JPH0665892A - ピッチ吸着剤 - Google Patents

ピッチ吸着剤

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JPH0665892A
JPH0665892A JP24138192A JP24138192A JPH0665892A JP H0665892 A JPH0665892 A JP H0665892A JP 24138192 A JP24138192 A JP 24138192A JP 24138192 A JP24138192 A JP 24138192A JP H0665892 A JPH0665892 A JP H0665892A
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magnesium
clay
adsorbent
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JP24138192A
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Hisashi Tsuchida
久 土田
Kazuhiro Sango
和宏 三五
Mitsuo Saito
美津男 斉藤
Masami Shirahata
正己 白幡
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スメクタイト粘土鉱物の表層部をマグネシウ
ムで変性させたマグネシウム変性スメクタイト粘土鉱物
からなるピッチ吸着剤を提供する。 【構成】 酸化物基準のMgO/SiO2 モル比が0.
01乃至0.3なる範囲でマグネシウムで変性させ、且
つモンモリロナイトに特有のX線回折像を有する酸性白
土、ベントナイト、活性白土等のマグネシウム変性スメ
クタイト粘土鉱物からなるピッチ吸着剤。 【効果】 該変性粘土鉱物は、単に酸性白土等の粘土鉱
物にマグネシウム分を混合したものや、タルク等の従来
のケイ酸マグネシウム系のピッチ吸着剤よりも優れたピ
ッチ吸着性能を有し、しかも効果的にピッチトラブルを
防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙、パルプ等の製造工
程で生じるピッチトラブルを解消するためのピッチ吸着
剤に関するもので、より詳細には、高度に安定化したピ
ッチに対しても優れた吸着性能を示すピッチ吸着剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】紙やパルプの製造工程や再生紙の製造工
程においては、原料木材に含まれる樹脂等の粘着性物質
や、紙の加工に際して添加される樹脂等の物質、即ちピ
ッチがパルプスラリー中に存在し、抄紙工程において、
これがワイヤーやブランケットを汚し、またその析出に
より製品の品質を低下させるというピッチトラブルをひ
き起す。従来、このピッチトラブルを防止するため、種
々のピッチ吸着剤を用いることが行われており、最も一
般的には、天然タルクを加工した超微粉タルクがミスト
ロンベーパーの商品名で広く使用されている。
【0003】ピッチ吸着剤については、他にも多くの提
案があり、例えば特公昭35−9658号公報には、金
属水酸化物、金属酸化物又は金属塩類の1種又は2種以
上と、無機又は有機過酸化物の1種又は2種以上とを含
有して成る紙、パルプ及びボード工業用ピッチトラブル
防止剤が記載されている。また、特公昭52−1867
3号公報には、化学組成が6±3(SiO2 )、1.0
±0.5(Al23 )、5±3 (CaO,MgO)、
4〜6 (H2 O)の範囲にあり、特定のX線回折像を有
するピッチ吸着剤が記載されている。更に、特公昭61
−48975号公報には、天然タルク粉末に少量の非膨
潤性フッ素雲母粉末を混合してなる製紙用パルプピッチ
吸着剤が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】種々の層状ケイ酸塩
鉱物の内でも、タルク等のケイ酸マグネシウム鉱物(3
MgO・4SiO2 ・nH2 O)は、それ自体が紙に対
する填料であり、表面が比較的親油性であることが、製
紙用ピッチ吸着剤として比較的高い評価を得てきた理由
と思われる。しかしながら、従来のピッチ吸着剤を使用
する場合には、パルプスラリー中のコロイダルピッチの
量はかなり減少させ得るものの、ピッチトラブルを完全
に解消するには至っていなく、最近特にピッチトラブル
の問題が着目されるに至った背景には、1)、熱帯広葉
樹の利用が増えたこと、2)木材のシーズニング期間が
短かくなり、ピッチ成分の絶対量が増えたこと、3)抄
紙工程における水循環系のクローズ化が進んだこと、及
び4)、資源の再利用という観点から、古紙の使用化率
が増えたこと等の要因が挙げられる。
【0005】従って、本発明の目的は、従来のケイ酸マ
グネシウム系鉱物に比して優れたピッチ吸着性能を示す
新規なピッチ吸着剤を提供するにある。本発明の他の目
的は、パルプスラリー中に極めて安定な状態で存在する
ピッチに対しても優れた吸着性能を示すピッチ吸着剤を
提供するにある。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、モン
モリロナイトに特有のX線回折像を有し、且つ酸化物基
準のMgO/SiO2 のモル比に基づく変性量が0.0
01乃至0.3、特に0.01乃至0.2の範囲内にあ
るマグネシウム変性スメクタイト粘土鉱物から成ること
を特徴とするピッチ吸着剤が提供される。本発明に用い
るピッチ吸着剤はコールターカウンターによる粒径(メ
ジアン径)が2乃至10μm、特に3乃至6μmの範囲
にあるのがよく、またBET比表面積は40乃至300
2 /g、特に50乃至200m2 /gの範囲にあるの
がよい。更にまた吸油量が40乃至150ml/100
gの範囲にあるのがよく、また後述する1モルの塩化ア
ンモニウム溶液に可溶なマグネシウム元素量がピッチ吸
着剤の単位重量当たり0.1乃至5mmol/gの範囲
にあるのがよい。
【0007】
【作用】本発明に用いるピッチ吸着剤は、酸性白土、ベ
ントナイト等のスメクタイト粘土鉱物をベースとしてお
り、これをMgO/SiO2 のモル比に基づく変性量が
0.001乃至0.3、特に0.01乃至0.2のかな
り小さい範囲となるようにマグネシウム分で変性したこ
とが特徴である。
【0008】酸性白土は、モンモリロナイト族粘土鉱物
に属し、「図1」に示すようなジオクタヘドラル型三層
構造を有する。この三層構造において、両表面のSiO
4 四面体層の一部がAlで同型置換され、中間のAlO
6 八面体層の一部がMgで同型置換されているために、
陽電荷不足を生じ、それを補うために層間に陽電荷が取
り込まれた構造を有するが、この陽電荷の一部が水素イ
オン(H+ )であるものを酸性白土という。この酸性白
土は、粘土鉱物試料を、濃度10%の食塩水中に濃度が
5%となるように懸濁させ、この液中にリトマス試験紙
を浸漬したとき、リトマス試験紙を赤変させるという特
性を示すが、この現象は式
【0009】
【化1】 の反応によると認められる。
【0010】酸性白土等のモンモリロナイトは、他の層
状粘土鉱物、例えばタルクやカオリン等に比較して表面
活性があり、しかも大きな細孔容積と40乃至300m
2 /gの比表面積とを有するため、吸着性に優れ、吸油
量が40乃至150ml/100gの範囲にあることか
ら、吸油性にも優れている。
【0011】ベントナイトは、同じくモンモリロナイト
族に属し、前述の酸性白土と同様のジオクタヘドラル型
三層構造を有する粘土鉱物であり、交換性陽イオンの大
部分がナトリウム(Na)であるため、pHも中性から
微アルカリ性を示し、しかも水中で大きく膨潤すること
が特徴である。一方、酸性白土はナトリウムイオンがア
ルカリ土類金属で置換され、アルカリ金属成分が少な
く、しかも風化を受けているため水中での膨潤は極めて
小さい。しかし酸性白土はケイ酸分の含有量が高いこと
から吸着性等の表面活性の点ではベントナイトより高い
ものである。
【0012】「図2」は、酸性白土の走査型電子顕微鏡
写真(倍率20,000倍)であり、ひらひらした花弁
状のものがモンモリロナイト構造であり、トゲトゲした
花芯状のものが成因上含有されるクリストバライトであ
る。「図2」から、酸性白土の一次粒子が微細で、大き
い細孔容積と比表面積とを有することが了解されよう。
【0013】「図3」及び「図4」は酸性白土及びマグ
ネシウム変性物(詳細は例参照)のX線回折像であり、
図中Mはモンモリロナイトに基づく回折ピーク、Crは
クリストバライトに基づく回折ピークを示す。酸性白土
は火山灰等のケイ酸リッチな堆積物が熱水、圧力等の作
用でモンモリロナイトに変質生成されたものであるが、
過剰のケイ酸がクリストバライトに析出しているのであ
る。
【0014】また、所謂サブベントナイト(Ca型ベン
トナイト)と呼ばれるモンモリロナイト族粘土鉱物も本
発明の変性粘土の原料として使用できる。更にまた、こ
の酸性白土をモンモリロナイト結晶構造が保持される範
囲内で、酸性白土を硫酸や塩酸等の鉱酸で処理して含有
される塩基性成分の少なくとも一部を溶出させて得られ
る酸処理物も本発明の原料として用いることが出来る。
【0015】本発明では、この酸性白土を、モンモリロ
ナイト結晶構造が保持される範囲内で、しかもマグネシ
ウム変性量が0.001乃至0.3、特に0.01乃至
0.2の範囲内となるように変性することにより、パル
プスラリー中に含有されるピッチを、変性粘土粒子表面
に有効に吸着させて、これを微細な形でパルプ繊維中に
混入せしめることにより、ピッチトラブルの発生を有効
に防止することができる。
【0016】本明細書において、MgO/SiO2 モル
比基準の変性量とは、粘土構造中に本来組込まれている
マグネシウム成分の量を別にして、酸性白土の変性に使
用されているマグネシウム分の量を表わすものである。
即ち、マグネシウム変性酸性白土中に含まれるマグネシ
ウム分には、酸性白土の変性、即ち酸性白土の主として
表面の変性に使用されているものと、酸性白土の構造中
に含まれているものとの両方があるが、前者のマグネシ
ウム分は塩化アンモニウム水溶液で抽出されるのに対し
て、後者のマグネシウムはこの水溶液で抽出されない点
を利用して、区別し確認することができる。
【0017】即ち、後述する実施例に示すとおり、変性
に用いたマグネシウム分は1モルの塩化アンモンと反応
して溶出し、一方ベースの粘土鉱物に構造成分として含
まれるマグネシウム分はこの塩化アンモン溶液に不溶で
あるから、この溶出量からMgOのモル数を求め、変性
粘土全体のシリカのモル数SiO2 を基準として、変性
量をMgO/SiO2 モル比で表す。
【0018】後述する表5、表8、表11、表14は、
グラウンドパルプスラリーのシックナー濾水に含まれる
ピッチの除去率を、各ピッチ吸着剤について比較したも
のであるが(詳細は後述する例参照)、未変性の酸性白
土は11.9%のピッチ吸着率及び水酸化マグネシウム
は9.8%のピッチ吸着率を示すにすぎないのに対し
て、本発明によるピッチ吸着剤では26.1%にも達す
る吸着率を示すことがわかる。また、比較のため使用し
た微粉末タルクは12.9%、ベントナイトは12.1
%の吸着率を示すにすぎないのに対して、本発明のマグ
ネシウム変性スメクタイト粘土鉱物は著しく優れた吸着
性能を示すことが了解される。
【0019】本発明では、酸性白土に対するマグネシウ
ム変性モル比が0.001乃至0.3の範囲にあること
も重要である。モル比基準の変性量が上記範囲よりも小
さい場合及びこの変性量が上記範囲よりも大きい場合に
は、何れもピッチ吸着性が本発明範囲内にある場合に比
して低下する。この事実は、現象として見出されたもの
であり、その理由は正確には不明であるが次のように考
えられる。
【0020】ピッチ吸着剤の性能は、吸着剤粒子本来の
吸着性能と粒子の表面特性との両方に関係しているもの
と認められる。酸性白土は一旦吸着したピッチに対して
は、保持性が大であるが、粒子表面特性は著しく親水性
であり、水中油型のピッチに対しては殆んど親和性をも
たないためと思われる。これに対して、酸性白土をマグ
ネシウム分で変性すると、酸性白土の表面特性が親油性
となり、酸性白土粒子へのピッチの吸着が容易に生じや
すくなる。一方、酸性白土に対するマグネシウム分の変
性量が大きくなりすぎると、この粒子全体の表面活性及
び吸油量が減少するため、ピッチの吸着性が低下すると
考えられる。即ち、ピッチ吸着性能は、比表面積及び吸
油量に由来する吸着剤粒子本来の吸着容量と、吸着の際
に律速となる表面への吸着速度との両方が関係している
とみられるが、本発明のピッチ吸着剤が優れたピッチ吸
着性を示すのは、これらの組合せ特性にすぐれているた
めと思われる。
【0021】本発明によれば、本邦で豊富に産出する酸
性白土を原料とし、しかも従来のものに比して著しく少
ないマグネシウム変性量で優れたピッチ吸着剤が得ら
れ、このものを安価に提供し得るという利点もある。
【0022】
【発明の好適態様】ピッチ吸着剤本発明のピッチ吸着剤
は、酸性白土、ベントナイト等のモンモリロナイト族に
属するスメクタイト粘土鉱物をベースに、モンモリロナ
イトに特有のX線回折像を有し、且つベースのシリカに
対しMgO/SiO2 に基づくモル比が0.001乃至
0.3の範囲になるように、マグネシウム成分で変性さ
せたスメクタイト粘土鉱物である。
【0023】該変性粘土鉱物では、変性に用いられたマ
グネシウム分が、ベースの粘土鉱物のモンモリロナイト
に特有のX線回折像を消失させずに、しかもベースの粘
土鉱物の表面がマグネシウム分で化学的に変性されてい
るのが特徴である。更に、本発明のピッチ吸着剤におけ
るマグネシウム変性量は、MgO/SiO2 のモル比基
準で0.001乃至0.3、特に0.01乃至0.2の
広い範囲にあるが、これはマグネシウムによる変性が粘
土のごく表面でも十分な効果があり、一方マグネシウム
による変性量がかなり多くなっても、粘土鉱物の層状構
造が破壊されない限り、十分な吸着容量が得られること
による。
【0024】本発明における吸着剤のピッチの吸着性能
は、前述のとおり比表面積及び吸油性に由来する吸着剤
粒子本来の吸着容量と吸着速度に関係しており、該吸着
剤は、BET比表面積が40乃至300m2 /g、特に
50乃至150m2 /gの範囲にあるのがよく、また吸
油量は40ml/100g以上、特に50乃至150m
l/100gの範囲にあるのがよい。更にまた、本発明
による吸着剤は、コールターカウンターによる粒径(メ
ジアン径)が2乃至10μm、特に3乃至6μmであ
り、ハンター白色度が80%以上、特に85乃至90%
の範囲にあり、天然の粘土鉱物としては比較的白色度に
優れたものである。
【0025】ピッチ吸着剤の調製本発明のマグネシウム
変性スメクタイト粘土鉱物からなるピッチ吸着剤におい
て、例えば粘土鉱物のべースを変性させるに用いるマグ
ネシウム成分としては、水酸化マグネシウム、酸化マグ
ネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化
マグネシウム、炭酸マグネシウム及び水酸化マグネシウ
ムと硫酸とを併用させる等を挙げることができる。これ
らの中でも水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び
水酸化マグネシウムに硫酸を併用させてべースを変性処
理することが好適である。
【0026】一方、例えばベースの酸性白土としては、
本邦において産出する任意の酸性白土を使用することが
できる。表1は酸性白土の化学組成の一例を示すもので
ある。
【0027】
【表1】
【0028】本発明においてベースの酸性白土及びその
酸処理物をマグネシウムで変性させて、例えばマグネシ
ウム変性酸性白土を得るには、この系に水が存在すると
いう条件下で、任意の手段で該変性酸性白土を調製する
ことができる。例えば、(a)水酸化マグネシウム(又
は酸化マグネシウム)と水、(b)水酸化マグネシウム
と硫酸溶液及び(c)硫酸マグネシウムと水のいずれか
の組合せで、ベースの酸性白土にマグネシウム成分を添
加させて、均質に混練することにより変性処理を行なう
ことができる。
【0029】添加混合は室温で十分であるが、所望によ
って加温してもよい。混合は原料の酸性白土をマグネシ
ウム成分で均質に変性されるためから、十分に混練させ
ることが重要であり、ダブルスクリュ型の造粒機で練込
み反応をさせ、以後のハンドリングを考えて反応処理物
を球状又は円柱状の成型物にする。次に変性処理の反応
を完結させるため及び以後の粉砕処理を容易にするため
から、反応処理物を乾燥させる。乾燥条件は90℃以
上、好ましくは100乃至130℃の範囲で6時間以上
行うのがよい。次いで得られた乾燥物をボールミル、ロ
ーラミル、アトマイザー、バーチカルグラインドミル、
ジェットミル等を用いて粉砕を行い、必要に応じて通常
の手段で分級をすることにより、粒度(メジアン径)が
2乃至10μmの本発明によるピッチ吸着剤が得られ
る。
【0030】用途 本発明による吸着剤は、通常の製紙用のピッチ吸着剤と
して単独で使用されることは勿論であるが、特にパルプ
スラリー中に極めて安定な状態で存在するピッチの除去
にも使用することが出来る。また必要に応じて従来のタ
ルクと併用して用いることも出来る。本発明の吸着剤を
ピッチ除去剤として単独で使用する場合の白水への添加
量は、パルプの種類、古紙処理等によって異なるが、通
常白水固形分(パルプ)に対し、0.1乃至5重量%、
特に0.5乃至3重量%の範囲で使用することが好まし
い。また本発明の吸着剤は、適度の吸油性と白色度に優
れた天然の粘土鉱物をベースとする安価な素材であるこ
とから、裏ぬき防止効果を有する新聞紙用内填剤として
も使用することが出来る。
【0031】
【実施例】実施例により本発明を更に詳細に説明する。
表2に本発明に用いた原料の酸性白土(A)、酸性白土
(B)、活性白土、活性化ベントナイトについての化学
分析値を示した。
【0032】
【表2】
【0033】実施例1 酸性白土(A)(水分32.9%)に対し、水酸化マグ
ネシウム、水酸化マグネシウムと硫酸溶液を表3に示す
割合で混合し、加水、混練造粒(造粒時水分36%)、
その後120〜130℃の大型乾燥機で乾燥し、粉砕、
分級をおこない変性ケイ酸マグネシウムのサンプルを得
た。これらのサンプルの性状は下記の試験方法により測
定した。
【0034】性状測定 (1)水分 JIS K−5101.21(197
8)に準じて測定した。 (2)嵩密度 JIS K−6220.6.8(197
7)に準じて測定した。 (3)吸油量 JIS K−5101.19(197
8)に準じて測定した。 (4)白色度 JIS P−8123(1961)に
準じて測定した。 (5)PH JIS K-5101 24A(197
8)に準じて測定した。 (6)平均粒径 コールターカウンター(コールターエ
レクトロニクス社製TA−II型)法により、アパチカー
チューブ100μmを用いて測定した。 ピッチ評価法は、次の実験方法により評価し、その結果
を表5に示した。
【0035】ピッチ評価法 ピッチ対象体は、GPパルプスラリーを遠心分離器にか
け、パルプ残渣を除いた白水を使用した。この白水にピ
ッチコントロール剤を添加し、白水中のピッチを十分吸
着させる。その後、遠心分離器でピッチを吸着した残渣
と上澄液とに分離し、上澄液中に含まれるピッチ量を有
機溶媒を用いて抽出し、下記の式よりピッチ除去率Y
(%)を算出した。
【0036】
【数1】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】実施例2 酸性白土(B)(水分34.9%)に対し、水酸化マグ
ネシウムと硫酸溶液、硫酸マグネシウムを表6に示す割
合で混合し、実施例1と同じく処理して、表7のサンプ
ルを得た。ピッチ評価は、実施例1と同様にして行ない
その結果を表8に示した。
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】実施例3 活性白土(水分45%)に対し、水酸化マグネシウムを
表9に示す割合で混合し、実施例1と同じく処理して、
表10のサンプルを得た。ピッチ評価は、実施例1と同
様にして行ない、その結果を表11に示した。
【0045】
【表9】
【0046】
【表10】
【0047】
【表11】
【0048】実施例4 活性化ベントナイト(水分33%)に対し、水酸化マグ
ネシウムを表12に示す割合で混合し、実施例1と同じ
く処理して、表13のサンプルを得た。ピッチ評価は、
実施例1と同様にして行ない、その結果を表14に示し
た。
【0049】
【表12】
【0050】
【表13】
【0051】
【表14】
【0052】比較例 酸性白土B(実施例2サンプルY−0)と水酸化マグネ
シウムを表15に示す割合で均一に乾式混合した。得ら
れたサンプルについて、ピッチ評価試験をおこない、実
施例1〜4の比較例として記載した。得られたサンプル
の粉末性状を表16に、ピッチ評価結果を表17にそれ
ぞれ示した。マグネシウム変性白土中に含まれるマグネ
シウムは、前述の塩化アンモニウム水溶液による抽出法
にて求め、その結果を表18に示した。
【0053】
【表15】
【0054】
【表16】
【0055】
【表17】
【0056】
【表18】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、酸性白土、ベントナイ
ト等のスメクタイト粘土鉱物をベースとし、これをMg
O/SiO2 のモル比に基づく変性量が0.001乃至
0.3、特に0.01乃至0.2のかなり小さい範囲と
なるようにマグネシウム分で変性したものを、ピッチ吸
着剤として使用することにより、粘土鉱物の表面特性が
親油性となり、粘土鉱物粒子へのピッチの吸着が容易に
生じやすくなると共に、この粘土鉱物本来の大きい比表
面積及び吸油量に由来して大きい吸着容量の維持される
ため、パルプスラリー中に含有されるピッチを、変性粘
土粒子表面に有効に吸着させて、これを微細な形でパル
プ繊維中に混入せしめることにより、ピッチトラブルの
発生を有効に防止することができる。
【0058】また白水中に高度に安定化したピッチに対
しても従来のタルク等のケイ酸マグネシウム系のピッチ
吸着剤よりも有効にピッチトラブルを防止することがで
き、また本邦で豊富に産出する酸性白土を原料とし、し
かも従来のものに比して著しく少ないマグネシウム変性
量で優れたピッチ吸着剤が得られ、このものを安価に提
供し得るという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 三層構造を有する酸性白土の構造図である。
【図2】 本発明実施例1に用いた原料である酸性白土
の走査型電子顕微鏡写真(倍率5000倍)である。
【図3】 本発明実施例1に用いた原料粘土のCu−K
a線によるX線回折スペクトル図である。
【図4】 本発明実施例1に用いた原料粘土にマグネシ
ア分で変性したマグネシウム変性白土Cu−Ka線によ
るスペクトル図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モンモリロナイトに特有のX線回折像を
    有し、且つ酸化物基準のMgO/SiO2 のモル比に基
    づく変性量が0.001乃至0.3の範囲内にあるマグ
    ネシウム変性スメクタイト粘土鉱物から成ることを特徴
    とするピッチ吸着剤。
  2. 【請求項2】 コールターカウンターによる粒径(メジ
    アン径)が2乃至10μm及びBET比表面積が40乃
    至300m2 /gの範囲にあることを特徴とする請求項
    1記載のピッチ吸着剤。
  3. 【請求項3】 酸化物基準のMgO/SiO2 のモル比
    が0.001乃至0.3の範囲内にあることを特徴とす
    る請求項1記載のピッチ吸着剤。
JP24138192A 1992-08-19 1992-08-19 ピッチ吸着剤 Pending JPH0665892A (ja)

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