JP2008304078A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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春幸 西嶋
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秀也 松井
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Abstract

【課題】内部熱交換器を備える冷凍サイクル装置において、蒸発器にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを抑制する。
【解決手段】内部熱交換器17のうち、第1熱交換部171を放熱器側空間に配置し、第2熱交換部172を蒸発器側空間に配置する。これにより、内部熱交換器17全体を放熱器側空間に配置する場合に対して、高圧冷媒が放熱器側空間の周囲空気から受熱する熱量を小さくなり、第2熱交換部172へ流入した高圧冷媒と蒸発器側空間の周囲空気との温度差を小さくなる。さらに、高圧冷媒が蒸発器側空間の周囲空気へ放熱する熱量も小さくなるので、外部熱交換量を低減できる。その結果、第1、2蒸発器22、25にて発揮される冷凍能力が外部熱交換によって低減してしまうことを抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内部熱交換器を備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置に関する。
従来、特許文献1に、車両用空調装置に適用された内部熱交換器を備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置が開示されている。
この種の冷凍サイクル装置では、内部熱交換器にて放熱器から流出した高圧冷媒と圧縮機へ吸入される低圧冷媒とを熱交換させることによって、蒸発器における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差(冷凍能力)を増大させて、冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させている。
さらに、特許文献1では、具体的に、高圧冷媒が通過する外側管の内側に低圧冷媒が通過する内側管を配置した二重管構造の内部熱交換器を採用し、この内部熱交換器をエンジンルーム内に配置することによって、エンジン等からの輻射熱等によって内側管を通過する低圧冷媒が加熱されてしまうことを抑制して、冷房性能の低下を抑制している。
特開2007−71529号公報
ところが、特許文献1の内部熱交換器では、エンジン等からの輻射熱によって内側管を通過する低圧冷媒が加熱されてしまうことを抑制できるものの、外側管を通過する高圧冷媒については、エンジンルーム内の周囲空気が接触する外側管の外表面を介して、周囲空気と熱交換してしまう。
このような熱交換が生じると、放熱器にて冷却された高圧冷媒が内部熱交換器にて周囲空気によって再加熱されてしまうので、内部熱交換器から減圧手段へ流入する冷媒のエンタルピが上昇してしまう。その結果、蒸発器にて発揮できる冷凍能力が低下して、上述の内部熱交換器による冷凍能力の増大効果を充分に得ることができなくなってしまう。
この問題を解決する手段として、内部熱交換器を冷却対象空間内(例えば、特許文献1では、車室内)に配置することが考えられる。しかしながら、上記と同様に高圧冷媒と車室内の周囲空気が熱交換してしまうと、高圧冷媒の有する熱量によって車室内が加熱されてしまい、車室内温度を上昇させてしまうことになる。
さらに、高圧冷媒と車室内の周囲空気との熱交換が生じることによって、高圧冷媒と低圧冷媒との熱交換量が減ってしまうので、内部熱交換器による冷凍能力増大効果も低減してしまう。また、高圧冷媒が車室内の周囲空気および低圧冷媒によって、必要以上に過冷却化されてしまうと、蒸発器にて冷凍能力を発揮できなくなってしまうことがある。
すなわち、内部熱交換器から流出する高圧冷媒が、必要以上の過冷却度を有する液相冷媒になってしまうと、減圧手段の制御範囲を超えてしまい、減圧手段で高圧冷媒を充分に減圧しきれなくなる。つまり、高圧冷媒を減圧手段で減圧しても気液二相冷媒へ状態変化しないので、液相冷媒のまま低圧側へ流入してしまう。
この際、液相冷媒は気液二相冷媒に対して極めて密度が高いため、低圧側へ大量の冷媒が流入して、蒸発器における冷媒蒸発圧力を上昇させてしまう。そして、この冷媒蒸発圧力の上昇に伴って、蒸発器における冷媒蒸発温度が冷却対象空間の温度より高くなってしまうと、蒸発器にて冷凍能力を発揮できなくなってしまう。
以上のことから、内部熱交換器を備える冷凍サイクル装置においては、内部熱交換器内を流れる冷媒と内部熱交換器の配置される空間の周囲空気との熱交換(以下、このような熱交換を外部熱交換という。)が発生すると、内部熱交換器による蒸発器の冷凍能力増大効果を充分に得ることができなくなってしまう。
本発明は、上記点に鑑み、内部熱交換器を備える冷凍サイクル装置において、蒸発器にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、圧縮機(11)吐出冷媒を放熱させる放熱器(14)と、放熱器(14)下流側の冷媒を減圧膨張させる減圧手段(18、20、24)と、減圧手段(18、20、24)にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(22、25)とを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であって、放熱器(14)から流出した高圧冷媒と圧縮機(11)へ吸入される低圧冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(17、27)を備え、内部熱交換器(17、27)は、第1熱交換部(171、271)および第2熱交換部(172、272)を有して構成され、第1熱交換部(171、271)は、放熱器(14)が配置された放熱器側空間に配置され、第2熱交換部(172、272)は、蒸発器(22、25)が配置された蒸発器側空間に配置され、第1熱交換部(171、271)と第2熱交換部(172、272)とは、第1熱交換部(171、271)から第2熱交換部(172、272)への順で高圧冷媒が流れ、第2熱交換部(172、272)から第1熱交換部(171、271)への順で低圧冷媒が流れるように配置されていることを特徴とする。
これによれば、高圧冷媒が、放熱器側空間に配置された第1熱交換部(171、271)→蒸発器側空間に配置された第2熱交換部(172、272)の順に通過するので、例えば、特許文献1の内部熱交換器のように、高圧冷媒と内部熱交換器の周囲空気とが外部熱交換する場合であっても、外部熱交換量を抑制できる。
すなわち、内部熱交換器(17、27)全体を放熱器側空間に配置する場合に対して、第1熱交換部(171、271)にて高圧冷媒が放熱器側空間の周囲空気から受熱する熱量が小さくなる分、外部熱交換量を抑制できる。そして、第1熱交換部(171、271)から第2熱交換部(172、272)へ流入する高圧冷媒の温度上昇を抑制できる。
これにより、第2熱交換部(172、272)へ流入した高圧冷媒と蒸発器側空間の周囲空気との温度差が小さくなり、高圧冷媒が蒸発器側空間の周囲空気へ放熱する熱量も小さくなる。その結果、蒸発器(22、25)にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを効果的に抑制できる。
また、内部熱交換器(17、27)全体を蒸発器側空間に配置する場合に対して、第1熱交換部(171、271)が放熱器側空間に配置されている分、高圧冷媒が蒸発器側空間の周囲空気を加熱してしまうことを防止できる。その結果、高圧冷媒と低圧冷媒との熱交換量の減少を抑制できるので、内部熱交換器(17、27)による冷凍能力増大効果を充分に得ることができる。
一方、低圧冷媒は、蒸発器側空間に配置された第2熱交換部(172、272)→放熱器側空間に配置された第1熱交換部(171、271)の順に通過するので、高圧冷媒と対向する流れとなり、高圧冷媒と低圧冷媒との温度差を確保して効率的に内部熱交換できる。
さらに、特許文献1の内部熱交換器とは、逆に、低圧冷媒と内部熱交換器の周囲空気とが外部熱交換する場合であっても、同様に、外部熱交換量を抑制できる。つまり、低圧冷媒が、第1熱交換部(171、271)へ流入した際に放熱器側空間の周囲空気から受熱する熱量を小さくできるので、外部熱交換量を抑制できる。その結果、蒸発器(22、25)にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを抑制できる。
また、上記特徴の冷凍サイクル装置において、第1熱交換部(271)は、高圧冷媒が流通する第1高圧側冷媒通路(271a)および低圧冷媒が流通する第1低圧側冷媒通路(271b)を有し、第1高圧側冷媒通路(271a)と放熱器側空間との接触面積は、第1低圧側冷媒通路(271b)と放熱器側空間との接触面積よりも大きく形成され、第2熱交換部(272)は、高圧冷媒が流通する第2高圧側冷媒通路(272b)および低圧冷媒が流通する第2低圧側冷媒通路(272a)を有し、第2低圧側冷媒通路(272a)と蒸発器側空間との接触面積は、第2高圧側冷媒通路(272b)と蒸発器側空間との接触面積よりも大きく形成されていてもよい。
これによれば、第1熱交換部(271)では、第1低圧側冷媒通路(271b)と放熱器側空間との接触面積に対して、第1高圧側冷媒通路(271a)と放熱器側空間との接触面積が大きくなっているので、低圧冷媒に対して、高圧冷媒と放熱器側空間の周囲空気との熱交換量が多くなる。
一方、第2熱交換部(272)では、第2高圧側冷媒通路(272b)と蒸発器側空間との接触面積に対して、第2低圧側冷媒通路(272a)と蒸発器側空間との接触面積が大きくなっているので、高圧冷媒に対して、低圧冷媒と蒸発器側空間の周囲空気との熱交換量が多くなる。
つまり、高圧冷媒および低圧冷媒のうち、周囲空気との温度差が少なくなる方の冷媒を、周囲空気と外部熱交換させることになる。従って、より一層、効果的に外部熱交換量を抑制することができる。その結果、蒸発器(22、25)にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを、より一層、効果的に抑制できる。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、第1熱交換部(171、271)および第2熱交換部(172、272)は、具体的に、それぞれ二重管構造の熱交換器によって構成されていてもよいし、それぞれ高圧側冷媒配管と低圧側冷媒配管とを接合することによって構成されていてもよい。これにより、内部熱交換器を容易に形成できる。
なお、具体的に、高圧側冷媒配管と低圧側冷媒配管とを接合することによって構成するとは、例えば、単に高圧側冷媒配管および低圧側冷媒配管の外表面同士を互いに接合してもよいし、高圧側冷媒配管に対して、外径の太い低圧側冷媒配管の外周に溝部を形成して、この溝部に高圧側冷媒配管を嵌め込んだ状態で接合してもよい。
また、第1熱交換部(171、271)および第2熱交換部(172、272)が上記の如く構成された上述の特徴の冷凍サイクル装置において、第1熱交換部(171、271)の長手方向長さ(171L、271L)および第2熱交換部(172、272)の長手方向長さ(172L、272L)は、同等の長さに形成されていてもよい。
これによれば、後述する図6で説明するように、より一層、効果的に、外部熱交換による冷凍能力の低減を抑制できる。
なお、本発明における同等とは、第1熱交換部(171、271)の長手方向長さ(171L、271L)および第2熱交換部(172、272)の長手方向長さ(172L、272L)が完全に一致していることのみを意味するものではなく、第1熱交換部(171、271)および第2熱交換部(172、272)の製造工程における加工誤差、組付誤差等によって、完全に一致するものから微小にずれたものも同等という用語の範囲内に含むものとする。
また、上述の特徴の冷凍サイクル装置において、減圧手段は、高圧冷媒を減圧膨張させるノズル部(20a)から噴射する高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引して、吸引された冷媒と高速度の冷媒流を混合して昇圧させるエジェクタ(20)にて構成されていてもよい。
これによれば、上述の如く、外部熱交換を抑制して、エジェクタ(20)へ流入する冷媒の過冷却度が不必要に高くなってしまうことを防止できるので、エジェクタ(20)における回収エネルギー量の低減を抑制できる。その結果、冷凍サイクルの成績係数(COP)を効果的に上昇できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜7により、本発明の第1実施形態を説明する。本実施形態では、本発明の冷凍サイクル装置10を冷凍車1に適用している。図1は、本実施形態の冷凍車1の模式図であり、冷凍サイクル装置10の概略的な搭載状態を示している。なお、冷凍車とは食品等の冷却対象物を−30〜0℃程度の極低温で保存して運搬する車両である。
冷凍車1は、車両最前部に配置された車室(運転室)2の後方に冷却対象物を収容する冷凍庫室3を有している。そして、この冷凍庫室3の庫内が冷凍サイクル装置10によって冷却される冷却対象空間となる。また、冷凍庫室3の後部には、冷却対象物を搬入・搬出する開口部4を開閉する開閉ドア5が設けられている。
冷凍サイクル装置10は、圧縮機11、後述する放熱器14等が収容された放熱器ユニット12、さらに、後述する第1、2蒸発器22、25等が収容されたクーリングユニット13、これらを接続する冷媒配管等によって構成されている。そして、図1に示すように、圧縮機11および放熱器ユニット12は庫外(冷却対象空間外)に配置され、クーリングユニット13は、庫内(冷却対象空間内)に配置されている。
冷凍サイクル装置10の具体的構成については、図2により説明する。なお、図2は、本実施形態の冷凍サイクル装置10の全体構成図である。さらに、図2の太破線は、庫内側と庫外側との仕切線を示しており、太破線より放熱器ユニット12側(図2では、右側)の機器類は庫外側に配置され、太破線よりクーリングユニット13側(図2では、左側)の機器類は庫内側に配置されている。
まず、冷凍サイクル装置10において、冷媒を吸入し、圧縮して吐出する圧縮機11は、電磁クラッチ、ベルト等を介して図示しない車両走行用エンジンにより回転駆動される。そのため、圧縮機11は、図1に示すように、庫外のうちエンジンルーム内に配置されている。
圧縮機11としては、吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機、あるいは電磁クラッチの断続により圧縮機作動の稼働率を変化させて冷媒吐出能力を調整する固定容量型圧縮機のいずれを使用してもよい。また、圧縮機11として電動圧縮機を使用すれば、電動モータの回転数調整により冷媒吐出能力を調整できる。
圧縮機11の冷媒吐出側には、放熱器14が接続されている。この放熱器14は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒と電動送風機15から送風された外気(庫外空気)とを熱交換させて高圧冷媒を冷却する放熱用熱交換器である。従って、本実施形態では、放熱器14周辺の庫外空間が放熱器側空間となる。この放熱器側空間の温度は、必ずしも外気温と同等ではなく、エンジン廃熱等により外気温よりも上昇することがある。
なお、放熱器14として、車両エンジンを冷却する冷却水を放熱させるラジエータと一体化された複合型熱交換器を採用できる。この場合には、複合型熱交換器はエンジンルーム内に配置されるので、エンジンルーム内が放熱器側空間となる。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、冷媒として通常のフロン系冷媒を採用しており、圧縮機11から吐出された高圧冷媒の圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界サイクルを構成している。従って、放熱器14は冷媒を凝縮させる凝縮器として機能する。
放熱器14の出口側には、レシーバ16が接続されている。このレシーバ16は、放熱器14にて冷却された冷媒の気液を分離して、余剰冷媒を蓄える気液分離器である。本実施形態では、これらの放熱器14、電動送風機15およびレシーバ16が一体化されて、放熱器ユニット12を構成している。そして、放熱器ユニット12は、図1に示すように、車両下方部に配置されている。
レシーバ16の液相冷媒出口には、内部熱交換器17が接続されている。内部熱交換器17は、放熱器ユニット12から流出した高圧冷媒(具体的には、レシーバ16から流出した液相冷媒)と圧縮機11へ吸入される低圧冷媒とを熱交換させるものである。これにより、後述する第1、2蒸発器22、25における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差(冷凍能力)を増大させて、冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させる。
内部熱交換器17の具体的構成については、図3、4により説明する。なお、図3は、内部熱交換器17の長手方向断面図である。内部熱交換器17は、図3に示すように、第1熱交換部171および第2熱交換部172の2つに分割された熱交換部を有している。さらに、第1熱交換部171は庫外側(放熱器側空間)に配置され、第2熱交換部172は庫内側(蒸発器側空間)に配置されている。
第1熱交換部171は、第1外側管171aの内部に第1内側管171bを隙間バメ状態で嵌挿した、いわゆる二重管式の熱交換器構成になっている。より具体的には、第1外側管171aは、高圧冷媒が流通する第1高圧側冷媒通路を構成しており、第1内側管171bは、低圧冷媒が流通する第1低圧側冷媒通路を構成する。従って、上述のレシーバ16の液相冷媒出口は、より具体的には、第1外側管171aに接続される。
さらに、図4の分解斜視図に示すように、第1内側管171bの外周面(第1外側管171a側の面)には、螺旋状の溝171cが形成されている。従って、レシーバ16から流出した液相冷媒(高圧冷媒)は、この溝171cに沿って第1外側管171a内側面と第1内側管171b外側面との隙間を旋回しながら流れる。これにより、高圧冷媒が第1内側管171bに接触する面積を拡大して熱交換効率を向上させている。
第2熱交換部172の基本的構成は、第1熱交換部171と同一である。従って、第1熱交換部171と同様の第2外側管172a、螺旋状の溝172cが形成された第2内側管172bを有して構成されている。そして、第2外側管172aは、高圧冷媒が流通する第2高圧側冷媒通路を構成し、第2内側管171bは、低圧冷媒が流通する第2低圧側冷媒通路を構成している。
そして、図3に示すように、第1外側管171aおよび第2外側管172aは、接続配管173を介して接続されており、また、第1内側管171bおよび第2内側管172bは、直接接続されている。さらに、本実施形態では、第1熱交換部171の長手方向長さ171Lおよび第2熱交換部172の長手方向長さ172Lが、略同等となっている。
次に、内部熱交換器17の高圧冷媒出口側(具体的には、第2外側管172aの出口側)には、図2に示すように、内部熱交換器17から流出した高圧冷媒を中間圧の冷媒に減圧させる周知の温度式膨張弁18が接続されている。
温度式膨張弁18は、後述する第1蒸発器22の出口側に配置された感温部18aを有しており、第1蒸発器22出口側冷媒の温度と圧力とに基づいて、第1蒸発器22出口側冷媒の過熱度を検出し、第1蒸発器22出口側冷媒の過熱度が予め設定された所定値となるように弁開度(冷媒流量)を調整する。
温度式膨張弁18の下流側には、冷媒の流れを分岐する分岐部19が設けられ、分岐部19で分岐された一方の冷媒は、エジェクタ20のノズル部20a側に流入し、他方の冷媒は冷媒分岐通路21を介して、エジェクタ20の冷媒吸引口20b側に流入するようになっている。
エジェクタ20は、冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって冷媒の循環を行う冷媒循環手段でもある。
また、エジェクタ20は、温度式膨張弁18から流出した中間圧の冷媒の通路面積を小さく絞って、冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部20aと、ノズル部20aの冷媒噴射口と連通するように配置されて後述する第2蒸発器25から流出した冷媒を吸引する冷媒吸引口20bとを有して構成される。
さらに、ノズル部20aおよび冷媒吸引口20bの冷媒流れ下流側部位には、ノズル部20aから噴射された高速度の噴射冷媒と冷媒吸引口20bからの吸引冷媒とを混合する混合部20cが設けられ、混合部20cの冷媒流れ下流側には昇圧部をなすディフューザ部20dが設けられている。
ディフューザ部20dは冷媒通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。さらに、エジェクタ20のディフューザ部20d出口側には第1蒸発器22が接続されている。
第1蒸発器22は、内部を通過する低圧冷媒と電動送風機23から循環送風される冷凍庫室3内の庫内空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。
第1蒸発器22の冷媒出口側には、前述の内部熱交換器17の低圧冷媒入口側(具体的には、第2内側管172bの入口側)が接続され、内部熱交換器17の低圧冷媒出口側(具体的には、第1内側管171bの出口側)には圧縮機11吸入側が接続されている。
一方、分岐部19で分岐された他方の冷媒は冷媒分岐通路21を介して、エジェクタ20の冷媒吸引口20b側に流入する。この冷媒分岐通路21には、固定絞り24および第2蒸発器25が配置されている。固定絞り24は、第2蒸発器25の冷媒流れ上流側に配置されて、第2蒸発器25へ流入する冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。この固定絞り24としては、具体的に、キャピラリチューブやオリフィスを採用できる。
第2蒸発器25は、内部を通過する低圧冷媒と前述の電動送風機23から循環送風された庫内空気とを熱交換させることによって、低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させる吸熱用熱交換器である。さらに、第2蒸発器25は、第1蒸発器22に対して、庫内送風空気流れ(矢印100)下流側に配置されている。
従って、電動送風機23により送風された送風空気は矢印100方向に流れ、まず、第1蒸発器22で冷却され、次に、第2蒸発器25で冷却されて冷却対象空間(庫内)へ送付される。すなわち、本実施形態では、第1蒸発器22と第2蒸発器25にて同一の冷却対象空間を冷却するようになっている。
また、本実施形態では、第1蒸発器22および第2蒸発器25をフィンアンドチューブ構造の熱交換器で構成し、第1蒸発器22および第2蒸発器25の熱交換フィンを共通化し、エジェクタ20から流出した冷媒を流通させるチューブ構成と固定絞り24から流出した冷媒を流通させるチューブ構成とを互いに独立に設けることで、第1蒸発器22および第2蒸発器25とを一体構造に構成している。
もちろん、第1蒸発器22および第2蒸発器25を、2つの別体の蒸発器で構成し、風路方向(図1では、矢印100方向)に直列に配置してもよい。さらに、本実施形態では、これらの温度式膨張弁18、分岐部19、エジェクタ20、第1蒸発器22、電動送風機23、固定絞り24および第2蒸発器25が一体化されて、クーリングユニット13を構成している。
そして、図1に示すように、クーリングユニット13は、庫内前側上方部に配置されている。従って、本実施形態では、第1、2蒸発器22、25が配置される庫内空間(冷却対象空間)が蒸発器側空間となる。
次に、上述の構成において本実施形態の作動について説明する。まず、圧縮機11に車両エンジンから回転駆動力が伝達されると、圧縮機11が冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。圧縮機11から吐出された高温高圧状態の気相冷媒は放熱器ユニット12の放熱器14に流入する。
放熱器14では、高温高圧の気相冷媒が外気により冷却されて凝縮し、凝縮した冷媒はレシーバ16に流入して、気相冷媒と液相冷媒とに分離される。分離された液相冷媒は、内部熱交換器17の第1熱交換部171の第1外側管171a→第2熱交換部172の第2外側管172aの順に流れて、第2熱交換部172の第2内側管172b→第1熱交換部171の第1内側管171bの順に流れる圧縮機11吸入側の低圧冷媒と熱交換して、エンタルピを低下させる。
内部熱交換器17から流出した高圧冷媒は、温度式膨張弁18にて中間圧の冷媒に減圧膨張されて、分岐部19にてエジェクタ20のノズル部20a側へ流入する冷媒流れと、冷媒分岐通路21へ流入する冷媒流れとに分流される。
エジェクタ20のノズル部20aへ流入した冷媒流れは、ノズル部20aで減圧され膨張する。これにより、ノズル部20aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、ノズル部20aの冷媒噴射口から冷媒が噴射される。この際、高速度の噴射冷媒の吸引作用によって、冷媒吸引口20bから第2蒸発器25下流側の冷媒が吸引される。
ノズル部20aから噴射された噴射冷媒および冷媒吸引口20bから吸引された吸引冷媒は、ノズル部20a下流側の混合部20cで混合してディフューザ部20dに流入する。ディフューザ部20dでは通路面積の拡大により、冷媒の速度エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。
エジェクタ20のディフューザ部20dから流出した冷媒は第1蒸発器22に流入する。第1蒸発器22では、低圧冷媒が電動送風機23の送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、庫内へ送風される空気が冷却される。
第1蒸発器22から流出した低圧冷媒は、上述の如く、内部熱交換器17の第2熱交換部172の第2内側管172b→第1熱交換部171の第1内側管171bの順に流れ、高圧冷媒と熱交換する。さらに、内部熱交換器17から流出した低圧冷媒は圧縮機11に吸入され再び圧縮される。
一方、冷媒分岐通路21に流入した冷媒流れは、固定絞り24で減圧されて低圧冷媒となり、この低圧冷媒が第2蒸発器25に流入する。第2蒸発器25では、低圧冷媒が電動送風機23の送風空気から吸熱して蒸発する。これにより、第1蒸発器22にて冷却された庫内への送風空気がさらに冷却される。さらに、第2蒸発器25から流出した冷媒は、冷媒吸引口20bからエジェクタ20内へ吸引される。
本実施形態の冷凍サイクル装置10は、以上の如く作動するので、第1、2蒸発器22、25の双方に冷媒を供給でき、第1、2蒸発器22、25で同時に冷却作用を発揮できる。さらに、電動送風機23によって循環送風される庫内空気を第1蒸発器22→第2蒸発器25の順に通過させて冷却できる。
その際に、第1蒸発器22の冷媒蒸発圧力をディフューザ部20dで昇圧した後の圧力として、一方、第2蒸発器25は冷媒吸引口14bに接続されるので、第2蒸発器25の冷媒蒸発圧力をノズル部20a減圧直後の最も低い圧力とすることができる。
従って、第1蒸発器22の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも第2蒸発器25の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低くすることができる。その結果、第1蒸発器22および第2蒸発器25の冷媒蒸発温度と電動送風機23から送風された庫内空気との温度差を確保して、効率的に庫内空気を冷却できる。
しかも、エジェクタ20のディフューザ部20dの昇圧作用によって圧縮機11の吸入冷媒圧力を上昇できる分だけ、圧縮機11の圧縮仕事量を低減できるので、圧縮機11の省動力効果を得ることができる。その結果、冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上させることができる。
さらに、内部熱交換器17の作用によって、第1、2蒸発器22、25における冷媒入口・出口間の冷媒のエンタルピ差を拡大できるので、第1、2蒸発器22、25にて発揮できる冷凍能力を増大できる。しかも、本実施形態では、内部熱交換器17のうち、第1熱交換部171を放熱器側空間に配置し、第2熱交換部172を蒸発器側空間に配置しているので、以下の(a)〜(c)に説明するように効果的に冷凍能力を増大できる。
(a)まず、内部熱交換器17において、高圧冷媒が、第1熱交換部171→第2熱交換部172の順に通過するので、例えば、特許文献1の内部熱交換器のように、高圧冷媒と内部熱交換器の周囲空気とが外部熱交換する場合であっても、外部熱交換量を低減できる。
すなわち、内部熱交換器17全体を放熱器側空間に配置する場合に対して、第1熱交換部171において高圧冷媒が放熱器側空間の周囲空気から受熱する熱量が小さくなる分、外部熱交換量を抑制できる。そして、第1熱交換部171から第2熱交換部172へ流入する高圧冷媒の温度上昇を抑制できる。
これにより、第2熱交換部172へ流入した高圧冷媒と蒸発器側空間の周囲空気との温度差が小さくなり、高圧冷媒が蒸発器側空間の周囲空気へ放熱する熱量も小さくなる。その結果、第1、2蒸発器22、25にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを効果的に抑制できる。
また、内部熱交換器17全体を蒸発器側空間に配置する場合に対して、第1熱交換部171が放熱器側空間に配置されている分、高圧冷媒が蒸発器側空間の周囲空気を加熱してしまうことを防止できる。その結果、高圧冷媒と低圧冷媒との熱交換量の減少を抑制できるので、内部熱交換器17による冷凍能力増大効果を充分に得ることができる。
一方、低圧冷媒は、蒸発器側空間に配置された第2熱交換部172→放熱器側空間に配置された第1熱交換部171の順に通過するので、高圧冷媒と対向する流れとなり、高圧冷媒と低圧冷媒との温度差を確保して効率的に内部熱交換できる。
ここで、本発明者らの試験検討によれば、図5に示すように、本実施形態によれば、内部熱交換器17の全部(第1熱交換部171および第2熱交換部172の双方)を蒸発器側空間(庫内)に配置した場合に対して、外部熱交換量を約60%抑制することができ、第1、2蒸発器22、25にて発揮できる冷凍能力が5%向上することが判明している。
なお、図5の縦軸は、外部熱交換量であり、横軸は、内部熱交換器17へ流入する高圧冷媒の温度と庫内温度との温度差である。また、図5の実線は、本実施形態の構成における外部熱交換量の変化を示し、破線は、内部熱交換器17の全部を蒸発器側空間(庫内)に配置した場合の外部熱交換量の変化を示している。
さらに、図5の試験条件としては、放熱器側空間の温度を35℃とし、第1熱交換部171の長手方向長さ171Lおよび第2熱交換部172の長手方向長さ172Lを400mmとしている。
(b)次に、本実施形態では、上記の如く、第1熱交換部171の長手方向長さ171Lおよび第2熱交換部172の長手方向長さ172Lを同等寸法としているので、外部熱交換量を効果的に低減して、冷凍能力の低減を抑制できる。
すなわち、本発明者らの試験検討によれば、図6に示すように、内部熱交換器17の全長を171L+172Lとしたときに、内部熱交換器17の全長に対する第2熱交換部172Lの占める割合である分割比(172L/(171L+172L))が0.5となったときに、外部熱交換量が最も少なくなることが判明している。
なお、図6の縦軸は、外部熱交換量であり、横軸は、内部熱交換器17の全長に対する第2熱交換部172Lの占める割合を示す分割比である。つまり、分割比0は、内部熱交換器17全体が庫内に配置され、分割比1は、内部熱交換器17全体が庫外に配置されていることを意味する。また、図6の試験条件としては、放熱器側空間の温度を35℃とし、蒸発器側空間の温度を−18℃としている。
さらに、本実施形態では、第1熱交換部171および第2熱交換部172を、それぞれ二重管構造の熱交換器によって構成しているので、内部熱交換器171を容易に形成できるとともに、上述の内部熱交換器17の全長に対する第2熱交換部172Lの占める割合を容易に調整できる。
(c)さらに、本実施形態では、第1熱交換部171を放熱器側空間に配置し、第2熱交換部172を蒸発器側空間に配置することによって、外部熱交換量を低減できるので、エジェクタ20へ流入する冷媒の過冷却度が不必要に高くなってしまうことを防止できる。その結果、エジェクタ20の膨張損失エネルギーの回収量(以下、回収エネルギー量という。)の低減を抑制できる。
このことを図7のモリエル線図により説明する。図7の実線は、本実施形態の冷凍サイクル装置10を作動させた際の冷媒の状態を示し、破線は、本実施形態の冷凍サイクル10の構成において、過冷却度が不必要に高くなった冷媒をエジェクタ20へ流入させた際の冷媒の状態を示している。
なお、モリエル線図上の各●点は、図2の同一の符号の箇所における冷媒の状態を示している。また、上記実線上の符号と破線上の符号との区別を明確にするために、破線上の符号については、「’(ダッシュ)」付の符号で示している。
本実施形態の冷凍サイクル装置10を作動させると、エジェクタ20へ流入する冷媒は、適切な過冷却度の冷媒状態102となる。この場合、エジェクタ20における回収エネルギー量は、実線中に示される冷媒状態103から冷媒状態104へのエンタルピの低下量ΔH1で表される。そして、ディフューザ部20dでは、昇圧量ΔP1の昇圧を行うことができる。
一方、エジェクタ20へ流入する冷媒が、不必要に過冷却度の高い冷媒状態102’になっていると、図7に示すように、エジェクタ20における回収エネルギー量は、破線中に示される冷媒状態103’から冷媒状態104’へのエンタルピの低下量ΔH2に減少してしまう。その結果、ディフューザ20dにおける昇圧量もΔP2に減少してしまう。
すなわち、本実施形態では、外部熱交換量を低減して、エジェクタ20へ流入する冷媒の過冷却度が不必要に高くなってしまうことを防止できるので、エジェクタ20の回収エネルギー量の低下を抑制して、ディフューザ部20dにおける冷媒昇圧量が低下してしまうことを防止できる。その結果、減圧手段としてエジェクタ20を採用するサイクルにおいては、極めて、効果的に冷凍サイクルの成績係数(COP)を向上できる。
(第2、3実施形態)
第2、3実施形態では、第1実施形態に対して、内部熱交換器17の第1熱交換部171および第2熱交換部172の構成が異なる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。第1実施形態と同様に、第2、3実施形態においても、第1熱交換部171および第2熱交換部172の基本的構成は同一であるので、それぞれ、第1熱交換部171の構成について説明する。
まず、第2実施形態の第1熱交換部171は、図8に示すように、第1外側管171aの外表面に、第1実施形態の第1内側配管171bに相当する第1配管171b’を接着したものである。より具体的には、高熱伝導性を有するとともに接着強度の高い高熱伝導接着剤(エポキシ系接着剤)200にて、第1外側間171aと第1配管171b’とを接着している。もちろん、ろう付け、溶接等の接合手段で接合してもよい。
なお、図8は、第2実施形態の第1熱交換部171の長手方向垂直断面である。また、図8では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。これは以下の実施形態でも同様である。
また、第3実施形態の第1熱交換部171では、図9に示すように、第1外側管171aの外表面に、第1内側管171bを嵌め込むための溝部171dを形成して、この溝部171dに第1内側管171bを嵌め込んだ状態で接合したものである。なお、図9は、第3実施形態の第1熱交換部171の長手方向垂直断面である。
なお、第1実施形態では、第1外側管171aによって、高圧冷媒が流通する第1高圧側冷媒通路を構成し、第1内側管171bによって、低圧冷媒が流通する第1低圧側冷媒通路を構成しているが、第2、3実施形態では、第1外側管171aによって、低圧冷媒が流通する第1低圧側冷媒通路を構成し、第1外側管171aよりも外径の細い第1内側管171bによって、高圧冷媒が流通する第1高圧側冷媒通路を構成している。
つまり、第2、3実施形態では、低圧冷媒と周囲空気との外部熱交換が生じやすくなる構成になる。このような構成であっても、内部熱交換器17のうち、第1熱交換部171を放熱器側空間に配置し、第2熱交換部172を蒸発器側空間に配置することによって、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
すなわち、内部熱交換器17全体を庫外に配置する場合に対して、低圧冷媒が第1熱交換部171へ流入した際に、放熱器側空間の周囲空気から受熱する熱量を小さくできる。これにより、外部熱交換量を抑制できるので、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、内部熱交換器27を採用している。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
内部熱交換器27の詳細については、図10により説明する。なお、図10は、内部熱交換器27の長手方向断面図である。図10に示すように、内部熱交換器27は、2つに分割された第1熱交換部271および第2熱交換部272を有している。さらに、第1熱交換部271は庫外側(放熱器側空間)に配置され、第2熱交換部272は庫内側(蒸発器側空間)に配置されている。
第1熱交換部271は、第1実施形態の第1熱交換部171と基本的に同様の構成である。一方、第2熱交換部272は、第2外側管271aの内部に第2内側管271bを隙間バメ状態で嵌挿した、二重管式の熱交換器構成になっているものの、第2外側管271aは、低圧冷媒が流通する第2低圧側冷媒通路を構成しており、第2内側管271bは、高圧冷媒が流通する第2高圧側冷媒通路を構成している。
そして、図10に示すように、第1外側管271aおよび第2内側管272bは、接続配管274を介して接続されており、また、第1内側管271bおよび第2外側管272aは、接続配管273を介して接続されている。さらに、第1熱交換部271の長手方向長さ271Lおよび第2熱交換部272の長手方向長さ272Lは、略同等となっている。
なお、図10では、第1熱交換部271および第2熱交換部272の接続関係を明確にするために、第1実施形態の螺旋状の溝171c、172cに相当する溝を省略しているが、もちろん同様の螺旋状の溝を第1内側管271bおよび第2内側管272bに設けてもよい。
すなわち、内部熱交換器27の第1熱交換部271では、第1高圧側冷媒通路と放熱器側空間との接触面積が、第1低圧側冷媒通路と放熱器側空間との接触面積よりも大きく形成され、第2熱交換部272では、第2低圧側冷媒通路と蒸発器側空間との接触面積が、第2高圧側冷媒通路と蒸発器側空間との接触面積よりも大きく形成されている。
従って、第1熱交換部271では、高圧冷媒と放熱器側空間の周囲空気との熱交換量が、低圧冷媒と放熱器側空間の周囲空気との熱交換量よりも多くなる。一方、第2熱交換部272では、低圧冷媒と蒸発器側空間の周囲空気との熱交換量が、高圧冷媒と蒸発器側空間の周囲空気との熱交換量よりも多くなる。
これにより、高圧冷媒および低圧冷媒のうち、周囲空気との温度差が少なくなる方の冷媒と周囲空気とが外部熱交換することになるので、より一層、効果的に外部熱交換量を抑制して、蒸発器にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを抑制できる。
(第5実施形態)
上述の実施形態では、減圧手段として、温度式膨張弁18、エジェクタ20および固定絞り24を採用しているが、本実施形態では、図11の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、分岐部19、エジェクタ20、冷媒分岐通路21、固定絞り24および第2蒸発器25を廃止し、減圧手段としては、温度式膨張弁18のみを採用している。すなわち、本実施形態の冷凍サイクル装置10は、通常の蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成している。
本実施形態の冷凍サイクル装置10を作動させても、内部熱交換器17のうち、第1熱交換部171を放熱器側空間に配置し、第2熱交換部172を蒸発器側空間に配置しているので、第1実施形態と同様に、蒸発器22にて発揮される冷凍能力が、外部熱交換によって低減してしまうことを抑制できる。
もちろん、本実施形態のサイクル構成に、第2、3実施形態で説明した内部熱交換器17および第4実施形態で説明した内部熱交換器27を適用してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、第1蒸発器22、25を冷凍庫室3の冷却用に用いたが、第1、2蒸発器22、25の用途は、これに限定されない。例えば、第1蒸発器22を車室内空調用に用い、第1蒸発器22に対して冷媒蒸発温度の低い第2蒸発器25を冷凍庫室あるいは冷蔵庫室に用いてもよい。
すなわち、第1、2蒸発器22、25によって異なる冷却対象空間を冷却するようにしてもよい。なお、この場合は、内部熱交換器17、27のうち、第2熱交換部172、272を、外部熱交換量の少なくなる側の蒸発器側空間に配置すればよい。また、冷凍サイクル装置10の適用対象は、車両用に限定されることはなく、定置用等の冷凍サイクル装置として用いてもよい。
(2)上述の各実施形態では、エジェクタ20のディフューザ部20dの下流側に第1蒸発器22を配置しているが、この第1蒸発器22を廃止してもよい。また、第1蒸発器22出口側と内部熱交換器17、27の低圧冷媒入口側との間に、冷媒の気液を分離する気液分離器をなすアキュムレータを配置してもよい。
(3)上述の実施形態では、放熱器14を冷媒と外気とを熱交換させる室外側熱交換器とし、第1、2蒸発器22、25を室内側熱交換器として冷凍庫室の冷却用に適用しているが、逆に、第1、2蒸発器22、25を外気等の熱源から吸熱する室外側熱交換器として構成し、放熱器14を空気あるいは水等の被加熱流体を加熱する室内側熱交換器として構成するヒートポンプサイクルに本発明を適用してもよい。
第1実施形態の冷凍車の模式図である。 第1実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。 第1実施形態の内部熱交換器の長手方向断面図である。 第1実施形態の内部熱交換器の要部を示す斜視図である。 高圧冷媒と庫内との温度差および外部熱交換量の関係を示すグラフである。 分割比と外部熱交換量の関係を示すグラフである。 第1実施形態の冷媒の状態を示すモリエル線図である。 第2実施形態の内部熱交換器の長手方向垂直断面図である。 第3実施形態の内部熱交換器の長手方向垂直断面図である。 第4実施形態の内部熱交換器の長手方向断面図である。 第5実施形態の冷凍サイクル装置の全体構成図である。
符号の説明
11…圧縮機、14…放熱器、17、27…内部熱交換器、18…温度式膨張弁、
20…エジェクタ、20a…ノズル部、22…第1蒸発器、24…固定絞り、
25…第2蒸発器、171、271…第1熱交換部、172、272…第2熱交換部、
271a…第1外側管、271b…第1内側管、272a…第2外側管、
272b…第2内側管、

Claims (6)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(11)と、
    前記圧縮機(11)吐出冷媒を放熱させる放熱器(14)と、
    前記放熱器(14)下流側の冷媒を減圧膨張させる減圧手段(18、20、24)と、
    前記減圧手段(18、20、24)にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(22、25)とを備える蒸気圧縮式の冷凍サイクル装置であって、
    前記放熱器(14)から流出した高圧冷媒と前記圧縮機(11)へ吸入される低圧冷媒とを熱交換させる内部熱交換器(17、27)を備え、
    前記内部熱交換器(17、27)は、第1熱交換部(171、271)および第2熱交換部(172、272)を有して構成され、
    前記第1熱交換部(171、271)は、前記放熱器(14)が配置された放熱器側空間に配置され、
    前記第2熱交換部(172、272)は、前記蒸発器(22、25)が配置された蒸発器側空間に配置され、
    前記第1熱交換部(171、271)と前記第2熱交換部(172、272)とは、前記第1熱交換部(171、271)から前記第2熱交換部(172、272)への順で前記高圧冷媒が流れ、前記第2熱交換部(172、272)から前記第1熱交換部(171、271)への順で前記低圧冷媒が流れるように配置されていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 前記第1熱交換部(271)は、高圧冷媒が流通する第1高圧側冷媒通路(271a)および低圧冷媒が流通する第1低圧側冷媒通路(271b)を有し、
    前記第1高圧側冷媒通路(271a)と前記放熱器側空間との接触面積は、前記第1低圧側冷媒通路(271b)と前記放熱器側空間との接触面積よりも大きく形成され、
    前記第2熱交換部(272)は、高圧冷媒が流通する第2高圧側冷媒通路(272b)および低圧冷媒が流通する第2低圧側冷媒通路(272a)を有し、
    前記第2低圧側冷媒通路(272a)と前記蒸発器側空間との接触面積は、前記第2高圧側冷媒通路(272b)と前記蒸発器側空間との接触面積よりも大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記第1熱交換部(171、271)および前記第2熱交換部(172、272)は、それぞれ二重管構造の熱交換器によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記第1熱交換部(171)および前記第2熱交換部(172)は、それぞれ高圧側冷媒配管と低圧側冷媒配管とを接合することによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記第1熱交換部(171、271)の長手方向長さ(171L、271L)および前記第2熱交換部(172、272)の長手方向長さ(172L、272L)は、同等の長さに形成されている特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記減圧手段は、前記高圧冷媒を減圧膨張させるノズル部(20a)から噴射する高速度の冷媒流により冷媒を内部に吸引して、吸引された冷媒と前記高速度の冷媒流を混合して昇圧させるエジェクタ(20)にて構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の冷凍サイクル装置。
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