JP4521581B2 - 試料中に存在する鋳型核酸の定量方法 - Google Patents

試料中に存在する鋳型核酸の定量方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は試料中に存在する鋳型核酸の定量方法に関連していて、該方法は下記工程:i)核酸増幅に必要なすべての構成成分、および核酸増幅に関する生物発光アッセイに必要なすべての構成成分を試料と混合し、その後:ii)核酸増幅反応を行い;iii)生物発光アッセイで光出力強度をモニターし;ついで、iv)試料中に存在する鋳型核酸量を決定する、を含む。
背景
核酸増幅は特定の鋳型核酸が試料中に存在するかどうかを決定するために用いられてよい。もし増幅産物が生成されるならば、このことは鋳型核酸が試料中に存在していたということを示す。逆に、増幅産物が全くないことは試料中に鋳型核酸がないことを示す。かかる技法は例えば、病原体が試料中に存在するかどうかを決定するためのような、診断応用において非常に重要である。
核酸はさまざまなサーモサイクリング(thermocycling)および等温(isothermal)の技法により増幅されうる。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のようなサーモサイクリング技法は、DNA合成の繰り返しサイクルを行うために温度循環を用い、結果として初めの鋳型DNA量に比例して大量の新しいDNAが合成される。最近では、増幅反応を行うためにサーモサイクリングに頼らない多くの等温技法も発達している。RNA−合成工程を含まない増幅反応用に、鎖−置換(strand-displacement)活性を有するDNAポリメラーゼを利用する等温技法が開発されている。同様にRNA―合成工程を含まない増幅反応用に、逆転写酵素、RNase H およびDNA−依存性 RNAポリメラーゼを用いる等温技法が開発されている。
伝統的に核酸増幅反応産物は、DNAの存在を染色するために蛍光色素(臭化エチジウムのような)を用いるゲル電気泳動(アガロース或いはアクリルアミドに基づく)を用いて分析されてきた。この方法は増幅産物の数、量、および大きさを表すために用いられうる。しかしながら、ゲル電気泳動法を用いる増幅反応の準備、稼働、および分析は、甚大な手作業および危険な試薬を必要とし、さらに時間の消耗である(概して全部で1時間前後かかる)。加えて、複数のPCRサイクル(概して30サイクル)が検出可能な産物を生成するために必要である。最近になって、ゲル電気泳動法より高い感度を有する方法が開発され、該方法は核酸増幅反応産物をリアルタイムにモニターするために、蛍光に基づく技法、或いは濁度アッセイ(turbidity assay)に依存する。
DNAおよびRNAポリメラーゼの特徴は、伸長しているDNA/RNA分子中に新しい塩基を取り込むたびごとにピロリン酸化合物(PPi)を放出するという事実である。それ故に、ポリメラーゼにより核酸が伸長中の核酸鎖に加えられるにつれ、PPiは化学量論的な量で副産物として生成する。それ故に、PPi濃度は生じた核酸合成量、および従って、アンプリコンの蓄積に比例するということになる。
Figure 0004521581
PPiについての高感度アッセイは酵素的ルミノメトリック無機ピロリン酸検出アッセイ(Enzymatic Luminometric Inorganic Pyrophosphate Detection Assay)(ELIDA)(Nyren, P. and Lundin, A., Anal. Biochem. 151: (2) 504-509 (1985)参照)として知られている。このアッセイは2工程:(1)酵素ATPスルフリラーゼによるピロリン酸(PPi)のATPへの変換、および(2)ルシフェラーゼにより触媒される、ルシフェリンおよび酸素の存在下で光を生成するためのATPの利用:を有する

Figure 0004521581
ELIDA−型アッセイの使用は、生物発光リーディング(bioluminescence reading)を少量の試料から迅速に得ることができ、また該リーディングは、写真フィルム或いは電荷−結合素子(CCD)カメラのような簡便で安価なモニタリング装置を用いて行うことができるという点で有利である。
US5,534,424、US5,498,523、WO 98/28440、WO 98/13523およびWO 02/20836は、DNAの短領域のシークエンスについてのELIDAに基づく方法の使用を説明している。該ELIDAアッセイはパイロシークエンス(Pyrosequencing)間の1ラウンドの重合中に、ポリメラーゼによるDNA分子への単一ヌクレオチドの取り込みを追跡するために用いられた。パイロシークエンスは反復性の技法であり、該技法においては、4つのデオキシヌクレオチド三リン酸(“dNTPs”)の1つのみが反復性アッセイの各々に存在し、それは各々のデオキシヌクレオチド三リン酸(“dNTP”)が、配列の各々の位置で試験されることを可能にするためである。それ故にDNA合成のために必要なすべての構成成分は決して同時には存在しない。
サーモサイクリングポリメラーゼ連鎖反応(a thermocycling polymerase chain reaction)(“PCR”)のモニタリングのために、‘H3PIM’という名のエンド−ポイント ELIDA−型アッセイの使用も説明されている(WO 92/16654 および Tarbary et al., J. Immunological Methods, 156(1992) 55-60 参照)。反応プロセスの間中、および/または、増幅プロセスの終わりに、反応混合物の一定分量を規定の一定時間間隔で取る。それ故に、試薬の複数添加を含む長時間段階的アッセイ(lengthy stepwise assay)が説明されている。
WO 02/064830は、サーモサイクリングPCR反応のモニタリングについてエンド−ポイントアッセイを行うためのELIDAアッセイの使用を説明している。WO 02/064830において、ELIDAアッセイは単一工程で行うことができ、一方WO 92/16654においては、エンド−ポイントアッセイのように、サーモサイクリングPCR反応のモニタリングのために複数添加および培養工程が必要である。
上述したエンド−ポイントアッセイに関連する多くの問題がある。
初めに該アッセイは、増幅反応後の反応混合物に生物発光アッセイの構成成分を添加することが必要である。チューブを開けることは、試料、さらには実験室の汚染を導くかもしれない。もし試料そのものが汚染されるならば、このことは結果として、偽陽性、或いは偽陰性をもたらしうるだろう。さらには、もし実験室が増幅した鋳型核酸で汚染されるならば、このことは将来の試料が汚染され、さらに偽陽性の結果或いは偽陰性の結果が得られるという可能性を増大させる(例えば、Victor, T. et al., ’Laboratory experience and guidelines for avoiding false-positive polymerase chain-reactions results’, Eur. J. Clin. Chem. & Clin. Biochem., 31(8): 531-535 (1993) 参照)。それ故に汚染の可能性は、診断方法における当該型エンド−ポイントアッセイの使用において、深刻な不利益を表す。
上述したようにエンド−ポイント分析の使用に関わるさらなる問題は、加えてdNTPがルシフェラーゼの基質として作用するということである。それ故に、dNTPをポリメラーゼの基質として用いる場合、スペクトル干渉はルシフェラーゼと反応するATPではなくdNTPに起因する。WO 02/064830はdATPが増幅反応において基質として用いられる場合に、ELIDAからの光シグナル(light signal)がどのように急速に減衰するのかを説明している。測定される光リーディングはPPi濃度のみでなく時間の関数でもあるので、この減衰はエンドポイントアッセイの有用性にとって重大な障壁となるだろう。従って、もしエンドポイントアッセイを厳密なタイミングで行わなければ、該アッセイは定量的ではないだろう。
エンドポイントアッセイの代替物は増幅反応中に核酸合成を‘リアル−タイム’で、すなわち核酸合成が進行している最中にモニターできるアッセイである。既存のリアルタイムアッセイは、蛍光に基づく技法および濁度アッセイを含む。
蛍光に基づく技法は何らかの手段により増幅産物の蓄積に関連している蛍光変化をモニターすることにより機能する。例えば2本鎖DNA結合色素(double-stranded DNA-binding dyes)(特にドナー(donor)およびアクセプターフルオロフォア(acceptor fluorophores)を含むハイブリダイゼーションプローブ)を用いてPCR中のDNA増幅をモニターする方法が、US 5,994,056、WO 97/44486、WO 99/42611およびUS 6,174,670に説明されている。これらのリアル−タイムの蛍光に基づく技法により、液体サンプリングなしにPCRを続けることが可能となり、それ故に反応チューブを開ける必要性を回避し、さらにそれ故に汚染の危険性を減少させる。
しかしながら、蛍光に基づく技法は重大な欠点を有する。特に蛍光試薬、とりわけ蛍光標識したプライマーの費用は高く、さらに試料の準備が厄介になりうる。さらに、蛍光に基づくシステムの応用は、装置能力の限界およびその高い費用により妨げられうる。該方法は多くの場合、エンド−ポイントアッセイについて用いられるというよりはリアル−タイムにおけるPCRに続くので、通常はコンピューター作動の総合的なサーモサイクラー蛍光光度計(a computer-driven integrated thermocycler-fluorimeter)が必要である。結果として、かかるシステムの利用しやすさおよび軽便さが損なわれる。検出はPCR装置内で行われるので、かかる方法は適切に装備された実験室のみで利用できる。
リアル−タイム濁度アッセイはPPiが生成されたかどうかを決定する方法として、増幅反応混合物におけるピロリン酸マグネシウムの白色沈殿物の存在、或いは不在のモニタリングを含む。このことは等温ループ−仲介増幅反応(isothermal loop-mediated amplification reaction)が起こっているかどうかを決定するための方法として説明されている(Mori, Y. et al., ‘Detection of loop-mediated isothermal amplification reaction by turbidity derived from magnesium pyrophosphate formation', Biochem. and Byophys. Res. Comm., 289, 150-154 (2001)参照)。しかしながらこの方法はあまり感度がよくなく、有意な濁度が観察される前に0.6mM前後のPPi濃度を必要とする。
発明の要約
本発明は試料中に存在する鋳型核酸量を決定するための方法を提供し、該方法は下記工程:
i) a)核酸ポリメラーゼ、
b)核酸ポリメラーゼの基質、
c)少なくとも2つのプライマー、
d)熱安定性ルシフェラーゼ、
e)ルシフェリン、
f)所望によりATPスルフリラーゼ、および
g)所望によりアデノシン5’ホスホスルフェート、
を含む、核酸増幅に必要なすべての構成成分、および核酸増幅反応に関する生物発光アッセイに必要なすべての構成成分を試料と混合し、
その後:
ii)核酸増幅反応を行い;
iii)生物発光アッセイからの光出力強度をモニターし、ついで、
iv)試料中に存在する鋳型核酸量を決定する
を含む。
PPiは増幅反応中、核酸重合の結果として生成される。本発明方法はこのPPi生成を生物発光アッセイからの光出力とカップリングさせることを含む。好ましくは、PPiは初めにATPに変換される。ついでATPはルシフェラーゼにより触媒される生物発光アッセイにより検出され、該アッセイはATPをルシフェリンおよび酸素の存在下で光生成の基質として用いる。それ故にルシフェラーゼはATP濃度の変化を追跡するために用いられる。好ましくは、このことはELIDA−型アッセイを用いて達成され、該アッセイにおいてPPiはATPスルフリラーゼによりATPへ変換され、ついで、ATPはルシフェラーゼにより光を生成するために用いられる。或いはPPiは直接的にルシフェラーゼにより検出される。生物発光アッセイからの光出力強度をモニターすることにより、どのくらいの量のPPiが反応混合物中に存在するかということを決定し、またそれにより、試料中に存在する鋳型核酸量を決定することが可能である。それ故に該方法はin vitroの酵素による核酸合成を分析し、さらに増幅反応の間、新規の重合(de novo polymerisation)の結果としてどの程度核酸が増幅されたかを定量することを可能にする。
工程ii)の核酸増幅反応は、バッファー構成成分へのさらなる付加、或いはバッファー構成成分の操作なしに1つ以上のヌクレオチド付加のサイクルが行われるという点で、“発展的な”核酸ポリメラーゼ反応と等しく扱われうる。
工程ii)の増幅反応の間のルシフェラーゼおよび生物発光アッセイの他の構成成分の存在は、いったん増幅反応が始まると反応混合物をさらに操作する必要性がなくなるので、
試料の分析を大いに単純化する。例えば、どのくらいの量のPPiが生成されたかということを決定するために、試料の一定分量を取る必要はない。その代わりに生物発光アッセイは、核酸増幅反応に必要なすべての構成成分の存在下で、酵素的核酸増幅反応のために用いられる反応混合物に対して、すなわち、工程i)において形成された反応混合物に対して直接的に行われる。増幅反応の間、或いはその後のいずれにおいても、反応混合物に生物発光アッセイの構成成分を添加する必要はない。
生物発光アッセイ(‘ピロリン酸アッセイ’或いは‘PPiアッセイ’としても知られている)および増幅反応の構成成分は、工程ii)の核酸増幅反応の条件に耐えることができなければならない。例えば熱安定性ATPスルフリラーゼ、および/または、熱安定性ルシフェラーゼ、および/または、熱安定性核酸ポリメラーゼが用いられてよい。ここで酵素に関して用いる‘熱安定性’なる語は、工程ii)の核酸増幅反応が行われる温度範囲内で安定である酵素を言う。
好ましくは、工程i)の構成成分は凍結乾燥により、或いは安定化因子の存在により安定化される。それ故に加えて好ましくは、安定剤は工程i)において試料と混合する。例えば、BSA、トレハロース、ポリビニルピロリドン、およびジチオトレイトール(DTT)の1つ或いはそれ以上を、工程i)において試料と混合してよい。好ましくは、これらの安定剤のすべてを工程i)において試料と混合する。
核酸増幅反応について必要とされる温度および時間は、核酸重合反応について必要とされるものと相当に異なる。核酸増幅反応は高い温度、或いは長い時間(例えば、15分ないし24時間)或いはその両方を必要とする。対照的に、核酸重合反応は低い温度で(例えば37℃)迅速に行うことができる。ルシフェラーゼは不安定なことで知られている。例えば、野生型ホタルルシフェラーゼは37℃で急速に不活性化する。ルシフェラーゼは、例えば自身の光反応産物であるオキシルシフェリンにより容易に阻害されることも知られている。しかしながら驚くことに、工程ii)の核酸増幅反応の間、ルシフェラーゼが安定なままでありうるということが見出された。さらに、ルシフェラーゼが工程ii)の核酸増幅反応のすべての過程の間安定なままでありうるということが見出された。特定の核酸増幅反応のためには長い時間が必要であることから、このことは驚くべきことである。
工程i)において試料と混合される熱安定性ルシフェラーゼは、工程ii)の核酸増幅反応が行われる温度範囲内で安定であるルシフェラーゼ酵素である。用いる特定のルシフェラーゼは工程ii)の核酸増幅反応が行われる条件に依存するだろう。ここで用いる‘ルシフェラーゼ’なる語は、生物発光反応を触媒する酵素を言う。本発明方法における使用に適しているルシフェラーゼは、野生型ルシフェラーゼのみならず突然変異体或いは変異体ルシフェラーゼを含み、ただし工程ii)の核酸反応が行われる温度範囲内で安定であることが条件となる。本発明方法における使用に適している熱安定性ルシフェラーゼの例は、プロメガ社のウルトラ−グロウ熱安定性ルシフェラーゼ(the Ultra-Glow thermostable luciferase from Promega)である。
工程ii)の核酸増幅反応はRNA合成工程を含んでもよく、或いは含まなくてもよい。工程ii)の増幅反応がRNA合成工程を含んでいない方法において、ポリメラーゼの基質は、4つのdNTPs:dATP、dTTP、dCTPおよびdGTPの各々を含む。dNTPsの1つ或いはそれ以上はその適当な類似体で置き換えられてもよい。これらの具体例において好ましくは、ルシフェラーゼは光生成の基質としてATPを用いる。光生成の基質としてATPを用いるルシフェラーゼの例はホタルルシフェラーゼ(Photinus pyralis由来)およびその突然変異体である。好ましくは、光生成の基質としてATPを用いるルシフェラーゼはプロメガ社のウルトラ−グロウ熱安定性ルシフェラーゼである。ATP濃度の変化を追跡するためにルシフェラーゼが用いられる具体例において、ATPスルフリラーゼが反応混合物中に存在する。好ましくは、ATP濃度の変化を追跡するためにルシフェラーゼが用いられる具体例は、工程ii)の増幅反応がRNA合成工程を含まない具体例である。或いは、生物発光アッセイを触媒することに加えてそれ自体がATPスルフリラーゼのようにふるまうルシフェラーゼが用いられてよい。かかる場合では、工程i)においてATPスルフリラーゼを反応混合物へ添加する必要はない。
アデノシン5’ホスホスルフェートはATPスルフリラーゼがPPiからATPを生成するために必要とされ、さらにATPスルフリラーゼが存在する場合、およびさらに生物発光アッセイを触媒することに加えてそれ自体がATPスルフリラーゼのようにふるまうルシフェラーゼを用いる場合に、工程i)において反応混合物に添加する。
RNA合成工程を含む増幅反応のために、ポリメラーゼの基質は4つのdNTPs(dATP、dTTP、dCTPおよびdGTP)の各々および4つのヌクレオチド三リン酸(“NTPs”)(ATP、UTP、CTPおよびGTP)の各々を含む。dNTPs、および/または、NTPsの1つ或いはそれ以上は、適当な類似体により置換されてよい。それ故に増幅反応がRNA合成工程を含む場合、RNAポリメラーゼにより用いられうるがルシフェラーゼと反応しないATP類似体が用いられない場合には、内因性ATPはポリメラーゼの基質の1つとして反応混合物中に存在する。反応混合物中のかなりの量の内因性ATPは、工程i)において試料と混合されたルシフェラーゼがATP濃度の少量変化に感応性があることが必要とされる、本発明方法の使用を妨げる。この問題に打ち勝つために、工程ii)の核酸増幅反応がRNA−合成工程を含み、さらに内因性ATPが反応混合物中に存在する具体例において、好ましくは可逆的阻害ルシフェラーゼが用いられる。ここで用いる‘可逆的阻害ルシフェラーゼ’なる語は、PPi以外の構成成分により阻害されるが、該阻害が低濃度PPiにより軽減されるルシフェラーゼを言う。例えばルシフェラーゼは、自身の反応産物であるオキシルシフェリンにより阻害されるようになるということが知られている。この阻害は低濃度PPiにより軽減されるということが見出された。それ故に、PPiが阻害されたルシフェラーゼに直接影響を有するので、可逆的阻害ルシフェラーゼの使用はPPiがルシフェラーゼにより直接的に検出されることを可能にする。異なる濃度の鋳型核酸を用いる一連のコントロール反応は、可逆的阻害ルシフェラーゼの阻害が特定濃度の鋳型核酸に対応するPPiにより軽減されるのにかかる時間を決定するために行うことができる。
可逆的阻害ルシフェラーゼは、工程i)においてルシフェラーゼを反応混合物へ添加する前に、PPi以外の構成成分により阻害されてよい。或いは可逆的阻害ルシフェラーゼは、反応混合物中の阻害剤の存在のために、in situで生成されてよい。好ましくは、可逆的阻害ルシフェラーゼは非阻害状態(uninhibited state)においてATPを用いて光を生じさせるルシフェラーゼである。特に、ルシフェラーゼは好ましくはカブトムシルシフェラーゼおよび好ましくはホタルルシフェラーゼである。
本発明方法の工程i)において試料と混合されるルシフェラーゼが可逆的阻害ルシフェラーゼである具体例において、ATPスルフリラーゼおよびアデノシン5’ホスホスルフェートは、工程i)において試料と混合されない。しかしながら工程ii)の核酸増幅反応がRNA合成工程を含み、さらに、ルシフェラーゼではなくRNAポリメラーゼの基質である(或いは少なくとも非常に不十分なルシフェラーゼの基質である)、ATPそのものと言うよりはむしろ適当なATP類似体が工程i)において試料と混合される具体例において、工程i)において試料と混合されるルシフェラーゼは、光生成のためにATPを用いるルシフェラーゼであってよく、さらにATPスルフリラーゼおよび好ましくはアデノシン5’ホスホスルフェートが工程i)において試料と混合されるだろう。
加えて可逆的阻害ルシフェラーゼは、工程ii)の核酸増幅反応がRNA−合成工程を含まない本発明の具体例において用いられてもよい。かかる場合において、ATPスルフリラーゼおよびアデノシン5’ホスホスルフェートは工程i)において試料と混合されないだろう。
本発明方法のさらなる利点は、工程iii)における光出力検出の容易さである。好ましくは、工程iii)における光出力強度は視覚的にモニターされる。光出力強度をモニターするための適当な方法は、写真フィルム或いは電荷−結合素子(CCD)カメラの使用を含む。或いは、CCDカメラを用いて生物発光アッセイからの光出力強度をモニターする。光出力は視覚化のために必要に応じて増幅されてよい。それ故に、写真フィルム或いはCCDカメラのみを用いて光出力を検出する能力は、複雑なハードウェア或いは光学機器を必要としないという点で、蛍光分析或いはゲルに基づく分析を用いる技法を超える利点を有する。さらに、多少なりとも試料を照射する必要性なしに(蛍光、或いは吸光度を含む技法において必要とされているように)、試料との電気化学的インターフェースの必要性なしに(例えば、半導体に基づくアプローチにおいてのように:Wilding, P. et al., (1994)‘PCR in a silicon microstructure', Clinical Chemistry, 40(9): 1815-1818)、或いは間接的照射の必要性なしに(例えば、Surface Plasmon Resonance approachesにおいてのように:Bianchi, N. et al.,(1997)‘Biosensor technology and surface plasmon resonance for real-time detection of HIV-1 genomic sequences amplified by polymerase chain reaction', Clinical and Diagnostic Virology, 8(3): 199-208)、光出力強度がモニターされうる。
さらに、試料の1つ或いは1つ以上(例えば1000)が同時に、例えば単一のCCDカメラによりモニターされてもよい。それ故に本発明方法は、携帯化および小型化さらにハイスループットシステム(high throughput system)へ容易に統合できることへの可能性を有する、簡便で安価なハードウェアを用いてよい。
好ましくは、本発明方法の工程i)は、適当なバッファーを試料に混合することも含む。本発明方法の使用に適当なバッファーは、増幅反応を進行させることができ、また生物発光アッセイを進行させることもできるバッファーを含む。好ましくは、バッファーはマグネシウムイオン源を含む。好ましくは、これらはMgCl或いはMgSOの形態である。例えば適当なバッファーは、25℃において、pH8.8の、トリス−アセテート、塩化カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウムおよびトリトンX−100を含んでもよい。
有利なことに、本発明方法の少なくとも工程ii)およびiii)は密封容器中で行われる。このことは非常に有益であり、というのも密封容器中で増幅反応および生物発光アッセイの両方を行えるということは、試料が汚染される可能性を軽減或いはさらに防ぐからである。さらにこのことは、実験室が汚染される可能性を軽減或いはさらに防ぐ。このことは特に重要であり、というのももし鋳型核酸の1コピーでさえ実験室へ漏れてしまえば、試験されるべき他の試料を潜在的に汚染し、さらに偽陽性の結果を与えかねないからである。それ故に汚染を防ぐ能力は、本発明方法が診断応用において用いられる場合に特に重要である。
さらに汚染を防ぐために、好ましくは、工程iv)の後に、容器に適当な処理をほどこして、その中に含まれている核酸を破壊する、特に鋳型核酸を破壊する。また好ましくは工程iv)の後に、容器そのものを破壊し、或いはその中に含まれている核酸を破壊する。このことは、実験室、および/またはさらなる試料が汚染される可能性を最小化する。
好ましくは本発明方法の工程iii)において、光出力強度は核酸増幅反応の間にモニターされる。このことは工程ii)の核酸増幅反応の間じゅう生物発光アッセイのための構成成分が存在する場合にのみ可能である。好ましくは、光出力強度は核酸増幅反応の間ずっと、すなわち、核酸増幅反応の初めから終わりまでモニターされる。或いは、光出力強度は核酸増幅反応の少なくとも一部分でモニターされてよい。或いは、さらに/または、加えて、光出力強度は、工程ii)の核酸増幅反応が終了した後に、および/または、例えばコントロールリーディング(control reading)を行うために、工程ii)の増幅反応が始まる前にモニターされてよい。工程ii)の増幅反応の間、光出力強度をモニターできることは、反応容器の取り扱いを簡便にし、また試料中に存在する鋳型核酸の迅速な定量も可能にする。増幅反応進行の間光出力強度をモニターするさらなる利点は、ルシフェラーゼと反応するdATPにより生成されるいかなるバックグラウンドシグナルも本発明方法を妨げないということである。このことはエンドポイントアッセイに関してのみ問題となる。
好ましくは、さらに本発明方法の工程iii)は時間の関数として光出力強度のデータセット(data set)を作り出すことを含む。該データセットは試料中に存在する鋳型核酸の定量のために用いられる。好ましくは、該データセットはソフトウェアアプリケーションにより分析され、さらに/または、図或いは数字の表の形で表される。例えば該データセットは時間に対する光強度のプロットとして、或いは時間に対する光強度の変化率のプロットとして(すなわち、一次微分(first derivative)として)表されてよい。
光出力強度は1つ或いはそれ以上の規定時間でモニターされてよい。好ましくは、これらの規定時間は工程ii)の核酸増幅反応が起こるのに必要なすべての条件が存在する時間、時間(t)=0分に続く規定時間である。かかる条件は、反応混合物が工程i)において一式として形成されており、また反応混合物が増幅の進行に適当な温度にあり、かかる温度は増幅反応および生物発光アッセイの構成成分が安定である温度でもある。例えば光出力強度は増幅反応の少なくとも一部分の間、規定時間間隔でモニターされてよい。好ましくは、光出力強度は全増幅反応の間、規定時間間隔でモニターされてよい。例えば、これらの間隔は30秒ごと、1分ごと、1分30秒ごと等でありうるだろう。或いは、規定時間間隔は異なってよい。好ましくは、1分あたり1つ、2つ或いはそれ以上の光リーディング(light readings)を取る。1分あたり行われるリーディングが多ければ多いほど、結果の信頼度はより高くなるだろうし、またそれ故に1分あたりできる限り多くのリーディングを行うことが好ましい。好ましくは、光出力は初め時間=0分でモニターされる。ある具体例において、加えて光出力強度は増幅反応が終了した後にモニターされてもよい。
用いる光検出システムの感度が高ければ高いほど、1分あたりより多くの時間ポイントが可能であり、というのも感度のいいカメラを用いる場合各々のデータは、感度が低いCCDカメラを用いる場合より、より短時間の光放射の統合に由来しているからである。それ故に、できる限り感度のいいカメラを用いることが有利である。
有利には、本発明方法の工程iii)において光出力強度は連続的にモニターされる。好ましくは、光出力は工程ii)の増幅反応の少なくとも一部分の間、連続的にモニターされる。より好ましくは、光出力は工程ii)の全増幅反応の間連続してモニターされる。工程iii)は、二者択一的に、或いは、追加として、工程ii)の増幅反応が終了した後に連続して光出力強度をモニターすることも含む。
本発明方法は試料中に存在する鋳型核酸量を定量的な様式で、および/または、定性的な様式で決定するために用いられてよい。
定量的な様式での使用は、工程ii)の核酸増幅反応が起こる前に試料中に存在する鋳型量を決定するための本発明方法の使用を含む。加えて該使用は、工程ii)の増幅反応の結果として試料中に存在する鋳型核酸量を決定するための本発明方法の使用を含み、それは工程ii)の核酸増幅反応の間、或いはその後に決定されてよい;すなわち、該決定はどのくらいの量の核酸増幅産物(“アンプリコン”)が生成されたかの定量化であってもよい。このことは核酸増幅反応の程度の定量化を可能にする。定量的な様式で用いられる場合、‘決定する’なる語は、試料中に存在する鋳型核酸量の正確な決定、および試料中に存在する鋳型核酸量の推定の両方を含む。
驚くことに、試料中に存在する鋳型核酸量を定量的な様式で決定するために、光出力強度の変化のタイミングは、生成した光出力それ自体の強度に加えて、比例因子であることが見出された。例えば特定の一連の反応条件(例えば、特定の鋳型核酸、増幅反応および生物発光アッセイのための構成成分の特定濃度、および増幅反応のための特定温度)に関しては、もしより高い濃度の鋳型核酸が核酸増幅反応の初めに試料中に存在するならば、光出力強度の変化は、より低い濃度の鋳型核酸が試料中に存在する反応と比べた場合に、増幅反応の開始に続くより短い時間後に起こるだろう。それ故に特定の一連の反応条件に関しては、試料中に存在する鋳型核酸量を、時間の関数として光出力強度の変化をモニターすることにより決定することが可能である。
好ましくは一連のコントロール反応は、特定の一連の反応条件のもとで、異なる既知濃度の特定の鋳型核酸を用いて行われ、さらに本発明方法による分析のもと試料から得られた結果を、この一連のコントロール反応から得られた結果と比較する。規定時間ポイントで増幅反応中に生成した鋳型核酸量をゲル電気泳動法、或いは他の適当な定量方法を用いて評価する、コントロールを行うことも可能である。このことにより規定時間ポイントでコントロール試料中の鋳型核酸量を算出し、およびデータセットの各ポイントと相関づけることが可能になるだろう。
定性的な様式で用いる場合、本発明方法を用いて核酸増幅反応が増幅産物を生成したかどうかを評価し、またそれにより、鋳型核酸が試料中に存在するかどうかを決定することができる。増幅状態がすでに十分に最適化されている多くの適用(例えば、病原体に関連する核酸(好ましくはDNA)の迅速な検出)において、標的DNA配列が試料中に存在したということを証明するために必要とされる唯一の情報は増幅反応の発生である。鋳型核酸が試料中に存在する場合、このことは、工程ii)の核酸増幅反応の結果としてアンプリコンの生成をもたらすだろう。したがってこのことは、増幅が全く起こらないコントロール反応と比べた場合に、時間の関数としての光出力強度パターンの変化をもたらすだろう。試料中に全く鋳型核酸が存在しない場合、工程ii)において増幅反応は全く起こらず、またそれ故に結果としてアンプリコンは全く生成されないだろう。したがって、時間の関数としての光出力強度の変化パターンは、増幅が全く起こらないコントロールと同じではないにせよ、同様であろう。それ故に工程ii)において用いられる様に、‘核酸増幅反応を行う’なる表現は、‘核酸増幅反応を行う’および加えて、‘増幅反応が起こるために適当な条件を作り出す’ことの両方を含み、というのも、試料中に鋳型核酸が全く存在しない具体例において、核酸増幅反応は全く起こらないだろうからである。好ましくは、予想される光変化の存在、或いは非存在は、反応の開始に続く規定時間区間でモニターされる。
上述したように、PPiはそれ自体が高濃度でルシフェラーゼに直接影響することも見出された。このことはATPを光生成の基質として用いるルシフェラーゼ、および可逆的阻害ルシフェラーゼの両方にあてはまる。特定の一連の反応条件のもと、異なる濃度の特定の開始鋳型核酸を用いて多くのコントロール実験を行うことにより、当業者はデータセットからPPiそれ自体がルシフェラーゼに直接影響する時間を決定することができるだろう。ついでこれらのコントロール結果を用いて試料中に存在する鋳型核酸量を推定することができる。
例えば、PPiそれ自体が高濃度でルシフェラーゼを阻害することができるということが見出された。光出力強度が急激に減少しはじめるポイントは、ルシフェラーゼが特定濃度のPPiにより阻害されはじめたポイントと相関がある。このことは、光出力強度が最大である、すなわち光出力増大および光出力減少間の移行を示すポイントに対応していてもよい。或いは、光出力強度の減少率が著しく増大する、例えば緩やかな減少から急激な減少へというポイントを表してよい。異なる濃度の鋳型核酸を用いて多くのコントロール実験を行うことにより、特定の一連の反応条件のもと各々の特定の開始鋳型核酸濃度に関する光出力強度が急激に減少しはじめる時間を決定することができる。ついで、これらのコントロール結果を用いて、試料中に存在する鋳型核酸量を推定することができる。
或いはPPiは、上述した可逆的阻害ルシフェラーゼの具体例においてのように、PPi以外の物質により阻害されるルシフェラーゼからの光放射の増大を引き起こしてよい。
それ故に、PPiがルシフェラーゼにより触媒される生物発光アッセイを刺激する、或いは阻害するかどうかは、用いるルシフェラーゼの正確な型、反応温度、PPi濃度およびルシフェラーゼ活性に作用する場合がある他の化合物の存在を含む多くの因子に依存する。特定の一連の反応条件のもと、異なる濃度の特定の開始鋳型核酸を用いる多くのコントロール実験を行うことにより、当業者はデータセットから、PPiそれ自体がルシフェラーゼに直接に影響する時間、および当該影響の性質を決定することができるだろう。ついで、これらのコントロール結果を用いて試料中に存在する鋳型核酸量を推定することができる。
時間の関数としての光出力強度のデータセットは、試料中に存在する鋳型核酸量を決定するために、多くの異なる方法で解釈されうる。データセット上の特定ポイントは特定濃度のPPiが存在する時間ポイントを表す。ついでこれらは試料中に存在する鋳型核酸量に相関がある可能性がある。例えば好ましくは、データセット上の下記の1つ或いはそれ以上のポイントがモニターされる:i)光出力強度が増大し始めるポイントに達するまでにかかる時間;ii)光出力強度の増大変化率が増大、或いは減少するポイントに達するまでにかかる時間;iii)光出力強度の変化率が増大から減少(好ましくは、これは最大光出力強度、或いは“ピークの”光出力強度のポイントである)、或いは減少から増大へと変化するポイントに達するまでにかかる時間;iv)光出力強度の減少変化率が増大する、或いは減少するポイントに達するまでにかかる時間、および/または、v)光出力強度が規定レベルに到達する、或いは超えるポイントに達するまでにかかる時間。
定量的な様式での試料中に存在する鋳型核酸量の決定のために、好ましくは、モニターされるデータセット上のポイントは光出力強度の変化率が著しく変化するポイントである。データセットを解釈する場合、光出力強度の変化率が著しく変化するポイントは当業者にとって明かであろう。
最も好ましくは、光出力強度の変化率が著しく変化するポイントは、光出力強度が増大する、および光出力強度が減少する間の移行を表すポイントだろう。光出力強度が減少する、および光出力強度が増大する間の移行を表すポイントは、光出力強度の変化率が著しく変化するポイントでもある。好ましくは、光出力強度の増大および減少、或いは、減少および増大の間の移行を示すポイントは、該結果が時間の関数として光出力強度のグラフ上に示される場合に、変曲点(inflection point)として表されるだろう。光出力強度が一定強度から強度増大或いは減少へと変化するポイント、或いは光出力強度が強度増大或いは減少から一定強度へと変化するポイントは、光出力強度の変化率が著しく変化するポイントも表す。
或いは、光出力強度が著しく変化するポイントは、光出力強度の増大率、或いは光出力強度の減少率が著しく増大或いは減少するポイントであってよい。それ故に好ましくは、‘光出力強度の変化率が著しく変化するポイント’なる表現は、該ポイントの前の規定時間区間での光出力強度の変化率が該ポイント後の同じ規定時間区間での光出力強度の変化率と少なくとも30%異なるポイントを言う。より好ましくは、‘光出力強度の変化率が著しく変化するポイント’は、該ポイント前の規定時間区間での光出力強度の変化率が、該ポイント後の同じ規定時間区間での光出力強度の変化率と少なくとも50%異なるポイントを言う。さらにより好ましくは、‘光出力強度の変化率が著しく変化するポイント’は、該ポイント前の規定時間区間での光出力強度の変化率が、該ポイント後の同じ規定時間区間での光出力強度の変化率と少なくとも70%異なるポイントを言う。或いは、‘光出力強度の変化率が著しく変化するポイント’は、該ポイント前の規定時間区間での光出力強度の変化率が、該ポイント後の同じ規定時間区間での光出力強度の変化率と少なくとも10%、20%、40%、60%或いは80%異なるポイントを言う。好ましくは、規定時間区間は30秒であるが、或いは1分、1分30秒、或いはそれ以上であってよい。或いは規定時間区間は30秒未満であってよい。選択した規定時間区間は光出力強度がモニターされる時間区間に依存するだろうし、さらに研究されている特定の増幅反応の動力学(kinetics)に依存するだろう。
それ故に定量的な決定のために好ましくは、データセット上の下記の1つ或いはそれ以上のポイント:i)光出力強度が増大しはじめるポイント;ii)光出力強度の増大変化率が著しく増大或いは減少するポイント;iii)光出力強度の変化率が増大から減少へ(好ましくは最大光出力強度のポイント)、或いは減少から増大へ変化するポイント、および/または、iv)光出力強度における減少変化率が著しく増大或いは減少するポイント、がモニターされる。光出力強度が規定レベルへ到達する或いは超える時間もモニターされてよい。
可逆的阻害ルシフェラーゼが用いられない具体例において好ましくは、試料中に存在する核酸量は下記の1つ、或いはそれ以上のポイント:i)光出力強度が増大しはじめるポイントに達するまでにかかる時間;ii)光出力強度の変化率が増大から減少へと変化するポイントに達するまでにかかる時間;iii)光出力強度の減少変化率が著しく増大するポイントに達するまでにかかる時間;iv)光出力強度の減少変化率が著しく減少するポイントに達するまでにかかる時間;および、v)光出力強度が規定レベルへ到達する或いは超えるまでにかかる時間、をモニターすることにより定量的な様式で決定される。
可逆的阻害ルシフェラーゼが用いられる具体例において、ルシフェラーゼが該反応産物により阻害される間、光出力強度は徐々に減少する。その結果いったん増幅反応の結果として特定量のPPiが生成すると、ルシフェラーゼはPPiに対する感度が上昇し、またそれ故に阻害されず、さらに光出力強度が増大する。その結果、特定量のPPiがあるポイントで生成するまで光出力強度は徐々に減少し、そのポイントにおいて光出力強度の減少変化率が増大し、その後光出力強度があるレベルへと減少し、そのレベルは核酸増幅が全く起こらないコントロール反応の光出力強度未満のレベルである。その結果光出力強度の減少変化率は減少する。それ故に、可逆的阻害ルシフェラーゼが工程i)において反応混合物と混合される具体例において、好ましくは、試料中に存在する鋳型核酸量は、下記の1つ或いはそれ以上のポイント:i)光出力強度が緩やかな減少から増大へと変化するポイント(すなわち光出力強度が増大しはじめるポイント)に達するまでにかかる時間;ii)光出力強度の減少率が著しく増大する(好ましくは、緩やかな減少から急激な減少へ)ポイントに達するまでにかかる時間;およびiii)光出力強度の減少率が著しく減少する(好ましくは、急激な減少から緩やかな減少へ)ポイントへ達するまでにかかる時間、をモニターすることにより定量的な様式で決定する。
上述したように、特定の鋳型核酸が特定のポイントに達するまでにかかる時間は、増幅反応の初めに試料中に存在する鋳型核酸量に依存する。それ故に好ましくは、本発明方法の工程iv)はさらに、多くのコントロールからの結果により作成された標準曲線からの光出力強度と該光出力強度を比較することを含み、該コントロール中の試料は、試料中の鋳型核酸量を決定するために、既知量の鋳型核酸を含む。
定性的な様式で、試料中に存在する鋳型核酸量、すなわち鋳型核酸が試料中に存在するかどうかを決定するために、好ましくは、モニターされるデータセット上のポイントは、光出力強度が規定レベルへ到達する或いは超えるポイントである。
可逆的阻害ルシフェラーゼが用いられない具体例において、光出力強度の増大は試料中の鋳型核酸の存在を示すだろう。好ましくは、光出力強度の増大は増幅が全く起こらないコントロール反応に対するものである。例えば好ましくは、かかるコントロール反応は、鋳型核酸が全く存在しないもの、或いは、ポリメラーゼが全く存在しないものであろう。それ故にこれらの具体例において試料中に存在する核酸量は、光出力強度が全く増幅の起こらないコントロールの強度以上に増大するかどうかをモニターすることにより、定性的な様式で決定されてよい。より好ましくはこれらの具体例において、試料中に存在する核酸量は、光出力強度が規定レベルに到達する或いは超えるかどうかをモニターすることにより、定性的な様式で決定されてよい。例えば規定レベルは、光強度の減少率が最小であるポイントで、増幅反応の初めの光出力の125%或いは150%で設定されうるだろう。もし光出力強度がこの規定レベルに到達する或いはそれを超えて増大するならば、このことは試料中の鋳型核酸の存在を示すだろう。しかしながらもし光出力強度がこの規定レベルに到達しないならば、このことは試料中の鋳型核酸の非存在を示すだろう。
規定レベルは1つ或いはそれ以上の因子に依存して異なってよく、該因子は:用いる鋳型核酸、核酸増幅反応において用いる構成成分の濃度、および核酸増幅反応のために用いる温度を含む。鋳型核酸が存在する、或いは鋳型核酸が存在しないコントロール実験を行うことにより、当業者は容易に適当な規定レベルを決定することができるだろう。
好ましくは、工程ii)の増幅反応の開始に続く規定時間区間内で光出力強度の増大があれば、そのことは試料中の鋳型核酸の存在を示し、さらに工程ii)の増幅反応の開始後の規定時間区間内で光出力強度の増大がなければ、そのことは試料中の鋳型核酸の非存在を示す。例えば本発明方法が遺伝子型解析に用いられる場合、特定量の試験材料が常に特定量の標的鋳型を含んでいるだろう場合、また標的鋳型核酸が存在する場合、もし光出力強度が規定時間内で増大しないならば、標的は存在しないと確信をもって述べることができる。
好ましくは、規定時間区間は工程ii)の増幅反応中の時間であろう。反応の初めに存在する鋳型核酸が少なければ少ないほど、工程ii)の増幅反応はより長い。鋳型核酸が様々な濃度で存在する、或いは鋳型核酸が存在しない特定の一連の反応条件のもとで、特定の鋳型核酸のための多くのコントロール実験を行うことにより、当業者は適当な規定時間を容易に決定することができ、該規定時間とは、その時までに特定の一連の反応条件のもとで特定の鋳型核酸の増幅が起こったに違いない、或いは起こらなかったはずだという時間を言う。例えば規定時間区間は核酸増幅反応の開始から、20、25、30、35、40、45、50分或いはそれ以上の時間以内であってよい。或いは、または、加えて、本発明方法において規定レベルに関連する光出力強度の減少は、試料中の鋳型核酸の存在を示す。この減少はルシフェラーゼがPPiにより阻害されはじめる場合に起こるということが仮定される。例えば規定レベルは、増幅反応の初めに光強度の減少率が最小になるポイントでの光出力の25%、20%、15%、10%或いは5%に設定されうるだろう。もし光出力強度がこの規定レベルに減少する、或いはそれを超えて減少するならば、このことは試料中の鋳型核酸の存在を示すだろう。しかしながらもし光出力強度がこの規定レベルに到達しないならば、このことは試料中の鋳型核酸の非存在を示すだろう。
規定レベルは1つ、或いはそれ以上の因子に依存して異なってよく、該因子は:用いる鋳型核酸、核酸増幅反応において用いる構成成分の濃度、および核酸増幅反応の温度を含む。鋳型核酸が存在する、或いは鋳型核酸が存在しないコントロール実験を行うことにより、当業者は容易に適当な規定レベルを決定することができるだろう。
好ましくは本発明方法の工程iv)はさらに、該光出力強度を増幅が全く起こらないコントロールからの光出力強度と比較することを含む。例えばかかるコントロールは、鋳型核酸、および/または、増幅反応のために必要な他の構成成分(例えば、ポリメラーゼ)の1つを省略することを除いて、本発明方法と同じ工程が行われるものであってよい。このことにより経時の生物発光の減衰を考慮に入れることができる。
本発明方法において、好ましくは、コントロールは分析下の試料と同時に行われるけれども、必ずしもこのことが問題になるとは限らない。例えばコントロールは以前行ったコントロールであってよく、またそこから得られたデータは他の多くの試料との比較のために用いられうるだろう。
本発明方法において、増幅が全く起こらないコントロール反応に関連する光出力強度の減少は、試料中の鋳型核酸の存在を示す。コントロールに関連するこの減少は、上述したコントロールに関連する光出力強度の他の変化に続いて起こるだろう。当業者はより多くのPPiが生成されるにつれ、光出力強度は増大し続けると予想するだろうから、光出力強度が最終的には全く増幅が起こらないコントロール反応未満のレベルに減少するという知見は驚くべきことである。ルシフェラーゼがPPiにより阻害されはじめるので、光出力強度がコントロール未満のレベルに減少するということが仮定される。
好ましくは、増幅が全く起こらないコントロールの強度未満かどうかを決定するための光出力強度のモニタリングは、工程ii)の増幅反応の間で行われるけれども、或いは工程ii)の核酸増幅反応に続いて行われてよい。好ましくは、光出力強度はコントロール反応の光出力強度の30%或いはそれ未満のレベルに減少する。より好ましくは、光出力強度はコントロール反応の光出力強度の20%或いはそれ未満のレベルに減少する。さらにより好ましくは、光出力強度はコントロール反応の光出力強度の10%或いはそれ未満のレベルに減少する。或いは、光出力強度はコントロール反応の光出力強度の90%或いはそれ未満、80%或いはそれ未満、70%或いはそれ未満、60%或いはそれ未満、50%或いはそれ未満、或いは40%或いはそれ未満のレベルに減少してよい。
好ましくは、規定レベル或いは核酸増幅反応の開始に続く規定時間区間内でのコントロール反応に関連する光出力強度の減少は、試料中の鋳型核酸の存在を示し、また規定レベル或いは増幅反応の開始に続く規定時間区間内のコントロール反応に関連する光出力強度の減少の非存在は、試料中の鋳型核酸の非存在を示す。好ましくは、規定時間区間は、核酸増幅反応の開始から20、25、30、35、40、45、50分或いはそれ以上の時間以内である。異なる濃度の鋳型核酸が存在する、或いは鋳型核酸が存在しないコントロール実験を行うことにより、当業者は、減少が起きたに違いない或いは起こらなかったはずだということから容易に適当な規定時間を決定することができるだろう。
好ましくは工程ii)の核酸増幅反応は、増幅反応持続時間にわたって十分および安定な光出力を与えるために、ルシフェラーゼが十分活性がありおよび安定である温度範囲内で行われる。さらに好ましくは、工程ii)の増幅反応は、増幅反応の間ルシフェラーゼが安定なままであるために十分に低い温度で行われる場合があり、さらに十分に迅速である。本発明方法の工程ii)の核酸増幅反応は等温で行われてよく、或いはサーモサイクリング法であってよい。好ましくは、本発明方法の工程ii)の核酸増幅反応は等温で行われる。等温で行われる核酸増幅反応は、サーモサイクリングに依存せずに増幅反応が進行する核酸増幅反応である。
RNA合成工程を含まない、および本発明方法によるモニタリングに適当な核酸増幅反応の例は、等温法、さらにはPCRのようなサーモサイクリング法を含む。
RNA合成工程を含まない等温法は、鎖置換を経て進行する。かかる方法は:ローリングサークル増幅(Rolling circle amplification)(Fire, A. and Xu, S.-Q. (1995)‘Rolling replication of short DNA circles', Proc. Natl Acad. Sci. USA, 92, 4641-4645 参照)、ローリングサークル増幅技法(Rolling circle amplification technology)(http://www.molecularstaging.com/Pages/RCATdetails_.html; Amersham's Phi29-based amplification Kit, product codes: 25-6400-10 and 25-6400-50参照)、等温ラミフィケーション増幅(isothermal ramification amplification)(Zhang, W. et al., ‘Detection of Chlamydia trachomatis by isothermal ramification amplification method: a feasibility study', J. Clin. Microbiol., Jan 2002, 128-132)、制限酵素依存鎖置換増幅(restriction-endonuclease-dependent strand displacement amplification)(Walker, G. T., ‘Isothermal in vitro amplification of DNA by a restriction enzyme / DNA polymerase system', PNAS, (1992), 89, 392-396)、ループ仲介の等温増幅(loop-mediated isothermal amplification)(LAMP)(Notomi, T., ‘Loop-mediated isothermal amplification of DNA', Nucl. Acids. Res., 2000, 28(12), e63, i-vii)、およびこれらの方法の変形を含む。RNA−合成工程を含まない、および鎖―置換メカニズムを経て進行する等温核酸増幅技法は、‘等温PCR(isothermal PCR)’技法としても知られている。低い増幅反応温度のために起こるバックグラウンド反応の数を考えると、ELIDAアッセイに基づく生物発光アッセイが、鎖置換を経て進行する増幅反応をモニターするために用いることができるという知見は、驚くべきものである。
或いは、増幅反応および生物発光アッセイのすべての構成成分がPCRサイクルの間じゅうの温度で安定であるならば、RNA合成を含まないサーモサイクリング法は本発明方法において用いられてよい。好ましくは、サーモサイクリング反応は低温度サーモサイクリング法であり、該方法において、プライマー伸長は75℃を超えない、および好ましくは70℃を超えないサイクリング温度範囲で行われ、および適度に熱安定であるDNAポリメラーゼを利用する。かかる方法はHiFi(登録商標)DNAポリメラーゼを用いるLoTemp(登録商標)PCRであり、www.hifidna.com/FQAall.htm に説明されている。或いはサーモサイクリング反応は、プロリンの存在下でDNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント(Klenow fragment)を利用する、低温度サーモサイクリング法である(Nucleic Acid Research, (1999), 27(6), 1566-1568参照)。
RNA合成工程を含み、および本発明方法によりモニターされうる等温増幅反応の例は、転写―仲介増幅(transcription mediated amplification)(TMA)或いは、核酸配列に基づく増幅(NASBA)(Guatelli, J. C. et al., ‘Isothermal, in vitro amplification of nucleic acids by a multienzyme reaction modelled after retroviral replication', PNAS, (1990), 87, 1874-1878)、およびこれらの方法の変形を包む。
工程ii)の核酸増幅反応は、増幅反応および生物発光アッセイの構成成分が安定なままである温度範囲内で行われる。好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は75℃を超えない温度範囲内で行われる。より好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は、70℃を超えない温度範囲内で行われる。さらにより好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は65℃を超えない温度範囲内で行われる。もっとも好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は、60℃を超えない温度範囲で、すなわち、プロメガ社のウルトラ−グロウ熱安定ルシフェラーゼが、増幅反応持続時間にわたって十分な、および安定な光出力を与えるために十分に活性があり、および安定である温度範囲内で行われる。或いは、工程ii)の核酸増幅反応は55℃、50℃、45℃或いは40℃を超えない温度範囲内で行われてよい。
好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は20℃を下回らない温度範囲内で行われる。より好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は30℃を下回らない温度範囲内で行われる。さらにより好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は40℃を下回らない温度範囲内で行われる。或いは、工程ii)の核酸増幅反応は25℃、35℃、45℃、50℃、55℃或いは60℃を下回らない温度範囲内で行われてよい。
好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は30℃ないし75℃の温度範囲内で行われる。より好ましくは、工程ii)の核酸増幅反応は30℃ないし65℃の温度範囲内で行われる。例えば、工程ii)の核酸増幅反応は45℃ないし65℃、或いは35℃ないし40℃の温度範囲内で行われてもよい。
工程ii)の核酸増幅反応は上述した温度範囲内の等温で行われてもよい。好ましい具体例において、核酸増幅反応は37℃で行われる。例えば、37℃で安定である突然変異型ホタルルシフェラーゼ酵素を用いることにより(野生型酵素は当該温度で急速に失活する)、標準ELIDA反応(standard ELIDA reaction)を用いる等温の核酸増幅反応中に、PPi生成をモニターすることができる。37℃で安定であり、さらに本発明方法における使用に適当である、突然変異型ホタルルシフェラーゼ酵素の例は、Tisi,L.らにより説明されている(Tisi, L. C. et al., (2002) ‘Development of a thermostable firefly luciferase', Analytica Chimica Acta, Vol. 457, 115-123)。
或いは、工程ii)の核酸増幅反応は好ましい温度範囲内の1つ以上の温度で行われてよい。
核酸増幅反応が行われる温度が増大する時に、用いるルシフェラーゼが、生物発光アッセイで(増幅が起こっていようと、或いは起こっていなくても)より低い全光出力強度しか生成しないということが見いだされる場合、工程ii)の核酸増幅反応をより低い温度で行うことは有利である。このことは、光出力強度が増大する、および増幅反応がより緩慢に起こるという二重の利点を有する。より緩慢な増幅反応は定量分析のためにとりわけ有益であり、というのも、異なる鋳型核酸量を有する試料の経時的な光強度変化率において差異がある様々なポイントに対応するデータポイントは、増幅反応がより高い温度でモニターされる場合に比べてより長い時間区間にわたって生じ、またそれ故により容易にモニターされるからである。
しかしながらより低い温度で核酸増幅反応を行うことは、潜在的に増幅反応の特異性に影響する可能性があるだろう。例えば、核酸増幅反応温度が減少するにつれ、プライマーが目的とする標的配列以外の配列にアニーリングする可能性が増大するので、増幅反応温度が減少するにつれ、偽陽性結果の可能性がより大きくなる可能性があるだろう。それ故に加えて本発明は、工程ii)の核酸増幅反応を高い温度で開始し、その後低い温度に下げるという方法を提供する。好ましくは、この高いおよび低い温度は、上述したような好ましい温度範囲内である。このことは、核酸増幅反応を、特異性が大きい高い温度で開始することができ、ついで、増幅が検出可能な対数期(detectable exponential phase)に入る前に、光強度を増大するおよび結果の進行を減速するために温度を下げることができる、という利点を有する。
温度が95℃まで上がる従来のサーモサイクリングPCRを利用する方法と比べて、等温法の比較的低い温度および低温度サーモサイクリング法では、より少量の試料が分析できる。特に、温度範囲が55℃を超えない具体例において、極めて少量の試料が本発明方法により分析されうる。例えば、10μl未満の量の試料、およびさらに1μl未満の量の試料が本発明方法により分析されてよい。従来のPCRにおいて必要な高い温度では、非常に少量の試料は技法上の課題である。非常に少量の試料を分析する能力は、試薬費用を削減するという利点も有する。
それ故に好ましい具体例において本発明方法は、工程ii)の増幅反応においてポリメラーゼ反応が等温で行われ、および用いるルシフェラーゼがその温度で安定であるということを必要とする。このことは次の利点を提供する:
i)等温の核酸増幅反応はリアルタイムで連続的にモニターされうる。
ii)等温の核酸増幅反応はさらなる試薬添加の必要なしに、完全な閉鎖系においてモニターされうる。
iii)分析の比較的低い温度により極めて少量の試料を分析することが可能になり、(従来のPCRの高い温度では、非常に少量の試料は技法上の課題である)、よって試薬費用を削減できるだろう;および
iv)簡便なCCDカメラは何千もの等温PCR反応を同時にモニターするために用いることができるだろう。
合成した核酸がゲル電気泳動により検出できないであろう場合に、核酸増幅中の核酸合成からPPiが検出されうるということは、本発明の特徴であり、結果として感度を増大し、さらに増幅時間を減少する。さらに、モリらの濁度法(Mori, Y. et al., Biochem. Biophys. Res. Comm., (2001)289, 150-154)は、有意な濁度が観察される前に、約0.6mMのPPi濃度を必要とし、該方法は、PPiがATPスルフリラーゼによりATPに変換され、さらに生成したATPが光生成のためにルシフェラーゼにより用いられるピロリン酸分析を用いることによるものであり、一方で、0.5μM未満のPPi濃度は、PPi濃度および生物発光間の直線関係(Nyren & Lundin, Analytical Biochemistry, 151(2), 405-409 (1985))を生じさせる。このことはPPiを検出するための本発明方法の、濁度アッセイの少なくとも1200倍の感度増大を表す。本発明方法は蛍光に基づく方法より感度もいい。
本発明方法は医療診断応用において用いられてよい。PCRのような核酸増幅反応を分析するための従来の方法は複雑なハードウェアおよび光学機器を必要とするので、現在では、大部分の診断試験センターは分析のために、それらの試験を依頼する必要がある。上述したような方法の使用は、試験結果が十分な配慮のもと分析されることを可能にするだろう。例えば特定の細菌或いはウイルスのような病原体が試料中に存在するかどうかを調べるために、例えば性病の診療所において用いられうる。試料中に存在する細菌或いはウイルスの量を決定するために、例えば感染の程度を決定するために用いられてもよい。
本発明方法のさらなる応用は、特定の核酸配列が生物の遺伝コードに存在するかどうかを決定するためである。例えば、鋳型核酸を生成させる核酸が遺伝的に修飾されたかどうかを決定するために、非遺伝的に修飾された特定の植物品種、或いは遺伝的に修飾された植物に関連するDNAの検出のために、動物の系統品種に関連するDNAの検出のために、或いは遺伝子診断或いは法医学のような医学の或いは獣医学の診断応用のために用いることができるであろう。
本発明方法は試料中の生物の存在を検出するために用いられてよい。上述したように、この生物は病原体であってよい。しかしながら、該方法は非−病原性生物を検出するために用いられてもよい。
また本発明方法は、免疫−核酸増幅技法(immuno-nucleic acid amplification technology)において用いられてもよい(例えば、Sano, T. et al., (1992) Science, vol. 258, 120-122 参照)(例えば、抗体に連結する特定の鋳型核酸の同定のために)。該方法は、蛍光或いは吸光度のような技法を用いることが技法的に困難であろう、in situでの使用にも適している。例えば本発明方法は、金属表面において用いることができるだろう。それ故に、本発明方法は例えば、手術用メスの刃上のプリオンを探すために用いることができるであろう。
好ましくは本発明方法で用いるキットは、核酸ポリメラーゼ、核酸ポリメラーゼの基質、少なくとも2つのプライマー、熱安定性ルシフェラーゼ、ルシフェリン、および所望によりATPスルフリラーゼ、およびアデノシン5’ホスホスルフェートを含む。より好ましくは、さらにキットはマグネシウムイオン源のようなバッファー試薬を含む。或いは、本発明方法で用いるキットは、これらの構成成分のいくつかのみ、および/または追加の構成成分を含んでもよい。キットから省略された試料およびその他の構成成分は、ついで使用中にキットに添加されてよい。
例えば本発明方法で用いるキットは、各々:
a)核酸ポリメラーゼ、Mg源およびdNTPsのバッファー混合物;および
b)ルシフェラーゼ、ルシフェリン、およびATPスルフリラーゼ
を含む容器を含んでよい。
好ましくはキットの構成成分の少なくとも1つは凍結乾燥され、或いはキット中での貯蔵に適当な別形態である。より好ましくはキットの構成成分のすべてが凍結乾燥され、或いは、貯蔵に適当な1つ或いはそれ以上の他の形態である。かかる他の形態は、安定化因子が添加された構成成分、および/または、キットの構成成分を含む冷蔵された、或いは凍結したマスターミックス(mastermix)を含む。
キットの好ましい形は、小型“液体”サーキット(miniature “liquid” circuit)である。好ましくは本発明方法で用いるキットは、取り扱いの容易さのためにクレジットカードの大きさであろう。
本発明方法で用いるキットは、1つの試料を一度に、或いは1つ以上の試料を一度に分析するために用いられうる。例えば、本発明方法で用いるキットは、2、3、... 、50、... 、100、... 、200、そして1000(個)までの試料を一度にモニターするために用いられてよい。
本発明方法が1つ以上の試料を一度にモニターするために用いられる具体例において、該方法は各々の試料において同じ配列の鋳型核酸の存在を検出するためであってよく、或いは異なる試料において異なる配列を有する鋳型核酸の存在を検出するためであってよい。
該結果は、1つの試料、或いは1つ以上の試料からの結果を表示するテストカードで表示されてよい。好ましくは、テストカードは取り扱いの容易さのためにおよそクレジットカードの大きさである。
さらに本発明は、本発明方法を行うための、および本発明記載のキット中に存在する構成成分を混合する装置を提供する。例えば好ましくは、本発明記載の装置は、核酸ポリメラーゼ、核酸ポリメラーゼの基質、少なくとも2つのプライマー、熱安定性ルシフェラーゼ、ルシフェリン、および所望によりATPスルフリラーゼ、およびアデノシン5’ホスホスルフェートを混合する。
本発明はここで、後に示す図に関連したほんの一例としてさらに説明され、該図において:
図1はLAMP反応を追跡するために用いるセットアップを示し; 図2は標的DNAの存在下およびBst DNAポリメラーゼがないコントロール下でのLAMPからの出力を示し; 図3は二つ組のLAMP試料および二つ組のコントロールからの結果を示し; 図4は絶対光強度に差異を示すことを除いて図2および3においてと同様に調製した試料からの結果を示し; 図5は55℃で異なる量の標的鋳型(二つ組)を用いるLAMPに関する光の放射特性を示し; 図6は光の放射ピーク時間を示し; 図7は三つ組のLAMP反応からの生(raw)出力プロットを示し; 図8は図7に示した曲線の一次微分プロットを示し; 図9は試料とコントロールの比較を示し; 図10は10分後に温度を55℃から50℃へ下げるLAMP反応を示し; 図11は開始鋳型量が異なる、ATPスルフリラーゼがないLAMP反応に関する、時間に対する光強度プロットを示し;および 図12は異なる標的鋳型量を含む試料の、ATPスルフリラーゼがないLAMP反応に関する、正規化した光出力ディファレンシャルプロット(コントロールを差し引く)を示す。
実施例
実施例1:本発明方法の実証
ループ−仲介増幅(Loop-Mediated Amplification)(LAMP)として知られている等温核酸増幅反応を、リアル−タイムの核酸増幅反応の後に単純な生物発光アッセイを用いるための可能性を例証するために選択した。
現在では、大部分の迅速な発現のLAMP法では6つのプライマーを用いる。この発現はほんの15分で10コピーの標的DNAを検出するということが実証されている(Nagamine et al. 2002 Molecular and Cellular Probes, 16, p223-229)。LAMP反応は通常60−65℃で行い、さらに少なくとも4mMのマグネシウムイオンを必要とする。
特にLAMP反応からのリアル−タイムの生物発光出力を実証するために、LAMP反応を行う温度を下げるための方法を見出す必要があった。これは、65℃もの高い温度では今日知られている最も熱安定であるカブトムシルシフェラーゼ(ウルトラ−グロウ熱安定性ルシフェラーゼ、プロメガ社)でさえ、LAMP増幅の間じゅう(試料が特定の標的DNA分子を全く含まないということを確かめるために、約45分或いはそれ以上が必要とされてよい)十分なおよび安定な光出力を与えるために十分なほど活性がある、および/または、安定であることはないという事実による。
4mMから2mMへマグネシウムイオン濃度を下げることによりLAMP反応を低い温度でうまく行うことができるということが認識されている。さらに、高いベタイン濃度は低い温度でLAMP反応をうまく再現性よく行う能力を減少する場合がある。最後に、LAMP反応を妨げない適当な安定剤を選択し、さらに処方に含めた。結果として、生物発光アッセイが全増幅期間じゅうLAMP反応と同時に起こりうる条件を定めることができた。
開始材料:
1)反応混合物(より少ないBst−DNAポリメラーゼ或いは標的DNA)
Figure 0004521581
2)DNAポリメラーゼ
8U/μl Bst DNAポリメラーゼ ニューイングランド バイオラブス(Bst DNA Polymerase New England Biolabs)
3)鋳型DNA
Figure 0004521581
プライマー配列:
Figure 0004521581
方法
200μlPCRチューブに反応混合物18.6μlを加え、0.4ng/μl鋳型DNA1μlおよびのBst DNAポリメラーゼ0.4μlをあとに続けた。コントロールとしてさらなる200μlPCRチューブに、反応混合物18.6μlおよび0.4ng/μl鋳型DNAを加えたが、Bst DNAポリメラーゼは全く加えなかった。
試料をSyngene GeneGenius ライトキャビネット(www.syngene.co.uk)内の50℃に保ったヒーティングブロック(heating block)上においた。Syngene Genesnap ソフトウェア(www.syngene.co.uk)を用いて、試料からの光放射を、Syngene ライトキャビネット内のCCDカメラで撮った一連の写真で記録した(閉じたPCRチューブのふたを通して)(図1)。各々の写真は1分間にわたる試料からの統合した光放射を表した。
全部で40フレームを記録し、それ故にLAMP反応を全部で40分間観察した。
結果
Syngeneソフトウェアを用いて、各々の試料からの光出力を時間の関数として定量化した。得られた結果を図2に示す。
アガロースゲル電気泳動を用いて、コントロールは何も合成しなかった一方で、‘試料’(鋳型核酸を有する)は確かに有意な量のDNAを増幅したということを確認した。
増幅の結果として生じた光放射について多くの特徴を示した:

i) 初めに試料およびコントロールの光減少率は同様であった;
ii) しばらくすると試料からの光強度は増大し始め、一方コントロールは徐々に減少し続けた;
iii) 試料からの光放射増大率は増大し、最大値に達し、ついでLAMP反応中に光放射の最大値が記録されたポイントに達するまで減少した;
iv) この試料からの光放射最大値につづき、光放射の減少を観察した;
v) 光放射の減少率は増大し、最大光放射が後に続き、さらに光放射の大きさはコントロールのものより小さくなった;
vi) 光放射の減少率は減少し、さらに最終的にはコントロールのものと同様になった;
vii) 40分の終わりに、試料からの光放射の大きさはコントロールより相当に小さくなった。(たとえこの場合において、試料の開始光強度がわずかにより高かったとしても)(このことは、カメラに対する試料の相対位置を考慮するために、試料からの光放射が決して加工されなかったという事実に関連している)。
光強度のピーク後の光強度の減少は、ルシフェラーゼがピロリン酸により阻害されはじめた結果であるということが仮定される。そのようなものとしてLAMP反応において、光強度のピークは、特定量のピロリン酸が蓄積した時間ポイントを表す。それ故に、光強度のピークは特定量のDNAが合成された時間ポイントを表す。
実施例2:LAMP増幅反応を用いる本発明方法の再現性
LAMP反応において得られた結果の再現性を評価するために複数の試料を用いたということを除いて、実施例1と同じ手順を行った。

開始材料および方法
試料およびコントロールを二つ組、或いは三つ組で行い、さらに反応温度を55℃まで上げたことを除いて、実施例1にならう。
結果
結果を図3に示す。実施例1においてと同じ試料曲線の進行がこの場合において見られた。
当該実施例において、光放射の変化率および最大光放射までの時間の両方が両試料とも極めて同様である。さらに、試料における増幅DNAの生成はアガロースゲル電気泳動により確認した。コントロールに関しては両事例の光放射変化率は同様である一方、絶対値に少し差異がある。さらにこのことは、いずれの生化学的な問題というよりはむしろ、用いるシステムによる光捕獲に関連する影響のためと考えられる。それにも関わらず、たとえデータ処理がなくても、明確な結果が得られうる。
いくつかの場合において、例えば三つ組試料内で観察される絶対光強度は、光捕獲の影響のために異なる可能性があるだろう。それにも関わらず、光変化率および最大光放射までの時間は同様である(図4)。
実施例3:定量的な様式での本発明方法の使用
開始材料および方法
試料中の標的DNA量が異なることを除いて、実施例1において示した同じ手順を繰り返した。鋳型核酸を全量で0.4ng、40pg、4pg或いは0.4pg含む、二つ組試料をセットアップした。LAMP反応の温度は55℃だった。
結果
各々の試料の結果として生じる光放射の外形を図5に示す。図5で得られた結果は本発明方法の主要な特性を実証する。標的鋳型量および絶対光放射(absolute light emission)間には説得力のある相関関係はないが、光放射ピーク時間、或いは光放射変化率が変化する時間の間には明確な関係がある。
標的DNA量に対する光放射ピーク時間のプロットは、この相関関係が定量的であるということを実証する(光放射ピーク時間は試料中の標的鋳型DNA濃度のlog10と直線関係を有する図6aを参照)。図6bにおいて、アンプリコンの最終全量の25%を生成する時間を光放射ピーク時間とともにプロットし、またその2つのパラメーターに相関が見られうる。それ故に、光放射ピーク時間をアガロースゲル電気泳動で得た結果と比較することは、光放射ピーク時間がアンプリコンの蓄積、およびそれ故に試料中に存在する鋳型核酸量を反映するということを実証する。
実施例4:核酸増幅反応がLAMP反応である本発明方法からの結果のデータ処理
生データにいくつかの簡単なデータ処理を行った後に、LAMP反応において得られた結果の再現性を評価するために複数の試料を用いることを除いて、実施例1と同じ手順を再び行った。特に出力の一次微分をプロットした。
開始材料および方法
これらは、試料およびコントロールが三つ組で行われ、温度が50℃、および鋳型全量1ngが各々の試料で用いられることを除いて、実施例1にならう。
図7はこれらの試料についての本発明方法からの生データプロットを示す。経時の光強度に対するものとして、経時の光放射変化率をプロットすることにより(すなわち一次微分をプロットする)、変曲点が際だつ。特に、極小或いは極大を経由する図7に示される曲線範囲は、曲線の一次微分をプロットした場合にゼロでY軸に交差する(図7)。強度の大きさは相当差異を示すが、一連の曲線内の変曲点は同様である。
LAMP増幅反応が起きた試料のための図8の曲線は、Y−軸に交差する2つのポイントを示す。初めのポイントは図7の初めの変曲点を表し、また2番目は最大光強度のポイントを表す。図8で見られる極小および極大は光放射の最大変化率に関連する時間ポイントを明らかにする。4つのデータポイントすべて(2つのY−軸との交差点および極小および極大)は、三つ組試料間の良好な重なりを示す。初めのY−軸との交差点は2番目のほぼ10分前に現れるということに注意せよ。
図9は図8の曲線の拡大図を示し、さらに一次微分プロットがどのように試料およびコントロールを区別するかということを明らかにする。
それ故に、LAMP反応を用いる本発明方法からの生データの固有情報内容のために一次微分をするような非常に単純なデータ処理でさえ、結果として生じる曲線上の明かなポイントを同定できるばかりでなく(Y−軸との交差点および極大および極小)、結果が光シグナルの大きさに影響されにくくする(例えば、図7および8の曲線の重なりを比較せよ−図8において重なりはより同様である)。
実施例5:増幅中の増幅反応温度の変化
LAMP法は約45℃ないし60℃の温度範囲にわたって行われうる。しかしながら、LAMP反応が行われる温度が高くなればなるほど、本発明方法からの全光強度はより低くなる(増幅が起こっていようと或いはいなくとも)。これは用いる特定の熱安定性ルシフェラーゼ(ウルトラ−グロウ ルシフェラーゼ プロメガ社)のためであり、該ルシフェラーゼは明らかに、高い温度では低い割合で光反応を触媒する。それ故に、55℃でウルトラ−グロウ ルシフェラーゼに関して観察された光放射率は50℃で観察されたものより相当に小さい。しかしながら、例えば55℃から50℃への冷却について、ウルトラ−グロウ ルシフェラーゼにより触媒される光放射比率に増大が観察され、それ故に、該効果は明らかに可逆的である。該可逆性は、観察された高い温度での光放射の減少はルシフェラーゼの変性の結果のためだけではないということを暗に示す。
それ故に、より低い温度でLAMP反応を行うことは、アッセイからの光放射を増大する。さらに、より低い温度でLAMPを行うことは、それ自体の反応を減速しうる。このことは特定状況において有益であってよい。例えば本発明方法を定量的に用いる場合に、増幅を減速することに利点があってよく、その結果、異なる標的鋳型量を有する試料の、例えば光放射ピークに到達するまでにかかる時間が、LAMP反応が高い温度で行われる場合よりも、時間においてより大いに隔たるようになる。
しかしながら、低い温度でLAMP反応を行うことは、潜在的に方法の特異性に影響する可能性があるだろう、すなわち、LAMPの温度が減少するにつれ、偽陽性の結果の可能性が大きくなりうるだろう。つまり、LAMP反応の温度が減少するにつれ、プライマーが所望の標的配列以外の配列にアニーリングする可能性が増大する。
低い温度でLAMP反応を行うこと、およびさらに最大の特異性を維持するという利点を生かすために可能な妥協案は、LAMP反応中に温度を変えることである。特にLAMP反応は、特異性が高い高温度で開始することができ、ついで増幅が検出可能な対数期に入る前に、光強度を増大しおよび結果の進行を減速するために温度が下げることができる。
開始材料および方法
実施例3におけるのと同様に異なる標的鋳型量を有する様々な試料を試験したことを除いて、実施例1にならう(0.02pg/μlないし20pg/μl、すなわち、全試料0.4pgないし全試料0.4ngの範囲にわたって)。LAMP反応を55℃で開始し、ついで温度を10分後に50℃へ下げた。
結果
温度変化データから得た生データを図10に示す。図10に示されるデータは、温度変化法が確かに温度低下により光放射強度の増大をもたらすことを示す。さらに、光放射ピーク時間が依然として初めの鋳型DNA量の関数のままであるという点から、LAMPは定量的なままである。図10を、55℃の単一温度であることを除いて同等量の標的鋳型をLAMPで試験する図5と比較することにより、最も多い鋳型(0.4ng 全量/20pg/ul)、および最も少ない鋳型(0.4pg 全量/0.02pg/ul)を有する試料間の時間差は約8分であり、一方図10に示す温度変化法においては、該時間差は約14分であるということが見られうる。
実際には55℃より高い温度は初めに用いられてよく、というのもウルトラ−グロウ ルシフェラーゼは60℃より上で安定でなくなり始めるが、短時間ではより高い温度で耐えうるからである。それ故に、このアプローチは利用できる温度範囲を増大させる。
さらにこのアプローチにより、増幅反応がルシフェラーゼを不可逆的に不活性化する場合がある温度で長時間を必要としない場合に、より安定でないルシフェラーゼを用いることが可能になってよい。
最後に、温度変化法によって明かな偽陽性がなお現れる可能性があるが、それらは増幅の初期主要段階の(すなわち対数期のちょうど前に)より高い温度の増大したストリンジェンシー(stringency)のために、より起こりにくいはずである。
実施例6:可逆的阻害ルシフェラーゼに基づく方法
上述したように、ピロリン酸はルシフェラーゼに直接影響を有する。初めに、特定状況下ではピロリン酸は、光反応の産物であるオキシルシフェリンを含む特定阻害剤の存在下で、ルシフェラーゼが受ける阻害を軽減する可能性がある。第2に、ピロリン酸はそれ自体が高濃度でルシフェラーゼを阻害する可能性がある。ピロリン酸がルシフェラーゼにより触媒される光放射反応を刺激する、或いは阻害するかどうかは、ルシフェラーゼの正確な型、温度、ピロリン酸濃度、ルシフェラーゼ活性に影響しうる他の化合物の存在を含む多くの因子に依存する。この実施例は、ピロリン酸の阻害効果をどのように用いてLAMP反応を追跡できるかを示す。このアプローチの重要な側面は、試料中にATPの存在が容認されうるということであり:生物発光アッセイが光生成のために、ルシフェラーゼによるATPの検出に依存する該方法において、試料中の有意な量の内因性ATPは、該アッセイの使用に大きな悪影響を及ぼすであろう。
ATPスルフリラーゼのない方法がATPを容認するという事実は(実際にはATPの存在下で最善に働く)、その方法が転写仲介の増幅(Transcription Mediated Amplification)(TMA)のようなRNA合成工程を含む増幅反応におけるピロリン酸を分析するために潜在的に用いられうるということを意味する。
特定の一連の反応条件のもとでコントロール実験を行うことにより、当業者は、本発明方法での使用のために必要なルシフェラーゼ、ルシフェリン、ATP、ピロリン酸の特定比率(ルシフェラーゼ:ルシフェリン:ATP:PPi)を決定できるだろう。
開始材料および方法
1)ATPスルフリラーゼのない反応混合物(より少ないBst−DNAポリメラーゼ或いは標的DNA)
Figure 0004521581
方法
上述した反応混合物を用いることを除いて、実施例1と同様に試料を調製した。1pgないし1ngの範囲の標的鋳型DNA濃度で試験した。ATPスルフリラーゼのないLAMPを55℃で行った。Bst DNAポリメラーゼのない試料をコントロールとして用いた。
結果
ATPスルフリラーゼのないLAMPからの生データ結果を図11に示す。図11に示される生データは、鋳型核酸を含む試料が経時の光強度において特徴のある唐突な減少を示し、コントロールでは見られないことを示す。この減少はLAMP反応により生成したピロリン酸がルシフェラーゼを阻害する結果であると考えられている。そのようなものとして、唐突な減少は核酸増幅の指標である。DNAが実際に起こっていることは、試料のアガロースゲル電気泳動により確認した。
生データのデータ処理により結果をさらに解釈できる。初めに、データを開始光強度に対して正規化し、ついでポリメラーゼのないコントロールから得られた値を、鋳型核酸を含む試料の値から引いた(図12)。
図12の試験は、光強度変化率が著しく変化するポイントに達するまでにかかる時間が試料中の標的鋳型濃度に比例していると思われるので、ATPスルフリラーゼのないLAMPは定量的でもあるということを示す。
1mM ATPはATPスルフリラーゼのないLAMPの間存在するので、RNAに基づく増幅方法の後に同じアプローチをとることができる。
本発明がほんの一例として上に説明され、また請求項により定義される本発明の範囲内にとどまるさらなる修正を細部にわたってしてよいということが理解されよう。

Claims (33)

  1. 試料中に存在する鋳型核酸の定量方法であって、下記工程:
    i)核酸増幅反応に必要なすべての構成成分、および核酸増幅に関する生物発光アッセイに必要なすべての構成成分を試料と混合し、該構成成分は:
    a)核酸ポリメラーゼ、
    b)核酸ポリメラーゼの基質、
    c)少なくとも2つのプライマー、
    d)熱安定性ルシフェラーゼ、
    e)ルシフェリン、
    f)所望によりATPスルフリラーゼ(ATP sulphurylase)、および
    g)所望によりアデノシン5’ホスホスルフェート(adenosine 5' phosphosulphate)を含み、
    その後:
    ii)1つ以上の増幅サイクルを含む標的核酸の核酸増幅反応を行い;
    iii)生物発光反応の光出力強度をモニターし、次いで
    iv)試料中に存在する鋳型核酸量を決定する
    を含む方法。
  2. 少なくとも工程ii)およびiii)を密封容器内で行う、請求項1に記載の方法。
  3. 工程iii)において、光出力強度を核酸増幅反応中にモニターする、請求項1或いは請求項2に記載の方法。
  4. さらに工程iii)が時間の関数として光出力強度のデータセットを作り出すことを含む、請求項1ないし3いずれか1項に記載の方法。
  5. データセットから、光出力強度の変化率が有意に変化するポイントに到達するまでにかかる時間を測定することにより、存在する鋳型核酸量を決定する、請求項ないしいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程ii)の核酸増幅反応の初めに試料中に存在する鋳型核酸量を決定するための、請求項1ないし4いずれか1項に記載の方法。
  7. 工程ii)の核酸増幅反応の結果として試料中に存在する鋳型核酸量を決定するための、請求項1ないし4いずれか1項に記載の方法。
  8. データセットから、光出力強度が増大しはじめるポイントに到達するまでにかかる時間を測定することにより、存在する鋳型核酸量を決定する、請求項5ないし7いずれか1項に記載の方法。
  9. データセットから、光出力強度が最大であるポイントに到達するまでにかかる時間を測定することにより、存在する鋳型核酸量を決定する、請求項5ないし7いずれか1項に記載の方法。
  10. データセットから、光出力強度の減少率が増大するポイントに到達するまでにかかる時間を測定することにより、存在する鋳型核酸量を決定する、請求項5ないし7いずれか1項に記載の方法。
  11. データセットから、光出力強度の減少率が減少するポイントに到達するまでにかかる時間を測定することにより、存在する鋳型核酸量を決定する、請求項5ないし7いずれか1項に記載の方法。
  12. データセットから、光出力強度が規定レベルに到達する或いは超えるポイントに到達するまでにかかる時間を測定することにより、存在する鋳型核酸量を決定する、請求項5ないし7いずれか1項に記載の方法。
  13. 工程i)において試料と混合される熱安定性ルシフェラーゼが可逆的阻害ルシフェラーゼ(reversibly-inhibited luciferase)である、請求項8ないし12いずれか1項に記載の方法。
  14. 工程iv)がさらに光出力強度をコントロールの光出力強度と比較することを含み、該工程において試料が既知量の鋳型核酸を含む、請求項1ないし13いずれか1項に記載の方法。
  15. 鋳型核酸が試料中に存在するかどうかを決定するための、請求項1ないし14いずれか1項に記載の方法。
  16. データセットから、光出力強度が規定レベルに到達する或いは超えるかどうかを測定することにより、鋳型核酸が試料中に存在するかどうかを決定する、請求項14に記載の方法。
  17. 規定レベルに対する光出力強度の増大が試料中の鋳型核酸の存在を示す、請求項15に記載の方法。
  18. 規定レベルに対する光出力強度の減少が試料中の鋳型核酸の存在を示す、請求項15に記載の方法。
  19. データセットから、工程ii)の増幅反応の開始後の規定時間区間内に、光出力強度が規定レベルに到達する或いは超えるかどうかを測定することにより、鋳型核酸が試料中に存在するかどうかを決定する、請求項16ないし18いずれか1項に記載の方法。
  20. 工程iv)がさらに光出力強度を、全く増幅が起こっていないコントロールからの光出力強度と比較することを含む、請求項1ないし19いずれか1項に記載の方法。
  21. 増幅が全く起こっていないコントロール反応に対する光出力強度の減少が、試料中の鋳型核酸の存在を示す、請求項20に記載の方法。
  22. 工程ii)の核酸増幅反応が、サイクリング温度範囲が75℃を超えない低温度サーモサイクリング増幅法である、請求項1ないし21いずれか1項に記載の方法。
  23. 工程ii)の核酸増幅反応が等温で行われる、請求項1ないし21いずれか1項に記載の方法。
  24. 工程ii)の核酸増幅反応が75℃を超えない温度範囲内で行われる、請求項23に記載の方法。
  25. 工程ii)の核酸増幅反応が、増幅反応および生物発光アッセイの構成成分が安定である等温で行われる、請求項23或いは請求項24に記載の方法。
  26. 工程ii)の核酸増幅反応が、増幅反応および生物発光アッセイの構成成分が安定である温度範囲内の1つ以上の温度で行われる、請求項23或いは請求項24に記載の方法。
  27. 工程ii)の核酸増幅反応を高い温度で開始し、引き続いて低い温度に下げる、請求項26に記載の方法。
  28. 医療診断で用いるための、請求項1ないし27いずれか1項に記載の方法。
  29. 病原体が試料中に存在するかどうかを決定する場合に用いるための、請求項1ないし27いずれか1項に記載の方法。
  30. 特定の核酸配列が生物の遺伝コード中に存在するかどうかを決定するための、請求項1ないし27いずれか1項に記載の方法。
  31. 鋳型核酸を生成させる核酸が遺伝的に修飾されているかどうかを決定するための、請求項30に記載の方法。
  32. 生物が試料中に存在するかどうかを決定するための、請求項1ないし27いずれか1項に記載の方法。
  33. 免疫−核酸増幅技法(immuno-nucleic acid amplification technology)で用いるための、請求項1ないし27いずれか1項に記載の方法。
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