JP2002306180A - 核酸塩基配列解析法および核酸塩基配列解析試薬キットおよび核酸塩基配列解析装置 - Google Patents

核酸塩基配列解析法および核酸塩基配列解析試薬キットおよび核酸塩基配列解析装置

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JP2002306180A
JP2002306180A JP2001117232A JP2001117232A JP2002306180A JP 2002306180 A JP2002306180 A JP 2002306180A JP 2001117232 A JP2001117232 A JP 2001117232A JP 2001117232 A JP2001117232 A JP 2001117232A JP 2002306180 A JP2002306180 A JP 2002306180A
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triphosphate
primer
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dna
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Yuki Wakabayashi
由記 若林
Hideki Kanbara
秀記 神原
Kokuka Shu
国華 周
Masao Kamahori
政男 釜堀
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Hitachi Ltd
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6869Methods for sequencing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNAの塩基変異(SNPs)を検出する核
酸塩基配列解析析法および試薬キットおよび核酸塩基配
列解析装置を提供する。 【解決手段】 相補鎖伸長反応および化学発光反応に使
用する各試薬を、ピロフォスファターゼ、Apyras
eにより前処理する。化学発光反応を妨害する不純物の
PPiをピロフォスファターゼで分解し、不純物のAT
PをApyraseで分解する。前処理された試薬を使
用して相補鎖伸長反応および化学発光反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸塩基配列の解
析方法、これに用いる試薬キットおよびこの解析方法を
実施するための解析装置に関し、特に、DNAに相補鎖
結合したプライマーの伸長鎖の形成時に生じるピロリン
酸(PPi:Pyrophosphoric acid)を化学発光反応に
より検出すことにより核酸塩基配列を解析する方法、こ
れに用いる試薬キットおよびこの解析方法を実施するた
めの解析装置に関する。より詳細には、DNA塩基配列
の決定方法、1塩基変異(SNPs:Single Nucleotid
e Polymorphisms)の検出方法、1塩基変異の発現頻度
の計測方法およびこの解析方法を実施するための解析装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のゲノム解析の進展に伴い、DNA
情報を医療等に幅広く利用しようとする動きが活発であ
る。特に、ゲノムに存在する特定配列の有無の検査や特
定の配列に存在するSNPsの検出が重要な課題となっ
ている。ヒトゲノムに見られるSNPsは1000塩基
に1つあると推定されているので、ヒトゲノムには30
0万個から1000万個のSNPsが存在すると考えら
れている。これらのSNPsは、各人の個性や医薬品に
対する感受性等と関連しており、最近、SNPsの分析
が注目を集めている。
【0003】SNPsの分析では、分析1:SNPsを
検出するための分析および塩基配列中に頻繁に発現する
位置の分析、分析2:得られたSNPsデータベースの
内で、医療分野で重要なSNPsデータがどれであるか
調べるための分析、分析3:医療分野で重要なSNPs
を用いて個人毎の診断や治療の指針を得るための分析、
等がある。
【0004】現在、各国で分析1のSNPs探索が、D
NAシーケンシングやSSCP(single strand confor
mation polymorphism analysis)を用いて実行されてい
る。また、分析3では、最近、疾患遺伝子の同定法に於
いてSNPs解析による体系的な遺伝子マッピングを行
なう方法が議論に上っており、よりスループットの高
い、より確実なSNPsタイピング方法(変異の在るで
あろう位置での変異の有無を調べる方法)の開発が必須
と考えられ、現段階でも種々の分析法が提案されてい
る。
【0005】例えば、(1)特定の塩基配列に特異的に
ハイブリダイズするジェノタイピングプライマー(Geno
typing primer)を標的(ターゲット)DNAにハイブ
リダイズさせて相補鎖伸長反応を行ない、変異の有無に
より生じた相補鎖伸長反応生成物をゲル電気泳動で分析
するSNP−ARMS(Amplification refractory mut
ation system)法、(2)プライマーを標的DNAにハ
イブリダイズさせて1塩基だけ相補鎖伸長反応を行な
い、相補鎖伸長反応生成物を質量分析するMALDI−
TOF/MS法(Matrix Assisted Laser Desorption I
onization-Time of Flight/Mass Spectroscopy)、
(3)DNAプローブがミューテーションの期待される
位置で酵素切断されるように工夫し、酵素による分解物
を蛍光標識して高感度に分析するTaqman PCR
法、(4)Taqman PCR法に於いて2種類の非
蛍光標識オリゴを用いるインベーダー(Invade
r)法(The Scientist 13、16(1999))、(5)環状1
本鎖DNAの生成の有無に基づく増幅反応によりSNP
sの存在を調べるRCA(Rolling circle amplificati
on)法、(6)標的DNAにプライマーをハイブリダイ
ズさせ、相補鎖伸長反応で生成するピロリン酸をアデノ
シン5’−三リン酸に変換して、アデノシン5’−三リ
ン酸をルシフェリン等の発光試薬と反応させ生成する発
光の強度を計測して、プライマーの隣接部位から、順
次、塩基配列を決定して行くピロシーケンシング(pyro
sequencing)法(Anal. Biochemistry 280、103-110(200
0))等がある。これら各方法については、「ポストシー
ケンスのゲノム科学(1)SNP遺伝子多型の戦略」
(中村祐輔編集、pp.93-pp.149(2000年)、中山書店、東
京)に詳述されている。
【0006】なお、被検核酸の各塩基に相補的な塩基が
被検核酸の塩基とハイブリダイズし、プライマーの一方
向の伸長反応に伴って、n個の塩基伸長により遊離する
n個のピロリン酸を、発光反応により観察する記載があ
る(特開平07−203998号公報)。また、試料中
に存在するピロリン酸をピロフォスファターゼ等により
予め酵素的に分解除去する記載がある(特開平08−0
00299号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の分析2では、膨
大なDNA試料について、膨大な部位のSNPsを調べ
ることが必要である。例えば、ある病気のグループに属
する多数の患者のSNPs分析と、コントロール(対
照)としての多数の正常な人のSNPs分析とを、膨大
な回数行ない、両結果を比較検討して注目するSNPs
が医療的に意味のあるSNPsである否かを調べていく
必要がある。そのために、ランニングコストが安く、非
常にスループットの高い装置システムの開発が必要であ
るという問題がある。
【0008】また、患者の特性毎に分類した多数のDN
A試料を混合してSNPsを検出して変異の起こる確率
を調べ、この確率と病気または医薬品に対する感受性と
の相関等を調べる必要がある。このために、定量分析の
精度の高い分析方法が必要であるが、現在、このような
方法は存在しない。
【0009】従来技術の中で、低ランニングコストでか
つ高スループットな装置になり得る手法はピロシーケン
シング法である。ピロシーケンシング法は、高圧電源、
レーザ光源、蛍光色素、高価な質量分析装置等を必要と
せず、小型化・低コスト化が容易である。ピロシーケン
シング法では、不純物、不純物による望まない化学変化
により生成するピロリン酸(以下、PPiという)、使
用する試薬キットに不純物として含まれるPPi、アデ
ノシン5’−三リン酸、(adenocine 5’-triphosphat
e)(以下ATPという)等による検出限界があるとい
う問題がある。特に、DNAポリメラーゼを用いた相補
鎖伸長反応の基質であるデオキシヌクレオチド(核酸基
質、dNTPs:N=A、C、G、T)に含まれるPP
iにより、伸長した核酸基質の検出限界があるという問
題がある。
【0010】本発明の目的は、ランニングコストが安
く、定量精度に優れ、検出限界の向上による高感度検
出、スループットの高いSNPs分析を可能とする核酸
塩基配列の解析方法、これに用いる試薬キットおよびこ
の解析方法を実施するための解析装置を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピロシーケン
シング法に適用される核酸塩基配列解析析法、試薬キッ
トおよびこの解析方法を実施するための解析装置であ
る。また、本発明は、SNPs発現頻度分析法(BAM
PER法:Bioluminescence of Artificial Mismatch P
rimer Extension Reaction)(特願2000−3005
77)に適用される核酸塩基配列解析析法、試薬キット
およびこの解析方法を実施するための解析装置である。
【0012】BAMPER法では、プライマーの3’末
端から2塩基目、または、3塩基目の塩基が、標的核酸
(1本鎖DNA試料)の塩基と相補的でない塩基に人為
的に置換された人工ミスマッチプライマーが使用され
る。人為的に置換された塩基は、標的核酸に相補鎖結合
した人工ミスマッチプライマーの伸長反応を進行させた
り、進行させなかったりする確実なスイッチング特性を
与えている。
【0013】BAMPER法では、相補鎖伸長を連続し
て数百塩基行ない、PPiを大量に生成して、化学発光
反応により生じる発光を検出するので、高い検出感度が
得られ、微量の1本鎖DNA試料への適用、変異の検出
への適用が可能である。ピロシーケンシング法と同様
に、BAMPER法でも、使用する試薬に不純物として
含まれるPPiやATPが検出限界を決めている。
【0014】本発明の核酸塩基配列解析析法では、DN
Aプライマーの伸長反応に使用される試薬、および、ピ
ロシーケンシング法に使用される試薬に含まれるPPi
をピロフォスファターゼ(Pyrophosphatase、以下、P
Paseという)を用いて分解する前処理、または/お
よび、上記の試薬に含まれるATPをアピラーゼを用い
て分解する前処理が実行される。本発明の核酸塩基配列
解析析法は、核酸の塩基配列を解析する方法、核酸塩基
の多型を解析する方法、核酸塩基の多型の発現頻度を解
析する方法に適用できる。
【0015】本発明の試薬キットは、PPase、およ
び/または、アピラーゼを含んでおり、試薬に不純物と
して含まれるPPiやATPを効率よく分解しているの
で、高感度検出、定量精度の向上が実現できる。また、
低ランニングコスト、高スループットが実現できる。
【0016】SNPs分析では遺伝子変異(ミューテー
ション)の有無を調べれば良いので、本発明では、DN
AのSNPs部位に特異的にハイブリダイズし、ミュー
テーションの有無によって相補鎖伸長反応を制御し得る
プライマーを用いて、このプライマーの伸長反応により
生じたPPiを、ルシフェラーゼを使用する化学発光反
応により高感度検出する。試料DNAに注目するミュー
テーションが存在すると、連続する伸長鎖の形成に伴う
化学発光を検出できる。
【0017】変異のないワイルドタイプDNAと変異の
あるミュータントDNAの各々に特異的なプライマーを
用意してSNPs分析を行なうと、ミュータントとワイ
ルドタイプの存在量を別々に知ることができるので、混
合試料を用いてもミュータントとワイルドタイプの存在
比等を調べることができる。
【0018】BAMPER法に本発明を適用する場合に
は、相補鎖伸長反応により連続してプライマーの伸長反
応を行ない、多数のPPiを発生させて化学発光反応を
行なうので、ピロシーケンシング法より2桁以上の高感
度が得られる。
【0019】本発明の実施の形態を列挙すると以下のよ
うである。
【0020】(1)本発明の核酸塩基配列解析方法で
は、標的核酸(DNAまたはRNA)に相補鎖結合した
DNAプライマーの伸長反応に使用される試薬に含まれ
るPPiをPPaseを用いて分解する前処理、または
/および、試薬に含まれるATPをアピラーゼ(Apyras
e)を用いて分解する前処理が実行される。前処理の後
に、PPase、または/および、アピラーゼを取り除
く処理を行うが、PPase、または/および、アピラ
ーゼは、例えば、担体に固定されており、担体はビー
ズ、磁気ビーズ等からなり、PPase、または/およ
び、アピラーゼの各試薬溶液への添加、各試薬溶液から
の取り出しが容易である。前処理が実行され、且つ前処
理後のPPase、または/および、アピラーゼを取り
除く処理が終わった後に、伸長反応を行なわせ、これに
より生成されるPPiによる化学発光が検出される。
【0021】(2)本発明の核酸塩基配列解析方法は、
少なくとも1種類のデオキシヌクレオチド(dNTP、
N=A、C、G、T)をその種類毎に含む溶液のそれぞ
れに、または、少なくとも1種類のデオキシヌクレオチ
ドの類似体を含む少なくとも1種類のデオキシヌクレオ
チドをその種類毎に含む溶液のそれぞれに、(a)PP
aseを添加して、それぞれの溶液に含まれるPPiを
分解する前処理、または/および、(b)アピラーゼを
添加して、それぞれの溶液に含まれるATPを分解する
前処理が実行される。(1)の場合と同様に、前処理の
後に、PPase、または/および、アピラーゼを取り
除く処理を行う。
【0022】DNAプライマー、DNAポリメラーゼお
よび前処理された少なくとも1つの溶液を用いて、標的
核酸(DNAまたはRNA)に相補鎖結合したDNAプ
ライマーが伸長反応により伸長される。伸長反応により
生じたPPiが、アデノシン−5’−ホスホ硫酸(Aden
ocine-5’-phosphosulfate、以下APSという)および
ATPスルフリラーゼ(ATP sulfurylase)の存在下
で、ATPに変換され、次いで、ATP、発光酵素(例
えば、ルシフェラーゼ:luciferase)、発光基質(例え
ば、ルシフェリン:luciferin)を含む化学発光反応に
より発光し、これによる発光が検出される。
【0023】この例では、プライマーの3’末端の塩基
が、標的核酸の1塩基多型部位の3’末端側の1つ手前
の塩基に相補的である。また、DNAプライマーの3’
末端から2塩基目、または、3塩基目の塩基が標的核酸
の塩基配列と相補的でない塩基に置換されている。
【0024】(3)本発明の核酸塩基配列解析方法は、
デオキシアデノシン5'−α−チオ−三リン酸もしく
は、デオキシアデノシン5'−α−チオ−トリフォスフ
ェイト(deoxy adenosine 5’-triphosphate αS-sulp
hate,以下dATPαSという)を含む溶液、デオキシ
チミジン5’−三リン酸(deoxy thiamine 5’-triphos
phate,以下dTTPという)を含む溶液、デオキグア
ノシン5’−三リン酸(deoxy guanosine 5’-triphosp
hate,以下dGTPという)を含む溶液、デオキシシチ
ジン5’−三リン酸(deoxy cytidine 5’-triphosphat
e,以下dCTPという)を含む溶液のそれぞれに、
(a)PPaseを添加して、溶液のそれぞれに含まれ
るPPiを分解する前処理、または/および、(b)ア
ピラーゼを添加して、溶液のそれぞれに含まれるATP
を分解する前処理が実行される。前処理の後、(1)の
場合と同様に、溶液のそれぞれの中のPPaseまたは
およびアピラーゼを除去する。
【0025】DNAプライマー、DNAポリメラーゼお
よび前処理された少なくとも1つの溶液を用いて、標的
核酸(DNAまたはRNA)に相補鎖結合したDNAプ
ライマーが伸長反応により伸長される。伸長反応により
生じたPPiが、APSおよびATPスルフリラーゼの
存在下で、ATPに変換され、ATP、ルシフェラー
ゼ、ルシフェリンを含む化学発光反応により発光し、こ
れによる発光が検出される。
【0026】(4)本発明の核酸塩基配列解析方法は、
dATPαS、dTTP、dGTP、dCTPを含む溶
液に、(a)PPaseを添加して、溶液に含まれるP
Piを分解する前処理、または/および、(b)アピラ
ーゼを添加して、溶液に含まれるATPを分解する前処
理が実行される。(1)の場合と同様に、前処理の後
に、PPase、または/および、アピラーゼを取り除
く処理を行う。
【0027】DNAプライマー、DNAポリメラーゼお
よび前処理された溶液を用いて、標的核酸(DNAまた
はRNA)に相補鎖結合したDNAプライマーが伸長反
応により伸長され、伸長反応により生じたPPiが、A
PSおよびATPスルフリラーゼの存在下で、ATPに
変換され、ATP、ルシフェラーゼ、ルシフェリンを含
む化学発光反応により発光し、これによる発光が検出さ
れる。
【0028】この例では、DNAプライマーの3’末端
から2塩基目、または、3塩基目の塩基が標的核酸の塩
基配列と相補的でない塩基に置換されている。伸長反応
による伸長鎖を5’末端から、5’→3’エクソヌクレ
アーゼ反応で分解し、DNAプライマーを標的核酸に繰
り返し相補鎖結合させて伸長反応を行ない、化学発光反
応により生じた発光が検出される。
【0029】(5)本発明の核酸塩基配列解析方法は、
デオキシアデノシン5’−三リン酸(deoxy adenosine
5’-triphosphate,以下dATPという)、dTTP、
dGTP、dCTPを含む溶液に、(a)PPaseを
添加して、溶液に含まれるPPiを分解する前処理、ま
たは/および、(b)アピラーゼを添加して、溶液に含
まれるATPを分解する前処理が実行される。(1)の
場合と同様に、前処理の後に、PPase、または/お
よび、アピラーゼを取り除く処理を行う。
【0030】DNAプライマー、DNAポリメラーゼお
よび前処理された溶液を用いて、標的核酸(DNAまた
はRNA)に相補鎖結合したDNAプライマーの伸長反
応が実行され、これにより生成されるPPiによる化学
発光が検出される。
【0031】この例の場合、dATP、dTTP、dG
TP、dCTPの何れかの代りに類似体を使用できる。
【0032】この例では、DNAプライマーの3’末端
から2塩基目、または、3塩基目の塩基が標的核酸の塩
基配列と相補的でない塩基に置換されている。伸長反応
による伸長鎖を5’末端から、5’→3’エクソヌクレ
アーゼ反応で分解し、DNAプライマーを標的核酸に繰
り返し相補鎖結合させて伸長反応を行ない、化学発光反
応により生じた発光が検出される。
【0033】(6)本発明の核酸塩基配列解析方法は、
dATP、dTTP、dGTP、dCTPを含む溶液
に、(a)PPaseを添加して、溶液に含まれるPP
iを分解する前処理、または/および、(b)アピラー
ゼを添加して、溶液に含まれるATPを分解するが実行
される。(1)の場合と同様に、前処理の後に、PPa
se、または/および、アピラーゼを取り除く処理を行
う。
【0034】この例では、相補鎖伸長能力を有し5塩基
長から8塩基長の範囲の第1のオリゴマーと、標的核酸
(DNAまたはRNA)に相補鎖結合し相補鎖伸長能力
のない第2のオリゴマーとを直列に標的核酸に相補鎖結
合させ、DNAポリメラーゼ、前処理された溶液を用い
て、第1のオリゴマーの伸長反応を行なう。伸長反応に
より生じるPPiが化学発光反応により検出される。
【0035】この例の場合、dATP、dTTP、dG
TP、dCTPの何れかの代りに類似体を使用できる。
第1のオリゴマーの3’末端から2塩基目、または、3
塩基目の塩基が標的核酸の特定の領域の塩基配列と相補
的でない塩基に置換されている。
【0036】上述の(1)−(6)の実施形態において
は、全ての場合に前処理の後に、PPase、または/
および、アピラーゼを取り除く処理を行うものとして説
明したが、これに代えて、PPase、または/およ
び、アピラーゼを失活させる薬剤を加えても良い。さら
には、具体例を後で示すように、PPase、または/
および、アピラーゼが少量なら残っていても特に支障が
無いので、前処理のために加える量によっては、前処理
の後にPPase、または/および、アピラーゼを取り
除く処理を省略しても良い。
【0037】(7)本発明の試薬キットは、少なくとも
1種類のデオキシヌクレオチド(dNTP、N=A、
C、G、T)をその種類毎に含む溶液のそれぞれに、ま
たは、少なくとも1種類のデオキシヌクレオチドの類似
体を含む少なくとも1種類のデオキシヌクレオチドをそ
の種類毎に含む溶液のそれぞれに、PPaseを有す
る。
【0038】(8)本発明の試薬キットは、少なくとも
1種類のデオキシヌクレオチド(dNTP、N=A、
C、G、T)をその種類毎に含む溶液のそれぞれに、ま
たは、少なくとも1種類のデオキシヌクレオチドの類似
体を含む少なくとも1種類のデオキシヌクレオチドをそ
の種類毎に含む溶液のそれぞれに、PPaseを有す
る。試薬キットにDNAポリメラーゼを含む溶液を加え
ても良い。
【0039】(9)本発明の試薬キットは、dATPα
S、dTTP、dGTP、dCTP、PPaseを有す
る。PPaseは担体に固定されている。
【0040】(10)本発明の試薬キットは、dAT
P、dTTP、dGTP、dCTP、および、PPas
eまたは/およびアピラーゼを有する。dATP、dT
TP、dGTP、dCTPの何れかの代りに類似体を使
用できる。
【0041】なお、(7)から(10)の本発明の試薬
キットは、標的核酸に相補鎖結合したDNAプライマー
の伸長反応により生じたPPiが、化学発光反応により
生じる発光により検出される核酸塩基配列解析方法に使
用される。
【0042】(11)本発明の試薬キットは、DNAポ
リメラーゼ、DNAプライマー、APS、ATPスルフ
リラーゼ、発光酵素、発光基質、アピラーゼの少なくと
も1つ、および、PPaseを有し、標的核酸に相補鎖
結合したDNAプライマーの伸長反応により生じたPP
iがATPに変換され、ATP、発光酵素、発光基質を
含む化学発光反応により生じた発光が検出される核酸塩
基配列解析方法に使用される。PPase、または/お
よび、アピラーゼは担体に固定されている。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図を参照
して詳細に説明する。
【0044】(実施例1)実施例1では、DNA試料
(標的(ターゲット)DNA)にハイブリダイズしたプ
ライマーを伸長させ、伸長に応じて生成する多量のPP
iを化学発光反応により検出する。化学発光反応を用い
た検出は、本来、非常に高感度であるが、試薬に含まれ
る種々の不純物が発光源となり、ノイズを含むものとな
ることも多い。高感度計測では、これら不純物を分解し
試薬から除去することが重要である。高感度計測を達成
することで、微量の試薬と試料で分析を実行できるので
安価な検査システムが実現する。種々の検討からノイズ
となる不要発光の原因は、使用する試薬dNTP(N=
A、C、G、T)に含まれるPPiや、ポリメラーゼ等
の酵素に含まれるATPであることが判明した。従っ
て、予め、使用する試薬に含まれる不純物であるAT
P、PPiを分解し試薬から除去した後に化学発光反応
を行ない、発光を測定することが重要となる。
【0045】図1は、本発明の実施例1に於ける相補鎖
伸長により生成するPPiを化学発光反応により検出す
る核酸塩基配列解析方法での、ノイズを低減するための
試料溶液調整法を説明するフロー図である。核酸(DN
A、RNA)の試料溶液調整法では、DNA試料の基に
なる血液101からDNA102(2本鎖DNA)を抽
出する。DNA102の必要な領域部分をPCR103
等で増幅して試料として用いる。増幅後、磁気ビーズ等
を用いて1本鎖DNA104とする。1本鎖DNA10
4を含む溶液には、増幅反応で用いたdNTPsや増幅
反応で生じたPPiが除去しきれずに含まれていること
がある。そこで、アピラーゼ(Apyrase)105
およびPPase106の酵素を1本鎖DNA104を
含む溶液に加えて、溶液に残存するdNTPsやPPi
を分解する前処理を行なう。Apyrase105およ
びPPase106の酵素は、以後の計測では妨害にな
るので溶液からから取り除く(107)。Apyras
e105およびPPase106の酵素が取り除かれ
た、1本鎖DNA104を含む溶液に、プライマー11
7を加え、1本鎖DNA104とプライマー117とが
混合され、1本鎖DNA104にプライマー117がハ
イブリダイズしたDNA試料溶液118を得る。
【0046】相補鎖伸長反応および化学発光反応に用い
る混合溶液108は、伸長酵素、硫酸還元酵素、発光基
質、発光酵素、酵素安定化剤、酵素活性化剤等を含む試
薬キットであり、混合溶液108に含まれるATP、P
Piがノイズの原因となるので、Apyrase105
およびPPase106の酵素で処理して、溶液108
に含まれるATPやPPiを分解する前処理を行なう。
この場合、これらの内、伸長酵素および硫酸還元酵素は
相対的にノイズの原因となるATP、PPiを多く含む
ので、これらを他のものと分けて、これらのみに対して
前処理を行なうものとしても良い。また、相補鎖伸長反
応のための核酸基質を含む溶液109も、核酸基質(d
NTPs)の熱分解等で生じたPPiを多く含み、ノイ
ズの要因となる。従って、核酸基質を含む溶液109に
対してもApyrase105およびPPase106
の酵素で処理して、溶液109に含まれるPPiを分解
する前処理を行なう。前処理で使用したApyrase
105およびPPase106の酵素は、以後の計測で
は妨害になるので、DNA試料溶液の作成時と同様に、
溶液108、109からから取り除く(107)。この
前処理がなされた溶液110、111を、DNA塩基配
列解析に用いる。
【0047】1本鎖DNA104にハイブリダイズした
プライマー117を含む溶液118、試薬キットである
溶液108をApyrase105およびPPase1
06の酵素で処理した溶液110、核酸基質を含む溶液
109をApyrase105およびPPase106
の酵素で処理した溶液111を混合して、伸長反応11
2を行なう。プライマー117の伸長により生じるPP
iを、化学発光反応による発光113として検出する
(114)。
【0048】図2は、本発明の実施例1に於ける、プラ
イマーの1塩基伸長により生じるPPiを化学発光反応
により検出する原理を説明する図である。1本鎖DNA
試料201をタイタープレート等に入れて分析するが、
一度に種々の試料をタイタープレートの各ウェルに入
れ、同時に分析するのが通例である。タイタープレート
のウエルに、1本鎖DNA試料201、プライマー20
2、核酸基質であるdNTPs203、DNAポリメラ
ーゼ204、APS(Adenosine 5’-phosphosulfate)
207、ATPスルフリラーゼ(ATP sulfuryrase)
208、ルシフェリン(luciferin)212、ルシフェ
ラーゼ(luciferase)214等を加える。
【0049】図2(A)は、1本鎖DNA201にハイ
ブリダイズしたプライマー202が1塩基伸長し、PP
i205が生成する化学反応を示す。図2(B)は、図
2(A)に示す化学反応で生成したPPi205(図2
(B)では参照符号206とした)が、ATPスルフリ
ラーゼ208の作用でAPS207と反応し、ATP2
09と硫酸イオン210を生成する化学反応を示す。図
2(C)は、図2(B)に示す化学反応で生成したAT
P209(図2(C)では参照符号211とした)が、
ルシフェリン212と酸素213とルシフェラーゼ21
4の存在下で反応し、5’−アデニル酸(Adenosine
5’-monophosphate、以下AMPという)215、PP
i216、オキシルシフェリン217、二酸化炭素21
8、1個の光子(hν)219を生ずる化学反応を示
す。
【0050】ルシフェリン212はルシフェラーゼ21
4の存在下で酸素分子213によって酸化される時の自
由エネルギーで励起され、可視光を発して基底状態に戻
る。1分子のルシフェリン212の酸化によって1個の
光子(hν)219が化学発光として放出される。この
化学発光の光量を測定することにより、dNTPs20
3がDNA鎖に取り込まれ相補鎖が伸長していることを
知ることができる。
【0051】図2(C)に示す化学反応で生成したPP
i216は、図2(B)に示す化学反応におけるPPi
206として、再度、APS207と反応し、ATP2
09を生成する。この結果、図2(C)に示す化学反応
が起こり、光子(hν)219を生ずる。即ち、図2
(A)に示す化学反応により、DNA鎖への1個の核酸
基質の取り込みにより1分子のPPi205が生成され
た結果、図2(B)、図2(C)に示す化学反応が繰り
返し起こることとなり、光子219を放出する反応が繰
り返される。その結果、1つの核酸基質の取り込みで多
数の光子が放出される。図2に示す化学発光反応は光源
を必要とせず、基本的にノイズが無く高感度の信号が得
られる。
【0052】先に説明したように、図2に示す化学発光
反応で使用する各種の試薬に不純物として含まれるAT
PやPPiは、ノイズの原因となる。実施例1では、図
1で説明したように、各種の試薬、反応溶液の前処理を
行なう。
【0053】図3は、本発明の実施例1に於ける、試薬
(相補鎖伸長反応および化学発光反応に必要な試薬の混
合溶液108、dNTPsを含む溶液109)およびD
NA試料104に含まれる不純物の分解を、固相または
膜を用いて、PPaseおよび/またはApyrase
により行なう前処理法の例およびそのための前処理装置
の例を模式的に説明する図である。
【0054】図3(A)に示す前処理の例では、前処理
を施していない試薬108、109またはDNA試料1
04を含む溶液303を収納する容器350に、Apy
rase301が固定されたビーズ等の担体311を含
む試薬キット、PPase302が固定されたビーズ等
の担体312を含む試薬キットを添加して、試薬10
8、109またはDNA試料118を含む溶液303に
含まれる不純物を分解して除去する。
【0055】不純物のATP305はAMP309、無
機リン酸(以下Piという)310に分解される。不純
物のdNTP304はデオキシヌクレオチド1リン酸
(dNMP)308、Pi310に分解される。不純物
のPPi306はPi310に分解される。この後、容
器350から、担体311、312を除去することによ
り、前処理が完了する。
【0056】なお、上記の例では、Apyrase30
1が固定された担体311を含む試薬キット、PPas
e302が固定された担体312を含む試薬キットを使
用したが、Apyrase301およびPPase30
2が固定された担体を含む試薬キットを使用しても良
い。
【0057】また、前処理後に、容器350から、担体
31、312を除去するのに代えて、容器350にAp
yraseの阻害剤およびPPaseの阻害剤を添加し
ても良い。
【0058】図3(B)に示す前処理の例では、試薬1
08、109またはDNA試料104を含む溶液303
を反応容器や試料容器に供給する細管360の内部また
はピペット先端部の内壁部の固相表面313に、Apy
rase301、PPase302を固定しておき、前
処理を施していない試薬108、109またはDNA試
料118を含む溶液303を細管の内部に流入させて、
細管の内部を試薬108、109またはDNA試料10
4を含む溶液303が流下する過程で、図3(A)と同
様の前処理を行なわせて、試薬108、109またはD
NA試料104を含む溶液303に含まれる不純物を分
解し、前処理済みの溶液307を反応容器や試料容器に
供給する。ここで言う細管は、いわゆるキャピラリーで
あり、溶液303の配送路に配送路の太さ分だけの太い
束にして配置されるものとすれば良い。
【0059】なお、固相表面313に、Apyrase
301、PPase302を固定したが、何れか一方を
固定しても良い。
【0060】図3(C)に示す前処理の例では、少なく
とも1種類のdNTPあるいはその類似体を含む前処理
を施していない試薬109を含む溶液303を収納する
容器370に、Apyrase301、PPase30
2を添加して、図3(A)と同様の前処理を行ない、試
薬109を含む溶液303に含まれる不純物PPiおよ
びATPの分解を行なった後に、分子量選択透過膜(フ
イルタ)314を用いて、前処理済みの溶液307を回
収する。dNTPsの平均分子量は約570なので、N
WML(Nominal molecular weight limit in Dalton
s)=10,000の膜を用いれば、PPase(MW
=70,000)およびApyrase(MW=50,
000)と完全に分離することができる。なお、前処理
を施していない試薬108、109またはDNA試料1
04を含む溶液303を収納する容器350に、Apy
rase301、PPase302を添加したが、何れ
か一方を添加しても良い。
【0061】なお、図3では、前処理を施していない試
薬108、109またはDNA試料104を含む溶液3
03に対する前処理について説明したが、dNTPsの
類似体、プライマー、APS、ATPスルフリラーゼ、
ルシフェリン、ルシフェラーゼ等の図2で説明した化学
反応を進めるための試薬についても、同様に前処理を行
うものとすることができるのは言うまでもない。
【0062】実施例1では、PPaseおよびdATP
αS(dATP類似体)(deoxy adenosine 5’-tripho
sphate α-sulphate)を含む試薬キット、PPaseお
よびdTTP(deoxy thiamine 5’-triphosphate)を
含む試薬キット、PPaseおよびdGTP(deoxy gu
anosine 5’-triphosphate)を含む試薬キット、PPa
seおよびdCTP(deoxy cytidine 5’-triphosphat
e)を含む試薬キットの4種のキットを使用する。これら
4種のキットでPPaseは、ビーズ等の担体に固定さ
れていても良い。
【0063】図4は、本発明の実施例1に於ける、PP
aseによる前処理の有無によるノイズ信号の比較例を
示す図である。本発明で使用する試薬の中では、4種の
dNTPs(図1:109、図2:203)が熱分解等
によりPPiを生成するので、最も大きなノイズ信号源
となる。試薬の購入先、製造方法、ロット、保管条件の
違い等により、4種のdNTPsまたはそれらの類似体
に不純物として含まれるPPiの量は異なる。
【0064】図4に示す結果例は、次の条件下で得られ
た。dATPαSは1社から購入した2ロット、dGT
Pは3社から購入した4ロット、dTTPは2社から購
入した各1ロット、dCTPは3社から購入した4ロッ
トの各ロットを、PPaseによるPPiの分解を行な
う前処理の有無の2通りについてそれぞれプライマーの
伸長が起こらない条件下で、図2(B),(C)に示す
化学発光反応で検出されたノイズとなる発光信号強度の
平均値を示す。図4の縦軸は、検出されたノイズ信号の
最大値を1.0とする規格化をしている。
【0065】図4の結果に示すように、試薬に含まれる
PPiの量が異なっていても、PPiはPPaseで殆
ど分解されて、ノイズ発光信号強度は十分無視できる程
度の強度になる。特に、dCTPの場合には、ノイズ信
号強度はPPaseで前処理のなされる前の約80分の
1である。
【0066】図5は、本発明の実施例1に於けるPPa
seによる前処理によるノイズ信号のdCTPの濃度依
存性の例を示す図である。使用するdNTPsの濃度に
伴い、不純物として含まれるPPiの量は変化するが、
濃度4nMから濃度260nMの範囲で、PPaseに
よる前処理により、不純物として含まれるPPiを無視
できる程度に分解できることがわかる。図5の中の小さ
いグラフは、原点近傍のデータを拡大して示すグラフで
ある。図では、実際の計測結果はもっと少ないものであ
ったが、分かりやすくするために、前処理の結果のノイ
ズ信号をやや誇張して表示した。
【0067】図4、図5に示す結果から、PPaseが
含まれる試薬キットの使用により、不純物のPPiに起
因するノイズ信号を実用上無視できる程度に分解できる
ことが示された。
【0068】本発明で使用される試薬キットは、混合溶
液108に含まれる個々の試薬(酵素、基質、安定化
剤、活性化剤等)に、Apyrase、および/また
は、PPaseが付加され、あるいは、これらが固定さ
れた担体が添加されたものとして構成される。
【0069】以上説明したように、ノイズ信号の発生の
原因となる不純物ATPおよび/またはPPiの分解に
より、非常な高感度が達成される。例えば、200塩基
の相補鎖伸長を伴うDNA鎖の検出では、300fmo
lの検出が可能であった。
【0070】図6は、本発明の実施例1に於ける、ピロ
シーケンシングを実行する核酸塩基配列解析装置の構成
例を示す模式図である。図6に示すように、ピロシーケ
ンシング法では、相補鎖伸長反応に際し、dATPα
S、dTTP、dGTP、dCTPの4種類の基質を1
種類ずつ、順次、反応槽601の反応溶液に注入する。
注入された基質が相補鎖伸長反応に使用されるとPPi
が生じて発光を生じる。その発光量はフォトセンサー6
02で検出され、増幅器603で増幅され、電流電圧変
換後、測定系の外部からのノイズを除くためにローパス
フィルター604を通してデータ処理装置605に取り
込み、データ処理して表示、保存される。相補鎖伸長反
応により1種の塩基(基質)がDNA鎖に取り込まれる
毎に、発光量の検出が繰り返される。
【0071】発光量の検出を行なう反応溶液に残存する
dNTPsは、次に加えられる核酸基質(塩基)が取り
込まれるか否かを調べるのに大きな影響を与える。そこ
で、dNTPsやATPを分解するApyraseを反
応溶液に加えておき、一定時間後(10秒程度以内)
に、加えたdNTPsやATPが全て分解するようにす
ると、ATPは、ルシフェラーゼの化学発光反応(図2
(C))、およびApyraseによる分解反応(図
3)で競合して消費される。
【0072】ピロシーケンシング法では、1種の塩基の
伸長により生成したPPiを化学発光反応により順次検
出するが、反応溶液にApyraseを存在させて発光
の持続時間を短縮させ、シーケンシングのスループット
を向上させている(Science281、363-364(1998))。
【0073】図7は、本発明の実施例1に於ける、ピロ
シーケンシング法による伸長鎖の検出例を説明する図で
ある。プライマー702が結合した1本鎖DNA試料7
01を含む反応溶液に、順次、核酸基質dNTPsを加
えて化学発光反応による発光の有無を調べる。図7に示
す例では、最初に、dATPαS703を添加するが、
この場合、基質Aと標的DNA鎖は相補的でなく、相補
鎖伸長反応は起こらない。よって核酸基質がDNA鎖に
取り込まれないのでPPiは生成せず、発光は生じな
い。反応溶液に存在するdATPαS703は、反応溶
液に存在するApyraseにより分解される。次に添
加されたdCTP704も標的DNA鎖に相補的でなく
伸長反応が起きないので、dATPαS703と同様
に、Apyraseにより分解される。dTTP705
が反応溶液に添加された場合は、標的DNA鎖と相補的
で、伸長鎖706が形成され、PPi707が生成し、
発光708が生じる。残存するdTTP705はApy
raseにより分解される。dGTP709が反応溶液
に添加された場合には、伸長鎖が形成されず、dGTP
709はApyraseにより分解される。次にdAT
PαS710が添加されると伸長鎖711が形成され、
PPi712が生成し発光713が生じる。
【0074】核酸基質(dATPαS、dCTP、dG
TP、dTTP)を含む試薬には不純物としてPPiが
含まれており、ノイズ信号の原因となる。本発明では、
ピロシーケンシング法の実施に先立って、使用される全
ての試薬に、予めPPase、またはPPaseが固定
された担体を添加して、各試薬に不純物として含まれる
PPiを分解する。また、dNTP以外の各試薬には、
予めApyrase、またはApyraseが固定され
た担体を添加して、各試薬に不純物として含まれるAT
Pを分解しておく。
【0075】あるいは、本発明のピロシーケンシング法
の実施に於いては、PPase、またはPPaseが固
定された担体が添加された試薬キットを使用する。ピロ
シーケンシング法で使用される全ての試薬の各々に、P
Pase、またはPPaseが固定された担体が添加さ
れた試薬キットが提供される。また、dNTPs以外の
試薬の各々に、Apyrase、またはApyrase
が固定された担体が添加された試薬キットが提供され
る。
【0076】なお、図2に示す、4種類の核酸基質(d
NTPs)203の少なくとも1種類、例えば、dAT
Pの代りに、その類似体dATPαSを使用することも
できる。
【0077】本発明の試薬キットの使用により、試薬に
含まれる不純物PPi、ATPを分解するので、測定感
度が向上し、測定の信頼性の向上が図れる。
【0078】(実施例2)実施例2はSNPs分析に関
する。SNPs分析では、各DNA試料の変異型(ミュ
ータント)の有無を調べるタイピングに加え、混合ゲノ
ム試料に含まれる特定の変異の存在率や発現頻度(Freq
uency)測定が重要である。SNPsは、核酸の1塩基
変異であり、人の集団に数%の発現頻度で存在する。1
塩基変異を詳細に調べると、例えば、偏頭痛を持ってい
る人に高発現頻度で現れる変異、たばこを吸うことで癌
になり易い人が高い発現頻度で持っている変異等が見つ
かってくる。
【0079】このように種々の病気や対薬品感受性と関
連したSNPsは、医療診断に重要であり、探索がなさ
れている。しかし、膨大な数のSNPsについて非常に
多数の人々の試料を個々に測定することは手間がかか
り、効率は良くない。
【0080】そこで、多数の人々のDNAを混合(pool
ed sampleと呼ばれる)し、含まれる変異の存在率を調
べる方法が注目され始めている。ヒトDNAに於ける変
異の平均存在率は5%程度であり、変異の発現頻度が病
気または対薬品感受性と関連する率は、1−2%であ
る。つまり、平均5%の変異と6%の変異を区別できる
計測が必要となる。しかし、平均5%の変異と6%の変
異を区別できる計測方法、装置は、まだ実現されておら
ず、重要な課題となっている。この課題に対しても、本
発明の方法、試薬キットは有効である。
【0081】図8は、本発明の実施例2に於ける、プラ
イマー伸長法によるSNPs発現頻度の計測方法の例の
原理を説明する模式図である。プライマー伸長法による
SNPs発現頻度分析法(出願番号2000−3005
77)ついて、以下に説明する。
【0082】図8(A)に示すように、まず、1本鎖D
NA試料801の1つの変異部位に、プライマーの3’
末端803がSNPsのある塩基部位に一致するように
プライマー804を用意する。プライマー804の末端
塩基が1本鎖DNA試料801と相補的な場合のみ相補
鎖伸長806が起き、大量のPPi807が生じ大量の
発光808が生成する。一方、図8(B)に示すよう
に、1本鎖DNA試料802がプライマー804の3’
末端塩基805と相補でない場合には相補鎖伸長が起こ
らない809か、起こっても僅かである。そのため、生
じるPPi810も僅かで発光811も僅かである。
【0083】このようにプライマーの3’末端の塩基種
を変えることで、相補鎖伸長反応を起こしたり、起こさ
なかったりするスイッチの役目を持たせることができる
(文献:Kwok、 S., et al. Nucleic Acids Res, 1990,1
8,999-1005. Huang, M. M.,Arnheim, N., Goodman, M.
R.、 Nucleic Acids Res, 1992,20,4567-73)。
【0084】また、変異部位の検出のために、ワイルド
タイプのDNA試料に相補的なプライマーとミュータン
トのDNA試料に相補的なプライマーの2つを用意する
ことにより、検出精度を向上できる。ピロシーケンシン
グ法が1種の塩基伸長のみで生成したPPiに基づく発
光を検出するのに対して、プライマー伸長法による方法
では、多数塩基伸長(長い相補鎖の形成)により生成す
る多数のPPiに基づく化学発光反応を行なうので、発
光量が2桁以上大きく、更に、化学発光反応が持続する
ので非常に高感度な検出が期待できる。
【0085】更に、高感度化を達成させるためには、プ
ライマーと1本鎖DNA試料とが相補でない場合に僅か
に起こるミスマッチによる伸長反応を抑える必要があ
る。プライマーの3’末端から3塩基目を人為的に1本
鎖DNA試料と相補でない核酸塩基となるように設計し
た人工ミスマッチプライマーを使用することにより、相
補鎖伸長反応を起こしたり、起こさなかったりするスイ
ッチング特性をより確実にしたSNPs発現頻度分析法
(BAMPER法)がある。
【0086】BAMPER法では、相補鎖伸長を連続し
て数百塩基行ない、PPiを大量に生成して化学発光反
応により生じる発光を検出するので高い検出感度が得ら
れ、微量の1本鎖DNA試料への適用、変異の検出への
適用が可能であるという利点がある。図2に示す、4種
類の核酸基質(dNTPs)203の少なくとも1種類
を類似体に置換することもできる。例えば、dATPの
代りにdATPαSを使用する。
【0087】図2(B),(C)に示すサイクル反応に
より発光が持続するので、タイタープレートでの反応を
発光の測定系の外部で行ない、発光の測定時に測定系に
入れても良い。このようにすると、タイタープレートに
保持された96試料または38試料からの化学発光の計
測を1分以内に行なうことができ、多数のタイタープレ
ートを、順次、短時間に計測でき非常に高い測定スルー
プットを実現できる。例えば、1分間毎に96試料に関
する化学発光の計測を行ない、1日当たり10時間測定
すると仮定すると、1日に約6万試料の測定が行える。
【0088】図9は、本発明の実施例2に於ける、人工
ミスマッチプライマーを用いたプライマー伸長法による
SNPs発現頻度の高感度な計測方法(BAMPER
法)の例の原理を説明する図である。
【0089】まず、PCRまたは特異的なDNAプロー
ブをDNA試料とハイブリダイズさせて相補鎖伸長反応
により調整された1本鎖DNA試料901を準備する。
この1本鎖DNA試料901は、図9(A)に示すよう
に、1本鎖DNA試料901に核酸塩基906で示す塩
基Cが1つのSNPsとして存在するように調整され
る。
【0090】次いで、人工ミスマッチプライマー905
を用意する。このプライマー905は3’末端903の
塩基GがDNA試料901の核酸塩基906と相補であ
り、3’末端から3つ目の核酸塩基904がDNA試料
901と相補でない塩基Aとされる。プライマー905
のその他の配列はDNA試料901の配列に相補となる
ようにされる。
【0091】このように準備された1本鎖DNA試料9
01と人工ミスマッチプライマー905とは、図9
(A)に示すように、人工ミスマッチプライマー905
の3’末端の塩基Gが1本鎖DNA試料901の塩基C
906と相補であり、相補鎖伸長907が進み、大量の
PPi908が生じて発光909が生じる。これによ
り、1本鎖DNA試料901に1つのSNPsが存在す
ることが確認される。
【0092】一方、1本鎖DNA試料901を準備した
のと同様の手法で、1本鎖DNA試料902を準備す
る。この1本鎖DNA試料902は、図9(B)に示す
ように、1本鎖DNA試料901の1つのSNPsがあ
った部位(塩基c906)には、これに代わる塩基A9
10が存在するように調整される。
【0093】1本鎖DNA試料902と人工ミスマッチ
プライマー905とをハイブリダイズさせようとする
と、図9(B)に示すように、プライマー905の3’
末端の塩基Gが1本鎖DNA試料902の部位910に
ある塩基Aと相補でないから、プライマー905の3’
末端911がほぼ完全に1本鎖DNA902から離れ
る。そのため、相補鎖伸長は起こらず、図9(A)に示
したようなPPiは殆ど生成せず、殆ど発光は生じな
い。
【0094】このように、人工ミスマッチププライマー
905の3’末端から2〜3塩基目の塩基種は相補鎖伸
長反応の進行にはあまりに影響を与えないが、人工ミス
マッチププライマー905の3’末端の塩基911が1
本鎖DNA試料902の塩基910と相補でない場合に
は、人工ミスマッチププライマー905の3’末端がほ
ぼ完全に1本鎖DNA試料から離れ、ミスマッチによる
相補鎖伸長反応が殆ど進行しない状態となる。このた
め、SNPsの有無の検出が非常に明確となり、検出感
度が向上する。
【0095】図10に、本発明の実施例2に於ける人工
ミスマッチプライマーおよび5’→3’エクソヌクレア
ーゼを用いたプライマー伸長法によるSNPs発現頻度
の高感度な計測方法の例の原理を説明する図を示す。こ
の例は、伸長相補鎖を酵素切断して、繰り返し相補鎖伸
長反応を行なうことにより、非常に多くの分子数のピロ
リン酸を生成して検出感度を向上させるものである(特
願2000−300577参照)。
【0096】まず、最上段に示すように、5’末端をビ
ーズ等の固体担体1501に固定した標的1本鎖DNA
1502とプライマー117をDNAポリメラーゼとと
もに反応溶液中におく。その結果、図9(A)で説明し
たのと同様に、プライマー117の伸長相補鎖806が
形成されるとともにPPi808が生成される。ただ
し、この実施例では、プライマー117の相補鎖806
の伸長段階では発光に関する酵素類は反応溶液に入れな
い。
【0097】次いで、所定の相補鎖806の伸長が進ん
だ段階で相補鎖伸長反応は終了し、プライマー117の
伸長相補鎖806により形成された相補鎖1006とタ
ーゲットDNA1502による2本鎖のDNAが形成さ
れる。この状態で、反応溶液中に、相補鎖を酵素切断す
るためのエキソヌクレアーゼを投入する。この結果、形
成された相補鎖1006は、エキソヌクレアーゼ反応に
より、1つずつヌクレオチドに分解され、最終的に標的
1本鎖DNA1502が再生される。
【0098】相補鎖を酵素切断するエキソヌクレアーゼ
について説明しておくと、エキソヌクレアーゼにはDN
A鎖の5’末端から3’末端へ1つずつヌクレオチドを
分解していく5’→3’エキソヌクレアーゼと、DNA
鎖の3’末端から分解していく3’→5’エキソヌクレ
アーゼがある。プライマーの3’末端のマッチ、ミスマ
ッチを相補鎖合成の有無の検出に利用する場合には、
3’→5’エキソヌクレアーゼは都合が悪い。プライマ
ーのミスマッチ部分が削り取られ、正常DNAと変異を
持つDNAとの差が区別できなくなるからである。5’
→3’エキソヌクレアーゼは、2本鎖DNAの5’末端
からDNA鎖を分解するが、ターゲットDNA1502
の5’末端をビーズ等の固体担体1501に固定した
り、5’末端を修飾して、5’→3’エキソヌクレアー
ゼによりターゲットDNAが分解を受けないようにして
おく。3’末端のミスマッチによる変異の識別を行なう
場合には、5’→3’エキソヌクレアーゼが適してい
る。
【0099】反応溶液中に余剰に存在するプライマー1
17はこのターゲットDNA1502に、再び、ハイブ
リダイズして、プライマー117の伸長相補鎖1006
が再度形成される。これにより新たにPPi808が生
成される。
【0100】プライマー117の伸長相補鎖806の形
成により、伸張塩基数に応じたn分子のPPi808が
生成され、伸長相補鎖806の形成、相補鎖1006の
5’→3’エキソヌクレアーゼ反応による分解の繰り返
しをm回行なうものとすると、合計m回の伸長相補鎖8
06の形成により、(m×n)分子のPPi1010が
生成されることになる。
【0101】(m×n)分子のPPi1010が生成さ
れた後に、発光に関する酵素類を反応溶液中に投入する
と、PPi1010はATPに変換され、ATPはルシ
フェリンを酸化しPPiを新たに生成する。新たに生成
するPPiは、ATPスルフリラーゼの働きで、再び、
ATPとなりルシフェリンと反応する。従って、m=1
0とすれば、1回のPPi生成は1つのDNA相補鎖を
作るときに約1000個放出され、これが10回繰り返
されるので、発光量はピロシーケンシングなどに比べて
10000倍となる。
【0102】この例でも、図9(B)のように、ターゲ
ットDNA1502にプライマー117をハイブリダイ
ズさせたとき、プライマー117の3’末端のミスマッ
チがあるときは相補鎖伸長反応は進行しない。プライマ
ー117の3’末端の近傍に、必要に応じて人工的にミ
スマッチができるように配列を工夫する等により、正確
にミューテーションを調べることができる。
【0103】しかし、図8で説明したプライマー伸長
法、図9および図10で説明したBAMPER法の何れ
の方法に於いても、使用する試薬に不純物としてATP
やPPiが含まれており、ノイズ信号の原因となってい
る。本発明では、図8、図9に示すSNPs発現頻度の
分析法に於いてノイズ信号を激減させ、更に検出感度の
向上を可能とする。
【0104】実施例1と同様に、図8、図9に示すSN
Ps発現頻度の分析の実施に先立って、使用される全て
の試薬に予め、PPase、またはPPaseが固定さ
れた担体を添加して、各試薬に不純物として含まれるP
Piを分解する。また、dNTP以外の各試薬に予め、
Apyrase、またはApyraseが固定された担
体を添加して、各試薬に不純物として含まれるATPを
分解しておく。
【0105】あるいは、図8、図9および図10に示す
SNPs発現頻度の分析の実施に於いては、PPas
e、またはPPaseが固定された担体が添加された試
薬キットを使用する。図8、図9および図10に示すS
NPs発現頻度の分析の実施に於いて、使用される全て
の試薬の各々に、PPase、またはPPaseが固定
された担体が添加された試薬キットが提供される。ま
た、dNTP以外の試薬の各々に、Apyrase、ま
たはApyraseが固定された担体が添加された試薬
キットが提供される。
【0106】本発明の試薬キットの使用により、試薬に
含まれる不純物PPi、ATPを分解するので、検出感
度が向上し、検出の信頼性の向上が図れる。
【0107】ところで、ピロシーケンシング法では、反
応溶液にApyraseを加え、過剰のdNTPを速や
かに分解して、次の反応の邪魔にならないようにしてい
る。この場合、ApyraseはATPも分解するの
で、ATPは、ルシフェラーゼの化学発光反応(図3
(C))、およびApyraseによる分解反応(図
3)で競合して消費される。従って、化学発光反応によ
り生じる発光の強度はApyraseを入れない時に比
較すると数〜数十%になっている。
【0108】このピロシーケンシング法の反応を利用し
て塩基配列決定またはSNPs検出を行なう場合には、
DNA試料は0.2pmol程度必要となる。
【0109】本発明ではBAMPER法に於いて、PP
aseを固定した担体、Apyraseを固定した担体
を用いて、不純物を分解した後に、PPaseを固定し
た担体、Apyraseを固定した担体を反応溶液から
取り出すことにより、相補鎖伸長に伴い放出されたPP
iによって生じたATPを無駄なくルシフェリン等の発
光基質と反応させることを可能とし、高い検出感度が得
られる。
【0110】図11は、本発明の実施例2に於ける、人
工ミスマッチプライマーを用いたプライマー伸長法(B
AMPER法)によるSNPs検出での、PPaseに
よる前処理の効果の一例を示す図である。即ち、本発明
の試薬キット使用の有無による、BAMPER法に基づ
くSNPs発現頻度分析の結果例について説明する。
【0111】試料として、配列番号1)の配列をもつ、
M13mp18の一部の1本鎖DNAを使用した。使用
した試料量は0.5fmolである。配列中、下線を付
した塩基がSNPs部位である。3’末端がSNPs部
位と一致する(相補鎖が伸長する)人工ミスマッチプラ
イマーとして配列番号2)の配列をもつプライマーを、
3’末端がSNPs部位と一致しない(相補鎖が伸長し
ない)人工ミスマッチプライマーとして配列番号3)の
配列をもつプライマーを、それぞれ、使用した。なお、
配列番号1)、配列番号2)、配列番号3)の配列に於
いて、大文字で示す塩基がミスマッチ部位である。 acaggaaaca gctatgacca tga
ttacgaa ttcgagctcg gtaccc
gggg atcctctaga gtcgacctg
c aggcatgcaa gcttggcat G
gccgtcgtt ttaca :(配列番号1) tgtaaaacga cggcGag :(配列番号
2) tgtaaaacga cggcGat :(配列番号
3) 図11に、伸張が無い条件での本発明による前処理を実
行しない場合の発光強度を「前処理無」で示し、本発明
のPPaseおよびApyraseを含む試薬キットを
用いて、BAMPER法の実施に先立って、BAMPE
R法で使用する各試薬に対して、不純物を分解する前処
理を実行した場合の発光強度を「前処理有」で対比して
示したように、「前処理無」はノイズ信号としての発光
強度が非常に高く、DNA試料が微量の場合にはSNP
s部位の有無による信号を分離できないのに対して、
「前処理有」ではノイズ信号としての発光強度は微小で
ある。
【0112】図11には、さらに、伸張が無い条件での
データをコントロールとして、SNPsが存在するにD
NA試料に対して、本発明のPPaseおよびApyr
aseを含む試薬キットを用いて、BAMPER法を実
施して解析したときの伸張による発光強度を「前処理
有」として示した。「前処理有」における相補鎖の伸長
の有無に対応する発光強度を比較すれば、本発明の効果
は明確に理解できる。
【0113】図12は、本発明の実施例2に於ける、人
工ミスマッチプライマーを用いたプライマー伸長法によ
るSNPs検出とピロシーケンシング法によるSNPs
検出の感度の比較例を示す図である。即ち、本発明のP
PaseおよびApyraseを含む試薬キットにより
前処理した各試薬を用いた場合の、ピロシーケンシング
法(Anal Biochemistry 280、103〜110(2000))とBAM
PER法によるSNPs検出の結果の一例について、以
下説明する。
【0114】試料として、図11の結果を得た分析と同
じ配列番号1の配列をもつ、M13mp18の一部の1
本鎖DNAを使用した。使用した試料量は、ピロシーケ
ンシング法では0.5fmol、150.0fmolで
あり、BAMPER法では0.5fmolである。プラ
イマーとして、ピロシーケンシング法では配列番号4の
配列をもつ通常のプライマーを、BAMPER法では図
11の結果を得た分析と同じ配列番号2の配列をもつ人
工ミスマッチプライマーを用いた。なお、配列番号4の
配列に於いて、大文字で示す塩基がミスマッチ部位であ
る。 tgtaaaacga cggcCag :(配列番号
4) BAMPER法に本発明を適用した場合に得られる発光
の信号強度は、従来のピロシーケンシング法により得ら
れる発光の信号強度と比較して非常に高い。使用した試
料量が0.5fmolである場合、ピロシーケンシング
法では、発光は検出できなかった。S/B(伸長鎖の形
成に基づく信号/伸長鎖が形成されない場合のノイズ信
号)が、BAMPER法で約13、ピロシーケンシング
法で約14であるとき、それぞれの方法で得られる発光
の信号強度比、即ち検出感度比は、およそ、2000:
1である。
【0115】このように、BAMPER法によるSNP
s検出法に於いて本発明の前処理を適用した各試薬の使
用により、従来のピロシーケンシング法に比べて2桁〜
3桁以上の高感度な検出が可能となる。従来のピロシー
ケンシング法、または通常のゲル電気泳動に基づくシー
ケンシングでは、pmolオーダーの試料が必要である
が、本発明を適用したBAMPER法に必要な1本鎖D
NA試料の量は、50amol以下と非常に少ない。
【0116】BAMPER法に於いてSNPs部位を検
出するための、ワイルドタイプの1本鎖DNA試料に相
補的なプライマーと、ミューテーションのある1本鎖D
NA(ミュータント)試料に相補的なプライマーの2つ
を用意して、発現頻度分析を実行できる。
【0117】図13は、本発明の実施例2に於ける従来
のプライマーおよび人工ミスマッチプライマーをそれぞ
れ用いたSNPs発現頻度の測定での求めるべき発光強
度、擬陽性の発光強度の比較例を示す図である。ここで
は、1本鎖DNA試料としてp53遺伝子の一部を用い
た場合のSNPsの検出結果例について説明する。
【0118】ワイルドタイプの1本鎖DNAは配列番号
5の配列をもつ。ワイルドタイプの1本鎖DNAに相補
的なプライマーはprimer−Aであり、配列番号6
の配列をもつ。ミュータントの1本鎖DNAは配列番号
7の配列をもつ。ミュータントの1本鎖DNAに相補的
なプライマーはprimer−Tであり、配列番号8の
配列をもつ。本来、発光を生じないはずの通常のプライ
マー2種を、配列番号9の配列をもつprimer−
C、配列番号10の配列をもつprimer−Gとす
る。なお、配列番号6から配列番号11の配列に於い
て、大文字で示す塩基がミスマッチ部位である。 ctttcttgcg gagattctct tcc
tctgtgc gccggtctct cccagg
acag gcacA aacacgcacctcaa
agctgt tccgt cccagtagat t
acca :(配列番号5) aacagctttg aggtgcgtgA tt
:(配列番号6) ctttcttgcg gagattctct tcc
tctgtgc gccggtctct cccagg
acag gcacTaacac gcacctcaa
a gctgttccgt cccagtagat t
acca :(配列番号7) aacagctttg aggtgcgtgA ta
:(配列番号8) aacagctttg aggtgcgtgA tg:
(配列番号9) aacagctttg aggtgcgtgA tc:
(配列番号10) 図13(A)に示すように、本発明の前処理を実行しな
かった場合または本発明のPPase、Apyrase
を含む試薬キットを用いないで、且つ、通常のプライマ
ーを使用した場合には、本来、発光しないはずのプライ
マーPrimer−C、primer−Gを用いたとき
ですら、不純物による反応または擬似的なDNA鎖への
核酸基質の取り込みにより生じる擬陽性の発光(擬陽性
発光)1201がある。
【0119】しかし、図13(B)に示すように、本発
明の前処理を実行し、または、本発明のPPase、A
pyraseを含む試薬キットを用い、プライマーの
3’末端から3塩基目に人為的にDNA試料の塩基と相
補でない核酸塩基が導入された人工ミスマッチプライマ
ーを用いたBAMPER法では、擬陽性発光1202の
発生を殆ど抑制できる。この結果、高感度検出が可能と
なる。
【0120】試料がワイルドタイプとミュータントの2
種のDNAを含んでいる場合、各々に相補的な2種のプ
ライマーPおよびPを用いる相補鎖伸長反応で生成
するPPiによる化学発光の強度IおよびIは、ワ
イルドおよびミュータントDNAの存在率A、A
比例する。即ち、2つの化学発光反応での発光の測定に
より、IとIを計測して相対強度I/(I+I
)、およびI/(I+I)を求めると、ワイル
ドおよびミュータントの試料中の存在率A、およびA
を知ることができる。この存在率の測定は、使用する
各試薬に含まれる不純物に起因する化学発光等に影響を
受ける。しかし、図13に示すように、本発明の試薬キ
ットの使用により、不純物に起因する化学発光が低減さ
れているため、高い精度で存在率を計測できる。
【0121】本発明の実施例2に於けるp53遺伝子お
よび人工ミスマッチプライマーを用いたSNPs発現頻
度の分析結果例を表1に示す。
【0122】
【表1】
【0123】図14は、本発明の実施例2に於ける人工
ミスマッチプライマーを用いたBAMPER法によるS
NPs発現頻度の分析結果例をグラフで示す図である。
発現頻度の平均値は、0.6%以下の誤差で存在率(S
NP allele frequency)に一致し、1%以下の誤差で
存在率が決定できる。
【0124】単純にタイピング(試料がワイルドタイ
プ、ミュータント、あるいは、ワイルドタイプとミュー
タントのヘテロ体であるか否かを決めるタイピング)を
行なう場合は非常に簡単であり、ほぼ100%の正確さ
でタイピングを実行できる。
【0125】(実施例3)実施例3は1種類の試料DN
Aに複数の1塩基変異(SNPs)部があり、複数の1
塩基変異部を同一反応槽で順次分析する例である。
【0126】図15は、本発明の実施例3に於ける同一
DNAまたは複数のDNAに存在する複数SNPsを同
一の反応槽で測定する方法の例を示す図である。実施例
3では、実施例2と同様に、BAMPER法で使用する
人工ミスマッチプライマーを使用する。DNA試料は、
血液からDNAを抽出した後、必要な配列領域をPCR
等で増幅し、または特異的なDNAプローブ(SNPs
検出に使用するプライマーとは異なる)をDNAにハイ
ブリダイズさせて相補鎖伸長反応により調整する。
【0127】アビジンコートを施した磁気ビーズ等の担
体を用いて1本鎖DNAを調整する場合には、ビオチン
標識プライマーを用いて行うのが一般的である。その
際、調整したDNA試料溶液には増幅反応で用いたdN
TPsや増幅反応で生じたPPiが含まれるので、これ
らをApyraseやPPase等の酵素により分解す
ることで、化学発光反応に於けるノイズ信号を著しく低
下させる。これら酵素が発光の計測を妨害する場合に
は、図3に示す方法、装置を用いて、反応溶液から分離
して計測系外へ取り除く。
【0128】1本鎖DNA試料1502に、複数のSN
Ps部位a1503、SNPs部位b1504、SNP
s部位c1505が存在するとき、同一DNAを用いて
これらを分析することもできる。たとえば、標的1本鎖
DNA試料1502の3’末端をビーズなどの担体15
01に固定し、まず、1本鎖DNA試料1502とプラ
イマーの3’末端がSNPs部位b1504に一致する
第1のプライマー1506を、1本鎖DNA試料150
2にハイブリダイズさせる。
【0129】第1のプライマー1506の3’末端塩基
がDNA試料1502のSNPs部位b1504の塩基
と相補的な場合のみ相補鎖伸長1507が形成され、大
量のPPi1508が生じ、化学発光反応により大量に
発光する。第1のプライマーの3’末端塩基が1本鎖D
NA試料1502の塩基と相補でない場合には、相補鎖
伸長が起こらないので発光しない。この発光の有無によ
り、ミューテーションの有無を判定する。
【0130】第1のプライマー1506による発光の測
定終了後、各試薬を洗い流し洗浄する。伸長して1本鎖
DNA試料に結合した相補鎖は、溶液の温度を上昇させ
て解離させたり、液性をアルカリ性にしたり、あるい
は、図10で説明したように、5’→3’エクソヌクリ
アーゼ反応により分解させて、1本鎖DNA試料を溶液
内に再生させる。
【0131】次に、1本鎖DNA試料1502とプライ
マーの3’末端塩基がSNPs部位a1503に一致す
る第2のプライマー1509をハイブリダイズさせ、伸
長反応を行ない化学発光反応により生じる発光を測定す
る。1本鎖DNA試料1502による発光の測定終了
後、上記と同様にして、1本鎖DNA試料のみを溶液に
残す。
【0132】さらに、同様にして、1本鎖DNA試料1
502と第3のプライマー1510をハイブリダイズさ
せ、伸長反応を行ない化学発光反応により生じる発光を
測定する。以下、同様の操作を、順次、繰り返す。
【0133】また、PPaseがPPiは分解するがd
NTPsは分解しないことを利用して、最初に第1のプ
ライマーにより形成される伸長鎖を除去せずに、異なる
SNPs部位を、順次、検出することも可能である。こ
の場合は、図3に説明した方法、装置を用いて、必要に
応じて、PPaseを反応溶液に導入したり、反応系の
外部へ取り出したりする。この場合、第2、第3のプラ
イマーの結合部位は同一のDNA鎖の上にあっても、異
なるDNA鎖上であっても良いが、同一DNA鎖上にあ
る場合には、第2のプライマーの方が第1のプライマー
よりもDNA鎖の3’末端寄りにすることで、第1のプ
ライマーにより形成されたDNA相補鎖を取り除きなが
ら、相補鎖伸長が進行する様にできる。
【0134】このように、PPaseを用いることによ
り、バックグランドを低減し、高感度で1本鎖DNA試
料のSNPs部位を検出できる。また、一度生成したP
Piを、洗浄または分解により除去することで、同一の
試料DNAを相補鎖伸長反応の鋳型(標的)として繰り
返し使用できるので、1つのDNA試料で種々のSNP
s部位を調べることができる。従って、試料調製の手間
が省け、効率の良い分析ができる。実施例3では、1種
のDNAのみを用いて説明したが、複数種のDNA試料
を同時に用いても、同様にして容易に分析できる。
【0135】上述の洗浄の実行を省略して測定すること
もできる。この場合、発光を検出した後、反応系を計測
部から取り出して、PPaseによりPPiが十分に分
解されるまで、数分間放置するか、PPaseを多量に
加えてPPiが速やかに分解されるようにし、発光の持
続時間が短くなるようにして計測上問題が無い様にす
る。この測定では、発光強度が十分弱くなってから第2
のプライマーを入れて相補鎖伸長反応を行なう。反応溶
液には、dNTPsおよびDNAポリメラーゼが存在す
るので、相補鎖伸長は支障無く行われる。再び、多量の
PPiが生成し、化学発光反応により発光が生ずるの
で、計測部に反応系を導入して、化学発光を計測するこ
とになる。
【0136】以上、本発明における核酸塩基配列解析方
法の実施例においてPPaseおよびApyraseで
あらかじめ処理した試薬溶液を用いる有用性を示した。
PPase、Apyrase等の酵素は作用温度内で活
性を表すが、使用試薬にPPase処理を施す場合、そ
の添加量(濃度)は十分に夾雑PPiを分解し、且つ信
号検出に影響しない範囲で設定されていることが重要で
ある。一方、適切な範囲で添加量が設定されていれば、
PPaseが残存していても本来の計測に支障はない。
【0137】図16は、本発明の実施例1に於ける、ピ
ロシーケンシング法における添加されたPPaseの残
存量の違いに基づく信号強度の比較を示す図である。信
号測定は表2に示す条件とした。
【0138】
【表2】
【0139】試料には配列番号11に示すp53の一部
の1本鎖DNAを用いた。 gtggtaatct actgggacgg aac
agctttg aggtgcgtgt ttgtgc
ctgt cctgggagag acc (配列番号
11) プライマーは試料DNAと完全に相補的な配列番号12
の配列を持つ伸長プライマーを用い、試料DNA中に下
線を施した3塩基tttの信号強度を比較した。 ggtctctccc aggacaggca (配列
番号12) 図16においては、伸張が無い条件でのPPase処理
を施した場合のノイズ信号(a)をコントロールとし伸
張があるときの発光強度信号(b)を、残存量をパラメ
ータして比較して示したものである。
【0140】本測定では、伸長が起こる条件で観測され
る信号(S)強度がノイズ信号(N)の1.25倍以上
であれば(S/N=1.25)、伸長に基づく発光によ
る信号として検出できる。図から分かるように、0.2
U/LのPPase(1601)であらかじめ反応溶液
を処理すれば核酸の塩基配列解析は行える。しかし、ま
だノイズ信号のレベルは高く、高感度検出は出来ない。
ノイズ信号が観測されなくなるまで十分量のPPase
を作用させた方が良い。ところが、たとえば、5.0U
/LのPPase(1603)であらかじめ反応溶液を
処理すると、ノイズ信号はほぼ観測されなくなるが、同
時に伸長に基づく信号も減少する。これはPPiの分解
速度が速まり、伸長に基づいて放出されたPPiを発光
反応前に分解してしまうからで、結果として、核酸試料
は相補鎖伸長しているにも関わらず発光は検出されにく
くなり、この場合も高感度検出は出来ない。図には示さ
なかったが、残存量が20U/L以上となるほどPPa
seを添加すると発光信号は全く検出されなかった。た
とえば、5.0U/LのPPase処理を施し、これを
完全に除去した後に発光測定を行なう方法(1604)
が最も良好なS/Nを与え、高感度検出を可能にするこ
とが分かる。しかし、計測に必要十分な分解能でのS/
Nを持つという点では、0.8U/LのPPase(1
602)を添加したのみの場合と大きな違いはない。
【0141】このことは、本発明では、事前のPPas
e処理は不可欠であり、最適な添加量を選択すれば、除
去しなくても、また、大過剰のPPaseで処理して
も、伸張、測定に先んじてこれを除去すれば、十分にノ
イズ信号を減少させ、かつ、十分な強度の発光強度信号
を得ることができることを意味している。これにより高
感度検出が可能になる。
【0142】ApyraseはdNTPsおよびその類
似体を含む溶液以外の試薬溶液に加えるが、これについ
ても同じことが言える。
【0143】図17に、本発明のPPaseおよびAp
yraseを用いた反応試薬の処理工程を有する核酸塩
基配列自動解析装置の一例を示す。(A)は全体の構成
図を、(B)−(D)は試薬から夾雑のPPiあるいは
ATPを除去するための除去部の具体例を示す。図の実
施例によれば、多数の試料を同時に解析すること、試薬
注入、試料注入、検出などの測定に要する諸操作のオン
ライン自動化により、核酸塩基配列解析のスループット
を向上させることが可能となる。図において、1801
は数μL以下の容積の反応槽であり、1802は解析チ
ップである。反応槽1801は解析チップ1802上に
同心円上に多数配列される。解析チップ1802の形状
は本例のようにCD型でもスクエアシート型でも良い。
1803は試薬ディスペンサーであり、プライマー、相
補鎖伸長反応に必要な諸試薬、発光反応に必要な諸試薬
を反応槽1801に供給する。1805は試薬から夾雑
のPPiあるいはATPを除去するための除去部であ
る。
【0144】すなわち、本発明では、測定に先行して、
試薬をPPaseあるいはApyraseで処理するわ
けであるが、試薬ディスペンサー1803から試料に試
薬を供給する前段階に、試薬から夾雑のPPiあるいは
ATPを除去するための除去部1805を配置する。
(B)に示す除去部1805は、フィルター1806と
フィルターホルダー1807からなる例である。ビーズ
等の固体に固定したPPaseあるいはApyrase
が入れてある試薬を用いる場合には、これらはフィルタ
ー1806により試薬から除去される。フィルター18
06の素材はポリスチレンなどの高分子シートでも多孔
質ガラスでも良いが、φ1〜2cm、孔径φ0.2〜
1.4μm程度のものを用い、ここに酵素固定のφ3μ
m程度のビーズを含む溶液を流速2mL/分程度で流
す。フィルタホルダーの大きさは処理する試薬量により
適宜選べ、全長が1〜5cm程度である。ここで、図3
(c)に説明したように、フイルターの代わりにNWM
L=10,000程度の分子量選択透過膜を用いれば、
PPase分子、Apyrase分子を直接除去するこ
ともできる。(C)に示す除去部1805は、内部にP
Pase固定のビーズ1808およびApyrase固
定のビーズ1809を詰めたカラム1810とした例で
ある。測定条件に応じて未処理の試薬を用意した場合に
も溶液がカラム1810を通過する過程で処理が施さ
れ、夾雑PPiおよび夾雑ATPは測定前に自動的に除
去される。(D)に示す除去部1805は、カラム内部
に直接成長させた多孔質1811に直接PPaseやA
pyraseが固定されているカラム1812とした例
である。カラム1812にはポリスチレン、溶融シリ
カ、ガラスなどを素材とする粒径φ3μm程度のビーズ
を詰める。カラム全体の体積は5〜10mL程度とし、
流速は処理したい溶液に合わせて適宜選択し、作用時間
を調節する。例えば体積10mLのカラムを用い、カラ
ム中の全PPase量を30mU程度(U:活性単位、
ユニット)にしておけば、0.5mL/分程度の流速で
試薬溶液を通過させれば夾雑PPiを分解・除去するの
に十分である。なお、除去部1805は、いずれの場合
でも、フィルターホルダー1807を備えて、その中を
フィルターあるいはカラムを着脱・交換するものとする
のが便利である。
【0145】試薬溶液の送液は、いずれにおいても、シ
リンジや圧電素子を用いて直接液体を押し出し(ポンピ
ング)ても、圧縮ガスを介して間接的に押しても良い。
あるいはディスペンサー1803側を負圧にして引いて
も良い。
【0146】本実施例では、(1)異なる複数の核酸試
料の塩基配列解析、(2)異なる複数の核酸試料のある
特定個所の一塩基多型部の解析、あるいは(3)一種の
核酸試料における複数の一塩基多型部などを同時に解析
することができる。(1)の場合は個々の反応槽に核酸
試料を入れておき、1種のプライマー、相補鎖伸長反応
に必要な諸試薬、発光反応に必要な諸試薬をから同時に
供給し、4種の核酸基質(dNTP:N=A、T、G、
C)あるいはその類似体は順次供給する。(2)の場合
には4種の核酸基質の混合溶液を試薬ディスペンサー1
803から同時に供給する。(3)の場合は個々の反応
槽に同一の核酸試料を入れておき、複数種のプライマー
を順次加えても、個々の反応槽に各々異なる核酸試料を
入れておき複数種のプライマーを順次加えても良い。い
ずれの場合も個々の反応槽からの相補鎖伸長に伴う生物
発光をフォトセンサー1804で検出することで核酸塩
基の配列解析を行う。
【0147】
【発明の効果】本発明の核酸塩基配列解析析法および試
薬キットおよび核酸塩基配列解析装置によれば、高感度
で短時間にDNA試料のSNPsの有無を検出できる。
また、本発明の前処理、または試薬キットを使用して、
本発明の核酸塩基配列解析方法で使用される試薬に含ま
れる不純物、または核酸基質が熱分解して生成する無機
ピロリン酸(PPi)等の不純物を分解し除去して、S
NPsの存在比の測定を、高い信頼度、高い精度で実行
可能にする。更に、本発明の核酸塩基配列解析方法で
は、短時間で多数の試料を測定できる、高速高スループ
ットのDNA検査システムを実現できる。
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> HITACHI, LTD. <120> Method of DNA Sequencing, Reagent Kit for DNA Sequencing and Appar atus for DNA Sequencing <130> NT01P0333 <160> 12 <210> 1 <211> 105 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template DNA originating from M13mp18 <400> 1 acaggaaaca gctatgacca tgattacgaa ttcgagctcg gtacccgggg atcctctaga 60 gtcgacctgc aggcatgcaa gcttggcact ggccgtcgtt ttaca 105 <210> 2 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer complementary with base sequence between 88 and 105 of SEQ ID NO:1, but the base replaced C at 15 of this DNA primer by G for i ntroducing a mismatch between DNA primer and template DNA, and DNA prime r being able to be extended <400> 2 tgtaaaacga cggcgag 17 <210> 3 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA primer complementary with base sequence between 88 and 105 of SEQ ID NO:1, but the base replaced C at 15 of this DNA primer by G for i ntroducing a mismatch between DNA primer and template DNA, and DNA prime r being not able to be extended <400> 3 tgtaaaacga cggcgat 17 <210> 4 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA primer complementary with base sequence between 88 and 105 of SEQ ID NO:1, and DNA primer being able to be extended <400> 4 tgtaaaacga cggccag 17 <210> 5 <211> 95 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template DNA originating from p53 and including base sequence of e xon 8 <400> 5 ctttcttgcg gagattctct tcctctgtgc gccggtctct cccaggacag gcacaaacac 60 gcacctcaaa gctgttccgt cccagtagat tacca 95 <210> 6 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer complementary with base sequence between 55 and 76 of S EQ ID NO:5, but the base replaced T at 19 of this DNA primer by A for i ntroducing a mismatch between DNA primer and template DNA, and DNA prime r being able to be extended <400> 6 aacagctttg aggtgcgtga tt 22 <210> 7 <211> 95 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template DNA originating from p53 and including base sequence of e xon 8, but the base replaced A at 55 of this template DNA by T <400> 7 ctttcttgcg gagattctct tcctctgtgc gccggtctct cccaggacag gcactaacac 60 gcacctcaaa gctgttccgt cccagtagat tacca 95 <210> 8 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer complementary with base sequence between 55 and 76 of S EQ ID NO:7, but the base replaced T at 19 of this DNA primer by A for in troducing a mismatch between DNA primer and template DNA, and DNA primer being able to be extended <400> 8 aacagctttg aggtgcgtga ta 22 <210> 9 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer complementary with base sequence between 55 and 76 of S EQ ID NO:5 and 7, but the base replaced T at 19 of this DNA primer by A for introducing a mismatch between DNA primer and template DNA, and this DNA primer being not able to be extended <400> 9 aacagctttg aggtgcgtga tc 22 <210> 10 <211> 22 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> DNA primer complementary with base sequence between 55 and 76 of S EQ ID NO:5 and 7, but the base replaced T at 19 of this DNA primer by A for introducing a mismatch between DNA primer and template DNA, and this DNA primer being not able to be extended <400> 10 aacagctttg aggtgcgtga tg 22 <210> 11 <211> 63 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Template DNA originating from p53 and including base sequence of e xon 8 <400> 11 gtggtaatct actgggacgg aacagctttg aggtgcgtgt ttgtgcctgt cctgggagag 60 acc 63 <210> 12 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <223> DNA primer complementary with base sequence between 44 and 63 of S EQ ID NO:11, and DNA primer being able to be extended <400> 12 ggtctctccc aggacaggca 20 配列表フリーテキスト (1)配列番号1の配列に関する他の情報の記載 M13mp18遺伝子由来のサンプル1本鎖DNA。 (2)配列番号2の配列に関する他の情報 配列番号1の配列の5’末端から88番目から105番
目の部分に相補鎖結合し、17塩基長を持つプライマー
で、5’末端から15番目の塩基Cを塩基Gに置き換え
ミスマッチを導入した相補鎖伸長能力のあるDNA伸長
プライマー。 (3)配列番号3の配列に関する他の情報 配列番号1の配列の5’末端から88番目から105番
目の部分に相補鎖結合し、17塩基長を持つプライマー
で、5’末端から15番目の塩基Cを塩基Gに置き換え
ミスマッチを導入した相補鎖伸長能力のないDNA伸長
プライマー。 (4)配列番号4の配列に関する他の情報 配列番号1の配列の5’末端から88番目から105番
目の部分に相補鎖結合し、17塩基長を持つプライマー
で、相補鎖伸長能力のあるDNA伸長プライマー。 (5)配列番号5の配列に関する他の情報 P53遺伝子由来の1本鎖DNAであり、エクソン8の
配列を含むサンプル1本鎖DNA。 (6)配列番号6の配列に関する他の情報 配列番号5の配列の5’末端から55番目から76番目
の部分に相補鎖結合し、22塩基長を持つプライマー
で、5’末端から19番目の塩基Tを塩基Aに置き換え
ミスマッチを導入した相補鎖伸長能力のあるDNA伸長
プライマー。 (7)配列番号7の配列に関する他の情報 P53遺伝子由来の1本鎖DNAであり、5’末端から
55番目の塩基Aを塩基Tに置き換えたサンプル1本鎖
DNA。 (8)配列番号8の配列に関する他の情報 配列番号7の配列の5’末端から55番目から76番目
の部分に相補鎖結合し、22塩基長を持つプライマー
で、5’末端から19番目の塩基Tを塩基Aに置き換え
ミスマッチを導入した相補鎖伸長能力のあるDNA伸長
プライマー。 (9)配列番号9の配列に関する他の情報 配列番号5および配列番号7の配列の5’末端から55
番目から76番目の部分に相補鎖結合し、22塩基長を
持つプライマーで、5’末端から19番目の塩基Tを塩
基Aに置き換えミスマッチを導入した相補鎖伸長能力の
ないDNA伸長プライマー。 (10)配列番号10の配列に関する他の情報 配列番号5および配列番号7の配列の5’末端から55
番目から76番目の部分に相補鎖結合し、22塩基長を
持つプライマーで、5’末端から19番目の塩基Tを塩
基Aに置き換えミスマッチを導入した相補鎖伸長能力の
ないDNA伸長プライマー。 (11)配列番号11の配列に関する他の情報 P53遺伝子由来の1本鎖DNAであり、エクソン8の
配列を含むサンプル1本鎖DNA。 (12)配列番号12の配列に関する他の情報 配列番号11の配列の5’末端から44番目から63番
目の部分に相補鎖結合し、20塩基長を持つプライマー
で、相補鎖伸長能力のあるDNA伸長プライマー。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に於ける相補鎖伸長により生
成するPPiを化学発光反応により検出する核酸塩基配
列解析方法での、ノイズを低減するための試料溶液調整
法を説明するフロー図。
【図2】本発明の実施例1に於ける、プライマーの1塩
基伸長により生じるPPiを化学発光反応により検出す
る原理を説明する図。
【図3】(A),(B)および(C)は本発明の実施例
1に於ける、試薬やDNA試料に含まれる不純物の分解
を、固相または膜を用いてピロフォスファターゼおよび
アピラーゼにより行う前処理法の例、前処理装置の例を
説明する図。
【図4】本発明の実施例1に於ける、PPaseによる
前処理の有無によるノイズ信号の比較例を示す図。
【図5】本発明の実施例1に於けるPPaseによる前
処理によるノイズ信号のdCTPの濃度依存性の例を示
す図。
【図6】本発明の実施例1に於ける、ピロシーケンシン
グを実行する核酸塩基配列解析装置の構成例を示す模式
図。
【図7】本発明の実施例1に於ける、ピロシーケンシン
グ法による伸長鎖の検出例を説明する図。
【図8】本発明の実施例2に於ける、プライマー伸長法
によるSNPs発現頻度の計測方法の例の原理を説明す
る模式図。
【図9】本発明の実施例2に於ける人工ミスマッチプラ
イマーを用いたプライマー伸長法によるSNPs発現頻
度の高感度な計測方法の例の原理を説明する図。
【図10】本発明の実施例2に於ける人工ミスマッチプ
ライマーおよび5’→3’エクソヌクレアーゼを用いた
プライマー伸長法によるSNPs発現頻度の高感度な計
測方法の例の原理を説明する図
【図11】本発明の実施例2に於ける、人工ミスマッチ
プライマーを用いたプライマー伸長法によるSNPs検
出での、PPaseによる前処理の効果の一例を示す
図。
【図12】本発明の実施例2に於ける人工ミスマッチプ
ライマーを用いたプライマー伸長法によるSNPs検出
とピロシーケンシング法によるSNPs検出の感度の比
較例を示す図。
【図13】本発明の実施例2に於ける従来のプライマー
および人工ミスマッチプライマーをそれぞれ用いたSN
Ps発現頻度の測定での求めるべき発光強度、擬陽性の
発光強度の比較例を示す図。
【図14】本発明の実施例2に於ける人工ミスマッチプ
ライマーを用いたSNPs発現頻度の分析結果例をグラ
フで示す図。
【図15】本発明の実施例3に於ける同一DNAまたは
複数のDNAに存在する複数SNPsを同一の反応槽で
測定する方法の例を示す図。
【図16】本発明の実施例1に於ける、ピロシーケンシ
ング法における添加されたPPaseの添加量の違い
と、PPase除去操作の有無に基づく信号強度の比較
を示す図。
【図17】本発明に於ける、PPi、dNTPsおよび
ATP除去機構を備えた核酸塩基配列およびSNPs自
動解析装置を示す図。本発明のPPaseおよびApy
raseを用いた反応試薬の処理工程を有する核酸塩基
配列自動解析装置の一例を示す図であり、(1)は全体
の構成図を、(B)−(D)は試薬から夾雑のPPiあ
るいはATPを除去するための除去部の具体例を示す。
【符号の説明】 101:被験者から採取した血液、102:抽出した2
本鎖DNA、103:PCR(Polymerase
Chain Reaction)、107:アピラーゼ
(Apyrase)および/またはピロフォスファター
ゼ(PPase)、108:相補鎖伸長および化学発光
に用いる混合溶液、109:dNTPsを含む溶液、1
10:前処理を施したdNTPsを含む溶液、112:
相補鎖伸長反応、113:化学発光、114:発光検出
118:伸長したプライマーがハイブリダイズした標的
1本鎖DNA、104,201,701,801,80
2,901,902,1502:1本鎖DNA試料、1
17,202,702:プライマー,203:核酸基質
(dNTPs:dATPαS,dCTP,dGTP,d
TTP)、204:DNAポリメラーゼ、205,20
6,216,707,712:PPi、207:AP
S、208:ATPスルフリラーゼ、209,211:
ATP、210:硫酸イオン、212:ルシフェリン、
213:酸素、214:ルシフェラーゼ、215:AM
P、217:オキシルシフェリン、218:二酸化炭
素、219:発光(1光子放出)、105,301:A
pyrase、106,302:PPase、303:
前処理を施していない試薬またはDNA試料、304:
試薬またはDNA試料中の不純物の核酸基質(dNTP
s:dATPαS,dCTP,dGTP,dTTP)、
305:試薬またはDNA試料中の不純物のATP、3
06:試薬またはDNA試料中の不純物のPPi、30
7:前処理済みの溶液、308:デオキシヌクレオシド
一リン酸(dNMP)、309:アデニル酸(AM
P)、310:ATP,PPiおよび核酸基質の分解で
生ずるPi、311,312::ビーズなどの固相表
面、313:細管内壁などの固相表面、314:分子量
選択透過膜、601:反応槽、602:ホトセンサー、
603:増幅器、604:ローパスフィルター、60
5:データ処理装置、703,710:dATPαS、
704:dCTP、705:dTTP、706,71
1:1塩基伸長反応、707,712:1塩基伸長に伴
い放出されたPPi、708,713:化学発光、70
9:dGTP、803,805:プライマーの3’末
端、804:プライマー、806,907:相補鎖伸長
反応による伸長、807,908,1508:大量のP
Pi、808,909:大量のPPiに基づく強い発
光、809:僅かな相補鎖伸長、810:極微量のPP
i、811:極微量のPPiに基づく微弱な発光、90
3,911:人工ミスマッチプライマーの3’末端の塩
基、904:人工ミスマッチプライマーの3’末端から
3塩基目の塩基、905:人工ミスマッチプライマー、
906:人工ミスマッチプライマーの3’末端の塩基が
1本鎖DNA試料の塩基と相補である状態、910:人
工ミスマッチプライマーの3’末端の塩基が1本鎖DN
A試料の塩基に相補でない状態、912:伸長反応が起
こらない状態、913:PPiが殆ど生じない状態、9
14:発光が殆ど無い状態、1010:m回の繰り返し
伸張反応で生じたm×n個のPPi、1201,120
2:擬陽性発光、1501:ビーズなどの固相表面、1
503,1504,1505:同一DNA鎖上の異なる
SNPs部位、1506:SNPs部位b用に設計した
人工ミスマッチプライマー、1509:SNPs部位a
用に設計した人工ミスマッチプライマー、1601:
0.2U/LのPPaseで処理(発光測定時のPPa
se除去無)した場合の発光信号、1602:0.8U
/LのPPaseで処理(発光測定時のPPase除去
無)した場合の発光信号、1603:5.0U/LのP
Paseで処理(発光測定時のPPase除去無)した
場合の発光信号、1604:5.0U/LのPPase
で処理(発光測定時のPPase除去有)した場合の発
光信号、1801:伸長および発光反応用反応槽、18
02:核酸塩基配列自動解析装置、1803:試薬ディ
スペンサー、1804:発光測定用フォトセンサー、1
805:PPiおよび/またはATP除去用ユニット、
1806:PPaseおよび/またはApyrase保
持担体分離用フィルター、1807:フィルターホルダ
ー、1808:PPase固定ビーズ、1809:Ap
yrase固定ビーズ、1810:カラム、1811:
多孔質担体、1812:PPaseおよび/またはAp
yrase固定カラム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 周 国華 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 釜堀 政男 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA20 CA01 CA11 HA19 4B029 AA23 4B063 QA01 QA13 QA18 QQ42 QQ52 QR08 QR13 QR55 QR62 QS01 QS11 QS25 QS34

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標的核酸に相補鎖結合したDNAプライマ
    ーの伸長反応に使用される試薬に含まれるピロリン酸を
    ピロフォスファターゼにより分解する、または/およ
    び、前記試薬に含まれるアデノシン5’−三リン酸をア
    ピラーゼにより分解する工程と、 前記伸長反応を行なう工程と、 前記伸長反応により生成されるピロリン酸を検出する工
    程と、を有することを特徴とする核酸塩基配列解析方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の核酸塩基配列解析方法に
    於いて、前記ピロフォスファターゼ、または/および、
    前記アピラーゼが担体に固定されていることを特徴とす
    る核酸塩基配列解析方法。
  3. 【請求項3】少なくとも1種類のデオキシヌクレオチド
    をその種類毎に含む溶液のそれぞれに、または、少なく
    とも1種類の前記デオキシヌクレオチドの類似体を含む
    少なくとも1種類の前記デオキシヌクレオチドをその種
    類毎に含む溶液のそれぞれに、ピロフォスファターゼを
    添加して、前記溶液のそれぞれに含まれるピロリン酸を
    分解する工程と、 DNAプライマー、DNAポリメラーゼ、前記工程で得
    られた少なくとも1つの前記溶液を用いて、標的核酸に
    相補鎖結合した前記DNAプライマーが伸長反応により
    伸長され、前記伸長反応により生じたピロリン酸が化学
    発光反応により検出される工程と、を有することを特徴
    とする核酸塩基配列解析方法。
  4. 【請求項4】少なくとも1種類のデオキシヌクレオチド
    をその種類毎に含む溶液のそれぞれに、または、少なく
    とも1種類の前記デオキシヌクレオチドの類似体を含む
    少なくとも1種類の前記デオキシヌクレオチドをその種
    類毎に含む溶液のそれぞれに、ピロフォスファターゼを
    添加して、前記溶液のそれぞれに含まれるピロリン酸を
    分解する工程と、 DNAプライマー、DNAポリメラーゼ、前記工程で得
    られた少なくとも1つの前記溶液を用いて、標的核酸に
    相補鎖結合した前記DNAプライマーが伸長反応により
    伸長され、前記伸長反応により生じたピロリン酸が、ア
    デノシン−5’−ホスホ硫酸およびATPスルフリラー
    ゼの存在下で、アデノシン5’−三リン酸に変換され、
    前記アデノシン5’−三リン酸、発光酵素、発光基質を
    含む化学発光反応により生じた発光が検出される工程
    と、を有することを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の核酸塩基配列解析方法に
    於いて、前記最初の工程の後に、前記溶液のそれぞれの
    中の前記ピロフォスファターゼを除去する、または、失
    活させる工程を有することを特徴とする核酸塩基配列解
    析方法。
  6. 【請求項6】請求項4に記載の核酸塩基配列解析方法に
    於いて、前記最初の工程は、前記DNAプライマーを含
    む溶液、前記DNAポリメラーゼを含む溶液、前記発光
    酵素を含む溶液、前記発光基質を含む溶液、前記アデノ
    シン−5’−ホスホ硫酸を含む溶液、前記ATPスルフ
    リラーゼを含む溶液の少なくとも1つに、前記ピロフォ
    スファターゼを添加して、前記溶液の少なくとも1つに
    含まれる前記ピロリン酸を分解する工程、または/およ
    び、アピラーゼを添加して、前記溶液の少なくとも1つ
    に含まれるアデノシン5’−三リン酸を分解する工程を
    有することを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の核酸塩基配列解析方法に
    於いて、前記ピロフォスファターゼまたは/およびアピ
    ラーゼが添加された前記溶液の中の前記ピロフォスファ
    ターゼまたは/およびアピラーゼを除去する、または、
    失活させる工程を有することを特徴とする核酸塩基配列
    解析方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の核酸塩基配列解析方法に
    於いて、前記ピロフォスファターゼまたは/およびアピ
    ラーゼが担体に固定されていることを特徴とする核酸塩
    基配列解析方法。
  9. 【請求項9】請求項4に記載の核酸塩基解析法に於い
    て、前記プライマーの3’末端の塩基が、標的核酸の1
    塩基多型部位の3’末端側の1つ手前の塩基に相補的で
    あることを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  10. 【請求項10】請求項4に記載の核酸塩基解析法に於い
    て、前記DNAプライマーの3’末端から2塩基目、ま
    たは、3塩基目の塩基が前記標的核酸の塩基配列と相補
    的でない塩基に置換されていることを特徴とする核酸塩
    基配列解析方法。
  11. 【請求項11】デオキシアデノシン5’−α−チオ−三
    リン酸もしくは、デオキシアデノシン5’−α−チオ−
    トリフォスフェイトを含む溶液、デオキシチミジン5’
    −三リン酸を含む溶液、デオキグアノシン5’−三リン
    酸を含む溶液、デオキシシチジン5’−三リン酸を含む
    溶液のそれぞれに、ピロフォスファターゼを添加して、
    前記溶液のそれぞれに含まれるピロリン酸を分解する第
    1の工程と、 前記溶液のそれぞれの中の前記ピロフォスファターゼを
    除去する、または、失活させる第2の工程と、 DNAプライマー、DNAポリメラーゼ、前記第2の工
    程で得られた少なくとも1つの前記溶液を用いて、標的
    核酸に相補鎖結合した前記DNAプライマーが伸長反応
    により伸長され、前記伸長反応により生じたピロリン酸
    が、アデノシン−5’−ホスホ硫酸およびATPスルフ
    リラーゼの存在下で、アデノシン5’−三リン酸に変換
    され、前記アデノシン5’−三リン酸、ルシフェラー
    ゼ、ルシフェリンを含む化学発光反応により生じた発光
    が検出される第3の工程と、を有することを特徴とする
    核酸塩基配列解析方法。
  12. 【請求項12】デオキシアデノシン5’−α−チオ−三
    リン酸もしくは、デオキシアデノシン5’−α−チオ−
    トリフォスフェイト、デオキシチミジン5’−三リン
    酸、デオキグアノシン5’−三リン酸、デオキシシチジ
    ン5’−三リン酸を含む溶液に、ピロフォスファターゼ
    を添加して、前記溶液に含まれるピロリン酸を分解する
    第1の工程と、 前記溶液の中の前記ピロフォスファターゼを除去する、
    または、失活させる第2の工程と、 DNAプライマー、DNAポリメラーゼ、前記第2の工
    程で得られた前記溶液を用いて、標的核酸に相補鎖結合
    した前記DNAプライマーが伸長反応により伸長され、
    前記伸長反応により生じたピロリン酸が、アデノシン−
    5’−ホスホ硫酸およびATPスルフリラーゼの存在下
    で、アデノシン5’−三リン酸に変換され、前記アデノ
    シン5’−三リン酸、ルシフェラーゼ、ルシフェリンを
    含む化学発光反応により生じた発光が検出される工程
    と、を有することを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  13. 【請求項13】請求項12に記載の核酸塩基解析法に於
    いて、前記DNAプライマーの3’末端から2塩基目、
    または、3塩基目の塩基が前記標的核酸の塩基配列と相
    補的でない塩基に置換されていることを特徴とする核酸
    塩基配列解析方法。
  14. 【請求項14】請求項12に記載の核酸塩基配列解析方
    法に於いて、前記伸長反応による伸長鎖を5’末端か
    ら、5’→3’エクソヌクレアーゼ反応で分解し、前記
    DNAプライマーを前記標的核酸に繰り返し相補鎖結合
    させて前記伸長反応を行なうことを特徴とする核酸塩基
    配列解析方法。
  15. 【請求項15】デオキシアデノシン5’−三リン酸、デ
    オキシチミジン5’−三リン酸、デオキグアノシン5’
    −三リン酸、デオキシシチジン5’−三リン酸を含む溶
    液に、ピロフォスファターゼを添加して、前記溶液に含
    まれるピロリン酸を分解する第1の工程と、 前記溶液の中の前記ピロフォスファターゼを除去する、
    または、失活させる工程と、 DNAプライマー、DNAポリメラーゼおよび前記第2
    の工程で得られた前記溶液を用いて、標的核酸に相補鎖
    結合した前記DNAプライマーの伸長反応により生じた
    ピロリン酸が化学発光反応により検出される工程と、を
    有することを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の核酸塩基配列解析方
    法に於いて、デオキシアデノシン5’−三リン酸、デオ
    キシチミジン5’−三リン酸、デオキグアノシン5’−
    三リン酸、デオキシシチジン5’−三リン酸の何れかの
    代りに類似体を使用することを特徴とする核酸塩基配列
    解析方法。
  17. 【請求項17】請求項15に記載の核酸塩基配列解析方
    法に於いて、前記DNAプライマーの3’末端から2塩
    基目、または、3塩基目の塩基が前記標的核酸の特定の
    領域の塩基配列と相補的でない塩基に置換されているこ
    とを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  18. 【請求項18】請求項15に記載の核酸塩基配列解析方
    法に於いて、前記伸長反応による伸長鎖を5’末端か
    ら、5’→3’エクソヌクレアーゼ反応で分解し、前記
    DNAプライマーを前記標的核酸に繰り返し相補鎖結合
    させて前記伸長反応を行なうことを特徴とする核酸塩基
    配列解析方法。
  19. 【請求項19】デオキシアデノシン5’−三リン酸、デ
    オキシチミジン5’−三リン酸、デオキグアノシン5’
    −三リン酸、デオキシシチジン5’−三リン酸を含む溶
    液に、ピロフォスファターゼを添加して、前記溶液に含
    まれるピロリン酸を分解する第1の工程と、 前記溶液の中の前記ピロフォスファターゼを除去する、
    または、失活させる第2の工程と、 相補鎖伸長能力を有し5塩基長から8塩基長の範囲の第
    1のオリゴマーと、標的核酸に相補鎖結合し相補鎖伸長
    能力のない第2のオリゴマーとを直列に前記標的核酸に
    相補鎖結合させ、DNAポリメラーゼ、前記第2の工程
    で得られた前記溶液を用いて、前記第1のオリゴマーの
    伸長反応を行ない、前記伸長反応により生じるピロリン
    酸が化学発光反応により検出される工程と、を有するこ
    とを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  20. 【請求項20】請求項19に記載の核酸塩基配列解析方
    法に於いて、デオキシアデノシン5’−三リン酸、デオ
    キシチミジン5’−三リン酸、デオキグアノシン5’−
    三リン酸、デオキシシチジン5’−三リン酸の何れかの
    代りに類似体を使用することを特徴とする核酸塩基配列
    解析方法。
  21. 【請求項21】請求項19に記載の核酸塩基配列解析方
    法に於いて、前記第1のオリゴマーの3’末端から2塩
    基目、または、3塩基目の塩基が前記標的核酸の特定の
    領域の塩基配列と相補的でない塩基に置換されているこ
    とを特徴とする核酸塩基配列解析方法。
  22. 【請求項22】少なくとも1種類のデオキシヌクレオチ
    ドをその種類毎に含む溶液のそれぞれに、または、少な
    くとも1種類の前記デオキシヌクレオチドの類似体を含
    む少なくとも1種類の前記デオキシヌクレオチドをその
    種類毎に含む溶液のそれぞれに、ピロフォスファターゼ
    を有することを特徴とする試薬キット。
  23. 【請求項23】請求項22に記載の試薬キットに於い
    て、DNAポリメラーゼを有することを特徴とする試薬
    キット。
  24. 【請求項24】デオキシアデノシン5’−α−チオ−三
    リン酸もしくは、デオキシアデノシン5’−α−チオ−
    トリフォスフェイト、デオキシチミジン5’−三リン
    酸、デオキグアノシン5’−三リン酸、デオキシシチジ
    ン5’−三リン酸、ピロフォスファターゼを有すること
    を特徴とする試薬キット。
  25. 【請求項25】請求項24に記載の試薬キットに於い
    て、前記ピロフォスファターゼが担体に固定されている
    ことを特徴とする試薬キット。
  26. 【請求項26】DNAポリメラーゼ、DNAプライマ
    ー、アデノシン−5’−ホスホ硫酸、ATPスルフリラ
    ーゼ、発光酵素、発光基質、アピラーゼの少なくとも1
    つ、および、ピロフォスファターゼを有することを特徴
    とする試薬キット。
  27. 【請求項27】請求項26に記載の試薬キットに於い
    て、前記ピロフォスファターゼ、または/および、前記
    アピラーゼが担体に固定されていることを特徴とする試
    薬キット。
  28. 【請求項28】標的核酸とこれにハイブリダイズするD
    NAプライマーとを固体表面の異なる区画に保持する複
    数の前記区画を具備する反応チップと、前記複数の各区
    画に前記プライマーを始点とする相補鎖伸長反応を起こ
    すための試薬を供給する手段と、前記ターゲットDNA
    にハイブリダイズした前記プライマーを始点とする相補
    鎖伸長反応で生成されるピロリン酸と前記試薬を利用し
    て生じる化学発光を検出する光検出器とを有するととも
    に、前記試薬を供給する手段が前記試薬から夾雑のピロ
    リン酸あるいはアデノシン5’−三リン酸を除去するた
    めの除去部を介して試薬を供給するものであることを特
    徴とする核酸塩基配列解析装置。
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