JP2006123841A - 弾性クローラの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 良好な製品の外観を得ることができ、かつ転輪の脱輪やクローラ本体の切断を防止することができる製造方法を提供する。
【解決手段】 クローラ周方向に沿う抗張体のクローラ内周側と接地側とに設けた未加硫ゴムを上下型により加圧、加温して加硫する弾性クローラの製造方法において、型締めされた内部空間でクローラ厚み方向に延びる第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dが上型6に配設され、当該各位置規制部材8により抗張体4のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲Sが構成され、この埋設範囲Sに抗張体4を装填した後、型締めして未加硫ゴムを加硫し、加硫後各位置規制ピン8を取り除く。
【選択図】 図1
【解決手段】 クローラ周方向に沿う抗張体のクローラ内周側と接地側とに設けた未加硫ゴムを上下型により加圧、加温して加硫する弾性クローラの製造方法において、型締めされた内部空間でクローラ厚み方向に延びる第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dが上型6に配設され、当該各位置規制部材8により抗張体4のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲Sが構成され、この埋設範囲Sに抗張体4を装填した後、型締めして未加硫ゴムを加硫し、加硫後各位置規制ピン8を取り除く。
【選択図】 図1
Description
本発明は、各種のクローラ式走行装置に用いられる弾性クローラの製造方法に関する。
クローラ式走行装置はコンバイン等の農業機械やバックホー等の建設作業機械に幅広く用いられており、これらのクローラ式走行装置には無端状の弾性クローラが装着されている。この弾性クローラは、無端状に形成された弾性体からなるクローラ本体と、このクローラ本体の内周面に設けられた係合突起部と、クローラ本体の外周面に設けられた複数のラグとを備えている。また、弾性クローラにはクローラ周方向に極めて大きなテンションが作用するため、クローラ本体の内部にはクローラ周方向に沿った抗張体が埋設されている。かかる弾性クローラは、例えば抗張体のクローラ内周側と接地側とに設けた未加硫ゴムを加硫して製造されるが、特許文献1の弾性クローラの製造方法では、クローラ接地側の未加硫ゴムに形成された凹部に抗張体を配置することで、当該抗張体の動きが抑制されている。
特開平5−170148号公報
しかしながら、上記特許文献1の製造方法では、型締めされて抗張体が凹部に入るまでは、ゴムブロックや芯金に挟まれた抗張体の動きは抑制されておらず、抗張体を成形型に装填した後も、当該抗張体がゴムブロック等と一緒にクローラ幅方向に動いてしまうことがある。従って、かかる製造方法では、加硫成形の際の抗張体の横ずれを十分に抑制することはできない。抗張体がクローラ幅方向に動いた状態で加硫成形が行われると、弾性クローラがクローラ幅方向に曲がってしまい製品の外観が悪くなる。さらに、走行中に転輪が脱輪することやクローラ本体の切断が発生することがある。
そこで、本発明は、このような従来技術の問題点に鑑み、加硫成形の際の抗張体の横ずれを抑制することで良好な製品の外観を得ることができ、かつ転輪の脱輪やクローラ本体の切断を防止することができる製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は次の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明は、クローラ周方向に沿う抗張体のクローラ内周側と接地側とに設けた未加硫ゴムを成形型により加圧、加温して加硫する弾性クローラの製造方法において、型締めされた内部空間でクローラ厚み方向に延びる複数の位置規制部材が前記成形型に配設され、当該複数の位置規制部材により抗張体のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲が構成され、前記位置規制部材で構成された埋設範囲に前記抗張体を装填した後、型締めして前記未加硫ゴムを加硫し、加硫後前記位置規制部材を取り除くことを特徴とする。
すなわち、本発明は、クローラ周方向に沿う抗張体のクローラ内周側と接地側とに設けた未加硫ゴムを成形型により加圧、加温して加硫する弾性クローラの製造方法において、型締めされた内部空間でクローラ厚み方向に延びる複数の位置規制部材が前記成形型に配設され、当該複数の位置規制部材により抗張体のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲が構成され、前記位置規制部材で構成された埋設範囲に前記抗張体を装填した後、型締めして前記未加硫ゴムを加硫し、加硫後前記位置規制部材を取り除くことを特徴とする。
上記本発明の弾性クローラの製造方法によれば、成形型に配設された複数の位置規制部材により抗張体のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲が構成され、この埋設範囲に抗張体を装填した後、型締めして未加硫ゴムの加硫を行うので、成形型に構成された埋設範囲に抗張体を装填した後は、当該抗張体のクローラ幅方向の動きが位置規制部材によって抑制される。つまり、型締め前において、抗張体とともに装填される未加硫ゴム等が動いても、それに伴って当該抗張体がクローラ幅方向に動く(横ずれする)ことがない。従って、抗張体がクローラ周方向に沿う適正な状態で埋設された弾性クローラを得ることができ、当該弾性クローラがクローラ幅方向に曲がることがない。これにより、良好な製品外観を得ることができ、走行中に転輪が脱輪することやクローラ本体の切断を防止することができる。
上記位置規制部材を配設する位置に関して、位置規制部材は装填される抗張体のクローラ幅方向両側に配設されていることが好ましい。この場合、位置規制部材による抗張体のクローラ幅方向の動きの抑制効果が高くなる。また、抗張体の両側に配設された位置規制部材のクローラ幅方向距離をtとし、抗張体のクローラ幅方向距離をTとしたときに、位置規制部材が、0.65<T/t<0.95となるように配設されていることが好ましい。位置規制部材をこのように配設すれば、位置規制部材と装填した抗張体との間にクローラ幅方向における十分な隙間を確保することができるので、抗張体と位置規制部材との噛み合いを防止することができる。
さらに、位置規制部材を装填される抗張体が蛇行しない程度の間隔をおいてクローラ周方向に沿って配設すれば、クローラ本体の全周に亘って抗張体のクローラ幅方向の動きを抑制することができる。また、有端状の抗張体の両端部同士をオーバーラップさせて加硫を行う場合、位置規制部材を抗張体がオーバーラップする部分にのみ配設してもよい。この場合、少ない数の位置規制部材でクローラ本体の全周に亘って抗張体の動きを抑制することができ成形型のコストを抑えることができる。
上記位置規制部材は、断面径を1mm〜7mmとする円柱形状(ピン形状)を呈していることが好ましい。この場合、加硫成形された弾性クローラを離型しやすく、さらに弾性クローラに残る位置規制部材の成形孔を小さくすることができる。なお、このような位置規制部材として例えば汎用のスチールコードを採用することができる。
上記本発明に係る製造方法は、芯金有り及び芯金レスのいずれの弾性クローラにも適用することができるが、抗張体とともに左右の翼部を有する芯金が埋設される芯金有りの弾性クローラに適用する場合、芯金のクローラ内周側及び外周側のうちいずれか一方側で前記左右の翼部に対応する位置に並んだ各位置規制部材の先端が、そのクローラ厚み方向の位置を合わせるようにして当該左右の翼部に当接することが好ましい。
この場合、左側の翼部に対応する位置に配設された位置規制部材の先端と、右側の翼部に対応する位置に配設された位置規制部材の先端とが、そのクローラ厚み方向の位置を合わせるようにして、それぞれ左側の翼部と右側の翼部とに当接するので、左右の翼部のクローラ厚み方向の位置が合致し、芯金のクローラ厚み方向の傾きを防止することができる。芯金の傾きを防止することができれば、弾性クローラにかかるテンションがクローラ周方向で均一となる。さらに、芯金と車両側の転輪との間の弾性体の厚みが左右同じとなり、弾性クローラの耐久性を上げることができる。
この場合、左側の翼部に対応する位置に配設された位置規制部材の先端と、右側の翼部に対応する位置に配設された位置規制部材の先端とが、そのクローラ厚み方向の位置を合わせるようにして、それぞれ左側の翼部と右側の翼部とに当接するので、左右の翼部のクローラ厚み方向の位置が合致し、芯金のクローラ厚み方向の傾きを防止することができる。芯金の傾きを防止することができれば、弾性クローラにかかるテンションがクローラ周方向で均一となる。さらに、芯金と車両側の転輪との間の弾性体の厚みが左右同じとなり、弾性クローラの耐久性を上げることができる。
上記の通り、本発明によれば、位置規制部材で構成された埋設範囲に抗張体を装填することで加硫成形の際の抗張体の横ずれをなくしたので、良好な製品の外観を得ることができ、かつ転輪の脱輪や弾性クローラの切断を防止することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。及び図2は、各構成部材が成形型を用いて加硫成形された状態を示すクローラ幅方向断面図であり、図3は、クローラ接地側の平面図である。図1に示すように弾性クローラ1は、クローラ本体2と、このクローラ本体2の内部にクローラ周方向に間隔をおいて埋設された芯金3と、クローラ本体2の内部にクローラ周方向に沿って埋設された抗張体4と、クローラ本体2の外周面に所定のラグパターンで一体に形成された複数のラグ5よりなるラグ群とを備えている。なお、この弾性クローラ1は、機体の前後に配置された駆動スプロケットとアイドラと、これら駆動スプロケットとアイドラとの間に配置された複数個の転輪により主構成されるクローラ走行装置の外周に巻き掛けられて用いられる(図示せず)。
クローラ本体2は、ゴム製の弾性材料を無端帯状にして形成されており、当該クローラ本体2の外周面にはクローラ周方向に所定間隔をおいて複数のラグ5が一体に突設されている。このラグ5は、芯金3と対応するクローラ周方向位置でかつ同芯金と同じピッチで配置されている。また、図1に示すように、クローラ本体2のクローラ幅方向中央部には、駆動スプロケットの係合爪(図示せず)を挿通可能とすべく、その表裏を貫通する係合孔2aが形成されている。上記駆動スプロケットが、この係合孔2aに係合することでクローラ本体2を周回させている
芯金3はクローラ本体2のクローラ幅方向に長く形成されたもので、クローラ幅方向の中央部に位置する肉厚部3Aと、この肉厚部3Aからクローラ幅方向両側に延びる左右の翼部3L、3Rと、肉厚部3Aの内周側から突設された左右一対の係合突起3Cとを有している。また、クローラ本体2の内周側から突出している左右の上記係合突起3Cは、クローラ周方向に向かって左右2列に平行に並んでおり、クローラ式走行装置の転輪が、クローラ本体2の内周面を転動し、当該係合突起3Cにより左右方向の位置規制がされてクローラ本体1から脱輪しないようになっている。
また、クローラ本体2に埋設された芯金3の左側の翼部3Lと右側の翼部3Rの接地側には、クローラ本体2の伸長を規制する抗張体4、4が、クローラ周方向全周に沿って無端状に周回している。この抗張体4は、クローラ周方向に沿って延設されたスチールコード等からなる抗張力コードを多数配列し、これらの周りを未加硫ゴムで固めることによって構成されている。1本の抗張力コードは、その両端部がクローラ本体2の内部で重ね合わされる(ラップジョイントされる)ことで環状とされていることから、弾性クローラ1が駆動スプロケット等に巻き掛けられて湾曲すると、抗張体4にクローラ周方向のテンションが作用する。
なお、上記抗張力コードとしては、例えば、鋼製フィラメントを数本よったものを、さらに数束よりあわせたスチールコードや、ナイロン、テトロン等のフィラメントから構成されるナイロンコード、テトロンコード、その他アラミド繊維コード、ガラス繊維コード等のコードが採用される。本実施形態の抗張体4として、有端の1本の抗張力コードをクローラ周方向に1周巻回したものを、クローラ幅方向に並列状として多数本配置することにより構成されたコードラップ方式の構造のものを採用しているが、他の抗張体として、1本の抗張力コードを螺旋状に巻回する(1本の抗張力コードを、クローラ幅方向に位置をずらしながらクローラ周方向に何周か巻回する)ことにより構成された継ぎ目のないスパイラル構造のものを採用してもよい。
本実施形態の製造方法は、有端で直線状の抗張体4、4の上下に芯金3、内周側未加硫ゴム、ラグ等の外周側未加硫ゴムを配置し、これら未加硫ゴムをヒーター、熱電対等で所定温度に温度コントロールされた上下型6,7(成形型)で加圧、加温して加硫する前工程、抗張体4の有端部同士を重ね合せ、当該重ね合せ部の周囲に未加硫ゴムを充填しこれを加硫して無端状に繋げる後工程よりなるものである。
図1〜図3に示すように上型6の内面6aには型締めされた内部空間でクローラ厚み方向に延びる複数の位置規制ピン8(位置規制部材)が立設されており、これら複数の位置規制ピン8により抗張体4のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲Sが構成されている。位置規制ピン8には、断面径を1〜7mmとする円柱形状を呈するスチールコードが採用されている。このような形状の位置規制ピン8を採用することで、加硫成形された弾性クローラを離型しやすく、さらに弾性クローラに残る位置規制部材の成形孔を小さくすることができる。なお、位置規制部材としては、断面円形状のものに限らず他の形状を採用してもよい。
各位置規制ピン8は上型6から内部空間に向けて立設されており、その先端8aはクローラ厚み方向の同じ位置まで延設されている。芯金3に対応する位置に配設された位置規制ピン8のうち左側の翼部3Lに対応する位置に配設された位置規制ピン8の先端8aと、右側の翼部3Rに対応する位置に配設された位置規制部材8の先端8aとが、そのクローラ厚み方向の位置を合わせるようにしてそれぞれ左側の翼部3Lと右側の翼部3Rとに当接している(図1参照)。従って、左右の翼部3L、3Rのクローラ厚み方向の位置が合致することから、芯金2のクローラ厚み方向の傾きを防止することができる。
また、図3に示すように、芯金に対応する部分及び芯金間のクローラ周方向中央部(以下、単に芯金間という)に対応する部分には、それぞれクローラ幅方向に並んだ第1列〜第4列の4本の位置規制ピン8A〜8Dが配設されている。各列の位置規制ピン8は、クローラ周方向で隣接する位置規制ピン8とクローラ幅方向の位置が一致しており、第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dは、クローラ周方向に沿ってほぼ平行に直線上に並んでいる。また、そのクローラ周方向における間隔(すなわち、芯金の位置から芯金間の位置までの距離)は、装填される抗張体4が蛇行しない程度のものとなっている。さらに、第1〜4列の位置規制ピン8A〜8Dは、それぞれ左右各抗張体4、4のクローラ幅方向両側に配設されており、すなわち当該一方の抗張体4が、第1、第2の位置規制ピン8A、8Bで、他方の抗張体4が、第3、第4の位置規制ピン8C、8Dでクローラ幅方向から挟まれている。
図1に示すように、芯金3に対応する部分に配設された第1〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dのうち両外側の第1、第4の位置規制ピン8A、8Dは、ラグ5の頂面5aから翼端部まで通っており、両内側の第2、第3の位置規制ピン8B、8Cは、ラグ5のクローラ幅方向内側面5bの中途部から芯金の肉厚部3Aまで通っている。このようにして、第1〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dが、芯金3に対応する部分及び芯金3間の部分をクローラ周方向における一周期としてクローラ本体2の全周に亘って配設されている。
上記第1〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dによりクローラ周方向に沿った二つの埋設範囲Sがほぼ平行に構成されており、この埋設範囲Sに左右各抗張体4,4が装填される。これにより、埋設範囲Sに装填された左右各抗張体4,4は、そのクローラ幅方向の動き(横ずれ)が抑制される。また、上述したように各位置規制ピン8A〜8Dは、抗張体4、4の両側に配設されると共に、抗張体4、4が蛇行しない程度のクローラ周方向の間隔をおいて配設されているので、抗張体4,4のクローラ幅方向の動きをクローラ本体2の全周に亘って効果的に抑制することができる。
また、抗張体4の両側に配設された各位置規制部材8のクローラ幅方向距離(埋設範囲Sのクローラ幅方向距離)をtとし、抗張体4のクローラ幅方向距離をTとしたときに、各位置規制ピン8は、0.65<T/t<0.95となるように配設されている。このようにすれば、上型に装填した抗張体4と各位置規制ピン8との間にクローラ幅方向における十分な隙間を確保することができるので、当該抗張体4と位置規制ピン8との噛み合いを防止することができる。Tをtで除した数値が、0.65よりも小さければ抗張体4とその両側の各位置規制ピン8との間の隙間が大きくなりすぎて、抗張体4の動きを十分に抑制できなくなり、当該数値が0.95より大きくなると当該隙間が小さくなりすぎて、抗張体4とその両側の各位置規制ピン8との噛み合いを防止することができない。
弾性クローラ1の成形手順を説明すると、まず、弾性クローラ1の構成部材である外周側未加硫ゴムであるラグゴムを上型6に装填し、左右の各抗張体4、4をそれぞれ第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dで構成された埋設範囲S、Sに装填する。従って、抗張体4,4を上型6に装填した後はそのクローラ幅方向の動きが抑制される。そして、内周側未加硫ゴムである内周ゴム、芯金3等を装填する。この際、抗張体4,4は第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dによりクローラ幅方向の動きが抑制されるため、その他の構成部材である内周ゴムや芯金3等が動いても、これらと一緒に動くことはない。そして、上下型6,7によって抗張体4を含む各構成部材を閉じこめると共に、当該上下型6,7を所定位置まで移動させて型締めする。この状態で各構成部材を加圧すると共に所定温度まで加熱し未加硫ゴムを加硫する。加硫が終了した後、上下型6,7を離間させ加硫成形された弾性クローラ1を離型する。その際、上型6と伴に各位置規制ピン8を弾性クローラ1から取り除く。
上記弾性クローラ1の製造方法によれば、上型6(成形型)に配設された第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dにより抗張体4,4のクローラ幅方向の動き(横ずれ)を抑制する埋設範囲S、Sが構成され、この埋設範囲S、Sに抗張体4,4を装填した後、型締めして未加硫ゴムの加硫を行うので、上型6に構成された埋設範囲Sに抗張体4を装填した後は、上述のように当該抗張体4のクローラ幅方向の動きが抑制される。従って、型締め前に抗張体4とともに装填されるラグゴムや芯金3等がクローラ幅方向に動いても、それに伴って抗張体4が横ずれすることがない。
これにより、加硫成形後の弾性クローラ1において、抗張体4がクローラ周方向に沿う適正な状態で埋設されることから、当該弾性クローラ1がクローラ幅方向に曲がることがなく、良好な製品の外観を得ることができる。また、走行中にクローラ式走行装置の転輪が脱輪することやクローラ本体2の切断を防止することができる。さらに、クローラ幅方向に並んだ第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dの先端8aが、左右の翼部3L、3Rにその位置を合わせるようにして当接し、芯金3のクローラ厚み方向の傾きを防止しているので、弾性クローラ1にかかるテンションがクローラ周方向で均一となる。さらに芯金3と転輪との間の弾性体の厚みも左右同じとなることから、弾性クローラ1の耐久性を上げることができる。
図4及び図5は、本発明に係る製造方法の第2実施形態を示す説明図である。本実施形態が上記第1実施形態と異なる点は、位置規制ピン8が図示しない下型の内面に立設されている点である。なお、第1実施形態と共通する部分の構成は同符号を付してその説明を省略する。下型の内面にクローラ厚み方向に延びる第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dが立設されており、これら複数の位置規制ピン8により抗張体4,4のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲Sが構成されている。図5に示すように、芯金3に対応する部分には、第2列と第3列の位置規制ピン8B、8Cのみが配設されており、芯金3間に対応する部分には、第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dが配設されている。従って、第2列と第3列の位置規制ピン8B、8Cのクローラ周方向の間隔は、第1列と第4列の位置規制ピン8A、8Dのクローラ周方向の間隔よりも1ピッチ分広がっている。
図4(a)に示すように、芯金3に対応する部分の第1列と第4列の位置規制ピン8A、8Dの先端8aが、左右の翼部3L、3Rにそのクローラ厚み方向の位置を合わせるようにして当接している。また、図4(b)に示すように、芯金3間に対応する部分の第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dは、それぞれ抗張体4、4の両側に配設されており、クローラ本体2の内周面から外周面(ラグ底)の近傍まで通っている。芯金3に対応する部分の第1列と第4列の位置規制ピン8A、8D及び、芯金3間に対応する部分の第1列〜第4列の位置規制ピン8A〜8Dを一周期として、これらがクローラ本体2の全周に亘って配設されている。
従って、一方の抗張体4は、第1列、第2列の位置規制ピン8A、8Bにクローラ幅方向から挟まれてその動きが抑制され、他方の抗張体4は、第3列、第4列の位置規制ピン8A、8Bにクローラ幅方向から挟まれてその動きが抑制される。また、芯金3に対応する部分では左右の翼部3Bが、第1列、第4列の位置規制ピン8A、8Dによってクローラ厚み方向の位置が合致させられ、芯金3のクローラ厚み方向の傾きが防止されている。このように、位置規制ピン8を立設した下型を用いることによっても、良好な外観を有し、かつ転輪の脱輪やクローラ本体の切断が防止された弾性クローラを得ることができる。
図6は、本発明に係る製造方法の第3実施形態を示す説明図である。本実施形態が上記各実施形態と異なる点は、芯金レスの弾性クローラ10の製造に適用している点である。弾性クローラ10は、複数の駆動突起11が形成されたクローラ本体12と、このクローラ本体12の外周面に所定のラグパターンで形成されたラグ群13と、同クローラ本体12の内部に周方向に沿って埋設された抗張体14とを備えている。このうち、クローラ本体12はゴム製の弾性体によってほぼ一定厚さの無端帯状に形成されており、このクローラ本体12の内周面におけるクローラ幅方向中央部に当該クローラ本体12と同じ材質のゴム製の弾性体からなる駆動突起11が突設されている。駆動突起11は、周方向に一定間隔をおいてクローラ本体の全周にわたって突設されており、これら各駆動突起11に図示しない駆動スプロケットを係合させることにより、弾性クローラ10を回転方向に沿って駆動できるようになっている。
図6(a)及び(b)に示すように、図示しない下型の内面には第1列と第2列の位置規制ピン15A、15Bが、抗張体14のクローラ幅方向両側でかつクローラ周方向に一定間隔をおいて立設されており、抗張体14を埋設する埋設範囲Sがクローラ周方向に沿って構成されている。そして、この埋設範囲Sによって抗張体14のクローラ幅方向の動きが抑制される。従って、下型に構成された埋設範囲Sに抗張体4を装填した後は、当該抗張体4のクローラ幅方向の動きが第1列、第2列の位置規制ピンによって抑制され、型締め前に抗張体14とともに装填されるラグゴム等がクローラ幅方向に動いても、それに伴って抗張体14が横ずれすることがない。
これにより、加硫成形後の弾性クローラ10において、抗張体14がクローラ周方向に沿う適正な状態で埋設されることから、当該弾性クローラ10がクローラ幅方向に曲がることがなく良好な製品外観を得ることができる。また、走行中に転輪が脱輪することやクローラ本体12の切断を防止することができる。なお、本発明は上記各実施形態に限定するものでなく、例えば位置規制ピンを抗張体の両端部がオーバーラップする部分にのみ配設してもよい。このようにすれば、少ない数の位置規制部材でクローラ本体の全周に亘って抗張体の動きを抑制することができ、成形型のコストを抑えることができる。また、本発明の製造方法は、上記各実施形態の弾性クローラに限定するものではなく、抗張体が埋設されたあらゆる形態の弾性クローラに適用することができる。
2 クローラ本体
3 芯金
4 抗張体
6 上型
7 下型
8、15 位置規制ピン
3 芯金
4 抗張体
6 上型
7 下型
8、15 位置規制ピン
Claims (7)
- クローラ周方向に沿う抗張体のクローラ内周側と接地側とに設けた未加硫ゴムを成形型により加圧、加温して加硫する弾性クローラの製造方法において、型締めされた内部空間でクローラ厚み方向に延びる複数の位置規制部材が前記成形型に配設され、当該複数の位置規制部材により前記抗張体のクローラ幅方向の動きを抑制する埋設範囲が構成され、
前記位置規制部材で構成された埋設範囲に前記抗張体を装填した後、型締めして前記未加硫ゴムを加硫し、加硫後前記位置規制部材を取り除くことを特徴とする弾性クローラの製造方法。 - 前記位置規制部材が、装填される前記抗張体のクローラ幅方向両側に配設されている請求項1に記載の弾性クローラの製造方法。
- 前記抗張体の両側に配設された前記位置規制部材のクローラ幅方向距離をtとし、当該抗張体のクローラ幅方向距離をTとしたときに、前記位置規制部材が、0.65<T/t<0.95となるように配設されている請求項2に記載の弾性クローラの製造方法。
- 前記位置規制部材が、装填される前記抗張体が蛇行しない程度の間隔をおいてクローラ周方向に沿って配設されている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラの製造方法。
- 前記位置規制部材が、装填される前記抗張体がオーバーラップする部分にのみ配設されている請求項1〜3のいずれかに記載の弾性クローラの製造方法。
- 前記位置規制部材が、1mm〜7mmの断面径を有する円柱形状を呈している請求項1〜5のいずれかに記載の弾性クローラの製造方法。
- 前記抗張体とともに左右の翼部を有する芯金が埋設される請求項1に記載の弾性クローラの製造方法であって、前記芯金のクローラ内周側及び外周側のうちいずれか一方側で左右の翼部に対応する位置に並んだ前記複数の位置規制部材の先端が、そのクローラ厚み方向の位置を合わせるようにして当該左右の翼部に当接する請求項1〜6のいずれかに記載の弾性クローラの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010013064A (ja) * | 2008-07-07 | 2010-01-21 | Bridgestone Corp | ゴムクローラおよびそれの製造方法 |
JP2013209094A (ja) * | 2013-06-14 | 2013-10-10 | Bridgestone Corp | ゴムクローラの製造方法 |
JP2015205535A (ja) * | 2014-04-17 | 2015-11-19 | 住友ゴム工業株式会社 | ゴムクローラ成形用金型 |
-
2004
- 2004-11-01 JP JP2004317641A patent/JP2006123841A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010013064A (ja) * | 2008-07-07 | 2010-01-21 | Bridgestone Corp | ゴムクローラおよびそれの製造方法 |
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