JP2008305956A - 絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置 - Google Patents

絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置では、ターンオン時に発生するサージを抑えるためにゲート抵抗を大きくしていたが、スイッチング損失が増大する問題があった。
【解決手段】 第1ドリフト層22より高不純物濃度のn型の第2ドリフト層23と、p型のベース層24と、エミッタ層25が形成されたメインセル領域Rmと形成されないダミーセル領域Rdとを区画する第1トレンチ31aと、メインセル領域内の第2トレンチ31bと、第1トレンチ内の第1ゲート電極11aと、第2トレンチ内の第2ゲート電極11b等とを備えた半導体素子の駆動装置であって、第1ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第1ゲート駆動回路52aと、第2ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第2ゲート駆動回路52bと、第1ゲート電極へのゲート駆動信号の印加開始時刻を第2ゲート電極へのゲート駆動信号の印加開始時刻よりも遅延させる遅延手段53とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電荷蓄積層を備えた絶縁ゲート型半導体素子のターンオン時に発生するサージと損失を抑える技術に関する。
近年、ハイブリッド車両に用いられる、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)素子等により構成されたインバータ装置においては、小型化および低損失化が強く要請されており、高耐圧化や大電流化を図るとともに低損失化等の性能改善が行われてきている。
低損失化を実現するIGBT素子としては、例えば特許文献1に記載されるCSTBT(Carrier Stored Trench-Gate Bipolar Transistor)素子のように、キャリア蓄積層を備えたものがある。
また、前記CSTBT素子は、例えば図7に示すように、コレクタ電極112と、p型に構成されるコレクタ層121と、前記コレクタ層121上に形成されたn型の第1ドリフト層122と、前記第1ドリフト層122上に形成され、該第1ドリフト層122よりも高不純物濃度であるn型の第2ドリフト層123と、前記第2ドリフト層123上に形成されるp型のベース層124と、前記ベース層124に形成されたn型のエミッタ層125と、前記エミッタ層125上に形成されたエミッタ電極113と、前記エミッタ層125が形成された領域となるメインセル領域Rmと、前記エミッタ層125が形成されない領域となるダミーセル領域Rdとを区画する第1トレンチ131aと、前記メインセル領域Rm内に形成される第2トレンチ131bと、前記第1トレンチ131a内に形成され、絶縁膜132を介して少なくとも前記第2ドリフト層123およびベース層124と接する第1ゲート電極111aと、前記第2トレンチ131b内に形成され、絶縁膜132を介して前記エミッタ層125、第2ドリフト層124、およびベース層123と接する第2ゲート電極111bとを備えている。
このように構成されるCSTBT素子においては、前記コレクタ層121から注入された正孔(ホール)は、不純物濃度が高濃度に構成され前記正孔に対して抵抗として作用する前記第2ドリフト層123により、前記エミッタ電極113への排出が制限され、前記エミッタ層125からの電子の注入効率が向上することとなる。
これにより、前記第1ドリフト層122の伝導度変調が促進されてオン抵抗が低下し、CSTBT素子の損失低減を図ることが可能となっている。
ここで、前記CSTBT素子等のIGBT素子においては、一般的にターンオン時にスイッチングサージが発生することがあり、このサージの発生はコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)の大きさに依存するものとなっている。
このコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)の大きさに依存するサージ発生の理由について詳しく説明すると、次のようになる。
図8には、3相モータを駆動するインバータ装置を構成する複数対の上下IGBT素子Q1・Q2のうちの一対を示しており、該上下IGBT素子Q1・Q2はそれぞれ上下駆動回路を備えている。なお、図8においてL1・L2は、それぞれバスバーのインダクタ成分を示している。
このように構成されるインバータ装置における下IGBTQ2のターンオン動作について説明すると、まず図8に示す状態においては、下駆動装置のスイッチSWaがオフしてスイッチSWbがオンしており、下IGBTQ2がオフされているため、モータ電流が全て上IGBTQ1の上ダイオードD1に流れる転流状態となっている。
次に、図9に示すように、前記スイッチSWbをオフしてスイッチSWaをオンすると、下IGBTQ2のゲート電極に充電電流が流れ込み、下IGBTQ2が次第にオン状態に遷移していく。このように、下IGBTQ2がオンされることにより該下IGBTQ2にコレクタ電流が流れ始めることとなり、前記ダイオードD1に流れる電流が減少していく。
つまり、図11に示すように、下IGBTQ2のゲート電圧Vgeが上昇して、コレクタ電流Iceが増加するとともに、コレクタエミッタ電圧Vce(図9におけるA点の電位)が電源電位から低下していく。
その後、図10に示すように、下IGBTQ2が完全にオンして、前記モータ電流の全てが下IGBTQ2に流れるようになり、ダイオードD1に流れる電流がゼロとなって(図10におけるA点の電位が接地電位まで低下する)ターンオンが終了する。
前記下IGBTQ2はターンオン時にはこのような動作を行うが、この場合、前記下IGBTQ2のゲート電極への充電が急速になされるほど、前記コレクタ電流Iceが急速に上昇することとなるため、その変化率(dIce/dt)が大きくなる。
前記コレクタ電流Iceの変化率(dIce/dt)が大きくなると、前記インダクタ成分L1に発生する逆起電力(VL1=−L1×(dIce/dt))が大きくなって、前記ダイオードD1のアノードとカソードとの間に発生するサージ電圧が大きくなる。
このように、ターンオン時に下IGBTQ2のコレクタ電流Iceの変化率(dIce/dt)が大きくなることにより、サージ電圧が発生することとなっている。
また、下IGBTQ2のターンオフ動作について説明すると、まず、図12に示す状態においては、下駆動装置のスイッチSWaがオンするとともにスイッチSWbがオフしており、下IGBTQ2がオンしているため、モータ電流が全て下IGBTQ2に流れている状態となっており、前記A点の電位は略接地電位となっている。
この状態から、図13に示すように、前記スイッチSWaをオフするとともにスイッチSWbをオンすると、下IGBTQ2のゲート電極に蓄積されていた電荷が、該下IGBTQ2のゲート容量と下駆動回路の抵抗Rbとの時定数に応じて放電される。これにより、下IGBTQ2が次第にオフ状態に遷移していき、該下IGBTQ2のコレクタ電流が減少していく。
つまり、図15に示すように、下IGBTQ2のゲート電圧Vgeが下降して、コレクタ電流Iceが減少するとともに、コレクタエミッタ電圧Vce(図13におけるA点の電位)が接地電位から上昇していく。
その後、図14に示すように、下IGBTQ2が完全にオフして、前記モータ電流の全てが上IGBTQ1のダイオードD1に転流し、前記A点の電位が略電源電位まで上昇する。
ここで、前記時定数が小さいと、すなわち下IGBTQ2のゲート電極に蓄積された電荷の放出速度が速いと、前記コレクタ電流Iceが急速に減少することとなるため、その変化率(dIce/dt)が大きくなる。
前記コレクタ電流Iceの変化率(dIce/dt)が大きくなると、前記インダクタ成分L2に発生する逆起電力(VL2=−L2×(dIce/dt))が大きくなって、
下IGBTQ2のコレクタ−エミッタ間に発生するサージ電圧が大きくなる。
このように、サージの発生はコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)の大きさに依存しており、コレクタ電流の時間変化(dIce/dt)が大きくなると発生するサージ電圧が大きくなるが、このサージ電圧は、例えばゲート抵抗(ターンオン時においてはRa、ターンオフ時においてはRb)を大きくして、前記コレクタ電流Iceの変化率(dIce/dt)を小さくすることで減少させることができる。
しかし、単純にゲート抵抗を大きくしてコレクタ電流Iceの変化率(dIce/dt)を小さくした場合には、下IGBTQ2のスイッチング損失が増大することとなってしまう。
特開2004−153112号公報
前述のように、損失低減を図るために用いられるCSTBT素子においては、短絡耐量向上を目的として前記ダミーセル領域Rdを局所的に分散配置しているが、ターンオン時に前記第2ドリフト層123の影響により、該ダミーセル領域Rdで正孔キャリアが前記第1ドリフト層122とゲート電極111aとの界面に多量に蓄積され、該ゲート電極111a内に負電荷が生じることとなる。
この正孔キャリアと負電荷とにより微分容量が生じ、ゲート電位が変動することとなり、ターンオン時におけるコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)が大きくなる。
そして、ターンオン時に発生するサージは、前述のようにコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)の大きさに依存性があるため、コレクタ電流の時間変化(dIce/dt)が大きくなることで、サージが発生することとなる。
このサージの発生は、前述のように、ゲート抵抗を大きくすることで抑えることができるが、単純にゲート抵抗を大きくしてコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)を小さくした場合にはスイッチング損失が増大するため、損失低減を図ることを目的として用いたCSTBT素子の効果が薄れてしまうこととなる。
そこで、本発明においては、蓄積電荷が要因となって生じるサージの発生を抑えることができる、電荷蓄積層を備えた絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置を提供するものである。
上記課題を解決する絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置は、コレクタ電極と、第1導電型のコレクタ層と、前記コレクタ層上に形成された第2導電型の第1ドリフト層と、前記第1ドリフト層上に形成され、該第1ドリフト層よりも高不純物濃度である第2導電型の第2ドリフト層と、前記第2ドリフト層上に形成される第1導電型のベース層と、前記ベース層に形成された第2導電型のエミッタ層と、前記エミッタ層上に形成されたエミッタ電極と、前記エミッタ層が形成された領域となるメインセル領域と、前記エミッタ層が形成されない領域となるダミーセル領域とを区画する1または複数の第1トレンチと、前記メインセル領域内に形成される1または複数の第2トレンチと、前記第1トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して少なくとも前記第2ドリフト層およびベース層と接する第1ゲート電極と、前記第2トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して前記エミッタ層、第2ドリフト層、およびベース層と接する第2ゲート電極と、を備えた絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置であって、前記第1ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第1ゲート駆動手段と、前記第2ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第2ゲート駆動手段と、前記第1ゲート駆動手段からのゲート駆動信号の前記第1ゲート電極への印加開始時刻を、前記第2ゲート駆動手段からのゲート駆動信号の前記第2ゲート電極への印加開始時刻よりも遅延させる遅延手段とを備える。
これにより、ダミーセル領域の第1トレンチ付近に蓄積された正孔キャリアとゲート電極内に生じた負電荷とにより微分容量が発生したとしても、コレクタ電流の時間変化(dIce/dt)に対する寄与が非常に小さくなり、コレクタ電流の時間変化(dIce/dt)の急激な変動が抑えられるため、ターンオン動作時におけるサージの発生を抑制することができる。
また、請求項2記載の如く、前記遅延手段は、前記絶縁ゲート型半導体素子のコレクタ電極とエミッタ電極との間の電圧を検出する検出手段を備え、前記検出手段による検出電圧値が予め設定された所定値以下になると、前記第1ゲート電極へのゲート駆動信号の印加を開始する。
これにより、遅延手段として、遅延時間が固定値となるタイマを用いた場合に比べて、電圧値や電流値のばらつきによる変動に依存することがないため、確実にサージを抑制することが可能となる。
また、請求項3記載の如く、絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置コレクタ電極と、第1導電型のコレクタ層と、前記コレクタ層上に形成された第2導電型の第1ドリフト層と、前記第1ドリフト層上に形成され、該第1ドリフト層よりも高不純物濃度である第2導電型の第2ドリフト層と、前記第2ドリフト層上に形成される第1導電型のベース層と、前記ベース層に形成された第2導電型のエミッタ層と、前記エミッタ層上に形成されたエミッタ電極と、前記エミッタ層が形成された領域となるメインセル領域と、前記エミッタ層が形成されない領域となるダミーセル領域とを区画する1または複数の第1トレンチと、前記メインセル領域内に形成される1または複数の第2トレンチと、前記第1トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して少なくとも前記第2ドリフト層およびベース層と接する第1ゲート電極と、前記第2トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して前記エミッタ層、第2ドリフト層、およびベース層と接する第2ゲート電極と、を備えた絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置であって、前記第1ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第1ゲート駆動手段と、前記第2ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第2ゲート駆動手段と、前記第1ゲート電極と前記エミッタ電極との間に介装されるコンデンサとを備える。
これにより、前記第1ゲート駆動手段側からみた、ダミーセル領域に構成される半導体素子における正孔キャリア蓄積による第1トレンチ付近に発生する微分容量が小さくなる。従って、ターンオン作動時におけるゲート電圧の変化を小さくすることができ、ターンオン作動時におけるサージの発生を抑えることが可能となる。
本発明によれば、電荷蓄積層を備えた半導体装置のターンオン動作時における、蓄積電荷が要因となって生じるコレクタ電流の時間変化(dIce/dt)の急激な変動を抑えることができ、ターンオン作動時におけるサージの発生を抑制することが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す半導体装置は、例えばハイブリッド車両に用いられるインバータ装置を構成する半導体装置であり、CSTBT素子に構成される半導体素子1と、該半導体素子1を駆動するための駆動装置50とを備えている。
前記半導体素子1は、コレクタ電極12と、p型に構成されるコレクタ層21と、前記コレクタ層21上に形成されたn型の第1ドリフト層22と、前記第1ドリフト層22上に形成され、該第1ドリフト層22よりも高不純物濃度の層に構成されるn型の第2ドリフト層23と、前記第2ドリフト層23上に形成されるp型のベース層24と、前記ベース層24に形成されたn型のエミッタ層25と、前記エミッタ層25上に形成されたエミッタ電極13と、前記エミッタ層25が形成された領域となるメインセル領域Rmと前記エミッタ層25が形成されない領域となるダミーセル領域Rdとを区画する第1トレンチ31aと、前記メインセル領域Rm内に形成される第2トレンチ31bと、前記第1トレンチ31a内に形成され、絶縁膜32を介して少なくとも前記第2ドリフト層23およびベース層24と接する第1ゲート電極11aと、前記第2トレンチ31b内に形成され、絶縁膜32を介して前記エミッタ層25、第2ドリフト層24、およびベース層23と接する第2ゲート電極11bとを備えている。
また、図2に示すように、前記半導体素子1には、前記第1ゲート電極11aを有する第1IGBT素子1a、および前記第2ゲート電極11bを有する第2IGBT素子1bが構成されている。
前記駆動装置50は、前記半導体素子1を駆動するための駆動制御信号が入力される駆動制御回路51と、該駆動制御回路51により制御され、前記第1IGBT素子1aを駆動する第1ゲート駆動回路52aと、前記駆動制御回路51により制御され、前記第2IGBT素子1bを駆動する第2ゲート駆動回路52bとを備えている。
前記第1ゲート駆動回路52aは、前記第1IGBT素子1aのターンオン動作時にオンする第1スイッチング素子SW1と、前記第1IGBT素子1aのターンオフ動作時にオンする第2スイッチング素子SW2とを備えており、前記第2ゲート駆動回路52bは、前記第2IGBT素子1bのターンオン動作時にオンする第1スイッチング素子SW1’と、前記第2IGBT素子1bのターンオフ動作時にオンする第2スイッチング素子SW2’とを備えている。
前記第1ゲート駆動回路52aの第1スイッチング素子SW1と、前記第1IGBT素子1aの第1ゲート電極11aとの間にはゲート抵抗R1が介装され、第2スイッチング素子SW2と、前記第1IGBT素子1aの第1ゲート電極11aとの間にはゲート抵抗R2が介装されている。
前記第2ゲート駆動回路52bの第1スイッチング素子SW1’と、前記第2IGBT素子1bの第2ゲート電極11bとの間にはゲート抵抗R1’が介装され、第2スイッチング素子SW2’と、前記第2IGBT素子1bの第2ゲート電極11bとの間にはゲート抵抗R2’が介装されている。
さらに、前記駆動装置50は、半導体素子1のターンオン動作時に、第1ゲート駆動回路52aからの第1IGBT素子1aに対するゲート駆動信号の印加開始時刻を、第2ゲート駆動回路52bからの第2IGBT素子1bに対するゲート駆動信号の印加開始時刻よりも遅延させるための手段である遅延回路53を備えている。
前記遅延回路53は、前記メインセル領域Rmに構成される第2IGBT素子1bのコレクタ電極−エミッタ電極間の電圧と予め定められた所定の電圧とを比較するコンパレータ53aと、該コンパレータ53aの出力信号と、前記駆動制御回路51から出力されるゲート駆動信号との両方が入力されたときに、ゲート駆動信号を第1ゲート駆動回路52aの第1スイッチング素子SW1に入力するアンド回路53aとを備えている。
次に、このように構成される半導体装置の駆動装置50による半導体素子1のターンオン時における動作説明を行う。
図3に示すように、まず、前記駆動制御回路51からゲート駆動信号が出力されると、第2ゲート駆動回路52bの第スイッチング素子SW1’がオンされ、前記第2IGBT素子1bのゲート電極11bに第2ゲート駆動信号が印加されて、該第2IGBT素子1bがターンオン動作を開始する。
第2IGBT素子1bがターンオン動作を開始すると、ゲート電極11bに充電電流が流れ込むため、第2IGBT素子1bのゲート電圧Vge2が上昇を開始し、ミラー電位まで上昇した後、所定時間略一定の電位を保持する。以降、このゲート電圧Vge2がミラー電位を保持している状態をミラー電位領域と呼ぶ。
このターンオン動作の開始時においては、前記第2ドリフト層23による正孔キャリアが、前記ダミーセル領域Rdの第1トレンチ131a付近にも蓄積されるが、第1IGBT素子1aのゲート電極11aにはまだ第1ゲート駆動信号が印加されておらず、該第1IGBT素子1aはオンしていないため、第1IGBT素子1aにおいてはゲート電位の変動が発生しない。
また、ターンオン動作の開始後、第2IGBT素子1bがオンするため、該第2IGBT素子1bのコレクタエミッタ電圧Vce2が低下していく。
その後、ターンオン開始から所定時間が経過してコレクタエミッタ電圧Vce2が所定の値まで十分に低下すると、前記第1IGBT素子1aのゲート電極11aに第1ゲート駆動信号が印加され、該第1IGBT素子1aがオンする。
すなわち、前記遅延回路53による遅延時間Tdが、ターンオン動作開始からコレクタエミッタ電圧Vce2が十分に低下するまでの時間となるように設定されており、遅延回路53による遅延時間の経過後に、前記ゲート電極11aに対して第1ゲート駆動信号が印加され、第1IGBT素子1aがオンすることとなる。
このダミーセル領域Rdの第1IGBT素子1aがオンするときには、メインセル領域Rmの第2IGBT素子1bにおいてはサージ発生に寄与するゲート電圧Vge2のミラー電位領域は経過しているため、その後にダミーセル領域Rdの第1トレンチ131a付近に蓄積された正孔キャリアとゲート電極11a内に生じた負電荷とにより微分容量が発生したとしても、コレクタ電流の時間変化(dIce/dt)に対する寄与は非常に小さく、ターンオン動作時におけるサージの発生が抑えられる。
また、第1IGBT素子1aおよび第2IGBT素子1bの両方のターンオン動作が完了した後は、第2ドリフト層23の寄与により伝導度変調が促進されることとなり、オン抵抗が小さくなって半導体装置の定常損失が低減される。
なお、本例においては、第1ゲート駆動回路52aからの第1IGBT素子1aに対するゲート駆動信号の印加開始時刻を、第2ゲート駆動回路52bからの第2IGBT素子1bに対するゲート駆動信号の印加開始時刻よりも遅延させるための手段として、第2IGBT素子1bのコレクタ電極−エミッタ電極間の電圧と予め定められた所定の電圧とを比較する前記遅延回路53を用いたが、これに限るものではなく、タイマを用いて第1IGBT素子1aに対するゲート駆動信号の印加開始時刻を、第2IGBT素子1bに対するゲート駆動信号の印加開始時刻よりも遅延させるように構成することもできる。
この場合、タイマにより設定する遅延時間は、ターンオン動作開始から前記第2IGBT素子1bのゲート電圧Vge2がミラー電位となるミラー電位領域から抜け出た後までの時間(例えば数μs)に設定することで、サージの発生を抑えることができる。
ただし、前記遅延回路53を用いることで、遅延時間が固定値となるタイマを用いた場合に比べて、電圧値や電流値のばらつきによる変動に依存することがないため、確実にサージを抑制することが可能となる。
また、本半導体装置においては、前述のように遅延回路53を設ける代わりに、前記第1IGBT素子1aのゲート抵抗R1の抵抗値を、前記第2IGBT素子1bのゲート抵抗R1’の抵抗値よりも大きな抵抗値に構成することで、ターンオン動作時のサージ発生を抑制することができる。
つまり、図4に示すように、ダミーセル領域Rdに構成される第1IGBT素子1aのゲート抵抗R1の抵抗値をメインセル領域Rmに構成される第2IGBT素子1bのゲート抵抗R1’の抵抗値よりも大きく構成することで、該第1IGBT素子1aのゲート電極11aにおけるゲート電圧Vge1が急激に変動することを防止し、ダミーセル領域Rdの第1トレンチ131a付近に発生した微分容量の、コレクタ電流の時間変化(dIce/dt)に対する寄与が小さくなって、ターンオン動作時におけるサージの発生を抑えることができる。
さらに、本半導体装置においては、次のような構成によりサージの発生を抑制することもできる。
つまり、図5に示す半導体装置では、図2に示した半導体装置に備えられる遅延回路53を設ける代わりに、前記第1IGBT素子1aのゲート電極11aとエミッタ電極間にコンデンサCを設けた構成となっている。
このコンデンサCの容量は、第1IGBT素子1aのゲート電極11aとエミッタ電極間に存在している寄生容量の大きさと同等、もしくは前記寄生容量よりも大きな容量に設定されている。
このように、第1IGBT素子1aのゲート電極11aとエミッタ電極間にコンデンサCを設けることにより、前記第1ゲート駆動回路52a側からみた、第1IGBT素子1aの正孔キャリア蓄積により前記第1トレンチ131a付近に発生する微分容量が小さくなる。これにより、図6に示すように、ターンオン作動時におけるゲート電極11aのゲート電圧Vge1の変化を小さくすることができ、ターンオン作動時におけるサージの発生を抑えることが可能となる。
半導体素子および駆動装置を備えた半導体装置を示す側面断面図である。 半導体素子および駆動装置を備えた半導体装置を示す回路図である。 半導体装置のターンオン時における駆動タイミングチャートを示す図である。 半導体装置の第2の実施形態を示す側面断面図である。 半導体装置の第3の実施形態を示す回路図である。 半導体装置の第3の実施形態のターンオン時における駆動タイミングチャートを示す図である。 従来の半導体素子および駆動装置を備えた半導体装置を示す側面断面図である。 従来の半導体装置においてターンオン時にサージが発生する理由を説明するための第1の回路図である。 従来の半導体装置においてターンオン時にサージが発生する理由を説明するための第2の回路図である。 従来の半導体装置においてターンオン時にサージが発生する理由を説明するための第3の回路図である。 従来の半導体装置においてターンオン時にサージが発生する理由を説明するための駆動タイミングチャートを示す図である。 従来の半導体装置においてターンオフ時にサージが発生する理由を説明するための第1の回路図である。 従来の半導体装置においてターンオフ時にサージが発生する理由を説明するための第2の回路図である。 従来の半導体装置においてターンオフ時にサージが発生する理由を説明するための第3の回路図である。 従来の半導体装置においてターンオフ時にサージが発生する理由を説明するための駆動タイミングチャートを示す図である。
符号の説明
1 半導体素子
1a 第1IGBT素子
1b 第2IGBT素子
11a 第1ゲート電極
11b 第2ゲート電極
12 コレクタ電極
13 エミッタ電極
21 コレクタ層
22 第1ドリフト層22
23 第2ドリフト層
24 ベース層
25 エミッタ層
31a 第1トレンチ
31b 第2トレンチ
32 絶縁膜
50 駆動装置
51 駆動制御回路
52a 第1ゲート駆動回路
52b 第2ゲート駆動回路
53 遅延回路
Rm メインセル領域
Rd ダミーセル領域
R1・R2・R1’・R2’ ゲート抵抗

Claims (3)

  1. コレクタ電極と、
    第1導電型のコレクタ層と、
    前記コレクタ層上に形成された第2導電型の第1ドリフト層と、
    前記第1ドリフト層上に形成され、該第1ドリフト層よりも高不純物濃度である第2導電型の第2ドリフト層と、
    前記第2ドリフト層上に形成される第1導電型のベース層と、
    前記ベース層に形成された第2導電型のエミッタ層と、
    前記エミッタ層上に形成されたエミッタ電極と、
    前記エミッタ層が形成された領域となるメインセル領域と、前記エミッタ層が形成されない領域となるダミーセル領域とを区画する1または複数の第1トレンチと、
    前記メインセル領域内に形成される1または複数の第2トレンチと、
    前記第1トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して少なくとも前記第2ドリフト層およびベース層と接する第1ゲート電極と、
    前記第2トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して前記エミッタ層、第2ドリフト層、およびベース層と接する第2ゲート電極と、
    を備えた絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置であって、
    前記第1ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第1ゲート駆動手段と、
    前記第2ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第2ゲート駆動手段と、
    前記第1ゲート駆動手段からのゲート駆動信号の前記第1ゲート電極への印加開始時刻を、前記第2ゲート駆動手段からのゲート駆動信号の前記第2ゲート電極への印加開始時刻よりも遅延させる遅延手段とを備える、
    ことを特徴とする絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置。
  2. 前記遅延手段は、
    前記絶縁ゲート型半導体素子のコレクタ電極とエミッタ電極との間の電圧を検出する検出手段を備え、
    前記検出手段による検出電圧値が予め設定された所定値以下になると、前記第1ゲート電極へのゲート駆動信号の印加を開始する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置。
  3. コレクタ電極と、
    第1導電型のコレクタ層と、
    前記コレクタ層上に形成された第2導電型の第1ドリフト層と、
    前記第1ドリフト層上に形成され、該第1ドリフト層よりも高不純物濃度である第2導電型の第2ドリフト層と、
    前記第2ドリフト層上に形成される第1導電型のベース層と、
    前記ベース層に形成された第2導電型のエミッタ層と、
    前記エミッタ層上に形成されたエミッタ電極と、
    前記エミッタ層が形成された領域となるメインセル領域と、前記エミッタ層が形成されない領域となるダミーセル領域とを区画する1または複数の第1トレンチと、
    前記メインセル領域内に形成される1または複数の第2トレンチと、
    前記第1トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して少なくとも前記第2ドリフト層およびベース層と接する第1ゲート電極と、
    前記第2トレンチ内に形成され、絶縁膜を介して前記エミッタ層、第2ドリフト層、およびベース層と接する第2ゲート電極と、
    を備えた絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置であって、
    前記第1ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第1ゲート駆動手段と、
    前記第2ゲート電極にゲート駆動信号を印加する第2ゲート駆動手段と、
    前記第1ゲート電極と前記エミッタ電極との間に介装されるコンデンサとを備える、
    ことを特徴とする絶縁ゲート型半導体素子の駆動装置。

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