JP2008290923A - 水分散性強化型改質ベントナイト及びその製造方法 - Google Patents

水分散性強化型改質ベントナイト及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な剤を用いての処理が不要であり、極めて安価であり、しかもベントナイトの水に対する膨潤性が適度に維持され、水に対しての分散性が著しく強化され、大量の水に投入したときにも速やかに分散し得る改質ベントナイトを提供する。
【解決手段】本発明の水分散性強化型改質ベントナイトは、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をアルカリ処理してなり、5%水性懸濁液のpH(25℃)が10.2以上であり、且つ18ml/2g以上の膨潤度を有していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をアルカリ処理してなる改質ベントナイトに関するものである。
従来、ベントナイトは、水膨潤性及び固化性を有しており、各種の用途に使用されている。この代表的なものとして、繊維質柔軟化剤、分散剤乃至洗浄助剤など、洗剤などと併用する用途がある。また、製紙工場などで生成する白水やパルプ液などのパルプ分散液中にピッチコントロール剤としてベントナイトを添加し、パルプ分散液中に含まれるピッチを捕捉し、パルプ中に取り込む用途にも使用されている。
上記のような用途では、何れも大量の水にベントナイトが添加されるが、このような用途にベントナイトを使用する場合、水に添加したときにベントナイトが所謂ダマ状の塊を形成して水面に浮いてしまい、水中に均一に分散するまでに長時間要してしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、メチルトリクロロシランなどのアルキル置換シラン化合物で処理された易分散性ベントナイトが提案されており、また、特許文献2には、ベントナイトに重炭酸ソーダが混合された速分散性ベントナイトが提案されている。
特開平8−208218号公報 特開2001−278618号公報
上記特許文献1の易分散性ベントナイトは、ベントナイトの水分散性を向上させるという点では満足し得るものであるが、半面、高価なシラン化合物を用いて処理しなければならないため、コストの点で実用化が困難であるという問題がある。即ち、ベントナイトは、非常に安価であるという点が最も大きな利点であるが、シラン化合物で処理された上記の易分散性ベントナイトは、ベントナイトの最も大きな利点が損なわれてしまうため、従来使用されているベントナイトの代替品としての使用は、ほとんど不可能と言ってよい。
また、特許文献2の速分散性ベントナイトは、炭酸イオンが水中に溶解するため、溶解した炭酸イオンによって水のベントナイト中への浸透が抑制され、この結果、ベントナイトの塊の形成が防止され、ベントナイトが水中に速やかに分散するというものである。しかるに、かかる速分散性ベントナイトは、水膨潤性というベントナイトの特性が大きく低下してしまい、前述した繊維質柔軟化剤やピッチコントロール剤などの用途には不適当となってしまう。また、少量の水にベントナイトを分散させてベントナイトをペースト状として使用する土木などの用途には比較的満足し得る速分散性を示すが、大量の水にベントナイトを用いるような場合には、炭酸イオンが希薄となってしまうため、十分な速分散性が得られないという問題もある。
従って、本発明の目的は、高価な剤を用いての処理が不要であり、極めて安価であり、しかもベントナイトの水に対する膨潤性が適度に維持され、水に対しての分散性が著しく強化され、大量の水に投入したときにも速やかに分散し得る改質ベントナイト及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をアルカリ処理してなり、5%水性懸濁液のpH(25℃)が10.2以上であり、且つ18ml/2g以上の膨潤度を有していることを特徴とする水分散性強化型改質ベントナイトが提供される。
本発明の水分散性強化型改質ベントナイトにおいては、無水物換算で測定して、NaO換算でのNa含量が3.0重量%以上の範囲にあることが好適である。
本発明によれば、また、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土と水酸化アルカリまたは炭酸アルカリとの混合物を混練し、次いで乾燥及び粉砕し、必要により分級することを特徴とする上記水分散性強化型改質ベントナイトの製造方法が提供される。
上記の製造方法においては、前記水酸化アルカリまたは炭酸アルカリを、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土のカチオン交換容量に対して、1.6当量倍以上の量で使用することが好適である。
ベントナイトを炭酸ソーダや水酸化アルカリで処理した所謂活性化ベントナイトは、天然のベントナイトに比して水膨潤性などの特性が著しく向上したものとして従来から知られている。これに対して、本発明の水分散性強化型改質ベントナイトは、上記のような活性化ベントナイトを得るためのアルカリ処理をさらに進行させることによって得られるものであり、このため、18ml/2g以上の膨潤度(後述する実施例で示す方法で測定)を維持していると共に、公知の活性化ベントナイトに比して、5%懸濁液でのpH(25℃)は10.2以上と高い値を示す。このような本発明の改質ベントナイトは、水分散性が著しく強化されており、例えば、後述する実施例に示されているように、500mlビーカー中の水500mlに攪拌下(詳細な条件は後述する実施例参照)で1gの試料を投入したときの分散状態を観察すると、本発明の改質ベントナイト(実施例1〜5)は、遅くとも10秒以内に水面に浮遊することなく、水中に分散する。一方、公知の活性化ベントナイト(比較例2)では、同様な実験を行うと、均一分散までに約5分近くも要し、また、炭酸水素ナトリウムで処理したものでも(比較例3〜5)、30秒以上を要してしまう。
このように、本発明の水分散性強化型ベントナイトは、ベントナイトの水膨潤性を適度に維持した状態で水に対しての分散性が著しく強化されているため、大量の水に投入される用途、例えば繊維質柔軟化剤、分散剤乃至洗浄助剤(ビルダー)、ピッチコントロール剤の用途に好適に使用される。
<水分散性強化型ベントナイトの製造>
本発明の水分散性強化型ベントナイトは、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を水酸化アルカリまたは炭酸アルカリで処理することにより得られる。
原料として用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、SiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層からなり、且つこれらの四面体層と八面体層が部分的に異種金属で同型置換された三層構造を基本構造(単位層)としており、このような三層構造の積層層間には、Ca,K,Na等の陽イオンや水素イオンとそれらに配位している水分子が存在している。また、基本三層構造の八面体層中のAlの一部がMgやFe(II)に置換し、四面体層中のSiの一部がAlに置換しているため、結晶格子はマイナスの電荷を有しており、このマイナスの電荷が基本層間に存在する金属陽イオンや水素イオンにより中和されている。
このようなスメクタイト系粘土には、酸性白土、ベントナイト、フラーズアースなどがあるが、金属層間に存在する金属陽イオンの種類や量、及び水素イオン量などによってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、ベントナイトでは、基本層間に存在するNaイオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが高く、一般に高アルカリサイドにあり、また、水に対して高い膨潤性を示し、さらにはゲル化して固結するという性質を示す。即ち、上記単位層の積層層間に水が入り、Naイオンを取り囲むようにして層間を押し広げ、いわゆる膨潤が起こり、さらに多くの水が供給されると、やがては単位層がバラバラなコロイド状に分散し、流動状態となる。これを放置すると、単位層同士の吸引反発により、カード・ハウス構造が形成され、ゲル化したゲル状物(塊状物)となる。一方、酸性白土では、基本層間に存在するNaイオン量が少なく、このため、水に分散させたときのpHは低く、一般に酸性サイドにあり、さらに高い吸水性は示すものの、膨潤性は極めて低く、ゲル化による固結化には至らない。
本発明においては、原料として用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の層間にアルカリを導入するため、所謂酸性白土及びベントナイトの何れをも原料として使用することができる。即ち、酸性白土は、水に対する膨潤性がベントナイトに比して低いものであるが、層間にアルカリが導入されてベントナイトに特有の性質を示すようになるため、これを出発原料として使用することも可能となるわけである。
また、一般に、原料として用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、その産地等により、クオーツ、クリストバライトなどの不純物含量が異なるため、その組成は、種々、様々であるが、一般に、酸化物換算での組成は、以下の通りである。
原料ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の組成
SiO:60〜80重量%
Al:10〜30重量%
O:0.2〜4.0重量%
Fe:1.0〜10.0重量%
MgO:1.0〜8.0重量%
CaO:0.5〜5.0重量%
熱減量(1000℃):3〜12重量%
(M=アルカリ金属)
また、本発明において原料として使用するジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、前述した基本層間に吸水し、基本層間が広がるという性質を有するものであるため、例えば150℃で2時間乾燥後、相対湿度75%に48時間保持した後にX線回折測定(Cu−kα)を行うと、2θ=5.0〜6.5度の領域に、[001]面の回折ピークを示す。一般に、ベントナイトは、Na分が多く、吸水し易くて、一定間隔の拡張層間が得られ易いためか、ピーク面積も大きく、酸性白土では小さい。
本発明においては、上記のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を水酸化アルカリまたは炭酸アルカリを用いてアルカリ処理するが、かかるアルカリ処理により、層間にNa等のアルカリが導入され、さらに該粘土の表面には、層間に入らなかった過剰のアルカリ分が展着することとなる。従来公知の活性化ベントナイトと呼ばれる改質ベントナイトを製造する場合におけるアルカリ処理は、単に層間に存在するアルカリ含量を増大させるためのものであるため、粘土表面にアルカリ分が展着する割合は少ない。即ち、本発明におけるアルカリ処理は、従来採用されているアルカリ処理に比してかなり過剰のアルカリを使用することが必要である。具体的には、原料ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土のカチオン交換容量に対して、1.6当量倍以上、特に2.0乃至5.0当量倍の水酸化アルカリまたは炭酸アルカリを用いてアルカリ処理が行われる。層間に導入されるアルカリ量は、最大限で90%程度であるから、本発明では、これよりも過剰な量の水酸化アルカリまたは炭酸アルカリが使用されることとなる。この場合、必要以上の量の水酸化アルカリ等を使用すると、得られる改質ベントナイトの膨潤性が低下してしまうので留意すべきである。
用いる水酸化アルカリ或いは炭酸アルカリのアルカリ種は、特に限定されず、リチウム、カリウム、ナトリウム等の何れでもよいが、コストなどの観点から、通常はナトリウムが使用され、好適には、水酸化ナトリウム水溶液或いは固体炭酸ソーダが使用される。また、水酸化アルカリ及び炭酸アルカリを併用することも勿論可能である。
尚、本発明においては、上記のアルカリ処理を、炭酸水素ナトリウム(重曹)を用いて行うことはできない。重曹を用いた場合には、重炭酸イオンがカルシウムイオンなどと難溶性の塩を造らないため、ナトリウムイオンの層間への導入(カルシウムイオンとの交換)が有効になされず、この結果、得られる改質ベントナイトの膨潤特性が向上しないためである。
また、本発明におけるアルカリ処理は、原料ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土と水酸化アルカリまたは炭酸アルカリとを、一軸または二軸の押出型混練装置、ロール型混練装置、バンバリーミキサー、土練機、コンクリートミキサー、ディスクペレッターなどを用いて混練することにより行うことができる。この場合、固体炭酸ソーダを用いてアルカリ処理を行う場合には、適度な量の水分を供給し、原料粘土を適度に吸水させて混練を行うことが、層間に速やかにアルカリを導入する上で好ましく、また、アルカリ処理を均一に行うために、原料ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土を微粒化しておくことが好適である。
上記のようなアルカリ処理後、乾燥及び粉砕し、必要により分級することにより、目的とする本発明の水分散性強化型改質ベントナイトが得られる。
<水分散性強化型改質ベントナイト>
かくして得られる本発明の水分散性強化型改質ベントナイトは、従来に比して過剰のアルカリ処理により、層間に多量のアルカリイオンが導入され、且つ層間に入らない余剰の水酸化アルカリが粒子表面に展着した構造を有しており、この結果、5%水性懸濁液(25℃)でのpHが10.2以上、特に10.5乃至12.0の範囲にある。
また、この改質ベントナイトは、ジオクタヘドラル型スメクタイトに特有の層状構造を有しており、例えば150℃で2時間乾燥後、相対湿度75%に48時間保持した後にX線回折測定(Cu−kα)を行うと、原料として用いたジオクタヘドラル型スメクタイトと同様、2θ=5.0〜6.5度の領域に、[001]面の回折ピークを示し、このことから、スメクタイトに特有の基本層の層間を有していることが判る。また、このような層状構造を有していることから、ベントナイトに特有の膨潤性を示し、18ml/2g以上、特に20乃至40ml/2gの膨潤度を有している。
このような本発明の改質ベントナイトは、先にも述べたように、水分散性が著しく向上しており、大量の水に投入した場合、水面に浮遊してダマを形成せず、速やかに沈降して水中に均一に分散する。即ち、かかる改質ベントナイトは、粒子表面に水酸化アルカリ或いは炭酸アルカリ(以下、単にアルカリ成分と呼ぶことがある)が展着しており、水中に投入したとき、層間に水が浸入するよりも先に、アルカリ成分により親水化された粉末粒子の表面が瞬時に濡れることにより、それぞれの小粒子塊毎に速やかに水中に沈降し、層間への水の侵入による膨潤・固化に伴うダマの形成が抑制され、この後に層間への水の侵入が生じることとなり、かくして著しく優れた水分散性を示すこととなるのである。
また、本発明の改質ベントナイトは、過剰のアルカリで処理されているため、そのアルカリ含量は多く、例えば、アルカリ金属種としてNaが使用された場合、無水物換算でのNa含量は、NaO換算で3.0重量%以上である。尚、アルカリ処理が必要以上に行われ、粒子表面に展着したアルカリ量が増大しすぎると膨潤性が低下する傾向にある。従って、上述した範囲の膨潤度を維持するという観点から、このNaO換算でのNa含量は15重量%以下の範囲にあることが好適である。
さらに、本発明の改質ベントナイトは、層間にアルカリイオンが最大限の量で導入され、且つ粒子表面にアルカリ成分が展着している点を除けば、従来公知のベントナイト若しくは活性ベントナイト(アルカリ処理されたベントナイト)とほぼ同様の化学成分組成を有し、嵩密度、BET比表面積、白色度などもほぼ同等である。
尚、本発明の改質ベントナイトは、大気中に放置しておくことにより吸湿するが、後述する実施例の実験結果から理解されるように、乾燥状態で最も水に対する分散性が高く(高速で水中に分散する)、吸湿すると、このような速分散性が低下する(この傾向は、公知のベントナイトも同様である)。従って、水に対する分散性を最大限に活かすためには、できるだけ乾燥状態が維持されるような条件下で保存しておくことが好適である。また、このような水に対する分散性は、その粒径によっても若干異なり、優れた水分散性を発揮させるためには、一般に、平均粒径(D50)を3乃至20μm程度の範囲に粒度調整することが好適である。
上述した説明から理解されるように、本発明の改質ベントナイトは、高価なシラン化合物などを使用せずに、単なるアルカリ処理によって改質されているため、極めて安価であるという大きな利点を有している。また、ベントナイトに特有の水膨潤性を維持した状態で水に対する分散性が著しく高められている。従って、この改質ベントナイトは、大量の水に投入されて使用される用途に適しており、例えば、繊維質の柔軟化剤、洗浄剤乃至分散剤、ピッチコントロール剤などの用途に特に好適に使用されるが、勿論、ベントナイトに特有の性質は損なわれていないため、従来公知のベントナイトが適用されている各種の用途(例えば土木用など)にも使用可能である。
また、洗浄剤などの用途に使用する場合には、この改質ベントナイトを、洗剤一般に使用されている他の無機系洗剤乃至は助剤(合成アルミノケイ酸塩系ビルダーなど)、酵素系助剤、漂白剤、香料などと混合しての使用も可能である。
以下の実施例により、本発明を詳細に説明する。なお、実施例における測定は、以下の方法で行った。
(1)水分散性 500mlのビーカーに純水500ml秤取り、IuchiマグネチックスターラHS−50E上にセットし、液中に長さ5cmのテフロン被覆回転子を入れ回転数を475rpmになるように調節する。そこに各粉末サンプル1.0gを瞬時に添加し、液中央部の粉末が分散し完全になくなるまでに要した時間(=水親和時間、sec)を測定して、その逆数を水親和速度(=親水性、sec-1)と見做し、その値の大きさをもって水分散性を表わした。
(2)pH JISK5101−17−2:04に準拠し、5%濃度/25±1℃で測定した。
(3)NaO量
蛍光X線分析装置((株)リガク製、RIF−3000)で測定した。 NaO量(%)は、F原子以上の検出された全原子の酸化物基準での合量を100としたときの百分率(%)で表わした。
(4)膨潤度(ACC法) イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付きメスシリンダーに、試料2gを内壁に殆ど付着しないように約10回に分けて加える。 先に加えた試料が殆ど沈着したのち次の試料を加える。加え終わったら栓をして24時間静置し容器内に堆積した試料の見掛け容積を読み取る。膨潤度の単位を(ml/2g)として表示した。
(5)平均粒径 マルバーン社製マスターサイザー2000で測定した。 粉末試料を純水に分散し、体積基準粒度分布曲線より平均粒径d(0.5)(μm)を求めた。
(6)白色度 ハンター式白色度計(東京電色(株)製、REFLECTOMETER MODEL TR-600)を用いて測定した。
(7)X線回折 X線回折装置((株)リガク製、MultiFlex、Cu−Kα)を使用して、以下の条件で測定した。 管電圧:40kV、管電流:30mA、発散スリット:0.15mm、散乱スリット:1°、受光スリット:0.3mm。
実施例1 ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土として新潟県新発田市小戸N地区産の原料粘土(含水物)20kgを10mmの波目型を有する造粒板を装着したスクリュー式一軸押出成型機で押し出し後、さらに5mmφの造粒板に交換して押し出し、粒状化する。次いで、固形分換算でNaCO分が全体の8.5%(NaOとして5%)になるようにNaCO(和光純薬製・試薬特級)粉末をふりかけ、十分混合後、スクリュー式一軸押出成型機(5mmφの造粒板装着)で3回押し出して十分に混練する。混練終了後、150℃に設定した恒温電気乾燥機(オーブン)で8時間乾燥し、乾燥後は2mmのスクリーンを装着したスピードミルで粗粉砕を行い、その後、0.3mmのスクリーンを装着した小型ハンマーミル(アトマイザー)で2回粉砕してから小型風力遠心分級機を使用して粗粉部分をカットし、水分散性強化型ベントナイト粉末を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に、RH75%のデシケーター中で48時間吸湿後のX線回折パターンを図1に示した。
実施例2 実施例1において、風力分級機の条件を調節し、平均粒径が10μm程度になるようにして調製して水分散性強化型ベントナイト粉末を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示した。
実施例3 実施例1において、NaCOの添加量を15.4%(NaOとして9%)とした以外は同様の操作を行い、水分散性強化型ベントナイト粉末を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示した。
実施例4 実施例1において、NaCOの代わりに、NaOH(和光純薬製・試薬特級)を水に溶かして45%水溶液となした後、NaOHとして6.0%(NaOとして3.5%)となる量を添加した以外は同様の操作を行い、水分散性強化型ベントナイト粉末を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示した。
実施例5 実施例1で調製した150℃乾燥前の造粒物と実施例4で調製した150℃乾燥前の造粒物を1:1に混合後、150℃で乾燥した。以後は実施例1と同様の操作で調製し、水分散性強化型ベントナイト粉末を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示した。
実施例6〜7 実施例5で得られた分散性強化型ベントナイト粉末を関係湿度75%(実施例6)、90%(実施例7)のデシケーター中で5日間保存した時の水分がそれぞれ13.6%、22.4%であった。それぞれの水分散性(sec-1)は63、53であった。
比較例1 実施例1において、NaCO分の添加量を固形分換算で全体の3.0%(NaOとして1.75%)になるようにした以外は実施例1と同様に調製し、ベントナイト粉末試料を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示したが、水親和に長時間を要し、水分散性は低かった。
比較例2 市販の米国産ベントナイト粉末について小型風力遠心分級機を使用して粗粉部分をカットした粉末を得た。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示したが、水親和に長時間を要し、水分散性は低かった。
比較例3〜5
実施例1において、NaCOの代わりに、炭酸水素ナトリウム(重曹、和光純薬製・試薬特級)をNaHCOとして5%(比較例3)15%(比較例4)、30%(比較例5)の添加量になるように粉末でふりかけ、混合し、以後は実施例1と同様に各々調製した。得られた粉末のpH、NaO量、膨潤度、水分散性、その他の物性等の測定結果を表1に示したが、いずれも膨潤度が低く、ベントナイトとしての特性(膨潤性)が発揮出来なかった。
比較例6〜7
比較例1で調製したベントナイト粉末に重曹(NaHCO、和光純薬製・試薬特級)を15%(比較例6)、30%(比較例7)になるように粉末で混合し、水分散性の測定を行った。その結果、水親和に比較例6は108秒、比較例7は87秒と長時間を要し、いずれも水分散性は低かった。
Figure 2008290923
実施例1で得られた水分散性強化型ベントナイト粉末のX線回折像を示す図である。

Claims (3)

  1. ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土をアルカリ処理してなり、5%水性懸濁液のpH(25℃)が10.2以上であり、且つ18ml/2g以上の膨潤度を有していることを特徴とする水分散性強化型改質ベントナイト。
  2. 無水物換算で測定して、NaO換算でのNa含量が3.0重量%以上の範囲にある請求項1に記載の水分散性強化型改質ベントナイト。
  3. ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土と水酸化アルカリまたは炭酸アルカリとの混合物を混練し、次いで乾燥及び粉砕し、必要により分級することを特徴とする請求項1に記載の水分散性強化型改質ベントナイトの製造方法。
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