JP2008303510A - 異染性意匠織物及びその製造方法 - Google Patents

異染性意匠織物及びその製造方法 Download PDF

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篤 山本
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展弘 山口
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Abstract

【課題】繊細な異色染め調の外観を有し、かつ自然なスラブ斑感の意匠効果を併せ持つ異染性意匠織物を提供する。
【解決手段】芯糸と鞘糸からなり、次の(1)〜(4)を満たす複合加工糸からなる異染性意匠織物。(1)芯糸1に鞘糸2が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘部が1重に捲回した道中部とが糸の長手方向に交互に形成されている、(2)鞘糸がセルロース系フィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸である、(3)セルロース系フィラメント糸がレーヨン、キュプラ、リヨセル及びセルロースアセテート繊維ケン化のセルロース繊維の群から選ばれる少なくとも1つである、(4)芯糸がセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸である。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊細な異色染め調の外観を有し、かつ自然なスラブ斑感の意匠効果を併せ持つ異染性意匠織物及びその製造方法に関する。
従来より、自然なスラブ斑感の意匠効果と、異染性を併せ持つ複合加工糸条として、仮撚加工にての芯糸と鞘糸のフィード差により得られる、芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘部が1重に捲回した道中部とが交互に形成されたものがよく知られており、特許文献1には、芯糸に単繊維の長手方向に太細斑を有するシックアンドシンポリエステルフィラメント糸を用い、繊維の長さ方向の染料吸尽特性の違いによる異染性の表現を付与した布帛が示されている。
しかしながら、この異染性は、濃度差によるものであり、異色の差が限定されるものである。また、特許文献2には、2種以上の重合体からなり、少なくとも一成分がポリトリメチレンテレフタレートを主体とするポリエステルであるポリエステル系コンジュゲートフィラメント糸とセルロース系フィラメント糸からなる複合糸を用いた布帛が提案されているが、ストレッチ性としては十分であるものの、異染性が不足するものである。
特開平7−97730号公報 特開2003−253532号公報
本発明の目的は、このような従来技術における問題点を解決するものであり、繊細な異色染め調の外観を有し、かつ自然なスラブ斑感の意匠効果を併せ持つ異染性意匠織物を提供することにある。
本発明の第1の要旨は、芯糸と鞘糸からなり、以下の要件(1)〜(4)を満たす複合加工糸からなる異染性意匠織物にある。
(1)芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘部が1重に捲回した道中部とが糸の長手方向に交互に形成されている
(2)鞘糸がセルロース系フィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸である
(3)セルロース系フィラメント糸がレーヨン、キュプラ、リヨセル及びセルロースアセテート繊維をケン化したセルロース繊維の群から選ばれる少なくとも1つである
(4)芯糸がセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸である
第2の要旨は、以下の工程(a−0)〜(d)からなる異染性意匠織物の製造方法にある。
(a−0)仮撚加工におけるセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる芯糸の仮撚加撚域へ、鞘糸としてセルロースアセテートフィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸をオーバー率50〜120%で供給する
(b)25000/(dtex)1/2〜50000/(dtex)1/2の仮撚数T(t/m)にし、かつ熱セット温度130〜200℃で複合仮撚加工を行う
(c)得られた複合加工糸を、経糸及び緯糸の少なくとも1つに用いて製織する
(d)得られた織物にアルカリ処理を施す
また、第3の要旨は、以下の工程(a−1)〜(c)からなる異染性意匠織物の製造方法にある。
(a−1)仮撚加工におけるセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる芯糸の仮撚加撚域へ、鞘糸としてセルロース系フィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸をオーバー率50〜120%で供給する
(b)25000/(dtex)1/2〜50000/(dtex)1/2の仮撚数T(t/m)にし、かつ熱セット温度130〜200℃で複合仮撚加工を行う
(c)得られた複合加工糸を、経糸及び緯糸の少なくとも1つに用いて製織する
本発明によれば、従来の異染性布帛とは異なり、繊細な異色染め調の外観を有し、かつ自然なスラブ斑感の意匠効果を併せ持つ異染性意匠織物を得ることができる。
本発明の異染性意匠織物において、織物を構成する複合加工糸は、芯糸と鞘糸からなり、芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘部が1重に捲回した道中部とが糸長手方向に交互に形成されている構造をなすものである。複合加工糸における鞘糸は、セルロース系フィラメント糸とセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸からなり、また複合加工糸における芯糸は、セルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる。
鞘糸である混繊糸における一方のセルロース系フィラメント糸には、レーヨン、キュプラ、リヨセル及びセルロースアセテート繊維をケン化したセルロース繊維が挙げられ、セルロース系フィラメント糸は、かかる群から選ばれる少なくとも1つで構成される。なお、セルロースアセテート繊維をケン化したセルロース繊維とは、セルロースアセテート繊維のセルロースアセテートをアルカリにより完全ケン化してセルロース化してなるセルロース繊維である。また、混繊糸における他方のフィラメント糸は、直接染料、反応染料等のセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸であり、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、セルロースアセテート繊維、アクリル繊維等が挙げられる。
混繊糸におけるセルロース系フィラメント糸の含有率は、繊細な異色染め調の効果を得るうえで、15〜35質量%とし、より好ましくは18〜35質量%の範囲とする。セルロース系フィラメント糸の含有率が15質量%未満では、異色染め効果が不明瞭となり、また35質量%を超えると、繊細さに欠ける異色染め感となってしまう。混繊糸は、その形成方法には特に制限はないが、2種のフィラメント糸がフィラメント状で混合された形態の糸であり、エアー噴射によるエアー交絡糸、合撚糸、カバーリング糸が挙げられる。
また、複合加工糸における芯糸は、セルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなり、かかるフィラメント糸には、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、セルロースアセテート繊維、アクリル繊維等が挙げられる。複合加工糸における芯糸、鞘糸のセルロース系フィラメント糸或いは他のフィラメント糸は、それらの構成繊維が異形断面繊維、極細繊維、部分配向繊維、複合繊維等であってもよく、得ようとする織物の風合い、表面感等を考慮して選定すればよい。また、これらのフィラメント糸には、酸化チタン等や機能付与の添加剤等が含有されていてもよい。
本発明の異染性意匠織物は、本発明における複合加工糸が経糸又は緯糸、或いは経糸と緯糸として含まれて構成される。織物の組織、製織手段等については特に制限はない。
本発明の異染性意匠織物は、複合加工糸の鞘糸に含まれるセルロース系フィラメント糸を直接染料や反応染料にて積極的に染色して着色してもよいし、セルロース系フィラメント糸を染色しない分散染料、カチオン染料等の染料、好ましくは分散染料にて複合加工糸の鞘糸に含まれる他のフィラメント糸及び芯糸のフィラメント糸を染色し、セルロース系フィラメント糸を積極的に無着色にしてもよく、またセルロース系フィラメント糸とそれ以外のフィラメント糸とをそれぞれ染色し得る染料にて異色に染色してもよく、織物を構成する複合加工糸の形態及び染色性により、織物は、異染性、意匠性を有する。
特に、本発明の織物における複合加工糸は、分散染料にて染色したときには、芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘糸が1重に捲回した道中部とが交互に形成されており、鞘糸に含まれる無着色のセルロース系フィラメント糸がスラブ部と道中部とでは異なる色のコントラストを生じ、またセルロース系フィラメント糸以外の着色のフィラメント糸もスラブ部と道中部とでは異なる色のコントラストを生じる。複合加工糸のスラブ部ではコントラストの出現頻度が多くなり、道中部ではスラブ部に比べ緩やかなコントラストとなるため、コントラスト自体に変化を生じ、繊細な異色染め感が得られる。
本発明の異染性意匠織物は、次のようにして製造することができる。
織物を構成する複合加工糸は、次のようにして製造する。すなわち、複合加工糸の製造に際し、仮撚加工におけるセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる芯糸の仮撚加撚域へ、鞘糸としてセルロースアセテートフィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸をオーバー率50〜120%で供給する。芯糸の仮撚加撚域に鞘糸を供給する場合、オーバーフィード率を50〜120%、好ましくは80〜100%の範囲にする。この場合のオーバーフィード率とは芯糸に対する鞘糸の供給量であり、50%であれば芯糸供給量の1.5倍、120%であれば芯糸供給量の2.2倍を意味する。オーバーフィード率が50%未満では、芯糸に鞘糸が3重に捲きつかずスラブ形態が形成されず、また120%を超えると、過供給状態となり、糸切れ、複合加工糸の集束性が悪く、いわゆる鞘糸のズッコケが生じる。
また複合加工糸の製造に際しては、25000/(dtex)1/2〜50000/(dtex)1/2、好ましくは28000/(dtex)1/2〜47000/(dtex)1/2の仮撚数T(t/m)にし、かつ熱セット温度130〜200℃、好ましくは140〜190℃で複合仮撚加工を行う。仮撚数が25000/(dtex)1/2未満では、複合加工糸の集束性が悪く鞘糸のズッコケが生じ、50000/(dtex)1/2を超えると、糸切れが発生し易く加工不安定となる。また、複合仮撚加工における熱セット温度が130℃未満若しくは200℃を超えると、毛羽が発生し、後工程の製織工程において糸切れ等の問題が発生し易くなる。
次いで、得られた複合加工糸を、経糸及び緯糸の少なくとも1つに用いて製織し織物とする。製織に際しては、製織方法、製織手段については特に限定はないが、薄地織物を得る場合には、例えば複合加工糸の鞘糸をセルロースジアセテートフィラメント糸とセルローストリアセテートフィラメント糸或いはポリエステルフィラメント糸の混繊糸、芯糸をセルローストリアセテートフィラメント糸或いはポリエステルフィラメント糸とし、後の工程のアルカリ処理で、セルローストリアセテートフィラメント糸或いはポリエステルフィラメント糸の減量により複合加工糸を細繊度して薄地織物とすることも可能である。
さらに、得られた織物にアルカリ処理を施すが、アルカリ処理の方法には特に限定はないが、好ましい方法として、アセテートフィラメント糸の最内層に至るまで鹸化する方法が挙げられる。アセテートフィラメント糸の最内層に至るまで鹸化するとは、繊維のアルカリ処理での減量率がセルロースジアセテートフィラメント糸では38質量%程度、セルローストリアセテートフィラメント糸では42質量%程度まで減量する鹸化をいう。
アルカリ処理は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ化合物を用い、かかるアルカリ化合物の水溶液にアセテートフィラメント糸を含む織物を、浸漬、パッデイング等により含浸させて処理する。アルカリ処理における処理液濃度、処理温度、処理時間は、用いるアルカリ化合物により、また目的物により異なるが、好ましいアルカリ処理条件を挙げるならば、水酸化ナトリウムを用いた場合、水酸化ナトリウム濃度が5質量%を超えない濃度の水溶液、処理温度は40〜80℃、処理時間は60分以内であり、減量率で38質量%を目安に処理する。かかるアルカリ処理により、織物を構成する複合加工糸の鞘糸のうちのセルロースアセテートフィラメント糸からセルロース系マルチフィラメント糸を得ることができる。
また、本発明の異染性意匠織物は、次のようにして製造することもできる。
織物を構成する複合加工糸の製造の際、仮撚加工におけるセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる芯糸の仮撚加撚域へ、鞘糸としてレーヨン、キュプラ及びリヨセルの群から選ばれるセルロース系フィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸をオーバー率50〜120%で供給し、25000/√dtex〜50000/√dtexの仮撚数T(t/m)にし、かつ熱セット温度130〜200℃で複合仮撚加工を行い、得られた複合加工糸を、経糸及び緯糸の少なくとも1つに用いて製織する。この異染性意匠織物の製造方法では、複合加工糸の製造の際にセルロース系フィラメント糸を用いるので、織物とした後のセルロース化のためのアルカリ処理は必須ではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明における各特性値の測定は以下の方法に拠った。
(繊度)
JIS L−1015(参考法:振動法)に従い、自動繊度測定器(レンツイング社製、VIBROSKOP400)を用いて測定した。
(織物の異色性)
織物の異色性は、下記の条件で染色して得た染色織物を、目視にて評価する。
評価方法は、染色により、セルロース系フィラメント糸を無染、それ以外のフィラメント糸を黒色に染色し、無着色部の存在の程度を目視判定し異色性を評価する。
ダイアニックス ブラック TA・N200%(三菱化成ヘキスト社製、分散染料) 12質量%対繊維質量
ディスパー TL(明成化学社製、染色助剤) 0.5g/L
ウルトラ MT−N2(大和化学社製、染色助剤) 0.5g/L
浴比1:50、温度130℃×時間60分
(実施例1)
芯糸としてポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(110dtex/48フィラメント(f))を用い、鞘糸としてセルローストリアセテートフィラメント糸(60dtex/15f)とセルロースジアセテートフィラメント糸(30dtex/7f)のエアー交絡糸(糸繊度90dtex)を用いて、図1に示す装置にて下記の条件で複合仮撚加工を行った。
仮撚数(T/m):2200
仮撚方向:Z方向
第1ヒーター温度:170℃
第2ヒーター温度:190℃
芯糸の仮撚加撚域との供給ガイド距離:150mm
芯糸の仮撚加撚域への鞘糸のオーバーフィード(OF)率:95%
第1デリベリーローラーから第2デリベリーローラー間のOF率:5.0%
得られた複合加工糸は、芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘糸が1重に捲回した道中部が糸長手方向に交互に形成されていた。
この複合加工糸を経糸及び緯糸に用い、経糸規格48本/インチ、緯糸規格44本/インチの平織物を製織し、織物を、精練後、液流減量機にて、水酸化ナトリウム10g/Lの濃度に調整した水酸化ナトリウム水溶液中で、温度60℃、30分間の条件でアルカリ処理を施した。このアルカリ処理により、加工糸を構成する鞘糸のうちのセルロースジアセテートフィラメント糸は、20dtex/7fのセルロースフィラメント糸に転化しており、鞘糸のうちのセルローストリアセテートフィラメント糸及び芯糸のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸には変化はなかった。アルカリ処理後の複合加工糸の鞘糸におけるセルロースフィラメント糸の含有率は25質量%であった。次いで、アルカリ処理後の織物を、分散染料を用いて染色し、織物の異色性を評価した。得られた染色織物は、セルローストリアセテートフィラメント糸及びポリエチレンテレフタレートフィラメント糸のみが黒色に着色し、繊細な異色染め調の外観を有し、自然なスラブ斑感の意匠効果の優れた特徴を有するものであった。
(実施例2)
芯糸Aとして熱収縮性の異なる2種のポリエステル成分からなるポリエステル複合フィラメント糸(120dtex/24f)、芯糸Bとしてセルローストリアセテートフィラメント糸(60dtex/15f)とセルロースジアセテートフィラメント糸(30dtex/f)のエアー混繊糸(糸繊度90dtex)を用い、鞘糸としてセルローストリアセテートフィラメント糸(60dtex/15f)とセルロースジアセテートフィラメント糸(30dtex/7f)のエアー交絡糸(糸繊度90dtex)を用いて、図2に示す装置にて下記の条件で複合仮撚加工を行った。
仮撚数(T/m):1800
仮撚方向:Z方向
第1ヒーター温度:170℃
第2ヒーター温度:170℃
芯糸Aの仮撚加撚域との供給ガイド距離:250mm
芯糸Aの仮撚加撚域への芯糸BのOF率:20%
芯糸Aの仮撚加撚域への鞘糸のOF率:90%
第1デリベリーローラーから第2デリベリーローラー間のOF率:4.0%
得られた複合加工糸は、芯糸A、Bに鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸A、Bに鞘糸が1重に捲回した道中部とが糸長手方向に交互に形成されていた。
この複合加工糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸規格60本/インチ、緯糸規格55本/インチのマット組織織物を製織した。この織物を精練後、液流減量機にて実施例1におけると同様にアルカリ処理を施した。このアルカリ処理により、芯糸B及び鞘糸のうちのセルロースジアセテートフィラメント糸(20dtex/7f)はセルロースフィラメント糸(20dtex/7f)に転化し、芯糸Aのポリエステル複合フィラメント糸(120dtex/24f)及び鞘糸のうちのセルローストリアセテートフィラメント糸には変化はなかった。なお、アルカリ処理後の複合加工糸の鞘糸におけるセルロースフィラメント糸の含有率は25質量%であった。次いで、アルカリ処理後の織物を、分散染料を用いて染色し、織物の異色性を評価した。得られた染色織物は、ポリエステル複合フィラメント糸とセルローストリアセテートフィラメント糸のみが黒色に着色し、より繊細な異色染め調の外観と自然なスラブ斑感の意匠効果に優れ、また適度な伸縮性を有するものであった。
(比較例1)
芯糸Aとしてポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(56dtex/24f)、芯糸Bとしてセルローストリアセテートフィラメント糸(167dtex/40f)を用い、鞘糸としてキュプラフィラメント糸(44dtex/24f)を用いて、図2に示す装置にて下記の条件で複合仮撚加工を行った。
仮撚数(T/m):2000
仮撚方向:Z方向
第1ヒーター温度:170℃
第2ヒーター温度:180℃
芯糸Aの仮撚加撚域との供給ガイド距離:300mm
芯糸A、Bの仮撚加撚域への鞘糸のOF率:100%
第1デリベリーローラーから第2デリベリーローラー間のOF率:4.0%
得られた複合加工糸は、芯糸A、Bに鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸A、Bに鞘糸が1重に捲回した道中部とが糸長手方向に交互に形成されていた。得られた複合加工糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸規格46本/インチ、緯糸規格40本/インチの平織物を製織した。この織物を、精練後、アルカリ処理することなく、分散染料を用いて染色し、織物の異色性を評価したが、得られた染色織物は、スラブ部に白場が多く見られる人工的な意匠効果であり、また繊細さの欠いたものであった。
(比較例2)
芯糸としてポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(167dtex/48f)を用い、鞘糸としてセルロースジアセテートフィラメント糸(17dtex/4f)とセルローストリアセテートフィラメント糸(67dtex/16f)との同供給率のエアー交絡糸を用いて、図1に示す装置にて下記の条件で複合仮撚加工を行った。
仮撚数(T/m):2500
仮撚方向:Z方向
第1ヒーター温度:170℃
第2ヒーター温度:185℃
芯糸の仮撚加撚域との供給ガイド距離:300mm
芯糸の仮撚加撚域への鞘糸のOF率:90%
第1デリベリーローラーから第2デリベリーローラー間のOF率:2.5%
得られた複合加工糸は、芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘糸が1重に捲回した道中部とが糸長手方向に交互に形成されていた。この複合加工糸を経糸及び緯糸に用いて、経糸規格50本/インチ、緯糸規格45本/インチの平織物を製織した。この織物を、精練後、液流減量機にて実施例1におけると同様にアルカリ処理を施した。このアルカリ処理により、鞘糸のうちのセルロースジアセテートフィラメント糸はセルロースフィラメント糸(11dtex/4f)に転化し、芯糸のポリエチレンテレフタレートフィラメント糸(167dtex/48f)と鞘糸のうちのセルローストリアセテートフィラメント糸(67dtex/16f)には変化はなかった。なお、アルカリ処理後の複合加工糸の鞘糸におけるセルロースフィラメント糸の含有率は14質量%であった。次いで、アルカリ処理後の織物を、分散染料を用いて染色し、織物の異色性を評価した。得られた染色織物は、ポリエチレンテレフタレートフィラメント糸とセルローストリアセテートフィラメント糸のみが黒色に着色し、自然なスラブ斑感の意匠効果の特徴はあるものの、白場が少なく異染性が不明瞭な織物であった。
本発明によれば、繊細な異色染め調の外観を有し、かつ自然なスラブ斑感を有する織物を得ることが可能な異染性意匠織物を提供し得るものであり、また本発明の織物は、その構成素材より吸湿性に富むものであり、衣料用途に有用なるもので、衣料製品に好適なるものである。
本発明の複合加工糸の製造装置の一例を示す模式図である。 本発明の複合加工糸の製造装置の他の例を示す模式図である。
符号の説明
1 芯糸又は芯糸A
2 鞘糸
3 マグネットテンサー
4 ガイド
5 フィードローラー
6 ガイド
7 第1ヒーター
8 仮撚ユニット
9 第1デリベリーローラー
10 第2ヒーター
11 第2デリベリーローラー
12 巻き取り機
13 芯糸B
14 芯糸B用フィードローラー
15 ガイド

Claims (3)

  1. 芯糸と鞘糸からなり、以下の要件(1)〜(4)を満たす複合加工糸からなる異染性意匠織物。
    (1)芯糸に鞘糸が3重に捲回したスラブ部と芯糸に鞘部が1重に捲回した道中部とが糸の長手方向に交互に形成されている
    (2)鞘糸がセルロース系フィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸である
    (3)セルロース系フィラメント糸がレーヨン、キュプラ、リヨセル及びセルロースアセテート繊維をケン化したセルロース繊維の群から選ばれる少なくとも1つである
    (4)芯糸がセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸である
  2. 以下の工程(a−0)〜(d)からなる異染性意匠織物の製造方法。
    (a−0)仮撚加工におけるセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる芯糸の仮撚加撚域へ、鞘糸としてセルロースアセテートフィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸をオーバー率50〜120%で供給する
    (b)25000/(dtex)1/2〜50000/(dtex)1/2の仮撚数T(t/m)にし、かつ熱セット温度130〜200℃で複合仮撚加工を行う
    (c)得られた複合加工糸を、経糸及び緯糸の少なくとも1つに用いて製織する
    (d)得られた織物にアルカリ処理を施す
  3. 以下の工程(a−1)〜(c)からなる異染性意匠織物の製造方法。
    (a−1)仮撚加工におけるセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸からなる芯糸の仮撚加撚域へ、鞘糸としてセルロース系フィラメント糸を15〜35質量%含むセルロース系繊維染色用の染料には不染性のフィラメント糸との混繊糸をオーバー率50〜120%で供給する
    (b)25000/(dtex)1/2〜50000/(dtex)1/2の仮撚数T(t/m)にし、かつ熱セット温度130〜200℃で複合仮撚加工を行う
    (c)得られた複合加工糸を、経糸及び緯糸の少なくとも1つに用いて製織する
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