JP2000143572A - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents

アルデヒド類の製造方法

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JP2000143572A
JP2000143572A JP10313824A JP31382498A JP2000143572A JP 2000143572 A JP2000143572 A JP 2000143572A JP 10313824 A JP10313824 A JP 10313824A JP 31382498 A JP31382498 A JP 31382498A JP 2000143572 A JP2000143572 A JP 2000143572A
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Masatoshi Takagi
雅敏 高木
Hisao Urata
尚男 浦田
Iwao Nakajima
巌 中嶋
Naomasa Sato
直正 佐藤
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ヒドロホルミル化反応系中の反応速度を、容
易に且つ安定に制御することのできる方法を提供する。 【解決手段】 少なくともロジウムと有機ホスファイト
から成る触媒の存在下に、不飽和化合物を水素及び一酸
化炭素と反応させてアルデヒド類を製造する方法におい
て、CO分圧の変化が、不飽和化合物の反応転化率に実
質的に影響を与えないような反応条件領域に維持しつつ
反応を行う、即ち、CO分圧を1気圧変化させた場合に
不飽和化合物の反応転化率の変化する割合xが±0.3
%以下となる反応条件領域、あるいは反応系に供給する
分圧を1気圧変化させた場合の反応転化率の変化す
る割合yとの関係が|y|>|x|となる反応条件領域
で反応を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくともロジウ
ムと有機ホスファイトから成る触媒の存在下に、不飽和
化合物を水素及び一酸化炭素と反応させてアルデヒド類
を製造する方法に関するものである。詳しくは、本発明
は、反応系中の反応速度を安定に制御することのできる
アルデヒド類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オレフィン性不飽和化合物と一酸化炭素
及び水素を反応させてアルデヒドを製造するに際し、有
機リン化合物で変性されたロジウムをヒドロホルミル化
用触媒として用いることが可能であることは公知であ
る。また、ここで有機リン化合物として、有機ホスファ
イト化合物が適用できることも公知である。例えば特開
昭57−123134には、特定のホスファイト配位子
で変性されたヒドロホルミル化触媒を用いるオレフィン
のヒドロホルミル化法が記載されている。また、Org
anometallics14,1995,34−43
や特開平4−164042には、ロジウム−単座ホスフ
ァイトを触媒として用いたヒドロホルミル化反応が記載
されており、ロジウム−ホスフィン系より大きいヒドロ
ホルミル化速度が得られることが示されている。また、
Organometallics 1996,15,8
35−847には、種々の有機二座ホスファイトを配位
子とするロジウム触媒を用いたヒドロホルミル化反応が
示されている。
【0003】更に、WO97/20801では、特定の
CO分圧範囲内でヒドロホルミル化反応を行うことによ
り、触媒の安定化が可能になることが示されている。こ
こでは、ロジウム−オルガノポリホスファイト配位子の
存在下にオレフィン性不飽和化合物をヒドロホルミル化
するプロセスにおいて、反応速度がCO分圧の減少にに
伴い増加し、CO分圧の増加に伴い減少する様なCO分
圧下で反応を行うことにより、本質的な触媒不活性化が
抑制されることが記載されている。ここで言う「反応速
度がCO分圧の減少に伴い増加し、CO分圧の増加に伴
い減少する様なCO分圧下」とは、反応速度がCO分圧
に対して負の次数を持つようなCO分圧の領域(Neg
ative Order)に相当する。
【0004】従来、ロジウム−ホスファイト触媒を用い
る脂肪族オレフィンのヒドロホルミル化反応系で報告さ
れているのは、反応速度がCO分圧変化に対して「Ne
gative Order」の関係となる領域で反応が
行われている報告が大多数である。たとえば、前述した
Organometallics14,1995,34
−43においては、1−オクテンやシクロヘキセンとい
った脂肪族オレフィンの基質に対する反応は、ヒドロホ
ルミル化の反応速度がCO分圧に対し負の大きな次数を
持つ領域で行われている。一方、スチレンを基質とした
場合には、CO分圧に対する次数が正の領域又は負の領
域でのヒドロホルミル化反応が示されており、スチレン
のような芳香族オレフィンを基質とした場合と一般の脂
肪族オレフィンを基質とした場合の反応機構の違いが議
論されている。また、Organometallics
1996、15、835−847では、基質として1
−オクテンが用いられているが、上記文献と同様に、ヒ
ドロホルミル化反応速度がCOに対して負の次数(約−
0.65次)を持つ領域で反応が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したような従来法
のように、反応速度がH2 分圧に対して正の次数を持
ち、且つCO分圧に対して負の次数を持つ反応条件でヒ
ドロホルミル化反応を行う際には、反応速度を高くする
ためにはH2 分圧のみを高くする必要があった。つま
り、入手容易なオキソガス(H2 /CO比が約1/1)
の他に、更に反応に必要とされない多量のH2 を反応系
に加えて反応速度を制御する必要があった。その上、ヒ
ドロホルミル化反応ではH2 とCOが実質的に1:1の
モル比で消費されるため、供給ガスのH2 /CO比率が
1/1から大きくはずれる場合には、ガス供給部とガス
パージ部でH2 /CO比率が大きく異なってしまう。工
業的に有利なプラグフロータイプの反応器を用いる場
合、反応器の部位によって分圧が異なることは、最適条
件でのヒドロホルミル化プロセスの運転が困難になると
いう点で問題となる。このような問題を回避し、実用的
な反応速度で反応を行うためには、高価な完全混合型反
応器を用いて低CO転化率で反応を行うという、非効率
的なプロセスを採用する必要があった。
【0006】これに対し本発明者らは、Rh−有機ホス
ファイト触媒を用いるヒドロホルミル化反応において、
CO分圧の変化に対し反応転化率が実質的に変化せず、
CO分圧を高くしても実質的に反応転化率の低下のない
領域でヒドロホルミル化反応を行うことにより、反応速
度の制御が容易な反応系を達成できることを見いだし
た。即ち、CO分圧の影響を無視できるために、反応速
度を制御する際に、H2分圧の反応速度への影響を考慮
して、工業的に入手容易なオキソガスのみを制御するこ
とで、所望の反応速度が得られるように全圧を設定する
ことが可能になる。本発明を用いれば、プラグフロー型
反応器を用いても反応器内各部のH2 /CO比率は実質
的に一定となるため、最適条件を容易に且つ安定に維持
しつつ運転することができ、反応プロセスを組む上で極
めて有利となる。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
少なくともロジウムと有機ホスファイトを含む触媒の存
在下に、不飽和化合物を水素及び一酸化炭素と反応させ
てアルデヒド類を製造する方法において、一酸化炭素分
圧(CO分圧)の変化が、不飽和化合物の反応転化率に
実質的に影響を与えないような反応条件領域で反応を行
うことを特徴とするアルデヒド類の製造方法、に存す
る。
【0008】
【発明の実施の態様】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、ロジウム−有機ホスファイト系触媒の存在下
に、不飽和化合物をヒドロホルミル化反応させる方法に
おいて、CO分圧の変化が、不飽和化合物の反応転化率
に実質的に影響を与えないような反応条件領域に維持し
つつ反応を行うことを特徴とするものである。本発明に
おける「CO分圧の変化が、不飽和化合物の反応転化率
に実質的に影響を与えない条件領域」とは、反応系中の
CO分圧が変化しても、工業プロセスを運転する上で、
ヒドロホルミル化反応の反応速度に実質的に影響を与え
ない領域である。具体的には、同一滞留時間で反応を行
う際、CO分圧を1気圧変化させた場合に、不飽和化合
物の反応転化率の変化する割合が、通常±0.3%以
下、好ましくは±0.2%以下、更に好ましくは±0.
15%以下となる反応領域と規定される。或いは、同様
に、同一滞留時間で反応を行う際、CO分圧を10%変
化させた場合に、不飽和化合物の反応転化率の変化する
割合が、通常±0.5%以下、好ましくは±0.4%以
下、更に好ましくは±0.3%以下となる反応領域とも
規定される。
【0009】本発明においては、更に、反応系に供給す
るH2 分圧を1気圧変化させた場合の反応転化率の変化
する割合yと、CO分圧を1気圧変化させた場合の反応
転化率の変化する割合xとの関係が、|y|>|x|と
なるような反応条件領域で反応を行うことにより、CO
分圧の反応速度への影響を無視することができ、H2
圧の反応速度への影響を考慮して、オキソガス(H2
CO)圧のみを調節して、反応速度をより安定に制御す
ることが可能となるため好ましい。
【0010】本発明では、上述したような、CO分圧の
変化が反応転化率に実質的に影響を与えないような反応
条件領域であれば、反応転化率は特に制限されないが、
不飽和化合物として混合オレフィンを使用する場合に
は、あまり反応転化率が低いと、不飽和化合物中の不活
性なオレフィンが反応系中に蓄積することがある。従っ
て、本発明においては、反応転化率が70%以上、更に
は80%以上、特には85%以上となる条件下で反応を
行うことが好ましい。そして、このように反応転化率の
高い領域でも、上述したようなx値とy値が好ましい範
囲となる反応条件領域となるように反応を行うことが好
ましい。
【0011】本発明で用いられる不飽和化合物とは、分
子内に1つ以上の不飽和結合を有する炭化水素化合物で
あり、中でも炭素数3〜20の脂肪族不飽和化合物が好
ましく、具体的には、プロピレン、ブテン、ペンテン、
ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン及びこ
れらの構造異性体等が挙げられる。直鎖状のものと分岐
したものが存在するものについては、そのいずれでも良
いが、本発明においては、特に、少なくとも内部オレフ
ィン、具体的には炭素数4〜10、特には6〜10の内
部オレフィン、特にはオクテン類を含む不飽和化合物を
用いるのが好ましい。また、単一化合物でも、2種類以
上のオレフィン化合物の混合物であっても良い。
【0012】本発明で用いられるロジウム化合物として
は、ロジウムの0価もしくはカチオン性の化合物であ
り、例えば、Rh(NBD)(acac)、Rh(CO
D)(acac)、Rh(acac)2 、[Rh(CO
D)Cl]2 、[Rh(NBD)Cl]2 、Rh(C
O)2 (acac)、Rh4 (CO)12やRh6 (C
O) 16のようなロジウムカルボニルクラスター類などが
用いられる。
【0013】有機ホスファイトとしては、トリアリール
ホスファイト、トリアルキルホスファイト、アルキルア
リールホスファイトなど、任意の有機ホスファイトを用
いることができる。また、これらのホスファイト構造を
同一分子内に複数個有する、ビスホスファイト、トリス
ホスファイトなどのポリホスファイトも用いることがで
きる。これらの有機ホスファイトのうち、モノホスファ
イトは、リン原子を含む環状構造を有していないもの
と、このような構造を有するものとに大別することがで
きる。前者は下記の一般式(1)で表される。
【0014】
【化1】 P(OR1 )(OR2 )(OR3 ) ・・・(1) 式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立して、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基など炭素
数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜30のヘテロ芳
香族炭化水素基を表し、これらにはヒドロホルミル化反
応を阻害しない置換基が結合していてもよい。このよう
な置換基としてはハロゲン原子や、炭素原子1〜20個
を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルオ
キシ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられる。一
般式(1)で表される有機ホスファイトのうちではR1
〜R3 のうちの少くとも1つが、置換アリール基である
のが好ましい。
【0015】一般式(1)で表される有機ホスファイト
として特に好ましいのは、R1 〜R 3 のすべてが置換ア
リール基であるものであり、中でも炭素数1〜5の炭化
水素基を置換基として有する置換アリール基であるもの
である。このような有機ホスファイトのいくつかを例示
すると、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホ
スファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メチルフェ
ニル)ホスファイト、トリス(2−t−ブチル−4−メ
トキシフェニル)ホスファイト、トリス(o−フェニル
フェニル)ホスファイト、トリス(o−メチルフェニ
ル)ホスファイト、ビス(3,6−ジ−t−ブチル−2
−ナフチル)(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホス
ファイト、ビス(3,6−ジ−t−ブチル−2−ナフチ
ル)(2−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス
(3,6−ジ−t−ブチル−2−ナフチル)ホスファイ
ト、トリス(3,6−ジ−t−アミル−2−ナフチル)
ホスファイト等が挙げられる。モノホスファイトのうち
リン原子を含む環状構造を有するものは、下記の一般式
(2)で表される。
【0016】
【化2】
【0017】式中、Zは炭素鎖中にヘテロ原子を含んで
いてもよい2価の炭化水素基を表し、Yは置換されてい
てもよい炭化水素基又はヘテロ芳香族炭化水素基を表
す。一般式(2)において、Yは置換アリール基である
のが好ましい。またZは、炭素鎖中に酸素、窒素又は硫
黄原子のようなヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレ
ン基、アリーレン基又は両者の混成基であるのが好まし
い。このような2価の炭化水素基としては、アルキレン
基、アルキレンオキシアルキレン基、窒素原子にアルキ
ル基が結合していてもよいアルキレンアミノアルキレン
基、アルキレンチオアルキレン基、シクロアルキレン
基、アリーレン基、ビアリーレン基、アルキレンアリー
レン基、アリーレンアルキレンアリーレン基、アリーレ
ンオキシアリーレン基、アリーレンオキシアルキレン
基、アリーレンチオアリーレン基、アリーレンチオアル
キレン基、又は窒素原子にアルキル基が結合していても
よいアリーレンアミノアリーレン基もしくはアリーレン
アミノアルキレン基などが挙げられる。上記したリン原
子を含む環状構造を有する有機ホスファイトのいくつか
を下記の表−1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】本発明で配位子として用いる、分子内に2
個以上のホスファイト構造を有するポリホスファイト
は、下記の一般式(3)で表される。
【0020】
【化3】
【0021】式中、Zは(2)式におけると同義であ
り、R4 及びR5 は、それぞれ独立して、アルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などの炭
素数1〜30の炭化水素基又は炭素数5〜30のヘテロ
芳香族炭化水素基を表し、これらにはヒドロホルミル化
反応を阻害しない置換基が結合していてもよい。このよ
うな置換基としては、ハロゲン原子や炭素原子1〜20
個を有するアルキル基、シクロアルキル基、アリール
基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられ
る。
【0022】Wは炭素鎖中に酸素、窒素、硫黄原子のよ
うなヘテロ原子を含んでいてもよいm価の炭化水素基を
表す。Wにはさらに置換基が結合していてもよい。m1
及びm2 は、それぞれ0〜6の数を表し、m1 +m2
2〜6の整数を表す。なお、m1 又はm2 が2以上の数
を表す場合には、複数のZ、R4 及びR5 はそれぞれ異
っていてもよい。
【0023】好ましくはR4 及びR5 は置換されていて
もよいアリール基である。このようなアリール基のいく
つかを例示すると、フェニル基、2−メチルフェニル
基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、
2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニ
ル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−メトキシフェ
ニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニ
ル基、2,4−ジメトキシフェニル基、2,5−ジメト
キシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、α−
ナフチル基、3−メチル−α−ナフチル基、3,6−ジ
メチル−α−ナフチル基、β−ナフチル基、1−メチル
−β−ナフチル基、3−メチル−β−ナフチル基等が挙
げられる。一般式(3)で表されるポリホスファイトの
いくつかを表−2に例示する。
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
【表7】
【0030】上述した有機ホスファイトの中でも、一般
式(1)で表わされるリン原子を含む環状構造を有しな
いものが好ましく、更にはモノホスファイトを用いるの
が最も好ましい。使用できる有機ホスファイト化合物の
量は、ロジウム原子に対してモル比で1〜200等量、
好ましくは2〜100等量である。
【0031】本発明においては、種々の基質と触媒の組
み合わせを用いて反応することができるが、それぞれの
組み合わせに対して、CO分圧の変化が、不飽和化合物
の反応転化率に実質的に影響を与えない領域に、CO分
圧、H2 分圧、反応温度等の条件を設定して反応を行
う。全圧、CO分圧、H2 分圧、反応温度はそれぞれの
反応系によって異なるため一義的に決められるものでは
ないが、通常、全圧は1〜200気圧、好ましくは10
〜100気圧であり、CO分圧は0.5〜100気圧、
好ましくは5〜80気圧、更に好ましくは10〜50気
圧の範囲であり、H2 分圧は0.5〜100気圧、好ま
しくは5〜80気圧、更に好ましくは10〜50気圧の
範囲であり、反応温度は50〜200℃、好ましくは8
0〜180℃、更に好ましくは100〜150の範囲で
ある。反応温度が高い方が反応速度が大きくなるが、高
すぎると副反応が顕著になるため好ましくない。
【0032】本発明では、工業的に入手容易で、かつプ
ロセス的にも有利なCOとH2 の混合ガス(オキソガ
ス)を用いることで、反応系中のCO分圧とH2 分圧を
ほぼ一定に維持しつつ反応を行うことができる。混合ガ
ス中の水素と一酸化炭素とのモル比(H2 /CO)は通
常10/1〜1/10であるが、2/1〜1/2の範囲
が好ましい。本発明において、CO分圧とH2 分圧の設
定の仕方としては、オキソガスとCO又はH2 のガスの
各々を別々に供給してもよいし、或いは、それらを混合
したガスを別途供給してもよい。
【0033】本発明では、プロセス上有利であれば、適
当な溶媒を存在させて反応を行うこともできるし、溶媒
を添加しないで、すなわち反応基質である不飽和炭化水
素や生成物又は反応系中で副生する高沸点物等を溶媒と
して用いることもできる。溶媒としては本反応に不活性
なものが好ましく、たとえば、ヘキサン、ヘプタン等の
飽和炭化水素化合物、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素等が好ましい例として挙げられる。使用する基質
あるいは生成物との分離が困難な化合物はプロセス上溶
媒として好ましくない。また、プロセス上有利であれ
ば、適当な有機あるいは無機の添加物をさらに添加して
反応を行うこともできる。従来、ロジウム−有機ホスフ
ァイト触媒を用いたヒドロホルミル化反応においては、
ロジウム化合物の安定性に問題があり、反応器中にロジ
ウム化合物が蓄積してしまう場合があったが、本発明で
は、反応系中に芳香族ヒドロキシ化合物類等の添加物を
存在させることにより、他の条件を変えることなくロジ
ウムの実質的な不溶化を抑制することができる。
【0034】芳香族ヒドロキシ化合物としては、1つ以
上の−OH基を持った炭素数6〜14の、置換又は無置
換の芳香環状化合物である。具体的には、フェノール、
ナフトール、レゾルシン、ヒドロキノン、アントラセノ
ール及びその置換体であり、中でも、炭素数1〜5の炭
化水素基をオルト位に置換基として有するフェノール類
が好ましく用いられる。反応系中に存在させる芳香族ヒ
ドロキシ化合物は、上記一般式(1)中のアルコール成
分であるR1 OH、R2 OH及びR3 OHのいずれかと
同一であるものが最も好ましい。また、反応系に存在さ
せる際の形態としては、芳香族ヒドロキシ化合物自体を
反応系に添加してもよいし、反応系中で芳香族ヒドロキ
シ化合物を発生する化合物の形で添加してもよい。
【0035】芳香族ヒドロキシ化合物の添加量は、ロジ
ウムの実質的な不溶化を抑制するのに有効な量であれば
よいが、通常ロジウムに対してモル比で1〜200、好
ましくは2〜100、特に好ましくは3〜80の範囲で
あり、多すぎると転化率が低下し、Rhの析出が増える
傾向にあるため好ましくない。また、その他の有機又は
無機の化合物であっても、好ましいものであれば存在さ
せることができ、上記の芳香族ヒドロキシ化合物ととも
に用いることもできる。
【0036】本発明は連続方式及び回分方式のいずれで
も行い得るが、反応系を長時間にわたって安定に制御す
ることができるため、連続流通反応系で反応を行うこと
が好ましく、滞留時間としては、通常1〜8時間、好ま
しくは2〜5時間の範囲が用いられる。反応様式として
は、ロジウム錯体触媒を含む液相が収容されている反応
帯域に、基質である不飽和化合物及びオキソガスを連続
的に供給し、生成したアルデヒドを未反応のオキソガス
と一緒に反応帯域から流出させるストリッピング方式、
及び反応帯域に触媒を含む反応溶媒、基質の不飽和化合
物及びオキソガスを連続的に供給し、反応帯域から生成
したアルデヒドを含む反応生成液を連続的に抜き出し、
これから少なくとも生成したアルデヒドの一部を分離し
たのち、残存する触媒を含む反応溶媒を反応帯域に循環
する液循環方式のいずれでも行うことができる。
【0037】
【実施例】実施例1 ロジウムジカルボニルアセチルアセトナート[Rh(CO)
2(acac) ](125 mg/L)及びトリ(2,4-ジ-t- ブチルフ
ェニル)ホスファイト[DBPO](6.29 g/L)を含む混合オ
クテン/m-キシレン( 容積比:9/1)の混合物を攪拌型反
応槽に連続的に供給し、オーバーフローにより、生成し
たアルデヒドを含む反応液を連続的に抜き出した。ここ
で使用した混合オクテンは、ブテンの二量化反応により
得られたものであり、その組成は、n-オクテン類16%、
3-メチルへプテン類66%、3,4-ジメチルヘキセン類18%
であった。このとき、反応器内の気相部分には、H2/CO=
1/1の混合ガスを常に50kg/cm2になるように連続的に供
給し、また液温が140 ℃になるように外部よりヒーター
で加熱した。反応液の平均滞留時間が1.0 時間となるよ
うに供給反応液流量を設定し、反応転化率が実質的に一
定となるまで反応を続けたところ、最終的なオクテン転
化率は75.9% であった。
【0038】実施例2〜9 反応器中のH2 分圧、CO分圧又は平均滞留時間を変化
させたこと以外は、実施例1と同様に反応を行った。反
応条件及び反応転化率が実質的に一定になったところで
のオクテンの反応転化率を表−3に示す。また、実施例
1〜9の結果から、H2 分圧又はCO分圧の変化に対す
る反応転化率の変化率を算出した結果を、表−4に示し
た。
【0039】
【表8】 表−3 ─────────────────────────────── 実施例 H2分圧 CO分圧 滞留時間 反応転化率 (気圧)(気圧) (h) (%) ─────────────────────────────── 1 25 25 1.0 75.9 2 25 50 1.0 74.0 3 50 50 1.0 82.1 4 25 25 2.0 87.3 5 25 50 2.0 86.8 6 50 50 2.0 92.1 7 25 25 5.0 94.8 8 25 50 5.0 95.6 9 50 50 5.0 97.0 ───────────────────────────────
【0040】
【表9】 表−4 ──────────────────────────────────── 滞留時間(h) 1.0 2.0 5.0 ──────────────────────────────────── H2圧変化による変化率y(%/1気圧) 0.44 0.24 0.06 (%/10%変化) 1.09 0.61 0.15 CO圧変化による変化率x(%/1気圧) -0.10 -0.02 0.03 (%/10%変化) -0.25 -0.06 0.08 転化率(%) 74.0-82.1 86.8-92.1 94.8-97.0 ────────────────────────────────────
【0041】実施例10 反応温度を130 ℃にしたこと以外は、実施例7と同様に
反応を行った。その結果、反応転化率は92.6% であっ
た。この抜き出し液中に含まれるRh量を、ICP によるRh
濃度測定を行って求めたところ、仕込み液中のRh量の95
% であった。
【0042】実施例11〜13 仕込み液中に2,4-ジ-tert-ブチルフェノールを加えたこ
と以外は、実施例10と同様に反応を行った。仕込み液
中の2,4-ジ-tert-ブチルフェノール(ArOH)の濃度、抜き
出し液の分析による反応転化率、及び抜き出し液中に含
まれるRh量の仕込み液中の量に対する比率(Ph量)を
表−5に示す。
【0043】
【表10】 表−5 ────────────────────────── 実施例 10 11 12 13 ────────────────────────── ArOH(g/L) 0 5 25 50 転化率(%) 92.6 93.2 92.6 85.9 Rh量(%) 95 100 99 91 ──────────────────────────
【0044】
【本発明の効果】本発明の方法により、不飽和化合物の
ヒドロホルミル化反応を行うことで、工業的に入手が容
易な混合ガス(CO/H2 )を用いて、反応系中の反応
速度を安定に且つ容易に制御することが可能となるた
め、工業的な利用価値が高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中嶋 巌 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 佐藤 直正 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 Fターム(参考) 4G069 AA15 BA21A BA21B BA28B BC71A BC71B BE29A BE29B BE42B CB11 4H006 AA02 AC21 AC45 BA24 BA48 BC11 BC40 BE20 BE40 4H039 CA62 CF10 CL45

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともロジウムと有機ホスファイトを
    含む触媒の存在下に、不飽和化合物を水素及び一酸化炭
    素と反応させてアルデヒド類を製造する方法において、
    一酸化炭素分圧(CO分圧)の変化が、不飽和化合物の
    反応転化率に実質的に影響を与えないような反応条件領
    域に維持しつつ反応を行うことを特徴とするアルデヒド
    類の製造方法。
  2. 【請求項2】反応系に供給するCO分圧を1気圧変化さ
    せた場合に、不飽和化合物の反応転化率の変化する割合
    xが±0.3%以下となるような反応条件領域で反応を
    行う請求項1に記載のアルデヒド類の製造方法。
  3. 【請求項3】反応系に供給するH2 分圧を1気圧変化さ
    せた場合の反応転化率の変化する割合yと、CO分圧を
    1気圧変化させた場合の反応転化率の変化の割合xとの
    関係が、|y|>|x|となるような反応条件領域で反
    応を行う請求項1又は2に記載のアルデヒド類の製造方
    法。
  4. 【請求項4】不飽和化合物の反応転化率が70%以上と
    なる反応条件領域で反応を行う請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のアルデヒド類の製造方法。
  5. 【請求項5】反応を連続流通系により行う請求項1〜4
    のいずれか1項に記載のアルデヒド類の製造方法。
  6. 【請求項6】不飽和化合物が、炭素数3〜20の脂肪族
    オレフィン性化合物である請求項1〜5のいずれか1項
    に記載のアルデヒド類の製造方法。
  7. 【請求項7】不飽和化合物が、炭素数4〜20の内部オ
    レフィンである請求項6に記載のアルデヒド類の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 有機ホスファイトが、モノホスファイト
    である請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルデヒド
    類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1776328B1 (en) 2004-08-02 2018-04-18 Dow Technology Investments LLC Stabilization of a hydroformylation process

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