JP2008283440A - 撮像装置及び生体高分子分析チップ - Google Patents

撮像装置及び生体高分子分析チップ Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換素子の出力に基づいて温度を測定できる撮像装置及び生体高分子分析チップを提供する。
【解決手段】二次元アレイ状に配列された複数の光電変換素子20と、光電変換素子20の少なくとも1つの受光面を覆う遮光材37と、光電変換素子20を冷却する温度調整部77と、光電変換素子20の出力電流を計測するとともに、温度調整部77を制御する制御部71aと、あらかじめ計測された、遮光材に37より受光面を覆われた光電変換素子20の測定下限温度T1における暗電流に対応する値HDが記憶される記憶部71bと、を備える撮像装置10である。制御部71aは、遮光材37により受光面を覆われた光電変換素子20aの暗電流に対応する値ΔAを計測し、計測した暗電流に対応する値ΔAが測定下限温度における暗電流に対応する値HDよりも小さい場合に温度調整部77の冷却強度を低下させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、撮像装置及び生体高分子分析チップに関する。
様々な生物種の遺伝子の発現解析を行うためにDNAチップや抗体チップ等の生体高分子分析チップやその読取装置が開発されている。生体高分子分析チップは、プローブとなる既知の塩基配列のcDNAや抗体をスライドガラス等の固体担体上にマトリックス状に整列固定させたものである。例えば、DNAチップ及びその読取装置を用いた遺伝子の発現解析は次のようにして行う。
まず、既知の塩基配列を有した複数種類のcDNA(以下、プローブDNAという)をスライドガラス等の固体担体に整列固定させたDNAチップを準備する。次に、検体からmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを合成し、標識物質で標識したものを用意する(以下、標識DNAという)。ここで、標識物質には蛍光体や化学発光基質、あるいは化学発光基質を発光させる酵素等を用いることができる。
次に、標識DNAをDNAチップ上に添加すると、標識DNAが相補的なプローブDNAとハイブリダイズすることによりDNAチップ上に固定される。
次いで、DNAチップを読取装置にセッティングし、読取装置にて分析する。読取装置は、DNAチップに対して二次元的に移動する集光レンズ及びフォトマルチプライヤーによってDNAチップを走査する標識物質により発した光を集光レンズで集光させ、光強度をフォトマルチプライヤーで計測することで、DNAチップの面内の光強度分布を計測し、これにより、DNAチップ上の光強度分布が二次元の画像として出力される。出力された画像内で光強度が大きい部分には、プローブDNAの塩基配列と相補的な塩基配列を有した標識DNAが含まれていることを表している。従って、二次元画像中のどの部分の蛍光強度が大きいかによって検体で発現しているmRNAを同定することができる。
また、複数の撮像素子を二次元アレイ状に配列してなる固体撮像デバイスの受光面にDNAや抗体等のプローブ分子をスポットした生体高分子分析チップが開発されている。このような生体高分子分析チップでは、スポットに付着した標識DNA等の生体高分子を標識する標識物質により発生する光を各光電変換素子により計測する。固体撮像デバイスの受光面にスポットが点在しており、受光面に付着された生体高分子と光電変換素子との間の距離が近いために標識物質から発した光があまり減衰せずに固体撮像デバイスの受光面に入射するため、僅かな光量でも計測が可能であるという利点がある。
ところで、撮像素子は温度が上昇すると暗電流が増大するため、ノイズが増大する。このため、撮像素子に温度センサーを設けるとともに、撮像素子を冷却する冷却装置により撮像素子を一定温度に保つことが行われる(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−118925号公報
しかし、上記のような生体高分子分析チップにおいて、撮像素子の温度を制御するためには、撮像素子の温度を計測する温度センサー及びそのインターフェース回路等が必要となり、装置が複雑になっていた。
本発明は、上記の問題を解決し、温度センサーを用いずに温度調節可能な撮像装置及び生体高分子分析チップを提供することを目的とする。
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数の光電変換素子と、前記光電変換素子の出力に基づいて温度を判定する制御部と、を備えることを特徴とする撮像装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の撮像装置において、前記光電変換素子の長キャリア蓄積時間での暗電流強度及び短キャリア蓄積時間での暗電流強度に応じて測定上限温度を設定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の撮像装置において、前記測定上限温度を越えないように前記光電変換素子の温度を調整する温度調整部をさらに備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、光電変換素子の測定下限温度或いは測定上限温度における暗電流に対応する値が記憶される記憶部をさらに備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1記載の撮像装置において、前記制御部は、測定上限温度時の前記光電変換素子の出力と測定下限温度時の前記光電変換素子の出力との差により温度を判定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置の受光面側に設けられ、特定の生体高分子と結合するプローブを備えることを特徴とする生体高分子分析チップである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の生体高分子分析チップであって、前記プローブは既知の塩基配列を有する一本鎖DNAであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の生体高分子分析チップであって、前記プローブは特定の抗原と結合する抗体であることを特徴とする。
本発明によれば、光電変換素子の出力に基づいて温度を測定できる撮像装置及び生体高分子分析チップを提供することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
〔1〕生体高分子分析チップの全体構成
図1は、本発明の実施形態に係る生体高分子分析チップ1の概略平面図であり、図2は、図1の切断面IIに沿った矢視断面図である。この生体高分子分析チップ1は、DNAを検出するDNAチップである。
この生体高分子分析チップ1は、図1、図2に示すように、固体撮像デバイス10と、固体撮像デバイス10の受光面側に設けられた枠状の隔壁51と、固体撮像デバイス10の受光面上に点在した複数のスポット60,60,…と、を具備する。
〔2〕固体撮像デバイス
ここで、図1、図2を用いて固体撮像デバイス10について説明する。図1、図2に示すように、固体撮像デバイス10は、透明基板17と、ボトムゲート絶縁膜22と、トップゲート絶縁膜29と、保護絶縁膜32と、励起光吸収層33と、スポット固定層35とを積層してなる。これらの層間に、複数のボトムゲートライン41、ソースライン42、ドレインライン43、トップゲートライン44、及び、ダブルゲートトランジスタ20を形成するボトムゲート電極21、半導体膜23、チャネル保護膜24、不純物半導体膜25,26、ソース電極27、ドレイン電極28、トップゲート電極31が適宜設けられている。
透明基板17は、後述する蛍光体が発する光を透過する性質(以下、光透過性という。)を有するとともに絶縁性を有し、石英ガラス等といったガラス基板又はポリカーボネート、PMMA等といったプラスチック基板である。
この固体撮像デバイス10においては、光電変換素子としてダブルゲート型電界効果トランジスタ(以下、ダブルゲートトランジスタという。)20が利用され、複数のダブルゲートトランジスタ20,20,…が透明基板17上において二次元アレイ状に特にマトリクス状に配列され、これらダブルゲートトランジスタ20,20,…が窒化シリコン(SiN)等の保護絶縁膜32によってまとめて被覆されている。
なお、図1では8行×8列のマトリクス状の二次元アレイを示すが、さらに多くの行及び列を有していてもよい。
図3はダブルゲートトランジスタ20を示す平面図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。図3、図4に示すように、ダブルゲートトランジスタ20,20,…は何れも、受光部である半導体膜23と、半導体膜23上に形成されたチャネル保護膜24と、ボトムゲート絶縁膜22を挟んで半導体膜23の下に形成されたボトムゲート電極21と、トップゲート絶縁膜29を挟んで半導体膜23の上に形成されたトップゲート電極31と、半導体膜23の一部に重なるよう形成された不純物半導体膜25と、半導体膜23の別の部分に重なるよう形成された不純物半導体膜26と、不純物半導体膜25に重なったソース電極27と、不純物半導体膜26に重なったドレイン電極28と、を備え、半導体膜23において受光した光量に従ったレベルの電気信号を出力するものである。
ボトムゲート電極21は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに透明基板17上に形成されている。また、透明基板17上には横方向に延在する複数本のボトムゲートライン41,41,…が形成されており、横方向に配列された同一の行のダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれのボトムゲート電極21が共通のボトムゲートライン41と一体となって形成されている。ボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41は、導電性及び遮光性を有し、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
ダブルゲートトランジスタ20,20,…のボトムゲート電極21及びボトムゲートライン41,41,…はボトムゲート絶縁膜22によってまとめて被覆されている。すなわち、ボトムゲート絶縁膜22は全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成された膜である。ボトムゲート絶縁膜22は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン(SiN)又は酸化シリコン(SiO2)からなる。
ボトムゲート絶縁膜22上には、複数の半導体膜23がマトリクス状に配列するよう形成されている。半導体膜23は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに独立して形成されており、それぞれのダブルゲートトランジスタ20においてボトムゲート電極21に対して対向配置され、ボトムゲート電極21との間にボトムゲート絶縁膜22を挟んでいる。半導体膜23は、平面視して略矩形状を呈しており、受光した蛍光の光量に応じた量の電子−正孔対を生成するアモルファスシリコン又はポリシリコンで形成された層である。
半導体膜23上には、チャネル保護膜24が形成されている。チャネル保護膜24は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに独立してパターニングされており、それぞれのダブルゲートトランジスタ20において半導体膜23の中央部上に形成されている。チャネル保護膜24は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。チャネル保護膜24は、パターニングに用いられるエッチャントから半導体膜23の界面を保護するものである。半導体膜23に光が入射すると、入射した光量に従った量の電子−正孔対がチャネル保護膜24と半導体膜23との界面付近を中心に発生するようになっている。この場合、半導体膜23にはキャリアとして正孔及び電子が発生する。
半導体膜23の一端部上には、不純物半導体膜25が一部、チャネル保護膜24に重なるようにして形成されており、半導体膜23の他端部上には、不純物半導体膜26が一部、チャネル保護膜24に重なるようにして形成されている。不純物半導体膜25,26は、ダブルゲートトランジスタ20ごとに独立してパターニングされている。不純物半導体膜25,26は、n型の不純物イオンを含むアモルファスシリコン(n+シリコン)からなる。
不純物半導体膜25上には、ソース電極27が形成され、不純物半導体膜26上には、ドレイン電極28が形成されている。ソース電極27及びドレイン電極28はダブルゲートトランジスタ20ごとに形成されている。縦方向に延在する複数本のソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…がボトムゲート絶縁膜22上に形成されている。縦方向に配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20,20,…のソース電極27は共通のソースライン42と一体に形成されており、縦方向に配列された同一の列のダブルゲートトランジスタ20,20,…のドレイン電極28は共通のドレインライン43と一体に形成されている。ソース電極27、ドレイン電極28、ソースライン42及びドレインライン43は、導電性及び遮光性を有しており、例えばクロム、クロム合金、アルミ若しくはアルミ合金又はこれらの合金からなる。
ダブルゲートトランジスタ20,20,…のソース電極27及びドレイン電極28並びにソースライン42,42,…及びドレインライン43,43,…は、トップゲート絶縁膜29によってまとめて被覆されている。トップゲート絶縁膜29は全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成された膜である。トップゲート絶縁膜29は、絶縁性及び光透過性を有し、例えば窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
トップゲート絶縁膜29上には、複数のトップゲート電極31がダブルゲートトランジスタ20ごとに形成されている。トップゲート電極31は、それぞれのダブルゲートトランジスタ20において半導体膜23に対して対向配置され、半導体膜23との間にトップゲート絶縁膜29及びチャネル保護膜24を挟んでいる。また、トップゲート絶縁膜29上には横方向に延在する複数本のトップゲートライン44,44,…が形成されており、横方向に配列された同一の行のダブルゲートトランジスタ20,20,…のトップゲート電極31が共通のトップゲートライン44と一体に形成されている。トップゲート電極31及びトップゲートライン44は、導電性及び光透過性を有し、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
ダブルゲートトランジスタ20,20,…のトップゲート電極31及びトップゲートライン44,44,…は保護絶縁膜32によってまとめて被覆され、保護絶縁膜32は全てのダブルゲートトランジスタ20,20,…に共通して形成された膜である。保護絶縁膜32は、絶縁性及び光透過性を有し、窒化シリコン又は酸化シリコンからなる。
保護絶縁膜32の上面には、後述する蛍光体64の励起光を吸収する励起光吸収層33が設けられている。励起光吸収層33は、後述する蛍光体64の蛍光に対して高い透過性を示すものが好ましい。
励起光吸収層33の上面には、スポット固定層35が設けられている。スポット固定層35は、スポット60となる後述するプローブと共有結合または静電結合することで、スポットを固定する。スポット固定層35が設けられた側の面が、固体撮像デバイスの受光面となる。
さらに、少なくとも1つの温度測定用のダブルゲートトランジスタ20aの上部には、スポット固定層35の上部に、遮光材37が設けられている。なお、図1では、左上のダブルゲートトランジスタ20aの上に遮光材37が設けられている。遮光材37は、半導体膜23へ可視光や紫外線が侵入することを防止する。遮光材37には、例えば遮光用の金属や、酸化クロム、酸化チタン等の金属酸化物、不透明な絶縁膜等を用いることができる。
遮光材37が設けられたダブルゲートトランジスタ20aは、光検出に用いられず、後述するように、固体撮像デバイス10の温度を計測するのに用いられる。
以上のように構成された固体撮像デバイス10は、スポット固定層35の表面を受光面としており、遮光材37が設けられたものを除く各ダブルゲートトランジスタ20の半導体膜23において受光した光量を電気信号に変換するように設けられている。
〔3〕スポット
図1、図2に示すように、固体撮像デバイス10の受光面にはスポットが形成されている。各スポット60は、プローブDNA61となる既知の塩基配列のcDNAや抗体等の溶液をスポット固定層35上に滴下し、乾燥して形成される。以下ではプローブとして既知の塩基配列のcDNAを用いた場合について説明する。
1つのスポット60では同じ塩基配列の一本鎖のプローブDNA61が多数集まった群集が固体撮像デバイス10の受光面に固定化され、スポット60ごとにプローブDNA61は異なる塩基配列となっている。プローブDNA61としては、既知のmRNAの塩基配列、またはその一部と同一の、あるいは相補的な塩基配列のDNAが用いられる。具体的には、例えば、後述する蛍光標識DNAで用いるのと同じ細胞検体から作成したcDNAライブラリを用いることができる。
1つのスポット60はダブルゲートトランジスタ20上に重なるように形成されている。なお、1つのスポット60に重なったダブルゲートトランジスタ20の数は異なっていてもよい。また、図1では2×2個のスポット60が形成されているが、スポット60の数は固体撮像デバイス10の大きさに合わせた任意の数にすることができる。
〔4〕隔壁
隔壁51はスポット固定層35上に密着され、固体撮像デバイス10の受光面にウェル52を形成する。隔壁51は不透明であり、外部から入射された光が隔壁51を透過して進入することを防いでいる。
〔5〕分析装置
生体高分子分析チップ1を分析装置70にセッティングして生体高分子分析チップ1を用いるので、まず分析装置70について説明する。図5は分析装置70の構成を示すブロック図である。
図5に示すように、分析装置70は、生体高分子分析チップ1に接続され、固体撮像デバイス10を駆動するトップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75、ドレインドライバ76と、これらを制御するコンピュータ71と、コンピュータ71から出力された信号により出力(表示又はプリント)を行う出力装置72と、コンピュータ71により制御される励起光照射装置73と、温度調整部77と、温度調整部77を制御する制御回路78とを備える。
コンピュータ71は、CPU71a、RAM71b、ROM71c等を備える。CPU71aは、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76に制御信号を出力することによって、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76に固体撮像デバイス10の駆動動作を行わせる機能を有する。また、コンピュータ71は入力した二次元の画像データ画像データに従った画像を出力装置72に出力させる機能を有する。
RAM71bには、後述するように、長キャリア蓄積時間の暗電流強度LD,短キャリア蓄積時間の暗電流強度SD,長キャリア蓄積時間の暗電流強度LDと短キャリア蓄積時間の暗電流強度SDとの差ΔA,ステップ値ST等の値が記録されるとともに、ROM71cから読み出された、固体撮像デバイス10の測定下限温度T1に対応する階調差ΔAの値(HD)、測定上限温度T2に対応する階調差ΔAの値(CD)が記憶される。測定下限温度T1は、それ未満の温度で固体撮像デバイス10が結露等によって正常に動作できない恐れがある温度であり、測定上限温度T2は、それより温度が高いと、温度の上昇に対し階調差ΔAが飛躍的に上昇する温度であり、階調差ΔAと温度の相関関係により求められる。測定下限温度T1〜測定上限温度T2の間では、結露等の障害がなく、またキャリア蓄積時間が長くても暗電流が大きくならないので、安定したセンシングが可能となる。
ROM71cには、階調差ΔAの値が固体撮像デバイス10の温度Tと対応付けて格納されている。
また、コンピュータ71はドレインドライバ76から入力した電気信号をA/D変換するA/Dコンバータを備え、固体撮像デバイス10の受光面に沿った光強度分布を二次元の画像データとして取得する機能を有する。
出力装置72はプロッタ、プリンタ又はディスプレイである。
励起光照射装置73は、後述する蛍光体を励起する励起光を生体高分子分析チップ1に照射する。
生体高分子分析チップ1が分析装置70にセッティングされた場合には、固体撮像デバイス10のトップゲートライン44,44,…がトップゲートドライバ74の端子に、ボトムゲートライン41,41,…がボトムゲートドライバ75の端子に、ドレインライン43,43,…がドレインドライバ76の端子に、それぞれ接続されるようになっている。また、生体高分子分析チップ1が分析装置70にセッティングされた場合、固体撮像デバイス10のソースライン42,42,…が一定電圧源に接続され、この例ではソースライン42,42,…が接地されるようになっている。
トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76は、協同して固体撮像デバイス10を駆動するものである。
トップゲートドライバ74は、シフトレジスタである。つまり、図6に示すように、トップゲートドライバ74はトップゲートライン44,44,…にリセットパルスを順次出力するようになっている。リセットパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルである。一方、トップゲートドライバ74は、リセットパルスを出力しない時にキャリアを蓄積するためのローレベルの−20〔V〕の電位をそれぞれのトップゲートライン44に印加するようになっている。
ボトムゲートドライバ75は、シフトレジスタである。つまり、図6に示すように、ボトムゲートライン41,41,…にリードパルスを順次出力するようになっている。リードパルスのレベルは+10〔V〕のオンレベル(ハイレベル)であり、リードパルスが出力されていない時のレベルは±0〔V〕のオフレベル(ローレベル)である。
トップゲートドライバ74が何れかの行のトップゲートライン44にリセットパルスを出力した後にキャリア蓄積期間を経てボトムゲートドライバ75が同じ行のボトムゲートライン41にリードパルスを出力するように、トップゲートドライバ74及びボトムゲートドライバ75が出力信号をシフトする。つまり、各行では、リードパルスが出力されるタイミングは、リセットパルスが出力されるタイミングより遅れている。また、何れかの行のトップゲートライン44へのリセットパルスの入力が開始してから、同じ行のボトムゲートライン41へのリードパルスの入力が終了するまでの期間は、その行の選択期間である。リセットパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルであり、リセットパルスが出力されていない時のレベルは−20〔V〕のローレベルである。
図6に示すように、ドレインドライバ76は、それぞれの行の選択期間において、リセットパルスが出力されてからリードパルスが出力されるまでの間に、全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスを出力するようになっている。プリチャージパルスのレベルは+5〔V〕のハイレベルであり、プリチャージパルスが出力されていない時のレベルは±0〔V〕のローレベルである。また、ドレインドライバ76は、プリチャージパルスの出力後にドレインライン43,43,…の電圧を増幅してコンピュータ71のA/Dコンバータに出力するようになっている。
〔5−1〕撮像動作
ここで、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76による固体撮像デバイス10の通常の撮像動作について説明する。
トップゲートドライバ74が1行目のトップゲートライン44から最終行目のトップゲートライン44へと順次リセットパルスを出力し、ボトムゲートドライバ75がボトムゲートライン41,41,41,…に順次リードパルスを出力する。その際、ドレインドライバ76が各行でリセットパルスが出力されているリセット期間と各行でリードパルスが出力されている期間との間に、プリチャージパルスを全てのドレインライン43,43,…に出力する。
i行目の各ダブルゲートトランジスタ20の動作について詳細に説明する。図6に示すように、トップゲートドライバ74がi行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力すると、i行目のトップゲートライン44がハイレベルになる。i行目のトップゲートライン44がハイレベルになっている間(この期間をリセット期間という。)、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20では、半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積されたキャリア(ここでは、正孔である。)が、トップゲート電極30の電圧により反発して吐出される。
次に、トップゲートドライバ74がi行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力することを終了して、半導体膜23に蛍光が入射することによって半導体膜23内に生成された電子−正孔対のうちの正孔を電気的に捕捉するためのするため負電位(−20〔V〕をトップゲートライン44に出力する。つまり、i行目のトップゲートライン44のリセットパルスが終了してから、i行目のボトムゲートライン41にリードパルスが出力されるまでの間(この期間をキャリア蓄積期間という。)、光量に従った量の電子−正孔対が半導体膜23内で生成されるが、そのうちの正孔がトップゲート電極30の電界により半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積される。
次に、キャリア蓄積期間中に、ドレインドライバ76が全てのドレインライン43,43,…にプリチャージパルスを出力する。プリチャージパルスが出力されている間(プリチャージ期間という。)では、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20においては、トップゲート電極30に印加されている電位が−20〔V〕であり、この負電界によって半導体膜23内や半導体膜23とチャネル保護膜24との界面近傍に蓄積された正孔による電界は、必然的に負電界を完全に相殺して半導体膜23のチャネル領域にnチャネルを形成する程度の正電界には成り得ず、ボトムゲート電極21に印加されている電位が±0〔V〕であるため、ドレイン電極28とソース電極27との間にプリチャージパルスの電位差が生じても半導体膜23にはチャネルが形成されず、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流は流れない。プリチャージ期間において、ドレイン電極28とソース電極27との間に電流が流れないため、ドレインライン43,43,…に出力されたプリチャージパルスによってi行目の各ダブルゲートトランジスタ20のドレイン電極28に電荷がチャージされる。
次に、ドレインドライバ76がプリチャージパルスの出力を終了するとともに、ボトムゲートドライバ75がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力する。ボトムゲートドライバ75がi行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力している間(この期間を、リード期間という。)では、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20のボトムゲート電極21に+10〔V〕の電位が印加されているため、i行目の各ダブルゲートトランジスタ20がオン状態になる。
リード期間においては、キャリア蓄積期間において蓄積されたキャリアがトップゲート電極30の負電界を緩和するように働くため、入射される光量が十分あってキャリアの量が十分あれば、ボトムゲート電極21の正電界とあわせて半導体膜23にnチャネルが形成されて、ドレイン電極28からソース電極27に電流が流れるようになる。従って、リード期間では、ドレインライン43,43,…の電圧は、ドレイン−ソース間電流によって時間の経過とともに徐々に低下する傾向を示す。
ここで、キャリア蓄積期間において半導体膜23に入射した光量が多くなるにつれて、蓄積されるキャリアも多くなり、蓄積されるキャリアが多くなるにつれて、リード期間においてドレイン電極28からソース電極27に流れる電流のレベルも大きくなる。従って、リード期間におけるドレインライン43,43,…の電圧の減少傾向は、キャリア蓄積期間で半導体膜23に入射した光量に深く関連する。
そして、i行目のリード期間から次の(i+1)行目のプリチャージ期間までの間に、ドレインドライバ76を介して、リード期間が開始してから所定の時間経過後のドレインライン43,43,…の電圧を検出し、A/Dコンバータが蛍光の輝度階調0〜255の値にA/D変換する。なお、ドレインライン43の電圧がプリチャージパルスと同じ+5〔V〕であればA/Dコンバータの出力は階調0であり、0〔V〕であれば階調255である。これにより、光の強度が0〜255の値に換算される。
なお、i行目のリード期間から次の(i+1)行目のプリチャージ期間までの間に、ドレインドライバ76を介して、所定の閾値電圧に至るまでの時間を検出しても良い。この場合でも、光の強度に換算される。また、図6では、トップゲートドライバ74の(i+1)行目のリセットパルスの立ち上がり時期は、ボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスが立ち下がってからであるが、これに限らず、トップゲートドライバ74の(i+1)行目のリセットパルスの立ち上がり時期は、トップゲートドライバ74のi行目のリセットパルスの立ち下がり直後からボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスの立ち下がりまでの間であってもよい。ただし、(i+1)行目のダブルゲートトランジスタ20のためにドレインライン43,43,…に出力されたプリチャージパルスの出力は、ボトムゲートドライバ75のi行目のリードパルスの立ち下がり以降になるように設定されている。
上述した一連の画像読み取り動作を1サイクルとして、全ての行の各ダブルゲートトランジスタ20にも同等の処理手順を繰り返すことにより、生体高分子分析チップ1上の光の強度分布が画像として取得される。そして、光強度分布を表した画像は、コントローラに入力される。
〔5−2〕暗電流(リーク電流)の計測
なお、本実施の形態では、遮光材37を設けた温度測定用のダブルゲートトランジスタ20aを、後述するように固体撮像デバイス10の温度制御に用いている。
すなわち、遮光材37を設けたダブルゲートトランジスタ20aでは、後述するハイブリダイゼーションによる蛍光が入射されていないにもかかわらず、ノイズとなる暗電流が流れる。暗電流は、一般的に温度とキャリア蓄積時間との関数であり、長キャリア蓄積時間(例えば30秒)以上では、単位時間当たりの暗電流がある温度を越えると指数関数的に増加する特性を持っている。
したがって、事前にダブルゲートトランジスタ20aの出力に対応するA/Dコンバータの出力階調値と温度Tとの関係を記録しておき、実際にダブルゲートトランジスタ20aの出力に対応するA/Dコンバータの出力階調値と記録した出力値とを比較することで、固体撮像デバイス10の温度を計測することができる。
以下、キャリア蓄積時間を長時間(30秒)とした場合と、短時間(12ミリ秒)とする場合にA/Dコンバータの出力値を得る方法について、具体的に説明する。
まず、トップゲートドライバ74が1行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力する。
次に、キャリア蓄積期間中に、ドレインドライバ76が1列目のドレインライン43にプリチャージパルスを出力する。
キャリア蓄積時間が30秒の場合には、1行目のトップゲートライン44のリセットパルスが終了してから30秒後に、ドレインドライバ76がプリチャージパルスの出力を終了するとともに、ボトムゲートドライバ75が1行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力する。
ここで、キャリア蓄積期間が長くなるにつれて、暗電流も多くなり、暗電流が多くなるにつれて、リード期間においてドレイン電極28からソース電極27に流れる電流のレベルも大きくなる。従って、リード期間におけるドレインライン43の電圧の減少傾向は、暗電流に深く関連する。
そして、リードパルスの出力が終了してから次のプリチャージパルスが出力されるまでの間に、ドレインドライバ76を介して、リード期間が開始してから所定の時間経過後のドレインライン43の電圧を検出し、A/Dコンバータが階調0〜255の値にA/D変換する。なお、ドレインライン43の電圧がプリチャージパルスである+5〔V〕に近いほどA/Dコンバータの出力は最低輝度階調の0階調に近づき、0〔V〕に近いほど最高輝度階調の255階調に近づく。これにより、暗電流量が0〜255階調の値に換算される。このときのA/Dコンバータの出力値を長キャリア蓄積時間の暗電流強度LDとしてコンピュータ71のRAM71bに記憶される。なお、固体撮像デバイス10の温度が測定下限温度T1から少なくとも測定上限温度T2に至るまでの各長キャリア蓄積時間の暗電流強度LDが測定されている。
同様に、キャリア蓄積時間が12ミリ秒の場合には、トップゲートドライバ74が1行目のトップゲートライン44にリセットパルスを出力した後、キャリア蓄積期間中に、ドレインドライバ76が1列目のドレインライン43にプリチャージパルスを出力する。
そして、1行目のトップゲートライン44のリセットパルスが終了してから12ミリ秒後に、ドレインドライバ76がプリチャージパルスの出力を終了するとともに、ボトムゲートドライバ75が1行目のボトムゲートライン41にリードパルスを出力する。
そして、リードパルスの出力が終了してから次のプリチャージパルスが出力されるまでの間に、ドレインドライバ76を介して、リード期間が開始してから所定の時間経過後のドレインライン43の電圧を検出し、A/Dコンバータが0〜255階調の値にA/D変換する。このときのA/Dコンバータの出力値を短キャリア蓄積時間の暗電流強度SDとしてコンピュータ71のRAM71bに記憶される。なお、固体撮像デバイス10の温度が測定下限温度T1から少なくとも測定上限温度T2に至るまでの各短キャリア蓄積時間の暗電流強度SDが測定されている。
図7はキャリア蓄積時間を30秒、12ミリ秒としたときの、ダブルゲートトランジスタ20aのドレインライン43の電圧に対応するA/Dコンバータの出力階調値(0〜255)と温度Tとの関係を示すグラフである。図7に示すように、長キャリア蓄積時間と短キャリア蓄積時間のA/Dコンバータの出力値の差分を階調差ΔA(=LD−SD)とすると、階調差ΔAは測定時の温度がT2を超えるあたりから温度Tが高くなるにしたがって飛躍的に増大する。一方階調差ΔAは温度がT未満であれば、温度Tの低下にしたがって減少していく。
したがって、固体撮像デバイス10の温度Tを測定下限温度T1(例えば5℃)と測定上限温度T2(例えば10℃)の間で制御するには、測定下限温度T1における階調差ΔAの値を階調差HD、測定上限温度T2における階調差ΔAの値を階調差CDとすると、階調差ΔAが測定上限温度T2時の階調差CDより大きければ、必然的に階調差ΔAを測定時の温度は測定上限温度T2より高く、階調差ΔAが測定下限温度T1時の階調差HDより小さければ、必然的に階調差ΔAを測定時の温度は測定下限温度T1より低いということになり、HD≦ΔA≦CDとなるように、後述する温度調整部77を制御すればよい。
〔6〕温度調整部
図8に示すように、温度調整部77は固体撮像デバイス10とともに熱伝導板79の上に載置され、熱伝導板79を冷却することにより固体撮像デバイス10を冷却する。制御回路78はコンピュータ71から入力されるステップ値STに比例して温度調整部77の温度を調節する。ステップ値STにより温度を調節可能な温度調整部77としては、例えばペルチェ素子を用いることができる。
以下、温度調整部77による温度調整方法について図9のフローチャートを用いて説明する。
まず、温度調整部77による冷却を開始する前に、測定下限温度T1及び測定上限温度T2を設定する。すると、コンピュータ71のCPU71aは測定下限温度T1における階調差HD、測定上限温度T2における階調差CDをROM71cより読み出し、RAM71bに記憶する。
次に、CPU71aは、ステップ値STを0としてRAM71bに書き込む(ステップS1)。このとき、温度調整部77は初期状態であり、まだ冷却を開始していない。
次に、CPU71aは、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75、ドレインドライバ76を駆動し、長時間のキャリア蓄積期間により得られる1列目のドレインライン43の出力をA/DコンバータによりA/D変換した出力値(LD)をRAM71bに記憶する(ステップS2)。同様に、コンピュータ71は、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75、ドレインドライバ76を駆動し、短時間のキャリア蓄積期間により得られる1列目のドレインライン43の出力をA/DコンバータによりA/D変換した出力値(SD)をRAM71bに記憶する(ステップS3)。
次に、CPU71aは、階調差ΔA(=LD−SD)を算出し、RAM71bに記憶する(ステップS4)。
次に、CPU71aは、階調差ΔAがRAM71bに記憶された階調差CDの値以下であるか否かについて判断する(ステップS5)。階調差ΔAが階調差CD以下ではない場合(ステップS5→No)には、CPU71aはステップ値STに1を加算する(ステップS6)。これにより、温度調整部77の冷却強度が上昇し、固体撮像デバイス10の温度が低下する。
その後、CPU71aは次の制御間隔分の時間を待ち(ステップS7)、ステップS2に戻る。ここで、次の制御間隔分の時間は、ステップ値STの変化により固体撮像デバイス10の温度が変化するのに充分な時間である。
階調差ΔAが階調差CD以下の場合(ステップS5→Yes)には、CPU71aは、階調差ΔAがRAM71bに記憶された階調差HDの値以上であるか否かについて判断する(ステップS8)。階調差ΔAが階調差HD以上の場合(ステップS8→Yes)には、CPU71aは、次の制御間隔分の時間を待ち(ステップS7)、ステップS2に戻る。
階調差ΔAが階調差HD未満である場合(ステップS8→No)には、CPU71aは、ステップ値STから1を減算する(ステップS9)。これにより、温度調整部77の冷却強度が下降し、固体撮像デバイス10の温度が上昇する。
その後、CPU71aは次の制御間隔分の時間を待ち(ステップS7)、ステップS2に戻る。
上記ステップを繰り返すことにより、階調差ΔAが階調差HDと階調差CDとの間に制御されるため、温度センサーを用いずに、固体撮像デバイス10の温度を測定下限温度T1以上、測定上限温度T2以下の間に制御することができる。このため、撮像デバイス10の温度が測定下限温度T1以下に低下することによる結露が抑制され、、測定上限温度T2以下なのでキャリア蓄積時間を長くしても、暗電流の増大を抑えることができる。このため、キャリア蓄積時間(露光時間)を長くして光感度(光量)を増大させてS/N比を向上させることができる。
なお、T2=T1とすることで、固体撮像デバイス10を設定した温度T1に調節することができる。
〔7〕蛍光標識DNAの作成
上記生体高分子分析チップ1で分析する試料としては、DNAを用いることができる。試料となるDNAとしては、任意の細胞検体内で発現しているmRNAを抽出し、逆転写酵素を用いるRT−PCR反応により得られたcDNAを用いることができる。cDNAは蛍光体で標識する。蛍光体は、分析装置の励起光照射装置から出射される励起光で励起されるものであってその励起光によって蛍光を発するものを選択するが、蛍光体としては、例えばCyDyeのCy2(アマシャム社製)がある。
cDNAを蛍光体で標識するには、例えば、蛍光体で標識されたオリゴdTプライマや、標識されたdNTPミックスを用いてRT−PCR反応を実施すればよい。以下では、この標識されたcDNAを蛍光標識DNAという。
〔8〕ハイブリダイゼーション
以下、蛍光標識DNAをプローブDNA61とハイブリダイゼーションさせる方法について説明する。まず、作業者が、図10に示すように、蛍光体64で標識した蛍光標識DNA62を含有した溶液(以下、蛍光標識DNA溶液という)をウェル52内に注入する。なお、蛍光標識DNA溶液をウェル52内のスポット60,60,…に順次又は同時に滴下してもよい。このとき、蛍光標識DNA62及びプローブDNA61が一本鎖となるように蛍光標識DNA溶液は加熱されている。
次いで、プローブDNA61と蛍光標識DNA62とがハイブリダイゼーションを引き起こすように、生体高分子分析チップ1のウェル52を所定の温度に冷却する。すると、図11に示すように、ウェル52内に注入された蛍光標識DNA溶液内の蛍光標識DNA62のうち、スポット60のプローブDNA61と相補的なものは、プローブDNA61とハイブリダイズする。一方、プローブDNA61と相補的ではない蛍光標識DNA62は、そのスポット60には結合しない。
その後、ウェル52内の蛍光標識DNA溶液を洗浄用バッファー溶液で洗い流し、蛍光標識DNA62のうちプローブDNA61とハイブリダイズしなかったものをウェル52内から除去する。
〔9〕サンプルの検出
次に、蛍光標識DNA62の検出方法について図12を用いて説明する。
上記処理を行った後、図12に示すように生体高分子分析チップ1を、分析装置70にセッティングし、トップゲートドライバ74、ボトムゲートドライバ75及びドレインドライバ76をコンピュータ71に接続し、コンピュータ71を起動する。
そして、コンピュータ71は、上述のように固体撮像デバイス10の温度が測定下限温度T1と、測定上限温度T2との間となるように、制御回路78を用いて温度調整部77を制御する。
次に、コンピュータ71により励起光照射装置73を制御し、生体高分子分析チップ1に励起光Lを照射する。
蛍光標識DNA62がプローブDNA61に結合したスポット60からは、励起光Lにより励起された蛍光体64が励起状態から基底状態に遷移するときに蛍光F(主に可視光波長域)が放出される。放出された蛍光Fは励起光吸収層33を透過してダブルゲートトランジスタ20に入射する。
蛍光Fが入射したダブルゲートトランジスタ20では電子−正孔対が発生する。なお、励起光Lは励起光吸収層33により吸収されるため、ダブルゲートトランジスタ20に励起光Lが入射して電子−正孔対を発生させることはなく、励起光Lによるノイズを低減することができる。
その後、コンピュータ71は、上述の撮像動作を行い、各ダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれの光量データを取得し、RAM71bに記憶する。
作業者は、RAM71bに記憶された各ダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれの光量データを出力装置72により出力することで得られた画像データより、各スポット60,60,…におけるハイブリダイゼーションの有無を確認することができる。ハイブリダイゼーションが起きていれば、そのスポット60のプローブDNA61と相補的な塩基配列のmRNAが細胞検体内で生成されていることがわかる。このため、蛍光Fが検出されたスポット60のプローブDNA61の種類により、検体内でどのような遺伝子が発現しているかを直接確認することができる。
<変形例>
次に、本実施の形態の変形例に係る生体高分子分析チップ101について説明する。この生体高分子分析チップ101は、抗原タンパクを検出する抗体チップである。
本実施の形態に係る生体高分子チップ101には、スポット80にプローブ抗体81が用いられている点を除き、固体撮像デバイス110、分析装置170等の構成については生体高分子分析チップ1と同様であり、同様の構成については下2桁に同符号を付して説明を割愛する。
なお、図示しないが、固体撮像デバイス110の少なくとも1つのダブルゲートトランジスタ120aの上部には、スポット固定層135の上部に、遮光材137が設けられている。
抗体チップでは、プローブとして、検出する既知のタンパク質や糖鎖等の抗原と結合する抗体(以下、プローブ抗体という)を用いる。
具体的には、図13に示すように、生体高分子分析チップ101のウェル52にプローブ抗体81を含む溶液を滴下し、乾燥してスポット80を形成する。なお、ウェル52に滴下されるプローブ抗体81はそれぞれ異なるタンパク質を抗原とし、同じスポット80を形成するプローブ抗体81は同一の抗原決定基を認識する。プローブ抗体81となる抗体としては、モノクローナル抗体を用いることができる。
次に、サンプルとなる抗原82を含む溶液(以下、サンプル溶液という)をウェル52内に注入する。
プローブ抗体81にサンプル溶液中の抗原82が結合するのに充分な時間が経過した後、ウェル52内のサンプル溶液をバッファー溶液で洗い流し、サンプル溶液とともに抗原82のうちプローブ抗体81と結合しなかったものをウェル52内から除去する。
次に、ウェル52に、プローブ抗体81が認識するのと同じ抗原82の異なる抗原決定基を認識する抗体を蛍光体84で標識したもの(以下、蛍光標識抗体83という)の溶液(以下、蛍光標識抗体溶液という)を注入する。
プローブ抗体81に結合した抗原82と蛍光標識抗体83とが結合するのに充分な時間が経過した後、ウェル52内の蛍光標識抗体溶液をバッファー溶液で洗い流し、蛍光標識抗体溶液中の蛍光標識抗体83のうち抗原82と結合しなかったものをウェル52内から除去する。
以後、第1実施形態の〔9〕サンプルの検出と同様にして、分析装置170による固体撮像デバイス110の冷却及び光量データの計測動作を行う。
図13に示すように、プローブ抗体81に抗原82が結合し、抗原82に蛍光標識抗体83が結合したスポット80では、各スポット80上に照射された励起光Lにより蛍光標識抗体83の蛍光体84が励起される。励起状態の蛍光体84が基底状態に遷移するときに蛍光Fが放出される。放出された蛍光Fは、ダブルゲートトランジスタ20により検出される。
作業者は、RAM171bに記憶された各ダブルゲートトランジスタ20,20,…のそれぞれの光量データを出力装置172により出力することで得られた画像データより、各スポット80,80,…における抗原82の有無を確認することができる。このため、蛍光Fが検出されたスポット80のプローブ抗体81の種類により、検体内でどのようなタンパク質(抗原82)が生成されているかを直接確認することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行ってもよい。
例えば、上記実施形態では、プローブとして既知の塩基配列の一本鎖DNAや抗体を用いたが、その他の既知の生体高分子や低分子等を用いてもよい。例えば、抗原となるペプチドやタンパク、糖鎖、低分子リガンド、既知の細胞等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、蛍光物質を用いてサンプルを検出したが、化学発光基質を用いてサンプルを検出してもよい。
また上記実施形態では、温度測定用のダブルゲートトランジスタ20aに遮光材37を配置させたが、測定時に周囲が暗くなるように設定すれば、遮光材37は必要なく、ハイブリダイゼーションを測定するダブルゲートトランジスタ20の少なくとも1つが温度測定用のダブルゲートトランジスタ20aを兼用することができる。
なお、暗電流を求める際の長キャリア蓄積時間を30秒、短キャリア蓄積時間を12ミリ秒としたが、センサの感度に応じて適宜短くなっても或いは長くなってもよい。
本発明の実施形態に係る生体高分子分析チップ1の概略平面図である。 図1の切断面IIに沿った矢視断面図である。 ダブルゲートトランジスタ20を示す平面図である。 図3のIV−IV矢視断面図である。 分析装置70の構成を示したブロック図である。 固体撮像デバイス10に出力される電気信号のレベルの推移を示したタイミングチャートである。 ダブルゲートトランジスタ20aのドレインライン43の電圧に対応するA/Dコンバータの出力階調値と温度Tとの関係を示すグラフである。 温度調整部77及び固体撮像デバイス10が載置された熱伝導板79を示す側面図である。 温度調整部77による温度調整方法を示すフローチャートである。 蛍光標識DNA62をプローブDNA61とハイブリダイゼーションさせる方法についての説明図である。 蛍光標識DNA62をプローブDNA61とハイブリダイゼーションさせる方法についての説明図である。 蛍光標識DNA62の検出方法についての説明図である。 生体高分子分析チップ101を示す断面図である。
符号の説明
1,101 生体高分子分析チップ
10,110 固体撮像デバイス(撮像装置)
20,20a,120 ダブルゲートトランジスタ
37 遮光材
60,80 スポット
61 プローブDNA
62 蛍光標識DNA
64,84 蛍光体
65 抗原
71 コンピュータ
71a CPU(制御部)
71b RAM(記憶部)
77 温度調整部
81 プローブ抗体
82 抗原
83 蛍光標識抗体
1 測定下限温度
2 測定上限温度

Claims (8)

  1. 複数の光電変換素子と、
    前記光電変換素子の出力に基づいて温度を判定する制御部と、
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記光電変換素子の長キャリア蓄積時間での暗電流強度及び短キャリア蓄積時間での暗電流強度に応じて測定上限温度を設定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  3. 前記測定上限温度を越えないように前記光電変換素子の温度を調整する温度調整部をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
  4. 光電変換素子の測定下限温度或いは測定上限温度における暗電流に対応する値が記憶される記憶部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  5. 前記制御部は、測定上限温度時の前記光電変換素子の出力と測定下限温度時の前記光電変換素子の出力との差により温度を判定することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
  6. 請求項1に記載の撮像装置の受光面側に設けられ、特定の生体高分子と結合するプローブを備えることを特徴とする生体高分子分析チップ。
  7. 前記プローブは既知の塩基配列を有する一本鎖DNAであることを特徴とする請求項6に記載の生体高分子分析チップ。
  8. 前記プローブは特定の抗原と結合する抗体であることを特徴とする請求項6に記載の生体高分子分析チップ。
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