JP2008286690A - 撮像装置及び生体高分子分析チップ - Google Patents

撮像装置及び生体高分子分析チップ Download PDF

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Abstract

【課題】適正な温度範囲に制御できる生体高分子分析チップを提供する。
【解決手段】光電変換素子20を有する固体撮像デバイス10と、光電変換素子20の受光面側に配置されるウェル40と、固体撮像デバイス10の熱をウェル40に移動させるペルチェ素子30と、を備える撮像装置2である。ペルチェ素子は、ウェルが配置される開口を有する吸熱基板と、ウェルが配置される開口を有し吸熱基板と対向配置される排熱基板と、吸熱基板と排熱基板との間に挟持され、通電されることにより吸熱基板から排熱基板に熱を移動させる半導体と、を備え、吸熱基板は前記固体撮像デバイスを吸熱し、排熱基板はウェルに排熱する撮像装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、撮像装置及び生体高分子分析チップに関する。
様々な生物種の遺伝子の発現解析を行うためにDNAチップや抗体チップ等の生体高分子分析チップやその読取装置が開発されている。生体高分子分析チップは、プローブとなる既知の塩基配列のcDNAや抗体をスライドガラス等の固体担体上にマトリックス状に整列固定させたものである。例えば、DNAチップ及びその読取装置を用いた遺伝子の発現解析は次のようにして行う。
まず、既知の塩基配列を有した複数種類のcDNA(以下、プローブDNAという)をスライドガラス等の固体担体に整列固定させたDNAチップを準備する。次に、検体からmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、標識物質で標識したものを用意する(以下、標識DNAという)。ここで、標識物質には蛍光体や化学発光基質、あるいは化学発光基質を発光させる酵素等を用いることができる。
次に、標識DNAをDNAチップ上に添加すると、標識DNAが相補的なプローブDNAとハイブリダイズすることによりDNAチップ上に固定される。
次いで、DNAチップを読取装置にセッティングし、読取装置にて分析する。読取装置は、DNAチップに対して二次元的に移動する集光レンズ及びフォトマルチプライヤーによってDNAチップを走査する標識物質により発した光を集光レンズで集光させ、光強度をフォトマルチプライヤーで計測することで、DNAチップの面内の光強度分布を計測し、これにより、DNAチップ上の光強度分布が二次元の画像として出力される。出力された画像内で光強度が大きい部分には、プローブDNAの塩基配列と相補的な塩基配列を有した標識DNAが含まれていることを表している。従って、二次元画像中のどの部分の蛍光強度が大きいかによって検体で発現しているmRNAを同定することができる。
また、複数の撮像素子を二次元アレイ状に配列してなる固体撮像デバイスの受光面にDNAや抗体等のプローブ分子をスポットした生体高分子分析チップが開発されている。このような生体高分子分析チップでは、スポットに付着した標識DNA等の生体高分子を標識する標識物質により発生する光を各光電変換素子により計測する。固体撮像デバイスの受光面にスポットが点在しており、受光面に付着された生体高分子と光電変換素子との間の距離が近いために標識物質から発した光があまり減衰せずに固体撮像デバイスの受光面に入射するため、僅かな光量でも計測が可能であるという利点がある。
ところで、撮像素子は温度が上昇すると暗電流が増大するため、ノイズが増大する。このため、撮像素子を冷却する冷却装置により撮像素子を一定温度に保つことが行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−118925号公報
酵素反応を利用した化学発光を固体撮像素子で受光するとき、一般的に、酵素反応は、室温(例えば25℃)よりも高温(例えば37℃)である方が活性化し、発光量が増大するが、その温度において、固体撮像素子は、熱によるノイズが増大するという問題がある。特に、密着型として、距離による受光量の減衰を防ぐようにしても、熱によるノイズの増大は、ダイナミックレンジを狭めるという問題が発生する。
本発明は、上記の問題を解決し、適正な温度範囲に制御できる生体高分子分析チップを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、光電変換素子を有する固体撮像デバイスと、前記光電変換素子の受光面側に配置されるウェルと、前記固体撮像デバイスの熱を前記ウェルに移動させる温度調整素子と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記温度調整素子は、前記ウェルが配置される開口を有する吸熱基板と、前記ウェルが配置される開口を有し前記吸熱基板と対向配置される排熱基板と、前記吸熱基板と前記排熱基板との間に挟持され、通電されることにより前記吸熱基板から前記排熱基板に熱を移動させる半導体と、を備え、前記吸熱基板は前記固体撮像デバイスを吸熱し、前記排熱基板は前記ウェルに排熱することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置であって、前記排熱基板と当接し前記排熱基板の熱を外部に放出する放熱材をさらに備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の撮像装置であって、前記放熱材を冷却する空冷ファンをさらに備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置と、前記ウェル内に設けられ、特定の生体高分子と結合するプローブとを備えることを特徴とする生体高分子分析チップである。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の生体高分子分析チップであって、前記プローブは既知の塩基配列を含む一本鎖DNAを有することを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の生体高分子分析チップであって、前記プローブは特定の抗原と結合する抗体であることを特徴とする。
本発明によれば、より簡易な生体高分子分析チップを提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
[第1実施形態]
〔1〕生体高分子分析チップの全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る生体高分子分析チップ1の概略平面図であり、図2は、図1のII矢視方向から見た側面図、図3は図1のIII−III線に沿った矢視断面図である。この生体高分子分析チップ1は、DNAを検出するDNAチップである。
この生体高分子分析チップ1は、図1〜図3に示すように、撮像装置2にスポット60が形成されてなり、撮像装置2は、固体撮像デバイス10と、ウェル40と、ペルチェ素子30と、を備える。
〔2〕固体撮像デバイス
ここで、図4、図5を用いて固体撮像デバイス10について説明する。図4は固体撮像デバイス10のフォトセンサ20を示す平面図であり、図5は図4のV−V矢視断面図である。図5に示すように、固体撮像デバイス10は、透明基板11と、ボトムゲート絶縁膜13と、トップゲート絶縁膜21と、保護絶縁膜23とを積層してなる。これらの層間に、複数のボトムゲートライン12a、ソースライン18a、ドレインライン19a、トップゲートライン22a、及び、フォトセンサ20を形成するボトムゲート電極12、半導体膜14、チャネル保護膜15、不純物半導体膜16,17、ソース電極18、ドレイン電極19、トップゲート電極22が適宜設けられている。
透明基板11は、後述する蛍光体が発する光を透過する性質(以下、光透過性という。)を有するとともに絶縁性を有し、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート、PMMA等といったプラスチック基板である。
この固体撮像デバイス10においては、光電変換素子としてダブルゲート型電界効果トランジスタ(以下、フォトセンサという。)20が利用され、複数のフォトセンサ20,20,…が透明基板11上において二次元アレイ状に特にマトリクス状に配列され、これらフォトセンサ20,20,…が窒化シリコン(SiN)等の保護絶縁膜23によってまとめて被覆されている。
なお、図1では2行×2列の4個のフォトセンサ20,20,…を備えるマトリクス状の二次元アレイを示すが、さらに多くの行及び列を有していてもよい。
図4はフォトセンサ20を示す平面図であり、図5は図4のV−V矢視断面図である。図4、図5に示すように、フォトセンサ20,20,…は何れも、受光部である半導体膜14と、半導体膜14上に形成されたチャネル保護膜15と、ボトムゲート絶縁膜13を挟んで半導体膜14の下に形成されたボトムゲート電極12と、トップゲート絶縁膜21を挟んで半導体膜14の上に形成されたトップゲート電極22と、半導体膜14の一部に重なるよう形成された不純物半導体膜16と、半導体膜14の別の部分に重なるよう形成された不純物半導体膜17と、不純物半導体膜16に重なったソース電極18と、不純物半導体膜17に重なったドレイン電極19と、を備え、半導体膜14において受光した光量に従ったレベルの電気信号を出力するものである。
ボトムゲート電極12は、フォトセンサ20ごとに透明基板11上に形成されている。また、透明基板11上には横方向に延在する複数本のボトムゲートライン12a,12aが形成されており、横方向に配列された同一の行のフォトセンサ20,20,…のそれぞれのボトムゲート電極12が共通のボトムゲートライン12aと一体となって形成されている。ボトムゲート電極12及びボトムゲートライン12aは、導電性及び遮光性を有し、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金を含む。
フォトセンサ20,20,…のボトムゲート電極12及びボトムゲートライン12a,12a,…はボトムゲート絶縁膜13によってまとめて被覆されている。すなわち、ボトムゲート絶縁膜13は全てのフォトセンサ20,20,…に共通して形成された膜である。ボトムゲート絶縁膜13は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)を含む。
ボトムゲート絶縁膜13上には、複数の半導体膜14がマトリクス状に配列するよう形成されている。半導体膜14は、フォトセンサ20ごとに独立して形成されており、それぞれのフォトセンサ20においてボトムゲート電極12に対して対向配置され、ボトムゲート電極12との間にボトムゲート絶縁膜13を挟んでいる。半導体膜14は、平面視して略矩形状を呈しており、受光した蛍光の光量に応じた量の電子−正孔対を生成するアモルファスシリコン又はポリシリコンで形成された層である。
半導体膜14上には、チャネル保護膜15が形成されている。チャネル保護膜15は、フォトセンサ20ごとに独立してパターニングされており、それぞれのフォトセンサ20において半導体膜14の中央部上に形成されている。チャネル保護膜15は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンを含む。チャネル保護膜15は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜14の界面を保護するものである。半導体膜14に光が入射すると、入射した光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜15と半導体膜14との界面付近を中心に発生するようになっている。この場合、半導体膜14にはキャリアとして正孔及び電子が発生する。
半導体膜14の一端部上には、不純物半導体膜16が一部、チャネル保護膜15に重なるようにして形成されており、半導体膜14の他端部上には、不純物半導体膜17が一部、チャネル保護膜15に重なるようにして形成されている。不純物半導体膜16,17は、フォトセンサ20ごとに独立してパターニングされている。不純物半導体膜16,17は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)を含む。
不純物半導体膜16上には、ソース電極18が形成され、不純物半導体膜17上には、ドレイン電極19が形成されている。ソース電極18及びドレイン電極19はフォトセンサ20ごとに形成されている。縦方向に延在する複数本のソースライン18a,18a及びドレインライン19a,19aがボトムゲート絶縁膜13上に形成されている。縦方向に配列された同一の列のフォトセンサ20,20,…のソース電極18は共通のソースライン18aと一体に形成されており、縦方向に配列された同一の列のフォトセンサ20,20,…のドレイン電極19は共通のドレインライン19aと一体に形成されている。ソース電極18、ドレイン電極19、ソースライン18a及びドレインライン19aは、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金を含む。
フォトセンサ20,20,…のソース電極18及びドレイン電極19並びにソースライン18a,18a及びドレインライン19a,19aは、トップゲート絶縁膜21によってまとめて被覆されている。トップゲート絶縁膜21は全てのフォトセンサ20,20,…に共通して形成された膜である。トップゲート絶縁膜21は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンを含む。
トップゲート絶縁膜21上には、複数のトップゲート電極22がフォトセンサ20ごとに形成されている。トップゲート電極22は、それぞれのフォトセンサ20において半導体膜14に対して対向配置され、半導体膜14との間にトップゲート絶縁膜21及びチャネル保護膜15を挟んでいる。また、トップゲート絶縁膜21上には横方向に延在する複数本のトップゲートライン22a,22aが形成されており、横方向に配列された同一の行のフォトセンサ20,20のトップゲート電極22が共通のトップゲートライン22aと一体に形成されている。トップゲート電極22及びトップゲートライン22aは、導電性及び光透過性を有し、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
フォトセンサ20,20,…のトップゲート電極22及びトップゲートライン22a,22aは保護絶縁膜23によってまとめて被覆され、保護絶縁膜23は全てのフォトセンサ20,20,…に共通して形成された膜である。保護絶縁膜23は、絶縁性及び光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンを含む。
以上のように構成された固体撮像デバイス10は、保護絶縁膜23の表面を受光面としており、フォトセンサ20の半導体膜14において受光した光量を電気信号に変換するように設けられている。
〔3〕ペルチェ素子
ペルチェ素子30は、排熱基板31と、吸熱基板32と、p型半導体33及びn型半導体34と、熱伝導材35と、断熱材36とを備える。
排熱基板31と、吸熱基板32とは対向配置され、排熱基板31の吸熱基板32との対向面に電極31aが、吸熱基板の排熱基板31との対向面に電極32aが形成されている。同一個数のp型半導体33及びn型半導体34は交互に隣接して配列され、いずれも一端面及び他端面がそれぞれ電極31a,32aと当接する。p型半導体33は一端面側の電極31aにより隣接する1つのn型半導体34と電気的に接続し、他端面側の電極32aにより隣接する他の1つのn型半導体34と電気的に接続する。同様に、n型半導体34は一端面側の電極31aにより隣接する1つのp型半導体33と電気的に接続し、他端面側の電極32aにより隣接する他の1つのp型半導体33と電気的に接続する。以上により、全てのp型半導体33及びn型半導体34が電極31a,32aにより交互に直列に接続される。
直列に接続されたp型半導体33及びn型半導体34のうち、一方の端部のn型半導体34の上端面を正極に接続し、他方の端部のp型半導体33の上端面を負極に接続し、直流電流を流す。すると、n型半導体34では、電子が電極32a側から電極31a側に移動する。このとき、電子が、電極32aからn型半導体34に移動するためのエネルギーと、n型半導体の内部を電極31aまで移動するためのエネルギーを、電極32aから奪うため、電極32aでエネルギーが不足し、温度が低下する。一方、電極31aでは、電子が放出するエネルギーにより温度が上昇する。
同様に、p型半導体33では、正孔が、見かけ上、電極32a側から電極31a側に移動する。このとき、正孔が、電極32aからp型半導体33に移動するためのエネルギーと、p型半導体の内部を電極31aまで移動するためのエネルギーを、電極32aから奪うため、電極32aでエネルギーが不足し、温度が低下する。一方、電極31aでは、正孔が放出するエネルギーにより温度が上昇する。
温度が低下した電極32aは、吸熱基板32からエネルギーを奪うため、吸熱基板32の温度が低下する。温度が上昇した電極31aが排熱基板31にエネルギーを放出することで、排熱基板31の温度が上昇する。
以上のペルチェ効果により、吸熱基板32から排熱基板31へ熱を移動させることができる。
なお、反対に、直列に接続されたp型半導体33及びn型半導体34のうち、一方の端部のn型半導体34の上端面を負極に接続し、他方の端部のp型半導体33の上端面を正極に接続し、直流電流を流すことで、排熱基板31から吸熱基板32へ熱を移動させることができる。
排熱基板31及び吸熱基板32には、開口31b,32bが設けられており、開口31b,32b内にウェル40が配置される。排熱基板31及び吸熱基板32は、ともに絶縁性及び熱伝導性を備える基板であって、セラミック基板が好適であり、特に窒化アルミニウム[体積固有抵抗値:1014Ω・cm、熱伝導率:150W/(m・k)]が好ましい。
熱伝導材35は、排熱基板31とウェル40の側壁42との間に、排熱基板31及び側壁42に接するように設けられており、排熱基板31からウェル40内への熱伝導を促進する。熱伝導材35は、排熱基板31及び吸熱基板32より熱伝導率の高い材料で形成され、アルミニウム[熱伝導率:236W/(m・k)]や銅[熱伝導率:390W/(m・k)]が好適である。断熱材36は、熱伝導率が低い絶縁材料で形成され、吸熱基板32と排熱基板31及びウェル40との間に設けられており、排熱基板31及びウェル40から吸熱基板32への熱伝導を妨げる。断熱材36は、熱伝導率が1W/(m・k)以下のガラス或いはその他のセラミック等の材料が好ましい。
ペルチェ素子30は、後述するサンプルの検出時において、固体撮像デバイス10を冷却したりウェル40内を加熱するのに用いられる。
〔4〕ウェル
ウェル40は、底板41と、底板41の外周部に沿って上方に連なる側壁42とを含む。底板41及び側壁42は後述する蛍光体から放出される光を透過する材料により形成されている。このような材料としては、例えばシリコンポリマーを用いることができ、具体的には、PDMS(ポリジメチルシロキサン)等を用いることができる。
底板41は、固体撮像デバイス10のフォトセンサ20の上部に配置されている。なお、1つのウェル40が複数のフォトセンサ20の上部に配置されてもよい。
底板41は、後述する蛍光をフォトセンサ20が捕捉するために、蛍光が十分透過する程度の透過率及び厚さに設定されている。
側壁42の外周部には熱伝導材35が当接する。熱伝導材35は、側壁42を介して排熱基板31の熱をウェル40内の溶液に伝導する。
ウェル40内にはスポット60が形成され、ウェル40内において後述するハイブリダイゼーションやサンプルの検出が行われる。
〔5〕スポット
図1、図3に示すように、ウェル40内にはスポット60が形成されている。各スポット60は、プローブとなる既知の塩基配列のcDNA(プローブDNA61)や抗体等の溶液をウェル40内に滴下し、乾燥して形成される。以下ではプローブとして既知の塩基配列のcDNAを用いた場合について説明する。
1つのスポット60では同じ塩基配列の一本鎖のプローブDNA61が多数集まった群集がウェル40内に固定化され、スポット60ごとにプローブDNA61は異なる塩基配列となっている。プローブDNA61としては、既知のmRNAの塩基配列、またはその一部と同一の、あるいは相補的な塩基配列のDNAが用いられる。具体的には、例えば、後述する酵素標識DNAで用いるのと同じ細胞検体から作成したcDNAライブラリを用いることができる。
1つのスポット60は1つもしくは複数のフォトセンサ20上に重なるように形成されている。
〔6〕分析装置
生体高分子分析チップ1を分析装置70にセッティングして生体高分子分析チップ1を用いるので、まず分析装置70について説明する。図6は分析装置70の構成を示すブロック図である。
図6に示すように、分析装置70は、固体撮像デバイス10を駆動するトップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75、ドレインドライバ76と、これらを制御するCPU71と、RAM72と、ROM73と、CPU71から出力された信号により出力(表示又はプリント)を行う出力装置77と、CPU71により制御されペルチェ素子を駆動する駆動回路78とを備える。
生体高分子分析チップ1が分析装置70にセッティングされた場合には、固体撮像デバイス10のトップゲートライン22a,22aがトップゲートドライバ74の端子に、ボトムゲートライン12a,12aがボトムゲートドライバ75の端子に、ドレインライン19a,19aがドレインドライバ76の端子に、それぞれ接続されるようになっている。また、生体高分子分析チップ1が分析装置70にセッティングされた場合、固体撮像デバイス10のソースライン18a,18a,…が一定電圧源に接続され、この例ではソースライン18a,18a,…が接地されるようになっている。
トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76は、協同して固体撮像デバイス10を駆動するものである。
CPU71は、ROM73に格納されたプログラムに従って分析装置70を駆動する。
CPU71は、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76に制御信号を出力することによって、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76に固体撮像デバイス10の駆動動作を行う。
また、CPU71は各フォトセンサ20で受光された光の強度に応じてドレインドライバ76に取り込まれた電気信号をA/D変換することで、n個のフォトセンサ20の出力値を得て、各出力値を光強度値に変換する。n個のフォトセンサ20で得られた各光強度値は、後述するように、それぞれ初期値A1〜A及びインターバル時間を経て得られた値B1〜BとしてRAM72に記憶する。
また、CPU71は、後述するように、入力されたインターバル時間t1、最大時間t2をRAM72に記憶する。
そして、CPU71は、後述するように、n個のフォトセンサ20の出力値の最大値を得ることにより、固体撮像デバイス10の受光面に沿った光強度分布を二次元の画像データとして取得する機能を有する。
さらに、CPU71は取得した画像データに従った画像を出力装置77に出力させる機能を有する。
出力装置77はプロッタ、プリンタ又はディスプレイである。
〔7〕酵素標識DNA
上記生体高分子分析チップ1で分析する試料としては、DNAを用いることができる。試料となるDNAとしては、任意の細胞検体内で発現しているmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いて得られたcDNAを用いることができる。cDNAは例えばアルカリホスファターゼやペルオキシダーゼ等、後述する化学発光基質の反応の触媒として機能する酵素で標識する。
cDNAを酵素で標識するには、例えば、酵素で標識されたオリゴdTプライマや、標識されたdNTPミックスを用いてRT−PCR反応を実施すればよい。以下では、この標識されたcDNAを酵素標識DNAという。
〔8〕化学発光基質
酵素標識DNAを検出するのに用いる化学発光基質について説明する。化学発光基質としては、酵素標識DNAの標識に用いられた酵素を触媒として利用した化学反応により励起状態の蛍光物質を生成するものを用いることができる。
具体的には、例えばアルカリホスファターゼの基質となるジオキセタン系の誘導体や、ペルオキシダーゼの基質となるルミノール系の化合物を用いることができる。
ジオキセタン系の誘導体として、化学式1に示すアダマンチルジオキセタン塩素化誘導体(C18H19Cl2O7PNa2)を例に挙げて説明する。アダマンチルジオキセタン塩素化誘導体はリン酸基を有し、アルカリホスファターゼの基質となる。
Figure 2008286690
アルカリホスファターゼはアダマンチルジオキセタン塩素化誘導体のリン酸基を加水分解し、化学式2に示す不安定な中間体を形成する。
Figure 2008286690
中間体は自然開裂し、化学式3に示すアダマンタノンと蛍光体とに分解される。この蛍光体は励起状態であり、蛍光体が基底状態に遷移するときのエネルギーが蛍光として放出される。アルカリホスファターゼは37℃以上になると25℃程度に比べて酵素反応が活性化し、開裂による蛍光体の蛍光強度が10倍程度になる。
Figure 2008286690
なお、アルカリホスファターゼの基質となる化学発光基質はリン酸基を有しており、水溶液中で負に帯電している。また、化学発光基質の加水分解により生成する蛍光体も、水溶液中で負に帯電している。このため、化学発光基質及び蛍光体は、水溶液中で正電荷側へ移動する。
〔9〕ハイブリダイゼーション
以下、酵素標識DNA62をプローブDNA61とハイブリダイゼーションさせる方法について図7、図8を用いて説明する。
まず、作業者が、酵素標識DNA62を含有した溶液(以下、酵素標識DNA溶液という)を各ウェル40内に注入する。酵素標識DNA溶液を注入する前に各ウェル40内に酵素標識DNA62が泳動するためのバッファー溶液が入れられていてもよく、酵素標識DNA溶液自体が泳動用のバッファー溶液を兼ねていてもよい。なお、酵素標識DNA溶液を各ウェル40内のスポット60,60,…に順次又は同時に滴下してもよい。このとき、酵素標識DNA62が一本鎖となるように酵素標識DNA溶液は加熱されている。
次いで、プローブDNA61と酵素標識DNA62とがハイブリダイゼーションを引き起こすように、生体高分子分析チップ1の各ウェル40を所定の温度に冷却する。すると、図8に示すように、各ウェル40内に注入された酵素標識DNA溶液内の酵素標識DNA62のうち、塩基配列が当該ウェル内のスポット60のプローブDNA61の塩基配列と相補的なものは、プローブDNA61とハイブリダイズする。一方、プローブDNA61と相補的ではないものは、そのスポット60には結合しない。
その後、ウェル40内の酵素標識DNA溶液を洗浄用バッファー溶液で洗い流し、酵素標識DNAのうちプローブDNA61とハイブリダイズしなかったものをウェル40内から除去する。
〔10〕サンプルの検出
酵素標識DNA62の検出方法について図9を用いて説明する。
上記処理を行った生体高分子分析チップ1を分析装置70にセッティングし、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76をCPU71に接続し、CPU71を起動する。
次に、各ウェル40に化学発光基質81を含む溶液を注入する(図9)。化学発光基質81を含む溶液を注入する前に各ウェル40内に化学発光基質81が泳動するためのバッファー溶液が入れられていてもよく、化学発光基質81を含む溶液自体が泳動用のバッファー溶液を兼ねていてもよい。
スポット60のプローブDNA61に酵素標識DNA62がハイブリダイズしたウェル40では、酵素標識DNA62を標識する酵素63により化学発光基質81が加水分解され、不安定な中間体を経て励起状態の蛍光体82が生成される。励起状態の蛍光体82が基底状態に遷移するときに蛍光(主に可視光波長域)が放出され、蛍光を発するスポット60に対応するフォトセンサ20に蛍光が入射して電子−正孔対が発生する。
その後、各フォトセンサ20,20,…のそれぞれの光量データを取得し、RAM72に記憶する。
〔11〕光量データの取得
化学発光基質81を含む溶液をウェル40に注入してから、蛍光体が生成され、蛍光が検出されるまでには時間差が生じる。そこで、CPU71による以下の処理により、蛍光強度が最大となるときの光量データを取得する。
図10は蛍光強度が最大となるときの光量データを取得する手順を示すフローチャートである。まず、CPU71を操作して、間隔をおいて発光検出を行うインターバル時間t1と、発光検出を行う最大時間t2(t1<t2)をセットし、RAM72に記憶させる(ステップS1)。ここで、インターバル時間t1は、フォトセンサ20による発光検出を行った後から再びフォトセンサ20による発光検出を行うまでの時間であり、最大時間t2は、酵素63により化学発光基質が加水分解され、生成した蛍光体から放出される蛍光量のピーク想定時間より長く、ピーク想定時間を超えて蛍光強度が減少するに至るまでの時間である。アルカリホスファターゼの場合、化学発光は概ね30分以内に蛍光量のピークが生じるので、最大時間t2を30分とし、インターバル時間t1は1分にセットする。
次に、CPU71は、まずn個のフォトセンサ20がそれぞれ対応するn個のスポット60の発光センシングを行い、その出力をA/D変換し、それぞれの値を蛍光強度に変換して光強度値A1〜AをRAM72に記憶する(ステップS2)。なお、本実施の形態では、スポット60の数が4つであるので、n=4である。
ここで4つのスポット60のうち1つをポジティブコントロールとして、ハイブリダイズによって生じる蛍光体とほぼ等量の蛍光体を固定化している。もう1つのスポット60をネガティブコントロールとして一本鎖のプローブDNA61を固定せず、残り二つのスポット60に互いに異なる塩基配列の一本鎖のプローブDNA61が多数集まった群集を固定化させる。
ネガティブコントロールのスポット60に対応するフォトセンサ20で受光強度をバックグラウンドノイズとして、プローブDNA61が固定化されたスポット60に対応するフォトセンサ20で受光強度を比較し、ハイブリダイゼーションが起こっているかどうか判断する。
すなわち、ポジティブコントロールとなるスポット60に対応する光強度値A1をRAM72に記憶し、ネガティブコントロールとなるスポット60に対応する光強度値A2をRAM72に記憶し、プローブDNA61が固定化されたスポット60に対応する2つの光強度値A3、A4をRAM72に記憶する。
次に、CPU71は、インターバル時間t1の経過を待つ(ステップS3)。その後、CPU71は、発光検出を行う最大時間t2に達したか否かを判断する(ステップS4)。ここで、発光検出を行う最大時間t2に達する後の場合、ピークが出るべき期間内に、ポジティブコントロールとなるスポット60に対応する光強度値A1のピークを検出できなかったとみなして測定に問題が生じたことになり終了する。
発光検出を行う最大時間t2に達する前は(ステップS4→No)、CPU71は、インターバル時間t1の経過後、再びn個のフォトセンサ20が発光センシングを行い、その出力をA/D変換後、さらに変換されたそれぞれの光強度値B1〜BをRAM72に記憶する(ステップS5)。ここで、光強度値A1〜Aに対応するスポット60は、それぞれ光強度値B1〜Bに対応するスポット60に一致する。
次に、前回の光強度A1>インターバル後の光強度B1であるか否かを判定する(ステップS6)。前回の光強度A1>インターバル後の光強度B1である場合には(ステップS6→Yes)、CPU71は、ポジティブコントロールとなるスポット60の光強度がピーク時の各スポット60の光強度値A1〜A4を最終的な光強度とみなす。
前回の光強度A1≦インターバル後の光強度B1である場合には(ステップS6→No)、CPU71は、ポジティブコントロールとなるスポット60の光強度がピーク時の各スポット60の光強度値A1〜A4をそれぞれインターバル後の光強度値B1〜B4に置換し、ステップ3に戻り、前回の光強度A1>インターバル後の光強度B1となるまで繰り返される。
〔12〕固体撮像デバイスの冷却
光量データを取得する間、固体撮像デバイス10の温度が上昇することによりフォトセンサ20の暗電流が増大するのを防ぐため、ノイズが増大し正確な光強度値を測定することが困難なため、ペルチェ素子30により固体撮像デバイス10を冷却する必要がある。
一方、化学発光基質81の反応速度は温度に比例するため、ウェル40内の温度を酵素63が失活しない程度に高温に維持することが好ましい。
そこで、CPU71は、光量データを取得する間、ペルチェ素子30に電力を供給することで、吸熱基板32により固体撮像デバイス10の熱を吸収し、排熱基板31より放熱することで、熱伝導材35を介してウェル40内を加熱する。
このように、固体撮像デバイス10を冷却することで、フォトセンサ20の暗電流を減らすことができるとともに、ウェル40内の温度を酵素63が失活しない程度に高温に維持することで、化学発光基質81の反応速度を上げることができる。
なお、ウェル40内から固体撮像デバイス10への熱伝導を妨げる程度に底板41が充分厚く、熱伝導材35からウェル40内への伝熱を妨げない程度に側壁42が充分薄いため、固体撮像デバイス10とウェル40内との温度差を維持することができる。
ここで、ペルチェ素子30に印加する電圧をV、ペルチェ素子30に流れる電流をI、ペルチェ素子の吸熱量をQcとすると、ペルチェ素子の放熱量Qhは、以下の式で表される。
Qh=Qc×V×I
なお、Qcはペルチェ素子が熱を放出する排熱基板31側の温度に比例する。
したがって、固体撮像デバイス10の温度が高い場合には、CPU71は電圧を上昇させることで冷却強度を上昇させることができる。反対に、固体撮像デバイス10の温度が低い場合には、CPU71は電圧を下降させることで冷却強度を低下させることができる。
作業者は、RAM72に記憶された各フォトセンサ20,20,…のそれぞれの光量データを出力装置77により出力することで得られた画像データより、各スポット60,60,…におけるハイブリダイゼーションの有無を確認することができる。ハイブリダイゼーションが起きていれば、そのスポット60のプローブDNA61と相補的な塩基配列のmRNAが細胞検体内で発現していることがわかる。
<変形例>
なお、上記実施形態においては、生体高分子分析チップ1で分析する試料として、検体内で発現しているmRNAから逆転写酵素により合成されたDNAを用いたが、検体内で発現している特定のタンパク質または糖鎖等を抗原と結合する抗体(以下、プローブ抗体という)をプローブとして用いてもよい。
具体的には、図11に示すように、生体高分子分析チップ1の各ウェル40にプローブ抗体64を含む溶液を滴下し、乾燥してスポット60を形成する。なお、各ウェル40に滴下されるプローブ抗体64はそれぞれ異なる抗原決定基を認識し、同じスポット60を形成するプローブ抗体64は同一の抗原決定基を認識する。このようなプローブ抗体64として、モノクローナル抗体を用いることができる。
次に、サンプルとなる抗原65を含む溶液(以下、サンプル溶液という)を各ウェル40内に注入する。
プローブ抗体64にサンプル溶液中の抗原65が結合するのに充分な時間が経過した後、ウェル40内のサンプル溶液をバッファー溶液で洗い流し、サンプル溶液中の抗原65のうちプローブ抗体64と結合しなかったものをウェル40内から除去する。
次に、各ウェル40に、プローブ抗体64が認識するのと同じ抗原65の異なる抗原決定基を認識する抗体66を酵素67で標識したもの(以下、酵素標識抗体という)の溶液(以下、酵素標識抗体溶液という)を注入する。
プローブ抗体64に結合した抗原65と酵素標識抗体66とが結合するのに充分な時間が経過した後、ウェル40内の酵素標識抗体溶液をバッファー溶液で洗い流し、酵素標識抗体溶液中の抗原65のうちプローブ抗体64と結合しなかったものをウェル40内から除去する。
以後、第1実施形態の〔10〕〜〔12〕と同様にして、各ウェル40に化学発光基質を含む溶液を注入し、分析装置70による光量データの計測動作を行う。
プローブ抗体64に抗原65が結合し、酵素67が標識化された酵素標識抗体66が抗原65に結合したウェル40では、酵素67により化学発光基質81が加水分解され、中間体を経て励起状態の蛍光体82が生成される。蛍光体82から放出される蛍光は、フォトセンサ20により検出される。
作業者は、RAM72に記憶された各フォトセンサ20,20,…のそれぞれの光量データを出力装置77により出力することで得られた画像データより、各スポット60,60,…における抗原65の有無を確認することができる。このため、ウェル40内の抗体の種類により、検体内でどのような抗原が発現しているかを直接確認することができる。
<第2の実施形態>
図12は本発明の第2の実施形態に係る生体高分子分析チップ101を示す側面図であり、図13は図12のXIII−XIII矢視断面図である。
本実施の形態では、ペルチェ素子130の排熱基板131と当接する放熱材(空冷フィン)137と、放熱材137に風を当てる空冷ファン138とが設けられている。また、吸熱基板132及び放熱材137には、温度計191,192が設けられている。なお、第1の実施形態と同様の構成については、下2桁に同符号を付して説明を割愛する。また、固体撮像デバイス10、ウェル40、スポット60については、第1の実施形態と同様の構成であるので、説明を割愛する。
図14は第2の実施形態に係る分析装置170の構成を示すブロック図である。分析装置170は、CPU171、RAM172、ROM173、トップゲートドライバ174、ボトムゲートドライバ175、ドレインドライバ176、出力装置177、駆動回路78を備え、さらに、空冷ファン138を回転させるモーター179を備える。
空冷ファン138はモーター179により駆動され、モーター179はCPU171により回転速度を調整される。温度計は例えばサーミスタであり、CPU71は、サーミスタの抵抗値(温度に比例)により吸熱基板132、放熱材137の温度を計測する。
CPU171は第1の実施形態のCPU71と同様の動作を行うとともに、温度計191,192の抵抗値より温度を算出するとともに、モーター179の回転数を制御する。
固体撮像デバイス10の温度が低下しすぎると、結露が生じる。このため、これを防ぐために固体撮像デバイス10を結露が生じない程度に冷却した一定温度に保つ必要がある。また、ウェル40内の温度が高温になりすぎると、酵素63,67が失活するおそれがある。
そこで、本実施形態においては、空冷ファン138により排熱基板31と当接する放熱材137に風を当てることで、排熱基板31の熱が外部に放出されるのを促進し、ウェル40内の温度が高温になるのを防止する。また、ペルチェ素子130に印加する電圧を調整することで、固体撮像デバイス10の温度が低下しすぎるのを防止する。
図15は、吸熱基板132及び放熱材137の温度に応じて、ペルチェ素子130に印加する電圧及び空冷ファン138の回転速度を調節するCPU171の動作を示すフローチャートである。
まず、CPU71は、空冷ファン138の回転速度を最低にセットする(ステップS21)。次に、CPU71は、ペルチェ素子130に印加する電圧を上げて固体撮像デバイス10を冷却させる(ステップS22)。
その後、CPU71は、計測された吸熱基板132の温度に基づいて固体撮像デバイス10を推定し、固体撮像デバイス10が目標の冷却温度以下に低下したか否かの判断を行う(ステップS23)。固体撮像デバイス10の温度が目標の冷却温度に達していない場合には(ステップS23→No)、CPU71はステップS22に戻り、ペルチェ素子130に印加する電圧を上げ、さらに固体撮像デバイス10を冷却する。
吸熱基板132の温度が目標の冷却温度に達した場合には(ステップS23→Yes)、CPU71は、計測された放熱材137の温度に基づいてウェル40内を推定し、ウェル40内が目標の放熱温度より高いか否かの判断を行う(ステップS24)。ウェル40内の温度が目標の放熱温度より高い場合には(ステップS24→Yes)、CPU71は、空冷ファン138の回転数を上昇させウェル40内を冷却させて(ステップS25)、ステップS24に戻る。放熱材137の放熱によっての温度が目標の放熱温度以下になったら(ステップS24→No)、CPU71は冷却動作を終了する。
以上の動作により、吸熱基板132の温度を目標の冷却温度まで下げることができるとともに、放熱材137の温度を目標の放熱温度以下まで下げることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、上記実施の形態では、プローブとして既知の塩基配列の一本鎖DNAや抗体を用いたが、その他の既知の生体高分子や低分子等を用いてもよい。例えば、抗原となるペプチドやタンパク、糖鎖、低分子リガンド、既知の細胞等を用いてもよい。
本発明の実施形態に係る生体高分子分析チップ1の概略平面図である。 図1のII矢視方向から見た側面図である。 図1のIII−III線に沿った矢視断面図である。 固体撮像デバイス10のフォトセンサ20を示す平面図である。 図4のV−V矢視断面図である。 分析装置70の構成を示すブロック図である。 酵素標識DNA62をプローブDNA61とハイブリダイゼーションさせる方法の説明図である。 酵素標識DNA62をプローブDNA61とハイブリダイゼーションさせる方法の説明図である。 酵素標識DNA62の検出方法の説明図である。 蛍光強度が最大となるときの光量データを取得する手順を示すフローチャートである。 抗原65の検出方法の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る生体高分子分析チップ101を示す側面図である。 図12のXIII−XIII矢視断面図である。 分析装置170の構成を示すブロック図である。 CPU171の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1,101 生体高分子分析チップ
2 撮像装置
10 固体撮像デバイス
30 ペルチェ素子
31 排熱基板
32 吸熱基板
33 p型半導体
34 n型半導体
35 熱伝導材
40 ウェル
60 スポット
61 プローブDNA
62 酵素標識DNA
63,67 酵素
64 プローブ抗体
65 抗原
66 酵素標識抗体

Claims (7)

  1. 光電変換素子を有する固体撮像デバイスと、
    前記光電変換素子の受光面側に配置されるウェルと、
    前記固体撮像デバイスの熱を前記ウェルに移動させる温度調整素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記温度調整素子は、前記ウェルが配置される開口を有する吸熱基板と、前記ウェルが配置される開口を有し前記吸熱基板と対向配置される排熱基板と、
    前記吸熱基板と前記排熱基板との間に挟持され、通電されることにより前記吸熱基板から前記排熱基板に熱を移動させる半導体と、を備え、
    前記吸熱基板は前記固体撮像デバイスを吸熱し、
    前記排熱基板は前記ウェルに排熱することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記排熱基板と当接し前記排熱基板の熱を外部に放出する放熱材をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記放熱材を冷却する空冷ファンをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の撮像装置と、前記ウェル内に設けられ、特定の生体高分子と結合するプローブとを備えることを特徴とする生体高分子分析チップ。
  6. 前記プローブは既知の塩基配列を含む一本鎖DNAを有することを特徴とする請求項5に記載の生体高分子分析チップ。
  7. 前記プローブは特定の抗原と結合する抗体であることを特徴とする請求項5に記載の生体高分子分析チップ。
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