JP2008296463A - ゴムクローラの製造装置およびゴムクローラの製造方法 - Google Patents

ゴムクローラの製造装置およびゴムクローラの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムクローラを製造する際に、モールド外周面の収納凹部に配置した予備成形体が落下するのを防ぐ。
【解決手段】ドラム状のモールド11の外周面に周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部15が形成され、これらの収納凹部15にそれぞれ、駆動突起形成用の予備成形体を各別に配置した後に、モールド11の外周面に全周にわたってゴムシート部材を巻き付け、その後、このゴムシート部材をその全周にわたって径方向外方から加圧し、前記ゴムシート部材の内周面を前記予備成形体に密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材および予備成形体を加硫することにより、ゴムクローラを形成するゴムクローラの製造装置10であって、収納凹部15に前記予備成形体の落下防止部が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動輪と従動輪との間に無端帯状に巻回されて用いられ、内周面に駆動輪および従動輪にそれぞれ噛合する駆動突起が突設されたゴムクローラを形成するゴムクローラの製造装置およびゴムクローラの製造方法に関するものである。
この種のゴムクローラの製造装置として、例えば下記特許文献1に示されるような、ドラム状のモールド外周面に周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部が形成され、これらの収納凹部にそれぞれ、駆動突起形成用の予備成形体を各別に配置した後に、モールド外周面に全周にわたってゴムシート部材を巻き付け、その後、このゴムシート部材をその全周にわたって径方向外方から加圧し、前記ゴムシート部材の内周面を前記予備成形体に密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材および予備成形体を加硫する構成が知られている。
特表2002−512905号公報
しかしながら、前記従来のゴムクローラの製造装置では、モールド外周面にゴムシート部材を巻き付ける前に、前記収納凹部に配置した予備成形体が落下し易いという問題があった。特に、予備成形体は、成形されてからゴムクローラの製造装置に供給されるまでの間は放置されるので、その間に、予備成形体を形成するゴム材料に含まれるワックス成分がその外表面に露出することがあり、前述の落下の発生を増長させるおそれがある。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、ゴムクローラを製造する際に、モールド外周面の収納凹部に配置した予備成形体が落下するのを防ぐことができるゴムクローラの製造装置およびゴムクローラの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のゴムクローラの製造装置は、ドラム状のモールド外周面に周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部が形成され、これらの収納凹部にそれぞれ、駆動突起形成用の予備成形体を各別に配置した後に、モールド外周面に全周にわたってゴムシート部材を巻き付け、その後、このゴムシート部材をその全周にわたって径方向外方から加圧し、前記ゴムシート部材の内周面を前記予備成形体に密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材および予備成形体を加硫することにより、駆動輪と従動輪との間に無端帯状に巻回されて用いられ、内周面に前記駆動輪および従動輪にそれぞれ噛合する駆動突起が突設されたゴムクローラを形成するゴムクローラの製造装置であって、前記収納凹部に前記予備成形体の落下防止部が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、収納凹部に落下防止部が設けられているので、モールド外周面にゴムシート部材を巻き付ける前に、収納凹部に配置した予備成形体がこの収納凹部から落下するのを防止することができる。
ここで、前記落下防止部は、前記収納凹部の表面に形成された粗面加工部を備えてもよい。
この場合、落下防止部が粗面加工部を備えているので、収納凹部に配置した予備成形体の外表面と収納凹部の表面との間に発生する摩擦力を増大させることが可能になり、予備成形体が、その自重により収納凹部の表面上を滑って落下しようとしても、その移動を前記摩擦力によって阻止することができる。
また、前記落下防止部は、前記収納凹部の表面に突設された突起体を備え、この収納凹部に配置された予備成形体を突き刺し可能、若しくは挟持可能とされてもよい。
この場合、落下防止部が前記突起体を備えているので、収納凹部に予備成形体を配置したときに、突起体により予備成形体を突き刺す若しくは挟持することが可能になり、この予備成形体が収納凹部から落下するのを抑制することができる。
なお、前記突起体により予備成形体を挟持するには、突起体を複数設け、これらの突起体の各先端部で予備成形体を挟み込むようにしてもよいし、一つの突起体の先端部と収納凹部の表面との間で予備成形体を挟み込むようにしてもよい。
さらに、前記突起体は、前記収納凹部の表面に対して出没可能に設けられてもよい。
この場合、突起体が収納凹部の表面に対して出没可能に設けられているので、このゴムクローラの製造装置の取り扱い性を向上させることができる。
例えば、表面から突起体が突出している収納凹部に予備成形体を配置して、突起体により予備成形体を突き刺す若しくは挟持し、その後、ゴムシート部材をモールド外周面に巻き付けてこのゴムシート部材で収納凹部の開口部を閉塞した後に、前記突起体を後退移動させ、前述のように加硫することが可能になる。この場合、加硫後の予備成形体の外表面に、突起体による傷や凹み等が残存するのを防ぐことが可能になり、外観品質が良好で、かつ駆動突起の耐久性を現行同等に維持できるゴムクローラを形成することができる。
さらにまた、前記突起体は、前記収納凹部の表面に、前記モールド外周面に沿った方向に延在し、かつ互いの先端部同士が前記モールド外周面に沿った方向で対向するように一対突設されてもよい。
この場合、収納凹部に配置した予備成形体が落下するのを確実に抑制することができる。
また、本発明のゴムクローラの製造方法は、ドラム状のモールド外周面に周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部が形成され、これらの収納凹部にそれぞれ、駆動突起形成用の予備成形体をその頂部側から各別に配置した後に、モールド外周面に全周にわたってゴムシート部材を巻き付け、その後、このゴムシート部材をその全周にわたって径方向外方から加圧し、前記ゴムシート部材の内周面を前記予備成形体の底面に密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材および予備成形体を加硫することにより、駆動輪と従動輪との間に無端帯状に巻回されて用いられ、内周面に前記駆動輪および従動輪にそれぞれ噛合する駆動突起が突設されたゴムクローラを形成するゴムクローラの製造方法であって、本発明のゴムクローラの製造装置を用い、前記予備成形体を収納凹部に配置する際、この予備成形体の側面に突設した引っ掛け突部を、前記突起体よりも収納凹部の底面側に位置させて、これらの引っ掛け突部と突起体とを、前記収納凹部の開口方向で重ね合わせることを特徴とする。
この発明によれば、予備成形体が収納凹部から落下しようとしても、前記引っ掛け突部を突起体に引っ掛けることが可能になり、この落下を防ぐことができる。しかも、前述のように突起体により予備成形体を突き刺す若しくは挟持することも可能なので、前述の落下を確実に防ぐことができる。
この発明によれば、ゴムクローラを製造する際に、モールド外周面の収納凹部に配置した予備成形体が落下するのを防ぐことができる。
以下、本発明に係るゴムクローラの製造装置10の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。
まず、この製造装置10により形成されるゴムクローラの概略構成について、図4に基づいて説明する。
例えば、油圧ショベル等の建設機械、その他のクローラ式車両においてその下部に装着される左右一対のクローラ式走行体20はそれぞれ、図4に示されるように、駆動輪21と図示されない従動輪との間にゴムクローラ22が無端帯状に巻回された概略構成とされている。駆動輪21はスプロケットとされ、車両フレームに設けられた例えば油圧モータ等の駆動手段により回転可能に支持されている。また、従動輪は前記車両フレームに回転自在に支持されている。
図示の例では、ゴムクローラ22は、ゴム材料で無端帯状に成形されたクローラ本体23を備え、このクローラ本体23に、クローラ周方向に連続して延びるスチールコード28がクローラ幅方向に間隔をあけて複数配置されたスチールコード層27と、スチールコード層27よりもクローラ本体23の外周側において、このスチールコード層27の厚さ方向で対向する位置に配置された複数の補強プライ層25と、が埋設されている。なお、補強プライ層25は、図示の例では3枚積層された積層構造とされている。また、各補強プライ層25には、その厚さ方向に直交する沿面方向における一方向に連続して延在するスチールコードが、前記沿面方向において前記一方向に直交する他方向に所定の間隔をあけて複数埋設されている。そして、それぞれの補強プライ層25に埋設されているスチールコードは、各層25ごとで互いに異なる方向に延在している。
また、クローラ本体23の外周面には、その周方向に間隔をあけて複数のラグ26が突設されている。さらに、図示の例では、ラグ26は、クローラ本体23の外周面において、その幅方向中央部を挟んだ両側にそれぞれ形成されている。
ここで、クローラ本体23の内周面におけるクローラ幅方向中央部には、その全周にわたってクローラ周方向に間隔をあけて複数の駆動突起24が突設されており、前記駆動輪21および従動輪はこれらの駆動突起24に噛合することにより、このゴムクローラ22を送り移動させるようになっている。また、クローラ本体23の内周面において、駆動突起24をクローラ幅方向で挟んだ両側に位置する部分は、全周にわたって平滑面とされた転輪通過面Sとなっている。ここで、ゴムクローラ22の内周面側において駆動輪21と従動輪との間には、前記車両フレームに回転自在に支持された複数の転輪10が配置されており、各転輪10は、転輪通過面S上で、ゴムクローラ22の送り移動に伴ってこのゴムクローラ22に対して転動させられるようになっている。
なお、複数の転輪10のうち、一部はゴムクローラ22の内周面において地面側の下側に位置する部分をその上側から支持するように配置されるとともに、残りはゴムクローラ22の内周面において上側に位置する部分をその下側から支持するように配置されている。前者の転輪10により、ゴムクローラ22の外周面において下側に位置する部分をその全域にわたって接地させることが可能になり、また後者の転輪10により、ゴムクローラ22において上側に位置する部分が弛まないように保持できるようになっている。
次に、本実施形態に係るゴムクローラの製造装置10について説明する。この製造装置10は、ドラム状の内型モールド11と、この内型モールド11を径方向外方から囲繞するように設けられた外型モールド12と、を備え、これらの両モールド11、12は、それぞれの中心軸が共通軸上に位置させられた状態で配置されている。以下、この共通軸を中心軸Oという。
外型モールド12は、この中心軸O回りに環状に配置され、かつ前記中心軸Oに対して進退可能に支持された複数の外型セグメント13により構成され、これらのセグメント13が中心軸Oに向けて前進端位置に到達したときに、図1の二点鎖線で示されるように、この中心軸Oを中心とした円筒状体をなすように構成されている。さらに、この外型セグメント13の内周面には、ラグ26の外形形状に沿った内面形状の図示されないラグパターンが刻設されている。
一方、内型モールド11は、前記中心軸O回りに環状に配置され、かつ前記中心軸Oに対して進退可能に支持された複数の内型セグメント14により構成され、これらのセグメント14が前記中心軸Oに対して後退端位置に到達したときに、この中心軸Oを中心とした円筒状体をなすように構成されている。なお、図示の例では、複数の内型セグメント14には、周長の短いものと長いものとがあり、これらが前記中心軸O回りに交互に配置されている。また、内型セグメント14は偶数個(図示の例では8個)設けられている。
ここで、それぞれの内型セグメント14の外周面には、前述した駆動突起24を形成するための未加硫の予備成形体31が配置される収納凹部15が形成されている。図示の例では、収納凹部15は、内型セグメント14の外周面における前記中心軸O方向の中央部に、周方向に一定の間隔をあけて複数形成されている。そして、前述のように、複数の内型セグメント14が後退端位置に到達したときに構成される前記円筒状体(ドラム状のモールド)の外周面に、周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部15が配置されるようになっている。
また、この収納凹部15は、図3に示されるように、内型セグメント14の外周面を径方向外方から見て前記中心軸O方向に長い長方形状をなしている。そして、収納凹部15の表面は、内型セグメント14の外周面において前記長方形状をなす4つの辺稜部からそれぞれ、径方向内方に向けて延びる4つの壁面15a、15b、15c、15dと、これらの壁面15a、15b、15c、15dの径方向内方端が連なる底面15eと、により構成されて、前記予備成形体31の外形形状に沿った形状となっている。なお、本実施形態では、予備成形体31は頂部31bと底面31cと側面31dとを有する概略角錐形状とされている。
これらの4つの壁面15a、15b、15c、15dのうち、内型モールド11の周方向で互いに対向する第1、第2壁面15a、15bはそれぞれ、内型セグメント14の外周面から底面15eに向かうに従い漸次、互いの間隔が小さくなるように傾斜し、また、内型モールド11の中心軸O方向で互いに対向する第3、第4壁面15c、15dはそれぞれ、内型セグメント14の外周面から底面15eに向かうに従い漸次、互いの間隔が小さくなるように傾斜している。
なお、外型モールド12では、全ての外型セグメント13が同一の方向に同一のストロークで同時に前述のように進退移動するように構成されている。
また、内型モールド11では、このモールド11の周方向で隣接する内型セグメント14は、同一の方向に互いに異なるストロークで前述のように進退移動するように構成されている。さらに、前記周方向で隣接する内型セグメント14は、図1の二点鎖線で示されるように前記中心軸Oに向けて前進移動する際、図示の例では、前記周長の短いセグメント14がまず前進移動し、その後に、前記周長の長いセグメント14が、前記周長の短いセグメント14の前進移動距離よりも短い距離だけ前進移動するようになっている。
そして、本実施形態では、収納凹部15に前記予備成形体31の落下防止部が設けられている。図示の例では、落下防止部は、収納凹部15の表面に形成された粗面加工部16とされている。また、この粗面加工部16は、収納凹部15の表面に例えばサンドブラスト加工等が施されて形成された無数の微小な凹凸部により構成されている。また、この粗面加工部16は、収納凹部15の表面を構成する4つの壁面15a、15b、15c、15dおよび底面15eの全てを均等な表面粗さに形成することによって構成されている。
次に、以上のように構成されたゴムクローラの製造装置10を用いてゴムクローラ22を形成する方法について説明する。
まず、図1の実線で示されるように、複数の内型セグメント14を前記中心軸Oに対して後退端位置に到達させドラム状の内型モールド11にした状態で、複数の収納凹部15にそれぞれ、予備成形体31をその頂部31b側から各別に配置する。次に、内型モールド11の外周面に全周にわたって未加硫のゴムシート部材32を巻き付ける。ここで、図示の例では、ゴムシート部材32は、インナーゴムシート(内周面ゴムシート)32aと、スチールコード層32bと、複数の補強プライ層32cと、キャップゴムシート(外周面ゴムシート)32dと、を備えている。
これらのうち、まず、インナーゴムシート32aを内型モールド11の外周面にその全周にわたって巻き付けて、全ての収納凹部15の開口部をインナーゴムシート32aで閉塞する。その後、インナーゴムシート32aの外周面に、その全周にわたってスチールコード層32bを巻き付け、さらにこのスチールコード層32bの外周面に複数のプライ補強層32cを巻き付け、さらにその後、プライ補強層32cのうちの最外層の外周面に、その全周にわたってキャップゴムシート32dを巻き付ける。
次に、外型セグメント13を図1の二点鎖線で示されるように前記中心軸Oに向けて前進端位置に到達させて、複数の外型セグメント13それぞれの内周面により、前述のように巻き付けたゴムシート部材32を、その全周にわたって径方向外方から加圧し、インナーゴムシート32aの内周面(ゴムシート部材32の内周面)を収納凹部15内の予備成形体31の底面31cに密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材32および予備成形体31を加硫して一体に形成することにより、ゴムクローラ22を形成する。
その後、前述のように、外型セグメント13を前記中心軸Oに対して後退移動させるとともに、内型セグメント14を前記中心軸Oに向けて前進移動させることにより、この装置10からゴムクローラ22を取り出す。
以上説明したように、本実施形態によるゴムクローラの製造装置10によれば、収納凹部15に前記落下防止部が設けられているので、内型モールド11の外周面にゴムシート部材32を巻き付ける前に、収納凹部15に配置した予備成形体31がこの収納凹部15から落下するのを防止することができる。
特に、本実施形態では、前記落下防止部が粗面加工部16とされているので、収納凹部15に配置した予備成形体31の側面31dと収納凹部15の表面との間に発生する摩擦力を増大させることが可能になり、予備成形体31が、その自重により収納凹部15の表面上を滑って落下しようとしても、その移動を前記摩擦力によって阻止することができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、収納凹部15の表面に形成した粗面加工部16として、無数の微小な凹凸部を示したが、これに代えて例えば、図5に示すように、収納凹部15の表面に、前記4つの壁面15a、15b、15c、15dが連なる方向に沿って延びる線状の凹凸部を、この収納凹部15の開口方向に間隔をあけて複数形成した構成を採用してもよい。なお、図示の例では、粗面加工部16は、収納凹部15の表面を構成する前記4つの壁面15a〜15dの全てにわたって連続して延在している。
この構成においても、収納凹部15に配置した予備成形体31がこの収納凹部15から落下を防ぐことができる。
また、前記落下防止部として、以上の粗面加工部16に代えて、例えば、収納凹部15の表面に突設された突起体17を採用し、この収納凹部15に配置した予備成形体31を突き刺し可能、若しくは挟持可能とされた構成を採用してもよい。この構成においても、収納凹部15に予備成形体31を配置したときに、突起体17により予備成形体31を突き刺す若しくは挟持することが可能になり、この予備成形体31が収納凹部15から落下するのを抑制することができる。
例えば、図6に示すように、収納凹部15の底面15eに2つの突起体17を突設し、これらの突起体17の先端部を先鋭形状にして、収納凹部15に配置した予備成形体31を突き刺すようにしてもよい。
また、例えば、図7に示すように、突起体17を、収納凹部15の表面に、内型モールド11の外周面に沿った方向に延在し、かつ互いの先端部同士が内型モールド11の外周面に沿った方向で対向するように一対突設し、この収納凹部15に配置した予備成形体31を、一対の突起体17で突き刺す若しくは挟持するようにしてもよい。なお、図示の例では、一対の突起体17は、前記4つの壁面15a、15b、15c、15dのうち、前記中心軸O方向で互いに対向する第3、第4壁面15c、15dに各別に突設されている。
さらに、図8に示すように、収納凹部15の底面15eにおいてその沿面方向中央部に一つの突起体17を突設するようにしてもよい。
また、突起体17を、収納凹部15の4つの壁面15a、15b、15c、15dのうちの一つに、内型モールド11の外周面に沿った方向に延在するように突設して、収納凹部15に配置した予備成形体31を、突起体17の先端部と、この突起体17が設けられている前記4つの壁面15a、15b、15c、15dのうちの一つに対向する他の壁面との間で挟み込むようにしてもよい。
なお、図6から図8で示した各突起体17の収納凹部15の表面からの突出量は、例えば2mmから5mm程度としてもよい。
さらに、前述した各突起体17はそれぞれ、収納凹部15の表面に対して出没可能に設けられてもよい。
この場合、突起体17が収納凹部15の表面に対して出没可能に設けられているので、このゴムクローラの製造装置10の取り扱い性を向上させることができる。
例えば、表面から突起体17が突出している収納凹部15に予備成形体31を配置して、突起体17により予備成形体31を突き刺す若しくは挟持し、その後、ゴムシート部材32を内型モールド11の外周面に巻き付けてこのゴムシート部材32で収納凹部15の開口部を閉塞した後に、突起体17を後退移動させ、前述のように加硫することが可能になる。この場合、加硫後の予備成形体31の外表面に、突起体17による傷や凹み等が残存するのを防ぐことが可能になり、外観品質が良好で、かつ駆動突起24の耐久性を現行同等に維持できるゴムクローラ22を形成することができる。
ここで、図7に示したように、突起体17が、収納凹部15の表面に、内型モールド11の外周面に沿った方向に延在し、かつ互いの先端部同士が内型モールド11の外周面に沿った方向で対向するように一対突設されたゴムクローラの製造装置10では、予備成形体31を収納凹部15に配置する際、この予備成形体31の側面31dに突設した引っ掛け突部31aを、突起体17よりも収納凹部15の底面15e側に位置させて、これらの引っ掛け突部31aと突起体17とを、収納凹部15の開口方向で重ね合わせてもよい。ここで、引っ掛け突部31aは、予備成形体31の側面31dにおいて、その中心軸を挟んで互いに反対となる位置にそれぞれ突設されている。
この場合、予備成形体31が収納凹部15から落下しようとしても、引っ掛け突部31aを突起体17に引っ掛けることが可能になり、この落下を防ぐことができる。しかも、前述のように突起体17により予備成形体31を突き刺す若しくは挟持することも可能なので、前述の落下を確実に防ぐことができる。
また、前記実施形態では、内型モールド13が複数の内型セグメント14を備える構成を示したが、全体が一体に形成された内型モールドを採用してもよい。
さらに、収納凹部15の表面に、前記落下防止部として、粗面加工部16および突起体17の双方を設けてもよい。
ゴムクローラを製造する際に、モールド外周面の収納凹部に配置した予備成形体が落下するのを防ぐことができる。
本発明に係る一実施形態として示したゴムクローラの製造装置の概略図である。 図1に示すゴムクローラの製造装置において、この装置の中心軸方向に沿った内型セグメントの断面図である。 本発明に係る第1実施形態として示した収納凹部の拡大平面図である。 本発明に係る一実施形態として示したゴムクローラの製造装置で形成されるゴムクローラの一部断面を含む斜視図である。 本発明に係る第2実施形態として示した収納凹部の拡大平面図、および拡大断面図である。 本発明に係る第3実施形態として示した収納凹部の拡大断面図である。 本発明に係る第4実施形態として示した収納凹部の拡大断面図である。 本発明に係る第5実施形態として示した収納凹部の拡大断面図である。 本発明に係る一実施形態として示したゴムクローラの製造方法を説明するための概略図である。
符号の説明
10 ゴムクローラの製造装置
11 内型モールド(モールド)
15 収納凹部
15e 底面
16 粗面加工部(落下防止部)
17 突起体(落下防止部)
21 駆動輪
22 ゴムクローラ
24 駆動突起
31 予備成形体
31a 引っ掛け突部
31b 頂部
31c 底面
31d 側面
32 ゴムシート部材

Claims (6)

  1. ドラム状のモールド外周面に周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部が形成され、
    これらの収納凹部にそれぞれ、駆動突起形成用の予備成形体を各別に配置した後に、
    モールド外周面に全周にわたってゴムシート部材を巻き付け、
    その後、このゴムシート部材をその全周にわたって径方向外方から加圧し、前記ゴムシート部材の内周面を前記予備成形体に密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材および予備成形体を加硫することにより、
    駆動輪と従動輪との間に無端帯状に巻回されて用いられ、内周面に前記駆動輪および従動輪にそれぞれ噛合する駆動突起が突設されたゴムクローラを形成するゴムクローラの製造装置であって、
    前記収納凹部に前記予備成形体の落下防止部が設けられていることを特徴とするゴムクローラの製造装置。
  2. 請求項1記載のゴムクローラの製造装置であって、
    前記落下防止部は、前記収納凹部の表面に形成された粗面加工部を備えることを特徴とするゴムクローラの製造装置。
  3. 請求項1または2に記載のゴムクローラの製造装置であって、
    前記落下防止部は、前記収納凹部の表面に突設された突起体を備え、この収納凹部に配置された予備成形体を突き刺し可能、若しくは挟持可能とされたことを特徴とするゴムクローラの製造装置。
  4. 請求項3記載のゴムクローラの製造装置であって、
    前記突起体は、前記収納凹部の表面に対して出没可能に設けられていることを特徴とするゴムクローラの製造装置。
  5. 請求項3または4に記載のゴムクローラの製造装置であって、
    前記突起体は、前記収納凹部の表面に、前記モールド外周面に沿った方向に延在し、かつ互いの先端部同士が前記モールド外周面に沿った方向で対向するように一対突設されていることを特徴とするゴムクローラの製造装置。
  6. ドラム状のモールド外周面に周方向に一定の間隔をあけて複数の収納凹部が形成され、
    これらの収納凹部にそれぞれ、駆動突起形成用の予備成形体をその頂部側から各別に配置した後に、
    モールド外周面に全周にわたってゴムシート部材を巻き付け、
    その後、このゴムシート部材をその全周にわたって径方向外方から加圧し、前記ゴムシート部材の内周面を前記予備成形体の底面に密接させた状態で加熱して、これらのゴムシート部材および予備成形体を加硫することにより、
    駆動輪と従動輪との間に無端帯状に巻回されて用いられ、内周面に前記駆動輪および従動輪にそれぞれ噛合する駆動突起が突設されたゴムクローラを形成するゴムクローラの製造方法であって、
    請求項5記載のゴムクローラの製造装置を用い、
    前記予備成形体を収納凹部に配置する際、この予備成形体の側面に突設した引っ掛け突部を、前記突起体よりも収納凹部の底面側に位置させて、これらの引っ掛け突部と突起体とを、前記収納凹部の開口方向で重ね合わせることを特徴とするゴムクローラの製造方法。
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