の強さの変化率が有意に変化する点を表す。
あるいは、光出力の強さが有意に変化する点は、光出力の強さの増加率または光出力の強さの減少率が有意に増加または減少する点であることもできる。したがって「光出力の強さの変化率が有意に変化する点」という表現は、好ましくは、その点の前の所定の時間間隔における光出力の強さの変化率が、その点の後の同じ所定の時間間隔における光出力の強さの変化率と、少なくとも30%は異なるような点を指す。より好ましくは、「光出力の強さの変化率が有意に変化する点」とは、その点の前の所定の時間間隔における光出力の強さの変化率が、その点の後の同じ所定の時間間隔における光出力の強さの変化率と、少なくとも50%は異なるような点を指す。より一層好ましくは、「光出力の強さの変化率が有意に変化する点」とは、その点の前の所定の時間間隔における光出力の強さの変化率が、その点の後の同じ所定の時間間隔における光出力の強さの変化率と、少なくとも70%は異なるような点を指す。もう一つの選択肢として、「光出力の強さの変化率が有意に変化する点」とは、その点の前の所定の時間間隔における光出力の強さの変化率が、その点の後の同じ所定の時間間隔における光出力の強さの変化率と、少なくとも10%、20%、40%、60%または80%は異なるような点を指す。所定の時間間隔は好ましくは30秒であるが、もう一つの選択肢として1分、1分30秒、またはそれ以上であってもよい。もう一つの選択肢として、所定の時間間隔は30秒未満であってもよい。選択される所定の時間間隔は、光出力の強さをモニターする時間間隔に依存し、調べられている特定増幅反応の速度論に依存するだろう。
したがって定量的決定の場合、好ましくは、データセット上の以下の点の一つ以上をモニターする:i)光出力の強さが増加し始める点、ii)光出力の強さの増加の変化率が有意に増加または減少する点、iii)光出力の強さの変化率が増加から減少へと変化する点(好ましくは光出力の最大強度の点)もしくは減少から増加へと変化する点、および/またはiv)光出力の強さの減少の変化率が有意に増加または減少する点。光出力の強さが所定のレベルに到達する時刻または所定のレベルを横切る時刻をモニターしてもよい。
試料中に存在する核酸の量は、好ましくは、以下の点の一つ以上をモニターすることによって、定量的に決定される:i)光出力の強さが増加し始める点に到達するのに要する時間、ii)光出力の強さの変化率が増加から減少へと変化する点に到達するのに要する時間、iii)光出力の強さの減少の変化率が有意に増加する点に到達するのに要する時間、iv)光出力の強さの減少の変化率が有意に減少する点に到達するのに要する時間、およびv)光出力の強さが所定のレベルに到達するか所定のレベルを横切るのに要する時間。
上述のように、ある特定のテンプレート核酸に関して、ある特定の点に到達するのに要する時間は、増幅反応の開始時に試料中に存在するテンプレート核酸の濃度に依存する。したがって、本発明方法のステップiv)は、好ましくは、試料中のテンプレート核酸の量を決定するために、光出力の強さを、試料が既知量のテンプレート核酸を含むいくつかの対照から得られる結果によって作成された標準曲線からの光出力の強さと比較することを、さらに含む。
試料中に存在するテンプレート核酸の量を定性的に決定する場合、すなわちテンプレート核酸が試料中に存在するかどうかを決定する場合、モニターされるデータセット上の点は、好ましくは、光出力の強さが所定のレベルに到達するか所定のレベル横切る点である。
光出力の強さの増加が、試料中にテンプレート核酸が存在することを示すだろう。好ましくは、光出力の強さの増加は、増幅が起こっていない対照反応との比較である。例えば、そのような対照反応は、好ましくは、テンプレート核酸が存在しない対照反応、またはポリメラーゼが存在しない対照反応であるだろう。したがってこれらの実施形態では、光出力の強さが、増幅が起こっていない対照の光出力の強さを上回っているかどうかをモニターすることによって、試料中に存在する核酸の量を定性的に決定することができる。より好ましくは、これらの実施形態では、光出力の強さが所定のレベルに達するかどうかまたは所定のレベルを上回るかどうかをモニターすることによって、試料中に存在する核酸の量を定性的に決定することができる。例えば所定のレベルは、光強度の減少率が最小である点で、増幅反応の開始時における光出力の125%、150%、175%または200%に設定することができるだろう。光出力の強さがこの所定のレベルに到達するか、この所定のレベルを超えて増加する場合は、それが、試料中にテンプレート核酸が存在することを示すだろう。しかし、光出力の強さがこの所定のレベルに到達しない場合は、それが、試料中にテンプレート核酸が存在しないことを示すだろう。
所定のレベルは、使用するテンプレート核酸、核酸増幅反応に使用する成分の濃度、および核酸増幅反応に使用する温度を含む、一つ以上の因子に依存して変動しうる。テンプレート核酸が存在する対照実験またはテンプレート核酸が存在しない対照実験を行なうことにより、当業者は、適切な所定のレベルを容易に決定することができるだろう。
好ましくは、ステップii)の増幅反応の開始後、所定の時間内に、光出力の強さの増加が存在することが、試料中にテンプレート核酸が存在することを示し、ステップii)の増幅反応の開始後、所定の時間内に、光出力の強さの増加が存在しないことが、試料中にテンプレート核酸が存在しないことを示す。例えば、一定量の試験材料には常に一定量の標的テンプレートが含有されるであろう遺伝子型判定に本発明の方法を使用する場合、標的テンプレート核酸が存在しないなら、所定の時間内に光出力の強さが増加しなかったのであれば標的は存在しないと、自信を持って言うことができる。
好ましくは、所定の時間は、ステップii)の増幅反応中に見いだされる時間であるだろう。反応の開始時に存在するテンプレート核酸が少ないほど、ステップii)の増幅反応は長時間を要する。特定のテンプレート核酸について、ある特定の反応条件セットの下で、テンプレート核酸がさまざまな濃度で存在する対照実験またはテンプレート核酸が存在しない対照実験をいくつか行なうことにより、当業者は、その特定テンプレート核酸に関してその特定の反応条件セットの下で、その時間までに増加が起こっていなければならない、またはその時間までに増加が起こっていてはならないという適切な所定の時間を、容易に決定することができるだろう。例えば、所定の時間は、核酸増幅反応の開始から20分以内、25分以内、30分以内、35分以内、40分以内、45分以内、50分以内またはそれ以上の分数内であることができる。これに代えて、またはこれに加えて、本発明の方法では、所定のレベルと比較した光出力の強さの減少が、試料中にテンプレート核酸が存在することを示す。この減少は、ルシフェラーゼがPPiによって阻害された状態になる時に起こると仮定される。例えば、所定のレベルは、光強度の減少率が最小である点で、増幅反応の開始時における光出力の25%、20%、15%、10%または5%に設定することができるだろう。光出力の強さがこの所定のレベルまで減少するか、この所定のレベルを超えて減少する場合は、それが、試料中にテンプレート核酸が存在することを示すだろう。しかし、光出力の強さが、この所定のレベルに到達しない場合は、それが、試料中にテンプレート核酸が存在しないことを示すだろう。
所定のレベルは、使用するテンプレート核酸、核酸増幅反応に使用する成分の濃度、および核酸増幅反応の温度を含む、一つ以上の因子に依存して変動しうる。テンプレート核酸が存在する対照実験またはテンプレート核酸が存在しない対照実験を行なうことにより、当業者は、適切な所定のレベルを容易に決定することができるだろう。
本発明方法のステップiv)は、好ましくは、光出力の強さを、増幅が起こっていない対照からの光出力の強さと比較することを、さらに含む。例えばそのような対照は、テンプレート核酸および/または増幅反応に必要な他の成分の一つ(例えばポリメラーゼ)が省略されること以外は本発明の方法と同じステップが行なわれる対照であることができる。これにより、経時的な生物発光の減衰を考慮に入れることが可能になる。
本発明の方法において、対照は分析対象の試料と同時に実行されることが好ましいものの、そのとおりである必要はない。例えば、対照は先に実行された対照であってもよく、そこから得たデータを数多くの他の試料との比較に使用することができるだろう。
本発明の方法において、増幅が起こっていない対照反応と比較した光出力の強さの減少は、試料中にテンプレート核酸が存在することを示す。対照と比較したこの減少は、上述の対照と比較した光出力の強さの他の変化に引き続いて起こるだろう。より多くのPPiが生成されるにつれて光出力の強さは増加し続けると当業者は予想するだろうから、光出力の強さが最終的に、増幅が起こっていない対照反応を下回るレベルにまで減少するという発見は、驚くべきことである。光出力の強さは、ルシフェラーゼがPPiによって阻害された状態になるために、対照を下回るレベルにまで減少すると、仮定される。光出力の強さをモニターして、それが、増幅が起こっていない対照の光出力の強さを下回っているかどうかを決定することは、好ましくは、ステップii)の増幅反応中に行なわれるが、もう一つの選択肢として、ステップii)の核酸増幅反応後に行なってもよい。好ましくは、光出力の強さは、対照反応の光出力の強さの30%以下のレベルにまで減少する。より好ましくは、光出力の強さは、対照反応の光出力の強さの20%以下のレベルにまで減少する。より一層好ましくは、光出力の強さは、対照反応の光出力の強さの10%以下のレベルにまで減少する。あるいは、光出力の強さは、対照反応の光出力の強さの90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、25%以下、15%以下または5%以下のレベルにまで減少してもよい。
好ましくは、核酸増幅反応の開始後、所定の時間内に、所定のレベルまたは対照反応と比較して、光出力の強さの減少が存在することが、試料中にテンプレート核酸が存在することを示し、増幅反応の開始後、所定の時間内に、所定のレベルまたは対照反応と比較して、光出力の強さの減少が存在しないことが、試料中にテンプレート核酸が存在しないことを示す。所定の時間は、好ましくは、核酸増幅反応の開始から20分以内、25分以内、30分以内、35分以内、40分以内、45分以内、50分以内またはそれ以上の分数内である。異なる濃度のテンプレート核酸が存在する対照実験またはテンプレート核酸が存在しない対照実験を行なうことにより、当業者は、その時間までに減少が起こっていなければならない、またはその時間までに減少が起こっていてはならないという適切な所定の時間を、容易に決定することができるだろう。
ステップii)の核酸増幅反応は、好ましくは、ルシフェラーゼが増幅反応の継続期間中は十分かつ安定な光出力を与えることができるほど十分に活性でありかつ安定であるような温度範囲内で行なわれる。さらにステップii)の増幅反応は、好ましくは、増幅反応中にルシフェラーゼが安定であり続けられる程度に、十分に低い温度で実行することができ、十分に迅速であるような反応である。本発明方法のステップii)の核酸増幅反応は等温的に行なってもよいし、二以上の温度で行なってもよいし、サーモサイクリング法であってもよい。好ましくは、本発明方法のステップii)の核酸増幅反応は等温的に行なわれる。等温的に行なわれる核酸増幅反応は、サーモサイクリングに頼らずに増幅反応を進行させる核酸増幅反応である。
RNA合成ステップを伴わず、本発明の方法でモニターするのに適している、核酸増幅反応の例には、等温法も、PCRなどのサーモサイクリング法も含まれる。
RNA合成ステップを伴わない等温法は、通常、鎖置換によって進行する。そのような方法には、ローリングサークル型増幅(Fire, A.およびXu, S.-Q. (1995)「Rolling replication of short DNA circles(短いDNAサークルのローリング複製)」Proc. Natl Acad. Sci. USA, 92, 4641-4645参照)、ローリングサークル型増幅技術(http://www.molecularstaging.com/Pages/RCATdetails_.html;AmershamのPhi29に基づく増幅キット,製品コード:25-6400-10および25-6400-50参照)、等温ラミフィケーション増幅(Zhang, W.ら「Detection of Chlamydia trachomatis by isothermal ramification amplification method: a feasibility study(等温ラミフィケーション増幅法によるトラコーマクラミジアの検出:実行可能性の研究)」J. Clin. Microbiol., Jan 2002, 128-132)、制限エンドヌクレアーゼ依存的鎖置換型増幅(Walker, G.T.「Isohtheraml in vitro amplification of DNA by a restriction enzyme / DNA polymerase system(制限酵素/DNAポリメラーゼ系によるDNAの等温インビトロ増幅)」PNAS, (1992), 89, 392-396)、ループ媒介等温増幅(LAMP)(Notomi, T.「Loop-mediated isotheraml amplification of DNA(DNAのループ媒介等温増幅)」Nucl. Acids. Res., 2000, 28(12), e63, i-vii)およびこれらの方法の変法などがある。RNA合成ステップを伴わず、鎖置換機序によって進行する等温核酸増幅技法は、「等温PCR」技法とも呼ばれている。鎖置換によって進行する増幅反応をモニターするためにELIDAアッセイに基づく生物発光アッセイを使用することができるという発見は、その増幅反応が低温であるために起こるバックグラウンド反応の数を考えると、驚くべきことである。
もう一つの選択肢として、反応が周回する温度において増幅反応および生物発光アッセイの全成分が安定であることを条件として、RNA合成ステップを伴わないサーモサイクリング法を、本発明の方法で使用することもできる。サーモサイクリング反応は、プライマー伸長が75℃を超えない(好ましくは70℃を超えない)サイクリング温度範囲内で行なわれ、中等度耐熱性DNAポリメラーゼを利用する、低温サーモサイクリング法であることが好ましい。そのような方法の一例は、HiFi(登録商標)DNAポリメラーゼを使用するLoTemp(登録商標)PCRであり、www.hifidna.com/FQAall.htmに記載されている。もう一つの選択肢として、サーモサイクリング反応は、プロリンの存在下でDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを利用する低温サーモサイクリング法であってもよい(Nucleic Acid Research, (1999), 27(6), 1566-1568参照)。
RNA合成ステップを伴い、本発明の方法によってモニターすることができる、等温増幅反応の例には、TMA(transcription mediated amplification:転写媒介性増幅)法またはNASBA(nucleic acid sequence based amplification:核酸配列に基礎をおいた増幅)法(Guatelli, J.C.ら「Isothermal, in vitro amplification of nucleic acids by multienzyme reaction modelled after retroviral replication(レトロウイルス複製に模した多酵素反応による核酸の等温インビトロ増幅)」PNAS, (1990), 87, 1874-1878)およびこれらの方法の変法などがある。
ステップii)の核酸増幅反応は、増幅反応および生物発光アッセイの成分が安定であり続けるような温度範囲内で行なわれる。好ましくは、75℃を超えない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。より好ましくは、70℃を超えない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。より一層好ましくは、65℃を超えない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。最も好ましくは、60℃を超えない温度範囲内で、すなわちPromegaのUltra-Glow耐熱性ルシフェラーゼが増幅反応の継続期間中は十分かつ安定な光出力を与えることができるほど十分に活性でありかつ安定であるような温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。もう一つの選択肢として、ステップii)の核酸増幅反応を、55℃、50℃、45℃または40℃を超えない温度範囲内で行なってもよい。
好ましくは、20℃を下回らない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。より好ましくは、30℃を下回らない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。より一層好ましくは、40℃を下回らない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なう。もう一つの選択肢として、25℃、35℃、45℃、50℃、55℃または60℃を下回らない温度範囲内で、ステップii)の核酸増幅反応を行なってもよい。
好ましくは、ステップii)の核酸増幅反応を、30℃〜75℃の温度範囲内で行なう。より好ましくは、ステップii)の核酸増幅反応を、30℃〜65℃の温度範囲内で行なう。例えばステップii)の核酸増幅反応は、45℃〜65℃、50℃〜55℃または35℃〜40℃の温度範囲内で行なうことができる。Bst DNAポリメラーゼ(Stenesh, J.およびRoe, B.A., Biochim. et Biophys. Acta 272, 156 (1972))を増幅反応に使用する場合、例えばBst DNAポリメラーゼを利用するLAMPおよびローリングサークルにおいて(ただしローリングサークル型増幅には他のポリメラーゼも使用することができる)、50℃〜55℃の温度範囲は、特に好ましいことがわかった。Bst DNAポリメラーゼは50℃未満ではうまく機能せず、65℃で最適に機能する。しかし、55℃を超えると、Ultraglowルシフェラーゼからの光出力が低くなるので、Bst DNAポリメラーゼは50℃〜55℃の温度範囲内で使用することが有利である。Bst DNAポリメラーゼを、50℃〜55℃の範囲内で使用することに加えて、またはその代わりに、それを上回る温度またはそれを下回る温度で使用することも、本発明の範囲に包含されるが、それは、非常に高感度な検出装置の使用を必要としたり、本方法の有用性を減少させたりするかもしれない。
ステップii)の核酸増幅反応は、上に明記した温度範囲内の一定温度で行なうこともできる。好ましい一実施形態では、核酸増幅反応を37℃で行なう。例えば、37℃(野生型酵素はこの温度では迅速に失活する)で安定な突然変異型ホタルルシフェラーゼ酵素を使用することにより、標準的なELIDA反応を使って等温核酸増幅反応中のPPiの生成をモニターすることができる。37℃で安定であり、本発明の方法における使用に適した、突然変異型ホタルルシフェラーゼ酵素の一例は、Tisi, L.ら(Tisi, L.C.ら (2002)「Development of a thermostable firefly luciferase(耐熱性ホタルルシフェラーゼの開発)」Analytica Chimica Acta, Vol. 457, 115-123)によって記載されている。
もう一つの選択肢として、好ましい温度範囲内の二つ以上の温度で、ステップii)の核酸増幅反応を行なってもよい。
核酸増幅反応を実行する温度を上げた場合に、使用するルシフェラーゼによって生成される生物発光アッセイからの光出力の総合的強さが(増幅が起こっても起こらなくても)低くなることがわかった場合は、ステップii)の核酸増幅反応を低い温度で行なうことが有利である。これには、光出力の強さが増加すると共に、増幅反応の速度が遅くなるという、二重の利点がある。遅い増幅反応は定量的分析には特に有益である。というのも、テンプレート核酸量が異なる試料では経時的な光強度の変化率に違いがあるようなさまざまな点に相当するデータポイントが、増幅反応を高温でモニターする場合よりも長い期間にわたって発生し、したがってモニタリングが、より容易になるからである。
しかし、核酸増幅反応を低温で行なうことは、潜在的に、増幅反応の特異性に悪影響を与える可能性がある。例えば、核酸増幅反応の温度を下げるにつれてプライマーが所望の標的配列以外の配列にアニールする確率は増えるので、増幅反応の温度を下げるにつれて、偽陽性結果の確率は高くなりうる。そこで本発明は、ステップii)の核酸増幅反応を高温で開始した後、低温に低下させる方法も提供する。この高温および低温は、好ましくは、上述の好ましい温度範囲内にある。これには、特異性が高くなる高温で核酸増幅反応を開始させることができ、次に光強度を増加させ、かつ結果の進行を遅くするために、増幅が検出可能な対数期に入る前に、温度を下げることができるという利点がある。例えば核酸増幅反応の温度は、55℃で開始させた後、50℃まで下げることができ、これは、核酸増幅反応にBst DNAポリメラーゼを使用する実施形態では、特に有利である。
温度を95℃まで上昇させる従来のサーモサイクリングPCRを利用する方法と比較して、等温法および低温サーモサイクリング法では、温度が比較的低いため、より小さな試料体積でも分析することができる。特に、温度範囲が55℃を超えない実施形態では、非常に小さな試料体積を、本発明の方法によって分析することができる。例えば、10μl未満の試料体積、さらには1μl未満の試料体積でも、本発明の方法によって分析することができる。従来のPCRで要求される高温では、非常に小さな試料体積は、技術的障害になる。非常に小さな試料体積を分析できることには、試薬コストの削減という利点もある。
したがって、好ましい一実施形態において、本発明の方法は、ステップii)の増幅反応で、ポリメラーゼ反応を等温的に行なうこと、および使用するルシフェラーゼがその温度で安定であることを要求する。これにより以下の利点が得られる:
i)等温核酸増幅反応をリアルタイムで連続的にモニターすることができる;
ii)等温核酸増幅反応を、さらなる試薬添加を必要とせずに、完全に閉じた系でモニターすることができる;
iii)アッセイ温度が比較的低いため、非常に小さな試料体積の分析が可能になり(従来のPCRでは温度が高いため、非常に小さな試料体積は技術的障害になる)、試薬コストが削減されるだろう;
iv)簡単なCCDカメラを使って、何千もの等温PCR反応を同時にモニターすることができる。
合成された核酸がゲル電気泳動では検出不可能であるだろう時に、核酸増幅中の核酸合成に由来するPPiを検出することができ、結果として、感度の増大および増幅時間の短縮をもたらすことは、本発明の特徴である。さらに、Moriらの濁度法(Mori, Y.ら, Biochem. Biophys. Res. Comm., (2001) 289, 150-154)が、有意な濁りを観察するために約0.6mMのPPi濃度を必要とするのに対して、PPiをATPに変換する酵素を用いるピロリン酸アッセイを使用すれば、0.5μM未満のPPi濃度で、PPi濃度と生物発光の間に直線的な関係がもたらされる(NyrenおよびLundin, Analytical Biochemistry, 151(2), 405-409 (1985))。これは、PPiの検出に関して、濁度アッセイの少なくとも1200倍という、本発明の方法における感度の増加を表している。本発明の方法は、蛍光に基づく方法より高感度でもある。
本発明の方法は医学診断用途に使用することができる。現在、大半の診断検査センターは、その検査を分析のために外に出す必要がある。というのも、PCRなどの核酸増幅反応を分析するための従来の方法には、複雑なハードウェアおよび光学装置が要求されるからである。上述の方法を使用すれば、検査結果を臨床現場で分析することが可能になるだろう。例えば、性健康クリニックにおいて、ある特定の細菌またはウイルスが試料中に存在するかどうかを調べるなどの目的で使用することができるだろう。また、例えば感染の程度を決定するなどの目的で、試料中に存在する細菌(例えばクラミジア、特にトラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、もしくは大腸菌)またはウイルスの量を決定するために使用することもできる。
本発明方法のさらにもう一つの用途は、ある特定の核酸配列が、ある生物の遺伝暗号中に存在するかどうかを決定することである。例えば、テンプレート核酸に由来する核酸が遺伝子改変されているかどうかを決定するために、または特定の非遺伝子改変植物品種もしくは遺伝子改変植物に関連するDNAを検出するために、または動物の血統に関連するDNAを検出するために、または遺伝子検査もしくは法医学などの医学的もしくは獣医学的診断用途のために、使用することができるだろう。
本発明の方法は、ある生物の存在を試料中に検出するために使用することができる。上述のようにこの生物は病原体であることができる。しかし本方法は非病原体生物を検出するためにも使用することができる。
本発明の方法は(例えば、抗体に連結された特定テンプレート核酸の同定などを目的として)イムノ核酸増幅技術(例えばSano, T.ら, (1992) Science, vol. 258, 120-122参照)にも使用することができる。本方法は、蛍光または吸光度などの技法を使用することが技術的に困難であるだろうインサイチューでの使用にも適している。例えば本発明の方法は金属表面上で使用することができるだろう。したがって本発明の方法は、例えばメスの刃の上でプリオンを捜すなどの目的に使用することができるだろう。
さらにもう一つの側面として、本発明の方法で使用するためのキットが提供される。本発明のキットにおける、PPiをATPに変換する酵素としての、ATPスルフリラーゼの存在(同時係属中の出願PCT/GB2004/000127に記載されているもの)は、本発明の範囲からは、特に除外される。
本発明の方法で使用するためのキットは、好ましくは、核酸ポリメラーゼ、その核酸ポリメラーゼの基質、少なくとも二つのプライマー、耐熱性ルシフェラーゼ、ルシフェリン、PPiをATPに変換する酵素であってATPスルフリラーゼではないもの、およびPPiをATPに変換する酵素の、他の任意の必要な基質または補因子を含む。より好ましくは、キットはさらに、マグネシウムイオン源などの緩衝液試薬を含む。もう一つの選択肢として、本発明の方法で使用するためのキットは、これらの成分および/または追加成分の一部だけを含んでもよい。その場合は、試料およびキットから省かれた他の任意の成分を、使用時にキットに加えることができる。
例えば、本発明の方法で使用するためのキットは、
a)核酸ポリメラーゼ、Mg源およびdNTP類の緩衝混合物、ならびに
b)ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびPPiをATPに変換する酵素であってATPスルフリラーゼではないもの
をそれぞれ含有する容器を含むことができる。
キット中のdNTP類またはNTP類の一つ以上を適切なdNTP類似体またはNTP類似体で置き換えることができる。例えば、ステップii)の増幅反応がRNA合成ステップを伴うような方法で使用するためのキットでは、ATPを、RNAポリメラーゼは使用することができるがルシフェラーゼは使用することができないATPの類似体で置き換えることができる。好ましくは、キットの成分の少なくとも一つは、凍結乾燥されるか、キットでの貯蔵に適した他の形態をとる。より好ましくは、キットの全成分が凍結乾燥されるか、貯蔵に適した一つ以上の他の形態をとる。そのような他の形態には、安定化因子が添加されている成分および/またはキットの成分を含有する冷蔵または凍結マスターミックスなどがある。
キットの好ましい形態は、小型「液」回路である。好ましくは、本発明で使用するためのキットは、取り扱いやすいように、クレジットカードサイズであるだろう。
本発明の方法で使用するためのキットは、一度に一つの試料または一度に二つ以上の試料を分析するために使用することができる。例えば、本発明の方法で使用するためのキットは、2個、3個、…、50個、…、100個、…、200個〜数千個の試料を一度にモニターするために使用することができる。
本発明の方法を使って一度に二つ以上の試料をモニターする実施形態では、本方法は、各試料中の同じ配列を持つテンプレート核酸の存在を検出するためのものであってもよいし、異なる試料中の異なる配列を持つテンプレート核酸の存在を検出するためのものであってもよい。
結果は、一つの試料からの結果または二つ以上の試料からの結果を表示する一枚の検査カード上に表示することができる。好ましくは、検査カードは、取り扱いやすいように、ほぼクレジットカードサイズである。
本発明はさらに、本発明のキット中に存在する成分を組み込んだ、本発明の方法を実行するための装置を提供する。例えば本発明の装置には、好ましくは、核酸ポリメラーゼ、その核酸ポリメラーゼの基質、少なくとも二つのプライマー、耐熱性ルシフェラーゼ、ルシフェリン、PPiをATPに変換する酵素であってATPスルフリラーゼではないもの、およびPPiをATPに変換する酵素の、他の任意の必要な基質または補因子が組み込まれる。
以下に、あくまで例示を目的として、後述の図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例]
実施例1〜5および7〜14では、PPiをATPに変換する酵素の一例としてATPスルフリラーゼを利用する。ATPスルフリラーゼを使用する実施例1〜5および7は、本発明を実際に例示するものである。さらに、実施例8〜14は(エンドポイント分析法に基づいてはいるが)dATPからの干渉の軽減をどのように達成することができるかを例示している。ただし、先に述べたように、PPiをATPに変換する酵素としてのATPスルフリラーゼの使用は、特許請求の範囲からは特に除外されるので、実施例1〜5および7〜14は特許請求の範囲には包含されない。しかし、ATPスルフリラーゼを使用する代わりに特許請求の範囲に包含される酵素を使用するように実施例1〜5および7を適合させることは、当業者であれば容易にできるだろう。また、当業者であれば、実施例8〜14に例示する方法を適合させて、それらを本願の方法に応用することも、容易にできるだろう。特許請求の範囲に包含される方法の使用は、実施例6に例示する。
本発明方法の実証
簡単な生物発光アッセイを使って核酸増幅をリアルタイムで追跡することの潜在的可能性を例証するために、ループ媒介増幅(LAMP)として知られる等温核酸増幅反応を選択した。
現在最も迅速なLAMP法の実例では6つのプライマーを使用する。この実例は105コピーの標的DNAを15分以内に検出することが実証されている(Nagamineら. 2002 Molecular and Cellular Probes, 16, p223-229)。LAMP反応は通常、60〜65℃で行なわれ、少なくとも4mMのマグネシウムイオンを要求する。
特にLAMP反応からのリアルタイム生物発光出力を実証するには、LAMP反応を実行する温度を下げる手段を見つける必要があった。これは、65℃もの高温では、今までに知られている最も耐熱性の高い甲虫ルシフェラーゼ(PromegaのUltra-Glow耐熱性ルシフェラーゼ)でも、LAMP増幅の継続期間(ある試料が特定の標的DNA分子を何も含有しないことを確認するには約45分またはそれ以上を要しうる)中ずっと十分かつ安定な光出力を与えることができるほどには、十分に活性および/または安定であることができないためである。
マグネシウムイオンの濃度を4mMから2mMに低下させると、LAMP反応が低温でうまく作動するようになることがわかった。さらに、高濃度のベタインは、低温で再現性よくうまく作動するというLAMP反応の能力を低下させうる。最後に、LAMP反応に干渉しない適当な安定化剤を選択して、処方に含めた。結果として、増幅の全期間にわたって生物発光アッセイをLAMP反応と同時に行なうことができる条件を策定することができた。
出発材料
1)反応混合物(Bst DNAポリメラーゼまたは標的DNAを除く)
Figure 2008510455
25℃でpH8.8(プライマー配列については下記参照)
2)DNAポリメラーゼ
Figure 2008510455
3)テンプレートDNA
catgaattcgtcaagtctacgataacttagcgcttaggatgtcagatacttatgatgataagctgatagactatcttgcctggaagcttacttcataatggatgacgtatgccatgatagataccattgtctagacataagactttcaatctgcatagtcatgatcgatccatgctcgagtccaagctagtcatagcttatcatcaactgaatctagtaagtcattgaattctag
プライマー配列:
Lamp B1cB2:tat cat ggc ata cgt cat cca ttt tta taa gct gat aga cta tct tgc
Lamp F1F2c:tca atc tgc ata gtc atg atc gtt ttt tga tga taa gct atg act agc
LampループB:tat gaa gta agc ttc cag
LampループF:atc cat gct cga gtc caa
Lamp B3プライマー:atg tca gat act tat gat g
Lamp F3cプライマー:aat gac tta cta gat tca g
方法
200μl PCRチューブに、反応混合物18.6μlを加え、次に0.4ng/μlのテンプレートDNA 1μlおよびBst DNAポリメラーゼ0.4μlを加えた。対照として、さらにもう一つの200μl PCRチューブに、反応混合物18.6μlおよび0.4ng/μlのテンプレートDNAを加えたが、Bst DNAポリメラーゼは加えなかった。
Syngene GeneGeniusライトキャビネット(www.syngene.co.uk)の内部に置かれている50℃に保たれた加熱ブロックに、試料を載せた。Syngene Genesnapソフトウェア(www.syngene.co.uk)を使って、試料からの光放射を、Syngeneライトキャビネット内のCCDカメラで撮影した一連の写真に(PCRチューブの閉じた蓋を通して)記録した(図1)。各写真は、試料からの光放射を1分間にわたって積分したものを表した。
合計40フレームを記録したので、LAMP反応を合計40分間観察した。
結果
Syngeneソフトウェアを使って、各試料からの光出力を時間の関数として定量した。得られた結果を図2に示す。
「試料」(テンプレート核酸を含むもの)が実際に有意な量のDNAを増幅しており、一方、対照は何も合成していないことを、アガロースゲル電気泳動を使って確認した。
増幅の場合に起こる光放射について、いくつかの特徴が認められた:
i)試料と対照の光減少率は最初は類似していた;
ii)ある期間後に、試料からの光強度は増加し始めたのに対して、対照は徐々に減少し続けた;
iii)試料からの光放射の増加率は増加し、最大に達した後、LAMP反応中で最大の光放射が記録される点に達するまで減少した;
iv)試料からの光放射がこの最大に達した後、光放射の減少が観察された;
v)最大光放射後は光放射の減少率が増加し、光放射の大きさが対照よりも小さくなった;
vi)光放射の減少率が減少し、最終的には対照の減少率と同じぐらいになった;
vii)この場合は、出発光強度は試料の方がわずかに高かったのに(これは、カメラに対する試料の相対的位置を考慮に入れるための処理を、試料からの光放射に対して何も行なわなかったという事実に関係している)、40分間の終了時点では、試料からの光放射の大きさは、対照よりもかなり小さかった。
光強度のピークに続く光強度の減少は、ルシフェラーゼがピロリン酸によって阻害された状態になった結果として起こると仮定される。したがって本発明の方法では、光強度のピークは、ある決まった量のピロリン酸が蓄積した時点を表す。したがって、光強度のピークは、ある決まった量のDNAが合成された時点を表す。
LAMP増幅反応を用いる本発明方法の再現性
LAMP反応で得られる結果の再現性を評価するために複数の試料を使用したこと以外は、実施例1と同じ手順を行なった。
出発材料および方法
試料および対照を二重または三重に実行したことおよび反応温度を55℃に上げたこと以外は、実施例1と同じにした。
結果
結果を図3に示す。この場合は、実施例1と同じ試料曲線の進行が見られる。
この実施例では、光放射の変化率と最大光放射までの時間との両方が、どちらの試料についても極めて類似している。ここでも、試料における増幅されたDNAの生成を、アガロースゲル電気泳動によって確認した。対照については、どちらの場合も光放射の変化率は類似しているものの、絶対値にはわずかな相違がある。ここでも、その理由は、生物学的側面ではなく、使用したシステムによる光捕捉に関連する効果にあると考えられる。それでもなお、データ操作を行なうまでもなく、明快な結果を得ることができる。
場合によっては、例えば三重試料内で観察される絶対的光強度が、光捕捉効果のせいでばらつくこともありうる。それでもなお、光変化率と最大光放射までの時間は、類似している(図4)。
本発明方法の定量的な使用
出発材料および方法
実施例1に概説した手順と同じ手順を繰り返した。ただし試料には異なる量の標的DNAを使用した。含有するテンプレート核酸が合計で0.4ng、40pg、4pgまたは0.4pgのいずれかである二重試料を準備した。LAMP反応の温度は55℃とした。
結果
結果として得た光放射プロファイルを各試料について図5に示す。図5で得た結果は本発明方法の重要な性質を実証している。テンプレート核酸の量と絶対的光放射との間に説得力のある相関関係はないが、ピーク光放射までの時間または光放射の変化率の変化までの時間との間には、明確な関係がある。
ピーク光放射までの時間を標的DNAの量に対してプロットすることにより、その相関関係は定量的であることが実証される(図6a参照;ここではピーク光放射までの時間が試料中のDNA標的テンプレートの濃度のlog10と線形相関を持つ)。図6bには、アンプリコンの最終的総量の25%を生成するまでの時間が、ピーク光放射までの時間と共にプロットされており、これら二つのパラメータは相関することがわかる。したがって、ピーク光放射までの時間を、アガロースゲル電気泳動で得られた結果と比較することにより、ピーク光放出までの時間がアンプリコンの蓄積を反映し、したがって試料中に存在するテンプレート核酸の量を反映することが実証される。
核酸増幅反応がLAMP反応である本発明の方法から得られる結果のデータ操作
実施例1の場合と同じ手順を再び行なった。ただし、LAMP反応で得られる結果の再現性を、ある簡単なデータ操作を生データに施してから評価するために、複数の試料を使用した。具体的には、出力の一次導関数をプロットした。
出発材料および方法
これらは、試料および対照を三重に実行したこと、温度を50℃にしたこと、および各試料に合計1ngのテンプレートを使用したことを除いて、実施例1と同じにした。
これらの試料に関して本発明の方法で得た生データのプロットを図7に示す。光強度を経時的にプロットするのではなく、光放射の変化率を経時的にプロットすること(すなわち一次導関数をプロットすること)により、変曲点が強調される。特に、図7に示す曲線のうち最小または最大を通過する領域は、その曲線の一次導関数をプロットした場合に、Y軸と0で交わる(図7)。強度の大きさはかなりの変動を示すが、変曲点は曲線の集合内で類似している。
LAMP増幅反応が起こった試料に関する図8の曲線は、Y軸を横切る2点を示している。最初の点は図7の最初の変曲点を表し、2番目の点は最大光強度の点を表す。図8に見られる最小および最大は、最大の光放射変化率に関連する時点を強調している。四つのデータ点(二つのY軸交差点ならびに最大および最小)は全て、三重試料間で良好な重なりを示す。最初のY軸交差点が2番目のY軸交差点のほぼ10分前に起こることに注意されたい。
図9は図8の曲線の拡大図であり、一次導関数をプロットすることで試料が対照と識別される様子を強調している。
このように、LAMP反応を用いる本発明の方法で得られる生データの固有の情報量ゆえに、一次導関数を求めるというような極めて単純なデータ操作であっても、結果として得られた曲線上の明確な点を同定することが可能になるだけでなく(Y軸交差点ならびに最大および最小)、それらの結果を光シグナルの大きさに左右されにくくすることにもなる(例えば図7および図8における曲線の重なりを比較されたい−図8の方が重なりが類似している)。
増幅中に増幅反応の温度を変える
LAMP法は約45℃〜65の温度範囲で機能させることができる。しかし、LAMP反応を行なう温度が高いほど、本発明の方法から得られる総合的光強度は(増幅が起こっても起こらなくても)低くなる。これは、使用する特定の耐熱性ルシフェラーゼ(PromegaのUltra-Glowルシフェラーゼ)が見かけ上、温度が高いほど低い速度で光反応を触媒するからである。したがってUltra-Glowルシフェラーゼの場合、55℃で観察される光放射の速度は、50℃で観察される速度よりかなり低い。しかし、例えば55℃から50℃に冷却すると、Ultra-Glowルシフェラーゼによって触媒される光放射の速度に増加が観察されるので、この効果は明らかに可逆的である。この可逆性は、高温で観察される光放射の減少が、単にルシフェラーゼ変性の結果だけではないことを暗示している。
したがってLAMP反応を低温で行なうとアッセイからの光放射が増加する。さらに、LAMPを低温で行なうことにより、その反応自体を遅くすることができる。これは一定の状況では有益でありうる。例えば、本発明の方法を定量的に使用する場合、異なる量の標的テンプレートを含む試料に関して、例えばピーク光放射に到達するのに要する時間が、LAMP反応を高温で行なった場合よりも、時間的に大きく引き離されるように、増幅を遅くさせることは、有益でありうる。
しかし、LAMP反応を低温で行なうことは、潜在的に、その過程の特異性に悪影響を与える可能性がある。すなわち、LAMPの温度を下げるにつれて、偽陽性結果の確率は高くなりうる。言い換えると、LAMP反応の温度を下げるにつれて、プライマーが所望の標的配列以外の配列にアニールする確率が増加する。
LAMP反応を低温で行なうことの利益を利用し、なおかつ最大の特異性を維持するために考えうる折衷案は、LAMP反応中に温度を変化させることである。具体的には、LAMP反応は、特異性が高くなる高温で開始させることができ、次に光強度を増加させ、かつ結果の進行を遅くするために、増幅が検出可能な対数期に入る前に温度を下げることができる。
出発材料および方法
実施例3と同様に(0.02pg/μl〜20pg/μlの範囲、すなわち試料全体で0.4pg〜試料全体で0.4ngの範囲にわたる)異なる量の標的テンプレートを含むさまざまな試料を試験したこと以外は、実施例1と同じにした。LAMP反応を55℃で開始させた後、10分後に温度を50℃に下げた。
結果
この温度変化データから得られた生データを図10に示す。図10に示すデータは、この温度変化法が、温度を低下させたときに実際に光放射強度の増加をもたらすことを示している。さらに、ピーク光放射までの時間が依然として出発テンプレートDNA量の関数であるという点で、LAMPはその定量性を保っている。図10を、等価な量の標的テンプレートをLAMPで、ただし55℃の単一温度で試験する図5と比較すると、テンプレート量が最も多い試料(合計0.4ng/20pg/μl)とテンプレート量が最も少ない試料(合計0.4pg/0.02pg/μl)の間の時間差が約8分であるのに対して、図10に示す温度変化法では、時間差が約14分であることがわかる。
実際には、最初は55℃より高い温度を使用することもできる。というのは、Ultra-Glowルシフェラーゼは60℃より高い温度で不安定になり始めるが、短時間であればさらに高い温度にも耐えうるからである。したがってこのアプローチは、利用可能な温度範囲を増加させる。
さらにまた、増幅反応が、長時間にわたって、ルシフェラーゼを不可逆的に失活させることができる温度にあることを必要としない場合には、このアプローチが、より安定性の低いルシフェラーゼの使用を可能にしうる。
最後に、温度変化法を使っても依然として偽陽性が生じうることは明らかであるが、増幅の初期の重要な段階(すなわち対数期の直前)では高温により厳密性が増すので、偽陽性は少なくなっているはずである。
PPiをATPに変換する酵素としてのPPDKの使用
核酸増幅反応がLAMP反応である場合に、PPiをATPに変換する酵素として、PPDKの使用を試した。アッセイの成分は以下のとおりとした。
出発材料
1)反応混合物(Bst-DNAポリメラーゼまたは標的DNAを除く)
Figure 2008510455
25℃でpH8.8(プライマー配列については下記参照)
図11に示す結果は、PPDKを使った場合に、時間の関数としての光出力の強さのプロットが、ATPスルフリラーゼを使って得られるプロットと、おおむね類似していることを示している。驚いたことに、PPDKを使ったアッセイの開始時におけるバックグラウンド光シグナルは、ATPスルフリラーゼを使った場合よりもわずかに低いだけである。これは驚くべきことである。というのも、アデノシン5'ホスホ硫酸(APS)(ATPスルフリラーゼ系で使用したもの)はルシフェラーゼの基質であり、バックグラウンド光放射の一因になると考えられるからである。しかし、PPDKはAPSを使用しないにもかかわらず、ATPスルフリラーゼ系と同程度の大きさのバックグラウンドを持つ。さらにまた、PPDKを使うと、光強度の急速な増加が起こる前に、光強度の連続的増加がある。どちらの場合も、プロットは、BST DNAポリメラーゼが存在しない対照とはかなり異なる。
異なるテンプレート濃度を使ったローリングサークル型増幅およびELIDA
図12および図13は、LAMPの場合とちょうど同様に、ローリングサークル型増幅も、出発テンプレートの量に比例した時刻に光ピークを与えることを示している。
dATPによって刺激された生物発光に起因する光を除去するためのフィルターの使用
ピロリン酸アッセイ緩衝液(PAB)を以下のように調合した:
Figure 2008510455
ピロリン酸ナトリウム(Sigma)の溶液を新たに調合し、氷上に遮光保存した。
50μlのPABを96穴プレートの二つのウェルに分注した。一方の試料に1μlの0.1mMピロリン酸ナトリウムを加え、他方には1μlの2mM dATPを加えた。その結果得られる光放射を、Syngeneライトボックスを使って、白黒CCDカメラにより、5秒間にわたってシグナルを積分して観察した。ピロリン酸を加えた試料の方がはるかに明るいものの、dATP試料からも有意な光放射がある。dATPの添加量は、標準的な50μl PCR反応で使用される量の1/5に相当する。したがって生物発光へのdATPからの寄与は有意である。
CCDカメラのレンズの前に緑色フィルターを設置し、上記の試料をもう一度観察した。緑色フィルターの存在は、ピロリン酸試料と比較してdATP試料のシグナルを著しく減少させることが、明確にわかった。これは、dATP試料からの光照射が620nmに最大光放射を持つのに対して、ATPからの放射は550nmで最大になる(pH7.8の場合)ので、緑色フィルターはdATP試料からの光を、より多く遮断したためだった。
dATP類似体d-α-SATPを用いるPCR
以下の成分を含有する50μl PCR反応を調製した。
Figure 2008510455
プライマー1およびプライマー2ならびに試験プラスミドの配列を、それぞれ配列番号1、2および3に記載する。予想されるPCR産物のサイズは158bpだった。
ゲル電気泳動には5μlのEurogentec「smart-ladder」分子量マーカーを使用した。アガロースゲルおよびゲルランニング緩衝液には、2μlの10mg/ml臭化エチジウムを加えた。
95℃で30秒間加熱した後、試料にTaqポリメラーゼを加えた。以下のサイクリングパラメータをPerkin-Elmer GeneAmp PCRシステム2400で実行した。
Figure 2008510455
(95℃で30秒、55℃で30秒および72℃で5秒を30サイクル)
その結果得られるPCR反応液10μlを、臭化エチジウムを含有する10%アガロースゲルに分子量マーカーと並べて充填した。ゲルを60Vで50分間泳動した後、トランスイルミネータ下で可視化した。dATPの代わりにd-α-SATPを使ってもPCR産物は生成することがわかった。しかし、同じ条件下で、代わりに0.2mMという通常濃度の1/10の濃度でdATPを使用すると、PCR産物は検出されない。これは、d-α-SATPを使って獲得されるPCR産物が単にdATPが混入した結果ではないことを示している。というのも、d-α-SATPは純度98%超であり、それゆえに混入したdATPのせいでPCR産物が生じることはできなかったからである。
d-α-SATPを使ったPCR反応からのピロリン酸の検出
実施例9と同様に三つのPCR反応を準備した。試料の一つはサーモサイクリングにかけず、残りはサーモサイクリングにかけたが、一方にはTaqを加えなかった。予想される結果は、Taqと共にサーモサイクリングにかけた試料だけがPCR産物を生成するというものだった。これをゲル電気泳動によって確認した。各PCR反応液5μlを96穴プレート中のELIDA緩衝液25μlに加えた。CCDカメラを使って試料からの光放射を測定したところ、試料からの光放射は、ピロリン酸をアッセイした場合に、ゲルの結果と明確に対応することが実証された。
dATPを用いたPCR反応からのピロリン酸の検出
d-α-SATPの代わりにdATPを使用したこと以外は、実施例9と同様にPCR反応を準備した。すなわち標準的なPCR産物反応条件を使用した。二つの試料、すなわち(使用するプライマーに関して)正しいDNAテンプレートを含むものと、正しいDNAテンプレートが存在しないものを調製した。予想される結果は、正しいテンプレートを含む試料だけがPCR産物を生成するというものだった。PCR反応を行なった後、試料をゲル電気泳動によって分析した。次に、各PCR反応液5μlをELIDA緩衝液アッセイ試薬25μlに加え、実施例8と同様に緑色フィルターを装着したCCDカメラを使って、放射された光を検出した。検出された光放射はゲル電気泳動の結果と一致するので、このELIDAアッセイはどの試料がPCR産物をうまく生成したかを示すことができる。
PCR産物検出の定量化および感度
実施例9と同様に(すなわちd-α-SATPを使って)七つのPCR試料を調製した。サーモサイクリング中、PCR反応が5サイクルするごとに、35サイクルまで、チューブの一つを取り出して、氷上に置いた。PCR産物の生成をゲル電気泳動を使って分析した。各試料5μlをELIDA緩衝液25μlに加え、放射された光をCCDカメラで記録した。図14(PCRサイクル数に対する光のグラフ)は、ELIDAアッセイから放射された光がサイクル数と共に増加することだけでなく、PCR産物をゲル上で検出できるようになる前に光放出が増加することを示している。
dATPを含有するPCR反応と比較したd-α-SATPを含有するPCR反応のELIDAアッセイからの光放射の安定性
実施例12と同様にPCR反応を準備し、実行した。PCR反応液1μlをELIDAアッセイ緩衝液20μlと混合することによって、各PCR試料の分析を開始した。次に、試料から放射された光を、Labsystems Luminoscan Ascentルミノメーターで、1分間にわたる一連の4連続光測定値として測定した。各光測定値は(装置のデフォルトPMT電圧を使って)10秒間にわたって積分された試料からの光放射を表した。
図15(時間に対する相対発光量のグラフ)は、dATPまたはd-α-SATPのどちらかを使って5サイクルおよび35サイクル行なったPCR反応のELIDAアッセイからの4連続光測定値にわたる光放射の大きさを示している。dATPを使って行なったPCR反応は、経時的に光放射の有意な減衰を示す。この効果はPCRサイクル数と共に大きくなる。結果として、5サイクルと35サイクルの間で、放出された光の間の差が、有意に減少する。逆に、d-α-SATPを使った場合、経時的な光放射は、5サイクル試料でも35サイクル試料でも一定に近い。結果として、取得した四つの測定値にわたる5サイクルおよび35サイクルについての測定値の間の差の大きさは、ほとんど一定である(わずか5%の相違)。
dATPを含有するPCR反応と比較したd-α-SATPを含有するPCR反応のELIDA緩衝液アッセイにおける背景対信号比
試験プラスミドpPw601aを0.5pgしか使用しなかったこと以外は実施例9と同様にPCR反応を準備した。さらに、PCR反応は、d-α-SATPまたはdATPのどちらかを含有した。d-α-SATPまたはdATPのどちらかを含有する未反応PCR混合物のELIDAアッセイからの光放射を実施例13と同様に測定した。同じ試料で、それらが30サイクルのPCR反応を完了した後(そしてアガロースゲル分析で判断して同じ量のアンプリコンを生成した後)に、さらなるELIDAアッセイを行なった。未反応PCR混合物からの光放射と反応済みPCR混合物からの光放射との比を図16に示す(シグナル:バックグラウンド比を示す)。d-α-SATPを使用するとシグナル:バックグラウンド比はかなり改善されることがわかる。これは、d-α-SATPがdATPと同程度にはルシフェラーゼと反応しないという事実によるものである。
以上の説明は本発明の例示にすぎないこと、および特許請求の範囲によって定義される発明の範囲に依然として含まれるさらなる変更を細部にわたって行ないうることは、理解されるだろう。
LAMP反応を追跡するために使用する装置を表す図である。 標的DNAの存在下およびBst DNAポリメラーゼを含まない対照でのLAMPからの出力を表す図である。 二重のLAMP試料および二重の対照から得られた結果を表す図である。 図2および図3と同様に調製したが絶対的光強度の相違を示す試料から得られた結果を表す図である。 55℃で異なる量の標的テンプレート(二重試料)を用いたLAMPに関する光放射プロファイルを表す図である。 ピーク光放射までの時間を表す図である。 三重のLAMP反応からの生出力のプロットを表す図である。 図7に示す曲線の一次導関数のプロットを表す図である。 対照と試料との比較を表す図である。 10分後に温度を55℃から50℃に下げたLAMP反応を表す図である。 PPiをATPに変換する酵素としてPPDKを使用したLAMPに関して、光強度を時間に対してプロットし、それを、PPiをATPに変換する酵素としてATPスルフリラーゼを使用したLAMP反応およびBst DNAポリメラーゼを欠く二つの対照と比較した図である。 異なる濃度のテンプレートを使ったローリングサークル型増幅およびELIDAを表す図である。 ローリングサークル型増幅およびELIDAに関してシグナルピークの時刻を表す図である。

Claims (38)

  1. 試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための方法であって、
    i)試料を、
    a)核酸ポリメラーゼ、
    b)核酸ポリメラーゼの基質、
    c)少なくとも二つのプライマー、
    d)耐熱性ルシフェラーゼ、
    e)ルシフェリン、
    f)PPiをATPに変換する酵素であって、ATPスルフリラーゼではないもの、および
    g)項目f)の酵素の、他の任意の必要な基質または補因子
    を含む、核酸増幅に必要な成分の全ておよび核酸増幅の生物発光アッセイに必要な成分の全てと接触させるステップ、そして次に、
    ii)核酸増幅反応を実行するステップ、
    iii)生物発光反応からの光出力の強さをモニターするステップ、および
    iv)試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するステップ
    を含む方法。
  2. 少なくともステップii)およびステップiii)が密封された容器内で行なわれる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップiii)において、光出力の強さが核酸増幅反応中にモニターされる、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. ステップiii)が、時間の関数としての光出力の強さのデータセットを生成させることをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 存在するテンプレート核酸の量が、光出力の強さの変化率が有意に変化する点に到達するのに要する時間をデータセットから測定することによって決定される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップii)の核酸増幅反応の開始時に試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  7. ステップii)の核酸増幅反応の結果として試料中に存在するテンプレート核酸の量を決定するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  8. 存在するテンプレート核酸の量が、光出力の強さが増加し始める点に到達するのに要する時間をデータセットから測定することによって決定される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 存在するテンプレート核酸の量が、光出力の強さが最大である点に到達するのに要する時間をデータセットから測定することによって決定される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  10. 存在するテンプレート核酸の量が、光出力の強さの減少率が増加する点に到達するのに要する時間をデータセットから測定することによって決定される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  11. 存在するテンプレート核酸の量が、光出力の強さの減少率が減少する点に到達するのに要する時間をデータセットから測定することによって決定される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  12. 存在するテンプレート核酸の量が、光出力の強さが所定のレベルに到達する点または所定のレベルを横切る点に到達するのに要する時間をデータセットから測定することによって決定される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  13. ステップiv)が、光出力の強さを、試料が既知量のテンプレート核酸を含む対照からの光出力の強さと比較することをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. テンプレート核酸が試料中に存在するかどうかを決定するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. テンプレート核酸が試料中に存在するかどうかが、光出力の強さが所定のレベルに到達するかどうかまたは所定のレベルを横切るかどうかをデータセットから測定することによって決定される、請求項14に記載の方法。
  16. 所定のレベルと比較した光出力の強さの増加が、試料中にテンプレート核酸が存在することを示す、請求項15に記載の方法。
  17. 所定のレベルと比較した光出力の強さの減少が、試料中にテンプレート核酸が存在することを示す、請求項15に記載の方法。
  18. テンプレート核酸が試料中に存在するかどうかが、光出力の強さが、ステップii)の増幅反応の開始後、所定の時間内に、所定のレベルに到達するかどうかまたは所定のレベルを横切るかどうかを、データセットから測定することによって決定される、請求項15〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. ステップiv)が、光出力の強さを、増幅が起こっていない対照からの光出力の強さと比較することをさらに含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  20. 増幅が起こっていない対照反応と比較した光出力の強さの減少が、試料中にテンプレート核酸が存在することを示す、請求項19に記載の方法。
  21. ステップii)の核酸増幅反応が、サイクリング温度範囲が75℃を超えない低温サーモサイクリング増幅法である、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. ステップii)の核酸増幅反応が等温的に行なわれる、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  23. ステップii)の核酸増幅反応が、75℃を超えない温度範囲内で行なわれる、請求項22に記載の方法。
  24. ステップii)の核酸増幅反応が、増幅反応および生物発光アッセイの成分が安定であるような一定温度で行なわれる、請求項22または請求項23に記載の方法。
  25. ステップii)の核酸増幅反応が、増幅反応および生物発光アッセイの成分が安定であるような温度範囲内の二以上の温度で行なわれる、請求項22または請求項23に記載の方法。
  26. ステップii)の核酸増幅反応が高温で開始された後、低温に下げられる、請求項25に記載の方法。
  27. 医学的診断に使用するための、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  28. 病原体が試料中に存在するかどうかの決定に使用するための、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  29. ある特定核酸配列が、ある生物の遺伝暗号中に存在するかどうかを決定するための、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
  30. テンプレート核酸に由来する核酸が遺伝子改変されているかどうかを決定するための、請求項29に記載の方法。
  31. ある生物が試料中に存在するかどうかを決定するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  32. イムノ核酸増幅技術で使用するための、請求項1〜26のいずれか一項に記載の方法。
  33. 核酸ポリメラーゼ、核酸ポリメラーゼの基質、少なくとも二つのプライマー、耐熱性ルシフェラーゼ、ルシフェリン、PPiをATPに変換する酵素であってATPスルフリラーゼではないもの、項目f)の酵素の、他の任意の必要な基質または補因子、および適切な緩衝液を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法で使用するためのキット。
  34. a)核酸ポリメラーゼ、Mg2+源およびdNTP類の緩衝混合物、ならびに
    b)ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびPPiをATPに変換する酵素であってATPスルフリラーゼではないもの
    をそれぞれ含有する容器を含む、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法で使用するためのキット。
  35. キットの成分の少なくとも一つがキットでの貯蔵に適した形態をとっている、請求項33または請求項34に記載のキット。
  36. 請求項33〜35のいずれか一項に記載のキット中に存在する成分を組み込んだ、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法を実行するための装置。
  37. トラコーマクラミジアが試料中に存在するかどうかを決定するための、請求項31に記載の方法。
  38. PPiをATPに変換する酵素がピルビン酸オルトリン酸ジキナーゼ(PPDK)であり、酵素の基質がホスホエニルピルビン酸およびAMPである、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
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