JP2007500250A5 - - Google Patents

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病的な眼の新脈管形成を処置するための非ステロイド性抗炎症剤の処方物
本願は、米国仮特許出願第60/478,227号(2003年6月13日出願)および同第60/478,252号(2003年6月13日出願)の優先権を主張する。
本発明は、病的な眼の新脈管形成および/または網膜浮腫もしくは網膜下浮腫によって特徴づけられる眼の疾患の予防および処置に関する。特に、本発明は、このような眼の新脈管形成および関連する網膜浮腫もしくは網膜下浮腫を処置するための、非ステロイド性抗炎症剤(NSAI)単独の特定の処方物および非ステロイド性抗炎症剤と酢酸アネコルタブとを組み合わせた処方物の使用に関する。
(発明の背景)
新たな血管の形成(新脈管形成または新生血管形成)を阻害することが公知の多くの薬剤が存在する。例えば、ヘパリンまたは特定のヘパリンフラグメントの存在下で、新脈管形成を阻害するように機能するステロイドは、Crumら,A New Class of Steroids Inhibits Angiogenesis in the Presence of Heparin or a Heparin Fragment,Science,Vol.230:1375−1378,December 20,1985に開示される。この著者らは、このようなステロイドを「血管形成抑制(angiostatic agent)」ステロイドとよんでいる。血管形成抑制性であることが見出されたこのクラスのステロイド内には、コルチゾールおよびコルテキソロンのジヒドロ代謝産物およびテトラヒドロ代謝産物が含まれる。これらのステロイドが新脈管形成を阻害する機構に関する仮定の試験に関する追跡研究において、ヘパリン/血管形成抑制性ステロイド組成物が、足場依存性内皮細胞が接着する基底膜足場形成の崩壊を引き起こし、毛細管退縮(capillary involution)を生じることを示した;Ingberら,A Possible Mechanism for Inhibition of angiogenssis by Angiostatic Steroids:Induction of Capillary Basement Membrane Dissolution,Endocrinology,Vol.119:1768−1775,1986を参照のこと。
新脈管形成を阻害するにあたって有用なテトラヒドロステロイドの群は、米国特許第4,975,537号、Aristoffらに開示される。この化合物は、頭部外傷、脊髄損傷、敗血性ショックまたは外傷性ショック、発作、および出血性ショックを処置することにおける使用について開示される。さらに、本特許は、胚移植、ならびに癌、関節炎、および動脈硬化症の処置におけるこれらの化合物の有用性を開示する。Aristoffらに開示されるステロイドのいくつかは、温血動物における新脈管形成を阻害するために、ヘパリンまたはヘパリンフラグメントと組み合わせて、米国特許第4,771,042号に開示される。
ヒドロコルチゾンの組成物である、「テトラヒドロコルチゾール−S」およびU−72,745G(これらは各々、βシクロデキストリンと組み合わせられている)は、角膜新生血管形成を阻害することが示された:Liら,Angiostatic Steroids Potentiated by Sulphated Cyclodextrin Inhibit Corneal neovascularization,Investigative Ophthalmology and Visual Science,Vol.32(11):2898−2905,October,1991。ステロイド単独では、いくらか新生血管形成を減少させるが、新生血管形成の退縮をもたらすにあたって、単独では有効でない。
テトラヒドロコルチゾール(THF)は、Folkmanら,Angiostatic
Steroids,Ann.Surg.,Vol.206(3),1987において血管形成抑制性ステロイドとして開示された。ここで血管形成抑制性ステロイドは、異常な新生血管形成によって特徴づけられる疾患(糖尿病性網膜症、血管新生緑内障、および水晶体後線維増殖症が挙げられる)のための潜在的用途を有し得ることが示唆される。
滲出性または湿潤性の加齢性黄斑変性(AMD)および増殖性糖尿病性網膜症(PDR)は、病的な眼の新脈管形成によって特徴づけられ、先進国における後天性失明の最も一般的な原因である。滲出性AMDにおける異常な新血管増殖は、網膜色素上皮(RPE)および神経感覚部の網膜の下の脈絡毛細管板から誘導される。この新脈管形成は、脈絡膜新生血管またはCNVといわれている。このタイプの新脈管形成は、ブルーフ膜を通して増殖し得、RPEと光受容体との間の潜在的空間に侵入する。しばしば、脆弱なCNVは、流体、血液成分を漏らし、明白な出血をもたらし得る。従って、CNVの間に、流体蓄積は、網膜下といわれる。対照的に、PDRにおける異常な新血管増殖は、網膜毛細管から拡がって(emminate)、内部網膜(inner retina)から硝子体液(すなわち、網膜前方NV)へと増殖する。滲出性AMDにおいても、これらの病的血管が液体を漏出して、網膜内出血および硝子体出血をもたらし得る。さらに、糖尿病患者は、正常な網膜毛細管から高められた脈管透過性を経験し得、黄斑浮腫といわれる状態がもたらされる。
真性糖尿病は、種々の器官の微小血管系内で可逆性および不可逆性の病理的変化を生じる持続性の高血糖症により特徴づけられる。糖尿病性網膜症(DR)は、従って、網膜の微小血管の疾患であり、病期のカスケードとして現れ、重篤度のレベルおよび視力の悪化が増大する。糖尿病性網膜症の発症が報告されているいくつかの主要な危険因子としては、糖尿病の持続、血糖コントロールの質、および全身性高血圧症の存在が挙げられる。DRは、大きく、2つの主要な臨床段階に分けられている:非増殖性糖尿病性網膜症(NPDR)および増殖性糖尿病性網膜症(PDR)。ここで用語「増殖性」とは、網膜前方新生血管形成(NV)の存在に言及する。NPDRは、初期の「表面に出ない(background)」DRを含む、臨床的な下位分類の範囲を包含する。ここで前増殖性DRにより、網膜内で小さな多病巣変化(例えば、微細動脈瘤、斑点状出血、および神経線維層梗塞)が観察され、この前増殖性DRは、網膜前方NVの発生のすぐ前に起こる。糖尿病性黄斑浮腫は、NPDRまたはPDRのいずれかの間に見られ得るが、しばしば、NPDRの後期においても見られ、最も重篤な段階であるPDRの発症に向かう進行の予後指標である。
黄斑浮腫は、糖尿病患者における視力喪失の主な原因であるのに対して、網膜前方新生血管形成(PDR)は、法的盲の主な原因である。NPDRおよびその後の黄斑浮腫は、一部、網膜虚血と関連し、この網膜虚血は、持続性の高血糖症によって誘導される網膜の微小血管症から生じる。動物モデルおよび経験的なヒト研究から蓄積されたデータにより、網膜虚血が、炎症促進性および/または脈管形成促進性の増殖因子およびサイトカイン(例えば、プロスタグランジンE2、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)など)の局所的レベルの増大としばしば関連することが示される。これらの分子は、網膜の微小血管系を変化させ得、病理学的変化(例えば、毛細管細胞外マトリクスリモデリング)および網膜血管漏出(浮腫をもたらす)、ならびに新脈管形成を引き起こし得る。
今日、何の薬理学的療法も、DRおよび/または黄斑浮腫の処置のために認可されていない。医療の現在の基準は、レーザー光凝固であり、これは、黄斑浮腫を安定化または散らすため、および網膜前方NVへの進行を遅らせるために使用される。レーザー光凝固は、健康な組織を破壊することによって網膜虚血を減少させ、それにより、代謝的需要を減少させ得る;これはまた、種々のサイトカインおよび栄養因子の発現および生成を調節し得る。残念なことに、レーザー光凝固は、細胞破壊的手順(cytodestructive procedure)であり、処置されるた眼の視野に、不可逆的に欠陥を生じさせる。糖尿病性黄斑浮腫以外には、網膜浮腫は、種々の他の後区疾患(例えば、後部ブドウ膜炎、網膜静脈側枝閉塞、外科的に誘導された炎症、眼内炎(無菌性および非無菌性)、強膜炎、および上強膜炎などにおいて観察され得る。
グルココルチコイドは、眼の後面の特定の障害を処置するための医療団体によって使用されてきた(特に:Kenalog(トリアムシノロンアセトニド)、Celestone Soluspan(フタル酸ベタメタゾンナトリウム)、Depo−Medrol(酢酸メチルプレドニソロン)、Decadron(リン酸デキサメタゾンナトリウム)、Decadron L.A.(酢酸デキサメタゾン)、およびAristocort(二酢酸トリアムシノロン))。これらの製品は、炎症性障害の処置のために、眼周囲からの注射を介して一般に投与される。有効かつ安全な治療がないので、硝子体内投与を介して、例えば、網膜浮腫および加齢性黄斑変性(AMD)の処置のためにグルココルチコイドを使用することにおいて興味が強くなってきている。Bausch & LombおよびControl Delivery Systemsは、黄斑浮腫の処置のために硝子体内インプラントを介して送達されるフルオシノロンアセトニドを評価している。Oculex Pharmaceuticalsは、持続性の黄斑浮腫のための硝子体内デキサメタゾンインプラントとして研究している。さらに、眼科医は、不応性の嚢胞性の糖尿病性黄斑浮腫の処置のために、および滲出性AMDのために、Kenalogの硝子体内注射で実験している。
グルココルチコイドは、多くの眼の症状を処置するにあたって非常に有効であるものの、入手可能な製品と関連した重大な副作用がある。副作用としては、眼内炎、白内障、および眼内圧上昇(IOP)が挙げられる。いくらかの副作用は、グルココルチコイド自体が原因であるが、あるものは、処方物および送達法における賦形剤が原因であり得るか、またはその賦形剤により悪化され得る。
NSAIの局所的な眼科的用途としては、外科手術の間の瞳孔拡大の維持、白内障摘出後およびアルゴンレーザー線維柱帯形成術後の炎症の制御が挙げられる。それらはまた、非外科手術的に誘導された眼の炎症性障害(例えば、アレルギー性結膜炎および放射状角膜切開もしくはエキシマレーザーによ処置の後の疼痛)のために使用される。いくつかの局所的な眼科用処方物が利用可能である:フルルビプロフェン(Ocufen(登録商標),Allergan)、ジクロフェナク(Voltaren(登録商標),Ciba Vision)、およびケトロラク(Acular(登録商標),Allergan)。Ophthalmic Drug Facts,1999,pp.82−83および90−93を参照のこと。
有害な反応を全く引き起こさないか、またはこのような反応を減少させつつ、病的な眼の、特に後区(posterior segment)内で、新生血管形成を処置するにおいて有効なNSAI処方物が必要である。さらに、眼の浮腫および/またはNPDRに罹患している個体を処置するために開発されたNSAIは存在しない。本発明の処方物は、このような必要性を満たす。
(発明の要旨)
本発明は、NSAI単独の処方物およびNSAIと酢酸アネコルタブとを組み合わせた処方物を用いて、病的な眼の新脈管形成が関連する、眼の疾患および障害の予防および処置に関する。本発明はさらに、網膜浮腫および/またはNPDRに罹患しているヒトを処置するためのNSAIの使用に関する。
(発明の詳細な説明)
後区新生血管形成(NV)は、先進国において後天的な失明の2つの最も一般的な原因:滲出性加齢性黄斑変性(AMD)および増殖性糖尿病性網膜症(PDR)である、視力を脅かす病理である。現在、滲出性AMDの間に生じる後区NVについての唯一の認可された処置は、レーザー光凝固またはVisudyne(登録商標)での光力学的治療である;両方の治療は、網膜に対して局所化レーザー誘導性損傷を生じる、罹患した血管系の閉塞を包含する。PDRを有する患者について、硝子体切除および網膜前方膜の除去による外科手術的介入は、現在利用可能な唯一の選択肢である。厳密には薬理学的処置は、後区NVに対する使用について認可されていないが、いくつかの種々の化合物が、臨床的に評価されており、これらの化合物としては、AMDについては、例えば、酢酸アネコルタブ(Alcon Research,Ltd.)、EYE 001(Eyetech)、およびrhuFabV2(Genentech)、ならびに滲出性AMDおよび/または糖尿病性黄斑浮腫については、LY333531(Lilly)およびフルオシノロン(Bausch & Lomb)が挙げられる。
病的な眼の新脈管形成(これは、後区NVを含む)は、開始刺激から異常な新毛細管の形成へと進行する、事象のカスケードとして起こる。滲出性AMDおよびPDR両方の誘導原因は、未だ未知のままであるが、種々の脈管形成促進性増殖因子の生成(elaboration)は、共通する刺激であるようである。可溶性の増殖因子(例えば、血管性内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFまたはFGF−2)、インスリン様増殖因子1(IGF−1)など)は、病的な眼の新脈管形成を有する患者から取り出された組織および流体において見出された。脈管形成カスケードの開始後に、毛細管基底膜および細胞外マトリクスは分解され、毛細管内皮細胞の増殖および移動が起こる。内皮細胞の芽(sprout)は吻合して、管を形成して、その後、開存性の内腔が形成される。この新たな毛細管は、通常、増大した脈管透過性または未熟なバリア機能に起因する漏出を有し、このことによって、組織浮腫がもたらされ得る。AMDにおいて、超透過性の脈絡膜毛細管およびCNVからの流体蓄積は、網膜内および/または網膜下に浮腫をもたらし(すなわち網膜下浮腫)、ここでDRにおいて、網膜毛細管の増大した脈管透過性は、網膜内浮腫をもたらす。成熟毛細管への分化は、連続的な基底膜の存在および他の内皮細胞と周皮細胞との間の通常の内皮細胞接合により示される;しかし、この分化プロセスは、しばしば、病的な状態の間に損なわれる。
病的な眼の新脈管形成および任意の関連する浮腫のための有効な薬理療法は、患者に対して実質的な効力を提供し、それにより、侵襲性外科手術的なまたは損傷を引き起こすレーザー手順を避ける。病的な眼の新脈管形成および浮腫の有効な処置は、患者の生活の質および社会での生産性を改善する。また、盲に対する援助および健康管理の提供と関連する社会的費用負担は、劇的に減少され得る。
本発明の方法に従って、局所投与のための、薬学的に受容可能なキャリア中にNSAI単独を含む組成物、または薬学的に受容可能なキャリア中にNSAIと酢酸アネコルタブとを組み合わせて含む組成物は、この組成物を必要とする哺乳動物に投与される。この組成物は、特定の望ましい投与経路のために、当該分野で公知の方法に従って処方される。
網膜浮腫、PPDRおよびNPDRを処置するための好ましいNSAIとしては、眼科用用途に適した市販されていないNSAIおよび市販のNSAI全てが挙げられる。これらのNSAIとしては、アムフェナク、ネパフェナク、および関連化合物(共有に係る米国特許第5,475,034号および同第4,910,225号(ともに本明細書に参考として援用される)に開示される)、ケトロラク、ジクロフェナク、およびフルルビプロフェンが挙げられるが、これらに限定されない。
この処方物は、局所的な眼への投与、硝子体内投与、強膜後方近接部(posterior juxtascleral)投与、または結膜下注射により、ならびに以下にさらに記載される移植デバイスを介して送達され得る。全ての引用される特許および刊行物は、本明細書に参考として援用される。
特に好ましい移植デバイスとしては、以下が挙げられる:種々の固体および半固体の薬物送達インプラント(非侵食性インプラント、非分解性のインプラントの両方を含む)(例えば、エチレンビニルアセテートを使用して作製されるもの)および侵食性または生分解性インプラント(例えば、ポリ無水物またはポリラクチドを用いて作られるもの)。薬物送達インプラント、特に、眼科用薬物送達インプラントは、一般に、少なくとも1つのポリマー成分によって特徴づけられる。多くの場合において、薬物送達インプラントは、1種を超えるポリマー成分を含む。
例えば、米国特許第5,773,019号は、眼に薬物を送達するための移植可能な制御放出デバイスを開示し、ここでの移植可能なデバイスは、有効量の低可溶性薬物を含む内部コアを有し、この低可溶性薬物は、低可溶性薬物に透過性の非生体侵食性ポリマーコーティング層により覆われている。
米国特許第5,378,475号は、徐放性薬物送達デバイスを開示し、このデバイスは、薬物を含む、内部コアまたはレザバ、薬物の通過に対して本質的に非透過性の第1のコーティング層、および薬物に透過性の第2のコーティング層を有する。この第1のコーティング層は、内部コアの少なくとも一部を覆うが、この内部コアの少なくとも一部は、第1のコーティング層で覆われない。この第2のコーティング層は、第1のコーティング層および内部コアのコーティングされていない部分を本質的に完全に覆う。
米国特許第4,853,224号は、生分解性の眼のインプラントを開示し、このインプラントは、前眼房および/または後眼房への移植のためのマイクロカプセル化薬物を含む。このポリマープカプセル化剤または液体カプセル化剤は、カプセルの主な要素である。
米国特許第5,164,188号は、眼の脈絡膜上での生分解性インプラントの使用を開示する。このインプラントは、一般にカプセル化されている。このカプセルは、大部分は、ポリマーカプセル化剤である。移動なしに脈絡膜上の所定の領域に配置されている材料(例えば、オキシセル(oxycel)、ゼラチン、シリコーンなど)もまた、使用され得る。
米国特許第6,120,789号は、とりわけ使用の中でも、動物における固体マトリクスのインサイチュ形成のためのアニオンポリマー組成物の使用、および医療用デバイスとして、もしくは生物学的に活性な薬剤のための徐放性送達システムとしての組成物の使用を開示する。この組成物は、生体適合性の、非ポリマー材料および薬学的に受容可能な有機溶媒から構成される。この非ポリマー組成物は、生分解性かつ/または生体侵食性であり、水性流体または体液中で実質的に不溶性である。この有機溶媒は、この非ポリマー材料を可溶化し、水、または混和性から分散性の範囲である他の水性媒体における可溶性
を有する。動物において移植部位に配置される場合、その非ポリマー組成物は、最終的に固体構造物に変わる。得られたインプラントは、動物に薬学的に有効な活性剤を送達するためのシステムを提供する。’789特許によれば、適切な有機溶媒は、生体適合性で、薬学的に受容可能な、この非ポリマー材料を少なくとも部分的に溶解するものである。この有機溶媒は、水に可溶性であり、その範囲は、混和性から分散性にまで及ぶ。この溶媒は、移植部位の水性の組織流体(例えば、血清、リンパ、脳脊髄液(CSF)、唾液など)に、インサイチュでこの組成物から拡散し得るか、分散し得るか、または侵出し得る。’789特許によれば、この溶媒は、好ましくは、約9〜13(cal/cm)1/2のHildebrand(HLB)可溶性比を有し、その溶媒の極性の程度は、水中で少なくとも約5%の可溶性を提供するために有効であることが好ましい。
侵食性または生分解性のインプラント中のポリマー成分は、眼の組織を通して輸送され、そして除去されるように、侵食または分解されなければならない。低分子量(4000以下のオーダー)の分子が、眼の組織を通して輸送され得、生分解の必要性も浸食の必要性もなく除去される。
本発明の処方物を送達するために使用され得る別の移植可能なデバイスは、米国特許第5,869,079号に記載される生分解性インプラントである。
本発明の処方物の強膜後方近接部への送達について、好ましいデバイスは、共有に係る米国特許第6,413,245 B1号(カニューレ)に開示される。
他の好ましい送達用デバイスは、他の共有に係る特許および特許出願に開示される:米国特許第6,416,777 B1号および同第6,413,540 B1号(強膜の外側表面に移植するためのデバイス)。
本発明の目的を果たす例示的なNSAI処方物は、以下の実施例1〜3に特に示される。この処方物は、以前に記載されたとおりに送達され得る。本発明の処方物は、約0.001〜4、好ましくは、0.01〜0.5の濃度のNSAI、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート、Tween、プルロニック、およびSpanとしても公知)を含み得る。イオン性界面活性剤もまた、使用され得る(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムまたは陰イオン性胆汁酸塩)。両性界面活性剤(例えば、レシチンおよび水素化レシチン)が使用され得る。pHは、5.0〜8.4まで変動し得るが、好ましくは、約6.8〜7.8である。他の適切な緩衝液系(例えば、クエン酸塩またはホウ酸塩)は、本発明の処方物中で使用され得る。異なる重量オスモル濃度調節薬剤もまた、使用され得る(例えば、塩化カリウム、塩化カルシウム、グリセリン、デキストロース、またはマンニトール)。特定の(しかし、全てではない)NSAIが、網膜浮腫、前増殖性糖尿病性網膜症(PPDR)および/または非増殖性糖尿病性網膜症(NPDR)の処置のために局所的に投与され得、特に、ネパフェナクが投与され得る。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すために含められる。以下の実施例に開示される技術が、本発明者らによって本発明の実施において十分に機能すると発見された技術を示し、よって、その実施に好ましい様式を構成すると考えられ得ることが、当業者に認識されるはずである。しかし、当業者は、本開示に鑑みて、多くの変更が、開示される特定の実施形態において行われ得、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、なお同様のまたは類似の結果が得られることを認識するはずである。
(実施例1)
Figure 2007500250

(実施例2)
Figure 2007500250

本発明はまた、血管形成抑制剤である酢酸アネコルタブ、または他の血管形成抑制剤と組み合わせて、NSAIを使用することを企図する。本明細書で使用される場合、酢酸アネコルタブとは、4,9(11)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20ジオン−21−酢酸およびその対応するアルコール(4,9(11)−プレグナジエン−17α,21−ジオール−3,20−ジオン)をいう。現在、酢酸アネコルタブは、AMDに付随する中心窩下脈絡膜新生血管形成に罹患しているヒトにおける使用について、臨床試験中である。この酢酸アネコルタブは、例えば、3〜30mgの酢酸アネコルタブ、好ましくは、15mgの酢酸アネコルタブを含むデポーでの強膜近傍での注射を介して送達され得る。これはまた、0.1%〜6%の範囲の濃度で局所的にまたは局的に送達され得る。このNSAI単独、または酢酸アネコルタブと組み合わせてのNSAIは、網膜浮腫、PPDRおよび/またはNPDRに罹患しているヒトを処置するために有用である。このNSAIおよび酢酸アネコルタブは、一緒に処方されて、投与されてもよいし、または別々に処方されて、投与されてもよい。以下の実施例は、好ましくは、強膜近傍に投与される。
(実施例3)
Figure 2007500250

(実施例4)
酢酸アネコルタブを、未熟児網膜症の仔ラットモデルにおけるその血管形成抑制の効力について試験した(Pennら,Investigative Ophthalmology&Visual Science,「The Effect of an Angiostatic Steroid on Neovascularization in
a Rat Model of Retinopathy of Prematurity」,Vol.42(1):283−290,January 2001)。新生仔ラットを、変動する酸素含有量の大気中に置いた。そのラットに、通常の部屋の空気(room air)に戻ったとき(14日目)または2日後(16日目)に、ビヒクルまたは酢酸アネコルタブ(500μg)の硝子体内注射を1回与えた。ビヒクル注射を受けたラットにおいて、有意な網膜新生血管形成が存在した。酢酸アネコルタブは、網膜新生血管形成を、14日目および16日目に(それぞれ)66%および50%、有意に阻害した。図1を参照のこと。
本明細書に開示され、特許請求の範囲において請求される組成物および方法は全て、本開示に鑑みて、過度の実験なくして作製されかつ実行される。本発明の組成物および方法は、好ましい実施形態に関して記載されてきたが、変形例が、これらの組成物および/または方法に、そして本明細書に記載される方法の工程において、またはその工程の順番において、本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく適用され得ることが当業者に明らかである。より具体的には、化学的にかつ構造的に関連した特定の薬剤が、本明細書に記載される薬剤に代わって置換されて、類似の結果が得られ得ることは、明らかである。当業者に明らかな全てのこのような置換および改変は、添付の特許請求の範囲によって規定される、本発明の趣旨、範囲および概念の範囲内にあると考えられる。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明の特定の局面をさらに示すために含まれる。本発明は、この図面を、本明細書に示される、以下の特定の実施形態の詳細な説明とともに参照することによって、よりよく理解され得る。
図1は、酢酸アネコルタブの局所投与が、酸素誘導性網膜症のラットモデルにおける網膜前方新生血管形成(血管新生スコア)を阻害することを示す。

Claims (7)

  1. 病的な眼の新脈管形成および任意の関連する浮腫を処置するための組成物であって、該組成物は、有効量の非ステロイド性抗炎症剤および血管形成抑制剤を含む組成物。
  2. 前記血管形成抑制剤は、酢酸アネコルタブである、請求項1に記載の組成物
  3. 前記非ステロイド性抗炎症剤は、ネパフェナクである、請求項1に記載の組成物
  4. 網膜浮腫または非増殖性糖尿病性網膜症に罹患している個体を処置するための組成物であって、該組成物は、有効量の非ステロイド性抗炎症剤を含む組成物
  5. 有効量の血管形成抑制剤をさらに含む、請求項4に記載の組成物
  6. 前記血管形成抑制剤は、酢酸アネコルタブである、請求項5に記載の組成物
  7. 前記非ステロイド性抗炎症剤は、ネパフェナクである、請求項4に記載の組成物
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