JP2008310989A - グロメット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車用ワイヤハーネスに外装した状態で車体パネルの貫通穴に係止するゴムまたはエラストマー製からなり、小径筒部と、該小径筒部に連続する薄肉の拡径筒部と、該拡径筒部の大径側先端に連続した軸直角方向に突出させた先端厚肉部と、該先端厚肉部と拡径筒部との間の外周面に環状に設けた車体係止凹部を備え、前記小径筒部側から前記貫通穴に挿入して車体係止凹部を車体パネルに係止するグロメットであって、前記拡径筒部の外周面に周方向に間隔をあけて、
前記小径筒部から車体係止凹部へ軸線方向に延在する複数の突条段部を設け、 前記突条段部の外面を結ぶ仮想外径D1が前記車体パネルの貫通穴の内径dより小さい位置に、各突条段部の外面にセンター位置確認用のリブを同心状に設けている。
【選択図】図1
Description
該ワンモーショングロメットは図7に示すように、該グロメット1は小径筒部2と、該小径筒部2に連続する拡径筒部3を備え、該拡径筒部3の大径先端側に車体係止凹部4を設けており、車体係止凹部4の溝4aを挟む両側壁は、大径先端側が垂直壁4bで、対向する小径側は傾斜壁4cとなっている。該グロメット1は、小径筒部2から拡径筒部3の中空部にワイヤハーネスW/Hを通し、小径筒部2の先端側でテープTにより固着している。
しかしながら、グロメット1を貫通穴Hに取付作業時に、図8(A)に示すように、エンジンルーム側(X)から小径筒部1aを貫通穴Hの中心線S0に対して斜め方向S1、S2に挿入したり、また、車室(Y)から引っ張る際に斜め方向S3、S4方向に引っ張ることがある。特に、エンジンルーム側(X)から車室側(Y)へと配索するエンジンハーネス(フロントハーネスとも称す)は電線量が多く重量があるため、該ワイヤハーネスに取り付けたグロメット1も強度を必要とするため、室内側から引っ張ってグロメット1の車体係止凹部4を貫通穴Hの周縁に係止する作業は大きな引張力を必要とするため、真っ直ぐな方向からずれることが多い。
グロメット1が斜め方向に挿入されたり、斜め方向に引っ張り込まれると、車体係止凹部4は貫通穴Hの周縁に片当たりで係止され、図8(B)に示すように、貫通穴Hの全周に車体係止凹部4が係止されずに、部分的に係止されない部分が発生する。この状態になると、防水、防塵性能が低下すると共に、車両振動等になりグロメット1が貫通穴Hから離脱する恐れもある。
前記した問題は、エンジンハーネスに限らず、車体パネルの貫通穴にグロメットを貫通して装着する箇所に発生する問題である。
前記拡径筒部の外周面に周方向に間隔をあけて、
前記小径筒部から車体係止凹部へ軸線方向に延在する複数の突条段部を設け、 前記突条段部の外面を結ぶ仮想外径D1が前記車体パネルの貫通穴の内径dより小さい位置に、各突条段部の外面にセンター位置確認用のリブを同心状に設けていることを特徴とするグロメットを提供している。
かつ、センター確認用のリブは、グロメットの突条段部が貫通穴の周縁に当接する位置より小径筒部側に設けていることで、作業者が斜め挿入に気が付いて挿入姿勢を矯正できる時点は、グロメットの突条段部が貫通穴の周縁に当接する前であるため、挿入姿勢の矯正をスムーズにでき、グロメットに損傷を発生させないと共に作業者に負担をかけない。
前記小径筒部から車体係止凹部へ軸線方向に延在する複数の突条段部を設け、車体パネルの貫通穴の内周面には突条段部の外面を接触させ、接触面積を減少しているため、グロメットを貫通穴に装着するための挿入力を低減できる。
前記センター位置確認用のリブの先端を結ぶ仮想外径D1が貫通穴の内径dより大きくなると、グロメットが真っすぐに貫通穴に挿入された場合、センター確認用のリブの位置で貫通穴の周縁に接触して、この時点で挿入力が増加する。また、斜め姿勢に挿入されていることに気付いて挿入姿勢を矯正する際、グロメットを貫通穴の周縁に慴接させながら行う必要があるため、グロメットの外面に損傷が生じる恐れがあり、かつ、作業者に負担をかけることとなる。よって、センター位置確認用のリブの高さは、各突条段部のリブの先端を結ぶ仮想外径D1が貫通穴の内径dより小さくなるように設定している。
また、リブを突条段部の外面の周方向の全長に設けることで、より挿入姿勢の確認を容易としている。
前記突条段部の突出量は、前記貫通穴への挿通時に該貫通穴の内面との接触点となる位置までの位置は小径筒部側端を最大突出量として次第に薄くし、前記接触点で屈曲させて前記車体係止凹部の第2壁先端までは突出量は略一定とし、第2壁に達する先端近傍位置で周方向の溝を設けていることが好ましい。
このように、小径側では突条段部を密に配置すると、該小径筒部側に設ける前記センター位置確認用のリブ同士が近接し、該各リブと貫通穴との寸法の差異が容易となり、斜め挿入時の方向矯正の点でも有利となる。また、真っすぐに挿入する場合には、突条段部を密に配置しても、貫通穴の内周面に接触しないため、挿入力の増加とはならない。
また、車体係止凹部側にむかって薄肉の窪み部の面積が大となるため、縮径方向に撓み易くなり、挿入力の低減を図ることができる。
本実施形態のグロメット10は、前記図8と同様に、エンジンルーム側(X)からダッシュパネルPの貫通穴Hに貫通するワイヤハーネスW/Hに外装するグロメット10に予め取り付けられるものである。
拡径筒部13の外周面に沿って、周方向に間隔をあけて、小径筒部11と連続する小径側より車体係止凹部14の第2壁14cの先端まで、軸線方向に延在する複数の突条段部20を突設している。該突条段部20は拡径筒部13の外周面より段状に厚肉に突出させ、言わばリブ形状としている。
本実施形態では8本の突条段部20を設け、各突条段部20は同一形状とし、周方向の幅Wは同一とし、小径筒部側端P1より車体係止凹部14の第2壁14cの先端点P2へと軸線方向に延在させている。
前記センター位置確認用のリブ21の高さは、各突条段部20のリブ21の先端を結ぶ仮想外径D1が前記貫通穴の内径dより小さくなるように設定している。
また、突条段部20の小径筒部11側端の先端では小径筒部11の外周面との間に溝27を設けて、小径筒部11の屈曲性を高めている。
よって、リブ21と貫通穴Hとの間の寸法Lが同一となるように、挿入直後に挿入姿勢を矯正できる。挿入しながらリブ21と貫通穴Hとの寸法を同一となるように注意しながら挿入することで、挿入姿勢を傾斜させずに、真っすぐな挿入姿勢としながら挿入することができる。
第2壁14cが貫通穴Hを通過すると、初期位置に弾性復帰し、第2壁14cと第1壁14aの間の溝14b内に貫通穴Hの周縁部が落し込まれる。この状態で、第2壁14cと第1壁14aの対向面が車体パネルPの両面に圧接し、かつ、貫通穴Hの内周面の溝底面に突設したリップ14eと圧接して、グロメット10は車体パネルPの貫通穴Hにシール状態で係止される。
さらに、突条段部20の間の各窪み部26が折り畳まれるように溝22、23を設けているため、周方向で均等に縮径され、かつ、溝25により第2壁14cを車体係止凹部内に倒れこみやすくしているため、低挿入力でグロメット10を車体パネルの貫通穴に係止することができる。
また、拡径筒部の大径側の分割小径筒部を無くしてもよいが、車体パネルの貫通穴にグロメットを装着した後の脱落を考慮すると、分割径筒部を設けてワイヤハーネスとテープ巻き固定しておくことが好ましい。また、グロメットにオプション部品用のケーブル挿通筒部を設けてもよい。さらに、貫通穴が楕円形状をなし、拡径筒部も断面楕円形状となるグロメットにも適用できることは言うまでもない。
H 貫通穴
10 グロメット
11 小径筒部
12 先端厚肉部
13 拡径筒部
14 車体係止凹部
14a 第1壁
14b 溝
14c 第2壁
20 突条段部
21 センター位置確認用のリブ
22、23、24、25、27 溝
Claims (3)
- 自動車用ワイヤハーネスに外装した状態で車体パネルの貫通穴に係止するゴムまたはエラストマー製からなり、小径筒部と、該小径筒部に連続する薄肉の拡径筒部と、該拡径筒部の大径側先端に連続した軸直角方向に突出させた先端厚肉部と、該先端厚肉部と拡径筒部との間の外周面に環状に設けた車体係止凹部を備え、前記小径筒部側から前記貫通穴に挿入して車体係止凹部を車体パネルに係止するグロメットであって、
前記拡径筒部の外周面に周方向に間隔をあけて、前記小径筒部から車体係止凹部へ軸線方向に延在する複数の突条段部を設け、前記突条段部の外面を結ぶ仮想外径D1が前記車体パネルの貫通穴の内径dより小さい位置に、各突条段部の外面にセンター位置確認用のリブを同心状に設けていることを特徴とするグロメット。 - 前記センター位置確認用のリブは前記突条段部の外面の周方向全長に設け、その高さは、各突条段部のリブの先端を結ぶ仮想外径D1が前記貫通穴の内径dより小さくなるように設定している請求項1に記載のグロメット。
- 前記車体係止凹部は溝底を挟んだ先端厚肉部側の高い第1壁と拡径筒部側の低い第2壁
を備え、第2壁を内方に撓ませて前記貫通穴を通過させる形状とし、かつ、
前記拡径筒部の外周面に設ける突条段部は6本以上とし、小径筒部との連続端より突出させると共に前記車体係止凹部の第2壁の突出端まで延在させ、各突条段部の周方向の幅は同一として軸線方向に延在し、
前記突条段部の突出量は、前記貫通穴への挿通時に該貫通穴の内面との接触点となる位置までの位置は小径筒部側端を最大突出量として次第に薄くし、前記接触点で屈曲させて前記車体係止凹部の第2壁先端までは突出量は略一定とし、第2壁に達する先端近傍位置で周方向の溝を設けている請求項1または請求項2に記載のグロメット。
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