JP2008296549A - パーフルオロエラストマー塗膜を有するフッ素樹脂成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ素樹脂の特性を維持しつつ、相手材の表面状態や振動においても優れたシール性を有する成形品を提供することを目的とする。
【解決手段】表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有する溶融加工可能なフッ素樹脂の成形品である。溶融加工可能なフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位および/またはCF3で示されるヘキサフルオロプロピレン単位からなる共重合体であり、パーフルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位を有する共重合体である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素樹脂の表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有する成形品に関する。
従来、フッ素樹脂成形品は耐薬品性、耐熱性、非粘着性等の優れた特性を生かし、さまざまな構造材やシール材として広く用いられているが、相手材の表面状態や振動によりシール性が問題となるケースが少なくない。そのような問題点を解決するため、フッ素樹脂と他材とを積層させた積層体が提案されている。たとえば、特許文献1では、パーフルオロゴム層とフッ素樹脂層を加硫接着することによって得られる積層体が開示されている。
特開2000−313089号公報
本発明は、フッ素樹脂の特性を維持しつつ、相手材の表面状態や振動においても優れたシール性を有する成形品を提供することを目的とする。
本発明は、表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有する溶融加工可能なフッ素樹脂の成形品に関する。
溶融加工可能なフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/クロロトリフルオロエチレン共重合体(CPT)などがあげられる。
その中でもテトラフルオロエチレン単位と、式(I):
Figure 2008296549
(式中、RfはORf1(Rf1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)またはCF3である)で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位および/またはCF3で示されるヘキサフルオロプロピレン単位からなる樹脂性の共重合体(PFAまたはFEP)であることが好ましい。
パーフルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン単位と、式(II):
Figure 2008296549
(式中、Rf1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)
で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位を有するエラストマー性の共重合体であることが好ましい。
パーフルオロエラストマーが、さらに、シアノ基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基よりなる群から選択される少なくとも1つの基からなる架橋部位を有することが好ましい。
成形品がシート、フィルム、チューブ、ロッド、ブロックおよびリングよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明は、溶融加工可能なフッ素樹脂成形品にパーフルオロエラストマーを含む塗料を塗布する工程を含む前記の成形品の製造方法にも関する。
さらに、本発明は、溶融加工可能なフッ素樹脂成形品をパーフルオロエラストマーを含む塗料に浸漬する工程を含む前記の成形品の製造方法にも関する。
パーフルオロエラストマーを含む塗料のパーフルオロエラストマーの濃度が1〜50質量%であることが好ましい。
本発明は、溶融加工可能なフッ素樹脂の表面にパーフルオロエラストマーの薄膜層を設けることにより、パーフルオロエラストマーとフッ素樹脂基材との密着性に優れた成形品が得られる。また、パーフルオロエラストマー層の厚みを調節することで幅広く相手材との表面状態や使用環境に対応できる。
本発明は、表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有する溶融加工可能なフッ素樹脂の成形品に関する。
溶融加工可能なフッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン(以下、TFEともいう)単位とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEともいう)単位との共重合体(PFA)またはTFE単位とヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPともいう)単位との共重合体(FEP)が好ましい。
PAVE単位の具体例としては、式(II):
Figure 2008296549
(式中、Rf1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)
で示されるものが好ましい。ここで、式中、Rf1は炭素数1〜5、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜3のパーフルオロアルキル基である。具体的には、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、PMVEともいう)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
PAVE単位の含有量は、溶融加工可能なフッ素樹脂(PFA)中、0.3〜15モル%であることが好ましく、0.5〜10モル%がより好ましく、1〜5モル%がさらに好ましい。PAVE単位の含有量が0.3モル%未満であると、溶融加工が困難となる傾向がある。一方、PAVE単位の含有量が15モル%をこえると、エラストマー性になる。
FEP中のHFPの含有量は、溶融加工可能なフッ素樹脂(FEP)中、0.3〜15モル%であることが好ましく、1〜15モル%がより好ましく、5〜10モル%がさらに好ましい。HFP単位の含有量が0.3モル%未満であると、溶融加工が困難となる傾向がある。
パーフルオロエラストマーとしては、TFE単位とPAVE単位とのエラストマー性の共重合体(エラストマー性のTFE/PAVE共重合体はPFAとは言わない)であることが好ましい。
PAVE単位としては、前記式(I)であげられたものと同じものがあげられる。
PAVE単位の含有量は、パーフルオロエラストマー中に15モル%を超え50モル%までであることが好ましく、20〜50モル%がより好ましく、25〜45モル%がさらに好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる。
パーフルオロエラストマーに架橋部位を与える単量体としては、シアノ基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基よりなる群から選択される少なくとも1つの基を有することが好ましく、式(III):
Figure 2008296549
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、X1はニトリル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基)
で表される単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、任意に組み合わせて用いることができる。
このニトリル基、カルボキシル基またはアルコキシカルボニル基が、架橋点として機能することができる。
架橋部位を与える単量体は、TFE単位とPAVEの合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
本発明の成形品には、エラストマーに一般的に用いられる添加物、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属水酸化物、樹脂粉末などの充填剤、ワックス、脂肪酸塩などの加工助剤や可塑剤、有機、無機系の着色剤などを含有させてもよい。
本発明の成形品の形状としては、シート、フィルム、チューブ、ロッド、ブロック、リングなどがあげられる。
本発明の成形品本体に用いられる組成物は、前記の各成分を、通常のエラストマー用加工機械、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法によっても調製することができる。
また、本発明は、溶融加工可能なフッ素樹脂成形品にパーフルオロエラストマーを含む塗料を塗布する、または、浸漬させる工程を含む前記の成形品の製造方法にも関する。
パーフルオロエラストマーを含む塗料には、前記架橋部位を与える単量体と架橋する架橋剤を含むことが好ましい。具体例としては、限定的ではないが、たとえば2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンなどがあげられる。これらの中でも、架橋物の耐熱性の点から、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンがさらに好ましい。
以上に説明した架橋剤は、機械的強度、耐熱性、耐薬品性に優れ、特に耐熱性と耐薬品性にバランスよく優れた架橋物を与えるものである。
なお、2,2−ビス−[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンは、ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンスのポリマー・ケミストリー編、Vol.20、2381〜2393頁(1982)でモノマーとして合成されている。
架橋剤の添加量は、パーフルオロエラストマー100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがより好ましい。架橋剤の添加量が、0.1質量部未満であると、実用上充分な機械的強度、耐熱性、耐薬品性が得られない傾向があり、20質量部をこえると、架橋に多大な時間がかかる上、架橋物が硬く柔軟性がなくなる傾向がある。
パーフルオロエラストマーを含む塗料に使用できる溶剤としては、特に限定されず、パーフルオロエラストマーを充分に溶かすことができるものであればよい。パーフルオロエラストマーを充分に溶かすことができる点で、化学構造から計算される水素原子の含有量が3質量%以下のフッ素系溶剤が好ましく、水素原子の含有量が0質量%である完全フッ素化溶剤がより好ましい。水素原子の含有量が3質量%をこえる溶剤では、パーフオロエラストマーの溶解性に乏しい傾向がある。
さらに、架橋剤がフェニルアミン骨格を有する場合は、一部の低級ケトン系などの溶剤では、変質してしまう傾向があり、長期の溶液安定性を損なうため、変質しない溶剤を使うことが好ましい。
フェニルアミン骨格を変質させないフッ素系溶剤としては、パーフルオロ3級アミン(例えば、パーフルオロトリ−n−ブチルアミン、パーフルオロトリエチルアミン)、CFC(完全ハロゲン化クロロフルオロカーボン)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)、HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、パーフルオロアルカンなどがあげられる。これらは、単独もしくは2種類以上の溶剤を併用して用いることができる。
また、パーフルオロエラストマーを含む塗料のパーフルオロエラストマーの濃度は、1〜50質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。パーフルオロエラストマーの濃度が1質量%未満であると一度の塗布で得られる膜厚が非常に薄くなる傾向がある。一方、パーフルオロエラストマーの濃度が50質量%をこえると、組成物の溶液粘度が高く、加工が困難になる傾向がある。
パーフルオロエラストマーを含む塗料組成物は、溶剤以外の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合し、コンパウンドとした後、溶剤に溶解または分散させることにより調製することができる。この他、ボールミル等の密閉式混合機を用い、各成分を混合する方法によっても調製することができる。
また、必要に応じて架橋性エラストマー組成物に配合される通常の添加物、たとえば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤などの各種添加剤を配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋促進剤を1種またはそれ以上配合してもよい。
得られた塗料を溶融加工可能なフッ素樹脂成形品にコーティングする方法としては、溶融加工可能なフッ素樹脂成形品に塗布する方法、または、浸漬させる方法があげられる。具体的なコーティング方法としては、例えば、ディップコーティング、流延、スプレーコーティング、刷毛塗り、カーテンフローコーティングなどがあげられる。
塗布された成形品は、塗布後、溶剤を蒸発させ、さらに塗料組成物の架橋を行うことが好ましい。溶剤を蒸発させる方法としては、風乾、オーブンによる乾燥等、通常用いられている方法であれば、特に限定はされない。
塗布された成形品における塗膜の厚みは、1〜500μmが好ましく、3〜200μmがより好ましく、5〜100μmがさらに好ましい。塗膜の厚みが1μm未満であるとシール性の改良効果に乏しく、また、塗膜の厚みが500μmをこえると、何度も塗料を重ね塗りしなければならず実用的ではない。
架橋条件としては、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよいが、通常、150〜300℃の温度で、1分〜24時間焼成を行う。
また、架橋方法としては、スチーム架橋など通常用いられている方法はもちろんのこと、常圧、加圧、減圧下においても、また、空気中においても、どのような条件下においても架橋反応を行うことができる。
本発明の成形品としては、シール材などの用途に好適に用いることができる。
また、シール材として用いる場合、以下に示す分野で好適に用いることができる。
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、ガスケット、ダイアフラム等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング、シール材として、クォーツウィンドウのOリング、シール材として、チャンバーのOリング、シール材として、ゲートのOリング、シール材として、ベルジャーのOリング、シール材として、カップリングのOリング、シール材として、ポンプのOリング、シール材、ダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用のOリング、シール材として用いることができる。
自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材はエンジンならびに周辺装置に用いることができ、シール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、パッキン、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、酸素センサー用シール、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、キャブレターのセンサー用ダイアフラム等として用いることができる。
航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)リング、バルブ、パッキン、シール材等があげられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステルシール、ガスケットおよびO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。プラント等の化学品分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)リング、シール材等があげられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流量計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、分析機器、理化学機器のシール、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、乾式複写機のシール、弁部品等として用いることができる。
食品プラント機器分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)リング、シール材等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
原子力プラント機器分野では、パッキン、Oリング、シール材、ダイアフラム、バルブ等があげられる。
一般工業分野では、パッキング、Oリング、シール材、ダイアフラム、バルブ等があげられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)等に用いられる。
電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール等として用いられる。
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、コンピューターのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、例えばエンジンのオイルパンのガスケット、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤等があげられる。
また、磁気記録装置(ハードディスクドライブ)用のガスケット、半導体製造装置やウェハー等のデバイス保管庫等のシーリング材等のクリーン設備用シール材に特に好適に用いられる。
さらに、耐薬品性、ガス低透過性、難燃性等の特性を活かし、燃料電池セル電極間やその周辺配管等に用いられるパッキン等の燃料電池用のシール材、リチウムイオン電池用のシール材等にも特に好適に用いられる。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
製造例1
(シアノ基含有パーフルオロエラストマーの合成)
着火源をもたない内容積3mLのステンレススチール製オートクレーブに、純水1Lおよび式:
Figure 2008296549
に示す乳化剤を10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、50℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の527mg/mLの濃度の水溶液10mLを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合の進行により内圧が、0.69MPa・Gまで降下した時点で、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN(CNVE)3gを窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPa・Gになるように、TFEを4.7gおよびPMVE5.3gをそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMVEを圧入し、0.69〜0.78MPa・Gのあいだで、昇圧、降圧を繰り返すと共に、TFEとPMVEの合計量が70g、130g、190gおよび250gとなった時点でそれぞれCNVE3gを窒素圧で圧入した。
重合反応の開始から19時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が、300gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度21.2質量%の水性分散体1330gを得た。
この水性分散体のうち1196gを水3588gで希釈し、3.5質量%塩酸水溶液2800g中に、撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後5分間撹拌した後、凝析物をろ別し、得られたポリマーをさらに2kgのHCFC−141b中にあけ、5分間撹拌し、再びろ別した。この後このHCFC−141bによる洗浄、ろ別の操作をさらに4回繰り返したのち、60℃で72時間真空乾燥させ、240gのニトリル基含有エラストマーを得た。
19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、TFE/PMVE/CNVE=56.6/42.3/1.1モル%であった。
(パーフルオロエラストマー組成物の調製)
製造例1で得られたニトリル基を含有するパーフルオロエラストマーとジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンスのポリマー・ケミストリー編、Vol.20、2381〜2393頁(1982)に記載の方法で合成した架橋剤である2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンとカーボンブラック(Cancarb社製 Thermax N−990)とを重量比100/0.8/20(質量部)で、オープンロールにて混合した。
(パーフルオロエラストマー塗料の調製)
製造例1で得られたパーフルオロエラストマー組成物を、溶剤のパーフルオロへキサンに溶解させ、固形分濃度が10質量%のパーフルオロエラストマー塗料を調製した。
実施例1
TFE/PAVE共重合体樹脂(PFA)(ダイキン工業株式会社製 ネオフロンPFA AP−210)をヒートプレスを用いて380℃で溶融させた後に水冷する方法で、厚さが2mmのシート状成形体を得た。続けてその表面に、製造例1で得たパーフルオロエラストマー塗料を刷毛で塗布し、60℃で30分間風乾した後に200℃で30分間、加熱し架橋させ、表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有するPFAシートを得た。こうして得られた塗膜の厚さは0.03mmであった。
得られたパーフルオロエラストマー塗膜を有するPFAシートについて、つぎのシール漏れ試験を行った。結果を表1に示す。
(シール漏れ試験)
装置:
図1に模式図として示す試験装置を用いて行う。図1において、1は成形品のサンプル(直径30mmの円盤状に打抜かれている)であり、フッ素樹脂成形品2とエラストマー塗膜3とからなる。サンプル1は塗膜3を下向きにステンレススチール(SUS304)上板4と下板5で挟まれている。下板5の中央部には直径20mmの孔6が開けられており、上板4上には重り7が置かれている。孔6は、圧力計8を介して空気加圧器(図示されていない)に接続されている。
方法:
成形品サンプルを、塗膜を下向きに下板の孔を塞ぐように置き、さらに上板を重ね、さらに重りを載せる。孔に空気圧をかけ、徐々に圧力を上げていき、下板とサンプルとの間で空気が漏れ始めた(シール漏れした)ときの空気圧(MPa)を測定する。サンプルにかかる荷重(上板+重り)を4kgから2kgずつ重くし、22kg荷重まで測定する。
実施例2
PFAに代えて、TFE/HFP(テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン)共重合体樹脂(FEP)(ダイキン工業株式会社製 ネオフロンFEP NP−40)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有するFEPシートを得た。こうして得られた塗膜の厚さは0.03mmであった。
得られたパーフルオロエラストマー塗膜を有するFEPシートについて、実施例1と同様にしてシール漏れ試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1で用いたPFA(ダイキン工業株式会社製 ネオフロンPFA AP−210)をヒートプレスを用いて380℃で溶融させた後に水冷する方法で、厚さが2mmのシート状成形体を得た。
得られたPFAシートについて、実施例1と同様にしてシール漏れ試験を行った。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2で用いたFEP(ダイキン工業株式会社製 ネオフロンFEP NP−40)を用いた以外は、比較例1と同じ方法で厚さ2mmのシート状成形体を得た。
得られたFEPシートについて、実施例1と同様にしてシール漏れ試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2008296549
シール漏れ試験装置の模式図である。
符号の説明
1 サンプル
2 フッ素樹脂成形品
3 エラストマー塗膜
4 上板
5 下板
6 孔
7 重り
8 圧力計

Claims (8)

  1. 表面にパーフルオロエラストマー塗膜を有する溶融加工可能なフッ素樹脂の成形品。
  2. 溶融加工可能なフッ素樹脂が、テトラフルオロエチレン単位と、式(I):
    Figure 2008296549
    式中、RfはORf1(Rf1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位および/またはCF3で示されるヘキサフルオロプロピレン単位からなる共重合体である請求項1記載の成形品。
  3. パーフルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン単位と、式(II):
    Figure 2008296549
    (式中、Rf1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)
    で示されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位を有する共重合体である請求項1または2記載の成形品。
  4. パーフルオロエラストマーが、さらに、シアノ基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基よりなる群から選択される少なくとも1つの基からなる架橋部位を有する請求項1〜3のいずれかに記載の成形品。
  5. 成形品がシート、フィルム、チューブ、ロッド、ブロックおよびリングよりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の成形品。
  6. 溶融加工可能なフッ素樹脂の成形品にパーフルオロエラストマーを含む塗料を塗布する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  7. 溶融加工可能なフッ素樹脂の成形品をパーフルオロエラストマーを含む塗料に浸漬する工程を含む請求項1〜5のいずれかに記載の成形品の製造方法。
  8. パーフルオロエラストマーを含む塗料のパーフルオロエラストマーの濃度が1〜50質量%である請求項6または7記載の成形品の製造方法。
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