JP2008284047A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】交換不要な部品を最大限筐体側に据え置き可能とし、よりコストパフォーマンスに優れ、機種変更における交換作業の作業労力を削減可能な遊技機を提供する。
【解決手段】前記交換ユニット(2)を前記筐体(1)内部の前記中板(12)に固定した後、前記パネルユニット(30)は前記リールユニット(20)に軸支された状態のままで前記前扉(3)に固定されるとともに、前記パネルユニット(30)の前記データ格納部材(80)が、前記前扉(3)の前記演出制御基板(60)に接続されるように形成されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

この発明は、分離型スロットマシンなどのリールユニット及び主制御基板を一体に取り扱い可能とした交換ユニットを、遊技機の筐体に対して着脱自在かつ交換可能とした遊技機に関するものである。
従来、資源の有効利用、遊技機交換作業の簡易化及び経費節減の観点から、回転リール及び主制御基板を支持体に搭載した交換ユニットを、遊技機の筐体から着脱自在に形成した分離型スロットマシンが考案されている。そして特許文献1に示すように、この分離型スロットマシンの着脱作業を容易にするため、筐体側の内装部材と交換ユニット側の搭載部品との間の電気的接続が、着脱作業と同時に行われるようにした技術も考案されている。
特開2005−342196号公報
上記したような分離型遊技機においては、交換側に配置される部品点数を極力少なくして、交換作業にかかる労力を軽減し交換費用をより削減することが求められる。例えば、演出表示部として液晶表示装置を用いた遊技機の場合には、液晶画面に表示される動画等の演出内容が変更されれば、装置自体は交換する必要がない。同様に、遊技機の正面に設けられる装飾ランプ等の電飾装置も、遊技機のデザインが大幅に変更される場合以外には、複数の機種に共通して使用可能である。
しかし、従来の分離型遊技機では、このような据え置き可能な部品まで交換ユニットに搭載される構造となっていたため、コスト面や交換作業にかかる労力の点において改善の余地があった。
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1) すなわち、請求項1記載の発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、交換不要な部品を最大限筐体側に据え置き可能とし、よりコストパフォーマンスに優れ、機種変更における交換作業の作業労力を削減可能な遊技機を提供しようとするものである。
(請求項2) 請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項2記載の発明は、交換ユニットとして全体をコンパクトにすることができて、搬送し易く、交換ユニットを筐体内部に取り付けた後は、外部から主制御基板を見やすくして保守管理を容易にし、ゴト行為を抑えることが可能な遊技機を提供しようとするものである。
(請求項3) 請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項3記載の発明は、主制御基板を筐体奥側に確実に固定することができるようにした遊技機を提供しようとするものである。
(請求項4) 請求項4記載の発明は、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。すなわち、請求項4記載の発明は、交換制御基板と非交換中継基板との電気的接続のための作業を簡素化し、より容易に交換ユニットの装着作業を行えるようにした遊技機を提供しようとするものである。
(請求項1)
(特徴点) 請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。すなわち、正面側に開口する正面開口部(6)を有する筐体(1)と、前記筐体(1)の側端に回動自在に軸支されて前記正面開口部(6)を開閉自在に塞ぐとともに前記筐体(1)内部を正面側から視認可能な透視部(41)を有する前扉(3)と、前記筐体(1)の内部に着脱自在に取り付けられて機種毎に対応して交換する交換ユニット(2)とを少なくとも備え、前記交換ユニット(2)は、機種毎に対応して交換可能に形成され、前記筐体(1)、前記前扉(3)、及び前記筐体(1)内部に設置される前記交換ユニット(2)以外の部品は、複数機種に共通して使用可能に形成された遊技機(S)において、前記筐体(1)は、前記筐体(1)内部を上下に分離するため前記筐体(1)の横方向に渡した中板(12)を備え、前記前扉(3)は、前記前扉(3)の裏面側に固定されるとともに演出用の部材を制御するための演出制御基板(60)を備え、前記交換ユニット(2)は、複数の図柄が表示された回転リール(23)及び前記回転リール(23)を回転させるための駆動モータ(26)を備えたリールユニット(20)と、前記リールユニット(20)に取り付けられて、前記駆動モータ(26)その他の機器の作動を制御するための主制御基板(51)と、前記リールユニット(20)の正面側の一方の側端であり、前記前扉(3)の前記筐体(1)への軸支方向と同一方向である側端にヒンジで回動可能に軸支されたパネルユニット(30)とを備え、前記パネルユニット(30)は、前記前扉(3)の前記透視部(41)から視認可能な正面パネル(31)と、演出データを記憶するとともに、前記演出制御基板(60)へ接続するデータ格納部材(80)とを備え、前記正面パネル(31)は、前記回転リール(23)を正面側から視認可能に開口する図柄表示窓(32)を備え、前記交換ユニット(2)を前記筐体(1)内部の前記中板(12)に固定した後、前記パネルユニット(30)は前記リールユニット(20)に軸支された状態のままで前記前扉(3)に固定されるとともに、前記パネルユニット(30)の前記データ格納部材(80)が、前記前扉(3)の前記演出制御基板(60)に接続されるように形成されていることを特徴とする。
また、ここで、「回転リール(40)」及び「駆動モータ」とあるのは、周囲に複数の図柄を表示した回転リールが、駆動モータにより実際に回転するようなものに限定されるものではなく、液晶画面に表示されるようなものも含まれるものである。具体的には、例えば、パチンコ機等の遊技盤面の中央に設けた液晶装置を使用することにより、周囲に複数の図柄を表示した回転リールが回転するような画像を当該液晶装置によって遊技者に向かって表示するものも含まれる。
また、ここで、「前記駆動モータ(26)その他の機器の作動を制御するための主制御基板(51)」の「その他の機器」とは、ホッパーユニット(5)や、演出制御基板(60)や、液晶表示装置(48)や、ランプや、スピーカ(47)等を含むものである。
(作用) 本発明は、交換ユニット(2)を筐体(1)内部に取り付ける場合には、遊技機(S)の筐体(1)から前扉(3)を開放して、筐体(1)の正面開口部(6)の中板(12)の上に差し込んで、筐体(1)内部の中板(12)の上に固定する。その際、パネルユニット(30)は、リールユニット(20)の手前側の一方の側端にヒンジ(パネルヒンジ(25))で軸支された状態で、交換ユニット(2)の取付作業が行われる。すなわち、交換ユニット(2)は、リールユニット(20)、主制御基板(51)及びパネルユニット(30)が一体となった状態で、筐体(1)の正面開口部(6)の内部に固定される。これにより、機種毎に対応して交換する必要があるリールユニット(20)、主制御基板(51)及びパネルユニット(30)を一度に取り付けることができる。
そして、その後、パネルユニット(30)はリールユニット(20)に軸支された状態のままで、前扉(3)側に回動させて、前扉(3)の裏面側に固定する。その際、パネルユニット(30)のデータ格納部材(80)が、前扉(3)の演出制御基板(60)に接続される。パネルユニット(30)は、リールユニット(20)の手前側の一方の側端にヒンジ(パネルヒンジ(25))で回動可能に軸支されているため、かかるヒンジ(パネルヒンジ(25))を中心として、パネルユニット(30)を前扉(3)側に回動させるだけで、パネルユニット(30)を前扉(3)側に固定することができ、データ格納部材(80)と、演出制御基板(60)との接続も、位置合わせ等を簡単にすることができ、接続作業を容易なものにすることができる。
その状態で、前扉(3)を閉じると、交換ユニット(2)は筐体(1)の内部に収納され、前扉(3)の正面側からは、透視部(41)を通してパネルユニット(30)の正面パネル(31)が視認可能となる。更に、正面パネル(31)の図柄表示窓(32)を通して、遊技機(S)の正面側から回転リール(23)が視認可能となる。
一方、交換ユニット(2)を前扉(3)から取り外す場合には、前扉(3)を開くと、パネルユニット(30)は、リールユニット(20)に軸支された状態で、前扉(3)に固定されているため、前扉(3)とともに正面パネル(31)及びデータ格納部材(80)も回動して、開いた状態となる。そして、その状態から、データ格納部材(80)を、演出制御基板(60)から取り外すことにより、前扉(3)からパネルユニット(30)が離れる。そして、パネルユニット(30)はリールユニット(20)の正面側の一端に軸支された状態であるため、パネルユニット(30)をリールユニット(20)側へ回動させてリールユニット(20)の正面側に位置させることにより、パネルユニット(30)、リールユニット(20)及び主制御基板(51)が一体となった交換ユニット(2)を形成することができる。そして、かかる交換ユニット(2)を筐体(1)の内部から引き出すことにより、交換ユニット(2)を構成するリールユニット(20)、パネルユニット(30)及び主制御基板(51)を一緒に取り外すことができる。そして、新たな交換ユニット(2)を筐体(1)内部の中板(12)に固定することにより、交換ユニット(2)を交換することができ、リールユニット(20)、パネルユニット(30)及び主制御基板(51)を同時に交換することができる。このように、交換ユニット(2)を交換するだけで、遊技内容を変更できる、いわゆる機種変更をすることができる。そして、機種変更に直接、影響しない、前扉(3)や、筐体(1)や、その他の交換ユニット(2)以外の筐体(1)内部の部品は、遊技ホールに据え置いたままにすることができる。
また、本発明は、パネルユニット(30)が、リールユニット(20)に軸支された状態のままで、前扉(3)に固定されているため、パネルユニット(30)を前扉(3)の裏面側に固定した状態で、前扉(3)を開放することができる。これにより、パネルユニット(30)が邪魔になることなく、リールユニット(20)を筐体(1)に固定した状態のままで、リールユニット(20)の正面側からメンテナンスを行うことができ、便利である。
上述したように、遊技内容を変更する機種変更の際、交換不要な部品を最大限、筐体(1)側に据え置き可能とし、よりコストパフォーマンスに優れ、また、機種変更の際の作業労力を削減可能な遊技機を提供することができる。
(請求項2)
(特徴点) 請求項2記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記リールユニット(20)上に配置された主制御基板(51)の奥側には、前記主制御基板(51)を水平状態から立設状態まで回動可能な回転軸(53)を前記リールユニット(20)との間に形成し、前記リールユニット(20)を前記筐体(1)内部へ装着する前は、前記主制御基板(51)を水平状態に維持し、前記リールユニット(20)を前記筐体(1)へ装着した後は、前記主制御基板(51)を前記回転軸(53)で回転させて前記立設状態に回動させることを特徴とする。
(作用) 本発明は、リールユニット(20)を筐体(1)内部に装着する前は、主制御基板(51)を回転軸(53)により水平状態に維持して、交換ユニット(2)の表面から立設して突出させるようなことなく配置することができて、交換ユニット(2)を全体としてコンパクトにすることができる。これにより、交換ユニット(2)を移動させる際、主制御基板(51)が邪魔にならないように配置することができる。
一方、リールユニット(20)を筐体(1)へ装着した後は、主制御基板(51)を回転軸(53)で回転させて、立設状態にすることができる。これにより、立設した状態の主制御基板(51)を正面側から見ることができ、主制御基板(51)のメンテナンス等の維持管理をし易くすることができる。また、主制御基板(51)を奥側の回転軸(53)で立設させているため、主制御基板(51)を筐体(1)の背面側に沿って立設させることができ、正面側から遠ざけることができ、前扉(3)の隙間等からワイヤ等の異物を差し込んで行うゴト行為(不正行為)をし難くすることができる。
(請求項3)
(特徴点) 請求項3記載の発明は、上記した請求項2記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記筐体(1)の内部奥側には、立設する前記主制御基板(51)を係合するための係合部(91)を備え、前記主制御基板(51)には、立設したときの背面側に、前記係合部(91)に係合可能な被係合部(92)を備え、前記リールユニット(20)を前記筐体(1)内部へ装着した後、前記主制御基板(51)を前記立設状態に回動させることにより、前記係合部(91)及び前記被係合部(92)が係合可能に形成されていることを特徴とする。
(作用) 本発明は、交換ユニット(2)を筐体(1)内部に固定した後、主制御基板(51)を立設状態にする際、筐体(1)内部の奥側の係合部(91)と、主制御基板(51)の背面側の被係合部(92)とを係合することができる。これにより、立設状態にした主制御基板(51)を、筐体(1)の内部に確実に固定することができる。
また、これにより、前面側からのワイヤ等の異物を差し込んで、主制御基板(51)を取り外すようなゴト行為を防止することができる。
(請求項4)
(特徴点) 請求項4記載の発明は、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。すなわち、前記筐体(1)は、遊技機(S)の主電源の入切を行うための電源ユニット(4)と、少なくとも前記電源ユニット(4)及び前記演出制御基板(60)に接続される非交換中継基板(63)と、前記非交換中継基板(63)の電気信号の出入り口になるとともに、この筐体(1)の内部奥側に位置して前面側に臨む接続端子とを備え、前記交換ユニット(2)は、少なくとも前記駆動モータ(26)及び前記主制御基板(51)に接続される交換中継基板(64)と、前記交換中継基板(64)の電気信号の出入り口となるとともに、前記交換ユニット(2)の背面側に臨む接続端子とを備え、前記交換ユニット(2)を前記筐体(1)の前記正面開口部(6)から差し込むことにより、前記非交換中継基板(63)の前記接続端子と前記交換中継基板(64)の前記接続端子とが接続されて、前記電源ユニット(4)と前記駆動モータ(26)及び前記主制御基板(51)とが接続されることを特徴とする。
(作用) 本発明は、交換ユニット(2)を正面開口部(6)の手前から奥に向かって、差し込むだけで、交換ユニット(2)の背面側に位置する交換中継基板(64)の接続端子(交換接続端子(66))を、筐体(1)の内部奥側の非交換中継基板(63)の接続端子(非交換接続端子(65))に接続させることができる。これにより、電源ユニット(4)と、駆動モータ(26)及び主制御基板(51)とを、電気信号が双方向に送信可能となるような状態に接続させることができる。したがって、交換ユニット(2)の交換中継基板(64)からの接続端子を、手で、筐体(1)の非交換中継基板(63)の接続端子へ、それぞれ接続するようなものと比較して、交換中継基板(64)を筐体(1)の主制御基板(51)内部に差し込むだけで、接続端子同士の接続作業を容易に終了させることができる。
また、交換ユニット(2)を筐体(1)の正面開口部(6)の奥から手前に向かって、引っ張り出すだけで、交換ユニット(2)の奥側に位置する交換中継基板(64)の接続端子(交換接続端子(66))を、筐体(1)の内部奥側の非交換中継基板(63)の接続端子(非交換接続端子(65))から、引き離して、両者の接続状態を解除することができる。これにより、接続端子同士を、それぞれ手で、引き抜くようなものと比較して、交換ユニット(2)を筐体(1)の正面開口部(6)から引き出すだけで、接続解除作業を終了させることができる。
したがって、交換ユニット(2)の交換作業におけるケーブルの接続作業を容易なものにすることができ、結果として、交換ユニット(2)の交換作業を容易なものにすることができる。また、接続する接続端子同士が複数個存在するような場合であっても、対応する接続端子の位置は、筐体(1)及び交換ユニット(2)で予め固定されているため、接続する接続端子同士の組み合わせを間違えるようなことを回避することができ、また、複数の接続端子の連結を、一度に終了させることができて、接続作業を確実且つ効率的なものにすることができる。
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1) 請求項1記載の発明によれば、次のような効果を奏する。すなわち、請求項1記載の発明によれば、交換不要な部品を最大限筐体側に据え置き可能とし、よりコストパフォーマンスに優れ、機種変更における交換作業の作業労力を削減可能な遊技機を提供することができる。
(請求項2) 請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項2記載の発明によれば、交換ユニットとして全体をコンパクトにすることができて、搬送し易く、交換ユニットを筐体内部に取り付けた後は、外部から主制御基板を見やすくして保守管理を容易にし、ゴト行為を抑えることが可能な遊技機を提供することができる。
(請求項3) 請求項3記載の発明によれば、上記した請求項2記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項3記載の発明によれば、主制御基板を筐体奥側に確実に固定することができるようにした遊技機を提供することができる。
(請求項4) 請求項4記載の発明によれば、上記した請求項1から3までのいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。すなわち、請求項4記載の発明によれば、交換制御基板と非交換中継基板との電気的接続のための作業を簡素化し、より容易に交換ユニットの装着作業を行えるようにした遊技機を提供することができる。
本発明を実施するための最良の形態を、遊技機Sとしてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(図面の説明)
図1から図8までは、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は遊技機の外観斜視図、図2は交換ユニットを取り付ける前の前扉を開いた状態の遊技機の外観斜視図、図3は交換ユニットを取り付けて、前扉を開いた状態の遊技機の外観斜視図、図4は係合部及び被係合部の概略断面図、図5は交換ユニットの外観斜視図、図6は主制御基板を立設した状態の交換ユニットの外観斜視図、図7は正面パネルを開いた状態の交換ユニットの外観斜視図、図8は主制御基板を立設させて、正面パネルを開いた状態の交換ユニットの外観斜視図をそれぞれ示すものである。
本実施の形態における遊技機Sは、図2に示すように、大きく分けて、正面側に正面開口部6を有する筐体1と、この筐体1の正面開口部6を開閉可能に塞ぐ前扉3と、前記筐体1の内部に着脱自在に取り付けられ機種毎に対応して交換する交換ユニット2とから構成されている。
なお、ここで、本明細書における「正面」や「前面」や「前方向」や「手前方向」とは、作業者(或いは遊技者)が、遊技機1の正面側の前に遊技機1の方に顔を向けて座って、或いは、立っているような場合のかかる交換作業者(或いは遊技者)から見た場合の奥から手前への方向を意味する。したがって、正面側や前面側や前方向や手前方向とは、かかる作業者から見た場合の遊技機1の奥から正面へ向かう方向を意味する。
また、「背面」や「後方向」や「奥方向」とは、交換作業者(或いは遊技者)が、遊技機1の正面側に遊技機1の方を向いて位置しているような場合のかかる交換作業者(或いは遊技者)から見たときの手前から奥への方向を意味する。したがって、後方向とは、遊技機1の正面から奥(後ろ)へ向かう方向を意味する。また、本明細書における「左方向」や「右方向」等の左右方向も、かかる遊技機1の前面の方を向いて位置している者から見た場合の右方向や、左方向を意味する。
(筐体1)
筐体1は、図2に示すように、底板15、側板16、天板17及び裏板18からなる前面(遊技者と対峙する正面)側に開口する正面開口部6を有する箱体であり、左右二つの側板16の間の高さ方向略中央部には水平方向に平板状の中板12が渡されている。そして、底板15には、遊技機Sの主電源の入切を行うための電源ユニット4と、遊技開始の条件として投入された遊技メダルや、入賞時に払い出すための遊技メダルを貯留するとともに、入賞時に貯留している遊技メダルをメダル皿45へ払い出すことが可能なホッパーユニット5とが設置されている。そして、向かって正面左側の側板16の手前側には、前扉3を係合させ、回転自在に支持するための扉ヒンジ19が、上下方向に間隔をおいて二つずつ設けられている。
ここで、前記電源ユニット4は、電源装置が内装されていると共に、ホール管理者が種々の設定を行うためのスイッチ等を有しているものである。前記ホッパーユニット5は、遊技メダルを貯留可能であるとともに入賞時等に遊技メダルを払い出すためのものである。
前記筐体1は、電源ユニット4及び演出制御基板60やその他の筐体1内部の部品と電気信号が双方向に送信可能に接続される非交換中継基板63と、この非交換中継基板63の電気信号の出入り口になるとともに、この筐体1の内部奥側に位置して前面側に臨む接続端子(非交換接続端子65)とを備えている。
具体的には、非交換中継基板63は、図2に示すように、筐体1の開口上部13の裏板18の前面側に固定されている。そして、非交換接続端子65は、その非交換中継基板63の前面側に2個形成されている。この非交換接続端子65は、その接続ピン等が前面側に延びて、前面側に臨むように形成されている。
前記非交換接続端子65は、交換ユニット2を筐体1の正面開口部6から奥側に向かって押し込んで差し込むことにより、この非交換中継基板63の接続端子と後述する交換中継基板64の交換接続端子66とが接続されて、電源ユニット4と、駆動モータ26、主制御基板51その他の部品とが電気信号が双方向に送信可能に接続されるように形成されているものである。なお、部品によっては、双方向に送信可能とせずに、不正行為防止のため、意図的に、電気信号が一方通行のみに送信可能にしても良いものである。
そして筐体1は、遊技機Sの機種交換に際して、遊技場に設置したままにしておけるものである。なお、この機種交換とは、かかるスロットマシンである遊技機Sが、遊技ホールに設置されて、所定期間経過した後、いわゆる「新台入れ替え」と称して、遊技内容が異なる機種の遊技機Sに変更するものである。
(前扉3)
前記前扉3は、筐体1の左側端に回動自在に軸支されて正面開口部6を開閉自在に塞ぐとともに筐体1内部を正面側から視認可能な透視部41を有するものである。そして、前扉3は、筐体1の正面開口部6を塞ぐための板状の扉体であり、筐体1の側板16に回転自在かつロック可能に形成されているものである。
前記前扉3の周囲には、四角枠状の扉枠40が形成されている。
前記前扉3は、前記筐体1の左側端の上部に扉ヒンジ19により回動自在に軸支されて、正面開口部6のうち、中板12の上部の開口上部13を開閉自在に塞ぐ上扉7と、前記筐体1の左側端の下部に扉ヒンジ19により回動自在に軸支されて、正面開口部6のうち、中板12の下部の開口下部14を開閉自在に塞ぐ下扉8とを備えている。
(上扉7)
前記上扉7は、筐体1の左側端に扉ヒンジ19により回動自在に軸支されて、開口上部13を開閉自在に塞ぐためのものである。
前記上扉7は、動画等により種々の演出表示を行うための液晶表示装置48と、ランプ等の電飾を含む飾り部49が設けられている。
前記上扉7の中央には、後述する交換ユニット2を筐体1内部の中板12の上に固定した状態で、交換ユニット2の正面側に設けられたパネルユニット30の正面パネル31を、遊技機Sの手前側から見ることができる透視部41が形成されている。
ここで、前記透視部41は、図2に示すように、前扉3の正面側から背面側に貫通する開口部として形成されている。なお、前扉3の正面側から背面側を透視可能であれば、透視部41は開口部でなくともよい。例えば上扉7の正面中央に形成された開口部を透明なアクリル板で塞いである構成としてもよい。また、図示した例では、透視部41は、前扉3に装着した交換ユニット2のパネルユニット30のほぼ全面を視認可能な大きさに形成されているが、少なくともパネルユニット30の図柄表示窓32が視認可能であればよい。
前記上扉7は、上扉7の裏面側に固定されるとともに演出用の部材を制御するための演出制御基板60を備えている。この演出制御基板60としては、図2に示すように、上扉7の裏面上部(液晶表示装置48の裏側)にサブ制御基板61及び液晶制御基板62が形成されている。
ここで、サブ制御基板61は、前扉3に設けられたランプやスピーカ47などの演出表示装置を制御するためのものであり、液晶制御基板62は液晶表示装置48の表示を制御するためのものである。そして、サブ制御基板61及び液晶制御基板62には、後述するROMカセット34を差し込むための差し込み口61A,62Aが設けられており、この差し込み口61A,62Aに演出データを記録したROMカセット34を差し込むことにより、機種に応じた演出表示を行わせることができるようになっている。具体的には、サブ制御基板61の背面側には、後述するサブ制御基板用ROMカセット81を差し込み可能なサブ制御基板用差し込み口61Aが形成され、液晶制御基板62の背面側には、後述する液晶制御基板用ROMカセット82を差し込み可能な液晶制御基板用差し込み口62Aが形成されている。
前記上扉7は、機種交換に際して、筐体1に残しておける。そして、交換ユニット2を交換することにより、異なる機種にも対応させることができるものである。
(下扉8)
前記下扉8は、上扉7の下に位置して、筐体1の左側端に扉ヒンジ19により回動自在に軸支されて、開口下部14を開閉自在に塞ぐためのものである。
前記下扉8は、図1に示すように、その上部に、正面側に張り出すカウンター状の操作部42が設けられている。そして、下扉8の下部にはホッパーユニット5から払い出された遊技メダルを貯めておくことができる下皿45が形成されている。また、前記操作部42と下皿45の間には、遊技内容その他の表示をするための下パネル44が嵌め込まれている。
前記操作部42には、上面右端にはメダル投入口43が設けられているとともに、遊技機Sを作動させるための操作スイッチとして、上面左側にはベットスイッチ42A、正面側にはスタートスイッチ42B、ストップスイッチ42C及び精算スイッチ42Dが設けられている。なお、ベットスイッチ42Aは、クレジットとして貯留されている遊技メダルをメダル投入に代えるためのものであり、スタートスイッチ42B及びストップスイッチ42Cは、リールユニット20に設けられた回転リール23(図2参照)の回転を開始及び停止させるためのものである。また精算スイッチ42Dは、遊技開始の条件として予め投入して貯留されたクレジットメダルを払い戻すためのものである。
なお遊技機Sは、遊技メダルの投入又はベットスイッチ42Aの操作によりスタートスイッチ42Bの操作が有効となり、スタートスイッチ42Bの操作によって回転リール23が回転開始する。そして後述する主制御基板51により行われる当選判定の抽選結果が所定の当選役に当選している場合に、ストップスイッチ42Cの操作により当選図柄が入賞の態様となるように回転リール23を停止させることができると入賞となり、ホッパーユニット5から遊技メダルが払い出されたり、ボーナスゲームなどの有利な遊技が開始されるようになっている。
前記下パネル44は、下扉8の前面側に着脱自在に取り付けられており、内部には特に図示しない照明装置が設けられ、パネル部分を内側から照射するようになっている。パネル部分には、当該遊技機Sの名称や遊技方法、キャラクターの表示など、機種に対応した表示がなされている。もちろん、機種に対応せずに共通のデザインからなる絵柄を表示するようにすることもできる。
さらに、前扉3の裏側には、図2に示すように、前記メダル投入口43から投入された遊技メダルを誘導しながら遊技メダルの正偽を判断するためのメダルセレクター46と、音声を出力するためのスピーカ47が設けられている。そして、下扉40を閉めると、ラッチ錠により自動的にロックされ、筐体1の正面開口部6が密閉されるものである。また、前記操作部42の正面右端に設けられた鍵穴40Aに所定の鍵を差し込んで回すと、下扉40のロックが解除されるようになっている。
前記下扉8は、機種交換に際して、筐体1にそのまま残しておけるものである。そして、機種に対応した下パネル44を交換することにより、異なる機種にも対応させることができるものである。
(交換ユニット2)
前記交換ユニット2は、筐体1の開口上部13の内部に着脱自在に取り付けられて機種毎に対応して交換するためのものである。なお、筐体1、前扉3、及び筐体1内部に設置される交換ユニット2以外の部品は、複数機種に共通して使用可能に形成されているものである。
前記交換ユニット2は、複数の図柄が表示された回転リール23及び回転リール23を回転させるための駆動モータ26を備えたリールユニット20と、リールユニット20に取り付けられて、駆動モータ26その他の機器の作動を制御するための主制御基板51と、リールユニット20の正面側の正面から見て向かって左側の側端にパネルヒンジ25で回動可能に軸支されたパネルユニット30とを備えている。
(リールユニット20)
前記リールユニット20は、骨組み状態の複数の枠部材からなり、リールユニット20内部の部材を支持するための支持体21と、この支持体21に収納されるとともに複数の図柄が周囲に表示される3個の回転リール23と、この回転リール23を回転させるための駆動モータ26とを備えている。
そして、リールユニット20は、特に図示しない中板12の上面に設けられたガイド手段(例えばガイドレール)により、リールユニット20の下面を支持しながらリールユニット20を前後方向にスライド可能となるように形成されている。そして、回転リール23は、支持体21の内部に収納固定した状態で、支持体21の正面側から、回転リール23が3個並んで見えるようになっている。
前記支持体21の正面左側の縦枠部材には、図7に示すように、パネルヒンジ25が設けられており、このパネルヒンジ25により、パネルユニット30が回動可能となるように支持体21の左側の縦枠部材に軸支されている。
前記リールユニット20の背面側には、図2に示すように、駆動モータ26及び主制御基板51と電気的に接続される交換中継基板64と、この交換中継基板64の電気信号の出入り口となるとともに交換ユニット2の背面側に臨む接続端子(交換接続端子66)とが形成されている。
(交換中継基板64及び非交換中継基板63)
前記非交換中継基板63は、図2に示すように、筐体1の裏板18の手前側に位置して、筐体1に据え置かれる電源ユニット4、演出制御基板60、ホッパーユニット5と電気的に接続するためのものであり、また、前記非交換接続端子65は、非交換中継基板63の電気信号の出入り口になるとともに、この筐体1の内部奥側に位置して前面側に臨むものである。
前記交換中継基板64は、図2に示すように、リールユニット20の裏面側に位置して、機種毎に交換される駆動モータ26及び主制御基板51と電気的に接続するためのものであり、また、交換接続端子66は、交換中継基板64の電気信号の出入り口となるとともに、リールユニット20の背面側に臨むものである。
交換ユニット2を筐体1の正面開口部6から差し込むことにより、同時に、非交換中継基板63の非交換接続端子65と交換中継基板64の交換接続端子66とが接続されて、筐体1に据え置かれる電源ユニット4、ホッパーユニット5その他の据え置き機器と、機種毎に交換される駆動モータ26、主制御基板51その他の交換機器とが電気的に接続されるように形成されている。
(主制御基板51)
前記主制御基板51は、リールユニット20の上面に回動可能な状態で取り付けられて、駆動モータ26その他の機器の作動を制御するためのものである。また、この主制御基板51は、遊技を中心的に司るものであって、乱数発生手段や当選抽選手段等を内部に備えて、乱数抽選を行い、その結果に従って、駆動モータ26等の制御を進めて、主に遊技を進行させるものである。
前記主制御基板51は、リールユニット20の上面に回動可能な状態で固定されている。図5に示すように、リールユニット20上に水平状態に配置された主制御基板51の奥側には、主制御基板51を水平状態から立設状態まで回動可能な回転軸53をリールユニット20との間に形成している。主制御基板51は、図5に示すような水平状態から、この回転軸53の周りに90度回転させて、図6に示すように立設状態へすることができるように形成されている。交換ユニット2を筐体1内部へ装着する前は、主制御基板51を図5に示すように水平状態に維持し、交換ユニット2を筐体1内部へ装着した後は、主制御基板51を回転軸53で回転させて立設状態に回動させることができるものである。
前記主制御基板51の立設状態における背面側には、筐体1の裏板18に設けた後述する係合部91が係合可能な被係合部92が形成されている。
(係合部91及び被係合部92)
前記係合部91及び被係合部92は、主制御基板51を立設させた状態で、筐体1の裏板18に固定するためのものである。
前記係合部91は、筐体1の内部奥側に位置して、立設する主制御基板51を係合するためのものである。前記被係合部92は、主制御基板51の立設状態の背面側に位置して、筐体1の裏板18の係合部91に係合可能なものである。そして、リールユニット20を筐体1内部の中板12の上へ装着した後、主制御基板51を水平状態から立設状態に回動させることにより、係合部91及び被係合部92が係合可能に形成されているものである。
具体的には、図4に示すように、係合部91は、裏板18の前面側から手前側に向かって突出するとともにその先端がアンカー状に形成されている。そして、この係合部91は、図2に示すように、裏板18の前面側に、左右2個、形成されている。
一方、被係合部92は、図2及び図5に示すように、主制御基板51を立設状態にした際の背面側に左右に2個、交換ユニット2を筐体1内部に押し込んだ際、係合部91と整合する位置に形成されている。被係合部92は、下側に固定されている被係合固定部97と、この被係合固定部97より僅かに上側に位置して、軸部95により回動可能な被係合可動部96と、この被係合可動部96の手前側を上方に向かって付勢するばね部93と、被係合可動部96の手前側から上方に向かって延設された押し下げ片94とを備えているものである。前記被係合可動部96の奥側の先端もアンカー状に形成されて、係合部91の先端のアンカー状の部分と係合するように形成されている。交換ユニット2を筐体1の開口上部13の内部に押し込むと、ばね部93の付勢力により閉じていた被係合固定部97及び被係合可動部96の間に、係合部91のアンカー状の先端が入り込み、被係合可動部96の奥側先端のアンカー状の部分と係合する。係合部91が一端、被係合部92の中に入り込むと、被係合可動部96と係合部91とのアンカー状の先端同士が引っかかって、両者は係合状態となる。そして、交換ユニット2を筐体1内部から取り外す際には、押し下げ片94を上から手でばね部93の付勢力に抗して、押し込むと、被係合可動部96が軸部95の周りに回動して、係合部91が被係合部92から外れる。これにより、立設状態の主制御基板51を筐体1の裏板18から取り外し、交換ユニット2を引き出すことができる状態にすることができる。
(パネルユニット30)
前記パネルユニット30は、リールユニット20の支持体21の正面側の左側の側端の縦枠にパネルヒンジ25で回動可能に軸支されているものである。なお、このパネルユニット30は、前扉3の筐体1への軸支方向と同一方向である左側に軸支されている。
前記パネルユニット30は、方形枠状のパネル枠33と、このパネル枠33に取り付けられる正面パネル31と、前記パネル枠33の上面に可動可能に取り付けられるデータ格納部材80とを備えている。
前記正面パネル31は、前扉3の透視部41から視認可能できるような位置に配置されるものである。更に、正面パネル31は、回転リール23を正面側から視認可能に開口する図柄表示窓32を有している。
前記データ格納部材80は、演出データを記憶するとともに、演出制御基板60へ接続するためのものである。そして、このデータ格納部材80は、機種毎に演出データは異なるものであるため、機種毎に対応して交換する必要があるものであり、簡単に着脱可能なROMカセット34から構成されているものである。このデータ格納部材80としてのROMカセット34は、サブ制御基板61用の演出データを記憶するためのサブ制御基板用ROMカセット81と、液晶制御基板62用の演出データを記憶するための液晶制御基板用ROMカセット82とを備えている。そして、サブ制御基板用ROMカセット81は、パネルユニット30を前扉3側に回動させることにより、サブ制御基板61の裏面側のサブ制御基板用差し込み口61Aに差し込み可能となるような位置に形成されている。そして、液晶制御基板用ROMカセット82は、パネルユニット30を前扉3側に回動させることにより、液晶制御基板62の裏面側の液晶制御基板用差し込み口62Aに差し込み可能となるような位置に形成されている。
これにより、交換ユニット2を筐体1内部の中板12に固定した後、パネルユニット30はリールユニット20に軸支された状態のままで前扉3側に回動して固定すると、パネルユニット30のデータ格納部材80のROMカセット34(サブ制御基板用ROMカセット81及び液晶制御基板用ROMカセット82)が、前扉3の演出制御基板60のROMカセット34の差し込み口(サブ制御基板用差し込み口61A及び液晶制御基板用差し込み口62A)に接続されるものである。
前記正面パネル31は、パネルユニット30を前扉3に固定したとき透視部41の裏側に位置し、透視部41を裏面側から塞ぐパネル部材である。すなわち、正面パネル31の外形寸法は、透視部41の内径寸法よりもやや大きく形成されており、パネル枠33を前扉3に固定すると、正面パネル31の正面側が透視部41の縁部裏側に当接し、透視部41を正面から見て隙間無く塞ぐようになっている。
また、正面パネル31の正面中央部には、回転リール23の図柄を視認可能な図柄表示窓32が設けられている。図柄表示窓32は、正面パネル31に形成された透明な窓部である。そして、図柄表示窓32の周囲には、特に図示しないが、当選役の種類の表示や当該遊技機Sの名称、キャラクターなど、その機種に対応する表示がなされている。
なお、正面パネル31には、特に図示しないが、前記図柄表示窓32の他にも、例えば遊技回数や払い出し遊技メダル数やクレジット数を表示するための表示部を設けてもよい。これらの表示部は、図柄表示窓32と同様の透明な窓部であって、正面パネル31の裏側に設けられた7セグメント表示器や液晶表示器の表示を正面側から見えるようにしたものとすることができる。
なお、前記主制御基板51及びROMカセット34に格納された演出データは、機種ごとに異なるものであって、これらを変更することにより遊技内容及びそれに付随する演出が変更される。そして、交換ユニット2を交換することにより、遊技を行わせるためのソフト部分(主制御基板51等)とハード部分(リールの図柄配列等)が同時に交換されることとなる。
交換ユニット2は、中板12の上に取り付けた状態で前扉3を閉じることにより、交換ユニット2が筐体1の中板12の上方に収納される。そして、機種変更の際には、少なくとも交換ユニット2を交換することにより遊技内容が変更され、筐体1はそのままで新たな遊技機として使用できるものである。
(交換ユニット2の着脱)
次に、以上のような構成を有する遊技機Sにおける交換ユニット2の着脱手順を説明する。
まず、交換ユニット2を筐体1に固定する場合には、上扉7を開放してから、中板12の上に交換ユニット2を載置して固定する。その際、交換ユニット2の主制御基板51は、図5に示すように水平状態にしておくと、交換ユニット2全体がコンパクトとなって、交換ユニット2の移動を楽に行うことができる。また、同時に、このとき、パネルユニット30はリールユニット20の前面側を閉じた状態にしてある。なお、パネルユニット30が支持体21に仮固定されるような係止部(例えばフックや板バネによる接合部)を設けると好適である。
そして、交換ユニット2を筐体1の内部に押し込むことにより、交換ユニット2の裏面側の交換接続端子66と、筐体1の裏板18の非交換接続端子65とが互いに接続する。これにより、交換ユニット2の駆動モータ26や主制御基板51と、筐体1側に据え置かれている電源ユニット4や、ホッパーユニット5との間の電気的接続が完了する。
次に、交換ユニット2のパネルユニット30を、リールユニット20から開いて、前扉3の裏面側の凹部に押し入れて、パネルユニット30で透視部41を塞ぐ。このとき、ROMカセット34(サブ制御基板用ROMカセット81及び液晶制御基板用ROMカセット82)がサブ制御基板61及び液晶制御基板62のサブ制御基板用差し込み口61A及び液晶制御基板用差し込み口62Aに差し込まれて、接続される。これらの接続によって、交換ユニット2の搭載部品と筐体1及び前扉3の設置装置とが電気的に接続される。
このようにしてパネルユニット30をリールユニット20に軸支された状態のままで前扉3に固定し、そのまま前扉3を閉じれば、パネルユニット30は、リールユニット20の前面側に位置して、前扉3が完全に閉じられたときには、交換ユニット2は中板12の上面に載置された状態となる。また前扉3の透視部41には、パネルユニット30の正面パネル31が表出する。透視部41と正面パネル31との間は前後方向の隙間が生じることなくぴったりくっついている。また、透視部41の周囲に、正面パネル31との間に隙間を作らせないためのパッキンを貼付しておいてもよい。
一方、前扉3及び筐体1に固定されている交換ユニット2を取り外す場合には、パネルユニット30はリールユニット20に軸支された状態のままで上扉7をパネルユニット30とともに開いて、パネルユニット30と上扉7との固定を解除する。そして、パネルユニット30をリールユニット20の前面側を覆うような位置に固定し、パネルユニット30、リールユニット20及び主制御基板51が一体となった交換ユニット2を手前側に引き出せば、交換接続端子66は、非交換接続端子65から抜け出るとともに、交換中継基板64と非交換中継基板63との接続が解除され、交換ユニット2を分離することができる。
このように、本実施の形態によれば、主制御基板51、リールユニット20及びパネルユニット30を一体化した交換ユニット2を着脱自在としてあるので、機種交換の際、前扉3において新機種に対応させるために最低限必要な部材のみを交換することができる。すなわち、前扉3に設けられているランプや液晶表示装置48など、機種交換の度に取り替える必要のない装置を筐体側に据え置くことができ、交換部品をより少なくすることができ、機種交換の際のコストを軽減することができる。
また、本実施の形態では、サブ制御基板61及び液晶表示基板62を前扉3側に据え置き、演出データを記憶したデータ格納部材80としてのROMカセット34だけを交換するようにしたので、交換部品をより少なくすることができるとともに、ROMカセット34を交換ユニット2に取り付けておくことにより、カセットの紛失や付け間違いなどを防ぐことができる。
加えて、交換ユニット2と前扉3との電気的接続を、交換接続端子66及び非交換接続端子65の接続のみで完了させるようにしてあるとともに、交換ユニット2の前扉3への装着と同時にROMカセット34がサブ制御基板61及び液晶表示基板62に接続されるように形成してあるので、ハーネスの接続など面倒な作業を行う必要がない。
さらに、前扉3には、パネルユニット30だけを取り付けているため、交換ユニット2全体を前扉3に取り付けるようなものと比較して、前扉3に負荷が掛かり扉ヒンジ19が緩んだり前扉3に歪みが生じることを回避することができる。このため、前扉3に重量がかからず、前扉3を長期間筐体1に据え置いても、前扉3の変形により扉と筐体1との間に隙間が生じることがない。
なお、本実施の形態においては、交換ユニット2を下方から支える支持部材として、筐体1に中板12を設けてあったが、支持部材としては、前扉3の開閉操作時及び閉扉時に支持体21の重量を支持可能なものであれば、板状のものでなくてもよい。例えば支持体21の少なくとも一部が載置される枠体や張り出し部であってもよい。
また、本実施の形態においては、前扉3を、上扉7及び下扉8の2枚の上下分離したもので形成されていたが、このように上扉7及び下扉8のように上下に分離せず、前扉3を、上扉7及び下扉8を一体にしたもので形成しても良い。
本形態では、上扉7と下扉8はそれぞれ筐体1にロック可能とし、下扉8を開放しないと上扉7を解錠及び開放することができない構成となっている。このように形成しているため、ホッパーユニット5への遊技メダル補給やメダルセレクター46のメダル詰まりなどで前扉3を開放する必要がある場合、下扉8だけ開放すれば事足りる。すなわち、主制御基板51を外部に晒すことがないのでセキュリティ上も好ましい。
(作用)
本形態は、交換ユニット2を筐体1内部に取り付ける場合には、遊技機Sの筐体1から前扉3を開放して、筐体1の正面開口部6の中板12の上に差し込んで、筐体1内部の中板12の上に固定する。その際、パネルユニット30は、リールユニット20の手前側の一方の側端にヒンジ(パネルヒンジ25)で軸支された状態で、交換ユニット2の取付作業が行われる。すなわち、交換ユニット2は、リールユニット20、主制御基板51及びパネルユニット30が一体となった状態で、筐体1の正面開口部6の内部に固定される。これにより、機種毎に対応して交換する必要があるリールユニット20、主制御基板51及びパネルユニット30を一度に取り付けることができる。
そして、その後、パネルユニット30はリールユニット20に軸支された状態のままで、前扉3側に回動させて、前扉3の裏面側に固定する。その際、パネルユニット30のデータ格納部材80が、前扉3の演出制御基板60に接続される。パネルユニット30は、リールユニット20の手前側の一方の側端にヒンジ(パネルヒンジ25)で回動可能に軸支されているため、かかるヒンジ(パネルヒンジ25)を中心として、パネルユニット30を前扉3側に回動させるだけで、パネルユニット30を前扉3側に固定することができ、データ格納部材80と、演出制御基板60との接続も、位置合わせ等を簡単にすることができ、接続作業を容易なものにすることができる。
その状態で、前扉3を閉じると、交換ユニット2は筐体1の内部に収納され、前扉3の正面側からは、透視部41を通してパネルユニット30の正面パネル31が視認可能となる。更に、正面パネル31の図柄表示窓32を通して、遊技機Sの正面側から回転リール23が視認可能となる。
一方、交換ユニット2を前扉3から取り外す場合には、前扉3を開くと、パネルユニット30は、リールユニット20に軸支された状態で、前扉3に固定されているため、前扉3とともに正面パネル31及びデータ格納部材80も回動して、開いた状態となる。そして、その状態から、データ格納部材80を、演出制御基板60から取り外すことにより、前扉3からパネルユニット30が離れる。そして、パネルユニット30をリールユニット20の正面側の一端に軸支された状態で、リールユニット20側へ回動させ、リールユニット20の正面側に位置させて、パネルユニット30、リールユニット20及び主制御基板51が一体となった交換ユニット2を形成する。そして、かかる交換ユニット2を筐体1の内部から引き出すことにより、交換ユニット2を構成するリールユニット20、パネルユニット30及び主制御基板51を一緒に取り外すことができる。そして、新たな交換ユニット2を筐体1内部の中板12に固定することにより、交換ユニット2を交換することができ、リールユニット20、パネルユニット30及び主制御基板51を同時に交換することができる。このように、交換ユニット2を交換するだけで、遊技内容を変更できる、いわゆる機種変更をすることができる。そして、機種変更に直接、影響しない、前扉3や、筐体1や、筐体1内部の部品は、遊技ホールに据え置いたままにすることができる。
また、本形態は、パネルユニット30は、リールユニット20に軸支された状態のままで、前扉3に固定されているため、パネルユニット30を前扉3の裏面側に固定した状態で、前扉3を開放することができる。これにより、パネルユニット30が邪魔になることなく、リールユニット20を筐体1に固定した状態のままで、リールユニット20の正面側からメンテナンスを行うことができ、便利である。
上述したように、遊技内容を変更する機種変更の際、交換不要な部品を最大限、筐体1側に据え置き可能とし、よりコストパフォーマンスに優れ、また、機種変更の際の作業労力を削減可能な遊技機を提供することができる。
本形態は、リールユニット20を筐体1内部に装着する前は、主制御基板51を回転軸53により水平状態に維持して、交換ユニット2の表面から立設して突出させるようなことなく配置することができて、交換ユニット2を全体としてコンパクトにすることができる。これにより、交換ユニット2を移動させる際、主制御基板51が邪魔にならないように配置することができる。
一方、リールユニット20を筐体1へ装着した後は、主制御基板51を回転軸53で回転させて、立設状態にすることができる。これにより、立設した状態の主制御基板51を正面側から見ることができ、主制御基板51のメンテナンス等の維持管理をし易くすることができる。また、主制御基板51を奥側の回転軸53で立設させているため、主制御基板51を筐体1の背面側に沿って立設させることができ、正面側から遠ざけることができ、前扉3の隙間等からワイヤ等の異物を差し込んで行うゴト行為(不正行為)をし難くすることができる。
本形態は、交換ユニット2を筐体1内部に固定した後、主制御基板51を立設状態にする際、筐体1内部の奥側の係合部91と、主制御基板51の背面側の被係合部92とを係合することができる。これにより、立設状態にした主制御基板51を、筐体1の内部に確実に固定することができる。
また、これにより、前面側からのワイヤ等の異物を差し込んで、主制御基板51を取り外すようなゴト行為を防止することができる。
本形態は、交換ユニット2を正面開口部6の手前から奥に向かって、差し込むだけで、交換ユニット2の背面側に位置する交換中継基板64の接続端子(交換接続端子66)を、筐体1の内部奥側の非交換中継基板63の接続端子(非交換接続端子65)に接続させることができる。これにより、電源ユニット4と、駆動モータ26及び主制御基板51とを、電気的に接続させることができる。したがって、交換ユニット2の交換中継基板64からの接続端子を、手で、筐体1の非交換中継基板63の接続端子へ、それぞれ接続するようなものと比較して、交換中継基板64を筐体1の主制御基板51内部に差し込むだけで、接続端子同士の接続作業を容易に終了させることができる。
また、交換ユニット2を筐体1の正面開口部6の奥から手前に向かって、引っ張り出すだけで、交換ユニット2の奥側に位置する交換中継基板64の接続端子(交換接続端子66)を、筐体1の内部奥側の非交換中継基板63の接続端子(非交換接続端子65)から、引き離して、両者の接続状態を解除することができる。これにより、接続端子同士を、それぞれ手で、引き抜くようなものと比較して、交換ユニット2を筐体1の正面開口部6から引き出すだけで、接続解除作業を終了させることができる。
したがって、交換ユニット2の交換作業におけるケーブルの接続作業を容易なものにすることができ、結果として、交換ユニット2の交換作業を容易なものにすることができる。また、接続する接続端子同士が複数個存在するような場合であっても、対応する接続端子の位置は、筐体1及び交換ユニット2で予め固定されているため、接続する接続端子同士の組み合わせを間違えるようなことを回避することができ、また、複数の接続端子の連結を、一度に終了させることができて、連結作業を確実且つ効率的なものにすることができる。
本発明の実施の形態であって、スロットマシンの外観斜視図である。 本発明の実施の形態であって、交換ユニットを取り付ける状態のスロットマシンの分解斜視図である。 本発明の実施の形態であって、前扉を開いた状態のスロットマシンの外観斜視図である。 本発明の実施の形態であって、係合部を被係合部に係合させた状態の係合部及び被係合部の縦断面図である。 本発明の実施の形態であって、交換ユニットの外観斜視図である。 本発明の実施の形態であって、主制御基板を立設させた状態の交換ユニットの外観斜視図である。 本発明の実施の形態であって、パネルユニットを開いた状態の交換ユニットの外観斜視図である。 本発明の実施の形態であって、主制御基板を立設させ、パネルユニットを開いた状態の交換ユニットの外観斜視図である。
符号の説明
S 遊技機 1 筐体
2 交換ユニット 3 前扉
4 電源ユニット 5 ホッパーユニット
6 正面開口部 7 上扉
8 下扉 12 中板
13 開口上部 14 開口下部
15 底板 16 側板
17 天板 18 裏板
19 扉ヒンジ 20 リールユニット
21 支持体 23 回転リール
25 パネルヒンジ 26 駆動モータ
30 パネルユニット 31 正面パネル
32 図柄表示窓 33 パネル枠
34 ROMカセット 40 扉枠
40A 鍵穴 41 透視部
42 操作部 42A ベットスイッチ
42B スタートスイッチ 42C ストップスイッチ
42D 精算スイッチ 43 メダル投入口
44 下パネル 45 メダル皿
46 メダルセレクター 47 スピーカ
48 液晶表示装置 49 飾り部
51 主制御基板 53 回転軸
60 演出制御基板 61 サブ制御基板
61A サブ制御基板用差し込み口 62 液晶制御基板
62A 液晶制御基板用差し込み口 63 非交換中継基板
64 交換中継基板 65 非交換接続端子
66 交換接続端子 80 データ格納部材
81 サブ制御基板用ROMカセット 82 液晶制御基板用ROMカセット
91 係合部 92 被係合部
93 ばね部 94 押し下げ片
95 軸部 96 被係合可動部
97 被係合固定部

Claims (4)

  1. 正面側に開口する正面開口部を有する筐体と、
    前記筐体の側端に回動自在に軸支されて前記正面開口部を開閉自在に塞ぐとともに前記筐体内部を正面側から視認可能な透視部を有する前扉と、
    前記筐体の内部に着脱自在に取り付けられて機種毎に対応して交換する交換ユニットとを少なくとも備え、
    前記交換ユニットは、機種毎に対応して交換可能に形成され、
    前記筐体、前記前扉、及び前記筐体内部に設置される前記交換ユニット以外の部品は、複数機種に共通して使用可能に形成された遊技機において、
    前記筐体は、前記筐体内部を上下に分離するため前記筐体の横方向に渡した中板を備え、
    前記前扉は、前記前扉の裏面側に固定されるとともに演出用の部材を制御するための演出制御基板を備え、
    前記交換ユニットは、
    複数の図柄が表示された回転リール及び前記回転リールを回転させるための駆動モータを備えたリールユニットと、
    前記リールユニットに取り付けられて、前記駆動モータその他の機器の作動を制御するための主制御基板と、
    前記リールユニットの正面側の一方の側端であり、前記前扉の前記筐体への軸支方向と同一方向である側端にヒンジで回動可能に軸支されたパネルユニットとを備え、
    前記パネルユニットは、
    前記前扉の前記透視部から視認可能な正面パネルと、
    演出データを記憶するとともに、前記演出制御基板へ接続するデータ格納部材とを備え、
    前記正面パネルは、前記回転リールを正面側から視認可能に開口する図柄表示窓を備え、
    前記交換ユニットを前記筐体内部の前記中板に固定した後、前記パネルユニットは前記リールユニットに軸支された状態のままで前記前扉に固定されるとともに、
    前記パネルユニットの前記データ格納部材が、前記前扉の前記演出制御基板に接続されるように形成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記リールユニット上に配置された主制御基板の奥側には、前記主制御基板を水平状態から立設状態まで回動可能な回転軸を前記リールユニットとの間に形成し、
    前記リールユニットを前記筐体内部へ装着する前は、前記主制御基板を水平状態に維持し、
    前記リールユニットを前記筐体へ装着した後は、前記主制御基板を前記回転軸で回転させて前記立設状態に回動させることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記筐体の内部奥側には、立設する前記主制御基板を係合するための係合部を備え、
    前記主制御基板には、立設したときの背面側に、前記係合部に係合可能な被係合部を備え、
    前記リールユニットを前記筐体内部へ装着した後、前記主制御基板を前記立設状態に回動させることにより、前記係合部及び前記被係合部が係合可能に形成されていることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記筐体は、
    遊技機の主電源の入切を行うための電源ユニットと、
    少なくとも前記電源ユニット及び前記演出制御基板に接続される非交換中継基板と、
    前記非交換中継基板の電気信号の出入り口になるとともに、この筐体の内部奥側に位置して前面側に臨む接続端子とを備え、
    前記交換ユニットは、少なくとも前記駆動モータ及び前記主制御基板に接続される交換中継基板と、
    前記交換中継基板の電気信号の出入り口となるとともに、前記交換ユニットの背面側に臨む接続端子とを備え、
    前記交換ユニットを前記筐体の前記正面開口部から差し込むことにより、前記非交換中継基板の前記接続端子と前記交換中継基板の前記接続端子とが接続されて、前記電源ユニットと前記駆動モータ及び前記主制御基板とが接続されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の遊技機。
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