JP2008294119A - 光半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】偏波無依存性が改善された量子ドットを利得媒質とする。
【解決手段】半導体基板11上に形成した、半導体基板11よりも格子定数が大きく、平均歪み量が0%以上、1%以下である量子ドット12aと、量子ドット12a上に形成した、半導体基板11よりも格子定数が小さく、半導体基板11に対する格子不整合量の大きさが量子ドット12aの格子不整合量以上であって、平均歪み量が0%以上、1%以下であるバリア層13と、により偏波特性を制御するようにした。これにより、偏波無依存の量子ドット12aを備えた光半導体装置10を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は光半導体装置およびその製造方法に関し、特に、量子ドットを用いた光半導体装置およびその製造方法に関する。
光通信装置の高性能化のために、利得媒質に量子ドットを用いた光半導体装置が提案されており、特に、量子ドットの不均一広がりによる広帯域性や量子ドット内の短いキャリア遷移時間による高速応答性などの特性を利用した高速波長多重通信の中継器として機能する半導体光増幅器(SOA:Semiconductor Optical Amplifier)への応用が期待されている。なお、量子ドットの製造に広く用いられているS−K(Stranski‐Krastanov)モードを利用した自己形成の量子ドットは、形状がピラミッド型でウェッティング層を伴った構造であり、また、量子ドット形成のために近接積層に用いるバリア層は、量子ドットの脇だけでなく量子ドット頂上部にも成長するため、実際に得られる量子ドットは、箱型の量子ドットとは形が異なっている。
ところが、光ファイバを通過した光は偏波方向が定まっていないため、SOAデバイスには、TE(Transverse Electric)モードとTM(Transverse Magnetic)モードとの光に対して同じ光学応答を持つ偏波無依存の量子ドットが必要となる。
これまで、量子ドットの偏波特性を決定する要因として、量子ドットの形状と量子ドット内部の歪み状態とが関わっていることが指摘されていた。例えば、量子ドットの高さについては、アスペクト比(=高さ/横の長さ)が1に近いところで偏波無依存になることが予見され(例えば、非特許文献1参照。)、その実現手段として量子ドットを薄いバリア層によって近接積層した量子ドットが提案されていた(例えば、特許文献1参照。)。量子ドット内部の歪みについては、2軸性の面内圧縮歪みを静水圧的にすると良いと指摘され(例えば、非特許文献1参照。)、その手段として量子ドットの脇のバリア層に基板材料よりも小さい格子定数を有する材料、すなわち引っ張り歪みのバリア層を用いるという提案がなされていた(例えば、特許文献2参照。)。
上記提案によって、基本概念として偏波無依存の量子ドットを実現する方向性が与えられた。なお、実際、産業上有効なSOAデバイスを実現するには、量子ドットのTEモードとTMモードとの偏波特性の比を±3dBから±4dB程度以下にまで制御することが必要とされている。
ジャーナルオブアプライドフィジックス(Journal of Applied Physics)2005年、Vol.44、No.8、2005、pp.6312−6316 特開2004−111710号公報 特開2006−245373号公報
しかし、上記特許文献および上記非特許文献によってS−Kモードを利用した量子ドットよりも偏波依存性の小さい量子ドットを得ることができたが、記述の通り産業上有効な光半導体装置を実現するには、量子ドットのTEモードとTMモードとの偏波特性の比を±3dB±4dB程度以下に制御することが求められており、従来のS−Kモードを利用した量子ドットに比べて偏波依存性を改善した量子ドットではこれを考慮したものではなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、さらに偏波無依存性が改善された量子ドットを利得媒質とした光半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すように、半導体基板11と、半導体基板11上に形成された、半導体基板11よりも格子定数が大きい量子ドット12aと、量子ドット12a上に形成された、半導体基板11よりも格子定数が小さく、半導体基板11に対する格子不整合量の大きさが量子ドット12aの格子不整合量以上であるバリア層13と、を有し、量子ドット12aとバリア層13との平均歪み量が0%以上、1%以下であることを特徴とする光半導体装置10が提供される。
このような光半導体装置によれば、半導体基板上に形成された、半導体基板よりも格子定数が大きく、平均歪み量が0%以上、1%以下である量子ドットと、量子ドット上に形成された、半導体基板よりも格子定数が小さく、半導体基板に対する格子不整合量の大きさが量子ドットの格子不整合量以上であって、平均歪み量が0%以上、1%以下であるバリア層と、により偏波特性が制御されるようになる。
また、本発明では上記課題を解決するために、半導体基板を形成する工程と、前記半導体基板上に、前記半導体基板よりも格子定数が大きい量子ドットを形成する工程と、前記量子ドット上に、前記半導体基板よりも格子定数が小さく、前記半導体基板に対する格子不整合量の大きさが前記量子ドットの格子不整合量以上であるバリア層を形成する工程と、を有し、前記量子ドットと前記バリア層の平均歪み量が0%以上、1%以下であることを特徴とする光半導体装置の製造方法が提供される。
このような光半導体装置の製造方法によれば、半導体基板が形成され、半導体基板上に、半導体基板よりも格子定数が大きく、平均歪み量が0%以上、1%以下の量子ドットが形成され、量子ドット上に、半導体基板よりも格子定数が小さく、半導体基板に対する格子不整合量の大きさが量子ドットの格子不整合量以上であって、平均歪み量が0%以上、1%以下のバリア層が形成されるようになる。
本発明では、半導体基板上に形成した、半導体基板よりも格子定数が大きく、平均歪み量が0%以上、1%以下である量子ドットと、量子ドット上に形成した、半導体基板よりも格子定数が小さく、半導体基板に対する格子不整合量の大きさが量子ドットの格子不整合量以上であって、平均歪み量が0%以上、1%以下であるバリア層と、により偏波特性を制御するようにした。これにより、偏波無依存の量子ドットを備えた光半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されない。
まず、本発明の概要について説明し、その後、実施の形態について説明する。
本発明は、従来の偏波無依存の量子ドットを備える光半導体装置にて、量子ドットのTEモードとTMモードとの偏波特性の比を±3dBから±4dB程度以下の範囲となるように、引っ張り歪み量やアスペクト比などを適切に選択することによって、量子ドットの偏波無依存性をさらに改善させる。
図1は、本発明の概要図および各層の特性値の条件を示した表である。
光半導体装置10は、図1(A)に示したように、半導体基板11と、量子ドット層12およびバリア層13からなる活性層14とから構成されており、さらに、量子ドット層12はウェッティング層12bとともに形成された量子ドット12aにより構成され、そして、活性層14が複数回積層されている。
以下に、光半導体装置10がTEモードおよびTMモードに対し、同じ光学応答を持つ偏波無依存となるように、量子ドット12aの形状と量子ドット12a内部の歪み状態とに加えて、量子ドット12aのTEモードとTMモードとの偏波特性の比が±3dBから±4dB程度以内の範囲に収まるように、光半導体装置10を構成する量子ドット12aのアスペクト比、各層の引っ張り歪み量、半導体基板11に対する格子不整合量などの範囲を選択する。
なお、半導体基板11の格子定数aS、量子ドット層12の格子定数aQD、格子不整合量LMQD、平均歪み量ASQD、バリア層13の格子定数aB、格子不整合量LMB、平均歪み量ASB、量子ドット12aの底面から最上層までの高さLhと横の平均長さLtの比Lh/Ltとする。
図2は、発光強度比におけるバリア層の引っ張り歪み量の量子ドットのアスペクト比依存性を示したグラフである。
図2には、量子ドットの形状と量子ドット内部の歪み状態との関係を表すものであって、光半導体装置10の発光強度比(=偏波特性の比=TEモード/TMモード)において、x軸を量子ドット12aのアスペクト比、y軸をバリア層13の引っ張り歪み量として、量子ドット12aの高さを変化させたときのバリア層13の引っ張り歪み量の変化を示している。なお、図2中の発光強度比の単位は「dB(デシベル)」である。
図2より、発光強度比が3dBから4dB以内であるためには、バリア層13の引っ張り歪み量は3.2%程度以上が必要であることが分かる。この結果から、バリア層13の引っ張り歪み量の下限を決定しているのは半導体基板11に対する量子ドット12aの材料の格子不整合量であることが示される。
したがって、本発明における量子ドット12aは圧縮歪みであって、半導体基板11に対する量子ドット12aの材料の格子不整合量の下限は3.2%とすることができる。これは、量子ドット12aの内部歪みを変化させるためには、量子ドット12aおよび量子ドット12aと同じ材料でできているウェッティング層12bの歪みを変化させる必要があるが、いずれも僅か数原子層の膜厚で局所的に歪んでいるため、この歪みを変化させるには、同程度の逆向きの歪みを局所的に掛ける必要があることに起因する。
一方、アスペクト比について、図2より、発光強度比を3dBから4dB以内の範囲に収めるためには、1.0程度以上が必要であることが分かる。この結果から、引っ張り歪みのバリア層13が量子ドット12aの側面だけでなく頂上部にも積層されるため、上下の量子ドット12aの電子状態の結合が100%より小さく、電子状態を支配する実効的な量子ドット12aの高さを横方向サイズに揃えるには、見かけの高さより高くする必要があることが示される。
次に、量子ドットが偏波無依存であるための、引っ張り歪みのバリア層の膜厚の範囲を示す。
図3は、発光強度比における平均歪み量の量子ドットのアスペクト比依存性を示したグラフである。
図3には、光半導体装置10の発光強度比において、x軸を量子ドット12aのアスペクト比、y軸を平均歪み量として、量子ドット12aの高さを変化させたときの平均歪み量の変化を示している。なお、光半導体装置10は、半導体基板11上に、2次元膜厚換算で2ML(Mono-Layer:単分子層)に相当する原料を供給して形成した量子ドット12aと、量子ドット12a上に引っ張り歪み量3.7%のバリア層13を積層しているものとし、また、図2と同様に、図3中の発光強度比の値の単位は「dB」である。
一般に、平均歪み量は、以下の式(1)で与えられる。
平均歪み量=((εb×tb)+(εQD×tQD))/(tb+tQD)・・・式(1)
なお、εb、tb、εQD、tQDは以下の通りであって、歪み量の符号は、引っ張り歪みをプラス(+)、圧縮歪みをマイナス(−)とする。
εb:バリア層材料の歪み量(%)
b:バリア層の膜厚(ML)
εQD:量子ドット材料の歪み量(%)
QD:量子ドットの膜厚(ML)
例えば、バリア層の膜厚が2MLの場合に、式(1)を実際に利用すると、平均歪み量は次のように表すことができる。但し、εbは+3.7%、εQDは−3.2%(図2にて説明した量子ドット12aの格子不整合量から)、tbおよびtQDは2MLとする。
平均歪み量=((3.7×2)+(−3.2×2))/(2+2)=0.25(%)
このような平均歪み量が示された図3より、平均歪み量が0%から1%の範囲で発光強度比が3dBから4dB以内に制御された量子ドット12aが得られることが分かる。つまり、偏波無依存の量子ドットであって、発光強度比が3dBから4dB以内となるバリア層13の膜厚の範囲は、この平均歪み量の範囲と式(1)とから次の式(2)が得られる。
(−εQD×tQD)/εb≦tb≦(1−εQD)×tQD/(εb−1)・・・式(2)
なお、量子ドット12aのアスペクト比の上限については、発光強度比以外の条件で決まる。つまり、量子ドット12aが高さ方向に有効な量子閉じ込めを有するためには、高さ約50nm未満であることが必要であるが、量子ドット12aの横方向サイズが約20nm程度であるため、アスペクト比の上限は2.5程度となる。
以上の議論によって、図1(B)に示したように、本発明における光半導体装置を構成する各層には以下の条件を満たさなければならない。
LMQD≦LMB:バリア層13の格子不整合量LMBは、量子ドット層12の格子不整合量LMQD以上であること。
0%≦ASQD、ASB≦1%:量子ドット層12およびバリア層13の平均歪み量ASQDおよびASBは0%以上、1%以下であること。
1≦Lh/Lt≦2.5:量子ドット12aの底面から最上層までの高さLhと横の平均長さLtとの比は1以上、2.5以下であること。
B<aS<aQD:(特許文献2から)量子ドット層12の格子定数aQDは、半導体基板11の格子定数aSより大きく、半導体基板11の格子定数aSは、バリア層13の格子定数aBより大きいこと。
したがって、光半導体装置10が、上記の条件を満たす、半導体基板11と、量子ドット層12およびバリア層13の活性層14から構成され、さらに、量子ドット層12はウェッティング層12bとともに形成された量子ドット12aにより構成され、そして、活性層14が複数回積層されて構成されることによって、偏波無依存の量子ドット12aを備えた光半導体装置10を実現することが可能となる。
次に実施の形態について説明する。
まず、第1の実施の形態について図を用いて説明する。
図4は、半導体光増幅装置の第1の構成例である。
半導体光増幅装置50は、n型InP(インジウムリン)基板52上に、メサ型のn型InPクラッド層53が形成されており、n型InPクラッド層53の尖頭部に、利得媒質として、第1バリア層55上に、InAs(インジウム砒素)量子ドット層56aおよび第2バリア層56bの活性層57が複数回積層されて、最上層に第3バリア層58が形成された埋め込み型の構成をなしている。
以下に、このような半導体光増幅装置50の製造方法について図4を参照して説明する。なお、半導体光増幅装置50の製造方法全体において、成膜方法としては、MOVPE(Metal-Organic Vapor-Phase Epitaxy:有機金属気相成長)法を利用している。
まず、反応室にて、n型InP基板52を、PH3(ホスフィン)(50Torr)雰囲気中で600度から650度に加熱する。温度が安定した後、PH3を供給したまま、TMIn(トリメチルインジウム)、Si26(ジシラン)をさらに供給して、n型InP基板52上に、n型InPクラッド層を、膜厚が300nmから500nm程度まで成長させる。なお、n型不純物の濃度は、5.0×1017cm-3とした。
引き続き、TMIn、PH3、TEGa(トリエチルガリウム)およびAsH3(アルシン)を供給することにより、n型InPクラッド層上に第1バリア層として、InxGa1-xAs1-yy層を、膜厚が100nm程度となるまで成長させる。なお、第1バリア層の組成をx=0.85、y=0.67として、バルク波長1.1μmで無歪みのバリア層となる。
その後、PH3雰囲気中で、成膜温度を430度から450度まで降温させる。温度が安定した後、3族原料のTMInと5族原料のAsH3との流量の供給比(=AsH3/TMIn)を5から20として、TMInを2次元膜厚換算で1MLから3ML程度供給して、InAs量子ドットを、高さが1nmから3nm程度まで形成させる。なお、InAs量子ドットの形成時に、同じInAsのウェッティング層も形成されるが、その記載は省略している。
InAs量子ドットの形成後、引き続き、TMIn、TEGa、AsH3、PH3を供給して、第2バリア層である引っ張り歪み量が3.2%以上のInxGa1-xAs1-yy層を成長させる。
なお、バリア層の組成は引っ張り歪み量だけでなく、入射して増幅する光の波長との組合せによって決定される。
図5は、引っ張り歪み量および波長におけるバリア層の組成の組合せを示した表である。
図5に、引っ張り歪み量(%)および使用する光通信波長帯(μm)のバリア層の組成の組合せを示している。
半導体光増幅装置50のInAs量子ドットの光通信波長帯は0.9μmから1.1μmであり、本発明の概要で説明したように、第2バリア層の引っ張り歪み量は3.2%以上であることから、図5から、所望の利用条件にしたがって、適宜、第2バリア層の組成を選択することができる。
一方、第2バリア層の膜厚は、既述のようにInAs量子ドットの供給量と第2バリア層の歪み量から決定することができ、第2バリア層の引っ張り歪み量が例えば3.7%でInAs量子ドットの供給量が2MLの場合は、式(2)から、第2バリア層を、膜厚が1.8MLから3.5ML程度となるように生成させれば、平均歪み量が0%以上、1%以下とすることができる。
このような条件にしたがって、InAs量子ドットおよび第2バリア層の活性層を繰り返し成長させる。
さらに、繰り返しの周期によってInAs量子ドットの高さを制御することができる。横方向サイズが15nmで1周期の量子ドットの高さが1.5nmの場合は、11周期以上26周期以下の積層によりアスペクト比が1以上、2.5以下の条件を満たすことができる。
このように複数回積層させた活性層の最上層上に、第3バリア層として、InxGa1-xAs1-yy層を、膜厚が100nm程度まで成長させる。なお、第3バリア層の組成をx=0.85、y=0.67として、バルク波長1.1μmで無歪みのバリア層となる。
第3バリア層を形成後、リソグラフィー、エッチングによって、メサを形成して、メサ型のn型InPクラッド層53の尖頭部に、第1バリア層55、複数のInAs量子ドット層56aおよび第2バリア層56bの活性層57、第3バリア層58が形成される。
そして、エッチングされて形成されたメサ型のn型InPクラッド層53を埋めるようにn型のInPを成長させて、n型InPブロック層59を形成する。
n型InPブロック層59上に、p型InPクラッド層60を、膜厚が1μmから3μm程度まで成長させる。なお、p型不純物の濃度は、1.0×1018cm-3とした。
最後に、p型InPクラッド層60上に、p型InGaAs(インジウムガリウム砒素)コンタクト層61を成長させる。なお、p型不純物の濃度は、1.0×1019cm-3とした。そして、n型電極51およびp型電極62を形成する。なお、光の出射する軸方向の端面は、へき開によってキャビティ(不図示。)を形成する。また、キャビティ(不図示。)の両端面には、反射防止膜(不図示。)を形成する。
このような埋め込み型の半導体光増幅装置において、発光強度比が3dBから4dB以内となるように、量子ドット、バリア層などの材料の引っ張り歪み量、平均歪み量、アスペクト比などを選択することによって、偏波に依存しない量子ドットを備えた半導体光増幅装置を生成することが可能となる。
次に、第2の実施の形態について図を用いて説明する。
図6は、半導体光増幅装置の第2の構成例である。
半導体光増幅装置80は、n型InP基板82上に、n型InPクラッド層83が形成されており、n型InPクラッド層83上に、第1バリア層84を介して、利得媒質として、InAs量子ドット層85aおよび第2バリア層85bの活性層86が複数回積層されて、最上層に第3バリア層87が形成されたリッジ型の構成をなしている。
以下、半導体光増幅装置80の作成方法の概要について説明する。
n型InP基板82上に、第1の実施の形態と同様にして、n型InPクラッド層83、第1バリア層84、InAs量子ドット層85aおよび第2バリア層85bの活性層86を複数回、第3バリア層87、そして、p型InPクラッド層およびp型InGaAsコンタクト層を形成した後にリソグラフィー、エッチングを行いメサ型のp型InPクラッド層88およびp型InGaAsコンタクト層89を形成する。なお、p型不純物の濃度は、1.0×1019cm-3とした。
最後に、p型InPクラッド層88およびp型InGaAsコンタクト層89形成後に、n型電極81およびp型電極90を形成する。なお、光の出射する軸方向の端面は、へき開によってキャビティ(不図示。)を形成する。また、キャビティ(不図示。)の両端面には、反射防止膜(不図示。)を形成する。
このようなリッジ型の半導体光増幅装置においても、発光強度比が3dBから4dB以内となるように、量子ドット、バリア層などの材料の引っ張り歪み量、平均歪み量、アスペクト比などを選択することによって、偏波に依存しない量子ドットを備えた半導体光増幅装置を生成することが可能となる。
以上、本発明では、バリア層の格子不整合量が、量子ドット層より大きく、量子ドット層およびバリア層の平均歪み量が0%以上、1%以下であって、量子ドットの横の長さLtと高さLhとの比が1以上、2.5以下であって、量子ドット層の格子定数は、半導体基板より大きく、半導体基板の格子定数は、バリア層よりも大きくなるように材料を選択することで偏波無依存の量子ドットを備えた光半導体装置を実現することが可能となる。
なお、これらの構成例では、埋め込み型とリッジ型の代表的な半導体光増幅器構造を示したが、量子ドットおよびバリア層以外の製造方法および構成は他の公知のものであってもよい。
(付記1) 半導体基板と、
前記半導体基板上に形成された、前記半導体基板よりも格子定数が大きい量子ドットと、
前記量子ドット上に形成された、前記半導体基板よりも格子定数が小さく、前記半導体基板に対する格子不整合量の大きさが前記量子ドットの格子不整合量以上であるバリア層と、を有し、
前記量子ドットと前記バリア層との平均歪み量が0%以上、1%以下であることを特徴とする光半導体装置。
(付記2) 前記量子ドットの底面の横の平均長さに対して、最下層の前記量子ドットの底面から最上層の前記量子ドットまでの高さが1以上、2.5以下となるまで、前記量子ドットおよび前記バリア層を複数回積層したことを特徴とする付記1記載の光半導体装置。
(付記3) 前記バリア層の引っ張り歪み量が3.2%以上、4.2%以下であることを特徴とする付記1又は2に記載の光半導体装置。
(付記4) 前記バリア層のバルク波長が0.9μm以上、1.1μm以下であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の光半導体装置。
(付記5) 前記半導体基板がインジウムリン、前記量子ドットがインジウム砒素、前記バリア層がインジウムガリウム砒素リンであることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の光半導体装置。
(付記6) 半導体基板を形成する工程と、
前記半導体基板上に、前記半導体基板よりも格子定数が大きい量子ドットを形成する工程と、
前記量子ドット上に、前記半導体基板よりも格子定数が小さく、前記半導体基板に対する格子不整合量の大きさが前記量子ドットの格子不整合量以上であるバリア層を形成する工程と、を有し、
前記量子ドットと前記バリア層の平均歪み量が0%以上、1%以下であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記量子ドットの底面の横の平均長さに対して、最下層の前記量子ドットの底面から最上層の前記量子ドットまでの高さが1以上、2.5以下となるまで、前記量子ドットおよび前記バリア層を複数回積層したことを特徴とする付記6記載の光半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記バリア層の引っ張り歪み量が3.2%以上、4.2%以下であることを特徴とする付記6又は7に記載の光半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記バリア層のバルク波長が0.9μm以上、1.1μm以下であることを特徴とする付記6乃至8のいずれか1項に記載の光半導体装置の製造方法。
(付記10) 前記半導体基板がインジウムリン、前記量子ドットがインジウム砒素、前記バリア層がインジウムガリウム砒素リンであることを特徴とする付記6乃至9のいずれか1項に記載の光半導体装置の製造方法。
本発明の概要図および各層の特性値の条件を示した表である。 発光強度比におけるバリア層の引っ張り歪み量の量子ドットのアスペクト比依存性を示したグラフである。 発光強度比における平均歪み量の量子ドットのアスペクト比依存性を示したグラフである。 半導体光増幅装置の第1の構成例である。 引っ張り歪み量および波長におけるバリア層の組成の組合せを示した表である。 半導体光増幅装置の第2の構成例である。
符号の説明
10 光半導体装置
11 半導体基板
12 量子ドット層
12a 量子ドット
12b ウェッティング層
13 バリア層
14 活性層

Claims (6)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された、前記半導体基板よりも格子定数が大きい量子ドットと、
    前記量子ドット上に形成された、前記半導体基板よりも格子定数が小さく、前記半導体基板に対する格子不整合量の大きさが前記量子ドットの格子不整合量以上であるバリア層と、を有し、
    前記量子ドットと前記バリア層との平均歪み量が0%以上、1%以下であることを特徴とする光半導体装置。
  2. 前記量子ドットの底面の横の平均長さに対して、最下層の前記量子ドットの底面から最上層の前記量子ドットまでの高さが1以上、2.5以下となるまで、前記量子ドットおよび前記バリア層を複数回積層したことを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
  3. 前記バリア層の引っ張り歪み量が3.2%以上、4.2%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光半導体装置。
  4. 前記バリア層のバルク波長が0.9μm以上、1.1μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  5. 前記半導体基板がインジウムリン、前記量子ドットがインジウム砒素、前記バリア層がインジウムガリウム砒素リンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光半導体装置。
  6. 半導体基板を形成する工程と、
    前記半導体基板上に、前記半導体基板よりも格子定数が大きい量子ドットを形成する工程と、
    前記量子ドット上に、前記半導体基板よりも格子定数が小さく、前記半導体基板に対する格子不整合量の大きさが前記量子ドットの格子不整合量以上であるバリア層を形成する工程と、を有し、
    前記量子ドットと前記バリア層の平均歪み量が0%以上、1%以下であることを特徴とする光半導体装置の製造方法。
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