JP2008500282A - 眼症状の治療 - Google Patents

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ゴーラム・アリ・ペイマン
ドナルド・ロバート・サンダース
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レットメッド ピーティーワイ リミテッド
ゴーラム・アリ・ペイマン
ドナルド・ロバート・サンダース
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Abstract

【課題】本発明は、眼症状を患う個体の治療方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、治療する個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む眼症状を患う個体の治療方法を提供する。該化合物は、好ましくは、抗浮腫性ステロイド、より好ましくは、ミネラルコルチコイドである。
【選択図】なし

Description

本願は、豪州仮特許出願第2004901916号明細書(2004年4月8日出願)、豪州仮特許出願第2004905034号明細書(2004年9月3日出願)及び豪州仮特許出願第2004905035号明細書(2004年9月3日出願)の利益を主張する。
上記出願及び本明細書中で引用する全ての文書は、本明細書中又は本明細書に参照により援用するすべての文書に記載する全ての製品に関する全てのメーカー指示書、説明書、製品仕様書、及び製品シートと共に、本明細書に参照により援用し、本発明の実施に使用されうる。
本発明は、眼症状治療のための治療組成物の投与を対象とする。本発明は、また、眼症状を治療、改善、又は予防するミネラルコルチコイド受容体活性を調節する治療化合物の投与も対象とする。より詳細には、本発明は、抗浮腫性ステロイドを用いる網膜の後部領域の眼症状の治療を対象とする。本発明は、また、眼症状の治療のための薬剤の製造方法に関する。
眼症状は、前眼部疾患、例えば、角膜浮腫、前部ブドウ膜炎、翼状片、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、結膜炎、アレルギー、及びレーザー誘起による滲出による混濁形成等を含み、又は後眼部疾患、例えば、滲出性黄斑変性、網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症、及び未熟児網膜症等を含む。後眼部疾患は、先進国世界における失明の最も多い原因である。
結膜炎は、眼瞼内及び前部強膜上を覆う細い粘膜の炎症である。この炎症は、しばしば、細菌若しくはウイルス感染又はアレルギーに起因する。ほとんどの結膜炎は、結膜、時々、眼瞼全体に青白い水様腫脹又は浮腫として、しばしば、非膿性粘液様分泌物を伴って現れる。眼周囲の圧痛及び浮腫もまた報告されている。
角膜浮腫は、角膜内で液体が蓄積される、又は腫脹し、角膜の混濁、及び深刻な視野狭窄となる可能性がある。角膜浮腫は、レーシック、ラセック、又はレーザー治療(特に、白内障手術)等の眼手術の後で又は自然に、角膜炎症を伴って起こりうる。角膜が腫脹する場合、角膜は肥厚して混濁し、眼に届く光が減少する。
前部ブドウ膜炎は、ブドウ膜組織(虹彩及び毛様体)の炎症である。前部ブドウ膜炎の正確な原因は知られていないが、しかし、特定の全身性疾患と関連している可能性がある。ブドウ膜炎の一般的な臨床的症状は、発赤(血液房水関門の破壊から生じる、前房にはっきりと表れるタンパク質及び/又は細胞)、上強膜/強膜血管の発赤又は充血、光に対する極端な反応、及び角膜裏面沈着物等が挙げられる。
滲出性網膜症の病因は、血液網膜関門(BRB)の障害及び炎症を含む。網膜は、主に神経単位からなり、網膜と網膜の後ろにある脈絡膜の複雑で活発な脈管系との間の関門は血液脳関門に非常に似ている。BRBは、以下の2つの主要位置で形成される。即ち、脈絡膜血管の内側を覆う網膜血管内皮細胞からなり内側血液網膜関門と、網膜から脈絡膜を分離する網膜色素上皮(RPE)細胞からなる外側血液網膜関門である。機能上、BRBは、RPEの集結度、網膜血管系及び関連する神経膠の制限度、及び血管が神経単位の環境に直接アクセスを妨ぐ細胞鞘作用に依存する。BRBは、神経単位の網膜の生理環境を保存するために機能する。
BRBに障害が起こると、血液系からBRBを越えて網膜への液体の漏出は、滲出性網膜症、及び視覚障害等の問題を生じうる。網膜後部でのBRB破壊と関連する病気は、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫等の網膜浮腫の症状が挙げられる。
近視性網膜症は、強膜の伸展に一部起因する網膜の重度の奇形から生じる症状である。変形により脈絡膜の血管が制限され、続いて、それを補おうとして血管が異常発育する。異常な新生血管は脆弱であり、漏出及び滲出する傾向があり、結果的に滲出性網膜症となる。
臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫は、黄斑の腫脹を伴う症状であり、疾患(例えば、糖尿病)、外傷、非常にまれに眼手術等の原因により概して生じる。液体は、黄斑の層内でまとまり、視界中央にぼやけ及びゆがみが生じる。
滲出性黄斑変性(「滲出型」又は血管新生加齢性黄斑変性症(wet−AMD)としても公知である)において、脈絡膜から網膜への異常な血管伸展が起こると、BRBが破壊される。異常血管は脆弱であり、漏出傾向がある。該疾患の治療は、現在は、レーザー治療、薬物治療、又はこれらの併用により、血管増殖の除去又は抑制に焦点を当てている。
血管造影的網膜疾患のなかでも、糖尿病性網膜症は、18歳〜72歳の成人における失明の主な原因である。組織学的研究により、病理学における内皮細胞機能不全に一貫して関係しているとみなされている。糖尿病性網膜症は、糖尿病性細小血管症の1つとして認識され、糖尿病の重症な合併症である。初期段階では、毛細血管瘤、及び点状出血が観察される。その後、微小血管閉塞から生じる綿状白斑、血管透過性増大から生じる網膜浮腫、硬性白斑等が観察され、そして、新生血管形成が表れる。最終段階では、網膜剥離が硝子体内で成長した結合組織の牽引により生じる。更に、虹彩ルベオーシス、及び血管新生緑内障となり、失明に至る。
網膜虚血、即ち網膜変性は、極めて一般的な病状である。外傷、腫瘍等により生じ、網膜、又は眼神経に対する血液、酸素、又は他の栄養素の可用性を減少する血管閉塞、又は眼内圧の増加等の様々な疾病と関連し、神経細胞死(変性)及び失明となる可能性がある。該疾患は、例えば、糖尿病、アテローム性動脈硬化、静脈性毛細血管の機能不全、網膜動脈及び静脈閉塞症、緑内障、並びに老人性黄斑変性症等が挙げられる。眼神経外傷及び損傷は、また、失明する可能性、及び様々な状態又は事象に起因する可能性がある。
これらの血管新生性網膜疾患の根底にある原因は異なるが、血管新生プロセスを開始する要因は類似している。血管新生反応を開始する際に最も重要な要因の1つは、強力な血管新生因子及び透過因子である血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現のアップ・レギュレーションであり、この因子のアップ・レギュレーションは眼内血管新生疾患を患う患者において観察されている。
これらの疾患に最も広く使用されている治療は、人間の視力の80%に関与する中心窩を保存するために周辺網膜を破壊する網膜レーザー光凝固術、切除治療である。網膜血管新生を遅らせる網膜レーザー光凝固術の有益な効果を説明する様々な説が提案されているが、根本である分子レベルでのメカニズムは依然として解明されていない。
レーザー治療は、光線力学療法又はレーザー光凝固術による血管の除去又は遮断を対象とする。例えば、局所レーザー治療は糖尿病性網膜症に確認される小血管瘤に適用されうる。
レーザー光凝固術の治療効果は、網膜内で最も酸素を消費する光受容体の破壊の結果であると考えられている。続いて、これらの光受容体は、脈絡膜から内網膜に酸素の拡散を増加可能であるグリア細胞に置き換えられるため、内網膜の低酸素状態が緩和される。酸素付加が改善されて2方面で続いて起こるカスケードを誘発する。即ち、(1)網膜動脈の収縮が、毛細血管内の静水圧の減少、並びに毛細血管及び小静脈の収縮をもたらし(2)VEGFの細胞産生が抑制される。全体的に、これらの効果は、最終的に血管新生の抑制及び浮腫の減少をもたらすと考えられている。細胞増殖及び細胞タンパク質の調節は、レーザー光凝固術により誘発され、これらの治療効果は生理学的応答の主要部分でありうる。
しかしながら、レーザー治療の合併症は、炎症、更には浮腫となる。更に、レーザー治療は、血管が再度成長し始め、小血管瘤が再生しうるので、必ずしも根治するとは限らない。その上、異常血管のレーザー治療は、黄斑の中心窩等網膜の特定領域に位置する血管で実施できない。
酢酸アネコルタブ又は血管内皮細胞増殖因子(VEGF)化合物(ルーセンティス(R)、マキュジェン(R))等の抗血管新生又は血管新生抑制性を有する薬剤化合物での薬剤介入が治療方法として提案されてきた。しかしながら、今まで、これらの化合物がどの程度成功するかを示す証拠が不十分である。
本願でいかなる文書を引用すなわち特定しても、そのような文書が本発明に対しての先行技術として利用可能であると認めることにはならない。
本発明は、眼症状の進行度合いを少なくとも遅延する改善された眼症状の治療方法を提供する。より詳細には、本発明は、滲出性眼疾患等の眼症状の治療方法及び治療用薬物の製造方法を提供し、該方法は、疾患(例えば、血管からの液体の滲出)の根本的な主要問題に取り組む。
本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、治療する個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む眼症状を患う個体の治療方法を提供する。好ましくは、該化合物は、抗浮腫性ステロイド、より好ましくは、ミネラルコルチコイドである。
また、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、滲出性網膜症を患う患者の細胞又は組織に若しくは近傍に投与する工程を含み、該細胞又は組織は、網膜細胞、網膜色素上皮細胞、BRBの上皮細胞、及び脈絡膜内皮細胞からなる群から選択される患者における滲出性網膜症の予防又は治療的処置方法を提供する。
本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の第2眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む第1眼に眼症状があり、第2眼には眼症状がない個体の予防処置方法を更に提供する。
第1の好適な態様において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含み、該化合物は下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである眼症状を患う個体の治療方法を提供する:
Figure 2008500282
式中、RはCH,CH=O,CHOH,CR=O,CHNH,COCHCH,NOX又はCHXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,=O,NH又はCNである;
はH,CH又はCHOHである;
はH,F又はClである;
はH,OH,=O,SH,NH,CN,NO,CH,CHOH,CH=O,X,CHX,OR,OCOR,OPO(OR),=CH又はCHRであり、XはF,Cl,Brである;
はH,CH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,CH,アルキル,Ph,X,OCH,OR,SCOCH,SCOR,OCOR,CHOH,CHX,CH=O,CR=O又はNHCORであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,CH,CHCH,SH,NH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,SH,NH,CH,CHCH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
10はH,OH,CH,CHCH,SH,NH,CHOH,CHCHOH,OR,OCOR,OPO(OR),NHCOR CH=O,X又はCHXであり、XはF,Cl,Brである;並びに
該化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される。
第二の好適な態様において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含み、該化合物は下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである眼症状を患う個体の治療方法を提供する:
Figure 2008500282
式中、RはCH,CH=O又はCOCHCHである;
はH,OH,又は=Oである;
はH,CH又はCHOHである;
はH,又はFである;
、R及びRはHである;
はH,又はOHである;並びに
該化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される。
第三の好適な態様において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含み、該化合物は下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである眼症状を患う個体の治療方法を提供する:
Figure 2008500282
式中、Aは、O,S,NH,CH,CHOH,C=O,CHX,CHCH,CHCH,OCH,SCH,NHCH,NRCH,NCORであり、XはF,Cl,Brである;
Bは、H,OH,SH,HN,CH,CHOH,CHCHOH,CH=O,X,CHX,OR,OCOR,OPO(OR),NHCORであり、XはF,Cl,Brである;
はH,CH,CH=O,CHOHである;
はH,F又はClである;
はH,CH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,CH,アルキル,Ph,X,OCH,SH,NH,OR,SCOCH,SCOR,OCOR,CHOH,CHX,CH=O,CR=O,SR又はNHCORであり、XはF,Cl,Brである;
はH,CH,CHCH,OH,SH,NH,又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,SH,NH2,CHCH,CH,又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,SH,NH,NO2,CH=O,CH3,COH,CN,CHCH,CHX,又はXであり、XはF,Cl,Brである;並びに
該化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される。
また、本発明で提供される個体における眼症状の治療方法は、治療効果のある薬学的に許容可能な製剤を下記の組合せで個体における眼症状に投与する工程を含む。
(a)ミネラルコルチコイド
該ミネラルコルチコイドは、
(i)眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能;及び
(ii)眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態;並びに
(b)テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤からなる群から選択される眼血管新生の軽減に十分な濃度及び用量の少なくとも第2化合物。
本発明で提供される個体における眼症状の治療方法は、また、治療効果のある薬学的に許容可能な製剤を下記の組合せで個体における眼症状に投与する工程を含む。
(a)ミネラルコルチコイド
該ミネラルコルチコイドは、
(i)眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能;及び
(ii)眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態;並びに
(b)テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤からなる群から選択される眼血管新生の軽減に十分な濃度及び用量の複数の化合物。
他の態様において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、眼内に位置する細胞又は組織内に含む、眼症状の治療又は予防用薬学的組成物を提供する。好ましくは、該化合物は、抗浮腫性ステロイド、より好ましくはミネラルコルチコイドである。
更なる態様において、本発明は、眼症状の治療用薬物の製造において、眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の使用を提供する。好ましくは、該化合物は、抗浮腫性ステロイド、より好ましくはミネラルコルチコイドである。
本発明は、また、個体における滲出性網膜症の治療用薬物の製造において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の使用を提供する。
本発明の他の目的、特徴、及び利点の詳細は、上記及び、添付の特許請求の範囲を照らし合わせて検討すると下記の好適な実施形態の説明から明らかとなる。
本発明の他の目的、特徴、及び利点の詳細は、上記及び、添付の特許請求の範囲を照らし合わせて検討すると下記の好適な実施形態の説明から明らかとなる。
概論
当業者には、本明細書に記載した発明が、ここに具体的に記載したもの以外の改良及び改変を受ける可能性があることが理解されよう。本発明は、全てのそのような改良及び改変を含むものである。本発明はまた、明細書中で参照又は示した全ての工程、特徴、製剤、及び化合物を、個別又は集合的に含み、且つ任意の二つ以上の該工程又は該特徴、あるいはその全て又は任意の組み合わせを含む。
本明細書中に引用した文書、参考文献、特許出願又は特許の各々は、参照によりその全体を本明細書中に援用する。これは、読者がそれらを本明細書の一部として読み且つ見なすべきであることを意味する。本明細書中に引用した前記文書、参考文献、特許出願又は特許を繰り返し記載しないのは、簡潔にすることのみを目的としている。
本発明は、本明細書中に記載の具体的な実施形態に限定されず、それら具体的な実施形態の例示のみを目的としている。機能的に等価である製品、製剤及び方法は、本明細書に記載するように、明らかに本発明の範囲内に属する。
本明細書に記載の本発明は、1つ以上の値(サイズ、濃度等)の範囲を含みうる。値の範囲は、その範囲を画定する値を含む該範囲中の全ての値と、該範囲の境界を画定する値に隣接した値と同一若しくは略同一の結果をもたらす、該範囲に隣接した値とを含むと理解される。
本願の包袋は、少なくとも1つのカラー図面を含む。カラー図面の本願のコピーは、所要の費用を支払って米国特許商標庁に請求して入手可能である。
明細書中を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」及びその派生語は、記載される実体又は実体の群を含むことを意味するが、しかし、他の実体又は他の実体の群を除外するものではない。また、本開示、特に、特許請求の範囲及び/又は段落において、「含む(comprise)」及びその派生語は、米国特許法に帰属する意味である。すなわち、例えばそれらは「含む(include)」及びその派生語を意味しうる。また、「〜から実質的になる(consisting essentially of, consists essentially of)」は米国特許法に帰属する意味を有する。すなわち、例えば、その様な用語は、明確に記載されていないエレメントは含むが、従来技術に見出されるかあるいは発明の基本的、若しくは新規な特徴に影響を及ぼす要素は除外する。
本明細書に使用する用語の他の定義は、本発明の説明中に見出され明細書全体に適用される。特に定義しない限り、本明細書に使用する他の全ての科学的・技術的用語は、本発明が属する分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。
発明の詳細な開示
本発明は、ミネラルコルチコイド受容体を、患者の眼症状を改善可能であるミネラルコルチコイド受容体を活性化可能である薬剤と、眼組織内又は近傍で接触させることによる意外な発見に基づく。
本発明の一態様において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、治療する個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む眼症状を患う個体の治療方法を提供する。
好ましくは、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、抗浮腫性ステロイドである。より好ましくは、抗浮腫性ステロイドはミネラルコルチコイドである。更により好ましくは、化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではない。しかしながら、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物である場合は、該化合物は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療に使用されない。
本明細書中で使用するように、「ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物」という語句は、ミネラルコルチコイド受容体が位置するサイトゾル又は角膜に達する細胞に入ることが可能であり、受容体の活性を調節可能な化合物を言う。受容体活性が、(例えば、受容体を活性化することにより)受容体と相互作用する化合物の結果として変化する場合に受容体活性が調節される。好ましくは、該化合物は、脂溶性の面があり、細胞内への取り込みを促進する。
ミネラルコルチコイドの役割は、細胞外液においてミネラル、特に、ナトリウム及びカリウムの濃度調整にある。これらは、ミネラルコルチコイド受容体活性に結合し、上皮においてナトリウムチャネル活性を増加し、及び塩(特にナトリウム)吸収性を増加させる一連の事象を誘発する。これは、言い換えると、血圧の上昇及び液量の増加となる。さて、本発明は、該化合物の眼への投与を示し、特に、網膜領域、結膜、毛様体及び虹彩等の眼の血管領域において抗浮腫効果を作り出す。該効果は、滲出性網膜症、又は前部ブドウ膜炎等の滲出性疾患の治療に特に有効性が高い。網膜細胞、網膜色素上皮細胞、毛様体上皮、虹彩、角膜及びレンズを含む眼組織は全てミネラルコルチコイド受容体を発現することが近年示された。
本発明の方法で使用される化合物は、好ましくは、ミネラルコルチコイドである。ミネラルコルチコイドは、ミネラルコルチコイド受容体に結合可能であり、活性化する。様々なステロイドが、ミネラルコルチコイド活性を有し、つまり、様々なステロイドが、ミネラルコルチコイド受容体と結合可能であり、活性化し、上皮においてナトリウムチャネル活性を増加し、ナトリウム/カリウムATPase活性の調節、及び塩(特にナトリウム)吸収性の増加により細胞外液におけるナトリウム及びカリウムの濃度を変化させる。あるコルチコステロイドは、ミネラルコルチコイド及びグルココルチコイド活性のどちらも有し、本発明の方法は、そのようなステロイドのミネラルコルチコイド活性を使用する。
「眼症状」という用語は、後眼部領域の網膜、黄斑、中心窩等に関する「後眼部」疾患、及び角膜、虹彩、毛様体、結膜等の前眼部における組織に主に関する「前眼部」疾患を含む。本発明の好適な形態において、「眼症状」は、眼内又は近傍の細胞又は組織内で、ミネラルコルチコイド受容体の直接又は非直接的な調節により生じる前眼部疾患、又は後眼部疾患を言うと理解される。
後眼部疾患は、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等の様々な原因から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症(後水晶体繊維増殖症として公知である)、網膜虚血、及び脈絡膜血管新生、網膜疾患(糖尿病性網膜症、糖尿病性網膜浮腫、網膜剥離、網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症、近視性網膜症);炎症性疾患;網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫等の新生物に関連するブトウ膜炎;硝子体茎切除術後の血管新生;血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血に起因する網膜症);視神経血管新生等が挙げられる。
前眼部疾患は、例えば、翼状片、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、水晶体切除術に起因)、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、層間角膜炎、眼の貫通又は打撲による血管新生;虹彩ルベオーシス;Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎;慢性ブドウ膜炎;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症等が挙げられる。
本発明の方法により治療される眼症状は、好ましくは、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される。
一実施形態において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、治療する個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む個体における眼症状の治療方法を提供し、眼症状は、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される。
本発明の更なる態様において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、治療する個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含み、眼症状が滲出性網膜症である個体における眼症状の治療方法を提供する。本発明は、また、眼症状を治療又は予防するためにミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内、少なくとも、網膜細胞、網膜色素上皮細胞、毛様体上皮、虹彩、角膜及びレンズからなる群から選択される眼組織に投与する工程を含む滲出性網膜症の予防又は治療的処置方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、病気に対して個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む網膜の後部領域でのBRB破壊から生じる病気の治療方法を提供する。概して、BRB破壊から生じる網膜の後部領域に位置する病気は、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫、及び滲出性黄斑変性等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫等が挙げられる。
他の実施形態により、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、患者の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に硝子体内注射により投与する工程を含み、好ましくは、化合物が硝子体内でやや難溶性である治療又は予防を必要とする患者の滲出性網膜症の治療又は予防方法を提供する。
治療する眼症状が1つの眼に存在する場合、しばしば、もう一方の目にもまた、今後の眼症状が存在する。例えば、wet−AMD型病変が1つの眼で起こる場合の50%が、1年以内にもう一方の目で病変が起こる。眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内のミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の予防薬の投与は、例えば、抗浮腫性ステロイド、より好ましくは、ミネラルコルチコイドが有用である。予防薬の投与は、また、網膜のレーザー治療の調製時に使用可能である。
「個体」は、脊椎動物であり、好ましくは、哺乳類、より好ましくは人間である。哺乳類は、人間、犬及び馬等のスポーツ動物、並びにペット等が挙げられるが、これらに限定されない。
「治療」又は「処置」という用語及びその派生語は、本明細書において、本発明が対象とする滲出性網膜症の予防、進行の遅延、軽減又は阻止を示す同意語として使用される。
「治療に有効な量」という語句は、本明細書において、化合物が用いられる病気での治療効果を促すのに十分な単一化合物として、又は他の化合物と併用した治療薬の量を言う。この語句は、薬用量が病気を完全に根絶しなければならないと理解すべきでない。治療に有効な量を構成する物は、とりわけ、方法論、治療状態、投与頻度、送達形態、治療する個体の特徴、疾病の重症度、及び患者の反応で使用される化合物の生体薬理特性に応じて変化する。これらは、本明細書に記載される治療用組成物を製剤する場合に、熟練した薬剤師が承知しており、説明可能である種類の要因である。
目的化合物の効果的な量が、好ましくは、本発明の方法で用いられる。眼及び眼球外用製剤に対して、治療化合物の濃度は、約0.01%(w/w)〜約10%(w/w)である。一般的に、この送達形態の濃度は、約0.025%(w/w)〜約2.5%(w/w)である。
本発明の方法の一態様において、本発明の方法により眼症状を治療又は予防する眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである。
Figure 2008500282
式中、RはCH,CH=O,CHOH,CR=O,CHNH,COCHCH,NOX又はCHXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,=O,NH又はCNである;
はH,CH又はCHOHである;
はH,F又はClである;
はH,OH,=O,SH,NH,CN,NO,CH,CHOH,CH=O,X,CHX,OR,OCOR,OPO(OR),=CH又はCHRであり、XはF,Cl,Brである;
はH,CH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,CH3,アルキル,Ph,X,OCH,OR,SCOCH,SCOR,OCOR,CHOH,CHX,CH=O,CR=O又はNHCORであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,CH,CHCH,SH,NH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,SH,NH,CH,CHCH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
10はH,OH,CH,CHCH,SH,NH,CHOH,CHCHOH,OR,OCOR,OPO(OR),NHCOR CH=O,X又はCHXであり、XはF,Cl,Brである;並びに
該化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される。
構造式[A]の化合物は、好ましくは、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用される。
本発明の他の態様において、本発明の方法により眼症状を治療又は予防する眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである。
Figure 2008500282
式中、RはCH,CH=O又はCOCHCHである;
はH,OH,又は=Oである;
はH,CH又はCHOHである;
はH,又はFである;
、R及びRはHである;
はH,又はOHである;並びに
該化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状を治療又は予防するために使用される。
構造式[B]の化合物は、好ましくは、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用される。
本発明の更なる態様において、本発明の方法により眼症状を治療又は予防する眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである。
Figure 2008500282
式中、Aは、O,S,NH,CH,CHOH,C=O,CHX,CHCH,CHCH,OCH,SCH,NHCH,NRCH,NCORであり、XはF,Cl,Brである;
Bは、H,OH,SH,HN,CH,CHOH,CHCHOH,CH=O,X,CHX,OR,OCOR,OPO(OR),NHCORであり、XはF,Cl,Brである;
はH,CH,CH=O,CHOHである;
はH,F又はClである;
はH,CH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,CH,アルキル,Ph,X,OCH,SH,NH,OR,SCOCH,SCOR,OCOR,CHOH,CHX,CH=O,CR=O,SR又はNHCORであり、CはF,Cl,Brである;
はH,CH,CHCH,OH,SH,NH,又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,SH,NH2,CHCH,CH,又はXであり、XはF,Cl,Brである;
はH,OH,SH,NH,NO2,CH=O,CH,COH,CN,CHCH,CHX,又はXであり、XはF,Cl,Brである;並びに
該化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される。
構造式[C]の化合物は、好ましくは、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用される。
眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内で、ミネラルコルチコイド受容体活性の調節により眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用される化合物は、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ヘミコハク酸メチルプレドニゾロン、ヘミコハク酸プレドニゾロン、及びコハク酸プレドニゾロンナトリウムを含む群から更に選択されうる。
また、本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、リン酸デキサメタゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、及びコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムを含む化合物の群から選択され、治療又は予防する眼症状は、アレルギー性結膜炎、角膜炎、アレルギー性角膜辺縁潰瘍、脈絡網膜炎、視神経炎、前部虚血性視神経症、虹彩毛様体炎、虹彩炎、びまん性後部ぶどう膜炎、脈絡膜炎、交感性眼炎、前部炎症、及び眼部帯状疱疹を含む群から選択される眼症状以外である。
更にまた、本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、酢酸デオキシコルチコステロン、ピバル酸デオキシコルチコステロン、酢酸デキサメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、ピバル酸プレドニゾロン、及びテブト酸プレドニゾロンを含む化合物の群から選択され、治療又は予防する眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である。
本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、好ましくは、コルチゾン、酢酸コルチゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾン、及びリン酸プレドニゾンナトリウムを含む化合物の群から選択され、治療又は予防する眼症状は、アレルギー性結膜炎、角膜炎、アレルギー性角膜辺縁潰瘍、脈絡網膜炎、視神経炎、前部虚血性視神経症、虹彩毛様体炎、虹彩炎、びまん性後部ぶどう膜炎、脈絡膜炎、交感性眼炎、前部炎症、及び眼部帯状疱疹、非化膿性結膜炎、眼瞼炎、強膜炎、上強膜炎、ブドウ膜炎、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である。
本発明の他の形態において、本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、アムシノニド、酪酸ブチラート(clocortolone butyrate)、フルニソリド、フルシノニド(flucinonide)、フルランドレノリド、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシノニド、及びフランカルボン酸モメタゾンを含む化合物の群から選択されうる。
また、本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾール、酪酸ブチラート(clocortolone butyrate)、ピバル酸クロベタゾン(clobetasone pivalate)、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、酢酸ジフロラゾン、ジフルコルトロン、吉草酸ジフルコルトロン、フルメタゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロン、フルコルトロン、へキサン酸フルオコルトロン(fluocortolone hexanoate)、ピバル酸フルオコルトロン(fluocortolone pivalate)、フルオロメトロン、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、及びモメタゾンを含む化合物の群から選択され、治療又は予防する眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である。
リメキソロン(Rimexolone)及びフルオシノロンアセトニドは、また眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物として、本発明の方法で使用され、治療又は予防する眼症状は、前房炎症及び前部ブドウ膜炎、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である。
本発明の好適な形態において、本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、ミネラルコルチコイドであるアルドステロン(11β−11,21−ジヒドロキシ−3,20−ジオキソプレグン−4−エン−18−アール;CAS 52−39−1)又はその類似物、薬学的に許容可能な塩、コンジュゲート、若しくは誘導体であり、好ましくは、硝子体内でやや難溶性である。
アルドステロンは、例えば、Simpson他(1953)Experimentia 9:333;Simpson他(1954)Helv Chim Acta 37:1163;Mattox他(1953)J Am Chem Soc 75:4869;又はHarman他(1954)J Am Chem Soc 76:5035に開示される多くの方法により生体組織から分離されうる。
また、アルドステロンは、以下の参考文献のいずれか1つに由来する方法を使用して合成されうる:Schmidlin他(1957)Helv Chim Acta 40:1483;Johnson他(1958)J Am Chem Soc 80:2585;Johnson他(1963)J Am Chem Soc 85:1409;Barton & Beaton(1960)J Am Chem Soc 82:2640;Barton & Beaton(1961)J Am Chem Soc 83:4083;Barton他(1975)J Chem Soc Perkin Trans I 2243;又はMiyano(1981)J Org Chem 46:1846。
本発明の極めて好適な形態において、本発明の方法で眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、ミネラルコルチコイドであるフルドロコルチゾン(11β−9α−フルオロ−11β,17α,21−トリヒドロキシ−4−プレグン−3,20−ジオン;CAS 127−31−1)又は酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン(cortexone又は21−ヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン;CAS 64−85−7);11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)(17α,21−ジヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン;CAS 152−58−9);酢酸デオキシコルチコステロン(21−ヒドロキシプレグン−4−エン−3,20−ジオン21アセテート;CAS 56−47−3)並びにその類似物、薬学的に許容可能な塩、コンジュゲート、及び誘導体を含む群から選択される化合物であり、好ましくは、硝子体内でやや難溶性であり、治療又は予防する眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症含む群から選択される眼症状以外である。
フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)及び酢酸デオキシコルチコステロンは、好ましくは、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用される。
フルドロコルチゾンの合成は、Fried & Sabo(1954)J Am Chem Soc 76:1455の方法を使用して実施され、又は酢酸フルドロコルチゾンは、米国特許第2,957,013号明細書の方法を使用して合成されうる。
デオキシコルチコステロンの合成は、Schindler他(1941)Helv Chim Acta 24:371;独国特許第875,353号明細書;独国特許第871,153号明細書;米国特許第2,778,776号明細書;オランダ特許第89,575号明細書;又は独国特許第1,028,572号明細書に開示される方法を使用して達成され、同様の方法が関連化合物の酢酸デオキシコルチコステロンを製造するために使用されうる。
11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)の合成は、以下の論文のいずれかの方法を使用して実行されうる:Reichstein&von Euw(1938)Helv Chim Acta 21:1197;Reichstein(1938)Helv Chim Acta 21 :1490;Reichstein & von Euw(1940)Helv Chim Acta 23:1258;Sarett(1946)J Biol Chem 162:627;Gallagher他(1949)J Am Chem Soc 71:3262;Julian他(1949)J Am Chem Soc 71:3574;又はJulian他(1950)J Am Chem Soc 72:5145。
本発明の方法で使用する好適なミネラルコルチコイドは、単独投与、又は2、3及び4種類以上のミネラルコルチコイドを様々に併用して投与されうる。例えば、ミネラルコルチコイドは、アルドステロン及びフルドロコルチゾン;アルドステロン及びデオキシコルチコステロン;デオキシコルチコステロン及び酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン及び11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)及び酢酸フルドロコルチゾン;アルドステロン及び11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);フルドロコルチゾン及びデオキシコルチコステロン;11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)及びフルドロコルチゾン、アルドステロン及び酢酸デオキシコルチコステロン、又は他の併用等の2種類のミネラルコルチコイドを併用して投与されうる。
また、ミネラルコルチコイドは、アルドステロン、フルドロコルチゾン及び11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);アルドステロン、デオキシコルチコステロン及び11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);フルドロコルチゾン、デオキシコルチコステロン及び11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);アルドステロン、デオキシコルチコステロン及び酢酸フルドロコルチゾン;酢酸デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)及びフルドロコルチゾン又は他の併用等の3種類のミネラルコルチコイドを併用して投与されうる。
ミネラルコルチコイドは、必要であれば、例えば、アルドステロン、フルドロコルチゾン、デオキシコルチコステロン及び11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);又はアルドステロン、酢酸デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)及び酢酸フルドロコルチゾン等の4剤併用として投与されうる。
5種類の好適な化合物の併用もまた検討される。
他の実施形態において、本発明は、治療効果のある薬学的に許容可能な製剤(つまり、当業者に公知である緩衝液及び賦形剤を含む)を下記の組合せで個体に投与する工程を含む個体における眼症状の治療方法に属する:
(a)ミネラルコルチコイド
該ミネラルコルチコイドは、
(i)眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能;及び
(ii)眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態;並びに
(b)テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤からなる群から選択される眼血管新生の軽減に十分な濃度及び用量の少なくとも第2化合物。
一形態において、本発明の方法で使用される製剤は、約0.1μg/ml〜約40mg/mlのミネラルコルチコイドと約0.1mg/ml〜約40mg/mlのステロイドとを含む。
ステロイド類は、通常、加齢性黄斑変性症等の光線力学治療期間中に、ブドウ膜炎、真性糖尿病、網膜中心静脈閉塞、及び偽水晶体に次いで起こる糖尿病性網膜症、特発性傍中心窩毛細血管拡張症、黄斑浮腫等の眼病変の治療に投与され、また、硝子体後部を術中に視覚化するために投与される。該ステロイド類もまた、眼血管新生を阻害することが望ましい。
眼球ステロイド治療の望ましくない深刻な副作用は、緑内障又は高眼圧症と命名された、眼内圧の増加である。緑内障患者、あるいは緑内障に罹りやすい人へのステロイド治療は、許容外に高い眼圧を招く危険性があり、眼圧を低下させる外科手術が必要になる可能性がある。患者をトリアムシノロンで又は他のステロイド類で治療するかを決定するうえで、このような危険性と有益性との間でバランスをとらなければならない。
患者がステロイド治療によって緑内障に罹る危険性を予測するための製剤及び方法が、係属中の米国出願第10/787,580号明細書及び国際出願第PCT/AU2005/000263号明細書に開示されており、本明細書中に参照によりその全体を明示的に援用する。係属中の出願は、眼内のステロイド治療によって患者に起こると知られている眼内圧の増加に対する患者の危険性を評価する方法を提供する。特に、眼内のステロイド治療後に、眼内圧の増加に対する患者の危険性を評価するための方法が提供され、該方法は(a)約50μg〜約800μgの用量でステロイドを眼に投与する工程と、(b)該用量の送達後に、該眼における眼内圧を決定する工程とを含む。
該方法により、約50μg〜約800μgの用量でトリアムシノロン等のステロイドが投与され、その後、眼内圧が決定される。一実施形態において、トリアムシノロンを約400μg投与する。ステロイドの治療量が、例えばトリアムシノロンを約4mg〜約8mgで投与される場合、投与後の眼内圧は、投与前の眼内圧よりも少なくとも5mmHg高く、これは、恐らく患者の眼内圧が上昇していることを示す。そして、医師は、他の治療と対比してこの治療の利点と危険性をより良く評価可能である。該用量は、眼の硝子体内に注射、眼内の他の領域、若しくは部位に注射、又は眼内にインプラントしうる。
眼内投与に使用されるステロイド類としては、トリアムシノロン(アリストコート(Aristocort)(R);ケナログ(R))、ベタメタゾン(Celestone(R))、ブデソニド、フルオロメトロン(フルオロメトロン酢酸塩(Flarex(R)(アルコン);Eflone(R))、フルオロメトロンアルコール(FML(R)及びFML−Mild(R)(アラガン);FluorOP(R)))、メドリゾンアルコール(HMSO(アラガン));ロテプレドノールエタボネート(Lotemax(R)及びAlrex(R)(ボシュロム))及び酢酸アネコルタブ(アルコン)が挙げられるが、これらに限定されず、上記列挙は例示目的のみで排他的ではないことが理解されよう。
本発明の極めて好適な形態において、製剤に使用されるステロイドは、米国特許出願第08/586,750号明細書として出願された米国特許第5,770,589号明細書(Billson及びPenfold)(「US‘589」)に開示され、本明細書中にその全体を参照により援用する化合物から選択される11−置換−16α,17α−置換メチレンジオキシステロイドである。また、化合物は、Fried他(1958)J. Am. Chem. Soc. 80, 2338 (1958);米国特許第2,990,401号明細書;米国特許第3,048,581号明細書、又は米国特許第3,035,050号明細書に開示されるステロイドであり、それぞれ本明細書中に参照により明示的に援用する。集合的に、これらの文献は、また、化合物の製造方法も提供し、それらの方法を開示する目的で援用する。方法で使用されるステロイドは、好ましくは、トリアムシノロンアセトニドである。
本発明の方法で使用される製剤中のステロイドの濃度は、約0.1mg/ml〜約40mg/mlである。より好ましくは、ステロイドの濃度は、約1mg/ml〜約20mg/mlである。また、ステロイドの濃度は、約20mg/ml〜約30mg/ml、すなわち、約20mg/ml〜約40mg/mlの範囲で可能ある。
特定の製剤中に使用されるステロイドの濃度は、使用する特定のステロイドに依存する。例えば、トリアムシノロンアセトニド(アセトンを有する9α−フルオロ−11,13,16a,17,21テトラヒドロキシ−プレグン−1,4−ジエン−3,20−ジオン環状16,17−アセタール(C2431FO))ケナコルト(R)、ケナログ(R)(ブリストル・マイヤーズ スクイブ ニュージャージー州プリンストン)を、約4mg〜8mgの範囲の治療用量で、例えば、硝子体内投与してよい。対照的に、トリアムシノロンと比べて眼圧を上昇させる可能性は低いが眼中では使用されないステロイドである酢酸アネコルタブは、約0.5mg/ml〜約30mg/mlの範囲の用量で投与されうる。
極めて好適な形態において、以下の製剤が本発明の方法で使用されうる。即ち、フルドロコルチゾン約5μg/mlとトリアムシノロンアセトニド約4mg/mlとの併用(1:1)及び、酢酸デオキシコルチコステロン約5μg/mlとトリアムシノロンアセトニド約4mg/mlとの併用(1:1)である。
第二の形態において、本発明の方法で使用される製剤は、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/mlのミネラルコルチコイド、及び濃度が約0.01μg/ml〜約30mg/mlのへパリンを含む。
ヘパリンは、グリコサミノグリカンと命名された、抗凝固活性を有する直鎖陰イオン性ムコ多糖の異種グループである。主要な糖類は、a−L−イズロン酸2−硫酸塩、2−デオキシ−2−サルファアミノ−α−D−グルコース6−硫酸塩、(3−D−グルクロン酸、2−アセトアミド−2−デオキシ−α−D−グルコース、及びα−L−イズロン酸)である。これら糖類は異なる量で存在してグリコシド結合で互いに結合し、様々なサイズのポリマーを形成している。ヘパリンは、共有結合した硫酸塩とカルボキシル基を含むため、強酸性である。ヘパリンナトリウムでは、硫酸塩の酸性プロトンが部分的にナトリウムイオンと置換している。本発明の一実施形態において、低分子量ヘパリンが使用される。低分子量ヘパリンは、標準ヘパリンを化学的又は酵素的に解重合することによって得られるものであり、市販されている。標準ヘパリンの分子量は、約5,000ダルトン〜約30,000ダルトンであり、低分子量ヘパリンの分子量は、約1,000ダルトン〜約10,000ダルトンである。標準ヘパリンと比べ、低分子量ヘパリンのタンパク質への結合性は低く、生体利用効率が高く、血小板との相互作用が低く予想可能な用量応答及び用量依存性血漿レベルを引き起こし、所定の抗トロンビン効果に対する出血が少ない。低分子量ヘパリンは、低硫酸化、高アセチル化ヘパリンである、ヘパリン硫酸塩であってよく、これらヘパリンはすべて、市販されている(例えば、シグマアルドリッチ ミズーリ州セントルイス)。
ヘパリン又は低分子量ヘパリンが血管成長及び増殖を軽減する有益な効果のメカニズムとしては、多陽イオン性血管新生因子に容易に結合可能な、その多陰イオン性構造が考えられる。ヘパリンが結合した血管新生因子の生物活性は減少するため、新しい血管形成を促進しない。生体内では、ヘパリン硫酸塩は、細胞外マトリックス(ECM)及び上皮細胞表面と結合している。ECM中のヘパリン硫酸塩は、即効効果の発揮が必要な際に放出可能な、活性成長因子を貯蔵する役目があると考えられる。可溶性ヘパリンは、ECM上で、成長因子及びタンパク質と結合するために、ヘパリン硫酸塩と競合しそれらを放出しうる。非分画ヘパリンは、成長因子の血漿内レベルを増加しうる。血管形成を促進しうる非分画ヘパリンとは異なり、低分子量ヘパリンはサイズが小さいため、成長因子の高親和性受容体への結合を阻害しうる。低分子量ヘパリンは、ECMから放出された血管新生因子へ結合するだけでなく、競合的(拮抗的)に血管新生因子受容体に結合することによって、損傷した新生血管角膜に作用しうる。
一実施形態において、眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用するヘパリン又は低分子量ヘパリンの濃度は、約0.01μg/ml〜約30mg/mlの範囲である。また、ヘパリン又は低分子量ヘパリンは、約1mg/ml〜約10mg/mlの範囲の濃度で投与される。本発明の更に好適な形態においては、ヘパリン又は低分子量ヘパリンの濃度は、約0.5mg/ml〜約15mg/ml〜約20mg/ml(例えば、100mg/mlの低分子量ヘパリン製剤の0.1ml投与)の範囲である。様々な実施形態において、ヘパリン又は低分子量ヘパリンの濃度は、約0.5mg/ml〜約2.5mg/ml、約1mg/ml〜約5mg/ml、約5mg/ml〜約10mg/ml、又は約5mg/ml〜約30mg/mlの範囲でありうる。この範囲内のいかなる濃度も使用してよい。
極めて好適な形態において、以下の製剤が本発明の方法で使用される。即ち、フルドロコルチゾン約5μg/mlと低分子量ヘパリン約10mg/mlとの併用(1:1)及び、酢酸デオキシコルチコステロン約5μg/mlと低分子量ヘパリンを約10mg/mlとの併用(1:1)である。
第三の形態において、眼症状を治療又は予防するために本発明の方法で使用される製剤は、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/mlのミネラルコルチコイド、及び濃度が約1μg/ml〜約10mg/mlの抗プロスタグランジン薬(例えば、フルルビプロフェンを用量1μg/ml〜約10mg/ml)を含む。
プロスタグランジンアンタゴニストとも命名されている抗プロスタグランジン薬は、プロスタグランジン阻害効果を引き起こすのに十分な濃度で投与されうる。一例として、フルルビプロフェン等の抗プロスタグランジン薬は、約0.001%(w/v)〜約0.5%(w/v)の濃度で投与されうる。例として、OCUFEN(R)(フルルビプロフェンナトリウム 0.03%(アラガン)、(±)−2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)−プロピオン酸ナトリウム二水和物 0.03%)が約0.003%(w/v)〜約0.3%(w/v)の濃度で投与されうる。フルルビプロフェン以外の抗プロスタグランジン薬を含んでいてもよい。抗プロスタグランジン薬は、前述の用量及び方法で投与してよく、例としては、インドメタシン、ケトロラク、トロメタミン0.5%((±)−5−ベンゾイル−2,3ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−カルボン酸、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールを有する化合物(1:1)(ACULAR(R) アラガン、カリフォルニア州アーバイン)、メクロフェナメート、フルオビプロフェン、及び非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)のピロロピロール群化合物が挙げられる。例えば、ACULAR(R)は、約0.003%(w/v)〜約0.3%(w/v)の濃度で投与されうる。一実施形態において、ACULAR(R)の濃度は約0.03%(w/v)である。
特定の実施形態において、以下の製剤が本発明の方法で使用される:フルルビプロフェンを約0.03%(w/v)とフルドロコルチゾンを約5μg/ml(1:1);フルルビプロフェンを約0.03%(w/v)と酢酸デオキシコルチコステロンを約5μg/ml(1:1)。例えば、製剤は、フルルビプロフェンを0.015%とフルドロコルチゾンを5μg/ml、又はフルルビプロフェンを0.015%と酢酸デオキシコルチコステロンを5μg/mlの有効濃度で含みうる。
第四の形態において、本発明の方法で使用される製剤は、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/mlのミネラルコルチコイド、及び濃度が約20μg/ml〜約200μg/mlの抗菌薬、例えば、マクロライド抗生物質(約0.002%(w/v)〜約0.02%(w/v))を含む。
マクロライド系抗生物質の有益な効果のメカニズムとしては、抗炎症効果が考えられる。
眼症状の治療方法に使用する製剤に添加可能なマクロライド系抗生物質としては、とりわけ、タクロリムス、シクロスポリン、シロリムス、エバロリムス、アスコマイシン、エリスロマイシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、リンコマイシン、ジリスロマイシン、ジョサマイシン、スピラマイシン、ジアセチル−ミデカマイシン、チロシン、ロキシスロマイシン、ABT−773、テリスロマイシン、ロイコマイシン、及びリンコサミド等が挙げられる。他の抗生物質としては、アミノグリコサイド類(ストレプトマイシン、アミカシン、ゲンタマイシン、トブラマイシン等)、セファロスポリン類(ペニシリン等のβ−ラクタム系)、テトラサイクリン系、アシクロビル、アマンタジン、ポリミキシンB、アンフトテリシンB、アモキシシリン、アンピシリン、アトバクオン、アジスロマイシン、アジスロマイシン、バシトラシン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフォテタン、セフポドキシム、セフタジジム、セフチゾキシム、セフトリアキゾン、セフロキシム、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロチマゾール、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン、ダプソーン、ジクロキサシリン、フルコナゾール、フォスカーネット、ガンシクロビル、ガチフロキサシン、グリセオフルビン、イソニアジド、イタコナゾール、ケトコナゾール、メトロニダゾール、ナフシリン、ネオマイシン、ニトロフラントイン、ナイスタチン、ペンタミジン、リファンピン、リファマイシン、バラシクロビル、バンコマイシン等が挙げられるが、これらに限定されない。これら抗生物質の適用、有効量、処方、禁忌、製造供給元等は、当業者に知られている。
マクロライド系抗生物質は、約20μg/ml〜約200μg/ml(約0.002%(w/v)〜約0.02%(w/v))の濃度で投与可能である。マクロライド系抗生物質の製剤および用量は、同時係属中の米国出願第10/667,161号明細書、及び米国出願第10/752,124号明細書に記載されており、各々を本明細書中にその全体を参照により援用する。
マクロライド系抗生物質の他に、該方法で使用する製剤はミコフェノール酸を含有可能である。薬学的に許容可能な局所投与用溶液として調製した場合、このような製剤は約0.5%(w/v)〜約10%(w/v)のミコフェノール酸を含みうる。好ましくは、薬学的に許容可能な局所投与用溶液中のマクロライド系抗生物質及び/又はミコフェノール酸の濃度は、約3%(w/v)〜約5%(w/v)の範囲でありうる。他の実施形態において、薬学的に許容可能な局所投与用溶液中のマクロライド系抗生物質及び/又はミコフェノール酸の濃度は、約1%(w/v)〜約3%(w/v)の範囲でありうる。他の実施形態において、薬学的に許容可能な局所投与用溶液中のマクロライド系抗生物質及び/又はミコフェノール酸の濃度は、約3%(w/v)〜約10%(w/v)の範囲でありうる。他の実施形態において、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性症、又は網膜色素変性症治療用の局所眼用製剤中のマクロライド系抗生物質及び/又はミコフェノール酸の濃度は、約0.1%〜約10%の範囲でありうる。他の実施形態において、マクロライド系抗生物質及び/又はミコフェノール酸が持続放出用のマトリックス又はポリマーに結合している場合、眼内濃度が40μg/mlを超えない範囲で最大約2%、約5%、約10%又は約10%を超える濃度のマクロライド系抗生物質及び/又はミコフェノール酸が局所投与用に製剤化される。
本実施形態において、本発明は、眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態中に約0.1μg/ml〜約40mg/mlのミネラルコルチコイド、及び約0.01pg/ml〜約30mg/mlのテトラサイクリン誘導体(ドキシサイクリン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ライムサイクリン、又は化学的に修飾されたテトラサイクリン(CMT)等)を含む製剤を使用して眼症状を治療又は予防する方法である。
本明細書中に使用されるように、マトリックスメタロプロテナーゼ(MMP)活性を阻害する化学的に修飾されたテトラサイクリン(CMT)を含む、テトラサイクリン又はその誘導体としては、とりわけ、ドキシサイクリン、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、ライムサイクリン、又は化学的に修飾されたテトラサイクリンが挙げられる。化学的に修飾されたテトラサイクリン(CMT)としては、デメクロサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、MMP−8及びMMP−9の合成を阻害する同類の化合物が挙げられる。これらの例としては、CMT−315、CMT−3、CMT−8、及びCMT−308等のCMT、及び6−デメチル−6−デオキシ−4−デジメチルアミノテトラサイクリン(COL−3)等は、例えば、Liu他による“A Chemically Modified Tetracycline (CMT−3) Is a New Antifungal Agent in Antimicrobial Agents Chemother. 2002 May;46:1447”又はSeftor他による“Targeting the Tumor Microenvironment with Chemically Modified Tetracyclines: Inhibition of Laminin 5γ2 Chain Promigratory Fragments and Vasculogenic Mimicry 2002 November;1:1173”に記載のものが挙げられ、これらを参照により本明細書に明示的に援用する。
テトラサイクリン類は、その抗菌活性とは独立して生物学的効果を発揮する。すなわち、テトラサイクリン類は、MMPを阻害して病原組織破壊を防ぐことができる。更に、最近の研究によりテトラサイクリン類及びメタロプロテアーゼ阻害剤が腫瘍進行、骨吸収、及び血管形成を抑制し、抗炎症作用を有しうることが示唆されている。従って、テトラサイクリン類及びその同類化合物が眼領域において血管成長及び増殖を軽減する有益な効果のメカニズムとしては、腫瘍進行に関係する亜鉛依存性プロテナーゼ酵素である、メタロプロテアーゼの阻害が考えられる。本明細書に記載の本発明の製剤及び方法による、そのようなメタロプロテアーゼの選択的阻害によって、眼血管新生を生じる反応が阻害されるものと考えられる。そのようなメタロプロテアーゼ阻害剤も本発明に含まれる。
本発明の極めて好ましい形態においては、ドキシサイクリンは、前記製剤中に使用されている前記テトラサイクリン誘導体である。ドキシサイクリン(4−(ジメチルアミノ)−1,4,4a,5,5a,6,11,12a−オクタヒドロ3,5,10,12,12a−ペンタヒドロキシ−6−メチル−1,11−ジオキソ−2−ナフタセンカルボキサミドモノハイドレート、C2224・HO)は、テトラサイクリン系抗生物質クラスにおける広域抗生物質であり、市販されている。本発明のこの形態によれば、ドキシサイクリンは、好ましくは、ミネラルコルチコイドと併用して、略中性のpHで2%のドキシサイクリン溶液として存在する。
本発明のこの形態で使用されるドキシサイクリンの濃度は、0.01μg/ml〜約30mg/mlの範囲である。具体的には、ドキシサイクリン濃度は、約0.05mg/ml〜約1mg/mlの範囲である。あるいは、ドキシサイクリン濃度は、約0.05mg/ml〜約10mg/mlの範囲である。更に他のドキシサイクリン濃度としては、約1mg/ml〜約20mg/mlの範囲である。これらの用量は、患者に実質的に無害である。抗血管形成効果の他に、ドキシサイクリンは、ステロイドを投与した眼の約0.5%に起こる眼内炎の発生を減少可能である。
極めて好適な形態において、本発明の方法で使用する製剤は以下を含みうる。即ち、約20mg/mlのドキシサイクリンと約5μg/mlのフルドロコルチゾンとの併用(1:1)及び、約20mg/mlのドキシサイクリンと約5μg/mlの酢酸デオキシコルチコステロンとの併用(1:1)である。
第五の形態において、本発明の方法で使用する製剤は、約0.1μg/ml〜約40mg/mlのミネラルコルチコイド、並びに眼血管新生を軽減するための濃度及び用量のメタロプロテナーゼ阻害剤を含む。
メタロプロテナーゼ阻害剤としては、マトリックスメタロプロテナーゼを特異的に阻害するTIMP−1等の天然タンパク質、メタロプロテナーゼ生成を強力且つ特異的に阻害するバチマスタット(BB−94)及びマリマスタット(BB−2516)等の合成メタロプロテナーゼ阻害剤等が挙げられる。これら阻害剤は細胞外マトリックスを分解して腫瘍浸潤及び転移を促進するだけでなく、ホスト防衛機構および通常の細胞機能を制御する。本発明の製剤及び方法においては、選択的阻害が血管新生を引き起こす反応を阻害すると思われる。このようなメタロプロテナーゼ阻害剤も本発明に含まれる。記載した24種のMMPのうち、コラゲナーゼI及びIII(MMP−1及びMMP−13)、ゼラチナーゼA及びB(MMP−2及びMMP−9)、ストロメリシン(MMP−3)、マトリリシン(MMP−7)、及び膜タイプMMP(MMP−14)の8種が角膜において確認されている。
本発明の他の実施形態においては、眼症状の治療又は予防に使用する製剤は、下記を含む:
(a)ミネラルコルチコイド
該ミネラルコルチコイドは、
(i)眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能;及び
(ii)眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態;並びに
(b)テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤からなる群から選択される眼血管新生を軽減するための濃度及び用量の複数の化合物。
テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤の複数が、該方法で使用される場合、好適な化合物及びその用量は上述の通りである。
本発明の更なる態様において、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩の治療に有効な量を個体に投与することで眼症状を患う個体の治療方法が提供され、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される場合は、該抗浮腫性ステロイドは米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物を含まない。
一実施形態において、本発明は、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩の用量を投与する工程を含む個体における眼症状の治療方法を提供し、眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される。
本発明の更なる態様において、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩の用量を投与する工程を含み、眼症状が滲出性網膜症である個体における眼症状の治療方法を提供する。本発明は、また、抗浮腫性ステロイドの治療に有効な量を、少なくとも、網膜細胞、網膜色素上皮細胞、BRB上皮細胞、及び脈絡膜内皮細胞からなる群から選択される眼組織に投与する工程を含む滲出性網膜症の予防又は治療処置方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、病気に対して抗浮腫性ステロイドの治療に有効な量を投与する工程を含む網膜の後部領域でのBRB破壊から生じる病気の治療方法を提供する。一般的に、BRB破壊から生じる網膜の後部領域に位置する病気は、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫、及び滲出性黄斑変性等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫等を含む。
他の実施形態により本発明は、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩の有効な量を、患者に硝子体内注射により投与する工程を含み、好ましくは、化合物が硝子体内でやや難溶性である治療又は予防を必要とする患者の滲出性網膜症の治療又は予防方法を提供する。
好ましくは、本発明の方法で使用される抗浮腫性ステロイドは、ミネラルコルチコイドである。
本発明の更なる態様において、本明細書に記載するようにミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩の治療に有効な量を、個体に投与することで眼症状を患う個体の治療方法を提供し、ミネラルコルチコイドが、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用される場合は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物を含まない。
一実施態様において、本明細書に記載するようにミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩の用量を投与する工程を含む個体における眼症状の治療方法を提供し、眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される。
本発明の更なる態様において、本明細書に記載するようにミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩の用量を投与する工程を含み、眼症状が滲出性網膜症である個体における眼症状の治療方法を提供する。本発明は、また、ミネラルコルチコイドの治療に有効な量を、少なくとも、網膜細胞、網膜色素上皮細胞、BRB上皮細胞、及び脈絡膜内皮細胞からなる群から選択される眼組織に投与する工程を含む滲出性網膜症の予防又は治療処置方法を提供する。
他の実施形態において、本発明は、本明細書に記載するように、病気に対してミネラルコルチコイドの治療に有効な量を投与する工程を含む網膜の後部領域でのBRB破壊から生じる病気の治療方法を提供する。概して、BRB破壊から生じる網膜の後部領域に位置する病気は、近視性網膜症、又は糖尿病、網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫、及び滲出性黄斑変性等の様々な原因から生じる臨床治療的黄斑浮腫、若しくは血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫等が挙げられる。
他の実施形態により、本発明は、ミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩の有効な量を患者に硝子体内注射により投与する工程を含み、好ましくは、化合物が硝子体内でやや難溶性である治療又は予防を必要とする患者の滲出性網膜症の治療又は予防方法を提供する。
本発明は、また、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、眼内に位置する細胞又は組織内に含む眼症状の治療又は予防用薬学的組成物を提供する。該化合物は、好ましくは、抗浮腫性ステロイドである。
本発明は、本明細書に記載されるようにミネラルコルチコイドの治療に有効な量を含む眼症状の治療又は予防用薬学的組成物を更に提供する。ミネラルコルチコイドは、好ましくは、アルドステロン又は薬学的に許容可能な添加剤と一緒に用いるその薬学的に許容可能な類似物、塩、コンジュゲート、又は誘導体である。より好ましくは、ミネラルコルチコイドは、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、酢酸デオキシコルチコステロン、並びに薬学的に許容可能な添加剤と一緒に用いるその薬学的に許容可能な類似物、塩、コンジュゲート、及び誘導体を含む群からから選択される。
本発明は、また、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、酢酸デオキシコルチコステロン、並びに薬学的に許容可能な添加剤と一緒に用いるその薬学的に許容可能な類似物、塩、コンジュゲート、及び誘導体を含む群から選択されるミネラルコルチコイドの治療に有効な量を含む滲出性網膜症の治療又は予防用薬学的組成物を提供する。
本発明は、また、本明細書に記載されるように生体適合性、生分解性マトリックスに、例えば、局所形態、又は硝子体内注射用形態でミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩の治療に有効な量を含む滲出性網膜症の治療又は予防用薬学的組成物を提供する。
本発明は、また、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量(化合物は、好ましくは、抗浮腫性ステロイド、又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは、ミネラルコルチコイド)、及び少なくとも薬学的に許容可能な添加剤(キャリア、添加剤、賦形剤、又は無毒性、非治療的、非免疫原性安定化剤等)を含む本発明の方法に使用する薬学的組成物又は製剤を提供する。薬学的に許容可能な添加剤は、硝子体との親和性を有することが好ましく、また、眼に視力を低下させる残留物を残さないものでなければならない。組成物内で使用される薬学的に許容可能な添加物は、いずれも、硝子体内蓄積注射として該薬学的組成物の送達に適することが望ましい。
本発明の方法に使用する正確な薬学的製剤は、広範囲の商業的及び科学的基準によって変化する。熟練した読者は、本発明の上記製剤が他の薬剤を含みうることを理解するであろう。
本発明の方法に使用する製剤は、例えば、生理食塩水をビークルとして使用して調製することが好ましい。該製剤のpHは、当業者に知られた適当な緩衝液システム(酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等)を用いて略中性(例えば、6.5〜7.4の範囲で約7.4)に維持されうる。
前記薬学的に許容可能な製剤の調製に使用する希釈剤としては、該製剤の生物活性に対して過度に影響を及ぼさないようなものを選ぶことが好ましい。注射可能な製剤に特に有用なそのような希釈剤の例としては、水、様々な生理食塩水、有機又は無機塩溶液、リンガー液、デキストロース液、及びハンクス液等が挙げられる。
また、本発明の方法に使用される薬学的製剤は、他の緩衝液、希釈剤、キャリア、補助薬、賦形剤等の添加剤を含んでもよい。トリス緩衝液又はリン酸緩衝液等、眼への適用に適切である薬学的に許容可能な緩衝液はすべて使用してよい。他の薬剤を、前記製剤中に様々な目的で使用してもよい。例えば、緩衝剤、保存剤、共溶剤、界面活性剤、オイル、保湿剤、皮膚軟化剤、キレート剤、安定化剤、又は酸化防止剤を使用してもよい。使用可能な水溶性保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、二硫化ナトリウム、酢酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、エチルアルコール、メチルパラベン、ポリビニルアルコール、ベンジルアルコール、及びフェニルエチルアルコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。界面活性剤としてTween80でよい。
使用可能な他のビークルとしては、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、及び純水等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。等張化剤を含有させてもよく、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、及びグリセリン等が挙げられる。酸化防止剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びブチル化ヒドロキシトルエン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。製剤中の化合物の適用、有効量、処方、禁忌、製造供給元等は入手可能であるか、あるいは当業者に知られている。
これらの薬剤は、それぞれ約0.001重量%〜約5重量%、好ましくは約0.01重量%〜約2重量%の量で存在しうる。使用可能な好適な水溶性緩衝剤は、所望の投与経路とするために米国食品医薬品局(FDA)に承認されているように、炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等である。これら薬剤は、システムのpHを約2〜9の間、好ましくは約4〜8の間に保持するのに十分な濃度で存在しうる。このような緩衝剤は、製剤全体の5%(w/w)も占めうる。塩化ナトリウム及び塩化カリウム等の電解質を、前記製剤中に含有させてもよい。
本発明の方法で使用する眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物(好ましくは、抗浮腫性ステロイド、又はミネラルコルチコイド)を含む組成物は、好ましくは、乳酸リンゲル液、及び任意でエチルアルコールからなり、好ましくは、組成物全体の10mg/ml〜20mg/ml、より好ましくは、組成物全体の15mg/mlからなる。水を含む他の溶媒もまた使用されうる。エチルアルコールは、使用する化合物に作用する補助薬を有する。
可溶化調製物に加えて、治療化合物の固体分散体が本発明の治療方法を実施するために使用可能である。眼球内製剤(薬物送達、又は侵襲的な器具で送達される)に対して、治療化合物は、標的となる眼の区画(例えば、網膜疾患の治療に対する後眼房)内で最終濃度が約0.1μmol/L〜約10μmol/Lに達するような高濃度で送達される。一般的に、この送達方式に対して、治療化合物の最終濃度は約0.25μmol/L〜約5μmol/Lである。
本発明の極めて好適な形態において、眼症状予防又は治療のために硝子体内注射によりミネラルコルチコイドを投与する場合、ミネラルコルチコイドを注射用に体積を最小化するために凝集させなければならない。ミネラルコルチコイドの用量は、約1μg〜約10mg、又は約1mg〜約8mgがよい。一般的には、ミネラルコルチコイドは約4mgで硝子体内に蓄積する。この適量範囲で治療する病状に投与される。
本発明の眼症状の治療又は予防用組成物は、いつでも投与可能な、1単位用量を含む事前調製シリンジの形態で提供可能である。
局所投与の場合、投与するミネラルコルチコイドの濃度は、当業者に知られているように、特定の患者、罹っている病気及びその重症度、並びに投与頻度等によって異なりうる。サンプル濃度としては、約0.5μg/ml〜約100mg/ml、約1μg/ml〜約500μg/ml、約0.5mg/ml〜約2.5mg/ml、約1mg/ml〜約5mg/ml、約5mg/ml〜約10mg/ml、約10mg/ml〜約15mg/ml、約15mg/ml〜最大30mg/ml、約20mg/ml〜約50mg/ml、約30mg/ml〜最大100mg/ml等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の方法の実施において、薬学的に許容可能な化合物は、眼症状の部位(例えば、滲出性網膜症、前部ブドウ膜炎、翼状片、又は黄斑浮腫の位置)に治療薬を送達するいずれかの方法により患者に投与されうる。該製剤はすべて、局所投与、結膜下投与、テノン嚢下投与、眼内投与、又は眼内インプラント等の眼経路で投与されうる。
本発明の方法を実施する組成物の投与は、他の投与様式が効果的でありうるが、好ましくは眼内注射による。一般的に、薬学的に許容可能な化合物は、個体に対する眼内送達(薬物送達、又は侵襲的な器具で送達される)である。しかしながら、本発明は、眼内送達に限定されず、眼症状の部位に接触する眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を提供する局所(眼球外適用)又は全身(経口経路、又は非経口経路等)送達も含む。非経口投与は、施術者に明らかな適切な状況の場合に使用される。好ましくは、組成物は、正確な投与量の単回投与に適切な単位投与形態で投与される。
上記の通り、眼内(後眼房又は網膜等)の特定の区画又は組織に正確に測定した所望の製剤量を導入するために設計した注射、カニューレ若しくは他の侵襲的な器具によって、眼内領域へのin situ送達が達成される。眼内注射は、硝子体内、結膜下、眼球後部、強膜内、若しくはテノン嚢下でもよく、又は蓄積型でもよい。他の眼投与経路、注射部位及び形態も考えられ、それらも本発明の範囲内である。
眼内注射は、好ましくは、硝子体内注射であり、好ましくは、セルフシール25〜30ゲージ針、又は他の適切な目盛りつき送達装置による。眼内注射は、セルフシール針で毛様体扁平部を通して注射される。最も好ましくは、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内のミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物(好ましくは、抗浮腫性ステロイド、又はミネラルコルチコイド)は、眼内蓄積注射として投与される。
一実施形態において、眼症状を治療又は予防するために該製剤は眼内注射(例えば、硝子体内注射)される。該製剤を硝子体内投与する場合、活性薬剤は注射容量を最小とするために濃縮されるべきである。好ましくは、注射量は約5ml未満である。この量は、眼内圧増加、及び送達針により形成された開口を通して注射液の漏出を防ぐために硝子体液を代償的に排液する必要がある。より好ましくは、約1.0ml〜0.05mlで注射される。最も好ましくは、約0.1mlで注射される。
注射は、約20mg/ml未満の濃度で投与すると、すべての量が前述の要因次第で効果的でありうる。好ましくは、7mg/ml未満の濃度で投与し、より好ましくは、6mg/ml未満、5mg/ml未満、4mg/ml未満、3mg/ml未満、2mg/ml未満、及び1mg/ml未満で投与する。サンプル濃度としては、約5μg/ml〜約50μg/ml、約25μg/ml〜約100μg/ml、約100μg/ml〜約200μg/ml、約200μg/ml〜約500μg/ml、約500μg/ml〜約750μg/ml、及び約500μg/ml〜最大1mg/ml等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
硝子体内注射は、当技術分野で周知の様々な方法で達成される。例えば、眼を、ベタジン(R)等の滅菌剤で洗浄して、眼内でステロイド結晶が腹側表面に向かって後極に定着する位置に細いゲージ針(例えば、27ゲージ)を用いてミネラルコルチコイドを適切なキャリアに注射する。注射前に眼に陽圧をかけて、眼を注射に備える必要がある。症例によっては、穿刺術が必要である。局部麻酔、又は全身麻酔が必要となることもある。
例えば、注射の準備として、眼球表面にアルカインを局所的に塗布し、次いで5%ポビドンイオジンを塗布する。4%リドカインに浸した綿棒を、有水晶体眼中の角膜輪部の4.0mm後方且つ偽水晶体眼中の角膜輪部の3.5mm前方の注射部位に当てる。27−ゲージ針を使用して、扁平部の上に注入する。間接検眼鏡検査によって、懸濁液が硝子体内に適切に注入されたか確認可能である。
本発明の方法の実施に使用されるシリンジとしては、21〜30ゲージ針(例えば23、24、25、26又は27ゲージ針)を収容可能なものが好適であり、また少量サイズ(例えば1.5mL、より好ましくは0.5mL)のものが好ましい。針がシリンジから着脱可能なものとすることが可能であるが、一体型のシリンジ/針構造であることが好ましい。これによって、シリンジから針が離脱する恐れが明らかに抑えられる。また、不正操作できない構成とすることが好ましい。従って、本発明の製剤は、いつでも投与可能な、1単位用量を含む事前調製シリンジの形態で提供可能である。
好適なシリンジは、例えば、Uniject(R)(ベクトン・ディッキンソン社)の名で売られている。このシリンジの仕様では、プランジャではなく、針への供給用の柔軟なリザーバ両側に加えられた圧力によって、内容物が針を通して眼へ放出される。名前から示唆されるように、このリザーバと針の構成は単一ユニットである。
眼症状治療又は予防のための本発明の製剤の局所投与は、軟膏、ゲル又は点眼薬がよい。好ましくは、ミネラルコルチコイドを含む浸透性組成物が使用される。局所製剤は、更にin situゲル化水性製剤として行ってもよい。このような製剤は、眼に接触した際又は眼の外側の涙液に接触した際にゲル化が促進するのに有効な濃度のゲル化剤を含む。好適なゲル化剤としては、エチレンオキシドとプロピレンオキシド(ポロキサミン等)とのテトラ−置換エチレンジアミンブロック共重合体等の熱硬化性ポリマー、ポリカーボフィル、及びジェラン、カラゲナン(κ−カラゲナン、ι−カラゲナン等)、キトサン、及びアルギン酸ゴム等の多糖が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書中で使用する「in situゲル化水性製剤」という語句は、眼に接触した際又は眼の外側の涙液に接触した際にゲルを形成する低粘性液だけでなく、眼に投与された際に非常に高い粘性すなわちゲル剛性を呈する半液体ゲル及びチキソトロピーゲル等の高粘性液を含む。また、本発明の製剤をゲルとして製剤化し、例えば反射瞬きによって起こる涙液分泌による投与直後の製剤のロスを最小限にすることも有利である。このような製剤が、投与後粘性すなわちゲル剛性を更に増すことは好ましいが、初期のゲルが涙による散逸に対して十分耐性を有しており本明細書で規定した効果的な滞留時間がもたらされれば、これは全く必要とされない。
眼症状治療用の局所製剤を調製するには、当技術分野で知られているように、治療に有効な量の本発明の製剤を眼用ビークル中に入れる。例えば、ステロイドを含む局所眼用製剤は、米国特許第5,041,434号明細書に記載され、一方で、高粘性ゲルを形成する眼薬及び高分子ポリマーの眼用持続放出製剤が米国特許第4,271,143号明細書、及び米国特許第4,407,792号明細書に開示される。更に、英国公開特許第2007091A号明細書は、カルボキシビニルポリマーの水溶液、水溶性塩基性物質、及び眼薬を含むゲル形態の眼用組成物中の眼用組成物を開示する。また、米国特許第4,615,697号明細書は、抗炎症剤等の生体接着性及び治療薬に基づいて使用する制御放出組成物、及び方法が開示される。
該方法で使用する投与する治療化合物の量及び該治療化合物の局所製剤中の濃度は、希釈剤、送達システム、すなわち選択した装置、患者の臨床状態、及び製剤中の該化合物の副作用及び安定性によって決まる。従って、医者は、当該患者又は同様の患者に対する臨床経験に応じて、治療化合物の適した濃度を含む適切な調合を用い、また製剤の投与量を選択する。
該製剤が2つ以上の活性薬(例えば、2つ以上のミネラルコルチコイド、又はミネラルコルチコイド及びテトラサイクリン誘導体等の他の薬剤)を含む場合、該活性薬は、同一製剤、別々の製剤、持続放出性製剤、リポソーム、マイクロカプセル、又は前述の実施形態中における混合物又は混合剤として投与されうる。前記製剤は、局所投与しても又は眼に注射してもよく、あるいは、一種の活性薬を局所投与して他の薬剤を注射してもよい。
製剤は、また、当業者に知られているように、眼症状を治療又は予防するために局所軟膏若しくは溶液、静脈注射用溶液若しくは懸濁液としてのマイクロスフィア、マイクロカプセル、リポソーム等のキャリアを有する持続放出製剤として投与しても、あるいは眼内注射してもよい。
持続放出性薬物送達システムは眼内に投与され、その結果、薬物が持続的に放出される。前記製剤は、マイクロ若しくはマクロカプセル、又はポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ無水物、ポリラクチド/グリコライド共重合体、ポリアミノ酸、ポリエチレンオキシド、アクリル末端ポリエチレンオキシド、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリフォスファザン、ポリ(オルトエーテル)、スクロースアセテートイソブチレート(SAIB)等の生体適合性ポリマー、及び米国特許第6,667,371、6,613,355、6,596,296、6,413,536、5,968,543、4,079,038、4,093,709、4,131,648、4,138,344、4,180,646、4,304,767、及び4,946,931号明細書(各々を本明細書中にその全体を参照により明示的に援用する)に開示のポリマーのマトリックス、あるいはマイクロスフィア若しくはリポソームに形成可能な脂質等をビークルとした形態でもよい。ミクロ又はマクロ製剤は、針を通して投与しても、あるいは、眼、例えば水晶体嚢内に縫合することによって埋め込んでもよい。遅延性すなわち持続放出性は、コーティング又は非コーティングマイクロスフィア、コーティング又は非コーティングカプセル、脂質又はポリマー成分、単層又は複層構造、及び上記の組み合わせ等のビークルの様々な製剤によって提供されうる。マイクロスフィア、マイクロカプセル、リポソーム等の製剤及び投与、並びにそれらの埋め込みは、当業者に知られている標準的手法であり、例えば、Vitreoretinal Surgical Techniques, Peyman他編(Martin Dunitz,ロンドン 2001,chapter 45); Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology, Wise編(Marcel Dekker,ニューヨーク 2000)では、ガンシクロビル持続放出性インプラントを使用したサイトメガロウイルス性網膜炎治療法が開示されており、その該当セクションについて本明細書中に参照により全体を援用する。例えば、持続放出性眼内インプラントは、扁平部を介して挿入して、硝子体腔へ埋め込みを行ってもよい。
本発明は、また、生体適合性、生分解性マトリックスに、例えば、好ましくは、インプラントとして網膜内、眼窩洞、前眼部若しくは後眼部への挿入に適したゲル又はポリマーの形態で、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内にミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物(好ましくは、抗浮腫性ステロイド若しくはその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは、ミネラルコルチコイド)の治療に有効な量を含む薬学的組成物を投与する工程を含む滲出性網膜症等の眼症状治療又は予防方法を提供する。組成物がインプラントとして送達される場合、液体、又は、例えば、公知の化学反応を使用してミセル、又は微小粒子の形態で、公知の生体適合性、生分解性マトリックスに組み込まれる。
多くの生体高分子(生物学的原理に基づく系)、リポソーム、コロイド、樹脂系、及び他のポリマー送達系又は区分化リザーバのいずれかを含む徐放性すなわち持続放出性送達系は、治療化合物を継続的に長期間提供するために本明細書に開示される組成物を用いて使用可能である。
調製された徐放性装置において、ミネラルコルチコイド受容体活動を調節する化合物は、好ましくは、インプラントの約10重量%〜90重量%で存在する。より好ましくは、化合物は、インプラントの約50重量%〜80重量%である。好適な実施形態において、ミネラルコルチコイド受容体活動を調節する化合物は、インプラントの約50重量%を含む。特に好適な実施形態において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する化合物は、インプラントの約70重量%を含む。好適な態様において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する化合物は、抗浮腫性ステロイド、又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくはミネラルコルチコイドである。
一態様において、本発明の方法で使用されるインプラントは、生体内分解性ポリマーマトリックス内に封入されたミネラルコルチコイド粒子で製剤される。薬物の放出は、ポリマーの腐食後に、事前封入した薬物粒子の硝子体への暴露、続いて薬剤の溶解及び放出により達成される。この形態の薬物放出による放出反応速度は、メチルセルロース等のヒドロゲル等でポリマー膨潤により薬物放出製剤を介して達成される放出反応速度とは異なる。この場合、薬物は、ポリマーの腐食により放出されず、暴露経路を介して液体が拡散するにつれて薬物を放出するポリマー膨潤により放出される。放出反応速度を決定するパラメータは、薬物粒子の大きさ、薬物水溶性、ポリマーに対する薬物比、製造方法、暴露表面積、及びポリマーの腐食率を含む。
特に目的の生体適合性、非生分解性ポリマーは、例えば、ポリカーバメート又はポリウレア類、特にポリウレタン類、架橋ポリ(ビニルアセテート)等の非生分解性ポリマーを生成するために架橋しうるポリマー類等が挙げられる。また、特に目的の生体適合性、非生分解性ポリマーは、4%〜80%のエステルを有するエチレン−ビニルエステル共重合体であり、例えば、エチレン酢酸ビニル(EVA)共重合体、エチレン−ヘキサン酸ビニル共重合体、エチレン−プロピオン酸ビニル共重合体、エチレン−酪酸ビニル共重合体、エチレン−吉草酸ビニル(vinyl pentantoate)共重合体、エチレン−トリメチル酢酸共重合体、エチレン−酢酸ジエチルビニル(vinyl diethyl acetate)共重合体、エチレン−3−メチルブタン酸ビニル(vinyl 3−methyl butanoate)共重合体、エチレン−3,3−ジメチルブタン酸ビニル(vinyl 3−3−dimethyl butanoate)共重合体、及びエチレン−安息香酸ビニル共重合体等が挙げられる。
更に、天然、又は合成非生分解性ポリマー材料は、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、可塑化ポリ(塩化ビニル)、可塑化ポリ(アミド)、可塑化ナイロン、可塑化軟質ナイロン、可塑化ポリ(エチレンテレフタレート)、天然ゴム、シリコーン、ポリ(イソプレン)、ポリ(イソブチレン)、ポリ(ブタジエン)、ポリ(エチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(アクリロニトリル)、架橋ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(トリフルオロクロロエチレン)、塩化ポリ(エチレン)、ポリ(4,4’−イソプロピリデン ジフェニレン カーボネート)(poly(4,4’−isopropylidene diphenylene carbonate))、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−フマル酸ジエチル共重合体、シリコーン、シリコーンゴム(特に、医療グレード)、ポリ(ジメチルシロキサン)、エチレン−プロピレンゴム、シリコーン−カーボネート共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリ(オレフィン)、ポリ(ビニル−オレフィン)、ポリ(スチレン)、ポリ(ハロオレフィン)、ポリ(ビニル)、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(オキシド)、ポリ(エステル)、ポリ(アミド)及びポリ(カーボネート)等が挙げられる。
インプラントからの薬物拡散は、また、インプラントの構造により調節しうる。例えば、インプラントからの薬物拡散は、薬物を含むポリマー層に付加した膜により調節しうる。膜層は、薬物及び所望の治療部位を含むポリマー層に介在して位置する。膜は、上記生体適合性材料のいずれかからなり、用いられる薬物、ポリマーに存在する薬物に加えて更なる薬物の存在、薬物を含むポリマー組成物、及び所望の拡散率等により変化する。例えば、ポリマー層は、通常、非常に大量の薬物を含み、一般的に飽和する。薬物含浸ポリマーは、概して、非常に高い率で薬物を放出しうる。この状況で、薬物放出は、ポリマーよりも薬物浸透率が低い膜を選択して徐放しうる。膜がより低い薬物浸透率であるため、薬物は、ポリマー内に濃縮され、膜の薬物浸透率により全体拡散率が決定される。従って、治療部位に対する薬物送達をより制御及び遅延送達することで、インプラントからの薬物の放出率は、減少する。
熟練した読者には、本発明の上記方法で使用される製剤の持続時間は、眼環境に滞留する期間が、とりわけ、製剤中に使用した化合物の物理化学的及び/又は薬理的性質、該化合物の濃度及び生体利用効率、疾患の種類、投与経路、好ましい治療効果期間等の要因に依存することが理解されよう。このバランスの均衡は、眼中で必要とされる効果期間及び治療対象の疾患に依存することが多い。
本発明の方法による治療頻度は、治療する疾患、ミネラルコルチコイドの送達濃度及び送達方法によって決まる。ミネラルコルチコイドが硝子体内注射で送達される場合は、投与頻度は月1回である。好ましくは、投与頻度は、3ヶ月毎である。投与頻度は、前回投与したミネラルコルチコイド物質が目に見えて分解する場合に投与して、投薬頻度を目視によって決定してもよい。しかしながら、ミネラルコルチコイド物質が目に見えて分解するが、眼内で溶解した治療レベルで存在しうるため、この計量には注意するべきである。治療結果が達成されると、薬を漸減、又は投与中止可能となる。時々、副作用が治療中止の根拠となる。一般的に、化合物の有効量とは、自覚症状を取り除く、あるいは、臨床医学者若しくは他の有資格のオブザーバーによる客観的に特定可能な改善を提供するものである。
眼症状の予防又は治療に本発明の方法で使用するために調製される製剤は、数時間〜数ヶ月、場合によっては数年の滞留期間を有することが好ましいが、後者の滞留期間を実現するためには特別な送達系が必要となる。このような送達系の例示的形態を本明細書中に(例えば、以下に)開示する。
本発明の方法で使用する製剤は、時間単位(すなわち1〜24時間)、日単位(すなわち1日、2日、3日、4日、5日、6日、又は7日)又は週単位(すなわち1週間、2週間、3週間、4週間)の滞留期間(すなわち眼内持続時間)を有するのが最も好ましい。あるいは、製剤は、4、5、6、7〜12ヶ月を超えた滞留期間を可能として、少なくとも2〜3ヶ月、例えば、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月の滞留期間を有する。
本発明の方法での使用に適切な、眼症状治療又は予防のために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内のミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は(例えば、抗浮腫性ステロイド、より好ましくは、ミネラルコルチコイド)、少なくとも、眼の血管(例えば、脈絡膜及び網膜血管系から網膜へ、又は結膜、虹彩若しくは毛様体血管から前眼部領域へ)からの滲出液を減少、改善、又は予防可能でなければならない。長期治療が必要であれば、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する化合物(抗浮腫性ステロイド又はミネラルコルチコイド等)は、好ましくは、硝子体内でやや難溶性である結晶を形成する。結晶構造様式で調製された該化合物は、蓄積形態で投与しうる。
緩衝剤、すなわちエンハンサーが、親水性である場合、また、放出促進剤としても作用しうる。親水性添加剤は、薬物粒子を囲む物質のより速い溶解により放出率を増加するよう作用して薬物暴露表面領域を増大させるため、薬物の生体侵入率を増加させる。同様に、疎水性緩衝剤、すなわちエンハンサーは、より遅く解けて薬物粒子の暴露を遅らせるため、薬物の生体侵入率を遅らせる。
眼症状治療又は予防方法のための改善された治療に有効な硝子体内滞留時間の徐放性組成物を提供するために、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する化合物(例えば、抗浮腫性ステロイド、より好ましくは、ミネラルコルチコイド)の異なる結晶の大きさの割合は、適切な徐放プロファイルを提供するよう操作されうる。治療製剤中の薬の総濃度を増加させずに、フルドロコルチゾン等の抗浮腫性ステロイドの治療に有効な硝子体内滞留時間を増大させる鍵は、抗浮腫性ステロイドのより大きな結晶の割合を増加させると同時に、抗浮腫性ステロイドの結晶複合体の割合を減少させることである。従って、フルドロコルチゾン等の抗浮腫性ステロイド薬物の溶解速度は、治療組成物すなわち製剤中の大きな薬物結晶の相対的な存在比を増加させることで減速(すなわち、より長い溶解時間)することができる。大きな薬物結晶は、結晶複合体と比較して体積に対する表面積がより小さく、そのようなものは溶解速度が遅い。
例えば、化合物は、約0.5μm〜約40μmの結晶の割合よりも約50μm〜約600μmの結晶の割合が大きい組成物中に存在する。国際出願第PCT/AU2005/000146号明細書及び米国出願第11/051,028号明細書に記載のとおり、組成物は、小さな結晶に対するより大きな結晶の割合を変えることで調整しうる徐放性組成物の持続放出プロファイルを提供する。この目的を達成するために、本発明の方法で使用する組成物は、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩を含む薬学的に許容可能な組成物を含み、該組成物は大きさが変化する結晶及び結晶複合体の形態で存在し、該結晶は、大きさが約0.5μm〜約40μm及び約50μm〜約600μmで凝集する。好ましくは、結晶は、約0.5μm〜約40μm及び約50μm〜約600μmの大きさに結晶複合体よりも凝集する。より好ましくは、約50μm〜約600μmの大きさの結晶の割合は、約0.5μm〜約40μmの大きさの結晶の割合よりも大きい。
他の実施形態において、本発明は、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物を、眼への送達に適した薬学的に許容可能な製剤中にミネラルコルチコイド受容体活性の調節に十分な量及び期間で、眼症状を治療又は予防するために患者の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含む眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内のミネラルコルチコイド受容体活性を調節する方法に属する。ミネラルコルチコイド受容体の活性を調節可能な化合物は、本明細書に記載のとおり、好ましくは、抗浮腫性ステロイドであり、より好ましくは、ミネラルコルチコイドである。
ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する方法は、好ましくは、眼症状を治療又は予防するために十分な量及び期間で眼への送達に適した薬学的に許容可能な製剤中に、少なくともアルドステロンを含む製剤を患者に投与する工程からなる。
より好ましくは、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する方法は、眼症状を治療又は予防するために十分な量及び期間で眼への送達に適した薬学的に許容可能な製剤中に、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、及び酢酸デオキシコルチコステロンの少なくとも1つを含む製剤を患者に投与する工程からなり、治療又は予防する眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である。
本発明のより好適な形態において、上記方法で使用する製剤は、前眼部及び/又は後眼部、又は角膜、網膜、脈絡膜等の眼症状の治療又は予防をするための上記製剤である。
本発明の眼症状の治療又は予防方法は、光線力学療法、レーザー手術、及びレーザー光凝固術等の治療を単独、若しくは1つ以上の組み合わせで、又は生物学的若しくは薬学的治療を単独、若しくは1つ以上の組み合わせで実施されうる。
レーザー治療は、眼疾患の特性に応じて多くの形態が取られる。近視等の疾患は、角膜を再形成するレーザー手術(例えば、レーシック(R)術)で治療されるが、AMD等の疾患の治療に広く使用されるのは、光線力学療法、又はレーザー光凝固術による血管の除去又は遮断を対象とするレーザー治療である。レーザー治療は、更に、網膜芽細胞腫、又は偽性神経膠腫等の新生物の治療又は除去に使用されうる。
光凝固術は、眼内の血管漏出を塞ぐ、異常血管成長を遅らせる及び/又は新生血管を破壊するためのレーザーの使用を含む。更に、レーザーは、眼に網膜を定着させるために使用可能であり、網膜剥離を防ぐのを助ける。例えば、局所レーザー治療が糖尿病性網膜症に確認される小血管瘤に適用しうる。
光線力学療法は、光活性薬物(例えば、ビスダイン(R))及び異常血管を破壊するレーザーの使用を含む。ビスダイン(R)は、血液に注射され、レーザーで活性化され、血管を効果的に破壊する。この治療は、いくつかのセッションを実施する必要がある。網膜血管新生を遅らせる網膜レーザー光凝固術の有益な効果を説明する様々な説が提案されているが、根本である分子レベルでのメカニズムは依然として解明されていない。
レーザー光凝固術の治療効果は、網膜内で最も酸素を消費する光受容体の破壊の結果であると考えられている。続いて、これらの光受容体は、脈絡膜から内網膜に酸素の拡散を増加可能であるグリア細胞に置き換えられるため、内網膜の低酸素状態が緩和される。酸素付加が改善されて2方面で続いて起こるカスケードを誘発する。即ち、1)網膜動脈の収縮が、毛細血管内の静水圧の減少、並びに毛細血管及び小静脈の収縮をもたらし、(2)VEGFの細胞産生が抑制される。全体的に、これらの効果は、最終的に血管新生の抑制及び浮腫の減少をもたらすと考えられている。細胞増殖及び細胞タンパク質の調節が、レーザー光凝固術により誘発され、これらの治療効果が生理学的応答の主要部分でありうる。
しかしながら、レーザー治療の合併症は(レーザー光治療又はレーザー光凝固術)、炎症、更には浮腫となる。これは、眼新生物を除去又は治療するためのレーザー治療後に起こりうる。更に、レーザー治療は、血管が再度成長し始め、小血管瘤が再生しうるので、必ずしも根治するとは限らない。その上、異常血管のレーザー治療は、黄斑の中心窩等網膜の特定領域に位置する血管で実施できない。
従って、本発明の実施形態において、網膜のレーザー治療が問われる場合、レーザー治療の前後で、ミネラルコルチコイド等の抗浮腫性ステロイドの投与が注射により実施されうる。レーザー治療の前後での抗浮腫性ステロイドの投与は、浮腫を減少、除去、又は予防し、よって、レーザー治療の副作用の1つを減少又は除去しうる。
他の実施形態において、本発明は患者に次の角膜手術(例えば、レーシック(R)術、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)又は他の角膜処置)後に上記の製剤を投与する工程を含む眼炎症を軽減する方法に属する。好ましくは、患者に投与する製剤は、眼内に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物である。好ましくは、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節する化合物は、抗浮腫性ステロイドであり、より好ましくは、ミネラルコルチコイドである。ミネラルコルチコイドは、角膜又は硝子体を曇らせる眼内の滲出液を減少、又は抑制する。
上記化合物に加えて、本発明の製剤は、内皮細胞のVEGFの活動を阻害するように設計された抗血管新生薬と併用療法で投与されてもよい。本発明の方法に使用可能な薬物は、例えば、(a)ルーセンティス(R)(ジェネンテック)、及び(b)マキュジェン(R)(アイテック・ファーマシューティカルズ)が挙げられる。ルーセンティス(R)及びマキュジェン(R)は、硝子体内に投与される化合物であり且つ強力な抗血管新生化合物である。極めて好ましい形態において、本発明の方法は、上記の眼の細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体を調節可能な化合物の薬学的製剤とルーセンティス(R)又はマキュジェン(R)等の抗血管新生薬とを投与することで実施される。ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、好ましくは、抗浮腫性ステロイドであり、より好ましくは、本明細書に記載のミネラルコルチコイドである。
正式には、rhuFab V2、又はAMD−Fabとして知られているルーセンティス(R)(ラニビズマブ)は、ジェネンテックによって開発されたヒト化治療用抗VEGF(血管内皮細胞増殖因子)抗体であり、血管新生に重要な役割を果たすタンパク質であるVEGFに結合して阻害し、内皮細胞表面のVEGF受容体活性との相互作用を防ぐ。ルーセンティス(R)は、滲出型加齢性黄斑変性症を進行させると考えられている、新生血管成長を遮断及び漏出を減少するように設計されている。ルーセンティス(R)は、硝子体内に注射され、そして、網膜の下から異常血管が成長する領域内に通り抜ける。本発明により調製した薬学的製剤と共に投与した場合、ルーセンティス(R)は、用量に対して約300μg又は約500μgの何れかで投与しなければならない。
アイテック・ファーマシューティカルズ製のマキュジェン(R)(ペガプタニブナトリウム、抗VEGFアプタマー又はEYE001)は、VEGF分子に特異的に結合する遺伝物質の合成断片からなり、内皮細胞表面上の受容体に対するVEGF分子の刺激を阻害する。本発明に従って調製した薬学的製剤と共に投与した場合、マキュジェン(R)は、4週間又は6週間毎に約0.3mg〜約3.0mgの範囲の用量で投与しなければならない。
本発明の他の態様において、本発明の方法は、本明細書に記載した眼症状を治療するために、グルココルチコイド(プレドニゾロン、プレドニゾン等)、エストロゲン(エストロジール等)、アンドロゲン(テストステロン等)、レチノイン酸誘導体(9シスレチノイン酸、13トランスレチノイン酸、オールトランスレチノイン酸等)、ビタミンD誘導体(カルシポトリオール、カルシポトリエン等)、非ステロイド系抗炎症薬、ビタミンD誘導体、抗感染薬、プロテインキナーゼC阻害剤、MAPキナーゼ阻害剤、抗アポトーシス薬、成長因子、栄養ビタミン、不飽和脂肪酸、及び/又は眼球用抗感染薬と共に、眼の細胞又は組織内にミネラルコルチコイド受容体を調節可能な化合物(本明細書に記載のとおり、好ましくは、抗浮腫性ステロイド、より好ましくは、ミネラルコルチコイド)を含む薬学的製剤を投与して実施されうる。本発明の更に他の実施形態において、これら薬剤の混合物が使用されうる。
眼球用抗感染薬としては、ペニシリン類(アンピリシリン、アゾシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、ピペラシリン、及びチカルシリン)、セファロスポリン類(セファマンドール、セファゾリン、セフォタキシム、セフスロジン、セフタジジム、セフトリアキソン、セファロチン、及びモキサラクタム)、アミノグリコシド類(アミカシン、ゲンタマイシン、ネチルマイシン、トブラマイシン、及びネオマイシン)、アズトレオナム、バシトラシン、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、クロラムフェニコール、コトリモキサゾール、フシジン酸、イミペネム、メトロニダゾール、テイコプラニン、及びバンコマイシン等の多岐にわたる薬剤、抗真菌薬(アンホテリシンB、クロトリマゾール、エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、オキシコナゾール、及びターコナゾール)、抗ウイルス薬(アシクロビル、エチルデオキシウリジン、フォスカーネット、ガンシクロビル、イドクスウリジン、トリフルリジン、ビダラビン、及び(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−フォスフォニルエトキシプロピル)シトシン(HPMPC))、抗腫瘍薬(アルキル化剤(クロラムブシル、シクロフォスファミド、メクロレタミン、メルファラン、及びブスルファン)、アントラサイクリン系抗生物質(ドキソルビシン、ダウノマイシン、及びダクチノマイシン)、シスプラチン、及びニトロソウレア等の細胞周期(相)非特異的抗腫瘍薬)、抗ピリミジン類(シタラビン、フルオロウラシル、及びアザシチジン)、葉酸拮抗薬(メトトレキサート)、抗プリン類(メルカプトプリン及びチオグアニン)、ブレオマイシン、ビンカ・アルカロイド類(ビンクリスチン及びビンブラスチン)、ポドフィロトキシン類(エトポサイド(VP−16))、及びニトロソウレア類(カルムスチン(BCNU))等の代謝拮抗剤、シクロスポリンA及びSK506等免疫抑制剤、抗炎症又は抑制因子(阻害剤)、及びプラスミノゲン活性因子阻害剤等のタンパク質分解酵素阻害剤等が挙げられる。硝子体内用量及び硝子体内半減期はもとより、上記薬剤の局所及び結膜下投与用の用量は、“Intravitreal Surgery Principles and Practice, Peyman G A及びShulman, J編 2nd edition,1994,Appleton−Longe”に見出され、関連するセクションを本明細書中に参照により明示的に援用する。
本発明は、眼症状の治療用薬物の製造における、眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内で、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の使用を提供する。本発明は、また、眼症状治療用薬物の製造において、本明細書に記載のミネラルコルチコイド、又はその薬学的に許容可能な塩等の抗浮腫性ステロイドの使用を提供する。
眼症状の治療用薬物の製造のために
(a)眼症状の治療又は予防のために、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物;及び
(b)ステロイド、へパリン、テトラサイクリン誘導体、抗プロスタグランジン薬、大環状抗生物質、メタロプロテナーゼ阻害剤、又は内皮細胞のVEGF活動を阻害するように設計された抗血管新生薬を含む群から選択される第2化合物
の使用もまた提供される。
更なる形態により、本発明は、個体における滲出性網膜症の治療用薬物の製造において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調製可能な化合物の使用を提供する。
更に、個体における滲出性網膜症の治療用薬物の製造において、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩の有効な量の使用を提供する。本発明は、また、滲出性網膜症の治療用薬物の調製において本明細書に記載のミネラルコルチコイドの使用を提供する。
本発明の更なる特徴を、以下の限定されない実施例において更に完全に記載する。この詳細な説明は、本発明を例示する目的のみに記載されるものであると理解されるべきであり、上述した本発明の広範囲な説明を何ら限定するものではないことが理解されるべきである。
実施例1
ミネラルコルチコイド、特にフルドロコルチゾンの、浮腫及び滲出性網膜症に関する生化学経路に関わる受容体に対するダウンレギュレーション能を示すために、脈絡膜内皮細胞内のVEGF受容体Flk−1及びFlt−1の活性に注目してアッセイを実施した。Flk−1は細胞増殖に関与し、Flt−1は細胞透過性に関与することが知られている。
未処置細胞、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)で処置した細胞、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)で処置し、そしてグルココルチコイドとしてトリアムシノロンアセトニド(TA)で処置した細胞、及び酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)で処置し、そしてミネラルコルチコイドとしてフルドロコルチゾンで処置した細胞において、蛍光活性化細胞選別(FACS)解析を使用してFlk−1及びFlt−1の発現を測定した。PMAは、炎症性サイトカインの標準型であり、TAは、グルココルチコイド受容体を阻害すると知られている。
図1において、PMA投与により、Flk−1の発現が対照細胞と比べて増加していることが分かる。しかしながら、この増加はフルドロコルチゾンでの処置で軽減され、Flk−1の発現が、対照(未処置)細胞と比べて、フルドロコルチゾンで処置した細胞において減少する。TA/Flk−1経路は、受容体発現に対する直接的な活動と、グルココルチコイド受容体を介する抗炎症効果との組合せによる。VEGF及びその受容体は、炎症性効果を媒介する。
Flt−1の発現もまた、PMA投与により増加し、フルドロコルチゾンの処置で減少し、フルドロコルチゾンで処置した細胞は未処置細胞と同レベルでFlt−1が発現する。
実施例2
Flk−1及びFlt−1の発現は、また、未処置脈絡膜内皮細胞、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)で処置した脈絡膜内皮細胞、及びミネラルコルチコイドとしてフルドロコルチゾンで処置した脈絡膜内皮細胞において調査した。TNF−αは炎症性サイトカインである。
Flk−1の発現は、フルドロコルチゾンの投与により未処置細胞におけるレベルからダウンレギュレーションした。TNF−αで処置した細胞は、未処置対照細胞よりもFlt−1がより高いレベルで発現する。しかしながら、フルドロコルチゾンの投与は、対照細胞と比べてFlt−1の発現を僅かに減少した。
実施例3
経皮内電気抵抗(TER)は、細胞透過性、ひいては滲出量測定方法である。高電気抵抗は、細胞境界が硬く及び細胞透過性が低いことを示す。その一方、無抵抗又は負性抵抗は、細胞境界の連結がより緩いことを示す。
細胞膜を分裂させる界面活性剤であるジメチルスルホキシド(DMSO)で処置した脈絡膜内皮細胞は、図3に示すようにフルドロコルチゾン又はTAで処置した細胞に比べて電気抵抗が低い。フルドロコルチゾン又はTA存在下での抵抗増加は、細胞膜境界の維持又は修復にステロイドが役立つことを示し、滲出及び浮腫を減少させる。
実施例4
DMSOで処置した網膜内皮細胞は、フルドロコルチゾンで処置した細胞に比べて、低い電気抵抗を示す。フルドロコルチゾンで処置した細胞は、TAで処置した細胞よりも高い抵抗を示す。これは、網膜内皮細胞において、フルドロコルチゾンは細胞膜境界の維持又は修復に役立つことを示し、よって滲出及び浮腫を減少させる。
実施例5
体重2.5kg〜3.0kgの30羽のニュージーランド白ウサギをこの実験に使用した。ウサギは眼科と視覚に関する研究会議(Association for Research in Vision and Ophthalmology)(ARVO)の指針に則って処置した。各動物の1つの眼を実験目的に使用し、もう1方の眼は対照眼とした。屠殺前後で全ての眼に対してスリット・ランプ及び間接的眼底検査を行った。
ウサギは、6つの群に分けた。群1(n=5)には4mg/mlの酢酸デオキシコルチゾン(deoxycortisone acetate)(Spectrum Chemical Corp)を局所投与した。群2(n=5)には4mg/mlの11−デオキシコルチコステロン(Spectrum Chemical Corp)を局所投与した。群3(n=5)には4mg/mlの11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)(Spectrum Chemical Corp)を局所投与した。群4(n=5)には4mg/mlのアルドステロン(Farmabios、イタリア)を局所投与した。群5(n=5)には4mg/mlのデオキシコルチコステロン(Spectrum Chemical Corp)を局所投与した。群6(n=5)には酢酸フルドロコルチゾン(Farmabios、イタリア)を局所投与した。
1mlのケタミン塩酸塩(35mg/kg、筋肉内)、及びキシラジン塩酸塩(5mg/kg、筋肉内)混合液で、ラットに麻酔をかけた。全ての群で、薬物を右眼に局所塗布し、生理食塩水を左眼に4回(0、1、2及び3時間目に)塗布した。薬物及び生理食塩水は、眼に50μLの単一液滴で投与した。
20mg/mlフルオレセインイソチオシアネートデキストラン(FITC−デキストラン、シグマ)を調製し、20mg/kgの用量で1.5時間目に辺縁耳静脈に注射した。
Salmonella typhimurium(シグマ)から単離した内毒素(2.5 μg/kg)を2時間目の3回目液滴と同時に同じ静脈に注射した。
前房のFITC−デキストラン濃度は、内毒素投与の90分後に基本的な蛍光光度計(OcuMetrics、カリフォルニア州マウンテンビュー)を使用して決定した。この機器は、励起波長が約410nm〜490nmで、発光波長が約520nm〜630nmである。FITC−デキストランにより放射した発光は、左右眼両眼で決定した。
各動物の試験眼と対照眼との前房蛍光測定を比較する統計的解析を行った。ウィルコクソンの1標本符号付順位検定(StatXact(R))のp値を使用した。この実験の結果を図5及び下記表1に示す。
Figure 2008500282
DA=酢酸デオキシコルチコステロン、11−DC=11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、AS=アルドステロン、FA=酢酸フルドロコルチゾン、DS=デオキシコルチコステロン
11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)を4mg/ml投与すると、滲出反応が37%減少し(p<0.03)、酢酸デオキシコルチコステロンを4mg/ml投与すると、滲出反応が47%減少し(p<0.03)、酢酸フルドロコルチゾンを4mg/ml投与すると、滲出反応が34%減少し(p<0.03)、デオキシコルチコステロンを4mg/ml投与すると、滲出反応が37%減少した(p<0.03)。アルドステロンの結果は、非常に変わりやすく、11−デオキシコルチコステロンの結果は、滲出反応が減少を示さなかった。
実施例6
ミネラルコルチコイドが網膜細胞、特に、網膜色素上皮(RPE)細胞及び脈絡膜内皮(CE)細胞での滲出を制御する遺伝子のレギュレーションに作用するかどうかを決定するために、リアルタイム競合PCR法を初期継代のマウス及び非ヒト霊長類細胞の両方に対して行った。
リアルタイム競合PCR法は、Sequence Detection System (SDS)ソフトウエア バージョン1.6.3を装備したABI PRISM(R) 7700 Sequence Detection System(PEアプライド・バイオシステムズ)で96ウェルマイクロタイタープレートフォーマットを使用して行われた。
PCRを、製造業者のプロトコルを多少変更して、選択した遺伝子プローブ及びTaqman(R) PCR master mixに対して特異的な、各試料のcDNAを250ng使用して行った。血管形成及び浮腫に関連するマウス及びヒト遺伝子の両方に対するプライマー及びプローブは、Taqman(R),Assays−On−Demand(R)(PEアプライド・バイオシステムズ、米国)から得た。内因性対照としてQuantum RNA classic II 18S Internal Standard(Ambion)を使用した。18Sは、プライマーとcompetimer(R)との比、プライマー:competimer(R)=1:4を全ての実験で使用した。
RPE及びCE遺伝子発現を標準化及び評価するために、網膜色素上皮細胞及び脈絡膜内皮細胞から調製したcDNAの部分標本(250ng)を、全PCR反応でテンプレートとして使用した。全ての実験は3回行った。リアルタイム競合PCRのサイクルは、55℃で2分間、95℃で10分間行った後95℃で30秒間、60℃で30秒間、及び72℃で2分間のサイクルを40回行った。
相対的な定量化値は、信号(PCR産物の指数関数的増加と関連する)の増加がSDSソフトウエアを使用して検出されるしきい値サイクル(C)数から得られた。3つのPCRが、各試料/プライマーセットに対して実行し(n=3)、平均実験値を相対的な定量値として使用した。全プローブに対して、増幅特異性が製造業者により確認され、反応産物は3%のアガロースゲルで分離し、PCR産物の目視確認のためにエチジウムブロマイドで染色した。
比較C(ΔΔC)方法によるデータ分析
値は、最適値(最適ΔRn)ラインを越えるレポーター蛍光(ΔRn)の増加が最初に検出されるPCRサイクルを表す。比較C(ΔΔC)方法の計算(Brink N他 Comparative quantification of IL−1β, IL−10, Il−10r, TNFα and IL−7 mRNA levels in UV−irradiated human skin in vivo. Inflamm Res.2000;49:290−296)。全ての遺伝子及び18S rRNAの平均C値は、3回反復のそれぞれから計算し、これは、全て異なる実験に用いられる。最終的に、平均C値は、各細胞試料実験に対する3つの平均C値から計算される。ΔC値は、平均MR1 Ct値から対応する平均18S Ct値を引くことで求まる。異なる標準偏差は、目的遺伝子及び対応する18S値の標準偏差から計算される。ΔΔC値は、ΔC試料値からC参照値を引くことで求まり、これは、2−ΔΔC 方法として知られる。これは、任意定数の引き算であり、ΔΔCの標準偏差は、ΔC値の標準偏差と類似する。対応標準遺伝子、未処理遺伝子と比較して目的遺伝子の任意値は、上記の式2−ΔΔC を評価することで決定される。
実施例7
PDTに起因する浮腫を、Burke他(2004)ARVO要約に記載のベルテポルフィンを使用してDutch−beltedウサギ(n=6)に誘発する。
PDT処置は、1ml/分の速度で10分間のビスダイン(R)の静脈内注射(10mls、すなわち0.2mg/kg)からなる。そして、ベルテポルフィン注射から20〜25分間後PDTレーザー治療(689nm、83秒間、600mW/cm、50J/cm(Burke他、2004))で後極に2つの約1.5mmの点を生じさせる。
PDT処置から1〜2時間後、ミネラルコルチコイドを硝子体内注射する(0.1ml中に100μg〜200μg)。各動物の1つの目を「試験」眼とし、もう一方の目は「対照」眼とする。試験眼に0.1mlのミネラルコルチコイドを硝子体内注射し、一方では、対照眼に0.1mlのBSSを硝子体内注射する。浮腫は、処置から12時間、24時間、3日、及び6〜9日後に評価する。
評価は、蛍光眼底血管造影法、眼底検査及び網膜厚のOCT測定で行う。
本発明は、特定の好適な実施形態を参照して記載されるが、本発明の広義の原則の範囲内で多くの変更及び変形がなされることは当然のことである。よって、好適な実施形態並びにその変更及び変形の全ては、請求の範囲に定義するとおり本発明の範囲及び精神内に含まれることを意図する。
本発明は、添付の図面とともに詳細な記載を読むことで容易に理解される。
図1は、未処理細胞を、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)で処置した細胞、グルココルチコイドとしてトリアムシノロンアセトニドで処置した細胞、及びミネラルコルチコイドとしてフルドロコルチゾンで処置した細胞に対して比較する脈絡膜内皮細胞の蛍光活性化細胞選別(FACS)のデータを示す。 図2は、未処理細胞を、ミネラルコルチコイドとしてフルドロコルチゾンで処置した細胞、及び腫瘍壊死因子−αで処置した細胞に対して比較する脈絡膜内皮細胞の蛍光活性化細胞選別(FACS)のデータを示す。 図3は、ジメチルスルホキシド(DMSO)で処置した脈絡膜内皮細胞、ミネラルコルチコイドとしてフルドロコルチゾンで処置した細胞、及びグルココルチコイドとしてトリアムシノロンアセトニドで処置した細胞の経皮内電気抵抗(TER)を示す。 図4は、ジメチルスルホキシド(DMSO)で処置した網膜内皮細胞、ミネラルコルチコイドとしてフルドロコルチゾンで処置した細胞、及びグルココルチコイドとしてトリアムシノロンアセトニドで処置した細胞の経皮内電気抵抗(TER)を示す。 図5は、ウサギにおいて滲出反応を誘発する細菌内毒素に対するミネラルコルチコイド、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、酢酸デオキシコルチコステロン、アルドステロン、酢酸フルドロコルチゾン、及びデオキシコルチコステロンの効果を示すグラフである(11−DC=11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、DA=酢酸デオキシコルチコステロン、AS=アルドステロン、FA=酢酸フルドロコルチゾン、DS=デオキシコルチコステロン)(平均n=5;ウィルコクソンの符号付順位検定)。

Claims (87)

  1. 眼症状を患う個体の治療方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、治療する個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程を含むことを特徴とする眼症状を患う個体の治療方法。
  2. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、抗浮腫性ステロイドである請求項1に記載の方法。
  3. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、ミネラルコルチコイドである請求項1に記載の方法。
  4. 前記化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではない請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物であるが、前記化合物は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療に使用されない請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス、並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記眼症状は、滲出性網膜症である請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. 患者における滲出性網膜症の予防又は治療的処置方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、滲出性網膜症の患者の細胞又は組織に若しくは近傍に投与する工程
    を含み、前記細胞又は組織は、網膜細胞、網膜色素上皮細胞、BRB上皮細胞、及び脈絡膜内皮細胞を含む群から選択されることを特徴とする患者における滲出性網膜症の予防又は治療的処置方法。
  9. 網膜の後部領域でのBRB破壊から生じる病気の治療方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、病気に対して個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程
    を含むことを特徴とする網膜の後部領域でのBRB破壊から生じる病気の治療方法。
  10. 前記病気は、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫、及び滲出性黄斑変性等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫を含む群から選択される請求項9に記載の方法。
  11. 前記化合物は、前記患者に硝子体内注射により投与される請求項8及び9のいずれかに記載の方法。
  12. 第1眼に眼症状があり、第2眼には眼症状がない個体の予防処置方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の第2眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程
    を含むことを特徴とする第1眼に眼症状があり、第2眼には眼症状がない個体の予防処置方法。
  13. 前記予防投与される化合物は、抗浮腫性ステロイドである請求項12に記載の方法。
  14. 前記予防投与される化合物は、ミネラルコルチコイドである請求項12に記載の方法。
  15. 前記網膜にレーザー治療を行う工程を更に含む請求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 眼症状を患う個体の治療方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程
    を含み、前記化合物は、下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである:
    Figure 2008500282
    式中、RはCH,CH=O,CHOH,CR=O,CHNH,COCHCH,NOX又はCHXであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,=O,NH又はCNである;
    はH,CH又はCHOHである;
    はH,F又はClである;
    はH,OH,=O,SH,NH,CN,NO,CH,CHOH,CH=O,X,CHX,OR,OCOR,OPO(OR),=CH又はCHRであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,CH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,CH,アルキル,Ph,X,OCH,OR,SCOCH,SCOR,OCOR,CHOH,CHX,CH=O,CR=O又はNHCORであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,CH,CHCH,SH,NH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,SH,NH,CH,CHCH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
    10はH,OH,CH,CHCH,SH,NH,CHOH,CHCHOH,OR,OCOR,OPO(OR),NHCOR CH=O,X又はCHXであり、XはF,Cl,Brである;並びに
    前記化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用されることを特徴とする眼症状を患う個体の治療方法。
  17. 前記眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される請求項16に記載の方法。
  18. 眼症状を患う個体の治療方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程
    を含み、前記化合物は、下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである:
    Figure 2008500282
    式中、RはCH,CH=O又はCOCHCHである;
    はH,OH,又は=Oである;
    はH,CH又はCHOHである;
    はH,又はFである;
    、R及びRはHである;
    はH,又はOHである;並びに
    前記化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用されることを特徴とする眼症状を患う個体の治療方法。
  19. 前記眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される請求項18に記載の方法。
  20. 眼症状を患う個体の治療方法であって、
    ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、個体の眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内に投与する工程
    を含み、前記化合物は、下記一般構造式で現されるミネラルコルチコイドである:
    Figure 2008500282
    式中、Aは、O,S,NH,CH,CHOH,C=O,CHX,CHCH,CHCH,OCH,SCH,NHCH,NRCH,NCORであり、XはF,Cl,Brである;
    Bは、H,OH,SH,HN,CH3,CHOH,CHCHOH,CH=O,X,CHX,OR,OCOR,OPO(OR),NHCORであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,CH,CH=O,CHOHである;
    はH,F又はClである;
    はH,CH又はXであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,CH,アルキル,Ph,X,OCH,SH,NH,OR,SCOCH,SCOR,OCOR,CHOH,CHX,CH=O,CR=O,SR又はNHCORであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,CH,CHCH,OH,SH,NH,又はXであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,SH,NH2,CHCH,CH,又はXであり、XはF,Cl,Brである;
    はH,OH,SH,NH,NO2,CH=O,CH,COH,CN,CHCH,CHX,又はXであり、XはF,Cl,Brである;並びに
    前記化合物は、米国特許第6,011,023号明細書に開示される化合物ではなく、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼疾患の治療又は予防に使用されることを特徴とする眼症状を患う個体の治療方法。
  21. 前記眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症を含む群から選択される請求項20に記載の方法。
  22. 前記化合物は、ヘミコハク酸ヒドロコルチゾン、リン酸ヒドロコルチゾンナトリウム、ヘミコハク酸メチルプレドニゾロン、ヘミコハク酸プレドニゾロン、及びコハク酸プレドニゾロンナトリウムを含む群から選択される請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  23. 前記化合物は、リン酸デキサメタゾンナトリウム、コハク酸ヒドロコルチゾンナトリウム、及びコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウムを含む群から選択され、治療又は予防する前記眼症状は、アレルギー性結膜炎、角膜炎、アレルギー性角膜辺縁潰瘍、脈絡網膜炎、視神経炎、前部虚血性視神経症、虹彩毛様体炎、虹彩炎、びまん性後部ぶどう膜炎、脈絡膜炎、交感性眼炎、前部炎症、及び眼部帯状疱疹を含む群から選択される眼症状以外である請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  24. 前記化合物は、酢酸デオキシコルチコステロン、ピバル酸デオキシコルチコステロン、酢酸デキサメタゾン、酪酸ヒドロコルチゾン、吉草酸ヒドロコルチゾン、ピバル酸プレドニゾロン、及びテブト酸プレドニゾロンを含む群から選択され、治療又は予防する前記眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  25. 前記化合物は、コルチゾン、酢酸コルチゾン、リン酸デキサメタゾンナトリウム、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、酢酸プレドニゾロン、リン酸プレドニゾロンナトリウム、プレドニゾン、及びリン酸プレドニゾンナトリウムを含む群から選択され、治療又は予防する前記眼症状は、アレルギー性結膜炎、角膜炎、アレルギー性角膜辺縁潰瘍、脈絡網膜炎、視神経炎、前部虚血性視神経症、虹彩毛様体炎、虹彩炎、びまん性後部ぶどう膜炎、脈絡膜炎、交感性眼炎、前部炎症、及び眼部帯状疱疹、非化膿性結膜炎、眼瞼炎、強膜炎、上強膜炎、ブドウ膜炎、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  26. 前記化合物は、アムシノニド、酪酸ブチラート(clocortolone butyrate)、フルニソリド、フルシノニド(flucinonide)、フルランドレノリド、フルチカゾン、プロピオン酸フルチカゾン、ハルシノニド、及びフランカルボン酸モメタゾンを含む群から選択される請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  27. 前記化合物は、プロピオン酸クロベタゾール、酪酸クロベタゾール、酪酸ブチラート(clocortolone butyrate)、ピバル酸クロベタゾン(clobetasone pivalate)、デソキシメタゾン、ジフロラゾン、酢酸ジフロラゾン、ジフルコルトロン、吉草酸ジフルコルトロン、フルメタゾン、ピバル酸フルメタゾン、フルオシノロン、フルオコルトロン、へキサン酸フルオコルトロン(fluocortolone hexanoate)、ピバル酸フルオコルトロン(fluocortolone pivalate)、フルオロメトロン、イソフルプレドン、酢酸イソフルプレドン、モメタゾンを含む群から選択され、治療又は予防する前記眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  28. 前記化合物は、リメキソロン(Rimexolone)及びフルオシノロンアセトニドを含む群から選択され、治療又は予防する前記眼症状は、前房炎症及び前部ブドウ膜炎、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  29. 前記化合物は、ミネラルコルチコイドであるアルドステロン又はその類似物、薬学的に許容可能な塩、コンジュゲート、若しくは誘導体である請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法。
  30. 前記化合物は、硝子体内でやや難溶性である請求項29に記載の方法。
  31. 前記化合物は、ミネラルコルチコイド類であるフルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン;11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone);酢酸デオキシコルチコステロン、並びにその類似物、薬学的に許容可能な塩、コンジュゲート、及び誘導体を含む群から選択され、治療又は予防する前記眼症状は、網膜疾患(糖尿病性網膜症、慢性緑内障、網膜剥離、鎌状赤血球網膜症、及び網膜下血管新生に起因する老人性黄斑変性症)、虹彩ルベオーシス、炎症性疾患、慢性ブドウ膜炎、新生物(網膜芽細胞腫、偽性神経膠腫)、Fuchs虹彩異色性虹彩毛様体炎、血管新生緑内障、角膜血管新生(炎症性、移植性、虹彩形成不全、角膜移植片血管新生)、硝子体茎切除術及び水晶体切除術併用後の血管新生、血管疾患(網膜虚血、脈絡膜血管機能不全、脈絡膜血栓症、頚動脈虚血)、翼状片、視神経血管新生、眼の貫通又は打撲による血管新生、及び後水晶体繊維増殖症を含む群から選択される眼症状以外である請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法。
  32. 前記化合物は、硝子体内でやや難溶性である請求項31に記載の方法。
  33. 前記眼症状は、層間角膜炎、角膜疾患すなわち滲出性又は炎症性成分による白濁化、近視性網膜症、様々な原因、例えば、糖尿病、滲出性黄斑変性、及び網膜のレーザー治療に起因する黄斑浮腫等から生じる臨床治療的黄斑浮腫、又は血管造影的嚢胞様黄斑浮腫等の黄斑浮腫、糖尿病性網膜症、加齢性黄斑変性、未熟児網膜症、網膜虚血、脈絡膜血管新生、及び網膜血管新生;前部ブドウ膜炎;レーシック、ラセック、屈折矯正手術、及びIOL移植等の手術に起因する炎症状態;白内障手術の合併症である回復不可能な角膜浮腫;障害又は外傷の後遺症である浮腫(物理的、化学的、薬理学的等);炎症;結膜炎(例えば、細菌、ウイルス、又はクラミジアによる感染による持続性アレルギー性、巨大乳頭、間欠的季節性アレルギー性、通年性アレルギー性、及び中毒性結膜炎);角膜結膜炎(春季カタル、アトピー性、乾燥性);虹彩毛様体炎;虹彩炎;強膜炎;上強膜炎;感染角膜炎;表在性点状角膜炎;円錐角膜;後部多形性角膜ジストロフィー;Fuchsジストロフィー(角膜及び内皮);無水晶体性及び偽水晶体性水疱性角膜症;角膜浮腫;強膜疾患;眼瘢痕性類天疱瘡;扁平部炎;ポスナーシュロスマン症候群;ベーチェット病;Vogt−小柳−原田症候群;超過敏反応;眼表面疾病;結膜浮腫;トキソプラズマ性網脈絡膜炎;眼窩炎性偽腫瘍;結膜浮腫;結膜静脈性鬱血;眼窩周囲蜂巣炎;急性涙嚢炎;非特異性血管炎;サルコイドーシス;並びにサイトメガロウイルス性感染症からなる群から選択される請求項29及び31のいずれかに記載の方法。
  34. 2つ以上の前記ミネラルコルチコイドが前記患者に投与される請求項1から34のいずれかに記載の方法。
  35. 個体における眼症状の治療方法であって、
    治療効果のある薬学的に許容可能な製剤を個体における眼症状に投与する工程
    を含み、前記製剤は、
    (a)ミネラルコルチコイド
    前記ミネラルコルチコイドは、
    (i)眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能;及び
    (ii)眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態;並びに
    (b)テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤からなる群から選択される眼血管新生の軽減に十分な濃度及び用量の少なくとも第2化合物
    の併用であることを特徴とする個体における眼症状の治療方法。
  36. 前記第2化合物は、ステロイドである請求項35に記載の方法。
  37. 前記ミネラルコルチコイドは、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/ml、及び前記ステロイドは、濃度が約0.1mg/ml〜約40mg/mlである請求項36に記載の方法。
  38. 前記方法で使用される前記ステロイドは、11−置換−16α,17α−置換メチレンジオキシステロイドである請求項36及び37のいずれかに記載の方法。
  39. 前記方法で使用する前記ステロイドはトリアムシノロンアセトニドである請求項38に記載の方法。
  40. 前記第2化合物は、へパリンである請求項35に記載の方法。
  41. 前記ミネラルコルチコイドは、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/ml、及び前記へパリンは、濃度が約0.01μg/ml〜約30mg/mlである請求項39に記載の方法。
  42. 前記第2化合物は、抗プロスタグランジン薬である請求項35に記載の方法。
  43. 前記抗プロスタグランジン薬は、フルルビプロフェンである請求項42に記載の方法。
  44. 前記ミネラルコルチコイドは、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/ml、及び前記抗プロスタグランジン薬は、濃度が約1μg/ml〜約10mg/mlである請求項42及び43のいずれかに記載の方法。
  45. 前記第2化合物は、抗菌薬である請求項35に記載の方法。
  46. 前記抗菌薬は、マクロライド系抗生物質である請求項45に記載の方法。
  47. 前記抗菌薬は、ミコフェノール酸である請求項45に記載の方法。
  48. 前記ミネラルコルチコイドは、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/ml、及び前記抗菌薬は、濃度が約20μg/ml〜約200μg/mlである請求項45から47のいずれかに記載の方法。
  49. 前記第2化合物は、テトラサイクリン誘導体である請求項35に記載の方法。
  50. 前記テトラサイクリン誘導体は、ドキシサイクリンである請求項49に記載の方法。
  51. 前記ミネラルコルチコイドは、濃度が約0.1μg/ml〜約40mg/ml、及び前記テトラサイクリン誘導体は、濃度が約0.01pg/ml〜約30mg/mlである請求項49及び50のいずれかに記載の方法。
  52. 前記化合物は、メタロプロテナーゼ阻害剤である請求項35に記載の方法。
  53. 前記ミネラルコルチコイドは、濃度が少なくとも約0.1μg/ml〜約40mg/ml、並びに前記メタロプロテナーゼ阻害剤は、眼血管新生を軽減するための濃度及び用量である請求項52に記載の方法。
  54. 個体における眼症状の治療方法であって、
    治療効果のある薬学的に許容可能な製剤を個体における眼症状に投与する工程
    を含み、前記製剤は、
    (a)ミネラルコルチコイド
    前記ミネラルコルチコイドは、
    (i)眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能;及び
    (ii)眼への送達に適した薬学的に許容可能な形態;並びに
    (b)テトラサイクリン誘導体、ステロイド、へパリン、抗菌薬、抗プロスタグランジン薬、及び/又はメタロプロテナーゼ阻害剤からなる群から選択される眼血管新生の軽減に十分な濃度及び用量の複数の化合物
    の併用であることを特徴とする個体における眼症状の治療方法。
  55. 前記ミネラルコルチコイドは硝子体内に蓄積され、投与量が約1mg〜約8mgである請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法。
  56. 前記投与量は、約4mgのミネラルコルチコイドである請求項55に記載の方法。
  57. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量を、眼内に位置する細胞又は組織内に含むことを特徴とする眼症状の治療又は予防用薬学的組成物。
  58. 前記化合物は、抗浮腫性ステロイドである請求項57に記載の組成物。
  59. 前記化合物は、ミネラルコルチコイドである請求項57に記載の組成物。
  60. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、アルドステロン、又は薬学的に許容可能な添加剤と一緒に用いるその薬学的に許容可能な類似物、塩、コンジュゲート、若しくは誘導体である請求項57から59のいずれかに記載の組成物。
  61. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、酢酸デオキシコルチコステロン、並びに薬学的に許容可能な添加剤と一緒に用いるその薬学的に許容可能な類似物、塩、コンジュゲート、及び誘導体を含む群から選択される請求項57から59のいずれかに記載の組成物。
  62. 滲出性網膜症の治療又は予防用薬学的組成物であって、
    治療に有効な量のミネラルコルチコイドは、フルドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン;デオキシコルチコステロン、11−デソキシコルチゾン(11−desoxycortisone)、酢酸デオキシコルチコステロン、並びに薬学的に許容可能な添加剤と一緒に用いるその薬学的に許容可能な類似物、塩、コンジュゲート、及び誘導体を含む群から選択されることを特徴とする滲出性網膜症の治療又は予防用薬学的組成物。
  63. 眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内で前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の治療に有効な量、及び少なくとも薬学的に許容可能な添加剤を含む、請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法で使用する薬学的組成物又は製剤。
  64. 前記化合物は、抗浮腫性ステロイドである請求項63に記載の組成物。
  65. 前記化合物は、ミネラルコルチコイドである請求項63に記載の組成物。
  66. 前記薬学的に許容可能な添加剤は、キャリア、添加剤、賦形剤、並びに無毒性、非治療的、及び非免疫原性安定化剤等を含む群から選択される請求項63から65のいずれかに記載の組成物。
  67. 前記薬学的に許容可能な添加剤は、硝子体との親和性を有し、及び前記眼内に視力を低下させる残留物を残さない請求項63から65のいずれかに記載の組成物。
  68. 前記組成物内で使用される前記薬学的に許容可能な添加剤は、硝子体内蓄積注射として前記薬学的組成物の送達に適する請求項63から65のいずれかに記載の組成物。
  69. 前記組成物中で使用される前記薬学的に許容可能な添加剤は、軟膏、ゲル、ミスト又は点眼薬として前記薬学的組成物の送達に適する請求項63から65のいずれかに記載の組成物。
  70. 光線力学療法、レーザー手術(例えば、レーシック、ラセック、屈折レーザー治療)、レーザー光凝固術、及び1つ以上の生物学的又は薬学的治療を含む群から選択される1つ以上の他の治療を行う工程を更に含む請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法。
  71. 前記レーザー治療は網膜の治療であり、及びレーザー治療後に前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物が注射により投与される請求項70に記載の方法。
  72. 前記レーザー治療は網膜の治療であり、及び前記レーザー治療前に前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物が注射により投与される請求項70に記載の方法。
  73. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、内皮細胞のVEGFの活動を阻害するように設計された抗血管新生薬と共に注射される請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法。
  74. 前記抗血管新生薬は、ルーセンティス(R)及び/又はマキュジェン(R)である請求項73に記載の方法。
  75. 前記化合物は、抗浮腫性ステロイドである請求項73及び74のいずれかに記載の方法。
  76. 前記化合物は、ミネラルコルチコイドである請求項73及び74のいずれかに記載の方法。
  77. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、眼症状の治療のためにグルココルチコイド(プレドニゾロン、プレドニゾン等)、エストロゲン(エストロジオール等)、アンドロゲン(テストステロン等)、レチノイン酸誘導体(9シスレチノイン酸、13トランスレチノイン酸、オールトランスレチノイン酸等)、ビタミンD誘導体(カルシポトリオール、カルシポトリエン等)、非ステロイド系抗炎症薬、ビタミンD誘導体、抗感染薬、プロテインキナーゼC阻害剤、MAPキナーゼ阻害剤、抗アポトーシス薬、成長因子、栄養ビタミン、不飽和脂肪酸、及び/又は眼球用抗感染薬と共に注射される請求項1から3、16、18及び20のいずれかに記載の方法。
  78. 前記化合物は、抗浮腫性ステロイドである請求項77に記載の方法。
  79. 前記化合物は、ミネラルコルチコイドである請求項77に記載の方法。
  80. いつでも硝子体内注射可能な1単位用量を含む事前調製シリンジの形態である請求項57から68のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とするキット。
  81. 眼症状の治療用薬物の製造において、眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の使用。
  82. 眼症状の治療用薬物の製造において、ミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩等の抗浮腫性ステロイドの使用。
  83. 眼症状の治療用薬物の製造において、眼症状を治療又は予防するために眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の使用。
  84. 眼症状の治療用薬物の製造のために
    (a)眼症状の治療又は予防のために、眼内若しくは近傍に位置する細胞又は組織内でミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物;及び
    (b)ステロイド、へパリン、テトラサイクリン誘導体、抗プロスタグランジン薬、大環状抗生物質、メタロプロテナーゼ阻害剤、又は内皮細胞のVEGF活動を阻害するように設計された抗血管新生薬を含む群から選択される第2化合物
    の使用。
  85. 個体における滲出性網膜症の治療用薬物の製造において、ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物の使用。
  86. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、抗浮腫性ステロイド又はその薬学的に許容可能な塩である請求項85に記載の使用。
  87. 前記ミネラルコルチコイド受容体活性を調節可能な化合物は、ミネラルコルチコイド又はその薬学的に許容可能な塩である請求項85に記載の使用。
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