JP2008282775A - 透過型電子顕微鏡及び撮影方法 - Google Patents

透過型電子顕微鏡及び撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】収差の影響を回避した連続視野像を撮影することができる透過型電子顕微鏡を提供する。
【解決手段】試料の所定の領域全体の電子線像を得るために、撮像装置の視野において収差の少ない領域を特定し、この領域を単位に試料ステージを移動しながら、前記領域全体を複数の連続する視野像として撮影する。
【選択図】図1

Description

本発明は、透過型電子顕微鏡と、透過型電子顕微鏡による撮影方法に関する。
透過型電子顕微鏡で試料を観察する場合、レンズの特性上、拡大像に回転収差や歪み収差などの収差が出現する。低倍率での観察では、特にこの影響が顕著になる。ところが、透過型顕微鏡によって非常に低倍率で広視野を観察することが、特に病理診断などの応用分野で求められている。
このようなニーズに対応する場合、従来は、レンズ構成を変更したり、あるいは、記録媒体の視野範囲、例えば、フィルムへの記録範囲を変更したりして、極力、レンズ収差が視野内に含まれないようにしていた。
一方、最近の透過型電子顕微鏡では、画像の記録媒体として、フィルムの代わりに、CCDカメラが使用される。しかし、汎用的なCCDカメラの場合、画素サイズの限界のため、フィルムと同等の解像度のデジタル画像を得ることは不可能である。そこで、画像の解像度を上げるために、つなぎ写真を撮影する手法が用いられる。
特許文献1には、試料を複数の区画に分割し、各区画ごとの電子線走査で得られる画像データをフレームメモリに記録して低倍率画像を表示することが記載されている。
特開平7−130319号明細書
つなぎ写真を撮影する場合、画像に収差があると画像を連結することができないという問題が生じていた。従来の技術では、画像に出現した収差領域を除去したり、画像補正する手段が講じられていなかったため、収差の影響を回避した連続視野を撮影することができなかった。
本発明は、上述したことを鑑みて成されたものであり、収差の影響を回避した連続視野像を撮影することができる透過型電子顕微鏡を提供することを目的とするものである。
本発明の透過型電子顕微鏡は、試料の所定の領域全体の電子線像を得るために、撮像装置の視野において収差の少ない領域を特定し、この領域を単位に試料ステージを移動しながら、前記領域全体を複数の連続する視野像として撮影する。
本発明によれば、収差の影響を回避した連続視野像を撮影することができる透過型電子顕微鏡が提供される。
以下、図面を参照して本発明の透過型電子顕微鏡の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の透過型電子顕微鏡の構成の一例を示す概略図である。電子顕微鏡本体1の電子銃2より放出された電子線3は、照射レンズ4によって、試料ステージに保持されている試料Sに照射されるようになっている。そして、試料Sを透過した電子線3は、対物レンズ6と拡大レンズ系7により拡大され、CCDカメラ等の撮像装置8に投影される。
電子銃2は、電子銃制御装置11によって制御される。照射レンズ4は、照射レンズ制御装置12によって制御される。対物レンズ6は、対物レンズ制御装置13によって制御される。拡大レンズ系7は、拡大レンズ系制御装置14によって制御される。試料ステージ制御機構5は、試料ステージ駆動機構制御装置15によって制御される。電子銃制御装置11と、照射レンズ制御装置12と、対物レンズ制御装置13と、拡大レンズ系制御装置14と、試料ステージ駆動機構制御装置15とは、観察条件制御装置を構成する。
試料Sを透過した電子線3は、シンチレータ板とCCDなどの撮像素子とを備えた撮像装置8に投影され、撮像装置制御装置16に供給されて画像信号に変換される。その画像信号が、モニタ17上に画像として表示される。また、このとき、撮像装置制御装置16から出力された画像信号は、画像処理装置18に供給され、画像データとして記憶され、保存される。画像処理装置18には、キーボードなどの所定の入力機器19と、画像表示用モニタ20と、解析用モニタ21が接続される。
電子顕微鏡本体1の下端部はカメラ室9を形成し、その中に蛍光板10が設けてある。従って、図示してない機構を用い、撮像装置8を電子線3の経路から外すことにより、電子線3による試料Sの拡大画像が蛍光板10の面上で観察できる。
本発明の電子顕微鏡では、撮像装置8による視野像において収差量が許容範囲である領域を予め確認しておき、試料の所望の撮影範囲を撮影する際、前記領域を単位として移動ステージを駆動しながら連続視野像を撮影し、撮影された連続視野像を結合して一枚のつなぎ画像を得る。
電子顕微鏡の撮影条件設定装置、すなわち、電子銃制御装置11と、照射レンズ制御装置12と、対物レンズ制御装置13と、拡大レンズ系制御装置14と、試料ステージ駆動機構制御装置15のそれぞれが、画像処理装置18に所定の伝送線路で結合され、相互にデータの授受が行えるようになっており、画像処理装置18によって、試料ステージの駆動制御や、各レンズの観察条件が設定できるように構成されている。
このため、画像処理装置18は、例えば、所定のプログラムが搭載されたコンピュータを備え、これにより、上記した観察条件制御装置の各々に供給してそれらを制御するのに必要な制御データを生成することができるように構成されている。
試料の撮影に際し、オペレータは、撮影対象となる試料Sを準備し、電子顕微鏡を操作して、所定の撮影条件を設定する。このときの操作は、入力機器19を用いて行われ、電子銃制御装置11と、照射レンズ制御装置12と、対物レンズ制御装置13と、拡大レンズ系制御装置14に、それぞれ所定の制御データを入力し、所望の加速電圧、倍率、観察モードが得られるようにする。このとき、試料ステージ駆動機構5の位置座標が、試料ステージ駆動機構制御装置15に接続された画像処理装置18へ自動的に伝送される。
試料Sの所望の部分が撮影範囲になるように、試料ステージ駆動機構5を動かす。このときも、試料ステージの駆動と同期して、試料ステージ駆動機構5の位置座標は、試料ステージ駆動機構制御装置15から画像処理装置18へ伝送され、試料ステージの駆動状態が常にモニタされるようになっている。試料ステージの駆動状態は、モニタ20上にも表示される。このとき、モニタ20上に、試料ステージの移動した跡がマークされるようにしてもよい。これによって、試料ステージの動きがより見やすくなる。画像処理装置18には、試料ステージの位置情報のほか、試料ステージの移動量、連続視野像の撮影枚数、撮影範囲の指定など、試料ステージの駆動条件を制御する機構が組み込まれている。
試料Sの撮影時、オペレータは、画像処理装置18に、連続視野像枚数や撮影開始位置などの駆動条件を設定する。このときの操作は、入力機器19を用いて行われるが、画像処理装置18が自動的に設定する条件があってもよい。また、試料ステージの移動速度を変更できるようにしてもよい。試料の電子線照射による熱ドリフトを防止するため、視野撮影の前に待ち時間を設けてもよい。さらに、試料ステージの機械的なドリフトを防止するために、試料ステージ駆動機構制御装置15を、駆動軸方向に対して機械的に大きく外して、試料ドリフトを緩和する動作を導入してもよい。
このような本発明の透過型電子顕微鏡の動作を、フローチャートを用いて以下に詳細に説明する。本実施形態では、“画像記録処理”と“画像解析処理”が、画像処理装置18によって行われる。“画像記録処理”とは、試料S上の所望の撮影範囲について、試料ステージ駆動機構と連動して、連続的に視野像を撮影する処理である。“画像解析処理”とは、“画像記録処理”によって撮影された連続視野像を連結する処理のことである。
図2は、本実施形態の“画像記録処理”の動作を説明するフローチャートである。ステップS201において、モニタ20に表示される試料Sの画像を見ながら、入力機器19によって、撮影範囲、連続視野像の撮影枚数、試料ステージの駆動速度、視野移動の際の待ち時間など、撮影条件を入力する。連続視野像の撮影枚数は、後述するように、最終的に出力されるつなぎ画像の解像度等から画像処理装置18が算出してもよい。ステップS202において、入力機器19によって、試料移動の条件(開始点、終点)を設定する。
ステップS203において、試料ステージ駆動機構制御装置15は、試料ステージを移動する。ステップS204において、撮像装置8に画像が投影される。ステップS205において、画像処理装置18は、撮像装置8に投影された画像を処理し、拡大レンズ系制御装置14に伝送する。ステップS206において、拡大レンズ系制御装置14は、伝送された画像に基づいて、拡大レンズ系7によって画像の焦点を合わせる。ステップS207において、画像処理装置18は、焦点の合った画像(視野像)を保存する。同時にステップS208において、画像処理装置18は、試料位置や撮影条件などの画像条件を保存する。ステップS209において、撮影範囲全体が撮影されたかどうかを判定し、されていなければステップS203に戻り、ステージを移動し、次の視野像の撮影を行う。撮影範囲全体が撮影されたら動作を終了する。
ステップS201の撮影条件の設定において、視野像の大きさは、最終的に出力される撮影範囲の画像の解像度に応じて変更できるように設定される。このような視野像の設定について、図3のフローチャートを用いて以下に説明する。
ステップS301において、連続視野像結合後に最終的に出力される撮影範囲全体の画像の画素数を設定する。出力画像の最終出力画像の解像度をD(単位dpi:dot per inch,1インチ当たりのドット数)、出力画像のサイズを、縦方向(x方向)がH(ピクセル)、横方向(y方向)がV(ピクセル)とすると、出力画像の画素数Px、Py(ピクセル)は、
Px=H×D/U
Py=V×D/U
(Uは1インチ)
となる。
ステップS302において、撮像装置8の画素数を設定する。
ステップS303において、撮影回数を導出する。画素数m×n(ピクセル)の撮像装置8を用いて撮影するとき、隣接する視野を撮影するときの撮像装置8の撮像素子上での重なり量をΔp(ピクセル)とすると、撮影回数Tは、x方向及びy方向のそれぞれの回数の積として、
T=Tx×Ty
Tx=integer〔(Px−Δp)/(m−Δp)+0.5〕
Ty=integer〔(Py−Δp)/(n−Δp)+0.5〕
となる。
ステップS304において、ステージ移動量を設定する。撮影領域について、x方向及びy方向での試料ステージ移動量は、
ΔX=X/(Tx−1)
ΔY=Y/(Ty−1)
となる。
ステップS305において、設定すべき倍率を導出する。本実施例では、出力画像の解像度、画素サイズ及び撮影領域から、設定すべき倍率が自動的に導出される。すなわち、設定すべき倍率Mは、撮像装置8の撮像素子上の撮影範囲をW(μm)、光学系の縮小率をRとすると、
X/Tx×M×R=W
∴M=W×Tx/(X/R) (=W×Ty(Y/R))
となる。
ただし、ここで導出された、解像度、撮影領域、画素サイズを満足する画像を撮影するために設定すべき倍率は、離散的数値であるので、ステップS306において再設定する。すなわち、Mに最も近似で、1≦M/M’(=k)となる倍率M’に設定する。
このように設定された倍率M’に基づいて、ステップS307において、実際の撮影範囲を設定する。実際の試料上での撮像範囲X’、Y’は、
M=W×Tx/(X×R) (=W×Ty/(Y×R))
M’=W×Tx/(X’×R) (=W×Ty/(Y’×R))
X’=kX
Y’=kY
となる。
ステップS307において、実際の試料ステージの移動量を設定する。ここでもM’に基づいて、
ΔX’=X’/(Tx−1)
ΔY’=Y’/(Ty−1)
となる。
これらの条件を撮影パラメータとして、画像処理装置18に入力する。
試料ステージの駆動機構制御装置15の各視野への移動量は、収差の大きい領域を含まない領域に限定してもよい。
試料をメッシュ状に孔の空いた試料支持体に転載するようにしてもよい。このようにした場合、電子線が通過するメッシュの孔部分の画像のみを撮影するようにすることができる。
試料が載っているメッシュの孔だけを移動する場合、まず、メッシュの金属部分の幅を画像処理装置18に入力する。
次に、試料ステージの開始位置と移動方向の設定は、前記と同様に、試料ステージ駆動機構5による試料ステージの移動方向を、開始点と次の移動先の地点とを結ぶ直線に平行な方向とすることによって行われる。
試料ステージが移動してメッシュの金属部分に達すると、この部分は電子線が通過しないので、撮像装置8には画像信号が送られなくなる。このように撮像装置8において画像信号が消失したことを、別のシグナルとして画像処理装置18が受け取り、続いて、試料ステージ駆動機構制御装置15にもそのシグナルが送られ、移動領域のエンドに達したとして、自動的に、前記と同様に、試料ステージの駆動機構5によってXY方向のいずれか一方向、すなわち、前列の移動方向と平行で、かつ移動先が前列とは逆方向になる位置を、次列の試料ステージの移動方向として、次列目の移動先を決定する。これを、メッシュの孔全体に対して行う。
次の孔への移動は、前もって画像処理装置18に入力したメッシュの金属部分の幅を基にして、移動量を設定することによって行われる。すなわち、メッシュ孔の最終領域に達すると、この領域では電子線が通過しないので、撮像装置8に画像信号が送られなくなる。そのような状態を感知したら、すなわち、撮像装置8に画像信号が送られなくなったら、画像処理装置18は、メッシュの金属部分の幅分に相当する移動量を試料ステージ駆動機構制御装置15に設定して、試料ステージ駆動機構5の移動量を制御する。
図4は、本実施形態の“画像解析処理”の動作を説明するフローチャートである。ステップS401において、画像処理装置18は、上述した“画像記録処理”によって取得された画像(連続視野像)を読み出す。ステップS402において、画像処理装置18は、大きい画像収差がある領域を含まない領域の選定や、画像収差の補正などの画像処理を行う。画像の収差補正については後述する。続いて、ステップS403において、補正画像を連結する。連結は、隣接する視野との重なった領域で画像を切出して、画像の相互相関をとる。相関値が最も大きい位置の座標から、最も連結が自然に繋がる画像の位置関係を導出して連結を行う。また、画像の位置情報に基づいて連結してもよい。さらにまた、補正画像を、画像処理装置18に付属した表示装置20に表示し、マニュアルで連結してもよい。ステップS405において連結した画像を表示する。
本実施形態では、“画像記録処理”と“画像解析処理”を並行して処理してもよい。画像を記録しながら、画像収差補正や連結処理を行うようにすることができる。
本実施形態では、連続視野は、画像の収差による影響が小さい領域で連結するようにしている。
収差の影響が大きい領域は、撮像した画像の収差を補正した画像を連結してもよい。
画像収差領域の導出及び画像補正の一例を説明する。図5及び6は、画像の歪曲収差とその補正方法を示す模式図である。図5は、回転収差とその補正方法を示し、図6は、歪み収差とその補正方法を示す。これらの図に示したように、試料上の試料上の対象物について、試料ステージを移動すると、収差の影響によって、試料の位置が試料ステージで制御した位置からずれる。
回転収差の場合、試料上の対象物の光軸中心からの離軸距離をrとすると、収差による回転Φは、次式で表される。
ΔΦ=tan−1(r×Kr) (1)
ここで、Krはレンズによる係数である。
つぎに、歪み収差(糸巻き型)がある場合、試料上の対象物の光軸中心からの離軸距離をrとすると、その収差量Δrは、次式で表される。
Δr=r×Kp×M (2)
(歪率=Δr/r=r×Kp×M)
ここで、Kpはレンズによる係数、Mはレンズ倍率である。
続いて、図7及び図8に示すように、式(1)および(2)のレンズ係数を次の手順により導出する。まず、光軸上の視野中心に、目標とする対象物を試料ステージで移動する。この時の試料位置を基準として、ある移動量r(=(X +Y 1/2)、試料ステージの制御により対象物を移動して、実際の移動量を測定する。回転収差および歪み収差におけるそれぞれの実測値rおよびΦは次式のようになる。
r=r+Δr=r+Kr×r (3)
Φ=Φ+ΔΦ=Φ+tan−1Kp×r (4)
ただし、Φ=tan−1(Y/X)、Φ=tan−1(Y/X)である。式(3)および(4)より、KrおよびKpは、
Kr=(r−r)/r
Kp=(tan(Φ−Φ))/r
として求められる。
このようにして実験的に導出したKr、Kpを用いれば、光軸からの距離、倍率から収差量が導出できる。この収差量がΔr/r<A、ΔΦ<Bを満たすrの範囲を求め、この値をもとに次の視野への移動量とすれば、収差の影響の小さい画像を取込むことができる。尚、A、Bは、予め許容される収差量(例えばA=1%、B=0.1°)を設定しておく必要がある。また、R=MAX(r)とすれば、ステージ移動量は、図6に示すように(√2−δ)/Mとなる。このときのδ(≧0)は、重なり量である。
本実施形態では、収差を補正した画像を連結することができる。ここでは、前述した実験的に導出されたKrおよびKpを用いて画像歪みを補正する手順について説明する。
まず、画像I(X,Y)を以下のようにで座標変換して、I(X,Y)を求める。すなわち、式(3)より、r の三次方程式、
+p×r+q=0 (p=1/Kr,q=−r/Kr)
となる。したがって、
=(−q/2+((q/2)+(p/3)1/21/3
+(−q/2−((q/2)+(p/3)1/21/3 (5)
Φ=Φ−tan−1(Kp×r ) (6)
式(5)および(6)より、
=r×cosΦ
=r×sinΦ
となり、座標変換された補正画像が求まる。
したがって、本発明の透過型電子顕微鏡によれば、画像の収差を補正した連続視野撮影が行えるので、歪みのない広視野観察が可能である。また、前述のように試料像の収差を含まない領域だけを用いて、連続視野を作製することによって、歪みのない広視野像を得ることができる。撮影領域の選択は、倍率に依存して可変できるので、倍率に依存する収差の影響を回避して、鮮明な連続視野像を得ることができる。特に、低倍率においても歪みのない鮮明な広視野観察が可能である。試料ステージの移動単位を、収差が大きい領域を含まない視野領域とすることによって、歪みのない連続視野撮影ができる。また、試料像の撮像にデジタルカメラを用いる場合、画像密度が一定になるように撮影視野数を設定するので、画像の解像度を損なわずに、デジタル画像の連続視野観察が可能である。
ここで、従来技術の場合、画像に出現した収差領域を除去したり、画像補正する手段が講じられていないため、収差の影響を回避した連続視野を撮影することができなかった。
最終的な解像度を考慮した撮影パラメータを設定するようになっていないので、各画像の解像度を維持したまま、連続視野を撮影することはできなかった。
本発明によると、透過型電子顕微鏡において、画像収差を補正した画像を用いて、連続視野を連結することによって、像歪みのない広視野観察像を得ることができる。画像収差を含まない領域のみを選択して、連続視野を撮影することによって、効率よく、連続視野を連結することができる。画像連結には、補正画像について画像相関などの画像処理を行うので、正確に連結することができる。
また、撮影領域をあらかじめ、設定したら、各画像の解像度を損なうことなく、つなぎ写真を得るために、連続視野撮影枚数を設定することができる。
本発明は、透過型電子顕微鏡に利用可能である。
本発明の透過型電子顕微鏡の構成の一例を示す概略図である。 画像記録処理の動作を説明するフローチャートである。 連続視野撮影領域の設定の動作を説明するフローチャートである。 画像解析処理の動作を説明するフローチャートである。 画像の回転収差とその補正方法を示す模式図である。 画像の歪み収差とその補正方法を示す模式図である。 画像の回転収差とレンズ係数を説明する模式図である。 画像の歪み収差とレンズ係数を説明する模式図である。
符号の説明
1 電子顕微鏡本体
2 電子銃
3 電子線
4 照射レンズ
5 試料ステージ制御機構
6 対物レンズ
7 拡大レンズ系
8 撮像装置
9 カメラ室
10 蛍光板
11 電子銃制御装置
12 照射レンズ制御装置
13 対物レンズ制御装置
14 拡大レンズ系制御装置
15 試料ステージ駆動機構制御装置
16 撮像装置制御装置
17 モニタ
18 画像処理装置
19 入力機器
20 画像表示用モニタ
21 解析用モニタ

Claims (12)

  1. 電子線を発生する電子銃と、
    発生した電子線を集束する集束光学系と、
    試料を搭載する試料ステージと、
    前記試料ステージを駆動する駆動部と、
    試料を透過した電子線像を拡大する拡大光学系と、
    拡大された電子線像を撮影する撮像装置と、
    前記装置各部を制御すると共に、撮影された電子線像を記録・処理する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記電子線像の視野中の収差量が所定の値以下の所定の領域を移動単位として前記試料ステージを順次移動させ、複数の連続視野像として撮影することを特徴とする透過型電子顕微鏡。
  2. 前記制御部は、前記移動ステージの移動量を撮影した視野像と対応付けて記録することを特徴とする請求項1記載の透過型電子顕微鏡。
  3. 前記制御部は、撮影された複数の連続視野像を連結することを特徴とする請求項1記載の透過型電子顕微鏡。
  4. 前記制御部は、撮影された複数の連続視野像を、収差補正した後、連結することを特徴とする請求項1記載の透過型電子顕微鏡。
  5. 撮影範囲を入力する入力部をさらに備え、
    前記制御部は、入力された撮影範囲全体を複数の連続視野像として撮影することを特徴とする請求項1記載の透過型電子顕微鏡。
  6. 前記制御部は、前記撮影範囲を所定の解像度で撮影するように連続視野像の数を設定することを特徴とする請求項5記載の透過型電子顕微鏡。
  7. 電子線を試料ステージに搭載された試料に照射する電子線照射ステップと、
    前記試料を透過した電子線像を拡大する電子線像拡大ステップと、
    前記電子線像の視野中の収差量が所定の値以下の所定の領域を移動単位として前記試料ステージを順次移動させる試料ステージ移動ステップと、
    前記試料ステージの移動と連動して前記拡大された電子線像を撮影する撮影ステップとを含むことを特徴とする透過型電子顕微鏡による撮影方法。
  8. 前記移動ステージの移動量を撮影した視野像と対応付けて記録する移動量記録ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7記載の透過型電子顕微鏡による撮影方法。
  9. 撮影された複数の連続視野像を連結する視野像連結ステップをさらに備えることを特徴とする請求項7記載の透過型電子顕微鏡による撮影方法。
  10. 撮影された複数の連続視野像を収差補正する収差補正ステップと、
    収差補正された連続視野像を連結する視野像連結ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項7記載の透過型電子顕微鏡による撮影方法。
  11. 撮影範囲を入力する撮影範囲入力ステップをさらに含み、
    前記撮影ステップにおいて、前記撮影範囲入力ステップで入力された撮影範囲全体を複数の連続視野像として撮影することを特徴とする請求項7記載の透過型電子顕微鏡による撮影方法。
  12. 前記撮影ステップにおいて、前記撮影範囲を所定の解像度で撮影するように連続視野像の数を設定することを特徴とする請求項11記載の透過型電子顕微鏡による撮影方法。
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