JP4591413B2 - エジェクタ式冷凍サイクル - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒減圧手段および冷媒循環手段の役割を果たすエジェクタを有するエジェクタ式冷凍サイクルの除霜運転に関するものであり、例えば、車両用空調冷蔵装置の冷凍サイクルに適用して有効である。
従来、複数の蒸発器を備えるエジェクタ式冷凍サイクルの除霜運転は既に特許文献1にて提案されている。この特許文献1に記載されている第2実施形態(図3参照)では、放熱器と圧縮機の吸入側との間にエジェクタと第1蒸発器と、エジェクタの上流側で冷媒流れを分岐して、この冷媒流れをエジェクタの冷媒吸引口に導く分岐通路と、この分岐通路に絞り手段と第2蒸発器とを備えている。
そして、圧縮機から吐出された高圧冷媒を直接第2蒸発器に導入するバイパス通路と、そのバイパス通路を開閉するシャット機構とを有する除霜手段を備えている。そして、第2蒸発器近傍の空気温度がフロスト判定温度以下に低下すると、シャット機構を開放して、高温の冷媒(ホットガス)を第2蒸発器に流入して表面に付着した霜を溶かしている。
特開2006−118849号公報
しかしながら、上記特許文献1では、除霜運転時において、圧縮機で吐出された高温の冷媒(ホットガス)をバイパス通路、第2蒸発器、エジェクタ、第1蒸発器の順に流通するように構成されているため、除霜運転のときは、第1蒸発器も同時に除霜運転を行うことになっている。
例えば、一方の第1蒸発器を車室内冷房用の冷却熱交換器として用い、もう一方の第2蒸発器を冷却対象空間(具体的には、冷蔵庫内空間)の冷却熱交換器として用いる場合において、第2蒸発器の表面に霜が付着してフロスト判定温度以下に低下すると、除霜運転が行われる。
換言すると、第2蒸発器がフロスト終了温度以上に上昇するまで第1蒸発器の冷却作用が停止されることになる。
さらに、第2蒸発器の冷媒蒸発圧力は、第1蒸発器の冷媒蒸発圧力よりも低くなるように構成されている。換言すると、第2蒸発器の冷媒蒸発圧力が第1蒸発器よりも低下するため、第2蒸発器の霜付きによる除霜運転の頻度が多くなる。これにより、できるだけ除霜運転を短時間で完了することが望ましい。
そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みたものであり、複数の蒸発器を備えるエジェクタ式冷凍サイクルにおける除霜時間の短縮が図れるエジェクタ式冷凍サイクルを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項5に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(12)と、この圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(13)と、この放熱器(13)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)、およびそのノズル部(14a)から噴出する高い速度の冷媒流により冷媒が吸引される冷媒吸引口(14c)を有するエジェクタ(14)と、冷媒流出側が圧縮機(12)の吸入側に接続される第1蒸発器(15)と、エジェクタ(14)の上流側で冷媒流れを分岐して、この冷媒流れを冷媒吸引口(14c)に導く分岐通路(17)と、この分岐通路(17)に配置され、冷媒を減圧膨張させる絞り手段(18)と、この分岐通路(17)において、絞り手段(18)よりも下流側に配置される第2蒸発器(19)と、圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒を直接第2蒸発器(19)に導入するバイパス通路(23)と、第2蒸発器(19)の除霜時に、バイパス通路(23)を開放状態にするシャット機構(24)とを備え、第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗は、第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きくなるように形成したことを特徴としている。
この発明によれば、除霜運転の時は圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒が第2蒸発器(19)、エジェクタ(14)、第1蒸発器(15)の順に流れる。第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗が第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きいので、第2蒸発器(19)の圧力損失が大きい。この結果、第2蒸発器(19)の入口冷媒温度の低下が抑えられ、高く維持される。この結果、第2蒸発器(19)を通過する冷媒の平均温度が高くなることで除霜時間を短縮することができる。
請求項2に記載の発明では、第1蒸発器(15)および第2蒸発器(19)は、冷媒側の通路断面積が同等のチューブ(110)で形成されており、第2蒸発器(19)のチューブ(110)の本数は、第1蒸発器(15)のチューブ(110)の本数よりも少なくなるように形成したことを特徴としている。この発明によれば、第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きくすることができる。
請求項3に記載の発明では、第1蒸発器(15)および第2蒸発器(19)は、チューブ長さが同等のチューブ(110)で形成されており、第2蒸発器(19)のチューブ(110)の冷媒側の通路断面積は、第1蒸発器(15)のチューブ(110)の冷媒側の通路断面積よりも小さくなるように形成したことを特徴としている。この発明によれば、第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きくすることができる。
請求項4に記載の発明では、第1蒸発器(15)および第2蒸発器(19)は、冷媒側の通路断面積が同等のチューブ(110)で形成されており、第2蒸発器(19)のチューブ(110)のチューブ長さは、第1蒸発器(15)のチューブ(110)のチューブ長さよりも長くなるように形成したことを特徴としている。この発明によれば、第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きくすることができる。
請求項5に記載の発明では、第1蒸発器(15)および第2蒸発器(19)は、冷媒側の通路断面積が同等のチューブ(110)で形成されており、第2蒸発器(19)のチューブ(110)の冷媒側を溝付き状通路に形成し、第1蒸発器(15)のチューブ(110)の冷媒側を平滑状通路に形成したことを特徴としている。この発明によれば、第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きくすることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態におけるエジェクタ式冷凍サイクルを図1ないし図4に基づいて説明する。図1はエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル図である。図2は第1実施形態における第1蒸発器15および第2蒸発器19の全体構成を示す正面図である。また、図3は第1実施形態による除霜運転時の作動を示すモリエル線図である。また、図4(a)および図4(b)は外気温度をパラメータとして、第1実施形態による除霜時間比と流通抵抗を同等に構成したときの除霜時間比との関係を示す特性図である。
本実施形態では、本発明のエジェクタ式冷凍サイクルを車両用空調冷蔵装置の冷凍サイクルに適用した例を示しており、図1に示すように、このエジェクタ式冷凍サイクル10には冷媒循環経路11が備えられており、この冷媒循環経路11には冷媒を吸入、圧縮する圧縮機12が配置されている。
本実施形態では、圧縮機12を図示しない車両走行用エンジンによりベルト等を介して回転駆動するようになっている。そして、圧縮機12として吐出容量の変化により冷媒吐出能力を調整できる可変容量型圧縮機を使用している。ここで、吐出容量は1回転当たりの冷媒吐出量に相当するもので、冷媒の吸入容積を変化させることにより吐出容量を変化させることができる。
可変容量型圧縮機12としては斜板式が代表的であり、具体的には、斜板の角度を変化させてピストンストロークを変化させて冷媒の吸入容積を変化させる。なお、容量制御機構を構成する電磁式圧力制御装置12aにより斜板室の圧力(制御圧力)を変化させることにより、斜板の角度を外部から電気的に制御できる。
この圧縮機12の冷媒流れ下流側には放熱器13が配置されている。放熱器13は圧縮機12から吐出された高圧冷媒と図示しない冷却ファンにより送風される外気(車室外空気)との間で熱交換を行って高圧冷媒を冷却する。
放熱器13よりもさらに冷媒流れ下流側部位には、エジェクタ14が配置されている。このエジェクタ14は冷媒を減圧する減圧手段であるとともに、高速で噴出する冷媒流の吸引作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプである。
エジェクタ14には、放熱器13から流入する高圧冷媒の通路面積を小さく絞って、高圧冷媒を等エントロピ的に減圧膨張させるノズル部14aと、ノズル部14aの冷媒噴出口と連通するように配置され、後述する第2蒸発器19からの冷媒を吸引する冷媒吸引口14cが備えられている。
さらに、ノズル部14aおよび冷媒吸引口14cの冷媒流れ下流側部位には、昇圧部をなすディフューザ部14bが配置されている。このディフューザ部14bは冷媒の通路面積を徐々に大きくする形状に形成されており、冷媒流れを減速して冷媒圧力を上昇させる作用、つまり、冷媒の速度エネルギーを圧力エネルギーに変換する作用を果たす。
エジェクタ14のディフューザ部14bから流出した冷媒は、第1蒸発器15に流入する。第1蒸発器15は、例えば、車室内空調ユニット(図示せず)の通風路内に設置され、車室内冷房用の冷却作用を果たす。
具体的には、車室内空調ユニットの第1送風機16により車室内空調空気が第1蒸発器15に送風され、エジェクタ14にて減圧後の低圧冷媒が第1蒸発器15において車室内空調空気から吸熱して蒸発することにより車室内空調空気が冷却されて冷房能力を発揮する。第1蒸発器15で蒸発した気相冷媒は圧縮機12に吸入され、再び冷媒循環経路11を循環する。なお、第1蒸発器15の全体構成については後述する。
また、本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクルには、冷媒循環経路11の放熱器13とエジェクタ14との間の部位で分岐し、エジェクタ14の冷媒吸引口14cで冷媒循環経路11に合流する分岐通路17が形成されている。
この分岐通路17には、冷媒の減圧を行う絞り手段である絞り機構18が配置されている。この絞り機構18は、固定絞りあるいは可変絞りを用いて構成されている。そして、この絞り機構18よりも冷媒流れ下流側部位には第2蒸発器19が配置されている。
この第2蒸発器19は、例えば、車両搭載の冷蔵庫(図示せず)内部に設置され、冷蔵庫内の冷却作用を果たす。冷蔵庫内の空気を第2送風機20により第2蒸発器19に送風するようになっている。なお、第2蒸発器19の全体構成については後述する。
そして、圧縮機12の吐出側通路と第2蒸発器19の入口部とを直接結合するバイパス通路23を形成し、このバイパス通路23にシャット機構24を設けている。このシャット機構24は具体的には通電されたときのみ開弁する常閉式電磁弁により構成できる。
このバイパス通路23は、第2蒸発器19の表面に霜付きが起きたときに、圧縮機12からの吐出ガスを直接第2蒸発器19に流通させるホットガス通路であって、放熱器13、絞り機構18をバイパスするように形成されている。
そして、通常時(第2蒸発器19の除霜を行う必要のない時)には、後述する電気制御装置21の制御信号によりシャット機構24がシャット状態に維持される。このため、バイパス通路23には冷媒が流れないので、圧縮機21の作動によって、冷凍サイクル作動が行われ、第1蒸発器15により車室内の冷却作用を発揮できると同時に、第2蒸発器19により冷蔵庫内の冷却作用を発揮できる。
また、第2蒸発器19近傍の所定位置には温度センサ22が配設され、この温度センサ22により第2蒸発器19近傍の空気温度を検出する。この温度センサ22の検出信号は後述する電気制御装置21に入力される。
そして、温度センサ22により検出される第2蒸発器19近傍の空気温度に基づいて、第2蒸発器19の除霜を行う除霜運転時には、後述する電気制御装置21の制御信号によりシャット機構24が開放される。このため、圧縮機12吐出側の高温高圧の気相冷媒がバイパス通路23を通過して第2蒸発器19に流入するので、第2蒸発器19表面に付着した霜を溶かすことができる。
また、本実施形態では可変容量型圧縮機12の電磁式圧力制御装置12a、第1、第2送風機16、20、絞り機構18等は、電気制御装置(以下ECUと略称)21からの制御信号により電気的に制御されるようになっている。
ところで、上述した第1蒸発器15は、エジェクタ14で減圧された冷媒と第1送風機16によって送風される車室内空気とを熱交換させて車室内空気から冷媒に熱を吸収させる蒸発器である。
本実施形態の第1蒸発器15は、図2(a)に示すように、チューブ110とフィン120とから成るコア部110、120を有するフィンアンドチューブ方式の熱交換器である。
コア部110、120および左右のヘッダタンク130から構成され、これらを構成する各部材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、嵌合、かしめ、治具固定などにより組み付けられ、予め各部材表面に設けられたろう材に、一体ろう付けにより各部材が接合されて構成している。
コア部110、120は、内部を冷媒が流通する複数のチューブ110、および板状に形成された複数のフィン120がチューブ110の長手方向に車室内の冷却負荷に応じて所定のフィンピッチを介して所定の総枚数で配設されている。
なお、複数のチューブ110のそれぞれは、内径φdの略円筒状に形成されたパイプであり、空気流れ方向に沿って千鳥状に風上側と風下側との2列配列されている。所定のピッチを隔てて所定の本数N1を配列している。
そして、複数のチューブ110の長手方向における端部には、チューブの積層方向に延びる一対のヘッダタンク130が設けられている。ヘッダタンク130は、図示しないがタンク部、コアプレートおよびエンドプレートから一体的に形成される。
タンク部(図示せず)は、断面形状が略U字状をなし、コアプレート側に開口部を有する箱型の容器体をなしている。コアプレート(図示せず)は、短辺方向の両端に図示しないかしめ部を有する略コの字状に形成されるとともに、チューブ110端部に対応する位置にチューブ挿入孔(図示せず)が複数個に設けられている。
なお、チューブ110端部がこのチューブ挿入孔に接合されることによりタンク空間とチューブ110の内部とが互いに連通される。エンドプレートは、タンク部とコアプレートとにより形成されるタンク空間の両端部を閉塞するための部材である。
また、右側のヘッダタンク130の一端部には、冷媒がヘッダタンク130内に流入する流入口140が形成されている。左側のヘッダタンク130の一端部には、熱交換された冷媒がヘッダタンク130から外部に流出する流出口150が形成されている。
一方の第2蒸発器19は、絞り機構18で減圧された冷媒と第2送風機20によって送風される冷蔵庫内の空気とを熱交換させて車室内空気から冷媒に熱を吸収させる蒸発器である。
本実施形態の第2蒸発器19は、図2(b)に示すように、第1蒸発器15と同様のチューブ110とフィン120とから成るコア部110、120を有するフィンアンドチューブ方式の熱交換器である。
ただし、第2蒸発器19では、一対のヘッダタンク130の間に配設される複数のチューブ110は、第1蒸発器15に用いられる冷媒側の通路断面積が同等となる内径φdの略円筒状に形成されたパイプ状のチューブ110を用いて、ここでは、チューブ110の本数N2を第1蒸発器15よりも少なくなるように構成している。
換言すると、第2蒸発器19の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器15の冷媒側の流通抵抗よりも大きくなるように形成している。すなわち、第2蒸発器19のほうが第1蒸発器15よりも冷媒側の圧力損失を大きくなるように形成している。
また、第2蒸発器19側のフィン120は、冷蔵庫内の冷却負荷に応じて所定のフィンピッチを介して所定の総枚数で配設されている。従って、第2蒸発器19のフィン120の総枚数は第1蒸発器15側とは異なっている。
なお、本実施形態では、第1蒸発器15、第2蒸発器19をチューブ110の両端に一対のヘッダタンク130を配設するように構成したが、これに限らず、ヘッダタンク130を用いずに、チューブ110の両端の開口部を略U字状からなる接続パイプ(図示せず)で接続させて、流入口140から流入した冷媒がチューブ110内を左方向→右方向→左方とUターンを繰り返して流出口150から外部に流出するように第1蒸発器15、第2蒸発器19を構成しても良い。
次に、上記構成において本実施形態の作動を説明する。圧縮機12を車両エンジンにより駆動すると、圧縮機12で圧縮されて高温高圧状態となった冷媒は放熱器13に流入して外気により冷却され凝縮する。放熱器13から流出した高圧液冷媒は、冷媒循環径路11を流れる流れと、分岐通路17を流れる流れとに分流する。
ここで、通常時(第2蒸発器19の除霜を行う必要のない時)は分岐通路17の絞り機構18がECU21の制御信号にて固定絞りとして作用するので、分岐通路17を流れる冷媒は、絞り機構18で減圧されて低圧状態となる。この低圧冷媒は第2蒸発器19で第2送風機20により送風される冷蔵庫内の空気から吸熱して蒸発する。これにより、第2蒸発器19が冷蔵庫内の冷却作用を発揮する。
ここで、絞り機構18を固定絞りで制御するように構成したが、これに限らず、絞り機構18を可変絞りとして、その開度を調節するようにしても良い。これによれば、第1分岐通路17を通過して第2蒸発器19に流入する冷媒の流量を調節することができる。従って、ECU21にて第2送風機20の回転数(送風量)を制御することにより、第2蒸発器19が発揮する冷却対象空間(具体的には冷蔵庫内空間)の冷却能力を制御できる。
第2蒸発器19から流出した気相冷媒はエジェクタ14の冷媒吸引口14cへ吸引される。一方、冷媒循環経路11を流れる冷媒流れはエジェクタ14に流入し、ノズル部14aで減圧され膨張する。従って、ノズル部14aで冷媒の圧力エネルギーが速度エネルギーに変換され、冷媒は高速度となってノズル噴出口から噴出する。この際に生じるノズル噴出口付近の圧力低下により、冷媒吸引口14cから第2蒸発器19にて蒸発した気相冷媒を吸引する。
ノズル部14aから噴出した冷媒と冷媒吸引口14cに吸引された冷媒は、ノズル部14a下流側で混合してディフューザ部14bに流入する。このディフューザ部14bでは通路面積の拡大により、冷媒の速度(膨張)エネルギーが圧力エネルギーに変換されるため、冷媒の圧力が上昇する。エジェクタ14のディフューザ部14bから流出した冷媒は、第1蒸発器15に流入する。
第1蒸発器15では、冷媒が車室内へ吹き出す空調空気から吸熱して蒸発する。この蒸発後の気相冷媒は、圧縮機12に吸入、圧縮され、再び冷媒循環経路11を循環する。ここで、ECU21は、圧縮機12の容量制御を行って、圧縮機12の冷媒吐出能力を制御できる。
これにより、第1蒸発器15への冷媒流量を調節するとともに、第1送風機26の回転数(送風量)を制御することにより、第1蒸発器15が発揮する冷却対象空間の冷却能力、具体的には車室内冷房能力を制御できる。
ところで、第1蒸発器15の冷媒蒸発圧力はディフューザ部14bで昇圧した後の圧力であり、一方、第2蒸発器19の出口側はエジェクタ14の冷媒吸引口14cに接続されているから低い圧力を第2蒸発器19に作用させることができる。
これにより、第1蒸発器15の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)よりも第2蒸発器19の冷媒蒸発圧力(冷媒蒸発温度)を低くすることができる。従って、第1蒸発器15により車室内の冷房に適した比較的高温域の冷却作用を発揮できると同時に、第2蒸発器19により冷蔵庫内の冷却に適した一段と低温域の冷却作用を発揮できる。
ここで、第2蒸発器19は冷媒蒸発温度が0℃より低い条件にて運転されることがあるので、第2蒸発器19のフロスト(霜付き)による冷却性能の低下が課題となる。そこで、本実施形態においては、第2蒸発器19近傍に温度センサ22を配置し、この温度センサ22の検出温度に基づいて第2蒸発器19のフロスト有無をECU21で判定して第2蒸発器19の除霜を自動的に行うようになっている。
すなわち、温度センサ22により検出される第2蒸発器19近傍の空気温度が予め設定したフロスト判定温度Ta以下に低下すると、ECU21は第2蒸発器19のフロスト状態を判定してシャット機構24を開放する。
この結果、圧縮機12吐出側の高温高圧の気相冷媒がバイパス通路23を通過して第2蒸発器19に流入するので、第2蒸発器19表面に付着した霜を溶かすことができ、極めて簡単な構成にて第2蒸発器19の除霜運転を行うことができる。
この除霜運転の実行により、第2蒸発器19近傍の空気温度が上記フロスト判定温度T0よりも所定温度αだけ高い除霜終了温度Tb(Tb=Ta+α)まで上昇すると、ECU21にて除霜運転の終了を判定して、シャット機構24をシャット状態に復帰させる。これにより、絞り機構18は再び固定絞りの作用を発揮するので、第2蒸発器19も冷却作用を発揮する状態に復帰する。
なお、この除霜運転時においては、第1送風機16と第2送風機20とが停止状態となるようECU21により制御される。換言すると、第2蒸発器19の表面に霜が付着してフロスト判定温度Ta以下に低下すると、第2蒸発器19が除霜終了温度Tb以上に上昇するまで第1蒸発器15の冷却作用が停止されることになる。
そこで、本実施形態では、この除霜時間を短時間で終了させるために、第2蒸発器19の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器15の冷媒側の流通抵抗よりも大きくなるように形成している。より具体的には、発明者らの検討によれば、第2蒸発器19の流通抵抗を第1蒸発器15の流通抵抗よりも大きくすることで、第2蒸発器19に流入する冷媒の温度が高くなってチューブ110内を流通する冷媒の平均温度が上昇させることを見出したものである。
これを、図3に示す本実施形態における除霜運転時のサイクル挙動を示すモリエル線図に基づいて説明する。図中に示す実線は本実施形態による第2蒸発器19のほうが第1蒸発器15よりも冷媒側の流通抵抗を大きくなるように形成したときのサイクル挙動を示しており、図中に示す破線は第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときのサイクル挙動を示している。
そして、A点は圧縮機12で圧縮された吐出冷媒の圧力とエンタルピとの状態を示す。同じように、B点は第2蒸発器19に流入する冷媒の状態を示し、C点は第2蒸発器19を流出する冷媒の状態を示し、D点は第1蒸発器15に流入する冷媒の状態を示し、E点は第1蒸発器15を流出する冷媒の状態を示す。
また、図中に示すB点は第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときにおける第2蒸発器19に流入する冷媒の状態を示す。なお、C点からD点に向けて圧力が低下しているのは、第2蒸発器19から流出された冷媒がエジェクタ14を流通するときの圧力損失である。また、A点からB点に向けて圧力が低下しているのは、圧縮機12から吐出された冷媒がバイパス通路23およびシャット機構24を流通するときの圧力損失である。
そして、B点からC点に向けて圧力が低下しているのは、第2蒸発器19を冷媒が流通するときにおける圧力損失であり、D点からE点に向けて圧力が低下しているのは、第1蒸発器15を冷媒が流通するときにおける圧力損失である。
さらに、B点からC点に向けて圧力が低下しているのは、流通抵抗を同等に形成したときにおける第2蒸発器19を冷媒が流通するときにおける圧力損失であって、D点からE点に繋ぐ傾斜線とほぼ同じ傾きで示している。
これによれば、B点からC点に繋ぐ傾斜線の方がB点からC点に繋ぐ傾斜線よりも傾きが大きくなっている。すなわち、B点からC点に繋ぐ傾斜線の傾きを大きくすると、モリエル線図上では、B点よりもB点の方が冷媒温度を上昇させることが分った。より具体的には、モリエル線図上では、B点の温度がT1であり、B点の温度がT2である。つまり、等温線上、B点の温度T1よりもB点の温度T2の方が高くなっている。
従って、本実施形態のように、第2蒸発器19のほうが第1蒸発器15よりも流通抵抗を大きくなるように形成した場合のほうが、第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときの場合よりも、除霜運転時において、第2蒸発器19に流入する冷媒の温度を高くなってチューブ110内を流通する冷媒の平均温度を高めることができる。
これにより、第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときよりも本実施形態のほうが除霜時間を短時間で終了させることができる。なお、第2蒸発器19のほうが第1蒸発器15よりも流通抵抗を小さくなるように形成した場合には、B点からC点に繋ぐ傾斜線の傾きがB点からC点に繋ぐ傾斜線の傾きよりも小さくなることで第2蒸発器19に流入する冷媒の温度を高くすることができない。
次に、外気温度をパラメータとして、本実施形態による除霜時間比と第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときの除霜時間比との関係を示す特性図が図4(a)および図4(b)に示す。図4(a)は外気温度が35℃のときであって、図4(b)は外気温度が0℃のときである。なお、除霜時間比は通常の運転時間に対する除霜時間の割合である。
この除霜時間比は、図4(a)に示すように、外気温度が35℃の時には、本実施形態による除霜時間比が第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときの除霜時間比よりも約30%低減できる。
また、図4(b)に示すように、外気温度が0℃の時には、本実施形態による除霜時間比が第2蒸発器19と第1蒸発器15との流通抵抗を同等に形成したときの除霜時間比よりも約60%低減できることが分った。すなわち、外気温度が低下してくると、本実施形態による除霜時間比が大幅に低減させることができる。
以上の第1実施形態によるエジェクタ式冷凍サイクルによれば、第1蒸発器15と第2蒸発器19とが冷媒側の通路断面積が同等のチューブ110を用いて形成されており、第2蒸発器19のチューブ110の本数を第1蒸発器15のチューブ110の本数よりも少なくなるように形成したことにより、第2蒸発器19の冷媒流通抵抗を第1蒸発器15の冷媒流通抵抗よりも大きくすることができる。
また、除霜運転の時は圧縮機12から吐出された高圧冷媒が第2蒸発器19、エジェクタ14、第1蒸発器15の順に流れるが、第2蒸発器19の冷媒側の流通抵抗が第1蒸発器15の冷媒側の流通抵抗よりも大きいので、第2蒸発器19における圧力損失が大きくなって、第2蒸発器19の入口冷媒温度が上昇する。この入口冷媒温度の上昇で第2蒸発器19を流通する冷媒の平均温度が高くなることで除霜時間を短縮することができる。
なお、本実施形態では、シャット機構24が閉じている通常の冷凍サイクル運転時には、第2蒸発器19には分岐された冷媒の一部が流れ、第1蒸発器15にはサイクルを流れる冷媒の全量が流れる。しかも、第2蒸発器15が上流側に位置づけられることから、第2蒸発器19には比較的液成分が多い冷媒が流れる。
このため、第2蒸発器19が比較的大きい流通抵抗をもっていても、通常運転時には、過大な圧力損失が第2蒸発器19において生じることが抑えられる。また、第1蒸発器15が比較的小さい流通抵抗をもつので、通常運転時に冷凍サイクルの全流量が通過しても、そこで過大な圧力損失を生じることが抑えられる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、第2蒸発器19のほうが第1蒸発器15よりも流通抵抗を大きくなるように形成するために、第1蒸発器15と第2蒸発器19とが冷媒側の通路断面積が同等のチューブ110を用いて形成されており、第2蒸発器19のチューブ110の本数を第1蒸発器15のチューブ110の本数よりも少なくなるように形成したが、これに限らず、第2蒸発器19のほうが第1蒸発器15よりもチューブ110の通路断面積を小さくするように形成しても良い。
より具体的には、図5(a)および図5(b)に示すように、第1蒸発器15に配設するチューブ110内径をφd1で形成し、第2蒸発器19に配設するチューブ110内径をφd1よりも小径であるφd2で形成している。なお、チューブ110本数Nは互いに同等の数を配設している。
以上の構成によれば、第2蒸発器19の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器15の冷媒側の流通抵抗よりも大きくすることができる。従って、第2蒸発器19の流入側の圧力損失が上昇することで第2蒸発器19の入口温度が上昇する。この入口温度の上昇で第2蒸発器19を流通する冷媒の平均温度が高くなることで除霜時間を短縮することができる。
(第3実施形態)
本実施形態では、図6(a)および図6(b)に示すように、第1蒸発器15に配設するチューブ110の長さをL1で形成し、第2蒸発器19に配設するチューブ110の長さをL1より長くしたL2で形成している。なお、チューブ110本数Nは互いに同等の数を配設し、第1蒸発器15と第2蒸発器19とが冷媒側の通路断面積が同等のチューブ110を用いている。
以上の構成によれば、第2蒸発器19の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器15の冷媒側の流通抵抗よりも大きくすることができる。
(第4実施形態)
本実施形態のエジェクタ式冷凍サイクル10では、図7に示すように、第1蒸発器15および第2蒸発器19により共通の冷却対象空間(具体的には、車載冷蔵庫の庫内空間)を0℃以下の低温に冷却する冷蔵庫用の冷却ユニット37を構成している。
具体的には、第1送風機16の空気流れ上流側に第1蒸発器15を配置し、第1蒸発器15の空気流れ下流側に第2蒸発器19を配置し、第2蒸発器19通過後の冷却空気を冷却対象空間(庫内空間)に吹き出すようになっている。なお、第1蒸発器15と第2蒸発器19はろう付け等の手段で一体に構成してもよい。
本実施形態では、第1蒸発器15および第2蒸発器19により共通の冷却対象空間(庫内空間)を0℃以下の低温に冷却するので、第1蒸発器15および第2蒸発器19の両方に対して除霜運転を実行する必要がある。
次に、冷却ユニット37を有するエジェクタ式冷凍サイクル10の作動を説明する。まず、通常運転時には、圧縮機12、放熱器13の図示しない電動冷却ファン、および冷却ユニット37の第1送風機16が作動状態となり、絞り機構18は所定の絞り状態に制御される。なお、シャット機構24はシャット状態が維持される。
これにより、冷凍サイクル10では第1蒸発器15および第2蒸発器19での冷媒蒸発に伴う吸熱作用によって第1送風機16の送風空気を冷却し、冷却ユニット37の冷却対象空間を冷却できる。すなわち、通常の冷却運転を実行できる。
一方、温度センサ22の検出温度がフロスト判定温度よりも低下すると、制御装置21が第1、第2蒸発器15、19のフロスト状態を判定して冷凍サイクル10の各機器を除霜運転モードに切り替える。
すなわち、制御装置21は、シャット機構24を開放すると同時に、第1送風機16を停止状態にする。なお、放熱器用冷却ファン13aは除霜運転時に停止状態または作動状態のいずれでもよい。
これにより、シャット機構24が開放することにより、圧縮機12で吐出された高温冷媒(ホットガス)が第2蒸発器19に直接流入し、さらに、第2蒸発器19で放熱して所定量だけ温度が低下した中温の冷媒がエジェクタ14の冷媒吸引口14c部分を通過して第1蒸発器15に流入する。このように、圧縮機12で吐出された高温冷媒が第2蒸発器19→第1蒸発器15の順に流れて、第2蒸発器19および第1蒸発器15の除霜を同時に行う。
なお、本実施形態では、第2蒸発器19の冷媒側の流通抵抗を第1蒸発器15の冷媒側の流通抵抗よりも大きくなるように形成していることで、第2蒸発器19の流入側の圧力損失が上昇することで第2蒸発器19の入口温度が上昇する。この入口温度の上昇で第2蒸発器19を流通する冷媒の平均温度が高くなる。さらに、第2蒸発器19で放熱して所定量だけ温度が低下した中温の冷媒を第1蒸発器15に流入させることができる。
従って、第1、第2蒸発器15、19の除霜を行うことができるとともに、第1蒸発器15を含めて第2蒸発器19の除霜時間を短縮することができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述の実施形態に限定されることなく、以下述べるごとく種々変形可能である。
以上の実施形態では、第1、第2蒸発器15、19をチューブ110とフィン120とから成るコア部110、120を有するフィンアンドチューブ方式の熱交換器で構成したが、これに限らず、偏平チューブから成るチューブ110と、そのチューブ110との間にコルゲート状のフィン120を積層するタイプの熱交換器で構成しても良い。
また、以上の実施形態では、チューブ110の内側を平滑状通路で形成したが、これに限らず、チューブ110の内側を溝付き状通路で形成しても良い。換言すると、第2蒸発器19側のチューブ110を溝付き状通路で形成し、第1蒸発器15側のチューブ110を平滑状通路で形成しても良い。
また、以上の実施形態では、第2蒸発器19近傍の空気温度を温度センサ22により検出して除霜運転を自動的に行うようにしているが、これは具体的な一例を示すにすぎず、除霜運転の自動制御は種々変形できる。例えば、蒸発器19近傍の空気温度の代わりに、第2蒸発器19の表面温度を温度センサ22により検出して、除霜運転の自動制御を行うようにしてもよい。
また、第2蒸発器19近傍の冷媒通路内に冷媒温度を検出する冷媒温度センサを設け、第2蒸発器19近傍の冷媒温度に基づいて除霜運転の自動制御を行うようにしてもよい。また、第2蒸発器19近傍の冷媒温度と冷媒圧力は相関関係があるから、第2蒸発器19近傍の冷媒圧力を検出する冷媒圧力センサを設け、第2蒸発器19近傍の冷媒圧力に基づいて除霜運転の自動制御を行うようにしてもよい。
さらに、上記のごとき温度センサ22や冷媒圧力センサを廃止して、ECU21のタイマー機能にてサイクルの起動後に、所定の時間間隔で除霜運転を所定時間のみ自動的に行うようにしてもよい。
また、以上の第1実施形態等では本発明を車両用空調冷蔵装置に適用した例を示したが、冷媒蒸発温度が高温側となる第1蒸発器15と冷媒蒸発温度が低温側となる第2蒸発器19の両方をともに冷蔵庫内の冷却に用いてもよい。
つまり、冷媒蒸発温度が高温側となる第1蒸発器15により冷蔵庫内の冷蔵室を冷却し、冷媒蒸発温度が低温側となる第2蒸発器19により冷蔵庫内の冷凍室を冷却するようにしてもよい。なお、第4実施形態(図7)等では、第1蒸発器15と第2蒸発器19とにより1つの冷却ユニット37を構成し、この冷却ユニット37により1つの冷蔵庫内を冷却する例を示したが、第1蒸発器15と第2蒸発器19を別々の冷蔵庫に配置して、第1蒸発器15と第2蒸発器19により別々の冷蔵庫を冷却するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、冷媒の種類を特定しなかったが、冷媒はフロン系、HC系の代替フロン、二酸化炭素(CO2)など蒸気圧縮式冷凍サイクルに適用できるものであればよい。
なお、ここでフロンとは炭素、フッ素、塩素、水素からなる有機化合物の総称であり、冷媒として広く使用されているものである。フロン系冷媒には、HCFC(ハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン)系冷媒、HFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)系冷媒等が含まれており、これらはオゾン層を破壊しないため代替フロンと呼ばれる冷媒である。
また、HC(炭化水素)系冷媒とは、水素、炭素を含み、自然界に存在する冷媒物質のことである。このHC系冷媒には、R600a(イソブタン)、R290(プロパン)などがある。
また、以上の実施形態では、圧縮機12として可変容量型圧縮機を用い、この可変容量型圧縮機12の容量をECU21により制御して、圧縮機12の冷媒吐出能力を制御するようにしているが、圧縮機12として固定容量型圧縮機を用い、この固定容量型圧縮機12の作動を電磁クラッチによりオンオフ制御し、圧縮機12のオンオフ作動の比率を制御して、圧縮機12の冷媒吐出能力を制御するようにしてもよい。なお、圧縮機12として電動圧縮機を用いる場合は、電動圧縮機12の回転数制御により冷媒吐出能力を制御できる。
また、以上の実施形態において、エジェクタ14として、第1蒸発器15の出口冷媒過熱度などを検知してエジェクタ14のノズル14aの冷媒流路面積、つまり流量を調節する可変流量型のエジェクタを使用すれば、ノズル14aから噴出する冷媒圧力(吸引する気相冷媒の流量)を制御することができる。
また、以上の実施形態では各蒸発器を利用側熱交換器である室内熱交換器としている。しかし、上述の実施形態の構成は、非利用側熱交換器あるいは熱源側熱交換器と呼ばれる室外熱交換器を上述の各蒸発器とするサイクルにも適用されうる。
例えば、各蒸発器を室外熱交換器とし、凝縮器を室内熱交換器とする暖房用の冷凍サイクル、あるいは凝縮器により水を加熱する温水供給用の冷凍サイクルといったヒートポンプと呼ばれるサイクルにも、上述の実施形態は適用されうる。
本発明の第1実施形態におけるエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル図である。 (a)および(b)は本発明の第1実施形態における第1蒸発器15および第2蒸発器19の全体構成を示す正面図である。 本発明の第1実施形態における除霜運転時の作動を示すモリエル線図である。 (a)および(b)は外気温度をパラメータとして、第1実施形態による除霜時間比と流通抵抗を同等に構成したときの除霜時間比との関係を示す特性図である。 (a)および(b)は本発明の第2実施形態における第1蒸発器15および第2蒸発器19の全体構成を示す正面図である。 (a)および(b)は本発明の第3実施形態における第1蒸発器15および第2蒸発器19の全体構成を示す正面図である。 本発明の第4実施形態におけるエジェクタ式冷凍サイクルを示すサイクル図である。
符号の説明
12…圧縮機
13…放熱器
14…エジェクタ
14a…ノズル部
14c…冷媒吸引口
15…第1蒸発器
17…分岐通路
18…絞り機構(絞り手段)
19…第2蒸発器
23…バイパス通路
24…シャット機構
110…チューブ

Claims (5)

  1. 冷媒を吸入し圧縮する圧縮機(12)と、
    前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒の放熱を行う放熱器(13)と、
    前記放熱器(13)下流側の冷媒を減圧膨張させるノズル部(14a)、および前記ノズル部(14a)から噴出する高い速度の冷媒流により冷媒が吸引される冷媒吸引口(14c)を有するエジェクタ(14)と、
    冷媒流出側が前記圧縮機(12)の吸入側に接続される第1蒸発器(15)と、
    前記エジェクタ(14)の上流側で冷媒流れを分岐して、この冷媒流れを前記冷媒吸引口(14c)に導く分岐通路(17)と、
    前記分岐通路(17)に配置され、冷媒を減圧膨張させる絞り手段(18)と、
    前記分岐通路(17)において、前記絞り手段(18)よりも下流側に配置される第2蒸発器(19)と、
    前記圧縮機(12)から吐出された高圧冷媒を直接前記第2蒸発器(19)に導入するバイパス通路(23)と、
    前記第2蒸発器(19)の除霜時に、前記バイパス通路(23)を開放状態にするシャット機構(24)とを備え、
    前記第2蒸発器(19)の冷媒側の流通抵抗は、前記第1蒸発器(15)の冷媒側の流通抵抗よりも大きくなるように形成したことを特徴とするエジェクタ式冷凍サイクル。
  2. 前記第1蒸発器(15)および前記第2蒸発器(19)は、冷媒側の通路断面積が同等のチューブ(110)で形成されており、
    前記第2蒸発器(19)の前記チューブ(110)の本数は、前記第1蒸発器(15)の前記チューブ(110)の本数よりも少なくなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  3. 前記第1蒸発器(15)および前記第2蒸発器(19)は、チューブ長さが同等のチューブ(110)で形成されており、
    前記第2蒸発器(19)の前記チューブ(110)の冷媒側の通路断面積は、前記第1蒸発器(15)の前記チューブ(110)の冷媒側の通路断面積よりも小さくなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  4. 前記第1蒸発器(15)および前記第2蒸発器(19)は、冷媒側の通路断面積が同等のチューブ(110)で形成されており、
    前記第2蒸発器(19)の前記チューブ(110)のチューブ長さは、前記第1蒸発器(15)の前記チューブ(110)のチューブ長さよりも長くなるように形成したことを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
  5. 前記第1蒸発器(15)および前記第2蒸発器(19)は、冷媒側の通路断面積が同等のチューブ(110)で形成されており、
    前記第2蒸発器(19)の前記チューブ(110)の冷媒側を溝付き状通路に形成し、前記第1蒸発器(15)の前記チューブ(110)の冷媒側を平滑状通路に形成したことを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ式冷凍サイクル。
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