JP2007291572A - ピッチコントロール剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】極めて安価であり、しかもピッチコントロール性がさらに向上した無機系のピッチコントロール剤を提供する。
【解決手段】このピッチコントロール剤は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土粒子状物からなり、該スメクタイト系粘土粒子状物は、無水物換算で測定して、NaO含量が0.3乃至1.65重量%及びNaO/CaO比(モル比)が0.3乃至0.7の範囲となる組成を有しているとともに、RH20%での水分吸着平衡状態で測定したX線回折で2θ=8.0乃至9.5度の領域に回折ピークを有していることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土粒子状物からなるピッチコントロール剤に関するものである。
パルプや紙の製造工程におけるピッチトラブル対策は、古くからの重要課題である。
製紙工場において、ピッチはパルプ分散液中に必然的に混入する物質であり、主として木材チップ、古紙パルプ、ロジンサイズ剤等から持ち込まれ、一部は排水とともに系外に除去されるものの、除去されないものは、紙の中に抄き込まれるもの以外は、蒸解、叩解、抄紙の各工程内で蓄積され、系内を循環している。このため、各工程におけるパルプの処理設備、パルプスラリーの貯蔵チェストの壁、抄紙機上のワイヤー、プレスロール、ドライヤーロール、フェルト、カンバス等に凝集したピッチが付着し、各種のトラブルを引き起こす。
このようなピッチ対策としては、白水やパルプ液などのパルプ分散液中にピッチコントロール剤を添加する方法が広く採用されている。このようなピッチコントロール剤には、大きく分けて有機系のものと無機系のものとが知られている。有機系のピッチコントロール剤は、例えば界面活性剤や高分子凝集剤などからなるものであり、パルプ分散液中から樹脂成分であるピッチを水中に分離除去するものであり、一方、無機系のピッチコントロール剤は、タルク、珪藻土、シリカ、クレー、酸性白土、ベントナイトなどが知られており、ピッチを水中に分離するのではなく、パルプ中に取り込むことにより、ピッチトラブルを防止しようというものである。
ところで、ピッチコントロール剤としては、従来は、紙の品質への影響がないことから有機系のピッチコントロール剤が主流であったが、現在は、無機系のピッチコントロール剤が注目されている。即ち、現在では、種々のコーティング剤が紙に塗布されたり、或いは本の綴じ代部分に接着剤が使用されるなどの結果、著しいピッチ増を招いており、ピッチを排出するような手段では、排水処理など、処理の負担が大きくなりすぎている。このため、ピッチをパルプ中に取り込んでしまう無機系のピッチコントロール剤が見直されているわけである。
一方、無機系のピッチコントロール剤としては、タルクが最もピッチコントロール性に優れているものとして知られていたが、現在の原料品質の低下による著しいピッチ増に対処するためには、さらなる性能向上が求められているのが現状である。
タルクに代わる無機系のピッチコントロール剤としては、例えば特許文献1に、酸性白土の酸処理物をさらにアルミニウム塩で処理したものが提案されている。
特許第2761934号
上記特許文献1のピッチコントロール剤は、タルクと同等以上のピッチコントロール性を有するものであり、非常に注目すべきであるが、酸性白土を酸処理したのち、さらにアルミニウム塩で処理するため、コストが高いという問題があり、また、性能的にも、著しいピッチ増を招いている現況下では、さらなる向上が求められている。
従って、本発明の目的は、極めて安価であり、しかもピッチコントロール性がさらに向上した無機系のピッチコントロール剤を提供することにある。
本発明によれば、ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土粒子状物からなり、該スメクタイト系粘土粒子状物は、無水物換算で測定して、NaO含量が0.3乃至1.65重量%及びNaO/CaO比(モル比)が0.3乃至0.7の範囲となる組成を有しているとともに、RH20%での水分吸着平衡状態で測定したX線回折で2θ=8.0乃至9.5度の領域に回折ピークを有していることを特徴とするピッチコントロール剤が提供される。
本発明のピッチコントロール剤においては、
(1)前記スメクタイト系粘土粒子状物は、150℃×2時間での乾燥後において、RH50%での平衡水分吸着量が5.5±1.5%の範囲にあり、10%水性懸濁液の粘度(25℃、B型粘度計、ロータNo.3)が2000mPa・s以下であり、且つACC法膨潤度が10乃至30ml/2gの範囲にあること、
(2)レーザ回折散乱法により測定した平均粒径(D50)が15μm以下の範囲にあること、
(3)前記スメクタイト系粘土粒子状物は、ベントナイト或いはベントナイトと酸性白土との混合物であること、
が好適である。
本発明のピッチコントロール剤は、所定の物性乃至特性を有するジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土の粒子状物を、そのまま、使用するか、或いは所定の物性及び特性を満足するように、ベントナイトや酸性白土を混合することにより容易に調製できる。即ち、酸処理やアルミニウム塩による処理などの格別の処理を行わずに調製できるため、極めて安価である。
また、本発明のピッチコントロール剤は、後述する実施例から明らかなように、パルプ分散液に添加してろ過を行うと、そのろ液の濁度は、他のピッチコントロール剤に比して著しく低く、極めて透明なろ液が得られる。即ち、ピッチを有効に捕捉し、紙中に取り込むことができ、極めて優れたピッチコントロール性を有している。
さらに、このピッチコントロール剤は、パルプ分散液に添加混合した場合にも、分散液の粘度上昇を低く抑えることができるため、作業性の低下をもたらすこともない。また、有機系のピッチコントロール剤と併用しなくても、高い効果が得られるので、極めて安価なシステムを構築できる。
本発明において用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、SiO四面体層−AlO八面体層−SiO四面体層からなり、且つこれらの四面体層と八面体層が部分的に異種金属で同型置換された三層構造を基本構造(単位層)としており、このような三層構造の積層層間には、Ca,K,Na等の陽イオンや水素イオンとそれに配位している水分子が存在している。また、基本三層構造の八面体層中のAlの一部がMgやFe(II)に置換し、四面体層中のSiの一部がAlに置換しているため、結晶格子はマイナスの電荷を有しており、このマイナスの電荷が基本層間に存在する金属陽イオンや水素イオンにより中和されている。
このようなスメクタイト系粘土には、酸性白土、ベントナイト、フラーズアースなどがあるが、金属層間に存在する金属陽イオンの種類や量、及び水素イオン量などによってそれぞれ異なる特性を示す。例えば、ベントナイトでは、基本層間に存在するNaイオン量が多く、このため、水に懸濁分散させた分散液のpHが高く、一般に高アルカリサイドにあり、また、水に対して高い膨潤性を示し、さらにはゲル化して固結するという性質を示す。即ち、上記単位層の積層層間に水が入り、Naイオンを取り囲むようにして層間を押し広げ、いわゆる膨潤が起こり、さらに多くの水が供給されると、やがては単位層がバラバラなコロイド状に分散し、流動状態となる。これを放置すると、単位層同士の吸引反発により、カード・ハウス構造が形成され、ゲル化したゲル状物(塊状物)となる。一方、酸性白土では、基本層間に存在するNaイオン量が少なく、このため、水に分散させたときのpHは低く、一般に酸性サイドにあり、さらに高い吸水性は示すものの、膨潤性は極めて低く、ゲル化による固結化には至らない。
本発明で用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、所謂酸性白土とベントナイトとの中間の特性を有するものであり、先ず、無水物換算で測定して、NaO含量が0.3乃至1.65重量%、特に0.8乃至1.5重量%の範囲にあり、NaO/CaO比(モル比)が0.3乃至0.7、特に0.5乃至0.7の範囲にある。即ち、ベントナイトでは、その膨潤性やゲル化性能を利用して、ペット用トイレ砂などに利用されているが、このようなベントナイトでは、Na含量が上記範囲よりも多く、さらにNaO/CaO比(モル比)も上記範囲よりも高い。また、膨潤性の要求されない用途に使用される酸性白土では、Na含量が上記範囲よりも少なく、さらにNaO/CaO比(モル比)も上記範囲よりも低い。
また、本発明で用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土では、上記のような組成を有していることにも関連して、RH20%での水分吸着平衡状態で測定したX線回折で2θ=8.0乃至9.5度の領域に回折ピークを有している。かかる領域のピークは、[001]面のピークを示すものであり、図1のX線回折ピークから理解されるように、酸性白土では、[001]面のピークは、高角側にシフトしており、かかる領域にピークは存在していない。即ち、このような領域に[001]面に由来するピークが存在していることは、スメクタイトに特有の基本層の層間が収縮しており、酸性白土のような高い吸水性は示さないことを物語っている。
また、膨潤性の高いベントナイトも、上記の領域に回折ピークを示す。但し、膨潤性の高いベントナイトは、上記の領域にある[001]面由来の回折ピークのピーク面積(積算強度)が100以上であるが、本発明で用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土では、この回折ピークのピーク面積(積分強度)が50以上、100未満であり、他の用途に汎用されている一般的なベントナイトに比して小さい。従って、本発明で用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、酸性白土よりもややベントナイトに近い特性を示すスメクタイト系粘土であり、擬似ベントナイトであると言うことができる。
また、上記のジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土は、NaO含量やNaO/CaO比(モル比)を除けば、酸性白土やベントナイトに近い組成を有しており、例えば、無水物基準での酸化物換算で以下のような組成を有している。
SiOとAlとの合計量:85乃至92重量%
SiO/Al(重量比):3乃至7
NaO:0.3乃至1.65重量%(特に0.8乃至1.5重量%)
CaO:1.2乃至3.0重量%
NaO/CaO(モル比):0.3乃至0.7
その他の酸化物(Fe,MgOなど);15重量%以下
本発明で用いるジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土(以下、単にスメクタイト系粘土と呼ぶ)は、上述した組成やX線回折による層状構造を示すことに関連して、酸性白土やベントナイトには見られない性状を示す。
即ち、150℃×2時間での乾燥後において、RH50%での平衡水分吸着量が5.5±1.5%の範囲にあり、後述する実施例から理解されるように、酸性白土に比してかなり低く、ベントナイトと同程度である。
また、10%水性懸濁液の粘度(25℃、B型粘度計、ロータNo.3)は、2000mPa・s以下、特に100乃至1500mPa・sであり、例えば通常のベントナイトに比してかなり低い。従って、パルプ分散液に添加したときの粘度上昇を有効に抑制することができ、ろ過性、送水性などを低下させることがないという利点を与える。
さらに、ACC法膨潤度が10乃至30ml/2gの範囲にあり、ベントナイトに要求される膨潤性に比べ低めである。このことは、パルプ分散液中に安定に分散させ得ることを意味する。
本発明においては、上記のような特性を有するスメクタイト系粘土を、粉砕及び分級して、例えばレーザ回折散乱法により測定した平均粒径(D50)が15μm以下、特に3乃至10μmの範囲となるような粒状物として、ピッチコントロール剤として使用する(粒径が過度に大きいと、ピッチの捕捉性が低下したり、パルプ分散液への分散性の低下を生じるおそれがあるからである)。即ち、かかるピッチコントロール剤は、白水等のパルプ分散液を添加することにより、ピッチを取り込み、取り込んだピッチとともにパルプ中に分散され、抄紙されて紙中に取り込まれた状態で存在することとなる。パルプ分散液中への添加量は、分散液中に存在するピッチの量によっても異なるが、通常、パルプ100重量部当り、0.01乃至5重量部程度である。
尚、ピッチコントロール剤として用いる上述したスメクタイト系粘土は、一般に、ハンター白色度が70%以上であり、白色性に優れているため、紙中に存在していても、着色等により、紙の品質を低下させることはない。
既に述べたように、本発明のピッチコントロール剤は、パルプ分散液に添加してろ過したとき、そのろ液の濁度は著しく小さく、透明性が高いことから、ピッチを効果的に取り込み、パルプ中に分散させ得ることができる。このように優れたピッチコントロール性を示す理由は、明確に解明されたわけではないが、本発明者等は、次のように考えている。
即ち、上述したスメクタイト系粘土は、酸性白土とベントナイトの中間の特性を有しており、特に吸水性や膨潤性など、水に対する特性が低減されている。このため、疎水性が高く、樹脂分を主体とするピッチや繊維状のパルプに対する親和性が高められており、この結果、ピッチを吸着等により捕捉し易く、且つパルプに対しても高い分散・付着性を示すためではないかと考えられる。
本発明において、ピッチコントロール剤として用いるスメクタイト系粘土は、上記のような組成及び特性を有するベントナイトとして天然に産出したものを、酸洗等により不要な着色成分を除去した後、粉砕し、所定の粒度に分級することにより使用することもできる。しかしながら、このような組成及び特性を有するスメクタイト系粘土は、稀であり、また多量に産出するものではない。従って、例えばNa含量が所定量より少ない酸性白土を、炭酸ソーダ等と混練してのアルカリ処理によってNaO含量やNaO/CaO比を所定の範囲に調整し、或いはNaO含量がかなり多いベントナイトを適度に酸処理して、NaO含量やNaO/CaO比を所定の範囲に調整して、ピッチコントロール剤としての使用に供することができる。
また、本発明では、NaO含量の多いベントナイトとNaO含量の少ない酸性白土とを混合し、その混合比により、NaO含量やNaO/CaO比を所定の範囲に調整して、ピッチコントロール剤として使用することもできる。かかる態様は、アルカリ処理や酸処理を必要とせず、コストパフォーマンスの点で最適であるばかりか、産出量の少ない希少なベントナイトを使用せず、産出量の多い酸性白土やベントナイトを使用できるため、資源の有効利用の観点からも、最適である。
尚、本発明品では、所定の特性を有するジオクタヘドラル型ベントナイトをピッチコントロール剤として単独で安価に使用できることが大きな利点であるが、必要に応じて、他の有機凝結剤、有機分散剤、有機高分子凝集剤等と併用して使用することも可能である。
以下の実施例により、本発明を詳細に説明する。なお、実施例における測定は、以下の方法で行った。
(1)化学組成
(株)リガク製蛍光X線分析装置RIF−3000で測定した。
(2)X線回折
X線回折装置((株)リガク製、MultiFlex、Cu−Kα)を使用して、以下の条件で測定した。
管電圧:40kV、管電流:30mA、発散スリット:0.15mm、散乱スリット:1°、受光スリット:0.3mm。
積分強度は、2θ=8.0〜9.5°の区間をJADE積分強度測定法により求めた。
(3)ACC法膨潤度の測定法
イオン交換水100mlを入れた100mlの共栓付きメスシリンダーに、試料2gを内壁に殆ど付着しないように約10回に分けて加える。先に加えた試料が殆ど沈着したのち次の試料を加える。加え終わったら栓をして24時間静置し容器内に堆積した試料の見掛け容積を読み取り、膨潤力をACC膨潤度(単位:ml/2g)として表示する。
(4)粘度測定
(株)東京計器製B型粘度計で、No3のローターを用いて測定し、10%水性懸濁液の粘性率(mPa・s)を粘度として表示した。
(5)粒度測定
マルバーン社製マスターサイザー2000を用い、粉末試料を純水に分散して測定し、平均粒径(D50:μm)を求めた。
(6)平衡水分吸着量の測定法
試料約1gをあらかじめ重量を測定した40×40mmの秤量瓶に入れ、150℃の電気乾燥機で2時間乾燥後デシケーター中で放冷する。次いで試料の重さを精秤し、所定濃度の硫酸水溶液で関係湿度を調整したデシケーター中に入れ、所定時間後の重量増を測定して、平衡に達したところでの増加重量%を当該関係湿度での平衡水分吸着量(%)とした。
(7)ピッチ吸着試験
有機溶媒抽出したピッチ(インク、ホットメルト、SBR)を水に対して200ppmになるように分散させた試験原液を調製後、200mlのビーカーに100.0g秤取り、無機系ピッチコントロール剤を0.05g(対パルプ1.3%に相当)添加し、60分マグネッチクスターラーで攪拌・分散後アドバンテック社製ミクロフィルターKGS−47を用いてNo.4Aの濾紙で吸引濾過する。
次に、その濾液の濁度をLaMotte社製濁度計2020TURBIDIMETERを用いて測定し、その濁度が低いほどピッチ吸着性能が高いと判定できる。
尚、ピッチ吸着時の水温は30℃、液のpHは5.0で行った。
実施例1
スメクタイト系粘土(新潟県新発田市小戸NO地区産)の有水原土20kgを10mmφの波目型造粒板を装着したスクリュー式一軸押出成型機で成型後、全体の固形分換算でNaCO分が2.2%になるようにNaCO(和光純薬製)粉末をふりかけ、よく混合後、造粒板を5mmφに替えた押出成形機を3回通過させて十分に混練後、150℃に設定した恒温電気乾燥機(オーブン)で5時間乾燥した。
次に、乾燥上がり品を2mmφのスクリーンを装着したスピードミルで粗粉砕を行い、その後0.3mmφのスクリーンを装着した小型アトマイザーで2回粉砕してから、小型風力遠心分級機を使用して粗粉部分をカット(約30%除去)し、本発明のスメクタイト系粘土粒子状物(活性化擬ベントナイト粉末)を得た。得られた粉末の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に、X線回折パターンを図1に示した。
実施例2
実施例1において、NaCO(和光純薬製)の添加量を1.0%とした以外は略同様の方法で本発明のスメクタイト系粘土粒子状物を調製した。得られた粉末の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に示した。
実施例3
スメクタイト系粘土(新潟県新発田市小戸N地区産)20kgを10mmφの波目型造粒板を装着したスクリュー式一軸押出成型機で成型後、全体の固形分換算でNaCO分が3.2%になるようにNaCO(和光純薬製)粉末をふりかけ、よく混合後、造粒板を5mmφに替えた押出成型機を3回通過させて十分に混練後、150℃に設定した恒温電気乾燥機(オーブン)で5時間乾燥した。
以下、実施例1と同様にスメクタイト系粘土粒子状物(粉末試料A)を調製した。
次に、スメクタイト系粘土(新潟県新発田市小戸N地区産)を用いて、NaCOを添加しない以外は上記と同様にしてスメクタイト系粘土粒子状物(粉末試料B)を調製した。
次に、得られた粉末試料Aと粉末試料Bをそれぞれ1.5kgと0.5kgずつポリエチレン製袋に秤り取り、内容物全体をよく振り混ぜて混合し、更にスーパーミキサーで5分間かけて十分混合し、本発明のスメクタイト系粘土粒子状物を調製した。得られた混合粉末(A:B=75:25)の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に示した。
実施例4
市販土木用ベントナイト粉末(水分9.7%)を小型風力遠心分級機で粗粉部分をカット(約50%除去)し粉末試料Cを調製した。
次に、得られた粉末試料Cと前記粉末試料Bをそれぞれ1.5kgと0.5kgずつポリエチレン製袋に秤り取り、内容物全体をよく振り混ぜて混合し、更にスーパーミキサーで5分間かけて十分混合し、本発明のスメクタイト系粘土粒子状物を調製した。得られた混合粉末(C:B=75:25)の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に示した。
比較例1〜3
実施例3と実施例4の中で得られた粉末試料A、粉末試料Bおよび粉末試料Cをそれぞれ比較例1、比較例2および比較例3とし、それぞれの粉末の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に、粉末試料B(比較例2)と粉末試料C(比較例3)のX線回折パターンをそれぞれ図2と図3に示した。
比較例4
市販タルク系ピッチコントロール剤を用いてピッチ吸着試験を行った結果について表1に示した。
比較例5
スメクタイト系粘土(新潟県新発田市小戸N地区産)20kgを10mmφの波目型造粒板を装着したスクリュー式一軸押出成型機で成型後、市販粉末硫酸バンド溶液(Al分:17%)を粘土の固形分100部に対して添加Al分が7部になるようにふりかけ、十分混合後、造粒板を5mmφに替えた押出成型機を3回通過させて混練し、150℃に設定した電気式恒温乾燥機で5時間乾燥した。
以後、実施例1と同様にスメクタイト系粘土粉末を調製した。得られた粉末の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に示した。
比較例6
比較例5で調製した粉末50部に対して、市販の活性白土粉末を小型風力遠心分級機で粗粒部分をカット(約35%)し、平均粒径4.0μmに調整した微粉末50部を小型スーパーミキサーで十分混合してスメクタイト系粘土粉末を調製した。得られた粉末の化学組成、物性、ピッチ吸着試験結果等を表1に示した。
応用試験例
米袋60kg、ダンボール10kg、損紙10kgを用いて古紙パルプスラリーを調製した。このパルプ原液に、パルプ固形分100重量部に対して1.3重量部になるように、それぞれ実施例1、実施例3、比較例3、比較例4、比較例5、比較例6で得られた粉末を添加し、3時間攪拌後、混合液の一部をサンプリングし、ピッチ吸着試験法に記載のアドバンテック社製ミクロフィルターKGS−47を用いてNo4Aの濾紙で吸引濾過し、濾液の濁度を比較した。その結果を表2にまとめて示した。
Figure 2007291572
Figure 2007291572
実施例1で得られた粉末試料のX線回折パターン(1−1)と該粉末を150℃で2時間乾燥後関係湿度20%のデシケーター中に1ヶ月放置した後のX線回折パターン(1−2)を示す図である。 比較例2で得られた粉末試料のX線回折パターン(2−1)と該粉末を150℃で2時間乾燥後関係湿度20%のデシケーター中に1ヶ月放置した後のX線回折パターン(2−2)を示す図である。 比較例3で得られた粉末試料のX線回折パターン(3−1)と該粉末を150℃で2時間乾燥後関係湿度20%のデシケーター中に1ヶ月放置した後のX線回折パターン(3−2)を示す図である。

Claims (4)

  1. ジオクタヘドラル型スメクタイト系粘土粒子状物からなり、該スメクタイト系粘土粒状物は、無水物換算で測定して、NaO含量が0.3乃至1.65重量%及びNaO/CaO比(モル比)が0.3乃至0.7の範囲となる組成を有しているとともに、RH20%での水分吸着平衡状態で測定したX線回折で2θ=8.0乃至9.5度の領域に回折ピークを有していることを特徴とするピッチコントロール剤。
  2. 前記スメクタイト系粘土粒子状物は、150℃×2時間での乾燥後において、RH50%での平衡水分吸着量が5.5±1.5%の範囲にあり、10%水性懸濁液の粘度(25℃、B型粘度計、ロータNo.3)が2000mPa・s以下であり、且つACC法膨潤度が10乃至30ml/2gの範囲にある請求項1に記載のピッチコントロール剤。
  3. 前記スメクタイト系粘土粒子状物は、レーザ回折散乱法により測定した平均粒径(D50)が15μm以下の範囲にある請求項1または2に記載のピッチコントロール剤。
  4. 前記スメクタイト系粘土粒子状物は、ベントナイト或いはベントナイトと酸性白土との混合物である請求項1乃至3の何れかに記載のピッチコントロール剤。
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