JP2001278618A

JP2001278618A - 速分散性ベントナイト

Info

Publication number: JP2001278618A
Application number: JP2000096552A
Authority: JP
Inventors: Saburo Ishii; 三郎石井
Original assignee: Tachibana Material Co Ltd
Current assignee: Tachibana Material Co Ltd
Priority date: 2000-03-31
Filing date: 2000-03-31
Publication date: 2001-10-10
Anticipated expiration: 2020-03-31
Also published as: JP4846082B2

Abstract

(57)【要約】（修正有）【課題】短時間で水と分散してベントナイトダマが発
生せず、短時間でベントナイト本来の性能を十分に発揮
することができ、ベントナイト投入作業を迅速に行うこ
とができると共に、材料の無駄も生じない分散性に優
れ、かつ、低コストで供給することができる速分散性ベ
ントナイトを提供する。【解決手段】速分散性ベントナイトを、ベントナイト
に所要量の重炭酸ソーダを混合して生成した。重炭酸ソ
ーダの混合比は、５〜３０重量％が望ましく、速分散性
能が最も顕著な混合比は１５〜３０％である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、土木現場等で多
く用いられるベントナイトの分散性を改善してなる速分
散性ベントナイトに係り、特に、ナトリウム型ベントナ
イトの分散性を大幅に早めることができる速分散性ベン
トナイトに関する。

【０００２】

【従来技術とその課題】粘度鉱物の一種であるベントナ
イトは、鋳物・鉄鋼・農薬・土木・農業土木等、多くの
産業界で多様されているが、水との混合時に、攪拌効果
が良くないと十分な性能が発揮できない。特に、この傾
向は、ナトリウム型タイプのベントナイトでは顕著とな
る。

【０００３】周知のように、ベントナイトは、水に分散
させて使用するが、ベントナイトは結晶中に多量の水を
含有し分散する機能を有しているので、１０〜３０％程
度の濃度で高粘性の懸濁液となる。ベントナイトは、製
品において一般に微粉であり、水に分散させる場合に
は、高速の攪拌機を用いるが、攪拌速度が遅い場合に
は、多量のベントナイトが水面に浮遊しダマとなり、水
を吸収し分散するまでには相当の攪拌時間が必要とな
る。

【０００４】例えば、小規模の土木現場でベントナイト
を使用する場合、このような土木現場においては、十分
な攪拌能力を有する攪拌機が設置されていないのが現状
であり、作業性が優先されがちな上記現場においては、
攪拌時に未分散のベントナイトダマが多く発生し、これ
をそのまま使用した場合には、本来のベントナイトの性
能を十分に発揮することができない、という問題を有し
ていた。このような傾向は、特に、高膨潤なベントナイ
トほど顕著であり、一般的には攪拌時間を十分にかけて
ベントナイトダマを無くした状態で使用すべきである
が、作業時間との関係で、迅速な分散性能を有するベン
トナイトの出現が当該技術分野では強く要望されてい
た。また、上記ベントナイトダマは、例えば、現場にお
いて網等で漉くって廃棄しなければならないため、この
作業が非常に煩雑であり、また、省資源的観点からも無
駄が多い、という問題をも有していた。

【０００５】この発明は、かかる現状に鑑み創案された
ものであって、その目的とするところは、短時間で水と
分散してベントナイトダマが発生せず、短時間でベント
ナイト本来の性能を十分に発揮することができ、ベント
ナイト投入作業を迅速に行うことができると共に、材料
の無駄も生じない分散性に優れ、かつ、低コストで供給
することができる速分散性ベントナイトを提供しようと
するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にあっては、速分散性ベントナイトを、ベ
ントナイトに所要量の重炭酸ソーダを混合して生成した
ことを特徴とするものである。重炭酸ソーダの溶解濃度
は、８％程度とそれ程高くはないが、水に対しては溶解
性（速溶性）は非常に良好であり、水との親和性が悪い
ベントナイトに溶解性に優れた重炭酸ソーダを混入する
ことで、速溶性が向上する。また、この重炭酸ソーダ
は、溶解時に水溶液の粘度を上昇させない効果がある。
即ち、水に対する溶解性が良好な重炭酸ソーダが、ベン
トナイトより先に親和するが、そのとき、ベントナイト
の溶解を阻害する水溶液の粘度上昇は見られない。さら
に、この重炭酸ソーダは、水に溶解すると炭酸として水
中に存在するが、この炭酸はベントナイトの水中での膨
潤を抑制する作用があり、炭酸が溶解した液はベントナ
イトの膨潤を抑制することで、水との親和性が向上しダ
マの発生が低減される。これらの相互作用により、ベン
トナイトダマの発生が効率的に低減される。

【０００７】この重炭酸ソーダの混合比としては、上記
ベントナイト重量部１００部に対して重炭酸ソーダが５
〜３０％に設定するのが望ましく、速分散性能が最も顕
著な混合比は、１５〜３０％であり、この混合比で混合
した場合には、速分散性が上昇するが、ベントナイトの
膨潤は抑制される。

【０００８】また、この発明にあっては、上記重炭酸ソ
ーダが混合されたベントナイトに、例えば、ＣＭＣ（ア
クリル酸ポリマー）等のポリマーを所要量混合して生成
する場合でも、同様な性能を得ることができる。

【０００９】この発明に用いられる重炭酸ソーダ（重曹
又は炭酸水素ナトリウムともいう。）は、その量が３０
％を越えるとベントナイトの有効成分が大幅に減少し、
また、５％以下では十分なベントナイトダマの消失性能
が得られない。

【００１０】また、この発明に用いられるベントナイト
としては、例えば、ワイオミング産のベントナイトが用
いられ、分散速度が遅い高膨潤度のナトリウム型タイプ
のベントナイトであっても、本発明によれば、十分な速
分散性能が得られ、作液作業性が大幅に向上する、とい
う実践的に非常に有効な効果を得ることができる。

【００１１】

【発明の効果】この発明に係る速分散性ベントナイト
は、以上説明したように生成されているので、短時間で
水と分散してベントナイトダマが発生せず、短時間でベ
ントナイト本来の性能を十分に発揮させることができ、
ベントナイト投入作業を迅速に行うことができると共
に、ベントナイトダマ廃棄の必要性がなくなるので、材
料の無駄もなくなり、分散性に優れたベントナイトを低
コストで供給することができる等、幾多の優れた効果が
得られる。

【００１２】

【実験例１】次に、上記配合比によるベントナイトの分
散性の実験を行った。この実験例において、Ｎｏ．１
は、比重が２．５であるワイオミング産のベントナイト
８０ｇを１リットルの水に分散したものであり、Ｎｏ．
２乃至Ｎｏ．５は、Ｎｏ．１の液に比重２．２の重炭酸
ソーダを、１．６ｇ、４．０ｇ、８．０ｇ、１６．０ｇ
の順に添加したものである。即ち、上記組成において、
Ｎｏ．１〜Ｎｏ．５における重炭酸ソーダの混合比率
は、０％、２％、５％、１０％、２０％である。このよ
うな組成からなるベントナイトの１分後の浮遊物重量を
計測した結果を表１に示す。尚、下表において、ベント
ナイトの分散性は、攪拌棒で攪拌した後の１５秒後、３
０秒後及び６０秒後の浮遊物の量を比較したものであ
り、また、ファンネル粘性は、浮遊物を目開き１．５ｍ
ｍ網で除去した後の分散液の粘度を測定した。尚、表１
は、Ｎｏ．１を１００とした場合の比較を示している。

【００１３】

【表１】

【００１４】上記表１からも明らかなように、重炭酸ソ
ーダを５％以上添加したベントナイトＮｏ．３〜Ｎｏ．
５は、重炭酸ソーダを全く加えないＮｏ．１及び５％以
下の２％しか添加していないＮｏ．２のベントナイトに
比べ、ベントナイトダマが速やかに消失しており、重炭
酸ソーダの量が多くなるほど、その効果が顕著となるの
が解かる。

【００１５】次に、重炭酸ソーダとベントナイトの混合
物にＣＭＣを加えた場合の実験例を表２に示す。この場
合の測定方法は、表１に示す測定方法と同様である。

【００１６】

【表２】

【００１７】上記表２からも明らかなように、重炭酸ソ
ーダを５％以上添加したベントナイトＮｏ．４〜Ｎｏ．
５は、重炭酸ソーダを全く加えないＮｏ．１及び５％以
下の１％又は２．５％しか添加していないＮｏ．１及び
Ｎｏ．２のベントナイトに比べ、ＣＭＣを混合した場合
であってもベントナイトダマが速やかに消失しており、
重炭酸ソーダの量が多くなるほど、その効果が顕著とな
るのが解かる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ベントナイトに所要量の重炭酸ソーダが
混合されてなる速分散性ベントナイト。
【請求項２】前記ベントナイトの量は、重量部１００
部に対して重炭酸ソーダが５〜３０％であることを特徴
とする請求項１に記載の速分散性ベントナイト。
【請求項３】ポリマーが所要量混合されてなる請求項
１又は請求項２のいずれかに記載の速分散性ベントナイ
ト。