JP2008508458A - 内燃機関に関連する弁装置 - Google Patents

Abstract

本発明は内燃機関に関連する弁装置に関し、この弁装置は、歯付き軸（２）と少なくとも１つのカム部（３）とが設けられた少なくとも１つのカム軸を備えており、カム部（３）は、歯付き軸（２）上のアクチュエータ（アクチュエータロッド４および５）によってカム部（３）を変位させることでガス交換弁（８）を可変作動させるための、隣接する複数の異なるカム通路（１３、１４）を有している。歯付き軸（２）は軸歯形（プロファイルド）要素（９）を有し、カム部（３）は、その軸歯形要素に適合するハブ歯形要素（１０）を備えており、軸歯形要素（９）およびハブ歯形要素（１０）の楔、切込みまたは歯（１９）の数は、直列型エンジン、Ｖ型エンジン、Ｗ型エンジンなど、任意の数のシリンダを有する任意の種類の４行程内燃機関の様々なカム位置を同じ歯付き軸（２）およびカム部（３）で実現できるようなものである。

Description

本発明は、少なくとも１つのカム軸を有する内燃機関用の弁駆動（動弁）装置において、カム軸が歯付き軸と少なくとも１つのカム部とを有し、カム部が、歯付き軸上のアクチュエータによってカム部を変位させることでガス交換弁を可変作動させるための、互いに隣接して配置された複数の異なるカム通路を有し、歯付き軸が軸歯形（シャフト・プロファイル）を有し、カム部が、前記軸歯形に一致するハブ歯形（ハブ・プロファイル）を有している弁駆動装置に関する。

内燃機関のかかる弁駆動装置はＤＥ１９６１１６４１Ｃ１により知られている。カム軸の歯付き軸におけるカム部の変位は、軸歯形およびハブ歯形によって可能となる。４行程往復ピストン式の内燃機関では、所定数のシリンダに対して点火順序が定められているので、カムは、カム軸上で互いに対して特定の角度で配置されていなければならない。均一な点火間隔を有する４気筒往復ピストン式の内燃機関において、吸気弁カムの互いに対する相対的回転角度および排気弁カムの互いに対する相対的回転角度は、いずれの場合も９０°である。当然ながら、対応するカム軸を形成することは簡単である。

（発明の開示）
本発明の目的は、歯形を均一にすると工具費が削減されかつ歯付き軸およびカム部に対してブランクが同一となることから、同じ歯付き軸および同じカム部を複数のエンジンのバージョンの吸気カム軸および／または排気カム軸に用いることを可能にする、内燃機関用の汎用の弁駆動装置を製造することである。

本発明の目的が達成されるのは、軸歯形およびハブ歯形の楔、切込みまたは歯の数が、直列型エンジン、Ｖ型エンジン、Ｗ型エンジンなど、任意の数のシリンダを有する任意の種類の４行程内燃機関の様々なカム位置を同じ歯付き軸およびカム部で実現できるようなものであるからである。

軸歯形およびハブ歯形に関連して楔、切込みまたは歯について言及するとき、様々な標準化された軸歯形およびハブ歯形があり、それらの軸歯形およびハブ歯形はすべて本発明に包含されるべきであることに留意されたい。全く同一の歯形を、したがって全く同一の歯付き軸および全く同一のベースカム部を全く異なる角度に使用したい場合、異なる角度位置を実現できることが必要である。

吸気カムの互いに対する間隔と排気カムの互いに対する間隔は、いずれの場合も、均一な点火間隔を有する３気筒直列型エンジンにおいては１２０°、４気筒直列型エンジンにおいては９０°、６気筒直列型エンジンにおいて、また均一な点火間隔を有する６気筒Ｖ型エンジンにおいては６０°、８気筒Ｖ型エンジンにおいては４５°、１２気筒Ｖ型エンジンにおいては３０°である。これらの角度間隔はエンジン全体に、したがって、１つの吸気弁カム軸および１つの排気弁カム軸、または吸気弁および排気弁用に１つの共通の均一なカム軸がエンジンごとに使用されるときにのみ適用される。Ｖ型エンジンに関しては、少なくとも１つの別個のカム軸がシリンダローまたはシリンダ列ごとに使用される場合、エンジンの点火順序もまた考慮される。点火順序が一方のシリンダローから他方のシリンダローへと互い違いとなる場合、１つのシリンダローの１つまたは複数のカム軸における吸気カムおよび排気カムの角度間隔は２倍になる。しかしながら、さらなるエンジン、特に直列型エンジン、Ｖ型エンジンおよびＷ型エンジンが最大２０気筒で使用されることがあるので、カムの互いに対するすべての間隔は、楔、切込みまたは歯の適切な数によって定められるべきである。

本発明の好ましい一実施形態において、３気筒、４気筒および６気筒を備える直列型エンジン、さらには均一な点火間隔を有する６気筒を備えるＶ型エンジンならびに８気筒および１２気筒のＶ型エンジンには、楔、切込みまたは歯の数は好ましくは２４または２４の倍数とすることが提案される。この数が得られるのは、６気筒エンジンと８気筒エンジンとの間ならびに８気筒エンジンと１２気筒エンジンとの間の角度間隔が、いずれの場合も２つの吸気カムおよび２つの排気カムの間で１５°であり、したがって、カム軸の３６０°の１回転で１５°の間隔を得ることを可能にしなければならず、結果として２４という歯の数となるからである。既に上述したように、１つのカム軸または１つの吸気カム軸と１つの排気カム軸をシリンダローごとに使用する場合、歯の数を減らすことが可能である。

また、５気筒直列型エンジンおよび１０気筒Ｖ型エンジンをも考慮したい場合、楔、切込みまたは歯の数は好ましくは１２０または１２０の倍数となる。この数が得られるのは、前記発動機を考慮すると、ここでも１つのカム軸または１つの吸気カム軸および１つの排気カム軸が発動機ごとに使用される場合、カム部の互いに対する６°および９°という相対的回転位置をまた可能にしなければならず、結果として、公分母は３°となり、したがって１２０の歯となるからである。別個のカム軸がシリンダローごとに使用される場合、歯の数は必要に応じて減らされる。

Ｗ型エンジン、さらにまた最大２０気筒のＶ型エンジンなど、他の様々なエンジンについて説明できると共に説明すべきであることに注目されたい。ここで、歯付き軸およびカム部の直径は範囲内に必ず維持できるが、これは、請求する軸歯形に加えて、正当な直径においてわずかな相対的回転角度を定めることを可能にする微細な歯形がさらに存在するからであり、特に前記エンジンにおいて通常複数のカム軸が使用されるからである。

本発明についてさらに詳細に説明するために図面を参照するが、その図面において、本発明の例示的実施形態は簡略化した方式で示されている。

図１および２は、往復ピストン式の内燃機関のシリンダを弁駆動装置の部品と共に、必要に応じて詳細に、かつ符号１で示している。その部品には、特に、カム部３を有する歯付き軸２、２つのアクチュエータピン４および５、カム部と符号８で表すガス交換弁との間の伝達要素６および７がある。ガス交換弁８は、吸気弁または排気弁として具現化することができる。

歯付き軸２は、その長手方向の広がりの少なくとも一部分において軸歯形（シャフト・プロフィール）９を有している。カム部３には、前記軸歯形９に一致するハブ歯形（ハブ・プロフィール）１０が設けられており、このハブ歯形１０によって、前記カム部は回転に対しては固定されかつ軸方向には変位可能となるように歯付き軸２上に配置される。

カム部３は、その外周に、それぞれにつき１つの軸受け点１１を有しており、その軸受け点１１は、カム部３を、したがって歯付き軸２を支持する役割を果たす。軸受け点１１にはベアリング１２が与えられており、そのベアリング１２はシリンダヘッドに固定されている（不図示）。カム部３の軸受け点１１は、両側でカム通路１３および１４に隣接している。カム通路１３および１４は、異なるカムリフト寸法を有しているが、同じ基礎円直径を有している。後者は、カム部３が変位する間、伝達要素６および７とカム通路１３および１４との間にジャミングがないことを確実にするのに重要である。カム通路１３および１４は、カム部３の端部となる円筒形部分１６と隣接している。円筒形部分１６は、それぞれにつき、各変位方向に対して１つの変位溝１７および１８を有している。前記変位溝１７および１８は好ましくは互いに対して鏡像対称に設計および配置され、したがって、２つの変位溝１７および１８の傾き（グラディエント）は正反対となる。前記変位溝１７および１８は、カム部３の１回転におけるカム部３の変位の大きさに対応（一致）する傾きを有している。

変位溝１７および１８は、円筒形領域１６の周囲で末端部１９において終端に達し、その末端部１９は互いにある間隔でずれている。

アクチュエータピン４、５はアクチュエータハウジング（不図示）内に装着されている。それらは、変位溝１７および１８内に交互に挿入される。カム部の軸方向の変位は、このようにして実現される。

特に図２から明らかとなるように、軸歯形９は、歯２０および溝２１を有する歯付きハブ歯形として設計されており、その歯２０および溝２１に、カム部３の歯付きハブ歯形として形成されたハブ歯形１０の対応する内部歯および内部溝が一致する。

カム部３の互いに対する所望の相対的回転角度は、歯付きハブ歯形および歯付き軸歯形の歯を適切に選択することにより、全く同一の歯付き軸２上で得ることができ、その結果、２４または２４の倍数の歯数を使用して、全く同一の歯付き軸および全く同一のベースカム部を有する多数のエンジンを得ることができる。従来の自動車エンジンの範囲を対象とするために５気筒直列エンジンおよび１０気筒Ｖ型エンジンをさらに含める場合、所望の相対的回転角度を得るためには、好ましくは歯付き軸歯形および歯付きハブ歯形当たり１２０またはその倍数の歯も有利となることがある。

図１は、ガス交換弁を有するカム軸の側面図である。 図２は、図１の線ＩＩ−ＩＩにおける歯付き軸およびカム部を有するカム軸の断面図である。

符号の説明

１ シリンダ
２ 歯付き軸
３ カム部
４ アクチュエータピン
５ アクチュエータピン
６ 伝達要素
７ 伝達要素
８ ガス交換弁
９ 軸歯形
１０ ハブ歯形
１１ 軸受け点
１２ ベアリング
１３ カム通路
１４ カム通路
１６ 円筒形部分
１７ 変位溝
１８ 変位溝
１９ 末端部
２０ 歯
２１ 溝

Claims (3)

1. 少なくとも１つのカム軸を有する内燃機関用の弁駆動装置において、前記カム軸が、歯付き軸（２）と少なくとも１つのカム部（３）とを有し、前記カム部（３）が、前記歯付き軸（２）上のアクチュエータ（アクチュエータピン４および５）によって前記カム部（３）を変位させることでガス交換弁（８）を可変作動させるための互いに隣接して配置された複数の異なるカム通路（１３、１４）を有し、前記歯付き軸（２）が軸歯形（９）を有し、前記カム部（３）が、前記軸歯形（９）に一致するハブ歯形（１０）を有しており、前記軸歯形（９）および前記ハブ歯形（１０）の楔、切込みまたは歯（１９）の数が、直列型エンジン、Ｖ型エンジン、Ｗ型エンジンなど、任意の数のシリンダを有する任意の種類の４行程内燃機関の様々なカム位置を同じ歯付き軸（２）およびカム部（３）で実現できるようなものであることを特徴とする弁駆動装置。
2. 請求項１に記載の内燃機関用の弁駆動装置において、３気筒、４気筒および６気筒を備える直列型エンジンに対して、均一な点火間隔を有するＶ６型エンジンに対して、ならびに８気筒および１２気筒のＶ型エンジンに対して、楔、切込みまたは歯（１９）の数が好ましくは２４または２４の倍数であることを特徴とする弁駆動装置。
3. 請求項２に記載の内燃機関用の弁駆動装置において、均一な歯付き軸（２）およびカム部（３）が同様に設けられている５気筒直列型エンジンおよび１０気筒Ｖ型エンジンに対して、楔、切込みまたは歯（１９）の数が好ましくは１２０または１２０の倍数であることを特徴とする弁駆動装置。

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