JP2008508355A - ヒドロホルミル化プロセスの安定化 - Google Patents

ヒドロホルミル化プロセスの安定化 Download PDF

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Abstract

ヒドロホルミル化触媒の存在下にオレフィンなどの1種又はそれ以上の反応物質を、一酸化炭素及び水素と反応させて、1種又はそれ以上の生成物、好ましくはアルデヒドを含む反応生成物流体を生成させることを含む、安定性を改良したヒドロホルミル化プロセスであって、そのプロセスを、一酸化炭素に関して負又は逆次数であるヒドロホルミル化速度曲線の領域中で実施すると共に、プロセス・パラメータ、例えば反応速度、全圧、排出流速、温度又はそれらの組合せの突然の変化を防止するか、及び/又はそれらの繰り返しを減らすように、一酸化炭素含有入口ガスの流量を調整することにより、全圧を所定の目標値で制御し、そして/又は排出流速を所定の目標値に制御する。

Description

この出願は、2004年8月2日出願の米国特許出願第60/598032号の利益を主張する。
本発明は、反応速度及び/又は全圧、排出流速及び温度などのプロセス・パラメータの急速で多くの場合極端な変化又は繰り返しに対して、ヒドロホルミル化プロセスを安定化させるプロセスに関する。
アルデヒドが、金属−有機リンリガンド錯体(organophosphorus ligand complex)触媒の存在下で、オレフィン不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応させることにより容易に製造することが可能であること、並びに好ましいプロセスが連続ヒドロホルミル化及び8族金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒を含有する溶液の再循環を含むことは技術上周知である。ロジウムは好ましい8族(Group VIII)金属である。こうした技術は米国特許第4,148,830号明細書、米国特許第4,717,775号明細書及び米国特許第4,769,498号明細書に例示されている。こうした方法により製造されるアルデヒドは、例えば脂肪族アルコールへの水素化、脂肪族アミンへのアミノ化、脂肪族系酸への酸化及び可塑剤を製造するためのアルドール縮合用の中間体として広範囲な有用性を有する。
通常の又は非分岐のアルデヒドは、一般に、それらのイソ−又は分岐異性体よりも高い価値を提供することが技術上認められている。加えて、通常体対分岐異性体比は、一酸化炭素分圧の関数であり、典型的に、より低い一酸化炭素分圧はより高い通常対分岐比を有する生成物を与えることは公知である。ロジウム−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒化プロセスは、極めて望ましい通常体対分岐異性体比を与えることが示されてきた。
こうした金属−有機リンリガンド錯体触媒化ヒドロホルミル化プロセスに付随する利点にもかかわらず、触媒及び特に有機ポリホスファイトリガンドの安定化は一番の関心事として残ったままである。高価なロジウム触媒の望ましくない副反応による触媒又は触媒活性の損失は、望ましいアルデヒドの製造に対して有害となることができる。同様に、ヒドロホルミル化工程の間の有機リンリガンドの劣化は、毒性化合物(例えば毒性有機モノホスファイト)、又は阻害物質、又はロジウム触媒の触媒活性を低下させることができる酸性リン副生成物を生成することができる。アルデヒド製品の製造コストは、触媒の生産性が落ちる場合に増大する。
ヒドロホルミル化プロセスにおいて、有機ポリホスファイトリガンド劣化及びロジウム−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒失活の主要原因は、有機ポリホスファイトリガンドの加水分解非安定性に由来する。すべての有機ポリホスファイトは加水分解に対して多少とも敏感であり、加水分解の速度は一般に有機ポリホスファイトの立体化学特性に応じて決まる。一般に、リン原子周りの立体環境がかさばればかさばるほど、加水分解速度はより遅くなることが可能である。しかし、すべてのこうした加水分解反応は、更に加水分解反応を触媒化する酸性リン化合物を常に生成する。第3有機ホスファイトの加水分解は、例えば、続いてリン酸に加水分解可能であるホスホン酸ジエステルを生成する。他の加水分解副反応は強アルデヒド酸を生成する。実際、加水分解性の少ない傾向のある高度に望ましく立体的に込み合った有機ビスホスファイトリガンドでさえ、アルデヒド製品と反応して、触媒阻害物質というだけでなく、加水分解及びアルデヒド酸副生成物、例えば米国特許第5,288,918号明細書及び米国特許第5,364,950号明細書に示されているようなヒドロキシル・アルキルホスホン酸の生成に対して一段と敏感である毒性有機モノホスファイトを形成することができる。有機ポリホスファイトリガンドの加水分解は自触媒であると考えることが可能であり、チェックされないまま残される場合、連続液体再循環ヒドロホルミル化プロセスの触媒系は、時が経てば次第に酸性となり、有機モノホスファイト及び/又は酸性リン副生成物は触媒金属を阻害性錯体の形態に閉じ込める。結果として、金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒の活性は、阻害性錯体濃度が増大するにつれて低下する。従って、こうした毒性及び阻害性材料の許容不可量の最終的な集積は、有機ポリホスファイトリガンドの破壊を引き起こし、それによってヒドロホルミル化触媒を無効化(失活化)し、高価なロジウム金属は反応器壁上への沈殿及び/又は堆積によるなどの損失を受けやすくなる。
米国特許第5,763,679号明細書に示されるように、阻害性又は毒性リン化合物により引き起こされる金属−有機リンリガンド錯体触媒の失活化は、ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素に関して負又は逆の次数からなる反応領域中でヒドロホルミル化処理を行うことにより逆転するか又は減じることができることが技術上開示されている。本明細書において用いられる一酸化炭素に関して、負又は逆の次数であるヒドロホルミル化反応速度は、一酸化炭素分圧が低下するにつれてヒドロホルミル化反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれてヒドロホルミル化反応速度が低下するヒドロホルミル化領域を指す。対照的に、一酸化炭素に関して正の次数であるヒドロホルミル化プロセスは、一酸化炭素分圧が増大するにつれてヒドロホルミル化反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が低下するにつれてヒドロホルミル化反応速度が低下する場合に起こる。(反応速度曲線の正及び逆次数領域は以下に示す。)より高い一酸化炭素分圧で、速度曲線の負又は逆次数領域において、一酸化炭素は、阻害性又は毒性リン化合物と較べて、金属−有機リンリガンド錯体触媒の金属とより効果的に協調すると共に、それを求めてより効果的に競合する。こうして、ヒドロホルミル化反応流体中の遊離阻害性又は毒性リン化合物の濃度は、阻害性又は毒性リン化合物が水及び/又は弱酸性化合物により容易に加水分解することができるように上げられる。得られる加水分解残留物は反応流体から有利に洗い流すことができる。
速度曲線の負又は逆次数領域におけるより高い一酸化炭素分圧は、水素化によるオレフィン効率損失を減少させることができる追加の望ましい利点を提供する。より高い一酸化炭素分圧は、アルカンに対するより高い触媒活性及びより低い効率損失の両方を与える。更に、望ましくないオレフィン異性化も、また、減少させることが可能である。
逆の一酸化炭素分圧領域におけるヒドロホルミル化反応速度曲線のピーク近くでの運転は、触媒生産性及び/又はヒドロホルミル化反応速度をも増大させながら通常体/分岐異性体の生成物比を上げることができる点での追加の望ましい利点を有することができる。
それにもかかわらず、一酸化炭素に関する速度曲線の負又は逆次数領域におけるヒドロホルミル化プロセスの運転は、典型的に反応速度曲線の正次数側上には見られない課題を提供する。更に詳しくは、ヒドロホルミル化プロセスが一酸化炭素に関して正次数である場合に、反応速度の増加は一酸化炭素を消費し、このことは結局一酸化炭素分圧の低下をもたらす。一酸化炭素分圧(又は濃度)の低下は反応速度を遅くし、その結果、反応温度、一酸化炭素分圧、水素分圧及び全圧を制御することができる。従って、プロセスが一酸化炭素に関して正次数下で運転される場合、プロセスは容易に制御することができるが、しかし、前述のように、阻害性及び毒性リン副生成物並びにそれらの金属−リガンド錯体の集積のために、確実に低下する触媒活性が観察される。対照的に、プロセスが一酸化炭素に関して負次数である場合に、反応速度の増加は一酸化炭素を消費するが、しかし、一酸化炭素の得られるより低い分圧は、更に、ヒドロホルミル化反応速度を増大させる。更に、反応速度の増加は、ヒドロホルミル化が発熱性であるので反応熱の結果として、更に高められる。バッチ操作において、本質的に急速で且つ完全な律速反応物質の消費及びヒドロホルミル化プロセスの停止をもたらすことができるフィードバック・ループが開発されている。負次数条件下の連続運転の間、ヒドロホルミル化反応速度は、全圧、排出量及び/又は温度がそうであるように、繰り返す傾向がある。本明細書において用いられる「繰り返し(cycling)」は、プロセス・パラメータ(例えば、反応速度、分圧及び/又は全圧、排出流及び/又は温度)における周期的で多くの場合極端な変化を指す。繰り返しは、安定な運転を不都合なほどに妨害する。従って、速度曲線の負次数領域における運転の場合に、阻害性リン副生成物の有害な影響は逆転するか、又は減じることができるが、ヒドロホルミル化プロセスそれ自体は、安定化させ制御するにはますます難しくなる。更に、負次数条件下での運転は、一般に、ヒドロホルミル化速度対一酸化炭素分圧曲線のピークから十分に離れた高い一酸化炭素分圧での運転を必要とする。不都合なことに、一酸化炭素に関して負次数である領域中でピークから更に離れた運転は、アルデヒド生成物のより低い通常体対分岐異性体比を生み出す。
米国特許第5,763,679号明細書には、一酸化炭素に関して負次数下で運転しながら繰り返しを制御し、安定な反応速度及びプロセス・パラメータを保持する方法が開示されている。開示方法は、反応生成物流出温度と熱交換器冷却水温度との差を約25℃未満に制御することを必要とする。不都合なことに、この先行技術法は大きく高価な熱交換器を必要とする。また、反応流体の大きな熱負荷のために、突然の温度逸脱からの回復用の時定数は、許容不可的に遅くあることが可能である。
EP−B1−0589463号明細書には、合成原料ガスの流速又は排出ガスの流速を変えて、ヒドロホルミル化プロセス中の所定の一定の一酸化炭素分圧を保持することにより、ヒドロホルミル化プロセスの安定性を制御する方法が開示されている。一酸化炭素分圧を浮動させ、一酸化炭素に関するヒドロホルミル化速度曲線の負又は逆次数領域中で運転することに関しては、この参考資料は沈黙している。不都合なことに、開示プロセスは、加水分解性有機リンリガンドを用い、従って速度曲線の負又は逆次数領域における運転を好むヒドロホルミル化プロセスに対して適して適応されない。
SU−A1−1527234号明細書は、オレフィンに関して速度曲線の正領域においてヒドロホルミル化プロセスを運転しながら、一定排出量でオレフィン反応物質の流速を変えることにより、ヒドロホルミル化プロセスの安定性を制御する方法を開示している。不都合なことに、開示方法は、加水分解性有機リンリガンドを用い、従って速度曲線の負又は逆次数領域における運転を好むヒドロホルミル化プロセスに対して適して適応されない。
上記に鑑みて、ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素に関して負又は逆次数である条件下で運転しながら、プロセス・パラメータの突然の変化及び/又は繰り返しを容易に制御し、工程安定化を提供する改良されたヒドロホルミル化プロセスを発見することは、望ましいであろう。望ましくは、こうした改良された方法は、大きく高価な熱交換器に対する必要性を排除することが好ましく、且つプロセス制御からの逸脱に対する迅速な応答を提供することが好ましい。望ましくは、こうした改良された方法は、また、阻害性又は毒性リン副生成物の有害な影響を最小化することにより、触媒寿命を高めることが好ましい。更に、こうした改良された方法は、望ましくは、より高い触媒生産性及び/又はヒドロホルミル化反応速度、許容可能触媒寿命、許容可能反応器安定性及び最小の繰り返し問題を同時に提供しながら、高い通常体対分岐製品異性体比を提供することが好ましい。前述の特性のすべてを所持する方法は、増大した商業的魅力を見出すことが好ましい。
本明細書において記載される本発明は、ヒドロホルミル化触媒の存在下に1種又はそれ以上の反応物質、一酸化炭素及び水素を反応させて、1種又はそれ以上の製品を含む反応生成物流体を生成させることを含む新規で改良されたヒドロホルミル化プロセスを提供するもので、そのプロセスは、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下するような一酸化炭素分圧で行われると共に、以下のプロセス工程が反応速度、全圧、排出流速、反応温度又はそれらの組合せを安定化させるために行われ、前記プロセス工程は以下から選択されるプロセス制御スキームの少なくとも一つを含む。
スキームA:
(a1)目標全圧を確定し、
(a2)全圧を検出し、検出された全圧と目標全圧との差を測定し、そして
(a3)工程(a2)において測定された圧力差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流を操作して検出された全圧を目標全圧に本質的に合わせること;及び
スキームB:
(b1)目標排出流速を確定し、
(b2)排出流速を検出し、検出された排出流速と目標排出流速との差を測定し、そして
(b3)工程(b2)において測定される排出流速の差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出排出流速を本質的に目標排出流速に合わせること。
本発明の別の態様において、プロセス工程(a1)〜(a3)及びプロセス工程(b1)〜(b3)は、すべて、検出全圧を本質的に目標全圧に合わせ、検出された排出流速を本質的に目標排出流速に合わせるように実施する。
用語「全圧(total pressure)」はプロセスの全ガス圧力を指す。用語「操作する(manipulating)」は、「変える」、「合わせる」、「適応させる」、又は「変更する」を含むこれらの言葉のいずれか、又はすべてを意味する。
上述の新規なヒドロホルミル化プロセスの発明は、プロセス・パラメータの突然の変化及び/又は繰り返しを効果的に制御し、ヒドロホルミル化反応速度が、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下し、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大するような一酸化炭素に関して負又は逆次数である条件下で運転しながらプロセス安定性を提供する。新規な態様において、且つ先行技術とは対照的に、本発明は、反応速度を要望どおりに急冷するか、又は加速して反応速度及びプロセス・パラメータを安定化させることができるように、一酸化炭素分圧の上下への変動又は浮動を可能とする。有利には、本発明プロセスはこの反応安定性を達成し、先行技術において用いられる大きく高価な熱交換器に対する必要性を排除することにより、簡単で費用効果的なやり方でプロセス・パラメータの繰り返しを防止し、そして/又は減少させる。更に、先行技術に較べて、本発明のプロセスは、有利には、突然で極端な工程逸脱からの改良された一層迅速な回復を提供する。速度曲線の負又は逆次数領域における安定な運転により、触媒寿命は、毒性又は阻害性リンリガンド副生成物の有害な影響を最小化することにより有利に高められる。更なる利点として、本発明の方法は、より高いヒドロホルミル化反応速度及び/又は触媒生産性及びより高い通常対分岐生成物の比を有利に提供する、ヒドロホルミル化速度対一酸化炭素分圧曲線(下に示す)のピークにより近い一酸化炭素分圧で、逆次数領域における運転を可能とする。反応速度的に制御されるプロセスへの一酸化炭素を供給し過ぎるための必要性は全く存在しない。より高い反応速度をもたらす反応速度制御は、プロセス制御の現在の物質移動法よりも一層好ましい。有利には、本発明プロセスは、また、減じたアルカン形成及び減じたオレフィン異性化を提供し、両方の態様はオレフィン反応物質の有効利用を増大する。最終的に、本発明プロセスは、あらゆる選択された有機ポリホスファイトリガンドに対して、速度曲線の逆次数領域内の一酸化炭素分圧の最適範囲を決定するためのプロセスを提供すると共に、この範囲内の安定な運転のためのプロセスを提供する。
別の態様において、本発明は以下を含むヒドロホルミル化プロセスを安定化させるための新規な装置であり:
1種又はそれ以上の反応物質を供給するための手段を含む反応器;合成ガスを供給するための手段;任意的な、一酸化炭素の第2の供給源を供給するための手段;触媒溶液を供給するための手段;反応及び不活性ガスを排出するための手段;反応流体を引き出すための手段;全体ガス圧力を測定するための手段;並びに反応及び不活性ガスの排出流速を測定するための手段;前記装置は、更に、以下から選択される設計スキームの少なくとも一つを含む。
設計A:
(a1)目標全ガス圧と測定全ガス圧との圧力差を決定するための手段、
(a2)圧力差に対応する信号を発生するための手段、
(a3)(a2)からの信号を受け取り、出力信号を決定し送信して、合成ガス及び/又は一酸化炭素の第2の供給源の流速を操作し、測定全圧を目標全圧に合わせるための手段;並びに
設計B:
(b1)目標排出流速と測定排出流速との排出流速差を測定するための手段、
(b2)排出流速差に対応する信号を発生するための手段、
(b3)(b2)からの信号を受け取り、出力信号を決定し送信して、合成ガス及び/又は一酸化炭素の第2の供給源の流速を操作し、測定排出流速を目標排出流速に合わせるための手段。
代替実施形態において、装置は設計構成(a1)〜(a3)及び
(b1)〜(b3)のすべてを含むことが可能である。
本明細書において記載される本発明は、反応速度、全圧、排出流速及び反応温度などのプロセス・パラメータにおける突然の変化、繰り返し、及び他の不安定性を低下させながら、一酸化炭素に関するヒドロホルミル化速度曲線の負又は逆次数領域での運転の利点を提供する、新規で改良されたヒドロホルミル化プロセスに関する。この新規で改良された発明の重要な態様は、以下に詳細に記載するように、反応急冷ガス及びヒドロホルミル化反応器中の所定の目標全圧及び/又は反応器からの所定の目標排出量を保持するための変動変数としての一酸化炭素の使用に存する。
解決しようとする課題の説明図として、一酸化炭素及び水素及び金属−有機ポリホスファイトヒドロホルミル化触媒存在下での、不飽和オレフィン化合物の理論的ヒドロホルミル化に対するヒドロホルミル化反応速度対一酸化炭素の分圧をプロットする図1を参照する。本質的に逆U字型の曲線がこうした方法の典型的なものであり、一般に、二つの領域:(1)ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素分圧の増大と共に増大し、ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素分圧の低下と共に低下する正次数領域;及び(2)ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素分圧の増大と共に低下し、ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素分圧の低下と共に増大する負次数領域を包含する。更に詳しくは、図1は、初期に反応速度は増大するCO分圧と共に増大するが、最大に達した後、反応速度は増大するCO分圧と共に鋭く落下することを示す。正から負の勾配への鋭い変化は、一酸化炭素に関する正次数から負又は逆次数への反応速度遷移として起こる。前述のように、ヒドロホルミル化プロセスはヒドロホルミル化速度曲線の負次数領域中で有利に運転されるが、さもないと触媒は阻害性及び毒性リン副生成物の形成を通して劣化する。
ヒドロホルミル化速度曲線の負次数領域中での運転は実証された利点を提供するが、速度曲線のこの領域中での運転パラメータの制御は、図1の仮想曲線に示されるように、速度曲線の負次数領域における反応速度の入手は得ることが難しい程に、かなり困難で厄介である。困難性を説明するために、プロピレンのヒドロホルミル化(反応条件:H2:COモル比、1.04:1;プロピレン供給量、304g/時間;75℃;全体の一定排出量、32.67標準リットル/時間(SLH))に対する一定排出量での全圧対合成ガス供給量をグラフ化する図2を参照する。プロットは、約85.34SLHの合成ガス供給量での約219psig(1510kPa)から215.77SLHの合成ガス供給量での約65psig(448kPa)へ確実に低下して行く全圧を示す。辛うじてこの合成ガス供給量を超える、ほんの220.60SLHで、全圧は370psig(2551MPa)を超えるまで劇的に不釣合いに飛び上がる。反応圧力の鋭い増加は、反応速度の鋭い落下及び一酸化炭素及び水素分圧の付随的な鋭い増加、そして多分また反応温度の鋭い落下を示す。反応安定性の損失は、プロセスがそこで一酸化炭素に関して正次数から負次数に遷移した合成ガス供給量で起こる。
上述のようなこうしたデータは、一酸化炭素に関して負次数である速度曲線の領域中で運転する場合に、全圧、温度、排出量及び反応速度などのプロセス・パラメータを制御するための必要性を示す。上に指摘された課題は、本明細書において記載される本発明の適用により簡単にしかも安価に解決することができる。
一つの態様において、本発明は、ヒドロホルミル化触媒存在下で1種又はそれ以上の反応物質、一酸化炭素、及び水素を反応させて、1種又はそれ以上の生成物を含む反応生成物流体を製造することを含む新規で改良されたヒドロホルミル化プロセスを提供し、このプロセスは、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下するような一酸化炭素分圧で行われると共に、以下のプロセス工程が反応速度、全圧、排出量、温度、又はそれらの組合せを安定化させるために行われ、前記プロセス工程は以下から選択されるプロセス制御計画の少なくとも一つを含む。
スキームA:
(a1)目標全圧を確定し、
(a2)全圧を検出し、検出された全圧と目標全圧との差を測定し、そして
(a3)工程(a2)において測定される圧力差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給量を操作して検出された全圧を目標全圧に本質的に合わせること;及び
スキームB:
(b1)目標排出量を確定し、
(b2)排出流速を検出し、検出された排出流速と目標流速との差を測定し、そして
(b3)段階(b2)において測定される排出流速差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出された排出流速を目標排出量に本質的に合わせること。
本発明の代替態様において、プロセス工程(a1)〜(a3)及びプロセス工程(b1)〜(b3)は、すべて、検出された全圧を目標全圧に本質的に合わせ、検出された排出流速を目標排出流速に本質的に合わせるように実施する。
用語「全圧(total pressure)」は、一酸化炭素、水素、オレフィン、反応生成物、及びあらゆる不活性ガス、副生成物、及び気相不純物の分圧の合計を含む工程の全体気相圧力を意味すると解釈される。
好ましい実施形態において、本発明は、金属−有機リンリガンド錯体触媒及び任意的な遊離有機リンリガンドの存在下に1種又はそれ以上のオレフィン不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応させて1種又はそれ以上のアルデヒドを含む反応生成物流を生成させることを含む新規で改良されたヒドロホルミル化プロセスを提供し、このヒドロホルミル化プロセスは、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下するような一酸化炭素分圧で行われると共に、以下の工程が反応速度、全圧、排出流速、反応温度、又はそれらの組合せを安定化させるように一酸化炭素分圧を浮動させるために行われ、前記プロセス工程は以下から選択されるプロセス制御スキームの少なくとも一つを含む。
スキームA:
(a1)目標全圧を確定し、
(a2)全圧を検出し、検出された全圧と目標全圧との差を測定し、そして
(a3)工程(a2)において測定される圧力差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出された全圧を目標全圧に本質的に合わせること;並びに
スキームB:
(b1)目標排出流速を確定し、
(b2)排出流速を検出し、検出排出流速と目標流速との差を測定し、そして
(b3)工程(b2)において測定される排出流速差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出排出流速を目標排出流速に本質的に合わせること。
好ましい実施形態の別の態様において、プロセス工程(a1)〜(a3)及びプロセス工程(b1)〜(b3)は、すべて、検出全圧を目標全圧に本質的に合わせ、検出排出流速を目標排出流速に本質的に合わせるように実施する。
更に好ましい実施形態において、本発明は、金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒及び任意的な遊離有機ポリホスファイトリガンドの存在下に1種又はそれ以上のオレフィン不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応領域中で反応させて、1種又はそれ以上のアルデヒドを含む反応生成物流体を生成させると共に、1種又はそれ以上のアルデヒドを少なくとも一つの分離領域中で金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒及び任意的な遊離有機ポリホスファイトリガンドから分離することを含む新規で改善されたヒドロホルミル化プロセスを提供し、この改良は、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下するような一酸化炭素分圧でヒドロホルミル化プロセスを行うことを含むと共に、以下の工程が反応速度、全圧、排出流速、反応温度、又はそれらの組合せを安定化させるように一酸化炭素分圧を浮動させるために行われ、このプロセス工程は以下から選択されるプロセス制御スキームの少なくとも一つを含む。
スキームA:
(a1)目標全圧を確定し、
(a2)全圧を検出し、検出された全圧と目標全圧との差を測定し、そして
(a3)工程(a2)において測定される圧力差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給量を操作して検出全圧を目標全圧に本質的に合わせること;及び
スキームB:
(b1)目標排出流速を確定し、
(b2)排出流速を検出し、検出された排出流速と目標流速間の差を測定し、そして
(b3)段階(b2)において測定される排出流速差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出排出流速を目標排出流速に本質的に合わせること。
この更に好ましい実施形態において、代替として、プロセス工程(a1)〜(a3)及びプロセス工程(b1)〜(b3)は、検出全圧を目標全圧に本質的に合わせ、検出排出流速を目標排出流速に本質的に合わせるように実施することが可能である。
別の態様において、本発明は、1種又はそれ以上の反応物質を供給するための手段、合成ガスを供給するための手段、任意的な一酸化炭素の第2の供給源を供給するための手段、触媒溶液を供給するための手段、反応及び不活性ガスを排出するための手段、反応流体を引き出すための手段、全体ガス圧力を測定するための手段、並びに反応及び不活性ガスの排出流速を測定するための手段を含む反応器を含む、ヒドロホルミル化プロセスを安定化させるための新規な装置であり、この装置は、更に、以下から選択される設計スキームの少なくとも一つを含む。
設計A:
(a1)目標全体ガス圧力と測定全体ガス圧力との圧力差を決定するための手段、
(a2)圧力差に対応する信号を発生させるための手段、
(a3)(a2)からの信号を受け取り、出力信号を決定し送信して、合成ガス及び/又は一酸化炭素の第2の供給源の流速を操作し、測定全圧を目標全圧に合わせるための手段;並びに
設計B:
(b1)目標排出流速と測定排出流速との排出量差を決定するための手段、
(b2)排出流速差に対応する信号を発生させるための手段、
(b3)(b2)からの信号を受け取り、出力信号を決定し送信して、合成ガス及び/又は一酸化炭素の第2の供給源の流速を操作し、測定排出流速を目標排出流速に合わせるための手段。
代替実施形態において、装置は上の設計構成(a1)〜(a3)及び設計構成(b1)〜(b3)のすべてを含むことが可能である。当業者は、差に対応する信号を発生するための手段、信号を受け取るための手段、及び信号を測定し出力して、プロセス変数を制御するための手段の説明用の制御系工学技術に関する標準文献を対象にする。
上述のプロセス発明は、一酸化炭素に関するヒドロホルミル化速度曲線の敏感な逆又は負次数領域中でのプロセス運転の間、プロセス・パラメータの突然の極端な変化の低減又は排除、及びヒドロホルミル化反応速度、全圧、排出量、反応器温度、又はそれらの組合せなどの反応パラメータの繰り返しに対する低減及び制御を含むプロセス安定化を提供する。本発明の一つの好ましい実施形態において、高まった反応制御及び安定性は、好ましくは一定の目標排出量で、目標全体反応圧力を保持するように一酸化炭素含有入口ガスの流量を調整することにより達成される。別の好ましい実施形態において、反応制御及び安定性は、好ましくは一定の目標全圧で、目標排出流速を保持するように、一酸化炭素含有供給ガスの流速を調整することにより達成される。従って、本発明のプロセスは、ヒドロホルミル化反応速度の変動から生じる全圧及び/又は排出流速の変動に応じて、一酸化炭素分圧を上下に浮動させることを可能とし、それによって、突然で極端なプロセス・パラメータの逸脱又はそれらの繰り返しに対してプロセスを安定化させる。実際の運転において、本プロセス発明はガス流量及び全圧を操作するので、本プロセスが液相を操作する遅い応答により、又は特定ガス成分分圧を検出する遅い応答により妨げられることはない。その結果、本プロセスの応答は、先行技術法の応答よりも有意に迅速である。
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、非対称又は非非対称(non−asymmetric)であることが可能であり(好ましいプロセスは非非対称である)、任意の連続又は半連続式で行うことが可能であり、任意の従来型の触媒液体及び/又はガス及び/又は要望どおりに抽出再循環運転を含むことが可能である。本明細書において用いる用語「ヒドロホルミル化」は、典型的にはヒドロホルミル化触媒の存在下で、1種又はそれ以上の置換又は非置換オレフィン化合物、又は1種又はそれ以上の置換又は非置換オレフィン化合物を含む反応混合物を、1種又はそれ以上の置換又は非置換アルデヒド又は1種又はそれ以上の置換又は非置換アルデヒドを含む反応混合物に転化させることを含む、すべての実施可能な非対称及び非非対称ヒドロホルミル化プロセスを包含するように考えられている。技術上公知の任意のヒドロホルミル化触媒は、本発明プロセス中に適して用いることが可能である。好ましくは、ヒドロホルミル化触媒は金属−有機リンリガンド錯体触媒を含み、このリガンドは、例えばトリ有機ホスファイト、有機ポリホスファイトリガンド、又はそれらの組合せを含む。更に好ましくは、ヒドロホルミル化触媒は金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒を含む。本発明に適用可能である例証的金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒化ヒドロホルミル化プロセスには、例えば、それらの開示内容を本明細書に参考のため組み入れる、米国特許第4,148,830号明細書、第4,593,127号明細書、第4,769,498号明細書、第4,717,775号明細書、第4,774,361号明細書、第4,885,401号明細書、第5,264,616号明細書、第5,288,918号明細書、第5,360,938号明細書、第5,364,950号明細書及び第5,491,266号明細書に記載されているようなプロセスが挙げられる。従って、本発明に適用可能なヒドロホルミル化処理技術は、技術上公知で記載されている任意の処理技術に対応することが可能である。好ましい方法には、それらの開示内容を本明細書に参考のために組み入れる米国特許第4,668,651号明細書、第4,774,361号明細書、第5,102,505号明細書、第5,110,990号明細書、第5,288,918号明細書、第5,874,639号明細書及び第6,090,987号明細書に記載されている触媒液体再循環ヒドロホルミル化プロセス;及び米国特許第5,932,772号明細書、第5,952,530号明細書、第6,294,700号明細書、第6,303,829号明細書、第6,303,830号明細書、第6,307,109号明細書及び第6,307,110号明細書に記載されているような抽出ヒドロホルミル化プロセスを含むものが挙げられる。
一般に、こうした触媒化液体ヒドロホルミル化プロセスは、触媒及びリガンド用の有機溶媒をまた含有することが可能である液相中の金属−有機リンリガンド錯体触媒の存在下で、オレフィン不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応させることによるアルデヒドの製造を含む。好ましくは、遊離有機リンリガンドは、また、液相中に存在する。「遊離有機リンリガンド(free organophosphorus ligand)」とは、金属、例えば錯体触媒の金属原子と錯体化する(それに繋がれるか又は結合される)ことのない有機リンリガンドを意味する。一般に、ヒドロホルミル化プロセスは、触媒及びアルデヒド生成物を含有する液体反応流体の一部が、ヒドロホルミル化反応器(これは一つの反応領域又は例えば直列での複数の反応領域を含むことが可能である)から連続的又は間歇的のいずれかで抜き出し;アルデヒド生成物を当該分野で記載されている技術により、そこから分離し回収し;次に、分離からの金属触媒含有残留物を、例えば、米国特許第5,288,918号明細書に開示されているように反応領域に再循環させる再循環プロセスを含むことが可能である。(複数の反応領域が直列で用いられる場合、反応物質オレフィンは、第1反応領域のみに供給することが可能であるが、一方で触媒溶液、一酸化炭素及び水素は各反応領域に供給することが可能である。)以下に用いるように、用語「反応流体」又は「反応生成物流体」は、(a)金属−リガンド錯体触媒、好ましくは金属−有機リンリガンド錯体触媒、(b)反応で形成されるアルデヒド製品、(c)任意的な、遊離リガンド、(d)任意的な、未反応オレフィンを含む未反応反応物質、(e)前記金属−リガンド錯体触媒及び前記任意の遊離リガンド用の有機可溶化剤及び(f)任意的な、反応流体中での加水分解により形成される1種又はそれ以上の阻害性又は毒性リン副生成物を含む反応混合物に限定するものではないが、それらを含むように考えられている。ヒドロホルミル化反応流体が、慎重に添加されるか又はプロセスの間にその場で(in situ)形成されるかのいずれかであるものなどの少量の追加成分を含有することができると共に、通常それらを含有することは、理解されるべきである。こうした追加成分の例には、一酸化炭素及び水素ガス、及び飽和炭化水素などのその場で(in situ)形成される生成物、及び/又はオレフィン出発材料に対応する未反応異性化オレフィン、及び/又は高沸点液体アルデヒド縮合副生成物、並びに用いられる場合は他の不活性共溶媒又は炭化水素添加剤が挙げられる。
上述のように、本発明は、阻害性又は毒性リン副生成物により引き起こされる金属−有機リンリガンド錯体触媒の失活が、ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素に関して負又は逆次数からなる反応領域中でヒドロホルミル化プロセスを行うことにより逆転するか、又は少なくとも減じることができること、そして更に、反応速度曲線の負又は逆領域におけるヒドロホルミル化反応速度、全圧、排出流速、温度、又はそれらの組合せの突然の変化又は繰り返しが、目標全圧又は目標排出流速のいずれか、又は両方を保持するように一酸化炭素分圧を浮動させることにより防止するか、及び/又は減じることができるという発見に存する。
実施可能な目標全圧の選択は、本発明における重要な態様を構成する。この関連で、反応器設計は選択に影響を与えることが可能である。好ましくは、データ収集の間定常状態運転を可能とする反応器設計が用いられる。連続液体再循環ヒドロホルミル化設計が図3に示される。こうした反応器は、好ましくは、インペラ(1)、インペラシャフト(2)、オレフィン供給ライン及び流れ制御(3)、合成ガス供給ライン及び流れ制御(4)、排出ライン及び排出流速制御(5)、全圧センサー(6)、反応器から製品溶液を除去するための出口ライン(7)、及び回収触媒を反応器に戻して供給するための入口ライン(8)を備える。合成ガス供給ラインは、典型的には、反応器中のスパージャー(噴霧器)につながる。任意的に、反応器は、反応器の内部チャンバーを複数の反応領域に分離する1又はそれ以上のバッフル(図示していない)を含むことが可能である。典型的に、各バッフルは反応器の内壁に取り付けられ、反応器中にインペラシャフトに垂直に延びる;そして各バッフルは、インペラシャフト並びに反応流体及びガスの通路用の十分なサイズの開口部又は穴を含有する。典型的には、こうしたバッフルにより形成される反応器中の各チャンバー又は領域は、インペラ並びにそのチャンバー又は領域中で反応流体を循環し混合するためのガススパージャーを含有する。
説明目的のため、実施可能目標全圧の選択は、図3におけるように設定された装置を用い、図2を参照して検討する。最初に、特定の不飽和オレフィン化合物又はオレフィン化合物の混合物、特定のヒドロホルミル化触媒、好ましくは金属−有機リンリガンド錯体触媒、任意的な過剰リガンド、溶媒、反応温度、オレフィン供給流速及び合成ガスH2:COモル比を含む多様なプロセス・パラメータを選択する。化学量論的にオレフィン供給流速よりも少ない、好ましくはオレフィン供給流速に対して化学量論的に1/2未満の供給流速である初期合成ガス供給流速を選択する。反応器からの排出流速もまた選択する。典型的には、合成ガス供給流速及び全圧を除いて、すべての変数は固定させる。
図2を参照して、合成ガス供給流速から始まり、反応が定常状態運転に達した後、全圧を検出し記録する。この評価の初期相において、過剰のオレフィン供給流速が存在し、反応系は化学量論量より低い合成ガス供給流速により速度律速である。従って、固定オレフィン供給流速で合成ガス供給流速が増大するにつれて(及び一般的に初期には反応が一酸化炭素に関して正次数であるので)、全系圧力は、より多くの一酸化炭素及び水素がヒドロホルミル化反応の化学量論量を満足させるために利用可能であるので着実に下がってゆく。全圧は、一酸化炭素分圧が速度曲線の負次数領域中に入り込むために十分高くある点に達するまで下がり続ける。その点に達すると、全圧は、追加の一酸化炭素分圧の各増分がヒドロホルミル化速度を遅くするか又は和らげるので、突然に且つ劇的に上昇する。望ましい目標全圧は、曲線の負次数領域において測定される全圧の範囲から選択する(図2、合成ガス供給流速及びCO分圧の増加と共に急角度で上昇する正の勾配)。
一旦上述のように目標全圧が選択されると、次に、本発明の一つの実施形態において、ヒドロホルミル化処理の間の実際の圧力は、標準圧力検出手段を用いて間歇的に又は好ましくは連続的に監視し、目標全圧と実際の全圧との差を計算する。その後、反応安定性は、一酸化炭素入口ガスの流速を上方又は下方のいずれかに調整して、好ましくは目標排出流速を保持しながら、測定圧を目標全圧に再設定することにより達成する。(目標排出量の決定は以下に記載する。)従って、実際の圧力が目標圧力に対して高くある場合(これは不十分なヒドロホルミル化速度を意味する)、一酸化炭素含有ガスの流速は元に後退させる。測定圧が目標圧力に対して低くある場合(これは許容不可の速いヒドロホルミル化速度を意味する)、一酸化炭素含有ガスの流速は急に増大する。
全圧は、反応器への合成ガス入口直前の合成ガス供給源ライン中に、又は代替的に反応器それ自体中に、又は反応器から出る排出ライン中に置くことが可能である任意の従来型の圧力検出手段により適宜測定する。一酸化炭素含有ガスは、反応が一酸化炭素に関して負次数である領域中で行うこと、及び全圧が、好ましくは目標反応器排出量での一酸化炭素含有ガスの流量を調整することにより一定に保持するという条件を満足させる任意の方法で、反応器に供給することが可能である。図4に示す本発明の一つの実施形態において、合成ガス(4)の第1の供給量は反応器圧力を制御するために変えられる。特に望ましい結果は、最小の第1の一酸化炭素含有ガス流速(即ち合成ガスの流速)(4)を設定し、次に、全圧を一酸化炭素含有ガスの第2の供給量(9)により目標圧に合わせることにより得られる。前述の運転方式において、反応物質(例えばオレフィン)供給流速、反応物質供給原料組成、合成ガス供給原料組成、液体レベル、攪拌速度、反応流体の抜き出し速度、触媒溶液の再循環速度、温度、及び排出流速などの他のプロセス条件は、更に好ましくは、一定値に本質的に設定する。
第1及び第2の一酸化炭素供給流速を用いる後者の方法は、図2に示すデータから得られる情報を用いて、図4により説明することができる。この方法において、目標全圧は曲線の急角度に上昇する正勾配に沿って選択する(例えば図2、点3)。その後、最小の第1の一酸化炭素含有ガス流速は、目標全圧に対応するほぼ最小の一酸化炭素供給流速として選択する(図2、点1、全圧曲線の平坦線目標全圧との第1交点)。好ましくは、より高い合成ガス又は一酸化炭素供給流速は、望ましくは、系が速度曲線の正次数領域中で安定化しないことを裏付けるために、用いる。全圧が望ましい目標圧力未満であって、適する最小の第1の一酸化炭素流量で運転しながら、一酸化炭素含有ガスの第2の典型的にはインクレメントの流量(図4(9))を、反応器に供給して全圧を目標値に調整する。第2の供給流速からの一酸化炭素の添加により、全圧は、図2に示すように、最小点が達成されるまではなおより低く動く。最小点を過ぎて、反応は一酸化炭素に関して負次数であるより急角度の勾配の領域に入る;しかし、第2の一酸化炭素流は、図4(9)の設計に見られるように、この領域での急冷剤として作用し、それによって急速で敏感な反応制御を提供する。従って、一酸化炭素が消費され、反応速度が加速されるので、追加の一酸化炭素は、反応を急冷し安定化させるために、添加する。このようにして、図4に示すように、一酸化炭素供給量及び分圧は一定ではなく、むしろ目標全圧にできるだけ近づけて全圧を保持するために上下に浮動する。図2(点2)に示すように、最大の第1の一酸化炭素含有ガス流量は、好ましくは反応器全圧の目標全圧との第2交点で選択することが可能である。
好ましくは、合成ガスは、一酸化炭素含有ガス供給の第1の供給源を提供するために用いる(図4(4)参照)。純粋一酸化炭素又は一酸化炭素含有ガス、例えば合成ガスの分離流は、第2反応急冷ガス源を提供することができる(図4(9)又は図13(12)参照)。適する一酸化炭素含有ガスには、水素、合成ガス、窒素、ヘリウム、アルゴン及び/又はメタン、並びにそれらの混合物との一酸化炭素混合物が挙げられる。個別のガス流制御は第1及び第2の流れに提供することが可能であり、又は、第2の流れが一酸化炭素含有ガスとして合成ガスを用いる場合において、単一の流量計(フローメーター)は適切なプロセス制御により用いることが可能である。
前述の実施形態において、一酸化炭素含有ガスの調整量は、所定の目標値で全圧を制御するために、第2の一酸化炭素源から反応器に供給する。反応器排出流速は一定に保つことが可能であるが、例えば流速を測定するオリフィス流量計及び制御手段、即ち、通気式オリフィス流量計を通して流速を制御する弁により独立に測定し制御することが可能である。用語「弁」は、ガスの流れが、玉形、仕切り、ニードル、プラグ(コック)、蝶形、持ち上げ(poppet)、及びスプール弁に限定するものではないが、それらを含む、典型的に、1又はそれ以上のポート又は通路を開け、閉め、又は部分的に遮る可動部分により開始し、停止し、又は制御することが可能である多くの装置のいずれかを指す。
供給しようとする水素対一酸化炭素の比がヒドロホルミル化及び副生成物オレフィン水素化の化学量論量と異なる程度まで、本明細書において開示されるように、プロセスを運転する場合、過剰ガス及び副生成物ガスは工程生産性を保持するために排出することが好ましい。さもなければ、所定の全プロセス圧において、全プロセス圧の増加分は、望まれていないか又は望ましくない成分の寄与による。同様のやり方で、オレフィン供給原料中のメタン、二酸化炭素、窒素又は他の不活性物質又はガス状不活性物質を含む合成ガス中の不純物は、集積し、プロセス生産性を低下させることができる。これらの不純物も、また、排出する必要がある。
従って、本発明の別の好ましい実施形態において、反応安定性は排出流速によって制御することができる(図19)。こうした実施形態において、反応器に供給される一酸化炭素含有ガスの流速(図19(14))は、好ましくは、目標全圧を保持しながら、反応器排出量を目標排出量に合わせるために、用いる。目標排出量は、反応器からの排出流(図19(11))を監視し、水素及び不純物ガスなどの不活性物質の放出を最大化すると共に、反応物質オレフィン及び任意的な合成ガスの放出を最小化する排出量を選ぶことにより決定される。標準ガスクロマトグラフィー技術は、排出流の分析用に適して用いることが可能である。最小目標排出量は、オレフィンの水素化又はオレフィンと共に供給される不活性物質により形成される飽和炭化水素などの一部の不活性物質が、また、触媒溶液中に溶解して出ることが可能であることを勿論認識して、本質的にそれらが導入されている速度で過剰の水素及び不純物ガスを除去するものである。最小値よりも高い目標排出流速はまた許容可能であるが、しかし、低下したプロセス効率のコストでとなる。本発明により、測定排出流速が目標排出流速から変動するので、その結果、一酸化炭素含有供給ガスは、測定排出流速を目標排出流速に戻して合わせるために変えられる。実際には、目標排出流速を超えて増大する排出流速は、一酸化炭素含有供給ガス流速の低下をもたらし、目標排出流速未満の排出流速の低下は、一酸化炭素含有供給ガス流速の増大をもたらす。この好ましい実施形態において、更に好ましくは、反応物質(例えば、オレフィン)供給流速、反応物質供給原料組成、合成ガス供給原料組成、液体レベル、攪拌速度、反応流体の抜き出し速度、触媒溶液の再循環速度、温度及び全圧などの他のプロセス条件は、本質的に一定値に設定する。
本発明の第1及び第2両方の好ましい実施形態は、いくつかの共通の態様を有する。最小の一酸化炭素含有供給ガス量は、典型的には、第1の一酸化炭素源を用いて、及び全圧対合成ガス供給量のグラフ(図2)から取られる所定の運転パラメータを用いて制御する。全圧(制御1)及び反応器排出流速(制御2)は、個別に又は両方が一定の所定の目標値で制御する(2個の制御変数)。二つの制御手段(又は同等品;例えば、弁)が一般的に提供され、一つの手段は第2の一酸化炭素含有供給ガス上であり、別の手段は反応器排出ライン上である(2個の操作変数)。二つの実施形態間の主な相違は、第1設計において全圧を測定し、他方第2設計において排出流速を測定することである。いずれの測定値も、適切な信号化手段を介して一酸化炭素供給ライン、好ましくは第2の一酸化炭素供給ラインに伝達されて、全圧を目標圧力に合わせるか、又は排出量を目標排出流速に合わせる。好ましくは、調整は、設計限界内で目標圧力及び目標排出流速に実際上できるだけ近づけてなされる。
本発明の第3の好ましい実施形態において、第1及び第2の好ましい実施形態の態様を組合せる。全圧及び反応器排出流速(2個の制御変数)は、両方とも、二つの制御手段(即ち弁又は同等品)を用いて所定の目標値に制御し、一つの手段は一酸化炭素含有供給ガス上であり、別の手段は反応器排出ライン上である(2個の操作変数)。適切に組合された測定値は、適切な信号化手段を介して一酸化炭素供給ライン、好ましくは第2の一酸化炭素供給ライン及び反応器排出流ラインに伝達して、全圧を目標圧力に合わせ、そして排出流速を目標排出流速に合わせる。
ヒドロホルミル化プロセスが直列に接続された複数の連続攪拌タンク反応器中で行われる場合に、直列の1又はそれ以上の反応器からの排出流速及び/又は反応器圧力は、直列の複数反応器にわたる全体排出流速及び/又は圧力を推定するために用いることができると共に、測定値(複数を含む)は、次に、第1の反応器又はあらゆる他の反応器又は反応器の組合せでの一酸化炭素含有ガス(例えば合成ガス)入口ラインに伝達して、全部の一連の反応器にわたる全圧及び/又は排出量を、目標全圧又は目標排出量、又はそれらの組合せに合わせることができる。
別の見解として、更なる分離又は精製ありか、又はなしで、反応器からの全排出ガスの一部は、反応器への供給原料として再循環することが可能である。
意外にも、本発明の方法により、ヒドロホルミル化プロセスは、極めて望ましく通常体対分岐アルデヒド異性体比及びリガンド/触媒安定性が高められるが、しかし、さもなければ本発明までプロセス制御が難問であってきた一酸化炭素に関する速度曲線の負又は逆次数領域中で、簡単に、安価で、且つ効率的に制御することができる。更に、速度曲線の逆次数領域中での最適一酸化炭素分圧の領域を選択し、その中で運転することは、本発明によって可能である。好ましくは、ヒドロホルミル化反応速度対一酸化炭素分圧のプロットにより決定される最大(ピーク)反応速度の最大値での、又はその50%以内での、更に好ましくはピーク反応速度の30%以内での、最も好ましくはピーク反応速度の10%以内でのヒドロホルミル化反応速度を達成する一酸化炭素分圧が選択される。
適当なヒドロホルミル化プロセス条件に関連して、本発明のヒドロホルミル化プロセスに用いることが可能である例示的金属−リガンド錯体触媒、並びにそれらの製造のためのプロセスは、技術上周知であり、上述の参照特許に開示されているものが挙げられる。一般に、こうした触媒は、その場で(in situ)予備成形するか、又は成形し、一般的に有機リンリガンド、好ましくは有機ポリホスファイトリガンドとの錯体結合中の金属から本質的になることが可能である。一酸化炭素もまた存在し、また金属に直接結合する水素を含有することが可能である活性種中の金属と錯体化されることは信じられる。
金属−リガンド錯体を作り出す許容可能金属には、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)及びそれらの混合物から選択される8、9及び10族金属が挙げられ、好ましい金属はロジウム、コバルト、イリジウム及びルテニウムであり、更に好ましいものはロジウム、コバルト及びルテニウムであり、最も好ましいものはロジウムである。他の許容可能金属には、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びそれらの混合物から選択される6族金属が挙げられる。6、8、9及び10族からの金属の混合物も、また、本発明において用いることが可能である。
金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体及び遊離有機ポリホスファイトリガンドを作り出す好ましい有機ポリホスファイトリガンドには、モノ−、ジ−、トリ−及びそれより高次の有機ポリホスファイトが挙げられる。こうしたリガンドの混合物は、必要ならば、金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒及び/又は遊離リガンド中で用いることが可能であり、こうした混合物は同じものであるか、又は異なることが可能である。
本明細書及び請求の範囲において用いる用語「錯体(complex)」は、1又はそれ以上の電子的に豊富な分子又は原子の、1又はそれ以上の電子的に乏しい分子又は原子との結合により形成される配位化合物を意味する。例えば本明細書において使用可能な有機ポリホスファイトリガンドは、独立に又はできれば金属と協力して(例えばキレート化を介して)配位共有結合を形成することがそれぞれ可能である、一つの利用可能な、又は非共有電子対を、それぞれが有する2又はそれ以上のリン・ドナー原子を持つ。一酸化炭素もまた存在し、金属と錯体化することができる。錯体触媒の最終組成は、また、追加のリガンド、例えば水素又は金属の配位部位又は核電荷を充足するアニオンを含有することが可能である。例証的追加リガンドには、例えばハロゲン(Cl、Br、I)、アルキル、アリール、置換アリール、アシル、CF3、C25、CN、(R)2PO及びRP(O)(OH)O(式中、各Rは同じであるか、又は異なり、置換又は非置換の炭化水素ラジカル、例えばアルキル又はアリール基である)、酢酸塩、アセチルアセトネート、SO4、PF4、PF6、NO2、NO3、CH3O、CH2=CHCH2、CH3CH=CHCH2、C25CN、CH3CN、NH3、ピリジン、(C253N、モノオレフィン、ジオレフィン及びトリオレフィン、及びテトラヒドロフランなどが挙げられる。
こうした金属上の利用可能な配位部位の数は、技術上周知である。従って、触媒種は、好ましくは金属、例えばロジウム1分子当り錯体化される少なくとも一つの有機リン含有分子により特徴付けられる、それらの単量体、2量体又はそれより多核の形態にある錯体触媒混合物を含むことが可能である。例えばヒドロホルミル化反応において用いられる好ましい触媒の触媒種が、ヒドロホルミル化反応により用いられる一酸化炭素及び水素ガスの観点から有機リンリガンド(複数を含む)に加えて一酸化炭素及び水素と錯体化することが可能であることは考えられる。
金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒のリガンド及び/又はヒドロホルミル化プロセスの遊離リガンドとして役立つことが可能である好ましい有機ポリホスファイト、及び本発明の反応生成物流体は、アキラル(achiral)(光学的に不活性)か又はキラル(chiral)(光学的に活性)であることが可能であり、技術上周知である。アキラル有機ポリホスファイトが好ましい。代表的な有機ポリホスファイトは2又はそれ以上の第3(3価の)リン原子を含有し、以下の式を有するものを挙げることが可能である:
Figure 2008508355
式中、Xは2〜40個の炭素原子を含有する置換又は非置換のn価の有機架橋性ラジカルを表し、各R1は同じであるか、又は異なり、4〜40個の炭素原子を含有する2価の有機ラジカルを表し、各R2は同じであるか、又は異なり1〜24個の炭素原子を含有する置換又は非置換の1価の炭化水素ラジカルを表し、a及びbは同じであるか、又は異なることができ、a+bの合計が2〜6であるという条件付きで、それぞれは、0〜6の値を有し、nはa+bに等しい。勿論、aが2又はそれ以上の値を有する場合に各R1ラジカルは同じであるか、又は異なることが可能であり、bが1又はそれ以上の値を有する場合に各R2ラジカルは同じであるか、又は異なることが可能であることは、理解されるべきである。
Xにより表される代表的なn価(好ましくは2価)の炭化水素架橋性ラジカル及び上記R1により表される代表的な2価の有機ラジカルには、アルキレン、アルキレン−Qm−アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、ビスアリーレン、アリーレン−アルキレン、及びアリーレン−(CH2y−Qm−(CH2y−アリーレンラジカルなどの非環式ラジカル及び芳香族ラジカルの両方が挙げられる(式中各yは同じであるか、又は異なり、0又は1の値である)。Qは、−C(R32−、−O−、−S−、−NR4−、−Si(R52−及び−CO−から選択される2価の架橋性基を表す(式中各R3は同じであるか、又は異なり、水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、フェニル、トリル、及びアニシル基を表し、R4は水素又は置換又は非置換の1価炭化水素ラジカル、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表し;各R5は同じであるか、又は異なり、水素又はアルキル基を表し、そしてmは0又は1の値である)。上記X及びR1により表される更に好ましい非環式ラジカルは2価のアルキレンラジカルであり、一方で上記X及びR1により表される更に好ましい芳香族ラジカルは、例えばそれらの開示内容を本明細書に参考のため組み入れる米国特許第4,769,498号明細書、第4,774,361号明細書、第4,885,401号明細書、第5,179,055号明細書、第5,113,022号明細書、第5,202,297号明細書、第5,235,113号明細書、第5,264,616号明細書、第5,364,950号明細書、第5,874,640号明細書、第5,892,119号明細書、第6,090,987号明細書及び第6,294,700号明細書などに更に詳しく開示されるものなどの2価のアリーレン及びビスアリーレンラジカルである。上記各R2ラジカルにより表される代表的な好ましい1価の炭化水素ラジカルには、アルキル及び芳香族ラジカルが挙げられる。
例示的に好ましい有機ポリホスファイトには、以下の式(II)〜(IV)で表されるものなどのビスホスファイトを挙げることができる。
Figure 2008508355
式(II)〜(IV)中、各R1、R2及びXは、式(I)に対して上に記載されたものと同じである。好ましくは、各R1及びXは、アルキレン、アリーレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン及びビスアリーレンから選択される2価の炭化水素ラジカルを表し、一方で各R2ラジカルは、アルキル及びアリールラジカルから選択される1価の炭化水素ラジカルを表す。こうした式(II)〜(IV)で表される有機ポリホスファイトリガンドは、例えば、それらのすべての開示内容を本明細書に参考のために組み入れる米国特許第4,668,651号明細書、第4,748,261号明細書、第4,769,498号明細書、第4,774,361号明細書、第4,885,401号明細書、第5,113,022号明細書、第5,179,055号明細書、第5,202,297号明細書、第5,235,113号明細書、第5,254,741号明細書、第5,264,616号明細書、第5,312,996号明細書、第5,364,950号明細書及び第5,391,801号明細書に開示されているものに見出すことが可能である。
更に好ましいクラスの有機ビスホスファイトの代表例には以下の式(V)〜(VII)で表されるものが挙げられる。
Figure 2008508355
式中、Q、R1、R2、X、m及びyは、上に定義した通りであり、各Arは同じであるか、又は異なり、置換又は非置換のアリールラジカルを表す。最も好ましくは、各yが個々に0又は1の値を有する2価のアリール−(CH2y−(Q)m−(CH2y−アリールラジカルを表し、mは0又は1の値を有し、そしてQは、−O−、−S−又は各R3が同じであるか、又は異なり、水素又はメチルラジカルを表す−C(R32−である。更に好ましくは、上に定義されるR2基の各アルキルラジカルは、1〜24個の炭素原子を含有することが可能であり、上記式(V)〜(VII)の上に定義されるAr、X、R1及びR2基の各アリールラジカルは6〜18個の炭素原子を含有することが可能であると共に、前記ラジカルは同じであるか、又は異なることが可能であり、一方でXの好ましいアルキレンラジカルは2〜18個の炭素原子を含有することが可能であり、R1の好ましいアルキレンラジカルは5〜18個の炭素原子を含有することが可能である。加えて、好ましくは、2価のArラジカル及び上記式で表されるXの2価アリールラジカルは、−(CH2y−(Q)m−(CH2y−により表される架橋性基が、フェニレンラジカルを式のそれらのリン原子に連結する式の酸素原子に対してオルトである位置にある前記フェニレンラジカルに結合されるフェニレンラジカルである。こうしたフェニレンラジカル上に存在する場合にあらゆる置換基ラジカルが、所定の置換フェニレンラジカルをそのリン原子に結合する酸素原子に関連して、フェニレンラジカルのパラ及び/又はオルト位に結合されることも、また好ましい。
更に、所望ならば、上記式(I)〜(VII)中の任意の所定の有機ポリホスファイトは、イオン性亜リン酸塩であることが可能である、即ち、Mが無機又は有機カチオンを表す−SO3M、Mが無機又は有機カチオンを表す−PO3M、各R6が同じであるか、又は異なり、1〜30個の炭素原子を含有する炭化水素ラジカル、例えばアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル及びシクロアルキルラジカルを表し、X1が無機又は有機アニオンを表すN(R631、Mが、例えば、それらの開示内容を本明細書に参考のために組み入れる米国特許第5,059,710号明細書、第5,113,022号明細書、第5,114,473号明細書及び第5,449,653号明細書に記載されているような無機又は有機カチオンを表す−CO2Mからなる群から選択される1又はそれ以上のイオン性部分を含有することが可能である。従って、必要ならば、こうした有機ポリホスファイトリガンドは、1〜3個のこうしたイオン性部分を含有することが可能であるが、一方で、リガンドが1個又はそれ以上のこうしたイオン性部分を含有する場合に、ただ一つのこうしたイオン性部分が有機ポリホスファイトリガンド中の任意の所定のアリール部分上で置換されることは好ましい。イオン性有機ポリホスファイトのアニオン部分に対して適する対イオン、M及びX1として、水素(即ち、プロトン)、アルカリ及びアルカリ土類金属のカチオン、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、ルビジウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム及びストロンチウム、アンモニウムカチオン及び第4級アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アルソニウムカチオン及びイミニウムカチオンを挙げることができる。ラジカルの適するアニオン原子には、例えば硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、塩化物、酢酸塩及びシュウ酸塩(oxalate)などが挙げられる。
勿論、上の式(I)〜(VII)で表されるこうした非イオン性及びイオン性有機ポリホスファイトの任意のR1、R2、X、Q及びArラジカルは、必要ならば、本発明の方法の望ましい結果に悪影響を及ぼさない1〜30個の炭素原子を含有する任意の適当な置換基により置換することが可能である。勿論アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル及びシクロヘキシル置換基などの対応する炭化水素ラジカルに加えて、前記ラジカル上にあることが可能である置換基には、例えば−Si(R73などのシリルラジカル;−N(R72などのアミノラジカル;−アリール−P(R72などのホスフィンラジカル;−C(O)R7などのアシルラジカル;−OC(O)R7などのアシロキシラジカル;−CON(R72及び−N(R7)COR7などのアミドラジカル;−SO27などのスルホニルラジカル、−OR7などのアルコキシラジカル;−SOR7などのスルフィニルラジカル;−SR7などのスルフェニルラジカル;−P(O)(R72などのホスホニルラジカル;並びにハロゲン、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル及びヒドロキシラジカルなどを挙げることが可能であり、式中、−N(R72などのアミノ置換基において、各R7は総合すれば、また、窒素原子と複素環式ラジカルを形成する2価の架橋性基を表すことができると共に、−CON(R72及び−N(R7)COR7などのアミド置換基において、Nに結合される各R7はまた水素であることができるという条件付きで、各R7ラジカルは、個々に、1〜18個の炭素原子を有する同じであるか、又は異なる1価の炭化水素ラジカル(例えばアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル及びシクロヘキシルラジカル)を表す。勿論、特定の所定有機ポリホスファイトを作り上げるあらゆる置換又は非置換の炭化水素ラジカル基が、同じであるか、又は異なることが可能であることは理解されるべきである。
更に特定の例証的置換基には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、アミル、第2アミル、t−アミル、イソオクチル、デシル、及びオクタデシル基などの第1、第2及び第3アルキルラジカル;フェニル、及びナフチル基などのアリールラジカル;ベンジル、フェニルエチル、及びトリフェニルメチル基などのアラルキルラジカル;トリル、及びキシリル基などのアルカリルラジカル;シクロペンチル、シクロヘキシル、1−メチルシクロヘキシル、シクロオクチル及びシクロヘキシルエチル基などの脂環式ラジカル;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、t−ブトキシ、−OCH2CH2OCH3、−O(CH2CH22OCH3、及び−O(CH2CH23OCH3などのアルコキシラジカル;フェノキシ基などのアリールオキシラジカル;並びに−Si(CH33、−Si(OCH33、及び−Si(C373などのシリルラジカル;−NH2、−N(CH32、−NHCH3、及び−NH(C25)などのアミノラジカル;−P(C652などのアリールホスフィンラジカル;−C(O)CH3、−C(O)C25及び−C(O)C65などのアシルラジカル;−C(O)OCH3などのカルボニルオキシラジカル;−O(CO)C65などのオキシカルボニルラジカル;−CONH2、−CON(CH32、及び−NHC(O)CH3などのアミドラジカル;−S(O)225などのスルホニルラジカル;−S(O)CH3などのスルフィニルラジカル;−SCH3、−SC25及び−SC65などのスルフェニルラジカル;−P(O)(C652、−P(O)(CH32、−P(O)(C252、−P(O)(C372、−P(O)(C492、−P(O)(C6132、−P(O)CH3(C65)及び−P(O)(H)(C65)などのホスホニルラジカルが挙げられる。
こうした有機ビスホスファイトリガンドの特定の説明に役立つ実例には以下が挙げられる。
以下の式を有する6,6’−[[4,4’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−[1,1’−ビナフチル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有する6,6’−[[3,3’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−5,5’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有する6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1−ジメチルプロピル)−[1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有する6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)−1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’,5,5’−テトラキス−t−アミル−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’,5,5’−テトラキス−t−ブチル−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’−ジ−アミル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチル−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエトキシ−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチル−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する(2R,4R)−ジ[2,2’−(3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニル)]−2,4−ペンチルジホスファイト:
Figure 2008508355
以下の式を有する6−[[2’−[(4,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−1,3,2−ベンゾジオキサホスホル−2−イル)オキシ]−3,3’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−5,5’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2イル]オキシ]−4,8−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,10−ジメトキシジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサ−ホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有する6−[[2’−[1,3,2−ベンゾジオキサホスホル−2−イル)オキシ]−3,3’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−5,5’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−4,8−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,10−ジメトキシジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有する6−[[2’−[5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−イル)オキシ]−3,3’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−5,5’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2−イル]オキシ]−4,8−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,10−ジメトキシジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン:
Figure 2008508355
以下の式を有するリン酸の2’−[[4,8−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2,10−ジメトキシジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン6−イル]オキシ]−3,3’−ビス(1,1−ジメチルエチル)−5,5’−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−2−イル・ビス(4−ヘキシルフェニル)エステル:
Figure 2008508355
以下の式を有するリン酸の2−[[2−[[4,8−ビス(1,1−ジメチルエチル),2,10−ジメトキシジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキソホスフェピン6−イル]オキシ]−3−(1,1−ジメチルエチル)−5−メトキシフェニル]メチル]−4−メトキシ,6−(1,1−ジメチルエチル)フェニル・ジフェニルエステル:
Figure 2008508355
以下の式を有するリン酸の3−メトキシ−1,3−シクロヘキサメチレン・テトラキス[3,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)−2−ナフタレニル]エステル:
Figure 2008508355
以下の式を有するリン酸の2,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−1,4−フェニレン・テトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル:
Figure 2008508355
以下の式を有するリン酸のメチレンジ−2,1−フェニレン・テトラキス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェニル]エステル:
Figure 2008508355
以下の式を有するリン酸の[1,1−ビフェニル]−2,2’−ジイル・テトラキス[2−(1,1−ジメチルエチル)−4−メトキシフェニル]エステル:
Figure 2008508355
本発明のヒドロホルミル化プロセスの反応流体中に存在する金属−リガンド錯体触媒量は、所定の望ましい金属濃度を提供するため、及び選択されたヒドロホルミル化プロセスを触媒化するために必要な最小量であることだけを必要とする。一般に、ヒドロホルミル化反応流体中の遊離金属として計算される約10ppm〜約1000ppmの範囲にある金属、例えばロジウム濃度は、大抵のプロセスに対して十分であることが好ましいが、一方で金属の約10〜500ppm、更に好ましくは金属の25〜350ppmを用いることは一般に好ましい。
金属−リガンド錯体触媒に加えて、遊離リガンド(即ち、金属と錯体化していないリガンド)は、また、ヒドロホルミル化反応流体中に存在することが可能である。遊離リガンドは前述の有機リンリガンドのいずれかに対応することが可能である。本発明のヒドロホルミル化プロセスは、ヒドロホルミル化反応流体中の金属モル当り約0.1モル又はそれ以下〜約100モル又はそれ以上の遊離リガンドを含むことが可能である。好ましくは、本発明のヒドロホルミル化プロセスは、反応流体中に存在する金属モル当り、約1〜約50モルのリガンド、更に好ましくは約1.1〜約4モルのリガンドの存在下で行われ;このリガンド量は、存在する金属に結合(錯体化)されるリガンド量、及び存在する遊離(非錯体化)リガンド量の両方の合計値である。必要ならば、補給又は追加のリガンドは、例えば反応流体中の遊離リガンドの所定レベルを保持するために、何時でもどういうやり方においてもヒドロホルミル化プロセスの反応流体に供給することができる。
本発明のヒドロホルミル化プロセスにおいて用いることが可能である置換又は非置換の不飽和オレフィン化合物は、2〜40、好ましくは3〜20個の炭素原子を含有する、光学活性(プロキラル及びキラル)並びに非光学活性(アキラル)の両方のオレフィン不飽和化合物を含む。こうしたオレフィン不飽和化合物は、末端又は内部で不飽和であり、直鎖、分岐鎖又は環式構造からなり、並びにプロペン、ブテン、イソブテンなどのオリゴメリゼーションから得られるもの(例えば本明細書に参考のために組み入れる米国特許第4,518,809号明細書及び第4,528,403号明細書に開示されている、いわゆる2量体、3量体又は4量体プロピレンなど)などのオレフィン混合物であることができる。更に、こうしたオレフィン化合物は、更に、1又はそれ以上のエチレン性不飽和基を含有することが可能であると共に、勿論、2又はそれ以上の各種オレフィン不飽和化合物の混合物は必要ならば用いることが可能である。ヒドロホルミル化反応において用いることができるオレフィン出発材料の例示的混合物には、例えば混合ブテンが挙げられる。更にこうしたオレフィン不飽和化合物及びそれらから誘導される対応アルデヒド生成物は、また、例えば本明細書に参考のために組み入れる米国特許第3,527,809号明細書、及び第4,769,498号明細書などに記載されているように、ヒドロホルミル化プロセス又は本発明のプロセスに過度に悪影響を与えない1又はそれ以上の基又は置換基を含有することが可能である。
最も好ましくは、本発明は、2〜30、好ましくは3〜20個の炭素原子を含有するアキラルアルファオレフィン及び4〜20個の炭素原子を含有するアキラル内部オレフィン並びにこうしたアルファオレフィン及び内部オレフィンの出発材料混合物をヒドロホルミル化することにより、非光学活性アルデヒドの製造用に特に有用である。
例示的アルファ及び内部オレフィンには、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、2−ブテン、2−メチルプロペン(イソブチレン)、2−メチルブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、2−ヘプテン、2−オクテン、シクロヘキセン、プロピレン2量体、プロピレン3量体、プロピレン4量体、ブタジエン、ピペリレン、イソプレン、2−エチル−1−ヘキセン、スチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、アルファメチルスチレン、4−t−ブチルアルファメチルスチレン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、3−フェニル−1−プロペン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン及び3−シクロヘキシル−1−ブテンなど並びに、1,3−ジエン、ブタジエン、アルキルアルケノエート、例えばメチルペンテノエート、アルケニルアルカノエート、アルケニルアルキルエーテル、アルケノール、例えばペンテノール、及びアルケナール、例えばペンテナールなど、アリルアルコール、酪酸アリル、ヘキ−1−セン−4−オール、オク−1−テン−4−オール、酢酸ビニル、酢酸アリル、酢酸3−ブテニル、プロピオン酸ビニル、プロピオン酸アリル、メタクリル酸メチル、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プロピル−7−オクテノエート、3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド、ユージノール、イソユージノール、サフロール、イソサフロール、アネトール、4−アリルアニソール、インデン、リモネン、ベータピネン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、カンフェン、及びリナロールなどが挙げられる。
適当な置換及び非置換のオレフィン出発材料の例には、その関連部分を本明細書に参考のために組み入れるKirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology,Fourth Edition,1996に記載されているオレフィン化合物が挙げられる。
本発明により包含されるヒドロホルミル化プロセスの反応条件は、広範囲にわたり変わることが可能である。例えば気体水素対一酸化炭素のH2:COモル比は、約1:10〜100:1以上の範囲にあることが可能であり、更に好ましい水素対一酸化炭素モル比は約1:10〜約10:1範囲である。一般に、ヒドロホルミル化プロセスは、約−25℃を超える、更に好ましくは約50℃を超える反応温度で行うことが可能である。ヒドロホルミル化プロセスは、約200℃未満、好ましくは約120℃未満の反応温度で行うことが可能である。目標全ガス圧は前述の通りに選択される。最小の全圧は、主として、有機リンリガンド及びヒドロホルミル化触媒の特定形態に応じて決まる、速度曲線の負又は逆次数領域に入るために必要な一酸化炭素流速により限定される。一般に、水素、一酸化炭素及びオレフィン出発化合物を含む全ガス圧は、約1psia(6.8kPa)〜約10,000psia(68.9MPa)の範囲にあることが可能である。しかし、一般に、約2,000psia(6,895kPa)未満、更に好ましくは約500psia(34.5kPa)未満の水素、一酸化炭素及びオレフィン出発化合物を含む全ガス圧で本プロセスが運転されることは好ましい。更に詳細には、本発明のヒドロホルミル化プロセスの一酸化炭素分圧は、約1psia(6.8kPa)〜約1,000psia(6,800kPa)、更に好ましくは約3psia(20.7kPa)〜約800psia(5,516kPa)、なお更に好ましくは約15psia(103.4kPa)〜約100psia(689kPa)範囲で変わることが可能であり、一方で、水素分圧は、好ましくは約5psia(34.5kPa)〜約500psia(3,450kPa)、更に好ましくは約10psia(68.0kPa)〜約300psia(2,070kPa)である。
合成ガス供給流速は、望ましいヒドロホルミル化プロセスを得るために、十分なあらゆる実施可能な流量であることが可能である。典型的に、合成ガス供給流速は幅広く変わることができると共に、触媒の特定形態、オレフィン供給流速及び他の運転条件に応じて決めることができる。同様に、排出流速は望ましいヒドロホルミル化プロセスを得るために十分なあらゆる実施可能な排出流速であることが可能である。排出流速は、典型的に、反応器規模及び反応物質及び合成ガス供給原料の純度に応じて決まる。適する合成ガス供給流速及び排出流速は、本明細書に参考のために組み入れる以下の文献に記載されている:“Process Economics Program Report 21D:Oxo Alcohols 21d,”SRI Consulting,Menlo Park,California,December 1999発行。他の合成ガス及び排出量は、当業者により決定されるプロセスの設計に応じて適することが可能である。
本発明は、本発明の使用の純粋な見本であるように意図されている以下の実施例の考慮により更に明確にされる。本発明の他の実施形態は、ここに開示される本明細書の考慮又は本発明の実施から当業者に明らかである。
以下の実施例において、ガス流速は時間当り標準リットル(SLH)で報告される。ヒドロホルミル化反応速度は、時間当り触媒溶液体積リットル当りに消費される一酸化炭素のグラムモル(gモル/L/Hr)での一酸化炭素消費量として報告される。プロピレン、一酸化炭素及び合成ガス供給原料純度はすべて99.8%を超えた。
実施例1
この実施例は、運転の逆の一酸化炭素分圧領域における運転用の合成ガス供給流速の第一の量を決定するための本発明の方法を示す。反応器を図3に示すように設定した。反応器は、インペラ(1)、インペラシャフト(2)、プロピレン供給ライン及び供給流制御(3);合成ガス供給ライン及び供給流制御(4)、反応器中のスパージャーにつながる供給ライン;排出流ライン及び排出流制御(5)、全圧センサー(6)、生成物回収系への生成物溶液/触媒用の出口ライン(7)、生成物回収系から戻る触媒用の供給ライン(8)を備えた。実験の間、プロピレン供給流速及び反応器排出流速を、実際の限定内の一定値に保持した。一定の触媒液体レベルを保持し、定常状態運転を達成するために、反応溶液の一部を、連続的に反応器から除去し、生成物回収系に通してヒドロホルミル化製品及び副生成物の一部を除去した。触媒を含有する処理溶液を回収し、連続方式での反応器に再循環して戻した。制御装置4を通して合成ガスを反応器に通し、プロピレン供給流速に対して化学量論量より低い供給量で開始した。一定の全体反応器圧力及び一定のヒドロホルミル化反応速度により示されるように、定常状態が達成されるまで、反応条件を保持した。定常状態条件で、全体反応器圧力、ヒドロホルミル化反応速度、排出流速及び組成並びに他の反応条件を測定した。一旦完了すると、合成ガス供給速度を調整して、別の定常状態データ点を測定した。
反応器は、溶液中に溶解したプロピレン及びプロパンと併せて、ブチルアルデヒド、ブチルアルデヒド2量体、3量体(及び高次物)の混合物中に溶解した70ppmのロジウム及び1.5±0.5当量(ロジウムに対して)の6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)−1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン(上述のリガンドD)を含む触媒溶液1リットルを含有した。実験の間、プロピレン供給量を304グラム/時間で一定に保った。反応器内部温度を75℃で一定に保った。合成ガス供給比H2:COを1.04で一定に保った。従って、32.67SLH又はそれ以上の反応器排出量は、不活性成分及び副生成物を反応器からパージして定常状態運転を達成するために十分であった。表Iに示されるように、以下のパラメータを合成ガス供給量の関数として測定した。全体反応器圧力、CO分圧、H2分圧、プロピレン分圧、反応器排出流速、及びヒドロホルミル化反応速度。
Figure 2008508355
(脚注)
1:いくつかの初期反応器排出流速データ点は、残りのデータ点よりも高かった;それにもかかわらず、実験の全体結果は悪影響を受けなかった。
2:反応物質供給圧力限定のせいで、最後のデータ点は定常状態条件下で運転していなかったが、定常状態では圧力は370psigよりも高くあったであろう。これらの限定のせいで、ヒドロホルミル化反応速度はこれらの条件に対して測定することができなかった。
表Iからのデータを図2、全体反応器圧力対合成ガス供給量にプロットする。図2において、速度曲線の負のCO次数領域は、急角度に上昇する全圧の領域に対応する。表Iの最終の二つのデータ点は、一酸化炭素分圧が、速度曲線の正次数領域(7.11psiの一酸化炭素分圧での合成ガス供給量215.77SLHで)から、速度曲線の負次数領域(115.5psiの一酸化炭素分圧での合成ガス供給量220.60SLHで)に遷移する場合の反応系応答を示す。全体反応器圧力が正から負次数への遷移で鋭く上昇する点が、図2において更に示す。
目標全圧を、図2の急角度で上昇する(正の勾配)領域(速度曲線の負次数領域)内の圧力から選択した。この負次数領域において選択された目標全圧に対して、最小及び最大の第1の合成ガス供給流速を、グラフ化データ曲線の、目標全圧で合成ガス供給流軸に平行に引かれる直線とのそれぞれ第1(1)及び第2交点(2)として選択した。(いくらかの変化が、一般的に定常状態であることが可能でない最後のデータ点により測定されるように、線の勾配に応じて最大の合成ガス供給流速(2)において起こることが可能であることに注意すること。)この実施例に対して、及び表Iに関して、例えば、逆の一酸化炭素分圧領域における120psigの全体反応器圧力で運転するために、最小の合成ガス供給量を157.80SLHよりも高く、しかし215.77SLH未満に設定することが好ましいことは、結論付けられる。従って、以下の実施例において、合成ガスの第1供給流速を202SLHであるように選択した。後の実施例における参考のため、15〜35psig(103〜241kPa)の範囲にある一酸化炭素分圧が、速度曲線の負又は逆の応答領域において存在することに注意すること。
実施例2
実施例2は、本発明によるヒドロホルミル化速度曲線の負次数領域におけるヒドロホルミル化プロセスの安定運転を示す。合成ガス供給流速制御が第1(4)及び第2(9)流量制御弁からなることを除いて、図3の反応器構造に同一である反応器を、図4に示すように設定した。運転パラメータを実施例1に類似のやり方で制御した。第1合成ガス流量制御器(4)を通して反応器に合成ガスの第1量を供給した。120psig(827kPa)の目標圧力からの測定全圧の偏差に応答して、第2のフォワード圧力制御器(9)を通して合成ガスの追加量を供給して全体反応器圧力を目標圧力に合わせた。一定の全体反応器圧力及び一定のヒドロホルミル化反応速度によって示されるように定常状態条件が達成されるまで、反応条件を保持した。全体反応器圧力、ヒドロホルミル化反応速度、排出流速及び組成、並びに他の反応条件を次に決定した。以下に要約するように、10時間を超える運転にわたり、定常状態の運転条件を実証した。
反応を以下のプロセス条件下で行った:プロピレン供給流速、299グラム/時間;触媒温度、75℃;合成ガス供給比(H2:CO)、1.06;合成ガス第1供給流速、202SLH;全体反応器圧力、120psig(827kPa)(合成ガス供給原料圧力制御器(9)を用いて);及び反応器排出量、38SLH。実験の間、第2の合成ガス供給原料圧力制御器(9)を通しての平均合成ガス供給流速を27SLHであると測定した。反応器への平均全体合成ガス供給流速は、第1流速202SLHプラス、フォワード圧力制御器を通しての平均第2流速27SLHで合計229SLHを含んだ。データを図5(ヒドロホルミル化反応速度対運転時間)及び図6(分圧対運転時間)に示されるようにグラフ化した。実行時間10.8時間を通して速度曲線の負次数領域における定常運転を達成したことは、図5及び図6に見られる。
比較実験1
比較実験1は、安定運転が排出ライン及び排出制御センサーを通して全体反応器圧力を制御することにより保持することができないことを示す。実施例2に記載したように全10.8時間にわたる安定運転を実証した後、反応器を速やかに図7に示すように再設定した(運転しながら<1分)。すべての態様は、反応器圧力を増分合成ガス供給量により制御するよりもむしろ、排出ライン中の背圧制御器(10)を用いて反応器圧力を制御することを除いて、唯一の合成ガス供給量制御(4)を含む図3に示すものと同一であった。排出流速センサー(11)を用いて反応器排出流速を測定した(しかし制御はしなかった)。反応条件は、プロピレン供給流速、299グラム/時間;内部触媒温度、75℃;合成ガス供給比(H2:CO)、1.06;初期全体供給流速、232SLH;反応器圧力、反応器排出背圧制御器を用いて120psigであり、実施例2と類似していた。結果を図8(ヒドロホルミル化反応速度対実行時間)及び図9(反応器排出流速対運転時間)に示す。
図8及び9から見られるように、速度曲線の逆の一酸化炭素応答領域での安定な反応器運転により開始する場合でさえ、実施例2の本発明の設計(図4)から従来型の設計(図7)に反応器圧力制御及び合成ガス供給流速制御の方法を変更することは、より低い反応速度、より高い排出量、及びその結果より高い一酸化炭素及び水素分圧を含む反応条件の急速な制御不能の変化をもたらした。
その後1.25時間で、合成ガス供給流速は180SLHに低下し、これは1.38時間で193SLHから10SLHへの反応器排出流速の急速な低下をもたらした。これらの運転条件で、反応は、図2で前に説明したように、ヒドロホルミル化速度曲線の正次数領域中に遷移して戻った。図10に関して、1.42時間で合成ガス供給流速は204SLHに増大し、定常状態の運転パラメータが観測された。一酸化炭素分圧の増大により、合成ガス供給流速が約238SLHに達し、一酸化炭素分圧がヒドロホルミル化速度曲線の負側に近づいた場合に、系は再度不安定となった。図10(ヒドロホルミル化速度対合成ガス供給流速)は、系が正次数から負次数に遷移する際に、反応器応答が、ヒドロホルミル化反応速度が4.7gモル/l/時間から2.4gモル/l/時間に急落するので再度不安定になった(運転時間7.85〜9.35時間)ことを示す。グラフ形態で示されない類似の不安定性は、一酸化炭素、プロピレン及び水素の分圧及び反応器排出流速に見られた。実験は、再度、負の応答領域に近づく場合に、合成ガス供給量の小さな調整(<1%)が、運転パラメータの大きな且つ制御不能の変化をもたらすことができることを示す。
実施例3
この実施例は、比較実験1の反応系に安定な運転をいかに持ち込むかを示す。比較実験1に記載される最終条件から、全体合成ガス供給流速を180SLHに下げ、タイムクロックを0に設定しなおした。次に、運転の0.20時間で全体反応器排出流速を17SLH未満に下げ、その時点で反応器を速やかに図4に示す設計に戻し再設定した。第1合成ガス供給流速を202SLH(実施例2と同じ流量)に再設定した。目標全圧を120psig(834kPa)に設定し、第2合成ガス供給原料制御(図4、部分9)を介して実際の反応器圧力の目標圧力からのあらゆる偏差を調整した。これ以上の変化なしで、反応系は実施例2におけるものに類似の望ましい安定な運転条件を早急に再確定した。以下の運転条件を保持した:プロピレン供給流速、299グラム/時間;内部触媒温度、75℃;第1供給流速202SLHでの合成ガス供給比(H2:CO)、1.06;全体反応器圧力、120psig(合成ガス供給圧力制御器を用いて);及び反応器排出流速、44SLH。反応器排出流速44SLHは、不活性成分及び副生成物を反応器からパージして定常状態運転を達成するために十分であった。結果を図11(ヒドロホルミル化反応速度対運転時間)及び図12(分圧対運転時間)に示すが、これらはヒドロホルミル化反応速度及び反応器分圧における安定性を示す。示されていないが、類似の安定性は時間の関数としての反応器排出流速に観察された。この実施例は、ヒドロホルミル化速度曲線の望ましい負次数領域での安定な運転が、反応系を本発明の設計仕様に再設定することにより素早く再確定されたことを示す。
実施例4
実施例4は、第2純粋一酸化炭素供給原料の使用による速度曲線の負次数領域におけるヒドロホルミル化プロセスの安定運転を示す。合成ガス供給流速制御が第1制御弁(4)を含み、一方で第2制御が純粋一酸化炭素供給流速制御(12)を含むことを除いて図4の反応器と同じ構成要素を有する反応器を、図13に示すように設定した。運転パラメータはその他の点で実施例2と同じであった。第1合成ガス流量制御器を通して反応器に合成ガスの第1量を供給した。113psig(880kPa)の目標圧力からの測定全圧の偏差に応答して、第2フォワード圧力制御器を通して一酸化炭素量を供給し、全体反応器圧力を目標圧力に合わせた。一定の全体反応器圧力及び一定のヒドロホルミル化反応速度によって示されるように定常状態条件が達成されるまで、反応条件を保持した。全体反応器圧力、ヒドロホルミル化反応速度、排出流速及び組成並びに他の反応条件を次に決定した。12時間を超える運転にわたり、定常状態の運転条件を実証した。
反応を以下のプロセス条件下で行った:プロピレン供給流速、327グラム/時間;触媒温度、75℃;合成ガス供給比(H2:CO)、1.23;合成ガス第1供給流速、213SLH;全体反応器圧力、113psig(880kPa)(一酸化炭素供給圧力制御器(4)を用いて);及び反応器排出流速、38.5SLH。前の実験に較べて、第1合成ガス供給におけるより低い一酸化炭素濃度及び反応器への水素の化学量論量を供給するための必要性を補償するように、第1合成ガス供給流速をより高く調整した。それにもかかわらず、213SLHで第1合成ガス供給流速は好ましい範囲内にあり、図2から得られる最大値に近かった。実験の間、第2一酸化炭素供給圧力制御器(12)を通しての平均一酸化炭素供給流速は、147SLHであると測定された。データを収集して、図14(ヒドロホルミル化反応速度対実行時間)及び図15(分圧対運転時間)に示すようにグラフ化した。グラフは、一定の排出流速、一定の第1合成ガス供給流速、及び全体反応器圧力を制御するための可変の一酸化炭素供給流速を含む運転方式を用いることによる速度曲線の逆の一酸化炭素領域での安定な反応器運転を示す。
比較実験2
比較実験2は、安定運転が、一定の第1合成ガス供給流速を一定の第2一酸化炭素供給流速と組合せて用いることにより速度曲線の逆領域内に保持することができないことを示す。実施例4に記載するように、全12.25時間にわたり安定運転を実証した後、反応器を図16に示すように速やかに再設定し(運転しながら<1分)、タイムクロックを0に戻して再設定した。すべての設計態様は、一定の一酸化炭素供給流速制御、(4)及び(13)を用い、全体反応器圧力を反応器排出ライン上の背圧制御器(10)により制御することを除いて、図13に用いられるものと同一であった。排出流速センサー(11)を用いて反応器排出流速を測定した(しかし制御しなかった)。
反応条件は実施例4に類似していた:プロピレン供給量、327グラム/時間;内部触媒温度、75℃;一定の供給流速213SLHでの合成ガス供給比(H2:CO)、1.23;一定の一酸化炭素供給流速、14.7SLH;反応器圧力設定、反応器排出背圧制御器を用いて109psig(反応器圧力が設定値未満の場合に反応器排出量はゼロであった)。データを図17(ヒドロホルミル化反応速度対運転時間)及び図18(分圧対運転時間)に示す。
開始時、圧力制御の変化は急速な望ましくない制御不能の全体反応器圧力低下をもたらし、約0.3時間の運転で最小68psigに達した。反応器は設定圧力109psig未満であって、排出ガスは分析用に全く利用できなかった。従って、反応器分圧及びヒドロホルミル化速度を計算することはできなかった。2.65時間で、いくらかの排出量を反応器から取り戻した時に、少なくともこれまでの運転時間のいくばくかにわたり、一酸化炭素圧力が約2psi以下であり反応速度曲線の望ましくない正次数領域中での運転をもたらしたことが明らかとなった。2.95時間で、反応器排出量は急速に制御不能で約170SLHに上昇した。結局、これは他の望ましくない運転条件、即ち有意により高い一酸化炭素及び水素分圧、有意により低いヒドロホルミル化反応速度、及び有意により高い反応器排出流速をもたらした。この実験は、速度曲線の逆の一酸化炭素応答領域での安定な反応器運転で開始する場合でさえ、反応器圧力制御の方法を図13の本発明の設計から図16の従来型設計に変更すると、反応条件の急速で制御不能な変化が起こることができることを示す。
実施例5
この実施例は、比較実験2の不安定条件から、如何にして安定性を取り戻すかを示す。比較実験2の終わりで反応器を素早く図13に示す設計に戻して再設定した(運転しながら<1分);合成ガス供給量を97SLHに下げた;一酸化炭素フォワード圧力制御器を109psigに設定した。そしてタイムクロックを0に設定しなおした。続いて、合成ガス供給量をいくつかの段階で増大させ、最終的に運転0.3時間で211SLHとなった。0.37時間で、第2CO流量制御の一酸化炭素フォワード圧力制御器(12)を109psigから113psigに上げた。これ以上変化することなく、反応系は、実施例4におけるものと類似の望ましい安定した運転条件を速やかに取り戻した。以下の運転条件を保持した:プロピレン供給流速、327グラム/時間;内部触媒温度、75℃;第1の合成ガス供給流速211SLHでの合成ガス供給比(H2:CO)、1.23;全体反応器圧力、113psig(880kPa)(合成ガス供給圧力制御器(12)を用いて);及び反応器排出量、41.3SLH。反応器排出量41.3SLHは、不活性成分及び副生成物を反応器からパージして合計12時間にわたる定常状態運転を達成するために十分であった。
実施例6
本発明のこの実施形態は、反応器排出流速が、全体反応器圧力を保持するために用いられる背圧制御器(10)を通して排出流速を制御するための可変合成ガス供給流速制御[(4)と組合わせた(14)]を用いて保持する、図19に示す反応器設計により説明される。図19の構成要素11が反応器排出量センサーであることに注意すること。開始時、触媒組成、プロセス条件及び反応器構造を、図3及び実施例1に示すように用いて、望ましい反応器目標全圧及び第1の合成ガス供給量を決定する。最小排出流速を、また、反応物質供給原料純度から決定し、流速は不活性成分及び副生成物を反応器からパージして定常状態運転を達成するために十分なものである。これらのパラメータを設定後、実施例2におけるものと同じ反応条件及び反応物質供給量を確定した。実験の間、プロピレン供給量(3)及び反応器排出量をできるだけ一定に制御する。一定の触媒液体レベルを保持し、定常状態運転を達成するために、触媒溶液は連続的に反応器(7)から除去され、製品回収系に通されてヒドロホルミル化製品及び副生成物を除去する。触媒溶液は連続方式での反応器(8)に再循環し戻す。合成ガスの第1の量を、合成ガス供給流速制御器(4)を通して反応器に供給する。合成ガスの可変量を第2制御弁(14)に通して制御し、それによって反応器排出流速を制御する。全体反応器圧力を、反応器排出ライン上の背圧制御器(10)により制御する。反応条件を保持し、一定の全体反応器圧力及び一定のヒドロホルミル化反応速度により示される定常状態条件を達成する。
実施例7
この実施例は、速度曲線の正及び逆両方の次数領域にわたる一酸化炭素分圧の関数としてのヒドロホルミル化速度曲線の作製を説明する。本発明の方法なしでは、速度曲線の負次数領域での反応速度を得ることは難関に直面してしまうであろう。
1.5±0.5当量(ロジウムに対して)の6,6’−[[3,3’,5,5’−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)−1,1’−ビフェニル]−2,2’−ジイル]ビス(オキシ)]ビス−ジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン(上述のリガンドD)により製造したロジウム触媒の存在下で、合成ガス(CO+H2)を用いてプロピレンをヒドロホルミル化した。図20参照。速度曲線の正次数領域を通しての最初の3データ点に対しては、図7の設計を有する従来型の反応器(1リットル容量)を用いた。速度曲線の負次数領域中での残りのデータ点に対しては、プロセス・パラメータを安定化させるために本発明の方法を用いて、反応器を図4に示すように設定した。反応器内部温度を75℃一定に保った。プロセス条件及び生のヒドロホルミル化反応速度(gモル/l/時間)を表IIに示す。
Figure 2008508355
1:温度はすべての運転において75℃であった。触媒体積はすべての運転において1リットルであった。
2:データを典型的に高合成ガス転化率で収集した。従って、データ収集における通常の変動及び実験上の誤差は、計算される場合、100%よりも高いが、しかし約110%以下であるCO及び/又はH2に対する転化率をもたらすことが可能である。
3:調整速度−反応速度を、両変数に対する1次反応速度応答を用いてプロピレン分圧50psi及びロジウム濃度70ppmに調整する。
4:生成物異性体比(N/I)は、反応器排出ガス中で測定される通常対分岐アルデヒド生成物のモル比を指す。
5:プロパン選択性は、100x反応してブチルアルデヒド及びプロパンを生成したプロピレンの全モル数により割られた生成プロパンのモル数として計算される。
表II中の各データ点はプロピレン分圧及びロジウム濃度において僅かに変わるので、生のヒドロホルミル化速度を、標準化プロピレン分圧50psi(345kPa)及びロジウム濃度70ppmに調整した。調整速度も、また、表II中に記す。
調整したヒドロホルミル化反応速度を、図20に示すようにCO分圧の関数としてプロットし、図1に示される理論グラフを確認する。データは、有利には、反応速度及び製品異性体比が最大化され、アルカン形成が最小化されるように、速度曲線の負次数領域中での最大反応速度に近づくCO分圧を選択する手段を提供する。同じやり方において、類似のプロット及びCO分圧範囲は、用途用に選択されるあらゆるリガンドに対して得ることができ、それによって、最小のアルカン形成で最大の速度及び最大の通常体/分岐異性体比をもたらす運転パラメータを提供する。
金属−有機ポリホスファイト錯体触媒の存在下での一酸化炭素及び水素によるオレフィンのヒドロホルミル化に対する、ヒドロホルミル化反応速度対一酸化炭素分圧の典型的なグラフを示す。 ヒドロホルミル化反応に対する、一定排出流速での全体反応器圧力対合成ガス供給流速のグラフを示す。このグラフは、また、本発明による最小及び最大の第一の一酸化炭素又は合成ガス供給流速を選択する方法を示す。 図2に示すプロセス用に設定された、オレフィン、合成ガス及び排出流速制御を有する連続ヒドロホルミル化反応器を示す。 オレフィン及び排出流制御、及び本発明による全体反応器圧力を制御するための第1及び第2の合成ガス供給流制御を有する連続ヒドロホルミル化反応器を示す。 図4におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、ヒドロホルミル化反応速度対運転時間のグラフを示す。 図4におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、分圧対運転時間のグラフを示す。 オレフィン及び合成ガス供給流制御を有する従来型の連続ヒドロホルミル化反応器及び図4の反応器に対する比較目的のため、排出流ラインでの全体反応器圧力の制御を示す。 図7におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、ヒドロホルミル化反応速度対運転時間のグラフを示す。 図7におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、排出流対運転時間のグラフを示す。 図7におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、ヒドロホルミル化反応速度対合成ガス供給流速のグラフを示す。 本発明による図4におけるように再設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、ヒドロホルミル化反応速度対運転時間のグラフを示す。 本発明による図4におけるように再設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、分圧対運転時間のグラフを示す。 オレフィン及び合成ガス供給流制御、排出流制御、及び第二の一酸化炭素供給ラインを通しての本発明による全圧の制御を有する連続ヒドロホルミル化反応器を示す。 図13におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、ヒドロホルミル化反応速度対運転時間のグラフを示す。 図13におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、分圧対運転時間のグラフを示す。 オレフィン、一酸化炭素及び合成ガス供給流制御を有する連続ヒドロホルミル化反応器及び図13の反応器に対する比較目的のため、排出ラインセンサー及び圧力制御弁を通しての全圧制御を示す。 図16におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、ヒドロホルミル化反応速度対運転時間のグラフを示す。 図16におけるように設定された反応器中でのヒドロホルミル化運転に対する、分圧対運転時間のグラフを示す。 オレフィン及び合成ガス供給流制御、及び本発明による、排出ライン中の背圧制御器及び反応器排出流速を制御するための第2合成ガス供給流制御を通しての圧力全体制御を有する連続ヒドロホルミル化反応器を示す。 特定の金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒存在下での、一酸化炭素及び水素によるプロピレンの実際のヒドロホルミル化に対する、ヒドロホルミル化反応速度対一酸化炭素分圧のグラフを示す。

Claims (24)

  1. ヒドロホルミル化触媒の存在下に1種又はそれ以上の反応物質、一酸化炭素及び水素を反応させて、1種又はそれ以上の生成物を含む反応生成物流を生成させるヒドロホルミル化プロセスであって、前記プロセスを、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下するような一酸化炭素分圧で行うと共に、以下のプロセス工程を反応速度、全圧、排出流速、反応温度又はそれらの組合せを安定化させるために実施し、前記プロセスは以下から選択されるプロセス制御スキーム:
    スキームA:
    (a1)目標全圧を確定し、
    (a2)全圧を検出し、検出された全圧と目標全圧との差を測定し、そして
    (a3)工程(a2)において測定された圧力差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流を操作して検出された全圧を目標全圧に本質的に合わせること;及び
    スキームB:
    (b1)目標排出流速を確定し、
    (b2)排出流速を検出し、検出された排出流速と目標排出流速との差を測定し、そして
    (b3)工程(b2)において測定された排出流速差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出された排出流速を本質的に目標排出流速に合わせること
    の少なくとも一つを含んでなるヒドロホルミル化プロセス。
  2. プロセス工程(a1)〜(a3)及びプロセス工程(b1)〜(b3)を、すべて、検出全圧を目標全圧に合わせ、検出排出流速を目標排出流速に合わせるように実施する請求項1に記載のプロセス。
  3. 1種又はそれ以上のオレフィン不飽和化合物が一酸化炭素及び水素と接触して1種又はそれ以上のアルデヒドを製造する請求項1に記載のプロセス。
  4. オレフィン不飽和化合物が3〜20個の炭素原子を含む請求項3に記載のプロセス。
  5. ヒドロホルミル化触媒が金属−有機リンリガンド錯体触媒を含む請求項1に記載のプロセス。
  6. ヒドロホルミル化触媒が金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒を含む請求項5に記載のプロセス。
  7. ヒドロホルミル化触媒がロジウム−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒を含む請求項6に記載のプロセス。
  8. 目標全圧を全圧対合成ガス供給流速のグラフの最も急角度の正勾配領域中での圧力範囲から選択する請求項1に記載のプロセス。
  9. 最小の目標排出流速を、投入化学量論過剰量の水素及び不活性物に等しい排出流速として選択する請求項1に記載のプロセス。
  10. 一酸化炭素の第1の供給源を、本質的にヒドロホルミル化プロセスの化学量論的要求を満足させるためにプロセスに提供し、そして検出された全圧を、一酸化炭素含有ガスの第2の供給源によって目標全圧に調節する請求項1に記載のプロセス。
  11. 一酸化炭素の第1の供給源が反応器への合成ガスの第1の供給原料を含み、そして任意的に一酸化炭素含有ガスの第2の供給源が、合成ガス供給原料又は純粋一酸化炭素供給原料、又は一酸化炭素及び不活性ガスを含む供給原料を含む請求項10に記載のプロセス。
  12. 全圧を、一酸化炭素含有入口ガスの供給流速を調整することにより制御し、一方で反応器から排出されるガスの排出流速を一定の流速に保持する請求項1に記載のプロセス。
  13. 反応器から排出されるガスの排出流速を、目標全圧を保持しながら、反応器に供給される一酸化炭素含有ガスの流速を調整することにより制御する請求項1に記載のプロセス。
  14. ヒドロホルミル化プロセスを、全圧を直列にある1又はそれ以上の反応器上に位置する検出手段により検出し、複数の反応器にわたる全圧を目標圧力に合わせるために、信号を、直列にある1又は以上の反応器への一酸化炭素入口ラインに伝達する、直列に接続された複数の連続攪拌タンク反応器中で実施する請求項1に記載のプロセス。
  15. ヒドロホルミル化プロセスを、排出流速を、直列にある1又は以上の反応器からの排出ライン中に置かれる検出手段により検出し、複数の反応器にわたる排出流速を目標排出流速に合わせるために信号を、直列にある1又はそれ以上の反応器への一酸化炭素入口ラインに伝達する、直列に接続された複数の連続攪拌タンク反応器中で実施する請求項1に記載のプロセス。
  16. ヒドロホルミル化プロセスを、全圧を、直列にある1又はそれ以上の反応器上に位置する検出手段により検出し、複数の反応器にわたる全圧を目標圧力に合わせるために、信号を、直列にある1又はそれ以上の反応器への一酸化炭素入口ラインに伝達すると共に;排出流速を、直列にある1又はそれ以上の反応器からの排出ライン中に置かれる検出手段により検出し、複数の反応器にわたる排出流速を目標排出流速に合わせるために、信号を、直列にある1又はそれ以上の反応器への一酸化炭素入口ラインに伝達する、直列に接続された複数の連続攪拌タンク反応器中で実施する請求項1に記載のプロセス。
  17. 一酸化炭素分圧を、ヒドロホルミル化反応速度対一酸化炭素分圧のプロットから決定される、最大での又は最大速度の50%内のヒドロホルミル化反応速度に対応するヒドロホルミル化速度曲線の逆指数領域中で選択する請求項1に記載のプロセス。
  18. 金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒及び任意的な遊離有機ポリホスファイトリガンドの存在下に、1種又はそれ以上のオレフィン不飽和化合物を、一酸化炭素及び水素と反応領域中で反応させて、1種又はそれ以上のアルデヒドを含む反応生成物流体を生成させると共に、1種又はそれ以上のアルデヒドを少なくとも一つの分離領域中で金属−有機ポリホスファイトリガンド錯体触媒及び任意的な遊離有機ポリホスファイトリガンドから分離することを含む改良されたヒドロホルミル化プロセスであって、前記改良が、一酸化炭素分圧が低下するにつれて反応速度が増大し、一酸化炭素分圧が増大するにつれて反応速度が低下するような一酸化炭素分圧でヒドロホルミル化プロセスを行うことを含むと共に、以下のプロセス工程を反応速度、全圧、排出流速、反応温度又はそれらの組合せを安定化させるように一酸化炭素分圧を浮動させるために行われ、前記プロセス工程は以下から選択されるプロセス制御スキーム:
    スキームA:
    (a1)目標全圧を確定し、
    (a2)全圧を検出し、検出された全圧と目標全圧との差を測定し、そして
    (a3)工程(a2)において測定された圧力差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流を操作して検出された全圧を本質的に目標全圧に合わせること;及び
    スキームB:
    (b1)目標排出流速を確定し、
    (b2)排出流速を検出し、検出された排出流速と目標流速との差を測定し、そして
    (b3)段階(b2)において測定された排出流速差に基づき、一酸化炭素を含むガスの供給流速を操作して検出された排出流速を目標排出流速に本質的に合わせること
    の少なくとも一つを含んでなるヒドロホルミル化プロセス。
  19. プロセス工程(a1)〜(a3)及びプロセス工程(b1)〜(b3)を、すべて、検出された全圧を目標全圧に本質的に合わせ、検出排出流速を目標排出流速に本質的に合わせるように実施する請求項18に記載のプロセス。
  20. オレフィンが3〜約20個の炭素原子を含む請求項18に記載のプロセス。
  21. 金属−有機ポリホスファイト錯体触媒の金属がロジウムである請求項18に記載のプロセス。
  22. 一酸化炭素分圧が約1psia(6.8kPa)〜約1,000psia(6,800kPa)の範囲にある請求項18に記載のプロセス。
  23. 1種又はそれ以上の反応物質を供給するための手段、合成ガスを供給するための手段、任意的な、一酸化炭素の第2の供給源を供給するための手段、触媒溶液を供給するための手段、反応及び不活性ガスを排出するための手段、反応流体を抜き出すための手段、全体ガス圧力を測定するための手段並びに反応及び不活性ガスの排出流速を測定するための手段を含む反応器を含んでなる、ヒドロホルミル化プロセスを安定化させるための装置であって、前記装置が、更に、以下から選択される設計スキーム:
    設計A:
    (a1)目標全体ガス圧力と測定された全体ガス圧力との圧力差を決定するための手段、
    (a2)圧力差に対応する信号を発生するための手段、
    (a3)(a2)からの信号を受け取り、出力信号を決定し送信して、合成ガス及び/又は一酸化炭素の第2の供給源の流速を操作し、測定された全圧を目標全圧に合わせるための手段;
    設計B:
    (b1)目標排出流速と測定された排出流速との排出流速差を決定するための手段、
    (b2)排出流速差に対応する信号を発生するための手段、
    (b3)(b2)からの信号を受け取り、出力信号を決定し送信して、合成ガス及び/又は一酸化炭素の第2の供給源の流速を操作し、測定排出流速を目標排出流速に合わせるための手段
    を含んでなる装置。
  24. 設計構成(a1)〜(a3)及び設計構成(b1)〜(b3)のすべてを含む請求項23に記載の装置。
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