JP2008310454A - 不適格者操縦抑制システム及び不適格者操縦抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動源付きの被操縦体を操縦するオペレータの交代を検知するオペレータ交代認識装置と、被操縦体の操縦に不適格なオペレータによる操縦を回避又は妨げる動作を行う不適格者操縦回避装置と、オペレータ交代認識装置及び不適格者操縦回避装置と通信可能なコントローラ20とを有し、コントローラ20は、オペレータ交代認識装置により駆動源駆動中におけるオペレータの交代が認識された場合には、不適格者操縦回避装置を作動させる。
【選択図】 図1
Description
操縦体を車両とした場合では、不適格者による不適格操縦として、例えば、飲酒運転、無免許運転などが挙げられ、この場合、道路交通法の法令違反となり、適正な走行は成立しない。
この種の飲酒運転防止システムでは、運行車両が、乗務員を特定する乗務員特定装置、乗務員の呼気中のアルコール濃度を検出するアルコール検出装置を備えている。
運行車両は通信手段を介して管理システムと通信可能であり、管理システムは乗務員の登録情報や運転可否判定基準情報等を格納したデータベース、運転の可否を判定する判定手段、運転否と判定された場合の運転継続を不可能とする措置を自動的に行う安全運行防護手段を備えている。
検出結果を管理システムに通知し、管理システムにより運転の可否を判定し、運転否と判定した場合は、安全運行防護手段により運転の継続を不可能とするようにする。
また、エンジンの始動時にのみ運転手の飲酒状況をアルコール検出装置により検出する飲酒運転防止システムであると、飲酒をしていない運転手がエンジンを始動して運転を開始し、その後、エンジンが未停止の状態で、飲酒している人が運転手として交代した場合には、飲酒運転防止システムが作動しないことから飲酒運転を抑制することができないおそれがあるが、この飲酒運転防止システムでは、車両のエンジンが未停止の状態で運転者が交代した場合、アルコール検出装置と別に設けられた室内アルコール濃度検出装置により、車両室内の雰囲気中におけるアルコール分の検出を行うようにしており、アルコール分の検出により運転否とした場合、管理システムが警告装置による警告を行い、運転者に知らせるようにしている。
この技術は、飲酒運転等、車室内の異常状態が発生したとき外部に異常状況を的確に報知する技術である。
ナンバープレートには、車室内の異常状態を外部に報知する警告灯を有する報知部が設けられており、報知部は異常状態検出部と接続された信号出力部と接続されている。
異常状態検出部は、運転着座検出器が運転者の着座を検出し、アルコール検出センサが酒気を検出したとき、判断部により飲酒運転による異常と判断して異常信号を出力する。
異常信号が出力されると、信号出力部で報知信号となり、報知部の警告灯が点灯あるいは点滅して外部への異常状態の報知が行われる。
オペレータの交代が認識されると、不適格者操縦回避装置の作動により、交代後のオペレータによる不適格者操縦が回避又は妨げられる。
なお、不適格者操縦回避装置は、オペレータによる不適格操縦の回避または妨げとなる動作を行う装置であり、例えば、オペレータの条件を検知する装置や、オペレータに対して警告を発する装置であればよい。
交代前のオペレータの撮像データと交代後のオペレータの撮像データを比較処理することにより、オペレータの交代の有無を判別することができる。
接触検知手段が物理的接触の有無を検知することにより、コントローラがオペレータの交代の有無を認識することができる。
以下、第1の実施形態に係る不適格者操縦抑制システムについて説明する。
第1の実施形態の不適格者操縦抑制システムは、具体的には、車両の飲酒運転を防止、あるいは抑制するための飲酒運転防止システムに適用した例である。
図1は、第1の実施形態に係る飲酒運転防止システムのシステム構成を示すブロック図であり、図2及び図3は飲酒運転防止システムにおける処理を示すフロー図である。
車両は被操縦体に相当し、エンジン19は被操縦体の駆動源に相当する。
飲酒運転防止システム10は、車両を運転するドライバHの交代を検知するドライバ交代検知装置と、ドライバHの呼気中に含まれるアルコールを検知するアルコール検知機構11と、各種情報を表示するディスプレイ16と、エンジン19を制御するエンジン・ユニット・コントローラ(以下「ECU」と表記する)18と、各部を制御する車載コントローラ20とを有する。
因みに、アルコール検知機構11は、不適格操縦抑制システムにおける不適格者操縦回避装置の一部を構成するアルコール検知手段に相当し、不適格者操縦回避装置は、酒気帯び等の操縦不適格なオペレータによる被操縦体の操縦を回避又は妨げる動作を行う装置である。
アルコールセンサ12は、ドライバHの呼気に含まれるアルコールを検知したとき、アルコールの検知を示す検知信号を車載コントローラ20へ伝達することができるように、車載コントローラ20と接続されているセンサである。
アルコールセンサ12は、公知のアルコールセンサを用いてもよく、また、アルコール濃度が一定値を超えたときに検知信号を発信したり、アルコール濃度に応じた検知信号を発信したりするアルコールセンサであってもよい。
この実施形態のアルコール検知機構11では、アルコールセンサ12が呼気を通すための導管(図示せず)内に設けられている。
これは、ドライバHの呼気を積極的に導管内に送り込むことにより、車室内の雰囲気中にアルコール分が含まれている場合(飲酒した同乗者が存在するケース)でも、車室内に含まれるアルコール分の影響をできるだけ小さくしようとするためである。
因みに、この実施形態におけるドライバ交代検知装置は、不適格操縦抑制システムにおける被操縦体を操縦するオペレータの交代を検知するオペレータ交代認識装置に相当する。
この実施形態のドライバ交代検知装置は、ドライバHとの物理的接触の有無を検知する接触検知手段としてのシートセンサ14と、シートセンサ14と連動してドライバHの同一性を確認するオペレータ認証手段としての車載カメラ15を有する。
シートセンサ14は、運転シート17へのドライバHの着座により所定以上の荷重を受けたときに非接触状態から接触状態となったことを示すON信号を車載コントローラ20へ伝達し、ドライバHの離席により荷重が解除されたときには、接触状態から非接触状態になったことを示すOFF信号を車載コントローラ20に伝達することができる構成となっている。
この実施形態のオペレータ認証手段は、シートセンサ14と連動して着座中のドライバHを撮像する車載カメラ15である。
車載カメラ15は、シートセンサ14のON信号を車載コントローラ20が受けたときに、ドライバHを撮影するように車載コントローラ20の制御を受けるように構成されている。
車載カメラ15は、被写体を撮像する撮像部(図示せず)と、各撮像データを比較して被写体の同一性を確認する処理部(図示せず)を有しており、車載カメラ15によるドライバHの同一性の確認結果を車載コントローラ20へ伝達することができる構成となっている。
このように、この実施形態では、シートセンサ14及び車載カメラ15がドライバ交代検知装置を構成する。
ディスプレイ16は各種情報を表示する表示装置であるが、異常を周囲に報知する警告手段でもある。
ディスプレイ16は、車載コントローラ20の制御により作動される構成となっており、アルコール検知機構11がドライバHの呼気中のアルコール分を検知し、車載コントローラ20がドライバHを運転不適格ドライバと認識したとき、車載コントローラ20の制御を受けて警告表示するほか、音声による警告を発声する。
警告手段としてのディスプレイ16は、アルコール検知機構11とともに、不適格操縦抑制システムにおける不適格者操縦回避装置の一部を構成する要素に相当する。
ECU18は公知のECUを用いてもよく、この実施形態のECU18は、車載コントローラ20の制御を受けることが構成を有している。
また、ECU18の機能を車載コントローラ20が含むようにして、ECU18と車載コントローラ20の一体化を図ってもよい。
因みに、車載コントローラ20は、不適格操縦抑制システムおいて、オペレータ交代認識装置及び不適格者操縦回避装置と通信可能なコントローラに相当する。
車載コントローラ20は、図示はしないが、各種のプログラムやデータを処理する処理部、データ及びプログラムを保存する記憶部、各機器と通信する通信部等を有する。
記憶部には、車載カメラ15により撮像されたドライバHの撮像データをデータベース化して格納し、必要に応じて撮像データを利用できるようにしている。
さらに、車載コントローラ20は、キーKを用いたエンジン始動時における信号の伝達を受けることができるように、イグニッションキーのキーユニット22からの伝達を受けることができる。
キーユニット22におけるキーKの操作に伴う信号等は、ECU18、あるいはエンジン始動のための機器に伝達されてもよい。
図2は、飲酒運転防止システムにおける一連の処理(S1〜S19)を示すフロー図であり、図2のフロー図の上段には、横方向に飲酒運転防止システムの構成要素が示されている。
ドライバHが運転シート17に着座するとシートセンサ14がON信号を発信し、ON信号は車載コントローラ20へ伝達される。
ドライバHがキーユニット22にキーKを差し込みエンジン始動側へ操作すると、エンジン始動指示の信号がキーユニット22から車載コントローラ20へ伝達される。
この時点で、車載コントローラ20はドライバHの存在とエンジン始動要求が存在することを認識する。
着座したドライバHとエンジン始動要求の存在が車載コントローラ20に認識されると、車載コントローラ20はアルコール検知機構11に対してアルコール検知指示を与えるほか、ディスプレイ16にアルコール検知を行う旨を表示する(図2におけるS1〜S6を参照)。
アルコール検知機構11が可動状態となったとき、車載カメラ15がドライバHを撮影してドライバHの撮像データを取得する(図2におけるS13を参照)。
このとき、取得した撮像データはドライバHの交代が認められた場合の再検知の際に利用されるデータである。
このとき取得した撮像データは車載コントローラ20の記憶部に保存される。
アルコール検知機構11の導管に対し、所定時間内に呼気の供給が行われないと、キーKによるエンジン始動の操作がリセットされて、車載コントローラ20におけるエンジン始動要求が解除される。
「アルコール非検知」を示す信号を車載コントローラ20へ伝達すると、車載コントローラ20では着座中のドライバHを運転適格ドライバであると判断し、エンジン始動の指示をECU18に伝達し、ECU18はエンジン19を始動する(図2におけるS7〜S16を参照)。
ディスプレイ16では飲酒検知警告指示に基づき、ドライバHや同乗者が認識できるような飲酒運転警告画面を表示するとともに、音声による警告を発声する(図2におけるS18、S19を参照)。
この場合、再び着座したドライバHが別人である可能性がある。
こうしたドライバ交代の場合、例えば、エンジン19を始動したドライバHが非飲酒状態で、エンジン19の始動後に交代したドライバHが酒気帯び状態である可能性がある。
こうしたエンジン始動後におけるドライバHの離席後の再着座では、ドライバHの交代の有無を確認して、交代後のドライバHにおいてアルコール検知を行うことが望ましい。
このため、接触状態から非接触状態となってシートセンサ14のOFF信号が車載コントローラ20へ伝達される。
OFF信号の伝達を受けた車載コントローラ20はドライバHの離席が認識される(図3におけるS20〜S22を参照)。
その後、ドライバHが運転シート17に着座することにより、シートセンサ14のON信号が車載コントローラ20へ伝達される。
車載コントローラ20は、ECU18との通信によりエンジン19が駆動中であることが認識されている。
車載コントローラ20は、エンジン駆動中におけるシートセンサ14のOFF信号と、OFF信号後のON信号の伝達を受けることにより、再着座したドライバHに対するアルコール検知の必要の可能性が存在することを認識する。
車載カメラ15は再着座したドライバHを撮像して撮像データを取得する。
車載カメラ15は、エンジン始動時に撮像した離席前のドライバHの撮像データを車載コントローラ20から呼び出し、再着座時に撮影した撮像データを画像処理して比較する(図3におけるS27〜S32を参照)。
撮像データの比較処理は、ドライバHの顔特徴を比較することによりドライバHの同一性を確認するプログラムにより処理される。
車載カメラ15が撮像データの比較処理によりドライバHの同一性を確認した場合、図3における「B」へ進み、警告を受けることなく車両を再発進させることができる。
このときのアルコール検知は、エンジン始動前に行ったプロセスと同じであり、アルコール検知機構11による検知の結果、アルコールが検知されなかった場合には、警告を受けることなく車両を再発進させることができる。
アルコールが検知されると、ディスプレイ16がドライバHや同乗者が認識できるような警告画面を表示するとともに、音声による警告を発声する。
これによりドライバH及び同乗者は飲酒運転による不適正運転を認識することができる。
このように、アルコール検知機構11が作動することや、ディスプレイ16による警告は、運転不適格なドライバHによる車両の運転を回避又は妨げている。
(1)飲酒運転防止システム10によれば、エンジン19が駆動している状態で、操縦するドライバHが運転適格者から運転不適格者に交代された場合、ドライバ交代検知装置であるシートセンサ14及び車載カメラ15によりドライバHの交代が認識され、アルコール検知機構11がアルコール検知を行ったり、ディスプレイ16が警告表示等を行ったりすることにより、交代後のドライバHによる不適格者操縦が回避又は妨げられる。また、エンジン19が駆動している状態でドライバHが交代されていない場合には、ディスプレイ16による警告表示等は行われることがない。
(4)アルコール検知機構11は、ドライバHの呼気の供給を受けてドライバHのアルコールを検知するから、例えば、車室内の雰囲気にアルコール分が含まれていてもドライバHのアルコール検知を正確に実施することができる。
(5)ドライバHの交代が疑わしい場合は、車載カメラ15がドライバの交代を確認するから、交代直後に運転不適格ドライバによる不適正な運転は直ちに実施し難く、しかも、車載カメラ15によりドライバの交代が確認されるとアルコール検知機構11によるアルコール検知が求められるから、さらに不適正運転は困難となる。
次に、第2の実施形態に係る不適正操縦抑制システムについて説明する。
この実施形態に係る不適格者操縦抑制システムも第1の実施形態と同様に、飲酒運転を防止あるいは抑制するための飲酒運転防止システムに適用した例である。
従って、第1の実施形態と共通する構成については符号を共通して用いるほか、共通する構成の説明については第1の実施形態の説明を援用する。
図4は、シートセンサを備えない第2の実施形態に係る飲酒運転防止システム30の構成を示すブロック図であり、図5及び図6は第2の実施形態に係る飲酒運転防止システムによる飲酒運転防止のフロー図である。
アルコール検知機構11と、ディスプレイ16と、ECU18と、車載コントローラ20の構成は、第1の実施形態に係る飲酒運転防止システム10と基本的に同一である。
車載カメラ31は、着座中のドライバHの撮像データを取得するカメラ機能と、撮像した複数のドライバHの画像データを比較処理してドライバHの同一性を認証する認証機能を有する。
さらに、運転シート17へのドライバHの着座と離席を認識する機能を有する。
まず、停止中のエンジン19をドライバHが始動するまでのフロー(図5におけるS101〜S118)までの過程での飲酒運転の防止あるいは抑制について説明する。
図5に示すように、車両を運転するドライバHが着座して、キーユニット22にキーKを差し込みエンジン始動側へ操作すると、エンジン始動指示の信号がキーユニット22から車載コントローラ20へ伝達される。
この時点で、車載コントローラ20はドライバHの存在とエンジン始動要求が存在することを認識され、車載コントローラ20はアルコール検知機構11に対してアルコール検知指示を与え、ディスプレイ16にアルコール検知を行う旨を表示する。
このとき、取得した撮像データはドライバHの交代が認められた場合の再検知の際に利用される。
アルコール分が検知された場合、「アルコール検知」を示す信号を受けた車載コントローラ20は、着座しているドライバHが運転不適格ドライバであると判断して飲酒運転の警告指示をディスプレイ16に伝達する。
ディスプレイ16では飲酒運転の警告指示に基づき、ドライバHや同乗者が認識できるような警告画面を表示するとともに、音声による警告を発声する。
図6はエンジン19の駆動中にドライバHが交代した場合の飲酒運転の防止あるいは抑制の一連の処理(S119〜S134)を示したフロー図である。
エンジン始動前のアルコール検知により「アルコール非検知」となりエンジン19の始動が許可され、エンジン19が駆動している状態では、車載カメラ31が所定時間毎にドライバHを撮影する(例えば1回撮影/2〜3秒)。
例えば、エンジン駆動中の状態でドライバHが離席すると、車載カメラ31はドライバHが存在しない撮像データを撮影することになる。
ドライバHが存在しない撮像データを認識したとき、車載カメラ31がドライバHの不在を認識する。
車載カメラ31では、ドライバHの不在を認識すると、次に着座するドライバHの撮像データを取得したときに、離席前のドライバHの撮像データと比較する処理を行うことができるプログラム上のステップに進む。
車載カメラ31による撮像データの比較により、離席前の撮像データと再び着座したドライバHの撮像データにおけるドライバHが同一と認証されると、車載コントローラ20に「ドライバ同一」を示す比較結果が伝達され、図6における「D」へ進むことになるから、この場合、警告を受けることなく車両の再走行が可能である。
この場合、図6における「C」へ進むことになるから、車載コントローラ20では、「ドライバ不一致」の結果に基づき、再着座したドライバHに対するアルコール検知を必要と認識し、アルコール検知機構11にアルコール検知を指示する。
このときのアルコール検知は、図5に示すように、エンジン始動前に行ったプロセスと同じであり、検知の結果、アルコールが検知されなかった場合には、警告を受けることなく車両を再発進させることができる。
アルコール検知によりアルコールが検知されると、ディスプレイ16がドライバHや同乗者が認識できるような飲酒運転警告画面を表示するとともに、音声による警告を発声する。
これによりドライバH及び同乗者は飲酒運転による不適正運転を認識することができる。
さらに言うと、飲酒運転防止システム30によれば、エンジン19が駆動している状態で、操縦するドライバHが運転適格者から運転不適格者に交代された場合、ドライバ交代検知装置である車載カメラ31によりドライバHの交代が認識され、アルコール検知機構11がアルコール検知を行ったり、ディスプレイ16が警告表示等を行ったりすることにより、交代後のドライバHによる不適格者運転が回避又は妨げられる。
ドライバ交代検知装置が、実質的に車載カメラ31であることから、車載カメラ31の使用のみでエンジン始動後におけるドライバHの交代を認識することができる。
次に、第3の実施形態に係る不適格者操縦抑制システムについて説明する。
この実施形態に係る不適格者操縦抑制システムも第1、第2の実施形態と同様に、飲酒運転を防止あるいは抑制するための飲酒運転防止システムに適用した例である。
従って、第1の実施形態と共通する構成については符号を共通して用いるほか、共通する構成の説明については第1の実施形態の説明を援用する。
図7は、車載カメラを備えない第3の実施形態に係る飲酒運転防止システムの構成を示すブロック図であり、図8は第3の実施形態に係る飲酒運転防止システムによる飲酒運転防止あるいは抑制の一連の処理(S201〜S223)を示すフロー図である。
アルコール検知機構11と、シートセンサ14と、ディスプレイ16と、ECU18と、車載コントローラ20の構成は、第1の実施形態に係る飲酒運転防止システムと基本的に同一である。
シートセンサ14は、運転シート17へのドライバHの着座と離席を認識する機能を有し、第1の実施形態のシートセンサと同じ機能を有する。
まず、停止中のエンジン19をドライバHが始動するまでのフローについて説明する。
車両を運転するドライバHが着座して、キーユニット22にキーKを差し込みエンジン始動側へ操作すると、エンジン始動指示の信号がキーユニット22から車載コントローラ20へ伝達される。
この時点で、車載コントローラ20はドライバHの存在とエンジン始動要求が存在することを認識され、車載コントローラ20はアルコール検知機構11に対してアルコール検知指示を与え、ディスプレイ16にアルコール検知を行う旨を表示する。
アルコール検知機構11により、アルコール分が検知されない場合は、「アルコール非検知」となり、車載コントローラ20では着座中のドライバHが運転適格ドライバと判断し、エンジン始動の指示をECU18に伝達し、ECU18はエンジン19を始動する。
アルコール分が検知された場合、「アルコール検知」を示す信号を受けた車載コントローラ20は、着座中のドライバHを運転不適格ドライバと判断して飲酒運転警告指示をディスプレイ16に伝達する。
ディスプレイ16では飲酒運転警告指示に基づき、ドライバHや同乗者が認識できるような飲酒運転警告画面を表示するとともに、音声による警告を発声する。
この場合、再び運転シート17に着座したドライバHが別人であったり、エンジン始動時と状態が違ったりする可能性がある。
こうしたドライバ交代の場合、例えば、エンジン19を始動したドライバHが非飲酒状態で、エンジン始動後に交代したドライバHが飲酒状態である可能性がある。
あるいは、同一ドライバHでありながらエンジン始動時には非飲酒状態で、エンジン駆動のままで離席し、再び着座したとき飲酒状態である可能性がある。
こうしたエンジン始動後におけるドライバHの離席後の再着座では、ドライバHの交代が存在するという前提で、交代後のドライバHのアルコール検知を行うことが望ましい。
車載コントローラ20では、ドライバHが離席したことが認識される。
その後、ドライバHが運転シート17に着座することによりシートセンサ14のON信号が車載コントローラ20へ伝達される。
車載コントローラ20は、ECU18との通信によりエンジン駆動中であることが認識されている。
車載コントローラ20が、エンジン駆動中におけるシートセンサ14のOFF信号と、OFF信号後のON信号の伝達を受けることにより、再着座したドライバHに対するアルコール検知の必要の可能性が存在することを認識する(図8におけるS218〜S223を参照)。
車載コントローラ20が、再着座したドライバHに対するアルコール検知の必要の可能性が存在することを認識した後、アルコール検知が実施される。
このときアルコール検知は、エンジン始動前に行ったプロセスと同じであり、検知の結果、アルコールが検知されなかった場合には、警告を受けることなく車両を再発進させることができる。
アルコール検知によりアルコールが検知されると、ディスプレイ16がドライバHや同乗者が認識できるような飲酒運転警告画面を表示するとともに、音声による警告を発声する。
これによりドライバH及び同乗者は飲酒運転による不適正運転を認識することができる。
さらに言うと、エンジン始動後においてシートセンサ14のOFF、ON信号の認識により、ドライバHが交代したことを前提としてアルコール検知が必ず実施されるから、酒気帯びドライバによる飲酒運転が回避又は妨げられることになり、飲酒運転による不適格運転の可能性がさらに小さくなる。
○ 上記の第1〜第3の実施形態では、いずれもドライバの酒気帯びの有無によりドライバの運転適格性を判断するようにしたが、オペレータの操縦適格性の対象は、酒気帯びの有無に限定されない。例えば、オペレータの健康状態や、資格条件を操縦適格性の対象としてもよく、この場合、予めオペレータの情報をデータ登録しておくことが好ましい。
○ 上記の第1〜第3の実施形態では、オペレータによる被操縦体の操縦を、ドライバによる車両の運転としたが、被操縦体は各種交通手段に適用が可能であるほか、例えばクレーンのような走行体でもよく、この場合、オペレータの交代についても操作ペンダントを交代することで認識するようにすればよい。
○ 上記の第1〜第3の実施形態では、ドライバからアルコールが検知されたとき、ディスプレイによる警告表示等を行うようにしたが、車載コントローラが運転不適格ドライバと認識したとき、例えば、エンジンを強制的に停止するようにしてもよい。コントローラが不適格オペレータを認識した後の処置は、操縦不適格なオペレータによる被操縦体の操縦を回避又は妨げる動作を行う処置であれば特に限定されない。また、不適格者操縦回避装置としてアルコール検知装置とディスプレイを例として説明したが、不適格者操縦回避装置は、被操縦体の操縦を回避又は妨げる動作に応じた手段や装置を選択することができる。
○ 不適格者操縦回避装置をアルコールセンサとしたが、不適格者操縦回避装置はアルコールセンサに限定されるものではない。不適格者操縦回避装置としては、例えば、ディスプレイ16に「飲酒運転厳禁!!」のような表示をするシステムで飲酒運転を妨げるようにしても良いし、現在は技術的には存在しないが、運転手の体内のアルコール分を中和する成分を含んだ気体を噴出して、飲酒をした運転手にその気体を吸わせることで体内のアルコールを無くすことで飲酒運転を回避できるような装置が将来的に完成すればそのような装置であってもよい。
11 アルコール検知装置
12 アルコールセンサ
13 ドライバ交代検知装置
14 シートセンサ(接触検知手段)
15 車載カメラ(オペレータ認証手段)
16 ディスプレイ(報知装置)
17 運転シート
18 ECU
19 エンジン
20 車載コントローラ(コントローラ)
22 キーユニット
31 車載カメラ(オペレータ交代検知装置)
K キー
H ドライバ
Claims (6)
- 駆動源付きの被操縦体を操縦するオペレータの交代を検知するオペレータ交代認識装置と、
前記被操縦体の操縦に不適格なオペレータによる操縦を回避又は妨げる動作を行う不適格者操縦回避装置と、
前記オペレータ交代認識装置及び前記不適格者操縦回避装置と通信可能なコントローラとを有し、
前記コントローラは、前記オペレータ交代認識装置により前記駆動源駆動中におけるオペレータの交代が認識された場合には、前記不適格者操縦回避装置を作動させることを特徴とする不適格者操縦抑制システム。 - 前記オペレータ交代認識装置が、撮影によりオペレータの撮像データを取得する撮像手段を有することを特徴とする請求項1記載の不適格者操縦抑制システム。
- 前記オペレータ交代認識装置が、オペレータとの物理的接触の有無を検知する接触検知手段を有することを特徴とする請求項1記載の不適格者操縦抑制システム。
- 前記オペレータ交代認識装置が、オペレータとの物理的接触の有無を検知する接触検知手段と、該接触検知手段と連動してオペレータの同一性を認証するオペレータ認証手段とを有することを特徴とする請求項1記載の不適格者操縦抑制システム。
- 前記不適格者操縦回避装置は、交代後のオペレータの呼気に含まれるアルコール濃度を検知するアルコール検知手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の不適格者操縦抑制システム。
- 駆動源付きの被操縦体を操縦するオペレータの交代を検知するオペレータ交代認識装置と、前記被操縦体の操縦に不適格なオペレータによる操縦を回避又は妨げる動作を行う不適格者操縦回避装置と、前記オペレータ交代認識装置及び前記不適格者操縦回避装置と通信可能なコントローラとを有し、
前記コントローラが、前記オペレータ交代認識装置により駆動源駆動中におけるオペレータの交代を認識したとき、前記不適格者操縦回避装置は、交代後のオペレータの適格性を確認し、
前記コントローラがオペレータの運転適格性を不適正と認識したとき、不適格者操縦回避装置は該オペレータによる操縦を回避又は妨げる動作を行うことを特徴とする不適格者操縦抑制方法。
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