JP2024513740A - ヒドロホルミル化プロセス - Google Patents

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Abstract

本開示は、連続ヒドロホルミル化プロセスに関する。一態様では、連続ヒドロホルミル化プロセスは、(a)少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件下、少なくとも2つの反応ゾーンにおいて反応流体中ヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO、H2、及び少なくとも1つのオレフィンを接触させることであって、当該ヒドロホルミル化触媒が触媒金属及び配位子を含み、当該第1の反応ゾーン内の反応温度が第1の熱交換器を用いて制御される、ことと、(b)生成物流から当該ヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を回収し、回収した当該ヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を当該第1の反応ゾーンを通して再利用することと、を含む。オレフィン供給流の一部及び/又は再利用される当該ヒドロホルミル化触媒の一部を第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させることによって、目標反応温度において反応を確実に安定制御するために、十分な熱除去容量が当該第1の反応ゾーン内の熱交換器に確実に残るように、第1の反応ゾーン内の反応速度を低下させ、下流の反応ゾーン内の反応速度を上昇させることによって第1の反応ゾーン内の発熱を減少させる。

Description

本発明は、一般に、連続ヒドロホルミル化プロセスに関する。
序論
金属-有機リン配位子錯体触媒の存在下でオレフィン性不飽和化合物を一酸化炭素及び水素と反応させることを含む連続プロセスによってアルデヒドを生成できることが知られている。このプロセスは、例えば、米国特許第4,148,830号、同第4,717,775号、及び同第4,769,498号に開示されている。反応温度は、幾つかの理由から重要なヒドロホルミル化プロセスの変動要因である。
商業規模のヒドロホルミル化プラントの安定した制御された操業が非常に望ましいことは一般に認識されている。また、正確な温度制御が触媒寿命にとって重要であることも明らかである。商業規模でのヒドロホルミル化反応における温度制御の問題は長い間認識されてきた。J.Falbe(ed)「New Syntheses with Carbon Monoxide」(Springer-Verlag,NY 1980)のセクション1.2.4には、異常な温度挙動の図を用いて問題の概要が示されている。より詳細な分析は、E.P.Van Elk,P.C.Borman,J.A.M.Kuipers,G.F.Versteeg;Chemical Engineering Science 56(2001)1491-1500)に述べられており、ここでは、安定性及び動的挙動の複雑さについて論じられている。ロジウムヒドロホルミル化反応は、複雑なキネティクス、質量流の問題、及びその発熱性が高い(28~35kcal(ll8~147kJ)/mol(オレフィン))性質を特徴とし、これらは全て、温度制御をかなり困難なものにする。
米国特許第4,277,627号には、内因性の失活を含む触媒失活の幾つかの経路が教示されている。運転条件は、ホスフィン系触媒による活性の損失を最小限に抑えるように指定される。温度は、触媒失活の速度を制御する重要な変動要因である。
触媒安定性に対するその効果に加えて、温度の制御は、プロセスの効率に対して著しい影響を有し得る。より低温では反応性がより低くなり、系を通してオレフィンが失われる。米国特許第4,148,830号に教示されているように、より高温では、不可避なアルドール形成に起因して配位子の分解が多くなり、重質物の形成速度が速くなる。他の温度関連効果、例えば、(アルカン又はアルコールへの)水素化が多くなり、直鎖対分岐鎖(「N:I」)生成物比の変動が大きくなることも、プラントの生産性に悪影響を与える可能性がある。
一般的に言えば、温度を制御するためには、熱発生速度及び/又は熱除去速度を制御しなければならない。定常状態では、これら2つは等しい。熱発生速度は、一般に、幾つか例を挙げると、所望のプラント生産速度(すなわち、オレフィン供給速度)、オレフィンの性質(エチレンが反応性が高く、続いて第一級オレフィン、次いで第二級オレフィンである)、及び触媒濃度等の要因によって決定される。生産速度及び使用されるオレフィンは、プラントの経済性に悪影響を与えることから、一般的に変更しない。したがって、歴史的に、温度制御についてはほとんど熱除去に焦点が当てられてきた。
熱交換器からの熱の除去は、伝統的に、以下の式によって記載される:
熱除去=A*U*ΔT (1)
(式中、「U」は、設備のプロセス側及び冷却剤側の両方の条件(粘度、顕熱、流量、気泡の存在等)に依存する熱伝達係数であり、「A」は、熱伝達に利用可能な表面積であり、ΔTは、生成物流体と冷却剤との間の温度差である)。
熱交換器の表面積は、一般に一定である。反応器内部の大きな内部冷却コイルは、貴重な反応器空間を占有するので、かなりの量の熱除去を必要とする反応器では外部熱交換器を使用することが一般的に行われている。例えば、国際公開第2012/008717(A2)号、米国特許第4,523,036号、同第8,389,774号、及び同第5,367,106号を参照されたい。非常に大きな表面積を有するように熱交換器のサイズを大きくすると、一般に、より良好な安定性が得られるが、高価であり、プラント設置面積が増大し、保守費用が増大する。
運転条件の操作によって反応器の温度を制御することを目的とする開示が存在する。例えば、米国特許第5,744,650号に開示されている高活性ホスファイト系Rh触媒系では、熱交換器のプロセス側と冷却剤側との間の温度差ΔTの最適化が、安定した温度制御にとって重要である。米国特許第5,744,650号には、ヒドロホルミル化反応器を制御するために使用される実際の熱交換器設計の良好な概要が記載されているが、熱交換器の冷却剤側に焦点が当てられている。残念なことに、冷却水の温度を制御すると、プラントの構造及び運転の複雑さが増し、追加の費用がかかる。また、冷却水温度の変更に時間がかかり、次いで、変更された冷却水が熱交換器において温度を再確立しなければならず、その後、反応器で効果を示すために熱交換器が新たなΔTを確立しなければならないという点で、プロセス制御応答が更にかなり遅延する。工業規模のヒドロホルミル化プロセスに含まれる塊が大きいと、応答時間が大幅に増加する。
従来、熱除去を行うための他の手段は、熱交換器内の冷却剤質量流量を変化させることに基づいている。冷却剤側の配管及び設備は一般にプロセス側よりもはるかに小さく、例えば、パイプは6インチ対20インチであり、プロセス側のステンレス鋼と比較してより安価な金属、例えば炭素鋼を伴うので、冷却剤側の流れを変化させることは好ましい経路であると考えられてきた。
温度によって影響される反応キネティクスは、プロセスの安定性に大きな影響を及ぼすことも知られている。米国特許第5,763,679号には、ヒドロホルミル化反応速度が一酸化炭素において負又は逆の次数である反応領域においてヒドロホルミル化プロセスを行うことによって、リン化合物を阻害又は被毒することによって引き起こされる金属-有機リン配位子錯体触媒の失活を逆転又は減少させ得ることが教示されている。正及び負の両方のCO次数キネティクス(並びに様々なレベルの阻害剤)が存在すると、従来のプロセス制御戦略を使用してこれらの高活性触媒を制御することが非常に困難になる。
米国特許第5,362,917号には、合成供給ガスの流量又はベントガスの流量を変化させてヒドロホルミル化プロセスにおける所定の一定の一酸化炭素分圧を維持することによって、ヒドロホルミル化プロセスの安定性を制御する方法が開示されている。生成物異性体(N:I)比はCO分圧に依存するので、CO分圧を維持しようと試みることによりN:I比を安定化させることはできるが、他の試薬も同様に変化する可能性があるので同時に反応速度も安定化させることはできない。
同様に、米国特許第7,446,231号は、反応器の全圧を操作することによって反応の制御に対処している。この特許では、キネティクスに影響を与える幾つかのガス状試薬を同時に扱うことを試みている。固定されたCO分圧を設定する代わりに、CO及びH分圧が自己制御されるという所見及びより安定したプロセスが生じであろうという見込みに基づいて、一定のプロピレン供給速度で全圧を維持する。米国特許第7,446,231号の図1に示されるように、最適な動作領域はヒドロホルミル化速度対CO分圧プロットのピークにあり、ここで、最も速い速度及び最も高いN:I性能が観察される。残念なことに、キネティックモデルは反応次数(ピーク自体での0次を含む)の変化を考慮しないので、このピークでの動作は本質的に不安定である。したがって、米国特許第7,446,231号の技術は、負のCO次数領域においてのみ適用される。
したがって、ヒドロホルミル化反応器は、典型的には、本質的に不安定なレジームで動作し、安定したプロセス制御を維持するために反応器制御システムに依存する。従来のヒドロホルミル化反応器温度制御システムは、冷却水入口温度、冷却水流量、又はこれらの組み合わせを調整して反応器の液体温度を制御してきた。歴史的に、この制御スキームは、主に、第1世代の市販のヒドロホルミル化触媒の反応速度が比較的遅く、例えば、1.5gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時未満であり、単位時間/体積当たりに発生する反応熱が比較的少ないので、合理的に良好に機能してきた。しかし、最近商用化された次世代ヒドロホルミル化触媒は、既存の触媒に比べて反応速度が著しく速い。反応速度がより速いと、単位時間当たりのヒドロホルミル化反応器における熱発生がより多くなる。従来の反応器温度制御スキームは、遅すぎて、新たなヒドロホルミル化触媒を使用する反応の反応器温度を有効に制御することができない。
熱交換器の設計は当該技術分野において周知であり、熱交換器が上述した変動要因を含む熱が発生する速度においてシステム内で発生する熱を除去するのに十分な容量を確実に有するように、上述した問題を熱交換器の設計において考慮しなければならない。熱交換器に関連して本明細書で使用するとき、「容量」という用語は、熱交換器がその最大熱除去モードで動作したときに単位時間当たりに除去することができる熱エネルギーの最大量(BTU、キロジュール、キロワット等で測定されることが多い)である。上記の式(1)で述べたように、熱除去速度、ひいては熱交換器の容量に影響を与えるU、A、及びΔT等の多数の要因が存在する。一般的に、プロセス又は冷却剤流(U)及びΔT(冷却剤温度)が、容量の主要な要因である。これらは、ヒドロホルミル化反応によって発生する熱の量に加えて、オレフィン純度、冷却水の変動(例えば、季節変動)等の変動に対処するための幾つかの追加の能力に対してバランスをとらなければならない。ヒドロホルミル化生成速度(全オレフィン供給材料)は、プラントの生産速度が一定になるように一定に保たれると仮定される。
従来の熱交換器の設計は、特により活性の高い触媒及び/又はより反応性の高いオレフィンでは、経時的に不適当になる可能性があることが見出されている。例としては、供給材料中のオレフィン組成の劇的な変化、ファウリング、及び触媒活性の変化が挙げられる。後者は、古い設備に上記のようなより活性の高い触媒を後から組み込む場合に特に懸念される。より高い活性の触媒は、より古く、より活性の低い触媒よりも第1の反応器においてより多くのオレフィンを転化し、これは、第1の反応器において元のプラント設計よりも多くの熱発生が起こっていることを意味する。より古い設計は、典型的には、同様に負の次数の触媒に必要とされる迅速な応答を欠いている。反応速度を低下させるために反応器温度を単に低下させると、熱交換器の全域でΔTも低下し、その上熱交換器容量も低下する。新たな高反応性触媒は、より高い温度に対する感受性がより高い傾向があり、かつより低い温度で動作するが、依然としてより高いオレフィン転化率を示すので、この効果は、熱交換器容量の制約を拡大する。この問題を軽減するためには、既存の熱交換器の交換又は更なる冷却容量の追加が必要となるが、これは高価であり、プラントの設置面積及び保守費用を増大させる。
したがって、限られた熱除去容量を有する既存の熱交換器を使用して反応器の熱除去の要件のバランスをとる、ヒドロホルミル化反応器のための改善された反応器温度制御プロセスを有することが望ましい。
本発明は、概して、改善された熱反応器温度制御を提供する連続ヒドロホルミル化プロセスに関する。幾つかの態様では、連続ヒドロホルミル化プロセスは、従来のヒドロホルミル化触媒よりも反応器内でより多くの熱を発生させる活性ヒドロホルミル化触媒を使用するプロセスで特に有利である。幾つかの態様では、そのようなプロセスは、そのような熱交換器が従来のヒドロホルミル化触媒を用いた反応のために設計された熱除去容量を有する場合、より新しい活性ヒドロホルミル化触媒を使用して反応器から熱を十分に除去するための熱交換器の使用を容易にすることができる。例えば、本発明の連続ヒドロホルミル化プロセスの幾つかの実施形態は、特定のヒドロホルミル化触媒(例えば、従来の触媒)を用いて動作するヒドロホルミル化プロセスを、ヒドロホルミル化反応器に関連する熱交換器(複数可)を交換する必要なく、より活性の高い(より反応性の高い)ヒドロホルミル化触媒を使用するプロセスに変換するのに有用であり得る。
一実施形態では、本発明の連続ヒドロホルミル化プロセスは、(a)少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件下、少なくとも2つの反応ゾーンにおいて反応流体中ヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO、H、及び少なくとも1つのオレフィンを接触させることであって、当該ヒドロホルミル化触媒が触媒金属及び配位子を含み、第1の反応ゾーン内の反応温度が第1の熱交換器を用いて制御される、ことと、(b)生成物流からヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を回収し、回収した当該ヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を当該第1の反応ゾーンを通して再利用することであって、(1)オレフィン供給流の一部を当該第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させるオレフィン供給流の量を調整することによって当該第1の反応ゾーン内のオレフィン分圧圧を変化させる及び/又は(2)再利用される当該ヒドロホルミル化触媒の一部を当該第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させる当該再利用されるヒドロホルミル化触媒の量を調整することによって当該第1の反応ゾーン内の当該触媒金属の濃度を変化させることにより、目標反応温度において反応を確実に安定制御するために、十分な熱除去容量が当該第1の反応ゾーン内の熱交換器に確実に残るように、当該第1の反応ゾーン内の反応速度を低下させ、下流の反応ゾーン内の反応速度を上昇させることによって当該第1の反応ゾーン内の発熱を減少させる、ことと、を含む。
これら及び他の実施形態は、「発明を実施するための形態」において、より詳細に説明される。
粗生成物が除去され、触媒が第1の反応器に戻されて再利用される生成物/触媒分離ゾーンに供給される直列の3つの反応器(反応ゾーン)を有する従来の反応列を示すプロセスフローシートである。 本発明の一実施形態による、第1の反応器内で起こる反応の量を調整又は制御するための第1の反応器(反応ゾーン)から第2の反応器(反応ゾーン)へのオレフィン供給材料の一部の迂回を示すプロセスフローシートである。 本発明の一実施形態による、第1の反応器内の触媒濃度を変化させ、それによって第1の反応器内で起こる反応の量を制御するための、生成物/触媒分離ゾーンから再利用された触媒の一部の第1の反応器(反応ゾーン)から第2の反応器(反応ゾーン)への迂回を示すプロセスフローシートである。
本開示は、概して、目標反応温度において反応を確実に安定制御するために、十分な熱除去容量が当該第1の反応ゾーン内の熱交換器に確実に残るように、第1の反応ゾーンにおける反応速度を減少させ、下流の反応ゾーンにおける反応速度を上昇させることによって、連続ヒドロホルミル化プロセスにおける第1の反応ゾーン内の発熱を減少させることに関する。本明細書に記載されるプロセスは、アルファ-オレフィンのヒドロホルミル化によってアルデヒドを生成するための連続プロセスである。このようなプロセスによって生成されるアルデヒドは、例えば、脂肪族アルコールへの水素化、脂肪族アミンへのアミノ化、脂肪族酸への酸化、及び可塑剤を生成するためのアルドール縮合のための中間体として広範囲にわたる有用性を有する。
元素の周期表及びその中の様々な族に対する全ての言及は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,72nd Ed.(1991-1992)CRC Press、page I-10で公開されたバージョンである。
特段の記載がない限り、又は文脈から黙示的でない限り、全ての部及びパーセンテージは、重量に基づくものであり、全ての試験方法は、本出願の出願日現在のものである。米国特許実務の目的のために、任意の参照される特許、特許出願又は公開の内容は、特に定義の開示(具体的に本開示で提供されるいずれの定義とも矛盾しない範囲)及び当該技術分野における一般知識に関して、参照によりそれらの全体が組み込まれる(又はそれと等価な米国版がそのように参照により組み込まれる)。
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」、及び「1つ以上」は互換的に使用される。「含む(comprise)」、「含む(include)」、及びそれらの変形は、これらの用語が明細書及び特許請求の範囲に現れる場合に限定的な意味を有しない。したがって、例えば、「a」疎水性ポリマーの粒子を含む水性組成物は、組成物が「1つ以上の」疎水性ポリマーの粒子を含むことを意味すると解釈することができる。
また、本明細書において、端点による数値範囲の列挙は、その範囲に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。本発明の目的のために、当業者が理解することと一致して、数値範囲は、その範囲に含まれる可能性のある全ての部分範囲を含み、かつサポートすることを意図するということを理解されたい。例えば、1~100の範囲は、1.01~100、1~99.99、1.01~99.99、40~60、1~55などを伝達することを意図している。
本明細書中で使用されるとき、用語「ppmw」は重量百万分率を意味する。
本発明の目的のために、「炭化水素」という用語は、少なくとも1個の水素原子及び1個の炭素原子を有する全ての許容される化合物を含むことが企図される。そのような許容される化合物は、1個以上のヘテロ原子を有していてもよい。広義の態様では、許容される炭化水素は、置換又は非置換であり得る、非環式(ヘテロ原子を含む又は含まない)及び環式、分岐及び非分岐、炭素環及び複素環の、芳香族及び非芳香族有機化合物を含む。
本明細書で使用するとき、「置換された」という用語は、別段の指示がない限り、有機化合物の全ての許容される置換基を含むことが企図される。広範な態様では、許容される置換基には、有機化合物の非環式及び環式、分岐状及び非分岐状、炭素環式及び複素環式、芳香族及び非芳香族の置換基が含まれる。例示的な置換基には、例えば、アルキル、アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル(炭素の数が1~20以上、好ましくは1~12の範囲であり得る)、並びにヒドロキシ、ハロ、及びアミノが含まれる。許容される置換基は、適切な有機化合物について、1つ以上であり得、同じか又は異なり得る。本発明は、有機化合物の許容される置換基によりいかなる方式でも限定されることは意図されていない。
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロホルミル化」は、限定されるものではないが、1つ以上の置換若しくは非置換オレフィン性化合物又は1つ以上の置換若しくは非置換オレフィン性化合物を含む反応混合物を、1つ以上の置換又は非置換アルデヒド又は1つ以上の置換若しくは非置換アルデヒドを含む反応混合物に転化することを含む、全ての許容される不斉及び非不斉ヒドロホルミル化プロセスを含むことが企図される。
本明細書において、用語「反応流体」、「反応媒体」、及び「触媒溶液」は互換的に使用され、(a)金属-有機リン配位子錯体触媒、(b)遊離有機リン配位子、(c)反応において形成されるアルデヒド生成物、(d)未反応の反応物質、(e)当該金属-有機リン配位子錯体触媒及び当該遊離有機リン配位子のための溶媒、並びに、任意選択で(f)反応において形成される酸化物又はリン酸性化合物等の1つ以上の配位子分解生成物(均一であっても不均一であってもよく、これらの化合物は、プロセス設備の表面に付着したものを含む)を含み得るがこれらに限定されない。反応流体は、(a)反応器内の流体、(b)分離ゾーンに向かう途中の流体ストリーム、(c)分離ゾーン内の流体、(d)再循環ストリーム、(e)反応ゾーン又は分離ゾーンから抜き出された流体、(f)水性緩衝液で処理されている抜き出された流体、(g)反応ゾーン又は分離ゾーンに戻された処理された流体、(h)外部冷却器内の流体、及び(i)配位子分解生成物及びそれらの塩、を包含し得るがこれらに限定されない。
本明細書で使用するとき、用語「反応器」及び「反応ゾーン」は、ヒドロホルミル化反応が起こるような条件である別個のユニットを指す。これらの条件は、検出可能な量の熱が発生する十分に高い温度で溶液中にオレフィン、合成ガス、及び触媒が存在することを含む。用語「反応器」及び「反応ゾーン」は、反応器本体が複数のゾーンを有する場合を除いて互換的に使用され、その場合、用語「反応ゾーン」が明示的に使用される(例えば、単一の反応器本体内の第2の反応ゾーン)。反応ゾーンは、直列の1つを超える反応器を包含してもよく、又は米国特許第5,728,893号に記載されているような反応器本体内に幾つかの別個の反応ゾーン若しくは段階を有する反応器であってもよい。「下流の反応ゾーン」又は「下流の反応器」という用語は、本明細書では互換的に使用されて、オレフィンが最初に反応ゾーン系列に投入される第1の反応ゾーン、次いでこの反応ゾーンの生成物が第2(下流)の反応ゾーンに供給され、次いで第3の反応ゾーン(存在する場合)に供給される等、次に系列内の最終反応ゾーンが生成物/触媒分離ゾーンに接続されるまでの反応列の主なプロセスフローを指す。
「加水分解性有機リン配位子」は、少なくとも1つのP-Z結合を含有する三価のリン配位子であり、ここで、Zは、酸素、窒素、塩素、フッ素、又は臭素である。例としては、ホスファイト、ホスフィノ-ホスファイト、ビスホスファイト、ホスホナイト、ビスホスホナイト、ホスフィナイト、ホスホラミダイト、ホスフィノ-ホスホラミダイト、ビスホスホラミダイト、フルオロホスファイトなどが挙げられるが、これらに限定されない。配位子はキレート構造を含んでいてよい、並びに/又はポリホスファイト、ポリホスホラミダイト等の複数のP-Z部分、及びホスファイト-ホスホラミダイト、フルロホスファイト-ホスファイト等の混合P-Z部分を含んでいてよい。
本明細書で使用される場合、「錯体」という用語は、1つ以上の電子的に豊富な分子又は原子(すなわち、配位子)の、1つ以上の電子的に乏しい分子又は原子(すなわち、遷移金属)との結合により形成される配位化合物を意味する。例えば、本明細書で使用可能な有機リン配位子は、1つの非共有電子対を有する1つのリン(III)ドナー原子を保有し、これは、金属との配位共有結合を形成することができる。本明細書で使用可能なポリ有機リン配位子は、2つ以上のリン(III)ドナー原子を保有し、各々が1つの非共有電子対を有し、その各々は、独立してか、又はおそらく遷移金属と協調して(例えば、キレート化を介して)配位共有結合を形成することができる。一酸化炭素も存在し、遷移金属と錯体を形成することができる。錯体触媒の最終的な組成物もまた、上記に記載されたように、追加の配位子(複数可)、例えば、金属の配位部位又は核電荷を満たす水素、モノオレフィン、又はアニオンを含有してもよい。
遷移金属上で利用可能な配位部位の数は、当技術分野で周知であり、選択される特定の遷移金属に依存する。触媒種は、単量体、二量体、又はより高い核形態の複雑な触媒混合物を含み得、その形態は、好ましくは、金属、例えば、ロジウムの1分子当たりに錯化した少なくとも1つの有機リン含有分子によって特徴付けられる。例えば、ヒドロホルミル化反応で用いられる好ましい触媒の触媒種は、1つ以上の有機リン配位子(複数可)に加えて、一酸化炭素及び水素と錯体形成され得ると考えられている。
一実施形態では、本発明の連続ヒドロホルミル化プロセスは、(a)少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件下、少なくとも2つの反応ゾーンにおいて反応流体中ヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO、H、及び少なくとも1つのオレフィンを接触させることであって、当該ヒドロホルミル化触媒が触媒金属及び配位子を含み、第1の反応ゾーン内の反応温度が第1の熱交換器を用いて制御される、ことと、(b)生成物流からヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を回収し、回収した当該ヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を当該第1の反応ゾーンを通して再利用することと、を含む。このような実施形態では、(1)オレフィン供給流の一部を第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させるオレフィン供給流の量を調整することによって当該第1の反応ゾーン内のオレフィン分圧圧を変化させる及び/又は(2)再利用されるヒドロホルミル化触媒の一部を当該第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させる当該再利用されるヒドロホルミル化触媒の量を調整することによって当該第1の反応ゾーン内の触媒金属の濃度を変化させることにより、目標反応温度において反応を確実に安定制御するために、十分な熱除去容量が当該第1の反応ゾーン内の熱交換器に確実に残るように、当該第1の反応ゾーン内の反応速度を低下させ、下流の反応ゾーン内の反応速度を上昇させることによって当該第1の反応ゾーン内の発熱を減少させる。幾つかの実施形態では、第1の反応ゾーンにおける反応温度は、目標反応温度の1℃以内で維持される。本発明の幾つかのプロセスは、第1の反応ゾーンのヘッドスペース内のオレフィン濃度を測定し、測定値に基づいて下流反応ゾーンに迂回されるオレフィン供給流の量を調整することを更に含む。幾つかの実施形態では、反応速度は、1.5gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時を超える。幾つかの実施形態では、反応速度は、2.0gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時を超える。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化反応で使用される配位子は、加水分解性有機リン配位子である。幾つかの実施形態では、触媒金属は、ロジウムである。幾つかの実施形態では、反応温度は、100℃以下である。
上記のように、本発明のヒドロホルミル化プロセスは、少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件下、少なくとも2つの反応ゾーンにおいて反応流体中ヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO、H、及び少なくとも1つのオレフィンを接触させることを含み、当該ヒドロホルミル化触媒は触媒金属及び配位子を含む。任意選択のプロセス構成成分としては、米国特許第5,288,918号、同第5,731,472号、及び同第5,741,944号に記載されているようなアミン及び/又は水が挙げられる。
水素及び一酸化炭素は、石油分解及び精製操作を含む任意の好適な供給源から得てよい。合成ガス混合物は、水素及びCOの好ましい供給源である。
合成ガス(syngas)(synthesis gasから)は、様々な量の水素(H)及び一酸化炭素(CO)を含有するガス混合物に与えられる名称である。生成方法は、周知である。水素及びCOは、典型的には、合成ガスの主成分であるが、合成ガスは、CO並びにN及びArなどの不活性ガスを含有し得る。HのCOに対するモル比は大きく変動し得るが、一般に1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の範囲である。合成ガスは市販されており、多くの場合燃料源として又は他の化学物質を生成するための中間体として使用される。最も好ましいH:CO比は3:1~1:3であり、より好ましくは約1:2~2:1である。
ヒドロホルミル化プロセスに用いられ得る置換又は非置換オレフィン性不飽和反応物質は、幾つかの実施形態では2~40個の炭素原子、幾つかの実施形態では3~20個の炭素原子、幾つかの実施形態では3~5個の炭素原子を含有する光学活性(プロキラル及びキラル)及び非光学活性(アキラル)の両オレフィン性不飽和化合物を含む。そのような化合物は、当該技術分野において周知であり、米国特許出願公開第2010/006980号に詳細に記載されている。そのようなオレフィン性不飽和化合物は、末端又は内部不飽和であり得、直鎖、分岐鎖、又は環状構造、並びにプロペン、ブテン、イソブテン等のオリゴマー化から得られるもの等のオレフィン混合物(例えば、米国特許第4,518,809号及び同第4,528,403号に開示されているように、いわゆる二量体、三量体、又は四量体プロピレン等)であり得る。
エナンチオマーアルデヒド混合物を生成するために使用することができる不斉ヒドロホルミル化に有用なプロキラル及びキラルオレフィンとしては、式:
Figure 2024513740000002
[式中、R、R、R、及びRは、同一であるか又は異なり(但し、RはRと異なるか又はRはRと異なる)、水素;アルキル;置換アルキルであって、当該置換が、ベンジルアミノ及びジベンジルアミノ等のジアルキルアミノ;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ;アセトキシ等のアシルオキシ、ハロ、ニトロ、ニトリル、チオ、カルボニル、カルボキサミド、カルボキシアルデヒド、カルボキシル、並びにカルボン酸エステルから選択される、置換アルキル;フェニルを含むアリール;フェニルを含む置換アリールであって、当該置換が、アルキル、ベンジルアミノ及びジベンジルアミノ等のアルキルアミノ及びジアルキルアミノを含むアミノ、ヒドロキシ;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ、アセトキシ等のアシルオキシ、ハロ、ニトリル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシアルデヒド、カルボン酸エステル、カルボニル、並びにチオから選択される、置換アリール;アセトキシ等のアシルオキシ;メトキシ及びエトキシ等のアルコキシ;ベンジルアミノ及びジベンジルアミノ等のアルキルアミノ及びジアルキルアミノを含むアミノ;アセチルベンジルアミノ及びジアセチルアミノ等のアシルアミノ及びジアシルアミノ;ニトロ;カルボニル;ニトリル;カルボキシル;カルボキサミド;カルボキシアルデヒド;カルボン酸エステル;並びにメチルメルカプト等のアルキルメルカプトから選択される]で表されるものが挙げられる。この定義のプロキラル及びキラルオレフィンはまた、R基が結合して環化合物を形成する上記一般式の分子、例えば、3-メチル-1-シクロヘキセン等を含むことが理解される。
不斉ヒドロホルミル化に有用な例示的な光学活性又はプロキラルオレフィン性化合物は、例えば、米国特許第4,329,507号、同第5,360,938号、及び同第5,491,266号に記載されている。
幾つかの実施形態では、オレフィンの混合物を使用してもよく、この混合物の組成は時間とともに変化してもよい。オレフィン混合物の組成が変化するにつれて、ヒドロホルミル化工程の反応性も同様に、時には急速に変化し得る。例えば、ポリマーグレードのプロピレン供給材料から、かなりのエチレン含量を有する精製所グレードのプロピレン供給材料への変更は、反応系の挙動に劇的な変化をもたらす可能性がある。
有利には、ヒドロホルミル化プロセスにおいて溶媒を用いる。ヒドロホルミル化プロセスを過度に妨害しない任意の好適な溶媒が使用され得る。実例として、ロジウム触媒によるヒドロホルミル化プロセスに好適な溶媒としては、例えば、米国特許第3,527,809号、同第4,148,830号、同第5,312,996号、及び同第5,929,289号に開示されているものが挙げられる。好適な溶媒の非限定的な例としては、飽和炭化水素(アルカン)、芳香族炭化水素、水、エーテル、アルデヒド、ケトン、ニトリル、アルコール、エステル、及びアルデヒド縮合生成物が挙げられる。溶媒の具体的な例としては、テトラグライム、ペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、キシレン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ブチルアルデヒド、及びベンゾニトリルが挙げられる。有機溶媒はまた、飽和限界までの溶解水を含有し得る。例示的な好ましい溶媒としては、ケトン(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル、ジ-2-エチルヘキシルフタレート、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート)、炭化水素(例えば、トルエン)、ニトロ炭化水素(例えば、ニトロベンゼン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF))、及びスルホランが挙げられる。ロジウム触媒によるヒドロホルミル化プロセスでは、例えば、米国特許第4,148,380号及び同第4,247,486号に記載されているように、生成されることが所望されるアルデヒド生成物及び/又は例えばヒドロホルミル化プロセス中にその場で生成され得る高沸点アルデヒド液体縮合副生成物に対応するアルデヒド化合物を主な溶媒として採用することが望ましい場合がある。主な溶媒は、通常は最終的に、連続プロセスの性質上、アルデヒド生成物及びより高沸点のアルデヒド液体縮合副生成物(「重質物」)の両方を含む。溶媒の量は特に重要なものではなく、反応媒体に所望の量の遷移金属濃度を提供するのに十分であればよい。典型的には、溶媒の量は、反応流体の総重量を基準として、約5重量パーセント~約95重量パーセントの範囲である。溶媒の混合物を用いてもよい。
ヒドロホルミル化プロセスにおいて使用されるヒドロホルミル化触媒は、触媒金属及び配位子を含む。配位子は、典型的には、有機リン配位子である。そのようなヒドロホルミル化反応に用いることが可能な例示的な金属-有機リン配位子錯体には、金属-有機リン配位子錯体触媒が含まれる。これらの触媒、並びにそれらの調製のための方法は、当技術分野で周知であり、本明細書で言及される特許に開示されているものを含む。一般に、そのような触媒は、予め形成されてもいても、その場で形成されてもよく、有機リン配位子、一酸化炭素、及び任意選択で水素と錯体として組み合わされた金属を含む。配位子錯体種は、単核、二核、及び/又はそれ以上の核形態で存在してもよい。しかしながら、触媒の正確な構造は知られていない。
金属-有機リン配位子錯体触媒は、光学活性又は非光学活性であってもよい。触媒金属は、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びそれらの混合物から選択される第8、9及び10族金属を含み得、好ましい金属は、ロジウム、コバルト、イリジウム、及びルテニウム、より好ましくはロジウム、コバルト、及びルテニウム、特にロジウムである。これらの金属の混合物を使用してもよい。金属-有機リン配位子錯体及び遊離有機リン配位子を構成する許容可能な有機リン配位子には、モノ-、ジ-、トリ-、及びそれ以上のポリ有機リン配位子が含まれる。配位子の混合物を、金属-有機リン配位子錯体触媒及び/又は遊離配位子に用いることができ、そのような混合物は、同じか又は異なっていてもよい。
金属-有機リン配位子錯体触媒及び/又は遊離配位子の配位子として機能し得る有機リン化合物は、アキラル(光学不活性)又はキラル(光学活性)タイプのものであり得、当該技術分野で周知である。アキラル有機リン配位子が好ましい。
金属-有機リン配位子錯体触媒の配位子として機能し得る有機リン配位子の中には、トリアリールホスフィン、モノオルガノホスファイト、ジオルガノホスファイト、トリオルガノホスファイト、オルガノホスファイト、有機モノホスホラミダイト、及び有機ポリホスホラミダイト化合物、並びに他の加水分解性有機リン化合物がある。そのような有機リン配位子及び/又はそれらを調製するための方法は、当技術分野で周知である。
本開示のプロセスにおいて使用することができるトリアリールホスフィンは、3つのアリール若しくはアリールアルキルラジカル、又はそれらの組み合わせに共有結合した1つのリン原子を含む任意の有機化合物を含む。トリアリールホスフィン配位子の混合物を用いてもよい。代表的なオルガノモノホスフィンとしては、式:
Figure 2024513740000003
[式中、各R29、R30、及びR31は、同じか又は異なっていてもよく、4~40個又はそれ以上の炭素原子を含有する置換又は非置換アリールラジカルを表す]を有するものを挙げることができる。そのようなトリアリールホスフィンは、例えば、米国特許第3,527,809号により詳細に記載されているのを見出すことができ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例示的なトリアリールホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィン、トリナフチルフィン、トリトリルホスフィン、トリ(p-ビフェニル)ホスフィン、トリ(p-メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(m-クロロフェニル)-ホスフィン、p-N,N-ジメチルアミノフェニルビス-フェニルホスフィン等である。トリフェニルホスフィン、すなわち、各R29、R30、及びR31がフェニルである式Iの化合物は、好ましいオルガノモノホスフィン配位子の例である。ヒドロホルミル化反応は、過剰の遊離トリアリールホスフィンを含有する液体中で優先的に行われる。
代表的なモノオルガノホスファイト、ジオルガノホスファイト、トリオルガノホスファイト、及びオルガノポリホスファイト(2つ以上の第三級(三価)リン原子を含有する)としては、国際公開第2012/14541号に詳細に記載されている以下の式を有するものを挙げることができる。
Figure 2024513740000004
更なる選択肢として、任意のオルガノホスホラミダイト配位子を、有機リン配位子として又は任意の他の有機リン配位子と組み合わせて使用してもよく、任意のオルガノポリホスホラミダイト配位子を、有機リン配位子として又は任意の他の有機リン配位子と組み合わせて使用してもよい。オルガノホスホラミダイト配位子は公知であり、オルガノホスファイト配位子と同様に使用される。代表的なオルガノホスホラミダイト配位子は、式(X~XII)のものである。
Figure 2024513740000005
オルガノホスホラミダイトは、例えば、米国特許第7,615,645号に更に記載されている。本明細書で使用するとき、「有機リン配位子」及び類似の用語は、特に別段の記載がない限り、オルガノモノホスホラミダイト配位子及びオルガノポリホスホラミダイト配位子を含む。
そのような有機リン配位子の例示的な具体例としては、2-t-ブチル-4-メトキシフェニル(3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、メチル(3,3’-ジ-t-ブチル-5,5’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、6,6’-[[3,3’-ビス(1,1-ジメチルエチル)-5,5’-ジメトキシ-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジイル]ビス(オキシ)]ビス-ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、6,6’-[[3,3’,5,5’-テトラキス(1,1-ジメチルエチル)-1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジイル]ビス(オキシ)]ビス-ジベンゾ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピン、(2R,4R)-ジ[2,2’-(3,3’,5,5’-テトラキス-tert-ブチル-1,1-ビフェニル)]-2,4-ペンチルジホスファイト、(2R,4R)ジ[2,2’-(3,3’-ジ-tert-ブチル-5,5’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル)]-2,4-ペンチルジホスファイト、2-[[2-[[4,8,-ビス(1,1-ジメチルエチル),2,10-ジメトキシジベンゾ-[d,f][1,3,2]ジオキソホスフェピン-6-イル]オキシ]-3-(1,1-ジメチルエチル)-5-メトキシフェニル]メチル]-4-メトキシ、亜リン酸のメチレンジ-2,1-フェニレンテトラキス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニル]エステル、及び亜リン酸の[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジイルテトラキス[2-(1,1-ジメチルエチル)-4-メトキシフェニル]エステルが挙げられる。
金属-有機リン配位子錯体触媒は、均一又は不均一形態であり得る。例えば、予め形成されたロジウムヒドリド-カルボニル-有機リン配位子触媒を調製し、ヒドロホルミル化反応混合物に導入してよい。より好ましくは、ロジウム-有機リン配位子錯体触媒は、その場で活性触媒を形成するために反応媒体に導入され得るロジウム触媒前駆体に由来し得る。例えば、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、Rh、Rh(CO)12、Rh(CO)16、Rh(NOなどのロジウム触媒前駆体は、その場で活性触媒を形成するために有機リン配位子とともに反応混合物に導入され得る。好ましい実施形態では、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネートをロジウム前駆体として使用し、溶媒の存在下で有機リン配位子と反応させて触媒ロジウム-有機リン配位子錯体前駆体を形成させ、それを、その場で活性触媒を形成させるために過剰の(遊離)有機リン配位子とともに反応器に導入する。いずれの場合でも、一酸化炭素、水素、及び有機リン配位子は、全て金属と錯体を形成することができる配位子であり、ヒドロホルミル化反応に使用される条件下で活性金属-有機リン配位子触媒が、反応混合物中に存在すれば十分である。カルボニル及び有機リン配位子は、ヒドロホルミル化プロセスの前に又は当該プロセス中にその場で、ロジウムと錯体を形成することができる。
例として、好ましい触媒前駆体組成物は、可溶化ロジウムカルボニル有機リン配位子錯体前駆体、溶媒、及び任意選択で遊離有機リン配位子から本質的になる。好ましい触媒前駆体組成物は、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、有機溶媒、及び有機リン配位子の溶液を形成することにより調製され得る。有機リン配位子は、一酸化炭素ガスの発生によって証明されるように、ロジウムアセチルアセトネート錯体前駆体のカルボニル配位子のうちの1つに容易に置き換わる。
したがって、金属-有機リン配位子錯体触媒は、有利には、一酸化炭素及び有機リン配位子と錯体を形成した金属を含み、当該配位子はキレート化及び/又は非キレート化様式で金属に結合(錯体形成)する。
触媒の混合物を用いることができる。反応流体中に存在する金属-有機リン配位子錯体触媒の量は、用いられることが望ましい所定の金属濃度を提供するのに必要な最小量であればよく、例えば、上記の特許に開示されているような、関与する特定のヒドロホルミル化プロセスを触媒するのに必要な金属の少なくとも触媒量に塩基を供給する量だけ必要とする。一般に、反応媒体中の遊離金属として計算して10ppmw~1000ppmwの範囲の触媒金属、例えば、ロジウムの濃度は、ほとんどのプロセスに対して十分であるが、一般には、10~500ppmwの金属、より好ましくは25~350ppmwの金属を用いることが好ましい。
金属-有機リン配位子錯体触媒に加えて、遊離有機リン配位子(すなわち、金属と錯化していない配位子)も、反応媒体中に存在し得る。遊離有機リン配位子は、上で論じた、上で定義された有機リン配位子のいずれかに対応し得る。遊離有機リン配位子は、用いられる金属-有機リン配位子錯体触媒の有機リン配位子と同じであることが好ましい。しかしながら、そのような配位子は、いかなる所与のプロセスにおいても同じである必要はない。本発明のヒドロホルミル化プロセスは、反応媒体中の金属1モル当たり0.1モル以下~100モル以上の遊離有機リン配位子を必要とし得る。好ましくは、ヒドロホルミル化プロセスは、反応媒体中に存在する金属1モル当たり1~50モルの遊離有機リン配位子の存在下で実行される。より好ましくは、オルガノポリホスファイトの場合、金属1モル当たり0.1~4モルの遊離オルガノポリホスファイト配位子が用いられる。必要に応じて、例えば、反応媒体中の遊離配位子の所定レベルを維持するために、いかなる時点でも任意の好適な方法でヒドロホルミル化プロセスの反応媒体に追加の有機リン配位子を供給してよい。
ヒドロホルミル化プロセスは周知であり、広く商業的に実施されている。例えば、米国特許第4,148,830号、同第5,237,106号、同第5,763,679号、同第5,741,945号、同第5,767,321号、同第7,446,231号、同第7,906,688号、及び同第7,863,487号を参照されたい。ヒドロホルミル化プロセスの反応条件は、光学活性及び/又は非光学活性アルデヒドを生成するためにこれまで使用されてきた任意の好適な種類のヒドロホルミル化条件を含み得る。用いられるヒドロホルミル化反応条件は、所望のアルデヒド生成物のタイプによって左右される。例えば、ヒドロホルミル化プロセスの水素、一酸化炭素、及びオレフィン出発化合物の全ガス圧は、1~69,000kPaの範囲であり得る。しかしながら、一般に、本プロセスは、水素、一酸化炭素及びオレフィン出発化合物の全ガス圧14,000kPa未満、より好ましくは3,400kPa未満で操作されることが好ましい。最低全圧は、所望の反応速度を得るのに必要な反応物質の量によって主に制限される。より具体的には、ヒドロホルミル化プロセスの一酸化炭素分圧は、1~6,900kPaが好ましく、21~5,500kPaがより好ましく、水素分圧は34~3,400kPaが好ましく、69~2,100kPaがより好ましい。一般に、ガス状H:COのモル比は1:10~100:1以上の範囲であってよく、より好ましいモル比は1:10~10:1である。一般に、ヒドロホルミル化プロセスは、任意の動作可能な反応温度で実施され得る。有利には、ヒドロホルミル化プロセスは、-25℃~200℃、好ましくは50℃~120℃の反応温度で行われる。有利には、反応温度は、本発明のプロセスによって冷却される反応器又は反応ゾーンにおいて100℃未満である。
より新しいヒドロホルミル化触媒(典型的には、加水分解性有機リン配位子に基づく)は、より古い触媒と比較して、反応速度がより速い(例えば、1.5gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時超又は2.0gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時超)。反応速度はまた、複雑な反応速度論(例えば、COに関して正及び負の反応次数)を示す。これらの触媒は、典型的には、触媒劣化を最小限に抑えるために、より低い反応温度、例えば60~80℃で動作する。動作温度がより低いと、冷却媒体と反応媒体との間のΔTが低くなるので、熱交換器の熱除去容量が低下する。これらの要因により、適切な温度制御システムの設計は、反応速度が遅い触媒を使用する従来のプロセスよりも複雑になっている。
触媒の性質は本発明にとって重要ではないことを理解すべきである。それにもかかわらず、本発明は、高い反応性(反応器内で1.5gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時超又は反応器内で2.0gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時超)を示す触媒に特に有用であり得る。以下で更に論じるように、幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスは、より古い触媒を使用するヒドロホルミル化プロセスを、より反応速度の速いより新しい触媒を使用するプロセスに変換するのに有用であり得る。
ヒドロホルミル化反応の速度は、触媒濃度の関数であり、ほとんどの場合(全てではない)、オレフィン濃度の関数でもある。本発明の実施形態は、(1)オレフィン供給流の一部を第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させるオレフィン供給流の量を調整することによって当該第1の反応ゾーン内のオレフィン分圧圧を変化させる及び/又は(2)再利用される当該ヒドロホルミル化触媒の一部を当該第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させる当該再利用されるヒドロホルミル化触媒の量を調整することによって当該第1の反応ゾーン内の触媒金属の濃度を変化させることにより、反応を減少させることを企図する。第1のアプローチ(選択肢(1)-オレフィン供給材料の一部を迂回させる)は、ヒドロホルミル化反応に関与するオレフィンの反応次数が正の次数であり、幾つかの実施形態では少なくとも0.3、幾つかの実施形態では0.5以上、幾つかの実施形態では0.7以上である場合に最も有効であり得る。反応次数が低いほど、第1のアプローチ(選択肢(1))の有効性は低くなる。例えば、第2のアプローチ(選択肢(2)-再利用されるヒドロホルミル化触媒の一部を迂回させる)は、オレフィン反応次数が0.5未満である場合に望ましい場合がある。幾つかの実施形態では、両アプローチ(選択肢(1)及び選択肢(2))を実行することができる。反応キネティクス及び反応次数を決定する手段は、当業者に周知である。
また、各反応器又は反応ゾーンに供給される合成ガスの量は変化するが、CO及びH分圧は、好ましくは、N:I比(ヒドロホルミル化反応によって生成される直鎖アルデヒドの分岐アルデヒドに対する比)が最適なままであることを保証し、触媒安定性を保証するように維持されることも理解されるべきである。プロセスに供給されるオレフィン及び合成ガスの総量は、ちょうどそれが添加される箇所で著しく変化してはならない。反応速度を制御するために上記のアプローチ(選択肢(1)及び/又は選択肢(2))を使用してN:I比が(もし変化するとしても)わずかに変化しても、本明細書の教示に基づいて当業者によって理解されるように、ほとんどの場合、CO分圧又は配位子濃度を変化させることによって相殺することができる。
生成される全アルデヒドの量は、理想的には、全オレフィン供給材料を減少させることによって過剰反応系を制御する従来の方法とは対照的に、本発明の幾つかの実施形態によるプロセスを使用しても著しくは変化しない。全体の転化率のわずかな低下が観察された場合、下流の反応ゾーンにおけるプロセスパラメータを変更して、そのような下流の反応器における転化率を上昇させることができることを理解すべきである。そのようなパラメータの例としては、反応温度、CO及び/又はH分圧等が挙げられる。一般に、下流の反応ゾーンで起こる反応の量は、従来の手段を使用してこれらの下流反応ゾーンがより容易に制御されるように、第1の反応ゾーンの量よりもはるかに少ない。
所与のオレフィンに対して1つを超えるヒドロホルミル化反応器又は反応ゾーンを使用する場合、列内の第1の反応器又は反応ゾーンの下流のヒドロホルミル化反応器又は反応ゾーンは、幾つかのシナリオ下ではより速い反応速度で動作し得るが、利用可能なオレフィンの量は、反応流体が下流の反応器/ゾーンに到達する時間までに大幅に減少しているので、発生する熱の量は、下流の反応器に対して従来の冷却スキームを使用することができるほど十分に低い。
一実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの30%以下を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。迂回したオレフィンは、典型的には、反応列における第2の反応器又は反応ゾーンに供給される。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの少なくとも1%を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの少なくとも5%を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの少なくとも10%を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの1%~30%を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの5%~30%を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。幾つかの実施形態では、ヒドロホルミル化プロセスに供給される全オレフィンの10%~30%を下流の反応器に迂回させて、第1の反応ゾーンから熱を除去するために使用される熱交換器において除去される熱の量を維持する。
一実施形態では、既存のヒドロホルミル化反応系は、本発明のプロセスを使用して、より反応性の高い触媒系又はより反応性の高いオレフィンを使用する系に変換することができる。既存のヒドロホルミル化システムのために設計された第1の反応器又は第1の反応ゾーンで使用される熱交換器が、より反応性の高い触媒系及び/又はオレフィンを代わりに使用した場合に十分な熱除去容量を有しない場合、そのような変換が特に望ましい可能性がある。本発明のプロセスに従ってオレフィン及び/又は触媒の一部を第2の反応器/反応ゾーンに迂回させることによって、第1の反応器の熱交換器が熱負荷を処理することができるように、全体的な熱負荷が再分配される。迂回される流れの比率を制御することによって、そのような後付けシステムを安定的に制御することが可能になる。
両アプローチ(オレフィン供給材料の一部を迂回させる、及び再利用されるヒドロホルミル化触媒の一部を迂回させる)は、過剰な温度、熱サイクル、及び同様の制御問題を回避するために、反応性を制御するための第1の反応器又は反応ゾーンの要件のバランスをとることができる。例えば、モノホスファイトベースの触媒系では、過剰な反応は、CO枯渇を引き起こし得、これはロジウムの損失につながり得る。第2の反応器内の反応性を増大させることによって第1の反応器内の反応性を調整する能力は、第1の反応器の温度を低下させる等の他の調整を行う時間を可能にし得るが、これらの代替プロセスは、遅く、冷却水の制約によって制限される場合がある。
選択肢(1)(オレフィン供給流の一部を迂回させる)は、幾つかの実施形態では、第1の反応器を制御するための応答時間をより速くすることができ、実行をより簡単にすることができる(すなわち、プロピレン(又は他のオレフィン)供給材料のバイパスは、ロジウム含有量を測定する必要なく、第1の反応器又は反応ゾーン内の温度に基づいて調整することができる)。1つの可能なアプローチは、第1の反応器の熱交換器制御弁をモニタリングし、それが90%開放に近づいたとき、オレフィン供給流の一部及び/又はヒドロホルミル化触媒再利用流の一部を迂回させて、第1の反応器内の反応(熱負荷)を低減することである。実際には、これは「緊急弁」として作用することができる。第1の反応器では過剰に反応が起こっているので、第2の反応器で反応するオレフィンはほとんど残っておらず、したがって、過負荷の第1の反応器から未活用の第2の反応器に反応をシフトさせても、全体的な転化率には影響がない。
選択肢(2)(再利用されるヒドロホルミル化触媒の一部を迂回させる)は、第1の反応器よりも下流の反応器内のロジウム含有量がはるかに高くなり得るので、より強制的な反応性によって全体的な転化率を上昇させる(又は少なくとも維持する)ことができるという利点を有し得る。幾つかの実施形態では、第2の反応器から生成物/触媒分離ゾーンまでの滞留時間は第1の反応器から出発するよりも短いので、より高い濃度で生じる触媒分解の量を、より短い接触時間によって軽減することができる。選択肢(2)は、第1の反応器及び下流の反応器に供給される蒸発器の尾部の流量制御の比を使用して、又はオンラインロジウム測定技術(例えば、XRF、GC(例えば、トリアリールホスフィンベースの系用)、又はHPLC技術)を使用することによって簡単に実施することができる。
上記実施形態の任意の組み合わせが使用され得ることが理解されるべきである。
本発明のヒドロホルミル化プロセスは、本明細書の教示を考慮して当業者に知られているように、容易に商業的に入手可能なプロセス制御ハードウェア及びソフトウェアを使用して実施することができる。本発明のプロセスの改善された反応器制御及び安定性は、多変数モデル予測制御(Multi-variable Model Predictive Control、MMPC)、動的マトリックス制御(Dynamic Matrix Control、DMC)、リアルタイム最適化(Real Time Optimization、RTO)、又は高度制御及び最適化(Advanced Control and Optimization、AC&O)等の高度プロセス制御(Advanced Process Control、APC)技術の有効な実施のための有用な基礎を提供する。高度プロセス制御技術は、当業者に周知であり(例えば、https://en.wikipedia.org/wiki/Advanced_process_controlを参照)、本明細書の教示に基づいて当業者に知られている技術を使用して実施することができる。
任意の好適なプロセス設備を使用することができる。ヒドロホルミル化プロセス設備の好適な構成材料の選択を含む設計及び構成は、当業者に周知である。本発明の一実施形態では、第1の反応器又は反応ゾーン内の熱交換器は、少なくとも75kW/m(反応器体積)を流れから除去することができる。
先行技術のプロセスと比較して、本発明のヒドロホルミル化プロセスの幾つかの実施形態は、反応速度の変化に対するより迅速な応答を提供することができる。従来技術と比較して、例えば、反応器温度の上昇が検出された場合、第1の反応器への再利用された触媒又は新たなオレフィン供給材料のいずれかの流量を減少させると、反応速度を急速に低下させることができる。第2の反応ゾーンに迂回される触媒又はオレフィンによって、プラント全体の生産速度が維持される。
本発明の幾つかの実施形態を、以下の実施例においてより詳細に説明する。
以下の実施例における全ての部及び百分率は、他に示されていない限り重量による。別段の指示がない限り、圧力は絶対圧力として記載される。
以下の実施例は、本発明を説明するために示され、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
比較例A(「Comparative Example A、CEA」)(本発明の実施形態ではない)
従来のヒドロホルミル化反応器制御スキームの操作を説明するために、シミュレーションを行う。図1に示すプロセスフローシートは、このシミュレーションの基礎である。高反応性ヒドロホルミル化触媒(一般的に使用されるビスホスファイト)及びプロピレンを用いて反応速度をモデル化する。触媒の反応速度は、Rush,et.al.,「Kinetics and Mechanism of propylene hydroformylation catalyzed by rhodium complexes with a diphosphate Ligand」,Kinetics and Catalysis,2009,Vol 50(#4)pg 557-566に教示されている技術に類似の従来の手段によって求める。3つの反応器列をモデルに使用し、AspenTechから市販されているAspenPlus Dynamicsソフトウェアを使用した定常状態の安定した動作のための反応パラメータを表1(CEA)に示す。モデルで使用した典型的な初期プロセス条件を表1に示す。
次いで、本発明において教示される変更の効果を、CEAと同じ系(以下に記載するものを除く)を使用する本発明の実施例1~4(Inventive Examples 1-4、IE1~4)において説明し、他のいかなる最適化も伴わずに熱負荷及び全体的なオレフィン転化率を与える。オレフィン供給材料の総量を一定に保って、全体的なプラント転化率(未反応合成ガス、オレフィン、及び炭化水素を除去した後の粗アルデヒド生成物を表す「安定剤テール」として測定される)における任意の変化を評価する。
本発明の実施例1(IE1)
プロピレン(C3H6)供給材料の10%を第2の反応器に迂回させることを除いて、CEAで使用したのと同じパラメータを使用する。このプロピレン供給材料の一部の第2反応器への迂回を、図2のプロセスフローシートによって示す。反応器温度及び合成ガス分圧は、可能な限り一定に保つ。
本発明の実施例2(IE2)
生成物/触媒分離ゾーンから再利用された触媒の25%を第2の反応器に迂回させることを除いて、CEAで使用したのと同じパラメータを使用する。この再利用された触媒の一部の第2の反応器への迂回を、図3のプロセスフローシートによって示し、同じプロセスフローシートを以下の本発明の実施例3及び4でも使用する。反応器温度及び合成ガス分圧は、可能な限り一定に保つ。
本発明の実施例3(IE3)
生成物/触媒分離ゾーンから再利用された触媒の50%を第2の反応器に迂回させることを除いて、CEAで使用したのと同じパラメータを使用する。反応器温度及び合成ガス分圧は、可能な限り一定に保つ。
本発明の実施例4(IE4)
生成物/触媒分離ゾーンから再利用された触媒の80%を第2の反応器に迂回させることを除いて、CEAで使用したのと同じパラメータを使用する。反応器温度及び合成ガス分圧は、可能な限り一定に保つ。
本発明の実施例1は、オレフィン(プロピレン)の10%を第2の反応器に迂回させることにより、第1の反応器の熱交換器への負荷がほぼ同程度減少し(9%)、全体的なプラント転化率が非常にわずかに低下した(CEAの97.4%に対して97.2%)ことを示す。プラント全体の転化率の小さな低下は、例えば、合成ガス分圧又は温度等の下流の反応器におけるプロセスパラメータのわずかな増加によって容易に修正することができた。
本発明の実施例2~4は、第2の反応器に迂回される再利用された触媒の量の大きなシフトが、第1の反応器における反応器負荷を適度にシフトさせたことを示す。触媒濃度が低下している間に、得られる未転化オレフィン濃度が上昇して2つの効果が部分的に相殺されるので、反応の量は線形には変化しない。これは、第1の反応器に提供される(第2の反応器に迂回される)再利用された触媒の量を調整することにより、第1の反応器における反応性の適度なかつ制御されたシフト(ひいては負荷シフト)が可能になることを意味する。再利用された触媒の50%をシフト(本発明の実施例3)しても、プラントの生産性において検出可能な変化はみられなかったが、本発明の実施例1においてみられるように、同等の量の制御(第1の反応器における熱負荷の10%の減少)が得られた。再利用された触媒の80%を第2の反応器に迂回させて(本発明の実施例4)、第1の反応器の負荷を43%減少させても、プラント全体の転化率は0.3%しか低下しなかった。プラント全体の転化率の小さな低下は、例えば、合成ガス分圧又は温度等の下流の反応器におけるプロセスパラメータのわずかな増加によって容易に修正することができた。

Claims (8)

  1. (a)少なくとも1つのアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件下、少なくとも2つの反応ゾーンにおいて反応流体中ヒドロホルミル化触媒の存在下で、CO、H、及び少なくとも1つのオレフィンを接触させることであって、前記ヒドロホルミル化触媒が触媒金属及び配位子を含み、前記第1の反応ゾーン内の反応温度が第1の熱交換器を用いて制御される、ことと、
    (b)生成物流から前記ヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を回収し、回収した前記ヒドロホルミル化触媒の少なくとも一部を前記第1の反応ゾーンを通して再利用することと、
    を含み、
    (1)オレフィン供給流の一部を前記第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させる前記オレフィン供給流の量を調整することによって前記第1の反応ゾーン内のオレフィン分圧圧を変化させる及び/又は(2)再利用されるヒドロホルミル化触媒の一部を前記第1の反応ゾーンから下流の反応ゾーンに迂回させ、迂回させる前記再利用されるヒドロホルミル化触媒の量を調整することによって前記第1の反応ゾーン内の前記触媒金属の濃度を変化させることにより、目標反応温度において反応を確実に安定制御するために、十分な熱除去容量が前記第1の反応ゾーン内の前記熱交換器に確実に残るように、前記第1の反応ゾーン内の反応速度を低下させ、下流の反応ゾーン内の反応速度を上昇させることによって前記第1の反応ゾーン内の発熱を減少させる、連続ヒドロホルミル化プロセス。
  2. 前記第1の反応ゾーン内の反応温度が、前記目標反応温度の1℃以内で維持される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記第1の反応ゾーンのヘッドスペース内のオレフィン濃度を測定し、測定値に基づいて前記下流の反応ゾーンに迂回される前記オレフィン供給流の量を調整することを更に含む、請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記反応速度が、1.5gmol(アルデヒド)/リットル(反応器体積)/時超である、請求項1~3のいずれかに記載のプロセス。
  5. 前記配位子が、加水分解性有機リン配位子である、請求項1~4のいずれかに記載のプロセス。
  6. 前記触媒金属が、ロジウムである、請求項1~5のいずれかに記載のプロセス。
  7. 前記反応温度が、100℃以下である、請求項1~6のいずれかに記載のプロセス。
  8. 少なくとも1つの高度プロセス制御技術を使用して前記ヒドロホルミル化プロセスを制御する、請求項1~7のいずれかに記載のプロセス。
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