JP2008302404A - 重ね合わせ板材の液圧成形方法及び装置 - Google Patents

重ね合わせ板材の液圧成形方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】内空部を有する予備成形体であっても成形後におけるフランジ部の板厚減少が生じない、重ね合わせ板材の液圧成形方法と装置を提供する。
【解決手段】キャビティ23内の予備成形体10に対して進退可能な可動パッド部27をキャビティ23内に突出した状態で、予備成形体10を可動パッド部27の内面に当接させて頂部壁Paを形成すると共に、予備成形体10の他の部分をキャビティ23の内側面に沿うように当接させて側部壁Pbを形成し、可動パッド部27を徐々に後退させつつ液圧を注入することにより側部壁Pbとキャビティ23の内側面23aとの間で摩擦抵抗を生じさせつつ側部壁Pbを伸張させ、フランジ部Fからの材料流入を抑制して成形することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、液圧により重ね合せた板材を金型のキャビティに合致する形状に成形する、重ね合わせ板材の液圧成形方法及び装置に関する。
従来の液圧成形は、例えば、下記特許文献1に開示されているように、外周が接合された2枚の金属板からなる予備成形体を型内に設置し、予め形成した注入口から高圧の成形媒体を両金属板内に注入することにより膨張変形させ、型の形状に沿った複雑な形状の中空成形体の成形品を形成している。
この液圧成形では、あらゆる形状をした成形品が均一な肉厚を有する良好なものに仕上がるものではない。例えば、井桁形状あるいはU字形状をしている予備成形体、つまり、形状的に内部に穴あるいは内部空間(以下、内空部と略称)を有する予備成形体の場合には、液圧成形時に内空部周辺に形成されたフランジ部で肉厚減少が発生することが実験により判明している。
液圧成形において、中空成形体の前記フランジ部ではない、いわば本体部分の肉厚減少を防止する方法としては、例えば、下記特許文献2に開示されているように、予備成形体を型内で液圧を注入して成形する中空成形体に張出し高さが大きい部分がある場合に、保持部と可動部を備えた型を用い、中空成形体の可動部との接触状態を維持しつつ液圧を注入して成形することにより、予備成形体のフランジ部からスムーズに材料を流入させ、本体部分の局所的な板厚減少を抑制するものがある。
しかし、この方法は、型により押えられている予備成形体のフランジ部から材料を流入させて本体部分の板厚減少を抑制するものであり、フランジ部の肉厚減少を防止することはできない。特に、井桁形状あるいはU字形状をしている予備成形体の場合、内空部の大きさあるいは形状によっては、相互に対向するフランジ部の材料の流動を規制することが困難なことから、フランジ部でのしわや板厚減少の発生を防止することが極めて困難である。前記実験では、U字状の予備成形体を用いて自動車のサスペンションメンバーを成形したが、U字の湾曲部、特に、内空部側のフランジ部において局所的な肉厚減少が生じている。
特開2002−96116号公報(段落番号[0007]、図3など参照) 特開2004−314158号公報(要約、段落番号[0007]、[0012]、図3など参照)
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、内空部を有する予備成形体であっても成形後におけるフランジ部の板厚減少が生じない、重ね合わせ板材の液圧成形方法と装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成する第1の発明は、重合した2枚の板材の外周を接合して予備成形体を形成し、この予備成形体の外周部を一対の金型により挟んだ後、前記金型のキャビティ内で前記予備成形体の内部に液圧を注入し、前記予備成形体を前記キャビティの内側面に沿うように膨張成形させ中空成形体を成形する液圧成形方法であって、前記予備成形体の外周部を挟圧する挟圧部と、前記キャビティ内の予備成形体に対して進退することができ後退位置で前記キャビティの一部を構成する可動パッド部と、を有する金型を使用し、前記可動パッド部を前記キャビティ内に突出しかつ前記予備成形体の外周部を前記挟圧部により挟圧した状態で、前記液圧を注入して前記予備成形体を膨張させ、当該予備成形体を前記可動パッド部の内面に当接させて頂部壁を形成すると共に、前記予備成形体の他の部分を前記キャビティの内側面に沿うように当接させて側部壁を形成した後、前記可動パッド部を徐々に後退させつつ前記液圧を注入することにより前記側部壁と前記キャビティの内側面との間で摩擦抵抗を生じさせつつ前記側部壁を伸張させることを特徴とする重ね合わせ板材の液圧成形方法である。
第2の発明は、重合した2枚の板材の外周を接合して形成した予備成形体の外周部を挟圧する挟圧部、及び、前記予備成形体を中空成形体に成形するキャビティ、が形成された一対の金型を有し、前記金型のキャビティ内で前記予備成形体の内部に液圧を注入し前記予備成形体を前記キャビティの内側面に沿うように膨張成形させて中空成形体を成形する液圧成形装置であって、
前記金型の少なくとも一方に前記予備成形体に対して進退可能に設けられ、かつ後退位置で前記キャビティの一部を構成する可動パッド部と、
前記可動パッド部を前記キャビティ内に突出後退させる駆動部と、
前記液圧の注入により前記予備成形体を前記可動パッド部の内面に当接して頂部壁を形成すると共に、前記予備成形体の他の部分を前記キャビティの内側面に沿うように当接して側部壁を形成するように前記可動パッド部を前記キャビティ内に所定長突出させ、かつ前記頂部壁及び側部壁を形成した後に注入される前記液圧により前記側部壁を伸張させるように、前記可動パッド部を徐々に後退させる制御部と、
を有することを特徴とする重ね合わせ板材の液圧成形装置である。
請求項1および6の発明によれば、キャビティ内の予備成形体に対して進退可能な可動パッド部を前記キャビティ内に突出した状態で、予備成形体を前記可動パッド部の内面に当接させて頂部壁を形成すると共に、前記予備成形体の他の部分を前記キャビティの内側面に沿うように当接させて側部壁を形成し、前記可動パッド部を徐々に後退させつつ前記液圧を注入することにより前記側部壁と前記キャビティの内側面との間で摩擦抵抗を生じさせつつ前記側部壁を伸張させるようにしたので、前記摩擦抵抗によりフランジ部からの材料流入が抑制され、前記側部壁の材料の伸びにより成形が行われる。したがって、成形後のフランジ部での板厚減少が生じることはない。特に、内空部を有する予備成形体の場合においては、フランジ部でのしわや板厚減少の発生を防止する面倒な制御を行わなくても、全体的に強度の均一な中空成形体化を成形でき、成形品の品質が向上する。
請求項2および7の発明によれば、内空部を有する予備成形体の場合、可動パッド部を前記内空部近傍の板材に当接させたため、フランジ部の板材を流入抑制する能力が高まり、内空部近傍の板材の板厚減少が防止できる。
請求項3および8の発明によれば、内空部を有する予備成形体の場合、可動パッド部を円弧状部に沿って当接させるため、最も板厚減少が生じやすい部分であるフランジ部からの板材の流入抑制能力が高まり、井桁形状あるいはU字形状などの予備成形体の内空部側のフランジ部の板厚減少がより確実に防止できる。
請求項4および9の発明によれば、可動パッド部を、キャビティの深さの大きい側の板材に当接させるため、板厚減少が生じやすい側での、フランジ部からの板材の流入抑制能力が高まり、井桁形状あるいはU字形状などの予備成形体の内空部側のフランジ部の板厚減少が防止できる。
請求項5および10の発明によれば、可動パッド部を、側部壁を形成した後の予備成形体の膨張速さと同じ速さで後退させるため、割れなどが生じることなく、フランジ部からの板材の流入抑制しつつ側部壁を伸張させることができ、井桁形状あるいはU字形状などの予備成形体の内空部側のフランジ部の板厚減少が防止できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を適用して液圧成形された成形品の一例を示す斜視図、図2(A)は同成形品の予備成形体の一例を示す斜視図、図2(B)は同成形品の予備成形体の他の例を示す斜視図、図3は液圧成形装置を示す概略平面図、図4は図3の4−4線に沿う断面相当図である。なお、図3は、上型を除去し下型上に予備成形体を配置した状態を示す。
本発明を適用して液圧成形する成形品Wは、図1に示すような、自動車構造部材、例えば、サスペンションメンバーのような、各板材がそれぞれ断面ハット状をした2枚の板材の側端が接合された井桁形状の中空成形体である。
このような成形品Wを成形するには、図2に示すような、内空部Nを有する予備成形体10を用いる。予備成形体10は、図2(A)に示すような、井桁形状の予備成形体10aを使用して膨張させる場合と、図2(B)に示すような、前記井桁形状を略半分に分割した予備成形体10bを用いて膨張させ、成形後に両者を接続して成形品Wに仕上げる場合があるが、いずれにしても予備成形体10は、重合した2枚の板材P1,P2の外周を、例えば、レーザー溶接、アーク溶接あるいは接着剤等により全周接合して気密性のある接合部11(図4参照)としたものが使用される。
図3,4に示す液圧成形装置20は、分割した予備成形体10bの一方を成形する場合のもので、概説すれば、上下一対の金型21, 22と、下型22に設けられた液体供給ノズル30と、後述の注入手段33や可動パッド部27などの作動を制御する制御部Cと、を有している。
さらに詳述する。上型21と下型22は、相互に近接離間可能にボルスタ(図示せず)により支持され、内部に最終成形品Wの外形形状に対応する形状のキャビティ23,24が形成され、キャビティ23,24を取り囲む外周部は、予備成形体10の外周部を挟圧する挟圧部25,26となっている。
特に、本実施形態の上型21は、挟圧部25,26により挟圧する予備成形体10の外周部(以下、フランジ部F)での板厚減少を防止するための可動パッド部27が設けられている。可動パッド部27は、液圧シリンダなどにより構成された駆動部28によりキャビティ23内の予備成形体10に対して進退可能に駆動されるが、後退位置では、キャビティ23の内面と、いわゆる面一になり、キャビティ23の内面の一部を構成する。
図5は液圧成形中に予備成形体の円弧状部に作用する力の方向を示す説明図である。フランジ部Fでの板厚減少は、予備成形体10に形成された内空部Nの直状部Naではなく、円弧状部Nbにおいて著しい。液圧成形時に予備成形体10に作用する液圧による力の方向は、図5に示すように、円弧状部Nbの内周から拡開する放射方向に作用する。したがって、予備成形体10での材料の伸びは、各矢印先端部の間隔mに対応するものと考えられ、円弧状部Nbの内周から離れるに従って板材の伸び量は増大することになる。特に、液圧成形では、3次元的にキャビティ内で板材が伸びることから、キャビティの深さが深ければ深い程大きな伸び量となる。この伸び量を吸収するために、フランジ部Fでは板材が内部に引き込まれることになるが、フランジ部Fは、挟圧部25,26によって挟圧されているので、挟圧力にもよるが、フランジ部Fの板材の板厚が減少することになる、と考えられる。因みに、実験では、挟圧部25,26の挟圧力が8Mpaの場合には、フランジ部の板厚が減少は、23.5%であり、140Mpaの場合には、24.7%と大きくなった。
したがって、フランジ部Fでの板厚減少を防止するには、フランジ部Fの板材の引き込みが生じる前に、対処すればよいことから、本実施形態では、フランジ部Fの板材の引き込みが生じる前に、板材をキャビティ23の内面に当接させ、板材の引き込みが生じようとすると、板材とキャビティ23の内面との間で摩擦抵抗がこれに対抗して作用するようにし、板材の引き込みの防止によりフランジ部Fの板厚減少を防止している。
このようなランジ部Fの板材の引き込みが生じる前に、板材がキャビティ23の内面に接触させるには、可動パッド部27は、内空部Nの近傍に配置することが好ましい。内空部Nの近傍に可動パッド部27を配置すれば、速やかに板材をキャビティ23の内面に接触させることができ、フランジ部の板材の流入を抑制する能力が高まり、フランジ部の板厚減少を防止できる。
また、本実施形態の予備成形体10では、内空部Nの端部に円弧状部Nbが形成されているが、このような予備成形体10では、内空部Nの円弧状部Nbに沿うように可動パッド部27を配置すればより好ましいものとなる。円弧状部Nbは、成形時に板材が集まりしわの発生や板厚の減少が生じやすい部分であるが、可動パッド部27を円弧状部Nbに沿って設ければ、円弧状部Nb全域にわたってフランジ部の板材の流入抑制能力が高まり、フランジ部の板厚減少がより確実に防止できる。特に、図3に一点鎖線で示すように、円弧状部Naに沿うように適数個の可動パッド部27を分割して配置すれば、広範囲に板厚減少を防止でき、また、大きな型を使用する場合よりコスト的にも有利となる。
さらに、可動パッド部27は、一対の金型21,22のそれぞれに形成されたキャビティの深さD1、D2の内、深い側(D1側)の板材に当接させるように配置することが好ましい。キャビティの深さが大きい側の方がより材料の流入が生じやすいが、これを確実に防止できる。
制御部Cは、フランジ部Fの板材の引き込みが生じる前に、板材がキャビティ23の内面に接触させるように、成形媒体を予備成形体10内に注入する注入手段33や、可動パッド部27が突出後退する作動を制御するが、主として、下記の2段階の制御を行なう。
第1段階の制御は、当初可動パッド部27をキャビティ23内に突出させた状態で成形媒体を予備成形体10内に注入する場合であり、この制御により、予備成形体10の一部が可動パッド部27の内面に当接して形成される頂部壁Pa(図7参照)と、予備成形体10の他の部分がキャビティ23の内側面23aに沿うように当接して形成される側部壁Pb(図7参照)とを生じさせる。
第2段階の制御は、頂部壁Paと側部壁Pbを形成した後の行うもので、可動パッド部27を徐々に後退させつつ注入手段33により成形媒体を予備成形体10内に注入し、側部壁Pbを伸張させる。
前述の液体供給ノズル30は、図4に示すように、流路31に液圧導入管32を介して、成形媒体(水など)の液圧を注入する注入手段33が連結されている。成形媒体の注入は、型締め時に、液体供給ノズル30のドーム状をした先端部を、予備成形体10の一端部位に形成された通孔Oに入り込ませ、注入手段33からの成形媒体を予備成形体10内に導入するが、この点は公知に属するため詳述は避ける。
次に、液圧成形方法を説明する。
図6は液圧成形開始状態、図7は側部壁形成状態、図8は可動パッド部後退状態、図9は最終成形状態を、それぞれ示す概略断面図、図10は液圧成形中の板材とキャビティの内面との状態を示す概略断面図、図11は液圧成形時の可動パッド部の状態と摩擦抵抗などの関係を示すタイミングチャートを示すものである。
まず、図3及び図4に示すように、予備成形体10を上型21と下型22とにより挟み、挟圧部25,26により予備成形体10の外周部を挟圧し型締めする。この型締め時に、液体供給ノズル30が予備成形体10の通孔Oに入り込み、成形媒体注入可能状態となる。
制御部Cは、注入手段33や切換バルブなどを動作させ、予備成形体10の内部に存在する空気を排出した後、所定の圧力で成形媒体を予備成形体10の内部に注入し成形を開始する。
この成形開始時点では、図6に示すように、可動パッド部27は、キャビティ23内に所定長突出した状態であるため、膨張変形される予備成形体10の一部が可動パッド部27に接することになる。この段階は、図11ではAゾーンに相当するが、図11(d)に示すように、側部壁Pbとキャビティ23の内面23aとの間の隙間の距離xが急激に小さくなり、予備成形体10の一部が可動パッド部27に接するまでの間は、フランジ部Fの材料が内部に流入することもある。
液圧の注入をさらに継続すると、予備成形体10は、図7に示すように、可動パッド部27の内面に当接し、ここで頂部壁Paが形成され、頂部壁Paの外周部分はある程度可動パッド部27と内側面23aとの間に入り込み、予備成形体10の他の部分は、予備成形体10の側部壁Pbとキャビティ23の内側面23aとの間の距離x(図10参照)が、次第に狭まる。図11では、(d)に示すように、側部壁Pbとキャビティ23の内面23aとの間の隙間の距離xが次第に小さくなる。
側部壁Pbが形成され、距離xが「0」(図11のB点)になるまで、つまり、側部壁Pbがキャビティ23の内面23aに略全面的に接触した状態になるまで液圧の注入を継続する。この結果、キャビティ23の内側面23aに沿う側部壁Pbが形成されるが、この段階でのフランジ部Fの材料が内部に流入することがあっても極めて少ない。
頂部壁Paと側部壁Pbが形成されると、制御部Cは、駆動部28を動作し、図8に示すように、可動パッド部27を徐々に後退させつつ液圧を注入し、予備成形体10をさらに膨張させる。この段階での予備成形体10の膨張は、側部壁Pbがキャビティの内側面23aに当接した状態で行われる。側部壁Pbのフランジ部Fに近い部分は、キャビティの内側面23aに密着しているので、この部分での側部壁Pbとキャビティの内側面23aとの間では、大きな摩擦抵抗が生じる(図11のCゾーン)。
側部壁Pbとキャビティ23の内面23aとの接触面積が増大するに伴って、図11(e)に示すように、側部壁Pbとキャビティの内側面23aとの間の摩擦抵抗も次第に増大することになるので(図11のDゾーン)、この段階での側部壁Pbの伸びと共に、摩擦抵抗も増大し、フランジ部Fから材料の内部流入が大幅に制限される。この段階での可動パッド部27の上昇と予備成形体10の膨張速度は、材料の流入抑制からすれば、一致させることが好ましい(図11の(b)(c)参照)。
図9に示すように、可動パッド部27が完全に後退し、上昇限に達し、可動パッド部27がキャビティ23の一部となるまで後退した状態で液圧を注入すると、側部壁Pbの伸びはなく、摩擦抵抗も「0」になるが、予備成形体10は完全に成形されたものとなる。
このように本実施形態では、可動パッド部27の位置を調整しつつ側部壁Pbに伸ばして成形するので、フランジ部Fから内部に材料流入が生じることが防止され、フランジ部Fの板厚が減少される。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、前記実施形態では、内腔部Nを有するU字状をした予備成形体を成形するものであるが、必ずしも内腔部Nを有していなくてもよく、材料の流入を抑制しつつ成形でき、また、U字状をした予備成形体のみでなく、井桁状をした予備成形体であっても同様に材料の流入を抑制できる。
さらに、前記実施形態では、キャビティの一方のみに可動パッドを設けているが、両キャビティに可動パッドを設けてもよい。
本発明は、金型内に保持した状態で、重ね合わせた2枚の板材内に液圧を注入し、板材を所定形状に成形するので、井桁状の自動車構造部材の成形に適したものである。
本発明を適用して液圧成形された成形品の一例を示す斜視図である。 (A)は同成形品の予備成形体の一例を示す斜視図、(B)は同成形品の予備成形体の他の例を示す斜視図である。 液圧成形装置を示す概略平面図である。 図3の4−4線に沿う断面相当図である。 液圧成形中に予備成形体の円弧状部に作用する力の方向を示す説明図である。 液圧成形開始状態を示す概略断面図である。 側部壁形成状態を示す概略断面図である。 可動パッド部後退状態を示す概略断面図である。 最終成形状態を示す概略断面図である。 液圧成形中の板材とキャビティの内面との状態を示す概略断面図である。 液圧成形時の可動パッド部の状態と摩擦抵抗などの関係を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10…予備成形体、
21,22…金型、
23,24…キャビティ、
23a…キャビティの内側面、
25,26…挟圧部、
27…可動パッド部、
28…駆動部
C…制御部、
N…内空部、
Nb…円弧状部、
Pa…頂部壁、
Pb…側部壁。

Claims (10)

  1. 重合した2枚の板材の外周を接合して予備成形体を形成し、この予備成形体の外周部を一対の金型により挟んだ後、前記金型のキャビティ内で前記予備成形体の内部に液圧を注入し、前記予備成形体を前記キャビティの内側面に沿うように膨張成形させ中空成形体を成形する液圧成形方法であって、
    前記予備成形体の外周部を挟圧する挟圧部と、前記キャビティ内の予備成形体に対して進退することができ後退位置で前記キャビティの一部を構成する可動パッド部と、を有する金型を使用し、前記可動パッド部を前記キャビティ内に突出しかつ前記予備成形体の外周部を前記挟圧部により挟圧した状態で、前記液圧を注入して前記予備成形体を膨張させ、当該予備成形体を前記可動パッド部の内面に当接させて頂部壁を形成すると共に、前記予備成形体の他の部分を前記キャビティの内側面に沿うように当接させて側部壁を形成した後、前記可動パッド部を徐々に後退させつつ前記液圧を注入することにより前記側部壁と前記キャビティの内側面との間で摩擦抵抗を生じさせつつ前記側部壁を伸張させることを特徴とする、重ね合わせ板材の液圧成形方法。
  2. 前記可動パッド部は、内空部を有する予備成形体の前記内空部近傍に当接することを特徴とする請求項1に記載の重ね合わせ板材の液圧成形方法。
  3. 前記可動パッド部は、前記内空部を有する予備成形体の円弧状部に沿って当接することを特徴とする請求項1又は2に記載の重ね合わせ板材の液圧成形方法。
  4. 前記可動パッド部は、前記一対の金型それぞれに形成された前記キャビティの深さの大きい側の前記板材に当接することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の重ね合わせ板材の液圧成形方法。
  5. 前記可動パッド部は、前記側部壁が形成された後の前記予備成形体の膨張速さと同じ速さで後退させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の重ね合わせ板材の液圧成形方法。
  6. 重合した2枚の板材の外周を接合して形成した予備成形体の外周部を挟圧する挟圧部、及び、前記予備成形体を中空成形体に成形するキャビティ、が形成された一対の金型を有し、前記金型のキャビティ内で前記予備成形体の内部に液圧を注入し前記予備成形体を前記キャビティの内側面に沿うように膨張成形させて中空成形体を成形する液圧成形装置であって、
    前記金型の少なくとも一方に前記予備成形体に対して進退可能に設けられ、かつ後退位置で前記キャビティの一部を構成する可動パッド部と、
    前記可動パッド部を前記キャビティ内に突出後退させる駆動部と、
    前記液圧の注入により前記予備成形体を前記可動パッド部の内面に当接して頂部壁を形成すると共に、前記予備成形体の他の部分を前記キャビティの内側面に沿うように当接して側部壁を形成するように前記可動パッド部を前記キャビティ内に所定長突出させ、かつ前記頂部壁及び側部壁を形成した後に注入される前記液圧により前記側部壁を伸張させるように、前記可動パッド部を徐々に後退させる制御部と、
    を有することを特徴とする、重ね合わせ板材の液圧成形装置。
  7. 前記可動パッド部は、内空部を有する予備成形体の、前記内空部近傍に配置したことを特徴とする請求項6に記載の重ね合わせ板材の液圧成形装置。
  8. 前記可動パッド部は、前記内空部を有する予備成形体の、円弧状部に沿って分割配置したことを特徴とする請求項6又は7に記載の重ね合わせ板材の液圧成形装置。
  9. 前記可動パッド部は、前記一対の金型それぞれに形成された前記キャビティの深さの大きい側の前記板材に当接することを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の重ね合わせ板材の液圧成形装置。
  10. 前記可動パッド部は、前記側部壁を形成した後の前記予備成形体の膨張速さと同じ速さで後退させることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の重ね合わせ板材の液圧成形装置。
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